JPH10115328A - クラッチ付きモータ - Google Patents

クラッチ付きモータ

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JPH10115328A
JPH10115328A JP30410096A JP30410096A JPH10115328A JP H10115328 A JPH10115328 A JP H10115328A JP 30410096 A JP30410096 A JP 30410096A JP 30410096 A JP30410096 A JP 30410096A JP H10115328 A JPH10115328 A JP H10115328A
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JP
Japan
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clutch
motor
gear
output shaft
cylindrical portion
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JP30410096A
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English (en)
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Michio Yamamoto
道雄 山本
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HIGASHIFUJI MANUF Ltd
Original Assignee
HIGASHIFUJI MANUF Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡易で部品点数の低減化を図ることが
できるとともに、組立が容易で、かつクラッチの着脱ト
ルクを自由に選択することができるクラッチ付きモータ
を得る。 【解決手段】 クラッチ機構が設けられた出力軸20
が、被駆動部材と係合するとともに第1のクラッチ21
が形成された軸部材23と、外周に減速歯車列と歯合す
る歯車24が形成されるとともに第2のクラッチ25が
形成された歯車部材26とを有してなり、第1のクラッ
チ21には、少なくとも一の軸線方向に延びる切欠き部
29が形成されて径方向への可撓性が付与された円筒部
30と、この円筒部30の外面から突出する少なくとも
一の凸部31とが一体的に形成され、かつ第2のクラッ
チ25には、円筒部が摺動自在に係合する孔部32が形
成されるとともに、この孔32部の内壁に凸部31が係
合する溝部33が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、減速歯車列を構成
する歯車にクラッチ機構が設けられたモータに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、エアーコンディショナー
のルーバの開閉駆動装置、あるいは自動開閉弁や電子レ
ンジのターンテーブル等の各種回転装置における駆動装
置として、モータの出力軸に減速歯車列が組込まれた減
速機構付きモータが広く用いられている。ところで、こ
の種の減速機構が組込まれたモータにあっては、通常上
記モータを駆動して弁軸を回転させたり、あるいはター
ンテーブルを回転させたりするものであるものの、時と
して操作者が、上記モータの停止中に強制的に手動で当
該弁を開閉したり、またはターンテーブルを回転させた
り等することがある。このような際に、これらの回転操
作が緩やかに行なわれる場合には、上記モータの減速機
構の出力軸から逆に減速歯車列が回転してモータのロー
タが空回転するものの、上記回転を急激に行なうと、減
速歯車列に通常の駆動トルク以上の過度の回転トルクが
作用して、上記減速歯車列を構成する歯車の損傷を招く
という問題点がある。
【0003】そこで、従来よりこの種の減速機構付きモ
ータにあっては、通常減速歯車列の出力軸に、外部から
当該出力軸に強制的かつ急激な回転トルクが作用した際
に、スリップを生じて、モータのロータ側への回転トル
クの伝達を遮断するクラッチ機構が設けられている。図
10および図11は、従来のこの種のクラッチ付きモー
タを示すものである。これらの図において、このクラッ
チ付きモータは、有底円筒状のケーシング1の底部に、
