JPH10114547A - 車両用窓ガラス - Google Patents

車両用窓ガラス

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JPH10114547A
JPH10114547A JP9189914A JP18991497A JPH10114547A JP H10114547 A JPH10114547 A JP H10114547A JP 9189914 A JP9189914 A JP 9189914A JP 18991497 A JP18991497 A JP 18991497A JP H10114547 A JPH10114547 A JP H10114547A
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vehicle
glass
light
film
visible light
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JP9189914A
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Katsuto Tanaka
勝人 田中
Osamu Miyazaki
修 宮崎
Motoharu Inoue
元春 井上
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE69707595T priority patent/DE69707595T2/de
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    • B32B17/10165Functional features of the laminated safety glass or glazing
    • B32B17/10174Coatings of a metallic or dielectric material on a constituent layer of glass or polymer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3411Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials
    • C03C17/3417Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials all coatings being oxide coatings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス面側からの反射率は維持しつつ膜面側の
反射率を格段に低減し、車内のプライバシーを守り、か
つ車外の視認性を確保する。 【解決手段】着色成分を含むガラスと、ガラス表面に形
成した光吸収性被膜と非光吸収性被膜の少なくとも2層
の被膜からなる車両用窓ガラスであって、当該ガラスに
おける可視光透過率Tvが25%以上55%以下、車内側面
反射率Rinが15%以下、車外側面反射率Routが10%以
上40%以下、しかも(Tv-Rin)が15%以上、(Tv-Rou
t)が30%以下である車両用窓ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の室内のプラ
イバシ−を守り、かつ車外の視認性を確保した車両用窓
ガラスを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来例えば実車においては、自動車窓ガ
ラスのサイド、リア、サンル−フ、特に車両の後部座席
のプライバシ−を守る目的で、サイド、リアの窓に濃色
ガラスを用いたり、ガラス表面に濃色フイルムを貼るな
どの方法が採られていた。しかしこの方法では充分な機
能を得るには可視光線透過率を20%程度以下にする必要
があり、車内からも車外が見えにくい状態であった。
【0003】また例えば、着色ガラス表面に反射被膜を
コ−ティングしたガラスを使用することもあり、この場
合車外から見たとき反射光が車内視認を妨害する。前記
の濃色ガラスあるいは濃色フィルムを用いる方法より可
視光線透過率を高くすることができるが、夜間車内灯を
点灯すると車内側反射が高まるため逆に車外視認が妨害
され、もし運転中であれば視認しずらく危険性があり、
さらにリアウインドウの場合には、車室内を映す鏡状と
なって、却ってプライバシ−が守れない状態であった。
【0004】このため、プライバシ−ガラスが種々提案
されている。例えば、特開昭64-63419号公報には自動車
用窓ガラスが記載されており、車内側に熱線反射膜が形
成されてなる透明性の外板ガラスとこの外板ガラスの車
内側に熱線反射膜を覆って配された透明性の保護層とを
有し、該保護層の可視光透過率を外板ガラスの可視光透
過率より低くしたことが記載されている。
【0005】具体的には例えば、車内側面に熱線反射膜
として窒化チタン膜(膜厚800A)をスパッタ法で被着し
た透明フロ−トガラスからなる外板ガラス(板厚:2mm,T
v:10%,Rv:28%,Tg:6 %,Rg:40%)/ボリビニルブチラ
−ルからなる中間膜(膜厚:0.76mm)/ブロンズ色熱線
吸収ガラスからなる内板ガラス(板厚:2mm,Tv:84%,Rv:
9%,Tg:79%,Rg:8%)でなるサンル−フ用窓ガラスで
は、可視光線平均透過率が2.1%、可視光線平均反射率
