JPH10130319A - エチレン系重合体用触媒製造及び重合体の製造法 - Google Patents

エチレン系重合体用触媒製造及び重合体の製造法

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JPH10130319A
JPH10130319A JP30365996A JP30365996A JPH10130319A JP H10130319 A JPH10130319 A JP H10130319A JP 30365996 A JP30365996 A JP 30365996A JP 30365996 A JP30365996 A JP 30365996A JP H10130319 A JPH10130319 A JP H10130319A
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chromium
ethylene polymer
ethylene
polymer
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JP30365996A
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Hisashi Monoi
尚志 物井
Hidenobu Torigoe
秀信 鳥越
Masakazu Yamamoto
雅一 山本
Shinya Waki
信也 脇
Shintaro Inasawa
伸太郎 稲沢
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NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
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NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来知られているエチレン系重合体用触媒に
比較し、特に広い分子量分布(MW /MN )が80〜1
50を有するエチレン系重合体を確実に製造できるエチ
レン系重合体用触媒の製造方法、それを使用したエチレ
ン系重合体の製造方法及び分子量分布(MW /MN )が
80〜150のエチレン系重合体の提供。 【解決手段】 ハロゲン化クロム化合物と環状ポリアミ
ン化合物からなる多座配位錯体とシリルアミド塩をモル
比を1:1〜1:3で反応させ、この反応生成物を無機
酸化物固体に対し、クロム原子として0.01〜10w
t%を担持させて固体成分を作り、該固体成分をアルモ
キサンとアルミニウム原子/クロム原子の比が1〜10
00の割合になるように反応させたエチレン系重合体用
触媒の製造方法及びそれを使用したエチレン系重合体の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン系重合体
用触媒の製造方法及びそれを使用してエチレン系重合体
の製造方法に関する。さらに詳しくは、クロム触媒を用
いて分子量分布の広いエチレン重合体、あるいはエチレ
ンとα−オレフィンとの共重合体を製造するのに有効な
触媒の製造方法並びにそれを使用してエチレン系重合体
を製造する方法およびその方法で得られるエチレン系重
合体に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン単独重合体およびエチレンを主
要成分とするエチレンとα−オレフィンとの共重合体
(以下、両者を併せてエチレン系重合体という。)は、
広範な分野のフィルム、各種の成型品あるいは接着剤な
どの樹脂材料として、広く用いられている。そしてエチ
レン系重合体はその成型方法と用途によって要求される
特性が異なっている。例えば、射出成型法によって成型
される製品には分子量が比較的低く、狭い分子量分布を
有する重合体が適しているが、フィルム成型やブロー成
型などによって成型される製品には、分子量が比較的高
く、分子量分布の広い重合体が適している。この場合、
エチレン系重合体の分子量分布は、流動性(成形性)に
強い影響があり、フィルムやブロー製品の表面肌に関係
しており、分子量分布が広い樹脂材料を使用するほど成
型品の表面肌荒れが少ない製品が得られている。すなわ
ち、分子量分布が広い時は、高い平均分子量を有するエ
チレン系重合体の場合でも流動性がよく、成型品の表面
肌にメルトフラクチャーを生ずることのない高品質の製
品を得ることができる。
【0003】従来より、分子量分布の広いエチレン系重
合体は、三酸化クロム、あるいは触媒調製の際の活性化
条件下で三酸化クロムに酸化し得る任意のクロム化合物
