JPH10119768A - 自走式ゴルフカートの安全装置システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】自走式ゴルフカートにおいて、無人走行してい
る自走式ゴルフカートが人間に接近した場合、自動的に
減速する安全な自走式ゴルフカートを提供すること。 【解決手段】誘導路に沿って誘導走行する自走式ゴルフ
カートにおいて、人間に送受信器２５を携帯させ、自走
式ゴルフカートに搭載した受信器１８誘導走行中に電波
を受信することにより、自走式ゴルフカートを低速走行
させるように制御し、受信器１８の受信出力がなくなれ
ば、通常の走行速度に復帰するように制御している。搭
乗者が乗車している場合、低速回避装置２０を操作する
ことにより、通常の走行速度となるように制御する速度
制御回路９を備える自走式ゴルフカートの安全システ
ム。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフ場において
誘導路に沿って誘導走行する自走式ゴルフカートの安全
装置システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、誘導路に沿って走行する自走式ゴ
ルフカートとしては路面に埋設した誘導線に電流を流
し、誘導線上に発生する磁界を検出コイルにより検出
し、その検出出力によりゴルフカートを誘導走行させる
電磁誘導式ゴルフカートなどがある。このような自走式
ゴルフカートは、その前方にバンパーをもうけており、
該バンパーに障害物が接触すると自走式ゴルフカートは
自動的に停止する。また自走式ゴルフカートの前方に超
音波の送受信素子や赤外線の送受信素子を備えて自走式
ゴルフカートの前方の障害物を非接触で検出して、障害
物が自走式ゴルフカートのバンパーに接触する前に停止
させる障害物検出装置を備えた自走式ゴルフカートがあ
る。これら自走式ゴルフカートは、平坦路では通常５．
５ｋｍ／ｈから９．５ｋｍ／ｈ位の速度で走行するため
プレイヤー等の往来の多いクラブハウス周辺やスタート
ホール付近では、人間に自走式ゴルフカートが接触した
りするおそれがあり、自走式ゴルフカートが高速走行し
た場合、きわめて危険である。これら問題点の解決策と
して、従来、クラブハウス周辺等の誘導路の下にマグネ
ットを埋設し、これを自走式ゴルフカートに備えたマグ
ネット検出センサにより検出し、この検出信号により、
自走式ゴルフカートの走行速度をある一定区間あるいは
一定時間の間、低速となるように速度制御して、万一、
人間と自走式ゴルフカートが衝突したとしても、衝撃が
弱くなるようにしている。また、搭乗者が乗車した場
合、区間通過後または一定時間経過後、自動的に予告な
しに通常走行になるため、搭乗者の乗車状態により、自
走式ゴルフカートから落ちる可能性があるという問題が
あった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように埋設マグネットの検出による低速速度制御方
式では、自走式ゴルフカートは誘導路の下にマグネット
を埋設した特定区間あるいは特定時間しか低速走行させ
ることができないという問題点や人間が近くにいない場
合でも低速走行してしまうという問題があった。一方、
前方の障害物を非接触で検出する障害物検出装置を備え
た自走式ゴルフカートにより前方にある障害物を検出す
る場合は、一定間隔をあけて停止させることができる
が、高速走行している自走式ゴルフカートの進行方向に
対して人間が横方向から飛び込んできた場合、衝突前に
停止することができず、従って、高速で衝突してしまう
という問題があった。また、搭乗者が乗車した場合、自
動的に予告なしに通常走行になるため、搭乗者の乗車状
態により、自走式ゴルフカートから落ちる可能性がある
という問題があった。

【０００４】本発明の目的は、上記の欠点を鑑みなされ
たもので自走式ゴルフカートの近傍に人間がいた場合自
走式ゴルフカートの走行速度を低速になるように制御
し、万一人間が自走式ゴルフカートの進行方向に対して
横方向から飛び込んだとしても、低速速度で衝突させる
ことにより、衝突時の衝撃度を和らげ、搭乗者が乗車し
ていた場合、人間の操作により低速走行から通常走行に
復帰させるため、的確で安全な自走式ゴルフカートを提
供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、自走式ゴルフカートに、ある特定の電波
を受信する電波受信器を備え、受信器が該電波を受信す
ると自走式ゴルフカートの走行速度を制御する速度制御
回路に与え、自走式ゴルフカートの走行速度が低速走行
するように制御し、電波受信器の受信信号がなくなれ
ば、自走式ゴルフカートの走行速度を通常の走行速度に
復帰させるものである。また、搭乗者が乗車し、低速走
行の回避を人間の操作で行うことにより、安全で的確な
通常走行ができる。

