JPH10108762A

JPH10108762A - 編みカバー

Info

Publication number: JPH10108762A
Application number: JP9235091A
Authority: JP
Inventors: Stuart Thomas Smith; スチュアート・トーマス・スミス; Debra Jean Tiensivu; デブラ・ジーン・ティエンシヴ
Original assignee: Motors Liquidation Co
Current assignee: Motors Liquidation Co
Priority date: 1996-08-29
Filing date: 1997-08-29
Publication date: 1998-04-28
Also published as: EP0833001A3; AU3321897A; US5887452A; EP0833001A2; KR19980019172A; DE69719652D1; ES2195080T3; EP0833001B1; CN1175642A; GB2316689A; AU691449B2; DE69719652T2; MX9706441A; GB9626577D0; CA2214257A1; BR9704530A; GB2316689B

Abstract

(57)【要約】【課題】座席にカバーを固定する補助をなすフラップ
を備えた布カバーを提供する。【解決手段】ウエール方向に延びるフラップ（５０）
を内面（２３）側に備えた装飾用の横編み布カバー（１
３）を形成する方法において、コース方向の余剰の布
（４３）をカバー内に編み込み、この余剰の布をたぐり
寄せて折り返し状になし、その根元部分（５７）を縫い
合わせることにより、布の内面にフラップを形成する。
カバーのコース方向の長さは、フラップを形成するため
に布をたぐり寄せた後に、カバーが座席コア材（１２）
に実質上正確にフィットするのに十分な長さとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は装飾用編み布カバー
に関し、特に、座席に使用する装飾用編み布カバーに関
する。

【０００２】

【発明の背景】三次元物体を覆うための装飾用カバーを
一部品として編むことが可能であることが判明してい
る。米国特許第５，３０８，１４１号明細書及び同第
５，３２６，１５０号各明細書は自動車の座席の座部
（ベース）及び背もたれクッションのためのカバーを一
部品として編む方法を開示している。

【０００３】上述の米国特許明細書においては、係止装
置として作用する管状のフラップをカバー内に一体的に
編み込む方法が開示されている。これらの管状フラップ
は編んだ布内でほぼコース方向に延びる。

【０００４】本出願人に係る米国特許出願第０８／６１
９，０５２号明細書（１９９６年３月２０付出願）に
は、ウエール方向に延びるチューブをダブルジャージー
構造の横編み布に編み込む方法が記載されている。ダブ
ルジャージー構造の横編み布は２つのニードルベッド内
に配置された独立作動ニードル（針）を有する横編み機
（例えば、平坦なＶ字ベッド型の編み機）により機械編
みすることができる。ウエール方向に延びるチューブ部
分はダブルジャージー構造の布の２つの層の間に形成す
ることができるが、この場合、特定のニードルライン上
でダブルジャージー構造の２つの層間に相互係止編み目
が存在しないように、選択されたニードル上の編み目を
スリップさせることにより、ウエール方向に延びるチュ
ーブを形成する。

【０００５】しかし、現在まで、ウエール方向に延びる
フラップを編み布の中央位置に形成する便利な方法は存
在しない。覆うべき物体に対して実質上正確にフィット
するような寸法の三次元編みカバーに対しては特にそう
である。

【０００６】

【発明の概要】コア材に隣接する布の裏面に設けられた
ウエール方向に延びるフラップと、布の外面に設けられ
た対応する装飾用シームとを備えた、コア材のための装
飾用編み布カバーを形成する方法が提供され、その特徴
とするところは、カバーがコース方向に編まれた余剰の
布を有するように編まれ、余剰の布部分がたぐり寄せら
れてカバーの内面にフラップを形成し、フラップの根元
部分を長手方向に沿って縫い合わせたことである。フラ
ップを形成する余剰の布はカバーの編んだ編み目により
境界決めすることができる。

【０００７】装飾用カバーが独立作動できる前方ニード
ルベッド及び後方ニードルベッドに配置されたニードル
を有する横編み機で編まれたダブルジャージー構造の横
編み布により構成される場合、布は一方のニードルベッ
ドで編まれた前層と他方のニードルベッドで編まれた後
層とを有し、これら２つの層は編んだループにより相互
連結される。フラップを形成する余剰の布の境界は編み
目をコントラストラインとして編むことにより後層内の
みに形成される。

