JPH10129930A - 異形断面線材の整列巻き方法及びこれに用いる装置 - Google Patents

異形断面線材の整列巻き方法及びこれに用いる装置

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JPH10129930A
JPH10129930A JP30088296A JP30088296A JPH10129930A JP H10129930 A JPH10129930 A JP H10129930A JP 30088296 A JP30088296 A JP 30088296A JP 30088296 A JP30088296 A JP 30088296A JP H10129930 A JPH10129930 A JP H10129930A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面部の剛性が低く可撓性を有する異形断面
線材であっても、高品質の整列巻が高生産性、高効率で
可能な整列巻き方法及び装置を得ること。 【解決手段】 異形断面線材の整列巻き方法において、
イ)第1層は測定された線材径Dと実質的に同じ巻き
ピッチPで一方の鍔部より巻付けをスタートし、他方の
鍔部端直前で前記線材との間に実質的にD/2の間隙を
存するまで巻き付けて累計巻回数nを確認し、 ロ)第
2層以降は、前記両端鍔部間隔をLとしたとき、 P′
=(L−D/2)/nによって演算された巻きピッチ
P′を得、第2層以降の鍔部端巻始めの線材に対し最初
の巻きピッチを(P′+D/2)で先行し、爾後は巻き
ピッチP′で巻付け累計巻回数nにより整列巻きを完成
せしめる異形断面線材の整列巻き方法及びこれに用いる
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光ファイバ
ケーブル用スペーサ(以下単にスペーサと略称する。)
等の如く表面部の剛性が低く可撓性を有する異形断面線
材の整列巻き方法及びこれに用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年電気通信用光ファイバケーブルにお
いて光ファイバを担持するために、スペーサが用いら
れ、例えば図3に示す構造及び断面形状をなしている。
すなわち、異形断面線材であるスペーサ2は、中央に
鋼、強化プラスチック等線状の抗張力線2aを配し、抗
張力線2aの外周に熱可塑性樹脂の予備被覆層2dを設
け、予備被覆層2dの外周に熱可塑性樹脂の長手方向に
延びる複数条の溝2bと、これを隔成するリブ2cより
なる表面部の剛性が低く可撓性を有する長尺線材で、溝
2bのスペースに光ファイバを担持可能としている。そ
して、溝2b及びリブ2cは、収納される光ファイバの
歪み防止と安定化のために長手方向に螺旋状に撚が掛け
られ、その撚方向は一方向撚(S又はZ)又は交互撚
(SZ)とされている(特公平4−81763号公報、
特開平61−149910号公報記載)。上記異形断面
線材2は、成型後通常両端鍔部と中部円筒状筒部よりな
るボビンに整列巻取して光ファイバ収納工程に搬送され
るが、この整列巻取は従来円形断面をもった電線等の整
列巻き方法を利用していた。 例えば、 両鍔間間隔をL、線材径をD、ボビンへの巻回数を
n、線材の巻きピッチをPとしたとき、P=(L−D/
2)/nによって、線材の巻きピッチPを演算し、各巻
き線層の巻始め端を一端の鍔に接触させると共に、巻終
り側の鍔との間にD/2の間隔を生じるように一定のト
ラバースピッチに制御して、ボビンにエナメル線、メッ
キ線等の線材を巻回する方法及び装置がある(特開平6
−239528号公報)。 クランプできる揺動基台を有するシフト機構を設け、
第1層巻線時には揺動基台をクランプし、線径から演算
