JPH10119414A - 画像形成方法及び装置 - Google Patents

画像形成方法及び装置

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JPH10119414A
JPH10119414A JP8274768A JP27476896A JPH10119414A JP H10119414 A JPH10119414 A JP H10119414A JP 8274768 A JP8274768 A JP 8274768A JP 27476896 A JP27476896 A JP 27476896A JP H10119414 A JPH10119414 A JP H10119414A
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茂実 大津
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智 辰浦
Ryujun Fu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画質、画像堅牢性、安全性に優れ、廃棄物が
殆どなく、また消費エネルギが少なく、しかも工程も設
備も簡易な、特に、オフィスで用いるのに好適な画像形
成方法及び画像形成装置を提供する。 【解決手段】 像保持部材11の一部に接触した補助電
極12を利用して、像保持部材11に起電力を印加する
と、像保持部材11の、実質的に補助電極12に対応す
る部分が対電極の一方として機能し、分極した色材微粒
子13が水系液体14中に分散した色材微粒子分散液1
5を介して、像保持部材11の、補助電極12の対応部
分と対向電極16との間が通電状態となる。それによっ
て、像保持部材11の、補助電極対応部分に、その極性
の反対の極性に分極した色材微粒子13が吸引され、析
出・付着し、画像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色材微粒子が水系
溶媒に分散した分散液体を用いて、電気化学的な析出・
付着現象により画像形成する方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】画像形成を行う場合、高画質(1000
DPIレベルの解像度/カラ−再現/多値階調)を狙う
ためには、画像構造は色彩の再現域と画像のシャ−プ性
の関係から、画像厚みは好ましくは2ミクロン以下、よ
り好ましくは1ミクロン以下の厚みであると考えられ
る。それにより、画像構造を与える要素である画像形成
材料の平均形状径は1ミクロン以下のサイズが必要にな
る。また画像形成材料の平均形状径が5ミクロン以下の
粉体では流動性に問題がある。この点で、粉体系画像形
成材料はかなり使用上困難なものとなり、一方、液体系
画像形成材料は有効なものになると考えられる。後者の
画像記録技術として例えば、銀塩技術、インクジェット
技術、液体現像方式電子写真技術などが代表例である。
【0003】1) 銀塩を用いた印字技術は、種村初実
他“銀塩写真方式による高画質カラーコピーシステム”
Japan Hardcopy ’89 研究発表予稿
集P229等、 2) 液体現像の電子写真技術を用いた印字技術は、
E.B.Caruthers,et al.,”Mod
eling of Liquid TonerElec
trical Characteristics ”P
roceedings of IS&T 10th I
nt`l.Congress on Advances
in Non−Impact Printing T
echnologies P204(`94)等、 3) インクジェット技術を用いた印字技術は、碓井
稔”新方式MACHの開発”Japan Hardco
py’96 研究発表予稿集P161等、多くの技術発
表がある。
【0004】また、液体を利用して画像を形成する本発
明に、より近いと考えられる従来技術としては、次のよ
うな方法が知られている。
【0005】4)絶縁性液体中に色材を分散させ電気二
重層を発生させた電着液を用いた画像形成方法(特開平
7−181750、特公平7−54407)や、導電性
基板の上に絶縁性パターンを設け印刷版とした電着印刷
技術を用いた、微細パタ−ンの形成方法や、電着オフセ
ット印刷方法(特開平4−9902、特開平6−293
125)。
【0006】5)電解現像法。たとえば電子写真学会研
究討論会予稿集 P32 (1971)や電子写真学会
研究討論会予稿集 P24 (1964.11)に示さ
れている。電解現像法は、10V以上の電圧の印加と同
時露光により酸化亜鉛に還元を起こさせ、それにより生
成した電子が、発色性現像液に溶解している染料前駆体
に移動して還元し、染料が、酸化亜鉛膜表面に析出・発
色し画像を形成する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来からの印字技術の
うち、銀塩を用いた印字技術1)では、画質や画像堅牢
性の問題はないが、化学的な反応を伴う印字プロセスの
ため化学的に活性な薬剤の使用や廃棄物がありオフィス
への適応に問題を生じている。
【0008】インクジェット印字技術2)では、高解像
度化がノズル径と印字の信頼性の問題により得にくく、
また画像形成材が一般的に水性染料であるため、画像堅
牢性、安全性や普通紙印字性に問題がある。
【0009】絶縁性液体現像剤を用いた電子写真技術
3)は、画質や普通紙印字性、印刷並みの画像堅牢性に
は問題はないが、印字プロセスが複雑なため機械サイズ
が大きくなったり、安全性・信頼性に問題が生じたりし
ている。また、現像液の炭化水素系溶剤の溶剤蒸気によ
る安全性が大きな問題とされていて、国により使用が厳
しく制限されている例もある。
【0010】導電性基板の上に絶縁性パターンを設け印
刷版として用いる、前記従来の電着印刷技術は、事前に
ホトリソ工程により絶縁性のレジストの非画像部を作成
するなど工程が複雑であるため、毎回画像パタ−ンを変
更して印字を行うことが難しく、また装置の精度が高く
大がかりで工程数が多く廃棄物も多い。そのため設備の
整った工場に設置して印字作業を行う場合に限定されて
しか使用が出来ない。また、画像形成工程の履歴が基板
上に残り易く、微細な画像記録の再現性が低い。そして
また画像部が凹みになっているため、画像部も粒子の流
動性が悪く粒子析出・付着選択性が弱まり、画像部の画
像形成材料液体成分が多く残り易い。このために粘度が
低くくなり、転写工程で画像部の画像形成材料が流動や
凝集破壊を発生しやすく高画質が得にくくなっている。
【0011】染料水溶液を電着液に用いた従来の印字技
術5)は、有機溶剤の蒸気の問題はなくまた最小画素単
位が染料分子オ−ダ−であるため数10オングストロ−
ム単位と十分に小さく高解像度に問題は無いが、画像部
が水溶性染料を主成分としているために画像の堅牢性、
安全性(人体への吸引阻止)、画像の高光学濃度化に問
題が残る。
【0012】このように、上記技術1)のみならず、技
術2)〜5)も、オフィスで用いる画像形成技術に要求
される特性(つまり、1000DPI以上/多値階調の
カラ−高画質、普通紙印字可能性、印刷並みの画像堅牢
性、印字記録物および印字機械の安全性の高さ、廃棄物
が殆どないこと、ランニングコストが低いこと、再生で
きない印刷版を用いず少量多品種のプリントを簡易に且
つ安価に作成する可能性などの特性)を完全には満足し
てはいない。
【0013】かくして、本発明は、画質、画像堅牢性、
安全性に優れる画像形成方法及びそのための画像形成装
置を提供することにある。
【0014】また、本発明の別の目的は、廃棄物が殆ど
なく、また消費エネルギが少なく、しかも工程も設備も
簡易な画像形成方法及びそのための画像形成装置を提供
することにある。
【0015】本発明の他の目的は、印刷版を用いない、
少量多品種のプリント生産に適応しうる画像形成方法及
びそのための画像形成装置を提供することにある。
【0016】要するに、本発明の主な目的は、特に、オ
フィスで用いる画像形成技術に要求される諸特性を実現
可能な画像形成方法及びそのための画像形成装置を提供