【０００８】コントラストラインはコントラストヤーン
及び後層（内面）上で可視の別の編み目を使用すること
により形成される。この方法は本出願人に係る米国特許
第５，２１３，８６３号明細書に開示された方法に類似
している。

【０００９】好ましくは、フラップの形成を補助するた
めに折り目ラインをそれぞれの層に形成し、折り目ライ
ンはニードルベッドのうちの少なくとも一方のニードル
ベッドの特定のニードル上の編み目を除去することによ
り形成される。

【００１０】これらの折り目ラインは、編み目移送技術
を使用することにより又は特定のニードルから解放する
ことにより、ダブルジャージー構造のそれぞれの層から
編み目を除去することによって、それぞれの層内に形成
された溝を含むことができる。

【００１１】好ましくは、ダブルジャージー構造の編ん
だ布はシェニールヤーンで形成された前層と、シェニー
ルヤーンではない少なくとも１つのポリエステルヤーン
で形成された後層とを有する。シェニールヤーンは本出
願人に係る米国特許第５，４２８，９６９号明細書に開
示された型式のものとすることができる。シェニールヤ
ーンは１５００ないし３０００の範囲のデシテックス(d
ecitex) を有することができる。便宜的には、布はコー
ス方向において１インチ（２．５４ｃｍ）当り８ないし
１６個のウエールを有し、ウエール方向において１イン
チ当り８ないし３０個のコースを有し、シェニールヤー
ンは編んだループ編み目として布内に編み込まれる。

【００１２】好ましくは、ポリエステルヤーンは５５０
ないし９００、又は、６００ないし８００、又は、６０
０ないし７５０、又は、６５０ないし７００の範囲のデ
シテックスを有する空気組織化(air texturised)された
ポリエステルヤーンである。シェニールヤーンは、例え
ば、一対の捩ったナイロン及び（又は）ポリエステル製
のストランドで形成することができ、熱処理しなければ
ならない１以上の低融点ナイロンストランドを含むこと
ができる。または、パイルはストランドに関して相対移
動可能とすることができる。シェニールヤーンは１５０
０ないし３０００デシックスの範囲の番手を有すること
ができる。好ましくは、シェニールヤーンは可動パイル
及び（又は）伸長可能なコア（芯）を有するものであ
る。

【００１３】好ましくは、空気組織化されたポリエステ
ルヤーンは、緩んだ状態で６８０−７５０デシックスの
番手を有する連続フィラメントヤーンである。

【００１４】好ましくは、編み方法においては、緩んだ
状態で、布は１ｃｍ当り４ないし６のウエールを有す
る。

【００１５】布は一対の向き合ったニードルベッドを有
する平坦ベッド型の編み機により編むことができる。編
み機は１０ないし１６の範囲、好ましくは１０ないし１
４の範囲、一層好ましくは１２のゲージを有することが
できる。編み機はツインカム式の機械でもよいし、３カ
ム式の機械でもよいし、４カム式の機械でもよい。

【００１６】本発明はカバー（好ましくは、装飾用布）
を編む方法を提供し、この方法においては、編み動作は
一対の向き合った独立作動可能なニードルベッドを有す
る機械により実行され、各ニードルベッドのニードル
は、ニードルベッドに沿って往復運動する作動カムボッ
クスの経路内へ独立に移動できる。

【００１７】車両の座席のための装飾用布は、好ましく
は、すぐに使用できる緩んだ状態で、５００ｇ／ｍ
²（好ましくは、５００ないし９００ｇ／ｍ²）の重量を
有する。これは、３００−３５０ｇ／ｍ² の重量を有す
る従来の編んだ製品と対比できる。

【００１８】好ましくは、装飾用布は、６２５ないし８
５０の範囲のデシックスを有するヤーンから形成され、
１０ないし１８の範囲のゲージを有する機械で編まれた
横編み装飾布であり、この布は実質上ダブルジャージー
構造のものである。

