JP3138371B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出装置

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JP3138371B2
JP3138371B2 JP05225917A JP22591793A JP3138371B2 JP 3138371 B2 JP3138371 B2 JP 3138371B2 JP 05225917 A JP05225917 A JP 05225917A JP 22591793 A JP22591793 A JP 22591793A JP 3138371 B2 JP3138371 B2 JP 3138371B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク等の液体を吐出
する液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置に関し、詳し
くは、紙や布、不織布、OHP用紙等のプリント媒体に
対して、所定のプリントを行うプリント装置に関するも
のである。特に本発明は、長時間、あるいは1m以上の
プリント幅の布に連続してプリントを行うようなプリン
ト装置に有効な発明を提供するものである。具体的な適
用機器は、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの事務
機器や捺染装置などの大量生産機器、さらには、吐出し
た液体を用いて物体を駆動する装置等を挙げることがで
きる。
【0002】
【従来の技術】従来の液体吐出装置としては、液体を吐
出して記録を行うか、または特殊な液体を吐出してこれ
を利用した装置がある。一般に、液体を吐出する吐出部
は、極めて小さいものであるため、液体中に混入されて
いる染料や含量が固着する状態が生じたり、異物が付着
することにより、吐出不良を生じることがあり、吐出液
体を効率よく利用できなくなるという問題、例えば記録
装置では記録不良が生じてしまう。通常は、これらの問
題が発生しないうちに、適当な間隔で、回復手段として
知られる、吸引、加圧等による液体の強制排出か、吐出
部のある吐出領域を清掃するか、吐出部の吐出領域に対
して気体あるいは液状体を吐出することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような回復手段により吐出部に液状体を吐出して吐出部
の増粘インクや固着物を溶解させて除去し、かつ付着物
を液状体と共に洗い流すことは有効ではるが、この方法
は同時に負圧状態となっている吐出ノズル内に洗浄液が
混入し、インク濃度が下がり、印字濃度が低下するとい
う問題も引き起こしやすい。
【0004】また、洗浄液を用いない回復手段では、増
粘インクが吐出ヘッドのノズル近傍に付着し、目詰まり
やインクの不吐出が発生しやすい。
【0005】また、吸引により吐出部から液体を強制排
出させる場合、多数の吐出ノズルを有する吐出ヘッドを
用いると、吸引時に吐出ヘッドに密着するキャップの内
容積が大きくなり、所定の負圧コントロールが困難にな
る。
【0006】また、スポンジを吐出ヘッドに接触させる
だけの方法においては、400dpiのような微細ノズ
ルの吐出ヘッドを用いた場合、かえって異物をノズル内
に押し込んでしまい不吐出が発生することがある。
【0007】さらに、インク吐出時に飛び散ったミスト
がヘッド表面に累積して吐出口を防ぎ、吐出不良または
吐出不能状態(濡れ不吐と称される)が生じることを防
ぐためにブレードによりヘッド表面を払拭することも考
えられるが、工業的に長時間運転を続けた場合、払拭し
たインクが逃げ場を失い累積するとともに増粘し、この
ような増粘インクが付着したブレードにより吐出ヘッド
をこすることになり、かえって不吐出を招くことにな
る。特にカラーの記録装置の場合には、4本のヘッドか
らミストをかき集めることになり、この問題が著しい。
【0008】また、ヘッドおよび払拭手段は互いに摺擦
を繰返すものであるので、それらの寿命を低下させない
工夫を取ることが望まれる。また、払拭処理を効率よく
行うようになし、プリント動作のスループットを向上す
ることも望まれる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、これら課題の
少なくとも1つを解決すべくなされたもので、そのため
に本発明は、液体を吐出するための吐出口を備えた液体
吐出ヘッドを用いて所定の液体を吐出する液体吐出装置
であって、前記液体吐出ヘッドの前記吐出口が形成され
た吐出口面を払拭するための、多孔質体からなる払拭手
段と、前記払拭手段を浄化するための洗浄液を前記払拭
手段に対して供給する浄化手段と、吸引動作により前記
払拭手段から前記洗浄液を含む液体を排出するための吸
引手段と、前記浄化手段により前記払拭手段に前記洗浄
液を付与した後の、前記吸引手段による吸引動作を制御
することにより、前記払拭手段により前記吐出口面を払
拭する払拭条件を変化させる手段とを具えたことを特徴
とする。
【0010】ここで、前記吸引手段による前記吸引動作
の時間を異ならせることにより、前記払拭条件を変化さ
せるようにすることができる。
【0011】また、以上において、加圧により前記液体
吐出ヘッドから前記液体を排出させる加圧手段をさらに
有し、前記液体吐出ヘッドはインクを吐出して画像のプ
リントを行うインクジェット記録ヘッドであって、前記
加圧手段により前記液体の排出を行った後に前記払拭手
段により払拭を行う場合と、前記インクジェット記録ヘ