が17.1%であることが記載されている。
【0006】また例えば、特開平6-80441号公報には熱
処理可能なスパッタ被覆されたガラス製品およびその形
成方法が記載されており、スズ、亜鉛、チタンおよびそ
れらの合金からなるグル−プから選択された金属の酸化
物からなる第1の層と、ニッケルおよび少なくとも約50
重量%ニッケルを有するニッケル合金からなるグル−プ
から選択された金属の酸化物または窒化物からなる第2
の層と、ニッケルおよび少なくとも約50重量%ニッケル
を有するニッケル合金からなるグル−プから選択された
金属からなる第3の層と、ニッケルおよび少なくとも約
50重量%ニッケルを有するニッケル合金からなるグル−
プから選択された金属の酸化物または窒化物からなる第
4の層と、およびスズ、亜鉛、チタンおよびそれらの合
金からなるグル−プから選択された金属の酸化物からな
る第5の層とを含むコ−ティングをその上に有するガラ
ス基板からなる熱処理可能なガラス製品が開示されてい
る。
【0007】具体的には例えば、ガラス側からは無彩灰
色でコ−ティング側からは金色を呈し、各層の膜厚
(A)が第1層:1〜1000、第2層:5〜100 、第3
層:20〜250、第4層:5〜100 、第5層:20〜1000で
あって、車両用プライバシ−窓である熱処理可能なガラ
ス製品が開示され、さらに例えば典型的な光学特性とし
ては、板厚4mmの緑色フロ−トガラスを用い、可視光透
過率が22〜23%、ガラス面側可視光反射率が11〜12%、
フイルム面側可視光反射率が31〜33%であることが記載
されている。
【0008】また例えば、特開平6-321580号公報には耐
摩耗性低透過率ガラスが記載されており、ガラス板面に
熱線遮蔽膜、この熱線遮蔽膜に第1の透明保護膜、この
第1の透明保護膜面に第2の透明保護膜を順次積層した
耐摩耗性低透過率ガラスであって、第2の透明保護膜の
厚みが2〜20nmであり、かつ第1の透明保護膜と第2の
透明保護膜との厚みの和が25nm以下であり、該ガラスの
可視光線透過率が40%以下、かつ該ガラスのガラス面の
可視光線反射率が30%以下であることが記載されてい
る。
【0009】また例えば、特開平7-25647号公報には膜
面反射を減じた熱線遮蔽ガラスが記載されており、透明
ガラス基板の一方の表面に、Fe-Cr-Ni合金、Ni-Cr合
金、Ti金属およびCr金属からなる群から選ばれた少なく
とも1種からなる膜が3〜10nmの厚みで第1層として被
覆され、第一層の上に二酸化チタンまたは酸化第二クロ
ムの膜が20〜60nmの厚みで第二層として被覆され、第二
層の上に500nmの波長での屈折率が1.8以下で、かつ可視
光線波長域で透明な膜が40〜100nmの厚みで第三層とし
て被覆されたものであることが記載されている。
【0010】さらに、透明ガラス基板の一方の表面とは
反対の面側から入射する光の可視光線反射率が25%以
上、膜面側から入射する光の可視光線反射率を透明ガラ
ス基板自体の可視光線反射率よりも小さくし、かつ可視
光線透過率を30〜50%としたことが記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述した例えば特開昭
64-63419号公報に記載の自動車用窓ガラスでは、可視光
線平均透過率が 2.1%程度と低く、プライバシ−を保つ
ことができたとしてもあくまでもサンル−フ窓に最適と
いうものであり、ハ−フミラ−の如き構造となり、車外
からの透視を防ぎ、しかも夜間でも車内からの透視を確
保できるようなものとはなり難いものである。
【0012】また、例えば特開平6-80441号公報に記載
の熱処理可能なスパッタ被覆されたガラス製品およびそ
の形成方法では、その膜構成が5層であって必ずしも簡
便で容易とは言い難く、しかも例えば可視光透過率を抑
えて透視性を低減することでプライバシ−保護性能を発
現しようとするものであって、可視光透過率はやや低く
膜面側の可視光反射率が高くなるので、車外からの透視
を防ぎ、しかも夜間でも車内からの透視を確保できるよ
うなものとは言い難いものである。
【0013】また、例えば特開平6-321580号公報に記載
の耐摩耗性低可視光透過率ガラスでは、2層の透明保護
膜を被覆するものであり、例えば可視光透過率を抑えて
透視性を低減することでプライバシ−保護性能を発現し
ようとするものであって、実施例等からも明らかなよう
に、可視光透過率が23.0%〜19.8%とやや低く、膜面側
の可視光反射率も必ずしも低いものとはなり難く、住宅
やビルにおいて外より室内の方が明るい夜間などはどう
しても外から室内が見えてしまい、さらにその膜構成と
膜厚等からは車外からの透視を防ぎ、しかも夜間でも車
内からの透視を確保できるようなものとはなり難いもの
である。
【0014】また、例えば特開平7-25647号公報に記載
の膜面反射を減じた熱線遮蔽ガラスでは、ガラス面側で
の可視光反射率が高くなり過ぎるきらいがあって、しか
も3層の膜構成であって必ずしも生産性に優れるものと
は言い難いものである。
【0015】さらに、RVタイプの車両で車内外の明るさ
が、例えば車外条件が夏至前後日中晴天に対し車内条件
が正午頃の場合には車外照度が約29000lx程度に対し車
内後部座席照度が約 3500lx程度であり、また同じ車外
条件で車内条件が午後3時頃でかつ真横から日が射し込
む場合には車内後部座席照度が約16000lx程度であり、
車外条件が夜間で明るい町中の道(約100lx程度)に対
