JP3715443B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録再生媒体への情報記録または記録再生媒体から情報再生を行う光ピックアップ装置に関し、特に、記録再生媒体の記録再生面の傾きを検出することができる光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)等に代表される光ディスクに対して情報を記録又は再生する記録再生装置では、光ディスクの透明基板に対して光ピックアップ装置の光軸を垂直に保つようにチルトサーボを行い、これにより、透明基板を通して記録再生面に集光されるスポット光に収差が発生するのを防止するようにしている。
【0003】
例えば、光ディスクの製造工程で記録再生面を覆う透明基板に反りが発生し、この反りに起因して記録再生面が光ピックアップ装置の光軸に対して傾くような事態が生じると、スポット光が透明基板に斜め入射することで収差が発生して、光ピックアップ装置の伝達関数(OTF)が劣化することとなる。このような事態を回避するためにチルトサーボが行われている。
【0004】
この従来のチルトサーボでは、光ディスクに検出光を照射する発光ダイオード(LED)と、光ディスクからの反射光を受光する受光素子とを光ピックアップ装置のマウントに設け、反射光のバランスのずれから記録再生面の半径方向(ラジアル方向)における傾き量を検出し、この検出結果に基づいて、光ピックアップ装置全体をラジアル方向に角度調節することで、光ピックアップ装置の光軸を光ディスクの記録再生面に対して垂直に保つようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、情報量の増大に伴い、光ディスクの記録密度の向上が求められており、これを実現するために、光ピックアップ装置に設けられている対物レンズの開口数を拡大して、より小径のスポット光を光ディスクの記録再生面に集光させることが考えられている。
【0006】
このように対物レンズの開口数を拡大すると、光ピックアップ装置の光軸と光ディスクの傾き(スキュー)に対する許容度が小さくなるため、極めて高精度のチルトサーボが必要である。
【0007】
しかし、上記従来のチルトサーボでは、光ディスクのラジアル方向の傾きだけを検出しており、光ディスクの時間軸方向(周方向)の傾きについては考慮されていないため、スキューを確実に補償することが困難であった。
【0008】
更に、従来のチルトサーボでは、記録再生面にスポット光を集光させるための光学系とは別個に、上記の発光ダイオードと受光素子を設け、記録再生面に対するスポット光の集光位置から離間した位置に検出光を照射することによって、ラジアル方向の傾きを検出している。したがって、実際に記録再生すべき位置におけるラジアル方向と時間軸方向の傾きを同時に検出していないため、スキューを確実に補償することが困難であり、高密度記録を実現し且つ高密度記録された情報を高精度で再生するためには、スキューに対する許容度を十分確保することができないという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、透明板と記録再生面を有する記録再生媒体に、記録又は再生のための光を照射する光ピックアップ装置であって、前記光を射出する光源と、前記光源からの射出光を前記記録再生面に照射させる集光光学系と前記透明板に照射させる集光光学系集光手段とを有する集光手段と、前記透明板の表面からの戻り光を受光する光検出手段と、前記透明板の表面からの戻り光により前記光検出器から出力される受光出力に基づいて、前記記録再生媒体の傾き情報を抽出する信号処理手段と、を備え、前記光検出手段は、前記透明板の表面からの戻り光を第1の戻り光として受光する他、前記記録再生面からの戻り光を第2の戻り光として受光し、前記信号処理手段は、第1の戻り光により前記光検出器から出力される受光出力に基づいて第1の信号を生成すると共に、前記第2の戻り光により前記光検出器から出力される受光出力に基づいて第2の信号を生成し、前記第1,第2の信号を比較することにより、前記記録再生媒体の傾き情報を抽出することを特徴とする。
【0010】
これによれば、本光ピックアップ装置の光軸に対して記録再生媒体が傾くと、集光手段から透明基板の表面に照射される光が、この透明板の表面の傾きに応じて反射されて戻り光となる。この戻り光を光検出手段で検出することにより、透明板の表面の傾きの情報を有する受光出力が生成される。そして、信号処理手段が受光出力を信号処理することにより、記録再生体の傾き情報を抽出する。
【0011】
更に、集光手段から記録再生面に照射される光が、この記録再生面で反射又は回折されて戻り光になる。また、集光手段から記録再生面に照射される光が、この記録再生面で反射又は回折されて戻り光となる。これらの光は、ほぼ同じ領域からの光となる。これら記録再生媒体の傾きの情報を有する戻り光を光検出手段で検出することにより、記録再生面からの戻り光に対応する受光出力に基づいて第1の信号が生成されると共に、透明板の表面からの戻り光に対応する受光出力に基づいて第2の信号が生成される。そして、信号処理手段がこれらの第1,第2の信号を比較することで、記録再生媒体の傾き情報を抽出する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1乃至図9を参照して第1の実施形態の光ピックアップ装置を説明する。