ッドによるプリント動作の間に前記払拭手段により払拭
を行う場合とで、前記払拭条件を変化させることができ
る。
【0012】さらに、前記液体吐出ヘッドの吐出状態を
良好に保つための回復処理として、前記払拭手段を用い
る処理を行わせる手段と、前記払拭手段を用いるととも
にインク供給系の加圧を行う処理を行わせる手段と、前
記液体吐出ヘッドからインク吐出を行わせる手段とを具
え、これら処理を行う手段の処理条件を画像データに応
じて変化させるようにすることができる。
【0013】加えて、前記液体吐出ヘッドは、前記液体
を吐出するために利用されるエネルギとして熱エネルギ
を発生する素子を有するものとすることができる。
【0014】
【作用】本発明によれば、液体吐出ヘッドを用いて所定
の液体を吐出する液体吐出装置において、前記液体吐出
ヘッドの液体吐出面を払拭するための払拭手段と、前記
払拭手段による前記液体吐出面の払拭条件を変化させる
手段とを設けたことで、ヘッドおよび払拭手段の超寿命
化や生産速度の向上を達成できる。また、払拭手段に洗
浄液を吐出することでその浄化を行う浄化手段を具える
ことで、ヘッドの液体吐出面の清掃効果を高め、長期に
わたり安定した吐出を行うことができる。また、上記払
拭条件を適切に変化させること、すなわち洗浄液付与後
の吸引動作を制御することにより洗浄液含有量が適切に
変化した状態で払拭を行わせることで、多量のインク滴
の付着やインク固着、あるいは微量のインク滴の付着な
ど、吐出口面の状態に対応した払拭処理を行うことがで
きる。
【0015】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明を詳細に説明
する。
【0016】図1は本発明が適用される液体吐出装置と
してのインクジェットプリント装置の構成の一例を示
す。
【0017】図において、キャリッジ1はシアン,マゼ
ンタ,イエロー,ブラックの4色に対応するカラー用の
プリントヘッド2a,2b,2c,2dを搭載してお
り、ガイドシャフト3はキャリッジ1を移動可能に案内
支持している。22a,22b,22c,22dは各プ
リントヘッドの吐出面である。
【0018】エンドレスベルトであるベルト4は、その
一部がキャリッジ1に接続されており、キャリッジ1
は、モータドライバ23に駆動されるパルスモータであ
る駆動モータ5によりベルト4を介してガイドシャフト
3上を紙、OHPフィルム,布その他のプリント媒体
(以下プリント用紙という)6のプリント面に沿って移
動するように駆動される。さらに、プリント用紙6を搬
送する搬送ローラ7、プリント用紙6を案内する案内ロ
ーラ8A,8Bおよびプリント用紙搬送モータ9を備え
ている。
【0019】また、各プリントヘッド2a,2b,2
c,2dには、プリント用紙6に向けてインク滴を吐出
させる液路10が設けられており、液路10に対して
は、それぞれのプリントヘッド2a,2b,2c,2d
に対応したインクタンク11a,11b,11c,11
dから供給チューブ12a,12b,12c,12dを
介してインクが供給される。各液路10に設けられ、イ
ンクを吐出するために利用されるエネルギを発生する手
段(図示せず)に対しては、各ヘッドドライバ24a,
24b,24c,24dよりフレキシブルケーブル13
a,13b,13c,13dを介してインク吐出信号が
選択的に供給される。
【0020】さらに、各プリントヘッド2a,2b,2
c,2dには、それぞれヘッドヒータ14a,14b,
14c,14d(14b,14c,14dは図1には示
されていない)と温度検知手段15a,15b,15
c,15d(15b,15c,15dは図1には示され
ていない)が設けられており、温度検知手段15a,1
5b,15c,15dからの検知信号は、CPUを有す
る制御回路16に入力され、制御回路16は、この信号
に基づいて、ドライバ17および電源18を介して、ヘ
ッドヒータ14a,14b,14c,14dにおける加
熱を制御する。
【0021】キャッピング手段20は、非プリント時に
各プリントヘッド2a,2b,2c,2dの吐出口面に
当接されるものであり、非プリント時には、プリントヘ
ッド2a,2b,2c,2dが、キャッピング手段20
と対向する位置へ移動する。そのとき、キャッピング手
段20は、キャップドライバ25によって前進駆動さ
れ、弾性部材44を吐出口面に圧接させてキャッピング
を行う。
【0022】プリントヘッドを空気中に長時間放置する
とノズル内のインクが蒸発して増粘し、吐出が不安定に
なる。これを防ぐため、非印字中はノズル部を外気と遮
断して密閉(キャッピング)する。キャップ部の内部に
はインクで湿潤状態に保たれた吸液材があり、キャップ
部の内部を高湿度に維持してインクの増粘を最小限に抑
えている。
【0023】また、キャッピング状態での長期放置では
インク加圧による回復が行われる。すなわち、長時間放
置の場合には、キャッピングをしていても吐出口内方の
インクは緩慢ではあるが蒸発して増粘する。また、吐出
口内部に気泡が残留して安定した吐出を妨げることも皆
無ではない。このため印字開始時にインクタンクに設け
たポンプを駆動してインク加圧を行い、吐出口内部の増
粘インクや残留気泡を吐出口外に排出する。これは、吐
出面にゴミや毛羽が付着したり、吐出口内方にゴミ等が
侵入していても、それらを洗い流して安定した吐出を保
つ効果がある。
【0024】目詰まり防止手段31は、プリントヘッド
2a,2b,2c,2dが空吐出(予備吐出)動作をす
るときに吐出インクを受けるものである。この目詰まり
防止手段31は、プリントヘッド2a,2b,2c,2
