JPH10108684A - ホルモン受容体組成物および方法 - Google Patents
ホルモン受容体組成物および方法Info
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- JPH10108684A JPH10108684A JP9224963A JP22496397A JPH10108684A JP H10108684 A JPH10108684 A JP H10108684A JP 9224963 A JP9224963 A JP 9224963A JP 22496397 A JP22496397 A JP 22496397A JP H10108684 A JPH10108684 A JP H10108684A
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- Japan
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- receptor
- protein
- amino acid
- acid sequence
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- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
- C12N15/67—General methods for enhancing the expression
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/705—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
- C07K14/72—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for hormones
- C07K14/721—Steroid/thyroid hormone superfamily, e.g. GR, EcR, androgen receptor, oestrogen receptor
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- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
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- C07K14/723—G protein coupled receptor, e.g. TSHR-thyrotropin-receptor, LH/hCG receptor, FSH receptor
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- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規なホルモン受容体蛋白質をコードする遺
伝子を提供すること。 【解決手段】 甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白質
をコードする遺伝子。
伝子を提供すること。 【解決手段】 甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白質
をコードする遺伝子。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホルモン受容体蛋白
質およびそれらをコードする遺伝子、組換えDNA法そ
の他の遺伝子工学的技術によるこれら受容体および遺伝
子の修飾、ならびにこれら受容体および遺伝子(修飾さ
れていないものおよび修飾されたもの)の利用に関す
る。より詳細には本発明はステロイドホルモンおよび甲
状腺ホルモン受容体、ならびに関連遺伝子に関する。き
わめて詳細には本発明はヒトのグルココルチコイド、ミ
ネラルコルチコイドおよび甲状腺ホルモンの受容体、な
らびにそれらに対する遺伝子に関する。さらに本発明は
受容体DNAクローンによりコードされるホルモン受容
体蛋白質の機能性を測定するための新規なバイオアッセ
イ系、および受容体蛋白質と複合体を形成したホルモン
によってその転写が活性化される遺伝子の発現を誘導お
よび制御するための新規な方法に関する。
質およびそれらをコードする遺伝子、組換えDNA法そ
の他の遺伝子工学的技術によるこれら受容体および遺伝
子の修飾、ならびにこれら受容体および遺伝子(修飾さ
れていないものおよび修飾されたもの)の利用に関す
る。より詳細には本発明はステロイドホルモンおよび甲
状腺ホルモン受容体、ならびに関連遺伝子に関する。き
わめて詳細には本発明はヒトのグルココルチコイド、ミ
ネラルコルチコイドおよび甲状腺ホルモンの受容体、な
らびにそれらに対する遺伝子に関する。さらに本発明は
受容体DNAクローンによりコードされるホルモン受容
体蛋白質の機能性を測定するための新規なバイオアッセ
イ系、および受容体蛋白質と複合体を形成したホルモン
によってその転写が活性化される遺伝子の発現を誘導お
よび制御するための新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトその他の哺乳動物、鳥類および魚類
を含む複雑な真核生物における発育および恒常性の転写
調節は、ステロイドホルモンおよび甲状腺ホルモンを含
む種々の調節物質によって制御されている。これらのホ
ルモンは系統発生的に異なる生物における発育および分
化に強い影響を与え、それらの作用はそれらと受容体と
呼ばれる特異的な高親和性結合蛋白質との相互作用の結
合として媒介される。一般にジェンセン(Jensen)ら(1
972);ゴルスキー(Gorski)ら(1976);ヤマモト
(Yamamoto)ら(1976);オマレイ(O'Malle
y)ら(1969);ヘイワード(Hayward)ら(198
2);およびアスバーナー(Asburner)ら(1978)を
参照されたい。
を含む複雑な真核生物における発育および恒常性の転写
調節は、ステロイドホルモンおよび甲状腺ホルモンを含
む種々の調節物質によって制御されている。これらのホ
ルモンは系統発生的に異なる生物における発育および分
化に強い影響を与え、それらの作用はそれらと受容体と
呼ばれる特異的な高親和性結合蛋白質との相互作用の結
合として媒介される。一般にジェンセン(Jensen)ら(1
972);ゴルスキー(Gorski)ら(1976);ヤマモト
(Yamamoto)ら(1976);オマレイ(O'Malle
y)ら(1969);ヘイワード(Hayward)ら(198
2);およびアスバーナー(Asburner)ら(1978)を
参照されたい。
【0003】それぞれ幾つかの群の同系ステロイドホル
モン(すなわちエストロゲン(エストロゲン受容体)、
ゲスターゲン(プロゲステロン受容体)、グルココルチ
コイド(グルココルチコイド受容体)、アンドロゲン
(アンドロゲン受容体)、アルドステロン(ミネラルコ
ルチコイド受容体)のうちの1種、または同系甲状腺ホ
ルモン(甲状腺ホルモン受容体)に対して特に特異的で
ある受容体蛋白質が知られており、組織特異的な様式で
分布している。ホルビッツら(Horwitz)ら(1978)およ
びパルミテール(Pamiter)ら(1976)を参照され
たい。
モン(すなわちエストロゲン(エストロゲン受容体)、
ゲスターゲン(プロゲステロン受容体)、グルココルチ
コイド(グルココルチコイド受容体)、アンドロゲン
(アンドロゲン受容体)、アルドステロン(ミネラルコ
ルチコイド受容体)のうちの1種、または同系甲状腺ホ
ルモン(甲状腺ホルモン受容体)に対して特に特異的で
ある受容体蛋白質が知られており、組織特異的な様式で
分布している。ホルビッツら(Horwitz)ら(1978)およ
びパルミテール(Pamiter)ら(1976)を参照され
たい。
【0004】ホルモンと受容体の相互作用については、
ステロイドホルモンまたは甲状腺ホルモンが拡散の促進
により細胞に入り、その特異的受容体蛋白質に結合し、
蛋白質のアロステリック変化を開始することが知られて
いる。この変化の結果、ホルモン/受容体−複合体はク
ロマチン上の特定の特異的部位に高い親和性で結合する
ことができる。ヤマモト(Yamamoto)ら(1972)およ
びジェンセン(Jensen)ら(1968)を参照された
い。
ステロイドホルモンまたは甲状腺ホルモンが拡散の促進
により細胞に入り、その特異的受容体蛋白質に結合し、
蛋白質のアロステリック変化を開始することが知られて
いる。この変化の結果、ホルモン/受容体−複合体はク
ロマチン上の特定の特異的部位に高い親和性で結合する
ことができる。ヤマモト(Yamamoto)ら(1972)およ
びジェンセン(Jensen)ら(1968)を参照された
い。
【0005】ステロイドホルモンおよび甲状腺ホルモン
の一次効果の多くが、特異的細胞型における一組の遺伝
子の転写の増大を伴うことも知られている。ペテルコフ
スキー(Peterkofsky)ら(1968)およびマックナイト
(Mcknight)ら(1968)を参照されたい。さらにス
テロイドホルモンおよび甲状腺ホルモンに応答する(ク
ロマチンとホルモン受容体/ホルモン−複合体との相互
作用により)遺伝子の転写の可活性化(結果的に発現の
増大)は複合体が遺伝子に付随するエンハンサーに結合
することによって行われることも証明されている(ホー
リー(Khoury)ら、1983)を参照されたい。
の一次効果の多くが、特異的細胞型における一組の遺伝
子の転写の増大を伴うことも知られている。ペテルコフ
スキー(Peterkofsky)ら(1968)およびマックナイト
(Mcknight)ら(1968)を参照されたい。さらにス
テロイドホルモンおよび甲状腺ホルモンに応答する(ク
ロマチンとホルモン受容体/ホルモン−複合体との相互
作用により)遺伝子の転写の可活性化(結果的に発現の
増大)は複合体が遺伝子に付随するエンハンサーに結合
することによって行われることも証明されている(ホー
リー(Khoury)ら、1983)を参照されたい。
【0006】いずれにしろ多数のステロイドホルモンお
よび甲状腺ホルモン応答性転写制御ユニット(それらの
うちあるものはエンハンサーを含むことが示されてい
る)が同定されている。これらには下記のものが含まれ
る。マウス乳腺腫瘍ウイルス5’側長鎖末端反復(MT
V LTR):グルココルチコイド、アルドステロンお
よびアンドロゲンホルモンに応答;哺乳動物成長ホルモ
ン遺伝子に対する転写制御遺伝子;グルココルチコイ
ド、エストロゲンおよび甲状腺ホルモンに応答;哺乳動
物プロラクチン遺伝子およびプロゲステロン受容体遺伝
子に対する転写制御ユニット:エストロゲンに応答;鳥
類卵アルブミン遺伝子に対する転写制御ユニット;プロ
ゲステロンに応答;哺乳動物メタロチオネイン(metallo
thionein)遺伝子転写制御ユニット:グルココルチコイ
ドに応答;ならびに哺乳動物肝α2u−グロブリン遺伝子
転写制御ユニット:アンドロゲン、エストロゲン、甲状
腺ホルモンおよびグルココルチコイドに応答。(本発明
の実験の部Iの序文を参照されたい)。
よび甲状腺ホルモン応答性転写制御ユニット(それらの
うちあるものはエンハンサーを含むことが示されてい
る)が同定されている。これらには下記のものが含まれ
る。マウス乳腺腫瘍ウイルス5’側長鎖末端反復(MT
V LTR):グルココルチコイド、アルドステロンお
よびアンドロゲンホルモンに応答;哺乳動物成長ホルモ
ン遺伝子に対する転写制御遺伝子;グルココルチコイ
ド、エストロゲンおよび甲状腺ホルモンに応答;哺乳動
物プロラクチン遺伝子およびプロゲステロン受容体遺伝
子に対する転写制御ユニット:エストロゲンに応答;鳥
類卵アルブミン遺伝子に対する転写制御ユニット;プロ
ゲステロンに応答;哺乳動物メタロチオネイン(metallo
thionein)遺伝子転写制御ユニット:グルココルチコイ
ドに応答;ならびに哺乳動物肝α2u−グロブリン遺伝子
転写制御ユニット:アンドロゲン、エストロゲン、甲状
腺ホルモンおよびグルココルチコイドに応答。(本発明
の実験の部Iの序文を参照されたい)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ステロイドホルモンお
よび甲状腺ホルモン受容体の十分な理解およびいっそう
の実用に対する障害は、これらの特性を調べるのに十分
な量および十分な程度に純粋な形で入手できないことで
あった。これはそれらをコードするDNA遺伝子セグメ
ントについても同じであった。これらのDNAセグメン
トを入手できないため、受容体コード遺伝子のインビト
ロ操作およびインビボ発現が妨げられ、結果的にこれら
の操作および発現が与えられる知見が得られなかった。
よび甲状腺ホルモン受容体の十分な理解およびいっそう
の実用に対する障害は、これらの特性を調べるのに十分
な量および十分な程度に純粋な形で入手できないことで
あった。これはそれらをコードするDNA遺伝子セグメ
ントについても同じであった。これらのDNAセグメン
トを入手できないため、受容体コード遺伝子のインビト
ロ操作およびインビボ発現が妨げられ、結果的にこれら
の操作および発現が与えられる知見が得られなかった。
【0008】参考文献一覧表 刊 行 物 本明細書の背景の項では以下の刊行物を参照する。
【0009】1.Asburner,M.,and Berendes,H.
D.in The Genetics and Biology of Drosophila,
Eds.Ashburner,M.,and Wright,T.R.F.,Vol.
2,pp.315−395,Academic,London(1978)。
D.in The Genetics and Biology of Drosophila,
Eds.Ashburner,M.,and Wright,T.R.F.,Vol.
2,pp.315−395,Academic,London(1978)。
【0010】2.Gorski,J.,and Gannon,F.,A.
Rev.Physiol.,38:425−450(1976)。3.Hayward,
M.A.,Brock,M.L. and Shapiro,D.J.,Nuclei
c Acid s Res.,10:8273−8284(1982)。
Rev.Physiol.,38:425−450(1976)。3.Hayward,
M.A.,Brock,M.L. and Shapiro,D.J.,Nuclei
c Acid s Res.,10:8273−8284(1982)。
【0011】4.Horwitz,K.B.,and McGuire,
W.L.,J.Biol.Chem,253:2223−2228(1978)。
W.L.,J.Biol.Chem,253:2223−2228(1978)。
【0012】5.Jensen,E.V.,and DeSombre,
E.R.,A.Rev.Biochen.,41:203−230(1972)。
E.R.,A.Rev.Biochen.,41:203−230(1972)。
【0013】6.Jensen,E.V.,et al.,Proc.Nat
l.Acad.Sci.U.S.A.,59:632−638(1968)。
l.Acad.Sci.U.S.A.,59:632−638(1968)。
【0014】7.Khoury,G.,and Gruss,P.,Ce
ll.,33:313−314(1983)。
ll.,33:313−314(1983)。
【0015】8.McKnight,G.S.,and Palmitr
e,R.D.,J.Biol.Chem.,254:9050−9058(196
8)。
e,R.D.,J.Biol.Chem.,254:9050−9058(196
8)。
【0016】9.O'Malley,B.W.,McGuire,W.
