JPH10117633A - 遺伝子欠損動物 - Google Patents

遺伝子欠損動物

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JPH10117633A
JPH10117633A JP8298219A JP29821996A JPH10117633A JP H10117633 A JPH10117633 A JP H10117633A JP 8298219 A JP8298219 A JP 8298219A JP 29821996 A JP29821996 A JP 29821996A JP H10117633 A JPH10117633 A JP H10117633A
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JP
Japan
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nuc
mice
gene
cells
genes
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JP8298219A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Kurosawa
良和 黒沢
Keiji Miura
恵二 三浦
Yoshiyuki Kanai
芳之 金井
Tetsuro Kubota
哲朗 窪田
Akira Awaya
昭 粟屋
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Fujita Health University
Mitsui Pharmaceuticals Inc
Original Assignee
Fujita Health University
Mitsui Pharmaceuticals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヌクレオバインディン(Nucleobindin)をコ
ードする遺伝子を含まない非ヒト哺乳動物を提供するこ
と。 【解決手段】 ジーンターゲッティング法によりヌクレ
オバインディン遺伝子を特定のベクターと相同組換えを
起こさせ、該遺伝子を破壊した非ヒト哺乳動物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヌクレオバインディ
ンの様々な生理学的作用を究明する研究において有用で
あり、また様々な病態を示すことにより新たな疾患モデ
ルとして有用であるヌクレオバインディン遺伝子を欠損
した動物に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、自己免疫疾患である全身
性エリテマトーデス(systemic lupuserythematodes, S
LE)と類似の病態を示すモデル動物であるMRL/lprマウ
スのリンパ節細胞を試験管内で長期培養することによ
り、抗DNA抗体などの自己抗体の産生を促進する活性の
あるタンパク質性因子を産生する細胞株KML1株等を得
た。そしてその因子を精製し、そのペプチド断片のアミ
ノ酸配列を決めた後、対応するヌクレオチドを作製し、
それをプローブとして用い遺伝子のクローニングに成功
し、ついで塩基配列を決定し、対応する全アミノ酸配列
の決定に至った。その結果この因子は従来に報告のない
新しいDNA結合性タンパク質であることが判明し、これ
をヌクレオバインディン(Nucleobindin、以下Nucと略
記する)と命名した。マウスヌクレオバインディン遺伝
子をプローブとしてついで、ヒトNuc遺伝子もクローニ
ングでき、その全塩基配列も決定された(Biochem. Bio
phys. Res. Commun. vol.187, pp375-380, 1992などを
参照)。
【0003】さらに、これらの結果を基にして、大腸菌
等を用いて、マウス、ヒト、それぞれのレコンビナント
ヌクレオバインディン(recombinant Nucleobindin、以
下rNucと略記する)のタンパク発現に成功した。ついで
MRL/1prマウスのB細胞に、このマウスrNuc(以下rmNuc
と略記する)を添加し、試験管内で培養すると、抗DNA
