JPH1011708A - 符号間干渉低減装置および方法 - Google Patents

符号間干渉低減装置および方法

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JPH1011708A
JPH1011708A JP9076374A JP7637497A JPH1011708A JP H1011708 A JPH1011708 A JP H1011708A JP 9076374 A JP9076374 A JP 9076374A JP 7637497 A JP7637497 A JP 7637497A JP H1011708 A JPH1011708 A JP H1011708A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複雑さを軽減して、電力及びチップのリアル・
エステートの消費を減少させつつ、符号間干渉を低減す
ることのできる装置および方法を提供する。 【解決手段】本発明の一実施例によれば、データ符号の
前縁を鮮鋭化し減衰指数曲線に近似する後縁を提供する
事前整形フィルタを備えた信号処理チャネルが提供され
る。事前整形フィルタの出力は、指数的に減衰する後縁
を補完するパルス応答を提供するよう選択された時定数
を有する抵抗・容量回路からのキャンセル出力と組合さ
れる。整形出力とキャンセル出力との組合せは、スライ
サまたは他の判定装置に入力される。スライサからの2
レベル出力は、キャンセル出力を発生する判定フィード
バック・フィルタへの入力である。抵抗・容量回路に加
えて、判定フィードバック・フィルタは、事前整形フィ
ルタからの整形出力とキャンセル出力とのタイミングを
適切に一致させる遅延を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、信号処理チャ
ネル及び方法に関するものであり、とりわけ、符号間干
渉を低減し、磁気記録媒体からのデジタル・データの読
み取り時におけるノイズの影響を最小限に抑えることに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録装置に用いられるような信号処
理システムの場合、デジタル・データは、一連の符号に
符号化される。デジタル磁気記録の場合、読み取り符号
は、例えば、−1、0、+1といった限られた数の振幅
を備えるのが理想である。しかし、全チャネルが、さま
ざまな形の歪みを生じる非理想特性を備えている。ある
タイプの歪みは、「符号間干渉」(ISI)と呼ばれ
る。ISIは、データ符号を先行及び/または後続符号
間に拡張するものである。
【0003】磁気記録媒体における磁気転移の間隔を十
分にあけることによって、ISIによるエラーを防ぐこ
とが可能である。しかし、傾向として、媒体における線
形データ密度は明らかに増す方向にある。結果として、
読み取りチャネルの、限られた高周波応答によって、か
なりの量のISIが生じる可能性がある。
【0004】ISIを補償する方法がある。こうした方
法の1つは、所望の信号の高周波成分を復元する等化器
に読み取り信号を通すことである。しかし、高周波成分
を復元すると、一般に、高周波ノイズが増幅されるの
で、エラー・レートが増すことになる。ISIを許容可
能レベルまで低減するもう1つの方法は、判定フィード
バック等化(DFE)を利用することである。読み取り
チャネル応答を整形することによって、リーディング(l
eading)ISIが許容可能レベルまで低減し、特定のデ
ータ符号の後、該データ符号によって生じるISIが、
主となるようにすることが可能である。結果として、従
来の等化に対して高周波ノイズの増幅を低減することが
可能になる。トレーリング(trailing)ISIが既知の場
合、入力信号からそれを取り除くことが可能である。従
って、このISIを低減するアプローチは、かなりの回
路構成を必要とする。例えば、パーシャル・レスポンス
最尤(PRML)回路には、一般に、複数の極及びゼロ
を備えた、精密に調整された連続時間フィルタ、アナロ
グ・デジタル変換器、及び、入力信号のデジタル化サン
プルに操作を加えるデジタル信号プロセッサが含まれ
る。このアプローチの利用は、より速いデータ転送速
度、より少ない電力消費、及び、集積回路チップのリア
ル・エステートのより効率の高い利用が要求されるの
で、しだいに困難になる。
【0005】Huberに対する米国特許第4,95
3,041号には、既知のアプローチに関する説明にお
いてより詳細な記載がある。該特許の主張によれば、最
も「一般的な」デジタル磁気記録システムは、波形振幅
のピークを零交差に変換するため、読み取り信号の微分
