JPH10129782A - ストロー付フレキシブル容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 口部に設けられたシール材を容易に開封する
ことができ、開封後のシール材の処理に煩わされないス
トロー付フレキシブル容器を提供する。 【解決手段】 フレキシブルな材質のシートで形成され
た袋状の容器本体１２の一辺に設けたストロー差し込み
口１３からストロー１４を挿入して固着シールする。ス
トロー１４の突出した部分を口部１５とし、その外周に
キャップ１８を螺着させるための雄ネジ部１６を形成す
る。口部１５の先端開口部は、シール材１７により封止
されるようになっている。キャップ１８は、その一端内
周に上記雄ネジ部１６に螺合する雌ネジ部が形成され、
他端に円筒状リブ２０に囲まれたテーパ状突起１９が形
成されている。キャップ１８を開けた後、キャップ１８
の他端を口部１５に押し付けて、突起１９でシール材１
７を突き破って開封することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ストローの口部に
設けられたシール材を容易に開封することができるよう
にしたストロー付フレキシブル容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、例えばコーヒー、ココア、スー
プ、ゼリー状栄養食品等の流動性食品用の容器として、
フレキシブルな材質のシートで形成され、一辺にストロ
ー差し込み口を有する袋状の容器本体に、一端に口部が
形成されたストローを挿入して固着シールし、口部にキ
ャップを螺着して密封するようにしたストロー付フレキ
シブル容器が用いられている。この容器は、キャップを
開けてストロー状の口部から吸引することにより、袋状
の容器が萎んで容易に飲用できるという便利さを有して
いる。

【０００３】一方、マヨネーズや練りわさびの容器とし
て、軟質の合成樹脂を一体成形してなるチューブ状の容
器が用いられている。この容器の口部は、内容物を充填
した後、アルミニウム箔をラミネートした合成樹脂シー
トからなるシール材でヒートシールされ、その上からキ
ャップを被せられている。そして、需要者が使用に際し
てキャップを開き、シール材を剥して口部を開封するよ
うになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、ストロー付フ
レキシブル容器においては、中性の流動性食品を充填し
た場合、必要とされる加熱殺菌温度が一般に高いので、
加熱殺菌時の圧力によって、流動性食品がキャップから
漏れて、衛生上の問題を生じることがあった。

【０００５】この解決方法としては、上記ストロー付フ
レキシブル容器に流動性食品を充填した後、マヨネーズ
や練りわさびの容器と同様に、ストローの口部をシール
材でシールし、その上からキャップを螺着することが考
えられる。

【０００６】しかし、上記のようなストロー付フレキブ
ル容器では、ストローの口部の直径がとても小さいの
で、シール材を手で剥すことが困難であり、開封するの
に手間がかかるという問題があった。

【０００７】また、口部から剥したシール材は小さなご
みとなるため、内容物を飲用する前にシール材をごみ箱
に捨てに行くか、あるいは、そのシール材をとりあえず
手に持って内容物を飲用してから、容器と一緒にそのシ
ール材をごみ箱に捨てる必要があるため、剥したシール
材の処理が煩わしいという問題があった。

【０００８】更に、シール材を手で剥すときに、容器内
容物がこぼれたり、ストローの口部に手が直接触れるた
め、不衛生になりやすいという問題もあった。

【０００９】したがって、本発明の目的は、ストローの
口部に設けられたシール材を容易に開封することがで
き、しかも開封後のシール材の処理に煩わされないよう
にしたストロー付フレキシブル容器を提供することにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第１は、フレキシブルな材質のシートで形
成され、一辺にストロー差し込み口を有する袋状の容器
本体と、この容器本体の前記ストロー差し込み口に挿入
されて前記容器本体に固着シールされ、前記容器本体の
外側に突出した端部が口部をなし、その口部外周に雄ネ
ジ部が形成されたストローと、この口部に螺着されるキ
ャップとを備えたストロー付フレキシブル容器におい
て、前記キャップは、その一端内周に前記口部の雄ネジ
部に螺合する雌ネジ部が形成され、他端には前記口部に
挿入できるテーパ状突起を有しており、前記ストローの
前記口部の端面をシールするシール材が設けられている
ことを特徴とするストロー付フレキシブル容器を提供す
るものである。

【００１１】本発明の第２は、上記第１の発明におい
て、前記キャップの前記突起が、前記キャップの他端外
周に立設された、前記ストローの前記口部を挿入できる
内径の円筒状リブに囲まれ、前記突起の高さよりも前記
円筒状リブの高さの方が高くされているストロー付フレ
キシブル容器を提供するものである。