し車内後部座席照度が約50lx程度であり、また車外条件
が夜間住宅街(約0lx程度)に対し車内後部座席照度が
約0lx程度であり、また同じ車外条件で車内灯点灯した
場合車内後部座席照度が約15lx程度であり、さらに同じ
車外条件で対向車に照らされた場合車内後部座席照度が
約25lx程度であることをつきとめ、必ずしもバランスよ
くプライバシ−保護性能を発揮せしめられていないもの
であった。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のかかる
課題に鑑みてなしたものであって、着色ガラスと、該ガ
ラス表面に形成した光吸収性被膜と非光吸収性被膜から
なる少なくとも2層の積層膜でなり、可視光透過率と車
内側面及び車外側面反射率を特定範囲内とし、これらを
バランスしたものとするとともに、さらに可視光透過率
と車内側面反射率の差ならびに可視光透過率と車外側面
反射率の差をそれぞれ特定数値範囲内としたものであ
る。これにより、ガラス面側からの反射率はあまり低下
させずに膜面側の反射率のみ大幅に低減させることがで
き、例えば紫外線あるいは/ならびに熱線を遮蔽する性
能を有しながら、車内外の照度と透視性の関係をよりバ
ランスよくすることができ、広い条件範囲で車内が見え
にくくかつ車外が見え易い優れたプライバシ−保護性能
を有する窓ガラスとなり、車内の映り込みが運転者を幻
惑し安全走行を阻害するようなこともなく、より居住性
を高めることができる等、より有用な2層系の車両用窓
ガラスを提供するものである。
【0017】すなわち、本発明は、着色成分を含むガラ
スと、ガラス表面に形成した光吸収性被膜と非光吸収性
被膜の少なくとも2層の被膜から成る車両用窓ガラスで
あって、当該窓ガラスにおける可視光透過率Tvが25%以
上55%以下、車内側面反射率Rinが15%以下、車外側面
反射率Routが10%以上40%以下、しかも(Tv−Rin)が1
5%以上、(Tv−Rout)が30%以下であることを特徴と
する車両用窓ガラスに関する。
【0018】また、着色成分を含むガラスと、ガラス表
面に形成した光吸収性被膜と非光吸収性被膜の少なくと
も2層の被膜から成る車両用窓ガラスであって、当該窓
ガラスにおける可視光透過率Tvが25%以上55%以下、車
内側面反射率Rinが15%以下、車外側面反射率Routが10
%以上30%以下、しかも(Tv−Rin)が15%以上、(Tv
−Rout)が30%以下であることが好ましい。
【0019】さらに、着色成分を含むガラスと、ガラス
表面に形成した光吸収性被膜と非光吸収性被膜の少なく
とも2層の被膜から成る車両用窓ガラスであって、当該
ガラスにおける可視光透過率Tvが25%以上55%以下、車
内側面反射率Rinが3%以上15%以下、車外側面反射率Ro
utが15%以上40%以下、しかも(Tv−Rin )が15%以
上、(Tv−Rout)が15%以下であり、しかも車内側面反
射色調の刺激純度Rin-Peが4以上20%以下とすることが
望ましい。
【0020】前記着色成分を含むガラスの車内側面に、
光吸収性被膜を配し、その上に非光吸収性被膜を配し、
非光吸収性被膜を光吸収性被膜と空気との間に介在させ
ることで、光吸収性被膜と空気の界面で生じる反射光を
減じせしめることができる。
【0021】さらに、前記着色成分を含むガラスの車外
側面に、非光吸収性被膜を配し、その上に光吸収性被膜
を配し、非光吸収性被膜を光吸収性被膜とガラスとの間
に介在させることで、光吸収性被膜とガラスの界面で生
じる反射光を減じせしめることができる。
【0022】さらに、前記着色成分を含むガラスの車内
側面に、第1層としての光吸収性被膜として屈折率n1
第2層及び第3層の非光吸収性被膜として屈折率n2、n3
の薄膜を各々配して積層し、該屈折率の関係がn1>n2
n3とすることもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】ここで、着色成分を含むガラス
と、ガラス表面に形成した光吸収性被膜と非光吸収性被
膜の少なくとも2層の被膜から成る車両用窓ガラスであ
って、当該窓ガラスにおける可視光透過率Tvが25%以上
55%以下、車内側面反射率Rinが15%以下、車外側面反
射率Routが10%以上40%以下であり、しかも(Tv−Rin
)が15%以上、(Tv−Rout)が30%以下である車両用
窓ガラスとしたのは、先ず可視光透過率Tvが25%以上55
%以下については、該Tvの値が25%未満では車内側面反
射率Rinと車外側面反射率Routがどのような値を採る場
合でも夜間車外が見えにくくなり、車庫入れなどの際運
転がしにくくなる。ことに車内側面反射率Rinの値は重
要であり、夜間の視界を確保するためには前記Tvの値と
の関係で決める必要がある。
【0024】すなわち、例えば車内側に映る映像と車外
の視界との明るさの違いで見え易さが決まり、前記Tvの
値が高ければRinの値が高くても車外の視界は確保され
る。特にTv−Rin>15%であればほぼ満足できる視界が
得られ、好ましくはTv−Rin>20%である。また例えば
車内灯をつけた際や対向車のライトに照らされた際、前
記Rinの値が15%を超えると、窓に映った車内の映像が
目障りとなったり、バックウィンドウに映った車内が前
の車のバックミラ−からも見えるようになる。したがっ
て前記Rin の値が15%以下、好ましくは10%以下であ
る。なお下限については、Rinの値が下がると可視光線
