JP2001251991A - アファディン欠損動物 - Google Patents

アファディン欠損動物

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JP2001251991A
JP2001251991A JP2000065596A JP2000065596A JP2001251991A JP 2001251991 A JP2001251991 A JP 2001251991A JP 2000065596 A JP2000065596 A JP 2000065596A JP 2000065596 A JP2000065596 A JP 2000065596A JP 2001251991 A JP2001251991 A JP 2001251991A
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cell
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embryos
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Yoshimi Takai
義美 高井
Hiroyuki Nakanishi
宏之 中西
Atsushi Miyoshi
淳 三好
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチン結合蛋白質アファディンをコードす
る遺伝子が機能的にノックアウトされた動物個体、その
胚、およびES細胞を提供する。 【解決手段】 蛋白質アファディンをコードするゲノム
遺伝子がその機能欠失型変異遺伝子に置換されている分
化全能性細胞を発生させた非ヒト動物の胚、非ヒト動物
個体およびその子孫動物であるアファディン欠損動物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、アファデ
ィン欠損動物に関するものである。さらに詳しくは、こ
の出願の発明は、カドヘリンベースの細胞間接着結合
(AJ)に局在するフィラメント結合蛋白質アファディ
ン(afadin)遺伝子がその機能欠失型変異遺伝子に置換
された遺伝子ノックアウト動物であって、体内において
蛋白質アファディンを合成する能力を持たない、または
合成能が低いアファディン欠損動物と、この動物の作成
に不可欠なES細胞に関するものである。この遺伝子欠
損動物は、医薬品開発等の分野において有用である。
【0002】
【従来の技術】細胞接着は、組織形態形成において必要
不可欠な役割を果たしている(Edelman 1986;Takeichi
1988;1991、1993;Albelda and Buck 1990;Edelman
and Crossion 1991;Buck 1992;Gumbiner 1996)。広
範囲の細胞配置が、組織形態形成の間継続し、胚、また
は成体生物体中の発生を受ける組織において生じる。胚
における種々の段階での細胞接着依存性の形態形成プロ
セスは、強固に接着された細胞間結合を伴う極性化され
た上皮構造の形成によって特徴付けられる。着床前の発
生の間、緩く接着された割球は、それらの細胞間接着を
最大化し、そして極性化された上皮を有する胚盤胞を形
成する。このプロセスは、胚細胞細密化として知られ、
そして栄養外胚葉および内部細胞塊の生成のために必須
である。内部細胞塊は、2つの上皮層の内臓内胚葉およ
び胚外胚葉に構築され始める。原腸形成の間、胚外胚葉
細胞は、上皮−間充織移行を受け、そして胚中胚葉およ
び内胚葉を形成する。原始線条に沿って形成するこれら
の間充織細胞は、細胞間接着を喪失し、そして胚外胚葉
の下の空隙に移動する。これらのいくつかは、その後、
内胚葉(脊索および体節を含む)の上皮構造に再構築さ
れる。従って、上皮構造の再構築は、体制配置および細
胞特異化の調和される進行に必要不可欠である。しか
し、この再構築の調節機構は未だ理解されていない。こ
の細胞接着依存性の形態形成を理解するために、発生す
る胚における細胞接着の分子原理および上皮構造の組織
構築を理解することが極めて重要である。細胞接着系の
基本的構成には共通性が存在するが、十分に確率され、
ダイナミックに再配置された上皮間にはいくつかの差異
が存在する。
【0003】細胞接着系の機能的な単位は、細胞接着分
子(CAM)および細胞質周囲の膜蛋白質から構成される
(Gumbiner 1996)。CAMは、同種親和性または異種親和
性の相互作用により、細胞外表面での細胞接着を媒介
し、そして細胞間認識の特異性を決定する。細胞内表面
で、CAMは、細胞骨格に連結される細胞質周囲の膜蛋白
質と相互作用して、CAMの機能を調節し、そしてCAMによ
って開始されるシグナルを形質導入する。極性化された
上皮細胞において、細胞間接着は接着複合体として知ら
れる特異化された膜構造、すなわち密着結合(zonula o
ccludens)、細胞間接着結合(Ajs)(zonula adheren
s)、およびデスモソーム(desmosome)を形成する。こ
れらの接着構造は、先端側から底部側に典型的に整列さ
れるが、デスモソームは、他の領域に独立して分布され
る。
【0004】細胞間AJで、伝統的なカドヘリンは、Ca2+
−依存性の様式において、細胞外表面で互いと相互作用
し、膜周囲蛋白質(α−、β−、およびγ−カテニン、
α−アクチニン、およびビンクリンを含む)を介して、
細胞質領域でアクチン細胞骨格と結合する(Takeichi 1
988;1991;GeigerおよびGinsberg 1991;Tsukitaら199
2;Ozawaら 1989;Nagafuchiら 1991)。これらの膜周
囲蛋白質のうち、α−カテニン、α−アクチニン、およ
びビンクリンは、アクチンフィラメント(F-アクチン)
−結合蛋白質である(Knudsenら 1995;Rimmら 1995;W
eissら 1998)。密着結合で、クラウディン(claudin)
ファミリーメンバーおよびオクルディン(occludin)
は、密着結合鎖を構成する(Furuseら 1993;1998;And
o-Akatsukaら 1996)。これらは、細胞外表面で互いに
結合し、膜周囲蛋白質(ZO-1を含む)を介して、アクチ
ン細胞骨格と結合する。非上皮細胞において、ZO-1はカ
ドヘリンベースの細胞間AJに局在化し、α−カテニンお
よびF-アクチンの両方と結合する(Itohら 1991;199
3;1997)。従って、多くのF-アクチン結合蛋白質は、
カドヘリン、クラウディンおよびオクルディンのような
CAMに対するアクチン細胞骨格のリンカーとして作用す
る。多くの証拠は、カドヘリンが細胞間接着の異なる機
能的状態を示し、そして組織形態形成の間の上皮構造の
再構築において重要な役割を果たすことを示唆するが、
これらのプロセスにおけるクラウディンおよびオクルデ
ィンの役割は十分に理解されていない。F-アクチン結合
蛋白質が、CAMを調節する機構についてもまた、ほとん
ど知られていない。
【0005】この出願の発明者らは、近年、カドヘリン
ベースの細胞間AJの成分を単離し、新規なF-アクチン結
合蛋白質l-アファディン(Mandaiら 1997)を特定し、
特許出願している(特開平11-89572号公報)。このl-ア
ファディンは、s-アファディンというスプライシングバ
リアントを有していおり、l-アファディンは、全身性に
発現するのに対し、s-アファディンは神経組織において
豊富に発現している。l-アファディンは、中央領域で1
つのPDZドメイン、PDZドメインの後ろに3つのプロリン
リッチ領域、C末端領域に1つのF-アクチン結合ドメイ
ンを有する。s-アファディンは1つのPDZドメインを有
するが、3番目のプロリンリッチ領域およびF-アクチン
結合ドメインを欠如している。s-アファディンは、ヒト
AF-6遺伝子にコードされる蛋白質質であり、急性白血病
に関与すること(Ciminoら、1991)が知られているALL-
1遺伝子に融合されることが見出されている(Prasadら
1993)。l-アファディンは上皮細胞および非上皮細胞に
おいてカドヘリンベースの細胞間AJに特異的に局在化さ
れる。この出願の発明者らはさらに、l-アファディン
が、ビンクリン結合蛋白質ポンシン(ponsin)と結合す
ることを示し、ポンシン−ビンクリン系を介するl-アフ
ァディンとカドヘリン−カテニン系との相互作用の可能
性を示唆している(Mandaiら 1999)。ポンシンは3つ
のSH3ドメインを有し、ビンクリンは1つのF-アクチン
結合ドメインに加えて、1つのプロリンリッチ領域を有
する(JockuschおよびRudiger 1996)。l-アファディン
の3番目のプロリンリッチ領域は、ポンシンの2番目お
よび3番目のSH3ドメインに結合し、一方、ビンクリン
のプロリンリッチドメインは、ポンシンの1番目および
2番目のSH3ドメインに結合する(Mandaiら 1999)。近
年、AF-6(s-アファディン)が、脳において細胞間接
触の特異化された部位で、Eph受容体チロシンキナーゼ
と相互作用して、クラスター形成することが報告された
(Hockら 1998;Bunchertら 1999)。しかし、l-アファ
ディンの生物学的機能は未だ確立されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】細胞接着の分子機構を
解明することは、例えば、癌腫の浸潤、転移のメカニズ
ムの解明につながる可能性があり、癌腫の悪性度の診断
やその治療法、治療薬等の開発への応用も期待される。
そして、そのなような解明のためには、細胞接着に関与
する分子の全貌を明らかにする必要がある。l-アファデ
ィンについては、前記のとおり、その分子レベルの機能
は解明されているが、このl-アファディンの生物学的機
能を解明するためには個体レベルでの解析が不可欠であ
る。
【0007】この出願の発明は、以上のとおりの事情に
鑑みてなされたものであって、遺伝的にアファディンを
欠損した動物個体と、この動物を作成するための細胞材