L.,Kohler,P.O.,and Kornman,S.G.,Recent
Prog.Horm.Res.,25:105−160(1969)。
L.,Kohler,P.O.,and Kornman,S.G.,Recent
Prog.Horm.Res.,25:105−160(1969)。
【0017】10.Pamiter,R.D.,Moore,P.B.,
Mulvihill,E.R.,and Emtage,S.,Cell,8:55
7−572(1976)。
Mulvihill,E.R.,and Emtage,S.,Cell,8:55
7−572(1976)。
【0018】11.Peterkofsky,B.,and Tomkins,
G.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,60:22
2−228(1968)。
G.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,60:22
2−228(1968)。
【0019】12.Yamamoto,K.R.,and Alberts,
B.M.,A.Rev.Biochem.,45:721−746(197
6)。
B.M.,A.Rev.Biochem.,45:721−746(197
6)。
【0020】13.Yamamoto,K.R.,and Alberts,
B.M.,Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A.,6
9:2105−2109(1972)。
B.M.,Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A.,6
9:2105−2109(1972)。
【0021】他の刊行物 本発明に示される情報のうち若干は公表されている。
【0022】実験の部Iに示される研究は下記に公表さ
れている。
れている。
【0023】Hollenberg,S.M.,Weinberger,C.,O
ng,E.S.,Cerelli,G.,Oro,A.,Lebo,R.,Thom
pson,E.B.,Rosenfeid,M.G.,and Evans,R.
M.,“機能性ヒトグルココルチコイド受容体cDNA
の一次構造と発現”Nature,(London),318:6
35−641(December,1985)。
ng,E.S.,Cerelli,G.,Oro,A.,Lebo,R.,Thom
pson,E.B.,Rosenfeid,M.G.,and Evans,R.
M.,“機能性ヒトグルココルチコイド受容体cDNA
の一次構造と発現”Nature,(London),318:6
35−641(December,1985)。
【0024】実験の部IIに示される研究は下記に公表さ
れている。
れている。
【0025】Giguere,V.,Hollenberg,S.M.,R
osenfield,M.G.and Evans,R.M.,“ヒトグルコ
コルチコイド受容体の機能区”Cell,46:645−
652(Auguet,1986)。
osenfield,M.G.and Evans,R.M.,“ヒトグルコ
コルチコイド受容体の機能区”Cell,46:645−
652(Auguet,1986)。
【0026】実験の部IIIに示される研究は下記に公表
されている。
されている。
【0027】Weinberger,C.,Thompson,C.C.,On
g,E.S.,Lebo,R.,Gruol,D.J.,and Evans,“c
−erb−A遺伝子は甲状腺ホルモンをコードする“Natu
re,(London),324:641−646(December,
1986)。
g,E.S.,Lebo,R.,Gruol,D.J.,and Evans,“c
−erb−A遺伝子は甲状腺ホルモンをコードする“Natu
re,(London),324:641−646(December,
1986)。
【0028】実験の部IVに示される研究は下記に公表さ
れている。
れている。
【0029】Arriza,J.L.,Weinberger,C.,Cerel
li,G.,Glaser,T.M.,Handelin,B.L.,Housema
n,D.E.,and Evans,R.M.,“ヒトミネラルコルチ
コイド受容体相補的DNAのクローニング:グルココル
チコイド受容体との構造的および構造的関連”Scienc
e,237:268−275(July,1987)。
li,G.,Glaser,T.M.,Handelin,B.L.,Housema
n,D.E.,and Evans,R.M.,“ヒトミネラルコルチ
コイド受容体相補的DNAのクローニング:グルココル
チコイド受容体との構造的および構造的関連”Scienc
e,237:268−275(July,1987)。
【0030】実験の部Vに示される研究は以下のとおり
印刷中である。
印刷中である。
【0031】Giguere,V.,Yang,N.,Segui,
P.,and Evans,R.M.,“新しい一群のステロイド
ホルモン受容体の同定”。
P.,and Evans,R.M.,“新しい一群のステロイド
ホルモン受容体の同定”。
【0032】実験の部VIに示される研究は以下のとおり
印刷中である。
印刷中である。
【0033】Glass,C.K.,Franco,R.,Weinber
ger,C.,Albert,V.R.,Evans,R.M.,and Ros
enfeld,M.G.,“ラット成長ホルモン遺伝子の c−erb
−A部位は甲状腺ホルモンによるトランザクションを媒
介する。”実験の部VIIに示される研究は下記に公表さ
れている。
ger,C.,Albert,V.R.,Evans,R.M.,and Ros
enfeld,M.G.,“ラット成長ホルモン遺伝子の c−erb
−A部位は甲状腺ホルモンによるトランザクションを媒
介する。”実験の部VIIに示される研究は下記に公表さ
れている。
【0034】Thompson,Catherine C.,Weinberge
r,Cary,Lebo,Roger,and Evans,Ronaid M.,
“哺乳動物中枢神経系に発現される新規な甲状腺ホルモ
ン受容体の同定"、Science,237:1610−16
14(September,1987)。
r,Cary,Lebo,Roger,and Evans,Ronaid M.,
“哺乳動物中枢神経系に発現される新規な甲状腺ホルモ
ン受容体の同定"、Science,237:1610−16
14(September,1987)。
【0035】定 義 本明細書および請求の範囲においては、ここで以下のと
おり明確に定義された技術的な句および用語が用いられ
るであろう。
おり明確に定義された技術的な句および用語が用いられ
るであろう。
【0036】ここで用いるGRはグルココルチコイド受
容体を意味する。開示されたDNAhGRがグルココル
チコイド受容体GRをコードする。
容体を意味する。開示されたDNAhGRがグルココル
チコイド受容体GRをコードする。
【0037】ここで用いるMRはミネラルコルチコイド
受容体を意味する。開示されたDNAhMRがミネラル
コルチコイド受容体MRをコードする。
受容体を意味する。開示されたDNAhMRがミネラル
コルチコイド受容体MRをコードする。
【0038】ここで用いるTRは甲状腺ホルモン受容体
を意味する。開示されたヒトDNAc−erb−A,hER
BA 8.7および hFA8、ならびにラットrbeA12が
すべて甲状腺ホルモン受容体をコードする。
を意味する。開示されたヒトDNAc−erb−A,hER
BA 8.7および hFA8、ならびにラットrbeA12が
すべて甲状腺ホルモン受容体をコードする。
【0039】ここで用いるhERR1およびhERR2
はエストロゲン関連受容体蛋白質をコードするDNAを
表わす。
はエストロゲン関連受容体蛋白質をコードするDNAを
表わす。
【0040】ここで用いるグルココルチコイドホルモン
にはコルチゾル、ヒドロコルチゾン(HC)、およびコ
ルチコステロン(CS)が含まれ、その同族体にはデキ
サメタゾン(Dex)、デオキシコルチコステロン(Doc)
およびトリアムシノロンアセトニドが含まれる。
にはコルチゾル、ヒドロコルチゾン(HC)、およびコ
ルチコステロン(CS)が含まれ、その同族体にはデキ
サメタゾン(Dex)、デオキシコルチコステロン(Doc)
およびトリアムシノロンアセトニドが含まれる。
【0041】ここで用いるミネラルコルチコイドにはア
ルドステロン(Aldo)ならびにコルチコステロン(C
S)、およびデオキシコルチコステロン(Doc)が含ま
れる。
ルドステロン(Aldo)ならびにコルチコステロン(C
S)、およびデオキシコルチコステロン(Doc)が含ま
れる。
【0042】ここで用いる甲状腺ホルモンにはチロキシ
ン(T4)およびトリヨードチロニン(T3)が含まれ
る。
ン(T4)およびトリヨードチロニン(T3)が含まれ
る。
【0043】ここで用いるエストロゲンにはエストラジ
オール−17ベータが含まれ、その同族体にはジエチル
スチルベストロールが含まれる。
オール−17ベータが含まれ、その同族体にはジエチル
スチルベストロールが含まれる。
【0044】ここで用いるゲスターゲンにはプロゲステ
ロン(Prog)が含まれ、その同族体にはプロメゲストン
が含まれる。
ロン(Prog)が含まれ、その同族体にはプロメゲストン
が含まれる。
【0045】ここで用いるアンドロゲンにはジヒドロキ
シテストステロンが含まれ、その同族体にはメチルトリ
エノロンが含まれる。
シテストステロンが含まれ、その同族体にはメチルトリ
エノロンが含まれる。
【0046】ここで用いるMTVは乳腺腫瘍ウイルスを
意味し;MMTVはマウス乳腺腫瘍ウイルスを意味す
る。
意味し;MMTVはマウス乳腺腫瘍ウイルスを意味す
る。
【0047】ここで用いるRSVはラウス肉腫ウイルス
を意味し;SVはサルウイルスを意味する。
を意味し;SVはサルウイルスを意味する。
【0048】ここで用いるCATはクロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼを意味する。
ルアセチルトランスフェラーゼを意味する。
【0049】ここで用いるCOSはT抗原(Tag)を発
現するサル腎細胞を意味する。グルッツマン,セル,2
3:175(1981)を参照されたい。COS細胞は
本発明のバイオアッセイ系に有用である。
現するサル腎細胞を意味する。グルッツマン,セル,2
3:175(1981)を参照されたい。COS細胞は
本発明のバイオアッセイ系に有用である。
【0050】ここで用いるCV−1は“CV−1”と呼
ばれる細胞系に由来するマウス腎細胞を意味する。CV
−1はCOSの親細胞系である。SV40 T抗原(Ta
g)を発現すべく形質転換されたCOS細胞と異なり、
CV−1細胞はT抗原を発現しない。CV−1細胞はC
OS細胞と同様に本発明のバイオアッセイ系および方法
に有用である。
ばれる細胞系に由来するマウス腎細胞を意味する。CV
−1はCOSの親細胞系である。SV40 T抗原(Ta
g)を発現すべく形質転換されたCOS細胞と異なり、
CV−1細胞はT抗原を発現しない。CV−1細胞はC
OS細胞と同様に本発明のバイオアッセイ系および方法
に有用である。
【0051】ここで、ある蛋白質が“ホルモン受容体に
特有のホルモン結合性”をもつと述べた場合、これはあ
る種に由来するホルモンまたはその合成同族体とその種
に由来する同系の受容体との結合親和性に関する標準ア
ッセイ法のいずれにおいても、ホルモンまたはその合成
同族体に対する当該蛋白質の親和性が当該ホルモンまた
はその同族体とその種に由来する同系の受容体との親和
性の少なくとも約10%であることを意味する。
特有のホルモン結合性”をもつと述べた場合、これはあ
る種に由来するホルモンまたはその合成同族体とその種
に由来する同系の受容体との結合親和性に関する標準ア
ッセイ法のいずれにおいても、ホルモンまたはその合成
同族体に対する当該蛋白質の親和性が当該ホルモンまた
はその同族体とその種に由来する同系の受容体との親和
性の少なくとも約10%であることを意味する。
【0052】ここで、ある蛋白質(X)の転写活性化特
性が、あるホルモン受容体(R)の特性に“特有”であ
ると述べた場合、これは下記を意味する。すなわち、た
とえば本発明の“シス−トランス”受容体機能性バイオ
アッセイ系(発明の記述の項を参照されたい;またこの
アッセイ法をhGRの機能性発現の証明に用いることに
関する実験の部II、特に第9図、ならびに“結果”およ
び“実験法”と表示した小区分も参照されたい)などの
アッセイ法において試験する場合、遺伝子(G)(その
転写はホルモンまたはホルモン同族体と複合体形成した
受容体の結合によって活性化される)からの発現率が、
受容体(R)の代わりに蛋白質(X)を用いた場合、受容
体(R)自体が用いられた場合に示されるものの少なく
とも約10%である。ただし、“受容体(R)”および
“蛋白質(X)”いずれの場合も、関与する細胞は同一
濃度のホルモンまたはその同族体中に装入される。
性が、あるホルモン受容体(R)の特性に“特有”であ
ると述べた場合、これは下記を意味する。すなわち、た
とえば本発明の“シス−トランス”受容体機能性バイオ
アッセイ系(発明の記述の項を参照されたい;またこの
アッセイ法をhGRの機能性発現の証明に用いることに
関する実験の部II、特に第9図、ならびに“結果”およ
び“実験法”と表示した小区分も参照されたい)などの
アッセイ法において試験する場合、遺伝子(G)(その
転写はホルモンまたはホルモン同族体と複合体形成した
受容体の結合によって活性化される)からの発現率が、
受容体(R)の代わりに蛋白質(X)を用いた場合、受容
体(R)自体が用いられた場合に示されるものの少なく
とも約10%である。ただし、“受容体(R)”および
“蛋白質(X)”いずれの場合も、関与する細胞は同一
濃度のホルモンまたはその同族体中に装入される。
