JPH10130235A - インドール−3−酢酸類の製造方法 - Google Patents

インドール−3−酢酸類の製造方法

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JPH10130235A
JPH10130235A JP28847896A JP28847896A JPH10130235A JP H10130235 A JPH10130235 A JP H10130235A JP 28847896 A JP28847896 A JP 28847896A JP 28847896 A JP28847896 A JP 28847896A JP H10130235 A JPH10130235 A JP H10130235A
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indole
reaction
organic solvent
acetic acids
water
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JP28847896A
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Toshio Sato
利雄 佐藤
Haruyuki Kano
治之 狩野
Kyoichi Takeda
享一 武田
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Air Water Inc
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Sumikin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的低圧の温和な条件下でも固体の析出が
抑えられ、反応混合物を低粘度に保ち、反応を円滑に進
行させることのでき、簡単な装置で工業化ができ、収率
の高いインドール−3−酢酸類等の製造方法の提供。 【解決手段】 インドール類とグリコール酸とを、アル
カリの存在下、脱水縮合させてインドール−3−酢酸類
を製造する方法において、脱水縮合を、軽油等の沸点2
00℃以上の水不溶性不活性有機溶媒の存在下で行う。
常圧下で行う場合は、留出物から水層と、インドール類
及び不活性有機溶媒からなる油層とを分離し、油層を反
応装置に還流させながら行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インドール−3−
酢酸類等の製造方法に関する。更に詳しくは、温和な条
件下でも反応を円滑に進行させることのできるインドー
ル類とグリコール酸との脱水縮合反応によるインドール
−3−酢酸類等の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インドール−3−酢酸はHeteroauxin と
も呼ばれ、植物ホルモンであるオーキシンの1種で、天
然にも存在し、植物成長調節剤としての作用がある。ま
たこのインドール−3−酢酸又はその核アルキル置換誘
導体等のインドール酢酸類は、医農薬の製造原料として
有用な化合物である。インドール−3−酢酸の製造方法
としては、インドール−3−アセトニトリルを加水分解
する方法(J.A.C.S.,70,3770(194
8))、インドールとグリコール酸を脱水縮合する方法
(Org.Syn.Col.Vol.654)、インド
ールとクロロ酢酸を脱塩化水素縮合する方法(U.S.
P.3320281)などが知られている。
【0003】上記製造方法のうち、インドールとグリコ
ール酸を縮合させてインドール酢酸類を得る方法は、原
料価額的に有利な方法ではあるが、反応は高温で強アル
カリの存在下で行われ、また反応混合物の固化を防止す
るためには加圧下で行う必要があるため、装置の腐食等
が生ずる恐れがあり、設備にコストがかかる等の問題が
ある。
【0004】この問題を解決するために、インドールと
グリコール酸の脱水縮合を酢酸金属塩の共存下に行い、
酢酸金属塩が溶融剤として作用することを利用して、水
や原料化合物が留出しても反応混合物をスラリー状態に
保たせ、常圧またはその付近の低圧で反応を行うことを
目的とした方法が提案されている(特開平6−3457
32号公報)。しかしながらこの方法では反応終了後、
反応生成物であるインドール−3−酢酸のアルカリ塩を
水に溶解して分離採取する際、溶融剤として用いた酢酸
金属塩が多量に存在するとインドール−3−酢酸のアル
カリ塩が水に溶けにくくなり、収率が低下するという問
題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の発明者
らは、このような溶融剤を使用しなくても、比較的低圧
で、温和な条件下で反応ができる方法を検討した結果、
脱水縮合反応を特定の有機溶媒の存在下に行うことによ
り、反応混合物が低粘度に保たれ、水が留出して析出す
る固体(インドール−3−酢酸のアルカリ塩)はスラリ
ー状となり、容易に攪拌可能な状態に保持できる。その
結果反応圧力を常圧またはそれに近い低圧にすることが
できることを見いだした。
【0006】従って、本発明は、インドール類とグリコ
ール酸を脱水縮合させてインドール−3−酢酸を得る方
