JPH10114796A - 腫瘍転移増殖抑制効果を有するプラスミノーゲン断片および該断片の調製方法 - Google Patents

腫瘍転移増殖抑制効果を有するプラスミノーゲン断片および該断片の調製方法

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JPH10114796A
JPH10114796A JP8287651A JP28765196A JPH10114796A JP H10114796 A JPH10114796 A JP H10114796A JP 8287651 A JP8287651 A JP 8287651A JP 28765196 A JP28765196 A JP 28765196A JP H10114796 A JPH10114796 A JP H10114796A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な、腫瘍転移増殖抑制効果を有するプラ
スミノーゲン断片、該プラスミノーゲン断片を主成分と
する腫瘍転移増殖抑制剤および該プラスミノーゲン断片
の調製方法を提供する。 【構成】 ライスプラスミノーゲンのエラスターゼ分解
生成物を本態とし、ヘパリン結合性を示す断片を好適な
態様とする腫瘍転移増殖抑制効果を有するプラスミノー
ゲン断片。 【効果】 本願発明のプラスミノーゲン断片を主成分と
する腫瘍転移増殖抑制剤は、肺癌、大腸癌に代表される
固形癌等の臨床治療に利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、生物学的に活性な新
規な血漿蛋白質断片および該蛋白質断片の調製方法に関
する。詳細には、ライスプラスミノーゲン(Lys-Plasmi
nogen;以下、Lys-Plg.と称することがある)の
エラスターゼ分解生成物であってとりわけヘパリン結合
性を示す断片を好適な態様とする腫瘍転移増殖抑制効果
を有するプラスミノーゲン断片、該プラスミノーゲン断
片を主成分とする腫瘍転移増殖抑制剤および該プラスミ
ノーゲン断片の調製方法に関する。従って、本願発明
は、Lys-Plg.をエラスターゼで分解した際に生成
する断片、とりわけヘパリン結合性を示すLys-Pl
g.の断片に、生化学あるいは医学的意義が存する分
野、例えば肺癌、大腸癌に代表される固形癌等の臨床治
療の分野において広く利用される。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】プラ
スミノーゲンは分子量80,000の血漿蛋白であり、
血液の凝固線溶系に関与する酵素前駆体である。当該物
質は、プラスミン、ウロキナーゼ゛またはプラスミノー
ゲンアクチベーターによって限定分解を受け、活性型で
あるプラスミンに変換されフィブリン凝塊物を分解する
働きがある。プラスミノーゲンはその分子中に5つのク
リングル部分および活性中心を有するセリンプロテアー
ゼドメインから成り立っている。また、前記クリングル
部分の特性のためリジンと結合することができ、リジン
結合担体を用いて特異的に調製することが可能である。
プラスミノーゲンは、エラスターゼによって限定分解
され、アミノ酸配列の79Tyrからクリングル3までの
部位、クリングル4部位およびクリングル5を含むセリ
ンプロテアーゼドメインの3つの部位に分けられ、これ
らは各々リジン結合部位I(Lysine Binding site I;
以下、LBS-Iと称することがある)、リジン結合部
位II(Lysine Binding Site II;以下、LBS-IIと称
することがある)及びミニプラスミノーゲン(mini-Pla
sminogen;以下、mini Plg.と称することがあ
る)と呼ばれている(Davidson J.F.,et.al:The primar
y structureof human plasminogen:isolation of two l
ysine-binding fragments and "mini-"plasminogen(M
W,38,000)by elastase-catalyzed-specific limitedpr
oteolysis.Raven Press,New York,vol.3,p.191-209,197
8.)。
【0003】ところで、プラスミノーゲンにはN末端に