を行っている。微分器ベースのピーク検出チャネルに
は、ローレンツ入力パルスの前縁と後縁の両方を狭くす
るパルス・スリム化フィルタを含む第1の等化器を含む
ことが可能である。パルス・スリム化は、信号から導き
出される補償パルスの加算及び減算によって実現する。
等化の後、読み取り信号は、微分され、制限され、さら
に、代表的なデジタル・データを完全に復元するため反
転される。Huberの特許において、対称パルス・ス
リム化の難点は、それによって読み取りパルスの帯域幅
が増し、対応する読み取りシステムの帯域幅の拡大が必
要になるということであると主張されている。帯域幅が
広くなるほどシステムに入り込むノイズが増すので、チ
ャネルのS/N比が劣化する。システムのノイズが増す
と、ISIによる多量のピーク・ジッタに変換されるこ
とが多く、磁気媒体記憶システムにおいて実現可能なウ
インドウのマージンが大幅に減少する。
【0006】Huberシステムは、スリム化された立
ち上がりエッジと滑らかな立ち下がりエッジを特徴とす
る、孤立された(isolated)読み取りパルスを発生するフ
ォワード・フィルタを利用して、「従来の」デジタル磁
気記録システムの難点を克服するように設計されてい
る。整形パルスは、パルスのスリム化された立ち上がり
エッジが入力しきい値を超えるとステップ応答を発生す
る比較器に入力される。量子化フィードバック・フィル
タは、比較器のステップ応答出力を受信し、フォワード
・フィルタの滑らかな立ち下がりエッジに対してほぼ相
補形の補償波形を送り出す。量子化フィードバック・フ
ィルタの出力は、フォワード・フィルタの出力と合計さ
れ、実質的にステップ関数である等化信号が生じる。
【0007】Huberシステムによれば、先行システ
ムに対していくつかの改良がもたらされるが、デジタル
磁気記録システムの等化回路構成によって電力消費を減
少させるという重要問題に十分に取り組んだものではな
い。さらに、チップのリアル・エステートのより効率の
優れた利用が望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、複雑
さを軽減して、電力及びチップのリアル・エステートの
消費を減少させることができるやり方で、符号間干渉を
低減するための信号処理チャネル及び方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】符号間干渉を低減するた
めの信号処理チャネル及び方法には、チャネル入力で受
信するデータ符号に事前整形を施して、符号の前縁が鮮
鋭化し、後縁は、減衰指数曲線に近似した振幅遷移時間
の増加を示すようにすることが含まれる。さらに、その
インパルス応答が遅延指数減衰である低複雑度の判定フ
ィードバック・フィルタを用いることによって、トレー
リング符号間干渉を大幅に低減させるやり方で、データ
符号の後縁と組み合わせられるパルス応答を発生するこ
とが可能である。従って、パルスの事前整形によって、
ISIが主として後縁に位置決めされ、遅延素子と抵抗
・容量回路から構成されるフィードバック・フィルタ
が、ISIのかなりの部分を取り除く。
【0010】望ましい実施例の場合、事前整形は、全域
通過フィルタによって実施される。全域通過フィルタ
は、入力信号の高周波成分を強調することなく、データ
符号の前縁を鮮鋭化する、すなわち、エッジを強調する
フォワード等化器である。全域通過フィルタには、連続
時間適応性が含まれる。
【0011】全域通過フィルタの代替案の1つとして、
事前整形は、入力信号の導関数の一部を入力信号自体か
ら引くことによって実施することが可能である。導関数
を引くと、データ符号の前縁における振幅遷移時間が減
少し、後縁における振幅遷移時間が増大する。しかし、
全域通過フィルタとは異なり、導関数の減算によって、
高周波ノイズが強調される。
【0012】整形符号信号は、次に、総和接合を介して
スライサのような判定素子に送られ、整形データ符号に
応答して、2レベル出力が発生する。2レベル出力は、
下流の処理回路要素に伝送されるが、判定フィードバッ
ク・フィルタに対する遅延指数減衰応答を発生するため
の入力も提供する。遅延の長さは、整形符号信号のトレ
ーリングISIと判定フィードバック・フィルタの指数
減衰応答を一致させることができるように選択される。
例えば、1、7コードの読み取りには、1コード・ビッ
ト時間の固定遅延が必要になる可能性がある。
【0013】判定フィードバック・フィルタには、指数
遅延応答を決めるRC時定数を備えた抵抗・容量(R
C)回路も含まれている。その最も単純な形態の場合、
RC時定数は、単一固定抵抗器及び単一固定コンデンサ
によって設定される。しかし、望ましい実施例は、RC
