JPH10120547A - デスモソーム分解促進剤 - Google Patents
デスモソーム分解促進剤Info
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- JPH10120547A JPH10120547A JP29793996A JP29793996A JPH10120547A JP H10120547 A JPH10120547 A JP H10120547A JP 29793996 A JP29793996 A JP 29793996A JP 29793996 A JP29793996 A JP 29793996A JP H10120547 A JPH10120547 A JP H10120547A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 健全な皮膚の状態を維持するための調製物の
提供。 【解決手段】 式 R(CHOH)nCOOH 式中、Rは水素原子、アルキル基、またはアルデヒド基
であり、nは1〜8の整数であり、ヒドロキシメチレン
基はカルボニル基であってもよい、で示される化合物を
有効成分として含む皮膚外用剤、特にデスモソーム分解
促進剤。
提供。 【解決手段】 式 R(CHOH)nCOOH 式中、Rは水素原子、アルキル基、またはアルデヒド基
であり、nは1〜8の整数であり、ヒドロキシメチレン
基はカルボニル基であってもよい、で示される化合物を
有効成分として含む皮膚外用剤、特にデスモソーム分解
促進剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロキシカルボ
ン酸またはその誘導体を有効成分として含むデスモソー
ム分解促進剤に関する。本発明は、主として化粧料の技
術分野で利用される。
ン酸またはその誘導体を有効成分として含むデスモソー
ム分解促進剤に関する。本発明は、主として化粧料の技
術分野で利用される。
【0002】
【従来の技術】乾燥しドライスキンの発生した皮膚に対
して保湿剤が有効に働くことはこれまでの研究で明らか
にされている(例えば、尾沢達也他、皮膚保湿における
保湿剤の役割、皮膚、27、276〜288(198
5)。しかし、ドライスキンの特徴である落屑の改善
が、保湿剤によるどのような機構に基づくものであるか
については、具体的な説明がなされていないものの、現
に、多種多様の保湿剤が皮膚外用化粧料に使用され、一
定の効果が得られることも確認されている。
して保湿剤が有効に働くことはこれまでの研究で明らか
にされている(例えば、尾沢達也他、皮膚保湿における
保湿剤の役割、皮膚、27、276〜288(198
5)。しかし、ドライスキンの特徴である落屑の改善
が、保湿剤によるどのような機構に基づくものであるか
については、具体的な説明がなされていないものの、現
に、多種多様の保湿剤が皮膚外用化粧料に使用され、一
定の効果が得られることも確認されている。
【0003】これらの保湿剤または皮膚柔軟剤の代表的
なものとしては、α−ヒドロキシカルボン酸に分類され
る乳酸が広く使用されている。また、特に角質層の柔軟
作用を有する化粧料にα−ヒドロキシカルボン酸に分類
される上記乳酸を初め、メチル基より長鎖のアルキル基
を有するα−ヒドロキシカルボン酸や、置換基としてカ
ルボキシル基をも有するクエン酸や酒石酸等を配合する
ことも知られている(特開昭58−8007号公報)。
さらに、皮膚科学的老化徴候を緩和するための組成物と
して、2−(またはα−)ヒドロキシカルボン酸または
その関連化合物の使用も知られている(特開平5−13
9947号公報)。さらに、特定のヒドロキシカルボン
酸もしくはケトカルボン酸またはそれらのエステルとセ
ラミド等の脂質成分を含む乾皮症状態の治療のための組
成物も提供されている(特開平6−157283号公
報)。さらに、一定のヒドロキシカルボン酸は、化粧料
に使用される特定の活性物質の作用を増強することも知
られている(特許第2533339号公報)。
なものとしては、α−ヒドロキシカルボン酸に分類され
る乳酸が広く使用されている。また、特に角質層の柔軟
作用を有する化粧料にα−ヒドロキシカルボン酸に分類
される上記乳酸を初め、メチル基より長鎖のアルキル基
を有するα−ヒドロキシカルボン酸や、置換基としてカ
ルボキシル基をも有するクエン酸や酒石酸等を配合する
ことも知られている(特開昭58−8007号公報)。
さらに、皮膚科学的老化徴候を緩和するための組成物と
