JPH10115344A - 免震積層ゴム体及びその製造方法並びに製造装置 - Google Patents

免震積層ゴム体及びその製造方法並びに製造装置

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JPH10115344A
JPH10115344A JP26830996A JP26830996A JPH10115344A JP H10115344 A JPH10115344 A JP H10115344A JP 26830996 A JP26830996 A JP 26830996A JP 26830996 A JP26830996 A JP 26830996A JP H10115344 A JPH10115344 A JP H10115344A
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rubber
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center
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JP26830996A
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Norio Nishikawa
典男 西川
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Toyo Tire Corp
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免震性能が安定し、外観上も優れた免震積層
ゴム体を提供する。 【解決手段】少なくとも2個の位置決めピン14を用い
て、あるいは1個の位置決めピン14の場合には、位置
決めピン自体を角形等の円形以外の断面構造とし、これ
に合わせて硬質板11およびゴム状弾性板12にも位置
決め孔17、18の数又はその形状を特定し、硬質板1
1の回転を防止して、加硫時における硬質板11の変位
を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免震積層ゴム体の
加硫時のゴムの流れによる製品の品質低下を防止し得る
製造装置及び製造方法、並びにこれによって製造された
免震積層ゴム体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】免震積層ゴム体は、建物や橋などの構造
物に使用され、地震や風などの外力を吸収して建物など
が揺れるのを抑えるためのものであるが、この免震積層
ゴム体は、一般的に複数の硬質板と複数の未加硫のゴム
状弾性板とを交互に積層し、これを金型内に装入して加
硫成形されている。
【0003】図5は従来の免震積層ゴム体の断面図であ
る。図5において、免震積層ゴム体1は、上下の金属フ
ランジ2、3間に、所望のばね定数に応じて、フランジ
2、3よりも小径の複数の金属製硬質板4と未加硫のゴ
ム状弾性板5を交互に積層して積層体を形成し、この積
層体を加硫成形して製品を得ていた。
【0004】この加硫成形方法としては、金型キャビテ
ィの中央に位置する断面円形の位置決めピン(図示せ
ず)にフランジ3を装入した後、中央に位置決め穴6、
7がそれぞれ形成されたゴム状弾性板5及び硬質板4を
交互に積層した後、さらにフランジ2を積層して、その
上から上型を装着して加硫成形を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、免震積層ゴ
ム体に使用されるゴム状弾性板は、高い反発弾性力を必
要とするため一般に天然ゴム材料が使用されているが、
天然ゴムは耐候性が低いため、通常、この積層体にクロ
ロプレンゴムなどの耐候性に優れたゴム体を巻いた状態
で加硫成形され、耐候性を良好にする工夫がなされてい
る。そのため、中間に介在される硬質板は、加硫時の金
型キャビティの径よりも小径となり、加硫時には、位置
決めピン周りに回転可能な状態となっている。
【0006】また、近年、建築構造物等の多様化によ
り、要求される免震性能も多種多様であり、これらの要
求に応じて免震積層ゴム体は、そのゴム状弾性板及び硬
質板の枚数のみならず、外形形状においても、円柱体の
みならず、多角柱体あるいは楕円柱体などのものが要求