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成可能な
本発明の画像形成方法は、分極した色材微粒子が水系液
体中に分散した色材微粒子分散液に、電極対の一方とし
て機能可能であって且つ画像を保持するための面を有す
る像保持部材と、電極対の他方である対向電極とが、浸
漬された装置を用意する工程と、像保持部材の所望部
と、対向電極とを前記分散液を介して通電して、電気化
学的に、その所望部に、色材微粒子を析出・堆積して、
画像を形成する工程とを有する。
【0018】本発明の画像形成方法の代表例を模式的に
示す図1を参照しつつ、その作用を、説明する。
【0019】像保持部材11の一部に接触した補助電極
12(電源Vにつながっている電極。以下、協働電極と
も称する)を利用して、像保持部材11に電圧を印加す
ると、像保持部材11の、実質的に補助電極12に対応
する部分が対電極の一方として機能し(像保持部材11
の有する導電性又は電気抵抗に基づく)、イオン化した
色材微粒子13が水系液体14中に分散した色材微粒子
分散液15を介して、像保持部材11の、補助電極12
の対応部分と対向電極16との間が通電状態となる。そ
れによって、像保持部材11の、補助電極対応部分に、
その極性の反対の極性にイオン化色材微粒子13が吸引
され、析出・付着し、画像を形成する。なお、補助電極
12は利用せず、像保持部材11に、直接電圧を印加し
てもよいので、補助電極12は、必須ではない。
【0020】本発明の方法は、画像形成に液体を使用す
るので、画像形成材料の色材として1ミクロン以下であ
る色材微粒子を使用可能である。そのため、高画質(1
000DPI/多値階調以上)を実現可能であり、しか
も、顔料系の色材を用いることができるので、色材は画
像の堅牢性、高光学濃度化や、人体に取り込まれない安
全性を満足できる。
【0021】また、使用する液体として、水系液体を使
用するので、この点からも、安全性が高い。
【0022】更に、印刷版が不要であって、毎回プリン
ト時に画像信号を入力してイメージ情報を作ることが可
能である。したがって、少量多品種のプリントを簡易に
且つ安価に作成することができる。
【0023】消費エネルギも少なく、工程も設備も単純
・簡易であり、したがってランニンクコストが低く、廃
棄物も殆どない。
【0024】本発明の画像形成方法では、像保持部材の
表面の画像パターン部に析出した画像形成材料を、記録
媒体に転写して画像形成を行う工程を更に実施してもよ
い。この場合、プリント出力は普通紙表面上に可能であ
る。
【0025】上記の方法は、イオン化した色材微粒子が
水系液体中に分散した色材微粒子分散液を入れるための
容器と、その容器にセットされ、電極対の一方として機
能可能であって且つ画像を保持するための面を有する像
保持部材と、電極対の他方である対向電極とを、備える
画像形成装置によって、実行可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態によっ
て、より詳しく説明する。
【0027】本発明の画像形成方法の代表的な形態で
は、まず、イオン化した色材微粒子が水系液体中に分散
した色材微粒子分散液を用意する。
【0028】この色材微粒子のイオン化は、試薬(後記
する分散剤)の助けを借りて、達成される。本発明にい
うイオン化した色材微粒子とは、色材微粒子に分散剤が
吸着された状態の粒子を言い、それ自身がイオン化し水
系液体に溶解する染料は含まないが、本発明では、水系
液体に微粒子状態で試薬(分散剤)により分散可能な色
材であればよいので、広範な色材粒子が使用可能である
という利点が存在する。なお、画像を形成する過程にお
いて、色材微粒子とその試薬とが寄与する。
【0029】色材微粒子材料としては、水に溶解性の無
い又は低い染料や顔料や、油溶性染料が適しており、そ
の他、分散染料、染め付けレ−キ顔料、色素を樹脂に含
有させた樹脂粉末などを用いることも可能である。
【0030】上記染料や顔料の例としては、無機顔料で
は、カ−ボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、べんが
ら、アルミナホワイト、アルミニウム粉、ブロンズ粉、
酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸マグネシュウム、群青、
黄鉛、コバルトブル−、紺青など;有機顔料では、トル
イジンレッド、パ−マネントカ−ミンFB、ファストイ
エロ−G、ジスアゾイエロ−AAA、ジスアゾオレンジ
PMP、レ−キレッドC、ブリリアントカ−ミン6B、
フタロシアニンブル−、インダントロンブル−、キナク
リドンレッド、ジオキサジンバイオレット、ビクトリア
ビュアブル−、アルカリブル−ト−ナ−、アニリンブラ
ック、パ−マネントレッド2B、バリウムリソ−ルレッ
ド、キナクリドンマゼンタ、ナフト−ルレッドHF4
B、フタロシアニングリ−ン、ベンズイミダゾロンレッ
ドなどが挙げられる。
【0031】また、油溶性染料の例としては、ビクトリ
アブル−4Rベ−ス、ニグロシン、ニグロシンベ−ス、
C.I. Solvent Yellow 19 、
C.I. Solvent Orenge 45、C.
I. Solvent Red8 などが挙げられる。
【0032】色材微粒子の平均粒子径範囲は、通常は
0.01μmから1.0μm、好ましくは0.06μm
から0.3μmの範囲である。前記平均粒子径範囲を下
回る場合、画像層の遮光性が低下して光学画像濃度が低
下し易っかたり画像に必要以上のグロスの発生が生じた
り安全性に問題を発生したりしやすい。また、前記平均
粒子径範囲を上回る場合、色材微粒子の分散液の分散状
態が不良になり、色材微粒子が含有する画像層の均一性
に問題が生じたり画像に必要以上のマット化の発生を生
じたりし易い。0.06μm未満では、分散性に優れる
が、光学濃度が低くなりがちであるため、上記0.06
μm〜0.3μmが好ましい。
【0033】色材微粒子が分散される水系液体とは、水
や、水に親和性で化学分野で水溶性溶媒と認められうる
任意の溶媒(例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、ブタノ
−ル、イソプロピルアルコ−ルなどのアルコ−ル類、ア
セトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エタノ−
ルアミン、ジメチルアミン、トリエタノ−ルアミンなど
の各種アミン類、酢酸、硫酸、燐酸、しゅう酸、フタル
酸などの酸類など)であり、その1種を単独で、または
複数種を混合して使用することが適する。特に水を主成
分とする混合溶媒が安全性、安定性やコストの面で非常
に有用である。なお、水系液体に非水溶性溶媒を添加し
ても、本発明の所望の効果が発揮されうる限り、本発明
において容認可能である。
【0034】色材微粒子の分散安定性を得るため、ま
た、像保持部材への色材微粒子の析出・吸着現象を起こ
す安定な分散又はイオン化状態を、色材微粒子に発生及
び/又は保持させるため、色材微粒子分散液に、分散剤
が加えられる。分散液は、色材微粒子の表面に吸着(結
合、付着または会合等による)し、色材微粒子の分散を
安定化する電気的な性質を有する物質である。その他
に、必要に応じて、湿潤材、水溶性高分子材、エマルジ
ョン材、ラテックス材、各種溶材など各種の添加剤の添
加を行ってもよい。便宜上、これらに関しては、本発明
の方法の必須工程を説明した後に、具体的に説明する。
【0035】色材微粒子分散液(以下、単に分散液とも
称する)の組成としては、固形分が、通常1重量%から
40重量%であり、好ましくは5重量%から18重量%
である。1重量%より薄い固形分濃度域では、色材成分
の分散安定性が得られにくくまた画像の光学濃度が簡単
に得られにくいなど問題が生じるおそれがある。また4
0重量%より濃い固形分濃度域では、画像形成時の液性
の不均一性を生じ易くまたチキソトロピ−性を液が示す
ため液の取り扱い方が複雑になるなどの問題が生じる。
【0036】分散液の固形成分において、固形成分中の
色材成分量は、通常30重量%から80重量%であり、
好ましくは40重量%から60重量%である。上記範囲