【００１９】また、本発明によれば、使用時にコア材に
隣接して位置する内面を有し、編んだ布をたぐり寄せて
その根元部分に沿って長手方向に縫い合わせることによ
り内面に形成されたフラップを一部に備えた機械編みカ
バーが提供される。カバーのコース方向の長さは、カバ
ーの上記一部により覆われるコア材の部分に適合するよ
うな所定長さを越えてカバーをコース方向に引き伸ばす
ことなく、フラップを形成するのに十分な長さとする。

【００２０】フラップを形成するためにたぐり寄せられ
る編んだ布はカバー内の編んだ布である。好ましくは、
布はダブルジャージー構造の布であり、フラップを形成
するためにたぐり寄せられる編んだ布部分はダブルジャ
ージー構造の後層内のみに位置し、そのコントラスト編
み目はコントラストヤーンで形成することができ、また
は、異なる編み目構造とすることができる。

【００２１】フラップの形成の補助として、ダブルジャ
ージー構造の布の層のうちの少なくとも一方の層内に折
り目ラインを形成することができ、折り目ラインは溝で
構成される。

【００２２】フラップは閉じた両端部と、各閉じた端部
の近傍に形成され、フラップ内へのワイヤの挿入を許容
するスリットとを有する。ワイヤはカバーをコア材に固
定する（例えば、自動車の座席クッションカバーをモー
ルド成形したソファーに固定する）補助をなす係止手段
として使用される。

【００２３】スリット間の距離はフラップの全長及びフ
ラップ内へ挿入されるべきワイヤの長さより短い。ワイ
ヤの端部は、フラップの閉じた端部を穿孔するのを阻止
するようにループとして屈曲させることができる。

【００２４】フラップは、カバーをコア材に係止するた
めにフラップ内に位置するワイヤに係合するように固定
手段（例えば、ホグリング）を挿通させることのできる
ウエール方向に沿って離間した別の開口（好ましくは、
矩形の開口）を有することができる。

【００２５】

【発明の実施の形態】図１には、座席の座席ベース即ち
座部１１を示す。座部１１は布カバー１３を張り巡らせ
る三次元フォームコア材（コア材）１２を有する。フォ
ームコア材は所望の形状とすることができ、図示の例で
は、側部分１４を有する。布カバー１３は三次元編みカ
バーであり、中央のパネル部分１５と、側部分１６、１
７と、ベースと、一体に編まれた縁部分１８、１９とを
備え、これらは既知の方法で座席の座部に固定される。
布カバー１３は装飾用シーム２０を有することができ
る。これらのシームは主として自動車の座席の場合に使
用される。

【００２６】本発明の理解を深めるために、平坦なＶ字
ベッド型の編み機を参照する。このような編み機の詳細
は１９６７年にスイス国、ニュー・チャテル(Neu Chate
l)のＥｄｏｕａｒｄＤｕｂｉｅｄｅｔＣｉｅＳ
Ａ社により発行された刊行物「ＤｕｂｉｅｄＫｎｉｔ
ｔｉｎｇＭａｎｕａｌ」に記載されている。平坦なＶ
字ベッド型の編み機は周知で、現在ではコンピュータ制
御されている。近年、平坦なＶ字ベッド型の編み機を用
いて装飾用布を製造する提案がなされており、例えば、
米国特許第５，３０８，１４１号明細書及び同第５，３
２６，１５０号各明細書では、車両に使用するのに適し
た装飾用布を編むことが提案されている。

【００２７】本発明に係る布の編み方法では、１２ゲー
ジのニードルを備えたストールＣＭＳ機械(Stoll CMS m
achine) を使用する。この機械は編んだ布を押さえつけ
る補助をなすプレッサフット(presser foot)即ちシンカ
ー(sinker)の如きループ押さえ装置を具備する平坦なＶ
字ベッド型の編み機である。この機械は対応するカムボ
ックスにそれぞれ関連する複数のヤーンキャリヤを使用
することができる。