料を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この出願は、前記の課題
を解決するための発明として、以下の(1)〜(4)の発明を
提供する。 (1) 蛋白質アファディンをコードするゲノム遺伝子が
その機能欠失型変異遺伝子に置換されている分化全能性
細胞を発生させた非ヒト動物の胚、非ヒト動物個体およ
びその子孫動物であるアファディン欠損動物。 (2) 非ヒト動物が、マウスである前記発明(1)のアファ
ディン欠損動物。 (3) 蛋白質アファディンをコードするゲノム遺伝子が
その機能欠失型変異遺伝子に置換されているES細胞。 (4) マウス由来である前記発明(3)のES細胞。 (5) 前記発明(3)または(4)のES細胞からなる胚様
体。
【0009】以下、上記の各発明について実施の形態を
詳しく説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】この出願によって提供される前記
発明(1)のアファディン欠損動物は、蛋白質l-アファデ
ィンをコードするゲノム遺伝子がその機能欠失型変異遺
伝子に置換されている分化全能性細胞発生させた遺伝子
ノックアウト非ヒト動物またはその初期胚等である。さ
らに詳しくは、この発明(1)のアファディン欠損動物
は、体細胞染色体のl-アファディン遺伝子がその変異配
列に置換されているヘテロ接合体、あるいはホモ接合体
の胚として提供される。
【0011】この発明(1)のアファディン欠損動物は、
公知の標的遺伝子組換え法(ジーンターゲティング法:
Science 244:1288-1292, 1989)により作製することが
できる。この標的遺伝子組換え法では、分化全能性細胞
としてES(embryonic stem)細胞等を使用する。ES細
胞は、マウス(Nature 292:154-156, 1981)、ラット
(Dev. Biol. 163(1):288-292, 1994)、サル(Proc. N
atl. Acad. Sci. U.S.A.92(17):7844-7848, 1995)、ウ
サギ(Mol. Reprod. Dev. 45(4):439-443, 1996)で確
立している。また、ブタについてはEG(embryonic ge
rm)細胞が確立している(Biol. Reprod 57(5):1089-10
95, 1997)。従ってこの発明(1)のアファディン欠損動
物は、これらの動物種を対象に作製することができる
が、特に遺伝子ノックアウト動物の作製に関して技術が
整っているマウスが最適である。作製の具体的手続を、
前記発明(2)のマウスを例にとって説明すれば以下のと
おりである。
【0012】先ず、l-アファディン遺伝子のゲノムDN
A断片を単離し、そのDNA断片を試験管内にて遺伝子
操作し、アファディン遺伝子の開始コドンを含むDNA
断片に対して改変を施すなどの、アファディン遺伝子の
機能を欠失させるような変異DNA断片を作製する。l-
アファディンゲノムDNAの単離は、例えば、公知のラ
ットl-アファディンのcDNA配列(特開平11-89572号
公報)に基づいて合成されたオリゴヌクレオチドプロー
ブを用いてマウスゲノムDNAライブラリーをスクリー
ニングすることにより得られる。また、このラットl-ア
ファディンcDNAの一部または両端に相当する合成オ
リゴヌクレオチドをプライマーとするPCR法によって
も目的とするゲノムDNAを得ることができる。なお、
マウス以外の動物を対象とする場合にも、マウスl-アフ
ァディンcDNA配列に基づいて合成されたオリゴヌク
レオチドをプローブまたはプライマーとする前記の方法
により、各動物のl-アファディン遺伝子を単離すること
ができる。
【0013】上記のとおりの方法によって得られたマウ
スl-アファディン遺伝子のゲノムDNAの一部を改変
し、全能性細胞(ES細胞)のl-アファディン遺伝子に
変異を導入するためのターゲティングベクターを、公知
の方法(例えば、Science 244:1288-1292, 1989)に準
じて作製する。例えば、l-アファディン遺伝子のゲノム
DNAの一部をG418等の細胞毒に対する耐性遺伝子
(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子)に置換することに
より、もしくは細胞毒に対する耐性遺伝子をl-アファデ
ィン遺伝子のゲノムDNAの一部に挿入することで、l-
アファディンのゲノムDNAと相同な配列を両端に有す
る変異遺伝子を保有する組換えプラスミドDNA、すな
わちターゲティングベクターを作製する。なお、細胞毒
に対する耐性遺伝子には、その発現を制御するためのP
GK1プロモーター等の配列およびPGK1ポリアデニ
レーションシグナル等を連結することもできる。また、
細胞毒に対する耐性遺伝子により置換、または挿入され
るl-アファディン遺伝子のゲノムDNA部位は、開始コ
ドンを含んだエクソン領域を含むゲノムDNA領域であ
ることが好ましい。
【0014】上記l-アファディン遺伝子のゲノムDNA
の一部に変異を導入するためのターゲティングベクター
には、l-アファディンのゲノムDNAに相同な配列を有
すること以外には特に制限はなく、他の薬剤耐性遺伝子
や、細胞選択用遺伝子(例えば、ジフテリア毒素A遺伝
子やヘルペスウイルスのサイミジンキナーゼ遺伝子)、
プロモーター、エンハンサー等の配列を適宜に組み合わ
せて使用することができる。
【0015】次に、このターゲティングベクターを、公
知の方法に準じてマウスES細胞に導入する。このよう
な遺伝子導入法としては、公知の電気パルス法、リポソ
ーム法、リン酸カルシウム法等も利用できるが、導入遺
伝子の相同遺伝子組換え効率を勘案した場合、ES細胞
への電気パルス法が好ましい。
【0016】遺伝子導入された各ES細胞のDNAを抽
出し、サザンブロット分析やPCRアッセイ等により、
染色体上に存在する野生型l-アファディン遺伝子と導入
したl-アファディン変異遺伝子断片の間で正しく相同遺
伝子組換えが起こり、染色体上のl-アファディン遺伝子
に変異が移った細胞を選択する。
【0017】こうして得た変異遺伝子を持つES細胞を
野生型マウスのブラストシストに注入し、つづいてこの
キメラ胚を仮親の子宮に移植する。出生した動物を里親
につけて飼育させた後、l-アファディン変異遺伝子が生
殖系細胞に入ったキメラ動物を選別する。選別は毛色の
違い、または体の一部(例えば尾部先端)からDNAを
抽出し、サザンブロット分析やPCRアッセイ等により
行う。l-アファディン変異遺伝子が生殖系細胞に入った
キメラ動物と野生型動物の交配により得られる子孫につ
いて、さらに体の一部(例えば尾部先端)からの抽出D
NAを材料とした、サザンブロット分析やPCRアッセ
イ等を行い、l-アファディン変異遺伝子が導入されたヘ
テロ接合体を同定する。作出されたl-アファディン変異
遺伝子を保有するヘテロ接合体は生殖細胞および体細胞
のすべてに安定的にl-アファディン遺伝子変異を保有し
ており、交配等により、効率よくその変異を子孫動物に
伝達することができる。
【0018】また、ヘテロ接合体同士の交配により、ホ
モ接合体が得られるが、後記の実施例に示したように、
ホモ接合体は発生過程における原腸形成等の異常により
個体へと成長しない。しかし、このようなホモ接合体
は、その胚を対象として、医薬品のスクリーニング等に
使用することができる。
【0019】発明(3)および(4)のES細胞は、蛋白質アフ
ァディンをコードするゲノム遺伝子がその機能欠失型変
異遺伝子に置換されているES細胞(ホモ接合型)であ
る。このようなES細胞は、ターゲティングベクターを
アファディン(+/-)ES細胞に導入することによって作
成することができる。そして、このアファディン(-/
-)ES細胞は発明(4)の胚様体形成に使用することができ
る。この胚様体では2層化された上皮構造の発達および
その後の内層からの中胚葉の誘導がin vitroで再現され
るため、医薬品等のスクリーニングの系として有用であ
る。
【0020】以下、実施例を示してこの発明についてさ
らに詳細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の例
に限定されるものではない。
【0021】
【実施例】1.材料および方法 1.1 マウスのアファディン遺伝子のクローニング マウスの脳cDNAライブラリー(Stratagene、La Jolla、
CA、USA)を、ラットl-アファディンcDNA(Mandaiら 19
97;特開平11-89572号公報)に由来するプローブでスク
リーニングした。32個のポジティブなクローンをpBlues
cript IIベクターにサブクローニングし配列決定した。
マウスl-アファディンcDNAのN末端オープン−リーディ
ングフレームを含有する700bpのcDNAフラグメントを使
用して、129SVJマウスゲノムライブラリー(Stratagen
e)からゲノムクローンを単離した。重複するゲノムク
ローンを得、マウスのl-アファディンcDNA配列について
マップした。 1.2 ターゲティングベクターの構築 アミノ酸(aa)36〜100をコードするl-アファディンの
第2エクソンに対して5'側のSacI-SpeIゲノムフラグメ
ント(4.6kb)を平滑末端化し、MC1プロモーターの制御
下にネオマイシン耐性遺伝子およびジフテリア毒A遺伝
子を含むpBluescript neo/DT-A(ThomasおよびCapecchi
1987;Yagiら 1990)のSmaI部位に挿入した。次いで、
第2エクソンに対して3'側のXbaIゲノムフラグメント
(5.3kb)を、5'ゲノムフラグメントを含有するpBlues
cript neo/DT-AのEcoRV部位に挿入した。約1.0kbのS
phI−XbaIフラグメントをネオマイシン耐性遺伝子カセ
ットによって置換えた(図2参照)。このフラグメント
は、第2エクソン内のSphI部位で開始し、次のイントロ
ンにおいて終結し、アミノ酸85〜100のコード配列を含
んでいる。このターゲティングベクターにおいて、停止
コドンはコードされるアミノ酸84から3'側の36bpに存
