JPH04505326A - プラスミノーゲン活性化剤とフィブリン断片との血栓ターゲットの錯体 - Google Patents

プラスミノーゲン活性化剤とフィブリン断片との血栓ターゲットの錯体

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JPH04505326A
JPH04505326A JP2508255A JP50825590A JPH04505326A JP H04505326 A JPH04505326 A JP H04505326A JP 2508255 A JP2508255 A JP 2508255A JP 50825590 A JP50825590 A JP 50825590A JP H04505326 A JPH04505326 A JP H04505326A
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ナイト,リンダ シー
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 プラスミノーゲン活性化剤とフィブリン断片との血栓ターゲットの錯体 発明の技術分野 本発明は血栓崩壊治療のための新規な薬剤、より詳細にはプラスミノ・−ゲン活 性化剤とフィブリン断片とを結合することにより形成されるハイブリッドに関す るものである。
発明の背景 生命に脅威を与える血栓塞栓症の合併症のため、血管血栓を溶解させる安全かつ 効果的な方法が必要に迫られている。
この種の最も一般的な障害は血管もしくは心臓腔における血栓の形成であって、 その形成箇所に残留する。たとえば心臓血管における血栓は血流を閉塞して心筋 梗塞症をもたらす。
冠動脈造影法による研究が示すところでは、経壁性心筋梗塞症の87%は閉塞性 の冠動脈血栓によって生ずる[ブラッド等、N、 EB、 J、 Med、、第 303巻、第397〜902頁(1980) ]。
さらに、血栓の1部はその付着点から剥離して、その移動が拘束される点に達す るまで血管中を移動する。その結果生ずる拘束は血栓塞栓症として知られる。
プラスミノーゲン活性化剤は、主として酵素原であるプラスミノーゲンを、フィ ブリン分解における最終段階の非特異性蛋白分解酵素と考えられるプラスミンま で変換させることにより機能する。プラスミンはフィブリンマトリックスを溶解 させると共に、血栓の他の成分に対しても作用する。外生プラスミノーゲン活性 化剤の溶解活性の効率は内生プラスミノーゲンから発生するプラスミンの量に著 しく依存し、内生プラスミノーゲンは循環血液中に遊離型で存在すると共に止血 栓および凝塊栓のフィブリン表面に結合型で存在する。血栓崩壊治療においては 、フィブリン表面に最大量のプラスミンを生ぜしめることが望ましく、すなわち プラスミンを血栓上に固定化させると共に最小量のプラスミンしか、できれば全 くプラスミンが循環血液中に存在しないことが望ましい。
固定化されたプラスミンは血栓の溶解を効率的に行なうと共に再還流を確立する のに役立つが、循環するプラスミンはフィブリノーゲン分解活性を示すと共に血 小板リセプタを分解してスロンボスポンジンを切断し、その結果患者における血 小板凝集能力を低下させる。その結果、種々望ましくない合併症を伴う、いわゆ る「溶解状態」が生ずる。
血栓の溶解および閉塞血管に対する血液循環の回復を促進するには、各種のプラ スミノーゲン活性化剤が利用されている。しかしながら、入手しうるプラスミノ ーゲン活性化剤は理想にほど遠い。細菌起源のストレプトキナーゼは抗原性であ る。事前に存在する抗−ストレプトキナーゼ抗体を中和するには増量を必要とす る。ストレプトキナーゼ処理は、このような抗体レベルの増加のため持続時間を 制限せねばならない[コナード等、Sem1n、丁hrorn、 Haetno sIjs、、第13巻、第212〜222頁(1987) ]。ストレプトキナ ーゼは局部投与されれば血栓を効率的に溶解するよう作用するが、局部投与には カテーテル処理が必要とされ、しばしば患者に顕著な作用を与えるほど急速に投 与することができない。急性心筋梗塞症におけるストレプトキナーゼの全身投与 は、フィブリノーゲンを分解すると共に循環系におけるプラスミノーゲンを著し く損耗させることにより、望ましくない副作用をもたらす[メンツアー等、八m 、J、cardio1. 、第57巻、第122[1〜1226頁(1986)  ]。
他の広く使用されているプラスミノーゲン活性化剤、すなわちウロキナーゼは3 種の形態で入手できる。いわゆる「二本鎖(two−c)+ain )ウロキナ ーゼ」 (以下、「ウロキナーゼ」という)は人尿から抽出することができ、或 いは腎臓細胞培養物から作成することができる。他の形態、すなわち「一本鎖( single−chain)ウロキナーゼコもしくは「プロウロキナーゼ」 ( 以下、「5cu−PAJという)、すなわちウロキナーゼの先駆体はヒト体液か ら分離されており、また組換DNA技術によっても得られている。低分子量型の ウロキナーゼは二本鎖ウロキナーゼの長時間のプラスミン消化から得られる。
ウロキナーゼは抗原性でないが、そのプラスミノーゲン活性化のメカニズムはス トレプトキナーゼと並行して循環血液における顕著なフィブリノーゲン分解反応 をもたらす。一本鎖ウロキナーゼは有望な特性を有する。しかしながら、これは まだ充分に人間で試験されていない。正常なヒト検体の数少ない試験において、 5cu−PAはウロキナーゼに匹敵するフィブリン分解活性とウロキナーゼより も低い全身作用とを示した[トルベスタイン等、ヘモスタシス、第17巻、第2 38〜244 頁 (19B?) コ 。
組織プラスミノーゲン活性化剤(rt−PAJ)を包含する非ウロキナーゼ型プ ラスミノーゲン活性化剤はプラスミノーゲンの生理学的活性剤であって、細胞培 養および遺伝子工学により製造することができる。t−PAはフィブリンを結合 する能力を有し、プラスミノーゲンをフィブリン表面にてプラスミンまで変換さ せると思われる。したがって、これは全身的に投与されるとストレプトキナーゼ もしくはウロキナーゼよりも効率的に作用する。しかしながら、初期の臨床試験 が示すところでは、フィブリノーゲンの溶解がt−PAの投与に際しまだ顕著で ある[シェリー、N、Engi、J、Med、 、第313巻、第1014〜1 017頁(]985) ]。
t−PAはフィブリンに対し高い特異性を有するが、成る限界を有する。これは ヒトの循環系にて5分間程度の極めて短い生物学的半減期を有する。肝臓による t−PAの細胞浄化が、この制限された生物学的半減期の原因であるとと思われ る。静脈投与した後の血液中におけるt−PAの急速な減少は、充分な活性他剤 濃度を維持する点に関し主たる薬剤治療の困難性を構成する。
血漿はプラスミノーゲン活性化剤の阻止物質を含有して、プラスミノーゲン活性 化剤に結合すると共に失活させる。したがって、これら阻止物質の作用を解消す るには多量のt−PAを連続注入することが必要である。生理学的レベルにて遊 離t−PAは血漿阻止物質、すなわちFAI−1によって結合される[ブン等、 ブラッド、第69巻、第1354〜1362頁(1987) ] 、これは心筋 梗塞症[ハムステン等、N、 Engl、 J。
Med、、第313巻、第1557〜1563頁(1985)];再発性深部静 脈血栓症[デョング等、Thromb、)Iaemogjax、 、第57巻、 第140〜143頁(1987)コ;および冠状動脈症[パラモ等、Br、 J 。
Med、、第291巻、第573〜574頁(1985)コを有する患者の血漿 に高レベルで存在することが示されている。FAI−1の阻止作用を解消する生 理学的レベルよりも多量に形成するよう精製t−PAを血漿に添加すれば、これ はたとえば01−阻止剤、α −アンチプラスミンおよびマクログロブリンのよ うな血漿中に存在する他の阻止物質と複合化する[ツルセン等、Bioche+ n、Biopbys、Ac1g、 、第802巻、第ill 〜118頁(19 84) ;リジケン等、]、Lab、Cl1n、Med、 、第101巻、第2 85〜294頁(+983) ;クルイソフ等、ブラッド、第64巻、第907 〜913頁(1984) ]。
ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼおよびt−PAは特に手術の過程で出血の傾 向を増大させて、これら薬剤の有用性を低下させる。
ストレプトキナーゼおよびウロキナーゼは固有のフィブリン特異性を持たない。
これらは循環性およびフィブリン表面結合の両プラスミノーゲンを現在使用され ている治療投与量にてプラスミンまで無差別に変換する。t−FAおよび5cu −PAはフィブリン特異性を有するが、血液中では短い半減期を有する。血液中 に治療濃度を維持するには、高投与量を長時間にわたり注入せねばならない。そ の結果、止血不均衡が生ずる。さらに、フィブリンに対するt−PAおよび5c u−PAの特異性は絶対的でないため、これらは少量の活性化剤を液相で残すと 共に成る量のプラスミンが循環血液中で徐々に生成する。
ウロキナーゼおよびアンチフィブリンネズミモノクローナル抗体から複合体が生 成されている[ボード等、サイエンス、第229巻、第765〜767頁(19 85) ;ボード等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第262巻 、第10819〜10823 (19B?)、およびJ、Mo1.Ce1l C ardiol、第19巻、第335〜341頁(1987) ]。循環血漿ルー プにおけるインビトロでの血栓モデルにおいて、抗体−ウロキナーゼ複合体は当 量の純粋ウロキナーゼよりも大きい割合でフィブリン分解を示した。しかしなが ら、この種の複合体の治療用途は、ネズミモノクローナル抗体の免疫遺伝性に基 づき魅力的でない。
米国特許第4.564.596号公報は、フィブリノーゲンに対し直接的に或い は特定脂肪族ジアミンを介し共有結合されたウロキナーゼからなるウロキナーゼ 誘導体を開示している。これら誘導体は、フィブリンに対する増大した親和性と 長時間のフィブリン分解作用とを有することが報告されている。しかしながら、 フィブリノーゲンは凝集促進作用を有して、血栓がさらに増大するのを促進する ことがある。ウロキナーゼを運ぶ血栓結合したフィブリノーゲンは、血小板凝集 またはフィブリン沈着のいずれかを介し血栓の増大を促進して局部的に凝集促進 剤として作用する。これは血管の再閉塞をもたらしうる。
フィブリノーゲンは、血栓に対するターゲットを最大化するにはスロンビンで処 理せねばならない。たとえば、米国特許第4.564.596号のフィブリノー ゲン−ウロキナーゼハイブリッドは、適切な性能を得るには血栓状態の存在を必 要とする。さらに、フィブリノーゲンはアミノ酸配列Arg−Gly−Aspを 有するので付着性蛋白である。フィブリノーゲンは各種の細胞に結合して、これ ら細胞間に架橋を与えのハイブリッドしか血栓に結合させることができない。
ヒトフィブリン断片E、はフィブリンのポリマーに特異的に結合し[オレクサ等 、プロシーディング・ナショナル・アカデミ−・サイエンス、L7SA、第77 巻、第1374〜1378頁(]980) ]、古いおよび新しい血栓に対し結 合する能力を有脈血栓が検出されている[ナイト等、ラジオロジー、第156巻 、第509〜514頁(1985)コ。断片E、の他に、断片E22l特許第4 .427.546号に開示されている。