して、2−(またはα−)ヒドロキシカルボン酸または
その関連化合物の使用も知られている(特開平5−13
9947号公報)。さらに、特定のヒドロキシカルボン
酸もしくはケトカルボン酸またはそれらのエステルとセ
ラミド等の脂質成分を含む乾皮症状態の治療のための組
成物も提供されている(特開平6−157283号公
報)。さらに、一定のヒドロキシカルボン酸は、化粧料
に使用される特定の活性物質の作用を増強することも知
られている(特許第2533339号公報)。
【0004】特開昭58−8007号公報は、α−ヒド
ロキシカルボン酸類が角層片の弾性率を改善することか
ら皮膚に対する柔軟効果を奏することを示唆している。
一方、特開昭5−139947号公報は、2−(または
α−)ヒドロキシカルボン酸が角質層における角質細胞
凝集を減少する作用を有するが、角質層の外側層では効
果がないことを示唆している。また、特開平6−157
283号公報は、上記組成物が生体内効力試験で視覚的
に乾皮症を改善することを示唆している。
ロキシカルボン酸類が角層片の弾性率を改善することか
ら皮膚に対する柔軟効果を奏することを示唆している。
一方、特開昭5−139947号公報は、2−(または
α−)ヒドロキシカルボン酸が角質層における角質細胞
凝集を減少する作用を有するが、角質層の外側層では効
果がないことを示唆している。また、特開平6−157
283号公報は、上記組成物が生体内効力試験で視覚的
に乾皮症を改善することを示唆している。
【0005】ところで、角層(または角質細胞の層状構
造物)の接着には脂質が関与しているという説が一般的
であったが、最近になって、電顕的な知見に基づきデス
モソームが角質細胞の接着のための本質的な構造である
との示唆も見られる(例えば、北島、香油会誌、Vo
l,15,No.4(1991)、225〜230ペー
ジ参照)。さらに北島は、前記論文でプロテアーゼによ
るデスモソーム(接着斑)の消化が角層剥離の第一要素
であるとの推論も提起している。さらに、A. Lundstroe
m らは、Acta Derm Venereol(Stockh)1991:7
1:471−474において、イン・ビボ(in vivo)
条件下の落屑に関し角層に存在するとみなされる分子量
25kDaのキモトリブシン様酵素が一定の役割を果た
したものと示唆している。
造物)の接着には脂質が関与しているという説が一般的
であったが、最近になって、電顕的な知見に基づきデス
モソームが角質細胞の接着のための本質的な構造である
との示唆も見られる(例えば、北島、香油会誌、Vo
l,15,No.4(1991)、225〜230ペー
ジ参照)。さらに北島は、前記論文でプロテアーゼによ
るデスモソーム(接着斑)の消化が角層剥離の第一要素
であるとの推論も提起している。さらに、A. Lundstroe
m らは、Acta Derm Venereol(Stockh)1991:7
1:471−474において、イン・ビボ(in vivo)
条件下の落屑に関し角層に存在するとみなされる分子量
25kDaのキモトリブシン様酵素が一定の役割を果た
したものと示唆している。
【0006】他方、本発明者らは、角層の落屑について
検討した結果、落屑に関与する可能性のある内因性プロ
テアーゼとして、前記トリプシン様酵素以外に分子量約
30kDaのトリプシン様酵素も存在することを明らか
にした(Arch. Dermatol, Res.(1994)286:2
49−253)。また、保湿剤が皮膚、殊にデスモソー
ムにおける上記2種の酵素活性の発現に必要な場(すな
わち、水性環境)を整えることにより健全な皮膚を保つ
ことも明らかにした(例えば、FRAGRANCE JOURNAL(1
995)13−18)。
検討した結果、落屑に関与する可能性のある内因性プロ
テアーゼとして、前記トリプシン様酵素以外に分子量約
30kDaのトリプシン様酵素も存在することを明らか
にした(Arch. Dermatol, Res.(1994)286:2
49−253)。また、保湿剤が皮膚、殊にデスモソー
ムにおける上記2種の酵素活性の発現に必要な場(すな
わち、水性環境)を整えることにより健全な皮膚を保つ
ことも明らかにした(例えば、FRAGRANCE JOURNAL(1
995)13−18)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような乾皮症の
患者の皮膚に限らず、特に健常人の皮膚が健全かつ美し