【0053】ここで、ある蛋白質が“あるホルモン受容
体に特有のホルモン結合特性または転写活性化特性”を
もつと述べた場合、これはそのホルモン受容体自体がこ
の定義に包含されることを意味する。
体に特有のホルモン結合特性または転写活性化特性”を
もつと述べた場合、これはそのホルモン受容体自体がこ
の定義に包含されることを意味する。
【0054】ここで、ある遺伝子(G)の転写が“ホル
モン(H)またはホルモン同族体(aH)によって実質的
に活性化される”と述べた場合、これは遺伝子(G)が
位置する付近のクロマチンへのホルモン/受容体[(H)
または(aH)/(R)または(r)]複合体の結合によって
遺伝子(G)の転写が誘導されることを意味する。この
定義において(R)は“野生型”または未変化のホルモ
ン受容体を表わすものとする。後者の(r)という表示
は、機能性の“工学的に処理された”もしくは“修飾さ
れた”受容体蛋白質、または“野生型”受容体遺伝子の
mRNA変異型によりコードされた蛋白質を意味するも
のとする。
モン(H)またはホルモン同族体(aH)によって実質的
に活性化される”と述べた場合、これは遺伝子(G)が
位置する付近のクロマチンへのホルモン/受容体[(H)
または(aH)/(R)または(r)]複合体の結合によって
遺伝子(G)の転写が誘導されることを意味する。この
定義において(R)は“野生型”または未変化のホルモ
ン受容体を表わすものとする。後者の(r)という表示
は、機能性の“工学的に処理された”もしくは“修飾さ
れた”受容体蛋白質、または“野生型”受容体遺伝子の
mRNA変異型によりコードされた蛋白質を意味するも
のとする。
【0055】ここで用いるGREはグルココルチコイド
応答要素を意味し、TREは甲状腺ホルモン受容体エン
ハンサー様DNA配列を意味する。GREはGRと相互
作用によりグルココルチコイド応答性を与えるエンハン
サー様DNA配列である。ペイバーら、セル,35;3
81(1983)およびシーデライトら、ネイチャー,
304:749(1983)を参照されたい。TREは
それらがTRとの相互作用により甲状腺ホルモン応答性
を与える点以外はGREと同様である。
応答要素を意味し、TREは甲状腺ホルモン受容体エン
ハンサー様DNA配列を意味する。GREはGRと相互
作用によりグルココルチコイド応答性を与えるエンハン
サー様DNA配列である。ペイバーら、セル,35;3
81(1983)およびシーデライトら、ネイチャー,
304:749(1983)を参照されたい。TREは
それらがTRとの相互作用により甲状腺ホルモン応答性
を与える点以外はGREと同様である。
【0056】ここで用いる“転写制御ユニット”、“転
写制御要素”、“ホルモン応答性プロモーター/エンハ
ンサー要素”および“転写刺激作用を媒介するDNA配
列”という語は同じことを意味し、入れ換えて用いるこ
とができる。
写制御要素”、“ホルモン応答性プロモーター/エンハ
ンサー要素”および“転写刺激作用を媒介するDNA配
列”という語は同じことを意味し、入れ換えて用いるこ
とができる。
【0057】ここで“作用性レポーター遺伝子に機能性
結合した作用性ホルモン応答性プロモーター/エンハン
サー要素”という句において“作用性(operative)”と
いう語はそれらのDNA配列(“ホルモン応答性プロモ
ーター/エンハンサー要素”および“レポーター遺伝
子”という語で表わされる)が作用性であること、すな
わちそれらの意図する目的に対して作用することを意味
し;“機能性(functionally)”という語はそれら2セ
グメントが結合したのちホルモン/受容体−複合体によ
って適宜活性化された際に、“ホルモン応答性プロモー
ター”が“作動開始した(turned on)"、すなわち活性
化された結果、レポーター遺伝子が発現することを意味
する。
結合した作用性ホルモン応答性プロモーター/エンハン
サー要素”という句において“作用性(operative)”と
いう語はそれらのDNA配列(“ホルモン応答性プロモ
ーター/エンハンサー要素”および“レポーター遺伝
子”という語で表わされる)が作用性であること、すな
わちそれらの意図する目的に対して作用することを意味
し;“機能性(functionally)”という語はそれら2セ
グメントが結合したのちホルモン/受容体−複合体によ
って適宜活性化された際に、“ホルモン応答性プロモー
ター”が“作動開始した(turned on)"、すなわち活性
化された結果、レポーター遺伝子が発現することを意味
する。
【0058】ここで用いる“受容体陰性”という語は細
胞中に受容体が検出されないか、または検出されたとし
てもごく少量(すなわちかろうじて検出できる量)の受
容体が存在するにすぎないことを意味する。
胞中に受容体が検出されないか、または検出されたとし
てもごく少量(すなわちかろうじて検出できる量)の受
容体が存在するにすぎないことを意味する。
【0059】ここで用いる本発明のDNAの“変異体”
とは“野生型”のまたは装飾されていない配列と異なる
べく遺伝子工学的に処理された本発明のDNAを意味す
る。この種の遺伝子工学的処理には野性型配列中への新
たなヌクレオチドの挿入、野生型配列からのヌクレオチ
ドの失欠、または野生型配列におけるヌクレオチドの置
換が含まれる。
とは“野生型”のまたは装飾されていない配列と異なる
べく遺伝子工学的に処理された本発明のDNAを意味す
る。この種の遺伝子工学的処理には野性型配列中への新
たなヌクレオチドの挿入、野生型配列からのヌクレオチ
ドの失欠、または野生型配列におけるヌクレオチドの置
換が含まれる。
【0060】本明細書および請求の範囲において用いら
れる“実質的な配列相同”という語は、ここに開示さ
れ、特許請求された実際の配列からの配列の変動がごく
わずかであるDNAまたはRNA配列は請求の範囲に示
された範囲内に含まれることを意味する。
れる“実質的な配列相同”という語は、ここに開示さ
れ、特許請求された実際の配列からの配列の変動がごく
わずかであるDNAまたはRNA配列は請求の範囲に示
された範囲内に含まれることを意味する。
【0061】ここに示される各種アミノ酸配列を構成す
るアミノ酸は下記の3文字または1文字の略語によって
表示できる。
るアミノ酸は下記の3文字または1文字の略語によって
表示できる。
【0062】アミノ酸 3文字略語 1文字略語 L−アラニン Ala A L−アルギニン Arg R L−アスパラギン Asn N L−アスパラギン酸 Asp D L−システィン Cys C L−グルタミン Gln Q L−グルタミン酸 Glu E L−ヒスチジン His H L−イソロイシン Ile I L−ロイシン Leu L L−リジン Lys K L−メチオニン Met M L−フェニルアラニン Phe F L−プロリン Pro P L−セリン Ser S L−スレオニン Thr T L−トリプトファン Trp W L−チロシン Thr Y L−バリン Val V ここに示される各種ヌクレオチド配列を構成するヌクレ
オチドは当技術分野でルーチンに用いられている通常の
1文字表示(A,G,T,CまたはU)による。
オチドは当技術分野でルーチンに用いられている通常の
1文字表示(A,G,T,CまたはU)による。
【0063】本明細書の本文および請求の範囲において
ギリシャ文字についての言及はアルファ、ベータなどと
記載される。図面においては時には対応するギリシャ文
字記号が用いられる。
ギリシャ文字についての言及はアルファ、ベータなどと
記載される。図面においては時には対応するギリシャ文
字記号が用いられる。
【0064】発現プラスミド pGEM3はプロメガ・バ
イオテク、53711 ワイオミング州マジソン,サウス・フ
ィッシュ・ハッチェリー・ロード 2800 から市販されて
いる。
イオテク、53711 ワイオミング州マジソン,サウス・フ
ィッシュ・ハッチェリー・ロード 2800 から市販されて
いる。
【0065】寄 託 プラスミドpRShGR−アルファ、pRShMR、pe
A101、rbeA12およびGMCAT(これらはすべ
て大腸菌(E.coli)HB101中)、プラスミド pE
4および pHKA(これらは両者とも大腸菌DH5
中)、ならびにプラスミドphH3,phERBA 8.7 お
よび phFA8はアメリカン・タイプ・カルチャー・コ
レクション、米国マリーランド州ロックビル(ATC
C)に特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関する
ブタペスト条約、およびこの条約に基づく規則の条件下
に寄託されている。上記プラスミドの試料は上記の条約
および規則の条件下で、または米国そのほか本出願もし
くは本出願の優先権を主張する出願がなされるか、もし
くはその出願に対する特許権が付与される他のすべての
国の特許法および規則に従ってそれらを受けるべく合法
的権利を有する企業事務所および他の個人が現在および
将来入手できる。
A101、rbeA12およびGMCAT(これらはすべ
て大腸菌(E.coli)HB101中)、プラスミド pE
4および pHKA(これらは両者とも大腸菌DH5
中)、ならびにプラスミドphH3,phERBA 8.7 お
よび phFA8はアメリカン・タイプ・カルチャー・コ
レクション、米国マリーランド州ロックビル(ATC
C)に特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関する
ブタペスト条約、およびこの条約に基づく規則の条件下
に寄託されている。上記プラスミドの試料は上記の条約
および規則の条件下で、または米国そのほか本出願もし
くは本出願の優先権を主張する出願がなされるか、もし
くはその出願に対する特許権が付与される他のすべての
国の特許法および規則に従ってそれらを受けるべく合法
的権利を有する企業事務所および他の個人が現在および
将来入手できる。
【0066】上記10種の寄託物に対するATCC寄託
番号は下記のとおりである。
番号は下記のとおりである。
【0067】 pRS hGR−アルファ 67200 pRS hMR 67201 peA101 67244 rbeA12 67281 GMCAT 67282 pE4 67309 pHKA 67310 phERBA 8.7 40374 phFA8 40372 phH3 40373
【0068】
【課題を解決するための手段】発明の要約 一観点においては本発明は、セグメントのプラスまたは
センスストランドが、グルココルチコイド受容体、ミネ
ラロコルチコイド受容体および甲状腺ホルモン受容体よ
りなる群から選ばれるホルモン受容体蛋白質に特有のホ
ルモン結合特性および/または転写活性化特性を有する
蛋白質の一次配列をコードするトリプレットの配列を含
む二重鎖DNAセグメントからなる。本発明のこの観点
によれば、この二重鎖DNAセグメントは受容体蛋白質
中に発現されうるものである。
センスストランドが、グルココルチコイド受容体、ミネ
ラロコルチコイド受容体および甲状腺ホルモン受容体よ
りなる群から選ばれるホルモン受容体蛋白質に特有のホ
ルモン結合特性および/または転写活性化特性を有する
蛋白質の一次配列をコードするトリプレットの配列を含
む二重鎖DNAセグメントからなる。本発明のこの観点
によれば、この二重鎖DNAセグメントは受容体蛋白質
中に発現されうるものである。
【0069】他の観点においては本発明は、本発明によ
る二重鎖DNAのセンスストランドである一重鎖DN
A、および本発明の二重鎖DNAの転写により形成され
たRNAからなる。
る二重鎖DNAのセンスストランドである一重鎖DN
A、および本発明の二重鎖DNAの転写により形成され
たRNAからなる。
【0070】他の観点においては本発明は、本発明のD
NAの実例であるDNAを含むプラスミドからなる。こ
れらのプラスミドはアメリカン・タイプ・カルチャー・
コレクションに特許の目的で寄託されている。本発明の
プラスミドには下記の群から選ばれるプラスミドが含ま
れる。
NAの実例であるDNAを含むプラスミドからなる。こ
れらのプラスミドはアメリカン・タイプ・カルチャー・
コレクションに特許の目的で寄託されている。本発明の
プラスミドには下記の群から選ばれるプラスミドが含ま
れる。
【0071】pRShGR−アルファ(ATCC#67
200),pRShMR(ATCC#67201),peA
101(ATCC#67244),rbeA12(ATC
C#67281),GMCAT(ATCC#6728
2),pE4(ATCC#67309),pHKA(AT
CC#67310),phERBA 8.7(ATCC#4
0374),phFA8(ATCC#40372),およ
び phH3(ATCC#40373)。
200),pRShMR(ATCC#67201),peA
101(ATCC#67244),rbeA12(ATC
C#67281),GMCAT(ATCC#6728
2),pE4(ATCC#67309),pHKA(AT
CC#67310),phERBA 8.7(ATCC#4
0374),phFA8(ATCC#40372),およ
び phH3(ATCC#40373)。
【0072】さらに他の観点においては本発明は、本発
明のDNAにより形質転換された細胞、好ましくは哺乳
動物細胞からなる。本発明のこの観点によれば、形質転
換を行うDNAはこの細胞において発現可能であり、こ
れによりこのDNAがコードする受容体の量が細胞中に
おいて増加する。
明のDNAにより形質転換された細胞、好ましくは哺乳
動物細胞からなる。本発明のこの観点によれば、形質転
換を行うDNAはこの細胞において発現可能であり、こ
れによりこのDNAがコードする受容体の量が細胞中に
おいて増加する。
【0073】さらに本発明は、本発明のDNAにより形
質転換された、酵母細胞および細菌細胞、たとえば大腸
菌および枯草菌(B.subtilis)を含む細胞からなる。
質転換された、酵母細胞および細菌細胞、たとえば大腸
菌および枯草菌(B.subtilis)を含む細胞からなる。
【0074】さらに本発明は、本発明のDNAの発現、
