JPH10119305A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JPH10119305A
JPH10119305A JP8278146A JP27814696A JPH10119305A JP H10119305 A JPH10119305 A JP H10119305A JP 8278146 A JP8278146 A JP 8278146A JP 27814696 A JP27814696 A JP 27814696A JP H10119305 A JPH10119305 A JP H10119305A
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JP
Japan
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liquid
pump
port
path
ink
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JP8278146A
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Toshihiro Sugikubo
利浩 杉窪
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッドの温度制御を高精度に行うことに
より、高品位な画像を得ると共に、作業効率に優れ、小
型で安価な記録装置。 【解決手段】 貯留部4100から液体往通路105
1、水管1040、液体復通路1062の循環経路へ還
流される液体Wを吸込口4200aから吸い込む他に、
貯留部4100内の液体Wを第4連結路1070を介し
てバイパス用吸込口4200cから吸い込み、それら2
方向から吸い込んだ液体Wを吐出口4200bから貯留
部4100内へ導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク等の液体を
吐出口から小滴として吐出させ、この吐出液滴を紙や
布、不織布、OHP用紙などの記録媒体に付着させてプ
リントを行う記録装置に関し、特に捺染装置のように、
長時間、あるいは大きな幅の記録媒体に対して連続的に
プリントを行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】なお、「記録」とは、紙などの記録媒体に
対してインクを付与する動作のみならず、広く媒体に対
して適宜の液体を付与することも含む。
【0003】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、ランニング
コストが低く、静粛でかつ高速プリントを行うことがで
きる点から、プリンタ、ファクシミリ、複写機などのプ
リント部として多く用いられている。そのプリント方式
は記録ヘッドに形成した複数のインク吐出口からプリン
トデータ信号に基づいてインクを吐出し、その液滴を記
録媒体に付着させてプリントするものである。
【0004】一般に、インクジェット記録装置に用いら
れるインクは、温度により粘度が変化する。インク粘度
が変化すると、プリント動作時のインク吐出量が変化
し、記録媒体に付着するインクのドット径が変化する。
このドット径の変化は、インク粘度の変化が小さけれ
ば、人間の目には、認識されないため、実質的には問題
にならないが、インク粘度の変化が大きい場合には、濃
度の変化として認識され、所望のプリント濃度を得るこ
とができないという問題がある。また、同一の記録媒体
上で、場所によりドット径が変化した場合、人間の目に
は、いわゆる濃度むらとして認識されるという問題があ
る。
【0005】このようなことから、インクの温度をある
程度の範囲(人間の目で濃度変化が認識できない範囲)
で制御することは、プリント品質の安定化と簡易的な温
度制御によるコストダウンを両立させる上で望ましいこ
とである。
【0006】従来のインクの温度制御方法としては、実
質的には、記録ヘッドの温度制御として行われる。記録
ヘッドの温度変化の要因としては、装置周辺の環境温度
の変化も考えられるが、インクジェット記録装置は、一
般的に常温(20〜25℃程度)で使用されることが多
く、環境温度は比較的安定している。むしろ、記録ヘッ
ドの温度変化の要因の多くは、記録ヘッド駆動時の発熱
による昇温である。例えば、シリアルプリンタの場合、
1走査でのプリント開始時とプリント終了時とでは記録
ヘッドに蓄積される熱量が異なるため、プリント開始部
近傍とプリント終了部近傍とではドット径が異なる。
【0007】一般的に、A4サイズ幅のプリンタなど記
録媒体のプリント幅が比較的狭いプリンタや、プリント
速度の比較的遅いプリンタにおいては、記録ヘッドにヒ
ータおよび温度検出センサを設け、記録ヘッド内の温度
検出センサの信号に基づいてヒータの駆動の制御による
記録ヘッドの温度の適正化を行うことによって、プリン
ト開始部近傍とプリント終了部近傍とでのドット径のば
らつきを人間の目では認識できない程度に抑えることが
できる。
【0008】しかしながら、プリント幅が広いプリンタ
やプリント速度の速いプリンタにおいては、プリント開
始部近傍とプリント終了部近傍とでのドット径のばらつ
きは、さらに大きくなるため、上述したような温度制御
方法のみでは、ドット径のばらつきは、濃度むらとして
人間の目に認識されるようになり、プリント品位を低下
させるという問題がある。
【0009】このような問題の解決策として、特定の冷
却用の液体を記録ヘッドに接触させることで記録ヘッド
を所定の適正温度範囲内に制御する方法がある。
【0010】このような特定の液体を用いて記録ヘッド
の温度制御を行う具体的な例としては、タンクなどの液
体貯留部に貯留されている水などの液体を、チューブな
どの循環経路を介して、ポンプにより循環させ、循環経
路の途中に設けた液体通路において記録ヘッドに接触さ
せ、再び、液体を液体貯留部に戻すことによって、温度
制御を行っている。
【0011】このように、水などの特定の液体をポンプ
で吸い込み、吐出させて、チューブなどの循環経路を介
して、記録ヘッドに接触させる場合、チューブの経時変
化による劣化や不測の事態により、前記経路に大気との
リークが発生すると、液体は経路より外部に吐出され、
記録媒体に付着する恐れがある。液体がプリント前の記
録媒体やプリント後の記録媒体に付着すると、どちらの
場合でも、プリント画像を汚染する。
【0012】また、一般的に、液体をポンプの吸込口よ
り吸い込み、その吐出口より吐出すると、ポンプの発熱
のため液体の温度は上昇する。この温度上昇分をδtp
とすると、温度制御手段によって、温度Tで温度制御さ
れた液体をポンプ吸込口より吸い込んで吐出口より吐出
すると、その吐出口より吐出された液体の温度は、T+
δtp となる。
【0013】一例として、記録ヘッドとしてインクジェ
ットヘッドを用い、液体貯留部に貯留されている液体を
温度制御手段により温度Tに温度制御して、インクジェ
ットヘッドに供給し、このヘッドを温度制御する場合を
考える。温度Tに温度制御した液体をポンプの吸込口よ
り吸い込みつつ吐出口より吐出してインクジェットヘッ
ドに供給すると、インクジェットヘッドに供給される液
体の温度はT+δtpとなり、所望の温度である温度T
でインクジェットヘッドを温度制御することができな
い。温度T+δtp で、インクジェットヘッドを温度制
御するようにしてもよいと考えられるが、Tやδtp
値は一般的に一定ではなく、ばらつきがある。このた
め、温度Tに温度制御した液体をポンプの吸込口より吸
い込み、吐出口より吐出してインクジェットヘッドに供
給すると、ポンプでの昇温分δtp だけ温度のばらつき
が大きくなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ポン
プにより循環経路内を流れる液体を用いて記録ヘッドを
冷却する場合において、その液体の温度上昇に関する課