コイル2が巻回されたボビン3内に永久磁石を有するロ
ータが回転自在に設けられた周知のモータ5が組込ま
れ、このモータ5上に配設された中蓋6上に、上記ロー
タの歯車4と歯合する複数の歯車からなる減速歯車列7
が組込まれたものである。ここで、上記歯車は、それぞ
れ中蓋6に立設されたピン6aに回転自在に支承されて
おり、一方にピニオンが形成され、かつ他方により大径
のスパーギアが形成されている。そして、各歯車は、そ
のスパーギアをモータ5側に隣接する歯車のピニオンに
歯合させ、かつそのピニオンを減速歯車列7の出力軸1
1側に隣接する歯車のスパーギアに歯合させて配列され
ている。さらに、スパーギア12のみを有する最終段の
歯車9は、その出力軸11をケーシング1を塞ぐ蓋(図
示を略す。)の開口部から突出させて設けられている。
そして、この最終段の歯車9に、上述したクラッチ機構
が設けられている。
【0004】この歯車9は、図11に示すように、金属
製の上記出力軸11と、合成樹脂によって成形されたス
パーギア12と、金属製の円板部材からなる2枚の摩擦
板13との4つの部品によって構成されたものである。
この出力軸11の一端部には、その両側面が切り欠かれ
て図示されないターンテーブル等の被駆動部材の回転軸
と一体的に係合するキー部11aが形成されており、多
端部にその一側部が切り欠かれたギア取付部11bが形
成されている。そして、このギア取付部11bに、上記
スパーギア12を間に挟んで一対の摩擦板13、13が
取付けられている。ここで、上記ギア取付部11bが挿
通される摩擦板13の孔部は、当該ギア取付部11bの
外形と一致する非円形に形成されており、上記摩擦板1
3、13は出力軸11と一体的に回転するようになって
いる。
【0005】他方、上記スパーギア12の孔部は円形に
形成されており、これにより上記スパーギアは、ギア取
付部11bに回転自在に外装されている。このスパーギ
ア12の軸線方向両端面の外周側には、それぞれ円環状
の凸部12aが形成されている。そして、上記スパーギ
ア12は、上記摩擦板13、13に挟持された状態で、
一方の摩擦板13の中央部13aが他方の摩擦板13側
に向けて加締められることにより、当該摩擦板13と凸
部12aとの間の摩擦力によってその自由な回転が拘束
された状態で、上記摩擦板13、13を介して出力軸1
1のギア取付部11bに取付けられている。そして、上
記出力軸11における上記摩擦板13および凸部12a
が形成されたスパーギア12によって、このクラッチ付
きモータにおけるクラッチ機構が構成されている。
【0006】上記構成からなる従来のクラッチ付きモー
タにあっては、モータ5を駆動させた際には、その回転
トルクが減速歯車列7を介して最終段の歯車9のスパー
ギア12に伝えられ、その凸部12aおよび摩擦板13
との間の摩擦力によって出力軸11が一体に回転するこ
とにより、リンクを介したルーバの開閉駆動や、弁軸や
ターンテーブル等の回転駆動を行なうようになってい
る。また、例えばモータ5が停止状態にある時に、ルー
バ等を手動でゆっくり開閉する場合のように、外部から
出力軸11に非常にゆっくりな回転が加わった場合に
は、出力軸11と一体に回転する摩擦板13とスパーギ
ア12の凸部12aとの間の摩擦力によって、上記スパ
ーギア12も一体に回転し、この回転が減速歯車列7を
介してロータの歯車4に伝えられ、上記ロータが空回転
するようになっている。そして、上記ルーバ等を急激に
開閉した場合のように、外部から上記出力軸11に急激
に上記駆動時の回転トルクよりも大きな回転トルクが作
用した場合には、摩擦板13と凸部12aとの間でスリ
ップが生じ、この結果モータ5のロータ側への回転が遮
断されて減速歯車列7における歯車の損傷を防止するよ
うになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような、従来のク
ラッチ付きモータにあっては、摩擦板13の加締め力が
弱いと、通常のモータ5による回転駆動時においても凸
部12aと摩擦板13との間でスリップが生じるおそれ
があり、他方上記加締め力が強過ぎると、逆に外部から
大きな回転トルクが作用した場合にも、摩擦板13と凸
部12aとの間のクラッチ機構が円滑に作用しないで歯
車の損傷を招くという問題点が生じてしまう。このた
め、上記摩擦板13に対する最適な加締め力を見出す作
業に手間を要して面倒であるとともに、その組立にも多
くの手間を要して生産性に劣るという問題点があった。
加えて、上記クラッチ機構を構成するために、スパーギ
ア12に加えて追加的な部品である金属製の摩擦板1
