JPH10123396A - レンズ鏡筒とカム筒 - Google Patents

レンズ鏡筒とカム筒

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JPH10123396A
JPH10123396A JP8272100A JP27210096A JPH10123396A JP H10123396 A JPH10123396 A JP H10123396A JP 8272100 A JP8272100 A JP 8272100A JP 27210096 A JP27210096 A JP 27210096A JP H10123396 A JPH10123396 A JP H10123396A
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JP
Japan
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cam
groove
zoom
lens
ring
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JP8272100A
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English (en)
Inventor
Hideo Sugano
英夫 菅野
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の移動枠を光軸方向に移動させるとき
に、各移動枠間の空間内における圧縮空気による回転ト
ルクの増大を解消し、カムリングにカム溝を容易に形成
できるレンズ鏡筒とカム筒を提供する。 【解決手段】 ズームカムリングの内周部には、二つの
移動枠に取り付けられたズームピン12a,12bが移
動自在に嵌め込まれた貫通しないカム溝13a,13b
が形成されている。ズームカムリングの一方の端部13
cから他方の端部13dまでには、カム溝13a,13
bを経由し、開放部C,D及び連続部Fが連続して形成
されている。ズームカムリングが回転し、二つの移動枠
が接近する方向に駆動されると、二つの移動枠に挟まれ
た空間内の空気が圧縮される。この圧縮空気は、固定筒
2に形成された直進溝2d、カム溝13a,13b、開
放部C,D及び連続部Fを介して、レンズ鏡筒の外部に
排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズなどの光学
系を保持する保持枠をカムリングなどのカム筒により光
軸方向に移動させてズーミングやフォーカシングを行う
構造のレンズ鏡筒とカム筒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のレンズ鏡筒は、レンズ群を保持
し、光軸方向に移動する移動枠と、この移動枠を光軸方
向に移動自在に支持する固定筒と、移動枠を移動させる
ための駆動力を付与するカムリングと、撮影者が回転す
ることにより、このカムリングに操作力を付与するズー
ムリングなどを備えていた。この種のレンズ鏡筒により
ズーミングを行うときには、各レンズ群を保持する複数
の移動枠を光軸方向に移動させていた。各レンズ群を保
持する複数の移動枠を移動させた場合において、移動枠
間の空間を狭めるように各移動枠が移動したときには、
この空間内の空気が圧縮されることがあった。その結
果、ズームリングの回転トルクが極端に大きくなり、ズ
ーミング動作に不具合を生じることがあった。そこで、
この不具合を解消するために、光軸と平行な貫通孔を各
移動枠に形成し、圧縮された空気をこの貫通孔を介して
逃がしていた。
【0003】また、ズームレンズ鏡筒の場合には、1つ
のカムリングによって、複数の移動枠を光軸方向に移動
することが多い。このカムリングには、各移動枠に取り
付けられたピンを移動自在に嵌め込むために、光軸方向
に複数のカム溝が形成されており、カムリングが回転す
ると、各カム溝に嵌め込まれたピンに駆動力が付与され
て、各移動枠は、それぞれ光軸方向に移動していた。そ
して、カムリングにカム溝を形成するときには、所定の
間隔を開けてカム溝を個別に形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
のレンズ鏡筒では、ズームリングの作動の不具合を解消
するために、光軸と平行に貫通孔を各移動枠に形成する
作業が必要となっていた。また、光軸から比較的近い位
置に貫通孔が形成されていたために、光路外の光がこの
貫通孔を通過し漏光の原因となる場合があった。また、
