JPH10110168A - 溶液型グラウト剤およびその調整方法と地盤注入改良工 法 - Google Patents

溶液型グラウト剤およびその調整方法と地盤注入改良工 法

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JPH10110168A
JPH10110168A JP26701396A JP26701396A JPH10110168A JP H10110168 A JPH10110168 A JP H10110168A JP 26701396 A JP26701396 A JP 26701396A JP 26701396 A JP26701396 A JP 26701396A JP H10110168 A JPH10110168 A JP H10110168A
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grouting agent
phosphoric acid
type grouting
urea
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Tadashi Kitamura
正 北村
Hideki Kuroki
英樹 黒木
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/24Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 SiO2/Na2O及び/またはSiO2
/K2Oで表されるモル比が1.5〜4.5にあるアル
カリ水ガラスと燐酸と尿素及び/または水溶性の尿素誘
導体とを含有し、その有効成分の総合計濃度で5〜40
重量%の範囲にある水溶液であり、該水溶液調整直後の
pH値が1.5〜12.0の範囲にあることを特徴とす
る溶液型グラウト剤。また該溶液型グラウト剤を用い1
ショット注入する事を特徴とする地盤注入改良工法。 【効果】 低温下の薬液安定性が確保され、経済性で優
位な1ショット方式で確実に地盤注入を可能とし、かつ
アルカリ水ガラスの中和率が高い割にゲル化時間を延長
可能で高強度で耐久性に富む固結体が得られ、また同時
に、該溶液型グラウト剤を用い、1年間を通じた液温の
季節変動に対して優れた溶液安定性とその注入作業性が
確保された地盤注入改良工法を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として不安定地
盤を強化安定化する方法に際して使用される、新規な溶
液型グラウト剤組成物等に関する。より詳しくは、水ガ
ラス−燐酸系のグラウト剤に於いて、第3成分として尿
素及び/または水溶性の尿素誘導体を必須成分として用
いる溶液型グラウト剤、該溶液型グラウト剤の調整方
法、それを用いた地盤注入改良工法等に関する。
【0002】ここで地盤改良工法とは、建築基礎掘削工
事現場、地下鉄掘削工事現場、下水道敷設の為の掘削工
事現場等の軟弱あるいは漏水地盤(以下単に不安定地盤
と言う)にグラウト剤を注入して該地盤を固結し、これ
によって該地盤の透水性を極限まで低下せしめると共に
強固な地盤へと改良する事を言う。すなわち、地盤注入
改良工法とは固結用のグラウト剤を不安定地盤に注入さ
せて固結させる事を言う。なお、1ショット方式とは主
剤と硬化剤とを予め混合し、その混合液を注入する方式
であり、また1.5ショット方式とは主剤と硬化剤とを
注入管入口附近で衝突混合させてその混合液を注入する
方式を言う。また2ショット方式とは主剤と硬化剤とを
二重管からなる注入管を介して別々に供給し、該注入管
の先端部で混合吐出させる方式を言う。
【0003】
【従来の技術】従来、トンネル工事、都市土木工事に於
いて不安定地盤の安定化や止水を目的としたグラウト工
法に際しては、種々のグラウト剤がその地盤の性状に応
じて使い分けされている。そのグラウト工法に於いて使
用されるグラウト剤は、地盤注入薬液、また単に薬液と
も言われる。これまで種々のグラウト剤とその工法が提
案され実用化されているが、いずれに於いてもグラウト
剤に対する要求性能は、硬化後の強度、ゲルタイム調製
の容易さ、地盤への浸透性、環境への影響等様々である
が、その中からコストと機能の両面から適当なものが種
々選択され使用されている。
【0004】その中で現在最も多く用いられているのは
珪酸アルカリ水ガラス溶液を主剤とする水ガラス系グラ
ウト剤である。その水ガラス系グラウト剤には懸濁型と
溶液型の2つがある。このうち、前者の懸濁型には水ガ
ラスの硬化剤成分として、セメント、石灰、スラグ等の
水に懸濁する物質が知られている。例えば特開平7−1
66163号には、モル比が1.5〜2.8の範囲にあ
る水ガラスと微粒子スラグを有効成分とする土質注入改
良剤が、また例えば特開平1−133965号にはポル
トランドセメントを有効成分とする懸濁型グラウト剤が
提案されている。一般に懸濁型グラウト剤では総じてそ
の1次粒子径が比較的大きいため地盤への浸透性が不足
する事が知られており、あまり主流となっていない。
【0005】また後者の溶液型では、水ガラスの硬化剤
として硫酸、塩酸、燐酸等の無機酸やその塩類及びまた
はグリオキザール、エチレンカーボネート等で代表され
る強アルカリ中で徐放性の有機酸を生成する水溶性有機
単量体が公知である。特にグリオキザールは安全性が高
く、高強度の水ガラス系固結体を与えるとして近年では
水ガラスの有機系硬化剤成分の主流になっている。
【0006】また最近では、水ガラスのアルカリ成分溶
出を嫌らって酸性水ガラスやコロイダルシリカを主成分
とする溶液型グラウト剤の提案がなされている。前記水
性コロイダルシリカ系グラウト剤にあっては、硬化剤と
して消石灰やポルトランドセメントを使用する方法が特
開昭59−66482号に、また硬化剤としてスルファ
ミン酸マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩とする方
法が特開昭63−168485号等に開示されている。
また硬化剤として塩化ナトリウムや硫酸水素ナトリウム
を用いるとする等の方法が特開昭59−152985号
に、またグリオキザール等とする方法が特開平2−36
156号にそれぞれ開示があり、それぞれ水ガラス系と
同様な、懸濁ないし溶液性の電解質を加えて硬化させる
方法が提案されている。しかしこれまで提案された水性
コロイダルシリカ系グラウト剤では、ゲル強度が比較的
低いという課題を抱えている。
【0007】近年では水ガラス系溶液型グラウト剤のゲ
ル化時間を短くとも20分以上長くとも60分程度とす
る長結型(ゲルタイムが長いタイプ)の溶液型グラウト
剤が特に重宝されている。長結型の溶液型グラウト剤の
使用または併用によって、薬液注入を必要とする対象軟
弱地盤に対し、より均等かつ高均一に地盤浸透固結させ
る事が可能になり、従来の瞬結型土質注入改良剤のみを
用いる方法よりも、より一層高度に地盤の高強度化が図
れるとされている。
【0008】また、ゲル化時間の調節が容易で数10分
から数10秒のゲルタイムを任意に調節でき、高い止水
効果を生むとされる公知の溶液型グラウト剤としては、
例えば特開昭51−78008号等に代表される開示技
術によってアルカリ性水ガラス溶液を主剤とし、主たる
硬化剤として燐酸を使用する技術がすでに公知である。
また上記した組成物と同様な溶液型グラウト剤を用いた
地盤改良工法の開示例として、例えば特開昭51−85
217号や特開昭51−128109号等が知られてい
る。
【0009】一般的に燐酸を水ガラスの硬化剤とした公
知の溶液型グラウト剤の特徴には、その一つに、幅広い
ゲルタイム(数秒〜数時間前後の範囲のゲル化時間)を
1種の硬化剤で調節可能な事が挙げられる。また硬化剤
が液体として取扱え、計量が無人で連続またはバッチ定
量配合調整が容易に可能であると同時に、固体物質と比
較すると空気中への飛散がほとんどなく取扱作業者の健
康確保から望ましいと当該分野の多くの担当者等から高
く評価されている。しかし、以下の重要な課題をかかえ
ている。
【0010】その重要な課題とは以下の点であり、本発
明はその課題を解決する事にある。アルカリ水ガラス/
燐酸を有効成分とする、ゲルタイムが短くとも15分以
上から長くとも100分以内の範囲で調整された公知の
該溶液型グラウト剤を冬場1〜10℃の低温下で1液と
し、1ショット方式で地盤注入を実施する際、その薬液
が連続または断続的に攪拌混合された場合や微振動が連
続または断続的に加わった場合等には、しばしば比較的
短時間の内に系全体が白濁し所定時間内の固結挙動がま
ったく観察されなくなると同時に、送液やグラウト管を
介した地盤注入が全く出来なくなる等の問題が頻繁に発
生する。特に注入対象地盤の固結強度とその耐久性を出
来るだけ高める目的で、アルカリ水ガラス配合量をグラ
ウト(薬液)総量200リットル当り固形分換算で、例
えば20〜150Kgの範囲とした場合等では、前記問
題が調整薬液現場で顕著に発生する。
【0011】白濁化の原因は本発明者等が行なった解析
結果で、該薬液中に化学量論的に生成する燐酸塩及び/
またはその水和物が過飽和溶解にあると推定され、その
過飽和状態が外部刺激によって崩れ、過飽和分が沈殿ま
たは結晶となって析出する挙動であると考えられる。該
析出物質は分析の結果、燐酸第2ナトリウム水和物結晶
及び/または燐酸第3ナトリウム水和物結晶及び珪酸ナ
トリウムや珪酸コロイドを該結晶に取込んだ複雑な複塩
結晶沈殿となっている事が判明した。
【0012】すなわち上記のようなグラウト剤組成物等
は、冬場の注入現場作業下では種々の動的・静的刺激を
複雑に受ける結果、初期には透明な溶液であった該薬剤
が短時間の内に白濁・スラリー溶液へと変化し、浸透作
業や送液ポンプ注入作業が著しく疎外される等の数々の
現場トラブルを発生している。従って、冬場の現場作業
安定性と低温下におけるゲル化挙動の不安定性について
重要な課題をかかえている実態にある。しかしながら、
これまで前記課題を解決する手段は全く知られていな
い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の目的
は、基本的にアルカリ水ガラスを主剤とし、そのゲルタ
イムが数分〜数時間の間に調整されかつ冬場の5±4℃
の低温下のゲル化挙動が安定した1ショット方式〜2シ
ョット方式に対応可能な安価な溶液型グラウト剤を提供
すること、ならびにその薬液調整方法、更にそれを用い
た地盤改良工法等をそれぞれ提供することにある。
【0014】本発明のもう1つの目的としては、特に前
記課題と合せ、グラウト剤構成成分が基本的に動植物へ
の毒性が低く、安価で経済的であり、冬場のグラウト現
場での溶液安定性及び現場における地盤注入作業性に優
れる等の性質はもちろんのこと、以下に示すような従来
の水ガラス−燐酸だけからなる溶液型グラウト剤では達
成出来ない効果を合せ持つ新規な水ガラス系の溶液型グ
ラウト剤を提供することにある。その1つとして、アル
カリ水ガラスの中和率を高くすることとゲル化時間を長
くすることを可能とするという相反する2つのことを同
時に満足させる事である。すなわち、アルカリ水ガラス
の中和率が高い割にゲル化時間を長く出来れば、均質で
かつ高範囲の浸透注入固結が可能になる。もう1つは、
燐酸を使った活性な酸性水ガラスの主剤溶液の安定性向
上と種々のゲルタイムに対応できる任意なゲル化挙動と
高耐久性固結機能を実現させることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を克服するため鋭意検討した結果、アルカリ水ガラスと
燐酸と更に第3成分として尿素及び/または水溶性の尿
素誘導体を該燐酸1モルに対し特定された割合で共存さ
せることで、前記課題を解決できることを見出し本発明
を完成した。
【0016】即ち本発明の溶液型グラウト剤とは、Si
2/Na2O及び/またはSiO2/K2Oで表されるモ
ル比が1.5〜4.5にあるアルカリ水ガラスと燐酸と
尿素及び/または水溶性の尿素誘導体とを含有し、その
有効成分の総合計濃度で5〜40重量%の範囲にある水
溶液でかつ調整直後のグラウト溶液のpH値が1.5〜
12.0の範囲にある事を特徴とする溶液型グラウト剤
である。
【0017】また本発明の溶液型グラウト剤の調整方法
とは以下の3つである。その一つは、本発明の溶液型グ
ラウト剤に於いて、事前に、アルカリ水ガラスを水で希
釈してなる主剤液及び燐酸を水で希釈してなる硬化剤液
の2液を用意し、その2液のいずれか一方または両方の
液に対し、尿素及び/または水溶性の尿素誘導体を合計
で、グラウト剤中での構成比率が、燐酸:尿素及び/ま
たは水溶性の尿素誘導体で表されるモル比で(1:0.
