JP3677130B2 - 異形断面線材の整列巻き方法及びこれに用いる装置 - Google Patents

異形断面線材の整列巻き方法及びこれに用いる装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光ファイバケーブル用スペーサ(以下単にスペーサと略称する。)等の如く表面部の剛性が低く可撓性を有する異形断面線材の整列巻き方法及びこれに用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年電気通信用光ファイバケーブルにおいて光ファイバを担持するために、スペーサが用いられ、例えば図3に示す構造及び断面形状をなしている。すなわち、異形断面線材であるスペーサ2は、中央に鋼、強化プラスチック等線状の抗張力線2aを配し、抗張力線2aの外周に熱可塑性樹脂の予備被覆層2dを設け、予備被覆層2dの外周に熱可塑性樹脂の長手方向に延びる複数条の溝2bと、これを隔成するリブ2cよりなる表面部の剛性が低く可撓性を有する長尺線材で、溝2bのスペースに光ファイバを担持可能としている。そして、溝2b及びリブ2cは、収納される光ファイバの歪み防止と安定化のために長手方向に螺旋状に撚が掛けられ、その撚方向は一方向撚(S又はZ)又は交互撚(SZ)とされている(特公平4−81763号公報記載)。上記異形断面線材2は、成型後通常両端鍔部と中部円筒状筒部よりなるボビンに整列巻取して光ファイバ収納工程に搬送されるが、この整列巻取は従来円形断面をもった電線等の整列巻き方法を利用していた。 例えば、
▲1▼両鍔間間隔をL、線材径をD、ボビンへの巻回数をnとしたとき、P=(L−D/2)/nによって、線材の巻きピッチPを演算し、各巻き線層の巻始め端を一端の鍔に接触させると共に、巻終り側の鍔との間にD/2の間隔を生じるように一定のトラバースピッチに制御して、ボビンにエナメル線、メッキ線等の線材を巻回する方法及び装置がある(特開平6−239528号公報)。
▲2▼クランプできる揺動基台を有するシフト機構を設け、第1層巻線時には揺動基台をクランプし、線径から演算したピッチだけボビンを軸方向にステップ状に移動し、最終の巻線とボビン鍔内側との間に線径の1/2のギャップを残し、次いで第2層の巻線時には揺動基台のクランプをはずしてフリーとし、揺動基台のずれ量からフィードバックして、線材の送り角度を線径、ボビン径等から予め設定されている最適送り角度となるように制御しつつ、各第1層巻線間の凹部に巻かれ、第3層以降も第2層と同様にしたボビンに円形断面の線材を巻回する方法及び装置がある(特開平8−59075号公報)。
▲3▼第1層巻線時にボビン筒面に一定ピッチの多数の案内溝を備え、一端の鍔側の案内溝を1/2ピッチだけカットして、線材を案内溝に強制的に案内して一定ピッチでボビンに線材を整列巻回する方法及び装置がある(特開平1−104572号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来方法及び装置はそれぞれ下記の課題を有している。
▲1▼特開平6−239528号公報記載の方法及び装置は、ボビンに通常断面円形で剛性の高いエナメル線、メッキ線等の線材を巻回する方法としては、整列巻きが可能であるものの、例えば熱可塑性樹脂で覆われたスペーサ等の如く表面部の剛性が低く可撓性を有する異形断面線材の整列巻きに用いた場合は多数巻層を重ねるとトラバース位置とボビン巻取位置にズレが発生して整列巻が達成できなかった。又、ボビン寸法、線材等の製作上のバラツキに柔軟な対応が困難であった。
▲2▼特開平8−59075号公報記載の方法及び装置は、円形断面の剛性をもった線材を巻回するには有効であるものの、表面部の剛性が低く可撓性を有する異形断面線材に用いると、前層の直線に巻かれた線材に沿わせて巻取ろうとすると溝2bが噛合って乗り上げが生じたり、ガイドを揺動させるだけのテンションを異形断面線材に与えるとリブ2cが変形して倒れが生じ、品質維持は困難であった。
