JPH10109301A - 送りロール及びこの送りロールを使用した板状体の変位搬送防止方法およびその装置 - Google Patents

送りロール及びこの送りロールを使用した板状体の変位搬送防止方法およびその装置

Info

Publication number
JPH10109301A
JPH10109301A JP28310696A JP28310696A JPH10109301A JP H10109301 A JPH10109301 A JP H10109301A JP 28310696 A JP28310696 A JP 28310696A JP 28310696 A JP28310696 A JP 28310696A JP H10109301 A JPH10109301 A JP H10109301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
feed
feed roll
roll
rolls
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28310696A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Ando
康夫 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taihei Machinery Works Ltd
Original Assignee
Taihei Machinery Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taihei Machinery Works Ltd filed Critical Taihei Machinery Works Ltd
Priority to JP28310696A priority Critical patent/JPH10109301A/ja
Publication of JPH10109301A publication Critical patent/JPH10109301A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sawing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送直進性を保証すべく咬持力に優れた送り
ロール、並びにこの送りロールを使用した鉋盤、多刃丸
鋸盤等によって板状体を複数本に小割、或いは鉋掛けす
るとき、板状体の変位搬送を防止することにある。 【構成】 板状体を鋸断する多刃丸鋸盤の搬送方向の上
下流位置に、或いは鉋盤の搬送方向の上流位置に、板状
体を搬送し、次いで取り出すための上下一対の送りロー
ルを各々配設し、少なくとも一方の送りロールの全周面
または軸芯方向に任意間隔を置いた複数個所の周面に微
細な凸部を多数形成し、この送りロールに対してある圧
力にて他方の送りロールを圧接させたことにより、鋸断
時或いは鉋掛け時に、搬送方向並びに搬送方向へ直交す
る方向へ複数個の微細な凸部の集合体による咬持力によ
って、板状体の挽き曲がりや変位搬送を防止させたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、搬送直進性を保証すべ
く咬持力に優れた送りロール、並びにこの送りロールを
使用した鉋盤によって挽き材の上下面および/または左
右面を鉋掛けしたり、ダブルソー、多刃丸鋸盤(以下総
称して多刃丸鋸盤という)によって、合板、繊維板、石
膏ボード等の板状体の四周を鋸断したり、合板、LVL
(単板積層材)等の板状体を複数本に小割して鋸断する
際、鉋掛け或いは鋸断される板状体の変位搬送を防止す
る方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、板状体を小割り鋸断するための送
り機構は主として無限軌道方式が採用されており、小割
り鋸断される板状体はこの無限軌道上に載置された状態
となり、上方に配設された押えロールの押し付け力によ
って、小割り鋸断時に発生する挽き曲がり力に対応して
いるが、送りロール方式に比して装置が大型化となり、
設備費が嵩む結果となる。
【0003】一方、板状体の四周部分を鋸断する場合に
は、無限軌道方式に比して設備費が廉価となる送りロー
ル方式が主として採用されている。この送りロールは上
下一対から成るものが、多刃丸鋸盤の丸鋸に相前後して
複数組配設されており、従来のこれらのロールは周面が
平滑な円筒状に形成されており、上位のロールが下位の