在する。サザンブロット解析のために、0.9kbのSacI-Hi
ndIIIフラグメントおよび1.0kbのXbaIフラグメントを、
それぞれ5'および3'プローブとして使用した。 1.3 ES細胞の選択およびアファディン(-/-)マウ
スの作製 129/Sv RW4 ES細胞(Genomesystems Inc.、St. Louis、
MI)を、20% FCS、0.1mM 2-メルカプトエタノール(Si
gma Chemical Co.)、1,000 U/ml白血病阻害因子(LI
F)(Amrad. Co.、Kew.、Victoria、Australia)、0.1m
M 非必須アミノ酸(GIBCO BRL)、3mM アデノシン、3
mM シトシン、3mM グアノシン、3mM ウリジンおよび
1mM チミジン(Sigma Chemical Co.)(Robertson 198
7)を補充した高グルコースDME中、STOフィーダー細胞
上で培養した。ターゲティングベクター(50μg)を、N
otI消化によって直鎖化し(図2参照)、270V、500μF
に設定したElectro Cell Manipulator 600(BTX、San D
iego、CA)を使用して、ES細胞にエレクトロポレーショ
ンした(Koeraら 1997)。ES細胞を、正常な増殖培地
中、G418耐性のSTOフィーダー細胞上に48時間おき、続
いて175μg/ml G418で選択した。G418耐性のSTOフィー
ダー細胞を、文献(Rudnickiら、1992)記載の方法で調
製した。7〜10日後、G418耐性コロニーを回収し、DNA
を単離してサザンブロット解析を行った(Sambrookら 1
989)。HindIIIでゲノムDNA(15μg)を切断し、5'プ
ローブを用いたサザンブロット解析によって、コロニー
をスクリーニングした(図2参照)。HindIII消化され
たゲノムDNAはまた、3'プローブで同様に解析した。12
0個のG418耐性ESクローンのうち、14個のコロニーが相
同組換えされていることがサザンブロット解析によって
確認された。
【0022】アファディン遺伝子が変異配列に置換され
ている3つの異なるES細胞(10〜20個)をC57BL/6マウ
スの胚盤胞に注射し、偽妊娠させたメスのMCHフォスタ
ーマウスにこれらの胚盤胞を移植してキメラマウスを作
製した(Bradley 1987)。次いで、キメラマウスをBDF1
マウスと交配し、野ネズミ色を有する子孫マウスについ
て、サザンブロット解析によって、相同組換えされたア
ファディン対立遺伝子の存在を試験した。ヘテロ接合型
マウスを交配し、その子孫マウスの遺伝子型を決定し
た。 1.4 DNA単離および遺伝子型決定 ES細胞からのゲノムDNAを、文献(Robertson 1987)の
記載に従って調製し、サザンブロット解析した。また、
サザンブロット解析および/またはPCRによってマウス
の遺伝子型を決定した。PCR反応においては2セットの
プライマーを使用した。一方のセットのプライマーは、
ネオマイシン耐性遺伝子に対応した配列番号1および配
列番号2のオリゴヌクレオチドであり、他方のセットは
アファディン遺伝子の第2エクソンに対応した配列番号
3および4のオリゴヌクレオチドである(図2参照)。
鋳型DNAは尾部または卵黄嚢DNAを使用した(Hanley and
Merlie 1991)。 1.5 アファディン(-/-)ES細胞の作製 アファディン(+/-)ES細胞の作製のためのターゲティ
ングベクターは、G418耐性遺伝子をプロマイシン耐性遺
伝子に置換して構築した(Tuckerら 1997)(図5参
照)。得られたターゲティングベクターを、NotI消化に
よって直鎖化し、前記と同様にしてアファディン(+/
-)ES細胞にエレクトロポレートした。次いで、ES細胞
を1.0μg/mlプロマイシン(Sigma Chemical Co.)を用
いて選別し、前記と同様にサザンブロット解析した。12
0個のプロマイシン耐性ES細胞のうち、9個のクローン
が相同組換えを受けていることがサザンブロット解析に
よって確認された。 1.6 胚様体形成 ES細胞(6×106)を、上記の増殖培地中を用い、ゼラ
チンでコートした10cmディッシュ上で、フィーダー細胞
を伴わずに3日間培養した。EB形成は、LIFの不在下で1
0% FCSを補充した20μlのDME中に、1,000細胞を滴下す
ることによって開始した(Rudnicki and McBurney 198
7; Robertson 1987)。2日後、形成されたEBを、10cm
の微生物学的ディッシュに移し、10% FCSを補充したDM
E中で、懸濁培養で増殖させた。 1.6 抗体 ウサギポリクローナルおよびマウスモノクローナル抗l-
アファディン抗体を、文献(Mandaiら1997;Sakisakaら
1999)に従って調製した。l-アファディンおよびs-ア
ファディンの両方を認識するマウスモノクローナル抗体
は、Transduction Laboratoryから購入した。マウスモ
ノクローナル抗ZO-1抗体および抗オクルジン抗体は、S
h. Tsukita博士、M. Itoh博士、およびM. Furuse博士
(KyotoUniversity、Kyoto、Japan)から提供された。
マウスおよびラット(ECCD2)モノクローナル抗E-カド
ヘリン抗体は、それぞれ、Transduction Laboratories
およびTakara Shuzoから購入した。マウスモノクローナ
ル抗ビンクリンおよび抗βカテニン抗体は、それぞれ、
Sigma Chemical Co.およびZymed Laboratories Co.から
購入した。ラットモノクローナル抗PDGFRα体は、文献
(Takakuraら、1996)の記載に従って調製した。HRP結
合抗ウサギ抗体は、Amersham Pharmacia Biotechから購
入した。 1.7 whole-mount免疫組識化学および組識学的解析 whole-mount免疫組識染色は、文献(Takakuraら 1997)
記載の方法を発刊変更して行った。すなわち、脱落膜か
ら切開された胚を、0.1Mリン酸緩衝液で洗浄し、サンプ
ルの大きさによって2時間〜一晩、4℃にて、PBS中の
2%パラホルムアルデヒドで固定した。次いで、固定さ
れたサンプルを溶液(メタノール:30%H2O2=4:1)
中で脱色した。染色のために、再水和されたサンプル
を、先ず、PBSMT(PBS中の1%スキムミルクおよび0.2
% Triton X-100)中でブロックし、PBSMT中、4℃で一
晩、抗l-アファディンポリクローナル抗体とともにイン
キュベートし、PBSMTで洗浄した。次いで、サンプル
を、4℃で一晩、HRP結合抗体とともにインキュベート
した。洗浄後、サンプルを金属増強DAB基質キット(Pie
rce、Rockford、IL)の溶液中に浸した。酵素学的反応
を、所望の色強度が達成されるまで進行させ、サンプル
をPBSTで洗浄した。そして、文献(Kaufman 1995)の記
載に従い、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。
すなわち、脱落膜から切開した胚およびEBを、4℃で一
晩、PBS中の2%パラホルムアルデヒドで固定し、4℃
で一晩、PBSで洗浄し、特級アルコールで再水和し、パ
ラフィン中に包埋し、3μmに切片化し、ヘマトキシリ
ンおよびエオシンで染色した。 1.8 免疫蛍光顕微鏡 脱落膜から切開した胚を、PBS中の2%パラホルムアル
デヒドで1時間固定した後、PBSで洗浄した。次いで、
胚を、20%スクロース中で4時間懸濁し、溶液を交換し
[20% スクロース:OCT化合物(Sakura Finetechnical
Co.、Ltd、Tokyo、Japan)=1:1]、OCT化合物中で
凍結し、クリオスタットにおいて10μmの厚さで切片化
した。切片をガラススライド上にマウントし、風乾し、
PSS(0.1Mリン酸緩衝液中の5%スキムミルクおよび0.0
05%サポニン、pH7.5)中にブロックした。次いで、サ
ンプルを4℃で一晩、PSS中で一次抗体とともにインキ
ュベートした。これらをPSSで洗浄し、次いで4℃で2
時間、PSS中で二次抗体とともにインキュベートした。P
SSで洗浄した後、サンプルを包埋し、共焦点画像化シス
テム(BioRad MRC-1024)で調べた。EBをまた同様に固
定し、OCT化合物中に凍結し、切片化した。あるいは、E
Bを液体窒素中で直接的に凍結し、クリオスタットにお
いて切片化した。切片をガラススライド上にマウント
し、風乾し、4℃で30分間、95%エタノールで固定し、
室温で1分間、100%アセトンで固定した。これらを、
上記と同様に処理した。 1.9 他の方法 タンパク質濃度は、参照タンパク質としてBSAを用いて
測定した(Bradford 1976)。SDS-PADEは、文献(Laemm
li 1970)の記載に従って行った。 2. 結果 2.1 初期胚発生期l-アファディンの発現および局在
化 6.5胚日齢(E6.5)で胚は、胚領域および胚体外領域、
ならびに原始羊膜腔を含む卵筒胚に発達した。胚外胚葉
は、内臓内胚葉によって囲まれる高円柱上皮細胞から構
成された。卵黄嚢および栄養膜円錐は、この段階で明ら
かに観察された。E6.5の免疫蛍光顕微鏡観察では、l-ア
ファディンは胚外胚葉細胞において、接着複合体領域と
呼ばれる細胞間接着部位の最も先端領域で局在化され、
一方、F-アクチンのシグナルは全細胞表面で観察された
ことを示した(図1、AaおよびAb)。l-アファディンは
内臓内胚葉のような胚体外領域においてほとんど検出さ
れなかった。E7.5で胚は、原始線条および中胚葉を形成
した。原腸形成が原始線条への胚外胚葉細胞の補充によ
って開始し、続いて原始線条からの細胞の剥脱が生じ
た。whole-mount免疫組識化学解析によって、原始線条
(原始線条の先端表面に対応する鮮明なl-アファディン
陽性ラインに注意のこと)、および遊走性の沿軸中胚葉
におけるl-アファディンの顕著な発現が観察されたが、
外胚葉の他の領域においては発現量は低いことが観察さ
れた(図1 Ba)。E8.5までに、正常な胚は原腸形成を