したピッチだけボビンを軸方向にステップ状に移動し、
最終の巻線とボビン鍔内側との間に線径の1/2のギャ
ップを残し、次いで第2層の巻線時には揺動基台のクラ
ンプをはずしてフリーとし、揺動基台のずれ量からフィ
ードバックして、線材の送り角度を線径、ボビン径等か
ら予め設定されている最適送り角度となるように制御し
つつ、各第1層巻線間の凹部に巻かれ、第3層以降も第
2層と同様にしたボビンに円形断面の線材を巻回する方
法及び装置がある(特開平8−59075号公報)。 第1層巻線時にボビン筒面に一定ピッチの多数の案内
溝を備え、一端の鍔側の案内溝を1/2ピッチだけカッ
トして、線材を案内溝に強制的に案内して一定ピッチで
ボビンに線材を整列巻回する方法及び装置がある(特開
平1−104572号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来方法及び装置はそれぞれ下記の課題を有している。 特開平6−239528号公報記載の方法及び装置
は、ボビンに通常断面円形で剛性の高いエナメル線、メ
ッキ線等の線材を巻回する方法としては、整列巻きが可
能であるものの、例えば熱可塑性樹脂で覆われたスペー
サ等の如く表面部の剛性が低く可撓性を有する異形断面
線材の整列巻きに用いた場合は多数巻層を重ねるとトラ
バース位置とボビン巻取位置にズレが発生して整列巻が
達成できなかった。又、ボビン寸法、線材等の製作上の
バラツキに柔軟な対応が困難であった。 特開平8−59075号公報記載の方法及び装置は、
円形断面の剛性をもった線材を巻回するには有効である
ものの、表面部の剛性が低く可撓性を有する異形断面線
材に用いると、前層の直線に巻かれた線材に沿わせて巻
取ろうとすると溝2bが噛合って乗り上げが生じたり、
ガイドを揺動させるだけのテンションを異形断面線材に
与えるとリブ2cが変形して倒れが生じ、品質維持は困
難であった。 特開平1−104572号公報記載の方法及び装置
は、第1層の整列巻は達成可能であるが、多数巻層を重
ねるとトラバース位置とボビン巻取位置にズレが発生す
る上、品種の変更に柔軟に対応するには多数のボビンを
用意しなければならないという課題を有していた。ま
た、いずれにも共通する課題であるが、スペーサ2は断
面が図3に示すような円形でない異形である上、熱可塑
性樹脂製等のリブ2cは剛性が低く可撓性を有し、巻取
対象の線材の直径をノギス、マイクロメーター、ダイヤ
ルゲージ等の器具で測定する際に、器具の当て方によっ
て測定値が異なり、各リブ2c先端の外接円である見掛
上の線材径Dの正確な把握は困難である。また、スペー
サ2自体の製作上のバラツキ、ボビンの両鍔間距離Lの
製作誤差によるバラツキも存在する。そのため、これら
の測定した線材径D、鍔間間隔Lに基づき線材の巻きピ
ッチをPを演算して、それによって実際のスペーサ2を
全長に亘って整列巻することは困難であり、これに対処
するために試行錯誤を繰り返し巻取パッケージを得てい
た。特に、光ファイバーケーブルは、長尺で海中又は地
中等に長期間敷設されるので、僅かな変形も許されない
という厳格な要求品質に対応して、精度の高い整列巻を
得る必要があり高い生産性を挙げることは困難であっ
た。本発明は、前記課題を解決するためになされたもの
であり、スペーサ等の如く表面部の剛性が低く可撓性を
有する異形断面線材であっても、特別のボビンを用いる
ことなく、巻取パッケージ全体に亘り高品質の整列巻が
高生産性、高効率で達成可能な異形断面線材の整列巻き
方法及びこれに用いる装置を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を得るため、請
求項1の発明にあっては、両端鍔部及び中部筒部を有す
るボビンを回転しながら異形断面線材をトラバースして