の短波長と長波長端の反射が残るので、2%以上が好ま
しい。
【0025】また、第一の非光吸収性被膜の上に、さら
に屈折率n3の第二の非光吸収性被を形成し、n1>n2
>n3とすることにより反射色調の刺激純度を下げるこ
ともきる。
【0026】また、車外からの車内の透視性を防ぐ効果
は、前記可視光透過率Tvと車外側面反射率Routの値の関
係に依存し、車外側に映る映像と車内の透視との明るさ
の違いで見え易さが決まり、該Routの値が高ければ前記
Tvの値が高くても車内の透視は防がれ、Tv−Rout<30%
である時充分な効果が発現でき、好ましくはTv-Rout<1
5%である。
【0027】一方、前記Tvの値が55%を超えると、例え
ば夜間明るい町中の道(車外照度約100l×程度) の場合
でも車内が明るくなり、車外から見え易くなる。また前
記Routの値が10%未満では、車外の映像による車内の透
視を防ぐ効果が薄く、40%を超えると太陽の反射が強す
ぎて周囲の車の運転に悪影響が生じる。
【0028】以上のような特性をもった車両用窓ガラス
は、例えば、前記Tvの値が約80%前後程度の着色された
ガラスと、CoOのような光吸収性能を有する被膜と、非
光吸収性被膜すなわち適当な屈折率をもった透明被膜を
適宜組み合わせることによって可能である。
【0029】光吸収性被膜としては、CoOxの他、Fe
2O3、Cr2O3、NiO、TiN、ZrN、TaN、Siなど、あるいはこ
れらの2種以上を選択し適宜組み合わせた複合成分など
が挙げられる。当該CoOxの被膜は、例えばCo(C5H7O2)3
のような有機化合物をCH2Cl2のような有機溶媒に溶解
し、フロ−トライン上でティンバスから出たばかりの約
600℃程度の着色ガラス面にスプレ−することで形成で
き、また前記有機化合物を窒素気流中で約200℃に加熱
して蒸発させ、上記ガラス面上に酸素とともに吹き付け
る方法等によって成膜する。
【0030】非光吸収性被膜すなわち、透明被膜として
は、SiO2、Al2O3、TiO2、SnO2、ZrO 2などの中から適当
な屈折率のものを選び、あるいは適当な屈折率になるよ
うにこれらの2種以上を選択し適宜組み合わせた複合成
分などが挙げられる。当該SiO2の被膜は、例えばSi(C2H
5O)4を窒素気流中で約200 ℃に加熱して蒸発させ、上記
ガラス面上に酸素とともに吹き付ける方法等によって成
膜する。この時 P(CH3)3やO3:オゾンなどと一緒に吹き
付けることで被膜の形成速度を上げることができる。ま
た当該TiO2の被膜は、例えばTi(C3H7O)2(C5H7O2)2のよ
うな有機化合物を溶媒に溶解し、フロ−トライン上でテ
ィンバスから出たばかりの約600℃程度の着色ガラス面
にスプレ−することで形成でき、またTi(CxHyOz)4の構
造の有機物を窒素気流中で約100〜200℃に加熱し、上記
ガラス面上に酸素とともに吹き付ける方法等によって成
膜する。
【0031】なお、光吸収性被膜は、消衰係数(k)が0.
2〜1.5程度の範囲のものを示し、非光吸収性被膜は
該消衰係数(k)が0.03以下程度のものである。ここで
消衰係数(k)とは、複素屈折率(n’)=n-ikで表され
る、虚数項の係数である。
【0032】また例えば、前記Tv 80%の自動車用グリ
−ンガラスの表面上にCoO、Cr2O3混合物による光吸収性
被膜をコ−トし、被膜面を車内側に用いた場合、Tvが約
25%、Rinが約36%、Routが約24%程度となり、被膜の
屈折率n1が約2.7程度、消衰率k1が約0.6 程度とな
る。この場合、光吸収性被膜の上にそれより低い屈折率
の透明被膜を被覆させることで、被膜側の反射率を下げ
ることができることは本出願人が既に出願した特願平7-
73640号(特開平8-268732号)等で提案している。
【0033】このような方法で可視光線反射率を下げる
場合、人の目に最も感じ易い500〜550nmの波長の光を対
象とし、下式に従って膜厚を決めるのが効果的である。 n2×d2×4=500〜550nm n2:透明被膜の屈折率。 d2:透明被膜の膜厚。
【0034】さらに例えば、前記した前記Tv 80%の自
動車用グリ−ンガラスの表面上にCoO、Cr2O3混合物によ
る光吸収性被膜をコ−トし、被膜面を車内側に用いた場
合、Tvが約25%、Rinが約36%、Routが約24%程度とな
り、被膜の屈折率n1が約2.7程度、消衰率k1が約0.6程
度となる場合、ガラスと光吸収性被膜との間に、両者の
中間の屈折率の透明被膜を介在させることでガラス側の
反射率を下げることができ、ガラスが着色剤を含む場
合、反射低減効果は増幅され、500〜550nmの波長域を極
端に下げなくても、車内側の反射率は充分低下し、車内
側反射光の刺激純度があまり高くならないという利点が
ある。しかしこの場合にも透明被膜を複数層にする方
が、よりニュ−トラルな色調になることは言うまでもな
いことである。
【0035】さらにまた、着色成分を含むガラスとして
は、自動車用窓材用の透明着色ガラス、すなわち例えば
ブルー、ブロンズ、グレーあるいはグリーンフロ−トガ
ラス等であり、特に可視光透過率が約80%程度の自動車
用窓材用のブルー色系あるいはゴールド色系、グリーン
色系、なかでもグリーン色系色調であり、熱線・紫外線
吸収性能を得やすいものであればより好ましいものであ
る。また単板で使用できることはもとより、紫外線・熱
線遮蔽ガラス、また複層あるいは合せガラスあるいは強
化ガラスまたは強度アップガラス、曲げガラス等として