題を解決するための装置が提案されている。例えば、液
体を貯留する液体貯留部と、液体を給送するポンプと、
液体貯留部からの液体を記録ヘッドへ供給すると共に、
その供給後の液体をポンプへ送り返す液体通路と、液体
貯留部と液体通路を連結する第1連結路と、液体通路と
ポンプの吸込口を連結する第2連結路と、液体貯留部と
ポンプの吐出口を連結する第3連結路とを備える吸引循
環径の循環経路を具えた装置が提案されている。
【0015】しかし、循環経路内に液体が充填されてお
らず、循環経路内に空気がある場合がある。例えば、装
置を最初に運転するとき、若しくは、インクジェットヘ
ッドを交換するために液体通路と各連通路との接続を解
除した場合などである。このように空気が循環経路内に
ある場合、ポンプを運転すると、循環経路内に液体貯留
部に貯留されていた液体が徐々に充填され、循環経路内
に存在していた空気は、ポンプ吐出口より液体貯留部に
吐出される。
【0016】しかしながら、このような初期状態やイン
クジェットヘッドの交換作業後においては、液体貯留部
と液体通路を連結する第1連結路内と、液体通路とポン
プの吸込口を連結する第2連結路内とは、大部分が空気
であり、結果として、ポンプ室内は、空気が多くなり、
ポンプ能力は低下し、循環経路内への液体の充填が完了
するまでに、加圧循環径に比べてより長い時間を要し、
作業効率が悪いという問題がある。
【0017】また、液体貯留部のポンプ吐出口との接続
口と、液体貯留部のポンプ吸込口との接続口とが近接し
て設けられていると、循環経路内より液体貯留部に吐出
された空気がポンプ吸込口に吸い込まれ、再び循環経路
内に浸入し、この動作を繰り返すことにより、循環経路
内から半永久的に空気を除去できなという問題が発生す
る。さらに、液体の充填時間を短縮するためには、イン
クジェットヘッドの温度制御を行うために液体を循環さ
せるために必要なポンプの能力よりも、さらに大きな能
力のポンプを用いなければならず、コストアップや装置
の大型化などの問題を生じる。
【0018】また、循環経路内に空気が混入した液体が
流れることによって、以下のような問題が発生する。一
般的に、空気の熱伝導率は液体に比べて極めて小さく、
例えば、20℃での水の熱伝導率は0.594W/m・
K、空気の熱伝導率は0.257W/m・Kである。従
って、液体中に空気が混入すればするほど、熱伝導率は
小さくなる。上記従来例では、インクジェットヘッドに
液体を接触させることにより、インクジェットヘッドか
ら発している熱を奪い、インクジェットヘッドの温度制
御を行うが、液体に空気が混入すれば、所望の冷却能力
を得られず、インクジェットヘッドの温度制御の精度が
低下し、プリント画像において所望の濃度を得られなく
なるという問題が発生する。さらには、空気の混入量が
比較的多い場合、インクジェットヘッドの温度上昇が大
きくなり、インクの発泡不良、インクの焦げによるノズ
ル内の目詰まり、ヒータの破壊などにより、プリント不
能という問題をも引き起こす。
【0019】また、液体貯留部内に貯留されている液体
が、自然蒸発などにより、その容積が減ると、ついに
は、循環経路内に液体を完全に充填できなくなり、液体
内に空気が混入するという問題も発生する。
【0020】本発明の目的は、記録ヘッドの温度制御を
高精度に行うことによって、高品位な画像を得ると共
に、作業効率に優れ、小型で安価な記録装置を提供する
ことにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録媒体に対
してインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドに
接して設けられ、冷却用の液体が流れる水管と、前記水
管に前記液体を供給する液体往通路と、前記液体往通路
に供給する前記液体を貯留する貯留部と、前記水管を通
過した前記液体を還流させる液体復通路と、前記貯留部
の下方に設けられ、液体を吸い込む吸込口と当該吸い込
まれた液体を前記貯留部に向けて吐出する吐出口とを有
するポンプと、前記貯留部と前記液体供給路とを連結す
る第1連結路と、前記液体復通路と前記ポンプの吸込口
とを連結する第2連結路と、前記ポンプの吐出口と前記
貯留部とを連結する第3連結路と、前記貯留部と前記ポ
ンプのバイパス用吸込口とを連結する第4連結路とを具
え、前記貯留部から前記液体往通路さらに前記水管を介
して前記液体復通路へ還流される液体と、前記貯留部か
ら前記第4連結路を介して吸い込まれる液体とを前記ポ
ンプの吸込口およびバイパス用吸込口からそれぞれ吸込
み、該吸い込まれた液体を前記ポンプの吐出口から吐出
して前記貯留部内へ循環させることによって、記録装置
を構成することを特徴とする。
【0022】前記第3連結路の前記貯留部との接続口
は、前記第1連結路の前記貯留部との接続口よりも上方
の位置に設けることができる。
【0023】前記第4連結路中に設けられ、前記貯留部
内の液体を前記ポンプの吸込口に送る流量を調節する流
量可変手段と、前記液体往通路および前記水管および前
記液体復通路および前記第1連結路および前記第2連結
路および前記第3連結路および前記第4連結路の各経路
に前記液体を充填させる充填制御手段と、前記充填制御
手段によって前記液体往通路から前記第4連結路までの
各経路に充填された前記液体を循環させる循環制御手段
とを具え、前記流量可変手段によって、前記充填時にお
ける前記第4連結路内の流量が、前記循環時における前
記第4連結路内の流量よりも多くなるように制御するよ
うにしてもよい。
【0024】前記流量可変手段としては、電動バルブ、
開閉手段を用いることができる。前記開閉手段として
は、電磁弁により構成することができる。また、前記ポ
ンプは、渦流ポンプにより構成することができる。
【0025】また、本発明は、記録媒体に対してインク
を吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドに接して設け
られ、冷却用の液体が流れる水管と、前記水管に前記液
体を供給する液体往通路と、前記液体往通路に供給する
前記液体を貯留する貯留部と、前記水管を通過した前記
液体を還流させる液体復通路と、前記貯留部の下方に設
けられ、前記液体復通路に連通する吸込口と当該吸込口
より吸い込まれた液体を前記貯留部に向けて吐出する吐
出口とを有するポンプと、前記貯留部における前記液体
供給路との接続部に設けられ、前記ポンプと連通する第
1接続口と、前記貯留部における前記第1接続口の上方
の位置に設けられ、前記ポンプの吐出口と連通する第2
接続口とを具え、前記貯留部の前記第1接続口から前記
液体往通路さらに前記水管を介して前記液体復通路へ液
体を還流させ、該還流された液体を前記ポンプの吸込口
から吸込み、該吸い込まれた液体を前記ポンプの吐出口
から前記第2接続口へ吐出させ前記貯留部内へ循環させ
ることによって、記録装置を構成することができる。
【0026】前記貯留部内に貯留される液体の液面を、
前記第2接続口よりも上位に位置するようにして構成し
てもよい。前記貯留部に貯留されている液体の温度を制
御する温度制御手段を設けてもよい。記録ヘッドは、イ
ンクを吐出させるための熱エネルギーを発生させる素子
を有するインクジェットヘッドによって構成することが
できる。前記記録媒体を布帛とし、該布帛に対して捺染
を行うようにしてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。
【0028】本発明の第1の実施の形態を図1〜図3に
基づいて説明する。本例では、記録装置として、インク
ジェット捺染装置を例に挙げる。
【0029】まず、本装置の全体構成の概略を図面に基
づいて説明する。図1および図2において、本インクジ
ェット捺染装置は、記録媒体Aに画像等をプリントする
プリンタ部100と、記録媒体Aを所定量(プリント長
L)だけ間欠的に搬送する搬送部200と、ロール状の
連続する記録媒体Aを繰り出すための繰り出し部300
と、プリント後の記録媒体Aを巻き取りができる状態ま