グルタミン酸残基を有するグルプラスミノーゲン(Glu-
Plasminogen;以下、Glu-Plg.と称することがあ
る)とリジン残基を有するライスプラスミノーゲン(Ly
s-Plasminogen;Lys-Plg.)が知られている。前
者がインタクトタイプのプラスミノーゲンで、後者はプ
ラスミノーゲンの活性化の際にプラスミンによってGl
u-Plg.のN末端領域にあるLys76−Lys77結合
が切断されて生成するものである。なお、Lys-Pl
g.にはLysの他にVal、MetのN末端アミノ酸
残基が検出されている。Lys-Plg.のウロキナーゼ
゛による活性化速度は、Glu-Plg.に比べて非常に
速く、また、Lys-Plg.はGlu-Plg.より強く
フィブリンに結合する等のいくつかの異なる性質を有し
ている。これらは、両プラスミノーゲン分子の高次構造
の違いによるものと考えられ、特にその分子中のクリン
グル1の空間配置の変化によるものと考えられている
(Lerch P.G., et al. Localization of individual ly
sine-binding regions in human plasminogen and inve
stigations on their complex-forming properties.Eur
J Biochem,107,7-13,1980)。
【0004】最近、O'Reilly等は、ヒトのGlu-Pl
g.の分解物中のLBS-Iに血管新生阻害活性を見いだ
し、この物質が癌の転移後の増殖を抑えることを報告し
た(O'Reilly M.S.,et al. Angiostatin:a navel angio
genesis inhibitor that mediates the suppression of
metastases by a lewis lung carcinoma.Cell,79,315-
328,1994.)。本願発明者等は、Glu-Plg.をエラ
スターゼ処理して得られるプラスミノーゲンリジン結合
部位I(以下、区別のためGlu-LBS-Iと称するこ
とがある)を用い、彼らの実験に準じて再現実験を行な
ったが、血管新生阻害効果及び転移抑制効果で抑制する
傾向はある程度認められるものの、対照群に比べ有意差
を認めるには至らなかった。
【0005】
【問題を解決するための手段、発明の構成】上述の問題
点に鑑み、本願発明者はGlu-LBS-Iがエラスター
ゼで処理される前に、ある種の物質(酵素)によって処
理された場合に初めてその活性を発現するという仮説を
たて、それに基づき、プラスミノーゲンをプラスミンに
よって消化し、N末端残基がリジン残基で始まる分子す
なわちLys-Plg.を調製し、これをエラスターゼに
よって分解することによって、ライスタイプリジン結合
部位 I(以下、Lys-LBS-Iと称することがあ
る)を調製し、この分子の癌転移増殖に与える影響につ
いて検討した。
【0006】本願発明者等は、鋭意研究の結果、驚くべ
きことに、プラスミノーゲンをプラスミンで分解したも
のを原料とした際に得られるLys-LBS-Iが強い腫
瘍増殖抑制効果を有することを見出した。さらに本差を
導く原因について検討した結果、Lys-LBS-I中に
Glu-LBS-Iには認められない低イオン強度でヘパ
リン担体に結合し得る断片があることを発見し、Glu
-Plg.が、いったんライス形態(Lys Form)に変換さ
れた後に本作用を発揮するとの知見を見出した。さら
に、この性質を利用することで血管新生阻害効果のある
断片をヘパリンを結合した担体で効率よく調製できるこ
とを見出した。これら知見に基づいて、Lys-Plg.
のエラスターゼ分解生成物であってとりわけヘパリン結
合性を示す断片を好適な態様とする腫瘍転移増殖抑制効
果を有するプラスミノーゲン断片、該プラスミノーゲン
断片を主成分とする腫瘍転移増殖抑制剤および該プラス
ミノーゲン断片の調製方法を提供する本願発明を完成さ
せるに至った。以下、本願発明の概略を説明する。
【0007】本願発明は、プラスミノーゲンにプラスミ
ン等を作用させて得られるLys-Plg.のエラスター
ゼ分解生成物であって、とりわけヘパリン結合性を示す
断片を好適な態様とする腫瘍転移増殖抑制効果を有する
プラスミノーゲン断片を提供する。また、前記腫瘍転移
