JPH10115861A - 撮影環境情報記録機能付カメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮影時の温度、気圧等の撮影環境情報を記録
する場合に、別にメモをとる必要があり、煩雑であると
ともに、撮影した写真とその撮影環境情報との一体性が
なく、信憑性の低い写真となる。 【解決手段】 カメラに温度センサ８、気圧センサ９を
設け、撮影時の温度、気圧を検出し、ＣＰＵ２４ではこ
れから得られる温度データ、気圧データ、高度データ等
を記録部２１の発光ダイオード２８でパターン発光さ
せ、結像レンズ２６によりフィルムＦの撮影画面に一体
的に写し込む。撮影された写真に温度、気圧、高度等が
一体に写し込まれるため、別にメモをとる必要がなく、
しかも画像と撮影環境情報が一体化された写真が得られ
るために写真の信憑性が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は撮影時の環境温度、
気圧、高度、水深等の撮影環境情報を撮影画像に対応す
るようにフィルムやその他の記録媒体に記録することを
可能にしたカメラに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のカメラでは、撮影時の日時を撮影
画像の一部に写し込むことを可能にしたものが提供され
ており、撮影記録をとる上で極めて便利なものとされて
いる。近年、カメラの小型化、軽量化に伴って、種々の
スポーツやアウトドア活動にカメラを携帯することが多
くなり、その際にその活動の記録としてカメラでの撮影
を行うことも行われている。例えば、登山では登頂の記
念、あるいは証拠として写真撮影を行うことは以前から
知られている。また、その一方で種々の学術調査活動に
おいてもカメラでの撮影が行われており、例えば高山に
生息する動植物を写真撮影することが行われている。更
には、気象観測のための台風の状況を記録するための撮
影も行われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような場合に行わ
れる撮影では、その撮影した写真の信憑性を高めるため
に、その撮影時の環境温度（気温、水温）や気圧、水
圧、高度、水深等を撮影画像と共に記録しておくことが
好ましい。しかしながら、従来ではこのような撮影時の
環境情報を検出し、かつこれを記録することが可能なカ
メラは提案されていない。そのため、撮影とは別にメモ
をとり、あるいは音声で記録を行うことが余儀なくされ
ており、記録が面倒なものとなっている。また、撮影画
像と記録した撮影環境情報との対応が明確でなく、記録
された画像の信憑性に影響するということもある。

【０００４】本発明の目的は、このような従来の問題を
解消すべく、撮影と同時に撮影環境情報を記録すること
を可能としたカメラを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のカメラは、撮影
時の環境温度、気圧、水圧、高度、水深等の少なくとも
１つの撮影環境情報を検出する手段と、この撮影環境情
報検出手段で検出された撮影環境情報を撮影画像に対応
するように画像記録媒体に記録する手段とを備えること
を特徴とする。本発明の好ましい形態としては、画像記
録媒体は銀塩フィルムであり、撮影画像の一部に撮影環
境情報を写し込む構成とされる。また、撮影環境情報の
記録手段は、検出された撮影環境情報に基づいて所定の
対応するパターンで発光する発光素子と、この発光素子
の発光パターンを銀塩フィルムの一部に露光する光学系
とを備える構成とすることが好ましい。また、撮影環境
情報検出手段はカメラボディまたはカメラボディと一体
に設けられた部材の一部に配設される。さらに、撮影日
時を計時する手段を備え、前記撮影環境情報の記録手段
はこの計数された撮影日時を撮影環境情報と共に画像記
録媒体に記録する構成とすることが好ましい。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図１は本発明を銀塩フィルムを用い
るカメラに適用した一実施形態のカメラの外観図であ
る。カメラボディ１は小型でかつ薄型に形成されてお
り、その前面の中央部にはレンズ部２が配置され、被写
体を結像するための撮影光学系が内装されている。ま
た、その上側位置には透視型ファインダ３が形成されて
おり、さらにカメラボディの上面ないし側面には、レリ
ーズボタン４、メインスイッチ５、撮影環境情報選択ス
イッチ６等を含む各種スイッチが配置され、またＬＣＤ
等からなる表示部７が配置される。一方、カメラボディ
１の一側部には温度センサ８と気圧センサ９が配設され
ている。これらのセンサは、例えばカメラボディ１に微
小な開口をあけ、これらの開口内にそれぞれ温度センサ
と気圧センサを埋込し、その開口を封止や通気性材料に
より閉塞した構成が採用される。

