JPH1033087A - グルタミン酸トランスポーター遺伝子機能欠損非ヒト動物 - Google Patents

グルタミン酸トランスポーター遺伝子機能欠損非ヒト動物

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JPH1033087A
JPH1033087A JP8193655A JP19365596A JPH1033087A JP H1033087 A JPH1033087 A JP H1033087A JP 8193655 A JP8193655 A JP 8193655A JP 19365596 A JP19365596 A JP 19365596A JP H1033087 A JPH1033087 A JP H1033087A
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gene
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mouse
glutamate transporter
mice
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Koichi Tanaka
光一 田中
Keiji Wada
圭司 和田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グルタミン酸が関与する神経変性疾患や神経
細胞死などの病態生理、病因の解明及び治療方法の開発
等の研究のための実験用動物の提供。 【解決手段】 動物のグルタミン酸トランスポーター遺
伝子の機能を欠損させる。特に、グルタミン酸トランス
ポーター遺伝子であるGluT−1遺伝子及び/又はG
LT1遺伝子の機能を体細胞及び生殖細胞の染色体にお
いて欠損させ、ノックアウト動物を作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グルタミン酸トラ
ンスポーター遺伝子の機能が欠損したいわゆるノックア
ウト動物に関する。かかるグルタミン酸トランスポータ
ー欠損動物は、神経変性疾患や神経細胞死などの病態生
理、病因の解明及び治療方法の開発等の研究のための実
験用動物として極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】グルタミン酸は主要な興奮性神経伝達物
質であると同時に、中枢神経系においてニューロンの可
塑性や神経毒性に重要な役割を演じている。一般的に神
経伝達物質にとって重要な性質は、それがシナプスから
放出された後、その作用が急速に消失することである。
グルタミン酸トランスポーターは、中枢神経系におい
て、グリア細胞及び神経細胞の細胞膜に存在し、シナプ
ス前部から放出されたグルタミン酸を取り込んで細胞外
から取り除き、細胞外濃度を毒性濃度以下に低下させる
メカニズムに関与する膜蛋白質であり、その存在する細
胞によりグリア細胞型(GluT−1とGLT1)と神
経細胞型(EAAC1とEAAT4)とに分類される。
これらのグルタミン酸トランスポーターの異常により引
き起こされる過剰な濃度のグルタミン酸が、神経変性疾
患や脳虚血に伴う神経細胞死等の原因となっていると考
えられており、例えば、グルタミン酸トランスポーター
の活性の低下が、アルツハイマー症や筋萎縮性側索硬化
症(ALS)に関与しているという報告がなされてい
る。また、これらのグルタミン酸トランスポーターのう
ち、マウスのGluT−1、GLT1及びEAAC1を
それぞれコードするcDNAがマウス脳から単離され、
クローニングされている(Tanaka, Neuroscience Lette
rs,159, 183-186(1993)及び Mukainaka et al., Biochi
mica et Biophysica Acta,1244, 233-237(1995))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、グルタミ
ン酸トランスポーターの欠損した遺伝的に安定な変異動
物が系統的に得られれば、該蛋白質の生理的機能の研究
だけでなく、上記神経変性疾患や神経細胞死等の病態生
理、病因の解明及び治療方法の開発等の研究のための実
験動物として極めて有用であると期待される。しかしな
がら、現在のところグルタミン酸トランスポーター遺伝
子の機能が欠損した遺伝的に安定な動物は知られていな
い。上記の実情に基づき、本発明者らはグルタミン酸ト
ランスポーター遺伝子の機能が欠損した遺伝的背景の明
確な動物モデルを提供すべく鋭意検討を重ねた結果、本
発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明はグ
ルタミン酸トランスポーター遺伝子の機能が欠損した非
ヒト動物を提供する。特に、本発明はグルタミン酸トラ
ンスポーター遺伝子の機能欠損が体細胞及び生殖細胞の
染色体に存在する上記非ヒト動物を提供する。さらに、
本発明はグルタミン酸トランスポーター遺伝子であるG