フィブリノーゲンのCNBr−切断断片は、t−PAの活性化を加速することが 示されている[ニ二一ペンクィゼン等、Biocbe+n、Biophys、A c+a、 、第755巻、第531〜533頁(1983);リジネン等、ヨー ロピアン・ジャーナル・バイオケミストリー、第144巻、第541〜544頁 (1984) ;ニューベンフイゼン等、Biochem、Bioph7t、A cfa、 、第748巻、第86〜92頁(1983) ]。しかしながら、フ ィブリノーゲン断片は、血漿中に存在するプラスミノーゲン活性化剤の阻止物質 によるt−PAの失活から保護しない。
必要とされるものは公知のプラスミノーゲン活性化剤よりも強力な溶解活性を有 するが上記のような公知活性化剤の欠点を持たない血栓溶解剤である。理想的に は血栓崩壊剤は極めて高いフィブリン特異性を持たねばならず、それ自身で血栓 のフィブリン表面もしくはその近傍に固定化せねばならない。これは、循環プラ スミノーゲンを活性化することな(フィブリン表面結合のプラスミノーゲンのみ を活性化させねばならない。さらに、溶解剤は血栓表面におけるプラスミン発生 のための極めて高い能力を持たねばならず、さらに長期間の高投与量注入が必要 でないよう循環系にて長い半減期を持たねばならない。所定量のプラスミノーゲ ンから多量のプラスミンを生成する能力を持った血栓崩壊剤はより良好な溶解剤 として機能する。何故なら、血栓表面における所要量のプラスミン濃度を少量の 活性他剤単位を用いて達成しうるからである。
「プラスミノーゲン活性化剤」という用語は、酵素原プラスミノーゲンをフィブ リン分解酵素プラスミンまで活性化させうる任意の薬剤を意味する。
「フィブリン断片」という用語は、完全な架橋した或いは架橋してないフィブリ ンの1回もしくは順次のプラスミン切断から生ずる任意の断片(「天然フィブリ ン断片」)、並びに任意の方法でさらに切断され、誘導化され或いは改変される が天然断片アミノ酸配列の実質的部分を保持する任意の断片(「非天然フィブリ ン断片」)を意味する。
プラスミノーゲン活性化剤とフィブリン断片との間の結合につき説明する際ここ に用いる「結合」という用語は、限定はしないが非共有錯形成、共有結合(限定 はしないが1種もしくはそれ以上の架橋剤による共有結合を含む)などを包含す る任意の化学結合を意味する。さらに、これら結合の範囲内には遺伝子工学によ る単位蛋白の形成も含まれ、これはフィブリン断片およびプラスミノーゲン活性 化剤の全体もしくは1部に対する単一蛋白としての遺伝情報の同時発現から生プ ラスミノーゲン活性化剤に結合したフィブリン断片からなる血栓崩壊剤が提供さ れる。フィブリン断片はフィブリンの天然断片または非天然断片とすることがで きる。フィブリンの天然断片はたとえば断片E11E2、E3、DおよびDD、 並びに(DD)E複合体を包含し、これらは架橋および/または非架橋フィブリ ンのプラスミン減成によって得られる。非天然フィブリン断片はたとえば天然断 片より小さい断片、たとえば断片E とE2との中間にアミノ酸配列を有するペ プチドを包含する。さらに非天然フィブリン断片は改変、合成もしくは誘導化天 然断片をも包含する。この種の天然もしくは非天然フィブリン断片の共有もしく は非共有複合体はたとえばt−PA、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼもしく は5cu−PAのようなプラスミノーゲン活性化剤で形成される。
血栓崩壊に充分な量の本発明による血栓崩壊剤と静脈投与に適した医薬上許容し うるキャリヤとからなる血栓崩壊組成物が提供される。
この種の組成物を哺乳動物に投与することによる血管血栓の溶解方法も提供され る。
図面の簡単な説明 第1図はフィブリンモノマー(FM)、(DD)E複合体、断片DDもしくは断 片E1に対する種々の濃度の一本鎖を−PAの結合を示すプロット図であり、フ ィブリンモノマーもしくはフィブリン断片で被覆されたマイクロタイター板に結 合したt−PAの量は405nmにおける吸光度を測定する酵素結合免疫吸着分 析(rELI SAJ )により決定され、これらプレートは陰性比較として牛 血清アルブミン(rBsAj)で被覆され、 第2図は断片DD、(DD)E複合体もしくは緩衝剤(比較)の存在下における 血漿中のt−PAのフィブリン分解活性の持続時間を示すプロット図であり、t −PAは500倍モル過剰の断片DDもしくは(DD)E複合体と複合化させて 通常のヒト血漿中にて5時間まで培養され、血漿中の培養時間の関数としてのt −PA活性は初期活性の比率して現わされ、 第3図はフィブリン断片とt−PAとのモル比の関数としてt−PAのフィブリ ン分解活性を示すプロット図であり、t−PAは正常なヒト血漿中に単独で或い は種々の比の断片DD、(DD)E複合体もしくは断片E3と複合化して5時間 にわたり培養され、t=5時間にてフィブリン断片:を−PAモル比(FDP  : t−PA)の関数として残、留するフィブリン分解活性を示し、 (比較)の存在下における血漿中でのt−PAのフィブリン分解活性の持続時間 を示すプロット図であり、複合体形成および培養の実験条件は第2図に示したと 同じであり、第5図は断片DD、(DD)E複合体、フィブリノーゲンの臭化シ アノーゲン切断断片(CNBr)もしくは緩衝剤(比較)の存在下における血漿 中のウロキナーゼフィブリン分解活性の持続時間を示すプロット図であり、複合 体形成および培養の実験条件は第2図におけると同じてあり、第6図は断片DD 、(DD)E複合体、フィブリノーゲンの臭化シアノーゲン切断断片(CNBr )もしくは緩衝剤(比較)の存在下におけるt−PAによるプラスミン発生のプ ロット図であり、プラスミン活性は発色性基質S−2251の加水分解から種々 の時間間隔で測定され、第7図はt−PA単独または断片DDもしくは(DD) E複合体とI : 100のモル比で複合化したt−PAのいずれかによるフィ ブリン凝塊溶解を示すプロ・ソト図であり、溶解剤はヒト血漿中で37℃にて1 時間培養され、次いで混合物に■ −フィブリノーゲンを補給すると共に血栓で 凝塊させ、この凝塊溶解は種々の時間間隔で測定して初期値の比率としてプロッ トされ、上方の曲線(内実線)は血漿の予備培養をせずにt−PAを用いて得ら れる。
発明の詳細な説明 プラスミノーゲン活性化剤をフィブリン断片に結合させれば、得られるハイブリ ッドはフィブリン凝塊(血栓)を結合する親フィブリン断片の能力を保持すると 共に、親プラスミノーゲン活性化剤分子がプラスミノーゲンをその活性酵素型プ ラスミンまで変換する能力を保持することが判明した。フィブリン断片は、プラ スミノーゲン活性化剤を血栓表面まで直接に輸送するためのビークルとして効果 的に作用する。その結果、より多量のプラスミンが血栓表面にてその場で当量の 遊離プラスミノーゲン活性化剤からよりも表面結合プラスミノーゲン活性化剤か ら多量に発生する。したがって本発明の血栓崩壊剤の投与は、全身注入のプラス ミノーゲン活性化剤よりも約5倍効果的であることが従来示されているプラスミ ノーゲン活性化剤の局部投与に類似する。
フィブリン断片成分の血栓ターゲット作用のため、本発明のハイブリッドはプラ スミノーゲン活性他剤単独よりも効率的な血栓崩壊剤である。これらは、対応の 非複合化プラスミノーゲン活性化割分子よりも多量のプラスミンを所定量の内生 プラスミノーゲン当りに生産する。さらに、これらはプラスミノーゲン活性化側 分子単独よりも多量のプラスミンをフィブリン表面結合したプラスミノーゲンか ら発生する。その結果、本発明による複合体として投与されるプラスミノーゲン 活性化剤の量は、現在血栓崩壊治療で投与されている遊離プラスミノーゲン活性 化剤の高レベルから減少させることができる。ハイブリッドは治療上有益なレベ ルのプラスミンを顕著な全身性のプラスミノーゲン活性化なしに血栓部位で発生 する。本発明による溶解剤の注入の頻度および持続時間は、遊離プラスミノーゲ ン活性化剤につき必要とされるよりも低い。
プラスミノーゲンの全身活性化は、循環血液中に過剰のプラスミンを発生させる 。これはフィブリノーゲンの減成を生ぜしめ、血小板付着および凝集を低下させ る。さらに、過剰の循環プラスミンは止血プラグのスロンボスポンジンおよび他 の成分を減成させる。これらの現象は溶解状態を示し、血管病巣および事前の阻 害された止血プラグが存在すれば出血合併症をもたらしうる。事前の阻害された 止血プラグは容易に溶解されて出血をもたらしうる。事前の血管もしくは上皮の 欠陥部も極めて出血を受け易くなる。さらに、慣用の血栓崩壊治療と組合せたヘ パリン治療も、出血合併症の発生を投与量および時間に依存して促進する。
本発明の血栓崩壊性ハイブリッドは、フィブリン断片成分の血栓ターゲット特性 により過剰の循環プラスミンおよび上記合併症を最小化させる。さらに、複合体 のフィブリン断片成分は形成された血栓の新たなフィブリン形成もしくは拡大に 対し成る程度の阻止作用を発揮しうる。血栓崩壊ハイブリッドの使用は医者がヘ パリンの投与量を実質的に減少させ、しかも血栓崩壊治療に際し出血合併症の危 険を顕著に低下させることを可能にする。本発明の血栓崩壊性ハイブリッドは、 血栓崩壊治療の後の出血合併症の既知メカニズムに基づく顕著な出血現象を生ぜ しめないと思われる。
米国特許第4.564.596号のフィブリノーゲン−ウロキナーゼハイブリッ ドと異なり、本発明のハイブリッドは凝集促進性でない。さらに、上記従来技術 のフィブリノーゲン含有ハイブリッドとは異なり、本発明のハイブリッドは明か に血小板に結合せず、血小板凝集を促進しない。したがって、この血栓崩壊性ハ イブリッドは、主として血小板凝集および付着によって誘発される再閉塞を促進 しない。
フィブリノーゲンとは異なり、フィブリン断片から形成される本発明のハイブリ ッドは従来技術のフィブリノーゲン−ウロキナーゼハイブリッドよりも小さく、 シたがって一層良好な血栓浸透性を示すと思われる。これらは血栓をターゲット とする血栓性(または他の)状態による人体中での活性化を必要としない。フィ ブリン断片はArg−Gly−Asp配列を含有しないか或いはフィブリノーゲ ンと対比して極めて少量しか含有しないので、本発明のハイブリッドは顕著には 細胞表面リセプタに結合しない。これらは、フィブリノーゲン−ウロキナーゼの 従来のハイブリッドに要するよりも少量で投与することができる。
血漿は、外生プラスミノーゲン活性化剤に対し有害な環境を構成する。血液の細 胞成分および肝臓の肝細胞は循環系から外生プラスミノーゲン活性化剤を急速に 吸収する。この用途におけるプラスミノーゲン活性化剤の短い半減期とは異なり 、本発明の溶解型ハイブリッドは一般に血漿中に存在する阻止剤からおよび肝臓 による急速な吸収からフィブリン断片成分により保護される。その結果、本発明 の血栓崩壊剤は循環系において裸プラスミノーゲン活性化剤と対比して向上した 半減期を有する。
本発明の血栓崩壊剤は、プラスミノーゲン活性化剤をフィブリン断片に結合させ て形成される。プラスミノーゲン活性化剤は天然材料から生成することができ、 培養増殖細胞により生成することができ、或いは組換DNA技術により得ること もできる。プラスミノーゲン活性化剤は限定はしないがストレプトキナーゼ、ウ ロキナーゼ、5cu−PAS t−PAなどを包含する。
プラスミノーゲン活性化剤 本発明によるフィブリン断片に結合しうるプラスミノーゲン活性化剤の1種は、 細菌起源の生産物、たとえばストレプトキナーゼを包含する。さらにストレプト コッカス性フィブリノリシンとして知られるように、ストレプトキナーゼは血液 分解性ストレプトコッカスによって生産される蛋白である。
