JPH10123524A - ラビング処理方法および配向膜形成方法 - Google Patents

ラビング処理方法および配向膜形成方法

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JPH10123524A
JPH10123524A JP28115196A JP28115196A JPH10123524A JP H10123524 A JPH10123524 A JP H10123524A JP 28115196 A JP28115196 A JP 28115196A JP 28115196 A JP28115196 A JP 28115196A JP H10123524 A JPH10123524 A JP H10123524A
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thin film
liquid crystal
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Keizo Fujii
敬三 藤井
Masashi Higuchi
政志 樋口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦ストレスの変動を防止して、薄膜に均一
なラビング処理を施す。 【解決手段】 原基板部材1は、矩形の基板2の一方表
面に外部接続端子3を除き、少なくとも表示用領域4を
覆って配向膜材料から成る薄膜5が、基板2の辺2a〜
2dと薄膜5の辺5a〜5dとがそれぞれ平行となるよ
うに形成される。ラビングローラ6は、基板2の辺2c
と移動方向7とが成す角度θは75度以上90度以下の
範囲に選ばれ、該方向7に回転しながら移動して、薄膜
5にラビング処理を施す。これによって、原基板部材1
とラビングローラ6との接触辺7aの長さがほぼ一定に
保たれるので、ラビング処理中の原基板部材1とラビン
グローラ6との接触によって生じる摩擦ストレスの変動
を防止することができ、配向処理を均一に施すことがで
きて液晶表示装置としたときの液晶分子の配向状態を均
一とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばワードプ
ロセッサやパーソナルコンピュータなどのOA(オフィ
スオートメーション)機器の表示手段として用いられる
液晶表示装置を構成する配向膜に対してラビング処理を
施すラビング処理方法および配向膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ワードプロセッサやパーソナルコ
ンピュータなどのOA機器の普及に伴い、OA機器の表
示装置として、たとえば軽量、低消費電力を特徴とする
液晶表示装置が注目されている。液晶表示装置は、OA
機器などの表示装置として用いるために、表示品位を含
む製品品質の向上が要求されている。
【0003】液晶表示装置において、表示品位は該装置
の液晶層内の液晶分子の配向状態に関係し、配向状態は
液晶層を挟持する基板部材表面の配向膜によって定めら
れる。配向膜は、たとえば高分子材料から成る薄膜に、
いわゆる配向処理を施して形成され、この配向処理の一
手法としてラビング処理法が挙げられる。
【0004】図7は、ラビング処理を説明するための、
配向膜形成工程における原基板部材32の平面図であ
る。工程終了後に4枚の基板部材に分割される原基板部
材32が準備されて、原基板部材32の表面に形成され
る薄膜に対して、ラビング処理が施される。
【0005】原基板部材32は、原基板33、外部接続
端子34、および薄膜36を含んで構成される。矩形の
原基板33の一方表面には、4組の外部接続端子34が
形成される。さらに、外部接続端子34とそれぞれ隣接
して、矩形の領域35が4つ設定される。この領域35
は、4辺がそれぞれ原基板33の辺と平行であり、液晶
表示装置の表示用領域に対応する。各領域35の内部に
は、表示用電極が形成され、表示電極および露出する原
基板33の表面を覆う領域35にポリイミド樹脂などの
配向膜材料から成る薄膜36が形成される。
【0006】ラビング処理工程では、このようにして構
成される原基板部材32の薄膜36に、後述するラビン
グ機を用いてラビング処理が施され、これによって配向
膜を得る。配向膜形成後の原基板部材32を、各領域3
5を1つずつ含むように分割して液晶表示装置の基板部
材が得られる。
【0007】原基板部材32に形成された薄膜36にラ
ビング処理を施すラビング機は、原基板部材32を載置
するステージと、ラビングローラ37とを含んで構成さ
れる。ラビングローラ37は円筒状の曲面にラビング布
が貼られており、ステージ上の原基板部材32の一方表
面と接触される。このとき、ラビングローラ37の長手
方向と原基板部材32の所定の辺とは比較的大きい交差
角で交差するようにして配置されてラビング処理が実施
される。
【0008】ラビング処理は、具体的には、ラビングロ
ーラ37の中心軸線を回転中心軸線として、円周方向に
沿う予め定められた回転方向に回転させつつ、予め定め
る圧力で曲面を原基板部材32に接触させてこすり、か
つラビングローラ37とステージとを、予め定める移動
方向38に相対移動させて行う。このとき、ラビングロ
ーラ37の曲面と原基板部材32との接触部分である接
触辺38aは、原基板部材32の直交する2辺を両端と
する直線、または対向する2辺を両端とする直線で表さ
れる。移動方向38は、接触辺38aの伸びる方向と直
交し、原基板部材32のある一辺と予め定める角度θ3
を成す方向である。このような移動方向38に相対移動
させて、原基板部材32の薄膜36全域をラビング処理
する。このような手法で得られた液晶表示装置の基板部
材の配向膜のラビング軸は、配向膜のある一辺と予め定
める角度θ3を成す。
【0009】上述のラビング処理では、角度θ3は液晶
表示装置の視角特性に重点をおいて決定される。具体的
には、OA機器の表示手段として用いられる液晶表示装
置では、装置の使用者は一般的に液晶表示装置の正面に
座るので、液晶表示装置の12時−6時方向に対して高
い視角特性が要求される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、角度θ3
を45度としてラビング処理を行うときにおいては、ラ
ビング処理の開始から終了までの間に、上述の接触辺3
8aの長さが大きく変化する。これによって、単位時間