図1は、本光ピックアップ装置1に備えられた光学系の構成を示す構成図である。同図において、光ピックアップ装置1は、光源である半導体レーザ2と、ビームスプリッタ3と、ビームスプリッタ3の前方に配置されたコリメータレンズ4及び集光手段としての対物レンズ5と、ビームスプリッタ3の後方に配置されたホログラム素子6及び光検出器7とを備えて構成され、これらの各光学要素2〜7は光軸合わせが成されている。そして、硬質保護層8と透明基板9間に記録再生面10を挟んだ構造を有する光ディスク11が、透明基板9を対物レンズ5の前面に向けて配設されるようになっている。
【0014】
かかる構成において、半導体レーザ2から所定波長の光が射出されると、この光をビームスプリッタ3がコリメータレンズ4側に反射する。この反射された光をコリメータレンズ4が平行光にして対物レンズ5側に射出し、更に平行光を対物レンズ5が集光して光ディスク11側に照射する。また、対物レンズ5で照射される光が記録再生面10で反射又は回折されることによって生じる光(以下、第1の戻り光という)と、光ディスク11の透明基板9の表面(以下、基板表面という)9aで反射される光(以下、第2の戻り光という)とを対物レンズ5が集光し、コリメータレンズ4を介してビームスプリッタ3側に射出する。これらの戻り光をビームスプリッタ3がホログラム素子6側へ透過し、更に、ホログラム素子6がビームスプリッタ3からの戻り光を回折することによって0次光h0と高次光h1に分割し、0次光h0を光検出器7に設けられている第1の受光領域12に、高次光h1を光検出器7に設けられている第2の受光領域13にそれぞれ照射する。
【0015】
ここで、対物レンズ5は、図2に示すような縦断面構造を有している。すなわち、対物レンズ5の前面は、集光光学系としての、曲率の小さな輪帯状の周辺部(以下、第1の領域という)AR1と、集光光学系集光手段としての、第1の領域に較べて曲率の大きな中央部(以下、第2の領域という)AR2との2つの領域を備えて成形されている。これにより、第1の領域AR1の焦点距離に較べて第2の領域AR2の焦点距離が短くなっている。
【0016】
更に、第1の領域AR1の焦点位置に光ディスク11の記録再生面10を一致させると、第2の領域AR2の焦点位置が基板表面9aの外側となって基板表面9aにその焦点位置から外れた拡散パターン光が照射されるように、予め第1,第2の領域AR1,AR2の各曲率が設定されている。
【0017】
かかる構造の対物レンズ5によると、コリメータレンズ4からの平行光のうち、第1の領域AR1の輪帯開口によって集光される光は、光ディスク11の透明基板9を通って記録再生面10に微小なスポットを結び、更に、記録再生面10で反射又は回折される光(第1の戻り光)が、再び第1の領域AR1で集光されて光検出器7側へ射出される。
【0018】
一方、上記平行光のうち、第2の領域AR2で集光される光は、図中の点線で示すように、光ディスク11の基板表面9aに比較的大きなパターンとして照射され、更に、基板表面9aで反射される光(第2の戻り光)が、再び第2の領域AR2で集光されて光検出器7側へ射出される。
【0019】
尚、第2の領域AR2を通り基板表面9aに照射される光の一部が、透明基板9を透過して記録再生面10に到達することとなるが、この光はエネルギー密度の低い拡散パターン光となるため、記録再生面10での情報記録又は情報再生に悪影響を及ぼすことはない。
【0020】
更に、第1の領域AR1で集光される光には第2の領域AR2が寄与しないので、上記の輪帯開口のみで集光される微小なスポット形状の光が記録再生面10に入射する。したがって、このスポット形状の光が記録再生面10で反射又は回折されることで生じる第1の戻り光を、いわゆるプッシュプル法等で解析処理することによりトラッキングサーボを行ったり、いわゆるフーコー法や非点収差法等で解析処理することによりフォーカスサーボを行うことが可能となっている。また、第1の戻り光を光電気変換素子(図示略)で検出することにより、記録再生面10に記録されている情報を再生することができる。
【0021】
次に、ホログラム素子6の構造を図3に基づいて説明する。ホログラム素子6は、同図に示すような環状の回折パターンが形成されている。これにより、ビームスプリッタ3を透過してくる上記第1,第2の戻り光のうち、0次光h0を光検出器7に設けられている第1の受光領域12にそのまま照射し、一方、高次光h1については、あたかも凸レンズの光軸からずれた周辺面で周辺光線を屈折させるのと同等な回折効果を与えることで、光検出器7に設けられている第2の受光領域13に照射する。
【0022】
光検出器7は、第1,第2の受光領域12,13が一体化されたOEIC等で構成されている。第1の受光領域12は、図4に示すように、互いに同一形状の受光面から成る4個ずつの受光エレメントa〜dで構成されており、更に、図2に示した記録再生面10に対してフォーカシングされた状態のときに、第1の戻り光の0次光成分h0が所定の大きさで入射するように位置決めされている。
【0023】