を、シリカなどの無機酸化物固体に坦持させたいわゆる
フィリップス触媒を用いることにより得られることは良
く知られている。また、特公昭44−2996号、特公
昭44−3827号あるいは特公昭47−1766号な
どに記載されているように、クロム酸エステル類をシリ
カなどの無機酸化物固体に坦持させた触媒によっても広
い分子量分布のエチレン系重合体が得られる。更に、米
国特許5,104,841号、米国特許5,137,9
97号に記載されているように、二塩化クロムとリチウ
ムビス(トリメチルシリル)アミドの反応生成物を無機
酸化物固体に坦持させた触媒によっても広い分子量分布
のエチレン系重合体が得られている。これ以外にも、特
表平7−503739号に記載されているように、クロ
ムアセチルアセトナートをシリカに坦持した触媒成分に
およびアルモキサンを併用した触媒系によっても、従来
の触媒系に比較して広い分子量分布を有するエチレン系
重合体が得られている。
【0004】しかし、これらの提案された触媒系によっ
て得られるエチレン系重合体は、重量平均分子量(M
W )に対する数平均分子量(MN )の比で表わされる分
子量分布(MW /MN )はせいぜい5〜70程度であ
り、用途によってはこれ以上に分子量分布の広いエチレ
ン系重合体が要求される場合がある。最近、特開平5−
221882号に、ハロゲン化クロム化合物と環状ポリ
アミン化合物からなる多座配位錯体およびアルモキサン
から成る触媒によって1−ヘキセンに富むα−オレフィ
ンの製造方法が開示された。この触媒系は新規なクロム
触媒系であるが1−ヘキセン製造を目的にしており、比
較例には重合体を与える例が記載されているものの、い
かなる性状のエチレン系重合体が得られたかについては
記載されておらずまったく不明である。他にもハロゲン
化クロム化合物と環状ポリアミン化合物から成る多座配
位錯体をエチレン系重合体の製造を目的に用いた例は知
られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来知られ
ているエチレン系重合体用触媒に比較し、より広い分子
量分布を有するエチレン系重合体、特に広い分子量分布
(MW /MN )が80〜150と極めて広いエチレン系
重合体、を確実に製造できるエチレン系重合体用触媒の
製造方法、それを使用した分子量分布(MW /MN )の
広いエチレン系重合体の製造方法、及び分子量分布(M
W /MN )が80〜150のエチレン系重合体を開発す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて鋭意検討した結果、(1) ハロゲン化クロム
化合物と環状ポリアミン化合物から成る多座配位錯体と
シリルアミド塩との反応生成物を無機酸化物固体に坦持
後、アルモキサンと反応させるエチレン系重合体用触媒
の製造方法、(2) ハロゲン化クロム化合物と環状ポ
リアミン化合物からなる多座配位錯体とシリルアミド塩
をモル比が1:1〜1:3で反応させ、この反応生成物
を無機酸化物固体に対し、クロム原子として0.01〜
10wt%を担持させて固体成分を作り、該固体成分を
アルモキサンとアルミニウム原子/クロム原子の比が1
〜1000の割合になるように反応させた(1)記載の
エチレン系重合体用触媒の製造方法、(3) ハロゲン
化クロム化合物と環状ポリアミン化合物からなる多座配
位錯体とシリルアミド塩を、不活性炭化水素溶媒中でモ
ル比が1:1〜1:3で反応させ、この反応生成物を無
機酸化物固体に対し、クロム原子として0.05〜5w
t%を担持させて固体成分を作り、該固体成分をアルモ
キサンとアルミニウム原子/クロム原子の比が5〜30
0の割合になるように反応させた(1)記載のエチレン
系重合体用触媒の製造方法、(4) (1)または
(2)のいずれかに記載の、ハロゲン化クロム化合物と
環状ポリアミン化合物からなる多座配位錯体、シリルア
ミド塩、無機酸化物固体およびアルモキサンからなる触
媒を用いるエチレン系重合体の製造方法、及び(5)
(4)記載の方法によって得られる分子量分布(MW
N )が80〜150のエチレン系重合体を開発するこ
とにより上記の目的を達成した。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明に用いるハロゲン化クロム化合物としては、
三ハロゲン化クロム化合物が好ましく、三塩化クロム、
三フッ化クロム、三臭化クロム、三ヨウ化クロムなどの
ようなハロゲン化物が挙げられ、なかでも三塩化クロム
または三臭化クロムが好ましい。また、三塩化クロムの
テトラヒドロフラン錯体CrC13 ・3THFも好まし
く用いられる。
【0008】環状ポリアミン化合物[クラウンエ−テル