1)〜(1:3)の範囲となる様に添加配合する事を特
徴とする調整方法。
【0018】またその一つは、本発明の溶液型グラウト
剤に於いて、アルカリ水ガラスの一部を一端所定量の燐
酸にてpH値で0.1〜5の範囲の酸性水ガラス溶液と
したものを主剤液とし、一方硬化剤液として残りアルカ
リ水ガラスと必要に応じてアルミン酸ナトリウム、硫酸
ナトリウム、ピロ燐酸アルカリ金属塩から選ばれた1種
の0〜25重量%を含有してなる水溶液とする。その2
液のいずれか一方または両方に対し、尿素及び/または
水溶性の尿素誘導体を合計で、グラウト剤中での構成比
率が、燐酸:尿素及び/または水溶性の尿素誘導体で表
されるモル比で(1:0.1)〜(1:3)の範囲とな
る様に添加配合する事を特徴とする調整方法。
【0019】またその一つは、本発明の溶液型グラウト
剤に於いて、所定量のアルカリ水ガラスと所定量の燐酸
とをそれぞれ含有してなる水溶液を得た後、直ちに必要
量の尿素及び/または水溶性の尿素誘導体を添加溶解さ
せて1液型の該グラウト剤を得る事を特徴とする調整方
法である。
【0020】次に、本発明の溶液型グラウト剤を用いた
地盤注入改良工法とは以下の3つである。その一つは、
グラウト液を注入管を介して地盤に加圧しながら注入し
浸透固結させて地盤を強化安定させる工法に際し、本発
明の溶液型グラウト剤を用いて1ショット方式で注入す
る地盤注入改良工法。その一つは、グラウト液を注入管
を介して地盤に加圧しながら注入し浸透固結させて地盤
を強化安定させる工法に際し、本発明の2液型の溶液型
グラウト剤を用いて1.5ショット方式または2ショッ
ト方式で注入する地盤注入改良工法。またその一つは、
グラウト液を注入管を介して地盤に加圧しながら注入し
浸透固結させて地盤を強化安定させる工法に際し、1液
型でかつゲルタイムが短くとも20分以上からなる本発
明の溶液型グラウト剤と、更に、すでに公知のゲルタイ
ムが長くとも1分以内の瞬結型の水ガラス系グラウト剤
とを、適宜複相注入させて均一かつ高強度な地盤改良を
行なう事を特徴とする地盤複相注入改良工法である。
【0021】すなわち、本発明は、以下の(1)〜(2
5)を提供するものである。 (1) SiO2/Na2O及び/またはSiO2/K2
で表されるモル比が1.5〜4.5にあるアルカリ水ガ
ラスと燐酸と尿素及び/または水溶性の尿素誘導体とを
含有し、その有効成分の総合計濃度で5〜40重量%の
範囲にある水溶液であり、該水溶液調整直後のpH値が
1.5〜12.0の範囲にあることを特徴とする溶液型
グラウト剤。 (2) 燐酸:尿素及び/または水溶性の尿素誘導体で
表される構成モル比が(1:0.1)〜(1:3)の範
囲にあることを特徴とする(1)記載の溶液型グラウト
剤。 (3) 燐酸と尿素及び/または水溶性の尿素誘導体と
を作用させて、燐酸:尿素及び/または水溶性の尿素誘
導体で表される付加モル比率が(1:0.1)〜(1:
3)の範囲にある燐酸−尿素アダクト体を形成させた
後、該燐酸−尿素アダクト体をアルカリ水ガラスと共に
使用することを特徴とする(1)または(2)記載の溶
液型グラウト剤。
【0022】(4) 溶液型グラウト剤が下記の主剤液
Aと硬化剤液Bとからなる1液または2液型の溶液型グ
ラウト剤であり、その主剤液A、硬化剤液Bのいずれか
一方または両液に対し、合計で、尿素及び/または水溶
性の尿素誘導体を燐酸1モルに対し0.1〜3モルの範
囲となるように配合し、最終的に主剤液と硬化剤液との
配合容量比が(0.5:1)〜(1:0.5)の範囲に
あることを特徴とする(1)又は(2)に記載の溶液型
グラウト剤。主剤液Aが、SiO2/Na2O及び/また
はSiO2/K2Oで表されるモル比で2.45〜4.5
の範囲にあるアルカリ水ガラスを含有してなり、その固
形分が7.5〜65重量%の範囲にある水溶液、硬化剤
液Bが、該硬化剤液Bと主剤液Aとを上記割合で混合し
た時に、アルカリ水ガラス成分中のNa2O及び/また
はK2Oで表される総アルカリ分の20〜300モル%
に相当する量の燐酸を含有して成る水溶液。
【0023】(5) 溶液型グラウト剤が下記の主剤液
Cと硬化剤液Dとからなる1液または2液型の溶液型グ
ラウト剤であり、その主剤液C、硬化剤液Dのいずれか
一方または両液に対し、合計で、尿素及び/または水溶
性の尿素誘導体を燐酸1モルに対し0.1〜3モルの範
囲となるように配合し、最終的に主剤液と硬化剤液との
配合容量比が(0.5:1)〜(1:0.5)の範囲に
あることを特徴とする(1)又は(2)に記載の溶液型
グラウト剤。主剤液Cが、全アルカリ水ガラス使用量の
20〜99重量%相当分のアルカリ水ガラスと燐酸とか
らなり、該主剤液Cの溶液pH値が0.1〜5の範囲で
あり、かつその固形分が7.5〜45重量%の範囲にあ
る酸性水ガラス水溶液、硬化剤液Dが、上記主剤液Cで
使用した分の残り、すなわち全アルカリ水ガラス使用量
の1〜80重量%相当分のアルカリ水ガラスと、アルミ
ン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ピロ燐酸アルカリ金
属塩から選ばれた1種の25〜0重量%とを含有してな
る水溶液。
【0024】(6) 溶液型グラウト剤が、アルカリ水
ガラスを固形分で5〜25重量%の範囲で含有している
ことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の溶
液型グラウト剤。 (7) アルカリ水ガラスが、SiO2/Na2Oで表さ
れるモル比で3.0〜3.5の範囲の珪酸ソーダである
ことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の溶
液型グラウト剤。 (8) 水溶性の尿素誘導体が、モノメチロール尿素、
ジメチロール尿素、チオ尿素、モノメチロールチオ尿
素、ジメチロールチオ尿素から選ばれた1種または2種
以上の混合物であることを特徴とする(1)〜(7)の
いずれかに記載の溶液型グラウト剤。
【0025】(9) 溶液型グラウト剤が、該剤の調整
直後のpH値が10〜11.8の範囲またはpH値2〜
5の範囲のいずれかであることを特徴とする(1)〜
(8)のいずれかに記載の溶液型グラウト剤。 (10) 燐酸が、脱フッ素化された粗燐酸であること
を特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の溶液型
グラウト剤。 (11) (1)〜(10)のいずれかに記載の溶液型
グラウト剤における燐酸の酸分の1〜50%相当量を燐
酸以外の無機酸で置き換えたことを特徴とする溶液型グ
ラウト剤。 (12) 無機酸が、硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸から選
ばれた1種または2種以上であることを特徴とする(1
1)記載の溶液型グラウト剤。
【0026】(13) 溶液型グラウト剤を注入管を介
して地盤に加圧しながら注入し浸透固結させて地盤を強
化安定させる工法であって、(1)〜(12)のいずれ
かに記載の溶液型グラウト剤を用いて1ショット方式で
注入することを特徴とする地盤注入改良工法。 (14) 溶液型グラウト剤を注入管を介して地盤に加
圧しながら注入し浸透固結させて地盤を強化安定させる
工法であって、(1)〜(12)のいずれかに記載の2
液型の溶液型グラウト剤を用いて1.5ショットまたは
2ショット方式で注入することを特徴とする地盤注入改
良工法。 (15) 溶液型グラウト液を注入管を介して地盤に加
圧しながら注入し浸透固結させて地盤を強化安定させる
工法であって、1液型でかつゲルタイムが短くとも20
分以上である(1)〜(12)のいずれかに記載の溶液
型グラウト剤と、ゲルタイムが長くとも1分以内である
水ガラス系グラウト剤とを、適宜複相注入させて均一か
つ高強度な地盤改良を行なうことを特徴とする地盤注入
改良工法。
【0027】(16) (4)記載の溶液型グラウト剤
を、事前にアルカリ水ガラスを水で希釈してなる主剤液
及び燐酸を水で希釈してなる硬化剤液の2液を用意し、
その2液のいずれか一方または両方の液に対し、尿素及
び/または水溶性の尿素誘導体を合計で、グラウト剤中
での構成比率が、燐酸:尿素及び/または水溶性の尿素
誘導体で表されるモル比で(1:0.1)〜(1:3)
の範囲となるように添加配合することを特徴とする溶液
型グラウト剤の調整方法。 (17) (5)記載の溶液型グラウト剤を、アルカリ
水ガラスの一部を一端所定量の燐酸にてpH値で0.1
〜5の範囲の酸性水ガラス溶液としたものを主剤液と
し、一方硬化剤液として該主剤液で使用した以外の残り
のアルカリ水ガラスと必要に応じてアルミン酸ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム、ピロ燐酸アルカリ金属塩から選ば
れた1種の0〜25重量%を含有してなる水溶液とし、
その2液のいずれか一方または両方に対し、尿素及び/
または水溶性の尿素誘導体を合計で、グラウト剤中での
構成比率が、燐酸:尿素及び/または水溶性の尿素誘導
体で表されるモル比で(1:0.1)〜(1:3)の範
囲となるように添加配合することを特徴とする溶液型グ
ラウト剤の調整方法。 (18) (1)又は(2)記載の溶液型グラウト剤
を、所定量のアルカリ水ガラスと所定量の燐酸とをそれ
ぞれ含有してなる水溶液を得た後、直ちに必要量の尿素
及び/または水溶性の尿素誘導体を添加溶解させて1液
として得られたものであることを特徴とする溶液型グラ
ウト剤の調整方法。
【0028】(19) 溶液型グラウト剤が、アルカリ
水ガラスを固形分で5〜25重量%の範囲で含有してい
ることを特徴とする(16)〜(18)のいずれかに記
載の溶液型グラウト剤の調整方法。 (20) アルカリ水ガラスが、SiO2/Na2Oで表
されるモル比で3.0〜3.5の範囲の珪酸ソーダであ
ることを特徴とする(16)〜(19)のいずれかに記
載の溶液型グラウト剤の調整方法。 (21) 水溶性の尿素誘導体が、モノメチロール尿
素、ジメチロール尿素、チオ尿素、モノメチロールチオ
尿素、ジメチロールチオ尿素から選ばれた1種または2
種以上の混合物であることを特徴とする(16)〜(2
0)のいずれかに記載の溶液型グラウト剤の調整方法。
【0029】(22) 溶液型グラウト剤が、該剤の調
整直後のpH値が10〜11.8の範囲またはpH値2
〜5の範囲のいずれかであることを特徴とする(16)
〜(21)のいずれかに記載の溶液型グラウト剤の調整
方法。 (23) 燐酸が、脱フッ素化された粗燐酸であること
を特徴とする(16)〜(22)のいずれかに記載の溶
液型グラウト剤の調整方法。 (24) (16)〜(23)のいずれかに記載の溶液
型グラウト剤における燐酸の酸分の1〜50%相当量を
燐酸以外の無機酸で置き換えたことを特徴とする溶液型
グラウト剤の調整方法。 (25) 無機酸が、硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸から選
ばれた1種または2種以上であることを特徴とする(2
4)記載の溶液型グラウト剤の調整方法。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。なお、以下の記載では、「尿素及び/または水溶性
の尿素誘導体」との表現を一括して単に「尿素化合物」
と呼ぶ。本発明の溶液型グラウト剤(単に薬液とも言
う)は前記した様に、SiO2/Na2O及び/またはS
iO2/K2Oで表されるモル比が1.5〜4.5にある
アルカリ水ガラス水溶液と燐酸及び尿素化合物とを含有
させてなる水溶液であり、その有効成分の総合計固形分
濃度で5〜40重量%の範囲、好ましくは8〜38重量
%、最も好ましくは10〜35重量%の範囲で、かつ調
整直後のpH値が1.5〜12の範囲、好ましくは1.