前記筒部に整列巻付けをする異形断面線材の整列巻き方
法において、 1)第1層は予め測定された線材径Dと実質的に同じ巻
きピッチPで一方の鍔部より巻付けをスタートし、他方
の鍔部端直前で前記線材との間に実質的にD/2の間隙
を存するまで巻き付けて累計巻回数nを確認し、 2)第2層以降は、前記両鍔間間隔をLとしたとき、
P′=(L−D/2)/n によって演算された巻きピ
ッチP′を得、第2層以降の鍔部端巻始めの線材に対し
最初の巻きピッチを(P′+D/2)で先行し、爾後は
巻きピッチP′で巻付け累計巻回数nによりパッケージ
全体に亘る整列巻きを完成せしめる異形断面線材の整列
巻き方法により解決した。請求項2の発明にあっては、
異形断面線材が光ファイバケーブル用スペーサである請
求項1に記載の異形断面線材の整列巻き方法とすること
ができる。請求項3の発明にあっては、光ファイバケー
ブル用スペーサが交互撚を有する請求項2に記載の異形
断面線材の整列巻き方法とすることができる。
【0005】請求項4の発明にあっては、ボビンに異形
断面線材を供給する供給手段と、前記ボビンを装着した
回転軸を周方向に回転させる回転手段と、前記回転軸に
沿って往復動可能なトラバース手段と、前記回転軸と前
記ボビンとの着脱を可能とする取付手段と、前記回転手
段及びトラバース手段を制御する制御手段とを備え、前
記制御手段は第1層の予め測定された線材径Dと実質的
に同じ巻きピッチPで一方の鍔部端より巻付けスタート
し、他方の鍔部端直前で前記線材との間に実質的にD/
2の間隙を存するまでの累計巻回数nと、ボビン両鍔間
間隔をLとしたとき、 P′=(L−D/2)/n に
よって演算された巻きピッチP′より、第2層以降の鍔
部端巻始めの線材に対し最初の巻きピッチは(P′+D
/2)とし、爾後は巻きピッチP′で巻付け累計巻回数
nとなるようにして整列巻きをなす異形断面線材の整列
巻き方法に用いる装置により解決した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。図1は、本発明の異形断面線材の整列巻
き方法の一例を用いた場合のボビンへの巻取状態を示す
一部断面図(a)、トラバース位置を示す一部断面図
(b)である。図2は、本発明の異形断面線材の整列巻
き方法の一例に用いる整列巻き装置の概略説明図であ
る。図3は、本発明の異形断面線材の整列巻き方法の巻
取対象のスペーサの一例の断面図である。図2におい
て、本発明の異形断面線材の整列巻き方法の一例に用い
る整列巻き装置1は次の構成よりなる。尚便宜上整列巻
き装置1を正面よりみて左右、内外、上下として説明す
る。基礎面GG上に間隔をおいて並列に立設された左右
フレーム5a、5bと、該左右フレーム5a頂部のに固
着された左右昇降モータ20a、20bから下方に垂設
された左右昇降ボールスクリュー21a、21bに昇降
可能に螺合された左右軸受22a、22bと、該軸受2
2a、22b中心部水平方向に回動自在に枢着された左
右回転軸11a、11bと、該回転軸11a、11b内
側先端に左右円錐形のコーン18a、18bが突設され
ている。左回転軸11aには外側先端にスリット板が固
着され、右回転軸11bはハンドル23の調節によって
水平方向左右に出入り可能なシリンダ17を介して軸受
22bに支承され、該右回転軸11b外側先端には巻取
モータ6の軸が連動可能に連結されている。右側コーン
18bはシリンダ17によって左右水平方向に出入し可
能で、水平方向固定の左コーン18aとの間に軸芯孔が
穿設されたボビン3が着脱可能とされ、巻取時にはボビ
ン3は水平に挟着保持され巻取モータ6によって駆動さ
れる。
【0007】フレーム5、5の上部端縁に回転軸11
a、11bに平行にねじが刻設されたトラバースボール
スクリュー10が回動可能に枢着され、該トラバースボ