完了し、器官形成を開始した。原始線条は消失し、新し
く構築される組織が発達した。l-アファディンの高発現
が、尾芽、体節、体節をまだ形成しない沿軸中胚葉、神
経管、および胸膜および心膜を生じる胚内体腔/心膜腹
膜管において検出された(図1 Bb)。またl-アファデ
ィンは、神経管、体節、および心膜腹膜管の接合複合体
領域で非常に濃縮された(図1、Ca〜Cc)。これらの結
果は、l-アファディンがダイナミックな細胞再配置を介
して、上皮から新しい組織構造が発達する領域において
誘導的に発現されることを強力に示唆する。 2.1 アファディン遺伝子のターゲティング これらの上皮構造におけるl-アファディンの機能を決定
するために、マウスアファディン遺伝子を、相同組換え
によってノックアウト。マウスアファディン遺伝子の第
2エクソンを欠失するように設計したターゲティングベ
クター(図2A)を直鎖化し、ES細胞に導入し、G418に
よって選別した。相同組換えをスクリーニングするため
に、G418耐性クローンからのゲノムDNAを5'プローブを
用いてサザンブロット解析した。野生型アファディン対
立遺伝子は、HindIII消化したDNAのサザンブロッティン
グにおいて13.9kbのバンドを示し、一方、ノックアウト
された遺伝子座は、5.0kbのバンドを示した(図2B)。
また、補正されたターゲティングを3'プローブを用い
たサザンブロッティングによって確認した。野生型アフ
ァディン対立遺伝子は13.9kbのバンドを示し、一方、ノ
ックアウトされた遺伝子座は7.8kbバンドを示した。標
的化対立遺伝子(アファディン変位遺伝子)を有する3
つの異なるESクローン(A46、A59、およびA97)を別々
に宿主胚盤胞に注入し、これらの胚盤胞を偽妊娠の雌性
マウスの子宮に移した結果、標的化対立遺伝子の生殖系
列伝達を全てのESクローンで達成した。標的化対立遺伝
子の遺伝を、尾部バイオプシーから単離されたゲノムDN
Aのサザンブロット解析によって決定した(図2C)。ヘ
テロ接合型[アファディン(+/-)]マウスは、野生型の
同腹子と比較して正常と思えた。アファディン(+/-)
マウスを交配し、子孫の遺伝子型をサザンブロットまた
はPCR解析によって決定した(図2C、表1)。ホモ接合
型[アファディン(-/-)]マウスは、解析した82個体の
子孫間で検出されなかった。これらの結果は、アファデ
ィンの欠損が胚致死を引き起こすことを示している。 2.3 アファディン(-/-)マウスの初期胚発生期に
おける発生欠損 胚を原腸形成の種々の段階で単離し、それらの遺伝子型
を決定した(表1)。各遺伝子型の分布を、メンデルの
法則に従ってE7.5〜E9.5期で試験した。ホモ接合体はE1
0.5からは検出されなかった。E6.5での大まかな系統学
的解析からは、野生型およびヘテロ接合体同腹子とホモ
接合体胚とを区別することはできなかった(データ示さ
ず)。このことは、着床および卵筒胚形成がアファディ
ンの不在下でも正常に生じることを示している。E6.5で
の胚とは対照的に、E7.5〜E9.5の胚において、野生型お
よびヘテロ接合体同腹子とホモ接合体胚を区別すること
は容易であった。野生型胚と比較して、ホモ接合体胚の
構成は明らかに歪められ、そして大きさが減少していた
(図3、Aa、Ba、およびC)。しかし、注意するべきこ
とに、栄養膜円錐、卵黄嚢および羊膜を含むそれらの胚
体外領域は正常に発達していることから、異常が胚に特
異的に制限されることが示された。前側/後側の区別が
全体の外見によって容易になされ、いくつかの脈管系お
よび血液が検出可能であったが、ホモ接合体の胚は、つ
ねに平板で、短く、この段階での指標となる組織(例え
ば、心臓および体節)は発達しなかった。アファディン
(-/-)胚に特有のこの胚特異的な異常は、l-アファデ
ィンの発現パターンと一致し、原腸形成の間のその役割
を示唆するものである。
【0023】
【表1】
【0024】2.4 アファディン(-/-)胚における
異常な原腸形成 l-アファディンは、原始線条において高度に発現され、
原腸形成の欠損がアファディン(-/-)胚において見出
されたので、アファディンの機能を正確に検証するため
に、原始線条からの中胚葉生成のプロセスに焦点を合わ
せた。初期の胚におけるこのような重篤な発生不全に起
因して、後期のプロセスを調査することは非常に困難で
あった。
【0025】E7.5の野生型胚において、原始線条からの
中胚葉細胞の離層は厳密に極性化されており、それによ
って胚外胚葉と内臓内胚葉との間の空隙に中胚葉を補充
する(図3 Ab)。重要なことは、原始線条の上皮構造
の完全性が離層を誘導する刺激下であってさえ、維持さ
れることである。この空隙内での中胚葉細胞の生成また
は、アファディン(-/-)胚において生じ、このこと
は、中胚葉の誘導自身は正常に生じることを示す(図3
Ac)。しかし、アファディン(-/-)胚においては、後
側領域の胚外胚葉は多層化し始め、外胚葉と内胚葉との
間の空隙は、しばしば浮腫状であり、それによって、原
始線条からおそらく作製された細胞で充填された羊水腔
を圧迫する。外胚葉由来の組織における重篤な欠損と対
照的に、内臓内胚葉において単層の上皮構造が完全に残
存した。E8.5の野生型胚において、上皮構造を有する組
織(例えば、神経溝、胚内体腔、および体節)が明らか
に明白であった(図3 Bb)。アファディン(-/-)胚に
おいては、中胚葉細胞の生成を示す組識学的知見と一致
して、体節様ブロックおよびいくつかの脈管構造が検出
されたが、体節の上皮細胞の確立はなかった(図3 B
c)。神経管の形成も、心臓の形成も観察されなかっ
た。
【0026】原腸形成のプロセスをさらに分析するため
に、次に、それぞれ、胚外胚葉細胞および沿軸中胚葉細
胞において発現されるE-カドヘリンおよびPDGF受容体α
(PDGFRα)の発現(Takeichi 1988;1991;Takakuraら
1997)を調べた。初期の原腸形成胚において、全ての
胚外胚葉(原始線条を含む)がE-カドヘリンを発現す
る。原腸線条からの剥脱の完了後、E-カドヘリンはダウ
ンレギュレートされ、PDGFRαは沿軸領域の中胚葉細胞
において発現した(図4、AaおよびAb)。この段階で体
壁内胚葉および内臓内胚葉はまた、PDFRαを発現する
(Takakuraら 1997)。アファディン(-/-)胚において
は、PDGFRα陽性細胞およびE-カドヘリン陰性細胞が、E
-カドヘリン陽性外胚葉層の下方で検出された(図4、B
a〜Bc)。PDGFRα発現が陰性である一片の上皮層は、外
胚葉層に相当した。最も顕著なことは、E-カドヘリンお
よびPDGFRαの両方を発現した大きな細胞の蓄積であっ
た(図4、BbおよびBc)。この細胞塊はまた、胚発生を
通じて胚外胚葉によって発現されないPDGFRα(Takakur
aら、1997)を発現したので、この細胞塊は中胚葉細胞
に相当すると思われる。これらの観察は、アファディン
(-/-)マウスの発生不全の主要な組識学的な根拠が、
極性化されない様式における中胚葉の生成であることを
示唆する。
【0027】細胞極性を維持する装置が原始線条に分布
されるか否かを調査するために、E-カドヘリンおよびZO
-1の局在化を試験した。E-カドヘリンおよびZO-1は、外
側膜において濃縮された内臓内胚葉と比較して、PDGFR
α陽性細胞の全表面にわたって分布していた(図4、Bc
およびBd)。原始線条からの中胚葉誘導の問題に限って
言えば、これらの結果は、アファディンが上皮−間充織
移行を誘導するシグナル下で、胚外胚葉の完全性の維
持、おそらくそれらの極性に関与することを示唆する。 2.5 in vitroモデル系における外胚葉特異的なアフ
ァディンの機能の実証 アファディン(-/-)胚の結果は以下のことを示す: (1)アファディンは卵筒胚形成よりも初期のプロセス
に必要不可欠である;(2)アファディンは卵筒胚にお
ける前側/後側体制配置に必要とされない;(3)アフ
ァディンは胚外胚葉、特に原始線条において特異的に発
現され、そして原腸形成の間の中胚葉細胞の極性化生成
において必要不可欠は役割を果たす。
【0028】この欠損が、より単純なモデル系において
再現され得るか否かを決定するために、2層化された上
皮構造の発達およびその後の内層からの中胚葉の誘導が
in vitroで再現されることが示されているES細胞の胚様
体(EB)形成(Doetschmanら1985;RundnickiおよびMcB
urney 1987;Robertson 1987)を利用した。この目的の
ために、先ず、プロマイシン体制遺伝子を保有する別の
ターゲティングベクターを導入することによって、アフ
ァディン(-/-)ES細胞株を確立した(図5A)。このタ
ーゲティングベクターを、アファディン(+/-)ES細胞
(クローンA46)に導入し、プロマイシンを用いて選別
した。サザンブロット解析は、プロマイシンに耐性な3
つのクローン(B3、B8およびB103)が遺伝子変換を受
け、両方の対立遺伝子が破壊されていることを示した
(図5 B)。さらに、ES細胞およびEBにおけるアファデ
ィン発現の欠損をウエスタンブロット解析によって確認
した(図5C)。ウエスタンブロット解析はまた、l-ア
ファディンがES細胞およびEBにおいて主に発現されたこ
と、ならびにS-アファディンはほとんど検出されなかっ
たことを示した。これらの3つの独立したクローンは、
未分化の形態学を伴って、野生型ES細胞と同じ増殖速度
を示した(データ示さず)。これらのクローンが、試験
した限り同じ表現型を示したので、クローンB3から得ら
れたデータを以下に示した。
【0029】野生型ES細胞を懸濁培養した場合、細胞は
凝集してEBを形成し、そのうちのいくつかは、最終的に
外部内胚葉層および内部高円柱外胚葉層からなる2層化
された嚢胞構造に発達したが、大きな卵黄嚢様嚢胞を伴
う複雑な構造を有するEBがしばしば観察された(図6、
AaおよびBa)。EB形成の初期の間、アファディン(-/
-)ES細胞は有意な差異を何も示さなかった。さらに、
より大きな卵黄嚢様嚢胞を伴うEBがしばしば形成され、
このことは内胚葉成分が正常に機能することを示唆する
