JPH10108728A - 棒状化粧料容器 - Google Patents

棒状化粧料容器

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JPH10108728A
JPH10108728A JP26749396A JP26749396A JPH10108728A JP H10108728 A JPH10108728 A JP H10108728A JP 26749396 A JP26749396 A JP 26749396A JP 26749396 A JP26749396 A JP 26749396A JP H10108728 A JPH10108728 A JP H10108728A
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久雄 岩本
Yoichi Iwamoto
陽一 岩本
Hiroaki Yuri
宏哲 百合
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外筒と内筒部を容易に取り外すことができ、金
属廃棄物と合成樹脂廃棄物等に分けて廃棄することので
きる棒状化粧料を提供する。 【解決手段】棒状化粧料8保持用の中皿12の外周面か
ら突設された両板状ガイド突起23を、内筒部11の周
壁に穿設された両縦穴14a,14bに係合させて上記
中皿12を内筒部11に収納し、この内筒部11の下部
を袴2に取り外し可能に固定し、上記両板状ガイド突起
23をスリーブ10の内周面に設けられた多数のらせん
溝に係合させて上記スリーブ10の下部を内筒部11の
下部に外嵌している。そして、上記内筒部11の下部周
壁に切欠き部20を形成し、上記内筒部11の下部周壁
を内向きに押圧して縮径させることよりこの内筒部11
をスリーブ10から取り外し可能に構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、口紅,リップクリ
ーム,チック等の棒状化粧料を容器から繰り出して使用
する棒状化粧料容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、口紅等の棒状化粧料の容器とし
ては、図19に示すようなものが使用されている。すな
わち、この容器は、両側にガイド突起31が突設された
金属製の繰出筒32と、両側に相対峙して縦穴33が穿
設された金属製の有底状内筒34(最近では、この有底
状内筒34を、金属製の有底状袴部と合成樹脂製の縦穴
33付き内筒部に別々に成形し、両者を相対回動不能に
取り付けたものが多い)と、内周面に2本のらせん溝3
6が刻設された金属製の外筒35と、この外筒35に冠
着される金属製のキャップ37を備えている。この容器
は、縦穴33を挿通して内筒34から突出しているガイ
ド突起31にらせん溝36を係合させながら外筒35を
内筒34の外周面に外嵌することにより組み立てられ
る。図において、38は繰出筒32に固着された棒状化
粧料である。この容器を使用する場合には、上記外筒3
5と内筒34を相対回動させることにより、その回転に
伴い、外筒35のらせん溝36と内筒34の縦穴33と
の交点を上下に移動させ、この縦穴33とらせん溝36
とに係合しているガイド突起31が上記交点に位置決め
されることにより、上記交点の上下移動に追従して繰出
筒32が昇降する。これにより内筒34の上端開口部か
ら棒状化粧料38が繰り出されたり収容されたりするこ
とが行われる。
【0003】このような棒状化粧料容器では、従来、外
筒35が有底状内筒34(もしくは縦穴33付き内筒
部)に抜け止め状に取り付けられており、両者を簡単に
分解することができないようになっている。一方、有底
状内筒34,縦穴33付き内筒部,外筒35の材質とし
ては、金属材料や合成樹脂材料等各種のものが使用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、年々増加する廃
棄物の処理が社会問題化しており、ごみ排出量の抑制と
資源リサイクル促進の必要性が高まっている。このた
め、ごみの種類によって、分別収集を義務づける自治体
も増えている。また、製造業者にも、容器や包装物等の
リサイクルが義務づけられる傾向になってきている。し
かしながら、上記のような、従来の棒状化粧料容器で
は、外筒35を有底状内筒34(もしくは縦穴33付き
内筒部)から簡単に取り外すことができないため、使用
しなくなった棒状化粧料容器を廃棄する際に、合成樹脂