従来のレンズ鏡筒のカム筒は、光軸方向に複数のカム溝
を個別に形成しなければならず、カム溝の加工に時間と
手間がかかっていた。
【0005】本発明の課題は、複数の移動枠を光軸方向
に移動させるときに、各移動枠間の空間内における空気
の圧縮による回転トルクの増大を解消するとともに、カ
ムリングにカム溝を容易に形成することができるレンズ
鏡筒とカム筒を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のような
解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容
易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付
して説明するが、これに限定されるものではない。すな
わち、請求項1記載の発明は、レンズ(L6,L7,L
8,L9,L10)を保持するレンズ保持枠(3,4)
と、前記レンズ保持枠を光軸(I)方向に移動自在に支
持する固定筒(2b,2c)と、前記レンズ保持枠を移
動するためのカム(13a,13b)が設けられたカム
筒(13)とを含むレンズ鏡筒において、前記カム筒の
内周部には、このカム筒を貫通しないカム溝(13a,
13b)が形成されており、前記カム溝と連通して形成
され、前記レンズ保持枠の移動時に空気を流通させる流
通路(C,D,F)を備えたことを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
レンズ鏡筒において、前記流通路は、前記カム筒の一方
の端部(13c)から他方の端部(13d)まで、前記
カム溝の少なくとも一部を経由して連続して形成されて
いることを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、レンズを保持する
レンズ保持枠を移動するためのカムが設けられたカム筒
において、前記カムは、貫通しない溝部を有する有底カ
ム溝(13a,13b)であり、前記有底カム溝と連通
して形成され、前記レンズ保持枠の移動時に空気を流通
させる流通路を備えたことを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項3に記載の
カム筒において、前記流通路は、前記カム筒の一方の端
部から他方の端部まで、前記有底カム溝の少なくとも一
部を経由して連続して形成されていることを特徴とす
る。
【0010】請求項5記載の発明は、レンズを保持する
レンズ保持枠を移動するためのカムが設けられたカム筒
において、前記カムは、貫通しない溝部を有する有底カ
ム溝であり、前記有底カム溝の少なくとも一部を経由し
て連続した溝(D)が形成されていることを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、図面などを参照して、本発明の
実施形態について、さらに詳しく説明する。図1は、本
発明の実施形態に係るレンズ鏡筒の断面図である。固定
筒2は、中径部2bと、この中径部2bの内側に形成さ
れ、中径部2bの図中右方向において連結された小径部
2fと、この中径部2bから図中左方向に突出した先端
部2aと、この中径部2bの外側に形成され、中径部2
bの図中右方向において連結された大径部2cとからな
る部材である。固定筒2の外周部には、図示しないカメ
ラボディにレンズ鏡筒を着脱自在に装着するためのマウ
ント部2fが形成されている。
【0012】中径部2bには、ズームピン14が移動自
在に貫通するように、円周方向に所定長さの周溝2eが
形成されている。中径部2bの外周部には、周溝ピン1
1が突出して設けられており、光軸I回りに回転自在の
後述するカムリング6が支持されている。小径部2fに
は、ズームピン12a,12bを移動自在に嵌め込むた
めの案内溝2dが光軸Iと略平行な方向に形成されてい
る。小径部2fの外周部には、後述するズームカムリン
グ13の内周部が、所定角度だけ回転可能に支持されて
いる。小径部2fの内周部には、後述する第3レンズ群
移動枠3と、第4レンズ群移動枠4とが、光軸I方向に
移動自在に嵌め込まれている。
【0013】先端部2aの外周部には、直進ピン7と、
後述する固定部材17とが突出して設けられており、光
軸I方向に移動自在の後述する第1レンズ群移動枠1の
中径部1aが支持されている。先端部2aの内周部に
は、内周面から突出し、固定レンズ群L4,L5を保持
するための固定枠2gが形成されている。大径部2cに
は、その円周方向に所定長さ形成され、ズームピン14
が移動自在に貫通する周溝15bが形成されている。大