も使用できる。さらに着色ガラスが無機質でも有機質で
もよい。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明はかかる実施例に限定されるものでは
ない。
【0037】実施例1 大きさ約100mm×100mmで厚さが3.5mm の車両用のグリ−
ンガラス板(フロ−トガラス;可視光透過率Tvが約80%
程度)を電熱器上で約600℃程度に加熱した。該加熱し
た車両用のグリ−ンガラス板の表面上に、コバルトアセ
チルアセトナ−ト〔Co(C5H7O2)3〕10gを100gの塩化メ
チレン〔CH2Cl12〕に溶解し調製したCo溶液を用い、ス
プレーによる熱分解法でもってコ−トし、Co酸化物薄膜
を被膜形成した。
【0038】該Co酸化物薄膜付きグリ−ンガラス板につ
いて、形成されたCo酸化物薄膜の屈折率と膜厚をエリプ
ソメーター〔溝尻光学(株)〕で測定し、さらに消衰係
数を求めたところ、膜厚(d1)が約40nm、屈折率(n1)が約
2.78、消衰係数(k1)が約0.64であった。
【0039】さらに該Co酸化物薄膜付きグリ−ンガラス
板の光学特性について、分光光度計(U 4000型、日立製
作所製)で波長340 〜1800nmの間の透過率を測定し、JI
S Z8722及びJIS R 3106又はJIS Z 8701によって、可視
光透過率Tv(%)〔380〜780nm〕、可視光反射率Rv
(%)〔380〜780nm〕、色調の刺激純度(%)等を求め
たところ、可視光透過率Tvが約23.3%、膜面側の可視光
反射率Rvfが約38.6%、膜面側の可視光反射色調の刺激
純度Pefが約4.5%、非膜面側(ガラス面側)の可視光反
射率Rvg が約25.0%であった。なお、日射透過率Ts〔34
0〜1800nm〕は約29.8%程度であった。
【0040】次いで、上記のCo酸化物薄膜付きグリ−ン
ガラス板を加熱したまま、該Co酸化物薄膜上に、アルミ
ニウムアセチルアセトナ−ト〔Al(C5H7O2)3〕8gを100
gの塩化メチレン〔CH2Cl12〕に溶解し調製したAl溶液
を用い、スプレーによる熱分解法でもってコ−トし、Al
酸化物薄膜を被覆積層し成膜した。
【0041】得られた被覆積層した2層薄膜付きグリ−
ンガラス板について、被覆積層したAl酸化物薄膜の屈折
率と膜厚をエリプソメーターで測定し、さらに消衰係数
を求めたところ、表1に示すように膜厚(d2)が約70nm、
屈折率(n2)が約1.60であった。なお、消衰係数(k2)が
約0.03程度かそれ以下程度であった。
【0042】さらに得られた2層薄膜付きグリ−ンガラ
ス板の光学特性を、上記の分光光度計で波長340〜1800n
mの間の透過率を測定し、JIS Z 8722及びJIS R 3106又
はJISZ 8701によって求めたところ、表1に示すよう
に、可視光透過率Tvが約34.5%、車内面側(膜面側)の
可視光反射率Rinが約10.0%、車外面側(ガラス面側)
の可視光反射率Routが約14.6%であり、Tv-Rout=19.9
%、Tv-Rin=24.5%であった。また該2層薄膜付きグリ
−ンガラス板の反射色が淡い青色系の色調を呈するもの
であった。なお、該2層薄膜付きグリ−ンガラス板の日
射透過率Tsは約35〜38%程度であった。
【0043】その結果、得られた2層薄膜付きグリ−ン
ガラス板は、車外面側(ガラス面側)の可視光反射率を
ほぼ保持しつつ、車内面側(膜面側)の可視光反射率を
格段に低減しバランスよくすることができ、表1に示す
ように、車外から車内透視しにくくプライバシ−を充分
守り、車内反射の不快さも感じることなく、車内からの
車外透視性を充分発揮し、かつよくバランスしている。
しかもよりソフトな色調とすることができ、ほとんど色
を意識しないでよい程度である。
【0044】なお、表1中において、車外から車内透
視については、めざすプライバシ−保護性能を充分発揮
するものを◎印、めざすプライバシ−保護性能を発揮す
るものを○印、プライバシ−保護性能が充分でないもの
を×印、車内反射不快度については、不快感がないも
のを◎印、充分ではないが気にならない程度のものを○
印、不快感があるものを×印、車内から車外透視につ
いては、めざす透視性を充分発揮しているものを◎印、
めざす透視性を発揮しているものを○印、透視性を充分
発揮していないものを×印とした。
【0045】またなお、電波透過性については、表面抵
抗値(105Ω/口以上105MΩ/口以下程度のもの)を表
面高抵抗計(三菱油化社製、HIRESTA HT-210)によって
測定し、その値は充分高く(例えば、105Ω/口程度以
上)、電波透過性を充分持つものであった。またテーバ
ー試験等を、JIS K 6714等に準拠して行いヘーズ値を求
めた結果、耐摩耗性を有し、しかも耐薬品性や耐候性等
各種耐久性もJIS R 3221およびJIS R 3212に準拠して試
験を行い優れたものであった。
【0046】実施例2〜3 実施例1と同様な板厚が4.0mm である車両用のグリ−ン
ガラス板(フロ−トガラスNFl4;可視光透過率Tvが約80
%程度)の製造工程のティンバス出口において、該加熱
した車両用のグリ−ンガラス板の表面上に、コバルトア
セチルアセトナ−ト〔Co(C5H7O2)3〕を塩化メチレン〔C
H2Cl12〕1リットル中に100g溶解し調製したCo溶液を
用い、約2500g/分の量でスプレーし、熱分解法でもっ
てコ−トしCo酸化物薄膜を被膜形成した。