または本発明のmRNAの翻訳によって形成された新規
な受容体からなる。本発明のこの観点によれば、受容体
は“修飾されていない”本発明のDNAおよびmRNA
の蛋白質生成物であるか、または受容体DNA配列にお
ける工学的変異の結果、対応する天然の“野生型”もし
くは同系の受容体(新規受容体ときわめて大幅なアミノ
酸配列相同を有する既知配列の天然受容体)と1もしく
は2以上のアミノ酸配列の相違を有する、修飾された、
もしくは遺伝子工学的に処理された蛋白質生成物であろ
う。好ましくはこれらの受容体は“修飾されていないも
の"または“工学的に処理されたもの"のいずれであって
も、対応する天然の同系受容体のホルモン結合活性の少
なくとも10%、および/または転写活性化活性の少な
くとも10%を有するであろう。
または本発明のmRNAの翻訳によって形成された新規
な受容体からなる。本発明のこの観点によれば、受容体
は“修飾されていない”本発明のDNAおよびmRNA
の蛋白質生成物であるか、または受容体DNA配列にお
ける工学的変異の結果、対応する天然の“野生型”もし
くは同系の受容体(新規受容体ときわめて大幅なアミノ
酸配列相同を有する既知配列の天然受容体)と1もしく
は2以上のアミノ酸配列の相違を有する、修飾された、
もしくは遺伝子工学的に処理された蛋白質生成物であろ
う。好ましくはこれらの受容体は“修飾されていないも
の"または“工学的に処理されたもの"のいずれであって
も、対応する天然の同系受容体のホルモン結合活性の少
なくとも10%、および/または転写活性化活性の少な
くとも10%を有するであろう。
【0075】本発明はまた本発明のDNA(またはmR
NA)から得たホルモン受容体蛋白質の機能性を測定す
るための新規方法からなる。ここでは“シス−トラン
ス”バイオアッセイ法と呼ぶこの新規方法は2種のプラ
スミド、すなわち“発現”プラスミドおよび“レポータ
ー”プラスミドを用いる。本発明によれば発現プラスミ
ドは、本発明の受容体DNAまたはその工学的処理によ
る変異体を含有しており、それを適切な受容体陰性宿主
細胞中において発現しうるいかなるプラスミドであって
もよい。また本発明によればレポータープラスミドは作
動性レポーター遺伝子に機能性結合した作動性ホルモン
応答性プロモーター/エンハンサー要素を含有するいか
なるプラスミドであってもよい。
NA)から得たホルモン受容体蛋白質の機能性を測定す
るための新規方法からなる。ここでは“シス−トラン
ス”バイオアッセイ法と呼ぶこの新規方法は2種のプラ
スミド、すなわち“発現”プラスミドおよび“レポータ
ー”プラスミドを用いる。本発明によれば発現プラスミ
ドは、本発明の受容体DNAまたはその工学的処理によ
る変異体を含有しており、それを適切な受容体陰性宿主
細胞中において発現しうるいかなるプラスミドであって
もよい。また本発明によればレポータープラスミドは作
動性レポーター遺伝子に機能性結合した作動性ホルモン
応答性プロモーター/エンハンサー要素を含有するいか
なるプラスミドであってもよい。
【0076】本発明の“シス−トランス”バイオアッセ
イを実施する際には、発現プラスミド(本発明の“受容
体”DNAを含有する)およびレポータープラスミドを
適切な受容体陰性宿主細胞中へ共トランスフェクション
する。トランスフェクションされた宿主細胞は、次いで
レポータープラスミドのホルモン応答性プロモーター/
エンハンサー要素を活性化しうるホルモンまたはその同
族体の存在下および不在下に培養される。次いでトラン
スフェクションおよび培養された宿主細胞を、レポータ
ー遺伝子配列の生成物の誘導(すなわち存在)について
監視する。最後に本発明に従って受容体蛋白質(発現プ
ラスミド上の受容体DNA配列によりコードされ、そし
てトランスフェクションおよび培養された宿主細胞中で
産生されたもの)の発現およびステロイド結合能を測定
する。(この“シス−トランス”バイオアッセイ系の模
式図については第9図を参照されたい。) “シス−トランス”バイオアッセイ系は本発明の受容体
DNAが形質転換された宿主細胞中において発現したか
否かを判定するために特に有用である。これは本発明の
受容体が対応する天然の同系受容体の結合活性の少なく
とも約10%を含有するか否か、および本発明の受容体
が対応する天然の同系受容体の転写活性化活性の少なく
とも10%を有するか否かを判定するためにも有用であ
る。
イを実施する際には、発現プラスミド(本発明の“受容
体”DNAを含有する)およびレポータープラスミドを
適切な受容体陰性宿主細胞中へ共トランスフェクション
する。トランスフェクションされた宿主細胞は、次いで
レポータープラスミドのホルモン応答性プロモーター/
エンハンサー要素を活性化しうるホルモンまたはその同
族体の存在下および不在下に培養される。次いでトラン
スフェクションおよび培養された宿主細胞を、レポータ
ー遺伝子配列の生成物の誘導(すなわち存在)について
監視する。最後に本発明に従って受容体蛋白質(発現プ
ラスミド上の受容体DNA配列によりコードされ、そし
てトランスフェクションおよび培養された宿主細胞中で
産生されたもの)の発現およびステロイド結合能を測定
する。(この“シス−トランス”バイオアッセイ系の模
式図については第9図を参照されたい。) “シス−トランス”バイオアッセイ系は本発明の受容体
DNAが形質転換された宿主細胞中において発現したか
否かを判定するために特に有用である。これは本発明の
受容体が対応する天然の同系受容体の結合活性の少なく
とも約10%を含有するか否か、および本発明の受容体
が対応する天然の同系受容体の転写活性化活性の少なく
とも10%を有するか否かを判定するためにも有用であ
る。
【0077】最後に、その転写が受容体との複合体を形
成したホルモンによって活性化される遺伝子(G)の転
写を活性化するのに必要な、かつそれに十分な条件は、
(G)と同じ細胞中にホルモンおよびその受容体が存在
することであることが、本発明のDNAを用いて見出さ
れた。この知見から遺伝子工学的に処理された細胞にお
いて目的蛋白質を生成するための改良された組成物およ
び方法を得ることが可能となった。
成したホルモンによって活性化される遺伝子(G)の転
写を活性化するのに必要な、かつそれに十分な条件は、
(G)と同じ細胞中にホルモンおよびその受容体が存在
することであることが、本発明のDNAを用いて見出さ
れた。この知見から遺伝子工学的に処理された細胞にお
いて目的蛋白質を生成するための改良された組成物およ
び方法を得ることが可能となった。
【0078】これらの方法のうち2種類が本発明方法で
ある。第1はその転写が受容体との複合体を形成したホ
ルモンによって活性化される遺伝子の転写を誘導する方
法である。第2は細胞を遺伝子工学的に処理し、次いで
その転写が受容体蛋白質との複合体を形成したホルモン
によって活性化される遺伝子によりコードされる蛋白質
の生成を増加させ、かつ制御する方法である。
ある。第1はその転写が受容体との複合体を形成したホ
ルモンによって活性化される遺伝子の転写を誘導する方
法である。第2は細胞を遺伝子工学的に処理し、次いで
その転写が受容体蛋白質との複合体を形成したホルモン
によって活性化される遺伝子によりコードされる蛋白質
の生成を増加させ、かつ制御する方法である。
【0079】これら2方法につき論じる際に、その転写
が受容体蛋白質との複合体を形成したホルモンによって
活性化される遺伝子を遺伝子(G)と呼ぶ。遺伝子
(G)を活性化するホルモンを(H)、その同族体をい
ずれも(aH)と呼ぶ。受容体蛋白質は(R)、その機
能性修飾体は(r)と呼ばれる。最後に、遺伝子(G)
が位置する細胞を(C)、遺伝子(G)によりコードさ
れる蛋白質を(P)と呼ぶ。
が受容体蛋白質との複合体を形成したホルモンによって
活性化される遺伝子を遺伝子(G)と呼ぶ。遺伝子
(G)を活性化するホルモンを(H)、その同族体をい
ずれも(aH)と呼ぶ。受容体蛋白質は(R)、その機
能性修飾体は(r)と呼ばれる。最後に、遺伝子(G)
が位置する細胞を(C)、遺伝子(G)によりコードさ
れる蛋白質を(P)と呼ぶ。
【0080】本発明の遺伝子誘導法によれば、遺伝子
(G)を含有する細胞(C)を、細胞(C)において発
現可能であり、かつ受容体(R)またはそれから修飾さ
れた機能性形態(r)をコードする本発明のDNAによっ
て形質転換し;そして細胞(C)におけるホルモン(H)ま
たはその同族体(aH)の濃度を少なくとも遺伝子
(G)の発現の誘導を保証するのに十分な程度にまで高
める。
(G)を含有する細胞(C)を、細胞(C)において発
現可能であり、かつ受容体(R)またはそれから修飾さ
れた機能性形態(r)をコードする本発明のDNAによっ
て形質転換し;そして細胞(C)におけるホルモン(H)ま
たはその同族体(aH)の濃度を少なくとも遺伝子
(G)の発現の誘導を保証するのに十分な程度にまで高
める。
【0081】細胞を工学的に処理したのち蛋白質(P)
を生成させる方法によれば、ホルモン(H)が受容体
(R)との複合体を形成した状態で結合することがで
き、これにより遺伝子(G)の転写を誘導する転写制御
要素の制御下に置かれる状態に、蛋白質(P)をコード
する遺伝子(G)を細胞(C)内に配置する。この蛋白
質製造法によれば、ホルモン(H)および受容体(R)
の双方が細胞(C)中に存在する。受容体(R)の存在
は、受容体(R)またはその機能性の修飾された形態
(r)をコードする本発明のDNAにより細胞(C)を
形質転換することによって保証される。ホルモン(H)
またはその合成同族体(aH)の存在は、ホルモン(H)
またはその同族体(aH)を含有する浸漬液中に形質転換
した細胞(C)を浸漬することによって保証される。次
いで本方法に従って、形質転換した細胞(C)を浸漬す
るために用いられる浸漬液中の(H)または(aH)の濃
度を制御することによって、遺伝子(G)の転写が制御
される。こうして遺伝子(G)の転写を制御することに
よって、細胞(C)における蛋白質(P)の生成を制御
することができる。
を生成させる方法によれば、ホルモン(H)が受容体
(R)との複合体を形成した状態で結合することがで
き、これにより遺伝子(G)の転写を誘導する転写制御
要素の制御下に置かれる状態に、蛋白質(P)をコード
する遺伝子(G)を細胞(C)内に配置する。この蛋白
質製造法によれば、ホルモン(H)および受容体(R)
の双方が細胞(C)中に存在する。受容体(R)の存在
は、受容体(R)またはその機能性の修飾された形態
(r)をコードする本発明のDNAにより細胞(C)を
形質転換することによって保証される。ホルモン(H)
またはその合成同族体(aH)の存在は、ホルモン(H)
またはその同族体(aH)を含有する浸漬液中に形質転換
した細胞(C)を浸漬することによって保証される。次
いで本方法に従って、形質転換した細胞(C)を浸漬す
るために用いられる浸漬液中の(H)または(aH)の濃
度を制御することによって、遺伝子(G)の転写が制御
される。こうして遺伝子(G)の転写を制御することに
よって、細胞(C)における蛋白質(P)の生成を制御
することができる。
【0082】この教示に基づいて当業者が認識するよう
に、転写がホルモン/受容体−複合体によって活性化さ
れる遺伝子(G)によりコードされる蛋白質(P)の生
成が遺伝子(G)の位置する細胞(C)内にホルモン
(H)およびその受容体を確実に存在させ、次いで細胞
(C)中に存在するホルモン(H)またはその同族体の
濃度を制御するだけで制御される状態に、細胞を工学的
に処理することが可能となるであろう。
に、転写がホルモン/受容体−複合体によって活性化さ
れる遺伝子(G)によりコードされる蛋白質(P)の生
成が遺伝子(G)の位置する細胞(C)内にホルモン
(H)およびその受容体を確実に存在させ、次いで細胞
(C)中に存在するホルモン(H)またはその同族体の
濃度を制御するだけで制御される状態に、細胞を工学的
に処理することが可能となるであろう。
【0083】
【発明の実施の形態】発明の説明 本発明は一部は、グルココルチコイド、ミネラルコルチ
コイドおよび甲状腺ホルモンの受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白質
をコードするDNAセグメントに関する。本発明のこの
観点によれば、これらのDNAセグメントは適切な宿主
細胞において発現され、これによりグルココルチコイ
ド、ミネラルコルチコイドおよび甲状腺ホルモンの受容
体、または受容体様蛋白質を生成しうるものである。本
発明は本発明のDNAのセンスストランドの転写の結果
生成したmRNAにも関する。
コイドおよび甲状腺ホルモンの受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白質
をコードするDNAセグメントに関する。本発明のこの
観点によれば、これらのDNAセグメントは適切な宿主
細胞において発現され、これによりグルココルチコイ
ド、ミネラルコルチコイドおよび甲状腺ホルモンの受容
体、または受容体様蛋白質を生成しうるものである。本
発明は本発明のDNAのセンスストランドの転写の結果
生成したmRNAにも関する。
【0084】本発明のDNAはここでは以下のとおり呼
ばれるDNAによって例示される。ヒトグルココルチコ
イド受容体DNA(hGR);ヒト甲状腺ホルモン受容
体DNA(hTR:hTRアルファおよびhTRベータ;h
TRアルファはたとえばhERBA 8.7 および hFA
8である;hTRベータはたとえば細胞性のもの、すな
わち“c−erb−A”である);ラット甲状腺ホルモン受
容体(rbeA12)、これはヒト甲状腺ホルモン受容体ア
ルファのラット同族体である;ヒトミネラルコルチコイ
ド受容体(hMR);ならびに新規なヒトステロイドホル
モン受容体(hERR1およびhERR2)。センスス
トランドcDNAヌクレオチド配列、およびこれらによ
りコードされる推定一次蛋白質配列は以下の図に示され
る。第3および4図:hGRについて;第15および1