に対して用いられるのと同等の略号A−NR−B(Aは
9〜18の整数、Bは3〜6の整数、RはC1 〜C10
アルキル基またはC6 〜C20の芳香族基)で表される化
合物であり、例えば9−NR−3は9員環で3つの窒素
原子を含むことを示す。]として好ましく用いられる化
合物としては、1,3,5−トリアルキル−1,3,5
−トリアザシクロヘキサン(6−NR−3)、1,4,
7−トリアルキル−1,4,7−トリアザシクロノナン
(9−NR−3)または1,5,9−トリアルキル−
1,5,9−トリアザシクロドデカ(12−NR−3)
であり、特に好ましく用いられる化合物としては、1,
3,5−トリメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキ
サン(6−NMe−3)、1,4,7−トリメチル−
1,4,7−トリアザシクロノナン(9−NMe−3)
または1,5,9−トリメチル−1,5,9−トリアザ
シクロデカン(12−NMe−3)である。1,3,5
−トリメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン
(6−NMe−3)、1,4,7−トリメチル−1,
4,7−トリアザアシクロノナン(9−NMe−3)お
よび1,5,9−トリメチル−1,5,9−トリアザシ
クロデカン(12−NMe−3)は市配されており、三
塩化クロム、三臭化クロムまたは三塩化クロムのテトラ
ヒドロフラン錯体CrCl3 ・3THFのようなハロゲ
ン化クロム化合物とテトラヒドロフランのようなエーテ
ル系溶媒中で反応させることにより、容易に3座配位錯
体を形成することが文献により知られている(Inor
g・Chem.,21,3086(1982)、Ino
rg.Chem.,26,3302(1987)、An
gew.Chem.Int.Ed.Eng.,33,1
877(1994))。
【0009】シリルアミド塩としては、一級および/ま
たは二級シリルアミンとアルカリ金属および/またはア
ルカリ土類金属とを反応させて得られるシリルアミド塩
が用いられる。具体例として、リチウムビス(トリメチ
ルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド、リチウムビス(トリエチルシリル)アミ
ド、ナトリウムビス(トリエチルシリル)アミドなどの
ようなビス(トリアルキルシリル)アミド塩が好まし
い。
【0010】ハロゲン化クロム化合物と環状ポリアミン
化合物から成る多座配位錯体とシリルアミド塩との反応
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどのような不活性炭化
水素溶媒中で行われる。ハロゲン化クロム化合物と環状
ポリアミン化合物から成る多座配位錯体とシリルアミド
塩との反応は1:1〜1:3のモル比で行うことが好ま
しい。反応温度は−78℃〜溶媒の沸点、好ましくは−
20℃〜50℃、また反応時間は10分〜48時間、好
ましくは30分〜24時間である。例えば三塩化クロム
と1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリアザシク
ロヘキサン(6−NMe−3)から成る多座配位錯体と
リチウムビス(トリメチルシリル)アミドとの反応の場
合には、反応の結果塩化リチウムが折出するが、濾過に
よりこの折出塩を除去後、反応生成物とする。
【0011】無機酸化物固体としては、周期律表第2、
4、13または14族の金属の酸化物であり、具体的に
は、マグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカ、アル
ミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−
ジルコニア、リン酸アルミニウムまたはこれらの混合物
などが挙げられる。これらの中で好ましいのはシリカ−
アルミナ、シリカである。これらの無機酸化物固体の特
性としては、比表面積が50〜1000m2 /g、好ま
しくは200〜800m2 /g、細孔体積が0.5〜
3.0cm2 /g、好ましくは1.0〜2.5cm2
g、平均粒径が10〜200μm、好ましくは50〜1
50μmの範囲のものならば好ましく用いられる。無機
酸化物固体は、使用される前に予め吸着した水分を除去
し、焼成しておくことが望ましい。無機酸化物固体の焼
成は、通常モレキュラージーブ流通下、乾燥した窒素ガ
ス気流中で、100〜900℃、好ましくは400〜8
00℃の温度範囲(実施例では500℃)、30分〜2
4時間行われる。充分な量の窒素ガスを供給し無機酸化
物固体を流動状態において乾燥させることが好ましい。