廃棄物と金属廃棄物に分離して廃棄することが行われて
おらず、ごみの分別収集に対応することができていない
のが実情である。そこで、棒状化粧料容器のうちでも、
最近採用されることの多い、有底状内筒34を有底状袴
部と縦穴33付き内筒部に別々に成形したものにおい
て、この縦穴33付き内筒部から外筒35を簡単に取り
外すことのできる棒状化粧料容器が強く要望されてい
る。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、外筒と内筒部を容易に取り外すことができ、金
属廃棄物と合成樹脂廃棄物等に分けて廃棄することので
きる棒状化粧料の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の棒状化粧料容器は、棒状化粧料保持用の繰
出筒の外周面から突設されたガイド突起を、円筒体の周
壁に穿設された縦穴に係合させて上記繰出筒を上記円筒
体に収納し、この円筒体の下部を有底円筒体に取り外し
可能に固定し、上記縦穴を挿通して上記円筒体から突出
するガイド突起を外筒の内周面に設けられたらせん溝に
係合させて上記外筒の下部を上記円筒体の下部に外嵌し
た棒状化粧料容器であって、上記円筒体の下部周壁に、
その下端縁から延びて上記外筒との嵌合部分に至る切欠
き部を形成し、上記円筒体の下部周壁を内向きに押圧し
て縮径させることによりこの円筒体を外筒から取り外し
可能に構成したという構成をとる。
【0007】すなわち、本発明の棒状化粧料容器は、棒
状化粧料保持用の繰出筒を収納した円筒体と、この円筒
体の下部を取り外し可能に固定した有底円筒体と、それ
自体の下部を上記円筒体の下部に外嵌した外筒を備え、
上記円筒体の下部周壁に、その下端縁から延びて上記外
筒との嵌合部分に至る切欠き部を形成している。このも
のでは、外筒と円筒体を取り外す場合には、まず、有底
円筒体から円筒体を取り外し、ついで、円筒体の下部周
壁を手指で内向きに押圧して縮径させる。これにより、
円筒体と外筒との外嵌部分での嵌合が緩くなる。そのの
ち、円筒体の下部周壁を手指で押圧したまま外筒を手指
で持って引っ張り、外筒から円筒体を抜き取ることが行
われる。このように、本発明の棒状化粧料容器は、これ
を構成する有底円筒体と円筒体と外筒とに簡単に分解す
ることができる。したがって、本発明の棒状化粧料容器
を廃棄する際に、有底円筒体と円筒体と外筒とに分解
し、これらを材質ごとに選り分けて廃棄することで、ご
みの分別収集に対応することができる。しかも、円筒体
の下部周壁を手指で内向きに押圧して縮径させたのち外
筒を引っ張るだけで円筒体と外筒を分解することがで
き、分解作業が簡単である。
【0008】また、本発明において、上記外筒の下部周
壁に、その下端縁から延びて上記円筒体との嵌合部分に
至る切欠き部が形成されている場合には、円筒体を外筒
から取り外す際に、外筒が拡径し、一層取り外し易くな
る。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を図
面にもとづいて詳しく説明する。
【0010】図1は本発明の棒状化粧料容器の一実施の
形態を示している。図において、1はキャップであり、
2は袴(有底円筒体)であり、3は口紅保持部である。
上記キャップ1は、図2に示すように、天井壁がドーム
状に形成された金属製の有天円筒体であり、その下端部
が上記袴2の上端部に着脱自在に外嵌している。上記袴
2は、図3に示すように、有底円筒状に形成された金属
製の袴本体4と、この袴本体4に抜け止め状で、かつ回
動不能に取り付けられた金属製の中袴5とからなる。こ
の中袴5は、円筒部分7と、この円筒部分7の下端開口
部から下方に延設された二重壁部分6とからなり、上記
円筒部分7の外周面が上記袴本体4の内周面に抜け止め
状で、かつ回動不能に内嵌している。また、上記円筒部
分7の上部が上記袴本体4の上端開口部から突出してお
り、この突出した部分7aの外周面に上記キャップ1の
下端部内周面が着脱自在に外嵌している。一方、上記二
重壁部分6は、上記円筒部分7と同心状に形成された円
筒状の内外両壁6a,6bと、これら内外両壁6a,6
bの下端部同士を連結する円環状の底壁6c(この底壁
6cは上記袴本体4の底壁上に載置されている)とから
なり、上記内外両壁6a,6b間に後述する内筒部11
の太径係合部18が回動不能で、かつ取り外し可能に内
嵌する構造にしている。図において、7bは上記円筒部
分7の上端開口部から内向きに突設された円環状の鍔部