6図:ヒトc−erb−Aについて、ならびに第22図:h
ERBA8.7 および hFA8について;第25および2
6図:hMR について;第34および35、ならびに3
7および38図:それぞれhERR1およびhERR2
について;ならびに第46(B)図:ラット甲状腺ホル
モン受容体rbeA12について。
ばれるDNAによって例示される。ヒトグルココルチコ
イド受容体DNA(hGR);ヒト甲状腺ホルモン受容
体DNA(hTR:hTRアルファおよびhTRベータ;h
TRアルファはたとえばhERBA 8.7 および hFA
8である;hTRベータはたとえば細胞性のもの、すな
わち“c−erb−A”である);ラット甲状腺ホルモン受
容体(rbeA12)、これはヒト甲状腺ホルモン受容体ア
ルファのラット同族体である;ヒトミネラルコルチコイ
ド受容体(hMR);ならびに新規なヒトステロイドホル
モン受容体(hERR1およびhERR2)。センスス
トランドcDNAヌクレオチド配列、およびこれらによ
りコードされる推定一次蛋白質配列は以下の図に示され
る。第3および4図:hGRについて;第15および1
6図:ヒトc−erb−Aについて、ならびに第22図:h
ERBA8.7 および hFA8について;第25および2
6図:hMR について;第34および35、ならびに3
7および38図:それぞれhERR1およびhERR2
について;ならびに第46(B)図:ラット甲状腺ホル
モン受容体rbeA12について。
【0085】DNA、たとえばhGR、ヒトc−erb−
A、hERBA8.7、hFA8、hMR、hERR1およ
びhERR2は本発明の好ましいDNAである。同様に
これらおよび他の本発明のDNAを保有するプラスミド
も好ましい。好ましいプラスミドは以下のものが含まれ
る。pRShGR−アルファ,pRShMR,peA10
1,rbeA12,GMCAT,pE4,pHKA,phER
BA 8.7,phFA8,およびphH3。
A、hERBA8.7、hFA8、hMR、hERR1およ
びhERR2は本発明の好ましいDNAである。同様に
これらおよび他の本発明のDNAを保有するプラスミド
も好ましい。好ましいプラスミドは以下のものが含まれ
る。pRShGR−アルファ,pRShMR,peA10
1,rbeA12,GMCAT,pE4,pHKA,phER
BA 8.7,phFA8,およびphH3。
【0086】pRShGR−アルファのほかに好ましい
DNAにはpRShGR−アルファの修飾体も好まれ、
これらはここでは下記のように表示される。I9,I3
7,I102,I120,I204,I214,I26
2,I289,I305,I346,I384,I40
3,I408,I422,I428,I440,I44
8,I490,I515,I532,I550,および
I684。ここで“I”は“挿入配列(Insert)”を
表わし、“I”に続く数字はDNA修飾の表示を表す。
修飾されたpRShGR系DNAのうちきわめて好まし
いものは、ヒトグルココルチコイド受容体に特有な転写
活性化特性の少なくとも10%を有する蛋白質をコード
するものである。これらのDNAには、I9,I37,
I102,I120,I204,I214,I262,
I289,I305,I346,I384,I403,
I408,I422,I428,I440,I448,
I490,I515,I532,I550,およびI6
84が含まれる。
DNAにはpRShGR−アルファの修飾体も好まれ、
これらはここでは下記のように表示される。I9,I3
7,I102,I120,I204,I214,I26
2,I289,I305,I346,I384,I40
3,I408,I422,I428,I440,I44
8,I490,I515,I532,I550,および
I684。ここで“I”は“挿入配列(Insert)”を
表わし、“I”に続く数字はDNA修飾の表示を表す。
修飾されたpRShGR系DNAのうちきわめて好まし
いものは、ヒトグルココルチコイド受容体に特有な転写
活性化特性の少なくとも10%を有する蛋白質をコード
するものである。これらのDNAには、I9,I37,
I102,I120,I204,I214,I262,
I289,I305,I346,I384,I403,
I408,I422,I428,I440,I448,
I490,I515,I532,I550,およびI6
84が含まれる。
【0087】pRShGR−アルファの構造は本明細書
の“実験の部 II”と表示される部分に詳述されてい
る。(特に項目II.F.(b)、“組換えプラスミド”を
参照されたい)。実験の部IIには上記の章に述べたpR
ShGR−アルファ修飾体の構造および特性についても
詳述されている。
の“実験の部 II”と表示される部分に詳述されてい
る。(特に項目II.F.(b)、“組換えプラスミド”を
参照されたい)。実験の部IIには上記の章に述べたpR
ShGR−アルファ修飾体の構造および特性についても
詳述されている。
【0088】第3および4図に示したhGRに対するc
DNA配列に関しては、図示された配列の5’末端の2
個のCはRSV−LTRを含むセグメントの3’末端に
図示したセグメントを結合させるKpnI部位の部分であ
る。図示した配列の3’末端のTは、図示したセグメン
トがSV40ポリアデニル化信号を含むセグメントに結
合する地点の5’側へ数個の塩基の位置にある。
DNA配列に関しては、図示された配列の5’末端の2
個のCはRSV−LTRを含むセグメントの3’末端に
図示したセグメントを結合させるKpnI部位の部分であ
る。図示した配列の3’末端のTは、図示したセグメン
トがSV40ポリアデニル化信号を含むセグメントに結
合する地点の5’側へ数個の塩基の位置にある。
【0089】pRShGR は本質的にpRShGR−
アルファと同じ様式で構成され、本質的にpRShGR
−アルファと等しい。言い換えると、挿入部位における
わずかな修飾を除いて、第24図に示したhMRセグメ
ントが、第3および4図に配列を示したhGRに置換し
ている。pRShGRと同様にpRShMRはラウス肉
腫ウイルス由来のプロモーターおよびSV40複製開始
点の制御下に受容体蛋白質DNAコード配列を含有す
る。実験の部IVの参考文献部分の脚注41を参照された
い。第28(A)図も参照し、第9図と比較されたい。
アルファと同じ様式で構成され、本質的にpRShGR
−アルファと等しい。言い換えると、挿入部位における
わずかな修飾を除いて、第24図に示したhMRセグメ
ントが、第3および4図に配列を示したhGRに置換し
ている。pRShGRと同様にpRShMRはラウス肉
腫ウイルス由来のプロモーターおよびSV40複製開始
点の制御下に受容体蛋白質DNAコード配列を含有す
る。実験の部IVの参考文献部分の脚注41を参照された
い。第28(A)図も参照し、第9図と比較されたい。
【0090】第25および26図に示したhMR配列に
関しては、このセグメントの5’末端にあるAGはHin
dIII部位から数塩基対下流にあり、これによってhMR
セグメントはRSV−LTR含有セグメントに結合して
いる。第26図に示したセグメントの3’末端のAAは
SV40ポリアデニル化信号を含むセグメントの5’末
端から塩基数個上流にある。
関しては、このセグメントの5’末端にあるAGはHin
dIII部位から数塩基対下流にあり、これによってhMR
セグメントはRSV−LTR含有セグメントに結合して
いる。第26図に示したセグメントの3’末端のAAは
SV40ポリアデニル化信号を含むセグメントの5’末
端から塩基数個上流にある。
【0091】プラスミドpeA101はヒト甲状腺ホルモ
ン受容体c−erb−Aのコード領域全体を保有する。(c
−erb−Aに対する遺伝子はヒト染色体3に局在する;
この受容体遺伝子によりコードされる蛋白質生成物をこ
こでは hTRベータと呼ぶ。実験の部IIIを参照し、実
験の部VIIと比較されたい)。
ン受容体c−erb−Aのコード領域全体を保有する。(c
−erb−Aに対する遺伝子はヒト染色体3に局在する;
この受容体遺伝子によりコードされる蛋白質生成物をこ
こでは hTRベータと呼ぶ。実験の部IIIを参照し、実
験の部VIIと比較されたい)。
【0092】プラスミドpeA101はpheA12(第1
4図参照)からのEcoRI断片を発現ベクターpGEM
3(プロメガ・バイオテク)のEcoRI部位に適正な向
きに挿入することにより構成された。この構造について
の詳細は実験の部III、項目III.1の第III−4法と表
示する項目を参照されたい。
4図参照)からのEcoRI断片を発現ベクターpGEM
3(プロメガ・バイオテク)のEcoRI部位に適正な向
きに挿入することにより構成された。この構造について
の詳細は実験の部III、項目III.1の第III−4法と表
示する項目を参照されたい。
【0093】ヒト染色体3に局在している hTR受容体
のほかに、本発明者らはプラスミドpeA101により推
定される蛋白質配列と異なる第2の甲状腺ホルモン受容
体を見出した。本発明者らはこの新規な予想されなかっ
た甲状腺ホルモン受容体をラットおよびヒトの双方から
単離し、特性を調べた。ラットの場合、この新規な甲状
腺ホルモン受容体はプラスミドrbeA12のDNAによ
りコードされる。(rbeA12に関するDNAおよび推
定−次蛋白質配列を第46(B)図に示す。)ヒトの場
合、この新規な甲状腺ホルモン受容体はプラスミドクロ
ーンhERBA8.7およびその関連クローン hFA8に
よりコードされる。(hERBAの配列については第2
2図を参照されたい。)hERBA 8.7および hFA8
は同一遺伝子からのcDNA生成物である。クローン h
FA8のDNA配列は下記の点を除いてhERBA 8.7
(第22図に示す)と等しい。 hFA8の配列は第22
図に示す配列より短い。より詳細には、hERBA 8.7
のヌクレオチド1(G)から14(A)までが hFA配
列にはない。さらに hFA8配列は塩基対位置1138
のグアニン(G)から塩基対1244のグアニン(G)
に及ぶ欠失を有する。この欠失によってアミノ酸368
(Glu)から406(Gln)までが hFA8クローンに
よりコードされるポリペプチドから失われる。前記のよ
うに本発明の最初の甲状腺ホルモン受容体は染色体3に
局在している。実験の部VIIに示すように、新規な甲状
腺ホルモン受容体に対するヒト遺伝子ヒト染色体17に
局在している。ラット甲状腺ホルモン受容体rbeA12
を染色体17からのヒト遺伝子生成物のラット型同族体
を表わす。
のほかに、本発明者らはプラスミドpeA101により推
定される蛋白質配列と異なる第2の甲状腺ホルモン受容
体を見出した。本発明者らはこの新規な予想されなかっ
た甲状腺ホルモン受容体をラットおよびヒトの双方から
単離し、特性を調べた。ラットの場合、この新規な甲状
腺ホルモン受容体はプラスミドrbeA12のDNAによ
りコードされる。(rbeA12に関するDNAおよび推
定−次蛋白質配列を第46(B)図に示す。)ヒトの場
合、この新規な甲状腺ホルモン受容体はプラスミドクロ
ーンhERBA8.7およびその関連クローン hFA8に
よりコードされる。(hERBAの配列については第2
2図を参照されたい。)hERBA 8.7および hFA8
は同一遺伝子からのcDNA生成物である。クローン h
FA8のDNA配列は下記の点を除いてhERBA 8.7
(第22図に示す)と等しい。 hFA8の配列は第22
図に示す配列より短い。より詳細には、hERBA 8.7
のヌクレオチド1(G)から14(A)までが hFA配
列にはない。さらに hFA8配列は塩基対位置1138
のグアニン(G)から塩基対1244のグアニン(G)
に及ぶ欠失を有する。この欠失によってアミノ酸368
(Glu)から406(Gln)までが hFA8クローンに
よりコードされるポリペプチドから失われる。前記のよ
うに本発明の最初の甲状腺ホルモン受容体は染色体3に
局在している。実験の部VIIに示すように、新規な甲状
腺ホルモン受容体に対するヒト遺伝子ヒト染色体17に
局在している。ラット甲状腺ホルモン受容体rbeA12
を染色体17からのヒト遺伝子生成物のラット型同族体
を表わす。
【0094】それらは異なる遺伝子坐によりコードされ
るので、染色体17遺伝子生成物はhTR アルファとし
て分類され、染色体3遺伝子生成物は hTRベータとし
て分類されている。関連性は高いが、アルファおよびベ
ータ遺伝子生成物はそれらの一次アミノ酸配列において
特異的変化を含む。またアルファおよびベータ生成物は
特徴的に異なる発現パターンを示す。
るので、染色体17遺伝子生成物はhTR アルファとし
て分類され、染色体3遺伝子生成物は hTRベータとし
て分類されている。関連性は高いが、アルファおよびベ
ータ遺伝子生成物はそれらの一次アミノ酸配列において
特異的変化を含む。またアルファおよびベータ生成物は
特徴的に異なる発現パターンを示す。
【0095】甲状腺ホルモンの作用は多岐にわたり、そ
れらの受容体に依存している。本発明者らが甲状腺ホル
モン受容体をクローニングする以前はこの受容体は精製
または生化学的特性の解決はなされていなかった。科学
文献にも多種の甲状腺ホルモン受容体遺伝子生成物の存
在を示唆する証拠は全くなかった。多種の受容体が存在
することは、これら受容体のうち1種類のみを選択的に
活性化する甲状腺ホルモン同族体を開発する基礎として
有用である。これは広範な臨床的威力をもつと思われる
ので、興味ある重要な知見である。
れらの受容体に依存している。本発明者らが甲状腺ホル
モン受容体をクローニングする以前はこの受容体は精製
または生化学的特性の解決はなされていなかった。科学
文献にも多種の甲状腺ホルモン受容体遺伝子生成物の存
在を示唆する証拠は全くなかった。多種の受容体が存在
することは、これら受容体のうち1種類のみを選択的に
活性化する甲状腺ホルモン同族体を開発する基礎として
有用である。これは広範な臨床的威力をもつと思われる
ので、興味ある重要な知見である。
【0096】本発明者らが特性を明らかにした最初の甲