第2の受光領域13も同様に、互いに同一形状の受光面から成る4個ずつの受光エレメントe〜hで形成されており、上記のフォーカシング状態のときに、第2の戻り光の高次光成分h1が所定の大きさで入射するように位置決めされている。
【0024】
これらの受光エレメントa〜hには、差動増幅器18〜23と増幅器24,25で構成された信号処理回路が接続されている。差動増幅器18〜21は、受光エレメントa〜hで光電変換された信号(以下、光電変換信号という)Sa〜Shについて、次式(1)〜(4)で表される演算処理をすることにより、図中に示す各演算信号Rdc,Tba,Rhg,Tfeを生成する。
【0025】
Rdc=Sd−Sc …(1)
Tba=Sb−Sa …(2)
Rhg=Sh−Sg …(3)
Tfe=Sf−Se …(4)
増幅器24,25は、それぞれ予め所定の増幅率α,βに設定されており、次式(5),(6)で表される演算処理をすることにより、演算信号αRdc,βTbaを生成する。
αRdc=α×Rdc …(5)
βTba=β×Tba …(6)
差動増幅器22,23は、演算信号αRdc,βTba,Rhg,Tfeについて、次式(7),(8)で表される演算処理をすることにより、光ディスク11のラジアル方向の傾き量を示す第1の信号(以下、第1の誤差検出信号という)REと、光ディスク11の時間軸方向の傾き量を示す第2の信号(以下、第2の誤差検出信号という)TEを生成する。
RE=Rhg−αRdc …(7)
TE=Tfe−βTba …(8)
次に、第1の誤差検出信号REと第2の誤差検出信号TEにより、光ディスク11のラジアル方向と時間軸方向の傾き量が得られる原理について、図4〜図9を参照して説明する。
【0026】
図5は、光ディスク11の記録再生面10に対して光ピックアップ装置1の光軸がラジアル方向及び時間軸方向の両方向において傾いていない状態で、トラッキングアクチュエータの駆動により光ピックアップ装置1をラジアル方向に移動させたときに、第1,第2の受光領域12,13に照射される0次光成分h0と高次光成分h1のパターン変化を示している。
【0027】
かかる状態で、対物レンズ5の第1の領域AR1で生成されるスポット光が記録再生面10のトラック上に照射され、且つ第2の領域AR2で生成されるパターン光が基板表面9aに照射された場合は、図5(b)に示すように、前記第1の戻り光による第1のパターンP1が第1の受光領域12の中央に入射し、且つ前記第2の戻り光による第2のパターンP2が第2の受光領域13の中央に入射する。
【0028】
また、図5(b)の状態から対物レンズ5を光ディスクの中心軸側(リードイン側)へ移動させると、図5(a)に示すように、第1,第2のパターンP1,P2は共に第1,第2の受光領域12,13の左側に変位する。
【0029】
また、図5(b)の状態から対物レンズ5を光ディスクのラジアル方向外側(リードアウト側)へ移動させると、図5(c)に示すように、第1,第2のパターンP1,P2は共に第1,第2の受光領域12,13の右側に変位する。
【0030】
このような第1,第2のパターンP1,P2の変位に伴って、図4の差動増幅器18,20から出力される演算信号Rdc,Rhgの出力レベルの変化をプロットすると、図6に示すように、図5(b)の状態を原点“0”としてほぼ対称な特性曲線が得られる。
【0031】
ここで、増幅器24の増幅率αは、予め演算信号Rdc,Rhgの出力レベルの比(Rhg/Rdc)と等しくなるように設定されているため、差動増幅器22から出力される第1の誤差検出信号REの出力レベルは常にほぼ0になる。
【0032】
このように、光ディスク11の記録再生面10に対して光ピックアップ装置1の光軸が傾いていない状態で得られる第1の誤差検出信号REが常にほぼ0になるように、増幅器24の増幅率αを予め設定しておき、第1の誤差検出信号REの出力レベルを所定のしきい値(スキューを許容できる値)Vthと比較することにより、スキューが発生していない場合を検出することができるようになっている。
【0033】
次に、図7は、図5(b)の状態から光ディスク11をラジアル方向に傾けた場合に、第1,第2のパターンP1,P2が変化する様子を示している。尚、図7(b)は図5(b)と同じ状態、すなわち、スキューが発生していない場合を示している。
【0034】
光ディスク11の記録再生面10が、図8(a)に示すようにラジアル方向においてリードイン側に傾くと、図7(a)に示すように、記録再生面9上のスポット光が焦点を結んでいるため、第1のパターンP1は殆ど変位しない。
【0035】
一方、第2のパターンP2は、基板表面9a上に照射されるパターン光が焦点位置になく、且つ基板表面9aの傾きによってその第2の戻り光の光路が光軸から大きく偏移されることとなるため、受光エレメントh側に変位する。
【0036】
また、光ディスク11の記録再生面10が、図8(b)に示すように、ラジアル方向においてリードアウト側に傾くと、図7(c)に示すように、記録再生面9上のスポット光が焦点を結んでいるため、第1のパターンP1は殆ど変位しない。一方、第2のパターンP2は、基板表面9aの傾きによってその第2の戻り光の光路が光軸から大きく偏移されることとなるため、受光エレメントg側に変位する。
【0037】
このように第1,第2のパターンP1,P2が変位すると、それに伴って、差動増幅器18,20から出力される演算信号Rdc,Rhgのそれぞれの出力レベルが、図6と同様に変化することとなる。
