JPH10114142A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JPH10114142A
JPH10114142A JP8269727A JP26972796A JPH10114142A JP H10114142 A JPH10114142 A JP H10114142A JP 8269727 A JP8269727 A JP 8269727A JP 26972796 A JP26972796 A JP 26972796A JP H10114142 A JPH10114142 A JP H10114142A
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JP
Japan
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ink jet
recording paper
jet recording
weight
coating layer
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JP8269727A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Koike
和幸 小池
Yasuhiro Ogata
安弘 緒方
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性に優れ、かつ良好なカーテン塗布適性
を有するインクジェット記録用紙を提供すること。 【解決手段】 基紙上に塗工層を設けたインクジェット
記録用紙において、該塗工層が、合成非晶質シリカと、
水性結合剤と、分子量が50万〜120万のカチオン性
ポリアクリルアミドとを含有することを特徴とするイン
クジェット記録用紙である。前記インクジェット記録用
紙においては、前記カチオン性ポリアクリルアミドのカ
チオン価が1.5〜5.0ml/gである態様が好まし
く、また、前記塗工層がカーテンコーターを用いて形成
される態様が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
用紙に関し、特に、耐水性に優れ、かつ良好なカーテン
塗布適性を有するインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、多色化が容
易であり、記録速度が比較的高速である上、大版の記録
も可能である等の利点を有している。一方、従来から問
題となっていたノズルの目詰まりとメンテナンスについ
ては、インク及び装置の両面から改良が進んでおり、現
在では、各種のプリンター、ファクシミリ、コンピュー
ター端末等の種々の分野で広く使用され、急速に普及し
ている。
【0003】ところで、カラーインクジェットプロセス
においては、複数のインクノズルから、シアン(C)、
マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各
色の水性インク液が、インクジェット記録用紙に向けて
噴射される。インクジェット記録用紙は、前記各色のみ
による単色ベタ印画の場合には、前記各色の水性インク
液の一種のみを吸収すればよいが、前記各色以外の色、
例えばグリーン(G)等による混色ベタ印画の場合に
は、前記各色の水性インク液の二種以上を吸収する必要
がある。このため、カラーインクジェットプロセスに使
用されるインクジェット記録用紙は、インク吸収性に優
れることが要求される。
【0004】従来においては、インク吸収性を向上させ
るため、カサ高さ、透気度、サイズ度等を調整すること
により、水、溶媒等のビヒクルに対する吸収性を向上さ
せた支持体を有してなる用紙が提案されている。しか
し、この従来の用紙の場合、インク滴の紙面上での広が
り方が不規則であり、インク流れが生じ、発色濃度が低
下し易いという問題がある。インク吸収性が十分でない
場合には、インクドットの広がりが大き過ぎるためイン
ク滲みが生じ、また混色ベタ印画部においてもインク滲
みが生じ、高濃度で鮮明なカラー画像を得ることができ
ないという問題がある。一方、従来の用紙の場合、耐水
性が十分でないため、印画紙の保存中等に印画紙からイ
ンクの染料が溶出し、印画像の画質を長期間保持するこ
とができないという問題がある。貴重な情報等の印画像
が保存中に消失してしまうことは極めて重大な問題であ