い外観を維持するには、表皮細胞の死細胞である角質細
胞から構成される角層の形成とその生理学的剥離による
脱落に調和がとれていることが必要である。
患者の皮膚に限らず、特に健常人の皮膚が健全かつ美し
い外観を維持するには、表皮細胞の死細胞である角質細
胞から構成される角層の形成とその生理学的剥離による
脱落に調和がとれていることが必要である。
【0008】たしかに保湿剤は、上述のとおり、角層の
落屑に関与し健全な皮膚を維持する上で一定の役割を担
っている。しかしながら、前記2種の酵素活性が低下し
ている個体には、それらの活性を発現するための環境を
保湿剤によって整えるだけでは十分な角層の剥離が達成
できないであろう。
落屑に関与し健全な皮膚を維持する上で一定の役割を担
っている。しかしながら、前記2種の酵素活性が低下し
ている個体には、それらの活性を発現するための環境を
保湿剤によって整えるだけでは十分な角層の剥離が達成
できないであろう。
【0009】したがって本発明の目的は、保湿の目的だ
けでなく、より積極的に、すなわち少なくとも前記2種
の酵素活性そのものを増強しうる調製物を提供すること
にある。
けでなく、より積極的に、すなわち少なくとも前記2種
の酵素活性そのものを増強しうる調製物を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、角層の落
屑がデスモソーム内のタンパク質、少なくともデスモグ
レインの前記酵素による分解を介してもたらされること
を見い出した。このような角層の落屑機序は、前記特開
平5−139947号公報に記載される化合物類が角質
層の外側層での作用に依存しないことと対照的であり、
まったく新規なものである。
屑がデスモソーム内のタンパク質、少なくともデスモグ
レインの前記酵素による分解を介してもたらされること
を見い出した。このような角層の落屑機序は、前記特開
平5−139947号公報に記載される化合物類が角質
層の外側層での作用に依存しないことと対照的であり、
まったく新規なものである。
【0011】さらに本発明者らは、上述したような一部
の化合物については、既に保湿剤または皮膚柔軟化剤と
して使用されているα−ヒドロキシカルボン酸を包含す
るヒドロキシカルボン酸誘導体が上記デスモソーム、殊
に角層中のタンパク質の分解活性を増強しうることを見
い出した。
の化合物については、既に保湿剤または皮膚柔軟化剤と
して使用されているα−ヒドロキシカルボン酸を包含す
るヒドロキシカルボン酸誘導体が上記デスモソーム、殊
に角層中のタンパク質の分解活性を増強しうることを見
い出した。
【0012】したがって、本発明によれば、式 R(CHOH)nCOOH (I) [式中、Rは水素原子、C1-21アルキル基またはアルデ
ヒド基を表し、nは1〜8の整数であり、nが2以上の
場合には、ヒドロキシメチレン基の1つはカルボニル基
であることができる]で示されるヒドロキシカルボン
酸、あるいはそれらのグリコリドもしくはラクチドまた
はラクトンを、有効成分として少なくとも1種以上含む
ことを特徴とするデスモソーム分解促進剤が提供され
る。
ヒド基を表し、nは1〜8の整数であり、nが2以上の
場合には、ヒドロキシメチレン基の1つはカルボニル基
であることができる]で示されるヒドロキシカルボン
酸、あるいはそれらのグリコリドもしくはラクチドまた
はラクトンを、有効成分として少なくとも1種以上含む
ことを特徴とするデスモソーム分解促進剤が提供され
る。
【0013】
【発明の具体的な態様】本発明のデスモソームの分解促
進剤は、単に角層の落屑に達する水性の環境を皮膚に付
与するだけでなく、デスモソーム中に存在する蛋白質、
少なくともデスモグレイン、場合により、さらにはデス
モコリン、を分解する活性能そのものを増強することが
できる。このような作用は、上述したトリプシン様酵素
活性および/またはキモトリプシン様酵素活性を候補化
合物または成分が適当な水分含有環境下で増強しうるこ
とを意味する。また、このような酵素活性は前記環境下
に一定期間保持されたデスモソーム内のデスモグレイン
および/またはデスモコリンの残存率を候補物質がどの
程度低下しうるかにより評価することができる。
進剤は、単に角層の落屑に達する水性の環境を皮膚に付
与するだけでなく、デスモソーム中に存在する蛋白質、
少なくともデスモグレイン、場合により、さらにはデス
モコリン、を分解する活性能そのものを増強することが