径部2cの外周部には、フォーカスリング19と、ズー
ムリング15と、公知の絞りリング16とが回転自在に
嵌め込まれている。
【0014】ズームリング15は、焦点距離を連続的に
変えて撮影するときに操作される部材である。ズームリ
ング15の内周部には、後述するズームピン14の先端
を嵌め込み取り付けるための穴15aが形成されてい
る。
【0015】第1レンズ群移動枠1は、第1のレンズ群
を構成する合焦レンズ群L1,L2,L3を支持し、光
軸I方向に移動可能な移動枠である。第1レンズ群移動
枠1は、光軸I方向に沿って図中右方向に延び、固定筒
2の中径部2bとカムリング6との間で移動可能な中径
部1aと、中径部1aの外側に設けられ、後述するフォ
ーカスリング19の内周部とオーバーラップして配置さ
れている大径部1eと、中径部1aの内側に設けられ、
内周部において合焦レンズ群L1,L2,L3を支持す
る支持枠1fとからなる。中径部1aには、光軸Iと略
平行な方向に形成され、直進ピン7を移動自在に嵌め込
み、第1レンズ群移動枠1の光軸I回りの回転を規制
し、この直進ピン7を案内するための直進案内溝1c
と、光軸Iと略平行な方向に形成され、後述する固定部
材17が移動自在に貫通する逃げ溝1dとが形成されて
いる。中径部1aの外周部には、図中右方向の端部にフ
ォーカスピン5が突出して取り付けられており、中径部
1aの内周部には、固定筒2の先端部2aの外周部が光
軸I方向に移動自在に嵌め込まれている。
【0016】カムリング6は、第1レンズ群移動枠1を
光軸I方向に沿って駆動する駆動力を付与するための部
材である。カムリング6の内周部には、フォーカスピン
5を移動自在に嵌め込むカム溝6aと、周溝ピン11を
移動自在に嵌め込み、このカムリング6の光軸I方向へ
の移動を規制し、光軸I回りの回転を許容する周囲溝6
bと、図示しないモータとギヤとによりカムリング6を
回転するときに、このギヤと噛み合うセグメントギア6
dとが形成されている。また、カムリング6の内周部に
は、第1レンズ群移動枠1の外周部が光軸I方向に移動
自在に配置されている。円周溝6bが形成されている側
のカムリング6の端部(以下、第1の保持部分という)
は、固定筒2の中径部2bの外周部をカムリング6の内
周面6cに嵌め込むことにより、この固定筒2の中径部
2bに回転自在に支持されている。カムリング6の先端
部(以下、第2の保持部分という)は、後述する保持リ
ング18を介して固定部材17に回転自在に支持されて
いる。
【0017】フォーカスリング19は、図示しない結像
面に被写体の像を結ぶ焦点調整をするときに操作され、
カムリング6と一体となって光軸I回りに回転する部材
である。フォーカスリング19は、カムリング6と一体
となって光軸I回りに回転するように、図示しない固定
手段により連結されている。また、フォーカスリング1
9の一端は、固定筒2の大径部2cに回転自在に支持さ
れており、フォーカスリング19の略中央部は、後述す
る保持リング18を介して固定部材17に回転自在に支
持されている。
【0018】図2は、本発明の実施形態に係るレンズ鏡
筒の一部を展開して示す展開図である。図3は、本発明
の実施形態に係るレンズ鏡筒の一部を拡大して示す断面
図である。図4は、図3のVI−VI線で切断した状態
を示す断面図である。固定部材17は、カムリング6の
先端部とフォーカスリング19の略中央部とを回転自在
に支持するとともに、これらが光軸Iに対して傾斜する
のを規制するための部材である。固定部材17の外周部
には、図3に示すように、後述する保持リング18の内
周部を支持するための支持部17aと、フォーカスリン
グ19の光軸I方向の移動を規制する突起部17bとが
形成されている。固定部材17は、図4に示すように、
固定筒2の先端部2aの円周方向に沿って略90度間隔
を開けて、この先端部2aの外周部に小ねじ9により計
4個が取り付けられている。固定部材17は、図2及び
図4に示すように、この固定部材17と対応して第1レ
ンズ群移動枠1に計4個形成された逃げ溝1dを貫通
し、光軸Iと略直交する方向に突出している。
【0019】保持リング18は、カムリング6とフォー
カスリング19とが円滑に回転できるようにするための
部材である。保持リング18は、図3に示すように、小
径部18aと大径部18bとを備えた断面が鍵型のリン
グ状の部材である。保持リング18の小径部18aの外
周部には、カムリング6の内周部が回転自在に支持され
ており、この小径部18aの外周部は、カムリング6の
第2の保持部分となる。保持リング18の大径部18b