回路は適応形である。RC回路は、トレーリング符号間
干渉の整合をとるための一次応答を設定する。二次応答
は、トレーリングISIとのより有効な整合がとれるよ
うに、インダクタンスまたは追加RC回路を含めること
によって実施可能である。
【0014】RC回路からの遅延応答は、事前整形フィ
ルタから出力される整形符号と組み合わせられる。2つ
のフィルタからの出力によるこの組み合わせは、判定素
子への入力前に、総和接合において行われる。
【0015】信号処理チャネル及び方法の実施は、判定
フィードバック・フィルタからのキャンセル出力の振幅
及び形状が、第1のフィルタからの整形符号出力との相
補整合をなす場合に最適化される。従って、少なくとも
3つの調整が利用可能であることが望ましい。第1に、
総和接合における符号振幅は、適応形であることが望ま
しい。第2に、事前整形フィルタにおける増幅が、適応
形であることが望ましい。さらに、判定フィードバック
・フィルタの抵抗・容量回路は、指数遅延応答の形状を
制御するため、調整可能であることが望ましい。もう1
つの可能性は、適応するように調整可能な遅延を利用す
ることである。調整は、干渉しないことが理想である。
しかし、個々の調整間において部分的干渉が生じる場
合、エラー検出が他の調整可能パラメータによる影響を
最も受けずに済む時間に、各調整を行うのが望ましい。
【0016】本発明の利点は、電力及びチップのリアル
・エステートの消費が大幅に減少することにある。信号
処理チャネルのコンピュータ・シミュレーションが示す
ように、符号間干渉がかなりの程度に除去される。結果
として、磁気読み取り操作に関して、高データ密度を得
ることが可能になる。もう1つの利点は、複雑さが低下
しても、自動同調を利用する妨げにならないということ
である。
【0017】
【実施例】図1を参照すると、磁気ディスク10にデー
タの読み取り及び書き込みを行うための磁気記録装置が
示されている。該装置には、誘導ヘッド14に接続され
た標準読み取り/書き込み集積回路チップ12が含まれ
ている。書き込みモードの場合、スクランブラ16が、
磁気ディスクのセクタに書き込まれるべきスクランブリ
ングを施したデータを出力するため、顧客データ入力1
8、書き込みクロック入力20、及び、リセット22を
受信する。スクランブラは、ディスクにユーザ情報デー
タを書き込む前に、顧客データに擬似ランダム・シーケ
ンスによる処理を施すことが可能である。
【0018】スクランブリングが済むと、後続のデスク
ランブリングにおけるエラー伝搬を防ぐため、エラー補
正コード(ECC)符号化が実施される。磁気ディスク
10に対するデータ書き込みのため、ブロック26にお
いて事前符号化が行われる。例えば、書き込み電流の極
性は、プリ・コーダ26の出力に「1」と「0」のいず
れが生じるかに基づくようにすることも可能である。
【0019】読み取り操作において、ディスク10にお
ける磁気転移によって、読み取り/書き込みヘッド14
がデータ符号すなわち転移応答を発生し、これが、さら
に、増幅器28に入力される。増幅後、アンチ・エイリ
アシング・フィルタ30において、シーケンスをなすデ
ータ符号を受信する。読み取り/書き込みチップ12、
増幅器28、及び、アンチエイリアシング・フィルタ3
0の動作は、当該技術において周知のところである。図
1に構成要素12、28、及び、30で表した回路要素
は、本発明の働きに影響を及ぼすことなく、変更するこ
とも、また、ある程度は、除去することも可能である。
【0020】図1の読み取り信号処理チャネルには、I
SIキャンセル及びパルス判定回路32も含まれてい
る。回路の素子は、図2において識別される。通常は対
称性のローレンツ応答34が、適応利得回路36に対す
る孤立入力として示されている。利得回路には、可変抵
抗38及び増幅器40が含まれている。図2の実施例の
場合、利得は、孤立された正に向かうデータ符号と負に
向かうデータ符号のピークが、事前整形フィルタ42か
らの出力(w)の後、+2V及び−2Vになるように調
整することが望ましい。以下では、利得回路36の適応
調整について詳述する。
【0021】事前整形フィルタ42の目的は、ISIが
主としてトレーリング現象になるように、読み取り信号
を整形することにある。これは、データ符号の前縁を鮮
鋭化し、後縁の遷移時間を長くすることによって実施さ
れる。「鮮鋭化」は、この場合、データ符号の振幅遷移
時間の短縮、すなわち、エッジの強調と説明される。デ
ータ符号の前縁を鮮鋭化することによって、判定装置4
4は、前縁の遷移をより確実に検出することになる。
【0022】フィルタ42における事前整形は、いくつ
かの方法で実施することが可能である。望ましい実施例