り、インクジェット記録用紙の耐水性を向上させる技術
の開発が望まれている。また、インクジェット記録用紙
において、塗工液を基紙上にカーテン塗布して形成され
た塗工層はその表面の平滑性に優れる点で有利であるこ
とから、良好なカーテン塗布適性を有するインクジェッ
ト記録用紙の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、耐水性に優れ、かつ良好な
カーテン塗布適性を有するインクジェット記録用紙を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下の手段
により達成された。即ち、 (1) 基紙上に塗工層を設けたインクジェット記録用
紙において、該塗工層が、合成非晶質シリカと、水性結
合剤と、分子量が50万〜120万のカチオン性ポリア
クリルアミドとを含有することを特徴とするインクジェ
ット記録用紙である。 (2) 前記カチオン性ポリアクリルアミドのカチオン
価が1.5〜5.0ml/gである前記(1)に記載の
インクジェット記録用紙である。 (3) 前記塗工層がカーテンコータ−を用いて形成さ
れる前記(1)又は(2)に記載のインクジェット記録
用紙である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用紙
は、基紙上に塗工層を設けてなる。基紙としては、LB
KP、NBPK等の木材パルプを主体としてなるものが
挙げられる。前記基紙は、必要に応じてさらに、合成パ
ルプ、合成繊維等を含有していてもよい。なお、叩解後
の濾水度としては、250〜450cc(C.S.F)
が好ましい。本発明における基紙は、必要に応じて、填
料、サイズ剤、紙力剤、定着剤等を含有していてもよ
い。
【0008】前記填料としては、例えば、クレイ、タル
ク、TiO2 、CaCO3 、BaSO4 等が挙げられ
る。前記填料の含有量としては、パルプに対して通常0
〜30重量部である。前記サイズ剤としては、例えば、
ロジン、アルケニルコハク酸塩、ステアリン酸塩、アル
キルケテンダイマー、アルケニルコハク酸無水物等が挙
げられる。前記紙力剤としては、例えば、スターチ、ゼ
ラチン、CMC、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化
アルミニウム、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリ
ン等が挙げられる。
【0009】基紙の坪量としては、通常30〜250g
/m2 であり、好ましくは5〜150g/m2 である。
基紙の厚さとしては、通常30〜250μmであり、好
ましくは50〜150μである。基紙の白色度(ハンタ
ー)としては、70%以上であるのが好ましい。基紙の
剛度(テーバー)としては、1〜29gであるのが好ま
しい。基紙の吸水度としては、JIS−P−8140で
10〜30g/m2 であるのが好ましい。前記吸水度が
10g/m2 未満であると、インク流れが生じ易くなる
ことがある。一方、30g/m2 を超えると、白ヌケが
生じ易くなることがある。
【0010】塗工層は、合成非晶質シリカ、水性結合剤
と、カチオン性ポリアクリルアミドとを含有する。前記
塗工層は、必要に応じてさらにその他の成分を含有す
る。
【0011】前記合成非晶質シリカとしては、乾式製造
法によって得られる無水珪酸、ゲル化法、沈殿法等の湿
式製造法によって得られる含水珪酸等が挙げられる。こ
れらの中でも、多孔質で吸収性があり、平均粒径が比較
的大きく、白ヌケを効果的に防止できる点で含水珪酸が
好ましい。前記合成非晶質シリカは、適宜製造したもの
であってもよいし、市販品であってもよい。
【0012】前記合成非晶質シリカの比表面積として
は、通常300〜500m2/gであり、320〜45
0m2/gが好ましい。前記比表面積は、BET吸着法
により測定することができる。前記比表面積が、300
2/g未満であると、インク吸収性が悪く、インク滲
みが生ずることがあり、500m2/gを越えると、イ
ンクジェット記録用紙の製造が困難になることがある。
前記合成非晶質シリカの細孔容積としては、通常1.0
ml/g以上であり、1.3ml/g以上が好ましい。
前記細孔容積が、0.5ml/g未満であると、インク
吸収性が十分でないことがある。
【0013】前記合成非晶質シリカの平均粒径として
は、通常2〜13μmであり、3〜10μmが好まし