である。
【0011】上記口紅保持部3は、図4に示すように、
円筒状に形成された金属製のスリーブ(外筒)10と、
POM樹脂(ポリオキシメチレン)製の内筒部(円筒
体)11と、棒状化粧料8保持用のABS樹脂(アクリ
ロニトリルブタジエンスチレン共重合体)製の中皿(繰
出筒)12とからなる。上記スリーブ10は、上記内筒
部11に抜け止め状に、かつ回動自在に外嵌されるもの
であり、その下端部に1条の円環状の係合用溝部10b
が形成されているとともに、その上端開口部から内向き
に円環状の鍔部10aが突設されている。この鍔部10
aの内径は上記内筒部11の上端部の外径より小径であ
り、上記鍔部10aの下面が内筒部11の上端面に当接
している。また、上記スリーブ10の内周面には、多数
のらせん溝13(各らせん溝13は、その始端から終端
に至る間に、上記内周面を略1周するように形成されて
いる)が等間隔置きに刻設されている。
【0012】上記内筒部11は、図5および図6に示す
ように、内側下部に仕切り壁21を有する円筒状体であ
り、上側の細径部と下側の太径部を有している。上記細
径部には、図7および図8に示すように、その周壁の相
対峙する部分に、その周壁の上端縁やや下側部分から下
端縁近傍に延びる縦穴14a,14bが形成されている
とともに、これら両縦穴14a,14bの上端部および
下端部に横穴15a,15bが周方向に切欠き形成され
ている。また、これら両縦穴14a,14bのうち一方
の縦穴14aの上端縁中央から切欠き部16が縦向きに
延びており、その先端は細径部の上端縁まで到達してい
る。
【0013】一方、上記太径部は、上記スリーブ10の
下部を抜け止め状に、かつ回動自在に取り付ける太径取
付部17と、上記袴2の二重壁部分6の内外両壁6a,
6b間に回動不能で、かつ取り外し可能に内嵌する太径
係合部18からなる。上記太径取付部17は、その外周
面が、上記スリーブ10の下部(らせん溝13より下側
部分)の内周面を回動自在に外嵌しうる寸法に形成され
ているとともに、上記太径取付部17の下部(上記仕切
り壁21に対応する部分)の外周面には、上記スリーブ
10の係合用溝部10bに抜け止め状に、かつ回動自在
に係合する1条の円環状の被係合用溝部17aが形成さ
れている。これにより、太径取付部17にスリーブ10
の下部が抜け止め状に、かつ回動自在に外嵌されてい
る。また、上記太径取付部17の外周面のうち、上記一
方の縦穴14aの下側に位置する部分には凹部17b
(側面視で長方形である)が形成されており、この凹部
17bに、外面に凸曲面状の湾曲部19a(側面視で長
円形である)を有する凸部19(側面視で長方形であ
る)が突設されている。そして、この凸部19の湾曲部
19aの凸曲面が上記スリーブ10の下部の内周面に弾
圧状に当接し、スリーブ10と内筒部11を相対回動さ
せたときに両者がスムーズに回動するようにしている。
一方、上記太径係合部18には、その相対峙する部分
(両縦穴14a,14b間における、周方向の中間位
置)に、その下端縁から上方に向かって延びる切欠き部
20が形成されている。この切欠き部20は先細り状に
形成されており、その先端は上記太径取付部17を少し
超えた部分まで延びているとともに、上記仕切り壁21
を横断状に切欠いている(図9参照)。図5において、
21aは仕切り壁21に穿設された2つの貫通穴であ
り、22aは上記細径部に穿設された2つの窓である。
また、図8において、22bは上記太径取付部17に突
設されたスリーブ10摺接用の2つの凸部である。
【0014】上記中皿12は有底円筒状に形成されてお
り、図10〜図12に示すように、その外周面の相対峙
する部分に、上記内筒部11の縦穴14a,14bに上
下移動自在に係合するとともに横穴15a,15bに左
右移動自在に係合する側面視で長円形状の板状ガイド突
起23が突設されている。これら両板状ガイド突起23
の突出長さは、上記縦穴14a,14bに係合させた状
態で内筒部11に収容したときに、両縦穴14a,14
bからやや突出する長さに形成されている。そして、両
板状ガイド突起23の外面に、上記スリーブ10の内周
面に形成された多数のらせん溝13にら合する数本のら
せん溝24が刻設されている。また、この中皿12に
は、その底部に、棒状化粧料8を保持する保持板25が
形成されており、この保持板25の上側部分(棒状化粧
料8を保持する部分)は、その内周面が正多角形に形成
されている。これにより、棒状化粧料8が中皿12から