されてきている。
【0007】このような状況下において、中央に断面円
形の位置決めピンを配置した、あるいは全く位置決めピ
ンを配置していない金型を使用して、多角柱状の積層体
を加硫した場合、中間に介在する多角形の硬質板4は、
金型キャビティよりも小さく、加えてゴム状弾性板5の
押し出し成形時の列理や上型からの締付圧力の不均衡の
ために、図6の免震積層ゴム体の平面図に示すように、
位置決めピン周りに回転して上下のフランジ2、3に対
して変位した状態となった。
【0008】このような中間硬質板4の変位状態で製品
化されると、鉛直剛性や水平剛性等の免震性能が低下す
るばかりでなく、硬質板4がゴム状弾性板5から露出し
た状態となり、外観上も好ましい状態とはいえない。
【0009】さらに、個々の硬質板は中央の位置決めピ
ン周りに回転可能であるため、複数枚の硬質板4が同一
方向に配列されるとは限らず、加硫前に硬質板を整列さ
せる必要があった。この整列作業による成型工作は、位
置決めピンがない場合に特に必要となり、作業の煩雑さ
を伴っていた。また、たとえ、加硫前に硬質板を整列さ
せたとしても、この状態で加硫すると、位置決めピン周
りに回転可能であることから、加硫時のゴムの流れによ
って、硬質板が回転し、鉛直剛性や水平剛性等の免震性
能の低下が起こるといった難点があった。
【0010】本発明は、上記に鑑み、免震性能が安定
し、また外観上も優れた免震積層ゴム体、及びこれを得
る製造装置並びに製造方法の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、従来からある位置決めピンを工夫する
ことにより加硫時における硬質板の回転を防止すること
に着眼した。すなわち、硬質板の回転防止用として、少
なくとも2個の位置決めピンを用い、あるいは1個の位
置決めピンの場合には、位置決めピン自体を角形、楕円
等の円形以外の断面構造とし、これに合わせて硬質板お
よびゴム状弾性板にも位置決め孔の数又はその形状を特
定すれば、硬質板の回転が防止でき、加硫時における硬
質板の変位を防止できることを見出した。
【0012】従って、硬質板の回転を考慮すれば、硬質
板としては、金型キャビティよりも小さいものが対象で
あることが前提であり、キャビティと同じ断面形状の硬
質板では回転することがないので本発明からは除外され
る。また、硬質板の回転防止という観点から、加硫時に
金型を使用しない方式であっても本発明が適用できる。
さらに、硬質板の材料としては、一般的に使用される鋼
板のみならず、その他の金属、セラミック、プラスチッ
ク、FRP等の所定の剛性を有するもののすべてを含む
ことができる。
【0013】また、ゴム状弾性板は、硬質板と積層する
段階で未加硫状態であることが前提となるが、その材料
としては、例えば、反発弾性力の大なる天然ゴムのみな
らず、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタ
ジエンゴム、ニトリルゴムなどの各種ゴムを使用するこ
とができる。これらの材料は単独でも二種以上ブレンド
したものであってもよい。さらに、ゴム状弾性板は、硬
質板の回転を防止する観点から考察すれば、硬質板と同
形又はこれよりも大きいものであってもよい。
【0014】さらに、積層ゴム体の形状としては、円柱
体であっても、三角柱、四角柱、六角柱等の多角柱体で
あっても、硬質板の回転を防止する観点からは、どのよ
うな形状であっても本発明を適用できる。ただ、円柱体
の場合は、中央に1本の位置決めピンを配置する構造を
採用すれば、硬質板が回転してもフランジ等に対する変
位は起こらないことになるので、本発明を適用する意味
はあまりない。
【0015】本発明に特に有意義な積層体は、断面が多
角形、楕円形等、すなわち、断面の中心からその断面の
輪郭の一点までの距離が、その断面の中心から輪郭の他
の点までの距離と相違する形状のものに適用すれば最良
の結果が得られることになる。また、これに対応する硬
質板及びゴム状弾性板も同様な形状が有意義である。
【0016】また、積層体としては、図3に示すよう
に、中間に介在する硬質板よりも大径のフランジが付設
されたものに限定されず、フランジが硬質板と同形のも
の、すなわち、同形の硬質板のみからなるものであって
も本発明を適用できる。
【0017】さらに、ゴム状弾性板の加硫時に金型位置
