JPH10110069A - 耐金属劣化性に優れた樹脂組成物 - Google Patents

耐金属劣化性に優れた樹脂組成物

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JPH10110069A
JPH10110069A JP28459196A JP28459196A JPH10110069A JP H10110069 A JPH10110069 A JP H10110069A JP 28459196 A JP28459196 A JP 28459196A JP 28459196 A JP28459196 A JP 28459196A JP H10110069 A JPH10110069 A JP H10110069A
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義邦 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエー
テル系樹脂を含む組成物の耐金属劣化性としての耐熱ク
リープ性および耐衝撃性を著しくを改善した樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 (a)ポリプロピレン樹脂1〜99重量
%と、(b)置換アルキルフェノールをモノマー成分と
して酸化重合して得られるポリフェニレンエーテル樹脂
が、ポリフェニレンエーテル樹脂に化学結合したアミン
化合物およびポリフェニレンエーテル樹脂に結合しない
フリーのアミン化合物からなるアミノ型窒素の全窒素を
50ppm以上含有するポリフェニレンエーテル樹脂組
成物99〜1重量%、および上記(a)、(b)成分の
合計量100重量部に対して(c)混和剤1〜100重
量部を加熱溶融混練して得られる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気・電子分野、自
動車分野、その他の各種工業材料分野で利用できる耐金
属劣化性、耐熱クリープ性、耐水蒸気透過性および耐油
性、耐薬品性、耐熱性、耐衝撃性に優れた樹脂組成物に
関し、さらに具体的にはリチウム金属電池、リチウムイ
オン電池(以下リチウム電池と略称する)、ニッケル−
水素電池、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池などの二次電池の
電槽(容器)用材料として特に好適に用いられる樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂は、軽量でかつ成形
加工性、耐水性、耐油性、耐酸性、耐アルカリ性などに
優れた特性を有しているものの、銅(銅イオン発生化合
物も含む)、その他の遷移金属(遷移金属イオン発生化
合物も含む)と長時間接触することにより、これらの金
属(金属イオン)が触媒作用を示しポリプロピレン樹脂
が劣化し、外見的にはクラックの発生をおこしたり、樹
脂の機械的強度の低下をもたらすことが知られている。
【0003】このため、これら金属類(金属イオン類)
と接触する成型品用途においては、一般に銅害防止剤や
金属不活性化剤等の添加剤を配合する方法が従来より知
られているが、これらの添加剤は高価であったり、成形
加工時に成型品の表面にブリードアウトしたり、高温時
の長期耐金属劣化性などが十分でないのが現状である。
このため、特開平8−73677号公報には、プロピレ
ン系樹脂、ポリフェニレンエーテル、相溶化剤からなる
組成物が耐銅害性を改良する旨の提案がなされている。
【0004】さらに、ポリプロピレン樹脂は、耐熱性、
剛性、耐衝撃性に劣る欠点を有するため、ポリプロピレ
ン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂とを配合し、ポリ
プロピレン樹脂がマトリックスを形成し、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂が分散粒子を形成することにより、耐熱
性、剛性が改良された樹脂組成物となることが知られて
いる。かかる先行技術としては、例えば、米国特許第3
361851号公報明細書では、ポリフェニレンエーテ
ルをポリオレフィンとブレンドすることにより、耐溶剤
性、耐衝撃性を改良する提案がなされ、米国特許第43
83082号明細書およびヨーロッパ公開特許第115
712号明細書ではポリフェニレンエーテルをポリオレ
フィンおよび水添ブロック共重合体とブレンドすること
により耐衝撃性を改良するという記載がなされている。
【0005】また、特開昭63−113058号公報、
特開昭63−225642号公報、米国特許第4863
997号明細書、特開平3−72512号公報、特開平
4−183748号公報および特開平5−320471
号公報には、ポリオレフィン樹脂とポリフェニレンエー
テル樹脂からなる樹脂組成物の改質に特定の水添ブロッ
ク共重合体を配合し、耐薬品性、加工性に優れた樹脂組
成物が提案されている。さらに、特開平4−28739
号公報、特開平4−28740号公報においてはポリオ
レフィン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂および特定
の水添ブロック共重合体からなる樹脂組成物を特定の方
法で製造することにより、衝撃強度と剛性のバランスに
優れた樹脂組成物が得られる製造方法が提案されてい
る。
【0006】同様に、特開平7−166026号公報に
おいても特定の製造方法で得られる樹脂組成物が耐衝撃
性に優れた樹脂組成物をもたらす旨の提案がなされ、特
開平7−165998号公報においては、ポリオレフィ
ン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂からなる樹脂組成
物の改質に特定の水添ブロック共重合体を配合し、耐熱
性、耐衝撃性、成形性に優れた樹脂組成物が提案されて
いる。
【0007】また、本出願人は、特開平2−22556
3号公報、特開平3−185058号公報、特開平5−
70679号公報、特開平5−295184号公報、特
開平6−9828号公報、特開平6−16924号公
報、特開平6−57130号公報および特開平6−13
6202号公報においてポリフェニレンエーテル樹脂と
ポリオレフィン樹脂および特定の水添ブロック共重合体
からなる混和性、剛性と耐熱性に優れ、耐溶剤性に優れ
た樹脂組成物を提案した。
【0008】さらに、二次電池電槽(容器)用組成物に
関しては、特開平6−203814号公報、特開平8−
22811号公報およびヨーロッパ公開特許公報第06
91694号公報には、ポリフェニレンエーテル樹脂と
ポリスチレン樹脂からなる二次電池用電槽(容器)用組
成物が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらのポリプロピレ
ン樹脂のマトリックス中に混和剤を介してポリフェニレ
ンエーテル樹脂を分散粒子として含む樹脂組成物は、耐
油性、耐水性、耐熱性等に優れるものの、マトリックス
を構成するポリプロピレン樹脂が銅(銅イオン発生化合
物も含む)、その他の遷移金属(遷移金属イオン発生化
合物も含む)と接触する環境下においては化学的に劣化
する変化をもたらし、実用上、クリープ性能で示される
長期寿命が大幅に低下しているのが現状である。特に、
長時間にわたり加熱されたり、内外圧や荷重等の外的因
子を受ける場合、耐熱クリープ性能は顕著に悪化するた
め材料の寿命が短く、加温状態で銅(銅イオン発生化合
物も含む)、その他の遷移金属(遷移金属イオン発生化
合物も含む)と接触する環境下においては使用が実質的
に不可能であるのが現状である。
【0010】さらに、ポリフェニレンエーテル樹脂がマ
トリックスを構成する場合においては、ポリフェニレン
エーテル樹脂が銅(銅イオン発生化合物も含む)、その
他の遷移金属(遷移金属イオン発生化合物も含む)と接
触する環境下においては化学的に劣化する変化をもたら
し、耐衝撃性が著しく低下するのが現状である。本発明
は、従来の技術では達成することができなかった耐金属
劣化性に優れた樹脂組成物を提供することを課題とする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み、ポリプロピレン樹脂のマトリックス中に
ポリフェニレンエーテル樹脂の分散粒子が分散した構造
をもつ樹脂組成物に於て、マトリックスを構成するポリ
プロピレン樹脂の最大欠点である耐金属劣化性と耐熱ク
リープ性に関し鋭意検討を重ねた結果、特定のポリフェ
ニレンエーテル樹脂組成物を用いることにより、得られ
るポリプロピレン樹脂をマトリックスとする樹脂組成物
の耐金属劣化性で示される銅(銅イオン発生化合物も含
む)、その他の遷移金属(遷移金属イオン発生化合物も
含む)と接触する環境下における耐熱クリープ性を大幅
に改良し、かつ、耐熱性(荷重撓み温度:DTUL)、
耐油性、耐薬品性に優れた樹脂組成物をもたらすことを
見出し本発明を完成した。
【0012】さらに、本発明で特定のポリフェニレンエ
ーテル樹脂組成物を用いることにより、ポリフェニレン
エーテル樹脂のマトリックス中にポリプロピレン樹脂の
分散相をもつ樹脂組成物が、銅(銅イオン発生化合物も
含む)、その他の遷移金属(遷移金属イオン発生化合物