抗体の産生が増強した(Immunol. Lett.vol.32, pp43-4
8を参照)。さらにまた、MRL/1prマウスと比べて、発症
の著しく遅いMRL/nマウスにrmNucを投与すると、その自
己抗体産生が促進されることが確認された(Immunol. L
ett. vol.45, pp35-42, 1995)。さらに本発明者らはrm
NucおよびレコンビナントヒトNuc(以下rhNuc)をそれ
ぞれ特異的に認識するモノクローナル抗体を作製して特
許出願した(特開平7-62000)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】その後の本発明者らの
研究により、Nuc遺伝子は、解析した全ての臓器や組
織、細胞において発現が見られるハウスキーピング的役
割を行う遺伝子であることがわかってきた。MRL/lprマ
ウスの血清中にはNucは分泌されているが、正常マウス
では同定されない。これらのことより、マウスNuc(以
下mNuc)の発見のもとになり、MRL/lprマウスにおいてS
LEの発症に関与する可能性が示唆されているmNucのB細
胞分化増殖活性は、mNucのその本来の機能であるとは考
えにくく、むしろ特殊な遺伝的バックグラウンドを持つ
マウスでのみ見られる活性と考えられ、Nucの本来的機
能は別にあるのではないかと本発明者らは考えた。そこ
で、本発明者らはNuc遺伝子を欠損した動物を作製し、
その動物がどのような表現型を示すかを調べ、Nucの本
来的な生体内での役割やこれまで未知のカテゴリーの生
理機能を明らかにすることが第一の課題と考えた。そし
て、それが達成できれば、ついでNuc遺伝子欠損動物を
新たなスクリーニング系動物として病理学的、生化学的
検討を加え、それをもとにNucの不足あるいは過剰によ
る疾患の治療に方策を提供することができると思考し
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは近年
開発されてきたジーンターゲッティング法(文献1)を
用い、鋭意研究を進め、Nuc遺伝子を特定のベクターと
相同組換えを起こさせることにより、Nuc遺伝子を破壊
した動物を作製することに至り、本発明を完成した。即
ち、本発明は、遺伝子の全部または一部が、欠損または
他の遺伝子により置換されることにより、実質的にNuc
をコードする遺伝子を含まない非ヒト哺乳動物に関す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明により作製される動物は、キメラ動物を作製でき
るものであれば、特に限定されず、例えば、マウス、ラ
ット、ニワトリ等をあげることができる。本発明により
作製される動物は、Nuc遺伝子の全部又は一部が、欠損
又は他の遺伝子により置換されており、実質的にNucを
コードする遺伝子を含まないことを特徴とする。本発明
の動物には、Nuc遺伝子をホモで欠損している動物、ヘ
テロで欠損している動物のいずれも含まれる。
【0007】本発明の動物は、Nuc遺伝子を欠損した細
胞を作製し、その後これを用いてキメラ動物を作製する
ことにより得られる。ジーンターゲティングのための手
順は大きく5段階に分けられる(図1)。最初に胎児性
幹細胞(Embryonic Stem cell;ES細胞)のmNuc遺伝子
を破壊するためのターゲティングベクターを構築する。
その際用いるDNAとしては導入するES細胞と完全に同一
の配列を有するDNAを使用する方が有利である。わずか
な配列の相違がDNA相同組換えの頻度を低下させること
が知られている(文献2)。第2段階としてES細胞にタ
ーゲティングベクターを導入し、相同組換えを起こし
た、変異が生じた細胞を選択する。この際、組換え頻度
が高くなるようにターゲティングベクター内の相同領域
をできるだけ長く取ることを前提にベクターを構築し、
相同組換え体の選択はサザンハイブリダイゼーションや
PCR法で行う。第3段階として、相同組換え体の細胞を
胚盤胞に導入し、さらにマウスの子宮に戻し、キメラマ
ウスを得る。第4段階として、キメラマウスから相同組
換えを起こした生殖細胞由来のマウスを得る。そして最
終第5段階は、相同組換え体の細胞由来のマウス同士の
交配から、両染色体のNuc遺伝子がともに破壊されたマ
ウスを取得し、解析する。
【0008】遺伝子を欠損させる方法は、特に限定され