dと対面し、空吐出されたインクを吸収する受液部とし
ての液受け部材32を備えており、キャッピング手段2
0とプリント開始位置との間に配置されている。なお、
液受け部材32および液体保持部材45の材質として
は、スポンジ状多孔質部材、あるいはプラスチック焼結
体等が有効である。
【0025】なお、空吐出は、プリントを目的としない
でインクを吐出させるもので、液状体吐出流、気体吐出
流によって温度低下した領域の温度保証と、吐出口内の
不用物を排除するために行う。また、これ以外に印字開
始前に所定の駆動パルスを与え、全吐出口からキャップ
部等に向かってインク吐出を行わせる(エージング動
作)。また、吐出口の周辺雰囲気の湿潤状態を高める場
合にはキャッピングして行うこともある。
【0026】清掃手段50には洗浄用電磁弁51と吸引
ポンプドライバ52が連結され、それぞれ制御回路16
による制御の下にワイピング洗浄手段53からの洗浄液
の噴出、ならびに清掃手段50からの洗浄液の吸引を行
う。
【0027】図2は液体吐出ヘッドの構成例を示す。2
は吐出ヘッドで、22はその吐出面である。101Bは
複数本の液流路を鉛直方向に並列に配置したノズル部で
あり、電気熱変換体等の吐出エネルギ発生素子を設けて
ある。101Cは各液流路に共通にインクを供給するイ
ンク室であり、供給管103および104を介してイン
クタンク110を接続している。そして、一方の供給管
104にはギアポンプ105を設け、供給路中やノズル
部101B等に混入した気泡や塵埃の除去処理、増粘し
たインクの除去処理等の吐出回復処理に際して、プリン
トヘッド2へのインク供給系にインクを圧送し、吐出口
よりインクを排出させる処理、あるいはインク供給管1
03,104ないしインク室101Cでインクを循環さ
せてインクをリフレッシュする処理(以下加圧循環処理
という)を行う。
【0028】図3および図4は清掃手段50の構成例を
示す。ここに、図3は清掃手段50をヘッド2の主走査
方向から見たときの説明図であり、図4は清掃部材70
とヘッド2とを上方から見たときの説明図である。本例
における払拭手段たる清掃部材70は可撓性を持つ多孔
質体で構成される。清掃部材の材質としては、高分子多
孔質体が使用可能であり、高分子多孔質体を用いる場
合、高分子発泡体のように、インクミストの吸収による
体積変化が顕著なものではなく、インクを吸収しても体
積の変化しない種類のものが好ましく、例えば、発泡ホ
ルマール樹脂タイプのものを好適なものして挙げること
ができる。
【0029】また、ここで用いられるインク吸収体とし
て、熱焼結タイプの高分子多孔質体も利用することがで
き、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、高分子量ポリエチレン、複合ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリスチレ
ン、アクリロニトリル系共重合体、エチレン酢酸ビニル
共重合体、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の熱焼結体を
挙げることができ、中でもインクミストの吸収性および
耐インク性から、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレンを用いた
ものが好ましい。
【0030】71はホルダで、清掃部材70を固定板7
2との間に挾持して固定する。73は取付ネジである。
ホルダ71には清掃部材71と当接する面71Aに開口
71Bが設けてあり、導通路71Cを介し吸引チューブ
74と接続しており、清掃部材70に含浸される洗浄液
やインクをポンプによる吸引手段82により矢印A方向
へ排出する構成としている。この吸引手段82は、多孔
質部材や繊維状部材を清掃部材70に連接し、排液路を
形成し、清掃部材より洗浄液を排出するような排出手段
でもよい。
【0031】この洗浄液の吸引により洗浄後、清掃部材
70に残る洗浄液の量を適度に減少させることでインク
や異物等の吸収能力を回復させ、ヘッド2の吐出面22
の清掃効果を高めることが可能となった。また、清掃部
材70の先端部70Aは吐出ヘッド2の吐出面22とL
で示す長さだけオーバーラップしているので、ヘッド2
の走査時に、このオーバーラップ分でヘッド2の吐出面
22を払拭する構成となっている。
【0032】75は洗浄液供給ノズルで、電磁弁79の
開閉により洗浄液供給手段であるタンク80から洗浄液
供給チューブ76を介して洗浄液81を矢印B方向に供
給され、ノズルの吐出部75Aから下方に向かって清掃
部材70に供給され、洗浄される構成となっている。
【0033】77は受け皿で、清掃部材70の下方に配
置されている。供給ノズル75から洗浄液が供給される
と、清掃部材70に吸収されずに滴下した洗浄液や清掃
部材70に付着していたインクや異物等が洗浄水と共に
落下するのを収容する構成となっている。78は受け皿
77に受けた洗浄液を不図示の排出部へ矢印C方向に排
出するための排出チューブである。
【0034】次に、インクジェットプリント装置の動作
について、以下に説明する。図5において、プリント開
始検知センサ34およびキャッピング手段検知センサ3
6は、それぞれ各プリントヘッド2a,2b,2c,2
dが所定のキャッピング位置にあることを検知する。空
吐出位置検知センサ35は、プリントヘッド2a,2
b,2c,2dが走査方向に移動しながら行う空吐出動
作の基準位置を検知する。
【0035】図6は、上述の構成を用いる本発明の前提
となった技術の動作シーケンスを示すフローチャートで