抜け出しにくくしている。図10において、25aは保
持板25に形成された中央貫通孔である。
【0015】このような棒状化粧料容器を、つぎのよう
にして組み立てることができる。すなわち、まず、内筒
部11の上端開口部の上方に中皿12を位置させ、内筒
部11の両縦穴14a,14bに中皿12の板状ガイド
突起23を位置決めし、その状態で中皿12を下降させ
る。この下降の途中で、中皿12の両板状ガイド突起2
3で内筒部11の上端部の切欠き部16を押し拡げて、
中皿12を内筒部11に嵌挿するとともに、両縦穴14
a,14bに両板状ガイド突起23を係合させる。この
状態で中皿12が内筒部11に収容されており、中皿1
2の外周面が内筒部11の内周面に摺接しながら内筒部
11内を昇降する。また、この状態で内筒部11に形成
された2つの窓部22aから内部を観察することがで
き、棒状化粧料8の状態等を確認することができる。つ
いで、内筒部11の上端開口部の上方にスリーブ10を
位置させ、その状態でスリーブ10を下降させて内筒部
11の上端から嵌挿する。この嵌挿の際には、両板状ガ
イド突起23のらせん溝24がスリーブ10のらせん溝
13に係合しやすいため、両者を相対回動させたほうが
嵌挿させやすいが、相対回動させなくても、スリーブ1
0を直線的に押し込むことで嵌挿させることができる。
そして、この嵌挿の終わりに、スリーブ10の係合用溝
部10bを内筒部11の被係合用溝部17aに嵌合させ
る。この状態でスリーブ10が内筒部11に抜け止め状
に、かつ回動自在に保持されている。また、スリーブ1
0と内筒部11を少し相対回動させるだけで、両板状ガ
イド突起23のらせん溝24がスリーブ10のらせん溝
13に係合する。このようにして口紅保持部3を組み立
てる。つぎに、この口紅保持部3の内筒部11の太径係
合部18を袴2の上端開口部の上方に位置させ、その状
態で口紅保持部3を下降させて太径係合部18を袴2の
二重壁部分6の内外両壁6a,6b間に内嵌する。この
状態で口紅保持部3の太径係合部18が袴2に回動不能
に保持されている。そののち、キャップ1を袴2の上端
部に冠着することが行われる。
【0016】このようにして組み立てた棒状化粧料容器
は、スリーブ10を内筒部11に対して相対回転させる
ことにより、その回転に伴いスリーブ10のらせん溝1
3と内筒部11の縦穴14a,14bとの交点が上下に
移動する。そして、上記両縦穴14a,14bとらせん
溝13に係合している両板状ガイド突起23が必然的に
上記交点に位置決めされることになり、上記交点の上下
移動に追従して中皿12が昇降する。また、上記両板状
ガイド突起23の上昇位置および下降位置は、上記縦穴
14a,14bに設けられた上下の横穴15a,15b
に位置決めされる。
【0017】このような棒状化粧料容器は、不使用時に
は、中皿12を下降させて両板状ガイド突起23を内筒
部11の縦穴14a,14bの下側横穴15a,15b
に位置決めし、不用意に中皿12が上昇しないようにす
る。そして、この状態でキャップ1を冠着させておく。
また、使用時には、キャップ1を取り外してスリーブ1
0を露呈させ、袴2をスリーブ10に対して相対的に一
方向に回転させる。これにより、中皿12が両縦穴14
a,14bに沿って上昇し、棒状化粧料8がスリーブ1
0の上端開口部から突出し使用可能状態になる。このよ
うにして棒状化粧料8で化粧することが行われる。
【0018】一方、廃棄時には、まず、袴2からキャッ
プ1を取り外す。ついで、袴2を手指で持ちながら口紅
収容部3のスリーブ10を手指で引っ張って袴2から口
紅収容部3を引き抜く。つぎに、スリーブ10と内筒部
11の太径係合部18を別々の手指で持ちながら太径係
合部18を回して中皿12を上昇させる。つぎに、太径
係合部18を手指で内側に押圧して太径取付部17の被
係合用溝部17aを縮径し、その状態でスリーブ10を
引っ張り内筒部11から抜き取る。そののち、内筒部1
1を手指で持ちながら、中皿12の一方の板状ガイド突
起23を内筒部11の縦穴14aの上端縁中央から延び
る切欠き部16の下方に位置決めし、そのまま中皿12
を引っ張って内筒部11の上端開口部から抜き取る。こ
れにより、棒状化粧料容器をキャップ1と袴2とスリー
ブ10と内筒部11と中皿12に分解することができ
る。
【0019】上記のように、この実施の形態では、棒状
化粧料容器をキャップ1と袴2とスリーブ10と内筒部
11と中皿12とに容易に分解することができる。した
