JP2607464Y2 - バックフォーカス調整機構を有するカメラ - Google Patents

バックフォーカス調整機構を有するカメラ

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JP2607464Y2
JP2607464Y2 JP1993066592U JP6659293U JP2607464Y2 JP 2607464 Y2 JP2607464 Y2 JP 2607464Y2 JP 1993066592 U JP1993066592 U JP 1993066592U JP 6659293 U JP6659293 U JP 6659293U JP 2607464 Y2 JP2607464 Y2 JP 2607464Y2
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博 野村
和義 畔上
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旭光学工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本考案は、固定環の光軸方向の移動調整に
よりバックフォーカス調整を行なう、バックフォーカス
調整機構を有するカメラに関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】例えば、カメラ本体側に
固定される固定環の内周にカム環を螺合(ヘリコイド結
合)させ、このカム環をモータにより回転駆動して、複
数のレンズ群を光軸方向に所定の関係で移動させてズー
ミングを行なうカメラでは、バックフォーカス量の調整
を行なう場合、カメラ本体に螺合した固定環を、カメラ
本体に固定する前の状態において該カメラ本体に対して
相対回転させ、これにより該固定環を光軸方向に進退さ
せて、この固定環に支持される最後方のレンズ群の位置
をフィルム面(焦点面)に対して変化させる。このバッ
クフォーカス調整後に、固定環をカメラ本体に固定す
る。
【0003】しかしながら、このような構造のカメラで
は、固定環自身を回転させてバックフォーカス量の調整
を行なうため、この固定環を含むレンズ鏡筒と、このレ
ンズ鏡筒周辺に設けた種々の部材との周方向における相
対位置関係をずらすこととなる。このため、レンズ鏡筒
周辺に設けられるべき各部材は、レンズ鏡筒との周方向
における相対位置のずれを予め考慮した構造とされなけ
ればならない。
【0004】
【考案の目的】本考案は、このような従来のバックフォ
ーカス調整機構に関する問題意識に基づいて成されたも
のであって、レンズ鏡筒の周辺の構造を簡略化させるこ
とができるバックフォーカス調整機構を有するカメラを
提供することを目的とする。
【0005】
【考案の概要】上記目的を達成するための本考案は、撮
影光学系の複数のレンズ群を支持し、カメラ本体側に光
軸方向に直進位置調節可能に支持された固定環と;該固
定環の外周に螺合され、カメラ本体側に軸方向位置を規
制して回転調節可能に支持された調整環と;該固定環の
内周に螺合し、回転に伴い上記複数のレンズ群を所定の
ズーム軌跡で移動させるカム環と;このカム環の外周に
設けた外周ギヤと;固定環に回転自在に支持された、こ
のカム環の外周ギヤに噛み合う第一ピニオン及びこの第
一ピニオンに噛み合う第二ピニオンと;この第二ピニオ
ンに噛み合う構成ギヤを有し、上記カメラ本体側に支持
されたギヤ列及びその電動駆動機構と;を有し、第一ピ
ニオンと第二ピニオンは、調整環の回動による固定環の
光軸方向移動に際し、該固定環と一緒に光軸方向に移動
して該両ピニオンの螺合関係を変化させないように固定
環に支持されており、カム環の外周ギヤは、固定環の光
軸方向位置が変化したとき、第一ピニオンとの噛合位置
を変化させながら噛合関係を維持する態様で設けられて
おり、第二ピニオンと構成ギヤは、調整環の回動による