【0038】
したがって、第1の誤差検出信号REの実際の出力レベルを測定することにより、ラジアル方向における記録再生面10の傾き量の他、リードイン側とリードアウト側のいずれの向きに傾いているかの情報を抽出することができる。
【0039】
次に、光ディスク11が時間軸方向に傾いた場合の検出原理を説明する。
光ディスク11の記録再生面10に対して光ピックアップ装置1の光軸がラジアル方向及び時間軸方向の両方向において傾いていない状態で、光ピックアップ装置1を時間軸方向に移動させると、図4中の差動増幅器19,21から出力される演算信号Tba,Tfeの出力レベルは、図6に示した演算信号Rdc,Rhgと同様に変化する。
【0040】
そこで、増幅器25の増幅率βを、予め演算信号Tba,Tfeの出力レベルの比(Tfe/Tba)と等しくなるように設定することで、光ディスク11の記録再生面10に対して光ピックアップ装置1の光軸が傾いていない状態で得られる第2の誤差検出信号TEが常にほぼ0になるようにしている。
【0041】
図9は、図5(b)の状態から光ディスク11を時間軸方向に傾けた場合に、第1,第2のパターンP1,P2が変化する様子を示している。尚、図9(b)は図5(b)と同じ状態、すなわち、スキューが発生していない場合を示している。
【0042】
光ディスク11が時間軸方向において反時計回り方向に傾くと、記録再生面9上のスポット光が焦点を結んでいるため、図9(a)に示すように、第1のパターンP1は殆ど変位しない。一方、第2のパターンP2は、基板表面9aの傾きによってその第2の戻り光の光路が光軸から大きく偏位されることとなるため、受光エレメントe側に変位する。
【0043】
また、光ディスク11が時間軸方向において時計回り方向に傾くと、記録再生面9上のスポット光が焦点を結んでいるため、図9(c)に示すように、第1のパターンP1は殆ど変位しない。一方、第2のパターンP2は、基板表面9aの傾きによってその第2の戻り光の光路が光軸から大きく偏位されることとなるため、受光エレメントf側に変位する。
【0044】
このように第1,第2のパターンP1,P2が変位すると、それに伴って、差動増幅器19,21から出力される演算信号Tba,Tfeのそれぞれの出力レベルが変化することとなる。
【0045】
したがって、第2の誤差検出信号TEの実際の出力レベルを測定することにより、時間軸方向における記録再生面10の傾き量の他、反時計回り方向と時計回り方向のいずれの向きに傾いているかの情報を抽出することができる。
【0046】
このように、本実施形態によれば、第1,第2の誤差検出信号RE,TEの出力レベルに基づいて、光ディスク11のラジアル方向及び時間軸方向の傾きを検出することができる。
【0047】
そして、第1の誤差検出信号REを用いてディスクチルト補正手段を駆動したり、光ディスク11から情報再生を行う際のクロストークキャンセラ特性を可変させる、記録時のパワー、ストラテジの制御等を行うことができる。また、第2の誤差検出信号TEを用いて記録信号に遅延を与えたり、時間軸チルト補正手段を駆動することができる。これらの結果、高開口数の対物レンズ5を用いても、光軸と光ディスク11との傾き(スキュー)に対する許容度が向上し、高密度記録と、高密度記録された情報を高精度で再生することが可能となる。
【0048】
また、1つの半導体レーザ2で、光量損失を抑えて良好な記録再生を行うことができる。
【0049】
また、本実施形態の光ピックアップ装置は、光ディスクに照射するスポット光やパターン光の照射パワー、記録感度、透過基板の厚み、光ディスクの制御範囲等に応じて、様々な設計態様を講じることができる構成及び機能を有しているため、様々な規格の光ディスクに適応可能である。
【0050】
尚、本実施の形態では、第1,第2の受光領域12,13をそれぞれ4分割して、4個ずつの受光エレメントa〜d,e〜hで構成する場合を説明した。しかし、一般的な光ピックアップ装置のような場合、すなわち、アクチュエータを時間軸方向に駆動しない場合には、図4中の差動増幅器21で生成される演算信号Tfeをそのまま時間軸方向の傾き検出信号として用いることができる。また、演算信号Tfeをそのまま時間軸方向の傾き検出信号として用いる場合には、第1の受光領域12をラジアル方向、すなわち、受光エレメントa,bの配置方向に2分割して、2個の受光エレメントを設けるだけでよい。
【0051】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図10を参照して説明する。尚、本実施形態の光ピックアップ装置は、図1〜図9を参照して説明した第1の実施形態と同様の構成を有している。但し、図1及び図2に示した対物レンズ5に代えて、図10の縦断面図にて示す対物レンズ5’が設けられている。
【0052】
図10において、対物レンズ5’の前面は、集光光学系としての、曲率の小さな輪帯状の周辺部(第1の領域)AR1’と、集光光学系集光手段としての、第1の領域に較べて曲率の大きな中央部(第2の領域)AR2’との2つの領域を備えて成形されている。
【0053】