の場合、事前整形フィルタは、図3に示すようにセンタ
・タップ付きの二次側を備える変圧器を含む適応形全域
通過フィルタである。全域通過フィルタは、下記の複素
周波数応答を示す: Ha(f) = (1−j・2・π・τa・f)/(1+j・2・π・τa・f) ここで、τa=RC。フィルタは、下記によって求めら
れる周波数依存移相を生じる: φ(f) = −2・arctan(2・π・τa・f) 従って、全域通過フィルタは、時間的にデータ符号のフ
ーリエ成分のピークをシフトさせ、データ符号の前縁が
鮮鋭化し、同時に、後縁は勾配が穏やかになるようにす
る。データ符号のピークも時間シフトされる。全域通過
フィルタの利点は、その動作によってあまりノイズの強
調が生じないということである。すなわち、代替事前整
形フィルタに比べて、高周波ノイズが強調されない。許
容可能な全域通過フィルタについては、P. McEwenおよ
びJ. Kenneyによる、「判定フィードバック等化用全域
通過フォワード等化器 (Allpass Forward Equalizer fo
r Decision Feedback Equalization)」、IEEE Transact
ions on Magnetics、Vol. 31、No.6、1995年11月、に記
述されている。全域通過フィルタは、事前整形の実施に
とって望ましい実施例であるが、他の等化技法を用いる
ことも可能である。電力及びチップのリアル・エステー
トが有効に利用され、複雑さが必要とされない実施例が
得られるようにするため、連続時間等化が望ましい。
【0023】図4には、事前整形フィルタ42のもう1
つの許容可能実施例が示されている。この実施例の場
合、適応利得回路36からの線路46に沿った信号によ
って、総和接合48及びその信号の導関数を求めるため
の回路要素50に対する入力が得られる。微分回路50
の出力は、可変抵抗52に伝達される。抵抗の調整によ
って、総和接合48において引かれる導関数の量が決ま
る。さらに詳細に後述するように、可変抵抗52は、適
応増幅に相当する。
【0024】図2の事前整形フィルタ42からの出力
(w)は、線路54に沿って総和接合56に伝達され
る。総和接合56に対する第2の入力58は、判定フィ
ードバック・フィルタ60からの出力(y)である。判
定フィードバック・フィルタは、事前整形読み取り信号
からトレーリングISIをキャンセルするために用いら
れる。総和接合56からの信号の総和(x)は、線路6
2に沿った2レベル出力(X)を形成する判定装置44
に対する入力である。2レベル出力は、判定装置に入力
されるデータ符号に応答する。判定装置の動作は、当該
技術において周知のところである。該装置の実施例の1
つは、スライサまた零交差回路と呼ばれる。図2の線路
62における出力の値は、+1V及び−1Vとすること
が可能であるが、他の出力を発生して、同時に、本発明
の範囲内にとどまることも可能である。
【0025】図2の判定フィードバック・フィルタ60
には、遅延素子64、可変抵抗66、及び、容量68が
含まれる。遅延素子64は、線路58のフィードバック
・フィルタ出力が線路54に沿った読み取り信号と適正
に一致するという保証が得られるように選択されるデジ
タル遅延素子である。フィードバック・フィルタの抵抗
及び容量は、ISIのキャンセルに関して所望の指数遅
延曲線が得られるように選択される。第1のフィルタ4
2による整形後におけるデータ符号の後縁の形状は、減
衰指数に近似する。従って、少数の素子を利用して、ト
レーリングISIの補数であるキャンセル出力(y)を
発生する判定フィードバック・フィルタ60を設けるこ
とによって、複雑さは低下するが、それに応じて性能が
低下することはない。さらに、先行技術による判定フィ
ードバック・フィルタに比べると、集積回路チップのリ
アル・エステートに対する要求が大幅に減少する。
【0026】図5には、判定フィルタ60の実施例が示
されている。該回路は、1、7コードを利用し、0.7
5メートル/秒の従来の1/4インチ・カートリッジ
(QIC)、すなわち、QIC80カートリッジの誘導
ヘッドによってユーザ情報の書き込みを行うシステムに
おいて利用することが可能である。PW50は、書き込
み等化なしで、3μsecとすることが可能である。従
って、コード・ビット時間は、1μsecになり、2×
3/4=3/2μsecのデータ符号時間と2.0の密
度比が得られる。図5のデジタル遅延素子70は、1μ
secである。抵抗器部材72、コンデンサ部材74、
及び、インダクタ部材76の値は、時定数Q=0.4が
得られるように選択される。その最も単純な形態におい
て、判定フィードバック・フィルタ60には、インダク
タ部材76が含まれていない。しかし、インダクタンス