の外周部には、フォーカスリング19の内周部が回転自
在に支持されている。保持リング18の内周部は、固定
部材17の支持部17aにより、計4ヶ所で支持され固
定されている。
【0020】第3レンズ群移動枠3は、第3レンズ群L
6を支持し、光軸I方向に移動可能な移動枠である。第
3レンズ群移動枠3は、枠部材30と、内周部において
第3レンズ群を保持するレンズ取付部材20とからな
る。枠部材30とレンズ取付部材20とは、レンズ取付
部材20の外周部に形成された図示しない雄ねじ部と、
枠部材30の内周部に形成され、この雄ねじ部と噛み合
う図示しない雌ねじ部とにより互いに連結されている。
第3レンズ群移動枠3の外周部には、固定筒2の小径部
2fの案内溝2dを貫通し、ズームカムリング13のカ
ム溝13aに先端部が嵌め込まれたズームピン12aが
突出して設けられている。
【0021】第4レンズ群移動枠4は、第4レンズ群L
7,L8,L9,L10を支持し、光軸I方向に移動可
能な移動枠である。第4レンズ群移動枠4の内周部に
は、第4レンズ群L7,L8,L9,L10が取り付け
られている。第4レンズ群移動枠4の外周部には、固定
筒2の小径部2fの案内溝2dを貫通し、ズームカムリ
ング13のカム溝13bに先端部が嵌め込まれたズーム
ピン12bが突出して設けられている。
【0022】ズームカムリング13は、ズームリング1
5とともに一体となって回転し、第3レンズ群移動枠3
及び第4レンズ群移動枠4を光軸I方向に沿って駆動す
る駆動力を付与するための部材である。ズームカムリン
グ13の内周部には、図2に示すように、このズームカ
ムリング13の前縁部13cから後縁部13dまで、開
放部Dと、ズームピン12aが移動自在に貫通するカム
溝13aと、連結部Fと、ズームピン12bが移動自在
に貫通するカム溝13bと、開放部Cとが連続した一本
の溝として形成されている。ズームカムリング13の内
周部には、図1に示すように、固定筒2の小径部2fが
嵌め込まれており、ズームカムリング13は、この小径
部2fの外周面において光軸I回りに回転自在に支持さ
れている。ズームカムリング13の外周部には、カム溝
13bが形成されている側の端部から突出し、周溝2
e,15bを貫通し、ズームリング15の穴15aに先
端が嵌め込まれたズームピン14が取り付けられてい
る。
【0023】カム溝13a,13bは、ズームカムリン
グ13の内周部に形成され、このズームカムリング13
を貫通しない底部(天井部)を有する有底カム(インナ
ーカム溝)である。カム溝13a,13bには、図1に
示すように、それぞれズームピン12a,12bの先端
部が嵌め込まれている。カム溝13a,13bの一方の
側面は、図2に示すように、ズームピン12a,12b
がカム溝13a,13b内を移動可能なように、このズ
ームピン12a,12bの周面と接触している。また、
カム溝13a,13bの底部は、ズームピン12a,1
2bの先端部とは接触しておらず、カム溝13a,13
bの底部とズームピン12a,12bの先端部との間に
は、間隙部が形成されている。カム溝13aは、図2に
示すように、ズーミングカム部Aの範囲内に形成された
曲線状のカム溝である。カム溝13bは、光軸Iと傾斜
した方向において、ズーミングカム部Bの範囲内に形成
された直線状のカム溝である。ズームピン12a,12
bは、それぞれズーミングカム部Aの範囲内とズーミン
グカム部Bの範囲内で移動することができる。
【0024】開放部C,D及び連結部Fは、第3レンズ
群移動枠3及び第4レンズ群移動枠4が光軸I方向に移
動するときに、これらの移動方向の前側の空気と移動方
向の後側の空気とを流通するための空気流通溝である。
開放部Cは、ズームカムリング13の前縁部13cとカ
ム溝13aの前縁部13c側の端部とを連通しており、
開放部Dは、ズームカムリング13の後縁部13dとカ
ム溝13bの後縁部13d側の端部とを連通している。
また、連結部Fは、カム溝13aの後縁部13d側の端
部とカム溝13bの前縁部13c側の端部とを連通して
いる。なお、開放部C,D及び連結部Fは、カム溝13
a,13bと略同一の幅及び深さにて形成することが好
ましい。
【0025】次に、本発明の実施形態に係るレンズ鏡筒
の動作を、フォーカシング動作とズーミング動作とに分
けて説明する。 (フォーカシング動作)手動合焦時には、撮影者がフォ
ーカスリング19を回転すると、カムリング6は、フォ
ーカスリング19と一体となって光軸I回りに回転す
る。フォーカスリング19は、固定筒2の大径部2cに
一端が保持されており、固定部材17及び保持リング1