【００２８】カムボックスがニードルベッドを横切って
往復運動する間、ヤーンキャリヤは各運動方向において
所望のニードルにヤーンを供給する。

【００２９】布カバー１３は横編みダブルジャージー構
造を有する。このようなダブルジャージー構造はヤーン
の相互連結編み目即ちループで形成された一対のシング
ルジャージー構造の布層により構成され、対向する対の
層は別のヤーンのループにより相互連結される。特に２
色又は３色のヤーンを使用する場合にニードルの作動を
自動制御することにより、極めて複雑な布構造を得るこ
とが可能である。通常、このような布は、ニードルを適
当に選択することにより布の面の色を決定できるジャッ
カード(jacquard)編み機により編まれる。

【００３０】美観を有するのは布の外面（表面）だけで
よい。布の内面（裏面）は補強層又はパッド層で覆われ
るか、または、装飾すべき物体のコア材１２に直接接触
せしめられ、使用者にとっては無関心な面である。

【００３１】布カバー１３は、編み機の一方のニードル
ベッドで形成された布の前層内の一連のループで構成さ
れた外面２１と、編み機の他方のニードルベッドで形成
された布の後層内の一連のループで構成された後面即ち
内面２３（図３）とを備えた横編みダブルジャージー構
造を有する。

【００３２】図５ないし図９ｂは編み方図を示し、各列
はヤーンキャリヤのワンパスにおける編み列を表す。各
列において、上方の列の小さなドット（点）は編み機の
後方ニードルベッド（Ｒ）の個々のニードルを表し、下
方の列のドットは編み機の前方ニードルベッド（Ｆ）の
ニードルを表す。布１３の前層（外面）２１は前方ニー
ドルベッドで編まれ、布の後層（内面）２３は後方ニー
ドルベッドで編まれる。ヤーンはループ及び相互連結ク
ロスリンクで表される。これらの編み方図は本発明を説
明するのに必要な布の一部のみを示す。

【００３３】図２は横編み布カバー１３の編みパターン
を示し、このパターンは下方から上方に向かってＸ方向
に編まれる。

【００３４】２つのラインＡ、Ｅ間の長さはカバーを編
む編み機の２つのニードルベッドの作業長さを表す。ニ
ードルはコース（横列網目）毎に垂直ニードルラインに
沿って（即ち、ウエール方向に沿って）布を形成するよ
うに作動する。

【００３５】複雑な三次元座席カバーの編み方は上記米
国特許第５，３０８，１４１号明細書及び同第５，３２
６，１５０号各明細書に詳細に開示されている。本明細
書では、本発明を理解するのに必要な程度だけ編み方を
説明する。編み動作はダブルジャージー構造の立ち上が
りコース３２を形成するようにニードルベッドのライン
Ａ、Ｅ間のすべてのニードルにより開始される。次い
で、２つのニードルベッドはシングルジャージー構造の
層を別個に編んでコース方向に延びるチューブ３３を形
成する。この場合、所望の形状を得るように、ニードル
は漸進的に作動状態又は不作動状態即ち停止状態とされ
る。

【００３６】コース方向に延びるチューブ３３が完成し
た後、ニードルラインＢ、Ｃ間のニードルがダブルジャ
ージー構造の領域３４を編み始める。この領域が完成す
ると、ヤーンキャリヤがニードルラインＥまで移動し、
ジャッカード領域３５を編み始める。

【００３７】布の下方から上方への連続編み動作中、双
頭矢印にて示す領域を画定する布の縁部が一緒に編まれ
る。例えば、双頭矢印Ｍにて示す領域を画定する２つの
縁部を考察すると、これら２つの縁部を一緒に編むため
には、布領域３４の編み動作中に不作動状態とされてい
たニードルラインＣ、Ｅ間のニードルがニードルライン
ＥからＣに向かってコース方向に沿って漸進的に再作動
せしめられ、双頭矢印Ｍにて示す領域を画定する２つの
縁部を「結合」する。

【００３８】ダブルジャージー構造のジャッカード領域
３５、３４、３７はコース３８に至るまで両方のニード
ルベッドによる編み動作により形成される。次いで、前
方ニードルベッドのニードルは停止されるが、後方のニ
ードルベッドによる編み動作は続けられ、上記米国特許
第５，３０８，１４１号明細書及び同第５，３２６，１
５０号各明細書に開示された如き型式の一体のシングル
ジャージー構造の係止チューブ３９を形成する。