ロール上に流体シリンダ、またはスプリング等の弾性材
を介して、ロールの荷重が鋸断すべき板状体へ作用する
ように取着されていると共に、同一回転数で駆動されて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この時、上下一対のロ
ールには軸芯方向に亘る撓みがなく、また板状体自体も
均一厚みであると仮定した場合、板状体にはロール荷重
が線状に掛かっており、これはロールに接するどの部位
においても均等となり、各部位に作用する単位当たりの
線圧は、ロール荷重を線長さで割算した値となる。
【0005】しかしながら、上下位に配置されたロール
は両端部が軸受けされ、且つ上位のロールの両軸部より
一定の圧力で荷重が掛けられている関係上、その軸芯方
向に亘って、下位のロールにあってはロールの自重撓み
と荷重撓み、上位のロールにあってはロールの自重撓み
と下位のロールに対する押え荷重が各々発生するので、
両者の撓み度合いは下位のロールが上位のロールに対し
て若干大となる傾向にあり、常態において、上下位のロ
ールの相対向面は軸芯方向に亘って均一に接しておら
ず、軸芯方向の中央部位に荷重不足が発生している。
【0006】このような状態下、多刃丸鋸盤の上下位の
ロールは板状体を丸鋸まで搬送し、且つ丸鋸による板状
体の両端部を鋸断する際、鋸断抵抗に抗しながら、周面
が平滑なロール線圧によって抑え、直進搬送力を保持し
なければならない。したがって、板状体の搬送方向に直
交する線上には、線圧が均等に掛かることが好ましい
が、上下位のロール中央部位近傍に亘って荷重不足が発
生しているため、搬送方向に直交する中央部位近傍に、
所期の単位当たりの線圧が掛からない状態で搬送、且つ
鋸断抵抗に抗しなければならないことになる。仮に板状
体の厚みが均一であれば、ロール荷重が幾分減じられる
ことになるが、中央部位近傍以外については均等に線圧
が掛かるため、ほぼ所望の直進搬送力が保証されてい
る。
【0007】しかしながら、板状体の厚みが均一である
場合は少なく、通常、何れかの部位に少なからず厚みむ
らが発生しており、上下位のロール間をこの厚みむらの
ある板状体が通過する場合、搬送方向に直交する線上の
各部位と、上位のロールが接する領域が減少することに
なる。したがって、板状体の搬送に要する、また鋸断抵
抗に抗するための線圧が、所期のロール荷重分から接し
ない領域分だけ減算され、鋸断搬送時の抑え圧が不十分
となったり、ロールとの接触部位が不特定となることに
もより、直進搬送に際して安定性を欠くことになった。
【0008】また、板状体は連続的な鋸断に伴う丸鋸の
刃先の摩滅により鋸断抵抗が増大されたり、左右の刃先
の摩滅が不揃いになることにもより、上下位のロールの
駆動に滑りが発生し易い状態になるため、上記記載と同
様に直進性が問題となったり、鋸断、小割り鋸断後の製
品が不良となったり、商品価値の低下を招来していた。
【0009】さらに、実公昭53−44160号公報に
開示されている如く、板状体の四周部分を鋸断するのみ
ならず、その中央部分に丸鋸を設置して、1枚の板状体
から2枚の板状体を同時に鋸断する方式が採用されてい
るが、この方式によれば、中央位置に追加された丸鋸の
鋸断抵抗が加わるため、前記記載したものに比して、鋸
断搬送時の抑え圧がさらに不十分となって、直進搬送は
より一層困難となった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は叙上に鑑み、送
りロールの周面に微細な凸部を多数形成して、ロール荷
重が板状体に対して予定している圧力を、従来の如く線
上に一律とするのではなく、搬送方向並びに搬送方向へ
直交する方向へ複数個の微細な凸部の集合体による咬持
力を発生させたものであり、また、板状体を鋸断する多
刃丸鋸盤または板状体を鉋掛けする鉋盤の搬送方向の上
下流位置に、板状体を搬送し、次いで取り出すために搬
送方向に対して上下および/または左右に一対の送りロ
ールを各々配設し、少なくとも一方の送りロールの全周
面または軸芯方向に任意間隔を置いた複数個所の周面に
微細な凸部を多数形成し、この送りロールに対してある
圧力にて他方の送りロールを圧接させたことにより、鋸
断時或いは鉋掛け時に、搬送方向並びに搬送方向へ直交
する方向へ複数個の微細な凸部の集合体による咬持力に
よって、板状体の挽き曲がりや変位搬送を防止させたも
のである。
【0011】
【作用】板状体を鋸断する多刃丸鋸盤の搬送方向の上下
流位置に、板状体を多刃丸鋸盤へ搬送し、次いで取り出