ストレプトキナーゼの精製については以下の米国特許の1つもしくはそれ以上に 記載され、その完全な開示を参考のためここに引用する:米国特許第3.063 .913号;第3.063.9+4号;第3.138.452号;第3.276 、304号;第3.016.337号;第3、042.586号;および第3. 107.203号。
本発明におけるフィブリン断片に結合しうる他の種類のプラスミノーゲン活性化 剤は哺乳動物の尿、血液もしくは組織の全体に分布する各種のプラスミノーゲン 活性化剤を包含する。2種の主たる群はウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化 剤および非ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化剤を包含する。
プロトタイプのウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化剤、すなわちウロキナー ゼは腎臓組織で形成されて尿中に排泄される。組織培養物における数種の組織お よび腫瘍はウロキナーゼ、すなわちウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化剤を 産生ずる。ウロキナーゼは典型的にはたとえばヒトの尿から或いは腎臓細胞の組 織培養物から分離され、或いは遺伝子工学によって得られる。これは男性の尿か ら次の米国特許の1つもしくはそれ以上にしたがって分離することができ、これ ら特許の開示全体を参考のためここに引用する:米国特許第2、961.382 号;第2.989.440号;第2.983.647号;および第3、081. 236号。さらにホワイト等、バイオケミストリー、第5巻、第2160頁(+ 966)も参照することができる。ウロキナーゼを分離するための極く最近の方 法は次の米国特許に開示されており、その開示全体を参考のためここに引用する :特定の多孔質構造を有するアクリロニトリル重合体と尿とを接触させることか らなる人尿から直接にウロキナーゼを得る方法に向けられた再発行特許第29. 980号;蛋白を固定化させる特定表面積の多孔質固体マトリックスによる吸収 を用いた特許第4.259.447号;第4.537.852号;第4.259 .448号;第4、190.708号;第3.957.582号;第3.930 .945号;第3、930.944号;および第3.884.760号。
3種の天然ウロキナーゼが存在し、これらは全てプラスミノーゲンをプラスミン まで変換させる触媒活性を有する。最も完全なものは一本鎖ウロキナーゼ(sc u−PA)であって、「プロウロキナーゼJ (54kDa分子量)とも呼ばれ る。
プラスミンは、全分子量の変化なしにこの分子を切断して「二本鎖ウロキナーゼ 」 (典型的には単に「ウロキナーゼ」とも称される)を形成する。後者は、ジ スルフィド結合により約32kDaの重鎮に結合した約22kDaの軽鎖からな っている。
重鎮は酵素活性部位を有する。この54kDa高分子量ウロキナーゼ型の長いプ ラスミン切断は低分子量型のウロキナーゼを生成する。後者は一方の連鎖が約3 2kDaの分子量であり、他方が約2kDaの分子量である2種の連鎖を有する 。32kDaの連鎖は高分子量ウロキナーゼの重鎮に一致する。これら2種のウ ロキナーゼ型は、インビトロでの酵素活性において顕著に相違しない。
本発明は、血栓ターゲットのフィブリン崩壊性ハイブリッドを生成するためのフ ィブリン断片に対する各種のウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化剤の結合を 包含する。
天然ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化剤の他に、本発明はフィブリン断片 に対する任意の改変ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化剤の結合をも包含す る。この種の1種の改変ウロキナーゼ型分子はウロキナーゼをポリアルキレング リコール(分子量200〜20.000)に結合させて得られ、これは米国特許 第4.640.835号公報に記載され、これを参考のためここに引用する。治 療目的で適する他の公知のウロキナーゼ誘導体は、たとえばウロキナーゼとヘパ リンもしくは硫酸デキストランとの複合体、並びに天然ウロキナーゼ分子の炭水 化物構造が改変されて長時間作用する血栓崩壊剤を生成するウロキナーゼ誘導体 を包含する。この種の炭水化物改変ウロキナーゼはたとえば米国特許第4.32 6.033号公報に開示され、これを参考のためここに引用する。
非ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化剤はヒトの子宮組織によって或いは成 る種の培養腫瘍細胞によって産生される。「血管」プラスミノーゲン活性化剤( 以下、総称して「組織プラスミノーゲン活性化剤」もしくはrt−PAJと称す る)として知られた非ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化剤の種類は、ヒト の血管壁によって産生されると思われる。これら分子はフィブリン表面にてプラ スミノーゲンを活性化するのに対し、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化剤 はプラスミノーゲンをプラスミンまで活性化するのにフィブリン凝塊ネットワー クを必要としない。
組織プラスミノーゲン活性化剤(rt−PAJ)は蛋白一本鎖型(「一本鎖t− PAJ)および蛋白二本鎖型(二本鎖t−PAJ)を包含する形態で存在する。
後者は一本鎖分子から蛋白分解的に誘導される。二本鎖蛋白は生成されたフィブ リンと結合し、一本鎖材料から二本鎖材料への蛋白分解変換はプラスミノーゲン からプラスミンへの変換の部位で生ずると理論化される。両形態を本発明の実施 に用いることができる。
組織プラスミノーゲン活性化剤はたとえば子宮、腎臓、肺および小腸のようなヒ トもしくは哺乳動物の組織の培養液から得ることができる。正常細胞もしくは腫 瘍細胞が用いられる。各種の培養正常ヒト細胞からのt−PAの作成は次の米国 特許に開示され、これらを参考のためここに引用する:米国特許第4.335. 215号;第4.505.893号;第4.537.860号;および第4.5 50.080号。正常ヒト胎児肺細胞からのt−PAの産生はリジケン等、ジャ ーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第256 (13)巻、第7035〜 7041頁(198])に記載され、これを参考のためここに引用する。ポール 等、FEBS・レタース、第168(1)巻、第29〜32頁(1984) ( 参考のためここに引用する)はヒト子宮細胞からのt−PAの産生を開示してい る。
組織プラスミノーゲン活性化剤はさらに腫瘍細胞から得ることもできる。たとえ ば、t−PAはリジケン等(上記)および公開ヨーロッパ特許出願第41,76 6号(1981) (参考のためここに引用する)によりボウニス黒色腫細胞の 培養物から作成されている。ボウニス細胞t−PAは約6O−70kDa分子量 と525個のアミノ酸とを有するグリコ蛋白である。これはA鎖とB鎖とを有す る。I型およびII型として知られる2種の変種は約2〜3山だけA鎖が相違す る[ランビー等、FEBS・レタース、第146(2)巻、第289〜292頁 (19B2) ;ワレン等、ヨーロピアン・ジャーナル・ノくイオケミストリー 、第132巻、第681〜686頁(+983)コ。黒色腫組織プラスミノーゲ ン活性化剤の蛋白部分がクローン化されかつイー・コシーで発現されている[公 開英国特許出願第2.119.804号;ベニ力等、ネイチャー、第301巻、 第241〜221頁(+983)参照コ。培養哺乳動物細胞にてボウニス黒色腫 遺伝子を発現させて産生された組換t−PAが治療に使用されている。参考のた めここに引用する米国特許第4.661.453号公報は、前立腺癌細胞から得 られたt−PAを開示している。
組換t−PAは、ここに引用する米国特許第4.766、075号公報に開示さ れている。
イー・コリから誘導された組換t−PAは非グリコジル化型であってt−PAの 蛋白部分のみを含有するが、本発明は本発明による血栓ターゲットのハイブリッ ドを形成するグリコジル化型もしくは非グリコジル化型t−PAの使用を包含す る。グリコジル化型t−PAはたとえば支那ハムスター卵巣細胞のような非ヒト 原料から公開ヨーロッパ特許出願筒117.059号(19114)およびカウ フマン等、モレキュラ・セルラー・バイオロジー、第5巻、第1750〜175 9頁(1985)の方法により、或いはマウスL細胞からブラウン等、ジーン、 第33巻、第279〜284頁(1985) (これら全てを参考のためここに 引用する)にしたがって得ることができる。グリコジル化型t−PAは組換DN A技術によりザマロン等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第25 9(4)巻、第2080〜2H3頁(1984)およびコレン等、ジャーナル・ ファーマコロジカル・エキスペリメンタル・テラピー、第231 (1)巻、第 146〜152頁(1984) (参考のためここに引用する)にしたがって産 生ずることができる。公開ヨーロッパ特許出願筒143、 (181号(198 5)および第174.835号(1986)公報は組換技術による酵母でのt− PAの発現を開示している一方、公開ヨーロッパ特許出願筒178.105号( 1986)公報はマウスもしくは酵母細胞で発現されたグリコモル化型子宮t− PAを開示している。上記ヨーロッパ特許出願を参考のためここに引用する。米 国特許第4.751.084号公報は、正常ヒト結腸繊維芽細胞ラインCCD− 18c0 (ATCCCRL−1459)からのグリコジル化型t−PAを開示 している。
当業者に知られたこれらおよび他の天然および改変1−PA分子も本発明の実施 に有益である。
さらに「アンギオキナーゼ」として知られたプラスミノーゲン活性化剤も本発明 の実施に有用であり、その高度に血管形成した哺乳動物の結合組織からの精製が 米国特許第4、532.129号公報に開示されており、これを参考のためここ に引用する。
本発明の実施には任意のプラスミノーゲン活性化剤を使用しうるが、t−PAお よび5cu−PAがその優秀な血栓特異性により好適である。
天然フィブリン断片 フィブリンはその先駆体(すなわち可溶性の血漿蛋白フィブリノーゲン)を血栓 の作用により切断して形成される。フィブリンは凝塊マトリックスを形成し、因 子XI I I8により架橋されて安定化凝塊を形成する。ヒト架橋フィブリン はプラスミンにより減成されて、特徴的な減成生成物:(DD)E複合体、断片 DD、断片Eおよびαポリマー残留物を遊離する。(DD)E複合体は断片E1 および断片DDを含有する。(DD)E複合体はプラスミンによる減成をさらに 受けて断片E を断片E2まで切断し、しかも断片DDを結合する能力を喪失し ない。断片E2からE3への切断は複合体の解離をもたらす。架橋フィブリンの 末端プラスミン減成生成物はしたがって断片DDおよびE3である。完全反応過 程は次の通りである: プラスミノーゲン活性化剤に結合して本発明の血栓ターゲット複合体を形成する フィブリン断片は、架橋もしくは非架橋フィブリンの切断によって得ることがで きる。この種の断片はフィブリンに対する親和性を有し、かつ/またはこれらが 結合したフィブリノーゲン活性化剤を血漿における失活から保護する。さらに、 フィブリン断片はプラスミノーゲン活性他剤分子の活性を向上させる。さらに、 これらは新たなフィブリン形成または形成血栓の増大に対し阻止作用を示す。
