JPH10114161A - 受像シート - Google Patents

受像シート

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JPH10114161A
JPH10114161A JP8287279A JP28727996A JPH10114161A JP H10114161 A JPH10114161 A JP H10114161A JP 8287279 A JP8287279 A JP 8287279A JP 28727996 A JP28727996 A JP 28727996A JP H10114161 A JPH10114161 A JP H10114161A
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sheet
receiving sheet
resin
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JP8287279A
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English (en)
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Mikio Asajima
幹夫 浅島
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真複写、溶融転写記録や昇華転写記録
を行うノンインパクトプリンターによる印字カールを防
止し、プリンター内の搬送性に優れ、OHP装置の投影
画像が鮮明である受像シートを提供する。 【解決手段】 受像シートにおいて、基材シート10と
して透明プラスチックフィルム1、2を複数枚、接着剤
層3により貼り合わせたものを使用していることを特徴
とする。また、受像シートが透明なシートであることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融転写用及び昇
華転写用受像シート、電子写真複写機用受像シートに関
し、特に、記録後のカールを防止することができる、オ
ーバーヘッドプロジェクター(OHP)で投影できる受
像シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、OHP(オーバーヘッドプロジェ
クター)は、講演会、学校、企業、その他の説明会や展
示会等において、広く使用されている情報伝達手段であ
る。このOHPの装置で投影される受像シート上に、画
像を形成する方法として、油性インキ等による手書き、
一般印刷、ノンインパクトプリンティング等で、記録す
る方法がとられている。これらの記録方法の中で、ノン
インパクトプリンティングとして、電子写真複写、溶融
転写記録や昇華転写記録によるOHP用受像シートは、
鮮明で色再現性に優れた画像を有しているため、盛んに
ハードコピーとして用いられている。さらに、この受像
シートは、透明プラスチックフィルムの基材シート上に
受容層を形成したもので、極めて短時間で、簡単に、ド
ライ記録方式で、すなわち、水、溶剤等を使用したウェ
ットの記録方式の乾燥工程の必要がない等の利点を多く
有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の電子写
真複写、溶融転写記録や昇華転写記録を行うノンインパ
クトプリンターでは、電子写真複写の場合はトナー定着
の時、溶融転写記録や昇華転写記録の場合はサーマルヘ
ッドによる加熱記録やレーザー光照射による熱記録の時
に、受像シートが著しくカールしてしまう。(このカー
ルを印字カールという。) この印字カールがノンインパクトプリンター内の搬送性
に阻害して、搬送停止を起こしたり、OHPの装置で投
影する時に、投影画像がぼやけるという問題がある。そ
こで、上記の問題を解決し、電子写真複写、溶融転写記
録や昇華転写記録を行うノンインパクトプリンターによ
る印字カールを防止し、プリンター内の搬送性に優れ、
OHP装置の投影画像が鮮明である受像シートを提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、受像シートにおいて、基材シートとして
透明プラスチックフィルムを複数枚、接着剤層により貼
り合わせたものを使用していることを特徴としている。
また、前記の基材シートの一方の面に、受容層を設けた
ことを特徴とする。また、前記の基材シートの他方の面
に、裏面層を設けたことを特徴とする。さらに、受像シ
ートの表面と裏面の、少なくとも一方の面が、帯電防止
処理されていることを特徴とする。また、受像シートが
透明なシートであることを特徴とする。
【0005】本発明の作用は、以下の通りである。本発
明の受像シートは、基材シートに透明プラスチックフィ
ルムを複数枚、接着剤層により貼り合わせたものを使用
しているため、電子写真複写、溶融転写記録や昇華転写
記録を行うノンインパクトプリンターにより、印字加熱
された側の基材シートのプラスチックフィルムが、印字
時に起こる熱収縮する応力をその接着剤層が吸収して、
印字面と反対の裏面側のプラスチックフィルムに、その
応力が伝わりにくくなり、印字カールを防止することが
できると考えられる。また、透明プラスチックフィルム
を貼り合わす接着剤層が、均一、平滑に塗布されている
ことも相伴って、貼り合わせられた基材シート全体の平
滑性、透明性が優れ、OHP装置の投影画像が鮮明なも
のとなる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の受像シートにお