で乾燥する乾燥部400と、乾燥後の記録媒体Aを巻き
取るための巻き取り部500とから構成される。
【0030】記録媒体Aは、繰り出しローラ310の回
転に伴なって巻き出され、中間ローラ320および33
0を介してプリンタ部100に対向する位置に設けられ
た搬送部200により水平方向に搬送される。
【0031】搬送部200は、記録媒体Aの搬送経路上
にあって、プリンタ部100よりも上流側に設けた搬送
ローラ210と、プリンタ部100よりも下流側に設け
たベルト駆動ローラ220とを有している。これらロー
ラ210,220間にエンドレス状の搬送ベルト230
を巻き回すと共に、一対のプラテンローラ240によ
り、記録媒体Aの記録面となる範囲において搬送ベルト
230を平坦に規制し、適正な張力で展張する。搬送ベ
ルト230の外周面には、粘着層が設けられており、記
録媒体Aを貼り付けて搬送し、プリンタ部100に対向
する位置まで導き、プリンタ部100によってプリント
が行われる。その後、送りローラ520により、記録媒
体Aは搬送ベルト230によって剥がされ、ヒータなど
により構成された乾燥部400で乾燥され、中間ローラ
530,540を介して巻き取りローラ510によって
巻き取られる。
【0032】プリンタ部100には、図2に示すよう
に、記録媒体Aの搬送方向に直交した主走査方向P1,
P2に、一対の平行な走査レール101,102が設け
られている。この走査レール101,102上には、ボ
ールベアリング1110を介して、記録ヘッド1000
を搭載したヘッドキャリッジ1100が摺動可能に支持
されている。なお、ヘッドキャリッジ1100は、不図
示の駆動ベルトを介してプリンタ部100のフレームに
固定された不図示の駆動モータにより駆動される。
【0033】ヘッドキャリッジ1100は、走査レール
101,102上を、図中矢印P1およびP2方向に往
復動し、記録ヘッド1000により、連続する記録媒体
Aに対し、(位置走査のプリント)=(所定のプリント
長L)×(記録媒体Aの幅W)の範囲で繰り返してプリ
ント動作を行う。画像データに対し、搬送部200の上
流側の記録ヘッド1000と下流側の記録ヘッド100
0に50%ずつデータを振り分けてプリントし、全体の
画像データをプリントする。すなわち、上流側の記録ヘ
ッド1000で50%の画像データをプリントし、記録
媒体Aが間欠送りされることによって、下流側の記録ヘ
ッド1000により残りの50%の画像データをプリン
トし、上流側および下流側の記録ヘッド1000それぞ
れのプリント画像を重ね合わせている。
【0034】図3は、記録ヘッド1000およびこれに
取り付けられた水管1040の内部構造を示す。記録ヘ
ッド1000は、微細なインクの吐出口1001と、イ
ンク路1002と、このインク路1002に供給するイ
ンクを一時的に貯留した液室1003と、インク路10
02の一部に設けられる電気熱変換素子1004と、こ
の電気熱変換素子1004に電力を供給するための電極
配線1005とを備えている。このような熱エネルギー
を利用してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生成に伴
なってインクを吐出させる方式の記録ヘッド1000
は、吐出口1001を高密度に配列することができるた
めに高解像度のプリントを行うことに適している。
【0035】また、このようなプリントヘッド1000
には、インク供給装置2000(図2参照)から色や濃
度の異なるインクを記録ヘッド1000内部の液室10
03に送り込むためのそれぞれのインク供給経路と、良
好なインク吐出状態を得るために記録ヘッド1000を
適正な温度に制御するために冷却用の液体を流通させる
水管1040とが取り付けられている。
【0036】このような構造によって、記録ヘッド10
00のコンパクト化が容易となり、しかも、最近の半導
体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC
技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活用でき、高
密度実装化が容易で、製造コストも安価となる等の利点
を得る。
【0037】インク供給装置2000は、図2に示すよ
うに、使用するインク色ごとに8個のインクタンク21
00a〜2100hを有し、各インクタンクごとの供給
ポンプにより、プリンタ部100内に這い回されたイン
ク給送チューブを介して、それぞれ対応する記録ヘッド
1000に各インクを供給する。このインク供給におい
て、プリント時には毛細管現象により、記録ヘッド10
00からの吐出に応じて、インク供給が行われる。
【0038】なお、各インクは、例えば、同じ色でも、
濃いインクと淡いインクのように実質的に色の異なるも
のは、別のインクとしてそれぞれのインクタンクに貯留
されている。本例では、上述したように、1色のインク
に対し2個の記録ヘッド1000を対応させている。従
って、ヘッドキャリッジ1100には、記録ヘッドが8
色×2個/色=16個搭載されている。すなわち、上流
側の記録ヘッド1000と、それに対応する下流側位置
の記録ヘッド1000には、同じ色のインクを供給する
ことになる。
【0039】回復動作部3000は、図2に示すよう
に、記録ヘッド1000が確実な吐出安定性を得るため
の回復動作等を行うものである。この回復動作部300
0は、インクの粘度増加を防止するために記録ヘッド1
000の吐出口面を覆うキャッピング部3100と、記
録ヘッド1000の吐出口表面に付着するインク滴等を
払拭するための不図示のワイピング部と、記録ヘッド1
000内に発生する増粘インクを除去するためのインク
吐出を受けるための不図示の予備吐出部と、洗浄液を供
給する不図示の洗浄液タンク部と、その廃液を吸引およ
び吐出する不図示のポンプ部と、該ポンプ部より吐出さ
れた廃液を受容し排出する不図示の排出部とを具える。
【0040】冷却液循環装置4000は、図1に示すよ
うに、冷却液貯留タンク4100内の冷却液Wを所望の
温度に制御して、冷却液給送ポンプ4200により記録
ヘッド1000に取り付けられた水管1040に給送
し、再度冷却液貯留タンク4100に乾留する装置であ
る。本例では、室温25℃、冷却液Wの設定温度Tを2
5±0.5℃とする。
【0041】冷却液貯留タンク4100内には、不図示
の冷却器と、ヒータと、温度センサとが設けられてい
る。冷却器は、冷却液貯留タンク4100外に設けられ
た不図示の圧縮機、凝縮器、キャピラリチューブを介し
てHFC−134aなどの冷媒が循環されるように構成
されている。また、冷却液貯留タンク4100には、水
もしくは専用の冷却液Wが、一定量貯留されている。さ
らに、冷却液貯留タンク4100内には、温度制御手段
としての液面下限センサ4120が設けられている。こ
の液面下限センサ4120は、自然蒸発などにより、冷
却液Wの容積が減り、液面高さが所定位置よりも低下す
れば、CPUに液面の低下を報知する。
【0042】冷却液貯留タンク4100の底面には、タ
ンク出口側接続口4112が設けられている。このタン
ク出口側接続口4112は、スプリングホースなどの負
圧でもつぶれない往路メインチューブ1051を介し
て、往路マニフォルド1056と連結されている。この
往路マニフォルド1056には、16本の往路サブチュ
ーブ1052が連結され、それぞれ記録ヘッド1000
の水管1040の入口側1040aに連結されている。
また、16個の水管1040の出口側1040bにはそ
れぞれ復路サブチューブ1062が連結されている。
【0043】一般に、記録ヘッド1000は、消耗部材
であるため、交換作業が必要である。このため、水管1
040と往路サブチューブ1052および復路サブチュ
ーブ1062とは、不図示のコネクタなどを介して、接
続および解除が可能となっており、記録ヘッド1000
を交換するときなどに、接続または解除を行う。
【0044】復路サブチューブ1062のもう一方の口