より低い値では、画像のグロスが高くなりすぎたり画像
の光学濃度が低下したりする原因となる。また上記範囲
より高い値では、粒子析出効率が低下したり画像の層形
成に欠陥や不良を生じやすく定着強度も低くなり色調に
も問題を生じやすい。
【0037】分散液の体積固有抵抗は、通常105 Ω・
cm以下、好ましくは103 Ω・cm以下である。上記
範囲より高い値では、色材析出のための電圧が高くなり
電極の発泡現象が活発化したり、析出現象が不安定にな
り、色材の膜質のバラツキが生じやすくなる。
【0038】分散液の粘度は1cpsから1000cp
sの範囲が良く、より好ましくは10cpsから200
cpsの範囲である。上記範囲より低い値では、液体の
粘性が不足するために液滴の飛散が生じやすい。また上
記範囲より高い値では、分散液体の搬送性や撹拌におい
て稼働負荷が大きくなり効率低下などの問題が生じう
る。
【0039】分散液は、通常pHの変化によって、色材
微粒子の分散安定性が変化する。例えば、図2に示すよ
うに、アルカリ性で色材の分散が安定で、酸性側で沈降
する傾向が、明瞭な系(曲線1)は、本発明で好適に利
用でき、pHが変動しても、分散性が高い傾向にある系
(曲線2)又は沈降性が高い傾向にある系(曲線3)
は、本発明に不向きである。これは、後の画像形成工程
での通電時に、分散液のpH変動を一般に伴い、これに
よって、色材を析出させるからである。
【0040】分散液のpHの設定において、分散物が陽
極析出である析出法の時は析出開始pH点に比較して+
0〜+4の値の間のpH値[つまり、pH値〜(pH+
4)値]に設定する、より好ましくはpH点より+1〜
+3の値の間のpH値に設定する。また分散物が陰極析
出である析出法の時は析出開始pH点に比較して−4〜
0の値の間のpH値に設定する、より好ましくは−3〜
−1の値の間のpH値に分散液のpHを設定すると、高
い析出膜生成効率が保たれる。上記範囲外の、析出開始
pH点を過ぎた析出範囲pHの設定では、分散液の分散
安定性が得られず非画像部に色材微粒子の析出を生じた
り析出量バラツキが生じやすいなど不都合がある。また
上記範囲外の、好ましい設定pH範囲を越えた析出しに
くいpH範囲の設定では、析出膜生成効率が低く析出電
位の上昇や生成膜の膜性に問題を生じたりする。
【0041】上記のように色材微粒子分散液を用意した
後、その分散液に、電極対の一方として機能可能であっ
て且つ画像を保持するための面を有する像保持部材と、
電極対の他方である対向電極とを浸漬する。これが画像
形成装置として、次の工程で利用される。
【0042】像保持部材は、上記機能を発揮すれば、そ
の形態や材質については、特に制限はない。例えば、そ
の材質として、金属、有機半導体、無機半導体などの、
導電性を有する基板や、これらを絶縁性基板に蒸着した
ものなどが利用可能である。特に白金・金などの貴金属
類やカーボンなどは、電気化学的安定性に優れるために
好ましい。また、ガラスや透明フィルムなどの透明基板
上に、ITOや導電性ポリマなどの透明電極を形成した
ものを、像保持部材として用いることもできる。
【0043】また、導電性の表面を有する基板と、その
導電性表面上に形成された光導電物質(代表的には、P
N接合またはPIN接合)とを有する画像形成部材であ
ってもよい。これは、光照射によって、その照射部に起
電力が生じるものであり、後に詳しく説明するように、
像保持部材の光照射部分に電流が流れ、その部分に分散
粒子の電着現象が発生し、光書き込みが可能な構造とな
っている。その基板は、基板全体が導電性を有してもよ
いし、その表面のみ導電性を有するものでもよい。
【0044】上記PN接合やPIN接合を形成する材料
としては、p型半導体とn型半導体が接合して、またp
型半導体とn型半導体とが絶縁層を介して接合し、光起
電力を有するもの(光導電物質)であれば任意であり、
それらの各材料は、有機無機をとわず利用できる。典型
的には無機の光導電物質としてSi,Ge,GaAs,
CdSe,CdS,CdTe,InP,AlSb,Ga
Pなどがあげられる。また、有機の光導電物質としては
種々の中心金属をもつフタロシアニン類、ポルフィリン
類、ナフタロシアニン類(p型)、ペリレンやペリレン
テトラカルボン酸ジイミド、ベンズイミダゾールペリレ
ン等のペリレン誘導体(n型)、ポリビニルカルバゾー
ル[PVK](p型)、キナクリドン類(p型)、ポリ
フェニレンビニレン[ppv](n型)など多種多様な
材料が利用できる。
【0045】絶縁層には、一般に未ドープ(ノンドー
プ)の半導体が使用される。アモルファスシリコンのP
IN接合の場合には、n型アモルファスシリコン10〜
50nm程度、i型アモルファスシリコン500〜10
00nm程度、p型アモルファスシリコン10〜50n
m程度の膜厚が好ましい。有機PN接合の場合導電性が
低いことと吸収が大きいためにP層、N層それぞれ20
〜100nm程度の膜厚が好適である。
【0046】像保持部材は、画像形成される表面の平滑
性が高く段差が無いものが良好な印字特性を得られる。
特に、この特性は繰り返し像保持部材を用いる場合にお
いて重要な特性となってくる。これにより、像保持部材
面上の画像の物理的クリ−ニング性が高くなり、毎回異
なる画像の粒子析出記録を行っても常に前回の記録画像
情報の履歴が残らない印字サイクルを構築できる。
【0047】電極対の他方である対向電極は、特にその
材料や、形状には限定はなく、例えば、材料は、Pt、
Au、SUS、カーボン等、電気化学分野で利用される
汎用のものから選択すればよい。
【0048】上記像保持部材と対向電極とは、色材微粒
子分散液に浸漬されるが、本発明にいう「浸漬」とは、
対象物の少なくとも一部が、液体に文字通り浸漬される
だけでなく、液体面に接触することも含めるものとす
る。
【0049】なお、像保持部材と対向電極には、その間
に電流を導通させる手段が当然付設される。そのため、
通常は、像保持部材は、使用時に電流の通り道となる導
線が、直接接続され、又は前記のような補助電極(協働
電極)が接触または設置され、それを介して導線が接続
されている。ただし、像保持部材に導線が接続されてお
らず、その協働電極が針状やペン状等とされ、その協働
電極が接触された場合に、像保持部材が電極として機能
しうる構成としてもよい。
【0050】また、像保持部材と対向電極間の電圧の安
定化を考慮し、これらの電極以外に、制御電極を有する
3極電極方式を用いることが、実用上は好ましい。
【0051】上記装置を用意した後には、像保持部材の
所望部と、対向電極とに分散液を介して、通電する。こ
れによって、電気化学的に、その所望部に、色材微粒子
が析出され、画像が形成される。これは、色材微粒子が
プラス側にイオン化していれば、像保持部材を陰極とし
て機能させることで、その陰極に色材微粒子を析出で
き、一方、色材微粒子がマイナス側にイオン化していれ
ば、像保持部材を陽極として機能させることで、その陽
極に色材微粒子を析出できることによる。
【0052】像保持部材と、対向電極との間を通電させ
るには、一般には、外部電源を利用すればよい。この場
合、像保持部材の抵抗値をあまり小さくしなければ(例
えば、1kΩ未満)、針状、ペン状等の前記協働電極を
像保持部材に対して走査することによって、協働電極の
下部周囲の像保持部材部分のみが電極として機能し、そ
の部分に通電されるので、所望パターンの画像を描くこ
とができる。なお、この場合、像保持部材は、その裏面
から通電入力すると、その電流が、画像を保持する表面
から入力信号が拡散されず出力される導電層を有する構
成をしている。
【0053】また、像保持部材が光導電体を利用してい
る場合には、上記の通電は、光を照射することによっ
て、又は光照射とバイアス電圧の印加とを利用すること
によっても可能である。この場合には、像様露光や、レ
ーザのような照射光の走査によっても、所望パターンの
画像を描くことができる。
【0054】図3〜6に、かかる工程を実施している装
置の例を模式的に示す。図3に示す装置では、容器10
内に分散液15が入れられ、また、ポテンシュタット電
源17に電通している対向電極16、像保持部材11、