【０００７】図２は前記カメラの背面側の内部構造の一
部を示しており、カメラボディ１には撮影画面を画成す
るためのアパーチャ１０が形成され、このアパーチャ１
０の上下両側に沿ってロール状の銀塩フィルムを案内す
るための一対の内レール１１が設けられ、さらにその外
側に一対の外レール１２が延設される。また、前記アパ
ーチャ１０の一側部には図外のフィルムパトローネを装
填するためのフィルム装填室１３が配設され、他側部に
はフィルムを巻き上げるためのスプール１４がフィルム
巻上室１５内に配設されている。一方、前記カメラボデ
ィ１にヒンジ結合されているカメラの裏蓋１６には前記
外レール１２に当接されてフィルムが移送される際のト
ンネルを画成する圧板１７が弾性支持されている。そし
て、この圧板１７の一部には前記トンネル内を移送され
るフィルムに対して撮影環境情報を記録するための、詳
細を後述する撮影環境情報記録手段２０の記録部２１が
配設されている。また、前記カメラボディ１の内レール
１１と外レール１２の間の一部には前記撮影環境情報記
録手段２０のフィルム移送量検出部２２のローラ２９が
配設されている。

【０００８】図３は前記した温度センサ８と気圧センサ
９と、前記記録部２１およびフィルム移動量検出部２２
を含む前記撮影環境情報記録手段２０のブロック構成図
である。前記温度センサ８は、例えばサーミスタで構成
され、抵抗Ｒ１を介して電源ＶＤＤに接続されており、
温度に対応して抵抗値が変化されたときに、この抵抗値
の変化が電圧変化としてＡ／Ｄ変換器２３に取り込まれ
る。また、気圧センサ９は圧電素子で構成され、同様に
抵抗を介して電源ＶＤＤに接続されており、気圧変化に
伴う抵抗値変化が電圧変化として前記Ａ／Ｄ変換器２３
に取り込まれる。そして、このＡ／Ｄ変換器２３では温
度、気圧をディジタルデータとしてＣＰＵ２４に出力す
る。

【０００９】前記ＣＰＵ２４はカメラに設けられている
ＣＰＵをそのまま利用することが可能であり、その内部
には日時を計時するタイマが含まれていることは言うま
でもない。そして、このＣＰＵ２４は前記撮影環境情報
選択スイッチ６の切替状態に応じて前記温度データ、気
圧データに基づいて演算を行う。なお、この実施形態で
は、撮影情報として撮影日時をも含んでおり、撮影環境
情報選択スイッチ６の操作により、「撮影日時」「温
度」「気圧」「高度」の１つ以上を選択することができ
る構成とされている。そして、この撮影環境情報選択ス
イッチにより撮影環境情報が選択されると、ＣＰＵ２４
は、「日時」の場合には、タイマの計時出力から日時デ
ータを、「温度」の場合には温度センサ８の出力から温
度データを、「気圧」の場合には気圧センサ９からの気
圧データをそれぞれ出力する。なお、「高度」の場合に
は、気圧センサ９からの気圧データと、予め設定されて
いる高度と気圧（大気圧）との相関関係式から高度を演
算して高度データを求める。そして、これらのＣＰＵ２
４から出力されるデータは前記記録部２１と前記表示部
７に出力され、表示部７ではこれらのデータを表示する
ことが可能とされる。

【００１０】一方、記録部２１は、図２にその一部が示
されるように、前記圧板１７に記録用ＩＣユニット２５
と、結像レンズ２６とが設けられており、ＣＰＵ２４か
らのデータが記録用ＩＣユニット２５のＩＣ２７に入力
されたときに、ＩＣ２７は発光素子（ＬＥＤ）２８を対
応する文字パターンとして発光させる。そして、この発
光されたパターンは、結像レンズ２６によりフィルムＦ
に結像され、このパターンの露光を行なう構成とされる