当たりに薄膜35と接触するラビングローラ37の接触
面積、すなわち、原基板部材32の単位時間当たりにラ
ビング処理される基板面積が大きく変化する。原基板部
材32とラビングローラ37との接触によって生じる摩
擦ストレスは、該基板面積にほぼ比例するので、ラビン
グ処理の開始から終了までの間に摩擦ストレスが大きく
変動する。具体的には、摩擦ストレスは、ラビングロー
ラ37が、ラビング処理の開始点から原基板部材32の
中央部に至るまでの間に、ラビング処理される基板面積
の増加に伴って増加する。また、ラビングローラ37
が、原基板部材32の中央部からラビング処理の終了点
に至るまでの間に、ラビング処理される基板面積の減少
に伴って減少する。
【0011】このようにラビング処理中に摩擦ストレス
が大きく変動すると、予め定める回転速度で回転するラ
ビングローラ37の回転速度が変動してしまう。具体的
には、摩擦ストレスが増加するとラビングローラ37の
回転速度は遅くなり、摩擦ストレスが減少するとラビン
グローラ37の回転速度は速くなる。回転速度が変動す
ると、配向膜の配向処理状態も不均一となり、液晶表示
装置としたときの液晶分子の配向状態が不均一となって
表示品位が低下する。
【0012】ラビング処理中の摩擦ストレスの変動を防
止するための制御手法として、ラビングローラ37を駆
動するモータを含む駆動系の、たとえばトルクを電気的
に制御して、回転速度を一定に保つ手法がある。具体的
には、摩擦ストレスが増加してラビングローラ37の回
転速度が遅くなったときに、ラビングローラ37への電
力の供給量を増加させ、摩擦ストレスが減少してラビン
グローラ37の回転速度が速くなったときに、ラビング
ローラ37への電力の供給量を減少させることによっ
て、駆動系のモータのトルクを制御する。しかしこの手
法では、ラビングローラ37に加わる摩擦ストレスの変
動タイミングと、駆動系のトルクの変動タイミングとの
間に遅延が生じ易く、遅延分だけ回転速度の調整が遅れ
るので、摩擦ストレスの変動を充分に補正することが困
難である。
【0013】また、原基板部材32の一方表面には、領
域35だけに薄膜36が形成されているので、領域35
とそれ以外の残余領域との境界には、少なくとも薄膜3
6の厚さ分の段差が生じている。ラビング処理の実施中
に、前述の接触辺38aの一部は残余領域をも通過す
る。接触辺38aが、領域35から残余領域へと通過す
るとき、またはその逆のときに、領域35と残余領域と
の段差部分でラビングローラ37と原基板部材32間の
圧力が変化することによって、摩擦ストレスが急激に変
化する。この摩擦ストレスの変化によって、段差部分の
近傍の薄膜36へのラビング処理が不均一になり、液晶
表示装置の液晶分子の配向状態も不均一になる。
【0014】上述したような液晶表示装置の第1の従来
技術として、特開昭63−124027号公開公報が挙
げられる。本公報では、液晶素子の表示面へ加えられる
圧力によって液晶層内の液晶分子の配向状態に欠陥が生
じることを防止するために、配向膜のラビング軸が、長
方形基板の長手方向にほぼ平行な方向に規定される。ま
た、第2の従来技術として、特開平5−203955号
公開公報が挙げられる。本公報では、液晶層内の液晶分
子の移動によってセル内の圧力が変動し、セル厚が変化
することを防止するために、配向膜のラビング方向が、
装置のストライプ状電極の長手方向に対してほぼ平行な
方向に規定される。
【0015】これらの従来技術では、完成後の液晶表示
装置の基板部材の配向膜におけるラビング軸およびラビ
ング方向は定められるが、製造段階において基板部材と
ラビングローラとがどのような位置関係に配置されるの
かが不明である。ゆえに、たとえば製造段階で上述した
領域35の4辺と原基板部材32の4辺とが非平行に設
定されていたときには上述したように接触辺38aの長
さが大きく変動する。このように、これら2つの従来技
術は、ラビング処理を行うときの摩擦ストレスを考慮し
ておらず、本件とは目的が異なる。
【0016】本発明の目的は、基板部材とラビングロー
ラとの間に生じる摩擦ストレスの変動を防止し、均一な
ラビング処理を施すことができるラビング処理方法、お
よび、該ラビング処理方法を用いて全面が均一な配向状
態を有する配向膜を得ることができる配向膜形成方法を
提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、平板状の基板
の一方表面の予め定める領域に形成された被処理膜の表
面を含む基板の全表面に、円周方向に回転する円筒状の
接触部材の曲面を接触させ、かつ基板端辺に対して直交
する方向に基板および接触部材を相対的に移動させて被
処理膜の表面をラビングするラビング処理方法におい
て、被処理膜の表面を含む基板表面と接触部材の曲面と
の接触部分の長さを予め定められる一定の長さにほぼ保
ちながら、基板および接触部材を相対的に移動させるこ
とを特徴とするラビング処理方法である。本発明に従え
ば、上述の基板上の被処理膜表面を含む基板の全表面に
対して、接触部材の曲面を接触させてこすることによっ
て、被処理膜に対してラビング処理が施される。このと
き、被処理膜表面を含む基板の全表面と接触部材の曲面
とが接触する直線状の接触部分は、その長さを予め定め
られる一定の長さにほぼ保たれる。上述したようなラビ
ング処理中には、被処理膜を含む基板と接触部材とに、
接触部分の長さに比例して増大する摩擦ストレスが加わ
る。この摩擦ストレスの変動は、接触部材の回転速度の
変動、すなわちラビング処理の不均一化の原因となる。
本発明のラビング処理方法によって接触部分の長さをほ
ぼ一定に保つことで、摩擦ストレスの変動を防ぐことが
できる。これによって、接触部材の回転を一定に保つこ
とができるので、被処理膜の全面に均一なラビング処理
を施すことができる。
【0018】また本発明は、前記基板は矩形であり、前
記移動方向と基板のいずれか一辺との成す角は75度以
上90度以下の範囲に選ばれることを特徴とする。本発
明に従えば、基板は矩形であり、上述した角度でラビン
グ処理が施される。これによって、接触部材の回転中心
軸線が、基板のいずれか一辺とほぼ平行な状態を保って
移動されるので、基板と接触部材との接触部分の長さ
を、被処理膜表面のほぼ全域にわたって、一定に保つこ
とができる。特に、上記角度を90度に選んだときに
は、接触部分の長さを常に一定に保つことができる。こ
れによって、前記摩擦ストレスの変動を防ぐことがで