いて、発明の実施の形態について、説明を行う。図1
は、本発明の受像シートの一つの実施の形態を示す断面
図である。基材シート10として、透明プラスチックフ
ィルム1と透明プラスチックフィルム2を接着剤層3に
より貼り合わせたものを使用し、その基材シート10の
一方の面に受容層4を設けるものである。そして、その
基材シート10の他方の面に、裏面層5を設けるもので
ある。また、本発明の受像シートは、受像シートの表面
や裏面に帯電防止処理層を設けることが好ましい。
【0007】(基材シート)本発明の受像シートで用い
られる基材シート10は、透明プラスチックフィルムを
複数枚、接着剤層により貼り合わせたものであり、透明
プラスチックフィルム1、2は例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメ
タクリレート、ポリカーボネート、セロハン、酢酸セル
ロース、ポリアリレート、ポリエーテルスルホンなどが
挙げられる。また、接着剤層3で使用される接着剤は、
接着機能を有するものであれば、特に制限はなく、熱可
塑性樹脂系接着剤、熱硬化性樹脂系接着剤、ゴム(エラ
ストマー)系接着剤等を使用することができる。但し、
本発明の受像シートはOHPで投影できる透明性を有す
るものであり、接着剤層3も透明性を有するものであ
る。
【0008】また、接着剤層は、上記の各種接着剤の中
から選定したものを使用して構成されるが、その接着剤
の共通した特性として、A型ショアー硬さ試験器で、硬
度が50〜90程度になる接着剤層が望ましい。なぜな
らば、このような硬さを有する接着剤層が、ノンインパ
クトプリンターにより、印字加熱された側の基材シート
のプラスチックフィルムの、印字時に起こる熱収縮する
応力を吸収し、緩和して、印字面と反対の裏面側のプラ
スチックフィルムに、その応力が伝わりにくくして、印
字カールを防止することができるからである。
【0009】熱可塑性樹脂系接着剤は、溶剤溶液または
エマルジョン、ラテックスの形で、成分はポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、シ
アノアクリラート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ
塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニ
トロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、
ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体等の樹脂が挙げられ
る。熱硬化性樹脂系接着剤は、一般に常温では液体で、
加熱により、または触媒、硬化剤、促進剤などの2〜3
成分の混合により、硬化するもので、ユリア樹脂、メラ
ミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラ
ン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂等のほか、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリベンツイミダドール、ポリベンゾチアゾール等
の樹脂が挙げられる。特に主剤と硬化剤を用いる2液硬
化型の接着剤が、実用上使いやすいため好ましく用いら
れる。
【0010】ゴム(エラストマー)系接着剤は、主成分
が天然または合成ゴムからなる弾性高分子であり、天然
ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチル
ゴム等が挙げられる。以上の通り、基材シートは透明プ
ラスチックフィルムを複数枚、接着剤層により貼り合わ
せたものであり、その基材シートの貼り合わせ後の厚み
は、用途に応じて、強度などを考慮して適宜選択され、
特に制限されないが、例えば、通常総厚で50〜200
μm程度である。その総厚に応じて、透明プラスチック
フィルムと接着剤層の厚さが選定される。透明プラスチ
ックフィルムの厚さは、10〜100μm程度が好まし
く、接着剤層の厚さは、5〜50μm程度が好ましい。
また、貼り合わせ後の厚みに応じて、透明プラスチック
フィルムの貼り合わせ2数を変えることができるが、2
〜4枚を貼り合わせことが好ましく行われる。
【0011】本発明の受像シートに用いられる基材シー
トは透明プラスチックフィルムを複数枚、接着剤層によ
り貼り合わせたものであり、その貼り合わせは以下の方
法が挙げられる。 (a)ウェットラミネーション(湿式貼り合わせ) 液状の接着剤を使用して貼り合わせた後乾燥する方法で
ある。 (b)ドライラミネーション(乾式貼り合わせ) 基材上に接着剤を塗布し、接着剤をほとんど乾燥させた
状態にしておき、この上に他の基材を重ねて加熱、圧着
などにより貼り合わせる方法である。 (c)ホットメルトラミネーション(熱溶融貼り合わ
せ) 加熱により溶融するワックス、アスファルト、プラスチ
ック等を接着剤として使用し、溶融状態で塗布し、直ち
に貼合した後冷却する方法である。 (d)エクストルージョンラミネーション(溶融押し出
し貼り合わせ) 押出機とTダイによりフィルム状に押し出された溶融状
態のプラスチックを接着剤層として貼り合わせる方法で
ある。
【0012】上記の貼り合わせ方法のうち、(a)、
(b)、(c)については、接着剤の塗布方式は、公知
の方式、すなわち、グラビア印刷法、スクリーン印刷