法において、温和な条件下でも反応を円滑に進行させる
ことのでき、簡単な装置で工業化ができ、かつ収率を向
上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、インドール類
とグリコール酸とを、アルカリの存在下、脱水縮合させ
てインドール−3−酢酸類を製造する方法において、脱
水縮合を沸点200℃以上の不活性有機溶媒の存在下に
行うことを特徴とするインドール−3−酢酸類の製造方
法である。
【0008】
【発明の実施の態様】本発明の目的物であるインドール
−3−酢酸類は、一般式(1)で示される。
【0009】
【化1】 式(1)においてR1 は1価の置換基、R2 は水素また
はメチル基を表し、mは0〜1の整数を表す。
【0010】すなわち本発明は、インドール−3−酢酸
の他、その核置換体あるいはNメチル置換体の製造方法
としても利用できるが、このうち特に有用で本発明方法
の実施に適している化合物は、R2 が水素であり、また
mは0又は1であるが、R1を置換基として有する場
合、R1 が低級アルキル基のものである。
【0011】原料となるインドール類は一般式(2)で
示される。但し式(2)中R1 、R2 及びmの定義は式
(1)と同じである。
【0012】
【化2】
【0013】もう一方の原料であるグリコール酸は、H
OCH2 COOHで表されるものである。本発明の反応
は脱水縮合により水を生成するので、原料グリコール酸
は水溶液の状態で用いてもよいが、平衡反応を促進する
ためには高濃度のものが望ましい。グリコール酸の使用
量は、インドール類1モルに対し、1.0〜1.1モル
程度の範囲が適当である。
【0014】本発明においては、インドール類とグリコ
ール酸との脱水縮合反応は、アルカリ及び沸点200℃
以上の不活性有機溶媒の存在下に行われる。
【0015】アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。こ
れらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
【0016】沸点200℃以上の水不溶性不活性有機溶
媒とは、水に不溶でインドール類及びグリコール酸と反
応性がなく、また強アルカリ存在下での加熱に対して安
定な有機溶媒であり、脂肪族、脂環族または芳香族炭化
水素、あるいはこれらを含有する石油留分、エーテル類
等がインドール類及びグリコール酸に対して不活性なの
で使用できる。これらのうち沸点200℃以上のものと
して、軽油、灯油、ジフェニルエーテル、ジベンジルエ
ーテル、ジイソプロピルナフタレン、ビフェニルなどの
多くのものがあげられる。その中でも特に石油留分、特
に軽油が好ましい。また低沸点成分を含む石油留分、例
えば灯油等を使用する場合は低沸点成分を除去して、沸
点200℃以上に調整したものを用いるのが好ましい。
【0017】アルカリの使用量はインドール類1モルに
対して、1.2〜1.4当量程度の範囲が好適であり、
有機溶媒の使用量としてはインドール類1重量部に対し
て2〜10重量部、好ましくは3〜6重量部が好まし
い。有機溶媒の量が少ないと、常圧下では反応混合物が
固化してしまい十分に反応が進行しない。
【0018】この脱水縮合反応の反応条件は、反応温度
220〜270℃で行うのが望ましい。反応温度が低い
とインドール類の転化率が低下し、高すぎるとインドー
ル酢酸類の選択率が低下する。また反応時間は4〜24
時間程度とすることが適当である。
【0019】反応圧力は常圧でも加圧でもよいが、加圧
下の反応では反応器の腐食等の問題があり、反応器材質
を選択する等、装置上の難点がある。また加圧下の反応
では縮合反応により生成する水が系外に排出されないの
で、反応の平衡の点からも不利である。
【0020】一方、脱水縮合反応を常圧付近で行うと、
水や一部のインドール類が留出するので、従来の方法で
は反応液から固体が析出し、反応混合物の均一撹拌が困
難となって、円滑な反応が行われないという問題があっ
た。しかし本発明においては縮合反応を沸点200℃以
上の水不溶性不活性有機溶媒の存在下で行うので、水等
が留出しても反応混合物は攪拌可能な低粘度のスラリー
状態を保ち、反応が円滑に進行する。
【0021】常圧下で反応を行う場合、図1に示すよう
な還流装置つき反応器を用いるのが有利である。図1に
おいて、1は反応器、2は熱交換器、3は分離槽であ
る。反応器から留出した水、原料インドール類、不活性
有機溶媒は熱交換器で凝縮された後、分離槽において原
料インドール類及び不活性有機溶媒とからなる油層4と
水層5とに分離し、油層は反応装置に還流させる。これ
により水は系外に排出されるが、原料及び不活性有機溶
媒は反応系に戻されるので、反応混合物はスラリー状で
攪拌可能な状態に保持できる。これが本発明の大きな長
所であり、常圧若しくはそれに近い低い圧力で行うこと
が本発明の目的に合致し、これによって装置上の問題を
克服することができ、また生成する水を留出させること
ができるので反応の平衡の点からも有利である。
【0022】反応終了後は、インドール酢酸類はアルカ
リ塩として得られるので、これを水に溶解して油層と分
離し、洗浄を繰り返した後、塩酸等の酸で処理してイン
ドール酢酸類として回収することができる。
【0023】
【実施例】
[実施例1]インドール117g,85%KOH92.