ここで、第1の領域AR1を通って光ディスク11に入射する光のうち、基板表面9aで反射される光(第2の戻り光)を、第2の領域AR2で集光して光検出器7側へ射出させる構造となっている。更に、第1の領域AR1を通って光ディスク11に入射する光のうち、透明基板9を透過し記録再生面10で反射又は回折される光(第1の戻り光)を、再び第1の領域AR1で集光して光検出器7側へ射出させる構造となっている。第2の領域AR2’を通って光ディスク11側へ入射する光は架空点上に集光し、この光が基板表面9aでの反射によって生じる戻り光は、光検出器7側へ射出しないように設定されている。
【0054】
かかる構造の対物レンズ5’によると、第1の領域AR1’で集光される光には第2の領域AR2’が寄与しないため、上記の輪帯開口のみで集光される微小なスポット形状の光が記録再生面10に入射する。したがって、このスポット形状の光が記録再生面10で反射又は回折されることで生じる第1の戻り光を、いわゆるプッシュプル法等で解析処理することによりトラッキングサーボを行ったり、いわゆるフーコー法や非点収差法等で解析処理することによりフォーカスサーボを行うことが可能となっている。また、第1の戻り光を光電気変換素子(図示略)で検出することにより、記録再生面10に記録されている情報を再生することができる。
【0055】
更に、第1の実施形態と同様に、図4に示した第1,第2の受光領域12,13から出力される光電変換信号Sa〜Shを信号処理回路で演算処理をすることにより、光ディスク11のラジアル方向の傾き量を示す第1の誤差検出信号REと、光ディスク11の時間軸方向の傾き量を示す第2の誤差検出信号TEが得られる。
【0056】
また、本実施形態の光ピックアップ装置は、光ディスクに照射するスポット光やパターン光の照射パワー、記録感度、透過基板の厚み、光ディスクの制御範囲等に応じて、様々な設計態様を講じることができる構成及び機能を有しているため、様々な規格の光ディスクに適応可能である。
【0057】
尚、第1,第2の実施形態では、対物レンズ5,5’の前面の第1,第2の領域AR1,AR2,AR1’,AR2’を球面形状にした場合を述べたが、非球面形状にしてもよい。かかる構造にすると、収差を低減することができる。また、第2の領域AR2,AR2’をトーリック面とすることによって、この領域を通る光に対して非球面収差を与えることができ、位相検出信号の生成に利用することが可能となる。また、第2の領域AR2,AR2’は、対物レンズ5,5’の中心部に形成される必要はなく、非対称な形状でもよい。また、第1の実施形態において対物レンズ5の第2の領域AR2を非対称な形状にする場合には、コリメータレンズ4からの平行光が入射する部分と、光ディスク11からの戻り光が入射する部分を一致させる必要はない。
【0058】
また、第1,第2の実施形態の対物レンズ5,5’では、光ディスク11と対向する前面に第1,第2の領域AR1,AR2,AR1’,AR2’を形成する場合を述べたが、これに代えて、コリメータレンズ4側に対向する後面に、第1,第2の領域AR1,AR2,AR1’,AR2’を形成してもよい。また、単玉構造の対物レンズ5,5’に限らず、複玉構造にしたり、複数枚の対物レンズの一面を利用することで、第1,第2の領域AR1,AR2,AR1’,AR2’と同様の機能を発揮させるようにしてもよい。
【0059】
また、第1,第2の実施形態では、第1,第2の領域で曲率が異なる対物レンズ5,5’を適応する場合を説明したが、これらと同様のレンズ効果を有するホログラム素子を適用してもよい。この場合、非回折光はホログラム素子をそのまま透過するので、ホログラム素子の中央部(近軸側の部分)が完全に遮光されないように構成することができる。したがって、回折効率を調整することで光ディスク11の記録再生面10に集光するスポット光の形状を様々に調整することができ、ひいては設計の自由度を高くすることができる。
【0060】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施形態について図11を参照して説明する。図11は、本実施形態の光ピックアップ装置26の光学系の構成を示す構成図である。尚、図11中、図1と同一又は相当する構成要素を同一符号で示している。
【0061】
図11において、光ピックアップ装置26は、互いに波長の異なる光を射出する第1,第2の半導体レーザ27,28と、ダイクロイックプリズム30と、ビームスプリッタ3の前方に配設されたコリメータレンズ4及び対物レンズ31と、ビームスプリッタ3の後方に配設されたダイクロイックプリズム32及び第1,第2の光検出器33,34を備えて構成され、これらの各光学要素3,4,27〜34は光軸合わせが成されている。
【0062】
第1の半導体レーザ27は、光ディスク11の記録再生面10に情報を記録するための光源であり、短波長λ1の光を射出する青色レーザ等が用いられている。第2の半導体レーザ28は、光ディスク11の基板表面9aの傾きを検出するための光源であり、長波長λ2の光を射出する赤外レーザ等が用いられている。対物レンズ31は、第1,第2の実施形態の対物レンズ5,5’とは異なり、前面が2つの領域に分割されていない構造となっている。また、短波長λ1のスポット光が光ディスク11の透明基板9を通って記録再生面10上に集光され、長波長λ2のパターン光が光ディスク11の基板表面9aに比較的大きなパターンを結ぶように、対物レンズ31の形状が設定されている。