8に略中央部が保持されている。その結果、フォーカス
リング19は、第1レンズ群移動枠1の外周部におい
て、光軸Iに対して傾斜することなく回転する。自動合
焦時には、カムリング6のセグメントギア6dは、この
セグメントギア6dと噛み合う図示しない動力伝達機構
を介して、カメラボディ側からの駆動力を受け、カムリ
ング6は、光軸I回りに回転する。
【0026】カムリング6の一端は、固定筒2の中径部
2bに第1の保持部分で保持されており、カムリング6
の先端部は、固定部材17及び保持リング18に第2の
保持部分で保持されている。その結果、第1保持部分と
第2保持部分が光軸I方向に離間していても、カムリン
グ6は、固定筒2の先端部2aから突出し、第1レンズ
群移動枠1の逃げ溝1dを貫通する固定部材17及び保
持リング18により、光軸Iに対して傾斜することなく
回転する。カムリング6が回転すると、このカム溝6a
に移動自在に嵌め込まれたフォーカスピン5を、カムリ
ング6に形成されたカム溝6aの側面が光軸I方向に押
す。フォーカスピン5が取り付けられた第1レンズ群移
動枠1の中径部1aには、直進ピン7が取り付けられて
おり、この直進ピン7は、第1レンズ群移動枠1の中径
部1aに形成された直進案内溝1cに嵌め込まれてい
る。このために、第1レンズ群移動枠1は、光軸I回り
に回転することなく光軸I方向に直進移動し、合焦レン
ズ群L1,L2,L3により合焦が行われる。
【0027】(ズーミング動作)撮影者がズームリング
15を回転すると、ズームリング15の穴15aに先端
を嵌め込まれたズームピン14は、このズームピン14
が取り付けられたズームカムリング13をズームリング
15と一体に回転させる。ズームピン14は、固定筒2
の中径部2b及び大径部2cの円周方向に形成された周
溝2e,15bに嵌め込まれているために、ズームカム
リング13は、光軸I方向に移動することなく光軸I回
りに回転する。ズームカムリング13に形成されたカム
溝13a,13bには、第3レンズ群移動枠3に取り付
けられたズームピン12aと、第4レンズ群移動枠4に
取り付けられたズームピン12bとがそれぞれ貫通して
いる。そして、ズームピン12a,12bの先端は、固
定筒2の中径部2bに形成された案内溝2dに嵌め込ま
れている。このために、ズームカムリング13が回転す
ると、ズームピン12a,12bは、カム溝13a,1
3bの側面により光軸I方向に押され、案内溝2dに沿
って光軸I方向に案内される。その結果、第3レンズ群
移動枠3及び第4レンズ群移動枠4は、光軸I回りに回
転せずに光軸I方向に所定量移動しズーミング動作を行
う。
【0028】ズーミング動作により、第3レンズ群移動
枠3が図中右方向に移動し、第4レンズ群移動枠4が図
中左方向に移動するときには、第3レンズ群移動枠3と
第4レンズ群移動枠4との間の空間が圧縮される。この
圧縮された空気は、固定筒2の小径部2fに形成された
案内溝2dを介して、ズームカムリング13に連続した
一本の溝として形成された開放部D、カム溝13a、連
結部F、カム溝13b及び開放部Cを通過する。そし
て、開放部C,Dを通過した空気は、レンズ鏡筒の外側
に排出される。また、第3レンズ群移動枠3が図中左方
向に移動するときには、固定枠2g及び固定レンズ群L
4,L5と第3レンズ群移動枠3との間の空間が圧縮さ
れる。しかし、この圧縮空気も、案内溝2d、開放部
D、カム溝13a、連結部F、カム溝13b及び開放部
Cを通過してレンズ鏡筒の外側に排出される。
【0029】本発明の実施形態では、開放部D、カム溝
13a、連結部F、カム溝13b及び開放部Cからなる
連続した一本の溝が、ズームカムリング13の内周部の
前縁部13cから後縁部13dまで形成されている。こ
のために、開放部D、カム溝13a、連結部F、カム溝
13b及び開放部Cからなる連続した一本の溝により、
第3レンズ群移動枠3と第4レンズ群移動枠4とが接近
する方向に移動することにより、これらに挟まれた空間
の圧縮空気をレンズ鏡筒の外部に逃がすことができる。
したがって、ズームリング15の回転トルクが圧縮空気
により極端に大きくなり、ズーミング動作を円滑に行う
ことができないという不具合を解消することができる。
また、従来のレンズ鏡筒のようにレンズ群を保持する移
動枠に、光軸Iと略平行に貫通孔を形成する必要がない
ために、光路外の光線が移動枠を通過することがなく、
漏光を確実に防止することができる。なお、ズーミング
カム部A,Bの範囲内では、ズームピン12a,12b
の先端がカム溝13a,13b内を移動するが、これら
の間には間隙部が形成されているために圧縮空気の通過