形成するのに特に有用である。
本発明の実施に有用な天然フィブリン断片はたとえば断片びその製造方法はオレ クサ等、バイオケミストリー、第18巻、第991頁(1979)およびジャー ナル・バイオロジカル・ケミストリー、第254巻、第4925頁(1979) に報告されており、その両者を参考のためここに引用する。
E断片は、ヒト架橋フィブリンのプラスミン切断生成物からなっている。これら は、フィブリンの全部で6個のポリペプチド連鎖よりなるN H2末端領域を有 する。種々の断片Eのアミノ酸配列が確認されている[オレクサ等、バイオケミ ストリー、第21巻、第6139〜6145頁(1981)コ。少なくとも3種 の断片Eが分離されかつ特性化されており、すなわち新酸生成物である。これら 種類のミクロ異質性が認められていに開示されたように予備形成の凝塊に対し親 和性を有する。
この種の各ペプチドは血栓ターゲットのフィブリン崩壊性ノーイブリッドを形成 するのに有用である。
リンのポリマーに特異的に結合する[オレクサ等、プロシーディング・ナショナ ル・アカデミ−・サイエンス、USA。
第77巻、第1374〜1378頁(+980)コ。これは、従来技術で使ヒト 蛋白の断片であるからである。さらに、断片EIは古い或いは新鮮な血栓に結合 する能力を有することが示されている[ナイト等、J、 Cl1n、Inves t、第72巻、第2007〜2013頁(1983) ]。上記静脈血栓症を有 する患者にて血栓に対する断片E1の結合[ナイト等、ラジオロジー、第156 巻、第509〜514頁(1985)]は、インビボにて血栓を特異的に標的と する分子標識としてのこの断片の有用性を示している。
米国特許第4.427.646号に記載されたように、フィブリンの各種の天然 プラスミン減成生産物の基本的な製造方法は次の通りである。因子XIIIが豊 富なフィブリノーゲンからのフィブリン凝塊を形成させる。この凝塊をプラスミ ンにより加水分解すると共に、得られた切断物を遠心分離して大きい凝塊粒子を 除去する。上澄液は可溶性の減成生成物を含有し、これらを好ましくはアガロー スゲルビーズカラムにて分子量により分離して(DD)E複合体を得る。断片E 1およびE2は、濃厚塩溶液中で培養して断片DDと断片E、およびE2との解 離を生ぜしめた後に好ましくはアガロースゲルビーズカラムにより分子量にした がい分離して精製(DD)E複合体から得ることができる。
断片DD、すなわちフィブリンの2量体減成生成物はフィブリンポリマーおよび フィブリンモノマーに結合することもできるが、フィブリノーゲンを結合しない 。これは断片E1よりもプラスミン減成に対し耐性であり[オレクサ等、ジャー ナル・バイオロジカル・ケミストリー、第254巻、第4925〜4932頁( 1979) ] 、さらに大きい寸法のためプラスミノーゲン活性化剤の一層高 い保護を与えると共に、断片E1よりも血液中にて長い滞留時間を与える。
「断片D」として一般的に知られた断片は、同じ免疫反応および同様な三本鎖構 造を特徴とする1群のフィブリノーゲンもしくはフィブリン誘導体からなってい る。これらはフィブリノーゲンのモノマープラスミン減成生成物であって、非架 橋フィブリンのプラスミン切断によっても得られる。これらは、フィブリンモア lマーで得られるかフィブリノーゲンでは得られない部位に結合する。断片D1 は、種々のD断片における最高の分子量(lOQkDa)を有する。ここで用い る場合、特記しない限り「断片D」という用語は各種の任意のD断片、たとえば D SD およびD3のような断片を意味する。
(DD)E複合体はフィブリンに結合し7ないが、この複合体はプラスミノーゲ ン活性化剤に対し保護作用を与えて、これを安全に血栓まで輸送すると思われる 。さらに、成る種のプラスミノーゲン活性化剤(たとえばt−PA)の血栓にお けるフィブリン沈着物に対する親和性はこれら断片に対するプラスミノーゲン活 性化剤の親和性よりも高いと思われ、したがって活性化剤は血栓の近傍にてキャ リヤ断片から解離すると共にフィブリンに結合して血栓の表面でプラスミノーゲ ンを活性化させる。さらに、(DD)E複合体はフィブリンを結合しないが、こ れはプラスミノーゲン活性化剤の溶解活性に対し増強作用を有する。したがって 、(DD)E複合体はプラスミノーゲン活性化割分子を保護するためのシールド として効率的に使用することもでき、したがってプラスミノーゲン活性化割分子 の活性を増大させる。
天然フィブリン断片E 、、E2、E3DDおよび】 (DD)Eは架橋フィブリンの減成により得られるが、断片りは非架橋フィブリ ンから得られることに注目すべきである。
断片りはさらに、フィブリノーゲンのモノマープラスミン減成生成物として得る こともできる。
フィブリン断片を生成させるための、或いはフィブリン断片および/またはフィ ブリン崩壊性複合体を精製する際に使用するフィブリン−珪藻土親和性マトリッ クスを作成するためのフィブリンの製造につき以下説明する。
フィブリンの作成 音波処理したヒト架橋フィブリンはルーカス等、ジャーナル・バイオロジカル・ ケミストリー、第258巻、第4249〜4256頁(1983) [参考のた めここに引用する]にしたがってプラスミノーゲン−およびスロンビンフリーの ヒトフィブリノーゲンから作成することができる。要するに、精製されたフィブ リノーゲンをカルシウムイオンの存在下にフィブリノーゲン1mg当り1単位の 比にてスロンビンで凝固させる。次いでフィブリン凝塊を適当な細胞破壊器(た とえばヒート・システムス・ウルトラソエックス社、プレインビュー、NY)に て水冷しながら音波処理に露呈する。
非架橋および架橋フィブリン−珪藻土の作成フィブリン−珪藻土は珪藻土粒子に 固定化されたフィブリン凝塊からなり、小さいフィブリン凝塊集成体のための核 として作用する。次の手順にて親和性マトリックス材料として用いられる非架橋 および架橋フィブリン−珪藻土は次のように作成することができる: 非架橋フィブリン−珪藻土は、実質的にフセイン等、プロシーディング・ナショ ナル・アカデミ−・サイエンス、USA、第78巻、第4265〜4269頁( 1981)に記載されたように次の改変を伴って作成される。出発珪藻±(ハイ フロ・スーパー・セル、ブルカ・ケミカル・コーポレーション社、ロンコンコマ 、NY)から微粒子を水中に反復懸濁して除去した後、珪藻土材料をそれぞれ緩 和に撹拌しながら1リツトルのIMのNa1lにより2時間つづ2回洗浄する。
この処理は、成る珪藻土バッチに存在するフィブリノーゲンの凝固を阻止するよ うな物質を除去する。フィブリン−珪藻土を得るには、プラスミノーゲンフリー のフィブリノーゲンを珪藻土の存在下にスロンビンにより凝固させ、次いでブフ ナー漏斗上で0.05Mのトリス−MCI緩衝液(0,15MのNaC1を含有 する、pH7,4)で洗浄する。形成するフィブリン凝塊は粒子中に混入される 。残留スロンビンはD−Phe−Pr。
−Arg−クロルメチルケトン(アルビオケム・ベーリング・コーポレーション 社、サンジエゴ、CA)によって阻止される。架橋フィブリン−珪藻土は、洗浄 された非架橋フィブリン−珪藻土を5mMのCa Cl 2とIMのメルカプト エタノールとを含有したトリス緩衝液に懸濁させ、次いで懸濁物を20℃にて1 5時間培養することにより作成される。次いで、架橋フィブリン−珪藻土をカラ ムで洗浄する。ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(rS DS−PAGEJ)を用いて、αおよびγフィブリン鎖の完全な架橋を示すこと ができる。
成る種の純粋な均質かつ可溶性のフィブリン断片につき0、その作成および特性 化を示せば次の通りである。
(DD)E複合体の作成 (DD)E複合体はオレクサ等、バイオケミストリー、第18巻、第991〜9 95頁(1979)に記載されたように精製ヒト架橋フィブリンから作成するこ とができる。これによれば、1gの乾燥架橋フィブリンとICTA単位のプラス ミン(I CTA単位/ 1 gフィブリン;カビ社、ストックホルム、スエー デン国)とを−緒にできるだけ迅速に20m1の予備加温0.15M トリス− HCl緩衝液(5mMのCa Cl 2と0.02%のナトリウムアジドとを含 有する、pH7,4)に懸濁させる。(rCTA単位」は、カゼイン基質に対す るその作用によりプラスミンの蛋白分解活性を規定する血栓崩壊剤委員会の標準 単位である)。切断を37℃にて絶えず緩和に撹拌しながら正確に21.5時間 行なって、(DD)E複合体の最大収率を得る。次いで、切断を0.0]mlの アプロチニン(トラシロール(登録商標)、バイエル・アンド・カンパニー社) を]00KIυ/リットルCTA単位のプラスミンの最終濃度まで添加して停止 させる。(酵素阻止剤としてのアプロチニンの能力は、これが阻止しうるカリク レインの量にしたがって検定され、したがってその活性は1ml当りのカリクレ イン阻止剤単位、すなわちrKIυ/m1」として現される)。切断物を凍結貯 蔵し、比較5DS−PAGEおよびアルカリ性PAGEを行なう。少量の粒子材 料を3,000gにて4℃で15分間遠心分離して除去する。次いで、切断物の 上澄液をセファローズ(登録商標)CL−6Bカラム(ファルマシア社、ビスカ タウエイ、N J ; 2.51190cm )にてクロマトグラフにかけ、平 衡化し、次いで0.1Mの塩化ナトリウムと0.028Mのクエン酸ナトリウム と25KILI /mlのアプロチニンと0,02%のナトリウムアジドとを含 有する0、05Mのトリス−HCl緩衝液(pH7,4)で溶出させる。(セフ ァロース(登録商標)CLは高度精製されたアガロースであって、ジブロモプロ パノールで処理されている)。10〜15m1の容積における約20[1〜25 0mgの蛋白を各操作で施し、流量を約40〜45m1/brに調整する。主ピ ークにおけるそれぞれ8mlのフラクションを合して濃縮し、次いで5DS−P AGEおよびアルカリ性PAGEにて分析する。主(第2)ピークフラクション は純粋な均質(DD)E複合体を含有する。この作成物を限外濾過によって濃縮 し、次いで貯蔵する。
断片DDの作成 断片DDを同様に作成するが、乾燥フィブリンに対し異なる比率のプラスミンを 用いる。断片DDの最大収率を得るため、1gの乾燥架橋フィブリンをl0CT A単位のプラスミン(IOCTA単位/Igフィブリン)により正確に21.5 時間にわたり切断する。次いで、切断をl0m1 (100KIυ/リツトルC TA単位のプラスミン)のアプロチニンによって停止させ、反応混合物を比較5 DS−PAGEを行なうまで凍結貯蔵する。次いで、切断物を3.000gにて 4℃で15分間遠心分離し、次いで上澄液を上記(DD)E複合体の製造で用い たと同じ種類のカラムでクロマトグラフにかけ、平衡化させ、上記と同じ緩衝剤 系で処理し、その際一層高モル濃度の塩化ナトリウム(LM NaC1)(pH 7,4)を用いる。主ピークニおける各フラクション(8「11)を合して5D S−PAGEで分析する。主ピークフラクションは比較的純粋かつ均質な断片D Dを含有する。この試料を濃縮すると共に貯蔵する。主ピークの末端はさらに著 量の断片DDと微量の断片D1およ商標))で精製し、フィブリン−珪藻土親和 性カラムに通過させて、フィブリンに対する結合親和性を全体的に保持しなから 断片を貯蔵する。