できる。このような作用は、上述したトリプシン様酵素
活性および/またはキモトリプシン様酵素活性を候補化
合物または成分が適当な水分含有環境下で増強しうるこ
とを意味する。また、このような酵素活性は前記環境下
に一定期間保持されたデスモソーム内のデスモグレイン
および/またはデスモコリンの残存率を候補物質がどの
程度低下しうるかにより評価することができる。
【0014】したがって、以下に詳述する本発明に従う
化合物は、前記デスモグレインの残存率を有意に低下す
ることができる。このような化合物として、前記式
(I)で表される化合物が挙げられるが、これらの化合
物は、場合により、ナトリウム、リチウム、等のアルカ
リ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金
属またはアンモニウムとの無機金属塩として、あるい
は、生理学的に許容される有機アミン類との塩として使
用することができる。
化合物は、前記デスモグレインの残存率を有意に低下す
ることができる。このような化合物として、前記式
(I)で表される化合物が挙げられるが、これらの化合
物は、場合により、ナトリウム、リチウム、等のアルカ
リ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金
属またはアンモニウムとの無機金属塩として、あるい
は、生理学的に許容される有機アミン類との塩として使
用することができる。
【0015】式(I)のC1-21アルキル基としては、直
鎖もしくは分枝したものであることができ、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチ
ル、等の低級アルキル基からデシル、エイコシル等の高
級アルキル基を挙げることができる。これらの置換基ま
たは水素原子を有する式(I)の化合物は、本発明の目
的に沿うかぎり、ヒドロキシメチレン(−HCOH−)
基の数、すなわちnが1〜8のいずれをとることもでき
る。
鎖もしくは分枝したものであることができ、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチ
ル、等の低級アルキル基からデシル、エイコシル等の高
級アルキル基を挙げることができる。これらの置換基ま
たは水素原子を有する式(I)の化合物は、本発明の目
的に沿うかぎり、ヒドロキシメチレン(−HCOH−)
基の数、すなわちnが1〜8のいずれをとることもでき
る。
【0016】一般的には、n数が1である化合物が好ま
しい。これらの化合物の具体的なものとしては、グリコ
ール酸、乳酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシ
カプロン酸、2−ヒドロキシエナント酸、2−ヒドロキ
シカプリル酸、2−ヒドロキシペラルゴン酸、2−ヒド
ロキシカプリン酸、2−ヒドロキシウンデカン酸、2−
ヒドロキシラウリン酸、2−ヒドロキシトリデカン酸、
2−ヒドロキシミリスチン酸、2−ヒドロキシペンタデ
カン酸、2−ヒドロキシパルミチン酸、2−ヒドロキシ
マルガリン酸、2−ヒドロキシステアリン酸、2−ヒド
ロキシノナデカン酸、2−ヒドロキシアラキジン酸、2
−ヒドロキシベヘン酸が挙げられる。これらの酸から、
同一もしくは異なる化合物2分子が脱水縮合して形成す
るグリコリド、ラクチド等の2分子縮合物も本発明の有
効成分として使用できる。
しい。これらの化合物の具体的なものとしては、グリコ
ール酸、乳酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシ
カプロン酸、2−ヒドロキシエナント酸、2−ヒドロキ
シカプリル酸、2−ヒドロキシペラルゴン酸、2−ヒド
ロキシカプリン酸、2−ヒドロキシウンデカン酸、2−
ヒドロキシラウリン酸、2−ヒドロキシトリデカン酸、
2−ヒドロキシミリスチン酸、2−ヒドロキシペンタデ
カン酸、2−ヒドロキシパルミチン酸、2−ヒドロキシ
マルガリン酸、2−ヒドロキシステアリン酸、2−ヒド
ロキシノナデカン酸、2−ヒドロキシアラキジン酸、2
−ヒドロキシベヘン酸が挙げられる。これらの酸から、
同一もしくは異なる化合物2分子が脱水縮合して形成す
るグリコリド、ラクチド等の2分子縮合物も本発明の有
効成分として使用できる。
【0017】一方、式(I)のRが水素原子を表す化合
物は、ヒドロキシメチレン基を複数個、すなわちn数が
1〜8個のいずれの化合物も、本発明で好ましく使用す