も含む)と接触する環境下における耐衝撃性を大幅に改
良することを見出し本発明を完成した。
【0013】また、本発明で特定のポリフェニレンエー
テル樹脂組成物を用いることにより、ポリプロピレン樹
脂のマトリックス中にポリフェニレンエーテル樹脂の分
散相ををもつ樹脂組成物が、銅(銅イオン発生化合物も
含む)、その他の遷移金属(遷移金属イオン発生化合物
も含む)と接触する環境下における耐熱クリープ性、耐
水蒸気透過性、耐熱性(荷重撓み温度:DTUL)、耐
溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性にも優れるため、二次電
池電槽(容器)として利用できることを見いだし本発明
を完成した。
【0014】すなわち、本発明は、(a)ポリプロピレ
ン樹脂、(b)置換アルキルフェノールをモノマー成分
として酸化重合して得られるポリフェニレンエーテル樹
脂が、ポリフェニレンエーテル樹脂に化学結合したアミ
ン化合物およびポリフェニレンエーテル樹脂に結合しな
いフリーのアミン化合物からなるアミノ型窒素の全窒素
を50ppm以上含有するポリフェニレンエーテル樹脂
組成物を加熱溶融混練して得られる耐金属劣化性に優れ
た樹脂組成物、さらには上記(a)、(b)成分と
(c)混和剤を加熱溶融混練して得られる耐金属劣化性
に優れた樹脂組成物に関するものである。
【0015】以下、本発明について詳述する。本発明の
樹脂組成物の(a)成分のポリプロピレン樹脂は、結晶
性プロピレンホモポリマーおよび、重合の第一工程で得
られる結晶性プロピレンホモポリマー部分と重合の第二
工程以降でプロピレン、エチレンおよび/もしくは少な
くとも1つの他のα−オレフィン(例えば、ブテン−
1、ヘキセン−1等)を共重合して得られるプロピレン
−エチレンランダム共重合体部分を有する結晶性プロピ
レン−エチレンブロック共重合体であり、さらにこれら
結晶性プロピレンホモポリマーと結晶性プロピレン−エ
チレンブロック共重合体の混合物であってもかまわな
い。
【0016】該ポリプロピレン樹脂は、通常、三塩化チ
タン触媒または塩化マグネシウムなどの担体に担持した
ハロゲン化チタン触媒等とアルキルアルミニウム化合物
の存在下に、重合温度0〜100℃の範囲で、重合圧力
3〜100気圧の範囲で重合して得られる。この際、重
合体の分子量を調整するために水素等の連鎖移動剤を添
加することも可能であり、また重合方法としてバッチ
式、連続式いずれの方法でも可能で、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の溶媒下での溶液
重合、スラリー重合等の方法も選択でき、さらには無溶
媒下モノマー中での塊状重合、ガス状モノマー中での気
相重合方法などが適用できる。
【0017】また、上記した重合触媒の他に得られるポ
リプロピレンのアイソタクティシティおよび重合活性を
高めるため、第三成分として電子供与性化合物を内部ド
ナー成分または外部ドナー成分として用いることができ
る。これらの電子供与性化合物としては公知のものが使
用でき、例えば、ε−カプロラクトン、メタクリル酸メ
チル、安息香酸エチル、トルイル酸メチルなどのエステ
ル化合物、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリブチル
などの亜リン酸エステル、ヘキサメチルホスホリックト
リアミドなどのリン酸誘導体などや、アルコキシエステ
ル化合物、芳香族モノカルボン酸エステルおよび/また
は芳香族アルキルアルコキシシラン、脂肪族炭化水素ア
ルコキシシラン、各種エーテル化合物、各種アルコール
類および/または各種フェノール類などが挙げられる。
【0018】本発明で用いるポリプロピレン樹脂は上記
した方法で得られるものであれば、いかなる結晶性や融
点を有するものでも単独で用いることができるが、得ら
れる樹脂組成物が耐熱材料として熱履歴を受け耐久性が
要求される場合は、異なる性質を有する2つのポリプロ
ピレン樹脂を特定範囲で配合したポリプロピレン樹脂を
用いることが最適である。
【0019】すなわち、本発明では、(a−1)パルス
NMRによる自由誘導減衰(FID)より求めたホモ−
ポリプロピレン部分の結晶相の割合が96%以上であ
り、融点が163℃以上である高結晶ポリプロピレン樹
脂と、(a−2)パルスNMRによる自由誘導減衰(F
ID)より求めたホモ−ポリプロピレン部分の結晶相の
割合が93〜96%未満であり、融点が155〜163
℃未満である中結晶ポリプロピレン樹脂を特定の範囲で
配合したポリプロピレン樹脂がよりよく用いられる。
(以下、(a−1)を高結晶ポリプロピレン、(a−
2)を中結晶ポリプロピレン、またこれらの配合物をポ
リプロピレン樹脂と略記する)。
【0020】本発明におけるホモ−ポリプロピレン部分
の結晶相の割合は、公知のパルスNMR法により、結晶
部と非晶部の異なる運動性を利用し、スピン−スピン緩
和に基づく90度パルス後の磁化変化である自由誘導減
衰(FID)より求めることができる。具体的には、固
体状態のポリプロピレンをパルスNMR(Bruker
社製PC−120)を用いて、温度40℃、プロトン共
鳴周波数20MHZ、パルス時間4μ秒、積算3回で測
定し、ソリッドエコー法で緩和時間の短い方のピークか
ら結晶相、非晶相と帰属し、結晶相をガウス型曲線で回
帰させ、非晶相をローレンツ型曲線で回帰させ、各々の
ピーク高さをSA1、SA2とし、R12={100×
(SA1−SA2)×F}÷{(SA1−SA2)×F
+SA2}より結晶相の比率を求めることができる。
【0021】なお、ここでR12は測定したホモ−ポリプ
ロピレン部分の結晶相の割合であり、Fは標準サンプル
のサラダオイルおよびポリメチルメタクリレートを用い
た場合の強度比から求まる補正係数である。この結晶相
の割合が93%未満であるポリプロピレンを含む組成物
は熱履歴後の靭性(伸び)に優れた樹脂組成物を与える
ものの、剛性、耐熱性(荷重撓み温度:DTUL)が低
くなる傾向にある。また、結晶相の割合が96%以上で
あるポリプロピレンを含む樹脂組成物は剛性が高く耐熱
性(荷重撓み温度:DTUL)が良いが、熱履歴後の靭
性(伸び)が小さくなる傾向にある。
【0022】また、本発明におけるホモ−ポリプロピレ
ン部分の結晶融点は、示差走査熱量計(DSC:パーキ
ンエルマー社製 DSC−2型)にて昇温速度20℃/
minおよび降温速度20℃/minで測定した融点の
値である。更に詳しく述べれば、まず、試料約5mgを
20℃で2分間保った後、20℃/minで230℃ま
で昇温させ230℃で2分間保った後、降温速度20℃
/minで20℃まで降温しさらに20℃で2分間保っ
た後、昇温速度20℃/minで昇温したときに現れる
吸熱ピークのトップピークの温度を融点として求めるこ
とができる。
【0023】この融点が155℃未満のポリプロピレン
では、マトリックスがポリプロピレン樹脂で構成される
樹脂組成物の熱履歴後の靭性(伸び)は優れるものの剛
性、耐熱性(荷重撓み温度:DTUL)が低くなる傾向
にある。また、融点が163℃以上のポリプロピレンで
は熱履歴後の剛性および耐熱性(荷重撓み温度:DTU
L)に優れた樹脂組成物を与えるが、熱履歴後の靭性
(伸び)が小さくなる傾向にある。
【0024】なお、本発明で用いるポリプロピレン樹脂
は、通常、メルトフローレート(MFR:ASTM D
1238に準拠し230℃、2.16Kgの荷重で測
定)が0.1〜100g/10分の範囲から選択できる
が、耐熱クリープ性を発現させるにはメルトフローレー
トが0.1〜5g/10分の範囲にあるポリプロピレン
樹脂を選択するのが重要である。
【0025】また、本発明で用いるポリプロピレン樹脂
は、上記したポリプロピレン樹脂の他に、該ポリプロピ
レン樹脂とα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
とをラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶
液状態で30〜350℃の温度下で反応させることによ
って得られる公知の変性(該α,β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体が0.01〜10重量%グラフトまた
は付加)ポリプロピレン樹脂であってもよく、さらに上
記したポリプロピレン樹脂と該変性ポリプロピレン樹脂
の任意の割合の混合物であってもかまわない。
【0026】また、(a)成分のポリプロピレン樹脂が
高結晶ポリプロピレンおよび中結晶ポリプロピレンを併
用する場合は、高結晶ポリプロピレン/中結晶ポリプロ
ピレンの割合はそれぞれ95/5〜10/90(重量
比)、好ましくは90/10〜70/30、さらに好ま
しくは90/10〜50/50の比率で用いられる。か
かる比率において、高結晶ポリプロピレンが95%を超
える場合は、得られるマトリックスがポリプロピレン樹
脂で構成される樹脂組成物の耐熱性(荷重撓み温度:D
TUL)、剛性は優れるものの、熱履歴(80℃×48
時間)後の靱性(伸び)が小さくなる傾向にある。ま
た、中結晶ポリプロピレンが90%を超える場合は、得
られるマトリックスがポリプロピレン樹脂で構成される
樹脂組成物の熱履歴(80℃×48時間)後の靱性(伸