すための上下一対の送りロールを各々配設し、少なくと
も一方の送りロールの全周面または軸芯方向に任意間隔
を置いた複数個所の周面に微細な凸部を多数形成し、こ
の送りロールに対してある圧力にて他方の送りロールを
圧接させ、広幅の板状体を上流に設置された上下一対の
送りロール間へ挿入し前方へ搬送する途上、多刃丸鋸盤
による広幅の板状体を鋸断、または小割り鋸断する際、
上流位置および/または下流位置に設置された上下一対
の送りロールによって板状体を保持して、鋸断時に発生
する鋸断抵抗による板状体の搬送方向と交差する方向へ
の変位を阻止し、板状体の挽き曲がりを防止させるもの
である。
【0012】
【実施例】次に本発明装置の一実施例を、添付図面に基
づいて説明する。多刃丸鋸盤1は、機台2上の搬送方向
と直交した左右位置に一対の軸受3を取着し、この軸受
3に多数の丸鋸4が装備された主軸5を軸承し、また、
この主軸5の一端を原動機(図示せず)に連設して各丸
鋸1を主軸5の回転時に嵌着状態としている。前記各丸
鋸4は主軸5の軸芯方向に移動可能であり、詳細な説明
は割愛するが、主軸5と各丸鋸4との間には、主軸5が
丸鋸4と共に回転したとき、遠心力によって主軸5と丸
鋸4を一体に結合する可動結合部材が設置されている。
この多刃丸鋸盤1の詳細については本願出願人が出願
し、平成3年1月26日に公開された、平成3年特許出
願公開台9721号、発明の名称「鋸盤」に記載されて
いる。
【0013】前記多刃丸鋸盤1の搬送方向の上下流位置
に機台2上より立設された一対の機枠6の内側対向面に
は、リニヤウエイ、或いはボールウエイ等の移送架7が
水平方向に設置され、この移送架7にリニヤブロック8
を支承して成る移送体9を載架している。この移送体9
は原動機(図示せず)の駆動を受動して歩送り軸10上
を前記移送架7に案内されながら、板状体11の搬送方
向に対して進退自在とされている。前記移送体9の上部
にはACサーボモータ或いは流体シリンダ等の昇降機構
12が設置され、前記移送体9の上下方向に設置された
案内ガイド13を介して位置決め枠14を昇降自在の構
成としている。
【0014】前記各機枠6の上部に原動機(図示せず)
とウォームギヤ15を並設し、このウォームギヤ15を
縦送り軸16の上部に連係すると共に、この縦送り軸1
6の下部を可動枠17に接続し、機枠6の上下方向に亘
って取着された案内18に沿って、原動機の駆動によっ
て可動枠17を上下動自在として加圧制御している。ま
た、加圧制御する加圧機構としてはこの実施例の他、流
体シリンダ、クランク動、ラックピニオン方式等に代替
することも可能である。この上昇、或いは下降量は原動
機に移動量測定器(図示せず)を付設し、例えば縦送り
軸16の回転に伴って正或いは負の方向へ発信されるパ
ルス量をエンコーダ等によって検知し、移動量を制御す
ることにより加圧力を調整している。
【0015】この可動枠17の搬送方向に任意間隔を置
いた上下流位置には、上位の送りロール19を一対支承
し、当該上位の送りロール19の対向面の機台2上に下
位の送りロール20を支承し、原動機21の駆動によっ
て下位の送りロール20を回転自在としている。図示例
では、上位の送りロール19は軸芯方向に亘って分割し
て取着配置されており、具体的には、分割された個々の
ロールをある肉厚を有したウレタン、スポンジ、ゴム等
の弾性体22によって構成し、これら個々の弾性体ロー
ルをロール軸23にブッシュ24を介して遊着し、分割
された個々の弾性体ロール毎に従動自在の構造としてい
る。
【0016】また、下位の送りロール20には微細な凸
部25を多数形成し、鋸断時に発生する板状体11の挽
き曲がりを周面に形成された微細な凸部25分にて咬持
して防止させるものである。即ち、実施例1が凸部25
を形成するに際してこれを格子状としたものであり、例
えば、送りロール20の軸芯方向、並びにこれに交差す
る方向の周面に微細な間隔を置いて格子溝を形成して、
この格子溝によって微細な凸部25を形成した。尚、凸
部25に対する凹部位置は下位の送りロール20の周面
に相当している。
【0017】また、実施例2は、送りロール19,20
の周面にショットブラスト法によって鋼球を吹きつける
ことにより、さらに実施例3は、送りロール20の周面
にポンチによって穴を無数に穿ち、この穴の有無によっ
て微細な凸部25を形成した。
【0018】実施例4は、上記実施例1乃至3が送りロ
ール20の周面を直接的に加工して微細な凸部25を形
成しているのに対し、主として砥粒が付着された比較的
弾性の少ない紙、布等から成るサンディングペーパー、