は、復路マニフォルド1066に連結されており、さら
に、復路マニフォルド1066は、渦流ポンプなどの脈
動のない冷却液給送ポンプ4200の吸込口4200a
と連結されている。冷却液給送ポンプ4200の吐出口
4200bは、冷却液貯留タンク4100の側面に設け
られたタンク入口側接続口4111に接続されている。
また、冷却液貯留タンク4100の底面にはタンクバイ
パス接続口4113が設けられており、バイパスチュー
ブ1070により冷却液給送ポンプ4200のバイパス
用吸込口4200cと連通している。
【0045】次に、本装置の記録ヘッド1000におけ
る温度制御の基本的な処理について説明する。冷却動作
開始を指示する信号を装置本体内のCPUが受信する
と、液面下限センサ4120は冷却液Wの温度をCPU
に報知する。冷却液Wの温度が設定温度の下限24.5
℃より低ければ、ヒータ駆動回路はヒータを駆動し、冷
却液Wの温度が設定温度の下限24.5℃になった段階
で、ヒータの駆動は停止される。また、冷却液Wの温度
が設定温度の下限24.5℃より高ければ、ヒータ駆動
回路はヒータを駆動しない。
【0046】冷却液Wの温度が設定温度の下限24.5
℃よりも高ければ、液面下限センサ4120がCPUに
報知し、圧縮機および空冷用ファンが動作する。気化し
たHFC−134aは圧縮機により高温高圧にされ、冷
媒経路内を給送される。高温高圧にされた気化したHF
C−134aは、沸点が高く、液化しやくなっており、
凝縮器で不図示の強制空冷用ファンにより空冷され、液
化する。液化したHFC−134aはキャピラリチュー
ブで減圧され、冷却器に給送される。冷却器に給送され
た液化したHFC−134aは低圧であるため、沸点が
低く、気化しやすくなっており、冷却器に接している冷
却液Wより熱を奪い、再び気化し、圧縮機に乾留され
る。このような冷媒の循環により、熱を奪われた冷却液
Wは、その温度が低下する。
【0047】冷却液Wの温度が設定温度の上限25.5
℃よりも低ければ、液面下限センサ4120がCPUに
報知し、圧縮機および強制空冷用ファンは停止し、圧縮
機は冷媒の給送を停止し、強制空冷用ファンは凝縮器内
の冷媒の温度を低下させない。そのため、冷却器内の冷
媒は気化したままであり、冷却器に接している冷却液W
より熱を奪えないため、冷却液Wの温度は低下しない。
冷却動作中は、このような温度制御を繰り返す。
【0048】また、CPUが冷却液給送ポンプ4200
の運転開始を指示する信号を送信すると、冷却液給送ポ
ンプ4200は、運転を始め、冷却液貯留タンク410
0内に貯留された設定温度Tの冷却液Wを吸い込み始め
る。冷却液貯留タンク4100内に貯留された冷却液W
は、往路メインチューブ1051、往路マニフォルド1
056、往路サブチューブ1052を介して、記録ヘッ
ド1000の水管1040に給送され、記録ヘッド10
00の温度制御が行われる。前述したように、設定温度
Tは、25℃であり、室温も25℃であるため、冷却液
Wは、往路メインチューブ1051、往路マニフォルド
1056、往路サブチューブ1052を通過していると
きに、熱の移動がなく、設定温度Tの冷却液Wを水管1
040に給送できる。
【0049】このように冷却液Wの設定温度Tと室温を
ほぼ同じにすることにより、記録ヘッド1000にほぼ
設定温度の冷却液Wを給送できるため、記録ヘッド10
00を精度良く温度制御できる。なお、設定温度Tと室
温との差が、大きくなればなるほど、冷却液Wと室内と
の間で移動する熱が多くなり、設定温度Tと異なる温度
の冷却液Wが、水管1040に給送され、水管1040
を所望の温度で制御できない。環境温度の温度制御の精
度と設定温度の温度制御の制御を考慮すれば、環境温度
と設定温度との差を5℃以内に制御することは、さほど
困難なことではなく、十分実用的である。
【0050】また、冷却液給送ポンプ4200は、脈動
のない渦流ポンプなどのポンプを用いているため、水管
1040を通過する冷却液Wは、常に流量が一定であ
り、また、前述のように、冷却液Wは、設定温度Tで温
度制御されているため、記録ヘッド1000を冷却する
冷却能力は一定となり、記録ヘッド1000を精度良く
温度制御できる。
【0051】水管1040に給送された冷却液Wは、記
録ヘッド1000の熱を奪い、温度T+δTh となり、
復路サブチューブ1062、復路マニフォルド1066
を介して、冷却液給送ポンプ4200の吸込口4200
aに入る。冷却液給送ポンプ4200内に入った温度T
+δTh の冷却液Wは、冷却液給送ポンプ4200の発
熱により、さらに昇温し、温度T+δth +δtp とな
り、冷却液給送ポンプ4200の吐出口4200bよ
り、冷却液貯留タンク4100の側面に設けられたタン
ク入口側接続口4111を介して冷却液貯留タンク41
00内に吐出される。そして、前述のような温度制御に
より、設定温度Tに温度制御され、再び、冷却液給送ポ
ンプ4200によって吸い込まれるという動作を繰り返
す。このように記録ヘッド1000の温度制御処理がな
される。
【0052】次に、タンク入口側接続口4111を、タ
ンク出口側接続口4112よりも高い位置に配置した理
由について説明する。仮に、タンク入口側接続口411
1とタンク出口側接続口4112とが接近していれば、
タンク入口側接続口4111より吐出された冷却液W
が、再び、タンク出口側冷却液Wの設定温度は前述した
ような理由により、25℃前後に設定されている。この
程度の温度であれば、一般的に、温度が高いほど、冷却
液Wの密度は小さくなるため、温度の高い冷却液Wほ
ど、上昇しやすくなっている。このため、タンク出口側
接続口4112が、タンク入口側接続口4111よりも
高い位置にある場合は、冷却液貯留タンク4100内に
貯留された冷却液W中を上昇した冷却液Wをタンク出口
側接続口4112より吸い込む恐れがある。
【0053】タンク入口側接続口4111より吐出され
た冷却液Wが、再びタンク出口側接続口4112より吸
い込まれるか否かは、タンク入口側接続口4111とタ
ンク出口側接続口4112との位置関係、冷却液給送ポ
ンプ4200の吸い込みおよび吐出の能力などにより決
まるが、タンク入口側接続口4111とタンク出口側接
続口4112との間に貯留されている冷却液Wの容積を
冷却液給送ポンプ4200の1分間あたりに吐出する冷
却液Wの容積の0.5〜1倍以上に設定することが実験
結果より望まれている。また、実際の設計においては、
タンク入口側接続口4111をタンク出口側接続口41
12よりも高い位置に配し、タンク入口側接続口411
1とタンク出口側接続口4112を設計可能な範囲で極
力離した方が、循環経路への空気の混入をより確実に防
止できる。
【0054】従って、タンク入口側接続口4111をタ
ンク出口側接続口4112よりも高い位置に配すること
によって、冷却液Wが再度タンク出口側接続側4112
に吸い込まれなくなると共に、循環経路内への空気の混
入を防止できる。これにより、設定温度に温度制御され
ていない冷却液Wが混入したままプリント動作を行い、
所望の冷却能力が得られず、プリント画像において所望
の温度が得られなくなるという現象をなくすことができ
る。
【0055】次に、タンク入口側接続口4111を、冷
却液貯留タンク4100の側面に設けた理由について説
明する。
【0056】仮に、タンク入口側接続口4111が、冷
却液貯留タンク4100の上面側に設けられていれば、
冷却液給送ポンプ4200から吐出される速度成分に、
自然落下による速度成分が加わった速度により、冷却液
Wが、液面に吐出され、液面を乱す。ホースなどによ
り、冷却液貯留タンク4100内に貯留されている冷却
液W内まで、冷却液Wを導いたとしても、液面の乱れを
防止することはできるが、冷却液給送ポンプ4200か
ら吐出される速度成分に、自然落下による速度成分が加
わった速度により、冷却液Wが、液中に吐出され、タン
ク入口側接続口4111から吐出される空気および冷却
液Wをタンク出口側接続口4112より吸い込む恐れが
高くなる。