【００３９】係止チューブ３９は例えばホグ(hog) リン
グの如き固定手段を取り付けるための開口を備え、それ
故、このチューブは後方ニードルベッドの隣接するニー
ドルのブロックによる編み動作により形成される。ただ
し、後方ニードルベッドの他のニードルは停止状態とし
ておく。

【００４０】図示のように、ニードルラインＦ、Ｋ間の
後方ニードルベッドのすべてのニードルにより、シング
ルジャージー構造の布の数個のコースを編む。ニードル
ラインＦ、Ｉ間のニードルは停止されるが、ニードルラ
インＪ、Ｋ間のニードルにより編み動作が続けられ、数
個のコース（好ましくは、４個又は５個のコース）だけ
編み、ブロック３９ａを形成する。次いで、ニードルラ
インＪ、Ｋ間及びニードルラインＦ、Ｇ間のニードルが
停止せしめられ、ニードルラインＨ、Ｉ間のニードルに
よる編み動作を再度開始して数個のコースを編み、ブロ
ック３９ｂを形成する。次いで、ニードルラインＨ、Ｋ
間のニードルは停止されるが、ニードルラインＦ、Ｇ間
で編み動作を再度開始して数個のコースを編み、ブロッ
ク３９ｃを形成する。その後、ニードルラインＧ、Ｋ間
のニードルによる編み動作を開始して、この編み動作を
コース４０に至るまで続行し、チューブ３９を完成させ
る。シングルジャージー構造のチューブはコース３８、
４０間の暗い領域により示される。

【００４１】コース４０から先では、ニードルライン
Ｌ、Ｐ間で両方のニードルベッドによる編み動作を再度
開始し、領域３７に接続するダブルジャージー構造のジ
ャッカード領域４１を形成する。領域３７は座席カバー
１３の側部分１６又は１７を構成し、ダブルジャージー
構造の領域４１はカバー１３の中央パネル１５を構成す
る。

【００４２】中央パネル４１（１５）はコース４０、４
２間で編まれ、カバー１３の内面上のウエール方向に延
びたフラップ５０（図３）を形成するために使用される
余剰の布４３の領域を含む。ニードルラインＡ、Ｅ間の
中央パネル４１（１５）のコース方向の長さは覆うべき
座席クッションコア材１２の対応する表面長さより大き
く、そのため、編んだ材料はフラップ５０を形成するた
めに寄せ集めることができ、また、コア材を覆うための
所定の長さを越えて布カバーの中央パネル１５を引き伸
ばすことなく、クッションのコア材を覆うのに十分なコ
ース方向の長さを残すことができる。

【００４３】カバー内でのフラップ５０の形成により全
体の美観及びカバーの一体性を損なってはならない。こ
れはフラップをパネルの中央に形成する場合に特に重要
である。

【００４４】２つのダブルジャージー構造の層間の相互
連結編み目を除去することにより、ウエール方向のチュ
ーブ４４がパネル４１（１５）の前縁に形成される。

【００４５】中央のパネル４１（１５）を編んだ後、コ
ース３２、４０間について説明したのとは逆のモードで
編み動作を続行し、カバーの上端におけるコース方向に
延びるチューブ４５で編み動作を終了する。最後の数個
のコースをダブルジャージー構造として編み、これらの
コースは編んだ後のほぐれを阻止するための可溶性に糸
を含む。

【００４６】図４はフラップ５０の形成のために中央パ
ネル４１（１５）に形成された余剰の布のフラップ領域
４３の拡大図である。図５ないし図９に示す編み方図は
特定の特徴をフラップ領域４３に組み込む方法を示す。