また実施例5は、同様に砥粒が付着された弾性を有する
樹脂組成物等から成るサンディングシートを、送りロー
ル20の周面に取着したものである。
【0019】また、送りロール20の周面に形成される
微細な凸部25は、少なくとも板状体が鋸断される部位
の近傍において、軸芯方向に亘ってある範囲必要とな
り、したがって、仮に多刃丸鋸盤が板状体の四周を鋸断
するダブルソーであれば、送りロールの両端部近傍周面
のある範囲に亘って微細な凸部25を形成すれば足り、
さらに、中央部も鋸断する時は、送りロールの両端部近
傍周面に加え、中央部の周面もある範囲に亘って微細な
凸部25を形成するものである。
【0020】さらに、搬送方向に直交する方向へ丸鋸4
を多列に配置した多刃丸鋸盤1であって、各丸鋸4間隔
をほぼ固定的に使用するものであれば、各丸鋸4の位置
に該当する部位の近傍において、送りロールの周面に微
細な凸部25を軸芯方向に亘ってある範囲だけ形成する
ものであり、また逆に、各丸鋸4間隔を変化させる場合
には、送りロールの全周面に微細な凸部25を形成する
ものである。
【0021】尚、上記実施例においては、丸鋸4を多列
に配置した多刃丸鋸盤1の搬送方向の上下流位置に、上
位の送りロール19を複数個の分割した弾性体ロールと
し、一方、下位の送りロール20の全周面または軸芯方
向に任意間隔を置いた複数個所の周面に微細な凸部25
を形成しているが、この位置関係を上下逆転したり、ロ
ールを分割せずに1本の通直なロールとしたり、弾性体
ロールに替えて通常の金属製のロールとしたり、或いは
上下の送りロール19,20共に微細な凸部25を形成
したロールとしても良く、さらに、凸部25が形成され
ているロール自体を複数個に分割しても良い。また、送
りロール19,20の全周面または軸芯方向に任意間隔
を置いた複数個所の周面に形成される微細な凸部25
は、実験によれば、その高さを概ね0.5mm乃至1mmと
するのが好もしい。
【0022】さらに、上記実施例の多刃丸鋸盤1に代替
して板状体11の上下面および/または左右面を鉋掛け
する鉋盤(図示せず)とする場合には、鉋盤の搬送方向
の上下流位置に、板状体11を鉋盤へ搬送するために搬
送方向の上下および/または左右に一対の送りロール1
9,20を各々配設し、各一対の送りロール19,20
の何れか一方の送りロールの全周面または軸芯方向に任
意間隔を置いた複数個所の周面に微細な凸部25を多数
形成し、また他方の送りロールにはある肉厚を有する弾
性体ロールを配置して、板状体11の鉋掛け時の変位搬
送を防止しても良い。尚、このとき、上下および/また
は左右一対の送りロール19,20共に微細な凸部25
を形成したロールとしても良く、さらに、凸部25が形
成されているロール自体を複数個に分割しても良い。
【0023】またこのとき、板状体11の上下左右の何
れかの面に、前記凸部25による刺傷痕が残存すると製
品と成り得ない場合には、鉋盤の搬送方向の上流位置に
のみ、板状体11を鉋盤へ搬送するために搬送方向の上
下および/または左右に一対の送りロール19,20を
各々配設し、各一対の送りロール19,20の何れか一
方の送りロールの全周面または軸芯方向に任意間隔を置
いた複数個所の周面に微細な凸部25を多数形成するも
のである。
【0024】しかして、まず多刃丸鋸盤1の各丸鋸4の
主軸5上における間隔を設定すべく、移送体9を原動機
の駆動によって歩送り軸10上を移送架7に案内させな
がら、任意の丸鋸4の位置まで歩送り往動させ、往動
後、昇降機構12によって案内ガイド13に沿って位置
決め枠14を下降させて、再び、移送体9を歩送り軸1
0上を所望の距離だけ往動させることによって、任意の
丸鋸4を主軸5上を押送させる。次いで、次位の丸鋸4
を押送すべく、一旦昇降機構12によって位置決め枠1
4を上昇させた後に移送体9を復動させ、前記記載と同
様の操作によって、任意の丸鋸4間隔を置いて順次丸鋸
4を主軸5上を押送配置させるものである。
【0025】次いで、鋸断される板状体11の厚みに応
じて原動機を駆動させることにより、可動枠17を縦送
り軸16上を歩送り下降させ、この下降量を移動量測定
器によって検出制御させ、さらに、板状体11に対する
送り力或いは咬持力を作用させるため、任意量可動枠1
7を下降させてある圧力を発生させ、その後、原動機の
駆動によって下位の送りロール20を回転させ、板状体
11をある圧力で押圧している上位の送りロール19
も、この回転を従動している。
【0026】このようにして上下一対の送りロール1
9,20によって板状体11を多刃丸鋸盤1へ搬送する