い。前記平均粒径は、コールターカウンターを用いて測
定することができる。前記平均粒径が、2μm未満であ
ると、インクの広がり性が十分でなく、インクドットの
径が小さくなり、白ヌケが生ずることがあり、13μm
を越えると、インクジェット記録用紙における塗工層の
表面の平滑性が低下し、いわゆるザラツキや粉落ちが生
ずることがある。
【0014】前記合成非晶質シリカの塗工層における含
有量としては、塗工層における全顔料の100重量部に
対して、通常50重量部以上であり、70〜100重量
部が好ましい。前記含有量が40重量部未満であると、
インクの広がり性が十分でなく、インクドット径が小さ
く、白ヌケが生ずることがある。一方、前記含有量が、
前記好ましい範囲内にあると、前記欠点がない上、白ヌ
ケが効果的に防止される点で有利である。
【0015】前記水性結合剤としては、例えば、水溶性
バインダー、水分散性バインダーなどが挙げられる。前
記水溶性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアル
コール、デンプン、カチオン化テンプン、カゼイン、ゼ
ラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
前記水分散性バインダーとしては、例えば、スチレンブ
タジエンラテックス、アクリルエマルジョン等が挙げら
れる。これらは、一種単独で使用してもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0016】前記カチオン性ポリアクリルアミドは、ア
クリルアミドとカチオン性モノマーとの共重合体であ
る。なお、場合により、さらにモノマー成分として(メ
タ)アクリル酸を加えて共重合した三元共重合体であっ
てもよい。前記カチオン性モノマーとしては、例えば、
下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(II)
で表される化合物、これらの化合物の塩などが好適に挙
げられる。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】なお、一般式(I)及び(II)中、R
1 は、水素原子又は低級アルキル基を表す。R2 及びR
3 は、低級アルキル基を表す。nは、1〜5の整数を表
す。
【0020】前記カチオン性モノマーの具体例として
は、メタクリル酸ジメチルアミノエチル[CH2 =C
(CH3)COOCH2 CH2 N(CH3)2 ]、メタクリ
ル酸ジエチルアミノエチル[CH2 =C(CH3)COO
CH2 CH2 N(CH2 CH3)2]、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチルクロライド塩[CH2 =C(CH3)C
OOCH2 CH2 N(CH3)2 ]・Cl、ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミド[CH2 =CHCONHCH
2 CH2 CH2 N(CH3)2 ]などが好適に挙げられ
る。
【0021】前記カチオン性ポリアクリルアミドの分子
量としては、50万〜120万が好ましく、60万〜1
00万がより好ましい。また、前記分子量としては、前
記数値範囲の下限値のいずれか又は後述の実施例におい
て採用した分子量の値のいずれかを下限とし、前記数値
範囲の上限値のいずれか又は後述の実施例において採用
した分子量の値のいずれかを上限値とする数値範囲も好
ましい。前記カチオン性ポリアクリルアミドの分子量
が、50万未満であるとインクジェット記録用紙の耐水
性が十分でなく、120万を越えるとカーテン塗布適性
に劣る点で、いずれの場合も好ましくない。なお、前記
分子量は、例えば、液体クロマトグラフィーを使用し
て、光散乱光度計にて測定した光散乱分子量のことであ
る。
【0022】前記カチオン性ポリアクリルアミドのカチ
オン価は、例えば、以下のようにして測定できる。即
ち、試料約0.1gを精秤し、希釈液(水/メタノール
/酢酸=89/10/1容量%)にて希釈したものをN
/400ポリビニル硫酸カリウム(PVSK)水溶液で
滴定し、以下の式、(滴定量(ml)×1/400×フ
ァクター(PVSK))/(試料採取量(g)×不揮発
分(%)/100)、によって算出することができる。
なお、前記式において、不揮発分は、試料3.0±0.