き、接触部材の回転を一定に保つことができるので、被
処理膜の全面に均一なラビング処理を施すことができ
る。
【0019】また本発明は、平板状で矩形の基板であっ
て、該基板の各辺と平行な各辺で囲まれた矩形の配向膜
形成領域が設定された基板を準備し、前記基板上の配向
膜形成領域に配向膜材料から成る薄膜を形成し、形成さ
れた薄膜の表面を上述したようなラビング処理方法でラ
ビングして、配向膜を形成することを特徴とする配向膜
形成方法である。本発明に従えば、まず基板の一方表面
には、配向膜形成領域に配向膜材料から成る薄膜が形成
され、該薄膜に前記ラビング処理方法でラビング処理し
て配向膜が形成される。これによって、基板の辺と移動
方向との成す角度と、形成された薄膜の辺と移動方向と
の成す角度とが一致するので、基板に対する移動方向と
薄膜に対する移動方向とは一致し、前記接触部分の長さ
の変動は薄膜だけに対する接触部分の長さの変動と一致
する。したがって、摩擦ストレスの変動を防止すること
ができ、均一にラビング処理された配向膜を得ることが
できる。このような配向膜を有する液晶表示装置では、
液晶分子の均一な配向状態が得られ、表示の均一性が向
上する。
【0020】また本発明は、平板状で矩形の基板であっ
て、該基板の各辺と平行な各辺で囲まれた矩形の配向膜
形成領域が設定された基板を準備し、前記基板上であっ
て、前記配向膜形成領域を含み、該基板のいずれか一方
辺から該一方辺と対向する辺に向かって延びる帯状領域
に配向膜材料から成る薄膜を形成し、形成された薄膜の
表面を上述したようなラビング処理方法でラビングし
て、配向膜を形成することを特徴とする配向膜形成方法
である。本発明に従えば、まず基板の一方表面には、配
向膜形成領域を含み、該基板のいずれか一方辺から該一
方辺と対向する辺に向かって延びる帯状領域に、配向膜
材料から成る薄膜が形成され、該薄膜に前記ラビング処
理方法によってラビング処理を施して、配向膜が作成さ
れる。このように、配向膜形成領域毎に形成されていた
薄膜をつなげて帯状に形成することによって、基板表面
のうちの薄膜が形成された部分と形成されていない部分
との段差の数を低減することができる。これによって、
段差に起因する摩擦ストレスの変動を低減することがで
き、より均一にラビング処理された配向膜を得ることが
できる。特に帯状の薄膜の長手方向と接触部材の移動方
向とを略平行にしたときに、ラビング処理中に、接触部
分が段差部分に対して直交する方向に通過する回数が減
る。これによって、摩擦ストレスの変動をさらに防止す
ることができるので、より均一にラビング処理された配
向膜を得ることができる。したがって、本形成方法で得
られる配向膜を含む液晶表示装置では、液晶分子の配向
状態はさらに優れたものとなり、表示品位はさらに向上
する。
【0021】また本発明は、平板状で矩形の基板であっ
て、該基板の各辺と平行な各辺で囲まれた矩形の配向膜
形成領域が設定された基板を準備し、前記基板上であっ
て、前記配向膜形成領域を含むほぼ全面を覆って配向膜
材料から成る薄膜を形成し、形成された薄膜の表面を、
上述したようなラビング処理方法でラビングして、配向
膜を形成することを特徴とする配向膜形成方法である。
本発明に従えば、まず、基板の一方表面には、配向膜形
成領域を含むほぼ全面を覆って、配向膜材料から成る薄
膜が形成され、さらに上述のラビング処理方法のラビン
グ処理が施されて、配向膜が形成される。前記薄膜は、
たとえば配向膜形成後の基板部材が液晶表示装置の基板
部材として使用されるときに、基板部材に含まれる表示
用の電極へ外部から電気信号を供給するための外部接続
端子が形成される領域を除いた領域であっても構わな
い。本発明ではラビング処理に対する基板と薄膜との段
差による影響をさらに防止することができるので、摩擦
ストレスの変動をさらに防ぐことができる。これによっ
て、さらに均一にラビング処理された配向膜を得ること
ができる。したがって、本形成方法で得られる配向膜を
含む液晶表示装置では、液晶分子の配向状態はさらに優
れたものとなり、表示品位はさらに向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態で
ある配向膜の形成方法を説明するための原基板部材1の
平面図である。以後、本実施形態の配向膜形成方法は、
液晶表示装置において、液晶層を挟持する1対の基板部
材にそれぞれ形成される配向膜の形成工程を例として述
べる。この液晶表示装置の製造工程では、配向膜完成後
に原基板部材を4分割して、液晶表示装置の基板部材を
得ている。
【0023】配向膜形成工程は、薄膜形成工程とラビン
グ処理工程とに分けられる。薄膜形成工程では、配向膜
以外の基板部材の構成部品が作り付けられた工程途中の
原基板部材に、これらの構成部品および露出する基板表
面を覆って、配向膜材料から成る薄膜が形成される。図
1の原基板部材1は、該薄膜が形成された後の状態を表
す。
【0024】原基板部材1は、原基板2、外部接続端子
3、および薄膜5を含む。平板状で矩形の原基板2は、
その一方表面に、各辺と平行に行列状に配置される4つ
の矩形の領域4を有する。領域4の各辺は、それぞれ原
基板2の各辺と平行に配置される。領域4は、液晶表示
装置の表示用領域に対応する。原基板2の一方表面に
は、液晶表示装置の構成部品として、領域4内に、たと
えば表示電極などの構成部品が形成される。さらに、領
域4に隣接して、領域4内の電極と電気的に接続される
外部接続端子3が形成される。
【0025】薄膜形成工程では、原基板2の一方表面
に、外部接続端子3の形成された領域を除き、少なくと
も領域4内の構成部品および露出する原基板2表面を覆
うようにして、薄膜5が形成される。本実施形態では、
薄膜5は、領域4内部だけを覆うように形成される。薄
膜は、たとえばポリイミド樹脂などの配向膜材料から成
る。本実施形態では、薄膜5の各辺5a〜5dと、原基
板2の各辺2a〜2dとは、それぞれ平行になる。この
薄膜5を含む原基板部材1に後述のラビング機を用いて
ラビング処理を施すことによって、薄膜5が配向膜とな
る。
【0026】原基板部材1にラビング処理を施すラビン
グ機は、円筒状のラビングローラ6とステージとを含ん
で構成される。原基板部材1はステージ上に載置されて
固定される。ラビングローラ6は、円筒状の曲面にラビ
ング布が貼られており、ステージ上に載置される原基板
部材1の一方表面と曲面とが接触される。このときラビ