luT−1遺伝子及び/又はGLT1遺伝子の機能が欠
損した非ヒト動物、特にマウスを提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、グルタミン酸ト
ランスポーター遺伝子の機能の欠損とは、該遺伝子が生
来の構造とは異なっているために発現されず、グルタミ
ン酸トランスポーターが産生されないことをいう。グル
タミン酸トランスポーター遺伝子の機能を人為的に欠損
させた動物を得るためには、グルタミン酸トランスポー
ター遺伝子をクローニングし、それをインビトロで何ら
かの方法によりその遺伝子の機能を欠損させた後に、該
欠損遺伝子を動物に戻して、その動物自体又はその子孫
の該遺伝子の機能を欠損させるという方法が用いられ
る。グルタミン酸トランスポーター遺伝子のクローニン
グは、例えばマウスの肝からゲノムDNAを抽出し、常
法に従ってDNAライブラリーを作製し、次にこれを、
すでにクローニングされているグルタミン酸トランスポ
ーター遺伝子をコードするDNA、例えばcDNA(G
luT−1については、上述の Tanaka, Neuroscience
Letters, 159, 183-186(1993)、GLT1については、上
述の Mukainaka et al., Biochimica et Biophysica Ac
ta, 1244, 233-237(1995) 参照)の部分配列をプローブ
として用いてスクリーニングすることにより取得するこ
とができる。
【0006】本発明でいう非ヒト動物とはヒトを除く全
ての動物をいい、好ましくは哺乳動物、より好ましくは
齧歯動物、さらに好ましくはマウスである。動物に遺伝
子を導入してその動物の個体又は子孫にその遺伝子を発
現させる手法としては、(1)遺伝子DNAを受精卵の
前核期胚に注入する、(2)組換えレトロウイルスを初
期胚に感染させる、(3)相同組換えを起こさせた胚性
幹細胞(ES細胞)を胚盤胞又は8細胞期胚に注入す
る、等の方法によって得られた宿主胚を動物に移植して
産仔を得、これを他の個体と交配し、F1ヘテロ変異動
物、さらにはF2ホモ変異動物を作成するという、従来
からトランスジェニック動物の作成に常用されている公
知の手法を挙げることができる。上記の手法のうち、E
S細胞を用いる遺伝子導入の方法は、ES細胞に遺伝子
を導入する工程とキメラ動物を作出する工程とを分けて
行えるという利点を有しているので好ましい。ES細胞
の培養は原理的には哺乳動物一般で可能であると考えら
れ、マウスの他に、 ラット、ウサギ又はブタ、ウシ等の
家畜についてもES細胞を確立すべく研究が進展してい
ると考えられる。なお、ES細胞が培養されていない
か、又は培養されていても生殖細胞にまで分化する細胞
系が確立していない動物種については、上記(1)又は
(2)等の方法を用いることができる。特に、 ES細胞
を用いる遺伝子導入の方法はマウスについて確立されて
いるので、以下マウスを例にして本発明を説明するが、
本発明は何らこの例によって限定されるものではない。
【0007】グルタミン酸トランスポーター遺伝子の機
能を欠損させるためには、グルタミン酸トランスポータ
ーをコードする遺伝子のいずれかの部分に欠失を生じさ
せるか、若しくは点変異を導入してもよく、又は他の遺
伝子を挿入してもよい。挿入する他の遺伝子としては、
グルタミン酸トランスポーター遺伝子の欠損を選別する
ためのマーカー遺伝子として機能する遺伝子を用いるこ
とが好ましい。そのような遺伝子としては、ポジティブ
選別に用いるマーカー遺伝子、例えばネオマイシン(n
eo)耐性遺伝子が好ましい。このネオマイシン耐性遺
伝子は、ネオマイシン類似体であるG418を用いるこ
とにより目的遺伝子の選別を可能にする。また、目的遺
伝子を選別除去するためにネガティブ選別に用いるマー
カー遺伝子を上記ポジティブ選別用マーカー遺伝子とと
もに用いることもできる。このような遺伝子としては、
チミジンキナーゼ(tk)遺伝子(選別剤としてガンシ
クロビル、FIAU等を用い、それに対する感受性によ
り非相同組換え体を選別除去する。)及びジフテリアト
キシンAフラグメント(DT−A)遺伝子(DT−Aに
より発現されたジフテリア毒素により、非相同組換え体
を選別除去する。)又はこれらの組み合わせ等が用いら
れる。遺伝子の機能欠損とともにポジティブ選別の目的
で用いられるマーカー遺伝子の挿入場所は特に限定され
ないが、通常エキソンに欠損が生じるように挿入する。
マウスのGluT−1遺伝子は10個のエキソンを含
み、ゲノム遺伝子の組織図(制限酵素地図)及び各エキ
ソン−イントロン連結点の詳細は知られている(Hagiwa
ra, Tanaka et al., GENOMICS, 33, 508-515(1996)) 。
マウスのGLT1遺伝子については、本発明者らが図2
に示すようなゲノム遺伝子の組織図(制限酵素地図)を
作成し、該ゲノム遺伝子が11個のエキソンを含むこと
を見い出した。本発明者らは、マウスGLT1遺伝子の
各エキソン−イントロン連結点を解析し、その詳細を表