ある。まず、待機中には、プリントヘッド2a,2b,
2c,2dの各吐出面22a,22b,22c,22d
がキャッピング手段20により、キャッピングされてい
る。制御回路16にプリント信号が入ると、インク加圧
循環が開始される(ステップS1)。次にヘッドキャッ
プが開放する(ステップS2)。
【0036】インク加圧循環による回復と同時に清掃部
材70の洗浄も行われる(ステップS3)。この洗浄に
より、清掃部材70に付着する増粘インクや異物等が洗
浄液と共に洗い流される。
【0037】次にステップS4において洗浄液が吸引さ
れることで、清掃部材70に残る洗浄液の量が適度に
少するので、インクや異物等の捕集能力が向上し、清掃
部材70の清掃効果を高めることができる。また、洗浄
液が吸引されることで、清掃部材70である多孔質体内
部に毛細管現象による負圧が発生する。この負圧を液体
吐出ヘッドのノズルにかかる負圧よりも大にすること
で、清掃時にノズルからインクが引き出される状態とな
るために、洗浄液の液室内への混入が防止される。さら
にノズル内部のインクの吸収能力も発生するので、同時
にノズル内の増粘したインクの除去が行われるという効
果も合わせて奏することができる。
【0038】次にモータドライバ23から駆動信号が発
せられ、駆動モータ5の駆動がベルト4を介しキャリッ
ジ1に伝えられ、キャリッジ1が駆動され、ヘッドが往
復動する。すると、図7に示すようにキャリッジ1が清
掃手段50を通過する際に清掃部材70が吐出面22を
順次払拭し、クリーニングを行う(ステップS5)。な
お、本実施例において払拭とは、吐出面上の洗浄液やイ
ンクや異物等をぬぐい清めることをいう。
【0039】図7に示すように清掃部材70で吐出口面
を払拭するとき、清掃部材70は可撓性があるので、キ
ャリッジ1の移動方向Dと同方向に倒れ、弱い反発力で
払拭面70Bが吐出面22を払拭し、クリーニングが行
われる。このためホルダ面102と吐出面22に段差が
ある場合でも清掃効果には影響を及ぼさない。
【0040】特に清掃部材70のエッジ部70Dがホル
ダ部の凹部に入り込むのでホルダ面102と吐出面22
との段差部まで清掃することが可能である。
【0041】プリント開始検知センサ34で、検知され
るプリント開始検知位置P0 から、矢印D方向に走行し
ながら、インク滴が吐出され、プリント用紙6のプリン
ト幅部分Pに画像プリントが行われる(ステップS
6)。
【0042】これと同時に清掃部材の洗浄が行われ(ス
テップS7)、次に洗浄液の吸引が行われ(ステップS
8)、清掃部材の清掃能力の回復が行われる。その後、
キャリッジ1は反転し、矢印E方向に駆動されて予備吐
出位置を通過しながら予備吐出動作を行う(ステップS
9)。ここで予備吐出は液受け部材32に対して行われ
る。そしてプリント用紙は6はプリント幅部材Pの幅だ
け矢印F方向に搬送される。
【0043】次に、画像プリントが続く際であって(ス
テップS10で否定判定される場合)、100ラインプ
リントが終了していない場合(ステップS11で否定判
定される場合)は、ステップS5へ戻り、キャリッジ1
は往復動を行い、図7に示すように往復動におけるクリ
ーニングが行われる(ステップS5)。この時、往動で
は清掃部材の払拭面70Bが払拭されるので、一度汚れ
た払拭面70Cは吐出面22を払拭しないので、清掃効
果に悪影響を及ぼさないだけでなく、清掃効果が2倍に
高められる効果がある。
【0044】一方、画像プリントが終了した際(ステッ
プS10で否定判定される場合)、または100ライン
プリントが終了した場合(ステップS11で肯定判定さ
れる場合)は、ヘッド2の吐出面22はキャッピング手
段20によりキャッピングされ、密閉される(ステップ
S12,S13)。
【0045】(実施例1)かかる前提技術に対し、互い
に摺接する清掃部材70および吐出面22ないしヘッド
2の寿命の低下を避け、あるいはまた回復処理の高効率
化を図り、さらには洗浄液,廃液の量を減少させてラン
ニングコストの低減を図るべく、本実施例では、図6の
手順に対し適宜の処理を付加した図8の如き手順を採用
する。
【0046】図8に示す手順においては、インク加圧循
環動作等(ステップS1,S2)の直後、吐出面をワイ
ピングブレード(清掃部材)70に対し往復方向に動か
し、インク加圧後に吐出面に残っている多量のインク滴
を十分に拭き取る処理を行う(ステップS5−a1)。
そして、通常のプリント動作中には、プリントヘッドが
ホームポジション方向に戻る際(復路)に、ワイピング
ブレード70の片面のみで、ヘッド表面に付着したミス
ト等による微量のインク滴を除去する処理を行う(ステ
ップS5−a2)。また、これに伴ってステップS6〜
S9と同様の処理ステップS6′〜S9′を付加する。
【0047】このように、プリント中で、ワイピングブ
レードの払拭方向を変化選択させることで、前提技術と
比較して、同等の払拭性能を維持したまま、ヘッド2と
ワイピングブレート70との摺接頻度を減少させること
ができ、ヘッドおよびワイピングブレードとの寿命向上
を図ることができる。また、往路でのワイピング動作も
省略されるため、生産速度の向上も図ることができる。
【0048】さらに、ワイピングブレード70の洗浄水
も、ブレード70の片側面を中心に洗浄水を付与すれば
足り、前提技術と比較して少量の水量で、十分な清掃効
果を得ることができる。
【0049】(実施例2)図9は本発明の第2の実施例
のシーケンスを示す。
【0050】このシーケンスにおいては、インク加圧循
環動作等(ステップS1,S2)の直後、吐出面をワイ
ピングブレード70に対し低速度(例えば43.3mm