がって、この棒状化粧料容器を廃棄する場合に、金属製
のキャップ1,袴2,スリーブ10と、合成樹脂製の内
筒部11,中皿12とに分別収集することができる。し
かも、中皿12の板状ガイド突起23の外面にらせん溝
24を刻設し、このらせん溝24をスリーブ10の内周
面のらせん溝13にら合させているため、板状ガイド突
起23の突出長さを短くすることができ、スリーブ10
と内筒部11の取り外し作業が非常に簡単になるうえ、
板状ガイド突起23やらせん溝13,24が長期間にわ
たって破損したり、損傷したりしなくなる。また、スリ
ーブ10を内筒部11に取り付けたときに両らせん溝1
3,24が非ら合状態であっても、スリーブ10と内筒
部11とを少し相対的に回動させるだけで、両らせん溝
13,24をら合させることができる。さらに、内筒部
11の太径取付部17の外周面に、外面に凸曲面状の湾
曲部19aを有する凸部19を突設し、この湾曲部19
aの凸曲面をスリーブ10の下部内周面に弾圧状に当接
させたため、スリーブ10と内筒部11を相対回動させ
たときに両者がスムーズに回動する。これに対し、従来
は、上記凸部19の代わりに、ゴム製Oリングを用いて
いたため、部品点数が1つ多くなって在庫管理等の管理
面が煩雑であったり、Oリングを組付ける作業が必要で
あったり、分別収集する際に金属材料,合成樹脂材料以
外にゴム材料に仕分けする必要があったりするという問
題点があった。しかしながら、この実施の形態では、上
記凸部19を設けたため、部品点数が少なくなって在庫
管理等の管理面が楽になり、組付け作業が1つ減少し、
かつ分別収集する際に金属材料,合成樹脂材料に仕分け
するだけでよいという利点がある。
【0020】図13は本発明の棒状化粧料容器の他の実
施の形態を示している。この実施の形態では、袴2を構
成する中袴5の円筒部分7に、袴本体4の上端面に載置
される円環状の大径部7cが形成されており、この大径
部7cの上面にキャップ1が着脱自在に冠着されてい
る。また、口紅保持部3を構成するスリーブ10と中皿
12は、図19に示す外筒35(スリーブ10に対応す
る),繰出筒32(中皿12に対応する)と同様の構造
をしている。すなわち、スリーブ10には、その内周面
の相対峙する部分に2本のらせん溝(図示せず、図19
参照)が刻設されており、中皿12には、その外周面の
相対峙する部分に、上記らせん溝に係合する2つのガイ
ド突起31(図19参照)が突設されている。また、口
紅保持部3を構成する内筒部11には、太径取付部17
が形成されていないものの、スリーブ10の係合用溝部
10bに抜け止め状に、かつ回動自在に係合する1条の
円環状の被係合用溝部17aが形成されている。そし
て、図14に示すように、スリーブ10の下端部には、
その下端縁から縦向きに延びて係合用溝部10bを少し
超える複数の切欠き部27が形成されている。また、図
15に示すように、内筒部11の下部には、その下端縁
から延びて被係合用溝部17aを少し超える複数の切欠
き部28が形成されている。それ以外の部分は上記実施
の形態と同じであり、同様の部分には同じ符号を付して
いる。この実施の形態でも、上記実施の形態と同様に作
用する。
【0021】この実施の形態でも、棒状化粧料容器を、
キャップ1と袴2とスリーブ10と内筒部11と中皿1
2に分解することができ、廃棄時に、金属製のキャップ
1,袴2,スリーブ10と、合成樹脂製の内筒部11,
中皿12とに分別収集することができる。
【0022】図16および図17は本発明のさらに他の
実施の形態を示している。この実施の形態では、スリー
ブ10の内周面に1本のらせん溝(図示せず、図19参
照)が刻設されており、中皿12の外周面に、上記らせ
ん溝に係合する1つのガイド突起31(図19参照)が
突設されている。そして、内筒部11には、上記ガイド
突起31が昇降する1本の縦穴14aが形成されてお
り、この縦穴14aに相対峙する部分に、下端縁から縦
向きに延びて上端縁やや下側部分に至る切欠き部29が
形成されている。それ以外の部分は上記他の実施の形態
と同じであり、同様の部分には同じ符号を付している。
この実施の形態でも、上記他の実施の形態と同様に作用
する。
【0023】この実施の形態でも、棒状化粧料容器を、
キャップ1と袴2とスリーブ10と内筒部11と中皿1
2に分解することができ、廃棄時に、金属製のキャップ
1,袴2,スリーブ10と、合成樹脂製の内筒部11,
中皿12とに分別収集することができる。
【0024】図18は中袴5および内筒部11の変形例