す37℃で1時間にわたり解離させる。得られた物質は変性断片DDと天然の機 能上活性な断片E1とを含む。次いで、この試料をセファロ−7、(登録商標)  CL −6B (0,b90cm)カラムでクロマトグラフにかけ、平衡化さ せ、さらに断片DDの分離に用いたと同じ緩衝剤系で溶出させる。変性断片DD および断片E (E および/またはE2)は、2つの顕著に分離したピークと して溶出する。比較5DS−PAGEを行なう。断片Eを濃縮して貯蔵する。こ の調製物は約25%体蛋白クロマトグラフィー(rFPLcJ)によって分離す る[モノQ(登録商標)陰イオン交換樹脂1mlを充填した5mmx5cmのガ ラスカラム;イオン容量= 0.27−0.37CI−1゜モノQ(登録商標) 陰イオン交換樹脂は単分散親水性重合体粒子に基づく比較的強い陰イオン交換基 、−CH2N+完全な断片E1を分離するには、フィブリン−珪藻土における親 和性クロマトグラフィーを行なう。
橋フィブリンの末端プラスミン切断から得られる。これによれば、架橋フィブリ ンをJOOCTA単位プラスミン/Igフィブリンによって24時間切断し、次 いでセファロース(登録商標)CL−6Bカラムで断片DDの場合と同様にゲル 濾過分離する。この断片の純度および均質性を5DS−PAGEで試験する。こ れらフラクションを貯蔵し、次いで限外濾過により濃縮し、次いで抗−E親和性 カラムで精製する。
リンの長時間プラスミン切断により作成され、マーダー等、Throms、Di alh、 Haemorrh、、第22巻、第234〜239頁(1969)( 参考のためここに引用する)にしたがいベビコン・ブロック製造用電気泳動によ って精製される。断片D2とD3との混合物がこの手順で25mMのCa Cl  2の不存在下に得られる。
非天然フィブリン断片 天然フィブリン断片に対する代案として、非天然フィブリン断片を適するプラス ミノーゲン活性化剤に結合させて血栓り・−ゲットのフィブリン崩壊性ハイブリ ッドを形成することもできる。この種の非天然フィブリン断片は改変プラスミン 減成フィブリン断片、たとえば熱変性CNBr−改変または酸変性断片;合成断 片、すなわち対応する天然産フィブリン断片のアミノ酸配列の1部または全部と 同じ配列を有する合成ペプチド、或いは1個もしくはそれ以上のアミノ酸が置換 された合成ペプチド(この種の合成ペプチドは一本鎖またはジスルフィドもしく は他の化学結合により結合した連鎖を含む);さらに誘導化断片、すなわち1個 もしくはそれ以上の化学剤と反応した或いはこれで処理した天然フィブリン断片 を包含する。
天然フィブリン断片の1部を含有する合成ペプチドも本発明の実施に有用である 。この種の1種の断片は、参考のためここに引用するチェルニウスキー等、ジャ ーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第262巻、第13896〜1390 1頁(1987)に記載されたγ391−γ405断片である。天然フィブリン 減成断片の1部を含む他の合成ペプチドが当業者に知られている。
誘導化断片はフィブリン断片をたとえば沃化メチル、アシル化剤、炭水化物、カ ルボジイミドなどと反応させて形成することができ、これらはたとえば生物学的 半減期の延長のような1つもしくはそれ以上の性質の改変を容易化させるべく使 用することができる。
さらに、誘導化は適する封鎖剤によるフィブリン断片上のプラスミノーゲン結合 部位の封鎖を包含する。成る種のフィブリン減成生成物は、プラスミノーゲンに 対する完全な結合部位を保持する。この種の断片から形成されたハイブリッドは 理論的に全身循環からのプラスミノーゲンを結合しつると共に、凝塊表面上に固 定化する前に循環血液中にプラスミンを放出する。これは、循環系に望ましくな いフィブリノーゲン分解活性をもたらしつる。これを防止するには、フィブリン 断片上のプラスミノーゲン結合部位を封鎖する。
プラスミノーゲン結合部位の封鎖は数種の方法で行なうことができる。不活性プ ラスミン誘導体は、プラスミンをたとえばジイソプロピルフルオロホスフェート または他のプラスミン失活剤で処理して作成することができる。この種の失活し たプラスミン誘導体はフィブリン断片に非共有結合して、断片のプラスミノーゲ ン結合部位を封鎖することができる。
1つの方法によれば、プラスミン分子をたとえば弗化フェニルメチルスルホニル (rPMSFJ )およびイソプロピル−フルオロホスフェート(rDFPJ) のような阻止剤によって失活させる。阻止剤はプラスミン分子の酵素活性部位を 失活させる。次いで、これら失活されたプラスミン分子を用いてフィブリン断片 を飽和させる。フィブリン結合機能を介しフィブリン断片に結合した失活プラス ミン分子は、かくしてフィブリン断片における全プラスミノーゲン結合部位を封 鎖する。このように結合したプラスミン分子は、その従前の阻止剤での失活によ り酵素活性を示さない。
或いはフィブリン断片のプラスミノーゲン結合部位は、失活プラスミノーゲン誘 導体を特定の架橋性試薬によりフィブリン断片に共有付着させて封鎖することも できる。失活したプラスミンを、その活性酵素部位を介しフィブリン断片のプラ スミノーゲン結合部位に架橋剤によってカップリングさせる。この目的に適する ヘテロ三官能性架橋剤の例は、一方の官能基としてPMSF成分を有すると共に 他方の官能基として芳香族アジド残基を有するような試薬である。PMSF成分 はプラスミン分子の活性部位と共有結合するのに対し、アジド基はプラスミン分 子をフィブリン分解性ハイブリッドのフィブリン断片部分におけるプラスミノー ゲン結合部位にカップリングさせる。この目的に適すると思われる1種のへテロ ニ官能性試薬は次のものである二 フィブリン分解性ハイブリッドのフィブリン断片部分に対するプラスミノーゲン 結合を防止するための他の手段は、分離されたプラスミノーゲンクリングル(k +ingle )を封鎖剤として用いることによりフィブリン断片のプラスミノ ーゲン結合部位を飽和することである。クリングルは1種のジスルフィド架橋し たトリプルループ構造を有し、多数の蛋白にて独立した自動折畳ドメインとして 存在する。クリングルは、たとえば5cu−PA(クリングル1) 、t−PA  (クリングル2)およびプラスミノーゲン(クリングル4および5)に存在す ることが判明した。プラスミノーゲンは、クリングル4とクリングル5との間で 100mMエラスターゼによって切断することができる[マホビッチ等、サーキ ュレーション、第78(4)巻、サブルメント11、アブストラクトNo、 2 039、「米国心臓協会の第61回科学会議の要約」]。分離されたプラスミノ ーゲンクリングルの合成は組換DNA技術により可能である。これらクリングル を本発明のフィブリン分解性ハイブリッドと合して不可逆的に架橋させ、循環プ ラスミノーゲン分子と差別しえないようにすることができる。
本発明の用途を有する各種の天然および非天然フィブリン断片は、親分子フィブ リンの適する酵素切断によって作成することができる。さらに、プラスミノーゲ ン活性化剤分子に結合させて本発明によるフィブリン分解性ハイブリッドを形成 しうるフィブリン断片は、当業者に知られた遺伝子工学技術によって製造しうろ ことも考えられる。
非共有フィブリン分解性複合体はフィブリン断片とプラスミノーゲン活性剤分子 との間で作成することができ、それらの間に固有の結合親和性を有する。複合体 の例は、限定はしないが断片E1、E2、DおよびDD、並びにt−PAもしく は5cu−PAに結合した(DD)E複合体を包含する。
他の非共有複合体は、フィブリン断片とプラスミノーゲン活性他剤分子とがそれ らの間に固有の結合親和性を有する限り作成することができる。
本発明の非共有複合体は、フィブリン断片をプラスミノーゲン活性他剤分子と共 に複合体形成に有利なモル比にて得られる複合体の安定化に有利な条件下で培養 して作成される。
一般に、反応容器は血清アルブミンで予備被覆される。所要の活性に応じ所定量 のプラスミノーゲン活性他剤分子を約1〜約1000倍、好ましくは約10〜約 1000倍モル過剰のフィブリン断片と共にたとえば37℃にて30分間培養す る。培養の後、ヒト血清アルブミンおよび/または他の安定化剤と1〜2mMの Ca Cl 2とを混合物に添加する。この種の他の安定化剤はたとえば非イオ ン型洗剤を0.01〜0.1%の濃度で含む。この種の洗剤はたとえばポリソル ベート80(ツイーン(登録商標)80)およびポリソルベート20(ツイーン (登録商標)20)を包含する。複合体の形成は、非解離PAGEによって証明 される。次いで、複合体をFPLCにより精製する。次いで、これらをフィブリ ン結合親和性およびプラスミノーゲン活性化用の活性につき試験することができ る。複合体の機能活性は次いで標準的な発色性(ch+omogenic )基 質分析または他の適する機能分析により検定することができる。発色性プラスミ ン基質H−D−Va 1−Leu−Lys−p−ニドoアニリン(S−2251 )をこの目的で使用することができる。
さらに血栓崩壊性ハイブリッドは、フィブリン断片をプラスミノーゲン活性化剤 に共有カップリングさせて形成することもできる。これら成分は、適するホモニ 官能性もしくはヘテロ三官能性架橋剤によって共有架橋させることができる。
本発明の共有架橋したフィブリン分解性ハイブリッドは、ホモ三官能性架橋剤、 たとえば酒石酸ジスクシニミジル、スペリン酸ジスクシニミジル、エチレングリ コールビス(コハク酸スクシニミジル)、1.5−ジフルオロ−2,4−ジニト ロベンゼン(rDFDNBJ ) 、4.4’ −ジイソチオシアノ−2,2′ −ジスルホン酸スチルベン(rDIDSJ)およびビスマレイミドヘキサン(r BMHJ )を用いて作成することができる。架橋反応はフィブリン断片とプラ スミノーゲン活性化剤との間でランダムに生ずる。
或いは、ヘテロ三官能性架橋剤を用いることもできる。この種の架橋剤はたとえ ばN−スクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(rsPD PJ ) 、スルホスクシニミジル−2−(p−アジドサリチルアミド)エチル −1−3′−ジチオプロピオネート(rsAsDJ 、ピアス・ケミカル・カン パニー社、ロックフォード、IL)、N−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキ シ−スクシニミジルエステル(rMBsJ ) 、m−マレイミドベンゾイルス ルホスクシンイミドエステル(「スルホ−MBSJ)、N−スクシニミジル(4 −ビオドアセチル)アミノベンゾエート(rsIABJ)、スクシニミジル4− (N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(「SMC C」)、スクシニミジル−4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(rsM PBJ ) 、スルホスクシニミジル(4−ビオドアセチル)アミノベンゾエー ト(「スルホ−3IABJ)、スルホスクシニミジル4−(N−マレイミドメチ ル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(「スルホ−SMCC」)、スルホ スクシニミジル4−(p−マレイミドフェニル)−ブチレート(「スルホ−8M PBJ)、ブロモアセチル−p−アミノベンゾイル−N−ヒドロキシスクシニミ ジルエステル、ビオドアセチル−N−ヒドロキシ−スクシニミジルエステルなど を包含する。