ないが、相同組換えによるのが常法である。相同組換え
による場合、以下のように行うことができる。最初に遺
伝子のエキソン中のNuc領域を含む部分のみが適当な塩
基配列に置き換えられており、その上流、下流領域はNu
c遺伝子と相同な塩基配列を持つベクターを作製する。
このベクターの3’側には、AT-リッチ配列のようなmRN
Aを不安定化させる配列、更に転写を終結させる配列を
付加することが好ましい。このようにして作製されたベ
クターを、たとえば、エレクトロポレーション法などに
より適当な細胞へ導入する。ここで用いる細胞は、作製
しようとする動物と近縁関係にある動物に由来し、か
つ、ES細胞等のように通常キメラ動物の作製に用いられ
るものが好ましい。導入されたベクターは、Nuc遺伝子
と相同組換えを起こし、Nuc領域が欠損した変異型の遺
伝子座をつくる。ベクターを導入した細胞は、適当な期
間培養し、変異が生じているもののみを選抜して、キメ
ラ動物の作製に供する。
【0009】以上のような方法・手順により作製された
細胞を用いてキメラ動物を作製する。キメラ動物を作製
する方法は、特別な方法を用いる必要はなく、注入法や
集合法などの通常行われている方法に従って行えばよ
い。このようにして作製した動物は、Nuc遺伝子をヘテ
ロに欠損する。Nuc遺伝子をホモに欠損する動物を作製
するには、前記のヘテロ欠損動物のうち、生殖細胞にも
変異が生じているものを選抜し、これらを交配する。本
発明の動物の飼育方法は、特別な方法を用いる必要はな
く、一般の動物と同様な方法により飼育することができ
る。
【0010】
【実施例】本発明を以下に実施例をもってより詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0011】実施例1 [マウスゲノム遺伝子のクローニングと解析]マウスゲ
ノムライブラリーは、ジーンターゲティング法に使用す
るES細胞E14が由来した129SVマウスより作製されたもの
を用いた(Stratagene社)。mNuc cDNAをプローブにし
てゲノムライブラリー約100万個のファージをスクリー
ニングして10個の陽性クローンを取得することができ、
ついでターゲティングベクター作製のため、mNuc遺伝子
の5’側を持つファージを持つファージを詳細に解析し
た。
【0012】実施例2 [ターゲティングベクターの構築]ターゲティングベク
ターには遺伝子の5’側のエキソン1あるいは2付近を
使用することにし、そのためにcDNAの5’側にあたる
5’Sacプローブで陽性となるファージλmNucg3とλmNu
cg9の詳細な制限酵素地図を作製し(図2)、塩基配列
も調べた。その結果λmNucg3を用いてターゲティングベ
クターを構築することにした。mNuc遺伝子5’側の解析
により、hNuc遺伝子と同様にエキソン2に開始コドンAT
Gが存在し、シグナルペプチドに相当する25アミノ酸残
基とそれ以降の19アミノ酸残基を合わせた44アミノ酸残
基をコードするエキソンが含まれることがわかった。ま
たその領域がEcoRIとBamHIに挟まれた約400bpの断片の
中に存在することもわかり、そのEcoRI-BamHI断片を欠
くターゲティングベクターが作製しやすいと考えた。
【0013】そこでES細胞に導入した後の選択マーカー
となるPGK-ネオマイシン耐性遺伝子(文献3)を含むDN
A断片でエキソン2を含むEcoRI-BamHI断片を置き換える
ターゲティングベクターTg-2/Notを作製した(図3)。
エキソン2の上流のEcoRIから約2kb上流にあるHindIII
までの断片とエキソン2の下流のBamHIから約6.8kb下流
にあるBamHIまでの断片でネオマイシン耐性遺伝子のEco
RI-BamHI断片をはさむ構造にした。さらにもう一つネガ
ティブ選択マーカーとなるジフテリア毒素Aの遺伝子
(DT-A)(文献4)を繋げることにした。下流側BamHI
のすぐ近傍にあるXhoI切断部位にDT-A遺伝子のSalI-Xho
I断片を連結した。構築したプラスミドをNotIで消化
し、ターゲティングベクターTg-2/Notを調製した。この
ベクターを用いてターゲティングを行うと、上流に位置
するHindIIIとEcoRI間(エキソン2の上流に対応)の約
2kb及びネオマイシン耐性遺伝子とDT-A遺伝子の間(エ