5〜5または9.5〜11.8の範囲、特に好ましくは
2〜5または10〜11.8の範囲とした組成物であ
る。
【0031】有効成分の総合計固形分濃度が5重量%未
満では高強度な固結体を生成しづらいからであり、有効
成分の総合計固形分濃度が40重量を超えると溶液粘度
が高くなる為、薬液の地盤への浸透注入作業性が不足す
るからである。また調整直後のpH値が1.5未満とす
る薬液では不経済かつあまりにも長いゲルタイムしか与
えないからである。また調整直後のpH値が12を超え
る薬液では、固結速度があまりにも長くなりすぎるから
である。
【0032】好ましくは、事前に、燐酸及び尿素及び/
または水溶性の尿素誘導体とから、燐酸:尿素及び/ま
たはその水溶性誘導体のモル比で表される比率で(1:
0.1)〜(1:3)の燐酸−尿素系アダクト体を形成
させて後、該アダクト体をアルカリ水ガラスの硬化剤成
分として用いることがより好ましい。またアルカリ水ガ
ラス成分を本発明の溶液型グラウト剤中に固形分換算で
5〜25重量%の範囲で含有させる事が好ましい。
【0033】ここで尿素化合物の作用効果についてまず
述べ、合わせて必須構成成分としての重要性を記載す
る。その一つには、尿素化合物は燐酸と共存させるとい
わゆる燐酸−尿素化合物アダクト体(燐酸尿素錯体とも
言う)を容易に生成する事が挙げられる。該燐酸−尿素
化合物アダクト体の酸としての働きは燐酸単独の場合よ
り少し緩和される傾向に有り、すなわちアルカリ水ガラ
スに対する作用は燐酸単独の場合と何等遜色無く、好ま
しい水ガラス用の硬化剤として挙動する。尿素化合物と
燐酸とから生成・誘導される該アダクト体は水溶性が高
く、かつ本発明のグラウト剤の固結化機能上重要な珪酸
コロイドの分散・凝集機能に少なからず関与する事で、
本発明の組成物では夏場の高温から冬場の低温まで幅広
い環境温度下で、優れた液安定性と現場再現性の良いゲ
ル化挙動を発揮させる作用効果を生むと考えられる。
【0034】前記作用効果の考え方は、例えば日本化学
会編集の化学便覧(発行日:昭和55年3月15日)・
応用編の21ページには「尿素の性質と用途」について
記載があり、その記載によれば、非常に多くの酸、塩、
有機化合物と容易に複塩ないし付加物(アダクト)を生
成するとし、酸が燐酸の場合、燐酸:尿素で表されるモ
ル比で1:1錯体付加物(1:1アダクト体)や1:3
錯体付加物(1:3アダクト体)を例示をしている事か
らも明らかである。
【0035】次に挙げるべき重要な作用効果の一つとし
て以下の事が挙げられる。アルカリ水ガラスと燐酸との
化学反応では、化学量論的にアルカリ水ガラスの構成に
応じて対応する燐酸ソーダ塩及び/または燐酸カリ塩等
が生成する事が知られている。 その該燐酸塩類に対し
ても、前記燐酸の場合と同様、尿素化合物は容易に水溶
性の高い燐酸塩−尿素化合物アダクト体(燐酸塩−尿素
化合物錯体または燐酸塩−尿素化合物錯体付加物とも言
う)を形成すると十分予想され、その結果、本発明の薬
液の低温時の液安定性が確保され、設定された時間で確
実に強固な珪酸コロイドゲルを生成する効果を引出す事
である。
【0036】前記作用効果は尿素化合物が事前に燐酸−
尿素化合物アダクト体として配合された場合でも、対応
する燐酸塩−尿素化合物アダクト体を容易に形成する事
から前記同様に説明される。
【0037】また更には、尿素化合物が必須成分として
含有された本発明の溶液型グラウト剤では以下の優れた
特徴が認められる。単に燐酸とアルカリ水ガラスとのみ
から調整された一般的な公知の薬液と比較すると、その
燐酸分及び水ガラス分をそれぞれ同一含有濃度とした際
の比較で、本発明の薬液組成物の方がより長いゲルタイ
ムを与えると言う事実である。また同時にそのホモゲル
体の1軸圧縮強度はあまり変らないが、離漿の割合が緩
和される事、また圧縮破壊歪率が向上する等、従来から
知られる水ガラス−燐酸系グラウト剤では全く得られな
かった前記作用効果が認められることである。また薬液
中のアルカリ水ガラス濃度を一定に揃えかつ同一のゲル
タイムを得るとする場合で対比すると、本発明の薬液の
方が従来薬液組成物よりも実質的に添加配合される燐酸
量を増量出来る事から、結果としてその固結体の強度は
より高く設定できる作用効果を引出す事が出来る。
【0038】すなわち、特質すべき尿素化合物の作用効
果としては、本発明の組成物中で化学量論的に生成する
であろう難溶解性の燐酸アルカリ金属塩の水への溶解性
及び安定性を前記理由により飛躍的に高めるという作用
効果を発揮する。言換えれば低温で取扱う際の薬液自体
の液安定性が、調整時から設定された正規のゲル化時間
までの間、確実に確保できる事が本発明組成物の主要な
効果と言える。
【0039】本発明の溶液型グラウト剤の主要な構成成
分の一つには、下記(a)及び/または(b)から成る
アルカリ水ガラスを用いる。 (a)SiO2/Na2Oで表されるモル比が1.5〜
4.5の範囲にある珪酸ソーダ。 (b)SiO2/K2Oで表されるモル比が1.5〜4.
5の範囲にある珪酸カリ。
【0040】(a)記載の珪酸ソーダとして、より好ま
しい例は、SiO2/Na2Oのモル比2.45〜4.
5、さらに好ましくは2.5〜3.5のものを選定使用
する事が良い。該珪酸ソーダは、通常、JIS K 1
408に規定されている3号珪酸ソーダであって良く、
その他、1号珪酸ソーダや2号珪酸ソーダや4号珪酸ソ
ーダであっても何等問題なく使用できる。(a)を前記
JIS−3号相当品とする態様例では該珪酸ソーダの製
造メーカー間による品質差が小さく経済的に優位であ
る。
【0041】前記(a)から成るアルカリ水ガラスを本
発明の薬液組成物の主剤液として用いる際の好ましい水
溶液濃度としては、固形分換算で7.5〜65重量%含
有する水溶液が挙げられる。より好ましくは10〜50
重量%、特に好ましくは15〜45重量%とする事が良
い。
【0042】(b)記載の珪酸カリとして、好ましくは
SiO2/K2Oのモル比2.45〜4.5、より好まし
くは2.5〜3.5の物を選定使用する事が大いに好ま
しい。SiO2/Na2O及び/またはSiO2/K2Oで
表されるモル比で1.5未満のものを使用した場合には
燐酸や尿素化合物の消費量が著しくふえて不経済になる
からであり、また該モル比が4.5を超える溶液型のア
ルカリ水ガラスは一般に取扱うには粘度が高過ぎ、計量
の容易・操作性や薬液の浸透性に欠けるからである。前
記(b)から成るアルカリ水ガラスを本発明の薬液組成
物の主剤液として用いる際の好ましい水溶液濃度として
は、(a)の際と同様、固形分換算で7.5〜65重量
%含有する水溶液が挙げられる。より好ましくは10〜
50重量%、特に好ましくは15〜45重量%とする事
が良い。
【0043】また(a)と(b)とを併用してなる主剤
液を本発明の薬液組成物の主剤液として使用する場合
も、具体的にSiO2とNa2OおよびK2Oとの総量で
7.5〜65重量%の範囲とする事が良く、より好まし
くは10〜50重量%、特に好ましくは15〜45重量
%とする事が良い。
【0044】本発明の溶液型グラウト剤では、主剤液と
硬化剤液の2液型の態様も一般的に用いられる。主剤液
の1種として、前記アルカリ水ガラスを含有する水溶液
(X1)とする態様例が挙げられる。その際、有効固形
分含有量が7.5重量%未満とした時には、固結した後
の土質の強度が極端に低く地盤強化安定と止水性とが確
立しずらい傾向にあり、また一方、65重量%を超える
時は、液自体の粘度が高すぎて浸透注入性に欠ける。前
記(X1)で表された主剤態様例に対応する硬化剤成分
には、本発明の必須成分である燐酸及び/または燐酸−
尿素系アダクト体組成物が相当する。燐酸を水で希釈し
た溶液を以下(Y1)と記載し、同様に燐酸−尿素系ア
ダクト体組成物を含有する水溶液を(Y2)と呼ぶ。
【0045】また本発明の溶液型グラウト剤では、主剤
液の1種として、前記アルカリ水ガラスを事前に更に変
性して反応活性を高めると共にその桂酸分とアルカリ分
は基本的に前記(a)及び/または(b)で表される範
囲内にある事を特徴とする活性アルカリ水ガラスを含有
する水溶液(X2)とする態様例も好ましく挙げられ
る。前記(X2)で表された主剤態様例に対応する硬化
剤成分には、(1)と同様、本発明の必須成分である燐
酸及び/または燐酸−尿素系アダクト体組成物が相当す
る。
【0046】アルカリ水ガラスの潜在活性向上化方法に
は公知の方法が採用出来、特に制約はなく、例えば公知
の無機酸や酸性無機塩類をごく微量添加配合する方法が
ある。また別の方法には電気透析膜を介してNa2Oや
2Oのアルカリ分含有濃度調整を行なういわゆる電気
透析方法や、その他、イオン交換方法等が挙げられる。
【0047】前記の潜在活性向上化方法を採用して
(a)及び/または(b)の珪酸コロイド活性を高める
際に、最も配慮されなければならない事としては得られ
た主剤液の溶液ライフが少なくとも30分以上安定に取
扱える事が挙げられる。その点を満足する物であれば好
ましい本発明の溶液型グラウト剤の主剤液(X2)とし
て使用できる。
【0048】また前記アルカリ水ガラスを注入現場で事
前にゲル化活性を高める改質の別の主段としては、例え
ば重炭酸アルカリ有機化合物またはアルカリ金属塩類の
少量を加えて溶液pHを最も低い場合でも11.8以上
とする方法が挙げられる。
【0049】重炭酸アルカリ有機化合物としては具体的
な例として炭酸グアニジンや炭酸コリン等が挙げられ
る。またアルカリ金属塩類には具体例として炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム、燐酸水素二カリウム、燐
酸水素二ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カ
リウム等が挙げられる。
【0050】一般に(a)及び/または(b)のアルカ
リ水ガラス系を用いた主剤液のpH値を11以下に調整
した場合、その液は極端に不安定となり、しばしば30
分以内にはゲル化または増粘し、全く液として使用出来
ないからである。
【0051】また更には、本発明の溶液型グラウト剤に
於いて、その主剤液の別の態様例の1種として下記(X
3)が挙げられる。溶液型グラウト剤の地盤浸透性の本
質を著しく損わない範囲で、前記した(a)及び/また
は(b)からなるアルカリ水ガラスとSiO2/Na2
で表されるモル比が20〜250の範囲からなる1次分
散粒子径として3〜100nmの範囲、より好ましくは
10〜30nmの範囲のコロイダルシリカ、または、最
大粒子径が8μm以下の公知の水和硬化可能な無機微粒
子とを併用使用してなる水溶液(X3)である。ここで
前記コロイダルシリカや水和硬化可能な無機微粒子を以
下の記載では単に一括して第2主剤成分と呼ぶこととす
る。
【0052】前記コロイダルシリカにおけるSiO2
Na2Oで表されるモル比が250を超えるものとの併
用では、液安定性に欠けると同時に得られた液剤が懸濁
型グラウト剤により近似した粘性挙動を示す事となり、
不安定地盤への均一浸透性に欠けるという問題が新たに
生じるおそれがある。
【0053】第2主剤成分の併用できる量は、アルカリ
水ガラス成分の固形分100重量部当り、固形分で1〜
30重量部の範囲、好ましくは1〜15重量部の範囲で
併用使用して良い。
【0054】本発明の組成物では、前記第2主剤成分を
併用して使用することにより固結時の土質強度を一層向
上させる効果や離漿性のより一層の改善ならびに非透水
性(止水性)のさらなる向上等が図れる。
【0055】また、本発明の溶液型グラウト剤では、そ
の主剤液の別の態様例として以下の方法等で得たいわゆ
る酸性水ガラス水溶液(X4)が挙げられる。すなわ
ち、全アルカリ水ガラス使用量の20〜99重量%、好
ましくは30〜95重量%、更に好ましくは45〜90
重量%に相当するアルカリ水ガラスと、燐酸または全燐
酸の多くとも50重量%分以下を硫酸、塩酸、硝酸、ホ
ウ酸から選ばれた1種で代替させて併用使用すること等
から誘導される酸性水ガラス水溶液(X4)を主剤液の
1種とする方法である。その時好ましくは有効成分の総
合計濃度で2.5〜50重量%の範囲、好ましくは2.
5〜45重量%、更に好ましくは3〜40重量%にある
酸性水ガラス溶液とする事が良い。前記(X4)で表さ
れた主剤態様例に対応する硬化剤成分には、主剤液とし
て前記(X4)で使用した残り、すなわち全アルカリ水
ガラス使用量の1〜80重量%に相当する残アルカリ水
ガラスを含有するアルカリ水溶液(Y3)が対応する。
また必要に応じて更に、該主剤液(X4)中の遊離燐酸
を中和可能なすでに公知のアルカリ性無機硬化剤物質を
併用してなるアルカリ水ガラスの希薄溶液(Y4)が相
当する。その際尿素化合物はそのいずれかの液または両
方に存在させて良い。公知のアルカリ性無機物質にはよ
り具体的にアルミン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ピ
ロ燐酸アルカリ金属塩から選ばれた1種が挙げられ、そ
の含有濃度が0〜25重量%の範囲で併用使用された前
記水溶液が好ましく使用できる。
【0056】なお、該酸性水ガラス水溶液(X4)を事
前に調整する際の製造方法などには特に制約はないが、
例えば燐酸またはその全燐酸の50重量%以下を硫酸、
塩酸、硝酸、ホウ酸から選ばれた1種で代替させた、該
燐酸濃厚溶液中に、高攪拌下に少しずつアルカリ水ガラ
スを加えて、最終的にpH値が0.1〜5の酸性領域、
より好ましくは0.5〜3の範囲、最も好ましくは1.