【００１１】また、前記したようにカメラボディ１に設
けられているフィルム移送量検出部２２は、フィルムＦ
の移送に追随して回転されるローラ２９と、このローラ
２９の回転量を計測してこれをフィルムＦの移送量とし
て検出するエンコーダ３０およびフォトインタラプタ３
１とで構成されており、フィルムＦの移送量をフォトイ
ンタラプタ３１から電気信号として検出し、この移送量
の検出データを前記ＣＰＵ２４に出力する。

【００１２】したがって、この構成の撮影環境情報記録
手段２０では、前記した撮影環境情報選択スイッチ６の
選択操作に伴って、温度センサ８、気圧センサ９の各検
出出力がＡ／Ｄ変換器２３を介してＣＰＵ２４に入力さ
れ、選択された撮影環境情報のデータがＣＰＵ２４から
表示部７及び記録部２１に出力される。これにより、表
示部７では、入力された各データをそのままＬＣＤに表
示し、撮影者は表示部を目視することで撮影環境情報と
して、日時、温度、気圧、高度を確認することが可能と
なる。

【００１３】一方、記録部２１では、記録用ＩＣユニッ
ト２５のＩＣ２７に入力された撮影環境情報のデータが
蓄積される。そして、次にＣＰＵ２４から入力される撮
影タイミング信号、すなわち撮影動作が行われたときに
出力される信号を受けたときに、蓄積されている複数の
撮影環境情報のデータのうち、最初のデータに基づいて
ＬＥＤ２８をパターン発光させる。これにより、発光さ
れたパターンは結像レンズ２６によりフィルムＦの背面
側から感光面に写し込まれる。

【００１４】次いで、図３に示されているフィルムＦを
移送するための巻上モータＭが駆動されて図２に示した
スプール１４が回動され、フィルムＦの巻き上げが開始
されると、フィルムＦの移送量は移送量検出部２２によ
り検出される。すなわち、フィルムＦの移送に伴ってロ
ーラ２９が回転され、その回転量はエンコーダ３０の回
転量としてフォトインタラプタ３１の光−電気信号とし
て取り込まれ、この電気信号をカウントし、かつ所定の
演算を行うことでフィルムＦの移送量が検出される。そ
して、ＣＰＵ２４は記録したデータ、すなわち露光した
データのパターンの１文字ピッチだけ移送されたときに
次のタイミング信号を記録用ＩＣユニット２５に出力す
る。これにより記録用ＩＣユニット２５は次のデータの
パターンをＬＥＤ２８において発光させ、これを結像レ
ンズ２６により写し込む。したがって、最初のデータの
隣りに次のデータが写し込まれる。以下、同様な動作を
繰り返すことで、選択された撮影環境情報のデータをフ
ィルムＦに順次写し込むことが可能となる。

【００１５】図４はその写し込まれたデータの一例を示
す図であり、ここでは、釣果の記録の撮影時に、撮影環
境情報選択スイッチ６により「日時」「温度」「気圧」
「高度」を同時に選択しているため、フィルムの撮影画
面の下辺に沿って、日時、温度、気圧、高度の各データ
値が写し込まれている。したがって、撮影された写真に
は、釣り時の日時のみならず、温度、気圧、高度のデー
タが写し込まれるため、撮影の信憑性を高めることが可
能となる。また、これを釣り情報として利用すれば、別
にメモをとらなくとも、撮影された写真を見るだけで、
その釣果が達成されたときの環境を認識することが可能
となる。

【００１６】ここで、カメラが防水構造の場合には、カ
メラを水中に漬けることで温度センサにより水温を検出
することも可能であり、例えば、釣りの撮影時には、そ
の釣果を示す写真にその際の水温をデータとして記録す
ることも可能である。また、この場合水圧センサを設け
ることで、撮影環境情報として水圧が記録できると共
に、水圧との関係から水深を求めてこれを記録すること
も可能である。なお、カメラが防水構造でない場合に
は、図５のように、カメラボディ１に一体に設けられて
いる三脚４０の一部に温度センサ８を設ければ、カメラ
ボディ１を水中に漬けることなく、三脚４０のみを水中
に漬ければ水温を検出し、これを記録することが可能と
なる。