【０００６】プレイヤー等の人間に、ある特定の電波を
送信する電波送受信器を携帯させることにより、自走式
ゴルフカートが誘導走行しながら人間に近づいた場合、
人間が携帯した電波送受信器から送信した電波を自走式
ゴルフカートに備えた電波受信器で受信して、自走式ゴ
ルフカートの速度が自動的に減速し低速走行する。また
自走式ゴルフカートが人間から離れて電波の受信領域外
になると自動的に通常の走行速度に復帰する。

【０００７】従って、自走式ゴルフカートが、人間の近
くを走行する場合、自動的に減速し万一、自走式ゴルフ
カートのバンパーに人間が接触した場合でも、低速走行
のため安全である。

【０００８】一方、乗用形の自走式ゴルフカートにおい
ては、プレイヤーが電波を送信する電波送受信器を携帯
して乗車した場合、電波送受信器の発する電波を電波受
信器で受信するため、自走式ゴルフカートは乗車時、低
速走行し、高速走行できないため、自走式ゴルフカート
に低速回避装置を設け、この装置を操作することによ
り、自走式ゴルフカートを低速走行から通常の走行速度
となるよう速度制御を行う。

【０００９】さらに、この装置を操作することにより、
自走式ゴルフカートに備えてある送信器は、乗車席およ
びその周辺の特定エリアにある別の特定の電波を発し、
その電波をプレイヤーが携帯する電波送受信器で受信
し、プレイヤーが携帯する電波送受信器より発する電波
を停止させることにより、低速走行させずに通常の走行
速度となるよう速度制御を行う。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を説明
する。図１は本発明に係わる自走式ゴルフカートの斜視
図、図２は自走式ゴルフカートの制御装置２８のブロッ
ク図を示す。ゴルフカート１は走行路の地中に埋設した
誘導用電線２に電流を流すことにより発生する磁界をゴ
ルフカート１に設けた検出コイル３により検知し、操舵
制御回路４、操舵モータ駆動回路５を通して操舵モータ
６を回転させる。操舵モータ６は前車輪７に連結されて
おり、前車輪７は誘導用電線２と検出コイル３の位置ず
れを常に修正するように操舵される。またゴルフカート
１の後部に有する後車輪８は速度制御回路９からの速度
指令に基ずき走行モータ駆動回路１０を通して走行モー
タ１１によって駆動される。さらにゴルフカート１の前
方にはバンパー１２および障害物検出装置１３が設けて
あり、バンパー１２は障害物が接触した場合、ゴルフカ
ート１を自動的に停止させ、障害物検出装置１３は、超
音波や赤外線を前方に発射し、障害物に当たって反射し
てきた反射波を検出して、ゴルフカート１が障害物に接
触する前に、非接触で自動的に停止させるものである。
ゴルフカート１の後部にはゴルフバック１４を積載する
ための荷台１５が取り付けられている。

【００１１】１６は搭乗者が座る座席である。１７はル
ーフで特定の電波を受信する受信器１８およびそのアン
テナ１９と低速回避装置２０と別のある特定の電波を送
信する送信器２１を備えている。受信器１８が特定の電
波をアンテナ１９を通して受信すると速度制御回路９に
低速指令信号２３が出力され、走行モータ駆動回路１０
は走行モータ１１の回転数を下げるように制御されゴル
フカート１は低速走行となる。また、受信器１８が電波
を受信していない状態では、ゴルフカート１は通常の速
度で走行する。座席１６に搭乗者が座った場合、常に受
信器１８が電波を受信し、低速走行するためルーフ１７
に備えてある低速回避装置２０を操作することにより、
低速指令信号２３をクリアし通常の速度で走行すると同
時に別のある特定の電波を送信する送信器２１に送信指
令信号２４を出力する。送信器２１は座席１６およびゴ
ルフカート１の周辺に別のある特定の送信電波を送信
し、プレイヤーが携帯する送受信器２５が受信すること
でプレイヤーが携帯する送受信器２５の送信を停止さ
せ、通常の速度で走行ができる。図３は自走式ゴルフカ
ートの速度制御を示す説明図で、人間（プレイヤー）お
よびゴルフカート１を上方より見たときの図である。人
間は特定の電波を送信する送受信器２５を携帯してお
り、常時電波を送信する。点線で示す円は、無人のゴル
フカート１に搭乗した受信器１８の受信範囲２７で、ゴ
ルフカート１がＡの位置にある場合、ゴルフカート１は
受信範囲２７外に位置しているために通常の速度で自走
する。次にゴルフカート１が人間に接近してＢの位置に
到来すると、受信範囲２７内にあるためゴルフカート１
は減速し低速走行となる。ついでゴルフカート１が人間
から離れてＣの位置に達するとゴルフカート１は受信範
囲２７外に位置するので通常の走行速度に復帰する。一
方ゴルフカート１に搭乗者が搭乗している場合は、常に
ゴルフカート１は受信範囲２７にいるため、Ａ、Ｂ、Ｃ
いづれの位置でも低速走行する。そこで、Ａの位置にて
低速回避装置２０を操作することにより、通常の走行速
度に復帰する。次に、ゴルフカート１がＢの位置に到来
すると受信範囲２７内にあるため低速回避装置２０はリ
セットされ、ゴルフカート１は減速し低速走行となる。
ついでゴルフカート１が人間から離れてＣの位置に達す
るとゴルフカート１は受信範囲２７外に位置するが、Ｂ
の位置で低速回避装置２０の機能がリセットされている
ため、低速走行となるが搭乗者が再度、低速回避装置２
０を再度操作することにより、通常の走行速度に復帰す
る。