キソン2の下流、及びエキソン3を含む領域に対応)の
約6.8kbの間で相同組換えが起こった時のみネオマイシ
ン耐性を示すES細胞となり、目的の相同組換え体細胞を
選択できるものと考えた。
【0014】実施例3 [ES細胞へのターゲティングベクターの導入と相同組換
え体の選択]ES細胞としてE14(文献5)を使用した。
細胞培養およびターゲティングの操作はMonbaertsらの
方法(文献6)、およびItoharaらの方法(文献7)に
従った。5×107のE14細胞と50μgのターゲティングベク
ターを混ぜ、Bio-Rad Gene Pulser(800V、3mF、electr
ode distance、0.4cm)を用いた電気パルス法により細
胞にDNAを導入した。電気パルスをかけた細胞を、ネオ
マイシン耐性を獲得したトランスジェニックマウスより
樹立されている繊維芽細胞をコートした10cmのシャーレ
にまいた。なおその繊維芽細胞はマイトマイシンC処理
して分裂停止状態にある。電気パルスをかけてから24時
間経過した後、G418(GIBCO)を150μg/mlの濃度になる
ように添加した。
【0015】約1週間後、現れてきた約120個コロニー
を24-wellのプレートに移し、さらに培養を続け、十分
増殖したところで細胞を集めた。半分は液体窒素で保存
し、残り半分をサザンハイブリダイゼーションによる組
換え体検出のためのDNA抽出に使用した。DNA抽出は、常
法に従い行ったが、検体数が多いため、Proteinase K処
理、フェノール処理、エタノール沈殿を各1回行う簡便
な方法をとった。相同組換えを起こした細胞の検出に
は、DNAをBamHIで切断してサザンハイブリダイゼーショ
ンを行った。プローブは図3に示すように、ターゲティ
ングベクターに使用した5’側ホモロジー領域の更に上
流に位置するBamHI-HindIII断片約2.5kb内にあるHinfI3
60bpの断片を使用した。その2.5kb内には多くの反復配
列が存在したため、2.5kb断片をHinfIで細分化し、ヒト
ジェノミックDNAをプローブにしてサザンハイブリダイ
ゼーションを行い、シグナルを出さない360bpの断片を
使うことにした。このプローブを用いるとハイブリダイ
ゼーションによるバンドはES細胞では4.6kbとなるが、
相同組換えを起こしたものにおいては、ネオマイシン耐
性遺伝子導入により約1.5kb大きくなることが期待でき
た。
【0016】ハイブリダイゼーションの結果は、Bio-Im
age Analyzer BAS 100(Fuji)により解析した。その頻
度は予想以上に高く、8割以上の100クローンあまりが
相同組換えを起こしていた。4.6kbと6kbのバンドがほぼ
同じ強さで出る細胞を選択し、それを胚盤胞に導入し
た。サザンハイブリダイゼーションを行っていた際、C5
7BL/6マウスではES細胞とは違う大きさのバンドを出す
ことがわかった。最終的にC57BL/6マウスを遺伝子背景
として持つターゲットマウスにするため、サザンハイブ
リダイゼーションのコントロールとしたところ、ES細胞
の4.6kbより短い約0.5kbのバンドとなった。これはC57B
L/6マウスにおいてBamHIの切断部位がES細胞と違う場所
に存在することを意味した。この結果から、C57BL/6マ
ウスのバックグラウンドでターゲットマウスを作製する
と、ヘテロの場合6kbと0.5kbのバンドとなった(図
4)。
【0017】実施例4 [キメラマウスの作製とミュータントマウスの選別]キ
メラマウスはBradleyらの方法(文献8)、Gosslerの方
法(文献9)により作製した。C57BL/6の交尾後3.5日目
に卵管より胚盤胞を取得し、その内腔に約15個の相同組
換えES細胞を導入した。それを擬妊娠させたICRマウス
の子宮内に戻し、この仮親から生まれたキメラマウスの
中でES細胞の寄与が大きいと考えられる体毛の黒色が淡
くなったマウス2匹を選び、C57BL/6と交配を行った。
そのうち一方から生まれたマウスでアグーチ色のマウス
について、尻尾よりDNAを抽出し、常法によりサザンハ
イブリダイゼーションを行った。尻尾からのDNA抽出
は、簡便なヨウ化ナトリウム法(文献10)を参考に一部
改変して行った。組換えを起こした遺伝子座を持つマウ
スを選び、そのマウス同士を交配し、ホモでmNuc遺伝子
を欠損したマウスを取得した。