固定環の光軸方向移動に際し、噛合を維持する関係で設
けられていることを特徴としている。
【0006】
【考案の実施例】以下図示実施例に基づいて本考案を説
明する。図1と図2に示すように、本考案を適用したカ
メラが有するズームレンズ鏡筒は、第一群レンズL1、
第二群レンズL2、及び第三群レンズL3の前後三群の
可動レンズ群を有し、これらを光軸方向に所定の軌跡で
移動させることによりズーミングを行なわせ、第二群レ
ンズL2を移動させることによりフォーカシングを行な
わせるものである。
【0007】カメラ本体10に、該カメラ本体10の一
部を構成する固定ブロック50(図3)が固定されてい
る。この固定ブロック50は、嵌合部51を有し、この
嵌合部51には、その周方向の複数箇所に係合凹部51
aが形成されている。固定環12は、複数箇所に係合凹
部51aに対応させた複数箇所の係合突出部52を有し
ている。該固定環12は、複数箇所の係合突出部52
を、固定ブロック50の複数箇所の係合凹部51aにそ
れぞれに係合させ、固定ブロック50に対する相対回転
を規制されかつ光軸方向での相対移動を許容された状態
で嵌合されている。固定環12は、外周に雄ヘリコイド
12c(図7)を有し、内周に雌ヘリコイド12aを有
している。固定環12はさらに、ギヤ列G(図5)の最
終ギヤである第一ピニオン63を、光軸方向に沿わせて
収納しかつこれを回転可能に支持する支持部55を、半
径方向に膨出させて有している。
【0008】固定環12には、調整環11が、その内周
の雌ヘリコイド11aを固定環12外周の雄ヘリコイド
12cに螺合させて嵌合している。これにより調整環1
1は光軸を中心とする正逆の回転時に、固定環12を、
光軸方向においてカメラ本体10に対し進退させる。バ
ックフォーカス量の調整時には、固定ブロック50つま
りカメラ本体10に対する調整環11の光軸方向での相
対移動を規制した状態で該調整環11を正逆に回転させ
るから、固定環12のカメラ本体10に対する光軸方向
での位置、つまり焦点面にあるフィルムF(図1)に対
する光軸方向での位置を変更させることができる。な
お、図1と図2に示す符号9は、固定環11の先端部内
周に設けられた遮光部材である。
【0009】図1と図2に示されるように、固定環12
はその内周に雌ヘリコイド12aを有し、カム環13の
外周の雄ヘリコイド13aを該雌ヘリコイド12aに螺
合させ、該カム環13を嵌合支持している。カム環13
の後端部の外周に、雄ヘリコイド13aのリード方向に
傾斜させたスパーギヤ(外周ギヤ)13bが設けられて
いる。このスパーギヤ13bは、定位置で回転する第一
ピニオン(最終ギヤ)63と噛み合う。
【0010】この第一ピニオン63は、図1と図6に示
されるように、スパーギヤ13bの光軸方向での移動寸
法と対応するように、複数のピニオンを所定間隔で連結
させたような形状に構成されている。第一ピニオン63
の回転軸5は、一端部が、支持板54を介して支持部5
5に回転可能に支持され、他端部が、固定環12の内周
後端部に設けた支持部74の軸孔74aに回転可能に嵌
合されている。これにより、第一ピニオン63は、固定
環12に、スパーギヤ13bと噛合可能に、かつ該固定
環12に対する光軸方向及び半径方向の相対移動を規制
されて設けられている。なお、第一ピニオン63は、複
数のピニオンを所定間隔で連結させたような形状に代え
て、図10に示すように、一端部から他端部まで同一径
としたものとして構成してもよい。
【0011】カム環13の内周面には、図2に示すよう
に、第一群レンズ用の雌ヘリコイド13cと、第二及び
第三群レンズ用のインナーカム溝13d、13eが形成
されている。該インナーカム溝13d、13eは、雌ヘ
リコイド13cの一部を切除した形で、周方向位置を異
ならせてそれぞれ複数本が形成されている。
【0012】またカム環13の内周側に、直進案内環1