3、13を必要とするために、構造が複雑化するととも
に、部品点数が増加して部品管理の煩雑さと製造単価の
上昇とを招いてしまうという問題点があった。
【0008】本発明は、上記従来のクラッチ付きモータ
が有する課題を有効に解決すべくなされたもので、構造
が簡易で部品点数の低減化を図ることができるととも
に、組立が容易で、かつクラッチの着脱トルクを自由に
選択することができるクラッチ付きモータを提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係るクラッチ付きモータは、クラッチ機構が設けられ
た出力軸が、被駆動部材と係合するとともに第1のクラ
ッチが形成された軸部材と、外周に上記減速歯車列と歯
合する歯車が形成されるとともに第2のクラッチが形成
された歯車部材とを有してなり、さらに上記第1のクラ
ッチには、少なくとも一の軸線方向に延びる切欠き部が
形成されて径方向への可撓性が付与された円筒部と、こ
の円筒部の外面から突出する少なくとも一の凸部とが一
体的に形成され、かつ上記第2のクラッチには、上記円
筒部が摺動自在に係合する孔部が形成されるとともに、
この孔部の内壁に上記凸部が係合する溝部が形成されて
いることを特徴とするものである。ここで、請求項2に
記載の発明は、上記第1のクラッチの円筒部に、2条の
軸線方向に延びる切欠き部が形成されており、かつ分割
された各円筒部の外周には、複数の上記凸部が周方向に
形成されていることを特徴とするものであり、さらに請
求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の
第1のクラッチの内周側に、上記円筒部を第2のクラッ
チ側に向けて付勢する付勢部材が配設されていることを
特徴とするものである。
【0010】請求項1〜3のいずれかに記載のクラッチ
付きモータにおいては、クラッチ機構が設けられた減速
歯車列の出力軸が、軸部材の第1のクラッチにおける円
筒部を、歯車部材の第2のクラッチにおける孔部に係合
させ、第2のクラッチの溝部に第1のクラッチの凸部を
嵌合させることにより一体化されたものであるので、モ
ータを駆動させた場合や、外部から出力軸に非常にゆっ
くりとした回転が加わった場合には、第2のクラッチの
溝部に第1のクラッチの凸部が嵌合した上記軸部材と歯
車部材とが一体に回転することにより、その回転が当該
出力軸あるいは逆にモータ側に伝えられる。そして、外
部から上記減速歯車列の出力軸の軸部材に、急激に過度
の回転トルクが作用した場合には、これと一体化してい
る歯車部材は、減速歯車列を介してモータのロータ側に
連結されていて上記回転トルクに対して抗するため、こ
の結果上記軸部材の第1のクラッチにおける可撓性を有
する上記円筒部が上記抵抗に追従できずに内方に撓ん
で、その凸部が歯車部材側の第2のクラッチの溝部から
外れる。これにより、第1のクラッチと第2のクラッチ
との間でスリップが生じてモータのロータ側への回転が
遮断され、減速歯車列における歯車の損傷が防止され
る。
【0011】この際に、請求項3に記載のクラッチ付き
モータにおいては、第1のクラッチの内周側に、上記円
筒部を第2のクラッチ側に向けて付勢する付勢部材を配
設しているので、上記付勢部材の形状や材質あるいは個
数等を適宜選択してその付勢力を変化させることによ
り、モータ自体の駆動トルクや、減速歯車列における歯
車強さ等の各種の使用条件に応じて、外部から過度の回
転力が作用した場合における上記第1のクラッチおよび
第2のクラッチの着脱トルクを自由に調整することが可
能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1および図2は、本発明に係るクラ
ッチ付きモータの第一の実施形態における要部を示すも
ので、その他の構造については、図10に示したものと
同様であるために、説明中に同一符号を用いてその説明
を省略する。このクラッチ付きモータにおいては、図1
0に示した減速歯車列7の出力軸11に代えてクラッチ
機構が設けられた出力軸20が配設されている。図1お
よび図2に示すように、このクラッチ機構が設けられた
出力軸20は、第1のクラッチ21が形成された軸部材
23と、外周に上記減速歯車列7の最終段の歯車と歯合
するスパーギア(歯車)24が形成されるとともに第2
のクラッチ25が形成された歯車部材26と、Oリング
(付勢部材)27とから構成されたもので、上記軸部材
23および歯車部材26は、各々POM(ポリオキシメ
チレン)等のエンジニアリングプラスチックによって一