状腺ホルモン受容体はpeA12、すなわち現在ヒト甲状
腺ホルモン受容体ベータと呼ばれる受容体であった。本
発明者らは分子ハイブリダイゼーションによってラット
脳cDNAライブラリーを関連配列につきスクリーニン
グするためにこのベータクローンを用いた。これによつ
てプラスミドrbe12が同定され、のちにこれがアルフ
ァ群の新規な甲状腺ホルモン受容体として同定された。
このラット rbeA12は rbeA12遺伝子生成物に対す
るヒト同族体クローニングするための分子ハイブリダイ
ゼーションプローブとして用いられた。このヒト生成物
はクローンhERBA 8.7および hFA8によりコード
される。
状腺ホルモン受容体はpeA12、すなわち現在ヒト甲状
腺ホルモン受容体ベータと呼ばれる受容体であった。本
発明者らは分子ハイブリダイゼーションによってラット
脳cDNAライブラリーを関連配列につきスクリーニン
グするためにこのベータクローンを用いた。これによつ
てプラスミドrbe12が同定され、のちにこれがアルフ
ァ群の新規な甲状腺ホルモン受容体として同定された。
このラット rbeA12は rbeA12遺伝子生成物に対す
るヒト同族体クローニングするための分子ハイブリダイ
ゼーションプローブとして用いられた。このヒト生成物
はクローンhERBA 8.7および hFA8によりコード
される。
【0097】他の甲状腺ホルモン受容体cDNA(ラッ
ト甲状腺ホルモン受容体 rbeA12、ならびにヒト甲状
腺ホルモン受容体hERBA 8.7および hFA8)はそ
れらのcDNAを−erb−Aについて行ったと同様に適正
な向きで発現ベクター pGEM3中へ挿入することによ
って発現させることができる。
ト甲状腺ホルモン受容体 rbeA12、ならびにヒト甲状
腺ホルモン受容体hERBA 8.7および hFA8)はそ
れらのcDNAを−erb−Aについて行ったと同様に適正
な向きで発現ベクター pGEM3中へ挿入することによ
って発現させることができる。
【0098】ここでプラスミドGMCATについて述べ
ると、これはクロラムフェニコールアセチルトランスフ
ェラーゼ(CAT)に対する細胞遺伝子に結合したMT
VLTRを含むレポータープラスミドである。この結合
の結果、pGMCATを用いてMTVプロモーターの転
写活性を評価するための酵素アッセイを行うことができ
る。MTVプロモーターは数種のグルココルチコイド応
答要素(GRE)を含むので、レポータープラスミド p
GMCATはグルココルチコイドまたはミネラルコルチ
コイドレポーターDNA(現在知られているか、または
のちに見出された)を保有する発現プラスミドと共に適
切な宿主細胞中へ共トランスフェクションすることがで
きる。(このような共トランスフェクションは本発明の
“シス−トランス”機能性バイオアッセイ系の一部であ
る。本発明のこの観点についてはのちに詳述する。)共
トランスフェクションした宿主細胞においてCAT活性
が検出されたことは、受容体発現プラスミドにより産生
されたポリペプチドが機能性であること、すなわち受容
体蛋白質に特有の転写活性化特性を有することを示す。
プラスミド pGMCATはATCCに特許の目的で寄託
され、ATCC#67282を得た。(pGMCATの
模式図については第29(A)図を参照されたい。
ると、これはクロラムフェニコールアセチルトランスフ
ェラーゼ(CAT)に対する細胞遺伝子に結合したMT
VLTRを含むレポータープラスミドである。この結合
の結果、pGMCATを用いてMTVプロモーターの転
写活性を評価するための酵素アッセイを行うことができ
る。MTVプロモーターは数種のグルココルチコイド応
答要素(GRE)を含むので、レポータープラスミド p
GMCATはグルココルチコイドまたはミネラルコルチ
コイドレポーターDNA(現在知られているか、または
のちに見出された)を保有する発現プラスミドと共に適
切な宿主細胞中へ共トランスフェクションすることがで
きる。(このような共トランスフェクションは本発明の
“シス−トランス”機能性バイオアッセイ系の一部であ
る。本発明のこの観点についてはのちに詳述する。)共
トランスフェクションした宿主細胞においてCAT活性
が検出されたことは、受容体発現プラスミドにより産生
されたポリペプチドが機能性であること、すなわち受容
体蛋白質に特有の転写活性化特性を有することを示す。
プラスミド pGMCATはATCCに特許の目的で寄託
され、ATCC#67282を得た。(pGMCATの
模式図については第29(A)図を参照されたい。
【0099】プラスミド pGHCATは本発明に有用な
他のレポータープラスミドの一例である。pGHCAT
はクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
(CAT)に対する細菌遺伝子に機能性結合した成長ホル
モンプロモーターの一部を含む。この結合のため、pG
HCATを用いて成長ホルモン(GH)プロモーターの
転写活性を評価するための酵素アッセイを行うことがで
きる。GHプロモーターは甲状腺ホルモン応答要素(T
RE)を含むので、レポータープラスミド pGHCAT
は甲状腺ホルモンレポーターDNA(現在知られている
か、またはのちに見出された)を保有する発現ベクター
と共に適切な宿主細胞中へ共トランスフェクションする
ことができる。(このような共トランスフェクションも
本発明の“シス−トランス”レポーター機能性バイオア
ッセイ系の一部である。本発明のこの観点についてはの
ちに詳述する。) pGHCATをTR発現プラスミド
(これはたとえば hTRアルファまたは hTRベータD
NAを保有する)と共に用いて適切な宿主細胞を共トラ
ンスフェクションした場合、共トランスフェクションし
た宿主細胞におけるCAT活性の検出は、甲状腺ホルモ
ン受容体(TR)発現プラスミドにより産生されたポリ
ペプチドが機能性であること、すななわち甲状腺ホルモ
ン受容体蛋白質に特有の転写活性化特性を有することを
示すために用いられる。
他のレポータープラスミドの一例である。pGHCAT
はクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
(CAT)に対する細菌遺伝子に機能性結合した成長ホル
モンプロモーターの一部を含む。この結合のため、pG
HCATを用いて成長ホルモン(GH)プロモーターの
転写活性を評価するための酵素アッセイを行うことがで
きる。GHプロモーターは甲状腺ホルモン応答要素(T
RE)を含むので、レポータープラスミド pGHCAT
は甲状腺ホルモンレポーターDNA(現在知られている
か、またはのちに見出された)を保有する発現ベクター
と共に適切な宿主細胞中へ共トランスフェクションする
ことができる。(このような共トランスフェクションも
本発明の“シス−トランス”レポーター機能性バイオア
ッセイ系の一部である。本発明のこの観点についてはの
ちに詳述する。) pGHCATをTR発現プラスミド
(これはたとえば hTRアルファまたは hTRベータD
NAを保有する)と共に用いて適切な宿主細胞を共トラ
ンスフェクションした場合、共トランスフェクションし
た宿主細胞におけるCAT活性の検出は、甲状腺ホルモ
ン受容体(TR)発現プラスミドにより産生されたポリ
ペプチドが機能性であること、すななわち甲状腺ホルモ
ン受容体蛋白質に特有の転写活性化特性を有することを
示すために用いられる。
【0100】プラスミド pE4および pHKAは、ここ
ではhERR1と呼ばれるエストロゲン関連受容体をコ
ードするcDNAに関係する。(実験の部V、特に第3
3−35図を参照されたい。)プラスミド pE4は第3
3図においてラムダ hKE4とよばれるcDNAセグメ
ントを保有し、; pHKAは同図においてラムダhKA
1と呼ばれるセグメントを保有する。pE4およびpHK
A共方ともATCCに特許の目的で寄託されている。こ
れら2種のプラスミドを後記に従って結合させて、エス
トロゲン関連受容体hERR1に対する全コード配列を
含む単一プラスミド(pGMERR1)を得ることがで
きる。
ではhERR1と呼ばれるエストロゲン関連受容体をコ
ードするcDNAに関係する。(実験の部V、特に第3
3−35図を参照されたい。)プラスミド pE4は第3
3図においてラムダ hKE4とよばれるcDNAセグメ
ントを保有し、; pHKAは同図においてラムダhKA
1と呼ばれるセグメントを保有する。pE4およびpHK
A共方ともATCCに特許の目的で寄託されている。こ
れら2種のプラスミドを後記に従って結合させて、エス
トロゲン関連受容体hERR1に対する全コード配列を
含む単一プラスミド(pGMERR1)を得ることがで
きる。
【0101】2種のcDNAクローン pE4および pH
KAを結合させるための好ましい方法は、各cDNAに
存在する特異的制限酵素部位に対し各末端において相補
的である合成リンカーを利用する。より詳細には、ラム
ダhKA1およびラムダhKE4からの挿入配列をEcoR
I断片としてプラスミドベクター pGM3(プロメガ・
バイオテク)中へクローニングする;本発明者らはこれ
らをそれぞれ pGMKAおよびpGMKEと命名した。
次いで pGMKAをNarIおよびHindIIIにより切断
し、hERR1をコードする断片をアガロースゲルから
精製する(断片1)。pGMKEをDraIIIおよびHindI
II により切断し、hERR1の5’末端領域およびベ
クター配列をコードする断片をアガロースゲルから精製
する(断片2)。第3に、互いに相補的な2種の合成オ
リゴヌクレオチドを合成する。これらのオリゴヌクレオ
チドは下記のものである。
KAを結合させるための好ましい方法は、各cDNAに
存在する特異的制限酵素部位に対し各末端において相補
的である合成リンカーを利用する。より詳細には、ラム
ダhKA1およびラムダhKE4からの挿入配列をEcoR
I断片としてプラスミドベクター pGM3(プロメガ・
バイオテク)中へクローニングする;本発明者らはこれ
らをそれぞれ pGMKAおよびpGMKEと命名した。
次いで pGMKAをNarIおよびHindIIIにより切断
し、hERR1をコードする断片をアガロースゲルから
精製する(断片1)。pGMKEをDraIIIおよびHindI
II により切断し、hERR1の5’末端領域およびベ
クター配列をコードする断片をアガロースゲルから精製
する(断片2)。第3に、互いに相補的な2種の合成オ
リゴヌクレオチドを合成する。これらのオリゴヌクレオ
チドは下記のものである。
【0102】オリゴI:GTGCCTGGTGCGGT
GGGAGGAAAACCAGAGTGTATGCTA
CAAGCAGCCGGCGGG; オリゴII:CGCCCGCCGGCTGCTTGTAG
CATACACTCTGGTTTTCCTCCCACC
GCACCAGGCACTTT。
GGGAGGAAAACCAGAGTGTATGCTA
CAAGCAGCCGGCGGG; オリゴII:CGCCCGCCGGCTGCTTGTAG
CATACACTCTGGTTTTCCTCCCACC
GCACCAGGCACTTT。
【0103】最後に断片1および2ならびにオリゴIお
よびIIを当業者に周知の標準法に従って互いにリゲート
させ、次いで細菌DH5株中へ形質転換する。得られた
コロニーをここでは pGMERR1と呼ばれるDNA構
造物につきスクリーニングする。プラスミド pGMER
R1を用いてhERR1を発現させることができる。p
GMERR1の模式図については第8(A)図を参照さ
れたい。
よびIIを当業者に周知の標準法に従って互いにリゲート
させ、次いで細菌DH5株中へ形質転換する。得られた
コロニーをここでは pGMERR1と呼ばれるDNA構
造物につきスクリーニングする。プラスミド pGMER
R1を用いてhERR1を発現させることができる。p
GMERR1の模式図については第8(A)図を参照さ
れたい。
【0104】プラスミド phH3は、ヒト心臓ラムダ gt
llcDNAライブラリーから、ラムダ hKA1の5’部
分を表わす、ニックトランスレーションされた700−
bpE coRI−SmaI断片を用いて単離されたラムダ hH
3クローンに関連する。(ラムダ hKE4およびラムダ
hKA1クローンはヒト腎ラムダgt10cDNAライブ
ラリーから単離された;実験の部V.H,特に第33−
38図の方法と表示される項目を参照されたい。)ラム
ダhH3クローンはここではhERR2と呼ばれるエス
トロゲン関連受容体をコードするcDNAを保有する。
phH3からのcDNAを pGM3中へ挿入して pGME
RR2を形成することができる。その図は第8(B)図
に示されている。受容体様ポリペプチドhERR1およ
びhERR2の機能上および構造上の特性を実験の部V
に示す。
llcDNAライブラリーから、ラムダ hKA1の5’部
分を表わす、ニックトランスレーションされた700−
bpE coRI−SmaI断片を用いて単離されたラムダ hH
3クローンに関連する。(ラムダ hKE4およびラムダ
hKA1クローンはヒト腎ラムダgt10cDNAライブ
ラリーから単離された;実験の部V.H,特に第33−
38図の方法と表示される項目を参照されたい。)ラム
ダhH3クローンはここではhERR2と呼ばれるエス
トロゲン関連受容体をコードするcDNAを保有する。
phH3からのcDNAを pGM3中へ挿入して pGME
RR2を形成することができる。その図は第8(B)図
に示されている。受容体様ポリペプチドhERR1およ
びhERR2の機能上および構造上の特性を実験の部V
に示す。
【0105】本発明者らが本発明のDNAを用いて得た
知見の1つは、同一種内の各種ホルモン受容体間の、ま
た特定のいずれかの受容体については種間の著しい配列
相同である。(たとえばv−erb−A発癌遺伝子生成物、
ヒト胎盤c−erb−Aポリペプチド、ならびにヒトグルコ
コルチコイドおよびエストロゲン受容体のカルボキシ末
端部分を比較した第17図;ステロイドおよび甲状腺ホ