ングローラ6の長手方向と原基板部材1の所定の辺と
は、比較的小さい交差角で交差するようにして配置され
る。あるいは平行となるようにして配置される。
【0027】さらにラビングローラ6には駆動装置が付
加され、ラビングローラ6本体の円筒の中心軸線を回転
中心軸線として、円周方向の予め定められた回転方向に
予め定める回転速度を保って回転させる。ラビングロー
ラ6の回転速度は、毎分500rpm以上毎分2,00
0rpm以下の範囲に選ばれる。かつ駆動装置は、ラビ
ングローラ6全体をステージ上の原基板部材1に対して
予め定める圧力で押付けつつ、原基板部材1の一方表面
に沿って後述する移動方向7に移動させる。
【0028】ラビング処理工程では、具体的には、ラビ
ングローラ6とステージとの間に原基板部材1を挟込
み、ラビングローラ6をその回転中心軸線回りに回転さ
せつつ、予め定める圧力でラビングローラ6の曲面のラ
ビング布を原基板部材1表面に接触させて、薄膜5表面
をこする。さらにラビングローラ6とステージとを、接
触辺7aが原基板2のある辺2cから該辺2cと対向す
る辺2dまで平行移動するように、予め定める移動方向
7に相対移動させる。接触辺7aは、ラビングローラ6
の曲面と原基板部材32との接触部分であり、原基板2
の対向する2辺または直交する2辺を端部とする直線で
表される。本実施形態では、ラビング機の構造を、ステ
ージを固定して、ラビングローラ6を移動させる構造と
仮定して説明するが、ラビング機の構造はこれに限ら
ず、接触辺7aが移動する構成であれば、たとえばラビ
ングローラ6を固定してステージを移動させるような、
他の構造であってもよい。
【0029】原基板部材1に対するラビング処理を開始
する辺2cと、ラビングローラ6の移動方向7とが成す
角度θ0は、75度以上90度以下の範囲に選ばれる。
この角度範囲の決定理由は後述する。角度θ0が上述の
範囲のうちの90度以外の角度に選ばれるとき、接触辺
7aの両端は、該接触辺7aが辺2c,2d近傍にある
ときを除いて、辺2c,2dと直交する1対の平行な辺
2a,2bによって規定される。したがって、ラビング
工程において移動中の接触辺7aの長さは、ほぼ等しく
保たれる。さらに、角度θ0を90度としたとき、ラビ
ング処理工程に開始から終了まで、常に接触辺7a辺2
a,2bを両端とするので、接触辺7aの長さは常に等
しく保たれる。
【0030】接触辺7aの長さが等しく保たれると、単
位時間当たりに原基板部材1がラビングローラ6の曲面
と接触する接触面積、すなわち単位時間当たりにラビン
グローラ6によってラビング処理される基板面積が、時
間経過に拘わらずほぼ等しくなる。具体的には、たとえ
ば角度θ0が75度に選ばれるとき、該基板面積は、ラ
ビング処理開始直後には、接触辺7aが直交する辺2
b,2cを端部とするために、時間経過に伴い急激に増
加し、処理終了直前には、接触辺7aが直交する辺2
d,2aを端部とするために、時間経過に伴い急激に減
少する。さらに、ラビング処理の上述のときを除く残余
のときには、接触辺7aが辺2a,2bを両端とするの
で、時間経過に拘わらず等しく保たれる。
【0031】上述のラビング処理工程中には、原基板部
材1とラビングローラ6とには、該基板面積に比例して
増加する摩擦ストレスが加わる。上述したように、該基
板面積は、少なくともラビング処理開始直後および終了
直前を除く残余のときには等しく保たれるので、摩擦ス
トレスも等しく保たれる。このように、接触辺7aの移
動方向、すなわちラビングローラ6の移動方向7を上述
の関係を満たすように定めることによって、ラビング処
理中の摩擦ストレスが、単一の原基板部材に対するラビ
ング処理中に変動することを防止することができる。
【0032】この摩擦ストレスは、ラビングローラ6の
回転速度を変動させる原因となるが、本実施形態のラビ
ング処理方法では、上述のように摩擦ストレスをラビン
グ処理工程のほぼ全域で等しく保つので、ラビングロー
ラ6の回転速度を一定に保つことができる。その結果、
原基板2上に形成された薄膜5に均一なラビング処理が
施されるので、その表面加工について均一性を有する配
向膜を得ることができる。またラビング処理によって形
成された配向膜の有する遅相軸は、移動方向7と平行な
方向である。
【0033】図2は、上述の配向膜の形成方法を用いた
配向膜形成工程を含む製造工程によって作成された液晶
表示装置8を示す分解断面図である。液晶表示装置8
は、たとえばSTN型液晶表示装置である。液晶表示装
置8は、液晶表示素子9、一対の位相差板10,11、
および一対の偏光板12,13を含んで構成される。一
対の偏光板12,13の間に液晶表示素子9が配置さ
れ、液晶表示素子9と偏光板12,13との間に位相差
板10,11がそれぞれ配置される。
【0034】液晶表示素子9は、一方および他方基板部
材14,19、ならびに該基板部材14,19に挟持さ
れる液晶層24を含む。一方基板部材14は、透光性を
有する平板状の基板15、複数の帯状電極16、配向膜
17、および外部接続端子を含み、基板15の一方表面
に形成された複数の電極16の表面、および露出する基
板15の一方表面を配向膜17が覆う構造を有する。さ
らに、他方基板部材19は、透光性を有する平板状の基
板20、複数の帯状電極21、配向膜22、および外部
接続端子を含み、一方基板部材14と同様の構造を有す
る。液晶層24のツイスト角は、たとえば260度に形
成される。ツイスト角とは、基板部材14,19の法線
方向から見て、液晶層24内の液晶分子のうち、基板部
材14,19にそれぞれ最近接する2つの液晶分子の長
軸がなす角である。
【0035】液晶表示素子9の製造工程では、まず、後
述の基板部材製造工程によって一方および他方基板部材
を形成する。この製造工程のうち、配向膜形成工程は、
図1の配向膜形成工程と等しい。続いて、形成された一
方および他方基板部材14,19を、配向膜17,22
が形成される基板15,20の一方表面を対向させ、か
つ帯状電極16,21の長手方向が相互に直交するよう
に、予め定める間隔を明けて配置し、一方および他方基
板部材14,19間の間隙に液晶を封入して、液晶層2
4を形成する。このような工程をへて、液晶表示素子9
が完成する。
【0036】以下に一方および他方基板部材14,19
の製造工程について、詳細に説明する。一方および他方
基板部材14,19は、図1で説明した配向膜形成工程
を含む基板部材製造工程を経て製造される。すなわち、