び)の低下は顕著でないが、耐熱性(荷重撓み温度:D
TUL)、剛性が低くなる傾向を示す。
【0027】つぎに本発明で用いる(b)成分のポリフ
ェニレンエーテル樹脂組成物は、本発明の樹脂組成物
に、耐金属劣化性、耐熱性(荷重撓み温度:DTU
L)、耐熱クリープ性および難燃性を付与するうえで必
須な成分であり、置換アルキルフェノールをモノマー成
分として酸化カップリング重合して得られるポリフェニ
レンエーテル樹脂が、ポリフェニレンエーテル樹脂に化
学結合したアミン化合物(下式の式(1)および式
(2)の結合形態を示し、式(1)は脂肪族アミンがヘ
ッド末端のベンジル位に化学結合した構造であり、式
(2)は脂肪族アミンが主鎖中のベンジル位に化学結合
した構造である)およびポリフェニレンエーテル樹脂に
結合しないフリーのアミン化合物からなるアミノ型窒素
の全窒素を50ppm以上含有するポリフェニレンエー
テル樹脂組成物である。
【0028】
【化1】
【0029】
【化2】 (ここで、R1 およびR2 はそれぞれ炭素数1〜20の
アルキル基または置換アルキル基、アリール基、置換ア
リール基を表し、R3 は、水素、炭素数1〜4のアルキ
ル基、またはアリール基を表す。)
【0030】ポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、上
記の式(1)および式(2)から選ばれる少なくともひ
とつの化学構造を有するアミン化合物が結合したポリフ
ェニレンエーテル樹脂と、フリーのアミン化合物からな
るアミノ型窒素の全窒素を50ppm以上含有するポリ
フェニレンエーテル樹脂組成物であり、還元粘度(0.
5g/dl,クロロホルム溶液,30℃測定)が、0.
15〜0.70の範囲、より好ましくは0.20〜0.
60の範囲にあるポリフェニレンエーテル重合体および
/またはポリフェニレンエーテル共重合体(以下、単に
PPEと略記する)の組成物である。
【0031】このPPEを構成する置換アルキルフェノ
ール単量体の具体的な例としては、例えば2,6−ジメ
チルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、
2−メチル−6−エチルフェノール、2−メチル−6−
フェニルフェノール等が挙げられ、これら単量体は単独
で用いてもよく、二種以上の異なる置換アルキルフェノ
ール類を併用しても構わない。
【0032】かかるポリフェニレンエーテル樹脂組成物
の製造方法は、上記のアミン化合物が結合したポリフェ
ニレンエーテル樹脂と、フリーのアミン化合物からなる
アミノ型窒素の全窒素を50ppm以上含むポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物であれば特に限定されないが、
例えば、第二級アミン化合物の存在下で、上記のフェノ
ール化合物を酸化カップリング重合することにより製造
することができる。公知の製造方法としては、例えば、
米国特許第3306874号、同第3306875号、
同第3914266号、同第4028341号各明細書
や、特公昭52−17880号、特公昭60−5037
3号、特開昭50−51197号、特開昭52−892
号、特開昭63−152628号、特開平8−1577
08号各公報等に記載された方法で容易に製造できる。
【0033】すなわち、本発明で用いるポリフェニレン
エーテル樹脂組成物は上記のフェノール化合物、第二級
アミン化合物を含有した溶液に、触媒および必要に応じ
て助触媒を添加して激しく攪拌しながら酸素含有ガスを
供給して酸化カップリング重合を行い、重合後のポリマ
ー回収工程において洗浄を実施し、この際に、回収され
た全ポリマー中に、アミン化合物が結合したポリフェニ
レンエーテル樹脂とフリーのアミン化合物からなるアミ
ノ型窒素の全窒素を50ppm以上含むように調製する
ことができる。重合の際に用いる触媒としては、銅−ア
ミン錯体、マンガン−アミン錯体、コバルト−アミン錯
体、マンガン−アルコキシド錯体、その他の公知のフェ
ノール化合物の酸化カップリング重合に用いられる触媒
は全て使用できる。
【0034】また、重合の際に使用する第二級アミン化
合物としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−第二級−プロピルア
ミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−第二級−ブチルアミ
ン、ジ−第三級−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジ
ヘキシルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジ
エイコシルアミン、ジベンジルアミン、メチルエチルア
ミン、メチルブチルアミン、メチルシクロヘキシルアミ
ン、ヘプチルシクロヘキシルアミン、オクタデシルシク
ロヘキシルアミン等や、N−フェニルエタノールアミ
ン、N−(m−メチル)フェニルエタノールアミン、N
−(P−メチル)フェニルエタノールアミン、N−
(2’,6’−ジメチル)フェニルエタノールアミン、
【0035】N−(2’,4’,6’−トリメチル)フ
ェニルエタノールアミン、N−(m−メトキシ)フェニ
ルエタノールアミン、N−(P−クロロ)フェニルエタ
ノールアミン、N−(m−クロロ)フェニルエタノール
アミン、N−(o−クロロ)フェニルエタノールアミ
ン、N−(o−エチル)フェニルエタノールアミン、N
−(m−エチル)フェニルエタノールアミン、N−(p
−エチル)フェニルエタノールアミン等や、N−メチル
アニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリ
ン、N−ブチルアニリン、N−メチル−2−メチルアニ
リン、N−メチル−2,6−ジメチルアニリン、N−メ
チル−2,4,6−トリメチルアニリン、N−ナフチル
アニリン、ジフェニルアニリン等が挙げられる。
【0036】本発明で用いるポリフェニレンエーテル樹
脂組成物は、上記した成分を用いて酸化カップリング重
合後、重合溶液は通常、塩酸、酢酸等の酸類や、EDT
A(エチレンジアミンテトラ四酢酸)、およびその誘導
体(カリウム等の金属塩も含む)等を重合溶液に添加し
て触媒を失活させた後、生成した重合体を析出させ、メ
タノール等のアルコール類で洗浄後、乾燥し、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂組成物をパウダー状で回収すること
ができ、さらにはこのパウダー状ポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物を押出機などで溶融混練しペレット状とし
て得ることができる。
【0037】しかしながら、本発明の(b)成分として
用いるポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、上記した
重合方法および回収方法によって得られるPPEを含む
組成物であるが、前記の式(1)および式(2)のアミ
ン化合物が化学結合したポリフェニレンエーテル樹脂の
他に、上記した重合触媒の金属−アミン錯体を合成する
際に用いられるベースとしての第三級脂肪族アミン(例
えば、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジ
アミノプロパンや、n−ブチル−ジメチルアミン等)の
重合後に残留するアミン化合物や、重合過程で式(1)
および式(2)を合成する際に添加した第二級アミン化
合物の重合後に残留するフリーのアミン化合物や、重合
後の回収洗浄工程で必要により失活剤として用いたED
TA(エチレンジアミンテトラ四酢酸)、およびその誘
導体(カリウム等の金属塩も含む)等のフリーのアミン
化合物からなるアミノ型窒素の全窒素を50ppm以
上、好ましくは100ppm以上、より好ましくは30
0ppm以上含有するポリフェニレンエーテル樹脂組成
物となるように調製されたものである。
【0038】特に、上記したPPEの重合後に残留する
フリーのアミン化合物からなるアミノ型窒素含有量は、
かかるPPE重合時に添加する第二級アミン化合物、第
三級脂肪族アミンの添加量、重合後の洗浄工程で抽出す
るフリーのアミン化合物からなるアミノ型窒素化合物の
量などを調整することにより制御することができる。そ
してアミノ型窒素の全窒素含有量が50ppmに満たな
い場合は、本発明で得られる樹脂組成物の耐金属劣化性
の改良効果は見られず好ましくない。
【0039】ちなみに、本願発明の樹脂組成物は、かか
るアミノ型窒素の全窒素含有量を50ppm以上含有す
るポリフェニレンエーテル樹脂組成物を使用するため、
ポリプロピレン樹脂をマトリックスとした樹脂組成物に
おいて耐熱クリープ性保持率が80%以上となる耐金属
劣化性の効果を与え、また、ポリフェニレンエーテル樹
脂がマトリックスを構成する樹脂組成物においても、耐
衝撃性保持率が80%以上となる耐金属劣化性の効果を
与える。
【0040】かかるポリフェニレンエーテル樹脂組成物
中に含まれるポリフェニレンエーテル樹脂に化学結合し
たアミン化合物およびポリフェニレンエーテル樹脂に結
合しないフリーのアミン化合物からなるアミノ型窒素の