ることができる。これらの化合物の具体的なものとして
は、前記グルコール酸や、天然もしくは合成アルドース
例えば、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソ
ース、ヘプトース、オクトース、ノノース、デコース、
のアルデヒド基がカルボキシル基に酸化された各種アル
ドン酸、例えば、限定されるものでないが、グルコン酸
が挙げられる。これらの化合物のうち、n数が3以上の
ものは、とくに分子内で脱水環化したラクトンの形態に
おいても本発明で使用できる。
物は、ヒドロキシメチレン基を複数個、すなわちn数が
1〜8個のいずれの化合物も、本発明で好ましく使用す
ることができる。これらの化合物の具体的なものとして
は、前記グルコール酸や、天然もしくは合成アルドース
例えば、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソ
ース、ヘプトース、オクトース、ノノース、デコース、
のアルデヒド基がカルボキシル基に酸化された各種アル
ドン酸、例えば、限定されるものでないが、グルコン酸
が挙げられる。これらの化合物のうち、n数が3以上の
ものは、とくに分子内で脱水環化したラクトンの形態に
おいても本発明で使用できる。
【0018】式(I)のRがアルデヒド基を表す化合物
が特に好ましい。一般的には、これらの化合物は、上記
アルドースにおける炭素末端のヒドロキシメチル基がカ
ルボキシル基に酸化されたカルボン酸に相当し、具体的
には、アルドトリオース、アルドテトロース、アルドペ
ントース、アルドヘキソースのヒドロキシメチル基がカ
ルボキシル基に酸化されたものが挙げられる。またこれ
らのラクトンも本発明で使用することができる。
が特に好ましい。一般的には、これらの化合物は、上記
アルドースにおける炭素末端のヒドロキシメチル基がカ
ルボキシル基に酸化されたカルボン酸に相当し、具体的
には、アルドトリオース、アルドテトロース、アルドペ
ントース、アルドヘキソースのヒドロキシメチル基がカ
ルボキシル基に酸化されたものが挙げられる。またこれ
らのラクトンも本発明で使用することができる。
【0019】式(I)のヒドロキシメチレン(−HCO
H−)基の数(すなわちn)が2以上の場合は、上記ア
ルドン酸またはアルドースにおける炭素末端のヒドロキ
シメチル基がカルボキシル基となっている化合物として
は、ヒドロキシメチレン基がカルボニル(=CO)基で
ある、それぞれ対応するケトアルドン酸も、好ましく本
発明で使用することができる。また、これらのラクトン
も本発明で使用できる。
H−)基の数(すなわちn)が2以上の場合は、上記ア
ルドン酸またはアルドースにおける炭素末端のヒドロキ
シメチル基がカルボキシル基となっている化合物として
は、ヒドロキシメチレン基がカルボニル(=CO)基で
ある、それぞれ対応するケトアルドン酸も、好ましく本
発明で使用することができる。また、これらのラクトン
も本発明で使用できる。
【0020】以上、式(I)で示される化合物は、場合
により、1個以上の不斉炭素を有し、複数の立体異性体
として存在しうるが、本発明によれば、これらの立体異
性体混合物またはいずれか特定の立体異性体のすべてを
使用することができる。
により、1個以上の不斉炭素を有し、複数の立体異性体
として存在しうるが、本発明によれば、これらの立体異
性体混合物またはいずれか特定の立体異性体のすべてを
使用することができる。
【0021】入手容易である等との観点からは、天然産
の化合物を使用するのがよい。Rが水素原子またはアル
デヒド基を表し、nが5または4である化合物を例示す
ると、限定されるものでないが、D−グルコン酸、D−
グルクロン酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン
酸、L−イズロン酸、2−ケト−L−グロン酸、5−ケ
ト−D−グルコン酸、等を挙げることができる。
の化合物を使用するのがよい。Rが水素原子またはアル
デヒド基を表し、nが5または4である化合物を例示す
ると、限定されるものでないが、D−グルコン酸、D−
グルクロン酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン
酸、L−イズロン酸、2−ケト−L−グロン酸、5−ケ
ト−D−グルコン酸、等を挙げることができる。
【0022】以上により特定される式(I)の化合物
は、本発明の目的に沿う限り、医薬または化粧料の技術