ルモン受容体を比較した第21図;ミネラルコルチコイ
ド受容体とグルココルチコイド受容体のアミノ酸相同を
比較した第27図;hGR、hMRおよび hPR間のア
ミノ酸比較を示した第32図;hERR1、hERR
2、ヒトエストロゲンおよびヒトグルココルチコイド受
容体のカルボキシ末端領域を比較した第39図;ならび
にhERR1,hERR2,hER,hGRおよびヒト
甲状腺ホルモン受容体 hT3Rベータ間のアミノ酸の比
較を示す第41図を参照されたい。)この相同性がある
ため本発明のDNAおよびRNAは、ホルモンと複合体
を形成したのちクロマチンDNAに結合することにより
転写を活性化するホルモン受容体をコードする遺伝子を
実質的にいかなる種からも検出および単離することがで
きる。本発明のDNAおよびRNA、特にATCCに特
許の目的で寄託された好ましいDNAを用いることによ
り、当業者は多大な試験を行うことなくゲノムライブラ
リーをスクリーニングして、本発明の範囲に含まれる他
のグルココルチコイド、ミネラルコルチコイドおよび甲
状腺ホルモン受容体を見出すことができる。本発明のこ
の観点は本発明者らによりエストロゲン関連受容体hE
RR1およびhERR2(実験例V、特に項目A、序、
および項目B、受容体hERRに対する cDNAクロー
ンの項を参照されたい)、ならびにラット甲状腺ホルモ
ン受容体およびヒト甲状腺ホルモン受容体TRアルファ
(実験の部VII、特に項目C、第2甲状腺ホルモン受容
体DNAの単離、ならびに第46(A)および(B)図
を参照されたい)が見出されたことにより説明される。
知見の1つは、同一種内の各種ホルモン受容体間の、ま
た特定のいずれかの受容体については種間の著しい配列
相同である。(たとえばv−erb−A発癌遺伝子生成物、
ヒト胎盤c−erb−Aポリペプチド、ならびにヒトグルコ
コルチコイドおよびエストロゲン受容体のカルボキシ末
端部分を比較した第17図;ステロイドおよび甲状腺ホ
ルモン受容体を比較した第21図;ミネラルコルチコイ
ド受容体とグルココルチコイド受容体のアミノ酸相同を
比較した第27図;hGR、hMRおよび hPR間のア
ミノ酸比較を示した第32図;hERR1、hERR
2、ヒトエストロゲンおよびヒトグルココルチコイド受
容体のカルボキシ末端領域を比較した第39図;ならび
にhERR1,hERR2,hER,hGRおよびヒト
甲状腺ホルモン受容体 hT3Rベータ間のアミノ酸の比
較を示す第41図を参照されたい。)この相同性がある
ため本発明のDNAおよびRNAは、ホルモンと複合体
を形成したのちクロマチンDNAに結合することにより
転写を活性化するホルモン受容体をコードする遺伝子を
実質的にいかなる種からも検出および単離することがで
きる。本発明のDNAおよびRNA、特にATCCに特
許の目的で寄託された好ましいDNAを用いることによ
り、当業者は多大な試験を行うことなくゲノムライブラ
リーをスクリーニングして、本発明の範囲に含まれる他
のグルココルチコイド、ミネラルコルチコイドおよび甲
状腺ホルモン受容体を見出すことができる。本発明のこ
の観点は本発明者らによりエストロゲン関連受容体hE
RR1およびhERR2(実験例V、特に項目A、序、
および項目B、受容体hERRに対する cDNAクロー
ンの項を参照されたい)、ならびにラット甲状腺ホルモ
ン受容体およびヒト甲状腺ホルモン受容体TRアルファ
(実験の部VII、特に項目C、第2甲状腺ホルモン受容
体DNAの単離、ならびに第46(A)および(B)図
を参照されたい)が見出されたことにより説明される。
【0106】本発明のDNAおよびセンスストランドD
NAはたとえば本発明の誘導法および蛋白質製造法と組
合わせて使用して、大量の実質的に純粋な受容体蛋白質
を製造することができる。さらに、こうして製造された
実質的に純粋な受容体蛋白質を周知の方法により診断ア
ッセイ法に使用して、各種の体液および組織試料におけ
る特定のホルモンの存在を調べることができる。
NAはたとえば本発明の誘導法および蛋白質製造法と組
合わせて使用して、大量の実質的に純粋な受容体蛋白質
を製造することができる。さらに、こうして製造された
実質的に純粋な受容体蛋白質を周知の方法により診断ア
ッセイ法に使用して、各種の体液および組織試料におけ
る特定のホルモンの存在を調べることができる。
【0107】さらに本発明の受容体蛋白質を結合アッセ
イ法、たとえば実験の部IIIに述べるpeA101により
コードされる受容体へのT3の結合に関する方法、また
は後述する本発明の“シス−トランス”受容体機能性バ
イオアッセイ法により、受容体作用薬および受容体拮抗
薬をスクリーニングするのに用いることができる。
イ法、たとえば実験の部IIIに述べるpeA101により
コードされる受容体へのT3の結合に関する方法、また
は後述する本発明の“シス−トランス”受容体機能性バ
イオアッセイ法により、受容体作用薬および受容体拮抗
薬をスクリーニングするのに用いることができる。
【0108】最後に、本発明の受容体蛋白質は実質的に
純粋な形で製造されるので、それらを結晶化し、X線回
折法によりそれらの構造を調べることができる。当業者
に周知のように、これらの測定は“合成”または修飾さ
れた受容体蛋白質同族体を工学的に製造する際にきわめ
て有用である。
純粋な形で製造されるので、それらを結晶化し、X線回
折法によりそれらの構造を調べることができる。当業者
に周知のように、これらの測定は“合成”または修飾さ
れた受容体蛋白質同族体を工学的に製造する際にきわめ
て有用である。
【0109】DNAおよびRNA、ならびにこれにより
製造された新規な受容体蛋白質のほかに、本発明は以下
の3種の一般法を開示する。一方法は受容体蛋白質の機
能性を測定するためのバイオアッセイ法に関する。他の
二方法はそれらの転写がクロマチンDNAに結合したホ
ルモン−受容体−複合体により活性化される遺伝子の発
現を誘導および制御する方法に関する。これら3種の一
般法それぞれにつき別個に述べる。
製造された新規な受容体蛋白質のほかに、本発明は以下
の3種の一般法を開示する。一方法は受容体蛋白質の機
能性を測定するためのバイオアッセイ法に関する。他の
二方法はそれらの転写がクロマチンDNAに結合したホ
ルモン−受容体−複合体により活性化される遺伝子の発
現を誘導および制御する方法に関する。これら3種の一
般法それぞれにつき別個に述べる。
【0110】本発明者らが“シス−トランス”バイオア
ッセイ系と呼ぶ、受容体機能性を試験するための新規な
バイオアッセイ系は2種のプラスミド、すなわち“発
現”プラスミドおよび“レポーター”プラスミドを使用
する。本発明によれば発現プラスミドは本発明の受容体
DNAまたはそれらの変異体を適切な受容体陰性宿主細
胞において発現しうるいかなるプラスミドであってもよ
い。同様に本発明によればレポータープラスミドは作動
性レポーター遺伝子に機能性結合した作動性ホルモン応
答性プロモーター/エンハンサー要素を含むいかなるプ
ラスミドであってもよい。(ここで用いる用語の説明に
ついては本明細書の定義の項を参照されたい。)プラス
ミド pGMCATおよび pGHCATは作動性レポータ
ー遺伝子に機能性結合した作動性ホルモン応答性プロモ
ーター/エンハンサー要素を含むレポータープラスミド
の例であり、従って本発明の受容体機能性バイオアッセ
イに使用できる。 pGMCATの場合、作動性ホルモン
応答性プロモーター/エンハンサー要素はMTV LT
Rであり;pGHCATの場合、これは成長ホルモン受
容体の機能性部分である。 pGMCATおよび pGHC
ATの双方において作動性レポーター遺伝子はクロラム
フェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)に
対する細菌性遺伝子である。
ッセイ系と呼ぶ、受容体機能性を試験するための新規な
バイオアッセイ系は2種のプラスミド、すなわち“発
現”プラスミドおよび“レポーター”プラスミドを使用
する。本発明によれば発現プラスミドは本発明の受容体
DNAまたはそれらの変異体を適切な受容体陰性宿主細
胞において発現しうるいかなるプラスミドであってもよ
い。同様に本発明によればレポータープラスミドは作動
性レポーター遺伝子に機能性結合した作動性ホルモン応
答性プロモーター/エンハンサー要素を含むいかなるプ
ラスミドであってもよい。(ここで用いる用語の説明に
ついては本明細書の定義の項を参照されたい。)プラス
ミド pGMCATおよび pGHCATは作動性レポータ
ー遺伝子に機能性結合した作動性ホルモン応答性プロモ
ーター/エンハンサー要素を含むレポータープラスミド
の例であり、従って本発明の受容体機能性バイオアッセ
イに使用できる。 pGMCATの場合、作動性ホルモン
応答性プロモーター/エンハンサー要素はMTV LT
Rであり;pGHCATの場合、これは成長ホルモン受
容体の機能性部分である。 pGMCATおよび pGHC
ATの双方において作動性レポーター遺伝子はクロラム
フェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)に
対する細菌性遺伝子である。
【0111】本発明の“シス−トランス”受容体機能性
バイオアッセイを実施する際には、発現プラスミドおよ
びレポータープラスミドを適切な受容体陰性宿主細胞中
へ共トランスフェクションする。トランスフェクション
された宿主細胞は次いでホルモンまたは同族体の存在下
または不在下で培養され、レポータープラスミドのホル
モン応答性プロモーター/エンハンサー要素を活性化す
ることができる。トランスフェクションおよび培養され
た宿主細胞を次いでレポーター遺伝子配列の生成物の誘
導(すなわち存在)につき監視する。最後に、ホルモン
受容体蛋白質またはそれらの変異体(発現プラスミド上
の受容体DNA配列によりコードされ、トランスフェク
ションおよび培養された宿主細胞において産生されたも
の)の発現および/またはステロイド結合能を本発明に
従って測定する。(この“シス−トランス”バイオアッ
セイ系の模式図については第9図を参照されたい。) 本発明の“シス−トランス”受容体機能性バイオアッセ
イ系を好ましい形態においてグルココルチコイドまたは
ミネラルコルチコイド受容体の機能性の測定に用いる場
合、プラスミドは選択可能なマーカー、たとえば amp遺
伝子を保有するであろう。さらに、好ましい形態におい
てはレポータープラスミドは MTV LTRまたは成長
ホルモンプロモーターの機能性部分をホルモン応答性プ
ロモーター/エンハンサー要素として含むであろう。M
TV LTRが好ましいのは、グルココルチコイドホル
モンがMTV LTR内の特異的部位において転写開始
の効率を高めることによりMTV DNAの転写速度を
刺激することが知られているからである。さらにグルコ
コルチコイド受容体はMTV LTR内にマッピングさ
れたDNA配列に特異的に結合し、従って異種プロモー
ターに対するグルココルチコイドの応答性を与えること
ができる。(実際の部II、特に項目C.(a)アッセイ系
および実験様式を参照されたい。)またミネラルコルチ
コイド受容体がグルココルチコイド受容体と機能的関連
を示すこと、およびhMRのDNA結合区がMTV L
TRを認識することも知られている。(実験の部IV、特
に項目E.:発現およびホルモンの結合、および項目
F.:転写活性化を参照されたい。)成長ホルモンプロ
モーターが好ましいのは、その活性化が甲状腺ホルモン
−受容体−複合体による結合に応答するからである。
バイオアッセイを実施する際には、発現プラスミドおよ
びレポータープラスミドを適切な受容体陰性宿主細胞中
へ共トランスフェクションする。トランスフェクション
された宿主細胞は次いでホルモンまたは同族体の存在下
または不在下で培養され、レポータープラスミドのホル
モン応答性プロモーター/エンハンサー要素を活性化す
ることができる。トランスフェクションおよび培養され
た宿主細胞を次いでレポーター遺伝子配列の生成物の誘
導(すなわち存在)につき監視する。最後に、ホルモン
受容体蛋白質またはそれらの変異体(発現プラスミド上
の受容体DNA配列によりコードされ、トランスフェク
ションおよび培養された宿主細胞において産生されたも
の)の発現および/またはステロイド結合能を本発明に
従って測定する。(この“シス−トランス”バイオアッ
セイ系の模式図については第9図を参照されたい。) 本発明の“シス−トランス”受容体機能性バイオアッセ
イ系を好ましい形態においてグルココルチコイドまたは
ミネラルコルチコイド受容体の機能性の測定に用いる場
合、プラスミドは選択可能なマーカー、たとえば amp遺
伝子を保有するであろう。さらに、好ましい形態におい
てはレポータープラスミドは MTV LTRまたは成長
ホルモンプロモーターの機能性部分をホルモン応答性プ
ロモーター/エンハンサー要素として含むであろう。M
TV LTRが好ましいのは、グルココルチコイドホル
モンがMTV LTR内の特異的部位において転写開始
の効率を高めることによりMTV DNAの転写速度を
刺激することが知られているからである。さらにグルコ
コルチコイド受容体はMTV LTR内にマッピングさ
れたDNA配列に特異的に結合し、従って異種プロモー
ターに対するグルココルチコイドの応答性を与えること
ができる。(実際の部II、特に項目C.(a)アッセイ系
および実験様式を参照されたい。)またミネラルコルチ
コイド受容体がグルココルチコイド受容体と機能的関連
を示すこと、およびhMRのDNA結合区がMTV L
TRを認識することも知られている。(実験の部IV、特
に項目E.:発現およびホルモンの結合、および項目
F.:転写活性化を参照されたい。)成長ホルモンプロ
モーターが好ましいのは、その活性化が甲状腺ホルモン
−受容体−複合体による結合に応答するからである。
【0112】本発明の“シス−トランス”バイオアッセ
イ系に用いるために好ましい宿主細胞はCOS細胞およ
びCV−1細胞である。(本発明のバイオアッセイ系に
用いられる好ましい宿主細胞については、実験の部II、