時、上位の送りロール19を板状体11の上面に対して
押し付ければ、板状体11自体が下位の送りロール20
に比較して軟材であるので、その下面は下位の送りロー
ル20の最上位置より、板状体11が瞬間的に変形しな
がら若干下位に位置することになる。したがって、この
変形時において板状体11は下位の送りロール20の円
周方向に形成された微細な凸部25の少なくとも2点、
若しくはそれ以上の凸部25に咬持されることになる。
【0027】即ち、まず搬送方向に亘っては、板状体1
1の下面には2点、若しくはそれ以上の複数個の凸部2
5が介在することになり、従来のロールが機能する搬送
方向に亘る板状体11への接線状態の介在による接線方
向への送りではなく、搬送方向へのある範囲だけ板状体
11へ凸部25によって咬持する領域が存在することに
なり、咬持力が増大して直進搬送性が保証されるもので
ある。
【0028】また、搬送方向と直交する方向に対して
は、送りロール20の軸芯方向の周面にも微細な凹凸形
状が形成されているので、複数個の軸芯方向に亘る凸部
25が板状体11の下面に介在することになり、従来の
ロールが機能する搬送方向に直交する板状体11への線
上の介在による加え、搬送方向と直交する方向へ、複数
個の点接触による板状体11への咬持する領域が存在す
ることになり、咬持力が増大して直進搬送性が保証され
るものである。
【0029】このとき、上下一対の送りロール19,2
0のうち少なくとも一方の送りロールを、軸芯方向に亘
って複数個分割し、これら個々のロールをロール軸23
にブッシュ24を介して遊着すれば、分割された個々の
ロール190毎に回転自在となるので、板状体11の厚
みの異同、および/または上下一対の送りロールの軸芯
方向に亘る自重撓みと荷重撓みに伴う板状体11に対す
る圧力の不均一が発生しても、ロールの両端近傍或いは
厚み異同によって任意の点に集中的に荷重が掛かり、軸
芯方向に亘る他の部位での板状体11への無負荷状態を
回避でき、軸芯方向へ隣接する個々のロールが機能し、
搬送方向と直交する方向へ、複数個の点接触による板状
体11への咬持する領域が確実に存在することになり、
咬持力が増大して直進搬送性を保証し得るものである。
【0030】また、図示例のように分割する送りロール
19は従動側のみでなく、駆動側とすることも可能であ
り、この場合、軸芯方向に亘って複数個分割する個々の
ロール190のブッシュ24に駆動伝達機構を付設する
か、或いはロール軸23自体を短軸に分割して支承して
この短軸毎に駆動伝達部材を付設すれば足りるものであ
る。この場合、上下一対の送りロール19,20のうち
少なくとも一方の送りロールに限らず、上下一対の送り
ロール19,20共に、軸芯方向に亘って複数個分割し
たロールとすることも可能である。
【0031】尚、本実施例における多刃丸鋸盤1は、主
軸5が丸鋸4と共に回転したとき、遠心力によって主軸
5と丸鋸4を一体に結合する方式にて説明しているが、
各丸鋸4間隔を間座を用いて位置決めする方式に代替す
ることは任意であり、また、多刃丸鋸盤1に代替して板
状体11の上下面および/または左右面を鉋掛けする鉋
盤とする場合にも、鉋盤の搬送方向の上下流位置または
上流位置における上下および/または左右一対の送りロ
ールのうち、少なくとも何れか一方の送りロールの全周
面または軸芯方向に任意間隔を置いた複数個所の周面に
多数形成された微細な凸部25によって、多刃丸鋸盤1
の場合と同様、板状体11には搬送方向に対しても搬送
方向と直交する方向に対しても、複数個の凸部25によ
る点接触による咬持力が増大して直進搬送性が保証され
るものである。またこのとき、凸部25の介在に起因す
る咬持力によって、板状体11の上下面および/または
左右面に刺傷痕が付いたとしても、板状体11の使用用
途が例えば床材、壁材の裏面等であれば、製品として支
障はなく、鉋盤の上下流位置に微細な凸部25が形成さ
れた送りロールを配設しても良く、仮に前記刺傷痕が製
品として支障があれば、鉋盤の上流位置にのみ微細な凸
部25が形成された送りロールを配設するものであり、
この場合、一旦付いた刺傷痕は鉋盤による鉋掛けを経る
ので、製品化には支障とはならない。
【0032】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、送りロール
の周面に微細な凸部を多数形成して、ロール荷重が板状
体に対して予定している圧力を、従来の如く線上に一律
とするのではなく、搬送方向並びに搬送方向へ直交する
方向へ複数個の微細な凸部の集合体による咬持力を発生