【0012】アルモキサンは、本発明の分野でよく知ら
れている化合物である。その製造方法および構造はPo
lyhedron.,429〜453(1990)、
Ziegler Catalysts,G.Finke
t al.(Eds.)57〜82,Spriner−
Verlag(1995)などに詳しく記載されてい
る。本発明に用いられるアルモキサンとしては、下記一
般式(1)、または(2)で表される化合物が挙げられ
る。
【0013】
【化1】
【化2】
【0014】上記式中、R1 は、メチル基、エチル基、
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などの炭化水
素基であり、好ましくは、メチル基、イソブチル基であ
る。pは1から100の数を示し、好ましくは4以上、
特に好ましくは8以上の数を示す。この種の化合物の製
法は公知であり、例えば結晶水を有する塩類(硫酸銅水
和物、硫酸アルミニウム水和物等)のペンタン、ヘキサ
ン、ペプタン、シクロヘキサン、デカン、ベンゼン、ト
ルエン等の不活性炭化水素溶媒の懸濁液に、トリアルキ
ルアルミニウムを添加して製造する方法や、不活性炭化
水素溶媒中のトリアルキルアルミニウムに、固体、液体
あるいは気体状の水を作用させて製造する方法がある。
また、下記一般式(3)または(4)で示されるアルミ
キサンを用いてもよい。
【0015】
【化3】
【化4】
【0016】上記式中、R2 は、メチル基、エチル基、
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などの炭化水
素基であり、好ましくは、メチル基、イソブチル基であ
る。また、R3 はメチル基、エチル基、プロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基などの炭化水素基、あるいは
塩素、臭素等のハロゲンあるいは水素、水酸基から選ば
れ、R2 とは異なった基を示す。q及びrは通常1から
100であり、好ましくは3以上であり、q+rは2か
ら100、好ましくは6以上である。一般式(3)ある
いは(4)において、下記のユニット
【0017】
【化5】
【化6】
【0018】はブロック的に結合したものでも、規則的
あるいは不規則的にランダムに結合したものでも良い。
このようなアルモキサンは、前述した一般式のアルモキ
サンと同様の方法で、1種類のトリアルキルアルミニウ
ムの代わりに、2種以上のトリアルキルアルミニウムを
用いるか、1種類以上のトリアルキルアルミニウムと、
1種類以上のジアルキルアルミニウムモノハライドある
いはジアルキルアルミニウムモノハイドライドなどを用
いて製造することができる。
【0019】ハロゲン化クロム化合物と環状ポリアミン
化合物から成る多座配位錯体とシリルアミド塩との反応
生成物を無機酸化物固体に坦持する場合には、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどのような不活性炭化水素溶媒中
で行う。無機酸化物固体に坦持する上記反応生成物の量
がクロム原子としての坦持量が0.01〜10wt%、
好ましくは0.05〜5wt%となるような量を添加す
る。反応温度は−78℃〜溶媒の沸点、好ましくは−2
0℃〜50℃、また反応時間は10分〜24時間、好ま
しくは30分〜5時間である。坦持反応後、溶媒を真空
下で除去する方法、または濾過によって分離する方法に
よって流動性の良い固体成分が得られる。
【0020】上記固体成分をアルモキサンと反応させる
場合には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのような不活
性炭化水素中で行う。固体成分中のクロム原子に対し
て、反応に用いるアルモキサン中のアルミニウム原子
が、アルミニウム原子/クロム原子比=1〜1000、
好ましくは5〜300となるような量で反応を行うのが
好ましい。反応温度は−78℃〜溶媒の沸点、好ましく
は−20℃〜50℃、また反応時間は10分〜24時
間、好ましくは30分〜5時間である。反応後、溶媒を
真空下で除去する方法、また濾過によって分離する方法
により流動性の良い触媒が得られる。
【0021】本発明のエチレン系重合体の重合を実施す
るにあたり、重合方法としてはスラリー重合、溶液重合
のような液相重合法、あるいは気相重合法などが適用可
能である。液相重合法は通常炭化水素溶媒中で実施され
るが、炭化水素溶媒としてはブタン、イソブタン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの不活性炭化水素の単独または混合物が用いられ