に支障はない。
【0030】本発明の実施形態では、開放部D、カム溝
13a、連結部F、カム溝13b及び開放部Cは、ズー
ムカムリング13の内周部の前縁部13cから後縁部1
3dまで、ズームリング13を貫通することなく形成さ
れている連続した一本の溝である。このために、ズーム
カムリング13の強度を十分に確保することができると
ともに、他の移動枠を駆動するためのカム溝などをズー
ムカムリング13の外周部に形成することもできる。特
に、ズームカムリングの内周部及び外周部にカム溝を形
成する構造のレンズ鏡筒においては、複数のカム溝を近
接して配置するために、ズームカムリングを貫通するカ
ム溝を形成することができない。このために、このよう
な構造のレンズ鏡筒では、移動枠の移動により生ずる圧
縮空気を排出することができないが、本発明の実施形態
では、ズームリング13を貫通することなく形成されて
いる連続した一本の溝により、圧縮空気をレンズ鏡筒の
外部に排出することができる。
【0031】本発明の実施形態では、ズームカムリング
13の強度を十分に確保しつつ、カム溝13a,13b
を経由する連続した一本の溝をズームリング13に一度
に形成することができる。したがって、カム溝13a,
13bの加工を1回で済ませることができ、カム溝の加
工を容易に行うことができる。
【0032】(他の実施形態)以上説明した実施形態に
限定されることはなく、本発明の技術思想によれば、種
々の変形又は変更が可能であり、それらも本発明の均等
の範囲内である。例えば、開放部C,D及び/又は連結
部Fは、カム溝13a,13bよりも幅及び深さを小さ
く又は大きくしてもよい。幅及び深さを大きくしたとき
には、ズームピン12a,12bが取り付けられた第3
レンズ群移動枠3及び第4レンズ群移動枠4を、ズーム
カムリング13の前縁部6c又は後縁部6dから簡単に
嵌め込むことができる。
【0033】本発明の実施形態では、カム溝13a,1
3bが形成されたズーミングカム部A,Bの全範囲を圧
縮空気の流通路として利用しているが、圧縮空気の流通
が可能なときには、ズーミングカム部A,Bの一部の範
囲を利用するだけでもよい。また、開放部C,D及び連
結部Fは、カム溝13a,13bの加工時に同時に形成
してもよく、カム溝13a,13bの加工後に、開放部
C,D及び連結部Fを加工してもよい。この場合には、
開放部C,D及び連結部Fは、カム溝13a,13bよ
りも幅及び/又は深さを小さくしてもよい。開放部C,
Dは、ズーミングカム部Aの前縁部13c側の端部又は
ズーミングカム部Bの後縁部13d側の端部から前縁部
13c又は後縁部13dまで、ズームカムリング13の
内部を貫通する孔を形成してもよい。さらに、開放部
C,D及び連結部Fは、必ずしも圧縮空気の流通を目的
として形成する必要はなく、ズームカムリング13の前
縁部6c及び後縁部6dの間に、カム溝13a,13b
を連続して形成することを目的に形成してもよい。
【0034】本発明の実施形態では、ズームカムリング
13の前縁部13cから後縁部13dまで、複数のカム
溝13a,13bを経由する連続した一本の溝を形成し
ている。本発明の実施形態は、ズームカムリングに一本
のカム溝が形成されている場合に、ズームカムリング1
3の前縁部13cから後縁部13dまで、このカム溝を
経由して連続した一本の溝を形成する場合についても適
用することができる。また、複数のカム溝13a,13
bの間を連結する連結部Fのみを連続して形成する場合
についても適用することができる。これらの場合につい
ても、一本の溝を連続して形成することができるため
に、カム溝の加工が容易であり手間がかかることがな
い。さらに、ズームカムリング13により移動する第3
レンズ群移動枠3及び第4レンズ群移動枠4を例に説明
したが、ズーミング動作に限定されるものではなく、合
焦レンズ群移動枠を移動させてフォーカシング動作を行
わせるカムリングについても適用することができる。
【0035】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1記
載の発明によれば、レンズ保持枠を移動するためのカム
筒に貫通しないカム溝が形成されており、このレンズ保
持枠の移動時に、このカム溝に連通する流通路により空
気を流通させたので、空気が原因となって生ずる回転ト
ルクの増大を解消することができる。
【0036】請求項2及び請求項4記載の発明によれ
ば、カム筒の一方の端部から他方の端部まで、カム溝の
少なくとも一部を経由して連続して流通路が形成されて
いるので、カム溝と流通路を一度に形成することがで