【００１２】本発明の第３は、上記第２の発明におい
て、前記円筒状リブの内周に、前記ストローの前記口部
外周に形成された前記雄ネジ部に螺合する第２の雌ネジ
部が形成されているストロー付フレキシブル容器を提供
するものである。

【００１３】本発明の第４は、上記第１〜３の発明のい
ずれか１つにおいて、前記シール材がアルミニウム箔を
ラミネートした合成樹脂フィルムからなり、前記口部の
端面に溶着されるものであるストロー付フレキシブル容
器を提供するものである。

【００１４】本発明の第５は、上記第１〜４の発明のい
ずれか１つにおいて、中性の流動性食品に適用されるス
トロー付フレキシブル容器を提供するものである。

【００１５】本発明の第６は、上記第１〜５の発明のい
ずれか１つにおいて、前記口部の外径が５〜４０mmであ
るストロー付フレキシブル容器を提供するものである。

【００１６】本発明の第７は、上記第１〜６の発明のい
ずれか１つにおいて、前記突起の頂角が９０°以下であ
るストロー付フレキシブル容器を提供するものである。

【００１７】本発明の第１によれば、キャップの外側の
端部に、ストローの口部に挿入できるテーパ状突起が形
成されているので、ストローの口部に螺着されたキャッ
プを取外し、テーパ状突起をストローの口部に挿入する
ことにより、口部の端面を封止しているシール材を突き
破って容易に開封することができ、それによって形成さ
れた孔を通して内容物を飲用することができる。

【００１８】この場合、口部に手が接触しないので、衛
生的に開封することができ、シール材をキャップのテー
パ状突起で破断するだけで、力を入れて剥したりする必
要がないので、過って内容物をこぼしたりすることも少
なくなる。

【００１９】また、ストローの口部に設けられたシール
材を剥すことなく、キャップのテーパ状突起で突き破
り、シール材が口部に付着したままで飲用するので、容
器とは別にシール材をごみ箱に捨てに行ったり、あるい
は飲用し終るまで剥したシール材を手に持っていたりす
る必要がなくなり、飲用時の手間が省略される。

【００２０】本発明の第２によれば、突起をストローの
口部に挿入する際に、円筒状リブが口部の挿入ガイドと
なって、突起がシール材の中央に正確に差し込まれるの
で、突起をシール材に確実に突き刺して開封することが
できる。また、突起の高さよりも円筒状リブの高さの方
が高くされているので、製品の梱包、運搬及び保管時に
突起が隣接する容器に押圧されて容器に孔が開いたりす
るのを防止できる。

【００２１】本発明の第３によれば、円筒状リブの内周
に、ストローの口部外周に形成された雄ネジ部に螺合す
る第２の雌ネジ部が形成されているので、ストローの口
部に円筒状リブをねじ込むことにより、突起をシール材
に強い力で正確に押し当てることができ、それによって
シール材を更に容易に突き破ることができる。

【００２２】本発明の第４によれば、シール材が、アル
ミニウム箔をラミネートした合成樹脂フィルムからな
り、口部の端面に溶着されるものからなるので、口部を
強い固着力及び強度で確実に封止して、密封性を向上さ
せることができる。

【００２３】本発明の第５によれば、特に高い温度及び
圧力で殺菌する必要があって、ストローの口部をシール
材で封止しなければならない中性の流動性食品に適用す
ることにより、産業上の利用価値を高めることができ
る。

【００２４】本発明の第６によれば、口部の外径が５〜
４０mmであるものに適用することにより、シール材を手
で剥しにくいという問題を解決することによる産業上の
利用価値を高めることができる。

【００２５】本発明の第７によれば、突起の頂角が９０
°以下であるので、シール材を容易に突き破って開封す
ることができる。

【００２６】

【発明の実施の形態】図１及び図２には、本発明のスト
ロー付フレキシブル容器の一実施例が示されている。図
１に示すように、このストロー付フレキシブル容器１１
は、例えば、合成樹脂シート、合成樹脂フィルムを複数
枚積層したシート、又は合成樹脂フィルムと金属箔とを
ラミネートしたシート等からなるフレキシブルな材質の
シートを、熱溶着して袋状に形成してなる容器本体１２
を有している。容器本体１２の袋形状は、特に限定され
ないが、同じ大きさの長方形状をなす前後のシートの両
側を、内側に折り込んだ細長い側方シートでそれぞれ接
合し、前後のシートの下縁部を接合して底部を形成し、
前後のシートの上縁部にストロー１４を差し込み、スト
ロー１４と一体に前後のシートの上縁部を接合すること
により形成され、内容物を充填すると箱形の形状になる
ようにした、いわゆるガゼットタイプが好ましく、それ
によってコンパクトな形状でありがなら、容量を大きく
して内容物の充填量を確保することができる。