5±0.5とする事で容易に得られる。
【0057】本発明の必須成分のもう一つは燐酸であ
り、その燐酸の大部分が予め尿素化合物と事前にアダク
ト体を形成する形で用いられても良い。理由はすでに記
した。またその燐酸の1〜50重量%分を燐酸以外のす
でに公知の無機酸で代替させて併用使用する事は何等支
障がない。該無機酸は例えば硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸
から選ばれた1種または2種以上が好ましい例として挙
げられる。
【0058】前記(X1)、(X2)、(X3)から選
ばれた1種等を主剤液とする本発明の溶液型グラウト剤
では、そのゲルタイムを20〜60分のいわゆる長結型
薬液とする場合に、硬化剤液(Y1)または(Y2)中
に使用される燐酸量としては、主剤液と(Y1またはY
2系の)硬化液が全量一括混合された時、該主剤液中の
Na2O及び/又はK2Oの20〜60モル%または22
0〜300モル%相当量とする事が一般的である。ただ
し、全有効成分の総合計濃度で5〜40重量%の範囲と
する事、より好ましくは前記アルカリ水ガラス成分濃度
が該薬液中に(SiO2とNa2O及び/又はK2Oとで
表される総固形分で)5〜25重量%の範囲とする事等
が合わせて肝要な事である。
【0059】すなわち、事前に燐酸を水で希釈した水溶
液(Y1)を硬化剤液として取扱う際には、前記条件を
満足する様に希釈率とその(Y1)使用量には制限があ
る。従って(Y2)も同様である。特に制約されるもの
では無いが、おおよそ前記(X1)、(X2)、(X
3)から選ばれた1種の主剤液100容量部に対し(Y
1)の50〜150容量部、好ましくは100容量部と
近似させて該2液が混合使用される事が好ましい。また
(Y2)でも同様である。また一方、そのゲルタイムを
1分〜20分程度のいわゆる緩結または中結型薬液とす
る場合の燐酸の配合量としては、該主剤液と燐酸系硬化
剤液との全量が均一混合された時、主剤液中のNa2
及び/又はK2Oの40〜80モル%または150〜2
50モル%相当量とする事が一般的である。前記長結型
薬液例と比較して燐酸使用量が重なる領域がある理由は
尿素化合物の使用割合でゲルタイムが適宜変化する為で
ある。また更に、ゲルタイムを例えば1分以内のいわゆ
る瞬結型薬液とする場合の燐酸の最適配合量としては、
該主剤液と硬化剤液とを一括混合した時、該主剤液中の
Na2O及び/又はK2Oの50モル%以上200モル%
以下に相当する量とする事が一般的である。
【0060】前記(X4)を本発明の溶液型グラウト剤
の主剤液とし、かつグラウト剤のゲルタイムを20〜6
0分程度のいわゆる長結型薬液とする場合、その硬化剤
として働くアルカリ水ガラス(Y3)または公知の前記
アルカリ性無機物質の0〜25重量%を含有してなる水
溶液(Y4)の使用割合は、おおよそ薬液pH値が2.
5〜4程度となる様にそれぞれ選定使用される事が一般
的である。またゲルタイムを1分から20分の間とする
際の該使用量は、おおよそ薬液pH値が3.5〜6の範
囲となる様な添加量とする事で容易に達成できる。また
更にゲルタイムを1分以内とする際の該使用量は、薬液
pH値を4.5〜9の間となる様な添加量とする。前記
長結型薬液例と比較して緩結型薬剤のpH設定値が重な
る領域がある理由は尿素化合物の使用割合でゲルタイム
が適宜変化する為である。従って、本発明における溶液
型グラウト剤は、該剤の調整直後のpH値が10〜1
1.8の範囲またはpH値2〜5の範囲のいずれかであ
ることがより好ましい。
【0061】ところで本発明の1液からなる溶液型グラ
ウト剤では、前記した内、ゲルタイムが少なくとも20
分以上となるもので対応する事が良く、その場合でも事
前に主剤液と硬化剤とを別々に水で濃度調整後に一括に
混合して均一な1液組成物を得る方法でその要件を達成
する事が慣用な事である。なお、該1液型または2液型
からなる本発明の薬液組成物中には当然の事ながら、そ
の配合前後に於いて、存在する燐酸の1モル当り0.1
〜3モルに相当する範囲、好ましくは0.5〜3モルの
範囲、更に好ましくは1〜2モル相当の尿素化合物が必
ず使用される事が重要である。すなわち本発明の薬液中
には注入薬液として使用される際にはかならず尿素化合
物が含有されている事が必須要件である。
【0062】ここで前記燐酸とは精製燐酸、粗燐酸であ
ったりしてよく、特に限定は無い。しかし、特に工業的
に安価で人体に有害なフッソ化合物が適宜除去されてな
る粗燐酸溶液を選定使用とする事はより経済的であり、
特に優位である。また該粗燐酸としては例えば三井東圧
化学株式会社の製品で、商品名「スーパーG」または
「GPA」等がある。
【0063】ところで、アルカリ水ガラスの含有濃度が
5〜25重量%の範囲、かつNa2O及び/又はK2Oの
総アルカリ分モル数の20モル%以下相当量の純燐酸分
しか含まれない薬液や更にその薬液が尿素化合物も適宜
含んで成る場合であっても、そのグラウト剤のゲル化時
間が必要以上に長くなりすぎる傾向にあると共に、長い
間遊離状態にある水ガラス成分の拡散による地下水汚染
の危険性確率が高くなる事、及び、生成する珪酸コロイ
ドゲルの1軸圧縮強度が極めて弱く実用性に欠ける傾向
にある。また、その300モル%相当分以上の燐酸量と
した場合でも、それ以上増やしても顕著な効果が引出せ
ないだけでなく経済性に欠ける。
【0064】本発明の溶液型グラウト剤に於いては、前
記水ガラスと燐酸と更に必須な構成成分として尿素化合
物が挙げられ、その理由はすでに明らかにした通りであ
る。尿素化合物との記載は尿素及び/または水溶性の尿
素誘導体を総称して用いてきた。その水溶性の尿素誘導
体とは、水溶性の性質及び各種の水溶性アダクト体(錯
体)を形成する物であれば特に限定は無く、例えば尿素
1モルに対しホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒドから選ばれた1種または2種以上の
1〜2モルとを付加反応させて得た水溶性の脂肪族アル
デヒド類付加反応生成物が挙げられ、なかでも入手容易
なモノメチロール尿素やジメチロール尿素が特に好まし
い例として挙げられる。
【0065】また該尿素誘導体の別の例としては、モノ
メチル尿素、ジメチル尿素、モノメチル尿素、ジエチル
尿素、メチルエチル尿素、モノプロピル尿素、ジプロピ
ル尿素、モノブチル尿素、ジブチル尿素、モノフェニル
尿素、ジフェニル尿素、モノシクロヘキシル尿素、ジシ
クロヘキシル尿素などで代表されるモノまたはジ−置換
アルキル尿素類が挙げられる。
【0066】また更に該尿素誘導体にはその他として、
チオ尿素またはチオ尿素誘導体が挙げられ、そのチオ尿
素誘導体としては、水溶性の性質及び各種の水溶性アダ
クト体(錯体)を形成する物であれば特に限定は無く、
例えばチオ尿素1モルに対しホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、プロピオンアルデヒドから選ばれた1種ま
たは2種以上の1〜2モルとを付加反応させて得た水溶
性の脂肪族アルデヒド類付加反応生成物等が挙げられ、
なかでも入手容易なモノメチロールチオ尿素やジメチロ
ールチオ尿素やチオ尿素が特に好ましい例として挙げら
れる。
【0067】またさらなる例としては、モノメチルチオ
尿素、ジメチルチオ尿素、モノメチルチオ尿素、ジエチ
ルチオ尿素、メチルエチルチオ尿素、モノプロピルチオ
尿素、ジプロピルチオ尿素、モノブチルチオ尿素、ジブ
チルチオ尿素、モノフェニルチオ尿素、ジフェニルチオ
尿素、モノシクロヘキシルチオ尿素、ジシクロヘキシル
チオ尿素などで代表されるモノまたはジ−置換アルキル
チオ尿素類が挙げられる。
【0068】特に本発明では好ましい尿素化合物として
は、冷水に対する相溶性が高い尿素、モノメチロール尿
素、ジメチロール尿素、チオ尿素、モノメチロールチオ
尿素、ジメチロールチオ尿素から選ばれた1種または尿
素を含む2種以上の混合物とすることが良い。最も好ま
しくは尿素である。
【0069】本発明では、前記尿素化合物と併用使用で
き、同様に本発明のグラウト剤の液安定性効果を期待で
きる添加剤物質として、糖、アルカリ土類金属塩、ヘキ
サメタ燐酸アルカリ金属塩、有機酸、アルカリ性下で徐
々に有機酸を放出する事が出来る有機単量体物質等が挙
げられる。
【0070】その糖は下記の単糖類、二糖類、多糖類か
ら選ばれた1種または2種以上の混合物であって良い。
単糖類としては特に限定する物では無いが、例えば、グ
ルコース、フルクトース、マンニットール、ソルビトー
ル、イノシトール等が挙げられ、グルコース、ガラクト
ース、ソルビトールが中でも特に好ましい例として挙げ
られる。二糖類としては特に限定する物では無いが、例
えば、ラクトース、マルトース、スクロース等がある。
多糖類としては特に限定する物では無いが、例えば、デ
キストリン、シクロデキストリン、キサンタンガム、プ
ルラン、マルニトール等が挙げられ、より好ましくはシ
クロデキストリン、アミロースのいずれかとする事は大
いに好ましい例である。
【0071】特に糖としてより一般的な、砂糖、ショ
糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、蜂蜜糖などで代表
される天然糖類、異性化糖、デンプン糖、精製ブドウ
糖、マンニトール、酸化糖、オリゴ糖などで代表される
改質糖類、その他デンプンや蛋白質や水溶性セルロース
化合物、等などから選ばれた1種または2種以上とする
事も大いに好ましい例である。また特に糖としてD−ソ
ルビトールまたはグルコースまたはデキストリンとする
態様例は最も大いに好ましい例である。
【0072】アルカリ土類金属塩とは、例えばマグネシ
ウム塩や第2鉄塩が挙げられ、以下により具体例で示
す。
【0073】マグネシウム塩とは、例えば塩化マグネシ
ウム、燐酸水素マグネシウム塩、オキシカルボン酸マグ
ネシウム塩、炭素数1〜4の脂肪族カルボン酸マグネシ
ウム塩、炭素数1〜4の脂肪族ジカルボン酸マグネシウ
ム塩などである。特に好ましくは塩化マグネシウム、オ
キシカルボン酸マグネシウム塩、炭素数1〜4の脂肪族
カルボン酸マグネシウム塩である。
【0074】オキシカルボン酸マグネシウム塩には、例
えば乳酸マグネシウム塩、グリコール酸マグネシウム
塩、グリオキシル酸マグネシウム塩、リンゴ酸マグネシ
ウム塩等がある。
【0075】また炭素数1〜4の脂肪族カルボン酸マグ
ネシウム塩には、例えば蟻酸マグネシウム、酢酸マグネ
シウム、プロピオン酸マグネシウム、ブタン酸マグネシ
ウム等が挙げられる。また炭素数1〜4の脂肪族ジカル
ボン酸マグネシウム塩とは、琥珀酸マグネシウム、蓚酸
マグネシウム、アジピン酸マグネシウム等がある。
【0076】その第2鉄塩とは、例えば塩化第2鉄、オ
キシカルボン酸第2鉄塩、炭素数1〜4の脂肪族カルボ
ン酸第2鉄塩、炭素数1〜4の脂肪族ジカルボン酸第2
鉄塩があげられる。
【0077】オキシカルボン酸第2鉄塩としては、例え
ば乳酸第2鉄塩、グリコール酸第2鉄塩、グリオキシル
酸第2鉄塩、リンゴ酸第2鉄塩等がある。また炭素数1
〜4の脂肪族カルボン酸第2鉄塩には、例えば蟻酸第2
鉄、酢酸第2鉄、プロピオン酸第2鉄、ブタン酸第2鉄
が挙げられ、また炭素数1〜4の脂肪族ジカルボン酸第
2鉄塩とは、琥珀酸第2鉄、蓚酸第2鉄、アジピン酸第
2鉄等が挙げられる。
【0078】ヘキサメタ燐酸アルカリ金属塩には例えば
重合度6〜50のヘキサメタ燐酸ナトリウムやヘキサメ
タ燐酸カリウムがある。また前記有機酸には、例えば蟻
酸、酢酸、プロピオン酸で代表されるモノカルボン酸
類、乳酸、りんご酸、グリコール酸などで代表されるオ
キシモノカルボン酸類、その他グリオキシル酸、フィチ
ン酸、イタコン酸、コハク酸、マレイン酸、酸無水物類
等がある。
【0079】またアルカリ性下で除放性の有機酸を生成
する有機単量体には、例えばグリオキザールやエチレン
グリコールジアセテートで代表されるグリコールやグリ
セリンなどのエステル類、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネートに代表されるアルキレンカーボネー
ト類、γ−ブチロラクトンで代表されるラクトン類等が
好ましく挙げられる。
【0080】本発明の溶液型グラウト剤では、前記の尿
素化合物を燐酸1モルに対し0.1〜3モルの割合とな
る様に配合される事が肝要である。その結果本発明の目
的のひとつである冬場5℃±4℃の低温下での1ショッ
ト注入液の経時溶液安定性が確保されると同時に、確実
に設定されたゲル化時間内で均質な珪酸ゲルを生成す
る。前記範囲を超えると該目的が達成不可となるかまた
は不経済なグラウト剤となる。
【0081】また経済的な立場では、本発明を制約する
物ではないが、おおよそ本発明の溶液型グラウト剤総量
200リットル当り尿素化合物は0.1〜50kg程度
の使用範囲とする事が良い。
【0082】尿素化合物の本発明の溶液型グラウト剤中
への使用量は、燐酸と尿素化合物とがモル比で(1:
0.1)〜(3:1)の範囲、好ましくは(1:0.