【００１２】

【発明の効果】上述したように、本発明は、自走式ゴル
フカートにある特定の電波を受信する受信器および人間
の乗車を検出する乗車検出回路により、ゴルフカートに
人間が乗車していない状態で、人間の携帯した送受信器
の電波を受信した場合、速度制御回路に低速指令信号を
与え自走式ゴルフカートの走行速度が低速となるような
構成としたため、人間に自走式ゴルフカートが、接近し
てきた場合、該自走式ゴルフカートは事前に減速し低速
走行となるため、人間が自走式ゴルフカートの横方向よ
り走行路に飛び込んで障害物検出装置による検出信号が
間に合わないような場合でも安全な速度でバンパーに当
たり停止することができる。また、搭乗者が乗車し、低
速走行の回避を人間の操作で行うことにより、安全で的
確な通常走行ができ、クラブハウス周辺での人間が多い
ところでも走行路にマグネット等を埋設して低速制御す
る必要もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の一例を示す自走式ゴルフ
カートの斜視図である。

【図２】同じく自走式ゴルフカートの制御装置のブロッ
ク図である。

【図３】同じく自走式ゴルフカートの速度制御を示す説
明図である。

【符号の説明】

１はゴルフカート、２は誘導用電線、３は検出コイル、
４は操舵制御回路、５は操舵モータ駆動回路、６は操舵
モータ、７は前車輪、８は後車輪、９は速度制御回路、
１０は走行モータ駆動回路、１１は走行モータ、１２は
バンパー、１３は障害物検出装置、１４はゴルフバッ
ク、１５は荷台、１６は座席、１７はルーフ、１８は受
信器、１９はアンテナ、２０は低速回避装置、２１は送
信器、２２は人間、２３は低速指令信号、２４は送信指
令信号、２５はプレイヤーが携帯する送受信器、２７は
受信範囲、２８は制御装置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】誘導路に沿って誘導走行する自走式ゴルフ
   カートにおいて、ある特定の電波を受信する受信器を備
   え、誘導走行中に前記の受信器が、電波を受信している
   間走行速度を低速にするように制御し、受信信号がなく
   なると通常の走行速度に復帰するよう制御する速度制御
   回路を備えた自走式ゴルフカートの安全装置システム。
2. 【請求項２】自走式ゴルフカートにある特定の電波を送
   信する送信器を携帯する搭乗者が乗車した場合、自走式
   ゴルフカートは、常に低速走行になるため、通常の走行
   速度になるように制御する低速回避装置を備えた請求項
   （１）に記載の自走式ゴルフカートの安全装置システ
   ム。
3. 【請求項３】自走式ゴルフカートに搭乗者が乗車し、低
   速回避装置を操作することにより、自走式ゴルフカート
   の搭乗席およびその周辺に前記特定の電波以外の別の特
   定の電波を送信する送信回路を備えた請求項（１）に記
   載の自走式ゴルフカートの安全装置システム。
4. 【請求項４】自走式ゴルフカートにある特定の電波を送
   信する送信器を携帯する搭乗者が乗車し、前記別の特定
   の電波を受信することにより、搭乗者が携帯した送信器
   の送信電波を停止する送信電波停止制御回路を備えた請
   求項（１）に記載の自走式ゴルフカートの安全装置シス
   テム。