体に成形されている。
【0013】ここで、軸部材23は、中心部に中蓋6に
立設されたピン6aが挿通される孔部28が穿設された
円柱状の部材で、その上端部には、ターンテーブル等の
被駆動部材の回転軸と一体的に係合するキー部23aが
形成されている。そして、この軸部材23の中央下部
に、第1のクラッチ21の円筒部が形成されている。こ
の円筒部は、軸部材23の外周を囲繞するようにして一
体に形成されており、軸線方向に延びる4条の切欠き部
29…が円周方向に等間隔をもって形成されることによ
り、それぞれ径方向に可撓性を有する4本の可撓部30
…に分割されている。そして、各可撓部30の下部外面
には、これから突出する凸部31が形成されている。さ
らに、上記軸部材23の外周と円筒部の内周との間に、
上記Oリング27が介装されており、このOリング27
によって、可撓部30…はそれぞれ外方に向けて付勢さ
れている。
【0014】他方、上記第2のクラッチ25は、歯車部
材26の中心部に穿設されて上記第1のクラッチ21の
円筒部が摺動自在に係合する孔部32と、この孔部32
の内壁に形成されて各々上記凸部31が係合する溝部3
3とから構成されたものである。そして、上記出力軸2
0は、その軸部材23の可撓部30を歯車部材26の孔
部32に係合させた状態で、各可撓部30の凸部31を
孔部32の溝部33内に嵌入させることにより一体に組
立られている。以上の構成からなる出力軸20は、孔部
28に挿入されたピン6aによって中蓋6に回転自在に
配設されるとともに、歯車部材26のスパーギア24を
上記減速歯車列7の最終段の歯車と歯合させ、その軸部
材23のキー部23aをケーシング1を塞ぐ蓋の開口部
から突出させた状態で、上記ケーシング1内に組込まれ
ている。
【0015】上記構成からなるクラッチ付きモータにお
いては、減速歯車列の出力軸20が、軸部材23の第1
のクラッチ21における可撓部(円筒部)30を、歯車
部材26の第2のクラッチ25における孔部32に係合
させ、かつ第2のクラッチ25の溝部33に第1のクラ
ッチ21の凸部31を嵌合させることにより一体化され
たものであるので、通常のモータを駆動した状態におい
ては、上記溝部33と凸部31とが嵌合して一体化され
た軸部材23と歯車部材26とによって出力軸20が一
体に回転することにより、リンクを介してルーバを開閉
駆動したり、あるいは弁軸やターンテーブル等を回転駆
動する。また、例えばモータ5が停止状態にある時に、
上記ルーバを手動でゆっくりと開閉する場合のように、
外部から出力軸20に非常にゆっくりとした回転が加わ
った場合にも、同様にして上記軸部材23および歯車部
材26が一体に回転するために、出力軸20の回転が上
記減速歯車列7を介してロータの歯車4に伝えられて上
記ロータが空回転する。
【0016】そして、外部から上記出力軸20に急激に
上記駆動時の回転トルクよりも大きな回転トルクが作用
した場合には、歯車部材26のスパーギア24が減速歯
車列7を介してモータのロータ側に連結されていて上記
回転トルクに対して抗するため、この結果上記軸部材2
3の第1のクラッチ21における可撓部30が上記抵抗
に追従できずに、Oリング27の付勢力に抗して内方に
撓んで、その凸部31が歯車部材26側の溝部33から
外れる。これにより、第1のクラッチ21と第2のクラ
ッチ25との間でスリップが生じて、モータのロータ側
への回転が遮断され、減速歯車列7における歯車の損傷
が防止される。
【0017】したがって、上記クラッチ付きモータによ
れば、クラッチ機構を有する出力軸20を、プラスチッ
クによって一体成形された軸部材23と歯車部材26と
の2つの部材を係合させ、かつ軸部材23の第1のクラ
ッチ21に安価で汎用なOリング27を介装することに
よって構成することができるため、従来のものと比較し
て、構造が極めて簡易であるとともに、部品点数を減少
させて製造単価の低減化を図ることができる。加えて、
軸部材23のキー部23a側から歯車部材26を外装し
て、凸部31を溝部33内に嵌合させるのみで組立るこ
とができるため、組立も一層容易で熟練を要することが
無く、しかも常に一定のクラッチ着脱トルクを得ること
ができる。
【0018】また、クラッチの着脱トルクをより小さく
設定したい場合には、上記Oリング27を省略すること
もでき、逆に図3に示す変形例のように、軸部材23の
外周と可撓部(円筒部)30との間に2本のOリング2
7、27を介装すれば、軸部材23および歯車部材26
の構造を変えることなく、上記可撓部30に対する付勢