させたものであり、また、多刃丸鋸盤または鉋盤の搬送
方向の上下流位置に、板状体を多刃丸鋸盤または鉋盤へ
搬送し、次いで取り出すために搬送方向に対して上下お
よび/または左右に一対の送りロールを各々配設し、少
なくとも一方の送りロールの全周面または軸芯方向に任
意間隔を置いた複数個所の周面に微細な凸部を多数形成
し、この送りロールに対してある圧力にて他方の送りロ
ールを圧接させたことにより、鋸断時或いは鉋掛け時
に、搬送方向に亘っては、板状体には2点、若しくはそ
れ以上の複数個の凸部が介在することになり、従来のロ
ールが機能する搬送方向に亘る板状体への接線状態の介
在による接線方向への送りではなく、搬送方向へのある
範囲だけ板状体へ凸部によって咬持する領域を増大させ
てものであり、複数個の点接触による板状体への咬持す
る領域が存在することになり、咬持力が増大して直進搬
送性が保証され、板状体の挽き曲がりや変位搬送を防止
させたものである。
【0033】さらに、上下および/または左右一対の送
りロールうち少なくとも一方の送りロールを、軸芯方向
に亘って複数個分割した個々のロール毎を回転自在の構
成とすれば、板状体の厚みの異同、および/または上下
および/または左右一対の送りロールの軸芯方向に亘る
自重撓みと荷重撓みに伴う板状体に対する圧力の不均一
が発生しても、ロールの両端近傍或いは厚み異同によっ
て任意の点に集中的に荷重が掛かり、軸芯方向に亘る他
の部位での板状体への無負荷状態を回避でき、軸芯方向
へ隣接する個々のロールが機能し、搬送方向と直交する
方向へ、複数個の点接触による板状体への咬持する領域
が確実に存在することになり、咬持力が増大して直進搬
送性を保証し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図である。
【図2】図1の要部正面図である。
【図3】図2の一部切欠き要部拡大正面図である。
【図4】本発明の一実施例の作動説明図である。
【符号の説明】
1… 多刃丸鋸盤、2…機台、3…軸受3、4…丸鋸、
5…主軸、6…機枠、7…移送架、8…リニヤブロッ
ク、9…移送体、10…歩送り軸、11…板状体、12
…昇降機構、13…案内ガイド、14…位置決め枠、1
5…ウォームギヤ、16…縦送り軸、17…可動枠、1
8…案内、19…上位の送りロール、20…下位の送り
ロール、21…原動機、22…弾性体、23…ロール
軸、24…ブッシュ、25…凸部、

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全周面、または軸芯方向に任意間隔を置い
    た複数個所の周面に微細な凸部を多数形成した送りロー
    ル。
  2. 【請求項2】全周面、または軸芯方向に任意間隔を置い
    た複数個所の周面に微細な凸部を多数形成すると共に、
    その軸芯方向に亘って複数個に分割し、分割された個々
    のロール毎に回転自在とした送りロール。
  3. 【請求項3】送りロールの周面に形成される微細な凸部
    を、概ね0.5mm乃至1mmとした請求項1または2記載
    の送りロール。
  4. 【請求項4】上下一対の送りロールの少なくとも一方の
    全周面または軸芯方向に任意間隔を置いた複数個所の周
    面に、微細な凸部を多数形成し、この送りロールに対し
    てある圧力にて他方の送りロールを圧接させることによ
    って瞬間的に板状体を弾性変形させ、この変形時に、搬
    送方向と直交する方向に対しては、送りロールの軸芯方
    向に亘って形成された微細な複数個の凸部によって、ま
    た搬送方向に対しても送りロールの円周方向に形成され
    た微細な凸部の少なくとも2点、若しくはそれ以上の凸
    部を介在させることにより、搬送方向と直交する方向並
    びに搬送方向へのある範囲だけ板状体への咬持力を増大
    させる板状体の変位搬送防止方法。
  5. 【請求項5】鉋盤の搬送方向の上流位置に、板状体を鉋
    盤へ搬送するために搬送方向に対して上下および/また
    は左右に一対の送りロールを配設し、少なくとも一方の
    送りロールの全周面または軸芯方向に任意間隔を置いた
    複数個所の周面に、微細な凸部を多数形成し、この送り
    ロールに対してある圧力にて他方の送りロールを圧接さ
    せることによって瞬間的に板状体を弾性変形させ、この
    変形時に、搬送方向と直交する方向に対しては、送りロ
    ールの軸芯方向に亘って形成された微細な凸部によっ