【0047】該Co酸化物薄膜付きグリ−ンガラス板につ
いて、実施例1と同様にして屈折率と膜厚を測定し、さ
らに消衰係数を求めたところ、膜厚(d1)が約42nm、屈折
率(n 1)が約2.80、消衰係数(k1)が約0.65であった。
【0048】さらに該Co酸化物薄膜付きグリ−ンガラス
板の光学特性について、実施例1と同様にして、分光光
度計(U 4000型、日立製作所製)で波長340 〜1800nmの
間の透過率を測定し、JIS Z 8722及びJIS R 3106又はJI
S Z 8701によって求めたところ、可視光透過率Tvが約2
3.2%、膜面側の可視光反射率Rvfが約38.8%、膜面側の
可視光反射色調の刺激純度Pef が約4.5%、非膜面側
(ガラス面側)の可視光反射率Rvg が約24.8%であっ
た。なお、日射透過率Tsは約30.0%であった。
【0049】次いで、TiのアルコキシドとSiのアルコキ
シドとを用い、酸化物換算のモル比を適宜変えて混合し
た混合アルコキシドを出発原料とし、実施例1と同様に
イソプロピルアルコールを主成分とした有機溶媒と微量
の水と触媒を加えて、酸化物換算の溶質濃度を適宜変え
た実施例2および実施例3のTi・Si系アルコキシド溶液
を調製し、実施例1と同様に、前記Co酸化物薄膜付きグ
リ−ンガラス板のCo酸化物薄膜面上に該Ti・Si系アルコ
キシド溶液を塗布した。続いて約250℃で約10分間程度
乾燥させてゲル膜とし、さらに続いて該ガラス板を約60
0℃の炉中に約5分間程度入れ加熱処理し、TiO2・SiO2
薄膜を被覆積層し成膜した。なお、TiO2/SiO2モル
比は、実施例2が16/84、実施例3が38/62で行った。
【0050】得られた被覆積層した2層薄膜付きグリ−
ンガラス板について、被覆積層したTiO2・SiO2薄膜の屈
折率と膜厚をエリプソメーターで測定し、さらに消衰係
数を求めたところ、表1に示すように、実施例2では膜
厚(d2)が約75nm、屈折率(n2)が約1.55であり、実施例
3では膜厚(d2)が約65nm、屈折率(n2)が約1.70であっ
た。なお、両実施例の消衰係数(k2)は約0.03程度かそれ
以下程度であった。
【0051】さらに自動車のリアクォ−タ−用窓ガラス
に成形加工した2層薄膜付きグリ−ンガラス板の光学特
性を、上記の分光光度計で波長340〜1800nmの間の透過
率を測定し、JIS Z 8722及びJIS R 3106又はJIS Z 8701
によって求めたところ、表1に示すように、実施例2で
は可視光透過率Tvが約36.3%、車内面側(膜面側)の可
視光反射率Rinが約10.6%、車外面側(ガラス面側)の
可視光反射率Routが約12.6%であり、Tv-Rout=23.7%、
Tv-Rin=25.7%であった。また実施例3では可視光透過
率Tvが約34.7%、車内面側(膜面側)の可視光反射率Ri
nが約8.0 %、車外面側(ガラス面側)の可視光反射率R
out が約13.0%であり、Tv-Rout=21.7%、Tv-Rin=26.7
%であった。
【0052】該2層薄膜付きグリ−ンガラス板の反射色
が、両実施例とも淡い青色系の色調を呈するものであ
り、ほとんど色を意識しないでよい程度であった。な
お、該2層薄膜付きグリ−ンガラス板の日射透過率Tsは
約40%程度であった。
【0053】その結果、得られた自動車のリアクォ−タ
−用窓ガラスである2層薄膜付きグリ−ンガラス板は、
車外面側(ガラス面側)の可視光反射率をほぼ保持しつ
つ、車内面側(膜面側)の可視光反射率を格段に低減し
バランスよくすることができ、表1に示すように実施例
1と同様に全て◎印であり、太陽直射光を軽減しプライ
バシー保護性能を備え、しかもよりソフトな色調とする
ことができ、車外からの透視を防ぎかつ夜間でも車内か
らの透視を確保できた。
【0054】なお、実施例1と同様に、電波透過性を充
分持ち、耐摩耗性を有し、しかも耐薬品性や耐候性等各
種耐久性にも優れたものであった。 実施例4 実施例1と同様のCo酸化物薄膜付きグリ−ンガラス板の
表面上に、先ず屈折率が(n2)が約2.25で膜厚(d2)が約65
nmあるTiO2薄膜を、次に屈折率(n3)が約1.45で膜厚
(d3)が約95nmであるSiO2薄膜をコ−トし、3層薄膜付き
グリ−ンガラス板を得、自動車のリアクォ−タ−用窓ガ
ラスに成形加工し、実施例1と同様に評価した。
【0055】さらに自動車のリアクォ−タ−用窓ガラス
に成形加工した3層薄膜付きグリ−ンガラス板の光学特
性を、上記の分光光度計で波長340 〜1800nmの間の透過
率を測定し、JIS Z 8722及びJIS R 3106又はJIS Z 8701
によって求めたところ、表1に示すように、可視光透過
率Tvが約35.4%、車内面側(膜面側)の可視光反射率Ri
nが約3.7%、車外面側(ガラス面側)の可視光反射率Ro
utが約10.5%であり、Tv-Rout=24.9%、Tv-Rin=31.7%
であった。
【0056】該3層薄膜付きグリ−ンガラス板の反射色
が、淡い青色系の色調を呈するものであり、ほとんど色
を意識しないでよい程度であった。なお、該3層薄膜付
きグリ−ンガラス板の日射透過率Tsは約40%程度であっ
た。
【0057】その結果、得られた自動車のリアクォ−タ
−用窓ガラスである3層薄膜付きグリ−ンガラス板は、
車外面側(ガラス面側)の可視光反射率をほぼ保持しつ
つ、車内面側(膜面側)の可視光反射率を格段に低減し
バランスよくすることができ、表1に示すように実施例