ールスクリュー10に直角方向の案内溝を有しスペーサ
2を案内供給するガイドプーリー4の支持部材が螺着さ
れ、該トラバースボールスクリュー10の一端にサーボ
モータ9の軸が固着されその回動によりガイドプーリー
4が矢印XY方向にトラバース可能とされている。本整
列巻き装置1に用いられるボビン3は、左右端に両鍔間
間隔Lをおいた鍔部3a、3b、中部円筒状筒部3c及
び軸芯孔とよりなり、通常金属、木質又は硬質プラスチ
ックの単独又はこれらの組合わせ製とされ、整列巻き装
置1の作動時には左右コーン18a、18b間に水平に
挟着され回動可能に保持され、ドッフィング時には右コ
ーン18bを右側に移動して取外し可能とされている。
【0008】制御装置16として、シーケンス制御部1
5を中心としてデーター表示部13、データー入力部1
4を備え、入力側にはスリット板7の近接位置に回転を
検知する回転センサ8が、出力側には巻取モータ6及び
サーボモータ9がそれぞれ連結され、データー入力部1
4及び回転センサ8の入力に基づきシーケンス制御部1
5よりパルス信号を出力して、サーボモータ9を駆動し
トラバースボールスクリュー10を回動させ、その結果
ガイドプーリー4を矢印XY方向にトラバースさせる。
トラバースボールスクリュー10の直下でボビン3の妨
げとならない位置に、巻取対象となるスペーサ2のトラ
バース幅を規制するセンサー例えば左右リミットスイッ
チ12a、12bが配設されシーケンス制御部15に入
力(図示省略)されている。巻取モータ6は通常定回転
でボビン3を一定速度で駆動せしめる。
【0009】上記構成の整列巻き装置1の作動について
説明する。先ず基礎面GG上に運搬されて来た空ボビン
3をその軸芯と回転軸11a、11bの軸芯と合致する
ように左右コーン18a、18b間に置き、右コーン1
8bをシリンダ17のハンドル23による調節によって
水平方向内側に移動し、ボビン3を水平に保持し巻取モ
ータ6による駆動により回動される。ガイドプーリー4
を介して供給された異形断面線材であるスペーサ2は、
ボビン3の巻取モータ6の駆動により、円筒状筒部3c
上の左側鍔部3a又は右側鍔部3bのいずれかより巻回
開始されるが、巻回の進行に対応してサーボモータ9を
駆動してトラバースボールスクリュー10を回動せし
め、後述する特定条件の下にガイドプーリー4を矢印X
Y方向にトラバースさせることにより、ボビン3への整
列巻きが得られる。以下においては、左側鍔部3aより
巻回開始として説明する。ガイドプーリー4のトラバー
スは、前記した通りデーター入力部14及び回転センサ
8の入力に基づきシーケンス制御部15よりのパルス信
号により、サーボモータ9を駆動してトラバースボール
スクリュー10が回動してなされ、トラバース折返点の
左右端は左右リミットスイッチ12a、12bにより、
ボビン回転はスリット板7近接位置に装着された回転セ
ンサ8により検知され、シーケンス制御部15にフィー
ドバックされる。
【0010】次に、図1、2について、本発明の異形断
面線材の整列巻き方法を説明する。ここで、図1(a)
は、ボビン3の左右端に両鍔間間隔Lをおいた鍔部3
a、3bを左右端とし、円筒状筒部3c上に見掛上の線
材径Dのスペーサ2を整列巻きした状態を示している。
そして巻取位置の順序にしたがって○の中に数字が書込
まれ、本説明においては「○1→○2→○3→・・・」
として表示し、巻取が進行するにつれて円筒状筒部3c
上に被巻取スペーサ2が積層される状態を略示してい
る。又、図1(b)は、ガイドプーリー4を通過するス
ペーサ2のトラバース位置を示している。そしてトラバ
ースの順序にしたがって○の中にダッシュ付き数字が書
込まれ、本説明においては「○1′→○2′→○3′→
・・・」として表示するが、前記被巻取スペーサ2とは