【0018】より詳しくは、体毛についてES細胞E14は1
29マウス由来のためC領域がchinchiraとなっており、
この交配において体毛の色に関与するA、B、C領域は
C57BL/6マウスでは(aa、BB、CC)、ES細胞では(A
wAw、BB、cchicchi)である。Awはwhite-bellied agout
iの意味でAwAw、BB、CCでは腹が白いアグーチ色とな
る。アグーチ色のマウスが生まれたことは片方の染色体
がES細胞由来(Awa、BB、Ccchi)であることを意味して
いた。次にHinfI 360bpの断片をプローブにしてサザン
ハイブリダイゼーションを行ったところ、6kbと0.5kbの
バンドを示し、片方の染色体のmNucが破壊されていると
判断できた。アグーチ色のマウスを8匹取得し、サザン
ハイブリダイゼーションで解析したところ3匹が6kbと
0.5kbのバンドを示した。その後それらのマウスを相互
に交配し、最終的に6kbのバンドだけを示すマウス、す
なわちホモでmNucが破壊されたマウスを取得することが
できた。ターゲットマウスを作製するにあたり、Nucが
ハウスキーピング的役割を行う遺伝子であると考えられ
ることから、ホモでmNucが破壊されたマウスは生まれて
こないことも予想していたが、見かけ上異常が見出され
ず、全く健康な状態で生まれてくることがわかった。リ
ッターメイト間で、Nuc+/+、+/-、-/-の遺伝子型を持つ
マウスが、ほぼ1:2:1の比率で生まれてくることか
ら、遺伝子背景に関係なく、Nuc-/-も全く健康な状態で
生まれていると判断できた(図4)。
【0019】ついでmNuc遺伝子と毛色決定遺伝子Cとの
連鎖について述べる。hNuc遺伝子がヒト19番染色体の長
腕19q13.2-q13.4に存在すること(文献14)がわかって
いるが、Nuc-/-マウスを取得する過程においてmNuc遺伝
子が毛色遺伝子の一つであるC遺伝子と連鎖することが
わかり、そのことはmNuc遺伝子が7番染色体に存在する
ことを示唆した。その結果は片方のアレルがターゲット
されたマウス同士の掛け合わせからホモでターゲットさ
れたマウスを取得する際に気づいた。毛色決定遺伝子に
ついては60以上もの遺伝子あるいは表現型が知られ、さ
らに多くの遺伝子が関与していると考えられている。こ
こでは簡略に3つの毛色決定遺伝子A、B、Cについて
述べる。
【0020】A、B、C各遺伝子は、それぞれ染色体2
番、4番、7番に存在し、連鎖していない。A遺伝子は
B遺伝子に対し優性であるため、AA、Aaである時は、B
遺伝子の如何にかかわらずアグーチ色になる。一方B遺
伝子の表現型は、A遺伝子がaaでありB遺伝子がBB、Bb
である時に黒色になる。さらにA、B両遺伝子の表現型
が現れるためにはC遺伝子がCC、Ccであることが必要で
ccでは白色になる。本実験での遺伝子背景は、ES細胞が
129マウス由来であることからAwAwBBcchicchiとC57BL/6
マウスのaaBBCCの2つである。ターゲッティングベクタ
ーを導入したES細胞をC57BL/6マウスの胚盤胞に導入
し、さらにその変異を子孫に受け継がせたことから、片
方のアレルがターゲットされたマウスのA、B、C各遺
伝子の遺伝子型はAwaBBCcchiとなる。その掛け合わせか
ら得られたアグーチ色および黒色マウスの中にサザンハ
イブリダイゼーションで両アレルともにNuc領域に組換
えを起こしたバンドを示すマウス、すなわちNuc-/-マウ
スの頻度は極めて低く、合計109匹においてそれぞれ61
匹中に1匹、24匹中に1匹、という結果であった。それ
に対し残りの24匹は白、銀、アイボリー、クリームなど
複雑な色を示したが、アイボリー、クリームのそれぞれ
12匹、2匹はすべてNuc-/-マウスであった。このことは
ES細胞由来のcchiと連鎖する領域にmNuc遺伝子が存在す
ることを示唆した。
【0021】実施例5 [ミュータントマウスの解析]両遺伝子座ともにmNuc遺
伝子を欠損したマウスについて、ノザンハイブリダイゼ
ーションでmNucの発現の有無を調べた。ミュータントマ
ウスおよびコントロールとしてC57BL/6について腎臓、
肝臓、脾臓から全RNAを常法により抽出し、mNuccDNAを
プローブにノザンハイブリダイゼーションを行った。ま
たウェスタンブロッティングも行った。解剖学的な異常