の場合には、抵抗・容量回路の一次応答に比較すると、
トレーリングISIに対する、より優れた整合を実現す
る二次応答が得られる。
【0027】図6には、二次応答が得られる判定フィー
ドバック・フィルタ75の代替実施例が示されている。
デジタル素子77によって、ほぼ1ビット時間の遅延が
生じる。単位利得部材79は、連動可変抵抗81及び8
3を有する2つのRC低域通過回路をリンクする。二次
応答は、タンデムRC回路の動作によって設定される。
【0028】図7における1対のデータ符号78及び8
0に関連して、図2のチャネルの動作を説明することに
する。これらの符号は、図2の入力82において受信さ
れる。符号は、適応利得回路36において増幅可能であ
り、フィルタ42で整形を施されて、整形データ符号8
4及び86が生じる。線形等化フィルタ42によって、
対称性ローレンツ符号がトレーリングISIの顕著な符
号に変換される。符号の後縁は、減衰指数によってうま
く整合する。判定フィードバック・フィルタ60は、減
衰指数に対するトレーリングISIの近似を利用するよ
うに設計されている。
【0029】判定装置44に対する入力(x)は、線路
54における整形読み取り信号(w)と線路58からの
キャンセル出力(y)との組み合わせである。図7のキ
ャンセル出力88が整形データ符号84及び86と組み
合わせられると、判定入力90が生じる。結果として、
判定出力(X)92は、ISIによって誘導されるエラ
ーの影響を受けにくくなる。図7に示す遅延Tdは、図
2におけるデジタル遅延素子64による結果である。こ
の遅延は、総和接合56における符号84及び86の到
着とキャンセル出力88の到着との間に一時的な所望の
関係を確立するのに重要な役割を果たす。判定フィード
バック・フィルタ60の抵抗・容量回路の充電及び放電
によって、図7のキャンセル出力88の立ち上がり勾配
及び立ち下がり勾配が形成される。
【0030】図8は、抵抗・容量回路によって確立され
る減衰指数曲線に対するトレーリングISIの整合を示
すものである。実線94は、孤立された正に向かうデー
タ符号を表している。交番ライン96は、RC回路の放
電である。放電は、トレーリングISIに極めて近似し
ている。RC時定数は、実験によって設定することが可
能であるが、さらに詳細に後述するように、適応するよ
うに決定される。判定フィードバック・フィルタの遅延
は、1μsecに設定される。遅延は、コード、データ
転送速度、及び、図7のフィルタリングを施されていな
いパルス78及び80の幅を含む、いくつかの要素によ
って決まる。
【0031】図9には、間隔が密なデータ符号から構成
される場合に発生するさまざまな信号が示されている。
入力信号98は、図2の線路82で受信される。入力信
号98は、適応利得回路36で増幅され、データ符号
は、ISIが主としてトレーリングISIになるように
等化フィルタ42で整形される。整形された出力(w)
は、総和接合56に入力される出力である。もう1つの
入力(y)は、判定フィードバック・フィルタ60から
のキャンセル出力102である。判定フィードバック・
フィルタのRC時定数によって、キャンセル出力の充電
及び放電パラメータが決まる。
【0032】整形出力100とキャンセル出力102の
組み合わせによって、判定装置44に対する入力信号
(x)104が得られる。トレーリングISIが、この
キャンセルによってほぼキャンセルされる点に留意され
たい。従って、2レベル出力(X)106は、ISIに
よって生じるエラーの影響を受けにくくなる。
【0033】遅延論理レベル信号しか生じない図2のデ
ジタル遅延素子64は、一連のICバッファのような単
純な非同期遅延とすることが可能である。代替案とし
て、例えば、クロック及びDフリップ・フロップによっ
て、同期して遅延を生じさせることが可能である。非同
期遅延を用いる利点は、適正な動作のためにクロック再
生位相ロック式ループを必要としなくなるので、回路の
堅牢性が増すことにある。一方、位相が数ビット時間に
わたって平均化されたクロックに基づくものであるた
め、同期遅延に含まれるジッタが減少することになる。
回路の性能は、初期ロック・アップのために非同期遅延
を加え、データ・フィールドには同期遅延を加えること
によって向上させることが可能である。
【0034】上述の技法と同様の技法を用いて、ヨーク
・ヘッドによって発生する信号におけるISIをキャン
セルすることが可能である。主たる相違は、判定フィー
ドバック・フィルタ60が、低域通過フィルタではな
く、高域通過フィルタであるという点である。この実施
例の場合、遅延素子は、除去することが可能である。
【0035】前述のように、読み取りチャネルには、利