分野で使用されている希釈剤、助剤、その他の活性物質
と共に配合して調製物(剤)とすることができる。限定
されるものでないが、代表的な希釈剤、助剤等として
は、保湿剤、界面活性剤、アルコール、水、緩衝剤、キ
レート剤、皮膚賦活剤を挙げることができる。
は、本発明の目的に沿う限り、医薬または化粧料の技術
分野で使用されている希釈剤、助剤、その他の活性物質
と共に配合して調製物(剤)とすることができる。限定
されるものでないが、代表的な希釈剤、助剤等として
は、保湿剤、界面活性剤、アルコール、水、緩衝剤、キ
レート剤、皮膚賦活剤を挙げることができる。
【0023】本発明のデスモソーム分解促進剤中、式
(I)で示される化合物は、化合物の物性に応じて、
0.01〜20重量%となるように調製できる。また、
適用は、主として皮膚への直接適用によるが、式(I)
の化合物の用量は、処置を受けるヒトの年齢、または皮
膚の症状に応じて、適宜調節できる。
(I)で示される化合物は、化合物の物性に応じて、
0.01〜20重量%となるように調製できる。また、
適用は、主として皮膚への直接適用によるが、式(I)
の化合物の用量は、処置を受けるヒトの年齢、または皮
膚の症状に応じて、適宜調節できる。
【0024】こうして、本発明の製剤を使用すれば、病
的な皮膚の肥厚化を予防および治療でき、さらに健常人
にあっては、角層の形成とその生理学的剥離による脱落
を調和させることができる。
的な皮膚の肥厚化を予防および治療でき、さらに健常人
にあっては、角層の形成とその生理学的剥離による脱落
を調和させることができる。
【0025】
【実施例】以下、具体例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。
説明する。
【0026】評価方法:角質層シート中のデスモグレイ
ンの残存率 本評価方法は、角質層シート中のデスモグレインのトリ
プシン様酵素およびキモトリプシン様酵素による分解の
程度、すなわち角層の剥離の程度を評価することができ
る。デスモグレインの残存率が低ければ低い程、前記酵
素活性がより強く増強されることを示す。
ンの残存率 本評価方法は、角質層シート中のデスモグレインのトリ
プシン様酵素およびキモトリプシン様酵素による分解の
程度、すなわち角層の剥離の程度を評価することができ
る。デスモグレインの残存率が低ければ低い程、前記酵
素活性がより強く増強されることを示す。
【0027】健常人から採取したシート状の角層を防腐
防黴溶液(カナマイシン60μl/ml、0.5%Na
N3)に30秒間浸漬した。取出した2mgの角層の両
面を下記表Iに示す化合物の5%水溶液を5μl塗布し
た。化合物を含まない溶液を塗布したものを対照とし、
以上の溶液を塗布しないもの(無塗布)のサンプルにつ
いても、以下の操作を行った。
防黴溶液(カナマイシン60μl/ml、0.5%Na
N3)に30秒間浸漬した。取出した2mgの角層の両
面を下記表Iに示す化合物の5%水溶液を5μl塗布し
た。化合物を含まない溶液を塗布したものを対照とし、
以上の溶液を塗布しないもの(無塗布)のサンプルにつ
いても、以下の操作を行った。
【0028】以上により調製した角層をデスモソームの
分解が不十分となる角質水分量30%以下の条件下に3
7℃で1週間放置した。その後、それぞれの角層を9M
尿素、2%SDS、1%メルカプトエタノールを含有す
る0.1Mトリス緩衝液(pH9)0.5mlを使用し、
37℃で15時間抽出した。次いで、抽出液にSDS−
PAGE用サンプル緩衝液(2倍濃度の Laemmii 溶
液)0.7mlを加え、15分間加熱した。これらの溶
液を各10μlとり、7.5%濃度のゲルにて電気泳動
を行った。泳動後、PVDFに転写し、抗デスモグレイ
ン抗体を使用する免疫染色を行い、蛋白質の量を測定し
た。結果は3回試行の平均値として下記表Iにまとめ
る。
分解が不十分となる角質水分量30%以下の条件下に3
7℃で1週間放置した。その後、それぞれの角層を9M
尿素、2%SDS、1%メルカプトエタノールを含有す
る0.1Mトリス緩衝液(pH9)0.5mlを使用し、
37℃で15時間抽出した。次いで、抽出液にSDS−
PAGE用サンプル緩衝液(2倍濃度の Laemmii 溶
液)0.7mlを加え、15分間加熱した。これらの溶
液を各10μlとり、7.5%濃度のゲルにて電気泳動
を行った。泳動後、PVDFに転写し、抗デスモグレイ
ン抗体を使用する免疫染色を行い、蛋白質の量を測定し