【００４７】一般に、各編み方図は４つの区域I、II、I
II、IVに分けられる。ニードルラインＸ、Ｚの外側の区
域I、IVはパネルのジャッカード領域４１であり、ニー
ドルラインＸ、Ｙ間の区域II及びニードルラインＹ、Ｚ
間の区域IIIはフラップ領域４３の材料にそれぞれ対応
する。ラインＸ、Ｙ、Ｚは、フラップ５０を形成すると
きの布内の折り目ラインを目立たせるために中央パネル
４１（１５）に形成されたコントラストライン５１、５
２、５３に対応する。矢印は各コースにおけるヤーンキ
ャリヤの進行方向を示す。

【００４８】布を編むに際し、図５はコントラストライ
ン５１、５２、５３を形成する方法を示す。ヤーンキャ
リヤは右から左へ進行（移動）して布の１つのコースを
編む。上方の列のドットは後方ニードルベッドＲ（のニ
ードル）を示し、下方の列のドットは後方ニードルベッ
ドＦ（のニードル）を示す。ヤーンキャリヤの各パスに
対して、３つのヤーンがニードル上で編まれる。これら
３つのヤーンは第１のコントラストヤーン６１、シェニ
ールヤーン６２及び第２のコントラストヤーン６３であ
る。第１のコントラストヤーン６１は、ニードルライン
Ｘ、Ｙ、Ｚにおける３つのニードルを除いた後方ニード
ルベッドのすべてのニードル上で編まれ、ある編み目を
前方ニードルベッド上で形成してダブルジャージー構造
の層間に相互係止部分を提供する。シェニールヤーン６
２は前方ニードルベッドのみのすべてのニードルで編ま
れる。第２のコントラストヤーン６３は後方ニードルベ
ッドのすべてのニードル上で編まれ、ある編み目を前方
ニードルベッド上で形成して２つのダブルジャージー構
造の層を相互係止する。これは繰り返しユニットＵ１を
形成する。右から左へのヤーンキャリヤの次のパスによ
り、次の繰り返しユニットＵ１を形成する。以下同様。

【００４９】編み物の後層は編んだ布の内面上で第２の
コントラストヤーン６３の単一のウエールとして見える
コントラストライン５１、５２、５３を有するように形
成される。

【００５０】布を編む際、区域II及び区域IIIの幅はコ
ントラストライン５１、５３の所望の位置に適合するよ
うに変えることができる。

【００５１】図６を参照すると、編み物の単一のコース
に対して図示のように前方及び後方ニードルベッド上の
選択したグループのニードル（好ましくは、５つのニー
ドル）を解放することにより、コース方向に延びるスリ
ット５５をフラップ５０の各閉端に形成することができ
る。この場合、選択されたニードルは中央のニードルラ
インＹを跨ぐ。次いで、繰り返しユニットＵ１が次の引
き続きのコースにおいて再度編まれる。

【００５２】必要なら、スリット５５を形成せずに、フ
ラップ領域４３に沿ってウエール方向で離間した別の開
口５６（図には３個を示す）を形成するために、前述の
ように、ニードルラインＹを跨ぐ中央部における前方及
び後方ニードルベッドの選択されたグループのニードル
を解放する。次いで、区域III、IVにおけるニードルを
停止した状態で、両方のニードルベッド（図７ａ、図７
ｂ）上の区域I、IIにおける解放されたニードルの片側
のみにおいて、４つのコース分だけ布が編まれる。次い
で、区域I、IIにおけるニードルが停止せしめられ、解
放されたニードルの反対側のみにおいて、区域III、IV
におけるニードルによる４つのコース分だけの編み動作
を再度開始させる（図８ａ、図８ｂ）。次のコースは図
５に示した型式の繰り返しユニットＵ１であり、開口の
上側を形成することにより開口を閉じる。

【００５３】図９には、ダブルジャージー構造の編んだ
布の層に折り目ライン９１（図３）を形成する手段を示
す。

【００５４】ヤーンキャリヤを右から左へ移動させるこ
とにより形成された編んだコース方向の繰り返しユニッ
トＵ２は繰り返しユニットＵ１に酷似するが、第１のコ
ントラストヤーン６１が前方ベッドではなく後方ベッド
のニードルＹで編まれ、シェニールヤーン６２がニード
ルＹを除く前方ベッドのニードルで編まれ、ニードルラ
インＹでは後方のニードルベッドのニードルで編まれ、
第２のコントラストヤーンが後方ニードルベッドのすべ
てのニードルで編まれる点が異なる。従って、第１層の
ニードルＹは空のままである。