(図6 Ab)。他方、羊水腔様嚢胞を伴うEBにおいて、
多くの壊死細胞が腔内に観察されたが、外側の層は完全
なままであった(図6 Bb)。外胚葉層と内胚葉層との
間の空隙における中胚葉細胞の生成が観察されたが、十
分に構築された外胚葉細胞は発達しなかった。これらの
結果は、アファディン(-/-)胚の外胚葉特異的欠損
が、in vitroEBモデルにおいて再現され得ることを示
す。さらに、EB腔中の細胞成分の存在は、外胚葉層の極
性における欠損を反映し得る。
【0030】アファディンの欠損が、細胞間結合の他の
成分の発現に影響するか否かを調査するために、EB形成
の間の野生型およびアファディン(-/-)細胞におけるE
-カドヘリン、β-カテニン、ビンクリン、ZO-1およびオ
クルディンの発現レベルを比較した。その結果、これら
の分子の発現レベルにおける有意な差異は全く検出され
なかった(データ示さず)。 2.6 アファディン(-/-)EBの欠損についての細胞
学的根拠 羊水腔様嚢胞を伴うEBを選択し、細胞間結合の種々の成
分に対する抗体を使用して免疫蛍光顕微鏡観察した。胚
における結果と一致して、野生型EBの外胚葉層における
細胞はl-アファディンを発現したが、外側の内胚葉層に
おける細胞はl-アファディンを発現しなかった(図6 D
a)。しかし、前側領域よりも後側領域においてl-アフ
ァディンの高い発現が検出された胚とは異なり、l-アフ
ァディンは外胚葉層の先端表面にわたっていたるところ
で発現した。l-アファディンは、F-アクチンが濃縮され
ている接合複合体領域で濃縮され、全細胞表面に沿うF-
アクチンの分散分布が観察された(図6、CaおよびD
a)。アファディン(-/-)EBにおいては、アファディン
シグナルは何も観察されないことから(図6 Db)、遺
伝子の機能が完全に破壊されることが確認された。外側
の内胚葉層において異常は見出されなかったが、構築さ
れた接合複合体の形成がアファディン(-/-)EBにおい
て重篤に阻害された(図6、Cb〜Fb)。F-アクチンは外
胚葉層における任意の濃縮を伴わずに、全細胞表面に沿
う分散分布を示した(図6 Cb)。野生型EBの内胚葉層
の側面膜でのE-カドヘリンの濃度と比較して(図6 E
a)、これは外胚葉細胞表面にわたって分散して分布し
ていた(図6 Eb)。同様に、野生型EBにおけるZO-1の
局在化と比較して(図6 Fa)、これは細胞塊における
点在的なシグナルとして示された(図6 Fb)。これら
の結果は、アファディンが、EBの外胚葉層の少なくとも
細胞間AJおよび接着結合を含む構築された細胞間結合の
維持に必要不可欠であることを示す。
【0031】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、アファディン遺伝子が機能的にノックア
ウトされた動物個体、その胚、およびES細胞が提供さ
れる。癌腫の浸潤、転移のメカニズムの解明、癌腫の悪
性度の診断やその治療法、治療薬等の開発に有用であ
る。
【0032】
【配列表】 <110> Japan Science and Technology Corporation <120> アファディン欠損動物 <130> NP99142-YS <160> 4 <210> 1 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <233> Synthesized Oligonucleotide <400> 1 GGGCGCCCGG TTCTTTTTGT C 21 <210> 2 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <233> Synthesized Oligonucleotide <400> 2 GCCATGATGG ATACTTTCTC G 21 <210> 3 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <233> Synthesized Oligonucleotide <400> 3 TTCTAGGATT TGGAGTTTCA T 21 <210> 4 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <233> Synthesized Oligonucleotide <400> 4 GGTCAGGACA CAGTCTTCAC T 21
【0033】
【参考文献】Albelda, S.M., and C.A. Buck. 1990. In
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【図面の簡単な説明】
【図1】初期胚発生の間のl-アファディンの発現および
局在化。サンプルを、ポリクローナル抗l-アファディン
抗体およびローダミン-ファロイジンを用いる免疫蛍光
染色に供するか、またはポリクローナル抗l-アファディ
ン抗体を用いるwhole-mount免疫組識染色に供した。
(A)E6.5胚の免疫蛍光顕微鏡(断面図)。(Aa)F-ア
クチン;および(Ab)l-アファディン。矢印、胚外胚葉
の接合複合体領域。(B)E7.5およびE8.5胚のwhole-m
ount免疫組識化学。(Ba)E7.5胚での側面図および(B
b)E8.5胚での腹側図。(C)E8.5胚の免疫蛍光顕微鏡
(断面図)。(Ca)F-アクチン;および(Cb、Cc)F-
アファディン。(Cb)Caにおいて示される四角bの拡大
図;および(Cc)Caにおいて示される四角cの拡大図。
ps、原始線条;nt、神経管;pm、沿軸中胚葉;tb、尾
芽;ppc、心膜腹膜管;s、体節;ic、胚内体腔。Bar:
(Aa、Ab、Cb、Cc)30μm;(Ba)150μm;(Bb)300μ
m;および(Ca)100μm。
【図2】アファディン遺伝子の標的化破壊。(A)アフ
ァディン遺伝子の野生型対立遺伝子、ターゲティングベ
クター、および標的化対立遺伝子の制限地図。黒四角、
エクソン。B、HindIII;Sp、SphI;P1、PCRプライマー
(配列番号3);およびP2、PCRプライマー(配列番号
4)。(B)ESクローンのサザンブロット解析。ES細胞
由来のHindIII消化DNAを5'および3'プローブでハイブ
リダイズした。(C)マウスのサザンブロット解析。ア
ファディン(+/-)マウスを交配した。子孫の尾部由来
のHindIII消化DNAを3'プローブでハイブリダイズし
た。(+/+)、野生型;(+/-)、ヘテロ接合体変異体。
【図3】初期胚発生の間のアファディン(-/-)胚にお
ける発生欠損。種々の段階の胚をヘマトキシリンおよび
エオシンで染色した。(A)E7.5での胚。(Aa)全体の
外見。左側、野生型;および右側、アファディン(-/
-)。(Ab)野生型胚の組識学的解析(断面図);およ
び(Ac)アファディン(-/-)胚の組識学的解析(断面
図)。(B)E8.5での胚。(Ba)全体の外見。左側、野
生型;および右側、アファディン(-/-)。(Bb)野生
型胚の組識学的解析(断面図);および(Bc)アファデ
ィン(-/-)胚の組識学的解析(断面図)。(C)E9.5で
の胚の全体の外見。左側、野生型;および右側、アファ
ディン(-/-)。hf、頭摺;ps、原始線条;ms、中胚
葉;ee、胚外胚葉;ve、内臓内胚葉;cm、細胞塊;ec、
栄養膜円錐;s、体節;ng、神経溝;ic、胚内体腔;お
よびht、原始心臓。Bar:(Aa〜Ac、Bb、Bc)150μm;
(Ba)300μm;および(C)350μm。
【図4】E7.5でのアファディン(-/-)胚における異常
な原腸形成。(A)野生型胚。サンプルを、抗-PDGFRα
抗体で染色した。(Aa)PDGFRα;および(Ab)Aaにお
いて示される四角bの拡大を伴うPDGFRα;(B)アファ
ディン(-/-)胚。サンプルを、抗PDGFRαおよび抗ZO-1
抗体で二重染色するか、または抗E-カドヘリン抗体で単
一染色した。(Ba)PDGFRα;(Bb)Baにおいて示され
る四角b〜dの拡大を伴うPDGFRα;(Bc)E-カドヘリ
ン;および(Bd)ZO-1.Ve、内臓内胚葉;ee、胚外胚
葉;およびcm、細胞塊。矢印、胚外胚葉と内臓内胚葉と
の間の空隙。Bar:(Aa)200μm;(Ab、Bb〜Bd)30μ
m;および(Ba)100μm。
【図5】アファディン(-/-)ES細胞の作製。(A)アフ
ァディン遺伝子のアファディン(+/-)対立遺伝子、第
2のターゲティングベクター、およびアファディン(-/
-)対立遺伝子の制限マップ。黒四角、エクソン。B、Hi
ndIII;Sp、SphI。(B)サザンブロット解析。ES細胞由
来のHindIII消化DNAを5'または3'プローブでハイブリ
ダイズした。(C)ウエスタンブロット解析。ES細胞の
溶解物、単純性EB、または嚢胞性EB(各20μgのタンパ
ク質)をSDS-PAGE(8%ポリアクリルアミドゲル)、続
いて、モノクローナル抗l-アファディン抗体またはl-ア
ファディンおよびs-アファディンの両方を認識するモノ
クローナル抗体を使用するウエスタンブロット解析に供
した。sEB、単純EB;およびcEB、嚢胞性EB。黒矢頭、l-
アファディン;および白矢頭、s-アファディン。
【図6】アファディン(-/-)ES細胞由来の異常な嚢胞
性EB。嚢胞性EBを、組識学的解析および免疫蛍光顕微鏡
に供した。免疫蛍光顕微鏡観察について、嚢胞性EBをポ
リクローナル抗l-アファディンおよびローダミン−ファ
ロイジンで、または抗E-カドヘリンおよび抗ZO-1抗体
で、二重染色した。(a)野生型ES細胞由来の嚢胞性E
B;(b)アファディン(−/−)ES細胞由来の嚢胞性E
B;(A)顕微鏡による外見;(B)ヘマトキシリンおよ
びエオシンでの染色;(C)F-アクチン;(D)l-アファ
ディン;(E)E-カドヘリン:および(F)ZO-1。en、内
胚葉層;cy、嚢胞腔;ec、外胚葉層;rm、ライヘルト
膜;およびcm、細胞塊。矢頭、接合複合体領域。Bar:
(A)150μm;(B)100μm;(C〜F)30μm。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月30日(2000.11.