【0063】
第1の半導体レーザ27の光射出端からコリメータレンズ4までの光軸距離L1と、第2の半導体レーザ28の光射出端からコリメータレンズ4までの光軸距離L2が、L1<L2の関係となるように設定されている。より具体的には、第1,第2の半導体レーザ27,28のダイクロイックプリズム30までのそれぞれの間隔を調整することで、L1<L2の関係に設定している。これにより、対物レンズ31の色収差を低減することができると共に、基板表面9a上に照射される長波長λ2のパターンの大きさを調節できるようになっている。
【0064】
ダイクロイックプリズム30は、プリズム面に波長選択性を有する誘電体多層膜が蒸着されており、第1の半導体レーザから射出される短波長λ1の光を透過し、第2の半導体レーザから射出される長波長λ2の光を反射することにより、これらの光をビームスプリッタ3側へ射出する。
【0065】
第1の光検出器33には、図4に示した第1の受光領域12と同様に、4分割された受光エレメントa〜dが設けられ、第2の光検出器34には、図4に示した第2の受光領域13と同様に、4分割された受光エレメントe〜hが設けられている。更に、図4と同様に、これらの受光エメントa〜hから出力される光電変換信号Sa〜Shを演算処理することにより、光ディスク11のラジアル方向の傾き量を示す第1の誤差検出信号REと、光ディスク11の時間軸方向の傾き量を示す第2の誤差検出信号TEとを生成する信号処理回路が設けられている。
【0066】
ダイクロイックプリズム32は、プリズム面に波長選択性を有する誘電体多層膜が蒸着されており、短波長λ1と長波長λ2の光がビームスプリッタ3側から入射すると、短波長λ1の光を透過して第1の光検出器33の上記受光エメントa〜dへ射出し、長波長λ2の光を第2の光検出器34の上記受光エメントe〜hへ反射する。
【0067】
次に、かかる構成を有する本光ピックアップ装置26の作動について説明する。第1,第2の半導体レーザ27,28から同時に光が射出される。これらの光はダイクロイックプリズム30で合波され、ビームスプリッタ3でコリメータレンズ4側に反射される。この合波光をコリメータレンズ4が平行光にして対物レンズ31側に射出し、更に平行光を対物レンズ31が集光して光ディスク11側に照射する。
【0068】
これにより、光ディスク11の記録再生面9に短波長λ1のスポット光が集光されると共に、記録再生面9で反射又は回折されることで生じる光(第1の戻り光)が再び対物レンズ31で集光されてコリメータレンズ4側へ射出される。これと同時に、光ディスク11の導体表面9aに長波長λ2のパターン光が照射されると共に、導体表面9aで反射された光(第2の戻り光)が再び対物レンズ31で集光されてコリメータレンズ4側へ射出される。したがって、本実施形態の光ピックアンプ装置1においても、記録再生面に短波長λ1の光りを照射し、光ディスク11の表面に長波長λ2の光りを照射することから、図2と図10に示した、記録再生面に光りを照射するための集光光学系としての第1の領域AR1,AR1’と、光ディスク11の表面に光りを照射するための集光光学系集光手段としての第2の領域AR2,AR2’との2つの領域を備えた対物レンズ5,5’と同様の機能を有する集光手段が実現されている。
【0069】
これらの第1,第2の戻り光は、コリメータレンズ4及びビームスプリッタ3を通ってダイクロイックプリズム32に到達し、更に、ダイクロイックプリズム32の波長選択性によって、短波長λ1である第1の戻り光が光検出器33に、長波長λ2である第2の戻り光が光検出器34に入射する。
【0070】
第1,第2の光検出器33,34がこれらの戻り光を光電変換することによって上記の光電変換信号Sa〜Shを出力し、更に、上記の第1の実施形態で説明した信号処理回路がこれらの光電変換信号Sa〜Shについて演算処理をすることにより、光ディスク11のラジアル方向の傾き量を示す第1の誤差検出信号REと、光ディスク11の時間軸方向の傾き量を示す第2の誤差検出信号TEとを生成する。
【0071】
このように、本実施形態によれば、記録再生のための短波長λ1のスポット光に加えて、傾き検出のための長波長λ2のパターン光を光ディスク11に照射し、これらの第1,第2の戻り光に基づいて第1,第2の誤差検出信号RE,TEを生成するようにしたので、光ディスク11のラジアル方向及び時間軸方向の傾きを正確に検出することができる。
【0072】
そして、第1の誤差検出信号REを用いてディスクチルト補正手段を駆動したり、光ディスク11から情報再生を行う際のクロストークキャンセラ特性を可変させる、記録時のパワー、ストラテジの制御等を行うこともできる。また、第2の誤差検出信号TEを用いて記録信号に遅延を与えたり、時間軸チルト補正手段を駆動することができる。これらの結果、高開口数の対物レンズ31を用いても、光軸と光ディスク11との傾き(スキュー)に対する許容度が向上し、高密度記録と、高密度記録された情報を高精度で再生することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態の光ピックアップ装置は、光ディスクに照射するスポット光やパターン光の照射パワー、記録感度、透過基板の厚み、光ディスクの制御範囲等に応じて、様々な設計態様を講じることができる構成及び機能を有しているため、様々な規格の光ディスクに適応可能である。