一方および他方基板部材14,19は、それぞれ基板1
5,20の4枚分の大きさの原基板15A,20A上
に、4枚分の帯状電極16,20、外部接続端子および
配向膜17,21を作り付けた後、該原基板15A,2
0Aを4枚に分割して、一方および他方基板部材14,
19を得る。
【0037】図3(a)は、一方基板部材14の製造工
程内のラビング処理工程のために準備される原基板部材
14Aの平面図である。原基板部材14Aは、配向膜形
成工程の中の薄膜形成終了後に得られる部材であり、そ
の構造は図1の原基板部材1と等しい。等しい構造の構
成部品は、名称を一致させて詳細な説明は省略する。
【0038】原基板部材14Aは、原基板15A、外部
接続端子18、および薄膜17Aを含んで構成される。
平板状で矩形の原基板15Aは、その一方表面に、液晶
表示装置8の表示用領域にそれぞれ対応する4つの領域
25が、行列状に配置されて設定されている。原基板1
5Aの有する辺15a〜15dは、辺15aおよび辺1
5b、ならびに辺15cおよび辺15dがそれぞれ平行
であり、辺15aと辺15cとが直交する。
【0039】図3(a)には図示しない複数の帯状電極
16は、原基板15Aの領域25の内部に、領域25の
長手方向と平行に形成されている。外部接続端子18
は、該帯状電極16の長手方向の一方端部に接続される
ようにして、領域25の幅方向の一方端部に形成されて
いる。さらに、薄膜17Aが、上述の4つの領域25を
それぞれ覆って原基板15Aの一方表面に形成されてい
る。原基板15Aの各辺15a〜15dと、薄膜17A
の各辺17a〜17dとがそれぞれ平行である。
【0040】ラビング処理工程では、薄膜17Aが形成
された原基板部材14Aに対して、前述のラビング機を
用いて、図1で説明したラビング処理方法を用いたラビ
ング処理が施され、薄膜17Aが配向膜17となる。こ
のとき、原基板部材14Aのラビング処理を開始する辺
15cと、前記ラビングローラ6の移動方向7とが成す
角度θ1は、辺15cから反時計回り方向に85度に選
ぶ。これによって、辺15cに対して、略垂直な方向
に、ラビング処理が施される。
【0041】図3(b)は、他方基板部材19の製造工
程内のラビング処理工程のために準備される原基板部材
19Aの平面図である。原基板部材19Aは、配向膜形
成工程の中の薄膜形成終了後に得られる部材であり、外
部接続端子の形成位置および電極の配置以外の構造は原
基板部材1と等しい。等しい構造の構成部品は、名称を
一致させて詳細な説明は省略する。
【0042】原基板部材19Aは、原基板20A、外部
接続端子23、および薄膜22Aをそれぞれ含んで構成
される。平板状で矩形の原基板19Aは、その一方表面
に、液晶表示装置8の表示用領域にそれぞれ対応する4
つの領域26が、行列状に配置されて設定されている。
原基板20Aの有する辺20a〜20dは、辺20aお
よび辺20b、ならびに辺20cおよび辺20dがそれ
ぞれ平行であり、辺15aと辺15cとは直交する。
【0043】図3(b)には図示しない複数の帯状電極
21は、原基板20Aの各領域26内に、領域26の長
手方向と垂直に形成されている。外部接続端子23は、
該帯状電極21の長手方向両端部と接続されるようにし
て、領域26の長手方向両端部に形成されている。さら
に、薄膜22Aは、上述の4つの領域26をそれぞれ覆
って、原基板20Aの一方表面に形成されている。原基
板20Aの各辺20a〜20dと薄膜22Aの各辺22
a〜22dとは平行である。
【0044】ラビング処理工程では、薄膜22Aが形成
された原基板部材19Aに対して、前述のラビング機を
用いて、図1で説明したラビング処理方法を用いたラビ
ング処理が施され、薄膜22Aが配向膜22となる。こ
のとき、原基板20Aのラビング処理を開始する辺20
bと前記ラビングローラ6の移動方向7とが成す角度θ
2は、辺20bから反時計回り方向に85度に選ぶ。こ
れによって、辺22dに対して、略垂直な方向に、ラビ
ング処理が施される。
【0045】上述の手法で得られた配向膜を含む一対の
原基板部材14A,19Aを、前述したように、各領域
25,26を1つずつ含むように4分割すると、前述の
一方および他方基板部材14,19が得られる。得られ
た一方基板部材14と他方基板部材19とは、液晶を封
入するために、たとえば、他方基板部材19を図3
(b)と同様に配置し、一方基板部材14を辺15bを
基準として図3(a)の配置状態と反転させて、各基板
部材14,19を基板15,20の一方表面を対向させ
るように配置する。これによって、液晶封入後の各基板
部材14,19は、辺15a,20b;15b,20
a;15c,20c;15d,20dがそれぞれ対向す
る。
【0046】このような配置状態における配向膜17,
22のラビング軸同士の成す角度は、ラビング軸がラビ
ングローラ6の移動方向と平行なので、基板部材14,
19の法線方向から見て、260度となる。したがっ
て、この基板部材14,19に挟持される液晶層の液晶
分子のツイスト角は260度となる。
【0047】以下に、本発明の他の実施形態である配向
膜形成方法を説明する。本実施形態の配向膜の形成方法
は、前述の実施形態と比べて、図3に示される原基板1
5A,20Aに形成される薄膜の形成領域が異なること
を特徴とする。以下の説明は、前述した液晶表示装置の
一方および他方基板部材14,19の製造工程内で実施
される配向膜形成工程を例として述べる。
【0048】図4(a)は、一方基板部材14の製造工
程内の薄膜形成工程で得られる原基板部材14Bの平面
図である。原基板部材14Bは、前述の実施形態の原基
板部材14Aと薄膜以外の構成部品の構造および配置は
等しく、同様の構成部材については、同じ符号を付し、
詳細な説明は省略する。
【0049】薄膜形成工程では、複数の領域25を覆う
ようにして、帯状の薄膜27が形成される。形成される
薄膜27は、前述した配向膜材料から成り、具体的に原
基板15Aの一方表面に、外部接続端子18を除き、平
行に配置される複数の領域25、該領域25間に露出す
る原基板15Aの一方表面、および該領域25と原基板
15Aの辺15c,15dとの間に露出する一方表面を
覆って形成される。原基板15Aの各辺15a〜15d
と薄膜27の各辺27a〜27dとが平行となる。
【0050】したがって薄膜27は、原基板15Aの辺
15c側の端から該辺15c対向する辺15d側の端ま
での領域であって、外部接続端子18を除く少なくとも
