JPH10118811A - 加工装置 - Google Patents

加工装置

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JPH10118811A
JPH10118811A JP27609696A JP27609696A JPH10118811A JP H10118811 A JPH10118811 A JP H10118811A JP 27609696 A JP27609696 A JP 27609696A JP 27609696 A JP27609696 A JP 27609696A JP H10118811 A JPH10118811 A JP H10118811A
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tool
cutting
base
actuator
cutting tool
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JP27609696A
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Inventor
Teruo Maruyama
照雄 丸山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な3次元形状を有するマイクロ部品を高
精度に切削加工できる加工装置を提供する。 【解決手段】加工用の工具20を工具台14で支持し、
さらに、工具台14をベース台11により変位可能に保
持する。高周波電源から高周波電力を供給される振動子
27により加工用の工具20に高周波振動を付与して、
工具20を駆動する。ベース台11と工具台14との間
にアクチェータ31により相対的な変位を与えて、被加
工物22に対する工具14の実際の加工速度を被加工物
22の回転数による周速度よりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてマイクロ
部品などの小型精密部品の加工に用いられる加工装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロマシン技術が様々な分野
で注目を集めているが、その中でもマイクロメカニズム
の製作法は最も大きな関心事であり、多くの研究が行わ
れている。それらの多くはフォトリソグラフィとエッチ
ングの技術をベースとしたLSIの製作技術を基礎とし
ており、現在まで蓄積された多くの技術の活用によって
非常に微細な形状を形成することが可能である。しか
し、この方法では平坦な二次元的構造物以外の製作が難
しい問題があり、将来において求められると思われるマ
イクロマシンの姿を想定した場合、三次元的な微小構造
物の製作が不可欠と思われる。そのために、X線リソグ
ラフィ、放電加工または光造形法などの新しい方法が研
究されている。
【0003】一方、切削加工の技術は、比較的速い加工
速度で三次元的形状の様々な部品を加工できる特長を有
する反面、加工力が比較的大きく微細工具の製作が難し
い問題があり、この精密切削加工の技術をマイクロ部品
の加工に適用しようとする試みは現段階ではまだ少な
い。マイクロ部品を切削加工する場合の最大の課題は、
マイクロ部品の形状が小さいことから切削速度がどうし
ても低下してしまい、この切削速度の低下に伴って切削
性能が大幅に劣化することである。すなわち、図6は切
削速度と切削仕上げ面粗さとの関係を表す周知の実験デ
ータを示し、同図から明らかなように、切削速度が50
(m/min )以下になると、切削仕上げ面粗さが大幅に劣
化する。なお、図6においてfは1回転当りの送り量を
示している。
【0004】例えば、主軸の回転数が6000rpmの一般
的な旋盤を用いて外径が1mmφの極めて形状の小さな
ワークを切削加工するような場合には、その切削速度V
は、V=0.5 ×10-3×2 ×3.14×6000≒20(m/min )
となり、図6から明らかなように、切削仕上げ面粗さが
相当に劣化することになる。さらに、切削速度が低下す
ると、切削仕上げ面粗さが劣化するだけでなく、加工歪
みやばりが発生し、切削温度の上昇により酸化や変色が
発生し、さらに、バイト寿命が短くなるなどの問題が発
生する。そのため、切削加工の技術をマイクロ部品の加
工に適用するのは困難である。
【0005】一方、VTRのシリンダのリード加工や自
動車のエンジン用ピストンのように断面形状を非真円に
加工する必要のある被加工物の量産加工では、マスタモ
デルによる倣い加工が従来において一般的に採用されて
いた。ところが、近年では、生産タクトアップの要請と
商品の多様化に伴って、非真円切削加工においても高能