る。重合温度は一般には0〜300℃であり、実用的に
は20〜200℃である。反応器中の触媒濃度およびエ
チレン分圧は重合を進行させるのに十分なものであれば
任意の濃度および圧力でよい。また、分子量調節のため
に重合系内に水素などを共存させることができる。さら
に、必要に応じて、エチレンと共に、プロピレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1
−オクテンなどのα−オレフィンを単独または2種以上
用いてエチレン共重合体を得ることができる。
【0022】本発明の方法を実施することによって、数
平均分子量(MN )が2,000〜5,000、重量平
均分子量(MW )が200,000〜600,000
で、分子量分布(MW /MN )が80〜150の分子量
分布の広いエチレン系重合体を得ることができる。以下
に実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0023】
【実施例】実施例および比較例において、生成エチレン
重合体の分子量および分子量分布はゲル透過クロマトグ
ラフ(GPC)により測定し、数平均分子量(MN )お
よび重量平均分子量(MW )を求めた。分子量分布はM
wのMnに対する比率(MW /MN )で表わされ、MW
/MN が大きいほど分子分布が広い。測定条件は以下の
ようである。 装置:WATERS 150Cモデル、 カラム:Shodex−HT806M、 溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン、 温度:135℃、 サンプル濃度:2mg/5ml、 単分散ポリスチレンフラクションを用いてユニバーサル
評定。
【0024】(実施例1) (1)ハロゲン化クロム化合物と環状ポリアミン化合物
から成る多座配位錯体の合成 Angew.Chem.Int.Ed.Eng.,
,1877(1994)に記載の方法により、ハロゲ
ン化クロム化合物としてCrCl3 を、環状ポリアミン
化合物として1,3,5−トリメチル−1,3,5−ト
リアザシクロヘキサン(6−NMe−3)を用いてこれ
らの多座配位錯体を合成した。すなわち、CrCl3
3THF錯体(Aldrich社製)800mg(2.
1mmol)にテトラヒドロフラン80mlを加え溶解
した。室温で1,3,5−トリメチル−1,3,5−ト
リアザシクロヘキサン(6−NMe−3)(東京化成
製)0.68ml(4.8mmol)を添加し、30分
撹拌した。濾過により生成した紫色固体を分離し、ジエ
チルエーテルで洗浄した。真空下で乾燥し、多座配位錯
体540mgを得た。 (2)多座配位錯体とリチウムビス(トリメチルシリ
ル)アミドとの反応 上記(1)で得られた多座配位錯体500mg(1.7
mmol)にヘキサンを加え、スラリーとした。このス
ラリーに室温でシリルアミド塩として1.0mol/リ
ットルのリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(A
ldrich社製)のヘキサン溶液5.1ml(5.1
mmol)を添加し、2時間還流した。グラスフィルタ
ーで濾過して副生した塩化リチウムを除去し、CrCl
3 と1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリアザシ
クロヘキサン(6−NMe−3)からなる多座配位錯体
とシリルアミド塩との反応生成物の赤色の溶液を得た。
【0025】(3)触媒の調製 500℃で8時間焼成した富士シリシア社のCARiA
CT P−10グレードのシリカ(平均粒径41μm、
比表面積280m2 /g、細孔体積1.5cm3 /g)
3.0gにテトラヒドロフラン30mlを加えスラリー
とした。上記(2)で得られた多座配位錯体とシリルア
ミド塩の反応生成物の溶液1.9ml(クロム原子換算
で3mg)を添加し、40℃で2時間撹拌した。真空下
で溶媒を除去し、固体成分を得た。この固体成分2.0
gにトルエン30mlを加えスラリーとし、イソブチル
アルモキサン(東ソー・アクゾ社製)の1.2mol/
リットルのヘキサン溶液7.7ml(9.2mmol)
を添加し、40℃で2時間撹拌した。真空下で溶媒を除
去し、触媒を除去し、触媒を得た。 (4)重合 充分に窒素置換した1.5リットルのオートクレーブ
に、イソブタン0.6リットルおよび上記(3)で得ら
れた触媒0.12gを仕込み、内温を100℃まで昇温
した。ついでエチレンを圧入し、エチレン分圧を14k
g/cm2 となるように保ちながら、1時間重合を行っ
た。ついで内容ガスを系外に放出することにより重合を
終結した。その結果、32gのポリエチレンが得られ