制御電極18(分散液中に浸漬)とが利用されている
(他の図に示す装置でも同様)、対向電極16は、分散
液15内に水平に沈められ、像保持部材11は水平にさ
れ、その画像を保持するための面が分散液面に接触され
ている。像保持部材上11には、像様露光装置19が設
置されている。
【0055】図4に示す装置では、側面に開口を持つ容
器10が利用され、その開口を塞ぐように、密閉治具
(図示せず)で像保持部材11が密着セットされ、それ
に対向するように対向電極16が垂直にセットされ、そ
の下部が分散液15に浸漬されている。また、像保持部
材11に対向して像様露光装置19が設置されている。
【0056】図5に示す装置では、底面に開口を持つ容
器10が利用され、その開口を塞ぐように像保持部材1
1が密着セットされ、それに対向するように対向電極1
6が水平にセットされ、分散液15に浸漬されている。
像保持部材11に対向して、レーザ光源20と、ポリゴ
ンミラー21のようなレーザ走査系22とが配置され、
像保持部材11の所望部に、レーザが走査可能とされて
いる。
【0057】以上示した装置では、光が像様に照射され
るか、ビーム状の光が走査されて、像保持部材11の所
望部のみの導電性が上がり、それによって、その所望部
と、対向電極16との間に、分散液15を介して通電状
態が生じ、その結果、像保持部材16のその所望部に色
材13が析出し、画像が形成される。
【0058】図6に示す装置では、容器10の底部付近
に、対向電極16が水平にセットされ、分散液15に浸
漬されている。像保持部材11は、その画像保持側の面
が分散液15の液面に接触するように像保持部材固定治
具23によって固定されている。画像入力印字ヘッド2
4としての針状協働電極が、印字ヘッド走査系25によ
って像保持部材11の裏面に接触且つ走査可能に設置さ
れている。
【0059】この装置では、画像入力印字ヘッド24が
印字ヘッド走査系25によって走査されて、所望時、像
保持部材11に接触して、像保持部材11のその接触部
と対向電極16との間が通電状態となり、結果として、
像保持部材11の接触部裏面に、色材13が析出されて
画像が形成される。
【0060】上記したように、本発明では、像保持部材
11に、画像パターンに対応して、電流が流され又は電
界が形成され、その部分に色材が析出して、画像が形成
される。
【0061】以下、画像形成(粒子析出)工程の条件に
ついて具体的に示す。この工程の像保持部材および対向
電極の間に印加する電圧差は、バイアス電圧を用いて、
通常は、15V未満とする。但し、画像上の1画素づつ
をシャ−プに再現するため、短時間幅の直流パルスおよ
びその短パルスの重箪での信号入力を行ってもよい。両
電極間に印加する電圧差は、バイアス電圧を用いて、よ
り好ましくは10V未満、より色材の膜性を重要視する
ならば、5V以内とする。10V以上の電圧差を印加す
ると液中にある電極表面から分散液の電気分解による気
泡の生成が激しくなり、電極表面の電界分布が不均一に
なり、析出膜自体の膜質が不均一になったり、析出膜表
面が凸凹になったりして、微細なパタ−ンの画像再現が
困難になりがちである。
【0062】なお、周知の電着塗装では、一般に、印加
電圧を50V以上与えて電着を行っている。これは、印
加電圧が低いと生成する電着膜の抵抗が高いこともあり
電着膜形成が進むに従い電着膜形成速度が大きく低下し
必要な膜厚を得られないので、それを避けるため高い電
圧印加を行い電気分解による激しい発泡現象を起こさ
せ、それを利用して電極面近傍の撹拌を行い新しい電着
液に電極面を接触させることで電着塗装として必要な膜
厚(一般に10μm以上)を得ている。しかし、本発明
の方法の目的は、高画質の画像再現であり、1μm以下
の膜厚レベルの微細な画像パタ−ンが再現できることが
好ましいので、分散液の電気分解による発泡現象は抑制
していかなければならず、発生しても微細な画像パタ−
ン再現に影響を与えないレベルに抑えなければならな
い。それにより、印加される電圧差は、10V未満、よ
り画質を重要視するならば、5V以内の直流電界とな
る。
【0063】分散液の浴の液性の均一性を保つために、
分散液浴の中での撹拌は行った方が均一性のある析出膜
形成を行い易い。しかし余り強すぎる撹拌は析出膜生成
を遅らせたり分散液の飛散を発生することもあり避けな
ければならない。
【0064】また、分散液の液温の制御を行う事によ
り、より均一で良い膜性を得ることができる。析出現象
自体が液温の影響を受けるため、特に高画質画像の再現
を得る場合は、精度の高い液温制御システムの設置を推
奨する。
【0065】以上説明した方法によって、像保持部材上
に形成された画像パタ−ンは、直接その像保持部材をド
キュメントとして扱えるし、また他のメデイアに画像を
転写してドキュメントとしても扱える(転写について
は、後に具体的に説明する)。
【0066】次に、前記した分散剤等に関して、詳しく
説明する。分散剤は、その機能(色材微粒子の分散機
能)を果たすために、親水性と、水系液体中でイオン解
離し易い基を有している分子構造の存在とを一般に有す
る。そして、分散液へ電流又は電界が供与された場合、
通常、像保持部材の画像形成面の電流供給部ごく近傍の
分散液のpH変化を伴い、像保持部材の画像電流供給部
近傍の粒子を包む分散剤が形成する電気2重層が圧縮さ
れ、色材微粒子の凝集を生じさせ、それらの析出現象を
引き起こす。
【0067】対向電極より像保持部材の画像部(画像パ
ターン部)が電気的に陽極性である場合、分散剤として
は、以下の構造で代表される陰イオン基を1つ以上有す
る構造物質の1種以上が利用されうる。これらが、色材
微粒子表面に結合、付着又は会合をしていることによ
り、好ましい状態の析出現象が生じて、特に品質の高い
画像としての色材析出膜が得られる。特に、陰イオン基
がカルボキシル基であるものが、析出現象において色材
微粒子析出効率が良く、より良い特性を示す。
【0068】
【化1】
【0069】対向電極より像保持部材の画像部が電気的
に陰極性である場合、分散剤としては、以下の構造で代
表される陽イオン基を1つ以上有する構造物質の1種以
上が利用されうる。これらが、色材微粒子表面に結合、
付着又は会合をしていることにより、好ましい状態の析
出現象が生じて、特に品質の高い画像としての色材析出
膜が得られる。
【0070】
【化2】
【0071】とりわけ、上記イオン性の置換基を有して
いる界面活性材、水溶性高分子および低い重合度の高分
子が、分散安定性および析出膜の膜性において特に良好
な特性を示す。水溶性高分子および低い重合度の高分子
を持つこれらの分散剤としての例としては、アルキルア
ルキレンオキシドカルボン酸塩、アルキルオキシドカル
ボン酸塩、アルギン酸変性カルボン酸塩、カルボキシ変
性メチルセルロ−ス、ポリアクリル酸変性カルボン酸
塩、ポリメタクリル酸変性カルボン酸塩、ポリエチレン
オキシド変性カルボン酸塩、エポキシ変性カルボン酸
塩、ポリエタノ−ルアミン変性メチルセルロ−ス、アミ
ン変性アルギン酸塩、アミン変性ポリアクリルなどの種
類が挙げられる。
【0072】前で言及した湿潤剤としては、水系溶媒成
分の蒸発による分散液の変質を防止する目的で添加を行
い、その性質、形態としては、親水性が高く水と共沸点
を持ち高沸点で低蒸気圧の液体がよい。必要特性として
は、極性が高い溶媒であり、好ましくは沸点120°C
以上で大気中室温での飽和蒸気圧100mmHg以下、
より好ましくは沸点150°C以上で大気での蒸気圧6
0mmHg以下である。前記範囲を外れると分散液の寿
命を短くしたり、分散液の特性の変化が大きく、安定し
た析出特性が得られにくい。組成比率は、分散液の液体
成分中、0.5wt%から70wt%の範囲が良く、好
ましくは5wt%から30wt%の範囲である。その代
表的な具体例は、エチレングリコ−ル、ジエチレングリ
コ−ル、ポリエチレングリコ−ル、グリセリン、トリエ
タノ−ルアミン、メチルセルソルブ、エチルセルソル
ブ、ブチルセルソルブ、エチレングリコ−ルジアセテ−
トなどである。
【0073】水溶性高分子添加剤、電解重合材料や、
(色材微粒子分散体以外の)エマルジョン材料の添加
は、それらが例えば画像形成時画像の一部として析出し