増殖抑制効果を有するプラスミノーゲン断片を有効成分
とする新規な腫瘍転移増殖抑制剤を提供する。さらに、
前記プラスミノーゲン断片を効率よく調製し得る次の工
程からなる調製方法をも提供する。プラスミノーゲン
にプラスミン等を作用させてLys-Plg.を生成させ
る。Lys-Plg.含有溶液をエラスターゼ処理し、
クリングル1からクリングル3を含む画分に分解する。
得られる画分のうち、ヘパリンに対して強い結合性が
ある部分を選択し、所望の腫瘍転移増殖抑制効果を有す
るプラスミノーゲン断片を得る。
【0008】本願発明の腫瘍転移増殖抑制効果を有する
プラスミノーゲン断片の本態は、Lys-Plg.のエラ
スターゼ分解生成物である。そのうち、より強力な腫瘍
転移増殖抑制効果を有する部分はヘパリン結合性を示す
断片よりなるプラスミノーゲン断片である。該プラスミ
ノーゲン断片は、N末端アミノ酸が77Lysから始ま
るクリングル1〜3より構成され、SDSポリアクリル
アミドゲル電気泳動で分子量38Kdaを示す糖鎖を含
まない蛋白質である。これは、他の糖鎖を含むアイソフ
ォームに比べより強いヘパリン結合性を示す。当該断片
は中性域での生理イオン濃度(生理条件)ではヘパリン
に結合することができないが、環境が酸性に傾いた場合
に生理イオン濃度でヘパリンに結合し得る特徴を有す
る。
【0009】理解を容易にするために、本願発明のプラ
スミノーゲン断片の構造に深く関与するプラスミノーゲ
ンのエラスターゼによる分解の工程を図1および図2に
示した。図1に示すようにプラスミノーゲンをエラスタ
ーゼによって分解した場合、79残基アミノ酸の部分で
限定分解され、N末端がTyrであるクリングル1〜3
を含む断片(LBS-I)が遊離する。一方、プラスミ
ノーゲンをプラスミンによって限定分解した場合、N末
端がLysで始まるプラスミノーゲン(Lys-Pl
g.)が調製され、これを同様にエラスターゼで切断す
るとN末端残基がLysのクリングル1〜3を含む断片
(Lys-LBS-I)が遊離する(図2)。当該物質の
N末端のアミノ酸配列がLysで始まる原因は、エラス
ターゼによる分解に関与するアミノ酸の立体的配列が成
立しないため、79Tyrの部分で切断されなかったもの
と考えられるが、N末端残基のわずか1、2分子の違い
によって、以下に示すヘパリンへの結合性を大きく変え
てしまうことは興味深いものである。
【0010】ところで、ヘパリンは、血漿成分であるア
ンチトロンビンIIIと結合し血液凝固を抑制する作用を
有している。ヘパリンあるいはヘパリン様物質は血管内
腔に敷き占められている血管内皮細胞上に広く分布し血
管内の余分な凝固を抑制している。本願発明のプラスミ
ノーゲン断片の持つヘパリン結合性は、従来考えられて
いるプラスミノーゲン(プラスミン)がフィブリン等に
結合する際に必要となる例えばリジンとの結合で例示さ
れる結合様式の他に、前記血管内皮細胞へ直接結合して
何等かの作用を及ぼす可能性を有している。腫瘍の遠隔
転移巣が増殖するためには、腫瘍細胞への栄養分と老廃
物を運搬する血管が必要であり、腫瘍の増殖の過程で
「新しい血管を形成し、腫瘍へと引き込む(血管新
生)」という現象が観察される。新生血管は、腫瘍細胞
からのシグナルを受けた既存血管の内皮細胞が既存血管
を破壊し、腫瘍細胞へ向かって「増殖」、「伸長」、
「管腔の形成」という段階を経て形成される。故に、前
述の血管内皮細胞の働きを抑制することによって、遠隔
転移巣の増殖を抑制することが可能であり、本願発明の
プラスミノーゲン断片の持つヘパリン結合性は血管内皮
細胞の働きに対し作用を及ぼす最低条件を備えているも
のである。
【0011】しかしながら、前述したように血管は血管
内皮細胞で敷き占められているため、腫瘍細胞の遠隔転
移巣の増殖を抑制するために作用物質を腫瘍細胞の新生
血管のみに結合させるには何等かの特異性が必要であ
る。本願発明のプラスミノーゲン断片の特徴は、生理条
件(等張状態)下ではヘパリンまたはヘパリン様物質に
結合することができないが環境のpHが低下した非生理
的な条件ではヘパリン結合性を獲得することである。と
ころで、Jainらは腫瘍内の血管は極度に分極化し血流が
鬱滞した状態であり、低酸素状態によりその環境は酸性
に傾いていることを報告している(Jain R.K., et al.
