JPH1011783A - 記録再生装置および方法 - Google Patents

記録再生装置および方法

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JPH1011783A
JPH1011783A JP8161470A JP16147096A JPH1011783A JP H1011783 A JPH1011783 A JP H1011783A JP 8161470 A JP8161470 A JP 8161470A JP 16147096 A JP16147096 A JP 16147096A JP H1011783 A JPH1011783 A JP H1011783A
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laser light
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Kuninori Shino
邦宣 篠
Mitsunori Ueda
充紀 植田
Kimihiro Saito
公博 斉藤
Junichi Ishibashi
淳一 石橋
Tsuguhiro Abe
嗣弘 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な機構を必要とせずに2種類の記録媒体
を再生する。 【解決手段】 LD21により広がり角θ1で出射さ
れ、コリメータレンズ24により、その広がり角θ1
θ1aに変更されたレーザ光は、光路合波分離プリズム2
7を介して対物レンズ28に入射し、対物レンズ28に
よって集光され、光ディスク41(例えばDVD)の基
板41Bを介して記録面41Aで合焦する。一方、LD
30により広がり角θ2で出射され、コリメータレンズ
29により、その広がり角θ2を、レーザ光Aの広がり
角θ1aより大きい角度θ2a(θ2a>θ1 a)に変更された
レーザ光は、光路合波分離プリズム27を介して対物レ
ンズ28に入射し、対物レンズ28によって集光され、
光ディスク42(例えばCD)の基板42Bを介して記
録面42Aで合焦する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録再生装置およ
び方法に関し、特に、第1の発生部で、第1の波長の第
1のレーザ光を発生し、所定の位置に配置されている第
2の発生部で、第1のレーザ光に較べ、より発散する状
態で第2のレーザ光を発生し、第1の記録媒体に対して
第1のレーザ光を球面収差が発生しないように集光する
ように設計された集光部で、第1の波長の第1のレーザ
光を第1の記録媒体の記録面に集光し、第2の波長の第
2のレーザ光を第2の記録媒体の記録面に集光する記録
再生装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光を利用して情報を記録または再生する
記録媒体として、コンパクトディスク(CD)(商
標)、CD−ROM、CD−Rなどの光ディスクが普及
しているが、最近では、その他に、大容量のデータを記
録するDVD(Digital VersatileDisc)などの新たな
記録媒体が開発されつつある。
【0003】このような光ディスクからデジタル情報を
読み出す場合、レーザ光を記録媒体に集光し、記録媒体
からの反射光を検出し、反射光のレベルを2値データに
変換する。
【0004】高密度の光ディスク(例えば、DVDはC
Dの約5倍の記録密度を有する)においては、短波長の
レーザ光を利用し(例えば、CDを再生する場合、波長
λはλ=780nmとされ、より高密度にデータが記録
されているDVDを再生する場合、λ=635乃至65
0nmとされる)、開口数(NA)の大きい(例えば、
CDを再生する場合、NA=0.45とされ、DVDを
再生する場合、NA=0.6とされる)対物レンズを使
用してレーザ光をより狭い範囲に集光させ、その反射光
を受光して、記録されている情報を再生する。
【0005】そのような開口数(NA)の大きい対物レ
ンズを使用すると、光ディスクの傾き(スキュー)に起
因して、反射光における収差量が増大するため、DVD
ではCDにおける場合より基板を薄く設計し(CDの
1.2mmに対し、DVDでは0.6mm)、反射光に
おける収差量を低減している。
【0006】以上のような、対物レンズのNAとレーザ
光の波長λの値に応じて規定される集光スポットのサイ
ズ(λ/NAに比例する)の違い、および、光ディスク
の基板の厚さに応じて生じる球面収差の量の違いによ
り、従来のCDに記録されている情報を読み出す光学系
を、そのまま、DVDの再生に利用することは困難であ
り、その逆に、DVD用に設計した光学系をCDの再生
にそのまま利用することも困難である。
【0007】しかしながら、今後、CDなどの従来の光
ディスクと、DVDなどの高密度の光ディスクは共存し
ていくものと考えられるので、それらの光ディスクを再
生する場合、光ディスクの種類毎に専用の再生装置を用
意しなければならないとすれば不便である。
【0008】そこで、このような記録密度と基板の厚さ
が異なる複数の光ディスクを1つの装置で再生する方法
がいくつか提案されている。
【0009】そのうちの1つとして、CD用とDVD用
の2つの対物レンズを用意し、再生する光ディスクの種
類に対応して対物レンズを切り替える方法(第1の方
法)が、例えば、電子情報通信学会の信学技報 TECHNIC
AL REPORT OF IEICE MR95-25(1995-08)(三菱電機 中
村他)に記載されている。
【0010】また、第2の方法として、例えば、DVD
用の光学ピックアップにおけるレーザ光の光路上に、絞
り機構を設け、CD再生時において、レーザ光(反射
光)のうち、収差の多い部分(NAの大きい部分)をカ
ットし、NAの比較的小さい部分だけを利用することに
より、DVDおよびCDの再生を行う方法(第2の方
法)が、例えば、特開平6−124477号、特願平8
−057291号に開示されている。
【0011】さらに第3の方法として、対物レンズと、
ホログラム光学素子(HOE)を組み合わせる方法(第
3の方法)が、例えば、特開平7−98431号に開示
されている。この方法では、ホログラム光学素子の凹凸
のピッチ(間隔)(HOEピッチ)を最適化して球面収
差を補正するとともに、ホログラム光学素子において凹
凸が形成されている領域(HOE領域)を小さくしてN
Aを調整する。また、1つのレーザ光を、ホログラム光
学素子の回折次数の違いにより2つの焦点の光に分割
し、それぞれの焦点の光を、異なる基板厚さの光ディス
クに集光する。
【0012】また、第4の方法として、光ディスクの種
類に応じて、レーザ光の光源に対するコリメータレンズ
の位置を光軸方向に移動させる方法(第4の方法)が、
例えば、特願平8−3511号に開示されている。この
方法では、光ピックアップの光学系の一部であるコリメ
ータレンズを、光軸方向に移動させることにより、光デ
ィスクの基板の厚さの違いに起因して発生する収差を補
正する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
方法は、2つの対物レンズと、これらの対物レンズを切
り替えるための駆動機構を必要とするため、光学ピック
アップが大型になるとともに、複雑になるという問題を
有している。
【0014】一方、今後開発される可能性が高いDVD
−RAM(DVDと同様の記録密度でデータの書換が可
能なディスク)において、ディスクへのデータの書込の
信頼性の観点から、ディスク媒体を所定のカートリッジ
に収納した形態が検討されている。カートリッジにディ
スク媒体を収納した場合、カートリッジの窓部分からデ
ィスク媒体に対してデータの記録再生を行うことになる
ので、光学ピックアップが大型になると、このようなデ
ィスクの記録再生を行うことが困難になるという問題を
さらに有している。
【0015】第2の方法においては、球面収差の補正量
が不十分であるため、再生信号が劣化する可能性がある
とともに、CD再生時とDVD再生時においては、その
基板厚さに応じて、光ディスクの記録面が光軸方向に移
動するため、光軸方向に対物レンズを、基板厚さの差を
基板の屈折率n(例えばn=1.58)で割算した量
(例えば、0.380mm=0.6mm/1.58=
(1.2mm(CD)−0.6mm(DVD))/1.