ヘテロ三官能性架橋のため、フィブリン断片をたとえば二官能性試薬のN−ヒド ロキシスクシニミジル部分で誘導化すると共に、誘導化されたフィブリン断片を ゲル濾過によって精製する。次いで、プラスミノーゲン活性化剤を第2の二官能 性試薬の官能基と反応させてフィブリン分解性ハイブリッドの各成分間の指向性 結合配列を確保する。
蛋白−蛋白結合を形成する典型的なヘテロ三官能性架橋剤は、一方の官能基とし てアミノ反応性N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステルを有すると共に他方の 官能基としてスルフヒドリル反応性基を有する。第1に、フィブリン断片におけ る表面リジン残基のε−アミノ基を架橋剤のNH3−エステル基でアシル化する 。遊離スルフヒドリル基を有するプラスミノーゲン活性他剤分子を架橋剤のスル フヒドリル反応性基と反応させて、共有架橋したフィブリン分解性ハイブリッド を形成させる。一般的なチオール反応性基はマレイミド、ピリジルジスルフィド および活性ハロゲンを包含する。たとえば、MBSはアミノ反応性基としてN− ヒドロキシ−スクシンイミドエステルを有し、スルフヒドリル反応性基としてマ レイミド成分を有する。
光活性のへテロ三官能性架橋剤、たとえば光反応性のフェニルアジドも使用する ことができる。この種の1種の試薬5ASDはそのN−ヒドロキシスクシニミジ ルエステル基を介しフィブリン断片に結合することができる。結合反応はpH7 にて室温で約10分間行なわれる。フィブリン断片に対し約1〜約20のモル比 の架橋剤が使用される。低い比が、フィブリン断片における結合部位の化学的改 変を最小化するのに好適である。架橋剤が結合したフィブリン断片を、次いで暗 所にてカラムゲル濾過(たとえばポリアクリルアミドカラム濾過)により反応副 生物から精製する。ゲル濾過クロマトグラフィーのための多孔質ポリアクリルア ミドビーズよりなるポリアクリルアミドゲル材料は、たとえばビオ・ラド・コー ポレーション社、リッチモンド、CAからビオ・ゲル(登録商標)ビーズとして 入手できる。これらゲルはP−2、P−4、P−6などの記号で示される範囲の 気孔寸法をもって入手できる。この記号は、気孔から完全に排除される最小分子 に相当する。フィブリン断片を精製するため、2kDaおよびそれより大きい分 子を排除する気孔寸法のゲル、たとえばビオ・ゲル(登録商標) P−2(Ix lOemカラム)が用いられる。
精製されかつ官能化されたフィブリン断片は、このフイブリン断片に対し親和性 を有するマトリックス(たとえばフィブリン−珪藻±(]、55m1親和性カラ ム)を用いて、親和性クロマトグラフィーにより回収される。結合した官能化フ ィブリン断片を有する固定化フィブリンを次いでカラムから除去し、適するプラ スミノーゲン活性化剤の溶液に懸濁させる。
紫外光源(たとえばミネラライトUV5L−25、ウルトラ・バイオレット・プ ロダクツ・イン二−ボレーテッb′社、サンガブリエル、CA)を緩和に撹拌さ れた懸濁物がら1cmの位置に設置し、約10分間にわたり超波長範囲で照射す る。懸濁物をフィブリン−珪藻土カラムに戻し、0.15MのNaC1と0.1 %の牛血清アルブミンと0.01%のポリソルベート8oと25KIU /ml のアプロチニンとを含有する緩衝液で洗浄して反応副生物を、除去する。共有架 橋したフィブリン分解性ハイブリッドを、0.5Mのアルギニンを含有する同じ 緩衝剤系で溶出させる。次いで、複合体をアルギニンがらビオ・ゲル(登録商標 )P−2カラムクロマトグラフイーによって分離する。
或いは、プラスミノーゲン活性化剤に対するフィブリン断片の結合は、先ず最初 にプラスミノーゲン活性他剤分子を誘導化して行なうこともできる。プラスミノ ーゲン活性他剤分子をたとえば上記5ASDと結合させ、官能化されたプラスミ ノーゲン活性他剤分子を上記のようにフィブリン−珪藻土親和性クロマトグラフ ィーによって精製する。ベンズアミジン−アガロースクロマトグラフィーを、フ ィブリン−珪藻土クロマトグラフィーの代わりに用いることもできる。
ベンズアミジンは、ベンズアミジン結合部位を有するt−PAおよびウロキナー ゼのような成る種のプラスミノーゲン活性化剤に特異的に結合する。プラスミノ ーゲン活性化剤を精製するための親和性カラムは、ベンズアミジンを適するマト リックス、たとえば高度精製されたアガロース(セファロース(登録商標)、フ ァルマシア・ファイン・ケミカルス社、ウプサラ、スエーデン国)、特にジブロ モプロパノールで処理されたアガロース(セファロース(登録商標)CL−6B )に固定化して製造することができる。ベンズアミン−アガロースはファルマシ ア・ファイン・ケミカルス社(ウプサラ、スエーデン国)から0,01%メルチ オレートを含有する0、9MのNaC1における予備膨潤親和性ゲルとして入手 することができる。
紫外線照射の下でフィブリン断片と反応させ、次いで反応混合物を上記のように クロマトグラフィーにかけた後、共有架橋したフィブリン分解性ハイブリッドを フィブリン−珪藻土クロマトグラフィーの場合には0.5Mアルギニンにより、 或いはベンズアミジン−アガロースクロマトグラフィーの場合には0.1Mアセ テート、0.4MのNaCl (pH4,0)により溶出させる。フィブリン− 珪藻土を親和性マトリックスとして用いる場合、共有複合体はビオ・ゲル(登録 商標)P−2クロマトグラフイーによってさらに精製させるのに対し、ベンズア ミジン−アガロースクロマトグラフィーを用いる場合には溶出液を単に急速に中 和する。
上記手順は5ASD (すなわち切断しつる架橋剤)を用いるが、β−エチル− 1,3−ジチオプロピオネート成分でなくたとえばα−ヘキサノエートを含有す る非切断性架橋試薬を用いることもできる。MSBが非切断性架橋剤の1例であ る。
プラスミノーゲン活性化剤との非共有複合体を形成するフィブリン断片の能力は 次のように示される。フィブリンモノマー(FM)と(DD)E複合体と断片D DおよびElとをイミュロンCマイクロタイター板(ダイナチク・ラボラドリー ス社、シャンチリ−1VA)のウェルに吸収させた。満たされない結合表面をB SDで封鎖した。ヒト黒色腫細胞ライン(アメリカン・ダイアグノスチカ社、N YXNY)から精製された一本鎖t−PAをこれらプレートに0.1〜15nM 濃度範囲の漸増量で添加し、3時間培養j5た。プレートにおけるフィブリン断 片に結合したt−PAの量をEL I SAにより定量した。複合体形成が試験 された全範囲のt−PA濃度にて証明され、フィブリンモノマー(FM) 、( DD)E1合体、断片DDおよび断片Elにつき同様であった(第1図)。
結合の特異性はBSAに結合するt−PAの欠如により確認された。これらの結 果は、t−PAがフィブリン断片との非共有複合体を形成することを示す。
プラスミノーゲン活性化剤とフィブリン断片との非共有複合体は、限定はしない が次の実施例にしたがって作成することができる。
実施例 1 断片DD/1−PA非共有複合体 反応容器を血清アルブミンの10mg/ml溶液で予備被覆し、次いで乾燥した 。断片DD (640nモル)を一本鎖t−PA(3,2nモル)(アメリカン ・ダイアノスチカ社、NY)と共に、アルブミン予備被覆された容器で1/2時 間にわたり37℃で2mMのCa”+の存在下に培養した。10mgの血清アル ブミンと10μmのポリソルベート20の10%溶液とを安定化剤として添加し た。燐酸塩緩衝塩水(rPBsJ)(pH7,4)を添加して、容積を調節する と共に活性単位を基準化した。
この反応混合物をモノQ(登録商標)陰イオン交換カラムを用いるFPLCによ り分画してフィブリン分解性ハイブリッドを分離した。したがって、フィブリン 断片とプラスミノーゲン活性化剤とからなる115mgの反応混合物をモノQ( 登録商標’)HR515カラム中へ1ml/minの流速で導入した(濃度勾配 =2.5rnM /man Na Cl) 、移動相は20dのトリス−HCl  (pH7,4)で構成した。フィブリン分解性ハイブリッドを280r+mで 検出した。このハイブリッドを次いでベンズアミジン−アガロース親和性マトリ ックカラムで精製した。かくして、FPLC溶出液を]、5mlのベンズアミジ ン−アガロースカラム(0,813,5ml )に施し、0.05M燐酸ナトリ ウム、0.3MのNaC1および0.05%のポリソルベート20(pH7,4 )で溶出させた。ベンズアミジン−アガロース親和性マトリックにより結合され ないt−PA分子と阻害されたプラスミノーゲン活性化側部分を有する非官能性 のフィブリン分解性ハイブリッドと遊離フィブリン断片とを、カラムの8倍容量 の平衡化緩衝剤の洗浄液でカラムから洗出しだ。
親和性マトリックス結合したフィブリン分解性ハイブリッドと非複合化t−PA とを次いでカラムから0,1Mアセテート、0.4MのNaC1(pH4,0) で溶出させた。精製された複合体をS−2251発色分析により機能活性につき 分析した。要するに、複合体をプラスミノーゲン(0,04U/ml)および合 成発色基質S S −2251(3mM’)と共に37℃にて15分間培養し5 た。反応を50%酢酸で停止させた。反応混合物の吸光層を405nmで測定し た。複合体の活性は、既知量のt−PAを用いる同じ分析から作成された曲線に より得ることができる。
FPLCO代りにゲル濾過HPLCも用いうるが、FPLCが好適である。何故 なら、生成物の品質および純度がより高くなり、生物学的活性が一層良好に保持 され、分離がより容易であり、速度が大であり、さらに近縁断片および分子によ る汚染が最小となるからである。モノQ((登録商標)カラムにおける陰イオン 交換物質の均一な寸法(dp=9.8μm)および分布、並びにその小イオン容 量(0,28〜0.36ミリモル/ m l )は、ここに記載した精製工程に 対する適性を確保する。さらに、低圧クロマトグラフ技術もFPLCで用いられ る。
以下、限定はしないが実施例により、ヘテロ三官能性架橋剤を用いる本発明によ る断片DD/1−PA共有ハイブリッドの製造につき例示する。
実施例 2 断片DD/1−PA共有複合体 一本1it−PA (アメリカン・ダイアノスチカ社、250、000単位の活 性を有するil、5mg)を0.5mlのPBS(pH7,4)に溶解させた。
その直後に、20倍モル過剰における5PDPをt−PA溶液に滴下した。この 混合物を室温にて30分間にわたり緩和に撹拌し、次いで直ちに緩衝液(0,1 4MのNaC1,3,7dのNaHPO,1mMのKCI (pH7,4))に 対し3回取替えながら4℃にて12時間にわたり透析した。断片DD (10m g/ml、0.5m1)を等しい量(V/V)にて1000倍モル過剰の25m m硼酸ナトリウム(pH9J)における2−イミノチオランと混合した。反応を 室温にて緩和に撹拌し、つつ25分間にわたり持続させた。過剰の2−イミノチ オランを直ちにセファデックス(登録商標)G−25(これは0.02%のすl ・リウムアジドを含有するPBS(pH6,6)で予備平衡化する)におけるゲ ル濾過によって除去した。次いで、5PDP改変されたt−PAを2−イミノチ オール化断片DDと室温にて緩和に撹拌しながら7時間混合した。この時点で、 1[10倍モル過剰のビオドアセタミドを蛋白へ0.1MのNa82PO4(p H11,0)?、:て添加し、反応を完結させた。