2gをシャーレ(50mm×15mm)に均一に広げて
精秤し、105±5℃の循風乾燥機で3時間乾燥した
後、デシケーターに入れ、30分間放冷し、次いでそれ
を精秤して乾燥残量を求め、次式、不揮発分(%)=
(乾燥残量(g)/試料採取量(g))×100、によ
り算出される。
【0023】前記カチオン性ポリアクリルアミドのカチ
オン価としては、1.5〜5.0mg/gが好ましく、
1.8〜3.5mg/gがより好ましい。また、前記カ
チオン価としては、前記数値範囲の下限値のいずれか又
は後述の実施例において採用したカチオン価の値のいず
れかを下限とし、前記数値範囲の上限値のいずれか又は
後述の実施例において採用したカチオン価の値のいずれ
かを上限値とする数値範囲も好ましい。前記カチオン価
が、1.5mg/g未満であるとインクジェット記録用
紙の耐水性が不十分になる点で好ましくなく、5.0m
g/gを越えると塗布液粘度等の塗布適性が不十分にな
る点で、いずれも好ましくない。
【0024】前記塗工層における前記カチオン性ポリア
クリルアミドの含有量としては、前記合成非晶質シリカ
100重量部に対し、10〜80重量部が好ましい。前
記含有量が10重量部未満であると耐水性が不十分にな
ることがあり、80重量部を越えると塗布液粘度等の塗
布適性が不十分になることがある点でいずれも好ましく
ない。
【0025】前記その他の成分としては、特に制限はな
く、インクジェット記録用紙の用途、目的等に応じて適
宜選択されるが、例えば、界面活性剤、顔料、耐光性向
上剤、添加剤等が挙げられる。
【0026】前記界面活性剤としては、例えば、カルボ
ン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステ
ル塩等のアニオン系界面活性剤、エーテル型、エーテル
エステル型のノニオン系界面活性剤、ベタイン、アミノ
カルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤
等が挙げられる。これらの界面活性剤の中でも、スルホ
ン酸塩が好ましく、特にジメチルペンチルスルホン酸ナ
トリウム等のジアルキルスルホン酸塩が好ましい。前記
界面活性剤としてジアルキルスルホン酸塩を使用する場
合、その含有量としては、塗工層において、前記合成非
晶質シリカ100重量部に対して、通常1〜12重量部
であり、1〜10重量部が好ましい。前記含有量が、1
重量部未満であると、インク吸収性が不十分になり易
く、12重量部を越えると、発色濃度の低下が生じ易
い。
【0027】前記顔料としては、前記合成非晶質シリカ
の外、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、ク
レー、珪藻土、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ア
ルミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂等の白色顔料が挙げられる。
【0028】前記耐光性向上剤としては、例えば、硫酸
亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベン
ゾフェノン等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等
が挙げられる。この発明においては、これらの中でも硫
酸亜鉛が好ましい。
【0029】前記添加剤としては、例えば、顔料分散
剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH
調整剤等が挙げられる。
【0030】本発明における塗工層は、前記合成非晶質
シリカと、前記水性結合剤と、前記カチオン性ポリアク
リルアミドと、必要に応じて前記その他の成分とを含有
する塗工液を、前記基紙上に塗布し、乾燥することによ
り形成される。なお、このようにして形成される塗工層
は、インクジェット記録用紙においてインク受容層とし
て機能する。
【0031】前記塗工液を前記基紙上に塗布する手段と
しては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ
とができるが、例えば、カーテンコーター、ロールコー
ター、リバースロールコーター、エアーナイフコータ
ー、ブレードコーター、スプレーコーター、スピンコー
ター等が挙げられる。本発明においては、これらの中で
も、前記塗工液の塗布面、即ち塗工層の表面が、平滑性
に優れたものにすることができる点でカーテンコーター
が好ましい。なお、本発明における塗工液は、良好なカ
ーテン塗布適性を有するので、カーテンコーターを用い
て塗工液の塗布を行うと、平滑性に優れた表面を有する
塗工層が形成される。
【0032】前記基紙上に塗布される前記塗工液の塗布
量としては、固形分で、通常6〜10g/m2 であり、