1に示す。
【0008】
【表1】 表1 マウスGLT1遺伝子のエキソン−イントロン組織図 したがって、例えば、GluT−1遺伝子についてはエ
キソン6(4番目の膜貫通領域をコードしている。)
に、GLT1遺伝子についてはエキソン4(3番目の膜
貫通領域をコードしている。)にグルタミン酸トランス
ポーター遺伝子の欠損が生じるようにマーカー遺伝子を
挿入して、各々の遺伝子についてターゲティングベクタ
ー(相同組換え用DNA)を構築するのが好ましい。こ
れらの遺伝子の挿入はインビトロで常用のDNA組換え
技術により行うことができる。
【0009】次に、こうして得られたターゲティングベ
クター(相同組換え用DNA)を、ES細胞に導入し、
ES細胞中のグルタミン酸トランスポーター遺伝子との
間で相同組換えを行う。相同組換え用DNAのES細胞
への導入は、例えば常用のエレクトロポレーションによ
り行うことができる。この相同組換えにおいては、ES
細胞中のグルタミン酸トランスポーター遺伝子のDNA
と相同組換え用DNAの対応する領域との間で組換えが
生じ、相同組換え用DNA中に挿入されていたマーカー
遺伝子がES細胞のゲノムのグルタミン酸トランスポー
ター遺伝子に挿入される。この結果、ES細胞はグルタ
ミン酸トランスポーター遺伝子の機能を欠損し、同時に
マーカー遺伝子を含むことになる。このマーカー遺伝子
の選別機能に基づいて、グルタミン酸トランスポーター
遺伝子機能を欠損したES細胞を選別することができ
る。
【0010】次に、このES細胞をマウスの胚盤胞又は
8細胞期胚等の宿主胚に注入し、得られた胚を偽妊娠マ
ウスの子宮角に移植してキメラマウスを得る。このキメ
ラマウスを適当な系統のマウスと交配することによりF
1ヘテロ型の産仔を得る。キメラマウスの生殖細胞が相
同組換え体、すなわちグルタミン酸トランスポーター遺
伝子が破壊されているES細胞に由来していれば、グル
タミン酸トランスポーター遺伝子の機能が欠損したマウ
スを得ることができる。ここでF1ヘテロ型産仔どうし
を交配してF2ホモ型産仔を得ることができる。本発明
の動物は、キメラ型動物、F1ヘテロ型動物及びF2ホ
モ型動物を包含する。グルタミン酸トランスポーター遺
伝子の機能欠損の効果の点からF2ホモ型動物が好まし
い。以下、上記の方法を工程に分けて説明する。
【0011】1)マウスグルタミン酸トランスポーター
遺伝子のターゲティングベクター(相同組換え用DN
A)の作成 マウスの肝から抽出したゲノムDNAを、制限酵素で部
分消化してゲノムライブラリーを作成する。このゲノム
ライブラリーについて、グルタミン酸トランスポーター
cDNAの部分配列をプローブとして用いてハイブリダ
イゼーションを行い、陽性クローンを得る。これを適当
なベクターに挿入した後、制限酵素で消化して、Glu
T−1については第6エキソンから第8エキソンを含む
全長約9kbのゲノムDNAを、GLT1については第
2エキソンから第4エキソンを含む全長11.2kbの
ゲノムDNAをサブクローニングする。次いで、グルタ
ミン酸トランスポーター遺伝子の構造を破壊するととも
に、目的とする相同組換え体を選別するために、ポジテ
ィブ/ネガティブ選別を行う。かかる選別のために、例
えば、GluT−1については、Yagiらの報告(Ya
gi, Nada, Watanabeet al., Analytical Biochemistry
214,77-86 (1993))に従って、ネオマイシン耐性遺伝
子及びジフテリアトキシンAフラグメント遺伝子を挿入
し、GLT1については、Mansourらの報告 (Ma
nsour, Thomas, Capacchi, Nature 336 ,348-352 (19
88) )に従って、ネオマイシン耐性遺伝子及びチミジン
キナーゼ遺伝子を挿入する。
【0012】2)相同組換えによるES細胞のグルタミ
ン酸トランスポーター遺伝子欠損 相同組換え用DNAを、マウスES細胞(例えば、E1
4株)(Hooper, Hardy, Handside et al., Nature 32
6, 292-295 (1987)) を含むエレクトロポレーション用
緩衝液に懸濁させ、ES細胞への遺伝子導入を行う。次
いで、GluT−1についてはG418を、GLT1に
ついてはG418及びガンシクロビルを選択剤として用
いて選択培養を行う。選択剤に耐性のコロニーについ
て、相同組換え体の確認をサザンブロットによって行
う。
【0013】3)相同組換えES細胞によるキメラマウ
スの作成 グルタミン酸トランスポーター遺伝子機能が欠損してい
る相同組換えES細胞を適切な系列のマウス、例えばC
57BL/6J系マウスの胚盤胞又は8細胞期胚等の宿
主胚に注入した後、得られた宿主胚に偽妊娠マウスの子
宮角に移植して産仔を得る。宿主胚をどのような系統の
マウスから得るかの選択は、常法に従い毛色等の表現型
によりES細胞由来の細胞と宿主胚由来の細胞とを区別
することができるように行う。
【0014】4)相同組換えES細胞の生殖系列への伝
達の検定 移植によって得られたキメラマウスを、例えばC57B