法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング
法、コンマコーティング法等の手段により、接着剤層を
形成することができる。但し、得られる受像シートはO
HP装置の投影画像が鮮明なものとなるために、透明プ
ラスチックフィルムを貼り合わす接着剤層が、均一、平
滑に塗布されている必要がある。基材シートの一方また
は両方の面に、必要に応じて、プライマー処理やコロナ
放電処理を施したりする公知の易接着処理を行ってもよ
い。
【0013】(受容層)上記の基材シート10の一方の
面に設ける受容層4は、基材シートの上に直接または、
プライマー層を介して、形成される。尚、基材シート自
体がインキ受容性を有していれば、受容層を設けること
はない。例えば、昇華転写記録の場合は、基材シート自
体が、ポリ塩化ビニル樹脂のように熱転写シートとの染
着性、離型性を有していれば、受容層を設けることはな
く、基材シートが受容層の機能を兼ね備えているからで
ある。
【0014】受容層4は、電子写真複写、溶融転写記録
や昇華転写記録の各記録方式の違いにより、受容層の構
成が異なる。電子写真複写では、受容層を形成する樹脂
として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
アクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリスチレン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィン
と他のビニルモノマーとの共重合体、アイオノマー、エ
チルセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース系樹
脂、ポリカーボネート樹脂などがあげられ、特に好まし
いのは、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体樹脂である。
【0015】受容層は、上記樹脂に必要に応じて各種助
剤を添加して、適当な溶剤に溶解あるいは分散して調整
した組成物を、基材シート上に公知の方法、すなわち、
グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用い
たリバースロールコーティング法等の形成手段により、
塗布し、乾燥して、形成される。受容層の厚さは、乾燥
状態で通常0.1〜10μmである。また、電子写真複
写の受容層に添加する助剤としては、例えば、滑り性を
付与する目的で、四フッ化エチレンポリマーやエチレン
−四フッ化エチレンポリマーなどのフッ素系ポリマー、
ステアリン酸亜鉛などのステアリン酸塩、ポリエチレ
ン、ポリスチレンなどの有機ポリマー、シリカ、アルミ
ナなどの無機物の微粒子、ワックス、シリコンオイル、
界面活性剤、植物油、動物油、鉱油などが用いられる
が、中でもフッ素化ポリマーはポリマーそのものの表面
潤滑性が優れており、最も適している。
【0016】その他、受像シートをプリンターに供給す
る時に発生するブロッキングによる重送防止の目的で、
ポリエチレンなどのポリオレフィン微粒子、ポリスチレ
ン微粒子、ポリアクリル微粒子、エチレンアクリル酸共
重合体微粒子などの有機ポリマー微粒子や、シリカ、カ
オリン、クレー、タルク、硅石、水酸化アルミニウム、
二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、酸
化亜鉛などの無機フィラーやガラスビーズの微粒子など
いずれも、受容層中に添加することが可能である。ただ
し、OHP用途では受容層の透明性を損なわない程度の
量で添加する。
【0017】溶融転写記録と昇華転写記録の受容層は、
加熱により熱転写シートから転写される色材を受容する
働きを有するもので、特に、色材が昇華性染料の場合に
は、それを受容し、発色させると同時に、一旦受容した
染料を再昇華させないことが望まれる。この受容層は、
受容層樹脂を主体として構成される。受容層樹脂は、例
えば、エステル結合を有する樹脂、ウレタン結合を有す
る樹脂、アミド結合を有する樹脂、尿素結合を有する樹
脂、その他極性の高い結合を有する樹脂、あるいは、こ
れらの混合物や共重合体樹脂など、多くの樹脂を使用で
きる。特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリ塩化
ビニルの混合物が好ましい。この受容層は、上記の樹脂
に有機または無機のフィラーなどを必要に応じて、添加
することができる。さらに、昇華転写記録の場合、熱転
写シートとの熱離型性を向上させるため、離型剤を添加
することができる。
【0018】離型剤の例としては、シリコーンオイル、
リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が
挙げられるが、シリコーンオイルが望ましい。上記シリ
コーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、
アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ
素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキ
シ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリ
コーンオイルが好ましい。離型剤は1種若しくは2種以
上のものが使用される。また、離型剤の添加量は、受容
層を形成するバインダー樹脂100重量部に対し、0.