異なり、単にトラバース方向XYのトラバース位置を示
しているのみである。
【0011】先ず事前に、巻取対象とするスペーサ2の
見掛上の線材径Dをノギス、マイクロメーター、ダイヤ
ルゲージ等の器具で測定し、この測定値と実質的に同じ
値を巻きピッチPとして設定し、トラバース位置左端の
「○1′」にガイドプーリー4を置き、「○1′」に対
応する被巻取スペーサ2は左側鍔部3aとの接触位置
「○1」より第1層の巻取をスタートする。第1層のト
ラバース位置がトラバース方向Yに「○2′→○3′→
・・・→○9′」と進行し、この進行につれて夫々対応
する被巻取スペーサ2の巻取位置は僅かに遅れて「○2
→○3→・・・→○9」と進み、右側鍔部3b直前例え
ば「○9」に達した時一端巻取を停止し、被巻取スペー
サ2と右側鍔部3bとの間に略D/2の隙間を残す巻取
位置「○10」までトラバース位置「○10′」をジョ
グ運転(巻取モータ6を僅かに回転)を繰り返し行って
トラバースし、第1層の巻取を終了しその累計巻回数n
をデーター表示部13で確認する。
【0012】次いで、第2層の巻取は前記の累計巻回数
nを用い、 P′=(L−D/2)/n によって演算
された巻きピッチP′に切替え、トラバース位置右端
「○11′」にガイドプーリー4を置き、「○11′」
に対応する被巻取スペーサ2は右側鍔部3bとの接触位
置「○11」よりスタートする。トラバース位置右端
「○11′」の次のトラバース量は最初だけは巻きピッ
チP′でなくて(P′+D/2)として「○12′」に
D/2だけ先行し、その後はP′づつとしてトラバース
方向Xに「○13′→○14′→・・・→○20′」と
進行し、この進行につれて夫々対応する被巻取スペーサ
2の巻取位置が僅かに遅れて「○12→○13→・・・
→○19→○20」と進み、左側鍔部aとの間に略D/
2の隙間を残し累計巻回数nで第2層の巻取を終了す
る。第3層の巻取は、トラバース方向がXと逆のYに変
わる他は第2層の巻取と同様に、トラバース位置左端の
次のトラバース量は最初だけは巻きピッチは(P′+D
/2)としてD/2だけ先行し、その後はP′づつとし
てトラバース方向Yに「○21′→○22′→・・・→
○30′」と進行し、この進行につれて夫々対応する被
巻取スペーサ2の巻取位置が僅かに遅れて「○21→○
22→・・・→○30」と進み、右側鍔部3bとの間に
略D/2の隙間を残し累計巻回数nで第3層の巻取を終
了し、第4層以降も同様の動作を繰り返し、ボビン3に
パッケージ全体に亘る整列巻きを完成する。
【0013】前記した本発明の異形断面線材の整列巻き
方法によれば、表面部の剛性が低く可撓性を有する異形
断面線材を対象としたにもかかわらず、パッケージ全体
に亘って整列巻きが容易に達成できる。その理由は明白
には分からないが、従来方法の第1層に巻取られた被巻
取スペーサ2は表面の特殊な断面形状と可撓性のために
巻取中にゆらぎ現象が発生し、一方ガイドプーリー4を
介して導入される第2層以降の巻取スペーサ2の振動、
抗張力線2aの剛性によるそりの発生等と相俟って、溝
2bが噛合って乗り上げが生じたり、テンションにより
リブ2cが変形して倒れが生ずる等の品質低下が生ずる
上、測定に困難性を有する線材径、製作上バラツキのあ
る線材径及びボビン寸法等に基づいて演算されたトラバ
ースピッチによってなされる巻取の為、パッケージ全体
に亘る整列巻きが達成できないものと思われる。これに
対し、本発明の異形断面線材の整列巻き方法では、第1
層の巻取時は、測定された見掛上の線材径Dに合わせた
巻きピッチPで巻付けを行い、被巻取スペーサ2と右側
鍔部3bとの間に略D/2の隙間を残す累計巻回数nを
一旦確認して、その累計巻回数nに基づき第2層の巻き
ピッチP′を演算し累計巻回数をnとしたから、線材径