8〜10g/m2 が好ましい。前記塗布量が、固形分で
6g/m2 未満であると、インク吸収性が不十分になる
ことがあり、10g/m2 を越えると、白ヌケによる発
色濃度の低下を招くことがある。一方、前記塗布量が、
前記好ましい範囲内にあると、前記欠点がない上、イン
ク吸収性に優れ、インクドットの広がりが小さく、かつ
筆記性が良好なインクジェット記録用紙を製造できる点
で有利である。
【0033】本発明においては、塗工層は、インクジェ
ット記録用紙の用途、目的等に応じて、単層構造にして
もよく、積層構造にしてもよい。なお、積層構造の塗工
層は、基紙上に前記塗工液を塗布した後、さらにその塗
布面上に前記塗工液を塗布することにより形成される。
【0034】本発明のインクジェット記録用紙において
は、前記基紙における、塗工層が形成された側とは反対
側の表面上に、バックコート層が形成されていてもよ
い。インクジェット記録用紙に前記バックコート層が形
成されていると、インクジェット記録用紙のカール、縮
み皺等の発生を効果的に防止することができる点で有利
である。前記バックコート層は、例えば、基紙におけ
る、塗工層が形成された側とは反対側の表面上に、バッ
クコート層形成用液を塗布することにより形成される。
【0035】前記バックコート層形成用液は、アニオン
界面活性剤を含有してなり、必要に応じてさらに、消泡
剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤等を含有してい
てもよい。
【0036】前記アニオン界面活性剤としては、例え
ば、(A)カルボン酸系、(B)硫酸テステル系、
(C)スルホン酸系、(D)その他の親水性基などの界
面活性剤が挙げられる。前記(A)カルボン酸系として
は、例えば、脂肪酸又はロジン酸石けん、エーテル酸
塩が挙げられる。前記(B)硫酸エステル系としては、
例えば、アルキル硫酸エステル塩、硫酸化油及び脂
肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アマイドの硫
酸エステル塩、グリコールエーテル硫酸エステル塩な
どが挙げられる。前記(C)スルホン酸系としては、例
えば、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸ジア
ルキルエステル塩、アルキルアリルスルホン酸、ア
ルキルナフタリンスルホン酸塩、アルキルアマイドス
ルホン酸塩、アルキルエステルスルホン酸塩などが挙
げられる。前記(D)の他の親水性基として、例えば、
リン酸エステルなどが挙げられる。この発明において
は、これらの中でも、スルホコハク酸ジアルキルエステ
ル塩が好ましく、さらにスルホコハク酸ジエチルヘキシ
ルエステル塩が好ましい。前記スルホコハク酸ジエチル
ヘキシルエステル塩としては、特にスルホコハク酸ジ2
エチルヘキシルエステルが好ましい。前記アニオン界面
活性剤としてスルホコハク酸ジ2エチルヘキシルエステ
ルを使用する場合、前記バックコート層形成用液におけ
るその含有量としては、0.001〜0.03重量%で
あるのが好ましい。
【0037】前記バックコート層形成用液は、その表面
張力が、通常25〜40dyn/cmである。前記バッ
クコート層形成用液の塗布量としては、5cc/m2
上であるのが好ましい。前記バックコート層形成用液を
塗布する手段としては、例えば、カーテンコーター、バ
ーコーター、グラビヤコーター、ロールコーター、リバ
ースロールコーター、エアーナイフコーター、ブレード
コーター、スプレーコーター、スピンコーター等が挙げ
られる。
【0038】なお、塗工層が積層構造である場合には、
塗工層を形成する毎にその反対面に前記バックコート層
形成用液を塗布することが好ましい。
【0039】この発明のインクジェット記録用紙を製造
する場合、基紙の一方の表面上に前記塗工液を塗布し、
基紙の他方の表面に前記バックコート層形成用液を塗布
した後、これらの塗布面を乾燥するのが好ましい。前記
乾燥の温度としては、カール調整を効率的に行うことが
できる点で80℃以上が好ましく、さらに100℃以上
が好ましい。前記乾燥の方法としては、ドラムドライヤ
ーを用いる方法が好ましく、前記バックコート層形成用
液の塗布面がドラムドライヤーに接するようにして乾燥
する方法が好ましい。
【0040】本発明のインクジェット記録用紙には、例
えば、汎用インクジェットプリンターを用いて記録画像
を形成することができるが、高解像度のインクジェット
プリンターを用いて記録画像を形成することも可能であ
る。
【0041】本発明のインクジェット記録用紙に適用さ
れる記録液としては、染料タイプの記録液、顔料タイプ
の記録液等が挙げられる。前記染料タイプの記録液とし
ては、例えば、直接染料、酸性染料、反応性染料、塩基
性染料等の水溶性染料を含有する記録液等が挙げられ
る。前記染料タイプの記録液としては、通常、イエロ