【００２７】ただし、容器本体１２は、上記ガゼットタ
イプに限らず、前後２枚のシートの下辺に２つ折りした
底面シートを挿入し、前後のシートの両側辺はそのまま
接合し、上辺は中央にストローを挿入して接合し、下辺
は上記底面シートを介して接合してなる、いわゆるスタ
ンディングパウチと呼ばれる形状をなすものであっても
よい。更には、合成樹脂で一体成形された可撓性のある
袋状又はチューブ状の容器であってもよい。また、容器
本体１２は、着色されていても、あるいは透明でもよ
く、更には部分的に透明であってもよい。

【００２８】ストロー１４は、容器本体１２の上縁部中
央のストロー差し込み口１３から容器本体１２の内部に
挿入され、上記のように容器本体１２の前後のシートに
挟まれて熱溶着されることにより固着シールされてい
る。ストロー１４の容器本体１２内に挿入された部分
は、容器本体１２の下方に伸びて、流動性食品を飲用す
るときの導入口をなしている。なお、ストロー１４の材
質としては、熱溶着可能な合成樹脂、例えばポリエチレ
ン等が好ましく用いられる。

【００２９】ストロー１４の容器本体１２から突出した
部分は、流動性食品の充填口となると共に、飲用時には
吸引口となる口部１５をなしている。この口部１５の基
部には、断面コ字状の支持棒に係合保持させるためのフ
ランジ３１、３２が形成されている。上記支持棒は、空
の容器を多数重ねて梱包するときの支持具として、ま
た、空の容器を充填機に供給するときの整列ガイドとし
て用いられる。また、フランジ３１、３２の上部におけ
る口部１５の外周には、キャップ１８を螺着させるため
の雄ネジ部１６が形成されている。

【００３０】更に、口部１５の先端開口部を封止するシ
ール材１７が設けられている。シール材１７としては、
合成樹脂フィルム、又は合成樹脂フィルムと金属箔とを
ラミネートしたフィルム等が好ましく用いられ、特に食
品容器としての安全性や、必要とされる剛性、不透湿
性、気密性等を付与する上から、アルミニウム箔をラミ
ネートした合成樹脂フィルムが好ましい。

【００３１】ストロー１４の口部１５の外径は、特に限
定されないが、口で加えて流動性食品を吸引するのに適
した大きさ、例えば５〜４０mmが好ましい。また、この
大きさは、先端開口部にヒートシールされたシール材１
７が剥しにくくなる大きさでもあるので、本発明の効果
がより発揮される。

【００３２】図２を併せて参照すると、キャップ１８
は、全体として円筒形状をなし、この円筒の中間部が閉
塞されている。そして、キャップ１８の一端内周には、
口部１５の雄ネジ部１６に螺合する雌ネジ部２１が形成
されている。

【００３３】また、キャップ１８の他端には、円筒状の
リブ２０と、このリブ２０に囲まれて、閉塞端面から突
出したテーパ状突起１９が形成されている。突起１９
は、その先端部を口部１５に挿入することができ、押し
つけることによりシール材１７を突き刺して開封できる
形状であればよいが、頂角が９０°以下となるようにし
ておけば、シール材１７を容易に突き刺すことができる
ので好ましい。

【００３４】また、円筒状のリブ２０は、口部１５を挿
入できる内径を有し、突起１９の高さよりも高くしてお
くことが好ましい。それにより、口部１５を挿入すると
きのガイドになり、かつ、取り扱い時に突起１９が隣接
する容器に押圧されて、隣接する容器に孔を開けてしま
うのを防止することができる。

【００３５】なお、キャップ１８の材質は、特に限定さ
れないが、比較的安価で成形が容易なポリエチレン等が
好ましい。また、円筒状リブ２０の内周に、ストロー１
４の口部１５外周に形成された雄ネジ部１６に螺合する
第２の雌ネジ部が形成されていてもよい。

【００３６】次に、ストロー付フレキシブル容器１１の
使用方法について説明する。このストロー付フレキシブ
ル容器１１に適用される内容物としては、ストロー１４
で吸い上げて飲用できるもの、すなわち、液状、懸濁液
状、ゼリー状等をなす流動性食品が好ましく、例えば、
コーヒー、ココア、スープ、ゼリー状栄養食品等が挙げ
られ、特に、高温高圧殺菌が必要とされ、口部１５をシ
ール材１７でシールすることが望まれる中性の流動性食
品が好適である。