    て、また搬送方向に対しても送りロールの円周方向に形
    成された微細な凸部の少なくとも2点、若しくはそれ以
    上の凸部を介在させることにより、搬送方向と直交する
    方向並びに搬送方向へのある範囲だけ板状体への咬持力
    を増大させる板状体の変位搬送防止方法。
  6. 【請求項6】多刃丸鋸盤または鉋盤の搬送方向の上下流
    位置に、板状体を多刃丸鋸盤または鉋盤へ搬送し、次い
    で取り出すために搬送方向に対して上下および/または
    左右に一対の送りロールを各々配設し、少なくとも一方
    の送りロールの全周面または軸芯方向に任意間隔を置い
    た複数個所の周面に微細な凸部を多数形成し、この送り
    ロールに対してある圧力にて他方の送りロールを圧接さ
    せることによって瞬間的に板状体を弾性変形させ、この
    変形時に、搬送方向と直交する方向に対しては、送りロ
    ールの軸芯方向に亘って形成された微細な凸部によっ
    て、また搬送方向に対しても送りロールの円周方向に形
    成された微細な凸部の少なくとも2点、若しくはそれ以
    上の凸部を介在させることにより、搬送方向と直交する
    方向並びに搬送方向へのある範囲だけ板状体への咬持力
    を増大させる板状体の変位搬送防止方法。
  7. 【請求項7】送りロールの周面に形成される微細な凸部
    を、概ね0.5mm乃至1mmとした請求項4乃至6のいず
    れかに記載の板状体の変位搬送防止方法。
  8. 【請求項8】上下および/または左右一対の送りロール
    のうち少なくとも一方の送りロールを、ある肉厚を有す
    る弾性体ロールとした請求項4乃至6のいずれかに記載
    の板状体の変位搬送防止方法。
  9. 【請求項9】上下および/または左右一対の送りロール
    のうち少なくとも一方の送りロールを、軸芯方向に亘っ
    て複数個分割し、分割された個々のロール毎に回転自在
    とした請求項4乃至8のいずれかに記載の板状体の変位
    搬送防止方法。
  10. 【請求項10】鉋盤の搬送方向の上流位置に、板状体を
    鉋盤へ搬送するために搬送方向に対して上下および/ま
    たは左右に一対の送りロールを各々配設し、少なくとも
    一方の送りロールの全周面または軸芯方向に任意間隔を
    置いた複数個所の周面に微細な凸部を多数形成し、この
    送りロールに対してある圧力にて他方の送りロールを圧
    接させたことを特徴とする板状体の変位搬送防止装置。
  11. 【請求項11】多刃丸鋸盤または鉋盤の搬送方向の上下
    流位置に、板状体を多刃丸鋸盤または鉋盤へ搬送し、次
    いで取り出すために搬送方向に対して上下および/また
    は左右に一対の送りロールを各々配設し、少なくとも一
    方の送りロールの全周面または軸芯方向に任意間隔を置
    いた複数個所の周面に微細な凸部を多数形成し、この送
    りロールに対してある圧力にて他方の送りロールを圧接
    させたことを特徴とする板状体の変位搬送防止装置。
  12. 【請求項12】多刃丸鋸盤または鉋盤の搬送方向の上流
    位置に、板状体を多刃丸鋸盤または鉋盤へ搬送し、次い
    で取り出すために搬送方向に対して上下および/または
    左右に一対の送りロールを1組、また前記多刃丸鋸盤ま
    たは鉋盤の搬送方向の下流位置に、搬送方向へ任意間隔
    を置いて上下および/または左右に一対の送りロールを
    2組、各々配設し、少なくとも一方の送りロールの全周
    面または軸芯方向に任意間隔を置いた複数個所の周面に
    微細な凸部を多数形成し、これら上下および/または左
    右に一対の送りロールをある圧力にて圧接させたことを
    特徴とする板状体の変位搬送防止装置。
  13. 【請求項13】多刃丸鋸盤または鉋盤の搬送方向の上流
    位置に、板状体を多刃丸鋸盤または鉋盤へ搬送し、次い
    で取り出すために搬送方向に対して上下および/または
    左右に一対の送りロールを2組、また前記多刃丸鋸盤ま
    たは鉋盤の搬送方向の下流位置に、搬送方向へ任意間隔
    を置いて上下および/または左右に一対の送りロールを
    1組、各々配設し、少なくとも一方の送りロールの全周
    面または軸芯方向に任意間隔を置いた複数個所の周面に
    微細な凸部を多数形成し、これら上下および/または左
    右に一対の送りロールをある圧力にて圧接させたことを