Barriers to drug delivery in solid tumors. Sci. A
m. vol.271(1),p.58-65, 1994)。本願発明のプラスミ
ノーゲン断片が腫瘍に対して特異的に作用する原因は、
他の血流中では認められない腫瘍部内に特有のこの非生
理的な環境に起因するためであると本願発明者等は考察
している。本願発明のプラスミノーゲン断片が腫瘍細胞
の増殖を抑制する作用機作については不明であるが、そ
の構造を考慮するとプラスミン作用の競合的な阻害によ
るものではないかと考えられる。
【0012】前記したごとく、O'Reilly等はプラスミノ
ーゲン断片が、直接、血管内皮細胞の増殖を抑制するこ
とを報告している。彼らはルイス肺癌を移植した担癌動
物が、強力な血管新生阻害物質をその血中および尿中に
産生していることを発見し、この物質を精製してこれを
アンジオスタチンと命名した。該アンジオスタチンはプ
ラスミノーゲンの内部断片と極めて高い相同性を示し、
ヒトLBS-I(Glu-LBS-I)を精製したものに
も同様の活性を示すことを報告した。前記ヒトLBS-
Iは分子量38Kda〜42.5Kdaを有する3つの
アイソフォームを持つ物質であり、本願発明のプラスミ
ノーゲン断片と高い相同性を示す点で注目される。
【0013】現段階では、本願発明のプラスミノーゲン
断片とアンジオスタチンが作用機作および物質として同
一であるか否かについては明確には断定できない。しか
しながら、本願発明のプラスミノーゲン断片とアンジオ
スタチンには、本願発明のプラスミノーゲン断片には
糖鎖が含まれておらず、糖鎖を含む他のアイソフォーム
に比べ有意に遠隔転移腫瘍細胞の増殖を阻害すること、
本願発明のプラスミノーゲン断片はアンジオスタチン
ほどの血管内皮細胞の増殖抑制効果を奏しないこと等の
ような物性並びに生物活性において明らかな差異が存在
することも事実である。本願発明によってもたらされる
プラスミノーゲン断片が有する高度な腫瘍転移増殖抑制
効果は、前述のアンジオスタチンとの差異に起因する可
能性は否定できない。
【0014】本願発明のプラスミノーゲン断片を製造す
る方法は特に限定されていないが、例えば、以下の方法
が例示される。先ず血液よりプラスミノーゲンを分離
し、得られたプラスミノーゲンよりLys-Plg.を調
製する。血液由来のプラスミノーゲンの製法としては以
下の方法が挙げられる。例えば、代表的な製法としては
リジン担体を用いるアフィニティークロマトグラフィー
で精製するDeutsch等の方法(Deutsch D.G., et al., S
cience vol.170,p.1095,1970)およびその改変法がある
(Brockway W.J.,et al.,Arch.Bochem.Biophys., vol.1
51,p.194,1972)。即ち、新鮮血漿にアプロチニン(2
0U/ml)、EDTA(2.5mM)を加えて混和さ
せた後、リジン担体に結合させ、0.1MNaCl/2.
5mMEDTA/20Uアプロチニン/mlを含有する
緩衝液、さらに界面活性剤を含有する同緩衝液で洗浄し
た後、6-アミノヘキサン酸で溶出することによって高
純度のプラスミノーゲンを調製することが可能である。
最終的に精製濃縮を限外濾過膜(例えば、amicon
社YM10)で行なう。
【0015】血中内には完全分子型のプラスミノーゲン
がほとんど全てであり、そのN末端残基がリジンである
Lys-Plg.は僅かに存在するにすぎない。そのた
め、プラスミノーゲンをLys-Plg.に変換する工程
が必要となる。そのための、プラスミノーゲンにウロキ
ナーゼ゛を直接作用させる方法(Ljungberg J., et al.,
Throromb.Res.,vol.53,p.569-576,1989)や、プラスミ
ンを直接作用させる方法(Castellino F.S., et al.,Me
thods in Enzymology, Academic press,New York, vol.