▲3▼特開平1−104572号公報記載の方法及び装置は、第1層の整列巻は達成可能であるが、多数巻層を重ねるとトラバース位置とボビン巻取位置にズレが発生する上、品種の変更に柔軟に対応するには多数のボビンを用意しなければならないという課題を有していた。
また、いずれにも共通する課題であるが、スペーサ2は断面が図3に示すような円形でない異形である上、熱可塑性樹脂製等のリブ2cは剛性が低く可撓性を有し、巻取対象の線材の直径をノギス、マイクロメーター、ダイヤルゲージ等の器具で測定する際に、器具の当て方によって測定値が異なり、各リブ2c先端の外接円である見掛上の線材径Dの正確な把握は困難である。また、スペーサ2自体の製作上のバラツキ、ボビンの両鍔間距離Lの製作誤差によるバラツキも存在する。そのため、これらの測定した線材径D、鍔間間隔Lに基づき線材の巻きピッチをPを演算して、それによって実際のスペーサ2を全長に亘って整列巻することは困難であり、これに対処するために試行錯誤を繰り返し巻取パッケージを得ていた。
特に、光ファイバーケーブルは、長尺で海中又は地中等に長期間敷設されるので、僅かな変形も許されないという厳格な要求品質に対応して、精度の高い整列巻を得る必要があり高い生産性を挙げることは困難であった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、スペーサ等の如く表面部の剛性が低く可撓性を有する異形断面線材であっても、特別のボビンを用いることなく、巻取パッケージ全体に亘り高品質の整列巻が高生産性、高効率で達成可能な異形断面線材の整列巻き方法及びこれに用いる装置を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を得るため、
請求項1の発明にあっては、両端鍔部及び中部筒部を有するボビンを回転しながら異形断面線材をトラバースして前記筒部に整列巻付けをする異形断面線材の整列巻き方法において、
1)第1層は予め測定された線材径Dと実質的に同じ巻きピッチPで一方の鍔部より巻付けをスタートし、他方の鍔部端直前で前記線材との間に実質的にD/2の間隙を存するまで巻き付けて累計巻回数nを確認し、
2)第2層以降は、前記両鍔間間隔をLとしたとき、 P′=(L−D/2)/n によって演算された巻きピッチP′を得、第2層以降の鍔部端巻始めの線材に対し最初の巻きピッチを(P′+D/2)で先行し、爾後は巻きピッチP′で巻付け累計巻回数nによりパッケージ全体に亘る整列巻きを完成せしめる異形断面線材の整列巻き方法により解決した。
請求項2の発明にあっては、異形断面線材が光ファイバケーブル用スペーサである請求項1に記載の異形断面線材の整列巻き方法とすることができる。
請求項3の発明にあっては、光ファイバケーブル用スペーサが交互撚を有する請求項2に記載の異形断面線材の整列巻き方法とすることができる。
【0005】
請求項4の発明にあっては、ボビンに異形断面線材を供給する供給手段と、前記ボビンを装着した回転軸を周方向に回転させる回転手段と、前記回転軸に沿って往復動可能なトラバース手段と、前記回転軸と前記ボビンとの着脱を可能とする取付手段と、前記回転手段及びトラバース手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は第1層の予め測定された線材径Dと実質的に同じ巻きピッチPで一方の鍔部端より巻付けスタートし、他方の鍔部端直前で前記線材との間に実質的にD/2の間隙を存するまでの累計巻回数nと、ボビン両鍔間間隔をLとしたとき、 P′=(L−D/2)/n によって演算された巻きピッチP′より、第2層以降の鍔部端巻始めの線材に対し最初の巻きピッチは(P′+D/2)とし、爾後は巻きピッチP′で巻付け累計巻回数nとなるようにして整列巻きをなす異形断面線材の整列巻き方法に用いる装置により解決した。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の異形断面線材の整列巻き方法の一例を用いた場合のボビンへの巻取状態を示す一部断面図(a)、トラバース位置を示す一部断面図(b)である。