58)と同程度変位させ、その対物レンズの焦点を、再
生する光ディスクの記録面上に移動させる必要がある。
このように大きく対物レンズを移動させるための機構を
設けると、装置(対物レンズ用2軸アクチュエータ)が
大型化することになる。
【0016】また、第3の方法は、1つのレーザ光を2
つに分割し、分割したレーザ光で、それぞれ異なる種類
の光ディスクを再生しているため、レーザ光の全光量に
対する、光ディスクの再生に利用される光量の割合が少
なくなり、レーザ光の光量を有効に活用することが困難
であるという問題や、再生に利用する回折光以外の他の
次数の回折光が外乱となり、フォーカスサーボが不安定
となるという問題を有している。
【0017】さらに、これらの方法は、使用されている
レーザ光の波長が、約635nm乃至約650nmと短
く、CD−R(波長が約635nm乃至約650nmの
光を吸収する染料(色素)で情報記録層(記録面)が形
成されている)の再生が困難である(レーザ光が染料
(色素)に吸収され、充分な反射光が得られない)とい
う問題を有している。
【0018】そして、第4の方法においては、コリメー
タを高精度で移動させる必要があり、そのような高精度
な機構を設けることによりコストが高くなるという問題
を有している。
【0019】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、例えば波長が635nmの第1のレーザ光
と、例えば波長が780nmの第2のレーザ光を、それ
ぞれ所定の広がり角で発生し、対物レンズを介して、第
1のレーザ光を第1の光ディスク集光し、第2のレーザ
光を第2の光ディスクに集光することにより、低コスト
で2種類の光ディスクの再生を行うようにするものであ
る。さらに、第2の波長として長い波長(780nm)
のレーザ光を使用することにより、CD−Rを再生する
ことができるようにするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の記録再
生装置は、第1の波長の第1のレーザ光を第1の記録媒
体の記録面に集光し、第2の波長の第2のレーザ光を第
2の記録媒体の記録面に集光する集光手段と、第1の波
長の第1のレーザ光を発生する第1の発生手段と、第2
の波長の第2のレーザ光を発生する第2の発生手段と、
第1のレーザ光の反射光を受光する第1の受光手段と、
第2のレーザ光の反射光を受光する第2の受光手段とを
備え、集光手段は、第1の記録媒体に対して第1のレー
ザ光を球面収差が発生しないように集光するように設計
され、第2の発生手段は、第2のレーザ光が、第1のレ
ーザ光に較べ、より発散する状態で集光手段に入射する
位置に配置されていることを特徴とする。
【0021】請求項9に記載の記録再生方法は、第1の
波長の第1のレーザ光を第1の記録媒体の記録面に集光
し、第2の波長の第2のレーザ光を第2の記録媒体の記
録面に集光する集光手段と、第1の波長の第1のレーザ
光を発生する第1の発生手段と、第2の波長の第2のレ
ーザ光を発生する第2の発生手段と、第1のレーザ光の
反射光を受光する第1の受光手段と、第2のレーザ光の
反射光を受光する第2の受光手段とを備える記録再生装
置における記録再生方法であり、集光手段は、第1の記
録媒体に対して第1のレーザ光を球面収差が発生しない
ように集光するように設計し、第2の発生手段は、第2
のレーザ光が、第1のレーザ光に較べ、より発散する状
態で集光手段に入射する位置に配置することを特徴とす
る。
【0022】請求項1に記載の記録再生装置において
は、集光手段は、第1の記録媒体に対して第1のレーザ
光を球面収差が発生しないように集光するように設計さ
れ、第2の発生手段は、第2のレーザ光が、第1のレー
ザ光に較べ、より発散する状態で集光手段に入射する位
置に配置されている。
【0023】請求項9に記載の記録再生方法において
は、記録再生装置の集光手段を、第1の記録媒体に対し
て第1のレーザ光を球面収差が発生しないように集光す
るように設計し、記録再生装置の第2の発生手段を、第
2のレーザ光が、第1のレーザ光に較べ、より発散する
状態で集光手段に入射する位置に配置する。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の記録再生装置の
第1の実施例の構成例を示している。この実施例におい
ては、光学ピックアップ部1は、内蔵する2つのレーザ
ダイオード(LD)21(第1の発生手段),30(第
2の発生手段)(図2)で所定の波長のレーザ光を発生
し、所定の光学系(図2)を介して、光ディスク41
(例えばDVD)または光ディスク42(例えばCD)
に集光し、その反射光(戻り光)を、複数の受光部を有
するホトディテクタ(PD)26(第1の受光手段),
34(第2の受光手段)(図2)で検出し、各受光部の
出力信号をPD出力信号として演算回路2に出力するよ
うになされている。
【0025】演算回路2は、PD出力信号(各受光部の
信号)から、光ディスク再生用のデータ検出信号(RF
信号)、光軸方向におけるレーザ光のフォーカスのずれ
を示すフォーカスエラー信号、光ディスクの半径方向の
トラッキングのずれを示すトラッキングエラー信号、光
ディスクの傾き(スキュー)を示すスキュー検出信号を
算出し、データ検出信号を再生回路3に出力し、フォー
カスエラー信号、トラッキングエラー信号、および、ス
キュー検出信号を制御回路4(検出手段)に出力するよ
うになされている。
【0026】再生回路3は、演算回路2より供給された
データ検出信号をイコライズした後、2値化し、さら
に、エラー訂正しながら復調した信号を、再生信号とし
て、所定の装置(図示せず)に出力するようになされて
いる。
【0027】制御回路4は、演算回路2より供給された
フォーカスエラー信号に応じて、フォーカスサーボ用ア
クチュエータ6を制御し、光学ピックアップ部1の対物
レンズ28(集光手段)(図2)を光軸方向に移動さ
せ、フォーカスを調整し、演算回路2より供給されたト
ラッキングエラー信号に応じて、トラッキングサーボ用
アクチュエータ7を制御し、光学ピックアップ部1を光
ディスク41,42の半径方向に移動させ、トラッキン