ー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の記録液が用
いられ、前記各色の記録液においては、1種又は2種以
上の水溶性染料が全インキ組成物重量に対して、通常
0.2〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部、
さらに好ましくは2〜9重量部添加される。
【0042】前記記録液は、水の他、溶剤を混合して使
用することができる。前記溶剤としては、例えば、;メ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
コール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、
ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルア
ルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、等の
炭素数1〜10のアルキルアルコール、;例えば、シク
ロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリ
デカノン、テトラリン、デカリン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等で代表される脂肪族又は芳香族炭化水素
系溶剤、;例えば、四塩化炭素、トリクロロエチレン、
テトラクロロエチレン、ジクロロベンゼン、等のハロゲ
ン化炭化水素系溶剤、;例えば、エチルエーテル、ブチ
ルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、等のエーテル系
溶剤、;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサ
ノン、等のケトン系溶剤、;例えば、ギ酸エチル、メチ
ルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテー
ト、ブチルアセテート、フエニルアセテート、エチレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチ
ル、等のエステル系溶剤、;例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン等の多価アルコール、;その他のアミン系、ア
ミド系、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン等の含窒素複素環系、バレロ
ラクトン、カプロラクトン等のオキシカルボン酸の分子
内エステル系溶剤、ジメチルスルホン、ジエチルスルホ
ン、ビス(2−クロロエチル)スルホン、メチルスルホ
ニルアセトニトリル等の脂肪族スルホン化合物系溶剤、
スルホラン、スルホレン等の脂環式スルホン化合物系溶
剤、テトラメチレンスルホキシド、3−メチルテトラメ
チレンスルホキシド等のスルホキシド化合物系溶剤等の
各種の溶剤が挙げられる。
【0043】前記顔料タイプの記録液は、親水性構成部
分及び疎水性構成部分を有する重合体と、水溶性有機溶
剤とを含む水性分散媒中に、顔料微粒子を分散した記録
液が好適である。前記重合体としては、例えば、分子量
が1,000〜100,000程度のポリアクリル酸、
ポリメタアクリル酸、縮合ナフタリンスルホン酸、スチ
レン−マレイン酸等が挙げられる。これらの重合体につ
いては、塩を形成させることにより、水性液体に溶解又
は分散させることができる。前記重合体の塩を形成する
成分としては、例えば、アルカリ金属、脂肪族アミン、
アルコールアミン、モルホリン、N−モルホリン等が挙
げられる。前記水溶性有機溶剤としては、例えば、アル
コール類等が挙げられるが、この発明においては、特に
多価アルコール類が好適である。
【0044】前記重合体と、前記水性有機溶媒と、水と
共に顔料微粒子を混合分散することにより、所定の粘度
範囲の記録液が得られる。この記録液に使用される顔料
微粒子としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、
キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、
インジゴ系、ペリノン系等の公知の各種の有機顔料が挙
げられる。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0046】(実施例1) <基紙の調製>LBKP80重量部及びNBKP重量2
0部からなる木材パルプをディスクファイナリを用いて
叩解し、カナディアンフリーネス400ミリリットルの
パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーを攪拌
しながら、パルプ100重量部に対してタルク5重量