80,p.365,1981)、あるいは長時間孵置することによる
方法(Markus G.,et al.,J. Biol. Chem.,vol.254,p.12
11-1216,1979)が存在する。本願発明においては、好適
な方法として、予めトラネキサム酸存在下でプラスミノ
ーゲンを孵置し自己消化させLys-Plg.を調製する
方法が推奨される。
【0016】その後、得られたLys-Plg.をエラス
ターゼで分解し、生成する断片よりLys-Plg.のク
リングル1〜3までを含む分子(Lys-LBS-I)を
回収する。その際、例えばセファデックスG-75を用
いるゲル濾過法およびこれに引き続いて行なわれるリジ
ン(Lysine)−アフィニティークロマトグラフィーに
よって、良好なLys-LBS-Iの調製が達成される。
引続き、得られるLys-LBS-Iを、ヘパリンをリガ
ンドとしたレジンに接触させ結合画分を得ることによっ
て、ヘパリンに強く結合する画分を特異的に調製するこ
とができる。
【0017】本願発明者の知る限りでは、本願発明のプ
ラスミノーゲン断片すなわちLys-LBS-Iを、遺伝
子組換え技術に基づき直接産生させた例は知り得ない。
しかしながら、遺伝子組換え技術によりLys-プラス
ミノーゲン産生細胞を構築し、これより調製されるLy
s-プラスミノーゲンをエラスターゼによって断片化す
る方法、あるいは本願発明のプラスミノーゲン断片をコ
ードする遺伝子を好適なベクター等を用いて真核細胞、
哺乳動物細胞または昆虫細胞等適当な宿主細胞に導入し
て恒常的に所望のプラスミノーゲン断片を産生させ、こ
れより調製する方法も現実的な調製手段として充分考慮
され得る。
【0018】上述の方法で調製されたプラスミノーゲン
断片の活性を最大限に維持するために、本発明のプラス
ミノーゲン断片は新鮮であるか、4℃で保存する場合に
は保存後約5日以内のものが好ましい。あるいは、本発
明のプラスミノーゲン断片は、ヒトアルブミン、ゼラチ
ン、塩、糖またはアミノ酸などの好適な安定化剤と共に
凍結乾燥もしくは液体の状態で保存することができる
し、さらには、プラスミノーゲン断片溶液を凍結し保存
することも可能である。また、感染性夾雑ウイルスの不
活性化を目的として、凍結乾燥もしくは液状の状態にお
いて所定の条件下、例えば凍結乾燥状態では65℃96
時間、液状では60℃10時間の加熱処理を施すこと
は、薬剤の安全性の観点から極めて好ましい態様であ
る。本願発明では、かかる有効成分としてのプラスミノ
ーゲン断片と公知の適当な賦形剤を組み合わせ、公知の
方法で本願発明の腫瘍転移増殖抑制剤とすることができ
る。
【0019】本願発明のプラスミノーゲン断片を本態と
する腫瘍転移増殖抑制剤の有効投与量は、例えば投与対
象者の年齢、症状及び重症度などにより変動し、最終的
には医師の意図により変動するものであるが、例えば一
般に成人一日当り50〜500mgであり、望ましくは
100〜300mgを1〜2回に分けて投与するのがよ
い。投与方法は単回大量(ボラス)あるいは点滴の静脈内
投与が最適である。また、場合により他の抗腫瘍剤と併
用することも可能であり、本願発明で提供される腫瘍転
移増殖抑制剤中に前記の抗腫瘍剤を併存させることも好
ましい一つの態様である。
【0020】今回の実施例に使用した血液由来のプラス
ミノーゲン断片は、マウスでの単回静脈内投与毒性試
験、反復静脈内投与毒性試験、一般薬理試験(ビーグル
犬を用いた呼吸循環器系に及ぼす影響)、ウイルス不活
化試験などによりその安全性が確認されている。以下、
本願発明の理解を深めるために実施例に沿って説明する
が、本願発明はこれらの実施例になんら限定されるもの
ではない。
【0021】
【実施例】実施例 1 (プラスミノーゲンの調製)新鮮凍結プール血漿10リ
ッターに、20mMベンツアミジン、1mM PMS
F、100U/mlアプロチニン(トラジオール バイ
エル社製)を加え、室温で冷融解した。その後、浮遊物
を高速遠心機(RS-20IV;トミー精工社製)で8,
000rpm、4℃、の条件下20分間遠心を行ない上
清を得た。上清を、50mM Tris/0.5M Na
Cl(pH 7.5)で平衡化したリジン-セファロース