図2は、本発明の異形断面線材の整列巻き方法の一例に用いる整列巻き装置の概略説明図である。
図3は、本発明の異形断面線材の整列巻き方法の巻取対象のスペーサの一例の断面図である。
図2において、本発明の異形断面線材の整列巻き方法の一例に用いる整列巻き装置1は次の構成よりなる。尚便宜上整列巻き装置1を正面よりみて左右、内外、上下として説明する。
基礎面GG上に間隔をおいて並列に立設された左右フレーム5a、5bと、該左右フレーム5a頂部に固着された左右昇降モータ20a、20bから下方に垂設された左右昇降ボールスクリュー21a、21bに昇降可能に螺合された左右軸受22a、22bと、該軸受22a、22b中心部水平方向に回動自在に枢着された左右回転軸11a、11bと、該回転軸11a、11b内側先端に左右円錐形のコーン18a、18bが突設されている。左回転軸11aには外側先端にスリット板が固着され、右回転軸11bはハンドル23の調節によって水平方向左右に出入り可能なシリンダ17を介して軸受22bに支承され、該右回転軸11b外側先端には巻取モータ6の軸が連動可能に連結されている。右側コーン18bはシリンダ17によって左右水平方向に出入可能で、水平方向固定の左コーン18aとの間に軸芯孔が穿設されたボビン3が着脱可能とされ、巻取時にはボビン3は水平に挟着保持され巻取モータ6によって駆動される。
【0007】
フレーム5、5の上部端縁に回転軸11a、11bに平行にねじが刻設されたトラバースボールスクリュー10が回動可能に枢着され、該トラバースボールスクリュー10に直角方向の案内溝を有しスペーサ2を案内供給するガイドプーリー4の支持部材が螺着され、該トラバースボールスクリュー10の一端にサーボモータ9の軸が固着されその回動によりガイドプーリー4が矢印XY方向にトラバース可能とされている。
本整列巻き装置1に用いられるボビン3は、左右端に両鍔間間隔Lをおいた鍔部3a、3b、中部円筒状筒部3c及び軸芯孔とよりなり、通常金属、木質又は硬質プラスチックの単独又はこれらの組合わせ製とされ、整列巻き装置1の作動時には左右コーン18a、18b間に水平に挟着され回動可能に保持され、ドッフィング時には右コーン18bを右側に移動して取外し可能とされている。
【0008】
制御装置16として、シーケンス制御部15を中心としてデーター表示部13、データー入力部14を備え、入力側にはスリット板7の近接位置に回転を検知する回転センサ8が、出力側には巻取モータ6及びサーボモータ9がそれぞれ連結され、データー入力部14及び回転センサ8の入力に基づきシーケンス制御部15よりパルス信号を出力して、サーボモータ9を駆動しトラバースボールスクリュー10を回動させ、その結果ガイドプーリー4を矢印XY方向にトラバースさせる。トラバースボールスクリュー10の直下でボビン3の妨げとならない位置に、巻取対象となるスペーサ2のトラバース幅を規制するセンサー例えば左右リミットスイッチ12a、12bが配設されシーケンス制御部15に入力(図示省略)されている。
巻取モータ6は通常定回転でボビン3を一定速度で駆動せしめる。
【0009】
上記構成の整列巻き装置1の作動について説明する。
先ず基礎面GG上に運搬されて来た空ボビン3をその軸芯と回転軸11a、11bの軸芯と合致するように左右コーン18a、18b間に置き、右コーン18bをシリンダ17のハンドル23による調節によって水平方向内側に移動し、ボビン3を水平に保持し巻取モータ6による駆動により回動される。
ガイドプーリー4を介して供給された異形断面線材であるスペーサ2は、ボビン3の巻取モータ6の駆動により、円筒状筒部3c上の左側鍔部3a又は右側鍔部3bのいずれかより巻回開始されるが、巻回の進行に対応してサーボモータ9を駆動してトラバースボールスクリュー10を回動せしめ、後述する特定条件の下にガイドプーリー4を矢印XY方向にトラバースさせることにより、ボビン3への整列巻きが得られる。以下においては、左側鍔部3aより巻回開始として説明する。