4が配置されている。この直進案内環14の後端部に、
カム環13の内周フランジ13fと当接すべき外周フラ
ンジ14aが形成されている。直進案内環14の後端部
にはさらに、外周フランジ14aとの間に内周フランジ
13fを相対回動自在に挟む直進案内板15が、固定ね
じ16で固定されている。この直進案内板15は、固定
環12の直進案内溝12bに嵌まる径方向突起15aを
有している。従って、直進案内環14は、カム環13に
対して相対回転が自在であり、光軸O方向には該カム環
13と一体に移動する。
【0013】図7と図8に示すように、固定環12は、
円周方向の四箇所に、直進案内溝80a、80bを有し
ている。該直進案内溝80aは、支持部55と対応する
部分に設けられ、第一ピニオン63を挟んで固定環12
の円周方向に幅広に形成されている。直進案内溝80b
は、固定環12の円周方向の他の三箇所に形成されたも
ので、直進案内溝80aより幅狭に形成されている。該
三箇所の直進案内溝80bは、固定環12の後端部から
前方の所定位置まで連続して形成されている。この直進
案内溝80bの後部側は、固定環12の径方向の底部が
閉じられた有底溝として構成され、前部側は、固定環1
2の内周側と外周側を貫通させた形状に構成されてい
る。この有底溝である直進案内溝80bの径方向の底部
は、固定環12の外周側に突出成形した係合突出部52
の内面により構成されている。
【0014】直進案内板15は、図8に示されるよう
に、その径方向突起15a、15bを有している。直進
案内板15は、径方向突起15a、15bを直進案内溝
80a、80bにそれぞれ嵌め込ませ、光軸方向と直交
させた状態で固定環12の内周に位置される。径方向突
起15aは、幅広の直進案内溝80aに対応させた幅広
に形成されかつその中央部に凹部15cを有していて、
第一ピニオン63を跨ぎ、この第一ピニオン63と極め
て近接した位置に位置できるように構成されている。直
進案内板15の三箇所の径方向突起15bはそれぞれ、
幅狭の上記直進案内溝80bに対応させた単純な形状の
突起として構成されている。
【0015】図1と図2に示されるように、カム環13
の雌ヘリコイド13cには、第一群レンズL1を固定し
た第一群レンズ支持枠18の外周の雄ヘリコイド18a
が螺合している。これらの雌ヘリコイド13cと雄ヘリ
コイド18aのリードは、雌ヘリコイド12aと雄ヘリ
コイド13aのリードと逆にされている。カム環13の
インナーカム溝13dには、第二群移動枠19の外周面
に植設したカムピン20が嵌まり、同インナーカム溝1
3eには、第三群レンズL3を固定した第三群レンズ枠
21の外周面に植設したカムピン22が嵌まっている。
カムピン20と22は、直進案内環14に光軸Oと平行
に、周方向位置を異ならせて形成した直進案内溝14
c、14dにそれぞれ摺動可能に係合されている。これ
により、第二及び第三群レンズL2、L3は、直進案内
環14に直進案内される。従って、直進案内環14つま
り第二及び第三群レンズL2、L3は、カム環13に対
して相対回転可能で光軸方向には該カム環13と共に移
動する。
【0016】AF・AEユニット24の後方に第二群移
動枠19が、前方に第二群レンズ移動枠42がそれぞれ
に固定されている。AF・AEユニット24の内周に設
けた雌ヘリコイド24aに、第二群レンズL2を固定し
た第二群レンズ枠25の外周に設けた雄ヘリコイド25
aが螺合している。AF・AEユニット24は、被写体
距離情報に応じた角度だけ円周方向に駆動される駆動ピ
ン24bを有し、この駆動ピン24bが第二群レンズ枠
25の径方向に突出させた連動アーム35に係合してい
る。従って、第二群レンズ枠25、つまり第二群レンズ
L2は、駆動ピン24bの回転角及びヘリコイド24
a、25aのリードに従って光軸O方向に進退し、これ
によりフォーカシングがなされる。AF・AEユニット