9g、73%グリコール酸(市販工業薬品)114.2
g及びディーゼル燃料軽油(沸点範囲250℃〜400
℃)336gを1リットルパイレックス製ガラス容器に
入れ、撹拌しながら250℃迄昇温した。150℃付近
から水、インドールが留出し、240℃前後では軽油も
留出する。留出物は油分と水を分離し油分はフラスコ内
に還流させ、これによりインドールは軽油に溶解して反
応系に戻した。反応混合物は徐々にスラリー状となるが
軽油の希釈作用により撹拌可能な状態を維持できた。
【0024】245℃で7時間撹拌後、水500gを加
え80℃、30分間撹拌し、カリウム塩類が溶解した水
層を油層と分離した後、トルエン150gで2回洗浄し
た。このものに濃塩酸138.1gを加え、pHを2.
0に調整して酸析し、析出する結晶物を濾過し水100
gで洗浄後減圧下で乾燥してインドール−3−酢酸の粗
成物191.2gを回収した。インドール−3−酢酸の
定量は高速液体クロマトグラフィー(絶対検量線法)に
より行った。結果を表1に示す。
【0025】[比較例1]実施例1において軽油を添加
せず、酢酸ナトリウムを90g加えた以外は実施例1と
同様の条件で脱水縮合反応を行った。留出する水とイン
ドールは濾過で分離してインドールのみ反応系へ戻し
た。反応開始後7時間目での撹拌性は実施例1よりやや
悪く、回収したインドール−3−酢酸の粗成物量は18
0.5gであった。結果を表1に示す。
【0026】[比較例2]実施例1において軽油を添加
せず、また酢酸ナトリウムも添加せず実施例1と同様の
条件で脱水縮合反応を行った。この場合、昇温後に撹拌
困難となり反応開始後1時間で攪拌停止した。その後実
施例1と同様の操作でインドール−3−酢酸を回収し
た。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば常圧またはそれに近い低
圧で反応を行っても反応生成物の固化が抑えられ、反応
が円滑に進行するので、低圧での反応が可能となり、反
応装置の点で有利となり、また収率が向上するので工業
的に優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための反応装置の1例で
ある。
【符号の説明】
1 反応器 2 熱交換器 3 分離槽 4 油層 5 水層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インドール類とグリコール酸とを、アル
    カリの存在下、脱水縮合させてインドール−3−酢酸類
    を製造する方法において、脱水縮合を沸点200℃以上
    の水不溶性不活性有機溶媒の存在下に行うことを特徴と
    するインドール−3−酢酸類の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機溶媒が軽油である請求項1記載のイ
    ンドール−3−酢酸類の製造方法。
  3. 【請求項3】常圧下で反応を行い、留出物から水層と、
    インドール類及び不活性有機溶媒からなる油層とを分離
    し、油層を反応装置に還流させることを特徴とする請求
    項1または2に記載のインドール−3−酢酸類の製造方
    法。
JP28847896A 1996-10-30 1996-10-30 インドール−3−酢酸類の製造方法 Pending JPH10130235A (ja)

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