【００１７】なお、前記実施形態は本発明の一例を示し
たものであり、他の撮影環境情報が要求される場合に
は、その撮影環境情報を検出するためのセンサを付設す
れば、本発明を容易に実現することが可能である。ま
た、前記実施形態では銀塩フィルムに光学的に撮影情報
を写し込んで記録を行っているが、フィルムの一部に磁
気記録層を有するフィルムを用いるカメラでは、撮影環
境情報を磁気記録することも可能である。さらに、ＣＣ
Ｄ撮像素子を用いたいわゆる電子撮影方式のカメラにお
いても、撮影環境情報を電気信号として記録し、再生し
た撮像画面に撮影環境情報を同時に表示させるように構
成することも可能である。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明のカメラは、
撮影時の環境温度、気圧、水圧、高度、水深等の少なく
とも１つの撮影環境情報を検出する手段と、この撮影環
境情報検出手段で検出された撮影環境情報を撮影画像に
対応するように画像記録媒体に記録する手段とを備えて
いるので、撮影と同時にフィルム等に撮影環境情報を記
録することができ、撮影時の温度や気圧等の前記したた
ような撮影環境情報を撮影画像と一体的に記録すること
が可能となる。これにより、撮影時に撮影環境情報のメ
モをとる等の手作業による記録作業が不要となり、撮影
に付随する煩わしさが解消されるとともに、撮影画面と
一体的に撮影環境情報が写し込まれるため、撮影画像の
信憑性を高めることができる等の、種々の利点のある撮
影を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態のカメラを前方から見た概略
斜視図である。

【図２】図１のカメラの背面側の一部を破断した斜視図
である。

【図３】本発明にかかる撮影環境情報記録手段のブロッ
ク構成図である。

【図４】本発明のカメラで撮影した写真の一例を示す図
である。

【図５】本発明の他の実施形態のカメラを前方から見た
概略斜視図である。

【符号の説明】

１ カメラボディ ２ レンズ部 ４ レリーズボタン ５ メインスイッチ ６ 撮影環境情報選択スイッチ ７ 表示部 ８ 温度センサ ９ 気圧センサ １０ アパーチャ ２０ 撮影環境情報記録手段 ２１ 記録部 ２２ フィルム移送量検出部 ２４ ＣＰＵ ２５ 記録用ＩＣユニット ２６ 結像レンズ ２７ ＩＣ ２８ ＬＥＤ ２９ ローラ ３０ エンコーダ ３１ フォトインタラプタ Ｆ フィルム Ｍ 巻上モータ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影時の環境温度、気圧、高度、水深等
   の少なくとも１つの撮影環境情報を検出する手段と、こ
   の手段で検出された撮影環境情報を撮影画像と対応する
   ように画像記録媒体に記録する手段とを備えることを特
   徴とする撮影環境情報記録機能付カメラ。
2. 【請求項２】 画像記録媒体は銀塩フィルムであり、撮
   影画像の一部に撮影環境情報を写し込む請求項１の撮影
   環境情報記録機能付カメラ。
3. 【請求項３】 撮影環境情報の記録手段は、検出された
   撮影環境情報に基づいて所定の対応するパターンで発光
   する発光素子と、この発光素子の発光パターンを銀塩フ
   ィルムの一部に露光する光学系とを備える請求項２の撮
   影環境情報記録機能付カメラ。
4. 【請求項４】 撮影環境情報検出手段はカメラボディま
   たはカメラボディと一体に設けられた部材の一部に配設
   される請求項１ないし３のいずれかの撮影環境情報記録
   機能付カメラ。
5. 【請求項５】 撮影環境情報検出手段は気圧や水圧等の
   圧力センサであり、検出された気圧や水圧から高度や水
   深を演算して求める請求項１ないし４のいずれかの撮影
   環境情報記録機能付カメラ。
6. 【請求項６】 撮影日時を計時する手段を備え、前記撮
   影環境情報の記録手段はこの計数された撮影日時を撮影
   環境情報と共に画像記録媒体に記録する請求項１ないし
   ５のいずれかの撮影環境情報記録機能付カメラ。