全窒素含有量を知る方法としては、例えば微量窒素分析
装置(TN−10:三菱化学(株)製)を用いて、加熱
炉温度900℃、キャリアガスとしてアルゴンガス、燃
焼ガスとして酸素ガスを使用して測定することが出来る
が、この装置に特に限定されるものではない。
【0041】また、本発明で用いる(b)ポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物は上記したポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物のほかに、このポリフェニレンエーテル樹
脂組成物100重量部に対してポリスチレン、高衝撃ポ
リスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ゴム補
強したシンジオタクチックポリスチレンを500重量部
を超えない範囲(最も好ましくは200重量部以下)で
加えたものも好適に用いることができるが、かかるアミ
ノ型窒素の全窒素含有量が、これらの加える樹脂+ポリ
フェニレンエーテル樹脂組成物に対して50ppm以上
含有するように調整する必要がある。
【0042】つぎに本発明で用いる(c)混和剤は、上
記した(a)ポリプロピレン樹脂と(b)ポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物を加熱溶融混練し、(a)ポリプ
ロピレン樹脂、(b)成分のポリフェニレンエーテル樹
脂のいずれかの樹脂成分を分散相として安定に分散させ
る能力があるものであれば何ら限定されずに混和剤とし
て使用できる。
【0043】かかる混和剤としては、例えば、(d)水
添ブロック共重合体、(e)ポリプロピレン−ポリスチ
レングラフト(ブロック)共重合体(これはポリスチレ
ン分子鎖にポリプロピレン分子鎖が化学結合して得られ
るブロック(グラフト)共重合体)や、(f)ポリプロ
ピレン−ポリフェニレンエーテルグラフト(ブロック)
共重合体(これはポリフェニレンエーテル分子鎖にポリ
プロピレン分子鎖が化学結合して得られるブロック(グ
ラフト)共重合体)や、その他にポリフェニレンエーテ
ル分子鎖にエチレンとα−オレフィン共重合体エラスト
マー分子鎖が化学結合して得られるブロック(グラフ
ト)共重合体、ポリスチレン分子鎖にエチレンとα−オ
レフィン共重合体エラストマー分子鎖が化学結合して得
られるブロック(グラフト)共重合体などが挙げられ、
これらの中から1種以上の共重合体が(c)混和剤とし
て利用できる。これら(c)混和剤の中で、より具体的
な最も好ましい混和剤として、水添ブロック共重合体
(d)が挙げられる。
【0044】この混和剤で最も好ましい(d)成分の水
添ブロック共重合体は、上記したポリプロピレン樹脂、
ポリフェニレンエーテル樹脂のいずれかの成分をマトリ
ックスとし、他の成分を分散粒子化させるための分散剤
として作用し、さらには得られる樹脂組成物に耐衝撃性
を付与するものであり、共役ジエン化合物のビニル結合
量(1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合量の合計
量)が30〜95%である共役ジエン化合物を主体とす
る少なくとも1個の重合体ブロックBとビニル芳香族化
合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと
からなるブロック共重合体を80%以上水素添加してな
る水添ブロック共重合体である。
【0045】この水添ブロック共重合体は、例えばA−
B型、A−B−A型、B−A−B−A型、(A−B−)
n −X型(ここでnは1以上の整数、Xは四塩化ケイ
素、四塩化スズなどの多官能カップリング剤の反応残基
または多官能性有機リチウム化合物等の開始剤の残基を
示す。)、A−B−A−B−A型等のブロック単位が結
合した構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化
合物ブロック共重合体の水素添加物であり、ブロック共
重合体中に結合したビニル芳香族化合物を27〜80重
量%、好ましくは33〜80重量%、さらに好ましくは
45〜70重量%含むものである。この水添ブロック共
重合体のヤング率は250〜7000Kg/cm2 の値
を示し、ヤング率は結合したビニル芳香族化合物量に依
存する。
【0046】さらにブロック構造に言及すると、共役ジ
エン化合物を主体とする重合体ブロックBとは、共役ジ
エン化合物のホモ重合体ブロックまたは、共役ジエン化
合物を50重量%を超え好ましくは70重量%以上含有
する共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合
体ブロックの構造を有しており、そしてビニル芳香族化
合物を主体とする重合体ブロックAとは、ビニル芳香族
化合物のホモ重合体ブロックまたは、ビニル芳香族化合
物を50重量%を超え好ましくは70重量%以上含有す
るビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体
ブロックの構造を有するものである。
【0047】また、これらの共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックB、ビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAは、それぞれの重合体ブロックにお
ける分子鎖中のビニル芳香族化合物または共役ジエン化
合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモ
ノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック
状またはこれらの任意の組み合わせで成っていてもよ
く、該共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB
および該ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロッ
クAがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロック
はそれぞれ同一構造であってもよく、異なる構造であっ
てもよい。
【0048】すなわち、該共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックについて言及すると、本発明で用いる
水添ブロック共重合体は、共役ジエン化合物を主体とす
る少なくとも1個の重合体ブロックBがその水添する前
の共役ジエン化合物のビニル結合量が30〜95%の中
から選ばれる単一のビニル結合量であってもよく、例え
ばビニル結合量が30〜55%である共役ジエン化合物
を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBと、ビ
ニル結合量が55%を超え95%以下である共役ジエン
化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB
を併せて含有する水添ブロック共重合体であってもよ
い。
【0049】このブロック共重合体Bを構成する共役ジ
エン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン等のうちから1種または2種以上が選ば
れ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み
合わせが好ましい。そして共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBは、そのブロックにおけるミクロ構
造(共役ジエン化合物の結合形態)が、例えばブタジエ
ンを主体とする重合体ブロックBにおいては1,2−ビ
ニル結合が30〜95%であり、また、イソプレンを主
体とする重合体ブロックBにおいても、1,2−ビニル
結合と3,4−ビニル結合の合計量が30〜95%であ
る。
【0050】また、ブタジエンとイソプレンを共重合し
て得られる重合体ブロックBのビニル結合は1,2−ビ
ニル結合と3,4−ビニル結合の合計量が30〜95%
である。これらの共役ジエン化合物の結合形態は通常、
赤外分光光度計やNMR等で知ることができる。また、
重合体ブロックAを構成するビニル芳香族化合物として
は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、p−tert−ブチルスチレン、ジフェニルエ
チレン等のうちから1種または2種以上が選択でき、中
でもスチレンが好ましい。
【0051】また、上記の構造を有するブロック共重合
体の数平均分子量は5,000〜1,000,000の
範囲であり、分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)の比〕は10以下であるが、本発明の
樹脂組成物の効果である耐熱クリープ性を発揮させるに
は該ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA
の数平均分子量は15000以上、より好ましくは20
000以上となるように設計されたブロック共重合体が
最適な実施態様である。さらに、このブロック共重合体