グを調整するようになされている。
【0028】制御回路4は、演算回路2より供給された
スキュー検出信号に応じて、スキュー補正用アクチュエ
ータ8を制御し、光ディスク41,42のスキューを補
正するようになされている。
【0029】また、制御回路4は、モータ9を制御し、
光ディスク41,42を所定の速度で回転させるように
なされている。
【0030】なお、制御回路4は、入力装置5からユー
ザによる操作に応じた信号を受け取ると、その信号に応
じて、各回路を制御するようになされている。
【0031】図2は、第1の実施例の光ピックアップ部
1の構成例を示している。LD21は、第1の波長λ1
のレーザ光を、広がり角θ1でグレーティング22に向
けて出射するようになされている。グレーティング22
は、LD21からのレーザ光を、実質的に所定の本数
(例えば3本)に分割し、それらのレーザ光をビームス
プリッタ(BS)23に入射させるようになされてい
る。
【0032】BS23は、LD21からグレーティング
22を介して入射したレーザ光を、コリメータレンズ2
4(変換手段)に向けて透過し、コリメータレンズ24
から入射した戻り光をマルチレンズ25に向けて反射す
るようになされている。
【0033】マルチレンズ25は、BS23から入射し
た戻り光に非点収差を与え、その戻り光をPD26に入
射させるようになされている。
【0034】PD26は、複数の受光部を有し、各受光
部に入射した戻り光の光量に対応する電気信号を、演算
回路2に出力するようになされている。
【0035】コリメータレンズ24は、BS23から入
射したレーザ光の広がり角θ1をθ1 aに変更し、光路合
波分離プリズム27(合波分離手段)に入射させるとと
もに、光路合波分離プリズム27から入射した戻り光を
BS23に入射させるようになされている。
【0036】光路合波分離プリズム27は、図3に示す
ように、第1の波長λ1の光に対してほぼ100%の反
射率(ほぼ0%の透過率)を有するとともに、第2の波
長λ2の光に対してほぼ100%の透過率(ほぼ0%の
反射率)を有している。従って、光路合波分離プリズム
27は、コリメータレンズ24から入射した第1の波長
λ1のレーザ光を、対物レンズ28に向けて反射させる
とともに、コリメータレンズ29(第2の変換手段)か
ら入射した第2の波長λ2のレーザ光を対物レンズ28
に向けて透過させるようになされている。
【0037】また、光路合波分離プリズム27は、対物
レンズ28から入射した第1の波長λ1の戻り光を、コ
リメータレンズ24に向けて反射させるとともに、対物
レンズ28から入射した第2の波長λ2の戻り光を、コ
リメータレンズ29に向けて透過させるようになされて
いる。
【0038】対物レンズ28は、光路合波分離プリズム
27から入射した第1の波長のレーザ光を、光ディスク
41の記録面41Aに、高いNA(例えば、NA=0.
6)で集光させるとともに、光路合波分離プリズム27
から入射した第2の波長のレーザ光を、光ディスク42
の記録面42Aに、低いNA(例えば、NA=0.4
5)で集光させるとともに、光ディスク41,42の記
録面41A,42Aで反射したレーザ光(戻り光)を光
路合波分離プリズム27に入射させるようになされてい
る。
【0039】LD30は、第2の波長λ2のレーザ光
を、広がり角θ2でグレーティング31に向けて出射す
るようになされている。グレーティング31は、LD3
0からのレーザ光を、実質的に所定の本数(例えば3
本)に分割し、それらのレーザ光をBS32に入射させ
るようになされている。
【0040】BS32は、LD30からグレーティング
31を介して入射したレーザ光を、コリメータレンズ2
9に向けて透過し、コリメータレンズ29から入射した
戻り光をマルチレンズ33に向けて反射するようになさ
れている。
【0041】マルチレンズ33は、BS32から入射し
た戻り光に非点収差を与え、その戻り光をPD34に入
射させるようになされている。
【0042】PD34は、複数の受光部を有し、各受光
部に入射した戻り光の光量に対応する電気信号を、演算
回路2に出力するようになされている。
【0043】コリメータレンズ29は、BS32から入
射したレーザ光の広がり角θ2を、θ1aより大きい広が
り角θ2a(θ2a>θ1a)に変更し、光路合波分離プリズ
ム27に入射させるとともに、光路合波分離プリズム2
7から入射した戻り光をBS32に入射させるようにな
されている。
【0044】以上のように、対物レンズ28の一定の屈
折性能で、小さい広がり角θ1aで対物レンズ28に入射
されたレーザ光を高いNAで集光し、大きい広がり角θ
2aで対物レンズ28に入射されたレーザ光を低いNAで
集光している。即ち、レーザ光の広がり角を調節してN
Aを変化させて、光ディスク41,42の基板41B,
42Bで発生する球面収差を補正している。
【0045】図4は、光路合波分離プリズム27の詳細
な構成を示している。この光路合波分離プリズム27に
は、ダイクロイックプリズムが使用されている。誘電体
膜51−1は、コリメータレンズ24から面Xを介して
入射したレーザ光を反射させ、コリメータレンズ29か
ら面Yを介して入射したレーザ光を透過させる。
【0046】この誘電体膜51−1は、図5に示すよう
に、レーザ光の波長および偏光状態に応じて異なる反射
率を有する。
【0047】例えば、LD21は、波長λ1が635n
mであり、かつ、s偏光であるレーザ光を発生し、コリ
メータレンズ24は、そのレーザ光の広がり角θ1を変
更し、光路合波分離プリズム27の誘電体膜51−1
に、40度乃至50度の広がり角で入射させる。
【0048】また、LD30は、波長λ2が780nm
であり、かつ、p偏光であるレーザ光を発生し、コリメ
ータレンズ29は、そのレーザ光の広がり角θ2を偏光
し、光路合波分離プリズム27の誘電体膜51−1に、
40度乃至50度の広がり角で入射させる。
【0049】誘電体膜51−1は、LD21により発生
させたレーザ光(λ1=635nm,s偏光)を約10
0%の反射率で反射するとともに、LD30で発生させ
たレーザ光(λ2=780nm,p偏光)を約100%
の透過率(即ち、約0%の反射率)で透過させる。