4B(ファルマシア社製)カラム(内径5.0×30c
m)に流速1.0ml/minで通液し、さらに、5倍
容の同緩衝液で洗浄した。その後、緩衝液を10mMア
ミノヘキサン酸を含む同緩衝液に置換し溶出を行なっ
た。溶出液は0.1M炭酸アンモニウム緩衝液に対して
4℃で一晩透析した。
【0022】実施例 2 (Lys-Plg.の調製)実施例1のクロマトグラフィ
ーの操作で得られる溶出液を濃縮した後、50mMTr
is/20mMクエン酸緩衝液(pH6.5)で一晩透
析し、濃縮液に1mMトラネキサム酸を加え、さらに一
晩30℃で孵置した。
【0023】実施例 3 (エラスターゼ-Sepharose)の調製 エラスターゼ(シグマ社製 Tyep IV:From Porcine Panc
reas)50mgを0.5MNaClを含む0.1M炭酸水
素ナトリウム溶液で溶解後、さらに一晩4℃で同緩衝液
に対して透析した。エラスターゼを固定化するゲルは、
CNBr-活性化セファロース4 Fast Flow(ファルマ
シア社製)を用い、その結合は添付の使用説明書に従っ
て、エラスターゼとゲルの割合を5mg エラスターゼ
/mlゲルにて行なった。
【0024】実施例 4 (プラスミノーゲン及びLys-Plg.のエラスターゼ
分解物の調製)実施例1及び実施例2で調製したGlu
-及びLys-Plg.をWiman等の方法に従い、実
施例3で調製したエラスターゼで分解し、両プラスミノ
ーゲンのエラスターゼ分解物を分離した。つまり、精製
したGlu-Plg.あるいはLys-Plg.に10mg
/mlに、アプロチニン100U/ml(トラジオー
ル;バイエル社製)を加え、0.1M炭酸アンモニウム
溶液に溶解した。これに、エラスターゼ-Sepharoseを酵
素基質比が1:100になるように加え、25℃で一晩
攪拌させながら反応させた。反応終了後、ガラスフィル
ターで反応液を濾過し、濾液を0.1Mで平衡化させた
リジン-Sepharose(Pharmacia社製)に通液後、同緩衝
液で洗浄した。リジン-Sepharose結合画分は、20mM
アミノヘキサン酸を含む同緩衝液で溶出した。溶出液
は、限外濾過膜(YM-10 amicon社製)で濃縮
し、0.1M炭酸アンモニウム緩衝液で平衡化したセフ
ァデックスG-75(ファルマシア社製)カラム(内径
5.0×40cm)に通液し、Glu-リジン結合部位I
(Glu-LBS-I)、Lys-リジン結合部位I(L
ys-LBS-I)を各々調製した。なお、両LBS-I
は凍結乾燥し、使用するまで4℃で保存した。
【0025】実施例 5 (ヘパリンとの結合性)実施例4に示した方法で得られ
たGlu-LBS-I及びLys-LBS-Iを、ヘパリン
をリガンドとしたイムノアフィニティークロマトグラフ
ィー(Hi trapHeparin(商品名);ファルマシア社製)
に通液し、塩濃度による濃度勾配溶出を行なうことによ
って得られるヘパリン結合画分の蛋白を、吸光度でモニ
ターしヘパリンアフィニティー及び量比を比較した。す
なわち、50mMNaClを含むTris緩衝液(pH
7.2)で平衡化したイムノアフィニティーレジン1m
lに、同緩衝液で溶解したGlu-LBS-I(1mg/
ml)及びLys-LBS-I(1mg/ml)を100
μl接触させ、流速0.5ml/minの条件で同緩衝
液10mlで洗浄した後、50mMNaCl/Tris
緩衝液10ml、1MNaCl/ Tris緩衝液(p
H7.2)10mlでグラジエント溶出した。ヘパリン
アフィニティーの結果を図3および図4に示した。図3
に示すようにLys-LBS-Iはヘパリン非結合画分、
中程度結合画分、高結合画分に分かれるのに対して、G
lu-LBS-Iは高結合画分に相当する部分が認められ
なかった(図4)。また、ヘパリンの高結合画分を1
2.5%のSDS-PAGEを行なった結果、その分子量
は38kda付近であり、糖鎖を含まないLBS-Iの
分子量に一致した(図5)。なお、原料となるプラスミ
ノーゲンは平衡化緩衝液組成で溶解せず、同操作は実施
できなかった。
【0026】実施例 6 (ヘパリンとの結合性 pHとの関係)実施例4に示し
た方法で得られたLys-LBS-Iを、pH5.0〜7.