率および多品種少量生産方式に対応するために、マスタ
モデルを使用せずに、NC制御により刃物台の変位を高
速且つ高精度に制御して工作物を加工することのできる
非真円創成機構の開発が重要な課題になっている。
【0006】現在、刃物台の高速位置決め機構として
は、従来のサーボモータとボールねじを用いた機構に代
えて、ダイレクトに刃物台の変位を制御する手段が開発
されている。その開発された主な制御手段として、油圧
サーボ機構、圧電素子、電磁力、ボイスコイルリニアモ
ータなどを利用して刃物台を変位させる機構がある。し
かし、油圧サーボ機構は、十分な駆動力を得られる反
面、応答性に難点があり、さらに、環境条件によって油
温が変化する等の原因により性能が左右され易い問題が
ある。また、電磁力を利用した機構では、ストロークが
大きい利点があるが、推力および剛性が弱いという欠点
がある。
【0007】これに対し積層型の圧電素子をアクチェー
タとして用いた非真円創成機構は、良好な応答性と高い
駆動力および位置精度を得られる利点があり、0.1 μm
以下の変位の範囲内で任意の非真円切削加工を行える。
この非真円創成機構としては図7に示すようなものが提
案されており、以下に簡単に説明する。制御部1が制御
信号CSに基づき駆動回路2を介してアクチェータ3の
圧電素子への入力電圧を制御すると、圧電素子が入力電
圧に比例して伸縮して、このアクチェータ3の伸縮力が
板ばね4に作用する。この板ばね4の撓みによって矢印
で示す方向に変位可能に支持された切削工具(例えばバ
イト)8は、制御信号に基づく制御によって変位されな
がら回転中の被加工物7を切削していく。切削工具8の
位置は位置センサ9により検出され、この位置センサ9
の位置検出データがセンサアンプ10で増幅されたのち
に制御部1に入力される。したがって、制御部1は、位
置検出データが制御信号CSに一致するよう圧電素子ア
クチュエータ3つまり切削工具8の刃先の変位をフィー
ドバック制御する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本件発明者
は、例えば断面形状が非真円の複雑な3次元形状を有す
るマイクロ部品を切削加工によって製作できないか、と
いう点に着目した。しかし、この種の試みは少なくとも
現段階では見受けられない。マイクロ部品を切削加工す
る場合の切削速度の低下に伴う上述の種々の問題を解決
する手段として、旋盤主軸の回転数を大幅に上げる方法
が考えられる。例えば、旋盤主軸の回転数を従来の6000
rpmから30000 rpmに上げた場合、1mmφの小さ
なワークであっても切削速度Vが20m/minから100
m/minに高められ、この100 m/minの切削速度
Vは、図6から明らかなように、所要の切削性能を何と
か維持できるレベルである。しかし、図7に示したよう
な非真円創成機構による非真円切削加工では、今まで問
題にならなかった新たな課題が生じる。
【0009】すなわち、非真円形状を創成する上で必要
不可欠な刃物台の移動機構の応答性には限界があり、移
動機構を非加工物の高い回転速度に追従させることがで
きない課題が生じる。例えば、30000 rpmで回転する
ワークを非真円切削加工するためには、少なくとも周波
数が500 Hzの応答性が必要となるが、このような100
m/minの切削速度に応答して刃物台を正確に変位さ
せるのは困難である。
【0010】ここで、最も応答性が高いと思われる上記
の積層型圧電素子をアクチェータとして用いれば、周波
数が500 Hz〜1KHzまでは応答できるが、振幅が数
ミクロンに低下してしまうため、切削加工できる非真円
の形状が大幅に制約されてしまい、複雑な形状の切削加
工を正確に行うことができない。
【0011】そこで本発明は、被加工物の回転数により
決まる周速度を上げなくても良好な切削性を得られるよ
うに図り、それにより、アクチェータの十分な応答性を
確保して、マイクロ部品を所要の非真円形状に切削加工
できるようにすることを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1発明の加工装置は、加工用の工具を支持する工
具台と、この工具台を変位可能に保持するベース台と、
高周波電源から高周波電力を供給されて前記工具に高周
波振動を付与する振動子と、前記ベース台と前記工具台
との間に相対的な変位を与えるアクチェータとにより構
成されている。
【0013】上記加工装置では、工具に対して、アクチ
ェータから補正変位力を付与するのに加えて、振動子か
ら高周波振動を重畳して付与しており、上記高周波振動
は被加工物の回転数により決まる周速度よりも大きな振
動速度が得られる振動数である。それにより、振動パル
ス切削の効果により、工具から被加工物に作用する主分