力、換言すればクラッチの着脱トルクを一層高めること
ができるという利点もある。さらに、可撓部30の付勢
部材としては、上述したOリング27に限らず、図4の
(a) 〜(c) に示すように、ゴム製の円筒状のOリング3
5、あるいは金属製や合成樹脂製等の開環リング状の板
バネ36や開環円筒状のバネ37等の各種の汎用部材が
適用可能である。このように、上記付勢部材の形状や材
質あるいは個数等を適宜選択してその付勢力を変化させ
ることにより、モータ5自体の駆動トルクや、減速歯車
列7における歯車強さ等の各種の使用条件に応じて、外
部から出力軸20に過度の回転力が作用した場合におけ
る上記第1のクラッチ21および第2のクラッチ25の
着脱トルクを自由に調整することができる。
【0019】(実施の形態2)図5〜図9は、本発明に
係るクラッチ付きモータの第二の実施形態における要部
を示すもので、上述した第一の実施形態と同様にその他
の構造については、図10に示したものと同様であるた
めに、説明中に同一符号を用いてその説明を省略する。
また、図1および図2に示した第一の実施形態と同一構
成部分についても同一符号を付してその説明を簡略化す
る。このクラッチ付きモータにおいては、軸部材23中
央下部に形成された第1のクラッチ21の円筒部に、軸
線方向に延びる2条の切欠き部40…が円周方向に対向
して形成され、これにより上記円筒部は、それぞれ径方
向に可撓性を有する2本の可撓部41、41に分割され
ている。そして、各可撓部41の下部外面には、これか
ら突出する複数(図では各4個)の凸部42…が円周方
向に等間隔をおいて形成されている。さらに、上記軸部
材23の外周と円筒部の内周との間には、上記円筒状の
ゴム製リング43(付勢部材)が介装されており、この
リング43によって、可撓部41、41はそれぞれ外方
に向けて付勢されている。
【0020】他方、上記第2のクラッチ25の孔部32
の内壁には、各々上記凸部42…と係合する溝部44…
が円周方向に上記凸部42…と等しい間隔をおいて形成
されている。そして、上記出力軸20は、その軸部材2
3の可撓部41を歯車部材26の孔部32に係合させた
状態で、各可撓部41の凸部42を孔部32の溝部44
内に嵌入させることにより一体に組立られている。以上
の構成からなる出力軸20は、孔部28に挿入されたピ
ン6aによって中蓋6に回転自在に配設されるととも
に、歯車部材26のスパーギア24を上記減速歯車列7
の最終段の歯車と歯合させ、その軸部材23のキー部2
3aをケーシング1を塞ぐ蓋の開口部から突出させた状
態で、上記ケーシング1内に組込まれている。
【0021】上記構成からなるクラッチ付きモータにお
いても、同様にして通常のモータを駆動した状態におい
ては、上記溝部44と凸部42とが嵌合して一体化され
た軸部材23と歯車部材26とによって出力軸20が一
体に回転することにより、エアーコンディショナーのル
ーバの開閉駆動や、弁軸やターンテーブル等の回転駆動
を行なう場合や、あるいはモータ5が停止状態にある時
に、上記ルーバを手動でゆっくりと開閉した場合のよう
に、外部から出力軸20に非常にゆっくりとした回転が
加わった場合には、上記軸部材23および歯車部材26
が一体に回転する。そして、上記ルーバを乱暴に手動で
開閉した場合のように、外部から上記出力軸20に急激
に上記駆動時の回転トルクよりも大きな回転トルクが作
用した場合には、部材23の第1のクラッチ21におけ
る可撓部41が上記抵抗に追従できずに、リング43の
付勢力に抗して内方に撓んで、その凸部42が歯車部材
26側の溝部44から外れ、第1のクラッチ21と第2
のクラッチ25との間でスリップが生じて、モータのロ
ータ側への回転が遮断され、減速歯車列7における歯車
の損傷が防止される。したがって、上記クラッチ付きモ
ータによっても、第一の実施形態に示したものと同様の
作用効果を得ることができる。
【0022】なお、上記実施形態においては、第1のク
ラッチ21の円筒部に4条の切欠き部29…または2状
の切欠き部40を形成することによって4本の可撓部3
0…または2本の可撓部41、41に分割した場合につ
いて説明したが、これに限定されるものではなく、上記
切欠き部29、40の条数や凸部31、42の個数、さ
らにはそれらの寸法および形状については、モータの駆
動トルクや当該可撓部30、41および上記歯車部材2
6を構成する樹脂材料の硬度等の各種条件に対応して、
急激な過度の回転が加わった際に上記可撓部30、41
が内方に撓んで歯車部材26との間にスリップが生じる