決め用として2個以上の位置決めピンを使用する場合、
位置決めピンの断面形状が円形であっても硬質板の回転
が規制されるので、その断面形状はどのような形状であ
ってもよい。ただ、1個の位置決めピンのみによって硬
質板の回転を規制する場合には、円形以外の形状、例え
ば、多角形、楕円形あるいはDカット断面など、断面形
状が、孔中心からその外周孔壁の一点までの距離が、前
記孔中心から前記孔壁の他の点までの距離と相違する形
状であることが必要である。
【0018】この場合、位置決めピンによって位置決め
される積層体の貫通孔の断面形状も位置決めピンによっ
て回転が規制される形状であればよく、特に位置決めピ
ンの断面形状に対応した形状・大きさであるのが好まし
い。従って、積層体の貫通孔を構成するゴム状弾性板及
び硬質板の位置決め孔の形状は、両者ともに貫通孔の断
面形状と同形状であるのが好ましいが、硬質板の回転防
止を主眼としていることから、少なくとも硬質板の位置
決め孔が貫通孔と同形状であればよく、ゴム状弾性板の
位置決め孔については、硬質板の位置決め孔と同形ある
いはそれ以上の大きさであっても差し支えない。
【0019】なお、硬質板の回転防止に伴う積層ゴム体
の性能維持を考慮すれば、本発明は、積層ゴム体であれ
ば、「免震」のみならず、これと機能的に共通する、建
物に入った力を吸収し揺れを抑える「制振」用、振動を
伝えないようにする「除振」用、及び、機械的振動など
を吸収する「防振」用の積層ゴム体にも適用できること
は勿論である。
【0020】以上の観点から、本発明に係る免震積層ゴ
ム体は、複数の硬質板と複数のゴム状弾性板とが交互に
積層された積層体であって、この断面の中心からこの断
面の輪郭の一点までの距離が、前記断面の中心から前記
輪郭の他の点までの距離と相違する積層体において、前
記積層体の積層方向に少なくとも2個の貫通孔が形成さ
れたことを特徴とするものである。
【0021】この2個の貫通孔が金型内の位置決めピン
から抜き出されたものであれば、硬質板の変位が防止さ
れた積層体となり、鉛直剛性及び水平剛性等の所望の性
能が確保された免震積層ゴム体を提供できることにな
る。なお、この場合の貫通孔は、少なくとも2個である
ので、2個に限らず、3個以上の貫通孔が形成されたも
のであってもよいことになる。また、積層体の具体的な
横断面形状としては、四角形、五角形、六角形等の多角
形や楕円形が提示できる。
【0022】また、本発明に係る免震積層ゴム体は、積
層体の積層方向に貫通孔が形成され、この貫通孔は、そ
の断面形状が、孔中心からその外周孔壁の一点までの距
離が、前記孔中心から前記孔壁の他の点までの距離と相
違する形状である免震積層ゴム体を特徴とするものであ
り、この貫通孔が位置決めピンを装着するためのもので
ある場合、硬質板の変位が防止された積層体となり、鉛
直剛性及び水平剛性等の所望の性能が確保されることに
なる。この貫通孔の具体的形状としては、図4に示す角
形形状や楕円形あるいはD形のカット形状等が提示でき
る。なお、この貫通孔に合わせた位置決めピンの具体的
な断面形状も、角形形状や楕円形あるいはDカット形状
等が提示できる。
【0023】また、本発明に係る免震積層ゴム体の製造
方法は、複数の硬質板と複数のゴム状弾性板とを交互に
積層した積層体であって、その断面の中心から前記断面
の輪郭の一点までの距離が、前記断面の中心から前記輪
郭の他の点までの距離が相違する積層体を金型内で加硫
する工程において、前記積層体の積層方向に形成された
少なくとも2個の貫通孔に、それぞれ位置決めピンを貫
通して加硫成形することを特徴とするものである。
【0024】この製造方法を採用すれば、2個の位置決
めピンを用いているから、加硫時に硬質板がピン周りに
回転するのを防止でき、免震性能の低下を防止できると
ともに、硬質板の露出が防止できるので外観的にも優れ
た免震積層ゴム体が提供できることになる。
【0025】この場合の製造方法として、位置決めピン
を金型内に設置してから硬質板及びゴム状弾性体を挿入
する方法と、硬質板及びゴム状弾性体を金型内に挿入し
てから位置決めピンを挿入する方法のいずれをも採用で
きる。
【0026】さらに、本発明に係る免震積層ゴム体の製
造装置は、複数の硬質板と複数のゴム状弾性板とを交互
に積層した積層体であって、その断面の中心から前記断