【0074】
尚、本実施の形態では、第1,第2の光検出器33,34から出力される光電変換信号Sa〜Shに基づいて、ラジアル方向と時間軸方向の傾きを検出する場合を説明したが、第2の光検出器34から出力される光電変換信号に基づいて、ラジアル方向と時間軸方向の傾きを検出することもできる。
【0075】
また、本実施形態では、第1,第2の光検出器33,34に、4個ずつの受光エレメントa〜d,e〜hをそれぞれ備える構成について説明したが、第1の実施形態と同様に、2個ずつの受光エレメントで構成してもよい。
【0076】
また、本実施形態では、波長の異なる2つの光を用いて光ディスク11に対する記録再生と傾き検出を同時に行う場合を説明したが、波長は同一で光パワーが異なる2つの光を用いてもよい。この場合の一例としては、図11中のダイクロイックプリズム30,32をハーフプリズム等に置き換え、第1,第2の半導体レーザ27,28を同一波長の半導体レーザにして、第1の半導体レーザ27の射出強度に対して、第2の半導体レーザ28の射出強度を低くするような構成にすることにより、第1,第2の光検出器33,34の検出出力に基づいてラジアル方向と時間軸方向の傾きを検出することができる。
【0077】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施形態について図12を参照して説明する。図12は、本実施形態の光ピックアップ装置35の光学系の構成を示す構成図である。尚、図12中、図11と同一又は相当する構成要素を同一符号で示している。
【0078】
図12において、光源となる半導体レーザ36とビームスプリッタ3の間に第1のホログラム素子37が配設され、ビームスプリッタ3の後方に、第2のホログラム素子38と光検出器39が配設されている。
【0079】
第1のホログラム素子37は、あたかも凸レンズの光軸からずれた周辺面で周辺光線を屈折させるのと同等な回折効果を与える回折パターンが形成されている。第2のホログラム素子38は、凹レンズと同等の回折効果を発揮する回折パターンが形成されている。光検出器39は、2次元イメージが検出可能な受光面を有する第1,第2の受光領域40,41を備えて構成されている。
【0080】
かかる構成によると、半導体レーザ36の射出光が第1のホロブラム素子37を透過することにより、半導体レーザ36の実像光が光ディスク11の記録再生面10に、半導体レーザ36の虚像光が光ディスク11の基板表面9aに照射さる。更に、実像光が記録再生面10で反射又は回折され、且つ虚像光が基板表面9aで反射さることで生じる戻り光が、再び対物レンズ31で集光され、コリメータレンズ4とビームスプリッタ3を介して、第2のホロブラム素子38に入射する。第2のホログラム素子38では、戻り光を拡大して、光検出器39の第1,第2の受光領域40,41に射出する。したがって、本実施形態の光ピックアンプ装置1においても、記録再生面に実像光を照射し、光ディスク11の表面に虚像光を照射することから、図2と図10に示した、記録再生面に光りを照射するための集光光学系としての第1の領域AR1,AR1’と、光ディスク11の表面に光りを照射するための集光光学系集光手段としての第2の領域AR2,AR2’との2つの領域を備えた対物レンズ5,5’と同様の機能を有する集光手段が実現されている。
【0081】
第1,第2の受光領域40,41では、第1の受光領域40が戻り光のうちの実像光を第1のイメージ信号に光電変換し、第2の受光領域41が戻り光のうちの虚像光を第2のイメージ信号に光電変換して出力する。そして、これら第1,第2のイメージ信号を比較することにより、光ディスク11のラジアル方向と時間軸方向の傾きを検出する。
【0082】
このように、本実施形態によれば、単一の光源を適用して光ディスクのラジアル方向と時間軸方向の傾きを検出することができ、また、構成の簡素化等を実現することができる。更に、一般的な高開口数の対物レンズ31を適用することができる。
【0083】
尚、以上に説明した第1,第2の実施形態では、2分割された曲率の異なる領域を有する対物レンズ5,5’等の集光手段と単一波長の半導体レーザ2等の光源手段を備えて、光ディスクの傾きを検出し、第3,第4の実施形態では、一般的な対物レンズ31等の集光手段と、複数波長の半導体レーザ27,28等の光源手段又は単一波長の半導体レーザ36等の光源手段を備えて、光ディスクの傾きを検出する場合を説明した。しかし、本発明は、これらの構成に限定されるものではなく、各実施形態の集光手段と光源手段を個々独立に組み合わせた構成にしてもよい。
【0084】
また、第1〜第4の実施形態は、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)、LD(レーザディスク)等に代表される光ディスク等の記録再生媒体の傾き検出が可能である。また、CD−ROM等の読み取り専用の記録再生媒体や、書き込みが可能なCD−R等の記録再生媒体を対象とすることができるものである。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、記録再生媒体を構成している少なくとも透明板の表面に光を照射し、その表面で反射されることで生じる戻り光、すなわち、記録再生媒体の傾き情報を有する戻り光を検出するので、記録再生媒体の傾き情報を正確に抽出することができる。更に、戻り光に内在する傾き情報は、その記録媒体の傾き態様に応じて、全方位の傾き情報を有している。このため、従来の問題点であったラジアル方向の傾きと時間軸方向の傾きを検出することが可能となる。