5)〜(2:1)の範囲、より最も好ましくは(1:
1)〜(2:1)のモル比構成となる様使用される事が
好ましい。
【0083】本発明の溶液型グラウト剤では、より単純
化された系で本発明の目的を実現させるにふさわしい態
様例としては、以下の主剤液Aと硬化剤液Bからなる1
液または2液型、または以下の主剤液Cと硬化剤液Dか
らなる1液または2液型、のいずれかのグラウト剤組成
物が挙げられる。その際、該主剤液と該硬化剤液との容
積配合比が(0.5:1)〜(1:0.5)の範囲、好
ましくは1:1に出来るだけ近ずけた配合とする事が好
ましい事として挙げられると同時に本発明には必須な尿
素化合物をそのいずれか一方の液または両方または混合
液に前記記述した範囲の所定量をかならず含有させる事
はいうまでもない。主剤液AがSiO2/Na2O及び/
またはSiO2/K2Oで表されるモル比で2.45〜
4.5の範囲にあるアルカリ水ガラスを含有してなり、
その固形分で7.5〜65重量%の範囲にある水溶液。
硬化剤液Bが、該硬化剤液Bと主剤液Aとを前記割合で
混合された時に、水ガラス成分中のNa2O及び/また
はK2Oで表される総アルカリ分の20〜300モル%
に相当する量の燐酸を含有して成る水溶液。主剤液C
が、全アルカリ水ガラス使用量の20〜99重量%相当
分のアルカリ水ガラスと全燐酸分とから誘導される溶液
pH値が0.1〜3の範囲、かつその合計固形分で7.
5〜65重量%の範囲にある酸性水ガラス溶液。硬化剤
液Dが、主剤液Cで使用した残り、すなわち全アルカリ
水ガラス使用量の1〜80重量%相当分の残アルカリ水
ガラスとアルミン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ピロ
燐酸アルカリ金属塩から選ばれた1種の25〜0重量%
とを含有してなる水溶液。
【0084】本発明組成物に必須の成分である尿素化合
物を、前記各主剤液または硬化剤液のいずれかまたは両
方に事前に添加して構成した態様例を、改めて以下に記
す。
【0085】前記主剤液Aでは、予めその総量200リ
ットル当り尿素化合物として0.1〜50kg、好まし
くは0.1〜20kg、より好ましくは0.5〜10k
gの範囲で事前に含有させても良く、その場合は硬化剤
液B液中には、燐酸モル濃度から算出される尿素化合物
の所定量から、主剤液Aに添加使用した分を引いた残り
の分量に相当する尿素化合物を同時に存在させる事がで
きる。前記尿素化合物の添加構成割合を全く逆とする例
であっても何等問題ない。また主剤液A中には、硬化剤
液中の燐酸量との対比で必要十分な量の尿素化合物が添
加配合されている場合には、硬化剤液Bには何等尿素化
合物は存在させなくても良いことになる。またその逆で
あっても良い。
【0086】同様に、前記主剤液Cでは、予めその総量
200リットル当り尿素化合物として0.1〜50k
g、好ましくは0.1〜20kg、より好ましくは0.
5〜10kgの範囲で事前に含有させても良く、その場
合は硬化剤液D液中には、C液調整使用時の全燐酸のモ
ル濃度から算出される尿素化合物の所定量から、主剤液
Cに添加使用した分を引いた残りの分量に相当する尿素
化合物を同時に存在させる事ができる。前記尿素化合物
の添加構成割合を全く逆とする例であっても何等問題な
い。また主剤液C中には、硬化剤液中の燐酸量との対比
で必要十分な量の尿素化合物が添加配合されている場合
には、硬化剤液Dには何等尿素化合物は存在させなくて
も良いことになる。またその逆であっても良い。
【0087】本発明のグラウト剤組成物では、前記主剤
液Aと硬化剤Bの組合せ、または前記主剤液Cと硬化剤
Dの組合せのいずれにも事前に必須成分である尿素化合
物が全く含有されずに、現場使用時に、該2液を一括混
合する際、混合後直ちに尿素化合物を、前記した所の範
囲の所定量、投入溶解させて本発明の溶液型グラウト剤
を調整する態様法であって良い。
【0088】従って本発明の溶液型グラウト剤の調整方
法としては、例えば、注入開始前の数分前に主剤、硬化
剤のいずれか一方ないし両方に尿素及びまたは尿素化合
物を事前に溶解させて後、該主剤と該硬化剤とを混合均
一化させて1液とする調整方法がある。また、主剤と硬
化剤とを混合直後に必要量の尿素及びまたは尿素化合物
を後添加溶解させて1液とする調整方法がある。また、
主剤、硬化剤のいずれか一方ないし両方に尿素及びまた
は尿素化合物を事前に溶解させて後、該主剤と該硬化剤
とを混合均一化させた1液に更に必要に応じて同種また
は別種の尿素及びまたは尿素化合物を追加溶解させる調
整方法などが好ましく挙げられる。
【0089】また本発明の溶液型グラウト剤では尿素化
合物として0.1〜15重量%の範囲で含有させてなる
ものが特に経済性に見て特に優位な態様例である。
【0090】また燐酸と尿素化合物とのアダクト体を別
個に調整し、該アダクト体を精製分離したりして得た水
溶液や粉末状の物で本発明のグラウト剤組成物を得る等
の間接的な調整方法や該方法で得た組成物も好ましく本
発明に包含される。
【0091】本発明の溶液型グラウト剤では本発明の主
たる目的と同時に、以下の例えば、低コスト化、ゲル化
挙動の温度依存性の一層の軽減、ゲル強度の調節等を同
時に達成する目的で、燐酸硬化剤の一部を燐酸以外の無
機酸で代替使用された本発明のグラウト剤も好ましく包
含される。より具体的には、系中のNa2O及び/また
はK2Oの20〜300モル%相当分を中和する事が出
来る量の燐酸の内、その1〜50重量%を燐酸以外の無
機酸で代替させる事である。
【0092】無機酸が硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸から選
ばれた1種または2種以上である事や、重硫酸アルカリ
金属塩である事または該無機酸が重炭酸アルカリ金属塩
であることが良い。特に好ましくは無機酸が硫酸に限定
される態様が経済性に富む事から大いに好ましい事と言
える。また無機酸として更に燐酸水素1ナトリウム塩、
燐酸水素1カリウム塩、燐酸水素2ナトリウム塩、燐酸
水素2カリウム塩、燐酸3ナトリウム塩、燐酸3カリウ
ム塩、硫酸水素ナトリウム塩、硫酸水素カリウム塩、硫
酸ナトリウム塩、硫酸カリウム塩等の例も含む。なお、
前記した無機物類は水溶液であっても無水物固体または
水和物固体であっても良く、塩類の場合には飽和水溶液
の場合も包含される。
【0093】前記重硫酸アルカリ金属塩には重硫酸ソー
ダ、重硫酸カリ、重硫酸リチウム等が挙げられ、それら
の無水物や水和物ないし飽和水溶液でも良い。また前記
重炭酸アルカリ金属塩には重炭酸ソーダ、重炭酸カリ、
重炭酸リチウム等が挙げられ、それらの無水物や水和物
ないし飽和水溶液が代表的な例として挙げられる。
【0094】中でも先に示した硬化剤液Bに於いて、燐
酸の1〜20モル%に相当する量を硫酸や酸性燐酸アル
カリ金属塩または酸性硫酸アルカリ土類金属塩で代替す
る態様は、ゲルの固結強度を高めると同時に低コストで
ある点から好ましい態様である。
【0095】前記した主剤液Aと硬化剤液Bまたは主剤
液Cと硬化剤液Dとを組合せて使用する1液または2液
型の本発明の溶液型グラウト剤は、主剤液:硬化剤液で
表される容積比で1:0.5〜0.5:1の範囲、好ま
しくはより1:1により近似させて混合する事が好まし
い。その理由は管理面の容易な事と2液混合物をグラウ
ト注入ポンプを介して行なう実際の現場に於いては、し
ばしば当量混合方式が現場で重宝されていることにあ
る。その結果、冬場の現場に即した液安定性が確保され
ると同時に実用性のあるホモゲル強度を呈する経時安定
性と一定したゲル化挙動とを示す本発明のグラウト剤組
成物となる。
【0096】上記の溶液型グラウト剤を用いる本発明の
地盤注入改良工法は、ゲルタイムに応じて両者を混合
し、1液1系統方式で地盤注入固結させるいわゆる1シ
ョット方式、2液1系統方式で地盤注入固結させるいわ
ゆる1.5ショット方式、2液2系統方式で地盤注入固
結させるいわゆる2ショット方式で行ない得る。特に本
発明の溶液型グラウト剤の特徴を生かした経済的な方法
としては、1ショット方式が経済的に最適な例としてあ
げられる。本発明に係わる溶液型グラウト剤は、主剤液
と硬化剤液を容量比で1:0.9〜0.9:1の範囲、
より好ましくは1:1により一層近似させる割合で混合
してなる溶液型グラウト剤とする事で、懸案である5℃
±4℃の低温下1液化とする際における現場の1ショッ
ト配合注入装置の稼働時のゲル化前の溶液安定性と安定
したゲル化特性が確保される。
【0097】すなわち、本発明の地盤注入改良工法の1
つとしては、グラウト液を注入管を介して地盤に加圧し
ながら注入し浸透固結させて地盤を強化安定させる工法
に際し、前記した本発明の溶液型グラウト剤を用いて1
ショット方式で注入する工法。また別の1つには、グラ
ウト液を注入管を介して地盤に加圧しながら注入し浸透
固結させて地盤を強化安定させる工法に際し、前記した
本発明の2液型の溶液型グラウト剤を用いて1.5ショ
ット方式または2ショット方式で注入する工法。さらに
は、グラウト液を注入管を介して地盤に加圧しながら注
入し浸透固結させて地盤を強化安定させる工法に際し、
1液型でかつゲルタイムが短くとも20分以上からなる
本発明の溶液型グラウト剤と、更に、すでに公知のゲル
タイムが長くとも1分以内の瞬結型の水ガラス系グラウ
ト剤とを、適宜複相注入させて均一かつ高強度な地盤改
良を行なう改良工法が挙げられる。
【0098】本発明の溶液型グラウト剤は極めて顕著な
止水性能、強固な実用性の高い地盤強度確保がなされる
特徴も合せ持つ。
【0099】また本発明の溶液型グラウト剤を調整する
際に使用される水は、例えば、河川水、湖水、湧水、地
下水、水道水、海水、蒸留水、イオン交換水、氷水、雪
水、雨水などであって良く、特に限定は無い。また特に
制限されるものではないが、本発明の溶液型グラウト剤
の溶液粘度がBL型粘度計による測定値で20cps以
下、より好ましくは1〜10cpsの範囲に入るものが
良い。
【0100】また本発明の溶液型グラウト剤の用途に
は、前記した地盤改良用途の他に、亀裂充填と止水の用
途、土木用裏込充填用途等が好ましく挙げられ、特にそ
の用途には制約はない。
【0101】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明は実施例によって限定されるものではない。
また、例中の%、部とはそれぞれ重量%、重量部を意味
する。また各例に於けるグラウト剤の評価は、次の方法
で行なった。
【0102】[ゲルタイム測定方法]主剤液と硬化剤液
とを混合均一化した時間を基点とし、調製された混合液
の静置状態から90度傾斜させた時に流動性が失われて
流出しなくなるまでの時点までの経過時間で計測して表
示した。
【0103】[低温作業・液安定性試験方法]内容量2
00mlの円筒形ビーカーを2ケ用意し、5℃に調整さ
れた恒温水槽中にセットし、その内の1ケに半径2.5
cmのタービン型またはスクリュー型攪拌棒をビーカー
内の液を連続攪拌できる位置にセットする。もうひとつ
のビーカーは静置するのみの条件で使用する。セット完
了後、予め3℃にそれぞれ調温した主剤と硬化剤の各液
をすばやく混合して後、その150mlづつを各ビーカ
ー中に注いで、一方は連続攪拌下に、もう一方は無刺激
下で放置した。
【0104】攪拌は線速度で60m/秒速の剪断抵抗を
連続的に加える条件を選定した。前記方法でゲル化する
までの時間と系の状態を観察し、低温作業性を判断し
た。ゲル化せず、系内が著しく白濁した場合を×の記号
で表示し、極く少量の析出が見られるものの静置ビーカ
ー内液とほぼ同様なゲル化が観察された場合を○の記号
で、全く正常なゲル化挙動をその2つのビーカー試験で
得た場合を◎の記号で表示した。
【0105】[簡易地盤注入試験]前記の低温作業液安
定性試験と同様にして行なった10分以上経過後のゲル
化前の土質安定化剤液を採り、150メッシュのステン
レス製ロ布でその液をロ過する方法で注入管先端部の注
入ノズルの詰まりの問題が発生しないかの試験をおこな
った。ロ布に沈殿が残る場合はノズルを詰めやすいとの
判定をし、記号×と表示した。全くロ布に沈殿が認めら
れない場合をノズルを詰めないとして記号○で表示し
た。
【0106】[圧縮強度]成分を均一に混合してなる土
質安定化剤をゲル化前に50mmφ×100mmHの型
枠に注ぎ込み、ゲル化させて、そのまま水分の気散を防
止して一定期間養生させて後、脱型し、アームスラー型
強度試験機を用いてホモゲルの一軸圧縮強度を測定し
た。
【0107】また各例に於ける土質注入改良剤の主剤液
は、次の様に調整した。なお、以下の記載・表中のLの
記号は容積単位でリットルの意味で使用する。 [主剤液aまたはbの調整] 主剤a−1液 JIS3号珪酸ソーダ原液(SiO2分濃度29.8重
量%、Na2O分濃度9.15重量%、SiO2/Na2
Oモル比が3.16)の1Lと水道水1Lとを混合して
SiO2/Na2Oモル比が3.16、SiO2とNa2
分の総量が22.77%(5.35%のNa2O含有
量、17.42%のSiO2含有量)の番号(a−1)
の珪酸ソーダ水溶液2Lとした。
【0108】主剤a−2液 JIS3号珪酸ソーダ原液(SiO2分濃度29.8重
量%、Na2O分濃度9.15重量%、SiO2/Na2
Oモル比が3.16)の1Lと尿素51.5部とを水道
水にて2Lに希釈溶解した。SiO2/Na2Oモル比が
3.16、SiO 2とNa2O分の総量が22.77%
(5.35%のNa2O含有量、17.42%のSiO2
含有量)の番号(a−2)の尿素含有珪酸ソーダ水溶液
2Lとした。
【0109】主剤a−3液 JIS3号珪酸ソーダ原液(SiO2分濃度29.8重
量%、Na2O分濃度9.15重量%、SiO2/Na2
Oモル比が3.16)の1Lとジメチロール尿素51.