力が低下して加工性能が向上する。このように工具に高
周波振動を付与することによって、所要の加工性能を得
るのに対して被加工物の回転数を上げなくてもすむの
で、アクチェータの十分な応答性を確保することができ
る。それにより、被加工物の回転に対して工具を正確に
追従させることのできる変位補正力をアクチェータから
付与することができ、複雑な断面形状を有する非真円形
状のマイクロ部品であっても、高精度に切削加工でき
る。
【0014】しかも、アクチェータは、被加工物の回転
数に対し正確に応答して工具に変位補正を付与するの
で、上記の非真円加工以外の加工を行う場合にも顕著な
効果を得られる。すなわち、旋盤を用いた場合の様々な
加工誤差要因、例えばチャックによる歪みや旋盤各要素
の熱変形などの誤差要因を工具の変位補正により吸収し
て、高精度加工を行うことができる。
【0015】第2発明の加工装置は、被加工物をこれに
刃先を接触させた状態で相対回転させることにより切削
加工する切削工具と、この切削工具を保持する工具台
と、この工具台を前記切削工具の刃先が前記被加工物に
対し進退する方向に変位可能に支持するベース台と、切
削のための設定データに基づき前記工具台に対し補正変
位力を付与して前記切削工具を前記方向に変位させるア
クチェータと、前記切削工具に対し高周波振動を付与し
て駆動させる高周波振動子とを備えている。
【0016】この加工装置では、被加工物の切削加工を
行う場合に第1の発明と同様の効果を得られるのに加え
て、低い切削速度による切削加工の簡便さと高い生産性
を失うことなく、より複雑な形状を必要とするマイクロ
部品の高精度な切削加工が可能となる。
【0017】上記各発明において、高周波振動子として
超音波振動子を用いれば、工具に対し所要の高周波振動
を容易に付与することができる。
【0018】また、上記発明において、アクチェータは
電磁歪素子を用いて構成することが好ましい。特に、電
磁歪素子のうちの積層形圧電素子または超磁歪素子など
は、数百N程度の大きな推力が得られることから、工具
台を高い剛性を有する板ばねなどの弾性部材を用いた堅
牢な構成によってベース台に変位自在に支持させる構成
としても、上記弾性部材に抗して工具台を数ミクロン〜
数十ミクロンの範囲内で任意の位置に位置決めすること
ができる上記発明において、切削工具を保持した工具台
が被加工物に対し進退する方向に変位可能に支持された
ベース台に、アクチェータが取り付けられ、且つ前記工
具台に超音波振動子が取り付けられ、さらに、前記ベー
ス台を前記方向に対し同一面上における直交方向に変位
可能に支持するベース基台と、切削のための設定データ
に基づき前記ベース台に対し補正変位力を付与して前記
切削工具を前記直交方向に変位させる他のアクチェータ
とを備えている構成とすることが好ましい。
【0019】それにより、超音波振動子により超音波振
動を付与することにより、被加工物の回転数を上げなく
ても切削性能を向上させることができるとともに、切削
工具に対して、同一面上で直交する2方向に対して個別
のアクチェータにより異なる補正変位力を付与して、回
転する被加工物に対し切削工具の変位を三次元の方向に
補正できることから、複雑な三次元形状を有するマイク
ロ部品であっても、高精度に切削加工することが可能と
なる
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら説明する。図1は切削加
工に適用した場合の本発明の第1の実施の形態に係る加
工装置を示す縦断面図である。同図において、ベース台
11の上部には、左右一対の板ばね12,13を介して
断面コ字形状の工具台14が変位可能に支持されてお
り、工具台14には、その中央の取付用空間に筒状の支
持部材17が嵌め込まれて固定部材18および固定ねじ
19により固定されている。切削工具20は、支持部材
17に挿通してその先端の刃先21を被加工物22に接
触させるとともに、支持部材17の長手方向の両端部か
らそれぞれ内方へ膨出した支持突部23,24により支
持されている。したがって、切削工具20は、一対の板
ばね12,13が撓むことによって刃先21が被加工物
22に対し進退する背分力方向X(切り込み方向)に変
位可能に支持されている。
【0021】工具台14の後部上方には、縦型の超音波
振動子27がその下端の振動出力部28を切削工具20
の後端部に当接させて取り付けられており、この超音波
振動子27は、振動出力部28から切削工具20の後部
に超音波振動を付与する。これにより、切削工具20に
は、同図に2点鎖線で図示するように、両側の支持突部
23,24を振動の節とする曲げ振動モードの曲げ振動
が付与される。切削工具20は、同図に1点鎖線で図示