親フィブリン断片成分の完全なフィブリン結合部位と親プラスミノーゲン活性化 剤成分の完全な接触部位とを有する共有複合体を反応混合物から2工程で精製し た。先ず最初に、混合物を実施例1におけると同様にベンズアミジン−アガロー ス親和性クロマトグラフィーにかけた。第2に、ベンズアミジン−アガロースカ ラムから溶出させると共に溶出液を中和した直後に、各フラクションをフィブリ ン−珪藻土親和性カラムに施し、このカラムはフィブリン結合親和性を有するフ ィブリン断片を持った結合体、並びに未結合のプラスミノーゲン活性化剤のみを 保持する。フィブリン親和性を持たない物質は保持されない。
架橋したフィブリン−珪藻±(1,5m1)をカラム([1,8x3.5cm) に充填し、次いで0.3MのNaC1および0.05%のポリソルベー1・80 を含有する0、 05Mの燐酸ナトリウム緩衝液(pH7,4)で平衡化させた 。ベンズアミジン−アガロースクロマトグラフィーから溶出されかつ中和された フラクションを次いでフィブリン−珪藻土カラムに施した。フィブリン結合機能 が阻害されたフィブリン分解性ハイブリッドはフィブリン−珪藻土親和性マトリ ックスに結合しなかった。このマトリックスはフィブリン結合親和性を有する完 全フィブリン断片と未結合のプラスミノーゲン活性化剤とを含有するハイブリッ ドのみを保持する。フィブリン親和性を持たない物質は保持されない。阻害され た非結合性ハイブリッドをカラムの8倍容量の平衡化緩衝液でカラムから洗出し だ。結合した蛋白、すなわち遊離プラスミノーゲン活性化剤および完全なフィブ リン結合機能を有するハイブリッド分子を、次いで0.5Mのアルギニンと0.  Img /mlのヒト血清アルブミンと0.01%のポリソルベート80と2 5K I U/mlのアプロチニンとを含有する平衡化緩衝液(pH7,4)で 溶出させた。アルギニンを溶出液から予備充填の脱塩カラム(ビオ・ゲルP−6 脱塩ゲル、すなわち約6KD の分子量除外範囲と約90〜180μmの水和粒 子寸法とを有する親水性ポリアニルアミドが充填されたエコツバツクl0DGカ ラム、ビオ・ラド・コーポレーション社)で除去した。次いで溶出液を0.02 %のナトリウムアジド(pH7,4)によりPBSに対し透析すると共に、この 緩衝液に4℃で貯蔵した。ハイブリッドのプラスミノーゲン活性化側部分がt− PAもしくは5cu−PAである場合は、未結合プラスミノーゲン活性化剤はフ ィブリン−珪藻土クロマトグラフィーに際しフィブリン分解性ハイブリッドと共 に同時溶出することができる。したがって、溶出したt−PA分子を次いでハイ ブリッド分子から他のゲル濾過工程により分離した。得られた断片DD/1−P A共有複合体を次いで、実施例1におけると同様にS−2251発色性分析によ り機能活性につき分析した。
プラスミノーゲン活性化剤−フィブリン断片複合体の活性血漿におけるプラスミ ノーゲン活性化剤を失活から保護するフィブリン断片の能力を次の一連の実験に より示した。プラスミノーゲン活性化剤の活性に関する独特な放射線標識血漿凝 塊の溶解弁締分析にしたがい、活性他剤試料(フィブリン分解性ハイブリッドま たは非複合プラスミノーゲン活性化剤)を集めて、放射線標識された凝塊と共に 10分間培養した。
可溶化しかつ放射線標識されたフィブリンを計数すると共に、血漿凝塊から上澄 液中へ放出された放射線活性の正味の%として現した。可溶化された蛋白の量を 計算した。単位/試料1mlとしての活性化剤の活性は、既知活性のt−PAも しくはウロキナーゼを用いて作成した標準曲線がら得られた。初期活性%を計算 し、初期活性および残留活性がらプロットした。
断片DDもしくは(DD)E複合体を500+lのモル比にて一本鎖t−PAと 混合した。混合物を血漿中で種々の時間にわたり培養した。残留t−PA活性を 測定した。第2図に示したように、血漿におけるt−FAはその活性を極めて急 速に喪失したのに対し、緩衝液に貯蔵されたt−PAはその活性を5時間の培養 にわたり保持した。断片DDおよび(DD)E複合体はt−PAに対し保護作用 を与え、したがってt−PAは血漿中にて単独で培養したt−FA程には急速に 活性を喪失しなかった。血漿におけるt−PAの半減期(rT1/2J)(すな わちt−PA活性がその初期値の半分になる時間)は、断片DDもしくは(DD )E複合体で保護された場合、未保護t−PAの1,3時間と対比してそれぞれ 2.08および2.03時間であった。したがって、フィブリン断片との複合化 は、血漿におけるt−PA活性の半減期において約57%の改良をもたらした。
フィブリン断片により与えられる保護作用は、次の実験により示されるように、 断片とプラスミノーゲン活性化剤との間のモル比により影響を受ける。t−PA を通常のヒト血漿中にて単独で5時間または種々異なるモル過剰の次のフィブリ ン断片の存在下に培養した: (DD)E複合体、断片DDおよび断片E3゜培 養時間の後、残留t−PA活性を分析した。非複合化t−PAは血漿中に僅が初 期活性の22%しが保σ 持しない(データを示さず)のに対し、はぼ全部の初 期活性(92〜100%)がフィブリン断片との複合化(FDP:t−PA=+ 00:1モル)によって保持されることが判明した(第3図参照)。
1 ヒトフィブリノーゲンのCNB r−切断断片はt−PAによるプラスミノ ーゲンからのプラスミン生成の割合を増大することが報告されている[ニューベ ンフィゼン等、Biochem。
+ Biophys、Acta、 、第755巻1、第531〜533頁(19 83) ;リジケン等、Eur、 J、 Biochem、、第144巻、第5 41〜544頁(1984) ]。さらに、この増増大層はフィブリノーゲンα 鎖の断片α148〜197に起因することも報告されている[ニュ1 −ペンフ ィゼン等、Biochem、Biophys、Acta、 、第748巻、第8 6〜92頁(1983)コ。断片D1断片DDおよび(DD)E複合体における 同じα鎖セグメントの存在にも拘らず、フィブリノーゲンのCNBr−切断断片 は次の実験で測定されるように正常血漿にてプラスミノーゲン活性化剤に対し保 護作用を与えない。
一本鎖t−PAを100倍モル過剰の(DD)E複合体、断片DDもしくはフィ ブリノーゲンのCNBr−切断断片と混合し、37℃にて45分間培養して複合 体を形成させた。正常ヒト血漿を添加し、混合物を種々の時間にわたり培養した 。時ンが補給されたヒト血漿に添加した直後にスロンビンを添加すると共に37 ℃にて10分間培養することにより測定した。断片DD保護のt−PA、(DD )E複合体保護のt−PAおよび未保護t−PAの半減期はそれぞれ4.87. 4.56および3.37時間であった。2種のフィブリン断片が血漿におけるt −PA失活に対し僅かな保護作用を与えたが、フィブリノーゲンのCNBr−切 断断片は全く保護作用を欠如した(第4図参照)。
フィブリン断片は、血漿におけるウロキナーゼ活性に対し同様な保護作用を示す 。断片DD、(DD)E複合体もしくはフィブリノーゲンのCNB r−切断断 片を100倍モル過剰のウロキナーゼと混合し、次いで37℃にて45分間培養 した。
次いで混合物を6mlの血漿に添加し、培養を続けた。第5図は、断片DDおよ び(DD)E複合体が保護作用を与えるのに対しCNBr−切断フィブリノーゲ ン断片は保護作用を与えなかったことを示している。DD−および(DD)E− 保護ウロキナーゼの半減期はそれぞれ4,6および1.6時間であったのに対し 、未保護ウロキナーゼの半減期は1.2時間であった。断片DDとの複合化はウ ロキナーゼの半減期をほぼ4倍に増大する。
本発明のフィブリン分解性ハイブリッドは、フィブリノーゲンのCNBr−切断 断片よりほぼ2倍高い割合でプラスミン生成を加速する。これはプラスミノーゲ ン活性化の既知の促進剤である。一本鎖t−PAを100倍モル過剰の断片DD 。
(DD)E複合体もしくはフィブリノーゲンのCNB r切断断片と共に培養し て非共有複合体を形成させた。プラスミノーゲンと発色性基質S 225+とを 各混合物に添加し、37℃にて種々異なる時間にわたり培養した[フリベルガー 等、△、モスタシス、第7巻、第138〜+45頁(+978)の方法にしたが うコ。生成したプラスミンの量を405nmにおける吸光度から記録し、1ml 当りのミリ単位としての活性を標準曲線から決定した。その結果を第6図に示す 。フィブリノーゲンのCNBr−切断断片は短い培養時間(60分間まで)にわ たりプラスミン生成の速度を加速する際フィブリン断片よりも大きい能力を有し たが、より長い培養時間にてその逆が観察された。
臨床用途にて本発明の血栓崩壊ハイブリッドは、活性他剤分子がフィブリン断片 の不存在下に生成するよりも多量のプラスミンをフィブリン表面上にて所定量の プラスミノーゲンから生成する。これは、臨床用途に現在使用されているよりも 少量の活性化剤の使用を可能にする。
ブリノーゲンを含有する1mlの正常なヒトクエン酸処理血漿に添加し、37℃ にて1時間培養した。血漿凝塊の溶解を、上澄液への放射能カウントの放出によ り測定した。第7図に示したように、凝塊の僅か269%が溶解された。同量の 血漿をt−PAとの予備培養なしに凝固させた場合、同量の1−PAが凝塊の2 4.3%の溶解を達成した。したがって、血漿環境により顕著なt−PAの失活 が存在した。
次いで一本鎖t−PAのフィブリン分解性複合体を10倍過剰のDDもしくは( DD)Eにより形成させ、これを血漿に添加した。37℃にて1時間培養した後 、血漿をスロンビンの添加により凝固させた。第7図に示したように、本発明の フィブリン分解性複合体は、プラスミノーゲン活性化剤の単独よりも顕著に大き い血漿凝塊の溶解をもたらした。裸プラスミノーゲン活性化剤分子の溶解活性は 血漿中で急速に低下したのに対し、フィブリン断片との複合化は血漿中に存在す る阻止物質からの相当な保護作用を有する。
本発明の血栓崩壊ハイブリッドは、そのフィブリン特異性により、血栓のフィブ リン表面に容易に局在する。その結果、凝塊表面に結合したプラスミノーゲンの みが活性化され、顕著な全身的プラスミノーゲン活性化を伴わず、溶解状態の誘 発もない。出血合併症の危険がかくして減少する。さらにハイブリッドの血栓タ ーゲット特性は、局部的に注入された血栓崩壊剤に対し匹敵する程度の血栓崩壊 作用を与える。
これらハイブリッドはプラスミノーゲン活性化の強力な促進剤であって、同量の プラスミノーゲンから裸プラスミノーゲン活性化剤よりも多量のプラスミンを生 成する。さらにノーイブリッドのフィブリン成分は、血液中に存在する阻止物質 によるプラスミノーゲン活性他剤成分の阻止に対し相当な保護を与えると共に、 非複合化プラスミノーゲン活性化剤と対比して増大した活性半減期に起因する肝 臓による急速な吸収に対し保護を与える。現在入手し得るプラスミノーゲン活性 化剤の代りに本発明の血栓崩壊ハイブリッドを用いれば、医者は効力を犠牲にす ることなく治療剤の投与頻度、持続時間および投与量を減少させることができる 。ハイブリッドでの処理は医者が投与量を減少させることを可能にすると共に、 ヘパリン治療および他の凝集防止剤治療の開始を遅延させてレステノシス(+e stenosis)および新たな凝塊形成(再閉塞)を防止することを可能にす る。
本発明の血栓崩壊ハイブリッドは、このハイブリッドと静脈内もしくは筋肉内投 与に適した医薬上許容しうるキャリヤとを含有する組成物の形態で静脈内もしく は筋肉内投与することができる。この組成物は適するキャリヤ、たとえば等張性 塩水および無菌水における溶液の形態とすることができる。
さらに、組成物は静脈内もしくは筋肉内投与に典型的に用いられる任意の添加剤 、たとえば緩衝塩、L−アルギニン、グルコースなどを含むこともできる。さら に組成物は、たとえばヒト血清アルブミンのような安定化剤またはたとえばポリ ソルベートのような非イオン型洗剤を含有することもできる。