き、カム筒にカム溝を容易に形成することができる。
【0037】請求項3記載の発明によれば、レンズ保持
枠を移動するためのカム筒に貫通しない有底カム溝が形
成されており、このレンズ保持枠の移動時に、このカム
溝に連通する流通路により空気を流通させたので、カム
筒を貫通しない有底カム溝が設けられ、空気の流通が困
難なカム筒であっても、空気を確実に流通させることが
できる。
【0038】請求項5記載の発明によれば、カム溝の少
なくとも一部を経由して連続した溝が形成されているの
で、カム溝を一度に形成することができ、カム筒にカム
溝を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るレンズ鏡筒の断面図で
ある。
【図2】本発明の実施形態に係るレンズ鏡筒の一部を展
開して示す展開図である。
【図3】本発明の実施形態に係るレンズ鏡筒の一部を拡
大して示す断面図である。
【図4】図3のVI−VI線で切断した状態を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 第1レンズ群移動枠 2 固定筒 2b 中径部 2g 固定枠 2f 小径部 3 第3レンズ群移動枠 4 第4レンズ群移動枠 6 カムリング 13 ズームカムリング 13a,13b カム溝 13c 前縁部 13d 後縁部 15 ズームリング L1,L2,L3 合焦レンズ群 L4,L5 固定レンズ群 L6 第3レンズ群 L7,L8,L9,L10 第4レンズ群 A,B ズーミングカム部 C,D 開放部 F 連結部 I 光軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズを保持するレンズ保持枠と、 前記レンズ保持枠を光軸方向に移動自在に支持する固定
    筒と、 前記レンズ保持枠を移動するためのカムが設けられたカ
    ム筒と、 を含むレンズ鏡筒において、 前記カム筒の内周部には、このカム筒を貫通しないカム
    溝が形成されており、 前記カム溝と連通して形成され、前記レンズ保持枠の移
    動時に空気を流通させる流通路を備えたこと、 を特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、 前記流通路は、前記カム筒の一方の端部から他方の端部
    まで、前記カム溝の少なくとも一部を経由して連続して
    形成されていること、 を特徴とするレンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】 レンズを保持するレンズ保持枠を移動す
    るためのカムが設けられたカム筒において、 前記カムは、貫通しない溝部を有する有底カム溝であ
    り、 前記有底カム溝と連通して形成され、前記レンズ保持枠
    の移動時に空気を流通させる流通路を備えたこと、 を特徴とするカム筒。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のカム筒において、 前記流通路は、前記カム筒の一方の端部から他方の端部
    まで、前記有底カム溝の少なくとも一部を経由して連続
    して形成されていること、 を特徴とするカム筒。
  5. 【請求項5】 レンズを保持するレンズ保持枠を移動す
    るためのカムが設けられたカム筒において、 前記カムは、貫通しない溝部を有する有底カム溝であ
    り、 前記有底カム溝の少なくとも一部を経由して連続した溝
    が形成されていること、 を特徴とするカム筒。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001183568A (ja) * 1999-12-24 2001-07-06 Olympus Optical Co Ltd レンズ鏡筒装置
JP2004258637A (ja) * 2003-02-03 2004-09-16 Pentax Corp レンズ鏡筒の進退カム機構
JP2004258638A (ja) * 2003-02-03 2004-09-16 Pentax Corp レンズ鏡筒の進退カム機構
JP2007249250A (ja) * 2007-07-09 2007-09-27 Fujinon Corp レンズの移動機構
JP2011059268A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Nikon Corp 光学機器及び撮像装置

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