【００３７】このストロー付フレキシブル容器１１は、
キャップ１８及びシール材１７を取付けていない状態
で、公知の充填機によって口部１５から流動性食品を充
填した後、図２（Ａ）に示すように、シール材１７を口
部１５の開口部にヒートシールし、キャップ１８を雄ネ
ジ１６に螺着させることにより、流動性食品を完全に封
止することができる。この状態で、中性の流動性食品に
必要とされる高温、高圧殺菌を行っても、シール材１７
とキャップ１８で封止しているので、内容物が漏れる虞
れはなく安全である。

【００３８】需要者がこの食品を購入して内容物を飲用
するときには、まず、キャップ１８を開き、図２（Ｂ）
に示すように、キャップ１８の外側端部の円筒状リブ２
０内に、ストロー１４の口部１５を挿入する。そして、
キャップ１８の他端面に形成されたテーパ状突起１９を
シール材１７に押し当てて、シール材１７を突き破って
開封する。その状態で、ストロー１４の口部１５を口で
加えて吸引することにより、流動性食品を容易かつ手軽
に飲用することができる。このとき、シール材１７は、
口部１５の開口部についたままで、ごみになることはな
いので、流動性食品の飲用が終わったら、空になった容
器１１と一緒にごみ箱に捨てることができ、飲用時に剥
したシール材の処理に困ることはない。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のストロー
付フレキシブル容器によれば、キャップを開いて、スト
ローの口部を封止するシール材を、キャップの反対側の
端部に形成したテーパ状突起で突き破ることにより、シ
ール材を剥すことなく、容易、安全かつ衛生的に開封し
て、内容物を手軽に飲用することができる。また、飲用
時にシール材が口部に付着したままでごみとならないの
で、容器とは別にシール材をごみ箱に捨てに行ったり、
あるいは飲用し終るまで剥したシール材を手に持ってい
たりする必要がなくなり、飲用時の手間が省略される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のストロー付フレキシブル容器の一実施
例を示す斜視図である。

【図２】同実施例のストロー付フレキシブル容器におい
て、キャップをストローの口部に螺着させた状態と、キ
ャップの突起でシール材を開封する状態とを示す部分断
面図である。

【符号の説明】 １１ ストロー付フレキシブル容器 １２ 容器本体 １３ ストロー差し込み口 １４ ストロー １５ 口部 １６ 雄ねじ部 １７ シール材 １８ キャップ １９ 突起 ２０ 円筒状リブ ２１ 雌ねじ部

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレキシブルな材質のシートで形成さ
   れ、一辺にストロー差し込み口を有する袋状の容器本体
   と、この容器本体の前記ストロー差し込み口に挿入され
   て前記容器本体に固着シールされ、前記容器本体の外側
   に突出した端部が口部をなし、その口部外周に雄ネジ部
   が形成されたストローと、この口部に螺着されるキャッ
   プとを備えたストロー付フレキシブル容器において、前
   記キャップは、その一端内周に前記口部の雄ネジ部に螺
   合する雌ネジ部が形成され、他端には前記口部に挿入で
   きるテーパ状突起を有しており、前記ストローの前記口
   部の端面をシールするシール材が設けられていることを
   特徴とするストロー付フレキシブル容器。
2. 【請求項２】 前記キャップの前記突起は、前記キャッ
   プの他端外周に立設された、前記ストローの前記口部を
   挿入できる内径の円筒状リブに囲まれ、前記突起の高さ
   よりも前記円筒状リブの高さの方が高くされている請求
   項１記載のストロー付フレキシブル容器。
3. 【請求項３】 前記円筒状リブの内周に、前記ストロー
   の前記口部外周に形成された前記雄ネジ部に螺合する第
   ２の雌ネジ部が形成されている請求項２記載のストロー
   付フレキシブル容器。
4. 【請求項４】 前記シール材が、アルミニウム箔をラミ
   ネートした合成樹脂フィルムからなり、前記口部の端面
   に溶着されるものである請求項１〜３のいずれか１つに
   記載のストロー付フレキシブル容器。
5. 【請求項５】 中性の流動性食品に適用される請求項１
   〜４のいずれか１つに記載のストロー付フレキシブル容
   器。
6. 【請求項６】 前記口部の外径が５〜４０mmである請求
   項１〜５のいずれか１つに記載のストロー付フレキシブ
   ル容器。
7. 【請求項７】 前記突起の頂角が９０°以下である請求
   項１〜６のいずれか１つに記載のストロー付フレキシブ
   ル容器。