5〜20重量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさ
ない場合は、熱転写シートと受容層の熱融着若しくは印
字感度の低下等の問題が生じる場合がある。
【0019】また、帯電防止能を付与させるために、下
記に示す帯電防止剤を受容層塗工液に、練り込むことも
できる。この練り込みは電子写真複写用受容層塗工液に
おいても行うことができる。 帯電防止剤;脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エ
ステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、
アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加
物など。帯電防止剤の添加量は、樹脂に対し、0.1〜
2.0重量%が好ましい。溶融転写記録と昇華転写記録
の受容層の形成方法は、上記の電子写真複写用受容層の
時と同様な方法があげられる。溶融転写記録と昇華転写
記録の受容層の厚みは、乾燥時で通常0.1〜10μm
である。
【0020】(帯電防止層)受像シートの粉塵による汚
染防止や、各種プリンターでの搬送の安定性をもたせる
ため、下記の帯電防止剤を含む帯電防止層を受容層の上
に、または、基材シートの裏面に設けることができる。
すなわち、帯電防止層は受像シートの受容層面や裏面側
の最表面に設けることが好ましい。帯電防止剤として
は、従来公知の陽イオン、陰イオン、両性イオン、非イ
オン系のいずれの帯電防止剤を使用できる。例えば、第
4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体などのカチオン
系帯電防止剤、アルキルホスフェートなどのアニオン系
帯電防止剤、脂肪酸エステルなどのノニオン系帯電防止
剤が、あげられる。帯電防止層は、上記の帯電防止剤と
有機ないし無機フィラーなどの滑剤を添加してもよく、
それらを溶剤に溶解または分散させた配合液を、公知の
方法、すなわち、グラビアコート、グラビアリバースコ
ート、ロールコート等の方法で塗布、乾燥して、形成さ
れる。その帯電防止層の厚みは、0.001〜0.1μ
m程度である。
【0021】(中間層)本発明においては、基材シート
と受容層の間に各種の樹脂からなる中間層を設けること
もできる。このような中間層に様々な役割を担わせるこ
とで受像シートに優れた機能を付加することができる。
例をあげると、クッション性を付与する樹脂として、弾
性変形や塑性変形の大きな樹脂、例えば、ポリオレフィ
ン系樹脂、ビニル系共重合体樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリアミド系樹脂などを用いて、受像シートの感度
を向上させたり、画像のざらつきを防止することができ
る。その他、ガラス転移温度が60℃以上の樹脂や、硬
化剤等により硬化させた樹脂を用いて中間層を設けた場
合には、受像シートを複数枚重ねて保存したときにシー
ト同士が密着してしまうのを防止するなど、受像シート
の保存性能を向上させることができる。
【0022】さらに、中間層として、帯電防止能を付与
させるために、上記にあげた樹脂に、帯電防止剤や帯電
防止能を有する樹脂を、溶剤に溶解又は分散させたもの
を塗工して、中間層を形成することができる。その帯電
防止剤は、例えば、脂肪酸エステル、硫酸エステル、リ
ン酸エステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイ
ン類、アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイ
ド付加物等が、あげられる。また、その帯電防止能を有
する樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ビニル系樹
脂、セルロース樹脂などの樹脂に4級アンモニウム塩
系、リン酸系、エトサルフェイト系、ビニルピロリドン
系、スルフォン酸系などの帯電防止効果を有する基を導
入または共重合した導電性樹脂が使用できる。特に、カ
チオン変成アクリル系樹脂が好ましい。
【0023】これらの帯電防止効果を有する基は、樹脂
にペンダント状に導入されているものが、樹脂中に高密
度に導入することが可能であり好ましい。具体的には、
日本純薬株式会社製のジュリマーシリーズ、第一工業製
薬株式会社製のレオレックスシリーズ、綜研化学株式会
社製のエレコンドシリーズなどが、あげられる。中間層
は、上記にあげた樹脂と添加剤等を任意に添加し、溶
剤、希釈剤等で、十分に混練して、塗工液を製造し、基
材シートの上に、受容層の形成手段と同様に、例えば、
グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用い