24はまた、被写体の輝度情報に基づき、シャッタブレ
ード36を開閉する。
【0017】第一群レンズ支持枠18の内周側に、直進
案内環14の外面に形成した直進案内溝14bに嵌まる
直進キー18dが形成されており、第一群レンズ支持枠
18(第一群レンズL1)はこの直進キー18dを直進
案内溝14bに嵌めることにより、直進案内環14に直
進案内される。また第一群レンズ支持枠18の円筒部4
4と第二群レンズ移動枠42の間には、遮光部40が設
けられている。
【0018】固定環12は、図3及び図7に示すよう
に、その外周の支持部55後方に、第二ピニオン60を
光軸方向の前後から挟む二枚のブラケット58を有する
支持部57を備えている。該二枚のブラケット58は、
支持孔59をそれぞれに有している。第二ピニオン60
は、ギヤ列G(図5)の伝達ギヤを構成するもので、最
終ギヤである第一ピニオン63に、カメラ本体側からの
駆動力(モータ72の回転力)を直接伝達する。
【0019】図3に示されるように、固定ブロック50
の上記支持孔59と対応する位置には、該支持孔59に
摺動可能に貫通される回転軸61が、光軸前方に突出さ
せて設けられている。この回転軸61は、固定ブロック
50に固定環12を嵌合させた状態において、二枚のブ
ラケット58の間に挟まれた第二ピニオン60を該二枚
のブラケット58と共に貫通して、この第二ピニオン6
0の固定ブロック50に対する光軸方向の相対移動を許
容する。よって第二ピニオン60は、二枚のブラケット
58により固定環12に対する光軸方向の相対移動を規
制され、かつ固定環12のブラケット58間に形成した
開口12d(図6)から固定環12内に突出して第一ピ
ニオン63と噛み合うように、該固定環12側に位置さ
れる。ギヤ列Gの最終ギヤである第一ピニオン63は、
上述のような組付け構造とされているため、光軸方向に
おけるスパーギヤ13bの移動長さにのみ対応した長さ
があれば足りる。
【0020】固定環12は、その外周の雄ヘリコイド1
2cに、調整環11の内周の雌ヘリコイド11aを螺合
させて該調整環11を嵌合支持している。この調整環1
1は、図3と図5に示されるように、その外周縁の三箇
所に、径方向に突出しかつ円周方向に長さを有する位置
決め板部11bを有している。調整環11は、バックフ
ォーカスの調整時には、該三箇所の位置決め板部11b
を、後述する光軸方向規制手段によって規制され、固定
ブロック50つまりカメラ本体10に対する光軸方向の
相対移動を規制される。従ってその場合には、調整環1
1を回動させることにより、固定環12を、光軸方向に
おいてカメラ本体10に対し進退させ、該固定環12つ
まり該固定環12によって支持される全レンズ群(第
一、第二、第三群レンズL1、L2、L3)をカメラ本
体10に対して相対移動させ、最後方の第三群レンズL
3のフィルムFに対する相対位置を変えて、バックフォ
ーカス量を調整することができる。
【0021】上記光軸方向規制手段は、図3〜図5に示
されるように、調整環11の三箇所の位置決め板部11
bとそれぞれに位置を対応させて固定ブロック50に形
成したねじ孔93、該ねじ孔93の近傍に植設した係合
突起92、該ねじ孔93に螺合されるねじ91、及び該
ねじ91によってその中央部分を支持される鉤状の係止
部材90から構成されている。係止部材90は、その先
端90bを、固定ブロック50に嵌合した状態の調整環
11の各位置決め板部11b上に位置させ、かつその係
合切欠90a(図9)を係合突起92に係合させた状態
で、ねじ91を締めることにより固定されている。これ
により、調整環11は、カメラ本体10に対する光軸方
向の相対移動を規制される。
【0022】調整環11は、複数の位置決め歯78を有
し、また固定ブロック50は該位置決め歯78と対応す
る位置に、係止歯76aを有する位置決め板76を有し
ている。この位置決め板76は、固定ねじ77bを弛め