面の輪郭の一点までの距離が、前記断面の中心から前記
輪郭の他の点までの距離が相違する積層体を挿入可能な
キャビティを有する金型と、該金型内で前記ゴム状弾性
板を加硫するための加硫手段と、前記金型の内部に配置
された位置決めピンとを備え、位置決めピンが、前記積
層体の積層方向に形成された少なくとも2個の貫通孔に
対応して少なくとも2個配置されたことを特徴とするも
のである。
【0027】この製造装置によって製造された免震積層
ゴム体は、加硫時に2個の位置決めピンによって硬質板
の回転が規制されているので、ゴム状弾性板の加硫時お
けるゴムの流れに伴って回転することもなく、成形後に
ゴム状弾性板から変位することがなくなり、所望の免震
性能が得られる。また、この2個の位置決めピンに硬質
板及びゴム状弾性板をセットする場合においても、両者
が同一方向に整列されるため、従来のように加硫前の整
列作業を行う必要がなくなるといった利点がある。ま
た、位置決めピンは、少なくとも2個配置するので、そ
の横断面形状が円形のものであってもよく、これに合わ
せてゴム状弾性板及び硬質板の位置決め孔も円形のもの
を採用することができる。そうすると、1個の位置決め
ピンを用いた場合のように、角形の位置決め孔を明ける
必要がない分、これらの孔明け作業も容易に行える利点
がある。
【0028】さらに、加硫手段は、ヒーター加熱のみな
らず、スチーム加熱、温水加熱等を含む概念である。ま
た、位置決めピンは、積層体を貫通する必要があるた
め、少なくともキャビティの高さに相当する長さが必要
となるが、加硫成形する際に移動を防止する意味からも
下型及び上型に係止できる程度の長さであることが望ま
れる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係る免震積層ゴ
ム体の製造装置の断面図、図2は免震積層ゴム体の平面
図、図3は免震積層ゴム体の断面図である。
【0030】図2及び図3のごとく、免震積層ゴム体1
0は、複数の硬質板11と複数のゴム状弾性板12とが
交互に積層された積層体13であって、この断面の中心
からこの断面の輪郭の一点までの距離が、前記断面の中
心から前記輪郭の他の点までの距離と相違する、すなわ
ち、本実施の形態では断面矩形のものである。そして、
この積層体13の積層方向に金型内の2個の位置決めピ
ン14を挿入可能な断面円形の貫通孔15が形成された
ものである。
【0031】硬質板11は、矩形の金属鋼板から構成さ
れており、加硫用金型16内の位置決めピン14の円形
断面形状に合わせて、その径と同径又はわずかに大きい
径の2個の断面円形の位置決め孔17が形成されてい
る。
【0032】ゴム状弾性板12は、反発弾性力の大なる
天然ゴムを素材とした矩形のゴム板から構成されてお
り、加硫用金型16内の位置決めピン14の円形断面形
状に合わせて、その径と同径又はわずかに大きい径の2
個の断面円形の位置決め孔18が形成されている。ゴム
状弾性板12の大きさは、硬質板と同形あるいはそれよ
りもわずかに大形に形成されている。
【0033】さらに、硬質板11とゴム状弾性板12の
積層体13の上下部には、硬質板11よりも大形の矩形
断面の鋼板製フランジ19、20が積層され、硬質板1
1、ゴム状弾性板12及びフランジ19、20が一体と
なって積層体13が構成されている。フランジ19、2
0は、建物などの場合、基礎と上方の構造物とに夫々ボ
ルト締めして固定するために硬質板11に比べて肉厚に
形成されるとともにボルト孔(図示せず)が適宜形成さ
れ、さらに、加硫用金型16内の位置決めピン14の円
形断面形状に合わせて、その径と同径又はわずかに大径
の2個の位置決め孔21が形成されている。
【0034】また、硬質板11とゴム状弾性板12との
積層部の側面外周には、ゴム状弾性板12の劣化を防止
するために、耐候性に優れたクロロプレンゴムからなる
被覆ゴム板22が巻き付けられており、これら硬質板1
1、ゴム状弾性板12、被覆ゴム板22及びフランジ1
9、20は、金型14内での加硫成形により一体化され
ている。なお、硬質板11及びゴム状弾性板12及びフ
ランジ19、20の積層面に予め接着剤を塗布しておく
と、加硫成形時の一体接着性もさらに向上させることが
できる。
【0035】従って、硬質板11、ゴム状弾性板12及
びフランジ19、20が一体化された積層体13は、そ