2の範囲における生理食塩濃度でのヘパリンをリガンド
したイムノアフィニティークロマトグラフィー(Hi tra
pTM Heparin; ファルマシア社製)を行なうことによっ
て、Lys-LBS-Iのヘパリンへの結合性を調べた。
すなわち、150mMNaClを含むクエン酸緩衝液
(pH5.0〜7.2)で平衡化した前記クロマトレジン
1mlに同緩衝液で溶解したLys-LBS-I(1mg
/ml)を100μl接触させ、流速0.5ml/mi
nの条件で同緩衝液10mlで洗浄した後、1MNaC
l/クエン酸緩衝液(pH5.0〜7.2)10mlで溶
出した。Lys-LBS-Iのヘパリン結合性とpHとの
関係を図6に示した。図のように、等張条件下で中性付
近ではLys-LBS-Iはヘパリンに結合できないが、
pHの低下にともない、ヘパリンの結合性は上昇し、p
H5.0の条件下で全ての画分がヘパリンに結合した。
【0027】実施例 7 (ヒトプラスミノーゲンヘパリン結合断片の調製)実施
例4で得られるGlu-LBS-I及びLys-LBS-I
を50mMNaClを含むTris緩衝液(pH7.
2)で一晩透析後、実施例5のヘパリンアフィニティー
クロマトグラフィーの操作を行ない、10mg/mlの
濃度のヘパリン結合画分を調製した。また、Hi trap TM
Heparin 5mlに上述のエラスターゼ断片10mg/
mlを3ml接触させ、2.5ml/minの流速で4
0分間洗浄後、1M NaCl/ Tris緩衝液(pH
7.2)25mlでグラジエント溶出し、溶出画分をフ
ラクションコレクター(レディラック、ファルマシア社
製)で分取した。ヘパリン結合画分はプールした後、
0.1M炭酸アンモニウム緩衝液で透析し、無菌濾過を
行なった後、凍結乾燥して動物実験に供した。
【0028】実施例 8 (肺転移増殖抑制試験)癌細胞はルイス肺癌LL2(Be
rtram J.S., et al.:Establishment of a cloned line
of Lewis Lung Carcinoma cells adapted to cell cult
ure.: Cancerlett vol.11,p.63-73,1980)を大日本製薬
より購入し、高濃度グルコース-DMEM培地/10%
FCSで培養、継代を続けたものを用いた。30匹の6
週令の雄マウス(C57BL6/J)に、ルイス肺癌107cell
s/mlの100μlを背部皮下に移植し、15〜18
日間飼育した。その後、形成された原発巣を術的な操作
によって取り除き、皮膚を縫合した。体重及び原発巣の
重量を考慮し、マウスを3群に分け、14日間飼育した
後、実施例4で調製したLys-LBS-Iを0.5mg
/kg、Glu-LBS-I 0.5mg/kg、対照群と
して生理食塩液100μlを毎日10日間、腹腔内投与
した。投与終了後、マウスの肺を摘出し、その重量を比
較した。なお、統計処理はノンパラメトリック解析を用
いた。腫瘍の転移増殖に対するLys-LBS-I、Gl
u-LBS-Iの効果の結果を図7に示した。対照群(生
理食塩液)投与群の肺重量は0.705±0.411gで
あるのに対して、Lys-LBS-I投与群の重量は0.