【００５５】左から右へのヤーンキャリヤの次のパスで
は、繰り返しユニットＵ２の形成を繰り返すが、２つの
ダブルジャージー構造の層間の相互係止編み目６４は前
方ベッドに隣接するニードル上で形成される。

【００５６】出来上がった多数のコースにより布の外面
に沿って折り目ライン９１が形成され、フラップ５０を
形成するためにこの折り目ラインに沿って布を容易に折
り曲げることができる。これを図３に示す。

【００５７】上述の技術を使用して領域４３を形成し、
余剰の布部分をたぐり寄せてウエール方向に延びるフラ
ップ５０を形成し、その根元部分を縫い目ライン５７に
沿って縫い合わせ、布の外面に可視のシーム２０を形成
する。

【００５８】スリット５５を通してフラップ５０内へ係
止ワイヤ５８を挿入できる。開口５６はホグリングとも
呼ばれる係止リング５９を通過させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】装飾された自動車の座席クッションの斜視図で
ある。

【図２】本発明に係る自動車の座席カバーの編みパター
ンを示す図である。

【図３】図４に示すフラップの開口５６を通る断面図で
ある。

【図４】ウエール方向に延びるフラップを形成するため
にたぐり寄せられる布部分のパターンの一部を示す拡大
図である。

【図５】フラップを編むために使用される一技術を示す
編み方図である。

【図６】フラップを編むために使用される一技術を示す
編み方図である。

【図７】図７ａ及び図７ｂはフラップを編むために使用
される一技術を示す編み方図である。

【図８】図８ａ及び図８ｂはフラップを編むために使用
される一技術を示す編み方図である。

【図９】図９ａ及び図９ｂはフラップを編むために使用
される一技術を示す編み方図である。

【符号の説明】

１２座席コア材１３布カバー２０シーム２１前層（外面）２３後層（内面）４３余剰の布５０フラップ５１、５３５５スリット５６開口５７根元部分５８ワイヤ５９固定手段９１折り目ラインＦ、Ｒニードルベッド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者デブラ・ジーン・ティエンシヴアメリカ合衆国ミシガン州48038，クリントン・タウンシップ，キューター・レーン 20813