得回路36、事前整形フィルタ42、判定フィードバッ
ク・フィルタ60のRC時定数に関する適応調整を含む
ことが望ましい。該調整は、干渉しないことが理想であ
るが、部分的干渉は許容可能である。利得回路の調整
は、エラー信号の発生がフィードバック・フィルタ60
のパルス応答及びフィルタ42において行われる事前整
形による影響を最も受けずに済む時間に行うことが可能
である。調整を実施するタイミングの選択は、事前整形
フィルタ42及びフィードバック・フィルタ60に等し
く適合する。
【0036】エラー検出は、図10に示す単純な方法で
実施することが可能である。判定装置44に対する入力
信号(x)は、総和接合108において2レベル出力
(X)と比較することが可能である。この比較によっ
て、線路110にエラー信号(e)が発生する。選択さ
れた利得調整時間において、信号(x−X)間の差が予
測を超える場合、線路110のエラー信号を利用して、
利得回路要素36における増幅を減少させることが可能
である。一方、信号差(x−X)が所望の差未満の場
合、エラー信号によって、利得回路における増幅の増大
が開始される。
【0037】利得調整は、データ符号のピークと一致す
るように実施することが可能である。一方、判定フィー
ドバック・フィルタ60の時定数は、データ符号のピー
ク後に実施することが可能である。図7に簡単に言及す
ると、信号x及びXは高状態が一致しているのが理想で
ある。キャンセル出力88を発生するRC回路の充電時
間中に、総和接合108に対する2つの信号入力間の差
をサンプリングすることによって、RC時定数が適正に
設定されているか否かを判定することが可能である。R
C時定数は、線路110に沿ったエラー信号の極性及び
大きさに応答して、上下に調整することが可能である。
【0038】事前整形フィルタ42の調整は、図7の符
号84のような正に向かうデータ符号の立ち上がり時間
に行うことが可能である。事前整形フィルタによって、
データ符号の前縁が鮮鋭化される。従って、事前整形フ
ィルタによって、信号90のパルスの立ち上がり時間が
決まる。立ち上がり時間中に信号x及びXを比較するこ
とによって、エラー信号を発生し、事前整形調整を決定
することが可能である。
【0039】図11には、回路36における利得、フォ
ワード・フィルタ42における増幅、及び、フィードバ
ック・フィルタ60におけるRC時定数の動的調整を可
能にする回路が示されている。図10に関して既述のよ
うに、信号X及びxが、総和接合108に入力される。
2つの信号間の相違は、1対のフリップ・フロップ11
8及び122と遅延素子124に入力されるエラー信号
(e)である。遅延素子124からの遅延エラー信号
は、第3のフリップ・フロップ126に入力される。
【0040】判定素子44からの2レベル出力Xは、1
対の遅延素子116及び120に接続されている。遅延
2レベル信号は、第1と第2のフリップ・フロップ11
8及び122に入力される。判定装置44の出力から第
3のフリップ・フロップ126に直接接続が行われる。
【0041】3つのフリップ・フロップ118、12
2、及び、126の出力によって、関連回路を上下いず
れにインクリメントさせるべきかの判定が行われる。素
子118からの出力は、利得回路36に接続される。こ
の出力に命じられて、利得回路は上下いずれかにインク
リメントする。同様に、素子122によって、判定フィ
ードバック・フィルタ60のRC回路の調整が可能にな
り、この結果、フィルタの時定数がインクリメンタルに
調整されることになる。事前整形フィルタ42の適応回
路要素は、エラー検出に応答してインクリメンタルな変
更を可能にするため、素子126の出力に接続される。
【0042】図1〜11の発明は、主として磁気記録産
業における利用に関して解説し、例示したものである。
しかし、例えば、デジタル通信といった、信号処理チャ
ネルの他の用途も意図されている。
【0043】以上、本発明の実施例について詳述した
が、以下、本発明の各実施態様の例を示す。
【0044】[実施態様1]シーケンスをなすデータ符号
における符号間干渉を低減するための信号処理チャネル
において、チャネル入力(82)と、前記チャネル入力
に接続されて、前記チャネル入力において受信したデー
タ符号(70及び80)の前縁における振幅遷移時間を
減少させ、前記データ符号の後縁における振幅遷移時間
を増加させることによって、整形出力(54)内におけ
るデータ符号の前記前縁を鮮鋭化するための事前整形回
路(42)と、前記事前整形回路に接続されて、前記デ
ータ符号に応答し、2レベル出力(92)を発生する判
定回路(44)と、前記判定回路への前記データ符号の
入力前に、前記整形出力内において前記データ符号の前