について調べるために大脳、小脳、胸腺、肺、心臓、肝
臓、腎臓、脾臓、膵臓、精巣、卵巣の各臓器についてホ
ルマリン固定後、切片を顕微鏡にて観察した。尿はタン
パク量、pH、ウロビリノーゲン、潜血、ビリルビン、ケ
トン体、アスコルビン酸、ブドウ糖、亜硝酸塩について
プレテスト試験紙(和光純薬)で調べた。また血清を用
いて、肝機能のマーカーであるGlutamic-oxaloacetic t
ransaminase(GOT)、Glutamic-pyruvic transaminase
(GPT)、また血清カルシウムの濃度を測定した。GOT、
GPTの測定はライトマン-フランケル法(文献11)で、カ
ルシウムの濃度はOrthocresolphthalein complexione
(OCPC)法(文献12)で行った。
【0022】ノザンハイブリダイゼーションでは腎臓、
肝臓、脾臓における発現を調べたが、Nuc-/-マウスでは
全く検出されなかった(図5)。ウエスタンブロッティ
ングによる発現の有無に関しては、使用している抗mNuc
抗体が類似タンパク質であるmNEFA(文献13)を認識す
ることがわかった。各臓器の切片を顕微鏡で観察した
が、Nuc-/-マウスに異常は見つからなかった。臨床検査
所見では、尿中のタンパク量、pH、ウロビリノーゲン、
潜血、ビリルビン、ケトン体、アスコルビン酸、ブドウ
糖、亜硝酸塩、カルシウム濃度に異常は認められなかっ
た。また血清中のGOT、GPT、カルシウム濃度にも異常は
認められなかった。
【0023】実施例6 [ミュータントマウスとMRL/lprとの掛け合わせ]mNuc
はもともとMRL/lprマウスのリンパ節由来のKML1-7細胞
から分泌されるタンパクとして発見されたものであるこ
と、またMRL/lprマウスにおいてはその血中濃度が高い
ことから、MRL/lprマウスでmNucを欠損させるとどのよ
うな結果が観察されるか興味が持たれた。mNucが持つB
細胞増殖活性がMRL/lprマウスにおける抗DNA抗体の産生
の直接原因であるならば、mNucを欠損させることにより
その産生が抑えられる可能性もあると考えられた。
【0024】まず、ミュータントマウスとMRL/lprマウ
スの交配からF1を取得し、次にF1同士の掛け合わせから
F2を取得した。次にそれぞれのマウスの尻尾よりDNAを
抽出し、mNuc遺伝子およびlprの実体であるFas遺伝子を
含むDNAをプローブにサザンハイブリダイゼーションを
行い、Nuc-/-、lpr/lprの遺伝子型を持つマウスを探し
出した。バックグラウンドを揃えるための操作として、
そのマウスとMRL/lprマウスを掛け合わせをくりかえす
戻し交配を行った。その際はmNucについてのみサザンハ
イブリダイゼーションを行い、遺伝子型を確認した。そ
して2回の交配の後の兄妹交配で得られたリッターメイ
トについて各種解析を行った。
【0025】MRL/lprマウスにおいて抗DNA抗体が十分に
誘導されてくるのは15〜20週令以降であることから、同
じように20週令に近くなってから調べることにした。す
なわち、C57BL/6バックグラウンドのNuc-/-マウスをMRL
/lprマウスと交配し、Nuc-/-、lpr/lprマウスを樹立し
た。さらにMRL/lprマウスとの3回のバッククロスを行
ったNuc+/-、lpr/lprマウス同士の交配から得られた15
〜20週令のマウスについて血清、臓器などについて調べ
た。マウスの数はNuc+/+、lpr/lpr、Nuc+/-、lpr/lpr、
Nuc-/-、lpr/lprのマウスそれぞれ5、7、7匹だっ
た。Nuc-/-マウスの外見上の特徴として、リンパ節の腫
張の悪化が見られた。MRL/lprマウスはFAS遺伝子に変異
を持つことから、リンパ球のアポトーシスが起こらずリ
ンパ節の腫張を示すが、この実験におけるマウスは全て
lpr/lprであったことから、Nuc-/-マウスでさらに腫張
が悪化したことは、Nuc欠損がリンパ球のアポトーシス
あるいはリンパ球の増殖に何らかの影響をもたらしたと
考えられた。
【0026】マウスは、エーテルで麻酔し、心臓採血
後、各臓器を摘出した。各臓器は切片を作り、顕微鏡に
て観察した。血液からは、凝固後血清を取り、その中に
存在する全IgG量、抗DNA抗体量を定量した。血清中の全
IgG量は、Nuc+、-において大きな変化は見られなかっ