L/6J系、129/J系又はICR系マウスと交配
し、グルタミン酸トランスポーター遺伝子機能が欠損し
たES細胞由来の産仔が得られるか否かを検定する。た
とえば、E14株のES細胞とC57BL/6J系の宿
主胚を用いて得られたキメラマウスをC57BL/6J
系と交配する場合は、娩出される産仔は、キメラマウス
の生殖細胞が、相同組換えES細胞に由来していれば該
ES細胞が由来するマウスと同じ野生色を呈し、宿主胚
に由来していれば該宿主胚が由来するマウスと同じ黒色
を呈する。グルタミン酸トランスポーター遺伝子の欠損
は、離乳に至った後に尾からDNAを抽出後、サザンブ
ロットを行って、確認することができる。
【0015】以下、実施例により本発明をより詳細に説
明する。
【実施例】例1 GluT−1遺伝子機能欠損マウスの作成 1)マウスGluT−1遺伝子DNAの相同組換え用D
NAの作成 129SVマウスの肝から抽出したゲノムDNA( 野生
型マウスGluT−1遺伝子)を、制限酵素Sau3A
Iで部分消化して得たゲノムライブラリーラムダFIX
IIについて、マウスGluT−1遺伝子のcDNAの
部分配列をプローブとして用いてハイブリダイゼーショ
ンを行い、1x106 個のコロニーについて検索した結
果、26個の陽性クローンを得た。これを制限酵素Ec
oRV及びXhoIで不完全消化させて、第6エキソン
から第8エキソンを含む、全長9kbpのゲノムDNA
をサブクローニングした(図1)。次いで、GluT
−1遺伝子を破壊するために、第6エキソンのBamH
I以降1.5kbpを欠損させ、そこににネオマイシン
耐性遺伝子を、さらに第8エキソンの下流にジフテリア
トキシンAフラグメント遺伝子を挿入した。ゲノムDN
Aとの相同部分は、ネオマイシン耐性遺伝子の上流が
2.5kb、ネオマイシン耐性遺伝子とジフテリアトキ
シンAフラグメント遺伝子との間が5kbとなるように
構築した。得られた構築体を、pBluescript
SKに挿入し、ES細胞への導入の際に制限酵素Not
Iで切断して線状化することによりターゲティングベク
ター(相同組換え用DNA:pGluT1NeoD
T)を得た(図1)。
【0016】2)相同組換え用DNAの導入によるES
細胞のGluT−1遺伝子の欠損 相同組換え用DNA75μgをマウスES細胞(E14
株)3x107 個を含むエレクトロポレーション用緩衝
液(137mM NaCl, 2.7mM KCl, 10mM Na2HPO4, 1.8mM KH2P
O4) に懸濁させ、Field Strength 210V/cm, Capacitanc
e 500 μFの条件で、遺伝子導入を行った。導入後24
時間から250μg/mlのG418(Genetis
in, GIBCO BRL)濃度で選択培養を行っ
た。
【0017】G418耐性コロニーを、遺伝子導入後1
92時間後から、マイクロピペットを用いて60μlの
Tris−EDTA溶液(10mM Tris−HCl
pH8.0と1mM EDTA pH8.0とからな
る溶液)を含む96穴のマイクロプレート(FALCO
N 3077)に移し換え、数分間処理した後、ピペッ
ティングすることによって単一細胞にし、これらを24
穴のマイクロプレート(FALCON 3047)に移
し換え、培養を継続した。採取したコロニーは、その長
径がマイクロチップの内径の1/2以上に達したもの
で、この時の細胞数は、1x104 〜105 個であっ
た。エレクトロポレーション後の生存細胞数は、6.0
x107 個であった。G418耐性コロニー数は、2.
4x102 個で、生存細胞数の1/2.5x105 であ
った。
【0018】24穴のマイクロプレート上の細胞が3〜
4日の培養でコンフルエントに達した段階で、細胞を
0.25%トリプシンで、37℃で5分間処理後、順
次、35mm(FALCON 3001)又は60mm
(FALCON 3002)の組織培養用シャーレ内で
培養し、細胞の増殖を図った。なお、ES細胞の培養
は、すべてフィーダー細胞上で行った。相同組換え体の
確認をサザンブロットによって以下の通りに行った。
【0019】サザンブロット解析については、G418
耐性細胞からゲノムDNAを抽出し、制限酵素PvuI
Iで消化後、第5イントロンのApaI−EcoRV断
片、0.5kbをプローブとして用いて行った。破壊さ
れた対立遺伝子を含む相同組換え体(図1)及び非相
同組換え体の確認は、それぞれ、4.2kb及び7kb
のバンドの検出によって行った。相同組換え体コロニー
数は、G418耐性コロニー242個中1個(2B7)
であった。
【0020】3)ES細胞及びその培養方法 ES細胞として、129/SvJ系マウス胚盤胞由来の
E14株を用いた。ES細胞の培養には、ダルベッコウ
修正イーグル培養液(DMEM,11960−010
GIBCO)に15%牛胎児血清(FCS)、0.1m
Mの2−メルカプトエタノール、核酸混合液、非必須ア
ミノ酸溶液及び103 unit/mlのLIF(AMR
AD)を添加したSCM培養液(Roberson, Teratocarc