たリバースロールコーティング法等の形成手段により、
塗布し、乾燥して、中間層を構成する。
【0024】(裏面層)基材シート10の他方の面に、
熱転写受像シートの搬送性の向上や、カール防止などの
ために、裏面層5を設けることもできる。このような機
能をもつ裏面層5として、アクリル系樹脂などにフッ素
系樹脂、ポリアミド系樹脂などの有機フィラーを添加し
たものを用いることができる。本発明においては、上記
裏面層も用いることができるが、アクリルポリオール及
び有機微粒子を含有する組成物による裏面層を設けるの
が好ましい。アクリルポリオールとしては、エチレング
リコールメタアクリレート、プロピレングリコールメタ
アクリレートなどの重合物があげられる。この他、エチ
レングリコール部分が、トリメチレングリコール、ブタ
ンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シ
クロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、グリ
セリン等のものも使用できる。これらアクリルポリオー
ルは、カール防止に寄与するほか、有機・無機フィラー
等の添加剤を保持しやすく、また、基材シートとの接着
性も良好である。
【0025】この裏面層として、アクリルポリオールを
硬化剤により硬化したものを使用するのが更に好まし
い。硬化剤は、一般に公知なものが使用できるが、中で
もイソシアネート化合物が好ましい。アクリルポリオー
ルはイソシアネート化合物と反応しウレタン結合を形成
して硬化・立体化することにより、耐熱保存性、耐溶剤
性が向上し、さらには、基材シートとの密着も良くな
る。硬化剤の添加量は、樹脂1反応基当量に対して、1
乃至2が好ましい。
【0026】さらに、上記裏面層中に、有機フィラーを
添加するのが好ましい。このフィラーの働きで、プリン
ター内でのシートの搬送性が向上し、また、ブロッキン
グを防ぐなどシートの保存性も向上する。有機フィラー
として、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、
フッ素系フィラー、ポリエチレンワックスなどがあげら
れる。この中では、特にポリアミド系フィラーが好まし
い。ポリアミド系フィラーとしては、分子量が10万乃
至90万で、球状であり、平均粒子径が0.01乃至1
0μmが好ましい。ポリアミド系フィラーは、高融点で
熱的にも安定であり、耐油性、耐薬品性も良く、染料に
よって染着されにくい。また、分子量が10万乃至90
万であると磨耗することもほとんどなく、自己潤滑性が
あり、摩擦係数も低く、擦れる相手材を傷つけにくい。
ポリアミド系フィラーの種類では、ナイロン6やナイロ
ン66と比較してナイロン12フィラーが耐水性に優
れ、吸水による特性変化がないためより好ましい。
【0027】これらフィラーの添加量は、樹脂に対し、
0.05重量%乃至200重量%の範囲が好ましい。な
お、OHP用受像シートなど、これらフィラーの添加で
透明性をそこなうと問題になるような場合には、添加量
を樹脂に対し2重量%以下と少量にするか、粒径の小さ
なフィラーを選択する。このような裏面層を設けること
により、本発明における受容層の傷つきに強いという利
点をより生かすことができる。裏面層は、上記にあげた
樹脂と有機フィラーを任意に添加し、溶剤、希釈剤等
で、十分に混練して、塗工液を製造し、基材シートの他
方の面に、受容層の形成手段と同様に、例えば、グラビ
ア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバ
ースロールコーティング法等の形成手段により、塗布
し、乾燥して、裏面層を構成する。
【0028】以上のような構成を有する本発明の受像シ
ートは、透明性を有するものであり、用途としてOHP
用に限定せず、電飾用表示体等の広告、鑑賞用等でも用
いられ、広い分野で使用できるものである。このように
本発明の受像シートは、充分な透明性を有し、すなわ
ち、不透明性を少なくしたものであり、JIS K71
05で規定するヘイズ(曇価)が0〜20%の範囲が望
ましい。
【0029】
【実施例】次に実施例をあげて、本発明を具体的に説明
する。 (実施例1)基材シートとして、下記条件の透明プラス
チックフィルムを2枚、接着剤層により貼り合わせたも
のを使用する。透明プラスチックフィルムは、75μm
のポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社
製 T−60)と12μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム(東レ株式会社製 12F65K)を使用
