JPH10120723A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH10120723A
JPH10120723A JP27345596A JP27345596A JPH10120723A JP H10120723 A JPH10120723 A JP H10120723A JP 27345596 A JP27345596 A JP 27345596A JP 27345596 A JP27345596 A JP 27345596A JP H10120723 A JPH10120723 A JP H10120723A
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monomer
chloride monomer
chloride resin
based resin
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JP27345596A
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Shigeru Tanaka
茂 田中
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル系樹脂スラリーの発泡を抑制し、
未反応の塩化ビニルモノマーの除去を迅速に行うことが
できる生産効率に優れた塩化ビニル系樹脂の製造方法を
提供する。 【解決手段】 アクリル系共重合体に塩化ビニルモノマ
ーを懸濁重合によりグラフト共重合させた後、得られた
塩化ビニル系樹脂スラリーから未反応の塩化ビニルモノ
マーを除去又は回収することよりなる塩化ビニル系樹脂
の製造方法において、上記未反応の塩化ビニルモノマー
の除去又は回収を、上記塩化ビニル系樹脂スラリーにポ
リアルキレングリコールアルキルエーテルオレエート系
の消泡剤を使用してから行う塩化ビニル系樹脂の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産効率に優れた
塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、機械的強度、耐薬
品性等に優れた特性を有する材料として、幅広い用途に
用いられている。しかしながら、従来の一般的な塩化ビ
ニル系樹脂は、耐候性、耐衝撃性に劣るものであるた
め、より優れた物性を有する塩化ビニル系樹脂が求めら
れている。
【0003】特開昭60−255813号公報には、ア
クリル系共重合体に塩化ビニルモノマーを懸濁重合によ
りグラフト共重合させることにより、耐候性、耐衝撃性
に優れた塩化ビニル系樹脂を製造する方法が開示されて
いる。
【0004】しかしながら、この方法は、アクリル系共
重合体ラテックスの存在下で塩化ビニルモノマーを懸濁
重合させるため、通常の塩化ビニル系樹脂の製造方法に
おいて実施される懸濁重合よりも多くの分散剤を必要と
する。また、アクリル系共重合体ラテックス中には界面
活性剤が残存している。このような理由から懸濁重合後
に得られる塩化ビニル系樹脂スラリーは非常に泡立ちや
すいものとなる。このため、塩化ビニル系樹脂スラリー
から未反応の塩化ビニルモノマーの除去又は回収を行っ
ていると、反応容器内の圧力が徐々に低下するにつれて
塩化ビニル系樹脂スラリー表面から発泡が生じ、この発
生した泡が反応容器上部の排ガス配管に到達し、泡に同
伴された塩化ビニル系樹脂粒子が排ガス配管を閉塞さ
せ、未反応の塩化ビニルモノマーの除去又は回収を行う
ことができなくなる問題があった。このため、未反応の
塩化ビニルモノマーの除去又は回収作業が製造工程上の
律速となり、製造工程が長期化することにより、生産効
率が低下していた。
【0005】塩化ビニル系樹脂スラリーの発泡を抑制す
る手段として、アセチレングリコール系、アルキルフェ
ニルエーテル系等の消泡剤を、塩化ビニル系樹脂スラリ
ーに添加する方法があるが、期待されるほどの消泡効果
が得られず、また、一旦発生した泡を消泡剤の投入によ
り即時に消泡させることはできなかった。
【0006】特公平8−127621号公報には、塩化
ビニル系樹脂スラリーの発泡を抑制するために、シリカ
シリコーン系、シリコーン系及びアマイド系の消泡剤の
うちの1種以上をこの塩化ビニル系樹脂スラリーに添加
する方法が開示されている。しかしながら、この方法
は、従来一般の塩化ビニル系樹脂の製造方法に適用する
ことを想定しており、アクリル系共重合体と塩化ビニル
モノマーとのグラフト共重合による塩化ビニル系樹脂の
製造方法に適用することを想定したものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、塩化ビニル系樹脂スラリーの発泡を抑制し、未反応
の塩化ビニルモノマーの除去を迅速に行うことができる
生産効率に優れた塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリル系共
重合体に塩化ビニルモノマーを懸濁重合によりグラフト
共重合させた後、得られた塩化ビニル系樹脂スラリーか
ら未反応の塩化ビニルモノマーを除去又は回収すること
よりなる塩化ビニル系樹脂の製造方法において、上記未
反応の塩化ビニルモノマーの除去又は回収を、上記塩化
ビニル系樹脂スラリーにポリアルキレングリコールアル
キルエーテルオレエート系の消泡剤を使用してから行う
塩化ビニル系樹脂の製造方法である。以下に本発明を詳
述する。
【0009】本発明において用いられるアクリル系共重
合体は、アクリル系モノマーと多官能性モノマーとの混
合物を重合させることにより得られるものである。上記
アクリル系モノマーとしては特に限定されず、例えば、
エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−
ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘ
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート
n−オクチルメタクリレート、n−デシルメタクリレー
ト、n−ドデシルメタクリレート、2−アクリロイルオ
キシエチルコハク酸、メチルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−テトラ
デシルアクリレート、n−ヘキサデシルアクリレート、
ラウリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ヘ
キシルメタクリレート、n−テトラデシルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−アクリロイル
オキシエチルフタル酸等が挙げられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0010】上記多官能性モノマーは、上記アクリル系
共重合体を架橋し、粒子同士の合着を防止するととも
に、得られる塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を向上させる
ために添加されるものである。上記多官能性モノマーと
しては特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロ
ールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の
三官能以上の(メタ)アクリレート類;ジアリルフタレ
ート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリ
ルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート等のジア
リル化合物又はトリアリル化合物;ジビニルベンゼン、
ブタジエン等のジビニル化合物等が挙げられる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0011】上記アクリル系モノマーと上記多官能性モ
ノマーとの混合物を重合させる方法としては特に限定さ
れず、例えば、乳化剤及び重合開始剤の存在下で乳化重
合させる方法等を採用することができる。
【0012】上記乳化剤としては特に限定されず、例え
ば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等が
挙げられる。上記アニオン系界面活性剤の市販品として
は、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルサルフェート(ハイテノールN−08、第一工業製薬
社製)等が挙げられる。上記重合開始剤としては特に限
定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素水等の水溶性重合開始剤等が挙げられ
る。
【0013】上記乳化重合の具体的な方法としては特に
限定されず、例えば、一括重合法、モノマー滴下法、エ
マルジョン滴下法等を採用することができる。上記一括
重合法は、例えば、ジャケット付反応容器内に、純水、
乳化剤、重合開始剤、及び、アクリル系モノマーと多官
能性モノマーとの混合物を一括して添加し、窒素気流下
において攪拌して充分乳化させた後、反応容器内をジャ
ケットで昇温し、重合反応を開始させることにより実施
することができる。
【0014】上記モノマー滴下法は、例えば、ジャケッ
ト付反応容器内に、純水、乳化剤及び重合開始剤を入
れ、窒素気流下で反応容器内を昇温した後、アクリル系
モノマーと多官能性モノマーとの混合物を一定量ずつ滴
下して重合反応を開始させることにより実施することが
できる。
【0015】上記エマルジョン滴下法は、例えば、アク
リル系モノマーと多官能性モノマーとの混合物、乳化剤
及び純水を攪拌して乳化モノマーを予め調製し、次い
で、ジャケット付反応容器内に純水及び重合開始剤を入
れ、窒素気流下で反応容器内を昇温した後、上記乳化モ
ノマーを一定量ずつ滴下して重合反応を開始させること
により実施することができる。
【0016】本発明により得られる塩化ビニル系樹脂中
における上記アクリル系共重合体の含有量は特に限定さ
れず、得られる塩化ビニル系樹脂の用途に応じて適宜決
定することができるが、例えば、耐衝撃性に優れた塩化
ビニル系樹脂を製造する場合には、0.1〜30重量%
が好ましい。0.1重量%未満であると、耐衝撃性を向
上させる効果が充分でなく、30重量%を超えると、引
張強度、曲げ強度等の機械的強度が低下するだけでな
く、得られる塩化ビニル系樹脂が粗粒となる。より好ま
しくは、4〜20重量%である。
【0017】本発明においては、上記アクリル系共重合
体に塩化ビニルモノマーを懸濁重合によりグラフト共重
合させる。上記懸濁重合は、例えば、攪拌機及びジャケ
ットを備えた耐圧反応容器に、イオン交換水、分散剤、
更に必要に応じて、重合度調節剤等を投入した後、上記
アクリル系共重合体とラテックス凝集剤との混合液、及
び、油溶性重合開始剤を投入し、真空ポンプで反応容器
内の空気を排出し、攪拌しながら塩化ビニルモノマー、
必要に応じて、他のビニル系モノマーを添加し、ジャケ
ットにより反応容器内を昇温してグラフト共重合を開始
させることにより実施することができる。
【0018】上記懸濁重合を行うに際しては、上記分散
剤は、反応容器壁のスケール付着量を少なくするため、
上記アクリル系共重合体とラテックス凝集剤との混合液
を反応容器に投入する前に投入することが望ましい。ま
た、上記油溶性重合開始剤は、アクリル系共重合体とラ
テックス凝集剤との混合液を反応容器に投入した後に投