ガイドプーリー4のトラバースは、前記した通りデーター入力部14及び回転センサ8の入力に基づきシーケンス制御部15よりのパルス信号により、サーボモータ9を駆動してトラバースボールスクリュー10が回動してなされ、トラバース折返点の左右端は左右リミットスイッチ12a、12bにより、ボビン回転はスリット板7近接位置に装着された回転センサ8により検知され、シーケンス制御部15にフィードバックされる。
【0010】
次に、図1、2について、本発明の異形断面線材の整列巻き方法を説明する。
ここで、図1(a)は、ボビン3の左右端に両鍔間間隔Lをおいた鍔部3a、3bを左右端とし、円筒状筒部3c上に見掛上の線材径Dのスペーサ2を整列巻きした状態を示している。そして巻取位置の順序にしたがって○の中に数字が書込まれ、本説明においては「○1→○2→○3→・・・」として表示し、巻取が進行するにつれて円筒状筒部3c上に被巻取スペーサ2が積層される状態を略示している。
又、図1(b)は、ガイドプーリー4を通過するスペーサ2のトラバース位置を示している。そしてトラバースの順序にしたがって○の中にダッシュ付き数字が書込まれ、本説明においては「○1′→○2′→○3′→・・・」として表示するが、前記被巻取スペーサ2とは異なり、単にトラバース方向XYのトラバース位置を示しているのみである。
【0011】
先ず事前に、巻取対象とするスペーサ2の見掛上の線材径Dをノギス、マイクロメーター、ダイヤルゲージ等の器具で測定し、この測定値と実質的に同じ値を巻きピッチPとして設定し、トラバース位置左端の「○1′」にガイドプーリー4を置き、「○1′」に対応する被巻取スペーサ2は左側鍔部3aとの接触位置「○1」より第1層の巻取をスタートする。第1層のトラバース位置がトラバース方向Yに「○2′→○3′→・・・→○9′」と進行し、この進行につれて夫々対応する被巻取スペーサ2の巻取位置は僅かに遅れて「○2→○3→・・・→○9」と進み、右側鍔部3b直前例えば「○9」に達した時一端巻取を停止し、被巻取スペーサ2と右側鍔部3bとの間に略D/2の隙間を残す巻取位置「○10」までトラバース位置「○10′」をジョグ運転(巻取モータ6を僅かに回転)を繰り返し行ってトラバースし、第1層の巻取を終了しその累計巻回数nをデーター表示部13で確認する。
【0012】
次いで、第2層の巻取は前記の累計巻回数nを用い、 P′=(L−D/2)/n によって演算された巻きピッチP′に切替え、トラバース位置右端「○11′」にガイドプーリー4を置き、「○11′」に対応する被巻取スペーサ2は右側鍔部3bとの接触位置「○11」よりスタートする。トラバース位置右端「○11′」の次のトラバース量は最初だけは巻きピッチP′でなくて(P′+D/2)として「○12′」にD/2だけ先行し、その後はP′づつとしてトラバース方向Xに「○13′→○14′→・・・→○20′」と進行し、この進行につれて夫々対応する被巻取スペーサ2の巻取位置が僅かに遅れて「○12→○13→・・・→○19→○20」と進み、左側鍔部aとの間に略D/2の隙間を残し累計巻回数nで第2層の巻取を終了する。
第3層の巻取は、トラバース方向がXと逆のYに変わる他は第2層の巻取と同様に、トラバース位置左端の次のトラバース量は最初だけは巻きピッチは(P′+D/2)としてD/2だけ先行し、その後はP′づつとしてトラバース方向Yに「○21′→○22′→・・・→○30′」と進行し、この進行につれて夫々対応する被巻取スペーサ2の巻取位置が僅かに遅れて「○21→○22→・・・→○30」と進み、右側鍔部3bとの間に略D/2の隙間を残し累計巻回数nで第3層の巻取を終了し、第4層以降も同様の動作を繰り返し、ボビン3にパッケージ全体に亘る整列巻きを完成する。
【0013】