Dの正確な把握が困難であっても、その累計巻回数nは
第1層の実際の巻取条件により得られたものであり、確
実にパッケージ全体に亘る整列巻きが得られたものと思
われる。さらに、一般に整列巻きには第2層以降は前層
の隣合わせの線材間谷部に次層の線材が安定的に積層す
ることが要求されるが、左右側鍔部3a、3b近傍のト
ラバース変曲点が最も追従が不安定且つ遅延しやすいの
で、左右側鍔部3a、3bに隣接する最初の巻取線材の
次の巻きピッチはP′でなくて(P′+D/2)として
D/2だけ先行させることにより、より確実に前記ゆら
ぎ現象、振動、そりの発生等による品質低下を吸収克服
できるものと思われる。ここの先行させる巻きピッチは
D/2以下であっても整列巻きが得られる場合もある
が、各種巻取条件に係わらずD/2とするのが最も安定
して整列巻きが得られることが実験上確かめられてい
る。
【0014】
【実施例】
[実施例1]前記した整列巻き装置1を用い、中心部に
抗張力線2aとして直径2mmφのガラス繊維強化プラ
スチック製線材を有し、熱可塑性樹脂の5個の溝2bと
これを隔成するリブ2cとよりなり交互撚(SZ)でノ
ギス測定外径D5.2mmの光ファイバケーブル用スペ
ーサを、両鍔間間隔L735mm、円筒状筒部3c60
0mmφのボビン3に先ず第1層の巻取を左側鍔部3a
より巻きピッチP5.2mm、巻取張力5kgでスター
トし、右側鍔部3b直前に達した時一端巻取を停止し、
被巻取スペーサ2と右側鍔部3bとの間に略2.6mm
のギャップを残す位置までトラバースをジョグ運転を繰
り返し行ってトラバースし第1層の巻取を終了し、その
累計巻回数nを140回と確認した。次いで、巻取トラ
バースを巻回数n140を用い、 P′=(L−D/
2)/nによって演算された巻きピッチP′5.23m
mに切替え、右側鍔部3bとの接触位置より第2層の巻
取をスタートし、トラバース位置右端の次のトラバース
は最初だけは巻きピッチ(P′+D/2)=7.83m
mとして先行し、その後はP′5.23mmづつとして
トラバース方向Xに巻取を進行し、左側鍔部aとの間に
略2.6mmのギャップを残し巻回数140で第2層の
巻取を終了し、以降このまま31層全長約10000m
巻取ったが、巻取位置のズレは生ぜず、パッケージ全体
に亘る整列巻きが無人運転で効率良く得られた。
【0015】[実施例2]前記実施例1に引続いて5回
連続して同様に巻取を行った所、第1層の累計巻回数n
は、139、141、140、138、139と変動し
たが、第2層以降問題なく整列巻きのパッケージが効率
良く得られた。この巻回数の差は、スペーサ又はボビン
の製作誤差等のバラツキによって生じたもと思われる。
【0016】[比較例1]前記実施例1と同様の条件
で、第2層以降巻回数を規制せずそのまま巻取を継続し
た所、第4層目に入った所で巻取位置に対しトラバース
位置約15mmの遅れが発生し逆走したため巻取中止に
追込まれた。 [比較例2]前記実施例1と同様の条件で、第2層以降
トラバース位置の遅れを特開平8−59075号公報記
載の方法によりフィードバックして巻取ったが、乗り上
げやリブの変形、倒れが生じ、品質不良であった。 [比較例3]前記実施例1と同様の条件で、第1層目の
右側鍔部3b直前に達した時の一端巻取停止をせず、被
巻取スペーサ2と右側ボビン鍔部3bとの間のギャップ
を考慮せずに巻取を継続した所、トラバース変曲点の位
置ズレ及び段落ちが生じ、品質不良であった。
【0017】
【発明の効果】本発明の異形断面線材の整列巻き方法及
びこれに用いる装置によれば、表面部の剛性が低く可撓
性を有する異形断面線材を巻取対象としたにもかかわら
ず、特別のボビンを用いることなく、線材及びボビンの
製作上のバラツキにも対応でき、パッケージ全体に亘っ