inomas and embryonicstem cells a practical approac
h 1987) を用いた。
【0021】また、ES細胞のフィーダー細胞として用
いるマウス胎児繊維芽細胞の培養には、DMEMに10
%FSCを添加したものを用いた。マウス胎児繊維芽細
胞の調製及び培養は、以下の通りに行った。胎齢13〜
14日のICR系マウスの胎児を無菌的に採取し、カル
シウム及びマグネシウムを含まないリン酸緩衝生理食塩
水(PBS- )で洗浄後、ピンセットを用いて心臓、肝
臓及び腸管を除き、眼科用のハサミを用いて細切した。
次いで、得られた細切片を0.25%トリプシン及び
0.04%EDTAを含むPBS- (以下TE溶液とい
う)で、室温で20分間処理して細胞浮遊液を得た。
【0022】細胞浮遊液を1500rpm、5分間の遠
心後、上清を除去し、10%FCS加DMEMに懸濁さ
せて2分間静置した。そして、下部に沈んだ組織片を除
いた細胞浮遊液を100x20mmの組織培養用シャー
レ(FALCON 3003)に移し、37℃,5%C
2 ,95%空気の条件で培養に供した。翌日、細胞浮
遊液をPBS- で1回洗浄し、培養を継続した。継代
は、3〜4日間隔で行い、継代が三代目までの細胞をフ
ィーダーとして使用するためにマイトマイシン処理を施
した。
【0023】コンフルエント状態にまで増殖したマウス
胎児繊維芽細胞を2mg/mlのマイトマイシンC75
μlで3〜4時間処理し、PBS- で3回洗浄後、TE
溶液で室温で3分間処理して細胞を剥離した。次いで、
遠心後、細胞数を5x105/mlに調整し、60x1
0mmのゼラチンコートディッシュ(FALCON30
02)に3mlずつ分注した。以上のように作成したフ
ィーダー細胞は、1週間以内に使用した。ES細胞の継
代は、室温で5分間TE溶液で処理後、ピペッティング
によってES細胞を単一細胞に分散させ、4x105
の細胞をフィーダー細胞層上に播種することによって行
った。
【0024】培養液は、24時間間隔で交換し、継代間
隔は、56〜64時間とした。また、凍結保存する際に
は、1x106 個の細胞をSCMに懸濁して凍結用チュ
ーブ(2ml,FALCON 4818)に移し、0.
5mlの凍結用培地(20%DMSO加DMEM)を滴
下した後、−80℃で一晩放置し、液体窒素中で保存し
た。
【0025】4)GluT−1遺伝子欠損ES細胞によ
るキメラマウスの作成 a)GluT−1遺伝子欠損ES細胞の胚盤胞への注入 ES細胞を、C57BL/6J系マウスの胚盤胞に注入
した後、得られた宿主胚を偽妊娠マウスの子宮角に移植
して産仔を得た。宿主胚の採取は、自然交配4日目に、
Hepes−buffered−Whitten’s培
地で、子宮を灌流することによって行った。注入に用い
たES細胞は、継代2日目又は3日目にTE溶液で処理
を行った後、ゼラチンコートディッシュに30分間静置
することによって、フィーダー細胞を除去し、顕微操作
に供するまで、氷上に静置した。
【0026】ES細胞の注入用ピペットは、外径1mm
の微小ガラス管(NARISHIGE)を微小電極作製
器(NARISHIGE,PN−3)を用いて細かく引
き延ばし、研磨器(NARISHIGE)で、内径が約
20μmとなるように先端を研磨し、さらにマイクロフ
ォージ(De Fonburun)で先端を鋭利に加工
した。胚保定用ピペットは、上述の方法で引き延ばした
ガラス管をマイクロフォージを用いて、外径50〜10
0μmの部分で切断した後、さらに口径を10〜20μ
mに加工して用いた。
【0027】注入用ピペットと保定用ピペットは、先端
から約5mmの部分を約30度曲げて、マイクロマニピ
ュレーター(LEITZ)に接続した。顕微操作に用い
たチャンバーは、穴あきスライドグラスにカバーグラス
を密蝋で接着させたものを用い、その上に約20μlの
5%FCS加Hepes−buffered−Whit
ten’s培地のドロップを2個置き、その上面をミネ
ラルオイル(M8410,Sigma)で覆った。一方
のドロップには、約100個のES細胞を入れ、他方に
は、拡張胚盤胞を10〜15個入れ、胚1個あたり10
〜15個のES細胞を注入した。
【0028】顕微操作はすべて、倒立顕微鏡下で行っ
た。操作胚は、1〜2時間の培養後、偽妊娠2日目のI
CR系受容雌の子宮角に移植した。分娩予定日に至って
も産仔を娩出しなかった受容雌については、帝王切開を
施し、里親に哺育させた。自然交配4日目に、子宮を灌
流することによって採取したC57BL/6J系マウス
の胚盤胞160個にES細胞2B7を注入した結果、1
23個が生存し、成功率は77%であった。123個を
偽妊娠2日目のICR系受容雌の子宮角に移植した結
果、103個に着床が認められ、95匹の産仔が得られ
た。離乳に至った83匹の産仔のうち、毛色でキメラマ
ウスと判定できたのは30匹で、このうち26匹が、形
態的に雄を示していた。これらのキメラマウスにおける
ES細胞の寄与率は、10〜95%の幅であり、寄与率
が60%未満が10例、60%以上90%未満が14