【0050】このように、波長に応じて、反射率または
透過率の高いダイクロイックプリズムを使用することに
より、例えば、反射率および透過率が50%であるハー
フミラーよりレーザ光の利用効率を向上させることがで
きるので、LDの駆動電流を低減することができる。
【0051】なお、図6に示すように、他の誘電体膜5
1−2を有する光路合波分離プリズム27を使用するこ
ともできる。図7は、誘電体膜51−2の反射率の特性
を示している。この誘電体膜51−2は、波長が635
nmのs偏光に対して約100%の反射率を有し、波長
が780nmのs偏光およびp偏光に対して約0%の反
射率(約100%の透過率)を有する。
【0052】従って、誘電体膜51−2は、例えば、L
D21により発生させた波長λ1が635nmであり、
かつ、s偏光であるレーザ光を約100%の反射率で反
射するとともに、LD30で発生させた波長λ2が78
0nmであるレーザ光(s偏光とp偏光を両方含んでい
てもよい)を約100%の透過率(即ち、約0%の反射
率)で透過させる。
【0053】次に、図8および図9は、対物レンズ28
が光ディスク41,42の記録面41A,42Aにレー
ザ光を集光する様子を示している。
【0054】図8に示すように、LD21により広がり
角θ1で出射され、コリメータレンズ24により、その
広がり角θ1をθ1aに変更されたレーザ光(レーザ光A
61)は、対物レンズ28によって高いNAで集光さ
れ、基板41B(例えば、厚さが0.6mmである)を
介して記録面41Aで合焦する。
【0055】一方、図9に示すように、LD30により
広がり角θ2で出射され、コリメータレンズ29によ
り、その広がり角θ2を、レーザ光Aの広がり角θ1a
り大きい角度θ2a(θ2a>θ1a)に変更されたレーザ光
(レーザ光B62)は、対物レンズ28によって低いN
Aで集光され、基板41Bより厚い基板42B(例え
ば、厚さが1.2mmである)を介して記録面42Aで
合焦する。
【0056】このように、光ディスク41,42の基板
41B,42Bの厚さに対応して、異なる広がり角
θ1a,θ2aのレーザ光を対物レンズ28に入射し、それ
らのレーザ光を、光ディスク41,42の記録面41
A,42Aにそれぞれ合焦させる。
【0057】以上のように、光ピックアップ部1は、光
ディスク41,42の種類に応じて、異なる広がり角の
レーザ光を発生させ、その広がり角を変更した後、その
レーザ光を対物レンズ28で光ディスク41,42に集
光し、その反射光(戻り光)をPD26,34で受光す
ることにより、光ディスク41,42に記録されている
データを検出する。
【0058】次に、図10は、PD26,34の受光部
の一例と、演算回路2の演算例を示している。PD26
は、3個の受光部26A,26B,26Cを有してい
る。受光部26Aは、グレーティング22で分割された
レーザ光のうち、データ読み取りおよびフォーカスエラ
ーの検出に利用されるレーザ光(戻り光)を受光する。
受光部26B,26Cは、トラッキングエラーの検出に
利用されるレーザ光(戻り光)を受光する。受光部26
Aは、4つの受光領域A1乃至D1を有し、受光領域ごと
に入射した光を電気信号に変換し、その電気信号を演算
回路2に出力する。受光部26B,26Cは、受光領域
1,F1を有し、受光領域ごとに入射した光を電気信号
に変換し、その電気信号を演算回路2に出力する。
【0059】PD34は、3個の受光部34A,34
B,34Cを有している。受光部34Aは、グレーティ
ング31で分割されたレーザ光のうち、データ読み取り
およびフォーカスエラーの検出に利用されるレーザ光
(戻り光)を受光する。受光部34B,34Cは、トラ
ッキングエラーの検出に利用されるレーザ光(戻り光)
を受光する。受光部34Aは、4つの受光領域A2乃至
2を有し、受光領域ごとに入射した光を電気信号に変
換し、その電気信号を演算回路2に出力する。受光部3
4B,34Cは、受光領域E2,F2を有し、受光領域ご
とに入射した光を電気信号に変換し、その電気信号を演
算回路2に出力する。
【0060】本実施例においては、フォーカスサーボは
アスティグマ法(非点収差法)に従って行われ、光ディ
スク41の再生時においては、演算回路2は、受光部2
6Aの4つの受光領域A1乃至D1より供給された4つの
信号A1乃至D1からフォーカスエラー信号((A1
1)−(B1+C1))を算出し、制御回路4に出力す
る。一方、光ディスク42の再生時においては、演算回
路2は、受光部34Aより供給された4つの信号A2
至D2からフォーカスエラー信号((A2+D2)−(B2
+C2))を算出し、制御回路4に出力する。
【0061】また、トラッキングサーボは3スポット法
に従って行われ、光ディスク41の再生時においては、
演算回路2は、受光部26B,26Cの受光領域E1
1より供給された2つの信号E1,F1からトラッキン
グエラー信号(E1−F1)を算出し、制御回路4に出力
する。一方、光ディスク42の再生時においては、演算
回路2は、受光部34B,34Cより供給された2つの
信号E2,F2からトラッキングエラー信号(E2−F2
を算出し、制御回路4に出力する。
【0062】そして、演算回路2は、光ディスク41の
再生時には、受光部26Aからの4つの信号A1乃至D1
からデータ検出信号(A1+B1+C1+D1)を算出し、
光ディスク42の再生時には、受光部34Aからの4つ
の信号A2乃至D2からデータ検出信号(A2+B2+C2
+D2)を算出し、算出したデータ検出信号を再生回路
3に出力する。
【0063】さらに、本実施例においては、光ディスク
41,42の再生時に、データの検出を行っていないL
DおよびPDを動作させて、再生中の光ディスクの傾き
(スキュー)を検出する。
【0064】例えば、光ディスク41を再生する場合、
LD21で発生させたレーザ光を光ディスク41に集光
する光学系(LD21,グレーティング22,BS2
3,コリメータレンズ24,光路合波分離プリズム2
7,対物レンズ28)は、基板41Bで発生する収差を
十分に補正しているので、戻り光は、図11に示すよう
に鋭いピークを呈する。そして、その戻り光は、図12
に示すように、受光部26Aに入射し、検出される。