の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれら
の任意の組み合わせのいずれであってもよい。
【0052】このような構造を持つブロック共重合体
は、上記したブロック共重合体の共役ジエン化合物を主
体とする重合体ブロックBの脂肪族系二重結合を水素添
加した水添ブロック共重合体(ビニル芳香族化合物−共
役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物)として
本発明の(d)成分として用いることができる。かかる
脂肪族系二重結合の水素添加率は80%以上である。そ
して、この水素添加率は通常、赤外分光光度計やNMR
等によって知ることができる。
【0053】また、本発明の(d)成分の水添ブロック
共重合体は、上記した水添ブロック共重合体の構造を有
するものであるが、本発明の樹脂組成物を製造する上
で、水添する前の共役ジエン化合物のビニル結合量が3
0〜55%である共役ジエン化合物を主体とする少なく
とも1個の重合体ブロックBとビニル芳香族化合物を主
体とする少なくとも1個の重合体ブロックAよりなるブ
ロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合
体と、水添する前の共役ジエン化合物のビニル結合量が
55%を超え80%以下である共役ジエン化合物を主体
とする少なくとも1個の重合体ブロックBとビニル芳香
族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロック
Aよりなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブ
ロック共重合体の二種に分類される。
【0054】この水添前の共役ジエン化合物の異なるビ
ニル結合量で二種に分類される水添ブロック共重合体の
中には、各々、さらに水添する前の共役ジエン化合物の
ビニル結合量が5〜30%未満である共役ジエン化合物
を主体とする1個の重合体ブロックB’を併せ持ち、か
つ、該共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの
比率がB/B’=99/1〜50/50(重量比)であ
り、さらにビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも
1個の重合体ブロックAよりなるブロック共重合体を水
素添加してなる水添ブロック共重合体も含まれる。
【0055】これらの構造は、例えば、B’−B−A
型、B’−A−B−A型、B’−A−B−A−B型
(B’−A−B−)n −X型(ここでnは1以上の整
数、Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ等の多官能カップリ
ング剤の反応残基または多官能性有機リチウム化合物等
の開始剤の残基を示す)等のブロック単位が結合した構
造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロ
ック共重合体の水素添加物であり、これらの構造を持つ
水添ブロック共重合体の分類は、主たる重合体ブロック
Bの共役ジエン化合物のビニル結合量で二種に分類され
たいずれかに帰属する。なお、上記した水添ブロック共
重合体における共役ジエン化合物を主体とする重合体ブ
ロックBまたはB’の数平均分子量は1000以上、好
ましくは5000以上となるように設計されたブロック
共重合体である。
【0056】これらの上記した(d)成分の水添ブロッ
ク共重合体は、上記した構造を有するものであればどの
ような製造方法で得られるものであってもかまわない。
公知の製造方法の例としては、例えば、特開昭47−1
1486号公報、特開昭49−66743号公報、特開
昭50−75651号公報、特開昭54−126255
号公報、特開昭56−10542号公報、特開昭56−
62847号公報、特開昭56−100840号公報、
英国特許第1130770号、米国特許第328138
3号および同第3639517号各明細書に記載された
方法や英国特許第1020720号、米国特許第333
3024号および同第4501857号各明細書に記載
された方法がある。
【0057】また、本発明で用いる(d)成分の水添ブ
ロック共重合体は、上記した水添ブロック共重合体のほ
かに、該水添ブロック共重合体とα,β−不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体(エステル化合物や酸無水物化合
物)とをラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状
態、溶液状態、スラリー状態で80〜350℃の温度下
で反応させることによって得られる変性(該α,β−不
飽和カルボン酸またはその誘導体が0.01〜10重量
%グラフトまたは付加)水添ブロック共重合体であって
もよく、さらに上記した水添ブロック共重合体と該変性
水添ブロック共重合体の任意の割合の混合物であっても
かまわない。
【0058】本発明の樹脂組成物は、主とする樹脂成分
がポリプロピレン樹脂1〜99重量%、ポリフェニレン
エーテル樹脂組成物99〜1重量%で構成されるが、最
も好ましい態様は、上記した(a)成分のポリプロピレ
ン樹脂を3〜95重量%、(b)置換アルキルフェノー
ルをモノマー成分として酸化重合して得られるポリフェ
ニレンエーテル樹脂が、ポリフェニレンエーテル樹脂に
化学結合したアミン化合物およびポリフェニレンエーテ
ル樹脂に結合しないフリーのアミン化合物からなるアミ
ノ型窒素の全窒素を50ppm以上含有するポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物97〜5重量%、この(a)、
(b)成分の合計100重量部に対して、(d)水添ブ
ロック共重合体1〜50重量部からなる成分を加熱溶融
混練して得られる樹脂組成物である。
【0059】以下、本発明の樹脂組成物の製造方法につ
いて説明する。本発明の樹脂組成物を工業的に容易に得
る方法として最も好ましい実施態様としては、上記した
各成分を溶融混練するための溶融混練機が、ニーディン
グブロックをスクリューの任意の位置に組み込むことが
可能な二軸以上の多軸押出機であり、用いるスクリュー
の全ニーディングブロック部分を実質的に(L/D)≧
1.5、さらに好ましくは(L/D)≧5(ここでL
は、ニーディングブロックの合計長さ、Dはニーディン
グブロックの最大外径をあらわす)に組み込み、かつ、
(π・D・N/h)≧50(ここで、π=3.14、D
=メタリングゾーンに相当するスクリュー外径、N=ス
クリュー回転数(回転/秒)、h=メタリングゾーンの
溝深さ)を満たす必要がある。
【0060】これらの押出機は、原料の流れ方向に対し
上流側に第一原料供給口、これより下流に第二原料供給
口を少なくとも有し、必要に応じ、第二原料供給口より
下流にさらに1つ以上の原料供給口を設けても良く、さ
らに必要に応じこれら原料供給口の間に真空ベント口を
設けても良い。
【0061】本発明の樹脂組成物を製造する方法で、基
本となる原料供給方法は、第一原料供給口より(b)成
分のポリフェニレンエーテル樹脂組成物全量または
(b)成分のポリフェニレンエーテル樹脂組成物全量と
(a)成分のポリプロピレン樹脂全量の50%を超えな
い範囲の一部の(a)成分のポリプロピレン樹脂を併せ
て供給し、第二原料供給口より(a)成分のポリプロピ
レン樹脂全量または第一原料供給口へ分配した残部の
(a)成分のポリプロピレン樹脂を供給する押出方法
や、第一原料供給口より(b)成分のポリフェニレンエ
ーテル樹脂組成物全量と(a)成分のポリプロピレン樹
脂全量を併せて供給することができる。
【0062】また(d)成分の水添ブロック共重合体
は、特に、水素添加する前の共役ジエン化合物のビニル
結合量が55%以下である共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックが共役ジエン化合物を主体とする全重
合体ブロックに対して50%以上有する場合は、かかる
(d)水添ブロック共重合体を第一原料供給口と第二原
料供給口に分割して供給する方法が最適であり、また、
水素添加する前の共役ジエン化合物のビニル結合量が5
5%を超える共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックが共役ジエン化合物を主体とする全重合体ブロック
に対して50%以上有する場合は、かかる(d)水添ブ
ロック共重合体を第一原料供給口へ全量供給する方法が
最適である。
【0063】なお、通常、押出機バレルの設定温度は2
00〜370℃、好ましくは250〜310℃、スクリ
ュー回転数100〜1200rpm、好ましくは200
〜500rpmの条件で溶融混練し本発明の樹脂組成物
を製造することができる。
【0064】本発明の樹脂組成物は、上記の成分の他
に、本発明の特徴および効果を損なわない範囲で必要に
応じて他の附加的成分、例えば、酸化防止剤、金属不活
性化剤、難燃剤(有機リン酸エステル系化合物、ポリリ
ン酸アンモニウム系難燃剤、芳香族ハロゲン系難燃剤、
シリコーン系難燃剤など)、フッ素系ポリマー、可塑剤