/sec)で払拭し(復路,片面拭きで行う)し、イン
ク加圧後に吐出面に残った多量のインク滴を充分に拭き
取る処理を行う(ステップS5−b1)。そして、通常
のプリント動作中は、吐出面をワイピングブレード70
に対し通常速度(復路,片面拭きで行い、例えば86.
5mm/secとする)で払拭し、突出面に付着したミ
スト等による微量のインク滴を除去する処理を行う(ス
テップS5−b2)。
【0051】このように、プリント中で、ワイピングブ
レードの払拭速度を変化させることで、実施例1と同等
の払拭性能を出すことが可能である。
【0052】(実施例3)図10は本発明の第3の実施
例のシーケンスを示す。
【0053】このシーケンスにおいては、インク加圧循
環等(ステップS1,S2)の動作直後、ワイピングブ
レード70をヘッドホルダ面に対し侵入量d=3mm
(図4)として払拭させ、インク加圧後に吐出面に残っ
た多量のインク滴を充分に拭き取り、かつ液路内および
吐出口近傍に固着したインクを確実に除去する処理を行
う(ステップS5−C1)。
【0054】そして、通常のプリント動作中は、ワイピ
ングブレードとヘッドホルダ面との侵入量をd=5mm
(通常条件)として払拭し、突出面に付着したミスト等
による微量のインク滴を除去する処理を行う(ステップ
S5−c2)。
【0055】このようにワイピングブレード侵入量を変
化させることで、ワイピングブレードの当接圧および拭
きしろを変化させることができる。そしてこれにより実
施例1と同等の払拭性能をもつことが可能となる。
【0056】(実施例4)図11は本発明の第4の実施
例のシーケンスを示す。
【0057】このシーケンスにおいては、インク加圧循
環動作等(ステップS1,S2)の直後、ワイピングブ
レードのポンプ吸引時間t1 を例えば2秒(水洗時間は
2妙)とし、ワイピングブレードを湿らしたままの状態
で払拭動作を行わせ、インク加圧後に吐出面に残った多
量のインク滴を充分に拭き取り、かつ液路内および吐出
口近傍に固着したインクを確実に除去する処理を行う
(ステップS5−a1)。
【0058】そして、通常のプリント動作中は、ワイピ
ングブレード70のポンプ吸引時間t2 (>t1 )を例
えば4秒とし、ワイピングブレード70をやや湿らした
状態で払拭動作を行わせ吐出面に付着したミスト等によ
る微量のインク滴を除去する処理を行う(ステップS5
−a2)。
【0059】このようにすることで、実施例1と同等以
上の払拭性能、すなわち長期放置後のインク固着にも対
処することが可能となる。
【0060】(実施例5)図12は本発明の第5の実施
例のシーケンスを示す。
【0061】本例では、図8に示した第1実施例とほぼ
同様の手順を採用しているが、ステップS13の処理を
削除するとともに、ステップS11の処理に代えて、通
常のプリント中、n行に1回(例えばn=2)、吐出面
を払拭する処理を行う(ステップS11−2)。なお、
このnの値はプリントする画像に応じて設定すると良
く、画像プリントデューティが高い画像をプリントする
場合にはnの値を小さく、画像プリントデューティが低
い場合にはnの値を大きく設定するようにすれば良い。
そして、その設定は、例えば図1の装置に対して画像デ
ータを供給する装置より画像データを受信したときにそ
の内容を検定することで行うことができ、プリントに係
る受信画像が一様でなく、1単位の画像中でプリントデ
ューティのばらつきがある場合には適宜nの値を変更す
るようにしてもよい。
【0062】なお、本発明は以上述べた各実施例に限ら
れず、種々の変更が可能である。
【0063】すなわち、上述の各例で述べた数値は単な
る例示であって、装置構成等に応じ適宜の数値を採用す
ることができる。
【0064】また、上述の各例ではプリント開始時およ
びプリント中に回復処理を行う場合について述べたが、
装置電源投入時に回復処理、すなわちヘッドのホームポ
ジションへの位置づけ、加圧循環処理、ワイピング、洗
浄ないし洗浄液の吸引、およびヘッドのホームポジショ
ンへの再設定を行う一連の処理を実行するようにしても
よい。
【0065】さらに、それらのような回復処理は操作者
が適宜、あるいは装置側の指示に応じて、所定のスイッ
チを操作する等により起動されるようにしてもよい。
【0066】加えて、プリントしようとする画像データ
に応じ適切な回復処理を実行するようにしてもよい。
【0067】(実施例6)図13はそのような画像デー
タに応じた回復処理の一例として、回復手段を画像印字
デューティに応じて適宜選択し、生産速度を向上させる
ようにした実施例の説明図である。すなわち本例は、プ
リント開始前に、画像データより印字デューティの最も
高いプリントヘッドの最大印字デューティを算出し、こ
の値に応じて、大回復処理、予備吐出処理および上述の
如きワイピングによる回復処理の各回復手段の挿入回数
を決定するようにしたものである。ここに、大回復とは
前述したインク加圧循環動作からワイピング(両面往復
拭き)までの一連の動作(キャッピング動作を含む)ま
での処理(ステップS1〜S5に対応)をいい、予備吐
出とは、前述のように、キャップもしくは吸収体等をプ
リントヘッドに対向させた状態で吐出口群から一斉に吐
出を行わせる処理をいう。
【0068】そして、図13に示すように、最大印字デ
ューティが高い場合ほど、多孔質体でなる清掃部材70
によるワイピング動作を頻繁に行うようにすることで、
濡れ不吐出の発生を抑制することができる。一方、大回
復および予備吐出は、最大印字デューティが低いほど頻
繁に行うようにすることで、初期吐出から安定した吐出