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】コア材（１２）に隣接する内面側に設け
られたウエール方向に延びるフラップ（５０）と、外面
に設けられた装飾用シーム（２０）とを備えた、コア材
（１２）のための装飾用編み布カバー（１３）を形成す
る方法において、上記カバー（１３）を、そのコース方向で余剰の布部分
（４３）が生じるように編み、同余剰の布部分をたぐっ
て当該カバーの内面側に折り返し状の上記フラップ（５
０）を形成し、同フラップの根元部分（５７）を長手方
向に沿って縫い合わせたことを特徴とするカバー形成方
法。
【請求項２】上記フラップ（５０）を形成する上記余
剰の布部分（４３）がカバーの編んだ編み目（５１、５
３）により境界決めされることを特徴とする請求項１の
カバー形成方法。
【請求項３】上記装飾用編み布カバー（１３）が２つ
の独立に作動できる前方ニードルベッド（Ｆ）及び後方
ニードルベッド（Ｒ）に配列されたニードルを有する横
編み機により編まれたダブルジャージー構造の横編み布
で構成され、この布カバー（１３）が一方のニードルベ
ッドで編まれた前層（２１）と他方のニードルベッドで
編まれた後層（２３）とを有し、これら２つの層が編ん
だループにより相互連結され、上記フラップ（５０）を
形成する上記余剰の布部分（４３）の境界をなす編み目
（５１、５３）がコントラストラインを編むことにより
上記後層（２３）内のみに形成されることを特徴とする
請求項２のカバー形成方法。
【請求項４】上記フラップ（５０）の形成のために折
り目ライン（９１）をそれぞれの層に形成し、上記折り
目ライン（９１）が上記ニードルベッド（Ｒ、Ｆ）のう
ちの少なくとも一方のニードルベッドの特定のニードル
による編み目の形成を省略することにより形成されるこ
とを特徴とする請求項３のカバー形成方法。
【請求項５】省略される編み目が編み作業中に隣接す
るニードル上へ移されることを特徴とする請求項４のカ
バー形成方法。
【請求項６】請求項１ないし５のいずれかに記載の方
法により形成され閉じた端部を有するフラップ（５０）
を備えた装飾用編みカバー（１３）をコア材（１２）に
取り付ける方法において、上記フラップ（５０）が更に上記閉じた端部の近傍に位
置するスリット（５５）を備え、上記カバーを上記コア
材に取り付けるためのワイヤ（５８）を上記スリットに
挿入して上記閉じた端部間で延在させたことを特徴とす
る取付方法。
【請求項７】上記フラップ（５０）が更に開口（５
６）を備え、同開口を通して固定手段（５９）を上記ワ
イヤ（５８）に取り付けて、上記カバー（１３）を上記
コア材（１２）に取り付けることを特徴とする請求項６
の取付方法。
【請求項８】装飾用の編んだ布カバー（１３）を自動
車の座席クッション（１２）に取り付ける方法におい
て、請求項７の方法により上記カバーを上記座席クッション
に取り付けることを特徴とする取付方法。
【請求項９】自動車の座席において、請求項８の方法により取り付けられた装飾用の編んだ布
カバー（１３）を有することを特徴とする自動車の座
席。
【請求項１０】使用時にコア材（１２）に隣接して位
置する内面（２３）を有し、編んだ布部分をたぐり寄せ
て折り返し状となす、その根元部分（５７）に沿って長
手方向に縫い合わせることにより上記内面側に形成され
たフラップ（５０）を一部に備えた機械編みカバー（１
３）において、カバー（１３）のコース方向の長さが、カバーの上記一
部により覆われる上記コア材の部分に適合するように、
当該カバーの一部をその所定長さ以上にコース方向に引
き伸ばすことなく、上記フラップ（５０）を形成するの
に十分な長さとしたことを特徴とするカバー。
【請求項１１】上記フラップ（５０）を形成するため
にたぐり寄せられる上記布部分（４３）がカバーの編ん
だ編み目（５１、５３）により境界決めされることを特
徴とする請求項１０のカバー。
【請求項１２】カバーが前層（２１）及び後層（２
３）を有するダブルジャージー構造の編んだ布部分で構
成され；上記フラップ（５０）を形成するためにたぐり
寄せられる上記布部分（４３）の境界が上記後層（２
３）内のみに位置し、編んだ編み目（５１、５３）をコ
ントラストラインとして組み込むことにより形成される
ことを特徴とする請求項１１のカバー。
【請求項１３】カバーがダブルジャージー構造の編ん
だ布部分で構成され；上記フラップ（５０）の形成のた
めの上記編んだ布部分（４３）のたぐり寄せを補助する
ため、ダブルジャージー構造の前層（２１）及び後層
（２３）内に折り目ライン（９１）が形成され、同折り
目ライン（９１）がダブルジャージー構造の前層及び後
層のうちの少なくとも一方の層内の編み目を除去するこ
とにより上記一方の層内に形成された溝で構成されるこ
とを特徴とする請求項１０ないし１２のいずれかに記載
のカバー。
【請求項１４】上記フラップ（５０）が閉じた両端部
と、各閉じた端部の近傍に形成され、当該フラップ（５
０）内へのワイヤ（５８）の挿入を許容するスリット
（５５）とを有し、同スリット（５５）が、該フラップ
内へ挿入されるべき上記ワイヤの長さより短い距離だけ
相互離間していることを特徴とする請求項１０ないし１
３のいずれかに記載のカバー。
【請求項１５】上記フラップ（５０）が更に、カバー
（１３）を上記コア材（１２）に係止するために上記ワ
イヤ（５８）に係合するように固定手段（５９）を挿通
させることのできるウエール方向に沿って離間した開口
（５６）を備えたことを特徴とする請求項１４のカバ
ー。