た。触媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活性
は270g/g・hrであった。GPC測定の結果、M
N =2300、MW =304000、MW /MN =13
2であった。
【0026】(実施例2)実施例1(1)において、添
加する環状ポリアミン化合物として1,3,5−トリメ
チル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン(6−NM
e−3)の代わりに1,4,7−トリメチル1,4,7
−トリアザシクロノナン(9−NMe−3)(Aldr
ich社製)0.93ml(4.8mmol)を用いた
以外は、全て実施例1と同様に多座配位錯体および触媒
を調整して重合を行った。その結果、25gのポリエチ
レンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時当たり
の重合活性は210g/g・hrであった。GPC測定
の結果、MN =4500、MW =423000、MW
N =94であった。
【0027】(実施例3)実施例1(3)において、イ
ソブチルアルモキサンの代わりにメチルアルモキサン
(東ソー・アクゾ社製)の2.7mol/lトルエン溶
液を3.4ml(9.2mmol)添加した以外は、全
て実施例1と同様に触媒を調整して重合を行った。その
結果、34gのポリエチレンが得られた。触媒1g当た
り、重合時間1時間当たりの重合活性は285g/g・
hrであった。GPC測定の結果、MN =2600、M
W =367000、MW /MN =141であった。
【0028】(実施例4)実施例1(1)において、添
加する環状ポリアミン化合物として1,3,5−トリメ
チル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン(6−NM
e−3)の代わりに1,4,7−トリメチル−1,4,
7−トリアザシクロノナン(9−NMe−3)(Ald
rich社製)0.93ml(4.8mmol)を用
い、さらに実施例1(3)において、イソブチルアルモ
キサンの代わりにメチルアルモキサン(東ソー・アクゾ
社製)の2.7mol/リットルのトルエン溶液を3.
4ml(9.2mmol)添加した以外は、全て実施例
1と同様に多座配位錯体および触媒を調製して重合を行
った。その結果、27gのポリエチレンが得られた。触
媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活性は22
g/g・hrであった。GPC測定の結果、MN =47
00、MW =461000、MW /MN =98であっ
た。
【0029】(実施例5)実施例1(3)において、シ
リカとしてCARiACT P−10の代わりに500
℃で8時間焼成したデヴィソン社(DAVISON)の
952グレードのシリカ(平均粒径80μm、比表面積
300m2 /g、細孔体積1.6cm3 /g)3.0g
を用いた以外は、全て実施例1と同様に触媒を調製して
重合を行った。その結果、14gのポリエチレンが得ら
れた。触媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活
性は117g/g・hrであった。GPC測定の結果、
N =2300、MW =288000、MW /MN =1
25であった。
【0030】(実施例6)実施例1(3)において、イ
ソブチルアルモキサンの添加量を3.8ml(4.6m
mol)とした以外は、全て実施例1と同様に触媒を調
製して重合を行った。その結果、30gのポリエチレン
が得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当たりの
重合活性は253g/g・hrであった。GPC測定の
結果、MN =2400、MW =312000、MW /M
N =130であった。
【0031】(実施例7)実施例1(3)において、実
施例1(2)で得られた反応物溶液の添加量を3.8m
l(クロム原子換算で6mg)とした以外は、全て実施
例1と同様に触媒を調製して重合を行った。その結果、
67gのポリエチレンが得られた。触媒1g当たり、重
合時間1時間当たりの重合活性は560g/g・hrで
あった。GPC測定の結果、MN =2100、MW =2
52000、MW /MN =120であった。
【0032】(比較例1)三酸化クロムをシリカに坦持
させたいわゆるフィリップス触媒として、デヴィソン社
(DAVISON)の969MSB(クロム原子坦持量
1.0wt%)を空気中で820℃、18時間焼成した
触媒を用いて、実施例1(4)と同様の条件で重合を行