て、粒子析出時の安定した着膜生成特性を与え且つ析出
膜の膜性の改善、析出画像の堅牢性や膜の電気抵抗制御
に大きく効果を示す。それらの添加量は、固形分中の含
有濃度として、0.2wt%から50wt%の範囲が良
く、好ましくは1wt%から15wt%の範囲である。
【0074】水溶性高分子添加剤としては、ゼラチン、
アラビアゴム、ペクチン、カゼイン、デンプン類、微結
晶セルロ−ス、アルギン酸塩、ポリビニルアルコ−ル、
酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸共重合体、メチル
セルロ−ス系誘導体などが代表例として挙げられる。
【0075】電解重合材料としては、ピロ−ル、フェニ
レン、ジアセチレン、アニリン、チオフェンなどおよび
それらの誘導体などが代表例として挙げられる。
【0076】エマルジョン材料としては、ポリ酢酸ビニ
ルエマルジョン、酢酸ビニルコポリマ−エマルジョン、
アクリル酸エステルコポリマ−エマルジョン、合成ゴム
ラテックスなどが代表例として挙げられる。
【0077】その他にも、防腐・防カビ剤、微量の界面
活性剤、pH調整剤や液体粘度調整材などを必要に応じ
添加する。特に、水系液体は、微生物の繁殖やカビの発
生により液の劣化が生じ易いため、防腐・防カビ材を添
加することは特に好ましい。
【0078】次に、像保持部材に形成された画像を他の
媒体に転写する方法に関して説明する。この転写は、像
保持部材上に析出現象で画像形成した画像を、静電気
力、圧力、粘着力、化学的結合力などを用いて、像保持
部材より転写し、普通紙などの転写媒体に画像形成を行
う。その具体的な方法は、例えば、像保持体の画像保持
面に、転写媒体を接触させ、圧力ローラで圧接して、行
うことができる。
【0079】また、画像が形成された画像保持体は、複
製画像形成のためのマスター(原版)としても利用でき
る。例えば、油溶性画像が形成された画像保持体の全面
に、水溶性色素を塗布する工程を経て、非画像部のみに
水溶性色素を付着させ、その水溶性色素を他の記録媒体
に転写することによって、画像が複製できる。
【0080】本発明の方法は、例えば図7に模式的に示
す装置を利用すれば、連続的に実施可能である。
【0081】この装置は、分散液15が入れられた容器
10の底面内側に対向電極16が設けられており、その
分散液15内に、2本のローラ70、71が間隔をあけ
て配置され、また、そのローラ対に平行且つ上部に2本
のローラ72、73が配置され、その4本のローラに、
ベルト状の像保持部材11が、周回可能に巻回されてい
る。像保持部材11は、透明基板上に、透明電極を介し
て、光導電性物質が積層された構成をしている。上部ロ
ーラの一方72には、転写ローラ74が圧接され、それ
らの間に、用紙ロール75からの用紙76が搬送可能と
されている。上部ローラの他方73には、クリーニング
ブラシが77接触され、その下には、クリーニング廃棄
物皿78が設置されている。また、像様露光装置19
が、像保持部材11が構成するベルトの中央辺りで、光
を下方に向けて照射可能に設置されている。
【0082】この装置では、像様露光装置78によって
露光しつつ、像保持部材11と、対向電極16との間
に、図示しない電源で電圧を印加すると、像保持部材1
1に色材13の画像が形成される。次いで、像保持部材
11を周回して、転写ローラ74によって、その画像
が、用紙76に転写される。更に、像保持部材11を周
回すると、クリーニングブラシ77によって、像保持部
材11上の残った不要の色材粒子が除去され、像保持部
材11のその部分が、再度画像形成に供しうる状態とさ
れる。
【0083】像保持部材11表面の色材粒子の除去方法
は、ブレ−ド法、ファ−ブラシ法、弾性ロ−ラ法、クリ
−ニングウエブ法、エア−ナイフ法などのクリ−ニング
法が用いられる。
【0084】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、より具体的
に説明する。 実施例1 カ−ボンブラック(色材)粉末(平均粒子径0.1μ
m)10重量部、ジエチレングリコ−ル(湿潤剤)15
重量部、ポリオキシエチレンアルキルエ−テルカルボン
酸ナトリウム(分散剤)3重量部、ポリエチレングリコ
−ルジカルボン酸ナトリウム(分散剤)3重量部、水溶
性アクリル樹脂(添加剤)6重量部、イソプロパノ−ル
(溶媒)7重量部、蒸留水55重量部、以上の材料を混
合し、中強度のプロペラ撹拌を1時間行いカ−ボンブカ
ック粉末を十分に液体に湿潤させて粗分散液を作成し
た。次にこの分散液体をホモジナイザ−分散機を用いて
3分間の高強度強制分散処理を行い分散原液を作成し
た。蒸留水120重量部、グリセリン10重量部、防か
び剤(ICI社 プロキセルXL−2)0.8重量部、
の混合した希釈液をプロペラ撹拌を行いながらこの分散
原液中に滴下し、色材微粒子分散液を完成させた。この
液は、燐酸水溶液および水酸化ナトリウム水溶液により
pHを調整して、pH6.5に設定した。この液の色材
微粒子析出開始点のpHは5.0であった。また、この
液の体積固有抵抗は8×102 Ω・cmであった。
【0085】次に、図3に示した通り、裏面から画像信
号を入力でき、電極として機能する像保持部材を上記分
散液を入れた分散液浴に裏面が分散液浴の外部に出るよ
うにセットし、そして対向電極、塩橋を利用した制御電
極を浴内に設置した。この像保持部材は、4mm厚の板
ガラス基板にITOの透明導電層を与えその上に2層の
有機光導電体層の積層構造(フタロシアニンとペリレン
各顔料の50nm厚の2層構造体)により作られ、IT
O導電層をワ−ク電極(電極として機能する像保持部材
のうち、外部からの電圧を直接印加する部分をさすもの
とする)にし、有機光導電体層の表面は段差が無く平滑
に出来ていた。各電極をポテンショスタット電源に結線
した。そして、像保持部材の裏面の光画像入力部に画像
入力しながらポテンショスタット電源より、ワ−ク電極
と対向電極の間に3.0VのD.C.電圧を15秒間印
加した。
【0086】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.41の高画質像が形成されていることを確認した。 実施例2 カ−ボンブラック粉末(平均粒子径0.07μm)20
重量部、ポリエチレングリコ−ル10重量部、ポリメチ
ルアクリレ−トジカルボン酸アンモニュウム5重量部、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルカルボン酸アンモ
ニュウム5重量部、水溶性アクリル樹脂6重量部、イソ
プロパノ−ル10重量部、蒸留水50重量部、以上の材
料を混合し、中強度のプロペラ撹拌を3時間行いカ−ボ
ンブラック粉末を十分に液体に湿潤させて粗分散液を作
成した。次にこの分散液体をボ−ルミル分散機を用いて
24時間の分散処理を行い分散原液を作成した。蒸留水
200重量部、グリセリン20重量部、防かび剤(IC
I社 プロキセルXL−2)0.5重量部、の混合した
希釈液をプロペラ撹拌を行いながらこの分散原液中に滴
下し、色材微粒子分散液を完成させた。この液は、燐酸
水溶液およびアンモニア水溶液によりpHを調整して、
pH6.0に設定した。この液の色材微粒子析出開始点
のpHは5.0であった。また、この液の体積固有得抵
抗は2×102 Ωcmであった。
【0087】次に、図3に示した実施例1と同様の装置
を用いて、裏面から画像信号を入力のできるワ−ク電極
の付いた像保持部材を、上記分散液を入れた分散液浴に
裏面が分散液浴の外部に出るように置き、そして対向電
極、塩橋を利用した制御電極を浴内に設置した。この像
保持部材は、2mm厚の石英基板にITOの透明導電層
を与えその上に2層の有機光導電体層の積層構造(同
前)により作られ、ITO導電層をワ−ク電極にし、有
機光導電体層の表面は平滑に出来ていた。各電極をポテ
ンショスタット電源に結線した。そして、像保持部材の
裏面の光画像入力部にHe−Neレ−ザ−光により画像
入力しながらポテンショスタット電源より、ワ−ク電極
と対向電極の間に5.0VのD.C.パルス電圧(パル
ス幅2ms/パルス周期3ms)を印加した。