前記した本発明の異形断面線材の整列巻き方法によれば、表面部の剛性が低く可撓性を有する異形断面線材を対象としたにもかかわらず、パッケージ全体に亘って整列巻きが容易に達成できる。その理由は明白には分からないが、従来方法の第1層に巻取られた被巻取スペーサ2は表面の特殊な断面形状と可撓性のために巻取中にゆらぎ現象が発生し、一方ガイドプーリー4を介して導入される第2層以降の巻取スペーサ2の振動、抗張力線2aの剛性によるそりの発生等と相俟って、溝2bが噛合って乗り上げが生じたり、テンションによりリブ2cが変形して倒れが生ずる等の品質低下が生ずる上、測定に困難性を有する線材径、製作上バラツキのある線材径及びボビン寸法等に基づいて演算されたトラバースピッチによってなされる巻取の為、パッケージ全体に亘る整列巻きが達成できないものと思われる。
これに対し、本発明の異形断面線材の整列巻き方法では、第1層の巻取時は、測定された見掛上の線材径Dに合わせた巻きピッチPで巻付けを行い、被巻取スペーサ2と右側鍔部3bとの間に略D/2の隙間を残す累計巻回数nを一旦確認して、その累計巻回数nに基づき第2層の巻きピッチP′を演算し累計巻回数をnとしたから、線材径Dの正確な把握が困難であっても、その累計巻回数nは第1層の実際の巻取条件により得られたものであり、確実にパッケージ全体に亘る整列巻きが得られたものと思われる。
さらに、一般に整列巻きには第2層以降は前層の隣合わせの線材間谷部に次層の線材が安定的に積層することが要求されるが、左右側鍔部3a、3b近傍のトラバース変曲点が最も追従が不安定且つ遅延しやすいので、左右側鍔部3a、3bに隣接する最初の巻取線材の次の巻きピッチはP′でなくて(P′+D/2)としてD/2だけ先行させることにより、より確実に前記ゆらぎ現象、振動、そりの発生等による品質低下を吸収克服できるものと思われる。
ここの先行させる巻きピッチはD/2以下であっても整列巻きが得られる場合もあるが、各種巻取条件に係わらずD/2とするのが最も安定して整列巻きが得られることが実験上確かめられている。
【0014】
【実施例】
[実施例1]
前記した整列巻き装置1を用い、中心部に抗張力線2aとして直径2mmφのガラス繊維強化プラスチック製線材を有し、熱可塑性樹脂の5個の溝2bとこれを隔成するリブ2cとよりなり交互撚(SZ)でノギス測定外径D5.2mmの光ファイバケーブル用スペーサを、両鍔間間隔L735mm、円筒状筒部3c600mmφのボビン3に先ず第1層の巻取を左側鍔部3aより巻きピッチP5.2mm、巻取張力5kgでスタートし、右側鍔部3b直前に達した時一端巻取を停止し、被巻取スペーサ2と右側鍔部3bとの間に略2.6mmのギャップを残す位置までトラバースをジョグ運転を繰り返し行ってトラバースし第1層の巻取を終了し、その累計巻回数nを140回と確認した。
次いで、巻取トラバースを巻回数n140を用い、 P′=(L−D/2)/nによって演算された巻きピッチP′5.23mmに切替え、右側鍔部3bとの接触位置より第2層の巻取をスタートし、トラバース位置右端の次のトラバースは最初だけは巻きピッチ(P′+D/2)=7.83mmとして先行し、その後はP′5.23mmづつとしてトラバース方向Xに巻取を進行し、左側鍔部aとの間に略2.6mmのギャップを残し巻回数140で第2層の巻取を終了し、以降このまま31層全長約10000m巻取ったが、巻取位置のズレは生ぜず、パッケージ全体に亘る整列巻きが無人運転で効率良く得られた。
【0015】
[実施例2]
前記実施例1に引続いて5回連続して同様に巻取を行った所、第1層の累計巻回数nは、139、141、140、138、139と変動したが、第2層以降問題なく整列巻きのパッケージが効率良く得られた。この巻回数の差は、スペーサ又はボビンの製作誤差等のバラツキによって生じたもと思われる。
【0016】
[比較例1]
前記実施例1と同様の条件で、第2層以降巻回数を規制せずそのまま巻取を継続した所、第4層目に入った所で巻取位置に対しトラバース位置約15mmの遅れが発生し逆走したため巻取中止に追込まれた。
[比較例2]
前記実施例1と同様の条件で、第2層以降トラバース位置の遅れを特開平8−59075号公報記載の方法によりフィードバックして巻取ったが、乗り上げやリブの変形、倒れが生じ、品質不良であった。