するように、上記の曲げ振動を上記の背分力方向Xに対
し異なる面で直交する主分力方向Yに受ける。上述の切
削工具20、超音波振動子27、工具台14および支持
部材17により超音波振動ユニット29が構成されてい
る。
【0022】ベース台11の後部(図の左側部)から立
ち上がった取付台部30には、積層型圧電素子からなる
アクチェータ31がその作用部を工具台14における切
削工具20の軸心の延長線上の位置に接触させて水平状
態に取り付けられている。このアクチェータ31を構成
する圧電素子は切削のための制御データの電圧に比例し
て伸縮し、一方、工具台14は、一対の板ばね12,1
3の撓みにより同図に1点鎖線で図示した背分力方向X
に変位自在に支持されている。そのため、工具台14
は、制御データの電圧に比例して伸縮するアクチェータ
31の低周波信号の作用を受けて背分力方向Xへ変位
し、この工具台14に保持されている切削工具20の刃
先21は、アクチェータ31への制御データに応じて背
分力方向Xへ変位するよう制御されて、被加工物22を
制御データに基づき切削していく。それにより、被加工
物22はアクチェータ31に与えた制御データに対応す
る形状に切削される。
【0023】この切削工具20の背分力方向Xの位置
は、工具台14を介して変位センサ32により検出さ
れ、その検出信号によりアクチェータ31がフィードバ
ック制御される。上述の超音波振動ユニット29、ベー
ス台11、板ばね12,13、アクチェータ31および
変位センサ32により変位補正ユニット33が構成され
ている。
【0024】上記加工装置では、アクチェータ31から
切削工具20に対し背分力方向Xへの補正変位用の低周
波信号を付与するのに加えて、超音波振動子27により
主分力方向Yへの超音波振動を上記の低周波信号に重ね
合わせる状態で付与している。ここで、特に、被加工物
22がマイクロ部品である場合には、切削工具20に上
記の主分力方向Yへの超音波振動を付与することが切削
性の向上に対し極めて有効に作用する。この点につい
て、以下に詳述する。
【0025】図2は、主分力方向Yへ超音波振動を付与
した上記実施の形態の加工装置の切削速度と主分力との
関係を示す特性図である。同図の特性は、アルミニウム
の被加工物22に対して、超音波振動周波数fが20K
Hz、振幅aが6μm、切り込み量tが0.1 mmの条件
で切削加工した場合の実測結果を示したものである。同
図では、回転数Vが、V<60m/min のときに主分力が
大幅に小さくなっているが、これは超音波振動を付与し
たことによる効果が顕著に顕れた結果である。すなわ
ち、超音波振動を付与しない場合には回転数Vの大小に
拘わらず主分力がほぼ8kgfを保つことになるからで
ある。また、超音波振動速度Vcを2πaf、回転数を
Vとすれば、V<Vcの条件が成立したときに主分力が
大幅に低下することが従来から知られている。したがっ
て、V<60m/min のときに、V<Vcの条件が成立す
ることになり、好ましくは、2V≦Vcとすればよい。
【0026】上記の主分力は、切削工具20の刃先21
が被加工物22に対し切り込んでいく背分力方向Xに対
し異なる面で直交する方向に作用する分力であって、主
分力が小さくなる程切削性能が向上する。これに対し、
上述のように切削工具20に主分力方向に超音波振動を
付与すれば、回転数Vが60m/min 以下のときに主分力
が大幅に低下して切削性能が向上する。
【0027】上記加工装置では、切削工具20に対し
て、アクチェータ31から補正変位力を付与するのに加
えて、超音波振動子27から超音波振動を重畳して付与
している。この超音波振動から決まる振動速度は被加工
物22の回転数から決まる切削速度よりも大きいので、
切削工具20から被加工物22に作用する主分力が図2
に示すように低下して切削性能が向上する。このように
切削工具20に超音波振動を付与していることによっ
て、被加工物22の回転数を上げなくても切削速度が上
がった状態となって、所要の切削性能を得られる。それ
により、アクチェータ31は、被加工物22の回転に応
答して正確に追従しながら補正変位力を切削工具20に
対し付与するので、複雑な非真円形状のマイクロ部品で
あっても、高精度に切削加工できる。
【0028】特に、回転数を上げるのが困難なマイクロ
部品の切削加工に際しては、回転数が低いままであって
も、超音波振動を付与することにより主分力が小さくな
って切削性が極めて向上し、且つアクチェータ31の応
答性を十分に確保できるから、低い回転数による切削加
工の簡便さと高い生産性を失うことなく、より複雑な形
状を必要とするマイクロ部品の高精度加工が可能とな
る。
【0029】上記加工装置は、非真円切削加工以外の例
えば真円形状などの切削加工を行う場合にも顕著な効果