プラスミノーゲン活性化剤の単位として現す投与量は、一般に対応の非複合化プ ラスミノーゲン活性化剤につき現在使用されている量よりも少ない。本発明の7 %イブリ・ソドは、対応の非複合化プラスミノーゲン活性化剤よりも低い程度の 投与量で使用しつると思われる。
現在、主たるプラスミノーゲン活性化剤を投与する典型的な投与方式は次の通り である: t−PAもしくは loomg (60mg丸薬、最初の1時間で5cu−PA  20mgの注入、次いで次の1時間で20mgの注入); スト′フトキ”−セ1.500,000単位(丸薬、3時間にわプラスミノーゲ ン活性化剤を本発明によるフィブリン断片にカップリングさせれば、標準投与量 の僅かl/10を投与しただけで同じ作用が得られると思われる。したがって、 lOmg(7) t−PAもしくは5cu−PAまたは150.000単位のス トレプトキナーゼもしくはウロキナーゼがフィブリン分解性ハイブリッドとして 投与する場合に有効な投与量であると思われる。
本発明のハイブリッドは、対応の非複合化プラスミノーゲン活性化剤を用いる任 意の状態、たとえば心筋梗塞症、肺塞栓症、重度の静脈血栓症の処置など血管血 栓を溶解させるべき任意の状態で使用することができる。
以上、本発明を、フィブリン分解性ハイブリッドを形成させるべくフィブリン断 片と適当なプラスミノーゲン活性化剤との共有もしくは非共有結合により例示し た。同様に本発明の範囲内において、ここに説明したフィブリン分解性ノ\イブ リッドの性質を有する単一の単位ポリペプチド(このポリペプチドは遺伝子工学 技術によって産生される)の作成も可能である。したがって、フィブリン断片を コードする遺伝子情報およびプラスミノーゲン活性化剤をコードする情報をDN A組換技術により、ここに説明したフィブリン分解性ノ翫イブリッドの性質を有 する単一の単位分子として同時発現させうろことも考えられる。
本発明は、その思想または必須の特徴を逸脱することなく他の特定の形態で実現 することもでき、したがって本発明の範囲を規定するのは上記説明だけでなく以 下の請求の範囲を参照すべきである。
吸光度 (405nm) 初期t−PA 初期活性% t−PA活性 u/ml UK活性 プラスミン活性、− mu/m蔦 正味の血漿血塊 惰止雷U)計駅入箕山雪(1寸aT仏木五〇1不11/ Ll /請求の範囲 1. プラスミノーゲン活性化剤に結合したフィブリン断片からなることを特徴 とする精製された血栓崩壊剤。
2、フィブリン断片がフィブリンの天然プラスミン減成断片からなる請求の範囲 第1項記載の血栓崩壊剤。
3、プラスミノーゲン活性化剤に結合したフィブリンの非天然断片からなること を特徴とする血栓崩壊剤。
4、フィブリン断片が断片E1、E2、E3、DおよびDD、並びに(DD)E 複合体よりなる群から選択される請求の範囲第2項記載の血栓崩壊剤。
5、 プラスミノーゲン活性化剤がt−PAである請求の範囲第4項記載の血栓 崩壊剤。
6、 プラスミノーゲン活性化剤がウロキナーゼである請求の範囲第4項記載の 血栓崩壊剤。
7、プラスミノーゲン活性化剤がストレプトキナーゼである請求の範囲第4項記 載の血栓崩壊剤。
8、プラスミノーゲン活性化剤が5cu−PAである請求の範囲第4項記載の血 栓崩壊剤。
9、フィブリン断片が断片DDもしくは(DD)E複合体である請求の範囲第5 項記載の血栓崩壊剤。
10、 フィブリン断片とプラスミノーゲン活性化剤との非共有複合体である請 求の範囲第1項記載の血栓崩壊剤。
11、 1モル量のプラスミノーゲン活性化剤を約1モル量〜約1000モル量 のフィブリン断片と組合わせて形成された請求の範囲第10項記載の血栓崩壊剤 。
12、プラスミノーゲン活性化剤に共有カップリングされたフィブリン断片から なることを特徴とする血栓崩壊剤。
13、プラスミノーゲン活性化剤とフィブリン断片とがホモ三官能性架橋剤によ りカップリングされた請求の範囲第12項記載の血栓崩壊剤。
14、 プラスミノーゲン活性化剤とフィブリン断片とがヘテロ三官能性架橋剤 によりカップリングされた請求の範囲第12項記載の血栓崩壊剤。
15、ヘテロ三官能性架橋剤がN−スクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ )プロピオネートおよびスルホスクシニミジル−2−(p−アジドサリチルアミ ド)エチル−1−3′ −ジチオプロピオネートよりなる群から選択される請求 の範囲第14項記載の血栓崩壊剤。
16、フィブリン断片が、封鎖剤により封鎖されたプラスミノーゲン結合部位を 有する請求の範囲第3項記載の血栓崩壊剤。
17、封鎖剤が失活プラスミンからなる請求の範囲第16項記載の血栓崩壊剤。
18、失活プラスミンがフィブリン断片に非共有結合した請求の範囲第17項記 載の血栓崩壊剤。
19、失活プラスミンがその活性酵素部位を介し架橋剤によりフィブリン断片の プラスミノーゲン結合部位にカップリングした請求の範囲第17項記載の血栓崩 壊剤。
20、プラスミノーゲン活性化剤に結合したフィブリン断片からなる精製された 血栓崩壊剤と、 静脈内もしくは筋肉的投与に適した医薬上許容しうるキャリヤと からなることを特徴とする血栓崩壊組成物。
21、 フィブリン断片がフィブリンの天然プラスミン減成断片からなる請求の 範囲第20項記載の組成物。
22、フィブリン断片がフィブリンの非天然断片からなる請求の範囲第20項記 載の組成物。
23、フィブリン断片が断片E1、E2、E3、DDlおよび(DD)E複合体 よりなる群から選択される請求の範囲第21項記載の組成物。
24、プラスミノーゲン活性化剤がt−PAである請求の範囲第23項記載の組 成物。
25、プラスミノーゲン活性化剤がウロキナーゼである請求の範囲第23項記載 の組成物。
26、プラスミノーゲン活性化剤がストレプトキナーゼである請求の範囲第23 項記載の組成物。
27、プラスミノーゲン活性化剤が5cu−PAである請求の範囲第23項記載 の組成物。
28、フィブリン断片が断片DDもしくは(DD)E複合体である請求の範囲第 24項記載の組成物。
2、特許請求の範囲第20項記載の組成物を哺乳動物に投与することを特徴とす る血管血栓の溶解方法。
30、プラスミノーゲン活性化剤がt−PA、ウロキナーゼ、ストレプトキナー ゼ、5cu−PAおよびその組合せよりなる群から選択される請求の範囲第3項 記載の血栓崩壊剤。
31、 プラスミノーゲン活性化剤がt−PA、ウロキナーゼ、ストレプトキナ ーゼ、5cu−PAおよびその組合せよりなる群から選択される請求の範囲第1 2項記載の血栓崩壊剤。
32、プラスミノーゲン活性化剤がt−PAからなる請求の範囲第30項または 第31項記載の血栓崩壊剤。
33、プラスミノーゲン活性化剤が5cu−PAからなる請求の範囲第30項ま たは第31項記載の血栓崩壊剤。
34、 プラスミノーゲン活性化剤がウロキナーゼからなる請求の範囲第30項 または第31項記載の血栓崩壊剤。
35、プラスミノーゲン活性化剤がストレプトキナーゼからなる請求の範囲第3 0項または第31項記載の血栓崩壊剤。
国際調査報告 lRmMmM−^6111taIIIRj16.rlIKO1’l/nフ781

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.プラスミノーゲン活性化剤に結合したフィブリン断片からなることを特徴と する血栓崩壊剤。
  2. 2.フィブリン断片がフィブリンの天然プラスミン減成断片からなる請求の範囲 第1項記載の血栓崩壊剤。
  3. 3.フィブリン断片がフィブリンの非天然断片からなることを特徴とする請求の 範囲第1項記載の血栓崩壊剤。
  4. 4.フィブリン断片が断片E1、E2、E3、DおよびDD、並びに(DD)E 複合体よりなる群から選択される請求の範囲第2項記載の血栓崩壊剤。
  5. 5.プラスミノーゲン活性化剤がt−PAである請求の範囲第4項記載の血栓崩 壊剤。
  6. 6.プラスミノーゲン活性化剤がウロキナーゼである請求の範囲第4項記載の血 栓崩壊剤。
  7. 7.プラスミノーゲン活性化剤がストレプトキナーゼである請求の範囲第4項記 載の血栓崩壊剤。
  8. 8.プラスミノーゲン活性化剤がscu−PAである請求の範囲第4項記載の血 栓崩壊剤。
  9. 9.フィブリン断片が断片DDもしくは(DD)E複合体である請求の範囲第5 項記載の血栓崩壊剤。
  10. 10.フィブリン断片とプラスミノーゲン活性化剤との非共有複合体である請求 の範囲第1項記載の血栓崩壊剤。
  11. 11.1モル量のプラスミノーゲン活性化剤を約1モル量〜約1000モル量の フィブリン断片と組合わせて形成された請求の範囲第10項記載の血栓崩壊剤。
  12. 12.フィブリン断片をプラスミノーゲン活性化剤に共有カップリングして形成 された請求範囲第1項の血栓崩壊剤。
  13. 13.プラスミノーゲン活性化剤とフィブリン断片とがホモ二官能性架橋剤によ りカップリングされた請求の範囲第12項記載の血栓崩壊剤。
  14. 14.プラスミノーゲン活性化剤とフィブリン断片とがヘテロ二官能性架橋剤に よりカップリングされた請求の範囲第12項記載の血栓崩壊剤。
  15. 15.ヘテロ二官能性架橋剤がN−スクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ )プロプリオネートおよびスルホスクシニミジル−2−(p−アジドサリチルア ミド)エチル−1−3′−ジチオプロピオネートよりなる群から選択される請求 の範囲第14項記載の血栓崩壊剤。
  16. 16.フィブリン断片が、封鎖剤により封鎖されたプラスミノーゲン結合部位を 有する請求の範囲第3項記載の血栓崩壊剤。
  17. 17.封鎖剤が失活プラスミンからなる請求の範囲第16項記載の血栓崩壊剤。
  18. 18.失活プラスミンがフィブリン断片に結合非共有結合した請求の範囲第17 項記載の血栓崩壊剤。
  19. 19.失活プラスミンがその活性酵素部位を介し架橋剤によりフィブリン断片の プラスミノーゲン結合部位にカップリングした請求の範囲第17項記載の血栓崩 壊剤。
  20. 20.プラスミノーゲン活性化剤に結合したフィブリン断片からなる血栓崩壊剤 と、 静脈内もしくは筋肉内投与に適した医薬上許容しうるキャリヤと からなることを特徴とする血栓崩壊組成物。
  21. 21.フィブリン断片がフィブリンの天然プラスミン減成断片からなる請求の範 囲第20項記載の組成物。
  22. 22.フィブリン断片がフィブリンの非天然断片からなる請求の範囲第20項記 載の組成物。
  23. 23.フィブリン断片が断片E1、E2、E3、DD、および(DD)E複合体 よりなる群から選択される請求の範囲第21項記載の組成物。
  24. 24.プラスミノーゲン活性化剤がt−PAである請求の範囲第23項記載の組 成物。
  25. 25.プラスミノーゲン活性化剤がウロキナーゼである請求の範囲第23項記載 の組成物。
  26. 26.プラスミノーゲン活性化剤がストレプトキナーゼである請求の範囲第23 項記載の組成物。
  27. 27.プラスミノーゲン活性化剤がscu−PAである請求の範囲第23項記載 の組成物。
  28. 28.フィブリン断片が断片DDもしくは(DD)E複合体である請求の範囲第 24項記載の組成物。
  29. 29.請求の範囲第20項記載の組成物を哺乳動物に投与することを特徴とする 血管血栓の溶解方法。
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