30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】細胞接着は、組織形態形成において必要
不可欠な役割を果たしている(Edelman 1986;Takeichi
1988;1991、1993;Albelda and Buck 1990;Edelman
and Crossion 1991;Buck 1992;Gumbiner 1996)。広
範囲の細胞配置が、組織形態形成の間継続し、胚、また
は成体生物体中の発生を受ける組織において生じる。胚
における種々の段階での細胞接着依存性の形態形成プロ
セスは、強固に接着された細胞間結合を伴う極性化され
た上皮構造の形成によって特徴付けられる。着床前の発
生の間、緩く接着された割球は、それらの細胞間接着を
最大化し、そして極性化された上皮を有する胚盤胞を形
成する。このプロセスは、胚細胞細密化として知られ、
そして栄養外胚葉および内部細胞塊の生成のために必須
である。内部細胞塊は、2つの上皮層の内臓内胚葉およ
び胚外胚葉に構築され始める。原腸形成の間、胚外胚葉
細胞は、上皮−間充織移行を受け、そして胚中胚葉およ
び内胚葉を形成する。原始線条に沿って形成するこれら
の間充織細胞は、細胞間接着を喪失し、そして胚外胚葉
の下の空隙に移動する。これらのいくつかは、その後、
内胚葉(脊索および体節を含む)の上皮構造に再構築さ
れる。従って、上皮構造の再構築は、体制配置および細
胞特異化の調和される進行に必要不可欠である。しか
し、この再構築の調節機構は未だ理解されていない。こ
の細胞接着依存性の形態形成を理解するために、発生す
る胚における細胞接着の分子原理および上皮構造の組織
構築を理解することが極めて重要である。細胞接着系の
基本的構成には共通性が存在するが、十分に確立され、
ダイナミックに再配置された上皮間にはいくつかの差異
が存在する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】この出願の発明者らは、近年、カドヘリン
ベースの細胞間AJの成分を単離し、新規なF-アクチン結
合蛋白質l-アファディン(Mandaiら 1997)を特定し、
特許出願している(特開平11-89572号公報)。このl-ア
ファディンは、s-アファディンというスプライシングバ
リアントを有しており、l-アファディンは、全身性に発
現するのに対し、s-アファディンは神経組織において豊
富に発現している。l-アファディンは、中央領域で1つ
のPDZドメイン、PDZドメインの後ろに3つのプロリンリ
ッチ領域、C末端領域に1つのF-アクチン結合ドメイン
を有する。s-アファディンは1つのPDZドメインを有す
るが、3番目のプロリンリッチ領域およびF-アクチン結
合ドメインを欠如している。s-アファディンは、ヒトAF
-6遺伝子にコードされる蛋白質であり、急性白血病に関
与すること(Ciminoら、1991)が知られているALL-1遺
伝子に融合されることが見出されている(Prasadら 199
3)。l-アファディンは上皮細胞および非上皮細胞にお
いてカドヘリンベースの細胞間AJに特異的に局在化され
る。この出願の発明者らはさらに、l-アファディンが、
ビンクリン結合蛋白質ポンシン(ponsin)と結合するこ
とを示し、ポンシン−ビンクリン系を介するl-アファデ
ィンとカドヘリン−カテニン系との相互作用の可能性を
示唆している(Mandaiら 1999)。ポンシンは3つのSH3
ドメインを有し、ビンクリンは1つのF-アクチン結合ド
メインに加えて、1つのプロリンリッチ領域を有する
(JockuschおよびRudiger 1996)。l-アファディンの3
番目のプロリンリッチ領域は、ポンシンの2番目および
3番目のSH3ドメインに結合し、一方、ビンクリンのプ
ロリンリッチドメインは、ポンシンの1番目および2番
目のSH3ドメインに結合する(Mandaiら 1999)。近年、
AF-6(s-アファディン)が、脳において細胞間接触の
特異化された部位で、Eph受容体チロシンキナーゼと相
互作用して、クラスター形成することが報告された(Ho
ckら 1998;Bunchertら 1999)。しかし、l-アファディ
ンの生物学的機能は未だ確立されていない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【発明の実施の形態】この出願によって提供される前記
発明(1)のアファディン欠損動物は、蛋白質l-アファデ
ィンをコードするゲノム遺伝子がその機能欠失型変異遺
伝子に置換されている分化全能性細胞発生させた遺伝
子ノックアウト非ヒト動物またはその初期胚等である。
さらに詳しくは、この発明(1)のアファディン欠損動物
は、体細胞染色体のl-アファディン遺伝子がその変異配
列に置換されているヘテロ接合体、あるいはホモ接合体
の胚として提供される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【実施例】1.材料および方法 1.1 マウスのアファディン遺伝子のクローニング マウスの脳cDNAライブラリー(Stratagene、La Jolla、
CA、USA)を、ラットl-アファディンcDNA(Mandaiら 19
97;特開平11-89572号公報)に由来するプローブでスク
リーニングした。32個のポジティブなクローンをpBlues
cript IIベクターにサブクローニングし配列決定した。
マウスl-アファディンcDNAのN末端オープン−リーディ
ングフレームを含有する700bpのcDNAフラグメントを使
用して、129SVJマウスゲノムライブラリー(Stratagen
e)からゲノムクローンを単離した。重複するゲノムク
ローンを得、マウスのl-アファディンcDNA配列について
マップした。 1.2 ターゲティングベクターの構築 アミノ酸(aa)36〜100をコードするl-アファディンの
第2エクソンに対して5'側のSacI-SphIゲノムフラグメ
ント(4.6kb)を平滑末端化し、MC1プロモーターの制御
下にネオマイシン耐性遺伝子およびジフテリア毒A遺伝
子を含むpBluescript neo/DT-A(ThomasおよびCapecchi
1987;Yagiら 1990)のSmaI部位に挿入した。次いで、
第2エクソンに対して3'側のXbaIゲノムフラグメント
(5.3kb)を、5'ゲノムフラグメントを含有するpBlues
cript neo/DT-AのEcoRV部位に挿入した。約1.0kbのS
phI−XbaIフラグメントをネオマイシン耐性遺伝子カセ
ットによって置換えた(図2参照)。このフラグメント
は、第2エクソン内のSphI部位で開始し、次のイントロ
ンにおいて終結し、アミノ酸85〜100のコード配列を含
んでいる。このターゲティングベクターにおいて、停止
コドンはコードされるアミノ酸84から3'側の36bpに存
在する。サザンブロット解析のために、0.9kbのSacI-Hi
ndIIIフラグメントおよび1.0kbのXbaIフラグメントを、
それぞれ5'および3'プローブとして使用した。 1.3 ES細胞の選択およびアファディン(-/-)マウ
スの作製 129/Sv RW4 ES細胞(Genomesystems Inc.、St. Louis、
MI)を、20% FCS、0.1mM 2-メルカプトエタノール(Si
gma Chemical Co.)、1,000 U/ml白血病阻害因子(LI
F)(Amrad. Co.、Kew.、Victoria、Australia)、0.1m
M 非必須アミノ酸(GIBCO BRL)、3mM アデノシン、3
mM シトシン、3mM グアノシン、3mM ウリジンおよび
1mM チミジン(Sigma Chemical Co.)(Robertson 198
7)を補充した高グルコースDME中、STOフィーダー細胞
上で培養した。ターゲティングベクター(50μg)を、N
otI消化によって直鎖化し(図2参照)、270V、500μF
に設定したElectro Cell Manipulator 600(BTX、San D
iego、CA)を使用して、ES細胞にエレクトロポレーショ
ンした(Koeraら 1997)。ES細胞を、正常な増殖培地
中、G418耐性のSTOフィーダー細胞上に48時間おき、続
いて175μg/ml G418で選択した。G418耐性のSTOフィー
ダー細胞を、文献(Rudnickiら、1992)記載の方法で調
製した。7〜10日後、G418耐性コロニーを回収し、DNA
を単離してサザンブロット解析を行った(Sambrookら 1
989)。HindIIIでゲノムDNA(15μg)を切断し、5'プ
ローブを用いたサザンブロット解析によって、コロニー
をスクリーニングした(図2参照)。HindIII消化され
たゲノムDNAはまた、3'プローブで同様に解析した。12
0個のG418耐性ESクローンのうち、14個のコロニーが相
同組換えされていることがサザンブロット解析によって
確認された。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】アファディン遺伝子が変異配列に置換され
ている3つの異なるES細胞(10〜20個)をC57BL/6マウ