1と同様に全て◎印であり、太陽直射光を軽減しプライ
バシーの保護性能を備え、しかもよりソフトな色調とす
ることができ、車外からの透視を防ぎかつ夜間でも車内
からの透視を確保できた。
【0058】なお、実施例1と同様に、電波透過性を充
分持ち、耐摩耗性を有し、しかも耐薬品性や耐候性等各
種耐久性にも優れたものであった。 実施例5 実施例1と同様な板厚が4.0mmである車両用のグリ−ン
ガラス板(フロ−トガラスNFl4;可視光透過率Tvが約80
%程度)の製造工程のティンバス出口において、該加熱
した車両用のグリ−ンガラス板の表面上に、チタニウム
アセチルアセトナ−ト化合物150gを、イソプロピルア
ルコ−ル、オクチレングリコ−ル、塩化メチレン〔CH2C
l12〕の混合溶媒1リットル中に溶解し調製したTi系溶
液を用い、約2000g/分の量でスプレーし、熱分解法で
もってコ−トしTi酸化物薄膜を被膜形成した。
【0059】該Ti酸化物薄膜付きグリ−ンガラス板につ
いて、実施例1と同様にして屈折率と膜厚を測定し、さ
らに消衰係数を求めたところ、膜厚(d2)が約60nm、屈折
率(n 2)が約2.25、消衰係数(k2)が約0.03程度以下で非光
吸収性のものであった。
【0060】次いで、該Ti酸化物薄膜付きグリ−ンガラ
ス板を約600℃に再加熱し、該Ti酸化物薄膜上に、コバ
ルトアセチルアセトナ−トを塩化メチレン1リットル中
に100g溶解し調製したCo溶液を用い、約200g/m2の量
でスプレーし、熱分解法でもってコ−トしCo酸化物薄膜
を被覆積層し成膜した。
【0061】得られた被覆積層した2層薄膜付きグリ−
ンガラス板について、被覆積層したCo酸化物薄膜の膜厚
をエリプソメーターで測定しところ、膜厚(d1)が約40n
m、屈折率(n1)が2,78であった。
【0062】さらに上記したように自動車のリアクォ−
タ−用窓ガラスに成形加工し、被膜面を車外側にし、2
層薄膜付きグリ−ンガラス板の光学特性を、上記の分光
光度計で波長340〜1800nmの間の透過率を測定し、JIS Z
8722及びJIS R 3106又はJIS Z 8701によって求めたと
ころ、表1に示すように、可視光透過率Tvが約32.0%、
車内面側(ガラス面側)の可視光反射率Rinが約7.1%、
車外面側(膜面側)の可視光反射率Rout が約23.9%で
あり、Tv-Rout=8.1%(絶対値)、Tv-Rin=24.9%であっ
た。
【0063】該2層薄膜付きグリ−ンガラス板の反射色
が、淡い青色系の色調を呈するものであり、ほとんど色
を意識しないでよい程度であった。なお、該2層薄膜付
きグリ−ンガラス板の日射透過率Tsは約40%程度であっ
た。
【0064】その結果、得られた自動車のリアクォ−タ
−用窓ガラスである3層薄膜付きグリ−ンガラス板は、
車外面側(ガラス面側)の可視光反射率をほぼ保持しつ
つ、車内面側(膜面側)の可視光反射率を格段に低減し
バランスよくすることができ、表1に示すように実施例
1と同様に全て◎印であり、太陽直射光を軽減しプライ
バシーの保護性能を備え、しかもよりソフトな色調とす
ることができ、車外からの透視を防ぎかつ夜間でも車内
からの透視を確保できた。
【0065】なお、実施例1と同様に、電波透過性を充
分持ち、耐摩耗性を有し、しかも耐薬品性や耐候性等各
種耐久性にも優れたものであった。 比較例1 実施例1と同様の約600 ℃程度に加熱したグリ−ンガラ
ス板(フロ−トガラス;可視光透過率Tvが約80%程度)
の表面上に、実施例1と同様にしてCo酸化物薄膜を被膜
形成した。
【0066】該Co酸化物薄膜付きグリ−ンガラス板のCo
酸化物薄膜について、実施例1と同様にして屈折率と膜
厚を測定し、さらに消衰係数を求めたところ、膜厚(d1)
が約40nm、屈折率(n1)が約2.78、消衰係数(k1)が約0.64
であった。
【0067】単層薄膜付きグリ−ンガラス板の光学特性
を、上記したと同様に測定し求めたところ、表1に示す
ように、可視光透過率Tvが約23.2%、車内面側(膜面
側)の可視光反射率Rinが約38.8%、車外面側(ガラス
面側)の可視光反射率Routが約24.8%であり、Tv-Rout=
1.6%(絶対値)、Tv-Rin=15.6%(絶対値)であった。
【0068】その結果、得られた単層薄膜付きグリ−ン
ガラス板は、表1に示すように車内から車外透視が×印
であり、自動車の室内に膜面側を向けて使用した場合、
車内側の反射率が高いため車内から車外への透視が悪
く、例えば夜間明るい町中の道をあるいは住宅街を車内
灯点灯または対向車に照らされる等の状況においては特
に車内から車外がほとんど見えないなど、所期のめざす
車両用窓ガラスではないものであった。
【0069】比較例2〜4 実施例1と同様のグリ−ンガラス板(フロ−トガラス;
可視光透過率Tvが約80%程度)の車内側表面上に、着色
フィルムを貼って被膜を形成した着色フィルム付きグリ
−ンガラス板とし、実施例1と同様に評価した。
【0070】すなわち、着色フィルム付きグリ−ンガラ
ス板の光学特性を、上記したと同様に測定し求めたとこ
ろ、表1に示すように、比較例2では可視光透過率Tvが
約23.0%、車内面側(膜面側)の可視光反射率Rinが約
2.1%、車外面側(ガラス面側)の可視光反射率Rout が
約4.9%であり、Tv-Rout=18.1%、Tv-Rin=20.9%であっ
た。比較例3では可視光透過率Tvが約57.0%、車内面側
(膜面側)の可視光反射率Rinが約4.5%、車外面側(ガ