のに充分な可撓性を有するように適宜選択すればよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1または2
に記載のクラッチ付きモータによれば、第1のクラッチ
が形成された軸部材と第2のクラッチが形成された歯車
部材との2つの部材と、必要に応じて介装されるOリン
グ等安価で汎用の付勢部材のみでクラッチ機構を有する
出力軸を構成することができるため、従来のものと比較
して、構造が極めて簡易であるとともに、部品点数を減
少させて製造単価の低減化を図ることができ、しかも組
立も一層容易で熟練を要することが無く、かつ常に一定
のクラッチ着脱トルクを得ることができる。また特に、
請求項3に記載の発明のように、第1のクラッチの内周
側に上記円筒部を第2のクラッチ側に向けて付勢する付
勢部材を配設すれば、上記付勢部材の形状や材質あるい
は個数等を適宜選択してその付勢力を変化させることに
より、モータ自体の駆動トルクや、減速歯車列における
歯車強さ等の各種の使用条件に応じて、外部から過度の
回転力が作用した場合における上記第1のクラッチおよ
び第2のクラッチの着脱トルクを自由に調整することが
できるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチ付きモータの第一の実施
形態におけるクラッチ機構部分を示す分解斜視図であ
る。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】図2のクラッチ機構部分の変形例を示す断面図
である。
【図4】本発明に適用可能な各種の付勢部材の形状を示
す斜視図である。
【図5】本発明の第二の実施形態における軸部材を示す
縦断面図である。
【図6】図5の底面図である。
【図7】本発明の第二の実施形態における歯車部材を示
す縦断面図である。
【図8】図7の底面図である。
【図9】上記第二の実施形態のクラッチ機構部分を示す
縦断面図である。
【図10】従来のクラッチ付きモータを示す一部切り欠
いた斜視図である。
【図11】図10のクラッチ機構部分を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
4 ロータの歯車 5 モータ 7 減速歯車列 20 出力軸 21 第1のクラッチ 23 軸部材 24 スパーギア(歯車) 25 第2のクラッチ 26 歯車部材 27 Oリング(付勢部材) 28、40 切欠き部 30、41 可撓部 31、42 凸部 32 孔部 33、44 溝部 43 リング(付勢部材)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータのロータ歯車に複数の歯車からな
    る減速歯車列が歯合され、上記減速歯車列の最終段に設
    けられて被駆動部材が連結される出力軸に、過度の回転
    トルクが作用した際にスリップして、上記モータのロー
    タ側への上記回転トルクの伝達を遮断するクラッチ機構
    が設けられたクラッチ付きモータであって、 上記クラッチ機構が設けられた出力軸は、上記被駆動部
    材と係合するとともに第1のクラッチが形成された軸部
    材と、外周に上記減速歯車列と歯合する歯車が形成され
    るとともに第2のクラッチが形成された歯車部材とを有
    してなり、上記第1のクラッチは、少なくとも一の軸線
    方向に延びる切欠き部が形成されて径方向への可撓性が
    付与された円筒部と、この円筒部の外面から突出する少
    なくとも一の凸部とが一体的に形成され、かつ上記第2
    のクラッチは、上記円筒部が摺動自在に係合する孔部が
    形成されるとともに、この孔部の内壁に上記凸部が係合
    する溝部が形成されていることを特徴とするクラッチ付
    きモータ。
  2. 【請求項2】 上記第1のクラッチの円筒部には、2条
    の軸線方向に延びる切欠き部が形成されており、かつ分
    割された各円筒部の外周には、複数の上記凸部が周方向
    に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のク
    ラッチ付きモータ。
  3. 【請求項3】 上記第1のクラッチの内周側には、上記
    円筒部を上記第2のクラッチ側に向けて付勢する付勢部
    材が配設されていることを特徴とする請求項1または2
    に記載のクラッチ付きモータ。
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