或は締めることにより図5の左右方向に移動及び固定可
能とされており、固定ねじ77の締結時、係止歯76a
によって位置決め歯78を係止して調整環11の回動を
規制する。固定ねじ77aは、常時弛められたままで、
位置決め板76の左右方向のガイドのみに使用される。
【0023】第一ピニオン63と第二ピニオン60以外
の上記ギヤ列Gを構成する構成ギヤ65、66、67、
68、69、70は、図4と図5に示すギヤ支持部材6
2に支持された状態で、固定ブロック50側に支持され
る。その場合、第二ピニオン60の伝動直上流側に位置
する構成ギヤ65は、ギヤ支持部材62の内面に突出形
成した回転軸56に回転可能に支持され、この状態にお
いて回転軸56の先端部の凹部56aが、構成ギヤ65
と対応するギヤ支持部材50に突出成形した係合ピン7
5に係合される。そしてギヤ支持部材62は、固定ブロ
ック50にねじ止めされる。
【0024】図6に示されるように、ギヤ支持部材62
の第二ピニオン60と近接する部分に、回転軸61の先
端部の位置決め小径部61aを挿通させる位置決め孔7
3が形成されている。ギヤ支持部材62は、図5に示さ
れるように、第一ピニオン63と第二ピニオン60を除
く、ギヤ列Gを構成する他の構成ギヤ65、66、6
7、68、69、70を支持した状態で、その位置決め
孔73を位置決め小径部61aに係合させ、第二ピニオ
ン60と噛合する適正な位置に構成ギヤ65を位置させ
て、固定ブロック50に支持される。従って、ギヤ列G
を構成する両ピニオン63と60は、上述のように固定
環12に対する光軸方向と半径方向の相対移動を規制さ
れて該固定環12側に設けられる。またギヤ列Gを構成
する、両ピニオン60と63以外の構成ギヤ65、6
6、67、68、69、70は、ギヤ支持部材62を介
して、該固定環12に対する光軸方向と半径方向の相対
移動を規制した状態で、固定ブロック50側に設けられ
る。図6において、ギヤ支持部材62の下部には、ギヤ
列Gに駆動力を与えるモータ72がねじ止めされてお
り、該モータ72の回転軸に取り付けたモータピニオン
71は、ギヤ列Gのギヤ70と噛合している。
【0025】以上の構成を有する本カメラは、次のよう
に作動する。先ず、最短焦点距離状態から、カム環13
のスパーギヤ13bに噛み合っている第一ピニオン63
を、ギヤ列Gを介して伝達されるモータ72の駆動力に
よって回転駆動すると、カム環13が、雄ヘリコイド1
3a及び雌ヘリコイド12aに従い、回転しながら光軸
前方に進出する。
【0026】これにより、直進案内環14によって直進
案内されている第一群レンズ支持枠18が、逆リードの
雄ヘリコイド18aと雌ヘリコイド13cの関係に従っ
て、カム環13に対してさらに前進する。同様に直進案
内環14によって直進案内されている第二群レンズ移動
枠19と第三群レンズ枠21は、それぞれそのカムピン
20と22がカム環13のインナーカム溝13dと13
eに嵌合しているから、カム環13の回転に伴ない、イ
ンナーカム溝13dと13eの形状に従って、光軸方向
に進出し、ズーミングがなされる。
【0027】上述したモータ72の回転時、ギヤ支持部
材62が、カメラ本体10側から突出する回転軸61の
位置決め小径部61aにその位置決め孔73を係合させ
ているため、ギヤ列Gの構成ギヤ65は、第二ピニオン
60に対する適正な噛合状態を保持して、該第二ピニオ
ン60に駆動力を伝達する。またギヤ列Gを構成する、
第一、第二のピニオン63、60以外のギヤ65、6
6、67、68、69、70、及びモータピニオン71
は、その位置決め孔73を位置決め小径部61aに係合
させたギヤ支持部材62に支持されているから、第二ピ
ニオン63との適正な噛合状態を変化させることはな
い。
【0028】さらに第一ピニオン63が、支持板54と
支持部74を介して固定環12に対する相対位置を固定
されかつカム環13のスパーギヤ13bとの適正な噛合