ラス面側)の可視光反射率Rout が約4.6%であり、Tv-R
out=52.4%、Tv-Rin=52.5%であった。比較例4では可
視光透過率Tvが約40.3%、車内面側(膜面側)の可視光
反射率Rinが約3.8%、車外面側(ガラス面側)の可視光
反射率Routが約4.5%であり、Tv-Rout=35.8%、Tv-Rin=
36.5%であった。
【0071】その結果、得られた着色フィルム付きグリ
−ンガラス板は、自動車の室内に膜面側を向けて使用し
た場合、比較例3では表1に示すように車内から車外透
視が×印、車外から車内透視が○印程度であり、車内側
の可視光反射率が低く、可視光透過率との差が充分ある
ため、車内の明るさによって車外が見え難くなることは
ないが、車外が暗い時には可視光透過率が低く過ぎて、
例えば車庫入れの際、障害物の確認が充分できないこと
があり、または夜間対向車に前方より照らされた場合に
は、車外側の可視光反射率が低く過ぎて車外から車内が
見え易い状態となるなど、バランスよく、車室内のプラ
イバシ−を守り、かつ車外への視認性を確保したものと
は言えず、到底所期のめざす車両用窓ガラスではないも
のであった。
【0072】また、自動車の室内に膜面側を向けて使用
した場合、比較例3では表1に示すように車外から車内
透視が×印であり、どの条件においてもプライバシ−を
守る機能が不足し、到底所期のめざす車両用窓ガラスで
はないものであった。さらに比較例4では表1に示すよ
うに比較例3と同様に車外から車内透視が×印であり、
車外から車内透視が見えすぎプライバシ−を守る機能が
不足し、例えば車外が夏至前後日中でかつ晴天でしかも
車内に午後真横から日が射し込むあるいは夜間明るい町
中の道あるいは夜間車内灯点灯または対向車に照らされ
る等の状況においては特に車内が見えやすく、機能的に
も必ずしも充分ではないなど、到底所期のめざす車両用
窓ガラスではないものであった。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、膜面を
車内側にして組み付ける自動車用窓ガラスにおいて、車
内外の照度と透視性の関係をよりバランスよくせしめ、
太陽の直射光を軽減し、プライバシー保護性能を満たし
つつ、誤認あるいは眼の疲労等を防いで運転者の安全性
の向上に充分寄与することができ、紫外線あるいは/な
らびに熱線を遮蔽し、夜間に鏡のような作用で室内側に
強く映り込むのを防ぎ、搭乗者の不快感や違和感を軽減
できる等、車両の室内のプライバシ−を守りつつ、車外
の視認性を確保した有用な車両用窓ガラスを提供するこ
とができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E06B 9/24 E06B 9/24 A G02B 1/10 G02B 1/10 Z 1/11 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色成分を含むガラスと、ガラス表面に
    形成した光吸収性被膜と非光吸収性被膜の少なくとも2
    層の被膜から成る車両用窓ガラスであって、該窓ガラス
    における可視光透過率Tvが25%以上55%以下、車内側面
    反射率Rin が15%以下、車外側面反射率Routが10%以上
    40%以下、しかも(Tv−Rin )が15%以上、(Tv−Rou
    t)が30%以下であることを特徴とする車両用窓ガラ
    ス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用窓ガラスにおい
    て、車外側面反射率Routが10%以上30%以下であること
    を特徴とする車両用窓ガラス。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車両用窓ガラスにおい
    て、車内側面反射率Rinが3%以上15%以下、車外側面反
    射率Routが15%以上40%以下、(Tv−Rout)が15%以下
    であり、しかも車内側面反射色調の刺激純度Rin-Peが4
    以上20%以下であることを特徴とする車両用窓ガラス。
  4. 【請求項4】 前記着色成分を含むガラスの車内側面
    に、光吸収性被膜を配し、その上に非光吸収性被膜を配
    し、非光吸収性被膜を光吸収性被膜と空気との間に介在
    させることで、光吸収性被膜と空気の界面で生じる反射
    光を減じせしめるようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の車両用窓ガラス。
  5. 【請求項5】 前記着色成分を含むガラスの車外側面
    に、非光吸収性被膜を配し、その上に光吸収性被膜を配
    し、非光吸収性被膜を光吸収性被膜とガラスとの間に介
    在させることで、光吸収性被膜とガラスの界面で生じる
    反射光を減じせしめるようにしたことを特徴とする請求
    項1記載の車両用窓ガラス。
  6. 【請求項6】 前記着色成分を含むガラスの車内側面
    に、第1層としての光吸収性被膜として屈折率n1、第2
    層及び第3層の非光吸収性被膜として屈折率n2、n3の薄
    膜を各々配して積層し、該屈折率の関係がn1>n2>n3
    あることを特徴とする請求項1乃至4記載の車両用窓ガ
    ラス。
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