【0088】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.52の高画質像が形成されていることを確認した。 実施例3 フタロシアニン粉末(平均粒子径0.2μm)10重量
部、エチルセルソルブ10重量部、ポリオキシエチレン
アルキルフェニル酢酸リチウム 7重量部、ポリメチル
アクリレ−トジカルボン酸リチウム4重量部、水溶性ア
クリル樹脂6重量部、イソプロパノ−ル10重量部、蒸
留水50重量部、以上の材料を混合し、中強度のプロペ
ラ撹拌を0.5時間行い顔料粉末を十分に液体に湿潤さ
せて粗分散液を作成した。
【0089】次にこの分散液体をホモジナイザ−分散機
を用いて4分間の分散処理を行い分散原液を作成した。
蒸留水200重量部、ジエチレングリコ−ル20重量
部、防かび材(ICI社 プロキセルXL−2)0.5
重量部、の混合した希釈液をプロペラ撹拌を行いながら
この分散原液中に滴下し、電着用色材微粒子分散液を完
成させた。この液は、燐酸水溶液および水酸化リチウム
水溶液によりpHを調整して、pH7.0に設定した。
この液の色材微粒子析出開始点のpHは4.0であっ
た。また、この液の体積固有抵抗は9×102 Ωcmで
あった。
【0090】次に、図6に示した装置を用いて、裏面か
ら電流画像信号を入力できる像保持部材を、上記分散液
を入れた分散液浴に裏面が分散液浴の外部に出るように
置き、そして対向電極、塩橋を利用した制御電極を浴内
に設置した。この像保持部材は、5mm厚の電流拡散を
抑制した導電層を与えその導電層の液に接する表面は平
滑に出来ていた。
【0091】そして、各電極を制御電源に結線し、像保
持部材の裏面の画像入力部に600DPIの針型協働電
極画像入力印字ヘッドを用いて、画像入力し、針型協働
電極と対向電極の間は4.0VのD.C.パルス電圧
(パルス幅2ms/パルス周期3ms)を印字ヘッドの
走査速度に同期して印加した。
【0092】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面にシアン色の光学
画像濃度1.53の高画質像が形成されていることを確
認した。また、針型協働電極と対向電極の間の電圧を
2.5VのD.C.パルスによる印字により、像保持部
材表面にシアン色の光学画像濃度1.10の高画質像が
形成されていることを確認した。 実施例4 カ−ボンブラック粉末(平均粒子径0.07μm)20
重量部、ポリエチレングリコ−ル10重量部、ポリメチ
ルアクリレ−トジカルボン酸アンモニュウム5重量部、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルカルボン酸アンモ
ニュウム5重量部、水溶性アクリル樹脂6重量部、イソ
プロパノ−ル10重量部、蒸留水50重量部、以上の材
料を混合し、中強度のプロペラ撹拌を3時間行いカ−ボ
ンブラック粉末を十分に液体に湿潤させて粗分散液を作
成した。
【0093】次にこの分散液体をボ−ルミル分散機を用
いて24時間の分散処理を行い分散原液を作成した。蒸
留水200重量部、グリセリン20重量部、ピロ−ル4
重量部、防かび材(ICI社 プロキセルXL−2)
0.5重量部、の混合した希釈液をプロペラ撹拌を行い
ながらこの分散原液中に滴下し、色材微粒子分散液を完
成させた。この液は、燐酸水溶液およびアンモニア水溶
液によりpHを調整して、pH6.0に設定した。この
液の色材微粒子析出開始点のpHは5.0であった。ま
た、この液の体積固有抵抗は1×102 Ωcmであっ
た。
【0094】次に、図3に示した実施例1と同様の装置
を用いて、裏面から画像信号を入力のでき、電極として
機能する像保持部材を、上記分散液を入れた分散液浴に
裏面が分散液浴の外部に出るように置き、そして対向電
極、塩橋を利用した制御電極を浴内に設置した。この像
保持部材は、2mm厚の石英基板にITOの透明導電層
を与えその上に2層の有機光導電体層の積層構造(同
前)により作られ、ITO導電層をワ−ク電極にし、有
機光導電体層の表面は平滑に出来ていた。各電極をポテ
ンショスタット電源に結線した。そして、像保持部材の
裏面の光画像入力部にHe−Neレ−ザ−光により画像
入力しながらポテンショスタット電源より、ワ−ク電極
と対向電極の間に1.0VのD.C.電圧を印加した。
【0095】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.26の高画質像が形成されていることを確認した。 実施例5(転写) 実施例1と同様に、色材微粒子分散液を作成して、記録
印字工程を経て分散液浴から像保持部材を出し、像保持
部材上に分散色材微粒子の画像を得た。その像保持部材
面上に普通紙を載せた。この紙の上から、+6KVのコ
ロナ放電を行い、次に一対のゴムロ−ラを線圧600g
/cmで普通紙および像保持部材を挟んで加圧し回転搬
送した。そして加圧直後普通紙を像保持部材より引き剥
がし、光学画像濃度1.33の転写した画像を普通紙上
に得た。 実施例6(エマルジョン水溶液の添加) カ−ボンブラック粉末(平均粒子径0.1μm)15重
量部、グリセリン15重量部、ポリオキシエチレンアル
キルエ−テルカルボン酸ナトリウム5重量部、ポリエチ
レングリコ−ルジカルボン酸ナトリウム3重量部、水溶
性アクリル樹脂3重量部、イソプロパノ−ル7重量部、
蒸留水55重量部、以上の材料を混合し、中強度のプロ
ペラ撹拌を1時間行いカ−ボンブラック粉末を十分に液
体に湿潤させて粗分散液を作成した。
【0096】次にこの分散液体をホモジナイザ−分散機
を用いて3分間の高強度強制分散処理を行い分散原液を
作成した。蒸留水100重量部、酢酸ビニルエマルショ
ン水溶液20重量部、防かび材(ICI社 プロキセル
XL−2)0.6重量部、の混合した希釈液をプロペラ
撹拌を行いながらこの分散原液中に滴下し、色材微粒子
分散液を完成させた。この液は、燐酸水溶液および水酸
化ナトリウムによりpHを調整して、pH6.9に設定
した。この液の色材微粒子析出開始点のpHは5.2で
あった。また、この液の体積固有抵抗は5×102 Ωc
mであった。
【0097】次に、図3に示した通り、裏面から画像信
号を入力できるワ−ク電極の付いた像保持部材を上記分
散液を入れた分散液浴に裏面が分散液浴の外部に出るよ
うに置き、そして対向電極、塩橋を利用した制御電極を
浴内に設置した。この像保持部材は、4mm厚の板ガラ
ス基板にITOの透明導電層を与えその上に2層の有機
光導電体層の積層構造(同前)により作られ、ITO導
電層をワ−ク電極にし、有機光導電体層の表面は平滑に
出来ていた。各電極をポテンショスタット電源に結線し
た。そして、像保持部材の裏面の光画像入力部に画像入
力しながらポテンショスタット電源より、ワ−ク電極と
対向電極の間に2.5V のD.C.電圧を15秒間印
加した。
【0098】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.42の高画質像が形成されていることを確認した。
次に、消しゴム擦り定着テストを実施した結果、本印字
サンプルの光学濃度変化量は、0.3であった。実施例
1の印字サンプルの光学濃度変化量は、0.4であっ
た。これにより、エマルジョン水溶液の添加により定着
性が向上したことが確認できた。 実施例7(色材微粒子の粒径の影響) カ−ボンブラック粉末(平均粒子径0.1μm)、カ−
ボンブラック粉末(平均粒子径0.4μm)、カ−ボン
ブラック粉末(平均粒子径0.7μm)、カ−ボンブラ
ック粉末(平均粒子径2.0μm)の4種の顔料粉末を
用いて実施例1と同様に、分散液を作成して、記録印字
評価テストを実施した。
【0099】記録印字評価結果は、この4種の分散液で
の像保持部材表面の記録画像の光学画像濃度は、1.4
2、1.53、1.25、0.76であった。また、平
均粒子径2.0μmのカ−ボンブラック粉末の分散液は
分散安定性が不安定で、2日間放置により沈降評価用試
験管の底に沈降物が見られた。他のカ−ボンブラック顔
料粉末の分散液は2日間放置により沈降評価用試験管の
底には沈降物が見られなかった。 実施例8(湿潤剤の添加) カ−ボンブラック粉末(平均粒子径0.1μm)10重