【0057】また、タンク入口側接続口4111が、冷
却液貯留タンク4100の底面側に設けられているとす
ると、タンク出口側接続口4112に近づくため、タン
ク入口側接続口4111から吐出される空気および冷却
液Wをタンク出口側接続口4112より吸い込む恐れが
高くなる。
【0058】そこで、タンク入口側接続口4111を冷
却液貯留タンク4100の側面に設けることにより、タ
ンク入口側接続口4111から吐出される空気および冷
却液Wをタンク出口側接続口4112より吸い込む可能
性を一段と低減することができる。
【0059】次に、冷却液貯留タンク4100内に液面
下限センサ4120を設けた理由について説明する。自
然蒸発などにより、冷却液Wの容積が減れば、冷却液貯
留タンク4200内に貯留された冷却液Wを設定温度T
に温度制御する前に、水管1040に給送する恐れがあ
る。さらに、冷却液Wの容積が減ることにより、往路メ
インチューブ1051、往路マニフォルド1056、往
路サブチューブ1052、水管1040、復路サブチュ
ーブ1062内に冷却液Wを完全に充填できなくなる。
【0060】そこで、液面下限センサ4120を設け、
液面の低下を報知することにより、循環経路内に冷却液
Wを常に充填しておくことができる。これにより、冷却
液Wに空気が混入したままプリント動作を行い、所望の
冷却能力を得られず、プリント画像において所望の濃度
が得られなくなるという自体や空気の混入量が比較的多
く、記録ヘッド1000の温度上昇が大きくなり、電気
熱変換素子1004の破壊や、インクの焦げによるイン
ク路1002内の目詰まりなどによってプリント不能と
いう事態を避けることができる。
【0061】次に、液面高さをタンク入口側接続口41
11よりも高い位置に設定した理由について説明する。
タンク入口側接続口4111が、液面高さよりも高けれ
ば、タンク入口側接続口4111から、吐出された冷却
液Wは、液面に向けて落下し、液面を乱す。この乱れが
大きければ、冷却液貯留タンク4100内に貯留された
冷却液W中に気泡が発生する。この気泡は、その発生場
所にもよるが、タンク出口側接続口4112より、吸い
込まれ、循環経路中に空気が混入されることもある。ま
た、液面下限センサ4120が反応して、液面が所定値
よりも低下したというように、CPUに報知するという
誤動作を引き起こす恐れもある。
【0062】そこで、液面高さをタンク入口側接続口4
111よりも高い位置に設定しておくことにより、液面
を乱すことを防止でき、これにより、冷却液貯留タンク
4100内に貯留された冷却液W中に気泡が発生するの
を防止し、ひいては循環経路内に混入される空気の比率
を低減することができる。
【0063】前述のような記録ヘッド10000の温度
制御動作を行うためには、循環経路内に予め冷却液Wを
充填し、その循環経路内から空気を除去する必要があ
る。以下に冷却液Wの充填動作について説明する。
【0064】作業者の指示、または、ホストからの指示
により、CPUが冷却液給送ポンプ4200の運転開始
を指示する信号を送信すると、冷却液給送ポンプ420
0は、運転を始め、冷却液貯留タンク4100内に貯留
された冷却液Wは、往路メインチューブ1051、往路
マニフォルド1056、往路サブチューブ1052、記
録ヘッド10000の水管1040、復路サブチューブ
1062、復路マニフォルド1066を介して、冷却液
給送ポンプ4200の吸込口4200aからも入るが、
初期においては、空気の比率が多い。
【0065】しかしながら、バイパスチューブ1070
から、冷却液貯留タンク4100内に貯留された冷却液
Wを吸い込んでいるため、ポンプ室内は、バイパスチュ
ーブ1070により冷却液貯留タンク4100と冷却液
給送ポンプ4200とを連結させない構成に比較して、
冷却液Wの比率が多くなり、ポンプ能力を低下させな
い。バイパスチューブ1070を流れる冷却Wの流量が
多いほど、ポンプ室内の空気の比率が減るため、ポンプ
能力は向上するが、それに反して、水管1040に給送
する流量が少なくなるため、冷却液Wの充填時間の短縮
と水管1040を流れる流量の確保とを両立できるよう
にバイパスチューブ1070や他のチューブの内径や長
さを設定する必要がある。
【0066】このように冷却液Wが冷却液給送ポンプ4
200の吐出口4200bより吐出され、冷却液貯留タ
ンク4100の側面に設けられたタンク入口側接続口4
111より吐出されるという動作を所定時間継続するこ
とによって、前述の循環経路内に充填されるが、冷却液
給送ポンプ4200の運転開始直後においては、タンク
入口側接続口4111からは、空気が吐出される。
【0067】また、冷却液貯留タンク4100内に貯留
されている冷却液Wの液面高さをタンク入口側接続口4
111よりも高い位置まで貯留しておくことによって、
タンク入口側接続口4111より吐出された空気は、冷
却液貯留タンク4100内に貯留された冷却液W中に吐
出され、気泡となる。気泡は、一般的に、冷却液Wより
も軽いため、冷却液W中を上昇し、液面より大気に放出
され、前述の循環経路内より除去される。循環経路中の
空気の比率は、冷却液給送ポンプ4200運転時間経過
とともに減っていき、所定時間後に、循環経路中から、
完全に除去される。この時間は、往路メインチューブ1
051、往路マニフォルド1056、往路サブチューブ
1052、復路サブチューブ1062、復路マニフォル
ド1066の内径および長さ、水管1040の形状、冷
却液給送ポンプ4200の能力などにより異なるが、同
じ装置であれば、ほぼ一定である。従って、この所定時
間は、実験に基づいて得られた時間に、ある程度余裕を
持たせて設定するとよい。前述した実験結果より、タン
ク入口側接続口4111とタンク出口側接続口4112
との間に貯留されている冷却液Wの容積を冷却液給送ポ
ンプ4200の1分間あたりに吐出する冷却液Wの容積
の0.5〜1倍以上に設定することが、望ましい。そし
て、所定時間経過後に、CPUは、ホスト、または、作
業者に(この場合には、例えば、アラームなどを介し
て)、冷却水Wが循環経路内に充填されたことを報知す
る。
【0068】仮に、タンク入口側接続口4111とタン
ク出口側接続口4112とが近接していれば、タンク入
口側接続口4111より吐出された空気が、再び、タン
ク出口側接続口4112より吸い込まれ、前述の循環経
路内に混入する恐れがある。また、タンク出口側接続口
4112が、タンク入口側接続口4111よりも高い位
置にある場合は、冷却液貯留タンク4100内に貯留さ
れた冷却液W中を上昇した気泡をタンク出口側接続口4
112より吸い込む恐れがある。
【0069】仮に、冷却液Wに空気が混入したまま、プ
リント動作を行えば、所望の冷却能力を得られず、プリ
ント画像において所望の濃度を得られなくなる。さらに
は、空気の混入量が比較的多い場合、プリントヘッド1
000の温度上昇が大きくなり、電気熱変換素子100
4の破壊、インクの焦げによるインク路1002内の目
詰まりなどにより、プリント不能という事態をも引き起
こす。
【0070】また、往路メインチューブ1051、往路
マニフォルド1056、往路サブチューブ1052、水
管1040、復路サブチューブ1062に流れている冷
却液Wの圧力は負圧であるため、これら冷却液循環経路
のいずれか、あるいは、その接続部などに、経年変化に
よる材料の劣化や不測の事態により、大気とのリークが
発生しても、冷却液Wの漏れは発生せず、直下にある記
録媒体Aへの冷却液Wの付着によるプリント画像の汚染
を防止できる。
【0071】また、水管1040、往路マニフォルド1
056、往路メインチューブ1051の大部分、復路サ
ブチューブ1062の大部分は、冷却液貯留タンク41
00よりも高い位置にある。従って、冷却液貯留タンク
4100内に冷却液Wが貯留されていても、復路メイン
チューブ1051、復路マニフォルド1056、復路サ
ブチューブ1052、水管1040、復路サブチューブ
1062に冷却液Wが充填されていない状態がある。例