記後縁における指数減衰をキャンセルするための指数減
衰フィードバック・フィルタ(60)であって、該フィ
ードバック・フィルタは、前記2レベル出力を受信する
ように接続された入力(62)と、前記事前整形回路と
前記判定回路との間に接続されて、キャンセル出力と前
記整形出力とを組み合わせるキャンセル出力(58;1
02)とを有し、前記フィードバック・フィルタは、前
記指数減衰キャンセルを決める抵抗・容量回路(66及
び68;72及び74;81及び83)と、前記事前整
形回路の前記整形出力に前記指数減衰キャンセルを導入
するタイミングを決める遅延(64;70;77)とを
有する指数減衰フィードバック・フィルタ(60)と、
を備える成る信号処理チャネル。
【0045】[実施態様2]前記事前整形回路(42)
が、前記チャネル入力(82)に接続されて連続時間フ
ィードフォワード等化を行う全域通過フィルタであるこ
とを特徴とする、実施態様1に記載のチャネル。
【0046】[実施態様3]前記事前整形回路(42)
に、入力信号(78及び80)から該入力信号の導関数
を引くための回路要素(50及び52)が含まれてお
り、該回路要素が、前記導関数を引く連続時間が得られ
るように接続されていることを特徴とする、実施態様1
に記載のチャネル。
【0047】[実施態様4]前記事前整形回路(42)
が、インパルス応答を生じることによって、前記データ
符号(78及び80)の前記後縁が減衰指数曲線に近似
するように整形され、前記フィードバック・フィルタ
(60)の前記抵抗・容量回路(66及び68;72及
び74;81及び83)のRC時定数が前記減衰指数曲
線に近似するように選択されていることを特徴とする、
実施態様1、2、または、3に記載のチャネル。
【0048】[実施態様5]前記RC時定数を適応するよ
うに調整するための回路(120及び122)をさらに
備えて成る、実施態様4に記載のチャネル。
【0049】[実施態様6]前記回路が、前記事前整形回
路(42)に適応調整(124及び126)を施して、
前記前縁及び後縁における前記振幅遷移時間を変化させ
るように接続されていることを特徴とする、実施態様5
に記載のチャネル。
【0050】[実施態様7]前記チャネル入力(82)
が、磁気記録装置(10及び14)の読み取りヘッドか
ら読み取り信号を受信するように接続されていることを
特徴とする、実施態様1、2、3、4、5、または、6
に記載のチャネル。
【0051】[実施態様8]デジタル磁気記録読み取り信
号(98)における符号間干渉を低減する方法におい
て、磁気記録媒体(10)からデータを読み取って、シ
ーケンスをなすデータ符号(78及び80)を形成する
ステップと、前記データ符号の前縁に再整形を施して、
勾配が増すようにすること、及び、前記後縁に再整形を
施して、勾配が減衰指数曲線に近似するようにすること
を含む、前記シーケンスをなすデータ符号にフィルタリ
ング(60)を施し、符号間干渉が主として前記データ
符号の後縁にシフトするようにするステップと、前記シ
ーケンスをなすデータ符号に少なくとも部分的に応答す
る2レベル出力(106)に判定フィードバック・フィ
ルタリングを施すことを含んでおり、前記判定フィード
バック・フィルタリングには、前記再整形データ符号に
応答(104)を示す抵抗・容量回路(66及び68;
72及び74;81及び83)の設定を行い、前記応答
が、前記後縁の前記減衰指数曲線をキャンセルするため
の信号に近似するようにすることと、さらに、前記抵抗
・容量回路の前記応答と前記シーケンスをなす再整形デ
ータ符号との間の一致を決定するように選択された遅延
(64;70;77)を導入することとが含まれる、再
整形データ符号(84及び86)の前記シーケンス(1
00)にキャンセル信号(88;102)を導入して、
前記後縁における前記符号間干渉を低減させるステップ
と、を備えて成る方法。
【0052】[実施態様9]前記キャンセル信号(88;
102)と前記シーケンス(100)をなす再整形デー
タ符号(84及び86)との組み合わせをスライサ(4
4)に入力し、前記抵抗・容量回路(66及び68;7
2及び74;81及び83)によってフィルタリングを
施される判定フィードバックである、前記2レベル出力
(106)を形成するステップをさらに備えて成る、実
施態様8に記載の方法。
【0053】[実施態様10]エラー信号(110)に応
答して、前記抵抗・容量回路(66及び68;72及び
74;81及び83)のRC時定数を適応するように調
整し、これによって、前記抵抗・容量回路の前記応答を
変更するステップをさらに備えて成る、実施態様8また