(低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチ
レングリコール、脂肪酸エステル類等)、三酸化アンチ
モン等の難燃助剤、耐候(光)性改良剤、ポリオレフィ
ン用造核剤、スリップ剤、無機または有機の充填材や強
化材(ガラス繊維、カーボン繊維、ポリアクリロニトリ
ル繊維、ウィスカー、マイカ、タルク、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、
ワラストナイト、導電性金属繊維、導電性カーボンブラ
ック等)、各種着色剤、離型剤等を添加してもかまわな
い。
【0065】このようにして得られる本発明の樹脂組成
物は、従来より公知の種々の方法、例えば、圧縮成形、
射出成形、押出成形、多層押出成形、異形押出成形、中
空成形によりシート、フィルムおよび各種部品の成形体
として成形できる。これら各種部品としては、例えば自
動車部品が挙げられ、具体的には、バンパー、フェンダ
ー、ドアーパネル、各種モール、エンブレム、エンジン
フード、ホイールキャップ、ルーフ、スポイラー、各種
エアロパーツ等の外装品や、インストゥルメントパネ
ル、コンソールボックス、トリム等の内装部品等に適し
ている。さらに、電気機器の内外装部品としても好適に
使用でき、具体的には各種コンピューターおよびその周
辺機器、その他のOA機器、テレビ、ビデオ、各種ディ
スクプレーヤー等のシャーシーやキャビネット、冷蔵庫
等の部品用途に適している。
【0066】さらに本発明の樹脂組成物は、上記した耐
金属劣化性、耐熱クリープ性の他に、耐水蒸気透過性に
優れるため二次電池電槽用樹脂組成物として利用でき
る。近年、移動機器用駆動電源、コンピーューターのデ
ーターバックアップ電源、太陽エネルギーの有効利用を
目的とした太陽電池、さらには環境保護の観点から各種
二次電池の用途が拡大されつつある。特に、自動車の内
燃機関の所要電力を供給するために二次電池が多く使用
されていることは周知であるが、更には、内燃機関の代
わりに直接二次電池を駆動電源とする、いわゆる、電気
自動車の開発が地球環境保護の観点より盛んに行われて
いる。このように、産業技術の発展に伴い二次電池の需
要は益々増加する傾向にあり、二次電池は小型軽量化、
大電気容量化の要請が高まっている。
【0067】かかる二次電池は、電解液と電極を収納す
る電槽(容器)が不可欠であり、該電槽に要求される主
な特性としては、電解液に対する耐性長期安定性が
挙げられる。電解液に対する耐性としては、例えばアル
カリ蓄電池ではアルカリ水溶液に対する耐性、リチウム
イオン電池では有機電解液(例えば、6フッ化リン酸リ
チウム(LiPF6 )が溶質、プロピレンカーボネート
/1,2−ジメトキシエタンが主成分の有機溶媒で構成
して成る有機電解液)に対する耐性(自動車用途に用い
られる場合は、更に耐油性などが要求される)、鉛蓄電
池では酸に対する耐性が要求される。また、長期間にわ
たって電解液の性状を適正に維持する必要があり、例え
ば、アルカリ蓄電池では電槽内のアルカリ水溶液中の水
分が電槽外へ透過すると性能が劣化したり、リチウムイ
オン電池では逆に外部から電槽内に水分が入り込むと有
機溶液中のリチウム塩(例えば、6フッ化リン酸リチウ
ム(LiPF6 )やホウフッ化リチウムなど)が分解し
て性能が劣化したりする。
【0068】さらに、長期間にわたって充電時または放
電時の化学変化に伴う発熱、内圧上昇に耐えうる性能が
要求される。特に密閉型二次電池においては、可能な限
り小型・軽量で、且つ大電気容量、電池寿命が長いこと
が要求される。このため、密閉型二次電池の電槽は、薄
肉で、且つ、充電時または放電時の発熱、内圧上昇など
の過酷な条件に耐えうる耐熱性、耐熱クリープ性、熱時
剛性が要求される。
【0069】従来、二次電池の電槽材料は、ポリプロピ
レン樹脂、ABS樹脂が多く採用されているが、ポリプ
ロピレン樹脂は成形時の流動性、耐温水透過性(耐水蒸
気透過性)、耐ガス透過性に優れるものの、薄肉リブ構
造の製品の射出成形において、成形収縮率が大きかった
り、剛性、特に高温時の剛性や耐熱クリープ性に劣る等
の欠点をもっていた。一方、ABS樹脂は、自動車用途
において、ガソリン、オイル(例えばブレーキオイル、
防錆剤)に対する耐性が十分でなく、さらには温水透過
性、ガス透過性が高いため、長時間使用において電解質
の性状を維持できなくなり、二次電池の生命である長時
間電気容量確保が達成できなくなるなどの欠点を有して
いる。
【0070】本発明の樹脂組成物のうち、マトリックス
成分がポリプロピレン樹脂で構成され、分散相がポリフ
ェニレンエーテル樹脂で構成される樹脂組成物は、上記
したように、特定のポリフェニレンエーテル樹脂組成物
を用いることにより、特に耐金属劣化性で示される銅
(銅イオン発生化合物も含む)、その他の遷移金属(遷
移金属イオン発生化合物も含む)と接触する環境下にお
ける耐熱クリープ性が改良され、耐水蒸気透過性、耐熱
性、耐酸性、耐アルカリ性、耐油性に優れるため、二次
電池電槽として利用できる。
【0071】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例によ
って、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施
例により限定されるものではない。
【0072】
【実施例】
参考例1:(a)成分のポリプロピレン樹脂の調製 PP:ホモ−ポリプロピレン ホモ−ポリプロピレン部分の結晶相の割合=97.1% 融点=168℃、MFR=0.5 ポリプロピレンのMFR(メルトフローレート)はAS
TM D1238に準拠し、230℃、2.16Kgの
荷重で測定した。
【0073】参考例2:(b)成分のポリフェニレンエ
ーテル樹脂組成物の調製 3槽の完全混合槽からなる連続重合反応器を用いて重合
した。第1反応器は容量1.5リットルで循環ポンプが
付属している。第2反応器および第3反応器には攪拌機
があり、それぞれの容量は3.7リットル、1.5リッ
トルである。触媒溶液は酸化第一銅を35%塩酸に溶解
後メタノールを加え、さらにジ−n−ブチルアミン、
N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ
プロパンとメタノールを加えて調整した。また、モノマ
ー溶液は、2,6−ジメチルフェノールを混合キシレン
およびn−ブタノールに溶解して調整した。
【0074】第1反応器に触媒溶液およびモノマー溶液
を一定速度で送液した。触媒溶液とモノマー溶液の送液
量から、それらを合わせた反応原料液の組成は以下の通
りである。2,6−ジメチルフェノール濃度20重量
%、用いた溶媒の重量比は混合キシレン:n−ブタノー
ル:メタノール=60:20:20である。2,6−ジ
メチルフェノール100モル当たり、銅は0.03モ
ル、塩素(Cl)イオンは0.276モル、ジ−n−ブ
チルアミンは1.1モル、N,N,N’,N’−テトラ
メチル−1,3−ジアミノプロパンは2.7モルの割合
であった。また、2,6−ジメチルフェノールは210
g/Hrの速度で供給した。
【0075】第1反応器は循環ポンプで反応液を激しく
循環しつつ酸素ガスを流した。内温が38℃になるよう
に制御した。第1反応器からヘッド圧で第2反応器に送
られた反応液は均一であった。第2反応器は、35℃に
温度制御し、酸素ガスを500ml/分で供給しさらに
重合を進めると系内に重合体が析出してくるが、攪拌に
より反応器内全体にスラリー状として分散した。第2反
応器からオーバーフローで、重合体粒子を含むスラリー
状の反応液が第3反応器に入る。第3反応器を攪拌機で
攪拌しながら40℃に温度制御し、酸素ガスを250m
l/分で供給した。この第3反応器からオーバーフロー
してくるスラリー状の反応液を連続的に取り出した。
【0076】スラリー状の黄白色反応液に希塩酸および
メタノールを添加して濾過し、乾燥してポリフェニレン
エール樹脂組成物(b−1)を得た。ここで得たポリフ
ェニレンエーテル樹脂組成物(b−1)を混合溶媒(混
合キシレン/ブタノール/メタノール=1/1/2)と
希塩酸を用いて精製洗浄し、乾燥してポリフェニレンエ
ーテル樹脂組成物(b−2)を得た。ここで得たポリフ
ェニレンエーテル樹脂組成物(b−2)をトルエンに溶
解し、さらにメタノールを用いて精製洗浄し、さらに乾
燥してポリフェニレンエーテル樹脂組成物(b−3)を
得た。
【0077】さらに、ここで得たポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物(b−3)をトルエンに溶解し、さらにメ
タノールを用いて精製洗浄し、さらに乾燥してポリフェ
ニレンエーテル樹脂組成物(b−4)を得た。そしてさ
らに、ここで得たポリフェニレンエーテル樹脂組成物
(b−4)をトルエンに溶解し、再度メタノールを用い
て精製洗浄し、さらに乾燥してポリフェニレンエーテル
樹脂組成物(b−5)を得た。
【0078】酸化重合して得たポリフェニレンエーテル
樹脂組成物(b−1)中に含まれるポリフェニレンエー
テル樹脂に化学結合したアミン化合物を確認するため、
1H核磁気共鳴スペクトル上で確認した。前記の式
(1)で示される構造式のメチレン基のシグナルが3.