えば、初期状態において、冷却液給送ポンプ4200を
運転していない状態などである。また、前述の循環経路
のいずれか、あるいは、その接続部などに、大気とのリ
ークが発生した場合や、ヘッド交換の際に水管1040
と往路サブチューブ1052および復路サブチューブ1
062との接続を解除した場合などにおいても、水頭差
による負圧の発生により、前述の循環経路内の冷却液W
は、冷却液貯留タンク4200内の冷却液Wの液面高さ
とほぼ釣り合う位置まで回収される。このような状態で
は、前述の循環経路内に空気が存在している。
【0072】しかしながら、本例では、循環経路内の空
気を除去する手段(バイパスチューブ1070)を設け
たことにより、バイパスチューブ1070のバイパス用
吸込口4200cからも吸入するため、空気の割合を低
下させることができる。また、タンク入口側接続口41
11をタンク出口側接続口4112よりも高い位置に配
することにより、特別な部材を設けることなく、循環経
路内の空気を除去できるため、部品点数の削減、装置の
小型化に寄与できる。
【0073】また、循環経路内への冷却液Wの充填が終
了すると、冷却液貯留タンク4100内に貯留されてい
る冷却液Wの液面高さは、充填前よりも低下するが、こ
のときの液面高さをタンク入口側接続口4111よりも
高い位置に設定しておくことにより、タンク入口側接続
口4111より吐出された冷却液Wは、冷却液貯留タン
ク4100内に貯留された冷却液W中に吐出され、冷却
液Wの液面を乱すことがない。
【0074】次に、本例の実験例について説明する。こ
こでは、バイパスチューブ1070により、冷却液貯留
タンク4100と冷却液給送ポンプ4200をバイパス
したときと、しないときとでの充填時間の比較例につい
て述べる。
【0075】
【表1】
【0076】この表1からわかるように、バイパスチュ
ーブ1070を設けなければ、充填時間が6minと長
くなり、記録ヘッド1000の交換作業時に必要な時間
が長くなるのに対して、バイパスチューブ1070を設
けたことによって、充填時間が1.5minと短くな
り、これにより交換作業時間を短くすることができ、ひ
いてはプリント物の生産性を向上させることができる。
【0077】また、仮に、バイパスチューブ1070を
設けない構成で、充填時間1.5minを達成するに
は、さらに能力の大きいポンプを使用しなければなら
ず、装置の大型化、コストアップ、消費電力の増加とい
う問題を引き起こすことになるが、本例ではこのような
問題も解消することができる。
【0078】次に、本発明の第2の実施の形態を図4に
基づいて説明する。本例において、バイパスチューブ1
070の経路中に、電磁弁1080が設けられている。
【0079】そして、循環経路内に冷却液Wを充填する
ときは、電磁弁1080を開け、冷却液貯留タンク41
00と冷却液給送ポンプ4200とを直結することで、
充填時間を短縮し、充填動作完了後には、電磁弁108
0を閉じて、水管1040に供給する流量を低下させな
いという効果を有する。また、電磁弁1080の替わり
に、電動バルブを用いて、バイパスチューブ1070の
流量を制御してもよい。
【0080】このように電磁弁1080を設けたことに
より、冷却液Wの循環時、および、充填時において、同
一ポンプの能力の切り替えを効果的に行うことができ
る。
【0081】また、プリントヘッド1000の温度制御
を行うために必要な流量を得るためには、循環経路の流
量をバルブ等により低減させる必要がある。一般的に、
能力の大きいポンプを用いて、バルブ等により、流量を
絞って、必要な流量を得る場合の方が、ポンプの発熱量
は大きくなる。従って、能力の大きなポンプを用いた場
合には、ポンプの発熱量増加に伴う冷却能力の増加の必
要に伴う冷却手段の大型化、コストアップなどの様々な
問題を引き起こすが、上述したように、同一ポンプの能
力の切り替えを効果的に行うことができるため、冷却手
段を大型化、コストアップなどの問題も解消することが
できる。
【0082】上述したように、循環経路内への液体の充
填動作を短時間で完了させ、循環経路内より空気を除去
し、液体通路に空気が混入していない液体を給送するこ
とにより、インクジェットヘッドの温度制御を高精度で
行い、高品位なプリントを行うことができる。
【0083】また、本インクジェットプリント装置で製
造されたインクジェットプリント物を、さらに加工して
加工品を作成してもよい。この場合、加工品は、前記イ
ンクジェットプリント物を所望の大きさに切り離し、切
り離された片に対して最終的な加工品を得るための工程
を施して得ることができる。最終的な加工品を得るため
の工程は縫製によって行うことができる。加工品として
は衣類を用いることができる。
【0084】次に、インクジェット捺染記録の工程全体
を説明する。上述のインクジェット記録装置を用いて、
インクジェット印捺工程を経た後、布帛を乾燥(自然乾
燥を含む)させる。そして、引き続き布帛繊維上の染料
を拡散させ、かつ繊維への染料を反応定着させる工程を
施す。この工程により、充分な発色性と染料の固着によ
る堅牢性を得ることができる。
【0085】この拡散、反応定着工程は従来公知の方法
でよく、例えば、スチーミング法が挙げられる。なお、
この場合、印捺工程の前に、予め布帛にアルカリ処理を
施してもよい。
【0086】その後、後処理工程において、未反応の染
料の除去および前処理に用いた物質の除去が行われる。
最後に、欠陥補正、アイロン仕上げ等の整理仕上げ工程
を経て記録が完成する。
【0087】特に、インクジェット捺染用布帛として
は、(1)インクを十分な濃度に発色させ得ること、
(2)インクの染着率が高いこと、(3)インクが布帛
上で速やかに乾燥すること、(4)布帛上での不規則な
インクの滲みの発生が少ないこと、(5)装置内での搬
送性に優れていること、等の性能が要求される。これら
の要求性能を満足させるために、本発明において、必要
に応じて布帛に対し、あらかじめ前処理を施しておくこ
とができる。例えば、特開昭62−53492号公報に
おいてはインク受容層を有する布帛類が開示され、ま
た、特公平3−46589号公報においては還元防止剤
やアルカリ性物質を含有させた布帛の提案がなされてい
る。このような前処理の例としては、布帛に、アルカリ
性物質、水溶性高分子、合成高分子、水溶性金属塩、尿
素およびチオ尿素から選ばれる物質を含有させる処理を
挙げることができる。
【0088】アルカリ性物質としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、
モノ,ジ,トリエタノールアミン等のアミン類、炭酸ナ
トリウム,炭酸カリウム,重炭酸ナトリウム等の炭酸も
しくは重炭酸アルカリ金属塩等が挙げられる。さらに酢
酸カルシウム、酢酸バリウム等の有機酸金属塩やアンモ
ニアおよびアンモニア化合物等がある。また、スチーミ
ングおよび乾熱下でアルカリ物質となるトリクロロ酢酸
ナトリウム等も用い得る。特に好ましいアルカリ性物質
としては、反応性染料の染色に用いられる炭酸ナトリウ
ムおよび重炭酸ナトリウムがある。
【0089】水溶性高分子としては、トウモロコシ,小
麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセルロース,メ
チルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース等のセル
ロース系物質、アルギン酸ナトリウム,アラビアゴム,
ローカスイトビーンガム,トラガントガム,グアガム,
タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン,カゼイン等の蛋
白質物質、タンニン系物質,リグニン系物質等の天然水
溶性高分子が挙げられる。
【0090】また、合成高分子としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール系化合物,ポリエチレンオキサイド系
化合物,アクリル酸系水溶性高分子,無水マレイン酸系