状態に保持されていて、第二ピニオン60が、ブラケッ
ト58と回転軸61により第一ピニオン63との適正な
噛合状態に保持されているから、モータ72の駆動力
は、常に安定してカム環13に伝達される。例えばギヤ
列Gの最終ギヤである第一ピニオン63をカメラ本体側
に支持した場合に、寸法精度のバラツキ等により固定環
12のカメラ本体10に対する位置がずれてカム環13
のスパーギヤ13bと第一ピニオン63との軸間距離を
不適当とさせる虞れがある。しかし本実施例では、第一
ピニオン63を固定環12に支持してスパーギヤ13b
との軸間距離を変化させない構造であるから、軸間距離
の変化に起因する噛み合い不良や、ギヤの破損等の不具
合を確実に防止することができる。
【0029】カメラの製造時やメンテナンス時にバック
フォーカス量を調整する場合は、先ず、図5に示す組み
立て状態において、固定ブロック50に螺合されている
固定ねじ77bを弛め、位置決め板76を同図の左右方
向に移動させる。この状態において、調整環11を正逆
方向に回転させると、カメラ本体10に対する光軸方向
での相対移動を規制された調整環11の雌ヘリコイド1
1aと、固定環12外周の雄ヘリコイド12cとの関
係、及び係合凹部51aと係合突出部52の関係によ
り、固定環12が、回転することなく光軸方向に進退す
る。これにより、固定環12と共にその内周のカム環1
3を光軸方向に進退させて、固定ブロック50(フィル
ムF)に対する第三のレンズ群L3の光軸方向での相対
位置を変えることができる。これにより、バックフォー
カス量が調整される。
【0030】さらにバックフォーカス量を適正に調整し
た時点で固定ねじ77を締め、固定ブロック50に固定
される位置決め板76の係止歯76aによって位置決め
歯78を係止する。これにより、上記適正調整位置にて
調整環11の回動を規制し、調整したバックフォーカス
量を変化させないようにする。
【0031】従って、本ズームレンズ鏡筒は、バックフ
ォーカス調整時に固定環12自身が回転することなく、
光軸方向にのみその位置を変化させるから、この固定環
12を含むズームレンズ鏡筒と、このズームレンズ鏡筒
周辺に設けた種々の部材との周方向における相対位置関
係がずれることはない。このため、ズームレンズ鏡筒周
辺に設けられるべき各部材を、レンズ鏡筒との相対位置
のずれを予め考慮した構造としなくて良いから、ズーム
レンズ鏡筒周辺の構造を簡略化させることができる。
【0032】
【考案の効果】以上のように本考案のバックフォーカス
調整機構を有するカメラは、撮影光学系の複数のレンズ
群を支持し、カメラ本体側に光軸方向に直進位置調節可
能に支持された固定環と;該固定環の外周に螺合され、
カメラ本体側に軸方向位置を規制して回転調節可能に支
持された調整環と;該固定環の内周に螺合し、回転に伴
い複数のレンズ群を所定のズーム軌跡で移動させるカム
環と;このカム環の外周に設けた外周ギヤと;固定環に
回転自在に支持された、このカム環の外周ギヤに噛み合
う第一ピニオン及びこの第一ピニオンに噛み合う第二ピ
ニオンと;この第二ピニオンに噛み合う構成ギヤを有
し、カメラ本体側に支持されたギヤ列及びその電動駆動
機構と;を有し、第一ピニオンと第二ピニオンは、調整
環の回動による固定環の光軸方向移動に際し、該固定環
と一緒に光軸方向に移動して両ピニオンの螺合関係を変
化させないように固定環に支持されており、カム環の外
周ギヤは、固定環の光軸方向位置が変化したとき、第一
ピニオンとの噛合位置を変化させながら噛合関係を維持
する態様で設けられており、第二ピニオンと構成ギヤ
は、調整環の回動による固定環の光軸方向移動に際し、
噛合を維持する関係で設けられているから、電動駆動さ
れるズームレンズ鏡筒のバックフォーカス調整に際し
て、関連諸部材の周方向における相対位置関係がずれ
る、等の不都合を招くことはない。このため、レンズ鏡