領域25を覆う領域に、原基板15Aの辺15c,15
dとは直交する辺15a,15bと平行な方向を長手方
向として帯状に形成される。
【0051】図4(b)は、他方基板部材19の製造工
程内の薄膜形成工程で得られる原基板部材19Bの平面
図である。原基板部材19Bは、前述の実施形態の原基
板部材19Aと薄膜以外の構成部品の構造および配置は
等しく、同様の構成部材については、同じ符号を付し、
詳細な説明は省略する。
【0052】薄膜形成工程では、複数の領域26を覆う
ようにして、帯状の薄膜28が形成される。形成される
薄膜28は、前述した配向膜材料から成り、具体的には
原基板20Aの一方表面に、外部接続端子23を除き、
平行に配置される複数の領域26、該領域26間に露出
する原基板20Aの一方表面、および該領域26と原基
板20Aの辺20a,20bとの間に露出する一方表面
を覆って形成される。
【0053】他方基板部材19Bの有する外部接続端子
23の長手方向は原基板20Aの長手方向と平行な方向
である。ゆえに、薄膜28は、原基板20Aの長手方向
と平行な方向を長手方向とする帯状の領域に形成され
る。具体的には、原基板20Aの各辺20c,20dと
薄膜27の各辺28c,28dとは平行であり、辺20
a,20bと薄膜27の各辺28a,28bとは一致す
る。
【0054】上述のように形成される薄膜を含む原基板
部材14B,19Bに対するラビング処理方法は、前述
の第1実施形態と等しく、移動方向7と原基板15A,
20Aの辺との角度関係も等しい。これによって、本実
施形態のラビング処理工程では、薄膜27,28の長手
方向と移動方向7とが略平行になる状態で、原基板部材
14B,19Bに対してラビング処理が施される。
【0055】薄膜27,28が帯状に形成された原基板
部材14B,19Bは、領域25,26の数が等しいに
も拘わらず、第1実施形態の原基板部材14A,19A
よりも薄膜の数が少なく、また薄膜の形成されていない
領域が少ない。これによって、原基板部材14B,19
Bは原基板部材14A,19Aと比較して、原基板と薄
膜とによって生じる段差部分の数が減少する。これによ
って、前述の接触辺7aの長さに起因する摩擦ストレス
の変動を防止することができるだけでなく、段差通過時
に生じる摩擦ストレスの変動を防止することができる。
したがって、さらに均一にラビング処理された配向膜を
得ることができる。
【0056】また移動方向7を薄膜27,28の長手方
向と略平行な方向としたとき、原基板15Aと薄膜27
および原基板20Aと薄膜28によって生じる段差に対
して、ラビング処理中のラビングローラが段差部に対し
て直交する方向に通過する回数を減少することができ
る。したがって第1実施形態よりも摩擦ストレスの変動
を防止することができるので、原基板部材に対してさら
に均一なラビング処理を施すことができる。
【0057】なお、上述の配向膜となるべき薄膜を形成
する領域は、図3および図4を用いて示した領域以外
に、外部接続端子を除く原基板15A,20Aの全面に
形成しても良い。この場合のラビング処理は、薄膜の形
成されていない領域がさらに減少するので、基板と薄膜
とによる段差通過時に生じる摩擦ストレスの変動をさら
に防止することができる。これによって、さらに均一に
ラビング処理された配向膜を得ることができる。
【0058】次に、本発明の第1および第2実施形態で
示す配向膜形成方法によって得られた配向膜の均一性に
ついての評価結果を示す。
【0059】まず、前述の実施形態で得られる配向膜と
比較するための比較例として、従来技術の配向膜形成方
法で形成された配向膜を含む2種類の液晶表示装置を準
備した。比較例の配向膜の配向膜形成方法は、上述の第
1および第2実施形態の配向膜形成方法と比べて、原基
板に対する移動方向7の角度だけが異なり、他の条件お
よび手法は等しい。
【0060】具体的には、第1比較例は、第1実施形態
の製造方法とほぼ等しく、移動方向7は、図3(a)に
示す原基板15Aのラビング処理を開始する辺15cと
移動方向7との成す角度θ1を、辺15cから反時計回
り方向に40度とし、図3(b)に示す原基板20Aの
ラビング処理を開始する辺20bと、移動方向7との成
す角度θ2を、辺20bから反時計回り方向に130度
とするように設定した。
【0061】また、第2比較例は、第2実施形態の製造
方法とほぼ等しく、移動方向7は、図4(a)に示す原
基板15Aのラビング処理を開始する辺15cと移動方
向7との成す角度θ1を、辺15cから反時計回り方向
に40度とし、図4(b)示す原基板20Aのラビング
処理を開始する辺20bと移動方向7との成す角度θ2
を、辺20bから反時計回りに130度とするように設
定した。
【0062】配向膜の均一性の評価は、配向膜の遅相軸
分布、および該配向膜を有する基板部材を含む液晶表示
装置の輝度分布によって行う。
【0063】遅相軸分布の測定は、測定対象の配向膜上
から任意に選ばれた複数の点に対して、PEM(Photo E
lastic Modulator)を採用した高感度自動複屈折測定装
置によって遅相軸の角度を測定して行った。遅相軸分布
の評価手法としては、該遅相軸の角度のばらつきを指標
とし、測定された角度の標準偏差を求めて比較する。
【0064】表1は、実施形態と比較例との配向膜の形
成方法によって得られた基板部材の有する配向膜の遅相
軸の標準偏差を示している。
【0065】
【表1】
【0066】遅相軸の標準偏差は、実施形態では1.7
5度となり、比較例では5.87度という測定結果が得
られた。したがって本発明の実施形態の方が、従来技術
である比較例よりも遅相軸の標準偏差が小さいので、遅
相軸のばらつきが少なく、均一にラビング処理された配
向膜が得られることがわかる。
【0067】また、輝度分布の測定は、測定対象の配向
膜を含む基板部材を用いて形成された液晶表示装置を準
備し、該装置を、装置外部からの光を通過させる黒表示
点灯状態に保ち、この状態で液晶表示装置の表示用領域
内から任意に選ばれた複数点に対して輝度を測定した。
輝度分布の評価手法としては、各測定点の輝度のばらつ
きを指標とし、測定された輝度の標準偏差を求めて比較
する。
【0068】表2は、実施形態と比較例との配向膜の形
成方法によって作成した配向膜を含む基板部材をそれぞ
れ用いた液晶表示素子9の輝度の標準偏差の測定結果を
示している。
【0069】
【表2】
【0070】輝度の標準偏差は、実施形態では3.82