は9に記載の方法。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いるこ
とにより、複雑さを軽減して、電力及びチップのリアル
・エステートの消費を減少させつつ、符号間干渉を低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるISIキャンセルを可能にする磁
気ディスク読み取り/書き込みアセンブリのブロック図
である。
【図2】本発明によるISIキャンセルを行うためのパ
ルス・イン及びステップ・アウト回路構成のブロック図
である。
【図3】図2の事前整形フィルタの第1の実施例として
全域通過フィルタの概要を表した図である。
【図4】図2の事前整形フィルタの第2の実施例として
微分・減算回路の概要を表した図である。
【図5】図2の判定フィードバック・フィルタの第1の
実施例の概要を表した図である。
【図6】図2の判定フィードバック・フィルタの第2の
実施例の概要を表した図である。
【図7】データ符号の間隔が十分にあいている場合の、
図2の回路構成の個々のノードにおける波形を示す図で
ある。
【図8】データ符号のトレーリングISIと図2の判定
フィードバック・フィルタの遅延パルス応答との間にお
ける整合を示す図である。
【図9】データ符号の間隔が密な場合の、図2の回路構
成の個々のノードにおける波形を示す図である。
【図10】図2の回路構成の個々の素子を調整ためのエ
ラー検出の概要を表した図である。
【図11】図2の可調整素子に関する動的エラー補正を
可能にする回路構成の概要を表した図である。
【符号の説明】
10:磁気ディスク 12:読み取り/書き込みチップ 14:薄膜ヘッド 16:スクランブラ 18:顧客データ入力 20:書き込みクロック入力 22:リセット 24:エンコーダ 26:プリ・コーダ 28:増幅器 30:アンチエイリアシング・フィルタ 32:ISIキャンセル 34:ローレンツ応答 36:適応利得回路 38:可変抵抗 40:増幅器 42:事前整形フィルタ 44:判定素子 45:インダクタンス 46:線路 47:インダクタンス 48:総和接合 49:インダクタンス 50:回路要素 51:容量 52:可変抵抗 53:抵抗 54:線路 56:総和接合 58:入力 60:判定フィードバック・フィルタ 62:パルス化出力 64:遅延 66:可変抵抗 68:容量 70:固定遅延 72:抵抗部材 74:コンデンサ部材 75:フィードバック・フィルタ 76:インダクタ部材 77:デジタル素子 78:正に向かうデータ符号 79:利得1の部材 80:負に向かうデータ符号 81:可変抵抗 82:入力 83:可変抵抗 84:整形データ符号 86:整形データ符号 88:キャンセル出力 90:判定入力 92:判定出力 94:実線 96:交番線 98:信号 100:整形出力 102:キャンセル出力 104:入力 106:パルス化出力 108:総和接合 110:線路 112:判定装置 114:パルス化出力 116:遅延素子 118:フリップ・フロップ 120:遅延素子 122:フリップ・フロップ 124:遅延素子 126:フリップ・フロップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シーケンスをなすデータ符号における符号
    間干渉を低減するための信号処理チャネルにおいて、 チャネル入力と、 前記チャネル入力に接続されて、前記チャネル入力にお
    いて受信したデータ符号の前縁における振幅遷移時間を
    減少させ、前記データ符号の後縁における振幅遷移時間
    を増加させることによって、整形出力内におけるデータ
    符号の前記前縁を鮮鋭化するための事前整形回路と、 前記事前整形回路に接続されて、前記データ符号に応答
    し、2レベル出力を発生する判定回路と、 前記判定回路への前記データ符号の入力前に、前記整形
    出力内において前記データ符号の前記後縁における指数
    減衰をキャンセルするための指数減衰フィードバック・
    フィルタであって、該フィードバック・フィルタは、前
    記2レベル出力を受信するように接続された入力と、前
    記事前整形回路と前記判定回路との間に接続されて、キ
    ャンセル出力と前記整形出力とを組み合わせるキャンセ
    ル出力とを有し、前記フィードバック・フィルタは、前
    記指数減衰キャンセルを決める抵抗・容量回路と、前記
    事前整形回路の前記整形出力に前記指数減衰キャンセル
    を導入するタイミングを決める遅延とを有する指数減衰
    フィードバック・フィルタと、 を備える成る信号処理チャネル。
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