5部とを水道水にて2Lに希釈溶解した。SiO2/N
2Oモル比が3.16、SiO2とNa2O分の総量が
22.77%(5.35%のNa2O含有量、17.4
2%のSiO2含有量)の番号(a−3)のジメチロー
ル尿素含有珪酸ソーダ水溶液2Lとした。
【0110】主剤a−4液 JIS3号珪酸ソーダ原液(SiO2分濃度29.8重
量%、Na2O分濃度9.15重量%、SiO2/Na2
Oモル比が3.16)の1.4Lと水道水0.6Lとを
混合してSiO2/Na2Oモル比が3.16、SiO2
とNa2O分の総量が30.53%(7.02%のNa2
O含有量)の番号(a−4)の珪酸ソーダ水溶液2Lと
した。
【0111】主剤a−5液 JIS3号珪酸ソーダ原液(SiO2分濃度29.8重
量%、Na2O分濃度9.15重量%、SiO2/Na2
Oモル比が3.16)の1.4Lとチオ尿素30部とを
水道水で2Lとなる様に希釈溶解した。SiO2/Na2
Oモル比が3.16、SiO2とNa2O分の総量が3
0.53%(7.02%のNa2O含有量)の番号(a
−5)のチオ尿素含有珪酸ソーダ水溶液2Lとした。
【0112】主剤a−6液 市販2号珪酸ソーダ原液(SiO2分濃度35.90重
量%、Na2O分濃度14.05重量%、SiO2/Na
2Oモル比が2.50)の1.5Lと水道水0.5Lと
を混合してSiO2/Na2Oモル比が2.50、SiO
2とNa2O分の総量が41.38%(11.64%のN
2O含有量、29.74%のSiO2含有量)の番号
(a−6)の珪酸ソーダ水溶液2Lとした。
【0113】主剤b−1液 JIS3号珪酸ソーダ原液(SiO2分濃度29.8重
量%、Na2O分濃度9.15重量%、SiO2/Na2
Oモル比が3.16)の0.8Lと水道水の0.8Lと
を加えてアルカリ水ガラス溶液A−1´を用意した。一
方、燐酸分として純度75%である三井東圧化学株式会
社製品:GPAの0.4L(Na2Oに対し300モル
%相当量)に対してそのA−1液を強攪拌下に注意深く
滴下して溶液pH値がおおよそ0.5前後の酸性水ガラ
ス溶液(b−1)の2Lを得た。b−1液中のSiO2
分濃度は11.92%、pH値を中性とするのに要する
可性ソーダ量から算出される遊離燐酸分が27%であっ
た。そしてその溶液(b−1)は室温下で調整後30分
以上は何等変化無く安定に取扱えた。
【0114】主剤b−2液 JIS3号珪酸ソーダ原液(SiO2分濃度29.8重
量%、Na2O分濃度9.15重量%、SiO2/Na2
Oモル比が3.16)の0.8Lと水道水の0.4Lと
を加えてアルカリ水ガラス溶液A−1を用意した。一
方、燐酸分として純度75%である三井東圧化学株式会
社製品:GPAの0.4L(Na2Oに対し300モル
%相当量)と尿素の290部との溶液に対して、A−1
液を強攪拌下に注意深く滴下して後、更に水道水で希釈
し、溶液pH値がおおよそ0.5前後の酸性水ガラス溶
液(b−2)の2Lを得た。b−2液中のSiO2分濃
度は11.92%、そしてその溶液(b−2)は室温下
で調整後30分以上は何等変化無く安定に取扱えた。
【0115】主剤b−3液 市販4号珪酸ソーダ原液(SiO2分濃度24.55重
量%、Na2O分濃度6.67重量%、SiO2/Na2
Oモル比が3.57)の0.5Lと純水の1Lとを加え
てアルカリ水ガラス溶液A−2を用意した。一方、燐酸
分として純度75%である三井東圧化学株式会社製品:
精製燐酸溶液の0.18L(Na2Oに対し200モル
%相当量)と純水の0.32Lとの混合液に対してその
A−2液を強攪拌下に注意深く滴下して溶液pH値がお
およそ1.5前後の酸性水ガラス溶液(b−3)の2L
を得た。b−3液中のSiO2分濃度は6.14%であ
った。そしてその溶液(b−3)は室温下で調整後30
分以上は何等変化無く安定に取扱えた。
【0116】主剤液a−7 JIS3号珪酸ソーダ溶液(SiO2分濃度29.8重
量%、Na2O分濃度9.15重量%、SiO2/Na2
Oモル比が3.16)の0.2Lと水道水1.8Lとを
混合してSiO2/Na2Oモル比が3.16、SiO2
とNa2O分の総量が5.27%(1.24%のNa2
含有量、4.03%のSiO2含有量)の番号(a−
7)の珪酸ソーダ水溶液2Lとした。
【0117】主剤液a−8 市販の1号珪酸ソーダの1Lと水道水1Lとを混合し
て、SiO2/Na2Oモル比が1.93、SiO2とN
2O分の総量が28.43重量%(9.53%のNa2
O含有量、13.9%のSiO2含有量)の番号(a−
8)の珪酸ソーダ水溶液2Lとした。
【0118】
【表1】表1 主剤液組成表
【0119】
【表2】表2 主剤液組成表
【0120】実施例1 主剤として表1記載の(a−1)溶液を選択しその10
0mlと、その主剤100ml中のNa2Oの34.9
モル%分に相当する燐酸分として、純分が75%の粗燐
酸の2.93mlと尿素の2.57部(燐酸仕込モルに
対する比率が1.15に相当)および残り水道水とから
成る硬化剤液100mlとを、それぞれ3.8℃で混合
均一化した。その結果、混合2分後の液温度は5℃を示
した。低温作業・液安定性試験の結果、静置法及び連続
攪拌法で測定した実施例1薬剤は、ゲルタイムが28〜
29分で正常ゲル化し、沈殿生成は全くいずれも観察さ
れなかった。従って低温作業・液安定性試験の判定結果
は◎であった。
【0121】そして上記低温作業・液安定性試験と同様
にして行なった攪拌法/20分経過後の5℃液を用いて
行なった所の簡易地盤注入試験の結果は○であり、低温
現場作業性が確保されている事が判明した。なお、実施
例1組成物の室温22℃のゲルタイムは静置法でおおよ
そ115〜120分であった。また固結したホモゲルの
1軸圧縮強度は5日室温養生品で0.097kgf/cm2
ゲル収縮率が11.2vol%と測定された。また実施
例1の土質安定化剤を豊浦標準砂に隙間充填率105%
となる様に砂と配合して固結させたサンドゲルの5日室
温養生ゲルの1軸圧縮強度は、1.6kgf/cm2を示し
た。低温及び室温でのゲルタイム挙動から実施例1の薬
剤は長結型または長長結型薬剤に分類される事が判明し
た。
【0122】比較例1 主剤として表1記載の(a−1)溶液を選択しその10
0mlと、その主剤100ml中のNa2Oの34.9
モル%分に相当する燐酸分として、純分が75%の粗燐
酸の2.93mlと残り水道水とから成る硬化剤液10
0mlとを、それぞれ22℃室温で混合均一化し1液型
から成る比較例1薬剤を得た。該室温でのゲルタイムは
85〜87分と実施例1よりも約30分弱早かった。5
日養生後の1軸圧縮強度は0.10kgf/cm2と大差ない
ものであった。
【0123】実施例2 実施例1に於いて粗燐酸の使用量を3.05mlと2.
7%増量し、尿素の使用量を2.25部と12.45%
減量させた(燐酸:尿素のモル比を1:1とした)以外
は実施例1と同様に行なった。その結果、低温作業・液
安定性試験の連続攪拌法で測定した結果、ゲルタイムが
9分46秒で正常ゲル化し、5℃低温下では中結型薬剤
としての位置付けが認められた。またその際、沈殿生成
は全く観察されなかった。従って低温作業・液安定性試
験の判定結果は◎であった。
【0124】なお、実施例2組成物の室温20℃のゲル
タイムは静置法でおおよそ115分であった。従って夏
場の20〜30℃の環境下では長結型薬剤である。また
固結したホモゲルの1軸圧縮強度は5日室温養生品で
0.097kgf/cm2でゲル収縮率が16.2vol%と
測定された。
【0125】実施例3 主剤として表1記載の(a−1)溶液を選択しその10
0mlと、予め室温下で調整された以下の、その主剤1
00ml中のNa2Oの54.9モル%分に相当する燐
酸分として、純分が75%の精製燐酸の4.75mlと
尿素の10.3部と残り水道水とから成る硬化剤液10
0mlとを、それぞれ室温で混合均一化した。室温15
〜20℃下でのゲルタイムは13秒〜18秒以内であり
中結仕様に対応する組成物となる事が判明した。またそ
のホモゲルの5日養生後の1軸圧縮強度は0.24kgf
/cm2であり、また離漿水発生率が37%と下記比較例
2よりも僅かだが小さかった。なお、実施例3のグラウ
ト剤の5±4℃附近でのゲルタイム特性は2〜10秒以
内と瞬結性を示した。
【0126】比較例2 主剤液として表1記載の(a−1)溶液を選択しその1
00mlと、予め室温下で調整された以下の、その主剤
100ml中のNa2Oの54.9モル%分に相当する
燐酸分として、純分が75%の精製燐酸の4.75ml
と残り水道水とから成る硬化剤液100mlとを、それ
ぞれ室温で混合均一化した。室温15〜20℃でのゲル
タイムは7秒〜10秒以内と瞬結型であった。比較例2
は実施例3の薬剤組成物から尿素を除いた場合に対応す
る例であり、比較例2ではそのホモゲル強度として5日
養生後の1軸圧縮強度が0.23kgf/cm2と大差ない事
も判明した。離漿水発生率は44vol%と実施例3と
比較してかなり大きかった。
【0127】実施例4 実施例3に於いて、比較例2と同温度下で同ゲルタイム
を示す様にする際の精製燐酸の必要量は実施例3記載量
の1.05倍〜1.1倍とする事で達成できた。その結
果ホモゲル強度も1.1〜1.25倍に強度アップし
た。
【0128】実施例5 主剤として表1記載の(a−2)溶液を選択しその10
0mlと、その主剤100ml中のNa2Oの34.9
モル%分に相当する燐酸分として、純分が75%の粗燐
酸の2.93mlおよび水道水97.07mlとから成
る硬化剤液100mlとを、それぞれ3.8℃で混合均
一化した。その結果、混合2分後の液温度は5℃を示す
と共に薬液の初期PH値は10.9であった。低温作業
・液安定性試験の結果やホモゲル強度物性等はいずれも
先の実施例1と全く同様の結果を得た。従って尿素を硬
化剤液サイドに添加配合した実施例1薬剤と主剤液サイ
ドに事前に添加配合した実施例5の薬剤のゲル化挙動に
違いは認められなかった。この事は必須成分である尿素
化合物の存在場所は該主剤、該硬化剤のいずれであって
も作用効果が変らない事を示している。
【0129】実施例6 主剤として表1記載の(a−3)溶液を選択しその10
0mlと、その主剤100ml中のNa2Oの34.9
モル%分に相当する燐酸分として、純分が75%の粗燐
酸の2.93mlおよびモノメチロール尿素1.93部
を水道水で希釈して成る硬化剤液100mlとを、それ
ぞれ3.8℃で混合均一化した。その結果、混合2分後
の液温度は5℃を示すと共に薬液の初期PH値は11.