を得られる。すなわち、旋盤を用いた場合の様々な加工
誤差要因、例えばチャックによる歪みや旋盤各要素の熱
変形などの誤差要因を予め検知して、それに基づく制御
データによりアクチェータ31を駆動して切削工具20
に補正変位力を付与すれば、切削工具20の変位補正に
より誤差要因を吸収して、高精度加工を行うことができ
る。
【0030】また、アクチェータ31を構成する積層形
圧電素子は、数百N程度の大きな推力が得られることか
ら、高い剛性の板ばね12,13に抗して工具台14を
数ミクロン〜数十ミクロンの範囲内で任意の位置に位置
決めすることができる。なお、積層形圧電素子に代え
て、やはり電磁歪形のアクチェータである超磁歪素子を
用いても、上記第1の実施の形態と同様の効果を得るこ
とができる。
【0031】図3は本発明の第2の実施の形態に係る加
工装置を示す縦断面図で、同図において、説明を簡略化
して理解を容易にするために、図1と同一または同等の
ものには同一の符号を付してその説明を省略し、次に、
相違する構成についてのみ説明する。超音波振動子34
はその作用部を切削工具37の後端部に接触させた状態
で切削工具37に連結され、この状態で超音波振動子3
4と切削工具37とが2組の支持部材38,39により
工具台14に支持されている。切削工具37には、同図
の上方に図示するように、両支持部材38,39を振動
の節とする縦振動が付与される。
【0032】この実施の形態の加工装置では、第1の実
施の形態と同様のアクチェータ31により工具台14を
介して切削工具37に対し背分力方向Xの変位補正を付
与するとともに、超音波振動子34により切削工具37
に対し変位補正と同方向の背分力方向Xへの超音波振動
を付与したものである。この実施の形態においても、第
1の実施の形態の加工装置と同様に、形状の極めて小さ
いマイクロ部品を切削加工する場合には、被加工物22
の回転数を上げなくても、超音波振動の付与によって切
削抵抗が小さくなり、切削性が向上する効果を得られ
る。
【0033】図4は、本発明の第3の実施の形態に係る
加工装置を示す斜視図で、第1の実施の形態とほぼ同様
の構成が、一対の板ばね41,42を介在してベース基
台43上に直交配置して固定されており、ベース基台4
3の取付台部44には他のアクチェータ47が板ばね4
1,42を介して切削工具20を背分力方向Xに対し同
一面上で直交する送り主分力方向Zに変位させるよう取
り付けられている。
【0034】この実施の形態の加工装置では、切削工具
20に対して、超音波振動子27により主分力方向Yに
超音波振動を付与するとともに、背分力方向Xと送り主
分力方向Zとに個々のアクチェータ32,47により個
別に補正変位を行えるようになっている。したがって、
切削工具20に対して、同一面上で直交する2方向に対
して個別のアクチェータ32,47により異なる補正変
位力を付与して、回転する被加工物に対し切削工具20
の変位を3次元の方向に補正できることから、複雑な三
次元形状を有するマイクロ部品であっても、高精度に切
削加工することが可能となる。
【0035】図5は、本発明の第4の実施の形態に係る
加工装置を示す縦断面図で、本発明をマイクロ部品の孔
形成加工に適用したものである。切削工具48としては
中ぐりバイトが用いられており、この切削工具48は超
音波捩じり振動子57に連結されている。この切削工具
48を連結した超音波捩じり振動子57は、板ばね4
9,50を介してベース台51に支持された筒状の工具
台52に挿通されるとともに、複数本のボルト53を介
して工具台52に水平状態に保持されており、切削工具
48に対して捩じり振動を付与する。切削加工すべき筒
状の被加工物58は、チャック59により把持されて回
転駆動されて、その内面が出口方向に移動する切削工具
48の刃先54により切削加工されていく。また、アク
チェータ60は、工具台52および超音波捩じり振動子
57を介して切削工具48に対して被加工物58の内周
面から接離する切り込み方向への補正変位力を付与す
る。この加工装置は、筒状のマイクロ部品の孔加工を高
精度に行うことができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1の加工
装置によれば、工具に対して、アクチェータから補正変
位力を付与するのに加えて、振動子から高周波振動を重
畳して付与する構成としたので、振動切削の効果が附与
されて、工具から被加工物に作用する主分力が低下して
加工性能が向上する。したがって、所要の加工性能を得
る場合に被加工物の回転数を上げなくてもすむので、ア
クチェータの十分な応答性を確保することができる。そ
のため、被加工物の回転に対して工具を正確に追従させ
るアクチェータの補正変位力によって、複雑な非真円形