量部、ポリオキシエチレンアルキルエ−テルカルボン酸
ナトリウム3重量部、ポリエチレングリコ−ルジカルボ
ン酸ナトリウム3重量部、水溶性アクリル樹脂6重量
部、イソプロパノ−ル7重量部、蒸留水70重量部、以
上の材料を混合し、中強度のプロペラ撹拌を1時間行い
カ−ボンブラック粉末を十分に液体に湿潤させて粗分散
液を作成した。次にこの分散液体をホモジナイザ−分散
機を用いて3分間の高強度強制分散処理を行い分散原液
を作成した。蒸留水140重量部、防かび材(ICI社
プロキセルXL−2)0.3重量部、の混合した希釈
液をプロペラ撹拌を行いながらこの分散原液中に滴下
し、色材微粒子分散液を完成させた。
【0100】次に、図3に示した通り、裏面から画像信
号を入力できるワ−ク電極の付いた像保持部材を、上記
分散液を入れた分散液浴に裏面が分散液浴の外部に出る
ように置き、そして対向電極、塩橋を利用した制御電極
を浴内に設置した。そして、像保持部材の裏面の光画像
入力部に画像入力しながらポテンショスタット電源よ
り、ワ−ク電極と対向電極の間に2.5VのD.C.電
圧を11秒間印加した。
【0101】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.36の高画質像が形成されていることを確認した。
そして、本実施例の上記の分散液を入れた記録装置と実
施例1の分散液を入れた同様の記録装置を1週間そのま
まの状態で放置した。その結果、本実施例の記録装置の
液面は25mm降下していたが、実施例1の記録装置の
液面は9mm降下にとどまった。これは湿潤剤の添加が
液性の保存性に効果があることを示した。 実施例9(パルス電圧印加) 実施例2と同様にして、実施例2と同じ色材微粒子分散
液を完成させた。
【0102】次に、図3に示した実施例2と同様の装置
を用いて、像保持部材の裏面の光画像入力部にHe−N
eレ−ザ−光により画像入力しながらポテンショスタッ
ト電源より、ワ−ク電極と対向電極の間に5.0Vの
D.C.パルス電圧(パルス幅2ms/パルス周期3m
s)を印加した。その時分散液浴の中に撹拌用プロペラ
を入れて浴内の分散液を軽度の撹拌を行いながら印字記
録を行った。
【0103】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.51の画質像が形成され、またソリッド部の光学濃
度バラツキがσ=0.05であることを確認した。実施
例2の光学画像濃度1.53、ソリッド部の光学濃度バ
ラツキがσ=0.09であった。 実施例10(液温制御) 実施例2と同様にして、実施例2と同じ色材微粒子分散
液を完成させた。
【0104】次に、図3に示した実施例2と同様の装置
を用いて、像保持部材の裏面の光画像入力部にHe−N
eレ−ザ−光により画像入力しながらポテンショスタッ
ト電源より、ワ−ク電極と対向電極の間に5.0Vの
D.C.パルス電圧(パルス幅2ms/パルス周期3m
s)を印加した。その時分散液浴の中に温度制御装置を
入れて浴内の分散液の液温制御を行いながら一定温度で
印字記録を行った。
【0105】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.56の画質像が形成され、またソリッド部の光学濃
度バラツキがσ=0.07であることを確認した。実施
例2の光学画像濃度1.57、ソリッド部の光学濃度バ
ラツキがσ=0.09であった。 実施例11(防かび剤の有無による保存性への影響) カ−ボンブラック粉末(平均粒子径0.1μm)10重
量部、ジエチレングリコ−ル15重量部、ポリオキシエ
チレンアルキルエ−テルカルボン酸ナトリウム3重量
部、ポリエチレングリコ−ルジカルボン酸ナトリウム3
重量部、水溶性アクリル樹脂6重量部、イソプロパノ−
ル7重量部、蒸留水55重量部、以上の材料を混合し、
中強度のプロペラ撹拌を1時間行いカ−ボンブラック粉
末を十分に液体に湿潤させて粗分散液を作成した。次に
この分散液体をホモジナイザ−分散機を用いて3分間の
高強度強制分散処理を行い分散原液を作成した。蒸留水
120重量部、グリセリン10重量部、の混合した希釈
液をプロペラ撹拌を行いながらこの分散原液中に滴下
し、色材微粒子分散液を完成させた。
【0106】次に、図3に示した通り、裏面から画像信
号を入力できるワ−ク電極の付いた像保持部材を上記分
散液を入れた分散液浴に裏面が分散液浴の外部に出るよ
うに置き、そして対向電極、塩橋を利用した制御電極を
浴内に設置した。この像保持部材は、3mm厚の板ガラ
ス基板にITOの透明導電層を与えその上に2層の有機
光導電体層の積層構造(同前)により作られ、ITO導
電層をワ−ク電極にし、有機光導電体層の表面は平滑に
出来ていた。各電極をポテンショスタット電源に結線し
た。そして、像保持部材の裏面の光画像入力部に画像入
力しながらポテンショスタット電源より、ワ−ク電極と
対向電極の間に4.0VのD.C.電圧を7秒間印加し
た。
【0107】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.46の画像が形成されていることを確認した。
【0108】次に、本実施例の分散液と実施例1の分散
液を各液ごと300mlポリエチレンビンに入れて、3
0°C・90Rh%の環境に3ケ月放置した。目視、濾
過と震とう評価を行ったところ、実施例1の分散液は放
置テスト前と同じ液性であったが、本実施例の分散液は
放置テスト前の液性と比べると粘度の上昇と液中微小浮
遊物の存在が認められた。 実施例12(クリーニング実施) 実施例2と同様に、分散液を作成して、印字工程を経て
分散液浴から出し、像保持部材上に分散色材微粒子の画
像を得た像保持部材面上に普通紙を載せた。この紙の上
から、導電ゴムロ−ラと絶縁ゴムロ−ラを線圧400g
/cmで普通紙および像保持部材を挟んで加圧し、+8
00Vのバイアス電圧を導電ゴムロ−ラに印加し、回転
搬送した。そしてロ−ラ搬出直後普通紙を像保持部材よ
り引き剥がし、光学画像濃度1.43の転写した画像を
普通紙上に得た。つぎに、像保持部材面上をゴムブレ−
ドを用いて転写残りの画像形成材料を除去した。これに
より、像保持部材面上が初期状態に戻り、次の画像形成
の準備が整った。 実施例13(pH変化の影響) カ−ボンブラック粉末(平均粒子径0.1μm)10重
量部、ジエチレングリコ−ル15重量部、ポリオキシエ
チレンアルキルエ−テルカルボン酸ナトリウム3重量
部、ポリエチレングリコ−ルジカルボン酸ナトリウム3
重量部、水溶性アクリル樹脂6重量部、イソプロパノ−
ル7重量部、蒸留水55重量部、以上の材料を混合し、
中強度のプロペラ撹拌を1時間行いカ−ボンブラック粉
末を十分に液体に湿潤させて粗分散液を作成した。
【0109】次にこの分散液体をホモジナイザ−分散機
を用いて3分間の高強度強制分散処理を行い分散原液を
作成した。蒸留水120重量部、グリセリン10重量
部、防かび材(ICI社 プロキセルXL−2)0.3
重量部、の混合した希釈液をプロペラ撹拌を行いながら
この分散原液中に滴下し、電着用色材微粒子分散液を完
成させた。この液を、塩酸水溶液および水酸化ナトリウ
ム水溶液によりpHを調整して、pH4.5、6.0、
7.5、9.5に設定した。この液の色材微粒子析出開
始点のpHは5.0である。
【0110】次に、図3に示した通り、裏面から画像信
号を入力できるワ−ク電極の付いた像保持部材を、上記
分散液を入れた分散液浴に裏面が分散液浴の外部に出る
ように置き、そして対向電極、塩橋を利用した制御電極
を浴内に設置した。この像保持部材は、4mm厚の板ガ
ラス基板にITOの透明導電層を与えその上に2層の有
機光導電体層の積層構造により作られ、ITO導電層を
ワ−ク電極にし、有機光導電体層の表面は平滑に出来て
いた。各電極をポテンショスタット電源に結線した。
【0111】そして、像保持部材の裏面の光画像入力部
に画像入力しながらポテンショスタット電源より、ワ−
ク電極と対向電極の間に3.5VのD.C.電圧を9秒
間印加した。
【0112】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面の光学画像濃度を
測定したところ1.55(pH4.5の分散液)、1.