た。それに対し、抗DNA抗体は、予想と異なり、増加す
る結果となった。ELISAにおいてNuc-/-マウスはNuc+/+
マウスの約2倍の値を示し、Nuc+/-はその間の値となっ
た。臓器からの切片について顕微鏡観察したところ、Nu
c-/-マウスの7匹中4匹で腎臓での血管炎による半月体
形成糸球体腎炎(crescentic glomerulonephlitis、管
外増殖性腎炎)と巣状・分葉・硬化性腎炎が観察され
た。MRL/lprマウスにおいては局所的に血管炎は観察さ
れるものの、半月形成糸球体腎炎は、ほとんど起こらな
いことから、Nucを欠損させたことがその原因の一つに
なっている可能性が考えられた。これらマウスではヒト
好中球スメアを抗原とした(エタノール固定標品、富士
レビオ社)蛍光抗体法で抗好中球細胞質抗体(ANCA)が
陽性であった。
【0027】実施例7 [B57BL/B6マウスの遺伝子背景でのNuc-/-マウスの取
得]実施例1から6により取得したNuc-/-マウスの遺伝
子背景は、C57BL/6マウスと129マウスの混合となってお
り、遺伝子背景を近交系に近づけることによる表現型の
変化も予想されることから、C57BL/6マウスとの戻し交
配を行い、できるだけC57BL/6マウスの遺伝子背景に近
づけたマウスを得ることにした。実施例1から6で用い
た方法と同様にして、ミュータントマウスとB57BL/6マ
ウスと5回のバッククロスを行って、Nuc+/-マウスの雌
雄の交配で産まれたNuc-/-マウスを得た。これらマウス
では外見的に、また糖尿を出すマウスが多いことなど以
外は、血清検査からも特段の異常は見られていない。
【0028】
【発明の効果】ハウスキーピング的役割を行う遺伝子で
あるmNucを破壊したマウスは、予想と異なり全く異常が
見つからなかった。正常マウスではmNucの発現は調べた
全ての臓器において見られ、特に腎臓、肝臓での発現が
強かった。そこで外見上全く正常だとしても腎臓や肝臓
の機能に何らかの異常があるならば、尿や血液に変化が
でるのではないかとの観点から検査を行ったが、正常マ
ウスと比較して異常は見つからなかった。またNucがカ
ルシウム結合タンパクであり、さらにMRL/lprマウスで
の血中濃度が高いことから、血清カルシウム濃度の変化
についても調べてみたが、正常マウスとの違いは見つか
らなかった。
【0029】このジーンターゲッティングの実験を行っ
ている間に、Nucに非常によく似た遺伝子NEFAがクロー
ニングされた(文献14)。NEFAがNucに見出された機能
ドメインを完全に保持していることから、mNucをジーン
ターゲッティング法で破壊しても、NEFAがその欠損を補
完してしまう可能性があると考えられる。しかしなが
ら、Nuc-/-マウスにおいて、NEFA mRNAの充分な発現は
観察されず、その可能性はまだはっきりしていない。
【0030】ターゲットマウス交配実験から、mNuc遺伝
子がチロシナーゼの構造遺伝子で7番染色体に存在する
ことがわかっているC遺伝子と連鎖していることがわか
った。マウスとヒトの染色体上における遺伝子の比較か
ら、マウス7番染色体の一部がヒト19番染色体の長腕の
一部に相当していることがわかっており(文献15)、こ
のことはhNuc遺伝子の位置が19q13であるという結果と
矛盾しない。
【0031】Nuc-/-、lpr/lprマウスの抗DNA抗体量は予
想と異なり増加する結果となった。これまでMRL/lprマ
ウスにおける血中Nucの濃度上昇が、抗DNA抗体上昇を招
くものと推論し、Nuc-/-にしたlprマウスは抗DNA抗体の
産生誘導が起こらないであろうと考えていた。しかし実
際には逆に増加する結果となり、抗DNA抗体の産生はNuc
だけの原因で起こるという単純な機構によるものではな
いという結論となった。このことはMRL/lprマウスにお
ける抗dsDNA抗体の産生は複数の遺伝子が関与している
と考えられている(文献16)ことと矛盾はしない。この
ことから、Nucが欠損したことによりそれを補う形で別
の遺伝子の発現が上昇している可能性を考える必要が生
じた。しかしNEFAの発現上昇は見られず、更に別の遺伝
子が関与している可能性がある。
【0032】Nuc-/-、lpr/lprマウスの腎臓において血
管炎および半月体形成糸球体腎炎が観察された。MRL/lp