入することが望ましい。また、上記グラフト共重合反応
は発熱反応であり、必要に応じて、ジャケットにより反
応容器内の温度を調節する。
【0019】上記分散剤は、上記アクリル系共重合体と
塩化ビニルモノマーとの混合物の分散安定性を向上さ
せ、グラフト共重合を効率的に行うために添加される。
上記分散剤としては特に限定されず、例えば、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、
デンプン、無水マレイン酸−スチレン共重合体等が挙げ
られる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0020】上記油溶性重合開始剤としては、グラフト
共重合に好適なラジカル重合開始剤であれば特に限定さ
れず、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネート、t
−ブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパー
オキシネオデカノエート等の有機パーオキサイド類;
2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等
が挙げられる。
【0021】上記懸濁重合においては、必要に応じて更
に、pH調整剤、酸化防止剤等を添加してもよい。上記
pH調整剤としては特に限定されず、例えば、炭酸カル
シウム;炭酸水素カルシウム;重質炭酸カルシウム;ア
ンモニア;ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミ
ニウム等の水酸化物等が挙げられる。
【0022】本発明においては、上記懸濁重合終了後、
得られた塩化ビニル系樹脂スラリーから未反応の塩化ビ
ニルモノマーを除去又は回収し、上記未反応の塩化ビニ
ルモノマーが除去又は回収された塩化ビニル系樹脂スラ
リーを脱水乾燥させることにより塩化ビニル系樹脂を得
る。
【0023】本発明においては、上記未反応の塩化ビニ
ルモノマーの除去又は回収を、上記塩化ビニル系樹脂ス
ラリーにポリアルキレングリコールアルキルエーテルオ
レエート系の消泡剤を使用してから行う。
【0024】上記ポリアルキレングリコールアルキルエ
ーテルオレエート系の消泡剤は、オレイン酸とアルキレ
ングリコールモノアルキルエーテルとの脱水反応、オレ
イン酸メチルエステル又はオレイン酸エチルエステルと
ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとのエ
ステル交換反応等により得られるものである。
【0025】上記ポリアルキレングリコールモノアルキ
ルエーテルは、下記一般式で表される化合物である。 RO(AO)n
【0026】上記一般式中、Rは、炭素数1〜26の炭
化水素基である。上記炭素数1〜26の炭化水素基とし
ては特に限定されず、例えば、アルキル基、アルキレン
基、アルキルフェニル基等が挙げられる。具体的には、
例えば、メチル基、エチル基、アリル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デ
シル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミ
リスチル基、セチル基、イソセチル基、ステアリル基、
イソステアリル基、オレイル基、オクチルドデシル基、
ベヘニル基、デシルテトラデシル基、ベンジル基、クレ
ジル基、ブチルフェニル基、ジブチルフェニル基、オク
チルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル
基、ジオクチルフェニル基、ジノニルフェニル基、スチ
レン化フェニル基等が挙げられる。
【0027】上記一般式中、AOは、炭素数2〜18の
オキシアルキレン基である。上記炭素数2〜18のオキ
シアルキレン基としては特に限定されず、例えば、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシ
ド、イソブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチ
レンオキシド、オクテンオキシド、ドデセンオキシド、
ヘキサデセンオキシド、オクタデセンオキシド等が挙げ
られる。
【0028】上記一般式中、nは、1〜200の整数で
ある。上記ポリアルキレングリコールアルキルエーテル
オレエート系の消泡剤は、単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。また、エマルジョン化したり、低
ケン化度ポリビニルアルコールと組み合わせたりしても
よい。
【0029】上記消泡剤の使用量は、塩化ビニルモノマ
ー100重量部に対して0.0001〜0.2重量部が
好ましい。0.0001重量部未満であると、充分な消
泡効果が得られず、0.2重量部を超えても、それ以上
の消泡効果の向上を期待することができない。より好ま
しくは、0.0005〜0.1重量部である。
【0030】上記消泡剤の使用方法としては特に限定さ
れず、上記塩化ビニル系樹脂スラリーに直接添加しても
よいが、反応容器上部から噴霧する方法が発生した泡を
消すには好ましい。また、回収タンクにおいて使用する
こともできる。上記消泡剤は、原液のまま用いても、イ
オン水等で希釈してから用いてもよいが、イオン水で5
〜20倍程度に希釈して用いるほうがよりよい消泡効果
を得ることができるので好ましい。また、上記消泡剤
は、上記塩化ビニル系樹脂スラリーに対して一括使用し
てもよいが、2、3回に分割して使用するほうが好まし
い。
【0031】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0032】実施例1アクリル系共重合体の重合 攪拌機及び還流冷却器を備えた反応容器に、n−ブチル