48(pH6.0の分散液)、1.41(pH7.5の
分散液)、1.15(pH9.5の分散液)、の画像が
形成されていることを確認した。そして、pH4.5の
分散液は分散粒子が浴槽の底に沈降をしており、分散状
態が不安定であった。
【0113】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
高光学濃度、高解像、低画像厚み、高堅牢性の画像を、
安全性が高く、廃棄物が殆どなく、また消費エネルギも
少なく、形成可能である。しかも、その工程も設備も簡
易であり、また、印刷版を用いない、少量多品種のプリ
ント生産に適応しうる。
【0114】従って、本発明は、特に、オフィスで用い
る画像形成技術に要求される諸特性を実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法の代表例を模式的に示
す図である。
【図2】 分散液のpHと分散安定性との関係を示す図
である。
【図3】 本発明を実施する装置の一例を模式的に示す
図である。
【図4】 本発明を実施する装置の一例を模式的に示す
図である。
【図5】 本発明を実施する装置の一例を模式的に示す
図である。
【図6】 本発明を実施する装置の一例を模式的に示す
図である。
【図7】 本発明を連続的に実施する装置の一例を模式
的に示す図である。
【符号の説明】
10 容器 11 像形成部材 12 協働
電極 13 色材微粒子 14 水系溶媒 15 分散
液 16 対向電極 19 像様露光装置 20 レー
ザ光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 夫 龍淳 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい 富士ゼロックス株式会社内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン化した色材微粒子を水系液体中に
    分散した色材微粒子分散液に、 電極対の一方として機能可能であって且つ画像を保持す
    るための面を有する像保持部材と、電極対の他方である
    対向電極とが、浸漬された装置を用意する工程と、 像保持部材の所望部と、対向電極とを前記分散液を介し
    て通電して、電気化学的に、その所望部に、色材微粒子
    を析出・付着して、画像を形成する工程とを有する画像
    形成方法。
  2. 【請求項2】 像保持部材は、画像のパターンに対応し
    た電流を流すこと、又は電界を形成することができるも
    のである請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 像保持部材の前記所望部が、イオン化し
    た色材微粒子の極性と逆極性となるように、前記通電は
    実施される請求項1記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 像保持部材の画像析出・付着部と対向電
    極の電位差とを±10V未満にする印加電圧により、前
    記通電を実施する請求項3記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 色材微粒子の表面に結合、付着または会
    合し、色材微粒子の分散を安定化する電気的な性質を有
    する分散剤が、前記水系液体中に添加されている請求項
    1記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 対向電極より像保持部材の画像形成部が
    陽極性である場合、前記分散剤として、水系液体中でイ
    オン解離する陰イオン基を有する構造の物質を1種以上
    使用し、一方、対向電極より像保持部材の画像形成部が
    陰極性である場合、前記分散剤として、水系液体中でイ
    オン解離して陽イオン基を有する構造の物質を一種以上
    使用する請求項5記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記陰イオン基を有する構造の物質が、
    カルボキシル基を有する物質である請求項6記載の画像
    形成方法。
  8. 【請求項8】 色材微粒子分散液中に電解重合用モノマ
    −を更に含有し、画像形成時、電解重合しながら像保持
    部材の表面に画像の一部として析出・付着する請求項1
    記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 色材微粒子分散液中にイオン性水溶性高
    分子材料を更に含有し、画像形成時、そのイオン性水溶
    性高分子材料も像保持部材の表面に画像の一部として析
    出・付着する請求項1記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 色材微粒子分散液中にエマルジョン粒
    子を更に含有し、画像形成時、そのエマルジョン粒子材
    料も像保持部材の表面に画像の一部として析出する請求
    項1記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記色材微粒子の平均粒径値が、0.
    01μmから1.0μmの範囲にある請求項1記載の画
    像形成方法。
  12. 【請求項12】 水系液体中に、沸点が120°C以上
    かつ大気中での蒸気圧が100mmHg以下の湿潤剤を
    添加する請求項1記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 画像信号としての光入力を、電流信号
    に変換可能な光導電性物質を像保持部材が有し、画像信
    号に対応して像保持部材表面の導電性を増加させ、画像
    を形成する請求項1記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 像保持部材の画像非保持面側に、電源
    につながる電極としての補助電極が接触または設置さ
    れ、その補助電極を介して、像保持部材は電極として機
    能する請求項1記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 補助電極が針状又はペン状電極であ
    り、そこからの画像信号に対応して像保持部材表面に画
    像を形成する請求項14記載の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 色材微粒子分散液の体積固有抵抗が1
    5 Ω・cm以下である請求項1記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 画像形成時、色材微粒子分散液を流動
    または撹拌する請求項1記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 防腐・防カビ効果を有する薬剤を色材
    微粒子分散液中に含有させる請求項1記載の画像形成方
    法。
  19. 【請求項19】 画像形成時、色材微粒子分散液の液温
    制御する請求項1記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 像保持部材表面に析出・付着している
    不要な画像形成材料を除去する工程を更に有する請求項
    1記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 分散液のpH値を、分散物が陽極析出
    である時は析出開始pH点に比較して+0〜+4の値の
    間のpH値に設定し、また分散物が陰極析出である時は
    析出開始pH点に比較して−4〜0の値の間のpH値に
    設定する請求項1記載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 分散液の固形分濃度が、1重量%から
    40重量%の間である請求項1記載の画像形成方法。
  23. 【請求項23】 分散液の固形成分において、固形成分
    のうち色材成分量が30重量%から80重量%の間であ
    る請求項1記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 像保持部材の表面の画像パターン部に
    析出した画像形成材料を、記録媒体に転写して画像形成
    を行う工程を更に有する請求項1記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 イオン化した色材微粒子が水系液体中
    に分散した色材微粒子分散液を入れるための容器と、 その容器にセットされ、電極対の一方として機能可能で
    あって且つ画像を保持するための面を有する像保持部材
    と、電極対の他方である対向電極とを、 備える請求項1記載の画像形成方法を実施するため画像
    形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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