247±0.05gと、Lys-LBS-Iは有意に癌の
転移増殖を抑制していた。一方、Glu-LBS-I投与
群は0.406±0.186gであり、有意差は認められ
なかった。
【0029】実施例 9 (免疫不全動物を用いた肺転移抑制試験)実施例8の試
験について、マウスを免疫不全動物スキッドマウス(Sc
id mouse)に換え、同様に肺転移増殖を評価した。異種
蛋白の連続投与による免疫の影響を考慮した本実施例の
モデルで行なった結果を図8に示した。対照群であるL
ys-LBS-I投与群及びGlu-LBS-I投与群の肺
重量はそれぞれ、0.522±0.232g、0.217
±0.019g、0.324±0.152gであり、同様
の結果が得られた。
【0030】実施例 10 (ヘパリンの結合画分の腫瘍転移増殖抑制効果)実施例
7の方法で調製した、ヘパリン結合画分、ヘパリン非結
合画分の腫瘍増殖抑制効果を実施例8と同様の方法で評
価した結果を図9に示した。対照群(生理食塩液)投与
群の肺重量は0.689±0.250gであるのに対し
て、ヘパリン結合画分投与群の重量は0.248±0.0
5gと、ヘパリン結合画分は有意に癌の転移増殖を抑制
していた。一方、ヘパリン非結合画分投与群は0.51
5±0.208gであり、有意差は認められなかった。
【0031】実施例 11 (ヘパリン結合画分のN末端アミノ酸配列の決定)実施
例7の方法で調製したヘパリン結合画分で12.5%S
DS-PAGEを行なった後、定法に従いメンブランに
トランスブロットし、得られるバンドの部分を切り出
し、N末端アミノ酸配列分析装置(Bio Applied社製)
を用いて、そのN末端アミノ酸残基を調べた。その結
果、当該物質はN末端にLysとValを有する2種類
の蛋白質の複合体であり、その比率は1.56〜2.3:
1の割合であることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラスミノーゲンのエラスターゼによる分解
の工程を示す図である。
【図2】 プラスミノーゲンをプラスミンによって限定
分解し、これをエラスターゼで処理した場合の分解の工
程を示す図である。
【図3】 Glu-LBS-Iの、ヘパリンをリガンドと
したイムノアフィニティークロマトグラフィーでの溶出
パターンを示す図である。
【図4】 Lys-LBS-Iの、ヘパリンをリガンドと
したイムノアフィニティークロマトグラフィーでの溶出
パターンを示す図である。
【図5】 Lys-LBS-Iのヘパリン高結合画分をS
DS-PAGE(ゲル電気泳動)で解析した結果を示す
図である。
【図6】 Lys-LBS-Iのヘパリン結合性とpHと
の関係を示す図である。
【図7】 C57BL6/Jマウスを用いたルイス肺癌
の肺転移増殖抑制試験に対するLys-LBS-Iの効果
を示す図である。
【図8】 スキッド(SCID)マウスを用いたルイス
肺癌の肺転移増殖抑制試験に対するLys-LBS-Iの
効果を示す図である。
【図9】 Lys-LBS-Iヘパリン結合画分の腫瘍転
移増殖抑制効果を示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライスプラスミノーゲン(Lys-Plasmino
    gen;以下、Lys-Plg.と称することがある)のエ
    ラスターゼ分解生成物よりなる腫瘍転移増殖抑制効果を
    有するプラスミノーゲン断片。
  2. 【請求項2】 Lys-Plg.のエラスターゼ分解生成
    物であってヘパリン結合性を示す断片よりなる、請求項
    1記載のプラスミノーゲン断片。
  3. 【請求項3】 プラスミノーゲンよりLys-Plg.を
    調製し、次に該Lys-Plg.をエラスターゼ処理し、
    得られた断片よりヘパリン結合性を示す断片を回収する
    ことを特徴とする、腫瘍転移増殖抑制効果を有するプラ
    スミノーゲン断片の調製方法。
  4. 【請求項4】 プラスミノーゲンよりLys-Plg.を
    調製するに際し、プラスミノーゲン含有溶液に直接プラ
    スミンを添加する方法、あるいはトラネキサム酸等を用
    いて間接的自然消化を促す方法を適用する請求項3に記
    載のプラスミノーゲン断片の調製方法。
  5. 【請求項5】 ヘパリン結合性を示す断片を回収するに
    際し、Lys-Plg.のエラスターゼ分解生成物含有溶
    液をヘパリンをリガンドとした担体に通液し、吸着・溶
    出する方法を適用する請求項3または請求項4に記載の
    プラスミノーゲン断片の調製方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載のプラス
    ミノーゲン断片を主たる成分とする腫瘍転移増殖抑制
    剤。
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