を示している。この例では、中袴5の二重壁部分6の内
壁6bが有天円筒状に形成されているとともに、その外
周面に1条の円環状の突条6dが形成されている。ま
た、内筒部11の太径係合部18の内周面に、上記突条
6dに取り外し可能に係合する1条の円環状の係合用溝
部18aが形成されている。このような中袴5および内
筒部11は、上記各実施の形態に用いることができる。
【0025】なお、図1に示す実施の形態では、スリー
ブ10の下端部に切欠き部を設けていないが、これに限
定するものではなく、図14に示すような複数の切欠き
部27を設けるようにしてもよい。また、図13に示す
実施の形態では、スリーブ10の下端部に複数の切欠き
部27を設けているが、これら切欠き部27を設けない
ようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明の棒状化粧料容器
は、これを構成する有底円筒体と円筒体と外筒とに簡単
に分解することができる。したがって、この棒状化粧料
容器を廃棄する場合に、有底円筒体と円筒体と外筒とに
分解し、これらを材質ごとに選り分けて廃棄すること
で、ごみの分別収集に対応することができる。しかも、
円筒体の下部周壁を内向きに押圧して縮径させたのち外
筒から円筒体を引っ張るだけで円筒体と外筒を分解する
ことができ、分解作業が簡単である。本発明において、
上記外筒の下部周壁に、その下端縁から延びて上記円筒
体との嵌合部分に至る切欠き部が形成されている場合に
は、円筒体を外筒から取り外す際に、外筒が拡径し、一
層取り外し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の棒状化粧料容器の一実施の形態を示す
断面図である。
【図2】キャップを示す断面図である。
【図3】袴を示す断面図である。
【図4】口紅保持部の分解断面図である。
【図5】内筒部を示す要部断面図である。
【図6】上記内筒部を示す要部正面図である。
【図7】上記内筒部を示す要部一側面図である。
【図8】上記内筒部を示す要部他側面図である。
【図9】上記内筒部を示す平面図である。
【図10】中皿を示す断面図である。
【図11】上記中皿を示す側面図である。
【図12】上記中皿を示す平面図である。
【図13】本発明の棒状化粧料容器の他の実施の形態を
示す断面図である。
【図14】上記他の実施の形態のスリーブを示す斜視図
である。
【図15】上記他の実施の形態の内筒部を示す斜視図で
ある。
【図16】本発明の棒状化粧料容器のさらに他の実施の
形態に用いる内筒部の一側面を示す斜視図である。
【図17】上記さらに他の実施の形態に用いる内筒部の
他側面を示す断面図である。
【図18】上記中袴および内筒部の変形例を示す部分拡
大断面図である。
【図19】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 キャップ 2 袴 3 口紅収容部 8 棒状化粧料 10 スリーブ 11 内筒部 12 中皿 13,24 らせん溝 14a,14b 縦穴 20 切欠き部 23 板状ガイド突起
フロントページの続き (72)発明者 岩本 陽一 東京都葛飾区西新小岩3丁目20番8号 株 式会社カツシカ内 (72)発明者 百合 宏哲 大阪府枚方市東中振1丁目21−17−201

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状化粧料保持用の繰出筒の外周面から
    突設されたガイド突起を、円筒体の周壁に穿設された縦
    穴に係合させて上記繰出筒を上記円筒体に収納し、この
    円筒体の下部を有底円筒体に取り外し可能に固定し、上
    記縦穴を挿通して上記円筒体から突出するガイド突起を
    外筒の内周面に設けられたらせん溝に係合させて上記外
    筒の下部を上記円筒体の下部に外嵌した棒状化粧料容器
    であって、上記円筒体の下部周壁に、その下端縁から延
    びて上記外筒との嵌合部分に至る切欠き部を形成し、上
    記円筒体の下部周壁を内向きに押圧して縮径させること
    によりこの円筒体を外筒から取り外し可能に構成したこ
    とを特徴とする棒状化粧料容器。
  2. 【請求項2】 上記外筒の下部周壁に、その下端縁から
    延びて上記円筒体との嵌合部分に至る切欠き部が形成さ
    れている請求項1記載の棒状化粧料容器。
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