0であった。その結果、低温作業・液安定性試験の連続
攪拌法で測定した結果、ゲルタイムが30分で正常ゲル
化し、長結型薬剤としての位置付けが認められた。また
その際、沈殿生成は全く観察されなかった。従って低温
作業・液安定性試験の判定結果は◎であった。また低温
作業・液安定性試験と同様にして行なった連続攪拌法/
10分経過後の5℃液を用いて行なった簡易地盤注入試
験結果は○であり、低温現場作業適性に優れている事が
判った。
【0130】なお、実施例6組成物の室温20℃のゲル
タイムは静置法でおおよそ120分であり、室温で取扱
う上では実施例6記載の薬剤組成物は長長結型としての
位置付けがされた。また固結したホモゲルの1軸圧縮強
度は5日室温養生品で0.094kgf/cm2、離漿発生率
が14.7vol%であった。ここで実施例6の薬液組
成物では、燐酸1モルに対しジメチロール尿素とモノメ
チロール尿素の合計で1.15モルの割合で使用され、
その比率は実施例1の場合と同じである。
【0131】実施例7 主剤として表1記載の(a−4)溶液を選択しその10
0mlと、その主剤100ml中のNa2Oの26.6
モル%分に相当する燐酸分として、純分が75%の精製
燐酸の3.2mlと尿素の4.64部(燐酸:尿素=
1:2の仕込モル比)、および残り極く微量の海水を含
む水道水とから成る硬化剤液100mlとを、それぞれ
4℃で混合均一化した。その結果、低温作業・液安定性
試験の結果、静置法及び連続攪拌法で測定した実施例7
の薬剤組成物は、ゲルタイムが約43〜48分の間で正
常ゲル化し、沈殿生成は全く観察されなかった。従って
低温作業・液安定性試験の判定結果は◎であった。
【0132】そして上記低温作業・液安定性試験と同様
にして行なった攪拌法/20分経過後の5℃液を用いて
行なった所の簡易地盤注入試験の結果は○であり、低温
現場作業性が確保されている事が判明した。従って実施
例7組成物の低温領域のゲルタイム特性から、該組成物
は長結型の1液化対応可能な溶液型グラウト剤と位置付
けられた。
【0133】実施例8 主剤として表1記載の(a−5)溶液を選択しその10
0mlと、その主剤100ml中のNa2Oの26.6
モル%分に相当する燐酸分として、純分が75%の精製
燐酸の3.2mlとチオ尿素の4.7部(薬液中で燐
酸:チオ尿素のモル比が1:2)、および残りを0.1
部のNaClを含む水道水で成る硬化剤液100mlと
を、それぞれ4℃で混合均一化した。その結果、低温作
業・液安定性試験の結果、静置法及び連続攪拌法で測定
した実施例8の薬剤組成物は、ゲルタイムが約42〜4
5分の間で正常ゲル化し、沈殿生成は全く観察されなか
った。従って低温作業・液安定性試験の判定結果は◎で
あった。
【0134】そして上記低温作業・液安定性試験と同様
にして行なった攪拌法/20分経過後の5℃液を用いて
行なった所の簡易地盤注入試験の結果は○であり、低温
現場作業性が確保されている事が判明した。従って実施
例8記載の薬液組成物は、低温領域のゲルタイム特性か
ら、長結型の1液化対応可能な溶液型グラウト剤と位置
付けられた。
【0135】比較例3 実施例7に於いて、尿素を全く含有させない以外は同様
に行なった。その結果、低温作業・液安定性試験の結
果、連続攪拌法で測定した比較例3の薬剤組成物は、混
合後11〜12分時の時点で液中に難溶解性の結晶沈殿
の生成が認められ、更に時間が経過すると共にその沈殿
量が増加した。おおよそ40分後には全く懸濁溶液とな
り、白濁不透明かつ粘調な系に変化した。ゲルタイム観
察で1時間たってもゲル化には至らず、観察を停止せざ
るを得ない状況となった。この結果から、低温作業・液
安定性試験の判定結果は著しく×の結果であった。また
更に、低温作業・液安定性試験と同様にして行なった攪
拌法/15分経過後の5℃液を用いて行なった所の簡易
地盤注入試験の結果は×であり、低温現場作業性が確保
されていない。比較例3で生成した沈殿をロ紙でロ過分
別した後、メタノール−水1:1の混合液にて水洗浄し
て精製沈殿物を得た。この沈殿物は元素分析やX線回析
等の結果より、おおよそ第2燐酸ナトリウム12水塩と
して60〜65%、第3燐酸ナトリウム12水塩として
15〜20%前後、その他残り水ガラス珪酸水和物の複
塩沈殿と推定された。
【0136】実施例9 主剤として表1記載の(a−6)溶液を選択しその10
0mlと、その主剤100ml中のNa2Oの45モル
%分に相当する燐酸分として、純分が75%の精製燐酸
の10.2mlおよび水道水の80mlから成る硬化剤
液90.2mlとを、それぞれ8〜10℃で混合均一化
すると共に直ちにジメチロールチオ尿素の8.63部
(薬液中で燐酸:チオ尿素のモル比が1:0.5)を追
加添加し、溶解させた。その結果、2液を混合した時点
を開始時間とするゲルタイム測定で3〜5分で正常ゲル
化した。従って実施例9記載の薬液組成物は、低温領域
のゲルタイム特性から、冬場中結型の1.5または2シ
ョット対応型の溶液型グラウト剤と位置付けられた。
【0137】比較例4 前記実施例9に於いてジメチロールチオ尿素を添加しな
い例では、ゲルタイムが1〜3分と実施例9と比較する
とかなり短かった。
【0138】実施例10 実施例9に於いて使用した燐酸量を35モル%減量した
以外は全く同様にした行なった薬液の低温作業・液安定
性試験に於ける連続攪拌下での5℃ゲルタイムは長結型
を示し、再三の繰返し検討でも全部正常ゲル化を呈し
た。
【0139】比較例5 実施例10に於いて尿素化合物を全く含有させない以外
は同様に行なった。その結果、低温作業・液安定性試験
の結果、連続攪拌法で測定した比較例5の薬剤組成物
は、混合後直後の早い段階から液中に難溶解性の結晶沈
殿の生成が認められ、更に時間が経過すると共にその沈
殿量が増加した。おおよそ40分後には全く懸濁溶液と
なり、白濁不透明かつ粘調な系に変化した。ゲルタイム
観察で1時間たってもゲル化には至らず、観察を停止せ
ざるを得ない状況となった。この結果から、低温作業・
液安定性試験の判定結果は著しく×の結果であった。ま
た更に、低温作業・液安定性試験と同様にして行なった
攪拌法/15分経過後の5℃液を用いて行なった所の簡
易地盤注入試験の結果は×であり、低温現場作業性が確
保されていない。
【0140】比較例6 主剤として表1記載の(a−7)溶液を選択しその10
0mlと、その主剤100ml中のNa2Oの45モル
%分に相当する燐酸分として、純分が75%の精製燐酸
の0.8mlおよび尿素1部と残り水道水とから成る硬
化剤液100mlとを、それぞれ4℃で混合均一化し
た。(薬液中で燐酸:尿素のモル比が1:1) その結果、2液を混合した時点を開始時間とするゲルタ
イム測定で3時間を超えてもゲル化が観察されなかっ
た。また比較例6の薬液を豊浦標準砂に隙間充填率10
5%となる様に砂と配合して固結させたサンドゲルの1
5日室温養生ゲルの1軸圧縮強度は、0.2kgf/cm2
満と貧弱であり、実用強度を満足するものではなかっ
た。同サンドゲルを容積5倍量の水中に漬けて1日放置
し、その浸漬水中には大量の遊離アルカリ水ガラス成分
の存在が確認された事から、遊離・未硬化水ガラス成分
による地下水汚染の危険性が大きいと判断された。
【0141】実施例11 主剤として表1記載の(a−8)溶液を選択しその10
0mlと、その主剤100ml中のNa2Oの48モル
%分に相当する燐酸分として純分が75%の精製燐酸の
12.78部および尿素6.4部と残り水道水とから成
る硬化剤液100mlとを、それぞれ室温で混合均一化
した。(薬液中で燐酸:尿素のモル比が1:1) 2液を混合した時点を開始時間とするゲルタイム測定の
結果、30秒であった。従って実施例11記載の薬液組
成物は室温下のゲルタイム特性から、中結型の1.5ま
たは2ショット対応可能な溶液型グラウト剤と位置付け
られた。その5日養生後のホモゲル体の1軸圧縮強度は
35%圧縮時の応力値で0.61kgf/cm2であり、離漿
水量は、42容量%であった。
【0142】比較例7 前記実施例11に於いて尿素を添加しない例であり、ゲ
ルタイムが約18秒と実施例11と比較するとやや早い
ゲルタイム特性を示した。5日養生後のホモゲル体の1
軸圧縮強度は35%の応力値で0.63kgf/cm2を示
し、離漿水発生率は46%を示した。
【0143】実施例12 主剤として表2記載の調整直後の(b−1)溶液100
mlと、また別に硬化液として、3号水ガラスの20m
lと尿素15部(該主剤と該硬化剤とを全量混合してな
る薬液中では燐酸:尿素のモル比が1:0.1の割合に
相当する添加量)とを水で希釈してなる100mlの2
液を用意した。それぞれを23℃とした上でその2液を
容積比で1:1で混合した結果、ゲルタイムが23秒で
あった。水の蒸発を防止しつつ12日間20℃下で養生
したホモゲル1軸圧縮強度は1.2kgf/cm2とほぼ下記
比較例8のホモゲル強度と大差ないものであった。しか
し比較例8よりも離漿水発生率が約40%程緩和される
結果を同時に得た。
【0144】比較例8 前記実施例12に於いて尿素を添加しない例であり、ゲ
ルタイムが17秒と実施例12と比較すると短かった。
水の蒸発を防止しつつ12日間20℃下で養生したホモ
ゲル1軸圧縮強度は1.22kgf/cm2であり実施例12
と同等であった。また離漿水発生率は11%であった。
【0145】実施例13 主剤として表2記載の調整直後の(b−2)溶液100
mlと、また別に3号水ガラスの20mlと水8Oml
からなる100mlの硬化剤液、との2液を用意した。
それぞれを23℃とした上でその2液を容積比で1:1
で混合した結果、ゲルタイムが27〜30秒であった。
水の蒸発を防止しつつ12日間20℃下で養生したホモ
ゲル1軸圧縮強度は1.2kgf/cm2とほぼ前記比較例8
のホモゲル強度と大差ないものであった。また実施例1
3のホモゲル体の離漿物性は比較例8ホモゲル体よりも
約45%程緩和される結果を同時に得た。
【0146】実施例14 主剤として表2記載の調整直後の(b−2)溶液100
mlと、また別に3号水ガラスの10mlとアルミン酸
ソーダとして浅田化学製品SA−2019(Al23
20%,Na2O;19%)の10mlと水80mlか
らなる100mlの硬化剤液、との2液を用意した。そ
れぞれを23℃とした上でその2液を容積比で1:1で
混合した結果、ゲルタイムが23〜25秒であった。水
の蒸発を防止しつつ12日間20℃下で養生したホモゲ
ル1軸圧縮強度は1.2kgf/cm2とほぼ前記比較例8の
ホモゲル強度と大差ないものであった。しかし比較例8
よりも離漿水発生率が約40%程緩和される結果を同時
に得た。従って実施例14の薬液は、そのゲルタイム特
性から、瞬結型の1.5または2ショット対応型の溶液
型グラウト剤と位置付けられた。
【0147】実施例15 実施例14で用いたアルミン酸ソーダの10mlの代替
物として、試薬である硫酸ソーダの12部とした以外は
全く同様にして得た薬液組成物は、ゲルタイムが30秒
以内と瞬結であり、そのゲル物性もほぼ同様であった。
【0148】実施例16 実施例14で用いたアルミン酸ソーダの10mlの代替
物として、試薬であるピロ燐酸カリウムの20部とした
以外は全く同様にして得た薬液組成物は、ゲルタイムが
20秒以内と瞬結であった。
【0149】実施例17 主剤として表2記載の調整直後の(b−3)溶液100
mlと、また別に4号水ガラスの50mlとチオ尿素の
3部と残り水道水とからなる100mlの硬化剤液、と
の2液を用意した。それぞれを23℃とした上でその2
液を容積比で1:1で混合した結果、ゲルタイムが1分
以内と瞬結型の挙動を示した。水の蒸発を防止しつつ1
5日間20℃下で養生したサンドゲルの1軸圧縮強度は
1.5kgf/cm2で実用強度を満足するものであった。離
漿性はほとんど観察されず0%であった。
【0150】実施例18 実施例1に記載の主剤と硬化剤の各液200リットルを
1m3容量のタンクに注ぎ液温を5℃とした。ただし注
入開始20分前に主剤液に対し硬化剤液を全量添加配合
した。主剤液と硬化剤液との混合は添加後、スクリュウ
ー型電動攪拌機で毎分30回転で連続とした。その土質
安定化剤を混合2分後から、定量送液ポンプを介して、
いわゆる1ショット方式にて、先端部に0.5mm直径
のノズル孔を5ケ有した長さ1mの直径2インチ単管か
らなる注入管から5℃雰囲気の空気中に定量吐出させ
た。吐出量は18L/分とした。以上の試験の結果、実
施例1の土質注入改良剤はスムーズかつ安定した現場注
入作業が可能である事が確認された。
【0151】実施例19 実施例3に記載の主剤と硬化剤の各液200リットルを
別々の300L容量に用意し液温を5℃とした。その主
剤液と硬化剤液を定量ポンプを介して容量比で1:1と
なる様に送液すると共に2重管からなるグラウト注入管
の取り付け部へそれぞれ供給させ、その吐出先端部近傍
で2液を衝突混合させると同時に外部へ定量吐出させ
た。前記2ショット方式にて吐出された薬液は吐出後1
0秒以内にはゲル化している事が認められると共に、吐
出作業は何等支障なく全量行なう事が出来た。
【0152】燐酸の中和曲線は第1変曲点がPH値で4
〜6にあり、第2変曲点がPH値で9〜10に在ること
が公知である。その事から比較例3のグラウト薬剤中に
は燐酸の使用量に応じた第2燐酸ナトリウム・12水塩
ないし第3燐酸ナトリウム・12水塩の生成が理論付け
される。日本化学会発行編者、昭和59年6月25日発
行の化学便覧基礎編・改定3版のII−173に明らかな
様に、第2燐酸ナトリウム・12水和物の水100gに
対する飽和溶解度が記載されており、その値は0℃で
1.58g、10℃で3.48g、20℃で7.15g
とされる。すなわち、該第2燐酸塩は0℃で0.04モ
ル/Lが飽和濃度と算出でき、5℃では0.06モル/