【0086】
したがって、この抽出される傾き情報に基づいて、記録再生媒体のチルト補正や、記録光の照射パワー、ストラテジ、再生イコライザ特性等を可変制御することができ、高開口数の対物レンズ等の集光手段を適用しても、記録媒体の傾き(スキュー)に対して強い光ピックアップ装置を実現することができる。更に、このように、高開口数の対物レンズ等の適用が可能となるため、高密度記録が可能になると共に、高密度記録された記録再生媒体から高精度で情報再生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の光ピックアップ装置の構成を示す構成図である。
【図2】対物レンズの構造を示す縦断面図である。
【図3】ホログラム素子の回折パターン形状を模式的に示す説明図である。
【図4】第1,第2の受光領域の形状と信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図5】傾き検出の作動原理を説明するための説明図である。
【図6】傾き検出の作動原理を更に説明するための特性図である。
【図7】傾き検出の作動原理を更に説明するための説明図である。
【図8】傾き検出の作動原理を更に説明するため、対物レンズに対し光ディスクが傾いた状態を示す縦断面図である。
【図9】傾き検出の作動原理を更に説明するための説明図である。
【図10】第2の実施形態の光ピックアップ装置の構成を説明するための、対物レンズの構造を示す縦断面図である。
【図11】第3の実施形態の光ピックアップ装置の構成を示す構成図である。
【図12】第4の実施形態の光ピックアップ装置の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
2,27,28,36…半導体レーザ
3…ビームスプリッタ
4…コリメータレンズ
5,5’,31…対物レンズ
6,37,38…ホログラム素子
7,33,34,39…光検出器
9…透明基板
9a…基板表面
10…記録再生面
11…光ディスク
12,13…受光領域
18〜21,22,23…差動増幅器
24,25…増幅器
AR1…第1の領域
AR2…第2の領域
Claims (7)
- 透明板と記録再生面を有する記録再生媒体に、記録又は再生のための光を照射する光ピックアップ装置であって、
前記光を射出する光源と、
前記光源からの射出光を前記記録再生面に照射させる集光光学系と前記透明板に照射させる集光光学系集光手段とを有する集光手段と、
前記透明板の表面からの戻り光を受光する光検出手段と、
前記透明板の表面からの戻り光により前記光検出器から出力される受光出力に基づいて、前記記録再生媒体の傾き情報を抽出する信号処理手段と、を備え、
前記光検出手段は、前記透明板の表面からの戻り光を第1の戻り光として受光する他、前記記録再生面からの戻り光を第2の戻り光として受光し、
前記信号処理手段は、第1の戻り光により前記光検出器から出力される受光出力に基づいて第1の信号を生成すると共に、前記第2の戻り光により前記光検出器から出力される受光出力に基づいて第2の信号を生成し、前記第1,第2の信号を比較することにより、前記記録再生媒体の傾き情報を抽出することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記集光手段は、前記記録再生面からの戻り光を透過させる第1の領域と、前記透明板の表面からの戻り光を透過させる第2の領域とを有することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記集光手段は、前記光源からの光を透過させる第1の領域と、前記光源からの光を透過させる第2の領域とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
- 前記集光手段は、前記光源からの射出光を前記第1の領域を通して前記透明板側に照射し、前記透明板の表面からの戻り光を前記第2の領域を通して射出させることを特徴とする請求項2又は3に記載の光ピックアップ装置。
- 前記透明板の表面からの戻り光は、前記透明板の表面でデフォーカス状態であることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光ピックアップ装置は、波面の異なる複数の光束を前記集光手段から前記記録再生媒体に照射すると共に、前記複数の光束のうちの1つを前記記録再生面に照射し、前記複数の光束のうちの他の1つを前記透明板の表面に照射することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光ピックアップ装置は、前記光源からの射出光を波面の異なる複数の光束の光に変換して出力するホログラム素子を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
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