cd/m2 となり、比較例では6.06cd/m2 であ
った。このように、本発明の実施形態で得られた配向膜
を含む液晶表示装置は、比較例で得られた配向膜を含む
液晶表示装置よりも輝度の標準偏差が小さいので、輝度
のばらつきが少ないことがわかる。したがって、本発明
の実施形態の配向膜形成方法を含む液晶表示装置の製造
方法は、従来技術である比較例の配向膜形成方法を含む
液晶表示装置の製造方法よりも表示品位の向上した液晶
表示素子が得られることがわかる。
【0071】本発明の実施形態において、ラビング処理
を開始する辺と移動方向7との成す角度θ1,θ2とを
75度以上90度以下の範囲とした理由について述べ
る。最も好ましい角度θ1,θ2の値は90度である。
この場合、ラビング処理中の基板とラビングローラとの
接触辺の長さが常に一定となり、最も摩擦ストレスの変
動を防止することができる。したがって角度θ1,θ2
は90度に近い値であるほど好ましいが、上述の原基板
15A,20Aに設定される領域25,26を、原基板
15A,20Aと相似で各辺が平行に設定する場合であ
って、STN型の液晶表示装置の基板部材を形成すると
き、液晶層の液晶分子のツイスト角を260度とするた
めに、角度θ1,θ2を90度以外の角度とする必要が
ある。
【0072】摩擦ストレスの変動をほぼ一定にすること
ができるラビング処理の角度θ1,θ2の範囲を調べる
ために、実際に複数の液晶表示装置を作成して、その配
向膜を評価した。具体的には、第1実施形態で説明した
配向膜形成方法を含む液晶表示装置の製造工程を用い、
角度θ1,θ2を85度とした場合と、角度θ1,θ2
を75度とした場合と、角度θ1を90度とし角度θ2
を80度とした場合との3種類の形成方法でそれぞれ形
成された液晶表示装置と、従来技術の配向膜形成方法を
含む液晶表示装置の製造工程を用い、角度θ1を40度
とし、角度θ2を130度として形成された比較対象の
液晶表示装置を準備し、これらの液晶表示装置につい
て、配向膜の遅相軸のばらつきや液晶表示素子の輝度分
布などについて測定し、評価を行った。
【0073】この結果、角度θ1を40度とし、角度θ
2を130度とした場合の比較対象の液晶表示装置の配
向膜よりも、他の3つの本実施形態の液晶表示装置の配
向膜のほうが、各配向膜を含む液晶表示装置の表示品位
が良く、配向膜が均一にラビング処理されていることが
判った。したがって、角度θ1およびθ2が75度の場
合でも充分な効果を得ることができると判断した。
【0074】次に本発明の配向膜の形成方法を用いて作
成した液晶表示装置の視角特性について述べる。視角特
性を調べるために用いた液晶表示装置は、図2に示す液
晶表示装置8と配向膜のラビング軸、すなわちラビング
処理工程時の移動方向7だけが異なり、他の構造は第1
実施形態で説明した液晶表示装置と等しい。また、液晶
表示装置8の有する位相差板、偏向板と液晶表示素子と
の配設関係は、従来技術のSTN型液晶表示装置におけ
る配設関係と等しい。以下に、異なる点だけを示す。
【0075】この液晶表示装置の一方基板部材14の製
造工程では、図3(a)に示す辺15bをラビング処理
を開始する辺とし、移動方向7は、辺15bから反時計
回り方向に角度θ1を85度とする方向に選んだ。他方
基板部材19の製造工程では、図3(b)に示す辺20
cをラビング処理を開始する辺とし、移動方向7は、辺
20cから反時計回り方向に角度θ2を85度とする方
向に選んだ。また、基板部材14,19を貼り合わせる
とき、一方基板部材14は、辺15dを基準として反転
させた。
【0076】したがって、他方基板部材19の短手方向
を12時−6時方向とし、長手方向を9時−3時方向と
規定すると、一方基板部材14の配向膜17の移動方向
7と平行な遅相軸は、6時方向から反時計回り方向に8
5度の方向であり、他方基板部材19の配向膜22の遅
相軸は、9時方向から時計回り方向に85度の方向にな
る。
【0077】図5は、本発明の実施形態である配向膜の
形成方法を用いて作成した液晶表示装置のコントラスト
Co=10が得られる点を結んだイソコントラストグラ
フである。表示面の短手方向を12時−6時方向とし、
長手方向を9時−3時方向とする。イソコントラストグ
ラフの中心点を表示面に対して垂直方向である0度と
し、0度から50度までの視角範囲の傾きを表してい
る。視角の測定は、1時方向から12時方向まで、1時
間ずつ移動させた方向についてコントラストCo=10
が得られるときの視角範囲の傾きを、それぞれ測定する
ことによって行う。
【0078】液晶表示装置8の視角特性は、測定点を白
丸印39で表し、各白丸印39を実線41で結ぶことに
よって表される。従来技術の配向膜形成方法を含む製造
工程によって得られる液晶表示装置は、12時−6時方
向の視角特性が良いことが知られている。それに対し
て、本発明の配向膜形成方法によって得られた液晶表示
装置8の視角特性の良い方向は、12時−6時方向の視
角特性から多少ずれた方向であることが判る。しかしな
がら、このような視角特性のずれは、使用者の視角方向
が一般的に表示面に対して正面であるので、実用上の問
題にはならない。
【0079】視角特性のずれを改善し、さらに視認性を
向上するために液晶表示装置にさらに光学補償板30,
31を取入れた場合について述べる。図6は、本発明の
配向膜の形成方法を用いて作成した液晶表示装置29を
示す分解断面図である。液晶表示装置29は、図2に示
す液晶表示装置8と比較して、光学補償板30,31を
挿入した点だけが異なり、他の構成部品は等しい。ま
た、液晶表示装置29の有する一方基板部材14と他方
基板部材19との形成方法は、視角特性を調べるために
用いた前述の液晶表示装置の配向膜の形成方法製造方法
と等しい。液晶表示装置8と等しい構成部材には、同じ
符号を付し、説明は省略する。
【0080】光学補償板30,31は、液晶高分子を垂
直配向させて積層したフィルムによって実現され、位相
差板10,11と偏光板12,13との間にそれぞれ配
置される。また、光学補償板30,31は、液晶表示素
子9と偏光板12,13との間に少なくとも1枚配置さ
れていればよい。光学補償板30,31を配置すること
によって、液晶表示装置29の視角範囲が拡大される。
【0081】この液晶表示装置29の視角特性を評価す
るために、上述のコントラストCo=10が得られる視
角範囲を計測し、前述の図5に表す。図5では、液晶表
示装置29の視角特性は、測定点を黒三角印40で表