【0065】このようにして光ディスク41を再生して
いるとき、連続的または間欠的に、LD30で発生させ
たレーザ光を光ディスク41に照射する。LD30で発
生させたレーザ光を光ディスクに集光する光学系(LD
30,グレーティング31,BS32,コリメータレン
ズ29,光路合波分離プリズム27,対物レンズ28)
は、基板42Bで発生する収差を補正するように設計さ
れているので、この光学系により光ディスク41に照射
されたレーザ光はデフォーカス状態となり、光ディスク
41上の集光スポットは大きなものとなる。
【0066】このように、LD30で発生させたレーザ
光は大きな集光スポットで光ディスク41に照射される
ので、その反射光(戻り光)は、ピットやグルーブなど
のディスクの微細の形状により影響を受けることなく、
光ディスクの傾きという広域的な情報だけを含んでい
る。また、光ディスク41に照射される集光スポットの
サイズに対応して、戻り光は、図13に示すように、鈍
いピークを呈する。そして、その戻り光は、図14に示
すように、受光部34Aに入射し、検出される。
【0067】このようなデータの検出を行わない光学系
を利用して、再生中の光ディスクのスキューの検出を行
う。
【0068】光ディスクにスキューが発生していない場
合、戻り光(図13)のピークは、受光部34Aの中心
(即ち、領域A2乃至D2が共有する頂点)付近に位置す
る。そして、光ディスクが半径方向に傾いている場合
(ラジアルスキューが発生している場合)、図15に示
すように、戻り光のピークは、中心付近からずれて、領
域A2,C2または領域B2,D2に位置するので、領域A
2,C2で検出される光量と、領域B2,D2で検出される
光量の差((A2+C2)−(B2+D2))の値により、
ラジアルスキューの発生、および、スキューの方向と量
を検出することができる。
【0069】また、光ディスクが接線方向に傾いている
場合(タンジェンシャルスキューが発生している場
合)、戻り光のピークは、中心付近からずれて、領域A
2,B2または領域C2,D2に位置するので、領域A2
2で検出される光量と、領域C2,D2で検出される光
量の差((A2+B2)−(C2+D2))の値により、タ
ンジェンシャルスキューの発生、および、スキューの方
向と量を検出することができる。
【0070】従って、演算回路2は、光ディスク41の
再生時においては、PD34の受光部34Aより供給さ
れた信号A2乃至D2から、((A2+C2)−(B2
2))を計算し、その計算結果をラジアルスキューに
対するスキュー検出信号として制御回路4に出力すると
ともに、((A2+B2)−(C2+D2))を計算し、そ
の計算結果をタンジェンシャルスキューに対するスキュ
ー検出信号として制御回路4に出力するようになされて
いる。
【0071】なお、光ディスク42の再生時において
は、LD21およびPD26を動作させて光ディスク4
2のスキューの検出を行う。このとき、演算回路2は、
PD26の受光部26Aより供給された信号A1乃至D1
から、((A1+C1)−(B1+D1))を計算し、その
計算結果をラジアルスキューに対するスキュー検出信号
として制御回路4に出力するとともに、((A1+B1
−(C1+D1))を計算し、その計算結果をタンジェン
シャルスキューに対するスキュー検出信号として制御回
路4に出力するようになされている。
【0072】以上のようにして、本実施例においては、
光ディスク41,42の種類に応じて、異なる広がり角
のレーザ光を発生させて光ディスク41,42の基板4
1B,42Bの厚さの違いに起因する収差を補正しなが
ら、光ディスク41,42に記録されているデータを再
生するとともに、光ディスク41,42のデータの再生
に使用していない光学系を利用して、再生中の光ディス
クのスキューを検出する。
【0073】なお、上記実施例においては、非点収差法
によってフォーカスサーボを行うために4分割されてい
る受光部26A,34Aを利用して、スキューの検出を
行っているが、同心円法によってフォーカスサーボを行
う場合においては、図16および図17に示すように、
同心円法に対応して川の字状に分割されている受光部を
利用してスキューの検出を行うことができる。
【0074】図16に示す受光部は、3つの受光領域
A,B,Cを有し、入射した光の光量に対応する電気信
号A,B,Cを出力する。そして、演算回路2によっ
て、これらの信号A,B,Cから、ラジアルスキューに
対するスキュー検出信号(A−C)を算出する。
【0075】また、図17に示す受光部は、4つの受光
領域A乃至Dを有し、入射した光の光量に対応する電気
信号A乃至Dを出力する。そして、演算回路2によっ
て、これらの信号A乃至Dから、ラジアルスキューに対
するスキュー検出信号として、(A−C)、((A+
B)−(C+D))、(A−D)のいずれかを算出す
る。
【0076】なお、図18に示すように、上記実施例の
対物レンズ28のLD21,30側に開口部71(開口
設定手段)を設けることにより、光ディスク41,42
にレーザ光を集光する場合、対物レンズ28に入射する
レーザ光に対する開口を同一にすることができる。この
ように、開口部71を設け、対物レンズ28の開口を同
一にすることにより、レーザ光の光学設計上の入射範囲
より外側で入射した光に起因して生じる迷光を抑制し、
良好な戻り光を検出することできる。
【0077】なお、上記実施例のLD21とPD26、
および、LD30とPD34の代わりに、発光部と受光
部を一体化したレーザカプラを使用してもよい。
【0078】また、上記実施例においては、光ディスク
41,42の種類に応じて、波長が異なるレーザ光を使
用するので、例えば、第2の波長が780nmであるレ
ーザ光を利用して、光ディスク42としてCD−Rを再
生することが可能である。
【0079】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第2の実施例は、第1の実施例のうち、光ピック
アップ部1を変更したものである。従って、第2の実施
例については、その光ピックアップ部1についてだけ説
明する。
【0080】図19は、第2の実施例の光ピックアップ