スの胚盤胞に注射し、偽妊娠させたメスのMCHフォスタ
ーマウスにこれらの胚盤胞を移植してキメラマウスを作
製した(Bradley 1987)。次いで、キメラマウスをBDF1
マウスと交配し、野ネズミ色を有する子孫マウスについ
て、サザンブロット解析によって、相同組換えされたア
ファディン対立遺伝子の存在を試験した。ヘテロ接合型
マウスを交配し、その子孫マウスの遺伝子型を決定し
た。 1.4 DNA単離および遺伝子型決定 ES細胞からのゲノムDNAを、文献(Robertson 1987)の
記載に従って調製し、サザンブロット解析した。また、
サザンブロット解析および/またはPCRによってマウス
の遺伝子型を決定した。PCR反応においては2セットの
プライマーを使用した。一方のセットのプライマーは、
ネオマイシン耐性遺伝子に対応した配列番号1および配
列番号2のオリゴヌクレオチドであり、他方のセットは
アファディン遺伝子の第2エクソンに対応した配列番号
3および4のオリゴヌクレオチドである(図2参照)。
鋳型DNAは尾部または卵黄嚢DNAを使用した(Hanley and
Merlie 1991)。 1.5 アファディン(-/-)ES細胞の作製 アファディン(+/-)ES細胞の作製のためのターゲティ
ングベクターは、G418耐性遺伝子をプロマイシン耐性遺
伝子に置換して構築した(Tuckerら 1997)(図5参
照)。得られたターゲティングベクターを、NotI消化に
よって直鎖化し、前記と同様にしてアファディン(+/
-)ES細胞にエレクトロポレートした。次いで、ES細胞
を1.0μg/mlプロマイシン(Sigma Chemical Co.)を用
いて選別し、前記と同様にサザンブロット解析した。12
0個のプロマイシン耐性ES細胞のうち、9個のクローン
が相同組換えを受けていることがサザンブロット解析に
よって確認された。 1.6 胚様体形成 ES細胞(6×106)を、上記の増殖培地中を用い、ゼラ
チンでコートした10cmディッシュ上で、フィーダー細胞
を伴わずに3日間培養した。EB形成は、LIFの不在下で1
0% FCSを補充した20μlのDME中に、1,000細胞を滴下す
ることによって開始した(Rudnicki and McBurney 198
7; Robertson 1987)。2日後、形成されたEBを、10cm
の微生物学的ディッシュに移し、10% FCSを補充したDM
E中で、懸濁培養で増殖させた。 1.6 抗体 ウサギポリクローナルおよびマウスモノクローナル抗l-
アファディン抗体を、文献(Mandaiら1997;Sakisakaら
1999)に従って調製した。l-アファディンおよびs-ア
ファディンの両方を認識するマウスモノクローナル抗体
は、Transduction Laboratoryから購入した。マウスモ
ノクローナル抗ZO-1抗体および抗オクルジン抗体は、S
h. Tsukita博士、M. Itoh博士、およびM. Furuse博士
(KyotoUniversity、Kyoto、Japan)から提供された。
マウスおよびラット(ECCD2)モノクローナル抗E-カド
ヘリン抗体は、それぞれ、Transduction Laboratories
およびTakara Shuzoから購入した。マウスモノクローナ
ル抗ビンクリンおよび抗βカテニン抗体は、それぞれ、
Sigma Chemical Co.およびZymed Laboratories Co.から
購入した。ラットモノクローナル抗PDGFRα体は、文献
(Takakuraら、1996)の記載に従って調製した。HRP結
合抗ウサギ抗体は、Amersham Pharmacia Biotechから購
入した。 1.7 whole-mount免疫組識化学および組識学的解析 whole-mount免疫組識染色は、文献(Takakuraら 1997)
記載の方法を発刊変更して行った。すなわち、脱落膜か
ら切開された胚を、0.1Mリン酸緩衝液で洗浄し、サンプ
ルの大きさによって2時間〜一晩、4℃にて、PBS中の
2%パラホルムアルデヒドで固定した。次いで、固定さ
れたサンプルを溶液(メタノール:30%H2O2=4:1)
中で脱色した。染色のために、再水和されたサンプル
を、先ず、PBSMT(PBS中の1%スキムミルクおよび0.2
% Triton X-100)中でブロックし、PBSMT中、4℃で一
晩、抗l-アファディンポリクローナル抗体とともにイン
キュベートし、PBSMTで洗浄した。次いで、サンプル
を、4℃で一晩、HRP結合抗体とともにインキュベート
した。洗浄後、サンプルを金属増強DAB基質キット(Pie
rce、Rockford、IL)の溶液中に浸した。酵素学的反応
を、所望の色強度が達成されるまで進行させ、サンプル
をPBSTで洗浄した。そして、文献(Kaufman 1995)の記
載に従い、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。
すなわち、脱落膜から切開した胚およびEBを、4℃で一
晩、PBS中の2%パラホルムアルデヒドで固定し、4℃
で一晩、PBSで洗浄し、特級アルコールで再水和し、パ
ラフィン中に包埋し、3μmに切片化し、ヘマトキシリ
ンおよびエオシンで染色した。 1.8 免疫蛍光顕微鏡 脱落膜から切開した胚を、PBS中の2%パラホルムアル
デヒドで1時間固定した後、PBSで洗浄した。次いで、
胚を、20%スクロース中で4時間懸濁し、溶液を交換し
[20% スクロース:OCT化合物(Sakura Finetechnical
Co.、Ltd、Tokyo、Japan)=1:1]、OCT化合物中で
凍結し、クリオスタットにおいて10μmの厚さで切片化
した。切片をガラススライド上にマウントし、風乾し、
PSS(0.1Mリン酸緩衝液中の5%スキムミルクおよび0.0
05%サポニン、pH7.5)中にブロックした。次いで、サ
ンプルを4℃で一晩、PSS中で一次抗体とともにインキ
ュベートした。これらをPSSで洗浄し、次いで4℃で2
時間、PSS中で二次抗体とともにインキュベートした。P
SSで洗浄した後、サンプルを包埋し、共焦点画像化シス
テム(BioRad MRC-1024)で調べた。EBをまた同様に固
定し、OCT化合物中に凍結し、切片化した。あるいは、E
Bを液体窒素中で直接的に凍結し、クリオスタットにお
いて切片化した。切片をガラススライド上にマウント
し、風乾し、4℃で30分間、95%エタノールで固定し、
室温で1分間、100%アセトンで固定した。これらを、
上記と同様に処理した。 1.9 他の方法 タンパク質濃度は、参照タンパク質としてBSAを用いて
測定した(Bradford 1976)。SDS-PADEは、文献(Laemm
li 1970)の記載に従って行った。 2. 結果 2.1 初期胚発生期l-アファディンの発現および局在
化 6.5胚日齢(E6.5)で胚は、胚領域および胚体外領域、
ならびに原始羊膜腔を含む卵筒胚に発達した。胚外胚葉
は、内臓内胚葉によって囲まれる高円柱上皮細胞から構
成された。卵黄嚢および栄養膜円錐は、この段階で明ら
かに観察された。E6.5の免疫蛍光顕微鏡観察では、l-ア
ファディンは胚外胚葉細胞において、接着複合体領域と
呼ばれる細胞間接着部位の最も先端領域で局在化され、
一方、F-アクチンのシグナルは全細胞表面で観察された
ことを示した(図1、AaおよびAb)。l-アファディンは
内臓内胚葉のような胚体外領域においてほとんど検出さ
れなかった。E7.5で胚は、原始線条および中胚葉を形成
した。原腸形成が原始線条への胚外胚葉細胞の補充によ
って開始し、続いて原始線条からの細胞の剥脱が生じ
た。whole-mount免疫組識化学解析によって、原始線条
(原始線条の先端表面に対応する鮮明なl-アファディン
陽性ラインに注意のこと)、および遊走性の沿軸中胚葉
におけるl-アファディンの顕著な発現が観察されたが、
外胚葉の他の領域においては発現量は低いことが観察さ
れた(図1 Ba)。E8.5までに、正常な胚は原腸形成を
完了し、器官形成を開始した。原始線条は消失し、新し
く構築される組織が発達した。l-アファディンの高発現
が、尾芽、体節、体節をまだ形成しない沿軸中胚葉、神
経管、および胸膜および心膜を生じる胚内体腔/心膜腹
膜管において検出された(図1 Bb)。またl-アファデ
ィンは、神経管、体節、および心膜腹膜管の接合複合体
領域で非常に濃縮された(図1、Ca〜Cc)。これらの結
果は、l-アファディンがダイナミックな細胞再配置を介
して、上皮から新しい組織構造が発達する領域において
誘導的に発現されることを強力に示唆する。 2.1 アファディン遺伝子のターゲティング これらの上皮構造におけるl-アファディンの機能を決定
するために、マウスアファディン遺伝子を、相同組換え
によってノックアウトした。マウスアファディン遺伝子
の第2エクソンを欠失するように設計したターゲティン
グベクター(図2A)を直鎖化し、ES細胞に導入し、G41
8によって選別した。相同組換えをスクリーニングする
ために、G418耐性クローンからのゲノムDNAを5'プロー
ブを用いてサンブロット解析した。野生型アファディン
対立遺伝子は、HindIII消化したDNAのサザンブロッティ