例、90%以上が2例であった。
【0029】b)キメラマウスの交配 移植によって得られたキメラマウスを、C57BL/6
J系マウスと交配し、娩出される産仔(F1ヘテロ型マ
ウス)がGluT−1遺伝子欠損ES細胞由来であるか
否かを検定した。キメラマウスの生殖細胞がES細胞に
由来していれば、娩出される産仔の毛色は野生色を呈
し、C57BL/6J系マウスの胚盤胞に由来していれ
ば黒色を呈する。ES細胞の寄与率の高い(70%以
上)9例(No.1,5,13,20,33,41,5
4,62,81)のキメラマウスのうち、現在までに8
例(No.1,5,20,33,41,54,62,8
1)について、ES細胞の生殖系列への伝達が確認され
た。
【0030】No.5とC57BL/6J系雌マウスと
の交配では、3回の分娩で合計23匹の産仔が得られ、
このうち、23匹が野生色の毛色を示していた。また、
No.33とC57BL/6J系雌マウスとの交配で得
られた15匹の産仔のうち、12匹が野生色の毛色を示
した。これらの野生色マウスのうち23例についてサザ
ンブロットによる解析を行った結果、11例でGluT
−1遺伝子の欠損を確認した。次に、遺伝子の欠損が確
認されたF1ヘテロ型マウスどうしを交配し、101匹
の産仔が得られた。これらマウス全例をサザンブロット
による解析を行った結果、28例でGluT−1遺伝子
欠損についてF2ホモ型のマウスを得た。
【0031】例2 GLT1遺伝子機能欠損マウスの作
1)マウスGLT1遺伝子DNAの相同組換え用DNA
の作成 129SVマウスの肝から抽出したゲノムDNA(野生
型マウスGLT1遺伝子)を、制限酵素Sau3AIで
部分消化して得たゲノムライブラリーラムダFIXII
に、マウスGLT1遺伝子cDNAの部分配列をプロー
ブとして用いてハイブリダイゼーションを行い、1x1
6 個のコロニーについて検索した結果、33個の陽性
クローンを得た。これを制限酵素ApaI及びNotI
で不完全消化させて、第2エキソンから第4エキソンを
含む、全長11.2kbのゲノムDNAをサブクロー
ニングした(図3)。次いで、GLT1遺伝子を破壊す
るために、第4エキソンのNotI以降0.9kbpを
欠失させ、そこにネオマイシン耐性遺伝子を挿入し、さ
らに第2エキソンの上流にチミジンキナーゼ遺伝子を挿
入した。ゲノムDNAとの相同部分は、ネオマイシン耐
性遺伝子の下流が4.2kb、ネオマイシン耐性遺伝子
とチミジンキナーゼ遺伝子との間が6.1kbとなるよ
うに構築した。得られた構築体を、pBluescri
ptSKに挿入し、ES細胞への導入の際に制限酵素K
pnIで切断して線状化することによりターゲッティン
グベクター(相同組換え用DNA:pGLT1Neo
TK)を得た(図3)。
【0032】2)相同組換え用DNAの導入によるES
細胞のGLT1遺伝子欠損 相同組換え用DNA75μgをマウスES細胞(E14
株)3x107 個を含むエレクトロポレーション用緩衝
液(137mM NaCl, 27mM KCl, 10mM Na2HPO4, 1.8mM KH2P
O4) に懸濁させ、Field Strength 210V/cm, Capacitanc
e 500 μFの条件で、遺伝子導入を行った。導入後24
時間から250μg/mlのG418(Genetis
in, GIBCO BRL)で選択培養を行ない、そ
の48時間後からは、0.5μg/mlガンシクロビル
も添加して、選択培養を継続した。
【0033】G418及びガンシクロビル耐性コロニー
を、遺伝子導入後192時間後から、マイクロピペット
を用いて60μlのTris−EDTA溶液を含む96
穴のマイクロピペット(FALCON 3077)に移
し換え、数分間処理した後、ピペッティングすることに
よって単一細胞にし、これらを24穴のマイクロプレー
ト(FALCON 3047)に移し換え、培養を継続
した。採取したコロニーは、その長径がマイクロチップ
の内径の1/2以上に達したもので、この時の細胞数
は、1x104 〜105 個であった。エレクトロポレー
ション後の生存細胞数は、4x107 個であった。G4
18及びガンシクロビル耐性コロニー数は、1.4x1
2 個で、生存細胞数の1/2.9x105 であった。
【0034】24穴のマイクロプレート上の細胞が3〜
4日の培養でコンフルエントに達した段階で、細胞を
0.25%トリプシンで、37℃で5分間で処理後、順
次、35mm(FALCON 3001)又は60mm
(FALCON 3002)の組織培養用シャーレ内で
培養し、細胞の増殖を図った。なお、ES細胞の培養
は、すべてフィーダー細胞上で行った。相同組換え体の
確認をサザンブロットによって以下の通りに行った。
【0035】サザンブロット解析については、G418
及びガンシクロビル耐性細胞からゲノムDNAを抽出
し、制限酵素EcoRVで消化後、第4イントロンのA
paI−EcoRV、0.8kbをプローブとして用い
て行った。破壊された対立遺伝子を含む相同組換え体
(図3)及び非相同組換え体の確認は、それぞれ、9.