の積層方向に2個の貫通孔15が形成された直方体(四
角柱)形状とされている。なお、積層体13の形状とし
ては、これ以外に、断面が多角形、楕円形等、すなわ
ち、断面の中心からその断面の輪郭の一点までの距離
が、その断面の中心から輪郭の他の点までの距離と相違
する形状のものであってもよい。
【0036】次に、この免震積層ゴム体10の製造装置
について説明すると、この製造装置25は、積層体13
を挿入可能なキャビティ26を有する金型16と、該金
型内で前記ゴム状弾性板12を加硫するための加硫手段
27と、前記金型16の内部に配置された2個の位置決
めピン14とを備えている。
【0037】金型16は、上型30及び下型31と、上
下の型30、31間に介在された筒状の側面型32とか
ら構成されている。また、上型30及び下型31には、
位置決めピン14の上下端部を嵌合するための2個の係
止孔34が夫々貫通形成されている。
【0038】前記各位置決めピン14は、上型30及び
下型31の係止孔34に上下端部が嵌合係止される長さ
のものであって、本実施の形態では、断面円形に形成さ
れており、また、加硫時に上下に移動しないように、そ
の上下端部が前記係止孔34に嵌合可能な小径断面形状
とされている。
【0039】側面型32には、加硫手段としてバンドヒ
ータ27が積層体の外周側面を囲むように配置されてお
り、この内部にコイル状のシーズヒータ35が埋設され
ている。また、この側面型32と上下型30、31とで
囲まれたキャビティ26は、積層体13の形状に合わせ
て四角柱状に形成されている。
【0040】なお、免震積層ゴム体10の鉛直剛性及び
水平剛性を所望の値にするための一手段として、硬質板
11及びゴム状弾性板12の積層枚数を少なくする場合
があるが、この場合には、積層体13と上型30との間
に生じた空間はスペーサ(図示せず)を適宜介在すれば
よい。
【0041】次に、この製造装置25を使用して免震積
層ゴム体10を製造する方法を説明すると、まず、上型
を開放した状態で2個の位置決めピン14を下型31上
に立てて、上方よりフランジ20を位置決めピン14に
装入した後、被覆ゴム板22を側面型32の内面に沿う
ように装入する。その後、フランジ20の上面にゴム状
弾性板12及び硬質板11を位置決めピン14を通して
交互に所望枚数積層し、次に、この積層体13の上側に
フランジ19を積層する。
【0042】そして、上型30を被せて密封するととも
に、この積層体13を上下の加圧盤(図示せず)で上下
から加圧し、さらに、シーズヒータ35により加熱する
ことにより、積層体13のゴム状弾性板12及び側面の
被覆ゴム板22を加硫して、積層体13を一体化する。
【0043】この加硫時に、ゴム状弾性板12は、未加
硫ゴム状弾性板の押し出し成型時の列理や上下方向の加
圧力の不均衡により流動する傾向にある。一方、硬質板
11は上下方向からの加圧力などにより密着しているた
め、ゴム状弾性板12のゴムの流れに追随して位置決め
ピン14周りに回転変位しようとする傾向にあるが、位
置決めピン14が2本立設されているため、硬質板11
の回転が規制されることになり、加硫後であっても硬質
板11が未加硫状態と同様な位置を保持することにな
る。
【0044】加硫後の積層体13は、上型30を取り外
して位置決めピン14ごと引き出した後、位置決めピン
14を抜き出すか、位置決めピン14を残したまま引き
出す方法のいずれかを採用すれば、2個の断面円形の貫
通孔15が積層方向に形成された免震積層ゴム体10が
成形される。
【0045】図4は本発明の第2の実施の形態を示す免
震積層ゴム体10の平面図である。この実施の形態で
は、硬質板11の加硫時の回転を防止するために、位置
決め用の貫通孔15の断面形状を角形にしたものであ
る。従って、この角形の貫通孔15の形状に合わせて、
硬質板11及びゴム状弾性板12の位置決め孔17、1
8並びに位置決めピン14の断面形状も角形に形成され
ている。
【0046】このような断面形状を採用すれば、積層体
13の加硫時において、硬質板11に位置決めピン14
周りに回転モーメントが作用しても、位置決めピン14
の角部でその回転を規制するため、硬質板11が回転す
るのを抑制することができる利点がある。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、少なくとも2個の位置決めピンを用い、あるい