部1を示している。この光ピックアップ部1は、第1の
実施例の光ピックアップ部1のLD21からコリメータ
レンズ24までの光学系(マルチレンズ25、PD26
を含む)と、LD30からコリメータレンズ29までの
光学系(マルチレンズ33、PD34を含む)の配置を
入れ換え、さらに、光路合波分離プリズム27を変更し
たものである。従って、第2の実施例の光路合波分離プ
リズム27A(合波分離手段)についてだけ説明する。
【0081】図20は、光路合波分離プリズム27Aの
詳細な構成を示している。この光路合波分離プリズム2
7Aにおいては、誘電体膜51−3が、コリメータレン
ズ29から面Xを介して入射したレーザ光を反射させ、
コリメータレンズ24から面Yを介して入射したレーザ
光を透過させる。
【0082】この誘電体膜51−3は、図21に示すよ
うに、レーザ光の波長および偏光状態に応じて異なる反
射率を有する。
【0083】例えば、LD21は、波長λ1が635n
mであるレーザ光を発生し、コリメータレンズ24は、
そのレーザ光の広がり角θ1を変更し、光路合波分離プ
リズム27の誘電体膜51−3に、40度乃至50度の
広がり角で入射させる。
【0084】また、LD30は、波長λ2が780nm
であるレーザ光を発生し、コリメータレンズ29は、そ
のレーザ光の広がり角θ2を変更し、光路合波分離プリ
ズム27の誘電体膜51−3に、40度乃至50度の広
がり角で入射させる。
【0085】誘電体膜51−3は、LD21で発生させ
たレーザ光(λ1=635nm,p偏光)を約100%
の透過率(即ち、約0%の反射率)で透過させるととも
に、LD30で発生させたレーザ光(λ2=780n
m,s偏光)を約100%の反射率で反射させる。
【0086】なお、図22に示すように、他の誘電体膜
51−4を有する光路合波分離プリズム27Aを使用す
ることもできる。図23は、誘電体膜51−4の反射率
の特性を示している。この誘電体膜51−4は、波長が
635nmのs偏光およびp偏光に対しては約0%の反
射率(約100%の透過率)を有し、波長が780nm
のs偏光に対しては約0%の反射率を有する。
【0087】従って、誘電体膜51−4は、例えば、L
D21により出射された、波長λ1が635nmである
レーザ光(s偏光とp偏光の両方を含んでいてもよい)
を、約100%の透過率で透過させ、LD30により出
射された波長がλ2=780nmであり、かつ、s偏光
であるレーザ光を約100%の反射率で反射させる。
【0088】このようにして、LD21からのレーザ光
と、LD30からのレーザ光を対物レンズ28に入射さ
せる。
【0089】なお、上述の4つの誘電体膜51−1乃至
51−4においては、その材料の積層数、膜厚などの観
点から、誘電体膜51−1が最も作成し易く、次に、誘
電体膜51−2が作成し易い。続いて、誘電体膜51−
3が作成し易く、その次に、誘電体膜51−4が作成し
易い。
【0090】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。第3の実施例は、第1の実施例のうち、光ピック
アップ部1を変更したものである。従って、第3の実施
例については、その光ピックアップ部1についてだけ説
明する。
【0091】図24は、第3の実施例の光ピックアップ
部1を示している。この光ピックアップ部1は、第1の
実施例の光ピックアップ部1のコリメータレンズ29を
取り除き、BS32から光路合波分離プリズム27まで
の距離を変更したものである。
【0092】LD30からBS32までの光学系は、L
D30により広がり角θ1で出射されたレーザ光が、光
路合波分離プリズム27を介して、予め設定された開口
で対物レンズ28に入射するように、光路合波分離プリ
ズム27からの距離を調整して配置されている。
【0093】LD30から広がり角θ1で出射したレー
ザ光は、コリメータレンズで広がり角を変更されること
なく対物レンズ28に入射するので、対物レンズ28に
入射するレーザ光の広がり角は、第1の実施例および第
2の実施例のものより大きくなるが、このときの対物レ
ンズ28のLD30側のNAは0.1程度であるので、
このとき光路合波分離プリズム27によって発生する球
面収差(NAの4乗に比例する)は特に問題とならな
い。
【0094】この光ピックアップ部1においては、LD
21から対物レンズ28までの光学系は、第1の実施例
の光ピックアップ部1と同様であるので、その説明を省
略する。
【0095】なお、第3の実施例の光ピックアップ部1
のLD21からコリメータレンズ24までの光学系(マ
ルチレンズ25、PD26を含む)と、LD30からB
S32までの光学系(マルチレンズ33、PD34を含
む)の配置を入れ換え、光路合波分離プリズム27の代
わりに上述の光路合波分離プリズム27Aを利用するこ
ともできる。
【0096】以上のように、コリメータレンズを1個だ
け使用することにより、装置の部品数を減らすことがで
き、コストを低くすることができる。
【0097】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。第4の実施例は、第1の実施例のうち、光ピック
アップ部1を変更したものである。従って、第4の実施
例については、その光ピックアップ部1についてだけ説
明する。
【0098】図25は、第4の実施例の光ピックアップ
部1を示している。この光ピックアップ部1は、第1の
実施例の光ピックアップ部1のコリメータレンズ24,
29を取り除き、BS23から光路合波分離プリズム2
7までの距離と、BS32から光路合波分離プリズム2
7までの距離を変更し、さらに、光路合波分離プリズム
27と対物レンズ28の間にコリメータレンズ81(変
換手段)を設けたものである。
【0099】LD21からBS23までの光学系は、L
D21により広がり角θ1で出射されたレーザ光が、光
路合波分離プリズム27およびコリメータレンズ81を
介して、予め設定された開口で対物レンズ28に入射す
るように、光路合波分離プリズム27からの距離を調整
して配置されている。なお、コリメータレンズ81は、
LD21からのレーザ光の広がり角をθ1aに変更するよ
うになされている。