5kb及び5.4kbのバンドの検出によって行った。
相同組換え体コロニー数は、G418及びガンシクロビ
ル耐性コロニー144個中4個(1B9、1C4、1F
8、2A5)であった。
【0036】3)ES細胞及びその培養方法 ES細胞として、129/SvJ系マウス胚盤胞由来の
E14株を用いた。ES細胞の培養には、ダルベッコウ
修正イーグル培養液(DMEM,11960−010
GIBCO)に15%牛胎児血清(FCS)、0.1m
Mの2−メルカプトエタノール、核酸混合液、非必須ア
ミノ酸溶液及び103 unit/mlのLIF(AMR
AD)を添加したSCM培養液(Roberson, Teratocarc
inomas and embryonicstem cells a practical approac
h 1987) を用いた。
【0037】また、ES細胞のフィーダー細胞として用
いるマウス胎児繊維芽細胞の培養には、DMEMに10
%FSCを添加したものを用いた。マウス胎児繊維芽細
胞の調製及び培養は、以下の通りに行った。胎齢13〜
14日のICR系マウスの胎児を無菌的に採取し、カル
シウム及びマグネシウムを含まないリン酸緩衝生理食塩
水(PBS- )で洗浄後、ピンセットを用いて心臓、肝
臓及び腸管を除き、眼科用のハサミを用いて細切した。
次いで、得られた細切片をTE溶液で室温下20分間処
理して細胞浮遊液を得た。
【0038】細胞浮遊液を1500rpm、5分間の遠
心後、上清を除去し、10%FCS加DMEMに懸濁さ
せて2分間静置した。そして、下部に沈んだ組織片を除
いた細胞浮遊液を100x20mmの組織培養用シャー
レ(Corning,25020)に移し、37℃,5
%,CO2 95%空気の条件で培養に供した。翌日、細
胞浮遊液をPBS- で1回洗浄し、培養を継続した。継
代は、3〜4日間隔で行い、継代が三代目までの細胞を
フィーダーとして使用するためにマイトマイシン処理を
施した。
【0039】コンフルエント状態にまで増殖したマウス
胎児繊維芽細胞を2mg/mlのマイトマイシンC75
μlで3〜4時間処理し、PBS- で3回洗浄後、TE
溶液で室温で3分間処理して細胞を剥離した。次いで、
遠心後、細胞数を5x105/mlに調整し、60x1
0mmのゼラチンコートディッシュ(FALCON30
02)に3mlずつ分注した。以上のように作成したフ
ィーダー細胞は、1週間以内に使用した。ES細胞の継
代は、室温で5分間TE溶液で処理後、ピペッティング
によってES細胞を単一細胞に分散させ、4x105
の細胞をフィーダー細胞層上に播種することによって行
った。
【0040】培養液は、24時間間隔で交換し、継代間
隔は、56〜64時間とした。また、凍結保存する際に
は、1x106 個の細胞をSCMに懸濁して凍結用チュ
ーブ(2ml,FALCON 4818)に移し、0.