は1個の位置決めピンの場合には、位置決めピン自体を
角形等の円形以外の断面構造とし、これに合わせて硬質
板およびゴム状弾性板にも位置決め孔の数又はその形状
を特定すれば、硬質板の回転が防止でき、加硫時におけ
る硬質板の変位を防止できることができる。
【0048】従って、本発明に係る製造方法並びに製造
装置を使用して免震積層ゴム体を製造すると、鉛直剛性
や水平剛性等の免震性能が安定し、また、硬質板が積層
体が露出することがなくなり、外観的にも優れた免震積
層ゴム体を提供することができる。さらには、硬質板を
金型装入時から所定位置に確保できるため、1本の断面
円形の位置決めピンを使用する場合や全く位置決めピン
を使用しない場合に比べて、加硫前に硬質板及びゴム状
弾性板を整列させるといった成型工作を削減できる利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る免震積層ゴム体の製造装置の断面
【図2】免震積層ゴム体の平面図
【図3】免震積層ゴム体の断面図
【図4】本発明の第2の実施形態を示す免震積層ゴム体
の平面図
【図5】従来の免震積層ゴム体の断面図
【図6】同じくその加硫後の免震積層ゴム体の平面図
【符号の説明】 10 免震積層ゴム体 11 硬質板 12 ゴム状弾性板 13 積層体 14 位置決めピン 15 貫通孔 16 金型 19、20 フランジ 22 被覆ゴム板 25 製造装置 26 キャビティ 27 バンドヒータ 30 上型 31 下型 32 側面型 33 断熱材 35 シーズヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04H 9/02 331 E04H 9/02 331A // B32B 15/06 B32B 15/06 A B29K 21:00 105:24 B29L 9:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の硬質板と複数のゴム状弾性板とが
    交互に積層された積層体であって、この断面の中心から
    この断面の輪郭の一点までの距離が、前記断面の中心か
    ら前記輪郭の他の点までの距離と相違する積層体におい
    て、前記積層体の積層方向に少なくとも2個の貫通孔が
    形成されたことを特徴とする免震積層ゴム体。
  2. 【請求項2】 複数の硬質板と複数のゴム状弾性板とが
    交互に積層された積層体であって、この断面の中心から
    この断面の輪郭の一点までの距離が、前記断面の中心か
    ら前記輪郭の他の点までの距離と相違する積層体におい
    て、前記積層体の積層方向に貫通孔が形成され、この貫
    通孔は、その断面形状が、孔中心からその外周孔壁の一
    点までの距離が、前記孔中心から前記孔壁の他の点まで
    の距離と相違する形状であることを特徴とする免震積層
    ゴム体。
  3. 【請求項3】 前記貫通孔が、積層体加硫用金型の位置
    決めピン挿入用孔である請求項1又は2記載の免震積層
    ゴム体。
  4. 【請求項4】 複数の硬質板と複数のゴム状弾性板とを
    交互に積層した積層体であって、その断面の中心から前
    記断面の輪郭の一点までの距離が、前記断面の中心から
    前記輪郭の他の点までの距離と相違する積層体を金型内
    で加硫する工程において、 前記積層体の積層方向に形成された少なくとも2個の貫
    通孔に、それぞれ位置決めピンを貫通して加硫成形する
    免震積層ゴム体の製造方法。
  5. 【請求項5】 複数の硬質板と複数のゴム状弾性板とを
    交互に積層した積層体であって、その断面の中心から前
    記断面の輪郭の一点までの距離が、前記断面の中心から
    前記輪郭の他の点までの距離と相違する積層体を挿入可
    能なキャビティを有する金型と、 該金型内で前記ゴム状弾性板を加硫するための加硫手段
    と、 前記金型の内部に配置された位置決めピンとを備え、 前記位置決めピンが、前記積層体の積層方向に形成され
    た少なくとも2個の貫通孔に対応して少なくとも2個配
    置されたことを特徴とする免震積層ゴム体の製造装置。
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