【0100】LD30からBS32までの光学系は、L
D30により広がり角θ2で出射されたレーザ光が、光
路合波分離プリズム27およびコリメータレンズ81を
介して、予め設定された開口で対物レンズ28に入射す
るように、光路合波分離プリズム27からの距離を調整
して配置されている。なお、コリメータレンズ81は、
LD30からのレーザ光の広がり角をθ2aに変更するよ
うになされている。
【0101】なお、第4の実施例の光ピックアップ部1
のLD21からBS23までの光学系(マルチレンズ2
5、PD26を含む)と、LD30からBS32までの
光学系(マルチレンズ33、PD34を含む)の配置を
入れ換え、光路合波分離プリズム27の代わりに上述の
光路合波分離プリズム27Aを利用することもできる。
【0102】以上のように、コリメータレンズを1個だ
け使用することにより、装置の部品数を減らすことがで
き、コストを低くすることができる。
【0103】次に、本発明の第5の実施例について説明
する。第5の実施例は、第4の実施例のうち、光ピック
アップ部1を変更したものである。従って、第5の実施
例については、その光ピックアップ部1についてだけ説
明する。
【0104】図26は、第5の実施例の光ピックアップ
部1を示している。この光ピックアップ部1は、第4の
実施例の光ピックアップ部1のコリメータレンズ81を
取り除き、光路合波分離プリズム27から対物レンズ2
8までの距離を変更したものである。
【0105】LD21からBS23までの光学系は、L
D21により広がり角θ1で出射されたレーザ光が、光
路合波分離プリズム27を介して、予め設定された開口
で対物レンズ28に入射するように、光路合波分離プリ
ズム27からの距離を調整して配置されている。
【0106】LD30からBS32までの光学系は、L
D30により広がり角θ2で出射されたレーザ光が、光
路合波分離プリズム27を介して、予め設定された開口
で対物レンズ28に入射するように、光路合波分離プリ
ズム27からの距離を調整して配置されている。
【0107】なお、第5の実施例の光ピックアップ部1
のLD21からBS23までの光学系(マルチレンズ2
5、PD26を含む)と、LD30からBS32までの
光学系(マルチレンズ33、PD34を含む)の配置を
入れ換え、光路合波分離プリズム27の代わりに上述の
光路合波分離プリズム27Aを利用することもできる。
【0108】このように、コリメータレンズを使用しな
いことにより、装置の部品数を減らすことができ、コス
トを低くすることができるが、対物レンズ28だけで広
がり角を有するレーザ光を集光させる必要があるので、
対物レンズ28の設計が若干難しくなる。
【0109】
【発明の効果】以上のごとく、請求項1に記載の記録再
生装置および請求項9に記載の記録再生方法によれば、
第1の発生部で、第1の波長の第1のレーザ光を発生
し、所定の位置に配置されている第2の発生部で、第1
のレーザ光に較べ、より発散する状態で第2のレーザ光
を発生し、第1の記録媒体に対して第1のレーザ光を球
面収差が発生しないように集光するように設計された集
光部で、第1の波長の第1のレーザ光を第1の記録媒体
の記録面に集光し、第2の波長の第2のレーザ光を第2
の記録媒体の記録面に集光するようにしたので、特別な
機構を必要としない安価な装置で、複数の種類の光ディ
スクに対して記録または再生を行うことができる。ま
た、記録媒体ごとに異なる波長のレーザ光を利用して再
生を行うので、CD−Rの再生を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の再生装置の第1の実施例の構成例を示
すブロック図である。
【図2】図1の光ピックアップ部1の一構成例を示す断
面図である。
【図3】図2の光路合波分離プリズム27の特性の一例
を示す図である。
【図4】図2の光路合波分離プリズム27の一構成例を
示す断面図である。
【図5】図4の誘電体膜51−1の特性の一例を示す図
である。
【図6】図2の光路合波分離プリズム27の他の構成例
を示す断面図である。
【図7】図6の誘電体膜51−2の特性の一例を示す図
である。
【図8】光ディスク41に対するレーザ光の集光につい
て説明する図である。
【図9】光ディスク42に対するレーザ光の集光につい
て説明する図である。
【図10】PD26,34の受光部の構成例、および、
演算回路2の演算の一例を示すブロック図である。
【図11】光ディスク41の再生時の戻り光の強度分布
の一例を示す図である。
【図12】光ディスク41の再生時においてPD26に
入射する戻り光の一例を示す図である。
【図13】光ディスク41の再生時の戻り光の強度分布
の一例を示す図である。
【図14】光ディスク41の再生時においてPD34に
入射する戻り光の一例を示す図である。
【図15】受光部34Aにおける光ディスクのスキュー
による戻り光の強度分布の変化を説明する図である。
【図16】他の構成の受光部における光ディスクのスキ
ューによる戻り光の強度分布の変化を説明する図であ
る。
【図17】さらに他の構成の受光部における光ディスク
のスキューによる戻り光の強度分布の変化を説明する図
である。
【図18】図2の光ピックアップ部1に開口部71を設
けたときの構成の一例を示す断面図である。
【図19】本発明の再生装置の第2の実施例の光ピック
アップ部1の構成例を示す断面図である。
【図20】図19の光路合波分離プリズム27Aの一構
成例を示す断面図である。
【図21】図20の誘電体膜51−3の特性の一例を示
す図である。
【図22】図19の光路合波分離プリズム27Aの他の
構成例を示す断面図である。
【図23】図22の誘電体膜51−4の特性の一例を示
す図である。
【図24】本発明の再生装置の第3の実施例の光ピック
アップ部1の構成例を示す断面図である。
【図25】本発明の再生装置の第4の実施例の光ピック
アップ部1の構成例を示す断面図である。
【図26】本発明の再生装置の第5の実施例の光ピック
アップ部1の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光学ピックアップ部, 2 演算回路, 3 再生
回路, 4 制御回路, 5 入力装置, 6 フォー