rマウスにおいては起こらないことから、lpr/lprを遺伝
的背景として更にNucの欠損が起こると半月体形成糸球
体腎炎の原因の一つになる可能性が考えられる。血管炎
は自己免疫疾患の多くに共通する症状であり、血管内皮
細胞や基底膜のタンパク等に対する自己抗体の産生が原
因と考えられている。自己免疫疾患の中には、グッドパ
スチャー症候群、ウェゲナー肉芽腫という肺、腎臓に特
徴のある血管炎を呈する疾病もあるが、その原因は不明
である。MRL/lprマウスにおいてNucの欠損が半月体形成
糸球体腎炎を発症させ、しかも最近になり共同研究者が
血管内皮細胞においてNucと接着因子の間に何らかの関
係があるという事実も見出していることから、血管形成
においてNucが機能し、その欠損が血管炎を引き起こす
ことと関係があるのかもしれない。またここで解析した
マウスの性質を受け継ぐマウスが系統として維持できる
ならば、血管炎、半月体形成糸球体腎炎のモデルマウス
が樹立できたことになり、血管炎研究の材料として使用
できる可能性が示唆される。そして、本発明で作製され
た新しい性質を有するマウスを実験動物として用い、血
管炎、腎炎等の疾患の治療剤をスクリーニングすること
ができる。また、診断薬による検査の対照動物としても
有用となろう。
【0033】
【文献】
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【図面の簡単な説明】
【図1】ジーンタゲティング法の手順を示す図である。
【図2】マウスNucゲノム遺伝子の制限酵素地図であ
る。
【図3】ターゲティングベクターの構造を示す図であ
る。
【図4】ターゲットマウスに対するハイブリダイゼーシ
ョンを示す図である。
【図5】ターゲットマウスのmNuc RNAの発現を示す図で
ある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月21日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】 ターゲットマウスに対するハイブリダイゼー
ションを示す電気泳動写真である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】 ターゲットマウスのmNuc RNAの発現
を示す電気泳動写真である。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月23日
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】 ターゲットマウスのmNuc RNAの発現
を示す電気泳動写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 恵二 愛知県名古屋市緑区太子1−141 (72)発明者 金井 芳之 東京都杉並区和田1丁目13番19号−103 (72)発明者 窪田 哲朗 埼玉県所沢市くすのき台三丁目11番3号 (72)発明者 粟屋 昭 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町4978

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヌクレオバインディン(Nucleobindin)
    遺伝子の全部または一部が、欠損または他の遺伝子によ
    り置換されることにより、実質的にヌクレオバインディ
    ンをコードする遺伝子を含まない非ヒト哺乳動物。
  2. 【請求項2】 ヌクレオバインディン(Nucleobindin)
    遺伝子の全部または一部が、欠損または他の遺伝子によ
    り置換されることにより、実質的にヌクレオバインディ
    ンをコードする遺伝子を含まないマウス。
JP8298219A 1996-10-21 1996-10-21 遺伝子欠損動物 Pending JPH10117633A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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Cited By (2)

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