63ppmに観測され、R1 およびR5 に対応するn−
ブチル基の4種のシグナルが2.47ppm、1.50
ppm、1.29ppm、0.88ppmに観測され、
その面積強度比からも式(1)で示される構造式と矛盾
のないものであった。
【0079】さらに、脂肪族二級アミンが主鎖中のベン
ジル位に結合した式(2)で示される構造式は、式
(1)で示される構造式の構造とよく似た 1H核磁気共
鳴スペクトルを与えるが、それぞれのシグナルは式
(1)で示される構造式のシグナルとはっきり区別がで
き、メチレン基のシグナルは3.36ppmに観測さ
れ、n−ブチル基の末端の2種のシグナルが1.17p
pmと0.80ppmに観測された。この 1H核磁気共
鳴スペクトルより、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
中にポリフェニレンエーテル樹脂に化学結合したアミン
化合物が存在することが確認された。
【0080】つぎに、ポリフェニレンエーテル樹脂組成
物中に含まれるポリフェニレンエーテル樹脂に化学結合
したアミン化合物およびポリフェニレンエーテル樹脂に
結合しないフリーのアミン化合物からなるアミノ型窒素
の全窒素含有量を確認するため、微量窒素分析装置(T
N−10:三菱化学(株)製)を用いて、加熱炉温度9
00℃、キャリアガスとしてアルゴンガス、燃焼ガスと
して酸素ガスを使用して、上記で得たポリフェニレンエ
ーテル樹脂組成物に含まれる全窒素含有量を測定したと
ころ、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物(b−1)は
2200ppm、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
(b−2)は600ppm、ポリフェニレンエーテル樹
脂組成物(b−3)は210ppm、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂組成物(b−4)は60ppm、ポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物(b−5)は30ppmであっ
た。また、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物とブレン
ドする高衝撃ポリスチレンとしてハイシスポリブタジエ
ンゴムを10%含み、平均分散粒子径1.4μmの高衝
撃ポリスチレン(HIPS)を用いた。
【0081】参考例3:(d)成分の水添ブロック共重
合体の調製 ポリスチレン−水素添加されたポリイソプレン−ポリス
チレンの構造を有し、結合スチレン量48%、数平均分
子量101,000、分子量分布1.04、水素添加前
のポリイソプレンの1,2−ビニル結合量と3,4−ビ
ニル結合量の合計量が58%、ポリイソプレン部の水素
添加率が99.9%、ヤング率3500Kg/cm2
水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(d−
1)とした。同様に、ポリスチレン−水素添加されたポ
リブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレ
ン量47%、数平均分子量83,000、分子量分布
1.05、水素添加前のポリブタジエンの1,2−ビニ
ル結合量が46%、ポリブタジエン部の水素添加率が9
9.9%、ヤング率3700Kg/cm2 の水添ブロッ
ク共重合体を合成し、このポリマーを(d−2)とし
た。
【0082】さらに、ポリスチレン−水素添加されたポ
リブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレ
ン量55%、数平均分子量107,000、分子量分布
1.07、水素添加前のポリブタジエンの1,2−ビニ
ル結合量が76%、ポリブタジエン部の水素添加率が9
9.9%、ヤング率4400Kg/cm2 の水添ブロッ
ク共重合体を合成し、このポリマーを(d−3)とし
た。またさらに、ポリスチレン−水素添加されたポリブ
タジエン−ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエ
ンの構造を有し、結合スチレン量47%、数平均分子量
89,000、分子量分布1.07、水素添加前のポリ
ブタジエンの1,2−ビニル結合量が70%、ポリブタ
ジエン部の水素添加率が99.9%、ヤング率3600
Kg/cm2 の水添ブロック共重合体を合成し、このポ
リマーを(d−4)とした。
【0083】次に、ポリスチレン−水素添加されたポリ
ブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン
量55%、数平均分子量46000、分子量分布1.0
3、水素添加前のポリブタジエン1,2−ビニル結合量
が75%、ポリブタジエン部の水素添加率が99.9
%、ヤング率4300Kg/cm2 の水添ブロック共重
合体を合成し、このポリマーを(d−5)とした。ま
た、ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン(水
素添加前のポリブタジエンの1,2−ビニル結合量が4
0%)−水素添加されたポリブタジエン(水素添加前の
ポリブタジエンの1,2−ビニル結合量が70%)−ポ
リスチレンの構造を有し、結合スチレン量48%、数平
均分子量110000、分子量分布1.05、水素添加
前のビニル結合量が40%の水素添加されたポリブタジ
エン/水素添加前のビニル結合量が70%の水素添加さ
れたポリブタジエン=30/70(重量比)、ポリブタ
ジエン部の水素添加率が99.9%、ヤング率3600
Kg/cm2 の水添ブロック共重合体を合成し、このポ
リマーを(d−6)とした。
【0084】さらに、水素添加されたポリブタジエン
(水素添加前のポリブタジエンの1,2−ビニル結合量
が10%)−ポリスチレン−水素添加されたポリブタジ
エン(水素添加前のポリブタジエンの1,2−ビニル結
合量が75%)−ポリスチレンの構造を有し、結合スチ
レン48%、数平均分子量116000、分子量分布
1.07、水素添加前のビニル結合量が10%の水素添
加されたポリブタジエン/水素添加前のビニル結合量が
75%の水素添加されたポリブタジエン=10/90
(重量比)、ポリブタジエン部の水素添加率が99.9
%、ヤング率3800Kg/cm2 の水添ブロック共重
合体を合成し、このポリマーを(d−7)とした。
【0085】参考例4:銅害防止剤の調製 銅害防止剤としてデカメチレンジカルボン酸ジサリチロ
イルヒドラジドを用いた。
【0086】実施例1〜16および比較例1〜5 表1〜2に示したポリプロピレン樹脂、ポリフェニレン
エーテル樹脂組成物、高衝撃ポリスチレン、水添ブロッ
ク共重合体の各成分を、温度250〜320℃、スクリ
ュー回転数500rpmに設定し、第一原料供給口およ
び第二原料供給口(押出機のほぼ中央に位置する)を有
する二軸押出機(ZSK−40;WERNER&PFL
EIDERER社製、ドイツ国)を用い、表1〜2に示
した押出機の第一原料供給口の組成および第二原料供給
口の組成で供給して溶融混練し、樹脂組成物をペレット
として得た。このペレットを用いて230〜280℃に
設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、
金型温度60℃の条件でアイゾット衝撃試験用テストピ
ースおよび、幅10mm×厚み2mm×長さ50mmの
耐金属劣化性耐熱クリープテスト用テストピースを射出
成形した。
【0087】耐金属劣化性の効果を見るため、銅箔をア
イゾット衝撃試験用テストピースに密着させたサンプ
ル、銅箔を密着させないテストピースサンプルをギアー
オーブンを用いて熱履歴(100℃×1000時間)下
で金属劣化を促進させた。ここで得た金属劣化後のアイ
ゾット衝撃試験用テストピースは、アイゾット(ノッチ
付き)衝撃強度(ASTM−D256:23℃)を測定
した。耐金属劣化性の効果を見るため、銅箔を密着させ
なかったテストピースの衝撃強度に対する銅箔を密着さ
せたテストピースの衝撃強度の比率を保持率(%)とし
て求めた。また、市販の銅害防止剤を添加した樹脂組成
物も同様のテストを実施した。
【0088】さらに、耐金属劣化性耐熱クリープテスト
用テストピースは、銅箔をこのテストピースに密着させ
たサンプル、銅箔を密着させないテストピースサンプル
を、ギアーオーブンを用いて熱履歴(100℃×200
0時間)下で金属劣化を促進させた。この熱履歴処理を
したテストピース取り出し、さらに、耐熱クリープ性能
を確認するため、温度65℃の恒温槽中で、応力150
Kg・f/cm2 相当の荷重をかけ耐熱クリープテスト
を行い破断までの時間を測定した。耐金属劣化性の効果
を見るため、この銅箔を密着させなかったテストピース
の破断までの時間に対する銅箔を密着させたテストピー
スの破断までの時間の比率を保持率(%)として求め
た。また、市販の銅害防止剤を添加した樹脂組成物も同
様のテストを実施した。これらの結果は併せて表1〜2
に記載した。
【0089】これらの結果より、 ポリフェニレンエーテル樹脂組成物として、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂に化学結合したアミン化合物および
ポリフェニレンエーテル樹脂に結合しないフリーのアミ