動作を長く維持することができるようになる。
【0069】(その他)なお、本発明は、インクジェッ
トプリント方式を採用する場合には、その中でも、イン
ク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エ
ネルギを発生する手段を備え、前記熱エネルギによりイ
ンクの状態変化を生起させる方式、すなわちキヤノン株
式会社が提唱するバブルジェット方式のプリントヘッ
ド、プリント装置を用いることで優れた効果をもたらす
ものである。かかる方式によればプリントの高密度化,
高精細化が達成できるからである。
【0070】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発
生せしめ、プリントヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状
の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書,同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れたプリント
を行うことができる。
【0071】プリントヘッドの構成としては、上述の各
明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変
換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基いた構成と
しても本発明の効果は有効である。すなわち、プリント
ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によ
ればプリントを確実に効率よく行うことができるように
なるからである。
【0072】加えて、プリントヘッドは、プリント装置
の形態に対応して構成できるのは勿論であり、所謂ライ
ンプリンタ形態のものに対してはプリント媒体の幅に対
応した範囲にわたって吐出口を配列したものとすればよ
い。また、上例のようなシリアルタイプのプリントヘッ
ドとしては、装置本体に固定されたプリントヘッド、あ
るいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的
な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換
自在のチップタイプのプリントヘッド、あるいはプリン
トヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカー
トリッジタイプのプリントヘッドを用いた場合にも本発
明は有効である。
【0073】また、本発明のプリント装置の構成とし
て、プリントヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段
等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
プリントヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれと
は別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を
行う予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行なう予備
吐出手段を挙げることができる。
【0074】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用プ
リント信号付与時にインクが液状をなすものを用いても
よい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形
状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せ
しめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸
発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化
するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギ
のプリント信号に応じた付与によってインクが液化し、
液状インクが吐出されるものや、プリント用媒体に到達
する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エ
ネルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使
用する場合も本発明は適用可能である。このような場合
のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特
開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔
質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。本発明においては、上述した各インク
に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行
するものである。
【0075】さらに加えて、本発明の形態としては、コ
ンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用い
られるものの他、リーダ等と組合せた複写装置の形態を
採るもの等であってもよい。
【0076】次に、インクジェット捺染用布帛として