部、ロジン1.2重量部、スターチ1.5重量部、硫酸
アルミニウム1.5重量部を添加して、長網抄紙機によ
り、坪量80g/m2 の原紙を抄紙した。抄紙時に表面
サイズプレスにより酸化デンプンを固形分で1.0g/
2 付着させ、塗布用基紙とした。基紙の厚さは95μ
m、コブ吸水度は21.0g/m2 であった。
【0047】<塗工液の調製及び塗工層の形成>合成非
晶質シリカ(トクヤマ社製、ファインシール×60:6
5重量部、水沢化学社製、ミズカシルP78D:35重
量部)35重量部と、ヘキサメタリン酸ソーダ1重量部
と、分子量が60万でカチオン価が5.0ml/gであ
るカチオン性ポリアクリルアミド20重量部とを含有す
る水溶液をディソルバー(特殊機化工業社製、AM−O
型)を用いて20分間分散し、これに、ポリビニルアル
コール(クラレ社製:R−1130)42.5重量部と
蛍光増白剤3重量部とを添加し、攪拌した。そして、こ
の水溶液中に、界面活性剤(三井サイテック社製、エア
ロゾルMA−80)7重量部を添加して、固形分17重
量%の塗工液を調製した。この塗工液をカーテンコータ
ーを用いて、300m/分の速度で、前記基紙に対して
固形分8.5g/m2 の割合で塗布し、さらに乾燥後に
オンマシングロスカレンダー掛けを行い、インクジェッ
ト記録用紙を製造した。
【0048】(実施例2〜4及び比較例1〜3)実施例
1において、カチオン性ポリアクリルアミドの分子量及
びカチオン価を表1に示す値に変更した外は、実施例1
と同様にしてインクジェット記録用紙を製造した。
【0049】製造したインクジェット記録用紙につい
て、以下の耐水性及びカーテン塗布適性を評価し、その
結果を表1にそれぞれ示した。 <評価> (1)耐水性 インクジェットプリンター(Canon社製:BJC−
400J)を用いて、前記製造したインクジェット記録
用紙に対し、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの
各インクの直径2cmのパターンをプリントしたものを
試料とし、この試料を20℃の水に5分間浸漬した後の
インク流れの状態を以下の基準にて目視評価した。評価
の基準は以下の3段階とした。なお、△以上であれば実
用上問題のないレベルと言える。 ○=インク流れが観られない状態 △=インク流れがわずかに観られる状態 ×=インク流れが顕著に観られる状態 (2)カーテン塗布適性 前記インクジェット記録用紙の製造において、前記基紙
上に前記塗工液をカーテンコーターで塗布できるか否か
を基準にして評価した。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果から、以下のことが明らかであ
る。即ち、カチオン性ポリアクリルアミドの分子量が5
0万未満である場合(比較例1)には、インクジェット
記録用紙の耐水性が不十分である。カチオン性ポリアク
リルアミドの分子量が120万を越える場合(比較例2
及び3)には、カーテン塗布適性が不十分である。一
方、カチオン性ポリアクリルアミドの分子量が請求項1
に記載の範囲内にある場合(実施例1〜4)には、いず
れもインクジェット記録用紙の耐水性は優れており、か
つ良好なカーテン塗布適性を有する。さらに、カチオン
性ポリアクリルアミドのカチオン価が請求項2に記載の
範囲内にある場合(実施例1〜3)には、該カチオン価
が請求項2に記載の範囲外である場合(実施例4)に比
べて、より優れた耐水性を示すことが明かである。
【0052】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができる。また、本発明によると、耐
水性に優れ、かつ良好なカーテン塗布適性を有するイン
クジェット記録用紙を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B05D 7/24 302 B05D 7/24 302X

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙上に塗工層を設けたインクジェット
    記録用紙において、該塗工層が、合成非晶質シリカと、
    水性結合剤と、分子量が50万〜120万のカチオン性
    ポリアクリルアミドとを含有することを特徴とするイン
    クジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記カチオン性ポリアクリルアミドのカ
    チオン価が1.5〜5.0ml/gである請求項1に記
    載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 前記塗工層がカーテンコーターを用いて
    形成される請求項1又は2に記載のインクジェット記録
    用紙。
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