[比較例3]
前記実施例1と同様の条件で、第1層目の右側鍔部3b直前に達した時の一端巻取停止をせず、被巻取スペーサ2と右側ボビン鍔部3bとの間のギャップを考慮せずに巻取を継続した所、トラバース変曲点の位置ズレ及び段落ちが生じ、品質不良であった。
【0017】
【発明の効果】
本発明の異形断面線材の整列巻き方法及びこれに用いる装置によれば、表面部の剛性が低く可撓性を有する異形断面線材を巻取対象としたにもかかわらず、特別のボビンを用いることなく、線材及びボビンの製作上のバラツキにも対応でき、パッケージ全体に亘って高品質の整列巻が高生産性、高効率で達成できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異形断面線材の整列巻き方法の一例を用いた場合のボビンへの巻取状態を示す一部断面図(a)、トラバース位置を示す一部断面図(b)である。
【図2】本発明の異形断面線材の整列巻き方法の一例に用いる整列巻き装置の概略説明図である。
【図3】本発明の異形断面線材の整列巻き方法の巻取対象のスペーサの一例の断面図である。
【符号の説明】
1 整列巻き装置
2 スペーサ
2a 抗張力線
2b 溝
2c リブ
2d 予備被覆層
3 ボビン
3a、b 鍔部
3b 筒部
4 ガイドプーリー
5a、b フレーム
6 巻取モータ
7 スリット板
8 回転センサ
9 サーボモータ
10 トラバースボールスクリュー
11a、b 回転軸
12a、b リミットスイッチ
13 データー表示部
14 データー入力部
15 シーケンス制御部
16 制御装置
17 シリンダ
18a、b コーン
19 取付けバー
20a、b 昇降モータ
21a、b 昇降ボールスクリュー
22a、b 軸受
23 ハンドル
D 線材径
L 両鍔間間隔
P、P′ 巻きピッチ
n 累計巻回数
X、Y トラバース方向
GG 基礎面

Claims (4)

  1. 両端鍔部及び中部筒部を有するボビンを回転しながら異形断面線材をトラバースして前記筒部に整列巻付けをする異形断面線材の整列巻き方法において、
    1)第1層は予め測定された線材径Dと実質的に同じ巻きピッチPで一方の鍔部より巻付けをスタートし、他方の鍔部端直前で前記線材との間に実質的にD/2の間隙を存するまで巻き付けて累計巻回数nを確認し、
    2)第2層以降は、両鍔間間隔をLとしたとき、 P′=(L−D/2)/n によって演算された巻きピッチP′を得、第2層以降の鍔部端巻始めの線材に対し最初の巻きピッチを(P′+D/2)で先行し、爾後は巻きピッチP′で巻付け累計巻回数nによりパッケージ全体に亘る整列巻きを完成せしめることを特徴とする異形断面線材の整列巻き方法。
  2. 異形断面線材が光ファイバケーブル用スペーサであることを特徴とする請求項1に記載の異形断面線材の整列巻き方法。
  3. 光ファイバケーブル用スペーサが交互撚を有することを特徴とする請求項2に記載の異形断面線材の整列巻き方法。
  4. ボビンに異形断面線材を供給する供給手段と、前記ボビンを装着した回転軸を周方向に回転させる回転手段と、前記回転軸に沿って往復動可能なトラバース手段と、前記回転軸と前記ボビンとの着脱を可能とする取付手段と、前記回転手段及びトラバース手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は第1層の予め測定された線材径Dと実質的に同じ巻きピッチPで一方の鍔部端より巻付けスタートし、他方の鍔部端直前で前記線材との間に実質的にD/2の間隙を存するまでの累計巻回数nと、ボビン両鍔間間隔をLとしたとき、 P′=(L−D/2)/n によって演算された巻きピッチP′より、第2層以降の鍔部端巻始めの線材に対し最初の巻きピッチは(P′+D/2)とし、爾後は巻きピッチP′で巻付け累計巻回数nとなるようにして整列巻きをなすことを特徴とする異形断面線材の整列巻き方法に用いる装置。
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