ン化合物からなるアミノ型窒素の全窒素を50ppm以
上含有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物を用いた
本発明の樹脂組成物は、耐金属劣化性に優れることが明
らかとなった。 本発明の樹脂組成物は、市販の銅害防止剤を添加した
組成物と同等以上の耐金属劣化性を示し、重合後のポリ
フェニレンエーテル樹脂組成物に含まれるアミノ型窒素
化合物が、予想外にも耐金属劣化性を大幅に改良してい
ることが明らかとなった。
【0090】すなわち、本発明の樹脂組成物のように、
ポリプロピレン樹脂をマトリックスとし、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂を分散相とする樹脂組成物において、用
いるポリフェニレンエーテル樹脂組成物として、アミノ
型窒素の全窒素含有量を50ppm以上有するポリフェ
ニレンエーテル樹脂組成物を用いることにより、耐金属
劣化性で示される銅(銅イオン発生化合物も含む)、そ
の他の遷移金属(遷移金属イオン発生化合物も含む)と
接触する環境下における耐熱クリープ性を改良する効果
が認められる。
【0091】また、本発明の樹脂組成物のように、ポリ
フェニレンエーテル樹脂をマトリックスとし、ポリプロ
ピレン樹脂を分散相とする樹脂組成物において、用いる
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物として、アミノ型窒
素の全窒素含有量を50ppm以上有するポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物を用いることにより、耐金属劣化
性で示される銅(銅イオン発生化合物も含む)、その他
の遷移金属(遷移金属イオン発生化合物も含む)と接触
する環境下における耐衝撃性を改良する効果が認められ
る。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、ポリプロピレン
樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂組成物および水添ブ
ロック共重合体から構成され、使用するポリフェニレン
エーテル樹脂組成物がポリフェニレンエーテル樹脂に化
学結合したアミン化合物およびポリフェニレンエーテル
樹脂に結合しないフリーのアミン化合物からなるアミノ
型窒素の全窒素を50ppm以上含有するポリフェニレ
ンエーテル樹脂組成物であるため、銅(銅イオン発生化
合物も含む)、その他の遷移金属(遷移金属イオン発生
化合物も含む)と接触する環境下における耐金属劣化性
が改良される。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリプロピレン樹脂1〜99重量
    %と(b)置換アルキルフェノールをモノマー成分とし
    て酸化重合して得られるポリフェニレンエーテル樹脂
    が、ポリフェニレンエーテル樹脂に化学結合したアミン
    化合物およびポリフェニレンエーテル樹脂に結合しない
    フリーのアミン化合物からなるアミノ型窒素の全窒素を
    50ppm以上含有するポリフェニレンエーテル樹脂組
    成物99〜1重量%からなる成分を加熱溶融混練して得
    られる耐金属劣化性に優れた樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)ポリプロピレン樹脂1〜99重量
    %と(b)置換アルキルフェノールをモノマー成分とし
    て酸化重合して得られるポリフェニレンエーテル樹脂
    が、ポリフェニレンエーテル樹脂に化学結合したアミン
    化合物およびポリフェニレンエーテル樹脂に結合しない
    フリーのアミン化合物からなるアミノ型窒素の全窒素を
    50ppm以上含有するポリフェニレンエーテル樹脂組
    成物99〜1重量%、および上記(a)、(b)成分の
    合計100重量部に対して、(c)混和剤1〜100重
    量部を加熱溶融混練して得られる耐金属劣化性に優れた
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)混和剤が(d)水添ブロック共重
    合体、(e)ポリプロピレン−ポリスチレングラフト
    (ブロック)共重合体、(f)ポリプロピレン−ポリフ
    ェニレンエーテルグラフト(ブロック)共重合体から選
    ばれる少なくとも1種の共重合体であることを特徴とす
    る請求項2記載の耐金属劣化性に優れた樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (a)ポリプロピレン樹脂1〜99重量
    %と(b)置換アルキルフェノールをモノマー成分とし
    て酸化重合して得られるポリフェニレンエーテル樹脂
    が、ポリフェニレンエーテル樹脂に化学結合したアミン
    化合物およびポリフェニレンエーテル樹脂に結合しない
    フリーのアミン化合物からなるアミノ型窒素の全窒素を
    50ppm以上含有するポリフェニレンエーテル樹脂組
    成物99〜1重量%、および上記(a)、(b)成分の
    合計100重量部に対して、(d)水添ブロック共重合
    体1〜50重量部からなる成分を加熱溶融混練して得ら
    れる耐金属劣化性に優れた樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (d)水添ブロック共重合体が、その水
    添する前の共役ジエン化合物のビニル結合量が8〜95
    %である共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個
    の重合体ブロックBと、ビニル芳香族化合物を主体とす
    る少なくとも1個の重合体ブロックAよりなるブロック
    共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体であ
    ることを特徴とする請求項3または4記載の耐金属劣化
    性に優れた樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (d)水添ブロック共重合体が、共役ジ
    エン化合物を主体とする重合体ブロックBがブタジエ
    ン、イソプレンおよびこれらの混合物を主体とする少な
    くとも1個の重合体ブロックと、ビニル芳香族化合物を
    主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAよりなる
    ブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重
    合体であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに
    記載の耐金属劣化性に優れた樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (d)水添ブロック共重合体が、その水
    添する前のブタジエンの1,2−ビニル結合量が65%
    以上〜95%であるブタジエンを主体とする少なくとも
    1個の重合体ブロックBと、スチレンを主体とする少な
    くとも1個の重合体ブロックAよりなるブロック共重合
    体を水素添加してなる水添ブロック共重合体であること
    を特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の耐金属劣
    化性に優れた樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (d)水添ブロック共重合体が、その水
    添する前のイソプレンの1,2−ビニル結合量と3,4
    −ビニル結合量の和が50%以上〜95%であるイソプ
    レンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB
    と、スチレンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロ
    ックAよりなるブロック共重合体を水素添加してなる水
    添ブロック共重合体であることを特徴とする請求項3〜
    6のいずれかに記載の耐金属劣化性に優れた樹脂組成
    物。
  9. 【請求項9】 (d)水添ブロック共重合体のビニル芳
    香族化合物を主体とする重合体ブロックAの数平均分子
    量が15000以上であることを特徴とする請求項3〜
    8のいずれかに記載の耐金属劣化性に優れた樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 (d)水添ブロック共重合体のヤング
    率が250Kg/cm2 〜7000Kg/cm2 である
    ことを特徴とする請求項3〜9のいずれかに記載の耐金
    属劣化性に優れた樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の樹
    脂組成物が二次電池電槽用である耐金属劣化性に優れた
    樹脂組成物。
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