カスサーボ用アクチュエータ, 7 トラッキングサー
ボ用アクチュエータ, 8 スキュー補正用アクチュエ
ータ, 9 モータ, 21 レーザダイオード(L
D), 22 グレーティング, 23ビームスプリッ
タ(BS), 24 コリメータレンズ, 25 マル
チレンズ, 26 ホトディテクタ(PD), 26A
乃至26C 受光部, 27,27A 光路合波分離プ
リズム, 28 対物レンズ, 29 コリメータレン
ズ, 30 レーザダイオード(LD), 31 グレ
ーティング, 32 ビームスプリッタ(BS), 3
3 マルチレンズ, 34 ホトディテクタ(PD),
34A乃至34C 受光部, 41 光ディスク,
41A 記録面,41B 基板, 42 光ディスク,
42A 記録面, 42B 基板, 51−1乃至5
1−4 誘電体膜, 71 開口部, 81 コリメー
タレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 淳一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 阿部 嗣弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の厚さが異なる2つの記録媒体の記
    録面に、前記記録媒体毎に異なる波長のレーザ光を集光
    させ、情報を記録するか、または記録されている情報を
    再生する記録再生装置において、 第1の波長の第1のレーザ光を第1の記録媒体の記録面
    に集光し、前記第2の波長の第2のレーザ光を第2の記
    録媒体の記録面に集光する集光手段と、 前記第1の波長の第1のレーザ光を発生する第1の発生
    手段と、 前記第2の波長の第2のレーザ光を発生する第2の発生
    手段と、 前記第1のレーザ光の反射光を受光する第1の受光手段
    と、 前記第2のレーザ光の反射光を受光する第2の受光手段
    とを備え、 前記集光手段は、前記第1の記録媒体に対して前記第1
    のレーザ光を球面収差が発生しないように集光するよう
    に設計され、 前記第2の発生手段は、前記第2のレーザ光が、前記第
    1のレーザ光に較べ、より発散する状態で前記集光手段
    に入射する位置に配置されていることを特徴とする記録
    再生装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のレーザ光を平行光に変換し、
    前記集光手段に入射させる変換手段をさらに備えること
    を特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 【請求項3】 前記第2のレーザ光を平行光より若干発
    散する光に変換する第2の変換手段をさらに備えること
    を特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のレーザ光を平行光に変換し、
    前記第2のレーザ光を平行光より若干発散する光に変換
    する変換手段をさらに備えることを特徴とする請求項1
    に記載の記録再生装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の発生手段および前記第2の発
    生手段から前記集光手段までの光路上に配置され、前記
    第1のレーザ光と前記第2のレーザ光の一方を反射し、
    他方を透過する合波分離手段をさらに備えることを特徴
    とする請求項1に記載の記録再生装置。
  6. 【請求項6】 前記合波分離手段は、ダイクロイックミ
    ラーまたは偏光ビームスプリッタであることを特徴とす
    る請求項5に記載の記録再生装置。
  7. 【請求項7】 前記集光手段に入射する前記第1のレー
    ザ光の開口と前記第2のレーザ光の開口を同一にする開
    口設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に
    記載の記録再生装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の記録媒体に対して前記第2の
    レーザ光を照射し、前記第2の受光手段により検出され
    た前記第2のレーザ光の反射光で前記第1の記録媒体の
    スキューを検出する検出手段をさらに備えることを特徴
    とする請求項1に記載の記録再生装置。
  9. 【請求項9】 基板の厚さが異なる2つの記録媒体の記
    録面に、前記記録媒体毎に異なる波長のレーザ光を集光
    させ、情報を記録するか、または記録されている情報を
    再生する記録再生装置において、 第1の波長の第1のレーザ光を第1の記録媒体の記録面
    に集光し、前記第2の波長の第2のレーザ光を第2の記
    録媒体の記録面に集光する集光手段と、 前記第1の波長の第1のレーザ光を発生する第1の発生
    手段と、 前記第2の波長の第2のレーザ光を発生する第2の発生
    手段と、 前記第1のレーザ光の反射光を受光する第1の受光手段
    と、 前記第2のレーザ光の反射光を受光する第2の受光手段
    とを備える記録再生装置における記録再生方法におい
    て、 前記集光手段は、前記第1の記録媒体に対して前記第1
    のレーザ光を球面収差が発生しないように集光するよう
    に設計し、 前記第2の発生手段は、前記第2のレーザ光が、前記第
    1のレーザ光に較べ、より発散する状態で前記集光手段
    に入射する位置に配置することを特徴とする記録再生方
    法。
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KR100410975B1 (ko) * 2001-02-06 2003-12-18 엘지전자 주식회사 광픽업 장치
CN100358023C (zh) * 2004-07-09 2007-12-26 索尼株式会社 光学拾取设备、记录器和/或复制器

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