し、黒三角印40を破線42で結ぶことによって表され
る。このグラフから、液晶表示装置29の視角範囲は、
前述の白丸で表す視角特性を有する液晶表示装置より
も、12−6時方向に関して拡大されていることが分か
る。したがって、光学補償板30,31を挿入すること
によって、視角方向のずれが補正され、実線41で示す
視角特性よりも視認性が向上されることが判る。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、基板の全
表面と接触部材の曲面とが接触する接触部分の長さを一
定の長さにほぼ保ってラビング処理を行うようにしたの
で、摩擦ストレスの変動を防いで接触部材の回転を一定
に保つことができ、被処理膜の全面に均一なラビング処
理を施すことができる。
【0083】また本発明によれば、基板を矩形とし、移
動方向と基板のいずれか一辺との成す角を75度以上9
0度以下の範囲としたので、接触部分の長さを確実にほ
ぼ一定に保つことができ、特に90度に選んだときに一
定に保つことができる。
【0084】また本発明によれば、配向膜形成領域のみ
に配向膜材料から成る薄膜を形成してラビング処理を施
すようにし、基板に対する移動方向と薄膜に対する移動
方向とを一致させたので、接触部分の長さの変動を薄膜
だけに対する接触部分の長さの変動とが一致し、摩擦ス
トレスの変動を防止することができ、均一にラビング処
理された配向膜を得ることができる。このような配向膜
を有する液晶表示装置では、液晶分子の均一な配向状態
が得られ、表示の均一性が向上する。
【0085】また本発明によれば、配向膜形成領域を含
む帯状領域に配向膜材料から成る薄膜を形成したので、
基板表面のうちの薄膜が形成された部分と形成されてい
ない部分との段差の数を低減することができ、段差に起
因する摩擦ストレスの変動が低減して、より均一にラビ
ング処理された配向膜を得ることができる。特に帯状の
薄膜の長手方向と接触部材の移動方向とを略平行にした
ときに摩擦ストレスの変動をさらに防止することができ
る。
【0086】また本発明によれば、配向膜形成領域を含
むほぼ全面を覆って配向膜材料から成る薄膜を形成した
ので、段差による影響をさらに防止することができ、摩
擦ストレスの変動をさらに防いで、さらに均一にラビン
グ処理された配向膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である配向膜の形成方法
に用いられる原基板部材1の平面図である。
【図2】第1実施形態の配向膜の形成方法を含む製造方
法を用いて作成した液晶表示装置8を示す分解断面図で
ある。
【図3】第1実施形態の配向膜の形成方法に用いられる
原一方基板部材14Aと原他方基板部材19Aとの平面
図である。
【図4】本発明の第2実施形態である配向膜形成方法に
おいて用いられる原一方基板部材14Bと原他方基板部
材19Bとの平面図である。
【図5】本発明の実施形態である配向膜の形成方法を用
いて作成した液晶表示装置のコントラストCo=10が
得られるイソコントラストグラフである。
【図6】本発明の配向膜の形成方法を含む製造方法を用
いて作成した液晶表示装置29を示す分解断面図であ
る。
【図7】従来技術のラビング処理方法を説明するための
原基板部材32の平面図である。
【符号の説明】
1 原基板部材 2 原基板 2a,2b,2c,2d 基板2の辺 4 領域 5 薄膜 5a,5b,5c,5d 薄膜5の辺 6 ラビングローラ 7 移動方向 7a 接触辺 θ 基板と移動方向との成す角度

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の基板の一方表面の予め定める領
    域に形成された被処理膜の表面を含む基板の全表面に、
    円周方向に回転する円筒状の接触部材の曲面を接触さ
    せ、かつ基板端辺に対して直交する方向に基板および接
    触部材を相対的に移動させて被処理膜の表面をラビング
    するラビング処理方法において、被処理膜の表面を含む
    基板表面と接触部材の曲面との接触部分の長さを予め定
    められる一定の長さにほぼ保ちながら、基板および接触
    部材を相対的に移動させることを特徴とするラビング処
    理方法。
  2. 【請求項2】 前記基板は矩形であり、前記移動方向と
    基板のいずれか一辺との成す角は75度以上90度以下
    の範囲に選ばれることを特徴とする請求項1記載のラビ
    ング処理方法。
  3. 【請求項3】 平板状で矩形の基板であって、該基板の
    各辺と平行な各辺で囲まれた矩形の配向膜形成領域が設
    定された基板を準備し、 前記基板上の配向膜形成領域に配向膜材料から成る薄膜
    を形成し、 形成された薄膜の表面を請求項1または2記載のラビン
    グ処理方法でラビングして、配向膜を形成することを特
    徴とする配向膜形成方法。
  4. 【請求項4】 平板状で矩形の基板であって、該基板の
    各辺と平行な各辺で囲まれた矩形の配向膜形成領域が設
    定された基板を準備し、 前記基板上であって、前記配向膜形成領域を含み、該基
    板のいずれか一方辺から該一方辺と対向する辺に向かっ
    て延びる帯状領域に配向膜材料から成る薄膜を形成し、 形成された薄膜の表面を請求項1または2記載のラビン
    グ処理方法でラビングして、配向膜を形成することを特
    徴とする配向膜形成方法。
  5. 【請求項5】 平板状で矩形の基板であって、該基板の
    各辺と平行な各辺で囲まれた矩形の配向膜形成領域が設
    定された基板を準備し、 前記基板上であって、前記配向膜形成領域を含むほぼ全
    面を覆って配向膜材料から成る薄膜を形成し、 形成された薄膜の表面を、請求項1または2記載のラビ
    ング処理方法でラビングして、配向膜を形成することを
    特徴とする配向膜形成方法。
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US6725303B1 (en) 2000-08-31 2004-04-20 At&T Corp. Method and apparatus for establishing a personalized connection with a network

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