    特徴とする板状体の変位搬送防止装置。
  14. 【請求項14】送りロールの周面に形成される微細な凸
    部を、概ね0.5mm乃至1mmとした請求項10乃至13
    のいずれかに記載の板状体の変位搬送防止装置。
  15. 【請求項15】上下および/または左右一対の送りロー
    ルのうち少なくとも一方の送りロールを、ある肉厚を有
    する弾性体ロールとした請求項10乃至13のいずれか
    に記載の板状体の変位搬送防止装置。
  16. 【請求項16】上下および/または左右一対の送りロー
    ルのうち少なくとも一方の送りロールを、軸芯方向に亘
    って複数個分割し、これら個々のロールをロール軸にブ
    ッシュを介して遊着して分割された個々のロール毎に回
    転自在とした請求10乃至15のいずれかに記載の板状
    体の変位搬送防止装置。
JP28310696A 1996-10-03 1996-10-03 送りロール及びこの送りロールを使用した板状体の変位搬送防止方法およびその装置 Pending JPH10109301A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28310696A JPH10109301A (ja) 1996-10-03 1996-10-03 送りロール及びこの送りロールを使用した板状体の変位搬送防止方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28310696A JPH10109301A (ja) 1996-10-03 1996-10-03 送りロール及びこの送りロールを使用した板状体の変位搬送防止方法およびその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10109301A true JPH10109301A (ja) 1998-04-28

Family

ID=17661305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28310696A Pending JPH10109301A (ja) 1996-10-03 1996-10-03 送りロール及びこの送りロールを使用した板状体の変位搬送防止方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10109301A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101694343B1 (ko) 파이프 면취장치
JPH055602B2 (ja)
JP2009248259A (ja) 面取り装置およびステンレススチール板の面取り方法
US6899003B1 (en) Rotary cutting machine for corrugated cardboard plate
CN210997920U (zh) 石材磨边机输送带
CN209903268U (zh) 一种印刷工艺用且可改变裁切模具尺寸的裁切装置
JPH10109301A (ja) 送りロール及びこの送りロールを使用した板状体の変位搬送防止方法およびその装置
EP0947273B1 (en) A panel sawing device
CN212528043U (zh) 一种裁板锯
JP3036566U (ja) 板状体の変位搬送防止装置
FI66782C (fi) Inmatningsbaenk foer kantverk
JPH02187301A (ja) 木工機械、特に面取り盤
JP4208546B2 (ja) 板体の搬送装置
JPH0731991Y2 (ja) 板体の裁断装置
JPH0413121Y2 (ja)
CN217345939U (zh) 一种送带裁断机
FI81040C (fi) Anordning foer skaerning av beklaedningsskivor, saerskilt gipskartongskivor.
WO2007063376A2 (en) Apparatus for moving band-shaped products
JPH0248215Y2 (ja)
JPH0437702Y2 (ja)
JPH0335529Y2 (ja)
JPH0753929Y2 (ja) フィンガ−ジョインタ
JP3087813U (ja) ダクトハゼロール成型機における成形用素板押し送り用のガイドロール装置
JP2532335Y2 (ja) 木材端部加工装置
JPH0578425U (ja) 切断機の位置決め装置