筒周辺に設けられる各部材を、レンズ鏡筒との相対位置
のずれを予め考慮した構造にする必要がないから、レン
ズ鏡筒周辺の構造を簡略化させることができ、バックフ
ォーカス調整によって駆動系が何ら影響を受けることが
ないカメラを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のズームレンズ鏡筒の概略構成を示す
縦断面図である。
【図2】同ズームレンズ鏡筒の概略構成を示す、図1と
断面位置を異ならせた上半縦断面図である。
【図3】同ズームレンズ鏡筒と固定ブロックの結合構造
を示す分解斜視図である。
【図4】同ズームレンズ鏡筒を固定ブロックに支持した
状態を示す斜視図である。
【図5】カメラ本体に対するズームレンズ鏡筒およびギ
ヤ列等の組付け構造を示す正面図である。
【図6】カム環に回転を伝達するギヤ列の結合構造を示
す断面図である。
【図7】ズームレンズ鏡筒の固定環を拡大して示す斜視
図である。
【図8】同ズームレンズ鏡筒の固定環と直進案内板の関
係を示す、カメラ本体側から視た概略図である。
【図9】光軸方向規制手段の一部を構成する係止部材の
単体形状を示す拡大図である。
【図10】第一ピニオンの形状を図6と異ならせた、カ
ム環に回転を伝達するギヤ列の結合構造を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10 カメラ本体 11 調整環 11a 雌ヘリコイド 11b 位置決め板部 12 固定環 12c 雄ヘリコイド 13 カム環 50 固定ブロック 51 係合凹部(許容規制手段) 52 係合突出部(許容規制手段) 76 位置決め板 76a 係止歯(相対回転規制手段) 77 固定ねじ 78 位置決め歯(相対回転規制手段) 90 係止部材 90a 係合切欠 91 ねじ 92 係合突起 93 ねじ孔 L1 第一群レンズ L2 第二群レンズ L3 第三群レンズ O 光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−80210(JP,A) 特開 平4−179906(JP,A) 実開 昭59−57064(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/04 G02B 7/10

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影光学系の複数のレンズ群を支持し、
    カメラ本体側に光軸方向に直進位置調節可能に支持され
    た固定環と; 該固定環の外周に螺合され、カメラ本体側に軸方向位置
    を規制して回転調節可能に支持された調整環と; 該固定環の内周に螺合し、回転に伴い上記複数のレンズ
    群を所定のズーム軌跡で移動させるカム環と; このカム環の外周に設けた外周ギヤと; 上記固定環に回転自在に支持された、このカム環の外周
    ギヤに噛み合う第一ピニオン及びこの第一ピニオンに噛
    み合う第二ピニオンと; この第二ピニオンに噛み合う構成ギヤを有し、上記カメ
    ラ本体側に支持されたギヤ列及びその電動駆動機構と; を有し、上記第一ピニオンと第二ピニオンは、調整環の回動によ
    る固定環の光軸方向移動に際し、該固定環と一緒に光軸
    方向に移動して該両ピニオンの螺合関係を変化させない
    ように固定環に支持されており、 カム環の上記外周ギヤは、上記固定環の光軸方向位置が
    変化したとき、上記第一ピニオンとの噛合位置を変化さ
    せながら噛合関係を維持する態様で設けられており、 上記第二ピニオンと構成ギヤは、調整環の回動による固
    定環の光軸方向移動に際し、噛合を維持する関係で設け
    られていることを特徴とするバックフォーカス調整機構
    を有するカメラ。
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