った。その結果、216gのポリエチレンが得られた。
触媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活性は1
800g/g・hrであった。GPC測定の結果、Mn
=134000、MW=1230000、Mw/Mn=
9となり、分子量分布は実施例1〜7の場合よりも狭か
った。
【0033】(比較例2)実施例1(3)の触媒の調製
において、クロム化合物として実施例1(1)で得られ
た多座配位錯体16.6mg(クロム原子換算で3m
g)をリチウムビス(トリメチル)シリルアミドと反応
させずに直接用いた以外は、全て実施例1と同様に触媒
を調製して重合を行った。その結果、46gのポリエチ
レンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当た
りの重合活性は380g/g・hrであった。GPC測
定の結果、Mn=9200、Mw=386000、Mw
/Mn=42となり、分子量分布は実施例1〜7の場合
よりも狭かった。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明は、極めて広い分子量分布(MW
/MN )を有するエチレン系重合体を確実に製造するこ
とができる特異な性能の新規なエチレン系重合体用触媒
の製造及びその触媒を用いてエチレン系重合体を製造す
る方法並びにこの製造法により、従来工業的には生産さ
れていなかった分子量分布(MW /MN )が90〜15
0のエチレン系重合体を得ることができることになっ
た。この結果、極めて高い平均分子量を有するにもかか
わらず、成形性が優れたエチレン系重合体が得られるこ
とになり、このエチレン系重合体を使用することによ
り、耐侯性、環境ストレスクラッキング、インパクト強
度に優れ、かつ表面のきれいなフィルム成形品やブロー
成形品が効率よく工業的に有利に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のエチレン系重合体の製造方法に
おける触媒調製のフローチャート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇 信也 大分県大分市大字中の洲2 日本ポリオレ フィン株式会社大分研究所内 (72)発明者 稲沢 伸太郎 大分県大分市大字中の洲2 日本ポリオレ フィン株式会社大分研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化クロム化合物と環状ポリアミ
    ン化合物から成る多座配位錯体とシリルアミド塩との反
    応生成物を無機酸化物固体に坦持後、アルモキサンと反
    応させることを特徴とするエチレン系重合体用触媒の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化クロム化合物と環状ポリアミ
    ン化合物からなる多座配位錯体とシリルアミド塩をモル
    比が1:1〜1:3で反応させ、この反応生成物を無機
    酸化物固体に対し、クロム原子として0.01〜10w
    t%を担持させて固体成分を作り、該固体成分をアルモ
    キサンとアルミニウム原子/クロム原子の比が1〜10
    00の割合になるように反応させた請求項1記載のエチ
    レン系重合体用触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化クロム化合物と環状ポリアミ
    ン化合物からなる多座配位錯体とシリルアミド塩を、不
    活性炭化水素溶媒中でモル比が1:1〜1:3で反応さ
    せ、この反応生成物を無機酸化物固体に対し、クロム原
    子として0.05〜5wt%を担持させて固体成分を作
    り、該固体成分をアルモキサンとアルミニウム原子/ク
    ロム原子の比が5〜300の割合になるように反応させ
    た請求項1記載のエチレン系重合体用触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2のいずれかに記載の、
    ハロゲン化クロム化合物と環状ポリアミン化合物からな
    る多座配位錯体、シリルアミド塩、無機酸化物固体およ
    びアルモキサンからなる触媒を用いることを特徴とする
    エチレン系重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4の方法によって得られる分子量
    分布(MW /MN )が80〜150のエチレン系重合
    体。
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