て高品質の整列巻が高生産性、高効率で達成できるとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異形断面線材の整列巻き方法の一例を
用いた場合のボビンへの巻取状態を示す一部断面図
(a)、トラバース位置を示す一部断面図(b)であ
る。
【図2】本発明の異形断面線材の整列巻き方法の一例に
用いる整列巻き装置の概略説明図である。
【図3】本発明の異形断面線材の整列巻き方法の巻取対
象のスペーサの一例の断面図である。
【符号の説明】
1 整列巻き装置 2 スペーサ 2a 抗張力線 2b 溝 2c リブ 2d 予備被覆層 3 ボビン 3a、b 鍔部 3b 筒部 4 ガイドプーリー 5a、b フレーム 6 巻取モータ 7 スリット板 8 回転センサ 9 サーボモータ 10 トラバースボールスクリュー 11a、b 回転軸 12a、b リミットスイッチ 13 データー表示部 14 データー入力部 15 シーケンス制御部 16 制御装置 17 シリンダ 18a、b コーン 19 取付けバー 20a、b 昇降モータ 21a、b 昇降ボールスクリュー 22a、b 軸受 23 ハンドル D 線材径 L 両鍔間間隔 P、P′ 巻きピッチ n 累計巻回数 X、Y トラバース方向 GG 基礎面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端鍔部及び中部筒部を有するボビンを
    回転しながら異形断面線材をトラバースして前記筒部に
    整列巻付けをする異形断面線材の整列巻き方法におい
    て、 1)第1層は予め測定された線材径Dと実質的に同じ巻
    きピッチPで一方の鍔部より巻付けをスタートし、他方
    の鍔部端直前で前記線材との間に実質的にD/2の間隙
    を存するまで巻き付けて累計巻回数nを確認し、 2)第2層以降は、両鍔間間隔をLとしたとき、 P′
    =(L−D/2)/nによって演算された巻きピッチ
    P′を得、第2層以降の鍔部端巻始めの線材に対し最初
    の巻きピッチを(P′+D/2)で先行し、爾後は巻き
    ピッチP′で巻付け累計巻回数nによりパッケージ全体
    に亘る整列巻きを完成せしめることを特徴とする異形断
    面線材の整列巻き方法。
  2. 【請求項2】 異形断面線材が光ファイバケーブル用ス
    ペーサであることを特徴とする請求項1に記載の異形断
    面線材の整列巻き方法。
  3. 【請求項3】 光ファイバケーブル用スペーサが交互撚
    を有することを特徴とする請求項2に記載の異形断面線
    材の整列巻き方法。
  4. 【請求項4】 ボビンに異形断面線材を供給する供給手
    段と、前記ボビンを装着した回転軸を周方向に回転させ
    る回転手段と、前記回転軸に沿って往復動可能なトラバ
    ース手段と、前記回転軸と前記ボビンとの着脱を可能と
    する取付手段と、前記回転手段及びトラバース手段を制
    御する制御手段とを備え、前記制御手段は第1層の予め
    測定された線材径Dと実質的に同じ巻きピッチPで一方
    の鍔部端より巻付けスタートし、他方の鍔部端直前で前
    記線材との間に実質的にD/2の間隙を存するまでの累
    計巻回数nと、ボビン両鍔間間隔をLとしたとき、
    P′=(L−D/2)/n によって演算された巻きピ
    ッチP′より、第2層以降の鍔部端巻始めの線材に対し
    最初の巻きピッチは(P′+D/2)とし、爾後は巻き
    ピッチP′で巻付け累計巻回数nとなるようにして整列
    巻きをなすことを特徴とする異形断面線材の整列巻き方
    法に用いる装置。
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