し、下記組成1の接着剤をコンマコーターで12μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムに、乾燥時20μ
mになるように、塗布し、ドライラミ方式で75μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムと貼り合わせた。接着剤組成1 ポリウレタン系接着剤(大日精化株式会社製 E−287) 100部 イソシアネート系硬化剤(大日精化株式会社製 C−26) 20部
【0030】この貼り合わせた基材シートの一方の面
に、下記組成の受容層をグラビア版を用いたリバースロ
ールコーティング法により、乾燥状態で厚さが3μmと
なるように塗布した。また、基材シートの他方の面に、
下記組成の裏面層をグラビア印刷で、乾燥状態で厚さが
4μmとなるように塗布し、さらに、受容層の上と、裏
面層の上に、下記組成の帯電防止層をグラビア印刷で、
乾燥状態で厚さが0.01μmとなるように塗布し、実
施例1の受像シートを作成した。
【0031】受容層組成 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部 (電気化学工業株式会社製 デンカビニル#1000A) ポリエステル(東洋紡績株式会社製 バイロン600) 40部 アミノ変性シリコーン 2部 (信越化学工業株式会社製 X−22−3050C) エポキシ変性シリコーン 2部 (信越化学工業株式会社製 X−22−3000E)
【0032】裏面層組成 アクリルポリオール 300部 (大日本インキ工業株式会社製 アクリディック47−538) イソシアネート硬化剤 30部 (武田薬品工業株式会社製 タケネートA−14) ポリアミド系フィラー(神東塗料株式会社製 MW−330) 1部 触媒(三共有機合成株式会社製 S−CAT24) 1部 帯電防止層組成 帯電防止剤(松本油脂製薬株式会社製 TB−34) 100部
【0033】(実施例2)基材シートとして、透明プラ
スチックフィルムのポリ塩化ビニルフィルム50μm厚
(電気化学工業株式会社製)を2枚、下記組成2の接着
剤を用いて貼り合わせた。次に、接着剤層の塗工条件、
貼り合わせ条件、裏面層及び帯電防止層の塗工条件は、
実施例1と同様にして、実施例2の受像シートを作成し
た。但し、実施例2の受像シートは、受容層は設けない
ものである。接着剤組成2 アクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製 E−1000) 100部
【0034】(実施例3)実施例1で使用した透明プラ
スチックフィルム2枚と同様のものを使用し、下記組成
3の接着剤をホットメルトラミネーションにより貼り合
わせを行った。接着剤厚みは、乾燥時15μmとなるよ
うにした。次に、受容層及び帯電防止層の塗工条件は、
実施例1と同様にして、実施例3の受像シートを作成し
た。但し、実施例3の受像シートは、裏面層は設けない
ものである。接着剤組成3 エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤 100部 (ホットメルトラミネーション剤:大日本インキ化学工業株式会社製 DX−1 1B)
【0035】(実施例4)実施例1で使用した透明プラ
スチックフィルム2枚と同様のものを使用し、下記組成
4の接着剤をエクストルージョンラミネーションにより
貼り合わせを行った。接着剤厚みは、乾燥時25μmと
なるようにした。次に、受容層及び裏面層の塗工条件
は、実施例1と同様にして、実施例3の受像シートを作
成した。但し、実施例4の受像シートは、帯電防止層は
設けないものである。接着剤組成4 エチレン−メチルメタアクリレート共重合体系接着剤 100部 (エクストルージョンラミネーション剤:住友化学工業株式会社製 アクリフト WD301)
【0036】(比較例1)基材シートとして、透明プラ
スチックフィルムの100μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム(東レ株式会社製 T−60)のみを使
用し、その基材シートの一方の面に、受容層を実施例1
と同様にして設け、さらに、基材シートの他方の面に、
裏面層を実施例1と同様にして設け、次に、受容層の上
と裏面層の上に、帯電防止層を実施例1と同様にして設
けて、比較例1の受像シートを作成した。上記の各実施
例と比較例の受像シートを、シャープ株式会社製の昇華
熱転写プリンターにて、その熱転写プリンター用の市販
の熱転写シートを用いて、各10枚ずつ、連続して印字
を行った。評価方法は、各実施例と比較例の受像シート
の各10枚連続印字の際の、プリンター内の搬送性と、
印字カールの度合いと、OHP装置の投影画像の品質に
ついて評価した。
【0037】評価方法の詳細は以下の通りである。 (搬送性)実施例と比較例の受像シートについて、各例