ングにおいて13.9kbのバンドを示し、一方、ノックアウ
トされた遺伝子座は、5.0kbのバンドを示した(図2
B)。また、補正されたターゲティングを3'プローブを
用いたサザンブロッティングによって確認した。野生型
アファディン対立遺伝子は13.9kbのバンドを示し、一
方、ノックアウトされた遺伝子座は7.8kbバンドを示し
た。標的化対立遺伝子(アファディン変位遺伝子)を有
する3つの異なるESクローン(A46、A59、およびA97)
を別々に宿主胚盤胞に注入し、これらの胚盤胞を偽妊娠
の雌性マウスの子宮に移した結果、標的化対立遺伝子の
生殖系列伝達を全てのESクローンで達成した。標的化対
立遺伝子の遺伝を、尾部バイオプシーから単離されたゲ
ノムDNAのサザンブロット解析によって決定した(図2
C)。ヘテロ接合型[アファディン(+/-)]マウスは、野
生型の同腹子と比較して正常と思えた。アファディン
(+/-)マウスを交配し、子孫の遺伝子型をサザンブロ
ットまたはPCR解析によって決定した(図2C、表1)。
ホモ接合型[アファディン(-/-)]マウスは、解析した8
2個体の子孫間で検出されなかった。これらの結果は、
アファディンの欠損が胚致死を引き起こすことを示して
いる。 2.3 アファディン(-/-)マウスの初期胚発生期に
おける発生欠損 胚を原腸形成の種々の段階で単離し、それらの遺伝子型
を決定した(表1)。各遺伝子型の分布を、メンデルの
法則に従ってE7.5〜E9.5期で試験した。ホモ接合体はE1
0.5からは検出されなかった。E6.5での大まかな系統学
的解析からは、野生型およびヘテロ接合体同腹子とホモ
接合体胚とを区別することはできなかった(データ示さ
ず)。このことは、着床および卵筒胚形成がアファディ
ンの不在下でも正常に生じることを示している。E6.5で
の胚とは対照的に、E7.5〜E9.5の胚において、野生型お
よびヘテロ接合体同腹子とホモ接合体胚を区別すること
は容易であった。野生型胚と比較して、ホモ接合体胚の
構成は明らかに歪められ、そして大きさが減少していた
(図3、Aa、Ba、およびC)。しかし、注意するべきこ
とに、栄養膜円錐、卵黄嚢および羊膜を含むそれらの胚
体外領域は正常に発達していることから、異常が胚に特
異的に制限されることが示された。前側/後側の区別が
全体の外見によって容易になされ、いくつかの脈管系お
よび血液が検出可能であったが、ホモ接合体の胚は、つ
ねに平板で、短く、この段階での指標となる組織(例え
ば、心臓および体節)は発達しなかった。アファディン
(-/-)胚に特有のこの胚特異的な異常は、l-アファデ
ィンの発現パターンと一致し、原腸形成の間のその役割
を示唆するものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】E7.5の野生型胚において、原始線条からの
中胚葉細胞の離層は厳密に極性化されており、それによ
って胚外胚葉と内臓内胚葉との間の空隙に中胚葉を補充
する(図3 Ab)。重要なことは、原始線条の上皮構造
の完全性が離層を誘導する刺激下であってさえ、維持さ
れることである。この空隙内での中胚葉細胞の生成は
アファディン(-/-)胚において生じ、このことは、中
胚葉の誘導自身は正常に生じることを示す(図3 A
c)。しかし、アファディン(-/-)胚においては、後側
領域の胚外胚葉は多層化し始め、外胚葉と内胚葉との間
の空隙は、しばしば浮腫状であり、それによって、原始
線条からおそらく作製された細胞で充填された羊水腔を
圧迫する。外胚葉由来の組織における重篤な欠損と対照
的に、内臓内胚葉において単層の上皮構造が完全に残存
した。E8.5の野生型胚において、上皮構造を有する組織
(例えば、神経溝、胚内体腔、および体節)が明らかに
明白であった(図3 Bb)。アファディン(-/-)胚にお
いては、中胚葉細胞の生成を示す組識学的知見と一致し
て、体節様ブロックおよびいくつかの脈管構造が検出さ
れたが、体節の上皮細胞の確立はなかった(図3 B
c)。神経管の形成も、心臓の形成も観察されなかっ
た。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】細胞極性を維持する装置が原始線条に分布
されるか否かを調査するために、E-カドヘリンおよびZO
-1の局在化を試験した。E-カドヘリンおよびZO-1は、外
側膜において濃縮された内臓内胚葉と比較して、PDGFR
α陽性細胞の全表面にわたって分布していた(図4、Bc
およびBd)。原始線条からの中胚葉誘導の問題に限って
言えば、これらの結果は、アファディンが上皮−間充織
移行を誘導するシグナル下で、胚外胚葉の完全性の維
持、おそらくそれらの極性に関与することを示唆する。 2.5 in vitroモデル系における外胚葉特異的なアフ
ァディンの機能の実証 アファディン(-/-)胚の結果は以下のことを示す: (1)アファディンは卵筒胚形成よりも初期のプロセス
に必要不可欠である;(2)アファディンは卵筒胚にお
ける前側/後側体制配置に必要とされない;(3)アフ
ァディンは胚外胚葉、特に原始線条において特異的に発
現され、そして原腸形成の間の中胚葉細胞の極性化生成
において必要不可欠役割を果たす。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】この欠損が、より単純なモデル系において
再現され得るか否かを決定するために、2層化された上
皮構造の発達およびその後の内層からの中胚葉の誘導が
in vitroで再現されることが示されているES細胞の胚様
体(EB)形成(Doetschmanら1985;RundnickiおよびMcB
urney 1987;Robertson 1987)を利用した。この目的の
ために、先ず、プロマイシン体制遺伝子を保有する別の
ターゲティングベクターを導入することによって、アフ
ァディン(-/-)ES細胞株を確立した(図5A)。このタ
ーゲティングベクターを、アファディン(+/-)ES細胞
(クローンA46)に導入し、プロマイシンを用いて選別
した。サザンブロット解析は、プロマイシンに耐性な3
つのクローン(B3、B8およびB103)が遺伝子変換を受
け、両方の対立遺伝子が破壊されていることを示した
(図5 B)。さらに、ES細胞およびEBにおけるアファデ
ィン発現の欠損をウエスタンブロット解析によって確認
した(図5C)。ウエスタンブロット解析はまた、l-ア
ファディンがES細胞およびEBにおいて主に発現されたこ
と、ならびにS-アファディンはほとんど検出されなかっ
たことを示した。これらの3つの独立したクローンは、
未分化の形態を伴って、野生型ES細胞と同じ増殖速度を
示した(データ示さず)。これらのクローンが、試験し
た限り同じ表現型を示したので、クローンB3から得られ
たデータを以下に示した。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】野生型ES細胞を懸濁培養した場合、細胞は
凝集してEBを形成し、そのうちのいくつかは、最終的に
外部内胚葉層および内部高円柱外胚葉層からなる2層化
された嚢胞構造に発達したが、大きな卵黄嚢様嚢胞を伴
う複雑な構造を有するEBがしばしば観察された(図6、
AaおよびBa)。EB形成の初期の間、アファディン(-/
-)ES細胞は有意な差異を何も示さなかった。さらに、
より大きな卵黄嚢様嚢胞を伴うEBがしばしば形成され、
このことは内胚葉成分が正常に機能することを示唆する
(図6 Ab)。他方、羊水腔様嚢胞を伴うEBにおいて、
多くの壊死細胞が腔内に観察されたが、外側の層は完全
なままであった(図6 Bb)。外胚葉層と内胚葉層との
間の空隙における中胚葉細胞の生成が観察されたが、十
分に構築された外胚葉細胞は発達しなかった。これらの
結果は、アファディン(-/-)胚の外胚葉特異的欠損
が、in vitro EBモデルにおいて再現され得ることを示
す。さらに、EB腔中の細胞成分の存在は、外胚葉層の極
性における欠損を反映し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA11 BA80 CA04 DA02 EA04 GA11 HA20 4B065 AA90X AA91Y AB01 BA02 CA46

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛋白質アファディンをコードするゲノム
    遺伝子がその機能欠失型変異遺伝子に置換されている分
    化全能性細胞を発生させた非ヒト動物の胚、非ヒト動物
    個体およびその子孫動物であるアファディン欠損動物。
  2. 【請求項2】 非ヒト動物が、マウスである請求項1の
    アファディン欠損動物。
  3. 【請求項3】 蛋白質アファディンをコードするゲノム
    遺伝子がその機能欠失型変異遺伝子に置換されているE
    S細胞。
  4. 【請求項4】 マウス由来である請求項3のES細胞。
  5. 【請求項5】 請求項3または4のES細胞からなる胚
    様体。
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