た。結果は3回試行の平均値として下記表Iにまとめ
る。
【0029】表I 被検化合物 デスモグレイン残存率(%) 対照 100.0 無塗布 88.0 グリコール酸 93.0 乳酸 55.0 グルコン酸 76.6 グルコン酸ナトリウム 58.7 グルクロン酸 12.1 ガラクツロン酸 17.3 グリセリン酸 42.4 グリセリン酸カルシウム 65.89 製剤例 成分 重量(%) 1,3−ブチレングリコール 6.0 グリセリン 4.0 オレイルアルコール 0.1 POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5 POE(15)ラウリルアルコールエーテル 0.5 エタノール 10.0 D−グルクロン酸 10.0 精製水 68.9調製 精製水に1,3−ブチレングリコールおよびグリセリン
を室温にて溶解し水相とする。エタノールに他の成分を
溶解し、先の水相に混合可溶化する。次いで、濾過、充
てん(填)を行い、化粧水を得た。
を室温にて溶解し水相とする。エタノールに他の成分を
溶解し、先の水相に混合可溶化する。次いで、濾過、充
てん(填)を行い、化粧水を得た。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、特に、角層の生理学的
剥離を促進するのに役立つ皮膚外用剤が提供される。
剥離を促進するのに役立つ皮膚外用剤が提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】 式 R(CHOH)nCOOH [式中、Rは水素原子、C1-21アルキル基またはアルデ
ヒド基を表し、nは1〜8の整数であり、nが2以上の
場合には、ヒドロキシメチレン基の1つはカルボニル基
であることができる]で示されるヒドロキシカルボン
酸、あるいはそれらのグリコリドもしくはラクチドまた
はラクトンを、有効成分として少なくとも1種以上含む
ことを特徴とするデスモソーム分解促進剤。 - 【請求項2】 Rがアルデヒド基であり、nが1〜4の
整数である請求項1記載のデスモソーム分解促進剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29793996A JPH10120547A (ja) | 1996-10-22 | 1996-10-22 | デスモソーム分解促進剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29793996A JPH10120547A (ja) | 1996-10-22 | 1996-10-22 | デスモソーム分解促進剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10120547A true JPH10120547A (ja) | 1998-05-12 |
Family
ID=17853058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29793996A Withdrawn JPH10120547A (ja) | 1996-10-22 | 1996-10-22 | デスモソーム分解促進剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10120547A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9545368B2 (en) | 2013-08-09 | 2017-01-17 | The Chemours Company Fc, Llc | Skin care compositions having cyclic diesters and methods thereof |
-
1996
- 1996-10-22 JP JP29793996A patent/JPH10120547A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9545368B2 (en) | 2013-08-09 | 2017-01-17 | The Chemours Company Fc, Llc | Skin care compositions having cyclic diesters and methods thereof |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040106 |