は、(1)インクを十分な濃度に発色させ得ること、
(2)インクの染着率が高いこと、(3)インクが布帛
上で速やかに乾燥すること、(4)布帛上での不規則な
インクの滲みの発生が少ないこと、(5)装置内での搬
送性に優れていること、等の性能が要求される。これら
の要求性能を満足させるために、本発明において、必要
に応じて布帛に対し、あらかじめ前処理を施しておくこ
とができる。例えば、特開昭62−53492号公報に
おいてはインク受容層を有する布帛類が開示され、ま
た、特公平3−46589号公報においては還元防止剤
やアルカリ性物質を含有させた布帛の提案がなされてい
る。このような前処理の例としては、布帛に、アルカリ
性物質、水溶性高分子、合成高分子、水溶性金属塩、尿
素およびチオ尿素から選ばれる物質を含有させる処理を
挙げることができる。
【0077】アルカリ性物質としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、
モノ,ジ,トリエタノールアミン等のアミン類、炭酸ナ
トリウム,炭酸カリウム,重炭酸ナトリウム等の炭酸も
しくは重炭酸アルカリ金属塩等が挙げられる。さらに酢
酸カルシウム、酢酸バリウム等の有機酸金属塩やアンモ
ニアおよびアンモニア化合物等がある。また、スチーミ
ングおよび乾熱下でアルカリ物質となるトリクロロ酢酸
ナトリウム等も用い得る。特に好ましいアルカリ性物質
としては、反応性染料の染色に用いられる炭酸ナトリウ
ムおよび重炭酸ナトリウムがある。
【0078】水溶性高分子としては、トウモロコシ,小
麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセルロース,メ
チルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース等のセル
ロース系物質、アルギン酸ナトリウム,アラビアゴム,
ローカスイトビーンガム,トラガントガム,グアガム,
タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン,カゼイン等の蛋
白質物質、タンニン系物質,リグニン系物質等の天然水
溶性高分子が挙げられる。
【0079】また、合成高分子としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール系化合物,ポリエチレンオキサイド系
化合物,アクリル酸系水溶性高分子,無水マレイン酸系
水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも多糖類系
高分子やセルロース系高分子が好ましい。
【0080】水溶性金属塩としては、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典型
的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10であ
る化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例とし
ては、例えば、アルカリ金属では、NaCl,Na2
4 ,KClおよびCH3 COONa等が挙げられ、ま
た、アルカリ土類金属としては、CaCl2 およびMg
Cl2 等が挙げられる。中でもNa,KおよびCaの塩
類が好ましい。
【0081】前処理において上記物質等を布帛に含有さ
せる方法は、特に制限されないが、通常行われる浸漬
法、パッド法、コーティング法、スプレー法などを挙げ
ることができる。
【0082】さらに、インクジェット捺染用布帛に付与
される捺染インクは、布帛上に付与した状態では単に付
着しているに過ぎないので、引き続き繊維への染料等イ
ンク中の色素の定着工程を施すのが好ましい。このよう
な定着工程は、従来公知の方法でよく、例えば、スチー
ミング法、HTスチーミング法、サーモフィックス法、
あらかじめアルカリ処理した布帛を用いない場合は、ア
ルカリパッドスチーム法、アルカリブロッチスチーム
法、アルカリショック法、アルカリコールドフィックス
法等が挙げられる。また、定着工程は、染料によって反
応過程を含むものと含まないものとがあり、後者の例と
しては繊維に含浸させて物理的に離脱しないようなもの
がある。また、インクとしては所要の色素を有するもの
であれば適宜のものを用いることができ、染料に限られ
ず顔料を含むものでもよい。
【0083】さらに未反応の染料の除去および前処理に
用いた物質の除去は、上記反応定着工程の後に従来公知
の方法に準じ、洗浄により行うことができる。なお、こ
の洗浄の際に従来のフィックス処理を併用することが好
ましい。
【0084】以上述べた後処理工程が施されたプリント
物は、その後所望の大きさに切り離され、切り離された
片は、縫着,接着,溶着等、最終的な加工品を得るため
の工程が施され、ワンピース,ドレイ,ネクタイ,水着
等の衣類や布団カバー,ソファカバー,ハンカチ,カー
テン等が得られる。布帛を縫製等により加工して衣類や
その他の日用品とする方法は、例えば「最新ニット縫製
マニュアル」(センイジャーナル社発行)や月刊誌「装
苑」(文化出版局発行)等、公知の書籍に多数記載され
ている。
【0085】なお、プリント用媒体としては、布帛,壁
布,刺しゅうに用いられる糸、壁紙、紙、OHP用フィ
ルム等が挙げられ、布帛とは、素材,織り方,編み方を
問わず、あらゆる織物,不織布およびその他の布地を含
む。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、液体吐出ヘッドを
用いて所定の液体を吐出する液体吐出装置において、前