L、10℃では0.09モル/Lが飽和濃度であること
が判る。
【0153】ところで比較例3ではその燐酸の使用量か
ら、100%の確率で該第2燐酸塩水和物が生成すると
仮定するとおおよそ0.194モル/L(5℃)の存在
濃度と算出され、前記公知の値の約3倍強に相当し、か
なりの過飽和系である事が判る。また50%の確率で該
第2燐酸塩水和物が生成すると仮定して存在量を計算す
るとおおよそ0.097モル/L(5℃)の存在濃度と
算出され、前記公知の値の約1.5倍強に相当し、やは
り過飽和系が成立している事が判る。これらの計算結果
と沈殿物の成分の解析結果とを考え合せると、比較例3
の実験事実は極めて妥当な挙動であると言える。
【0154】一方、実施例7や実施例8に示された本発
明の長結型に対応可能なグラウト薬液は、比較例3と対
比させて見ると、5℃−冬場の液安定性がきわめて良好
である事が明瞭である。すなわち、実施例7や実施例8
で代表される1ショット対応可能な長結型の本発明の溶
液型グラウト剤は、結果として燐酸ナトリウム塩複塩結
晶の析出を何らかの作用効果で抑制しており、低温下の
地盤注入液の現場調整作業や同注入作業安定性を完全に
確保していることが明確である。実施例1〜17から
は、尿素化合物の存在によってあきらかに低温安定性に
効果が認められる他、ゲルタイム特性に於いて優れた特
徴が見られ、従来になく、より高強度な水ガラス主剤型
の固結ゲル体を与えることが出来るのは明らかである。
【0155】
【発明の効果】本発明の溶液型グラウト剤は、前記実施
例及び比較例によって明らかなように、本発明の主要な
解決すべき課題を同時にすべて満足させる事が出来る事
が明確になったものである。本発明の溶液型グラウト剤
は、1年間を通じて液温の季節変動に対して優れた溶液
安定性とその注入作業性が確保されているため、夏冬に
関係無く現場で安定して使用可能であり、各種の液刺激
に対して液安定性が長時間確保された新規な組成物であ
る。さらに、低温下の薬液安定性が確保され、経済性で
優位な1ショット方式で確実に地盤注入を可能とし、か
つアルカリ水ガラスの中和率が高い割にゲル化時間を延
長可能で高強度で耐久性に富む固結体が得られる。また
本発明の溶液型グラウト剤を用いれば、軟弱地盤の強化
安定化、地下水の止水機能に有効な溶液型グラウト剤で
あることは特に実施例をあげなくとも極めて明らかであ
る。また同時に、該溶液型グラウト剤を用いて、1年間
を通じた液温の季節変動に対して優れた溶液安定性とそ
の注入作業性が確保された地盤注入改良工法が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 24:12 22:16) 111:70 C09K 103:00

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2/Na2O及び/またはSiO2
    /K2Oで表されるモル比が1.5〜4.5にあるアル
    カリ水ガラスと燐酸と尿素及び/または水溶性の尿素誘
    導体とを含有し、その有効成分の総合計濃度で5〜40
    重量%の範囲にある水溶液であり、該水溶液調整直後の
    pH値が1.5〜12.0の範囲にあることを特徴とす
    る溶液型グラウト剤。
  2. 【請求項2】 燐酸:尿素及び/または水溶性の尿素誘
    導体で表される構成モル比が(1:0.1)〜(1:
    3)の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の溶液
    型グラウト剤。
  3. 【請求項3】 燐酸と尿素及び/または水溶性の尿素誘
    導体とを作用させて、燐酸:尿素及び/または水溶性の
    尿素誘導体で表される付加モル比率が(1:0.1)〜
    (1:3)の範囲にある燐酸−尿素アダクト体を形成さ
    せた後、該燐酸−尿素アダクト体をアルカリ水ガラスと
    共に使用することを特徴とする請求項1または2記載の
    溶液型グラウト剤。
  4. 【請求項4】 溶液型グラウト剤が下記の主剤液Aと硬
    化剤液Bとからなる1液または2液型の溶液型グラウト
    剤であり、その主剤液A、硬化剤液Bのいずれか一方ま
    たは両液に対し、合計で、尿素及び/または水溶性の尿
    素誘導体を燐酸1モルに対し0.1〜3モルの範囲とな
    るように配合し、最終的に主剤液と硬化剤液との配合容
    量比が(0.5:1)〜(1:0.5)の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の溶液型グラウト
    剤。主剤液Aが、SiO2/Na2O及び/またはSiO
    2/K2Oで表されるモル比で2.45〜4.5の範囲に
    あるアルカリ水ガラスを含有してなり、その固形分が
    7.5〜65重量%の範囲にある水溶液、硬化剤液B
    が、該硬化剤液Bと主剤液Aとを上記割合で混合した時
    に、アルカリ水ガラス成分中のNa2O及び/またはK2
    Oで表される総アルカリ分の20〜300モル%に相当
    する量の燐酸を含有して成る水溶液。
  5. 【請求項5】 溶液型グラウト剤が下記の主剤液Cと硬
    化剤液Dとからなる1液または2液型の溶液型グラウト
    剤であり、その主剤液C、硬化剤液Dのいずれか一方ま
    たは両液に対し、合計で、尿素及び/または水溶性の尿
    素誘導体を燐酸1モルに対し0.1〜3モルの範囲とな
    るように配合し、最終的に主剤液と硬化剤液との配合容
    量比が(0.5:1)〜(1:0.5)の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の溶液型グラウト
    剤。主剤液Cが、全アルカリ水ガラス使用量の20〜9
    9重量%相当分のアルカリ水ガラスと燐酸とからなり、
    該主剤液Cの溶液pH値が0.1〜5の範囲であり、か
    つその固形分が7.5〜45重量%の範囲にある酸性水
    ガラス水溶液、硬化剤液Dが、上記主剤液Cで使用した
    分の残り、すなわち全アルカリ水ガラス使用量の1〜8
    0重量%相当分のアルカリ水ガラスと、アルミン酸ナト
    リウム、硫酸ナトリウム、ピロ燐酸アルカリ金属塩から
    選ばれた1種の25〜0重量%とを含有してなる水溶
    液。
  6. 【請求項6】 溶液型グラウト剤が、アルカリ水ガラス
    を固形分で5〜25重量%の範囲で含有していることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶液型グラ
    ウト剤。
  7. 【請求項7】 アルカリ水ガラスが、SiO2/Na2
    で表されるモル比で3.0〜3.5の範囲の珪酸ソーダ
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の溶液型グラウト剤。
  8. 【請求項8】 水溶性の尿素誘導体が、モノメチロール
    尿素、ジメチロール尿素、チオ尿素、モノメチロールチ
    オ尿素、ジメチロールチオ尿素から選ばれた1種または
    2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれかに記載の溶液型グラウト剤。
  9. 【請求項9】 溶液型グラウト剤が、該剤の調整直後の
    pH値が10〜11.8の範囲またはpH値2〜5の範
    囲のいずれかであることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかに記載の溶液型グラウト剤。
  10. 【請求項10】 燐酸が、脱フッ素化された粗燐酸であ
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の溶
    液型グラウト剤。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の溶
    液型グラウト剤における燐酸の酸分の1〜50%相当量
    を燐酸以外の無機酸で置き換えたことを特徴とする溶液
    型グラウト剤。
  12. 【請求項12】 無機酸が、硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸
    から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とす
    る請求項11記載の溶液型グラウト剤。
  13. 【請求項13】 溶液型グラウト剤を注入管を介して地
    盤に加圧しながら注入し浸透固結させて地盤を強化安定
    させる工法であって、請求項1〜12のいずれかに記載
    の溶液型グラウト剤を用いて1ショット方式で注入する
    ことを特徴とする地盤注入改良工法。
  14. 【請求項14】 溶液型グラウト剤を注入管を介して地
    盤に加圧しながら注入し浸透固結させて地盤を強化安定
    させる工法であって、請求項1〜12のいずれかに記載
    の2液型の溶液型グラウト剤を用いて1.5ショットま
    たは2ショット方式で注入することを特徴とする地盤注
    入改良工法。
  15. 【請求項15】 溶液型グラウト液を注入管を介して地
    盤に加圧しながら注入し浸透固結させて地盤を強化安定
    させる工法であって、1液型でかつゲルタイムが短くと
    も20分以上である請求項1〜12のいずれかに記載の
    溶液型グラウト剤と、ゲルタイムが長くとも1分以内で
    ある水ガラス系グラウト剤とを、適宜複相注入させて均
    一かつ高強度な地盤改良を行なうことを特徴とする地盤
    注入改良工法。
  16. 【請求項16】 請求項4記載の溶液型グラウト剤を、
    事前にアルカリ水ガラスを水で希釈してなる主剤液及び
    燐酸を水で希釈してなる硬化剤液の2液を用意し、その
    2液のいずれか一方または両方の液に対し、尿素及び/
    または水溶性の尿素誘導体を合計で、グラウト剤中での
    構成比率が、燐酸:尿素及び/または水溶性の尿素誘導
    体で表されるモル比で(1:0.1)〜(1:3)の範
    囲となるように添加配合することを特徴とする溶液型グ
    ラウト剤の調整方法。
  17. 【請求項17】 請求項5記載の溶液型グラウト剤を、
    アルカリ水ガラスの一部を一端所定量の燐酸にてpH値
    で0.1〜5の範囲の酸性水ガラス溶液としたものを主
    剤液とし、一方硬化剤液として該主剤液で使用した以外
    の残りのアルカリ水ガラスと必要に応じてアルミン酸ナ
    トリウム、硫酸ナトリウム、ピロ燐酸アルカリ金属塩か
    ら選ばれた1種の0〜25重量%を含有してなる水溶液
    とし、その2液のいずれか一方または両方に対し、尿素
    及び/または水溶性の尿素誘導体を合計で、グラウト剤
    中での構成比率が、燐酸:尿素及び/または水溶性の尿
    素誘導体で表されるモル比で(1:0.1)〜(1:
    3)の範囲となるように添加配合することを特徴とする
    溶液型グラウト剤の調整方法。
  18. 【請求項18】 請求項1又は2記載の溶液型グラウト
    剤を、所定量のアルカリ水ガラスと所定量の燐酸とをそ
    れぞれ含有してなる水溶液を得た後、直ちに必要量の尿
    素及び/または水溶性の尿素誘導体を添加溶解させて1
    液として得られたものであることを特徴とする溶液型グ
    ラウト剤の調整方法。
  19. 【請求項19】 溶液型グラウト剤が、アルカリ水ガラ
    スを固形分で5〜25重量%の範囲で含有していること
    を特徴とする請求項16〜18のいずれかに記載の溶液
    型グラウト剤の調整方法。
  20. 【請求項20】 アルカリ水ガラスが、SiO2/Na2
    Oで表されるモル比で3.0〜3.5の範囲の珪酸ソー
    ダであることを特徴とする請求項16〜19のいずれか
    に記載の溶液型グラウト剤の調整方法。
  21. 【請求項21】 水溶性の尿素誘導体が、モノメチロー
    ル尿素、ジメチロール尿素、チオ尿素、モノメチロール
    チオ尿素、ジメチロールチオ尿素から選ばれた1種また
    は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項16
    〜20のいずれかに記載の溶液型グラウト剤の調整方
    法。
  22. 【請求項22】 溶液型グラウト剤が、該剤の調整直後
    のpH値が10〜11.8の範囲またはpH値2〜5の
    範囲のいずれかであることを特徴とする請求項16〜2
    1のいずれかに記載の溶液型グラウト剤の調整方法。
  23. 【請求項23】 燐酸が、脱フッ素化された粗燐酸であ
    ることを特徴とする請求項16〜22のいずれかに記載
    の溶液型グラウト剤の調整方法。
  24. 【請求項24】 請求項16〜23のいずれかに記載の
    溶液型グラウト剤における燐酸の酸分の1〜50%相当
    量を燐酸以外の無機酸で置き換えたことを特徴とする溶
    液型グラウト剤の調整方法。
  25. 【請求項25】 無機酸が、硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸
    から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とす
    る請求項24記載の溶液型グラウト剤の調整方法。
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