5mlの凍結用培地(20%DMSO加DMEM)を滴
下した後、−80℃で一晩放置し、液体窒素中で保存し
た。
【0041】4)GLT1遺伝子欠損ES細胞によるキ
メラマウスの作成 a)GLT1遺伝子欠損ES細胞の胚盤胞への注入 ES細胞をC57BL/6J系マウスの胚盤胞に注入し
た後、得られた宿主胚を偽妊娠マウスの子宮角に移植し
て産仔を得た。宿主胚の採取は、自然交配4日目に、H
epes−buffered−Whitten’s培地
で、子宮を灌流することによって行った。注入に用いた
ES細胞は、継代2日目又は3日目にTE溶液で処理を
行った後、上述の方法でフィーダー細胞を除去し、顕微
操作に供するまで、氷上に静置した。ピペットの作成及
び顕微操作は、例1と同様に行った。操作胚は、1〜2
時間の培養後、偽妊娠2日目のICR系受容雌の子宮角
に移植した。分娩予定日に至っても産仔を娩出しなかっ
た受容雌については、帝王切開を施し、里親に哺育させ
た。自然交配4日目に、子宮を灌流することによって採
取したC57BL/6J系マウスの胚盤胞145個にE
S細胞1F8を注入した結果、107個が生存し、成功
率は74%であった。107個を偽妊娠2日目のICR
系受容雌の子宮角に移植した結果、88個に着床が認め
られ、78匹の産仔が得られた。離乳に至った65匹の
産仔のうち、毛色でキメラマウスと判定できたのは32
匹で、このうち28匹が、形態的に雄を示していた。こ
れらのキメラマウスにおけるES細胞の寄与率は、10
〜95%の幅であり、寄与率が60%未満が10例、6
0%以上90%未満が15例、90%以上が3例であっ
た。
【0042】b)キメラマウスの交配 移植によって得られたキメラマウスを、C57BL/6
J系マウスと交配し、娩出される産仔(F1ヘテロ型マ
ウス)がGLT1遺伝子欠損ES細胞由来であるか否か
を検定した。キメラマウスの生殖細胞がES細胞に由来
していれば、娩出される産仔の毛色は野生色を呈し、C
57BL/6J系マウスの胚盤胞に由来していれば黒色
を呈する。ES細胞の寄与率の高い(70%以上)10
例(No.2,5,12,21,35,40,55,6
3,70,75)のキメラマウスのうち、現在までに9
例(No.2,5,12,35,40,55,63,7
0,75)について、ES細胞の生殖系列への伝達が確
認された。
【0043】No.12とC57BL/6J系雌マウス
との交配では、3回の分娩で合計21匹の産仔が得ら
れ、このうち、21匹が野生色の毛色を示していた。ま
た、No.63とC57BL/6J系雌マウスとの交配
で得られた18匹の産仔のうち、16匹が野生色の毛色
を示した。これらの野生色マウスのうち21例について
サザンブロットによる解析を行った結果、9例でGLT
1遺伝子の欠損を確認した。次に、遺伝子の欠損が確認
されたF1ヘテロ型マウスどうしを交配し、98匹の産
仔が得られた。これらマウス全例をサザンブロットによ
る解析を行った結果、20例でGLT1遺伝子欠損につ
いてF2ホモ型のマウスを得た。
【0044】
【発明の効果】以上の通り、本発明は、遺伝子工学的方
法でグルタミン酸トランスポーター遺伝子の機能を欠損
させた動物を提供する。この動物は、神経変性疾患や神
経細胞死などの病態生理、原因の解明及び治療方法の開
発等の研究のための実験用動物として極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】マウスGluT−1遺伝子のターゲティング破
壊を示す模式図。各記号が示す制限部位に関与する制限
酵素は以下の通りである。P:PvuII、RV:Ec
oRV、B:BamHI、E:EcoRI、X:Xho
I。
【図2】マウスGLT1遺伝子のゲノム遺伝子の組織図
(制限地図)。各記号が示す制限部位に関与する制限酵
素は以下の通りである。E:EcoRI、B:BamH
I、X:XhoI、N:NotI。
【図3】マウスGLT1遺伝子のターゲティング破壊を
示す模式図。各記号が示す制限部位に関与する制限酵素
は以下の通りである。K:KpnI、A:ApaI、
P:PvuII、RV:EcoRV、B:BamHI、
E:EcoRI、X:XhoI、N:NotI。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 圭司 東京都小平市小川東町4−1−1 I− 301

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルタミン酸トランスポーター遺伝子の
    機能の欠損が体細胞及び生殖細胞の染色体に存在する非
    ヒト動物。
  2. 【請求項2】 前記グルタミン酸トランスポーター遺伝
    子がGluT−1遺伝子及びGLT1遺伝子からなる群
    より選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の動
    物。
  3. 【請求項3】 グルタミン酸トランスポーター遺伝子の
    いずれかの部位が欠失しているか、又はいずれかの部位
    に他の遺伝子が挿入されることによりグルタミン酸トラ
    ンスポーター遺伝子の機能が欠損している請求項1また
    は2に記載の動物。
  4. 【請求項4】 前記他の遺伝子がマーカー遺伝子である
    請求項3に記載の動物。
  5. 【請求項5】 前記他の遺伝子がネオマイシン耐性遺伝
    子である請求項3または4に記載の動物。
  6. 【請求項6】 GluT−1遺伝子の第6エキソンにネ
    オマイシン耐性遺伝子が挿入されている請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の動物。
  7. 【請求項7】 GLT1遺伝子の第4エキソンにネオマ
    イシン耐性遺伝子が挿入されている請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の動物。
  8. 【請求項8】 前記動物が齧歯動物である、請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の動物。
  9. 【請求項9】 前記齧歯動物がマウスである、請求項8
    に記載の動物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004092371A1 (ja) * 2003-04-18 2004-10-28 Japan Science And Technology Agency グルタミン酸トランスポーターglast機能欠損マウス
JP2006526634A (ja) * 2003-06-02 2006-11-24 サマリタン,ファーマスーティカルス,インク. 神経保護作用を有するベンゾアート化合物およびベンズアミド化合物

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