記液体吐出ヘッドの液体吐出面を払拭するための払拭手
段と、前記払拭手段による前記液体吐出面の払拭条件を
変化させる手段とを設けたことで、ヘッドおよび払拭手
段の超寿命化や生産速度の向上を達成できる。また、
拭手段に洗浄液を吐出することでその浄化を行う浄化手
を具えることで、ヘッドの液体吐出面の清掃効果を高
め、長期にわたり安定した吐出を行うことができる。
た、上記払拭条件を適切に変化させること、すなわち洗
浄液付与後の吸引動作を制御することにより洗浄液含有
量が適切に変化した状態で払拭を行わせることで、多量
のインク滴の付着やインク固着、あるいは微量のインク
滴の付着など、吐出口面の状態に対応した払拭処理を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した装置の一実施例として、イン
クジェットプリント装置の構成例を示す模式的斜視図で
ある。
【図2】そのヘッドおよびインク系の構成例を示す模式
的側面図である。
【図3】払拭手段および清掃手段を含む本例の回復手段
の構成例を示す模式図である。
【図4】本例の払拭手段の構成例を示す模式図である。
【図5】図1のホームポジション付近の構成を示す模式
的平面図である。
【図6】本発明の前提となるプリントシーケンスの一例
を示すフローチャートである。
【図7】払拭動作の説明図である。
【図8】本発明の第1実施例によるプリントシーケンス
を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施例によるプリントシーケンス
を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施例によるプリントシーケン
スを示すフローチャートである。
【図11】本発明の第4実施例によるプリントシーケン
スを示すフローチャートである。
【図12】本発明の第5実施例によるプリントシーケン
スを示すフローチャートである。
【図13】本発明の第6実施例によるプリントシーケン
スを示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 液体吐出ヘッド 50 清掃手段 70 清掃部材 70B 払拭面 70C 払拭面 75 ノズル 76 洗浄液供給チューブ 80 タンク 82 吸引手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬渕 俊昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−16391(JP,A) 特開 平3−222754(JP,A) 特開 昭63−130348(JP,A) 特開 平4−344255(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175 B41J 2/165 B41J 29/17

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出するための吐出口を備えた
    体吐出ヘッドを用いて所定の液体を吐出する液体吐出装
    置であって、 前記液体吐出ヘッドの前記吐出口が形成された吐出口
    を払拭するための、多孔質体からなる払拭手段と、前記払拭手段を浄化するための洗浄液を前記払拭手段に
    対して供給する浄化手段と、 吸引動作により前記払拭手段から前記洗浄液を含む液体
    を排出するための吸引手段と、 前記浄化手段により前記払拭手段に前記洗浄液を付与し
    た後の、前記吸引手段による吸引動作を制御することに
    より、 前記払拭手段により前記吐出口面を払拭する払拭
    条件を変化させる手段とを具えたことを特徴とする液体
    吐出装置。
  2. 【請求項2】 前記吸引手段による前記吸引動作の時間
    を異ならせることにより、前記払拭条件を変化させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 【請求項3】 加圧により前記液体吐出ヘッドから前記
    液体を排出させる加圧手段をさらに有し、 前記液体吐出ヘッドはインクを吐出して画像のプリント
    を行うインクジェット記録ヘッドであって、 前記加圧手段により前記液体の排出を行った後に前記払
    拭手段により払拭を行う場合と、前記インクジェット記
    録ヘッドによるプリント動作の間に前記払拭手段により
    払拭を行う場合とで、前記払拭条件を変化させることを
    特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 【請求項4】 前記液体吐出ヘッドの吐出状態を良好に
    保つための回復処理として、前記払拭手段を用いる処理
    を行わせる手段と、前記払拭手段を用いるとともにイン
    ク供給系の加圧を行う処理を行わせる手段と、前記液体
    吐出ヘッドからインク吐出を行わせる手段とを具え、こ
    れら処理を行う手段の処理条件を画像データに応じて変
    化させるようにしたことを特徴とする請求項1ないし
    のいずれかに記載の液体吐出装置。
  5. 【請求項5】 前記液体吐出ヘッドは、前記液体を吐出
    するために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生
    する素子を有することを特徴とする請求項1ないし
    いずれかに記載の液体吐出装置。
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