状のマイクロ部品であっても、高精度に加工できる。し
かも、非真円加工以外の加工を行う場合であっても、様
々な加工誤差要因を工具の変位補正により吸収して、高
精度加工を行うことができる。
【0037】また、本発明の請求項2の加工装置によれ
ば、被加工物の切削加工を行う場合に請求項1と同様の
効果を得られるのに加えて、低い切削速度による切削加
工の簡便さと高い生産性を失うことなく、より複雑な形
状を必要とするマイクロ部品の高精度な切削加工が可能
となる。
【0038】さらに、本発明の請求項3の加工装置によ
れば、高周波振動子として超音波振動子を用いたので、
工具に対し所要の高周波振動を容易に付与することがで
きる。
【0039】さらにまた、本発明の請求項4の加工装置
によれば、アクチェータを電磁歪素子を用いて構成した
ので、大きな推力が得られる結果、工具台を高い剛性を
有する弾性部材などを用いた堅牢な構成によってベース
台に変位自在に支持させる構成としても、弾性部材に抗
して工具台を数ミクロン〜数十ミクロンの範囲内で任意
の位置に位置決めすることができるさらにまた、本発明
の請求項5の加工装置によれば、切削工具を保持した工
具台が変位可能に支持されたベース台に、アクチェータ
を取り付け、且つ工具台に超音波振動子を取り付け、ベ
ース台を変位可能に支持するベース基台と、ベース台に
対し補正変位力を付与して切削工具を変位させる他のア
クチェータとを備えた構成としたので、回転する被加工
物に対し切削工具の変位を三次元の方向に補正でき、複
雑な三次元形状を有するマイクロ部品であっても、高精
度に切削加工することが可能となる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る加工装置を示
す縦断面図。
【図2】主分力方向へ超音波振動を付与した場合の回転
数と主分力との関係を示す特性図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る加工装置を示
す縦断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る加工装置を示
す斜視図。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る加工装置を示
す縦断面図。
【図6】回転数と切削仕上げ面粗さとの関係を示特性
図。
【図7】従来の積層型の圧電素子を用いたアクチェータ
で刃物台を駆動する非真円創成機構を示す概略構成図。
【符号の説明】
11,51 ベース台 14,52 工具台 20,37,48 切削工具 22,58 被加工物 27,34,57 振動子 31 アクチェータ 43 ベース基台 47 他のアクチェータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工用の工具を支持する工具台と、 この工具台を変位可能に保持するベース台と、 高周波電源から高周波電力を供給されて前記工具に高周
    波振動を付与する振動子と、 前記ベース台と前記工具台との間に相対的な変位を与え
    るアクチェータとにより構成されたことを特徴とする加
    工装置。
  2. 【請求項2】 被加工物をこれに刃先を接触させた状態
    で相対回転させることにより切削加工する切削工具と、 この切削工具を保持する工具台と、 この工具台を前記切削工具の刃先が前記被加工物に対し
    進退する方向に変位可能に支持するベース台と、 切削のための設定データに基づき前記工具台に対し補正
    変位力を付与して前記切削工具を前記方向に変位させる
    アクチェータと、 前記切削工具に対し高周波振動を付与して駆動させる高
    周波振動子とを備えてなることを特徴とする加工装置。
  3. 【請求項3】 高周波振動子は超音波振動子である請求
    項1または請求項2に記載の加工装置。
  4. 【請求項4】 アクチェータは電磁歪素子を用いて構成
    されている請求項1乃至請求項3の何れかに記載の加工
    装置。
  5. 【請求項5】 切削工具を保持した工具台が被加工物に
    対し進退する方向に変位可能に支持されたベース台に、
    アクチェータが取り付けられ、且つ前記工具台に超音波
    振動子が取り付けられ、 さらに、前記ベース台を前記方向に対し同一面上におけ
    る直交方向に変位可能に支持するベース基台と、 切削のための設定データに基づき前記ベース台に対し補
    正変位力を付与して前記切削工具を前記直交方向に変位
    させる他のアクチェータとを備えている請求項3に記載
    の加工装置。
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