につき、10枚連続で上記の熱転写プリンターにて、イ
エロー、マゼンタ、シアンの3色で、ベタ柄で印字を行
い、各受像シートのプリンター内での搬送性を評価す
る。判断基準は以下の通りである。 ○:10枚の受像シートが全て、良好に搬送し、排出さ
れた。 ×:印字後の受像シートにおいて、カールが著しく、受
像シートに折れが生じたり、受像シートがプリンターの
一部に引っ掛かり、搬送が停止する。
【0038】(印字カール)実施例と比較例の受像シー
トについて、各例につき、10枚連続で上記の熱転写プ
リンターにて、イエロー、マゼンタ、シアンの3色で、
ベタ柄で印字を行い、印字後の受像シートを1枚ずつ、
水平な面に置いて、4隅または4辺の水平面からの距離
を測定し、印字後のカール状況を評価する。但し、受像
シートの大きさは、搬送方向を長辺として、148mm
×100mmである。判断基準は以下の通りである。 ○:カールが10mm以内であり、良好である。 ×:カールが20mmを越えていて、不良である。
【0039】(投影画像品質)実施例と比較例の受像シ
ートについて、各例につき、3枚連続で上記の熱転写プ
リンターにて、イエロー、マゼンタ、シアンの3色で、
一定のフルカラー画像を形成する。画像形成された(印
字後の)各受像シートをOHP装置にて投影し、その投
影された画像の品質について、目視にて観察し、評価す
る。判断基準は以下の通りである。 ○:投影画像は鮮明で、ぼやけている部分がない。 ×:投影画像で部分的に、ぼやけている部分がある。
【0040】(評価結果)評価結果を下記の表1に示
す。
【表1】 *1:印字後の受像シートにおいて、印字部に少し凹み
が生じている。 *2:印字後の受像シートにおいて、プリンター排出部
での滑りが、あまり良くなく、きれいにそろっていな
い。 *3:プリンター排出部から受像シートを取り出し、突
きそろえる際に、静電気が発生し、手間がかかった。
【0041】
【発明の効果】本発明の受像シートは、基材シートとし
て透明プラスチックフィルムを複数枚、接着剤層により
貼り合わせたものを使用しているため、ノンインパクト
プリンターにより、印字加熱された時の印字カールを防
止することができる。また、透明プラスチックフィルム
を貼り合わす接着剤層が、均一、平滑に塗布されている
ことも相伴って、貼り合わせられた基材シート全体の平
滑性、透明性が優れ、OHP装置の投影画像が鮮明なも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受像シートの一つの実施の形態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1、2 透明プラスチックフィルム 3 接着剤層 4 受容層 5 裏面層 10 基材シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートとして透明プラスチックフィ
    ルムを複数枚、接着剤層により貼り合わせたものを使用
    していることを特徴とする受像シート。
  2. 【請求項2】 前記の基材シートの一方の面に、受容層
    を設けたことを特徴とする上記の請求項1に記載する受
    像シート。
  3. 【請求項3】 前記の基材シートの他方の面に、裏面層
    を設けたことを特徴とする上記の請求項1に記載する受
    像シート。
  4. 【請求項4】 受像シートの表面と裏面の、少なくとも
    一方の面が、帯電防止処理されていることを特徴とする
    上記の請求項1に記載する受像シート。
  5. 【請求項5】 受像シートが透明なシートであることを
    特徴とする上記の請求項1、2、3または4に記載する
    受像シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100453588B1 (ko) * 2001-10-23 2004-10-20 주식회사지엠피 Pc 실사프린트용 반투광성 적층시트
US7479470B2 (en) 2004-08-04 2009-01-20 Ricoh Company, Ltd. Thermal transfer receiver, method for producing the same, method for recording image, and recorded image

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KR100453588B1 (ko) * 2001-10-23 2004-10-20 주식회사지엠피 Pc 실사프린트용 반투광성 적층시트
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