アクリレート100重量部、純水240重量部、乳化剤
(ハイテノールN−08、第一工業製薬社製)1重量
部、過硫酸アンモニウム0.1重量部、及び、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート0.5重量部を入れ、
反応容器内を窒素にて置換した後、65℃に昇温して5
時間攪拌しながら反応させ、アクリル系共重合体ラテッ
クス(固形分濃度30重量%)を得た。
【0033】塩化ビニル系樹脂の製造 攪拌機及びシャケットを備えた内容積19.3m3 の耐
圧反応容器に、純水9000kg、上記アクリル系共重
合体ラテックス830kg(固形分:243kg)、部
分ケン化ポリビニルアルコール(クラレポバールL−
8、クラレ社製)6kg、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース(メトローズ60SH50、信越化学社製)6
kg、t−ブチルパーオキシネオデカノエート1kg、
及び、CaCl2 2kgを一括投入した後、真空ポンプ
で反応容器内の酸素を排除し、塩化ビニルモノマー46
00kgを加えて30分間攪拌して均一に混合させ、5
0℃に昇温して重合を開始した。
【0034】未反応塩化ビニルモノマーの除去 重合開始後、反応容器の内圧が5.8kg/cm2 に低
下した段階で、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルオレエート(ディスホームBFシリーズ、日本油脂
社製)0.5kgをイオン水で12倍に希釈して6kg
とすることにより得られた消泡剤水溶液2kgを、反応
容器上部から噴霧添加し、未反応塩化ビニルモノマーを
除去した。更に、上記消泡剤水溶液2kgを40分間お
きに計3回分割投入しながら、未反応塩化ビニルモノマ
ーの除去を行った。除去時間は、2.1時間であった。
【0035】実施例2 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルオレエート
の代わりに、ポリオキシプロピレンブチルエーテルオレ
エートを用い、液相添加したこと以外は、実施例1と同
様にして未反応塩化ビニルモノマーの除去を行った。除
去時間は、2.6時間であった。
【0036】実施例3 消泡剤量を0.02重量部としたこと以外は、実施例1
と同様にして未反応塩化ビニルモノマーの除去を行っ
た。除去時間は、1.7時間であった。
【0037】実施例4 イオン水による希釈率を6倍とし、添加回数を2回とし
たこと以外は、実施例1と同様にして未反応塩化ビニル
モノマーの除去を行った。除去時間は、2.4時間であ
った。
【0038】実施例5 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルオレエート
の代わりに、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
ステアリルエーテルオレエートを用いたこと以外は、実
施例1と同様にして未反応塩化ビニルモノマーの除去を
行った。除去時間は、1.9時間であった。
【0039】比較例1 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルオレエート
の代わりに、アセチレングリコール(サーフィノール、
日信化学工業社製)を用い、イオン水による希釈率を8
倍としたこと以外は、実施例1と同様にして未反応塩化
ビニルモノマーの除去を行った。除去時間は、5.5時
間であった。
【0040】比較例2 消泡剤量を0.03重量部としたこと以外は、比較例1
と同様にして未反応塩化ビニルモノマーの除去を行っ
た。除去時間は、5.1時間であった。
【0041】比較例3 消泡剤量を0.03重量部とし、消泡剤水溶液を液相添
加したこと以外は、比較例1と同様にして未反応塩化ビ
ニルモノマーの除去を行った。除去時間は、5.7時間
であった。
【0042】比較例4 アセチレングリコールの代わりに、アルキルフェニルエ
ーテル(ノイゲンEA、第一工業製薬社製)を用い、消
泡剤量を0.03重量部としたこと以外は、比較例1と
同様にして未反応塩化ビニルモノマーの除去を行った。
除去時間は、5.3時間であった。
【0043】比較例5 アセチレングリコールの代わりに、ソルビダン脂肪酸エ
ステル(ソルゲン、第一工業製薬社製)を用い、消泡剤
量を0.03重量部としたこと以外は、比較例1と同様
にして未反応塩化ビニルモノマーの除去を行った。除去
時間は、5.5時間であった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法
は、上述の構成からなるので、塩化ビニル系樹脂スラリ
ーの泡立ちが発生しにくく、短時間で未反応の塩化ビニ
ルモノマーを除去又は回収することができる。従って、
本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法によれば、重合工
程の短縮化を図ることができ、生産効率が向上する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系共重合体に塩化ビニルモノマ
    ーを懸濁重合によりグラフト共重合させた後、得られた
    塩化ビニル系樹脂スラリーから未反応の塩化ビニルモノ
    マーを除去又は回収することよりなる塩化ビニル系樹脂
    の製造方法において、前記未反応の塩化ビニルモノマー
    の除去又は回収を、前記塩化ビニル系樹脂スラリーにポ
    リアルキレングリコールアルキルエーテルオレエート系
    の消泡剤を使用してから行うことを特徴とする塩化ビニ
    ル系樹脂の製造方法。
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