水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも多糖類系
高分子やセルロース系高分子が好ましい。
【0091】水溶性金属塩としては、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典型
的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10であ
る化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例とし
ては、例えば、アルカリ金属では、NaCl,Na2
4 ,KClおよびCH3 COONa等が挙げられ、ま
た、アルカリ土類金属としては、CaCl2 およびMg
Cl2 等が挙げられる。中でもNa,KおよびCaの塩
類が好ましい。
【0092】前処理において上記物質等を布帛に含有さ
せる方法は、特に制限されないが、通常行われる浸漬
法、パッド法、コーティング法、スプレー法などを挙げ
ることができる。
【0093】さらに、インクジェット捺染用布帛に付与
される捺染インクは、布帛上に付与した状態では単に付
着しているに過ぎないので、引き続き繊維への染料等イ
ンク中の色素の定着工程を施すのが好ましい。このよう
な定着工程は、従来公知の方法でよく、例えば、スチー
ミング法、HTスチーミング法、サーモフィックス法、
あらかじめアルカリ処理した布帛を用いない場合は、ア
ルカリパッドスチーム法、アルカリブロッチスチーム
法、アルカリショック法、アルカリコールドフィックス
法等が挙げられる。また、定着工程は、染料によって反
応過程を含むものと含まないものとがあり、後者の例と
しては繊維に含浸させて物理的に離脱しないようなもの
がある。また、インクとしては所要の色素を有するもの
であれば適宜のものを用いることができ、染料に限られ
ず顔料を含むものでもよい。
【0094】さらに未反応の染料の除去および前処理に
用いた物質の除去は、上記反応定着工程の後に従来公知
の方法に準じ、洗浄により行うことができる。なお、こ
の洗浄の際に従来のフィックス処理を併用することが好
ましい。
【0095】以上述べた後処理工程が施されたプリント
物は、その後所望の大きさに切り離され、切り離された
片は、縫着,接着,溶着等、最終的な加工品を得るため
の工程が施され、ワンピース,ドレス,ネクタイ,水着
等の衣類や布団カバー,ソファカバー,ハンカチ,カー
テン等が得られる。布帛を縫製等により加工して衣類や
その他の日用品とする方法は、従来より公知の技術であ
る。
【0096】なお、プリント用媒体としては、布帛,壁
布,刺しゅうに用いられる糸、壁紙、紙、OHP用フィ
ルム、アルマイト等の板状物その他インクジェット技術
を用いて所定の液体を付与可能な種々のものが挙げら
れ、布帛とは、素材,織り方,編み方を問わず、あらゆ
る織物,不織布およびその他の布地を含む。
【0097】本発明は、上述したインクジェットプリン
ト方式に限らず種々のプリント方式を採用できるが、イ
ンクジェットプリント方式を採用する場合には、その中
でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギ
として熱エネルギを発生する手段を備え、前記熱エネル
ギによりインクの状態変化を生起させる方式、すなわち
キヤノン株式会社が提唱するバブルジェット方式のプリ
ントヘッド、プリント装置を用いることで優れた効果を
もたらすものである。かかる方式によればプリントの高
密度化,高精細化が達成できるからである。
【0098】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発
生せしめ、プリントヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状
の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書,同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れたプリント
を行うことができる。
【0099】プリントヘッドの構成としては、上述の各
明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変
換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基いた構成と
しても本発明の効果は有効である。すなわち、プリント
ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によ
ればプリントを確実に効率よく行うことができるように
なるからである。
【0100】加えて、プリントヘッドは、プリント装置
の形態に対応して構成できるのは勿論であり、所謂ライ
ンプリンタ形態のものに対してはプリント媒体の幅に対
応した範囲にわたって吐出口を配列したものとすればよ
い。また、上例のようなシリアルタイプのプリントヘッ
ドとしては、装置本体に固定されたプリントヘッド、あ
るいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的
な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換
自在のチップタイプのプリントヘッド、あるいはプリン
トヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカー
トリッジタイプのプリントヘッドを用いた場合にも本発
明は有効である。
【0101】また、本発明のプリント装置の構成とし
て、プリントヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段
等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
プリントヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれと
は別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を
行う予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行なう予備
吐出手段を挙げることができる。
【0102】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用プ
リント信号付与時にインクが液状をなすものを用いても
よい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形
状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せ
しめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸
発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化
するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギ
のプリント信号に応じた付与によってインクが液化し、
液状インクが吐出されるものや、プリント用媒体に到達
する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エ
ネルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使
用する場合も本発明は適用可能である。このような場合
のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特
開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔
質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。本発明においては、上述した各インク
に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行
するものである。
【0103】さらに加えて、本発明の形態としては、コ
ンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用い
られるものの他、リーダ等と組合せた複写装置の形態を
採るもの等であってもよい。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
貯留部から液体往通路、水管、液体復通路の循環経路へ
還流される液体を吸い込む他に、貯留部内の液体を直接
第4連結路を介して吸い込み、それら2方向から吸い込
んだ液体を吐出口から貯留部内へ導くようにしたので、
液体中の空気の混入量を減らし、液体の充填時間を短縮
できると共に、記録ヘッドの交換作業に要する時間を短
縮でき、これにより、記録作業の効率化を図り、生産性
を向上させることができる。
【0105】また、貯留部内において、ポンプの吸込口
と連通する第1接続口よりも高い位置に、ポンプの吐出
口と連通する第2接続口を設けたので、第2接続口から
吐出した液体中に含まれる空気が再度第1接続口に取り
込まれる割合を低減させることができるので、上述した
効果と同様に、液体の充填時間を短縮させ、生産性を向
上させることができる。
【0106】また、能力の大きいポンプを用いなくて
も、循環経路内の液体の充填時間を短縮することができ
るので、小型で、低コストな記録装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインクジェッ
ト捺染装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】インクジェット捺染装置の斜視図である。
【図3】インクジェット捺染装置で用いられる記録ヘッ
ドの内部構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るインクジェッ
ト捺染装置の概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1000 記録ヘッド 1040 水管 1051,1052 液体往通路 1062 液体復通路 1070 第4連結路 4111 第2接続口 4112 第1接続口 4200 ポンプ 4200a 吸込口 4200b 吐出口 4200c バイパス吸込口

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対してインクを吐出する記録
    ヘッドと、 前記記録ヘッドに接して設けられ、冷却用の液体が流れ
    る水管と、 前記水管に前記液体を供給する液体往通路と、 前記液体往通路に供給する前記液体を貯留する貯留部
    と、 前記水管を通過した前記液体を還流させる液体復通路
    と、 前記貯留部の下方に設けられ、液体を吸い込む吸込口と
    当該吸い込まれた液体を前記貯留部に向けて吐出する吐
    出口とを有するポンプと、 前記貯留部と前記液体供給路とを連結する第1連結路
    と、 前記液体復通路と前記ポンプの吸込口とを連結する第2
    連結路と、 前記ポンプの吐出口と前記貯留部とを連結する第3連結
    路と、 前記貯留部と前記ポンプのバイパス用吸込口とを連結す
    る第4連結路とを具え、 前記貯留部から前記液体往通路さらに前記水管を介して
    前記液体復通路へ還流される液体と、前記貯留部から前
    記第4連結路を介して吸い込まれる液体とを前記ポンプ
    の吸込口およびバイパス用吸込口からそれぞれ吸込み、
    該吸い込まれた液体を前記ポンプの吐出口から吐出して
    前記貯留部内へ導くことにより循環を行うことを特徴と
    する記録装置。
  2. 【請求項2】 前記第3連結路の前記貯留部との接続口
    を、前記第1連結路の前記貯留部との接続口よりも上方
    の位置に設けたことを特徴とする請求項1記載の記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第4連結路中に設けられ、前記貯留
    部内の液体を前記ポンプの吸込口に送る流量を調節する
    流量可変手段と、 前記液体往通路および前記水管および前記液体復通路お
    よび前記第1連結路および前記第2連結路および前記第
    3連結路および前記第4連結路の各経路に前記液体を充
    填させる充填制御手段と、 前記充填制御手段によって前記液体往通路から前記第4
    連結路までの各経路に充填された前記液体を循環させる
    循環制御手段とを具え、 前記流量可変手段によって、前記充填時における前記第
    4連結路内の流量が、前記循環時における前記第4連結
    路内の流量よりも多くなるように制御することを特徴と
    する請求項1又は2記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記流量可変手段は、電動バルブである
    ことを特徴とする請求項3記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記流量可変手段は、開閉手段であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記開閉手段は、電磁弁であることを特
    徴とする請求項5記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記ポンプは、渦流ポンプであることを
    特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の記録装
    置。
  8. 【請求項8】 記録媒体に対してインクを吐出する記録
    ヘッドと、 前記記録ヘッドに接して設けられ、冷却用の液体が流れ
    る水管と、 前記水管に前記液体を供給する液体往通路と、 前記液体往通路に供給する前記液体を貯留する貯留部
    と、 前記水管を通過した前記液体を還流させる液体復通路
    と、 前記貯留部の下方に設けられ、前記液体復通路に連通す
    る吸込口と当該吸込口より吸い込まれた液体を前記貯留
    部に向けて吐出する吐出口とを有するポンプと、 前記貯留部における前記液体供給路との接続部に設けら
    れ、前記ポンプの吸込口と連通する第1接続口と、 前記貯留部における前記第1接続口の上方の位置に設け
    られ、前記ポンプの吐出口と連通する第2接続口とを具
    え、 前記貯留部の前記第1接続口から前記液体往通路さらに
    前記水管を介して前記液体復通路へ液体を還流させ、該
    還流された液体を前記ポンプの吸込口から吸込み、該吸
    い込まれた液体を前記ポンプの吐出口から前記第2接続
    口へ吐出させ前記貯留部内へ導くことにより循環を行う
    ことを特徴とする記録装置。
  9. 【請求項9】 前記貯留部内に貯留される液体の液面
    は、前記第2接続口よりも上位に位置することを特徴と
    する請求項8記載の記録装置。
  10. 【請求項10】 前記貯留部に貯留されている液体の温
    度を制御する温度制御手段を設けたことを特徴とする請
    求項1ないし9のいずれかに記載の記録装置。
  11. 【請求項11】 記録ヘッドは、インクを吐出させるた
    めの熱エネルギーを発生させる素子を有するインクジェ
    ットヘッドからなることを特徴とする請求項1ないし1
    0のいずれかに記載の記録装置。
  12. 【請求項12】 前記記録媒体は布帛であり、該布帛に
    対して捺染を行うことを特徴とする請求項1ないし11
    のいずれかに記載の記録装置。
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