項目C.(a)アッセイ系および実験様式を参照された
い。)COS−1(COSと呼ぶ)細胞はSV40T抗
原(Tag)を発現するマウス腎細胞であり;CV−1は
SV40 Tagを発現しない。CV−1細胞は内在性グ
ルココルチコイドもしくはミネラルコルチコイドまたは
他の既知のステロイドホルモンもしくは甲状腺ホルモン
の受容体をいずれも欠如するので好都合である。従って
適宜な発現ベクターを用いる遺伝子転写によりこれらの
宿主細胞を受容体陰性から受容体陽性へ転換させること
が可能である。COS−1誘導体系にTagが存在するこ
とによって、導入された発現プラスミドを複製し、アッ
セイ期間中に生成する受容体の量を相対的に高めること
ができる。
イ系に用いるために好ましい宿主細胞はCOS細胞およ
びCV−1細胞である。(本発明のバイオアッセイ系に
用いられる好ましい宿主細胞については、実験の部II、
項目C.(a)アッセイ系および実験様式を参照された
い。)COS−1(COSと呼ぶ)細胞はSV40T抗
原(Tag)を発現するマウス腎細胞であり;CV−1は
SV40 Tagを発現しない。CV−1細胞は内在性グ
ルココルチコイドもしくはミネラルコルチコイドまたは
他の既知のステロイドホルモンもしくは甲状腺ホルモン
の受容体をいずれも欠如するので好都合である。従って
適宜な発現ベクターを用いる遺伝子転写によりこれらの
宿主細胞を受容体陰性から受容体陽性へ転換させること
が可能である。COS−1誘導体系にTagが存在するこ
とによって、導入された発現プラスミドを複製し、アッ
セイ期間中に生成する受容体の量を相対的に高めること
ができる。
【0113】SV40複製開始点(ori)を含む発現プ
ラスミドは、SV40Tagを発現するいかなる宿主細胞
においても高いコピー数にまで増殖することができる。
従ってSV40“ori”を保有する本発明の発現プラス
ミドはCOS細胞において複製しうるが、CV−1細胞
においては複製されない。高いコピー数によって与えら
れる高い発現が望ましいが、これは開示されたバイオア
ッセイ系にとつて決定的なものではない。いずれかの特
定の細胞系を“宿主”として用いることも決定的なもの
ではない。上記発現ベクターはきわめて有効であるの
で、本発明者らによればこのアッセイ法は本発明者らが
試験したすべての宿主において作動した。CV−1細胞
が好ましいのは、それが遺伝子転移の研究に好都合であ
り、感受性の、かつ十分に報告された宿主細胞系を提供
するからにすぎない。
ラスミドは、SV40Tagを発現するいかなる宿主細胞
においても高いコピー数にまで増殖することができる。
従ってSV40“ori”を保有する本発明の発現プラス
ミドはCOS細胞において複製しうるが、CV−1細胞
においては複製されない。高いコピー数によって与えら
れる高い発現が望ましいが、これは開示されたバイオア
ッセイ系にとつて決定的なものではない。いずれかの特
定の細胞系を“宿主”として用いることも決定的なもの
ではない。上記発現ベクターはきわめて有効であるの
で、本発明者らによればこのアッセイ法は本発明者らが
試験したすべての宿主において作動した。CV−1細胞
が好ましいのは、それが遺伝子転移の研究に好都合であ
り、感受性の、かつ十分に報告された宿主細胞系を提供
するからにすぎない。
【0114】“シス−トランス”バイオアッセイ系は、
本発明の受容体DNAが転移した宿主細胞中に発現した
か否かを判定するために特に有用である。これは本発明
の受容体が対応する天然の同系受容体の結合活性の少な
くとも約10%を有するか否か、またこの受容体が対応
する天然の同系受容体の転写活性化活性の少なくとも1
0%を有するか否かを判定する際にも有用である。
本発明の受容体DNAが転移した宿主細胞中に発現した
か否かを判定するために特に有用である。これは本発明
の受容体が対応する天然の同系受容体の結合活性の少な
くとも約10%を有するか否か、またこの受容体が対応
する天然の同系受容体の転写活性化活性の少なくとも1
0%を有するか否かを判定する際にも有用である。
【0115】第9図は本発明の“シス−トランス”受容
体機能性バイオアッセイ系をhGRcDNA によりコ
ードされる受容体ポリペプチドの機能性の測定に用いる
方法につき模式的に示す。このバイオアッセイ法の詳
細、および受容体の機能性を試験するための定量性バイ
オアッセイ系としてのその有効性は実験の部IIに開示お
よび論述される。(特に項目F.実験法;および項目
C.(b)機能性hGRの発現を参照されたい。)同実験
の部に示されるように、ホルモン応答性プロモーター/
エンハンサー要素の活性化を証明するために採用できる
CAT酵素アッセイ法のほかに、転移宿主細胞のウェス
ターンブロット分析法を採用して、対照として用いられ
る同系受容体から移動性に関して区別できない受容体ポ
リペプチドの合成を証明することができる。さらに本発
明の“シス−トランス”バイオアッセイ系を採用して、
特異的ホルモンによる受容体(トランスフェクションお
よび培養された宿主細胞において産生されたもの)の活
性化、ならびにそれらのホルモン結合能および特性を調
べることができる。実験の部IIに証明されるように、こ
れがhERについて行われた場合本発明のhGRは機能
性であり、同系受容体の場合と同じ特異性および濃度で
グルココルチコイドホルモンと結合することが示され
た。
体機能性バイオアッセイ系をhGRcDNA によりコ
ードされる受容体ポリペプチドの機能性の測定に用いる
方法につき模式的に示す。このバイオアッセイ法の詳
細、および受容体の機能性を試験するための定量性バイ
オアッセイ系としてのその有効性は実験の部IIに開示お
よび論述される。(特に項目F.実験法;および項目
C.(b)機能性hGRの発現を参照されたい。)同実験
の部に示されるように、ホルモン応答性プロモーター/
エンハンサー要素の活性化を証明するために採用できる
CAT酵素アッセイ法のほかに、転移宿主細胞のウェス
ターンブロット分析法を採用して、対照として用いられ
る同系受容体から移動性に関して区別できない受容体ポ
リペプチドの合成を証明することができる。さらに本発
明の“シス−トランス”バイオアッセイ系を採用して、
特異的ホルモンによる受容体(トランスフェクションお
よび培養された宿主細胞において産生されたもの)の活
性化、ならびにそれらのホルモン結合能および特性を調
べることができる。実験の部IIに証明されるように、こ
れがhERについて行われた場合本発明のhGRは機能
性であり、同系受容体の場合と同じ特異性および濃度で
グルココルチコイドホルモンと結合することが示され
た。
【0116】最後に本発明者らは要約の項に示すように
本発明のDNAを用いて、その転写が受容体との複合体
を形成したホルモンにより活性化される遺伝子(G)の
転写活性化に必要かつ十分な条件は、(G)が存在する
細胞(C)中にホルモンおよびその受容体が存在するこ
とであることを見出した。(ホルモン(H)および受容
体(R)が遺伝子(G)の転写に作用する様式は完全に
は理解されていない。しかし受容体(R)はホルモン
(H)と複合体を形成した場合、特異的DNA部位、す
なわち当技術分野で“転写制御要素”または“転写刺激
を媒介するDNA配列”と呼ばれ、遺伝子(G)が位置
する付近のクロマチン上に存在するものに結合すると考
えられる。ホルモン/受容体−すなわち(H)/(R)
−複合体によるこの結合は、まだ解明されていない様式
で、遺伝子(G)に対するプロモーターを“始動させる
(turn on)”かまたは何らかの他の方法で活性化し、
これにより(G)遺伝子の転写を刺激するホルモン依存
性“スイッチ”として作用すると思われる。) 本発明者らの知見によって、遺伝子工学的に処理された
細胞において目的蛋白質を産生させるための改良された
組成物および方法が得られた。これらの方法2種が本発
明方法である。第1はその転写が受容体との複合体を形
成したホルモンによって活性化される遺伝子の転写を誘
導する方法である。第2は細胞を遺伝子工学的に処理
し、次いでその転写が受容体との複合体を形成したホル
モンによって活性化される遺伝子によりコードされる蛋
白質の生成を増大および制御する方法である。
本発明のDNAを用いて、その転写が受容体との複合体
を形成したホルモンにより活性化される遺伝子(G)の
転写活性化に必要かつ十分な条件は、(G)が存在する
細胞(C)中にホルモンおよびその受容体が存在するこ
とであることを見出した。(ホルモン(H)および受容
体(R)が遺伝子(G)の転写に作用する様式は完全に
は理解されていない。しかし受容体(R)はホルモン
(H)と複合体を形成した場合、特異的DNA部位、す
なわち当技術分野で“転写制御要素”または“転写刺激
を媒介するDNA配列”と呼ばれ、遺伝子(G)が位置
する付近のクロマチン上に存在するものに結合すると考
えられる。ホルモン/受容体−すなわち(H)/(R)
−複合体によるこの結合は、まだ解明されていない様式
で、遺伝子(G)に対するプロモーターを“始動させる
(turn on)”かまたは何らかの他の方法で活性化し、
これにより(G)遺伝子の転写を刺激するホルモン依存
性“スイッチ”として作用すると思われる。) 本発明者らの知見によって、遺伝子工学的に処理された
細胞において目的蛋白質を産生させるための改良された
組成物および方法が得られた。これらの方法2種が本発
明方法である。第1はその転写が受容体との複合体を形
成したホルモンによって活性化される遺伝子の転写を誘
導する方法である。第2は細胞を遺伝子工学的に処理
し、次いでその転写が受容体との複合体を形成したホル
モンによって活性化される遺伝子によりコードされる蛋
白質の生成を増大および制御する方法である。
【0117】これら2方法につき述べる際にも、受容体
蛋白質との複合体を形成したホルモンにより転写が活性
化される遺伝子を遺伝子(G)と呼ぶ。遺伝子(G)を
活性化するホルモンを(H)、その同族体をいずれも
(aH)と呼ぶ。受容体蛋白質は(R)、その機能性修
飾体は(r)と呼ばれる。最後に、遺伝子(G)が存在
する細胞を(C)と呼び、遺伝子(G)によりコードさ
れる蛋白質を(P)と呼ぶ。
蛋白質との複合体を形成したホルモンにより転写が活性
化される遺伝子を遺伝子(G)と呼ぶ。遺伝子(G)を
活性化するホルモンを(H)、その同族体をいずれも
(aH)と呼ぶ。受容体蛋白質は(R)、その機能性修
飾体は(r)と呼ばれる。最後に、遺伝子(G)が存在
する細胞を(C)と呼び、遺伝子(G)によりコードさ
れる蛋白質を(P)と呼ぶ。
【0118】本発明の遺伝子誘導法によれば、遺伝子
(G)を含む細胞(C)が、細胞(C)において発現可能
であり、受容体(R)またはその修飾された機能性形態
(r)をコードする本発明のDNAにより形質転換され
る。そして細胞(C)におけるホルモン(H)の濃度ま
たは同族体(aH)の濃度を少なくとも遺伝子(G)の
発現を確実に誘導するのに十分な水準にまで高める。
(G)を含む細胞(C)が、細胞(C)において発現可能
であり、受容体(R)またはその修飾された機能性形態
(r)をコードする本発明のDNAにより形質転換され
る。そして細胞(C)におけるホルモン(H)の濃度ま
たは同族体(aH)の濃度を少なくとも遺伝子(G)の
発現を確実に誘導するのに十分な水準にまで高める。
【0119】実験の部IIに示したように本発明の誘導法
を採用した場合、意外にも遺伝子(G)が位置する細胞に
(H)および(R)が存在することによって遺伝子
(G)の転写が誘導されるだけでなく、蛋白質(P)の
産生が500〜1000倍高められた。この知見はこの
誘導法が転写を誘導するためにだけでなく、これを増大
および制御するためにも採用されることを本発明者らに
示した。この知見から、細胞を工学的に処理し、次いで
その転写が受容体との複合体を形成したホルモンにより
活性化される遺伝子(G)によりコードされる蛋白質の
生成を制御する本発明方法も開発された。この方法につ
いてはのちにより詳細に述べる。
を採用した場合、意外にも遺伝子(G)が位置する細胞に
(H)および(R)が存在することによって遺伝子
(G)の転写が誘導されるだけでなく、蛋白質(P)の
産生が500〜1000倍高められた。この知見はこの
誘導法が転写を誘導するためにだけでなく、これを増大
および制御するためにも採用されることを本発明者らに
示した。この知見から、細胞を工学的に処理し、次いで
その転写が受容体との複合体を形成したホルモンにより
活性化される遺伝子(G)によりコードされる蛋白質の
生成を制御する本発明方法も開発された。この方法につ
いてはのちにより詳細に述べる。
【0120】本発明の誘導法は細胞に与えられるホルモ
ン(H)またはその同族体(aH)の濃度を調節するだけ
で蛋白質(P)の生成を増大させ、および制御するため
にも採用できる。(当業者に自明のとおり、細胞(C)
を本発明のDNAで形質転換すると、細胞(C)におい
て(R)または(r)の適切な供給が保証されるので、
(R)または(r)の欠如はもはや遺伝子(G)の転写に
おける制限因子とはならない。このため、培養液中の
(H)または(aH)の量を増加させるだけで遺伝子
(G)の転写を増加させ、結果的に細胞(C)において
産生される蛋白質の量を増加させることができるであろ
う。) 本発明の誘導法は下記の条件を満たす限り、ホルモン
(H)またはその同族体(aH)のうちのいずれかと複
合体を形成したステロイドホルモンまたは甲状腺ホルモ
ン受容体が結合することによって活性化される転写制御
要素による転写制御下にあるいかなる遺伝子(G)の発
現をも誘導するために採用できる:(1)受容体
(R)、または(R)の転写活性化特性を備えたその機
能的な修飾された形態(r)をコードするDNAを使用で
きる;(2)細胞(C)が培養可能な細胞である;
(3)細胞(C)がホルモン(H)または同族体(aH)
との複合体形成のために必要な(R)−または(r)−コ
ード化DNAを発現すべく形質転換されうる。
ン(H)またはその同族体(aH)の濃度を調節するだけ
で蛋白質(P)の生成を増大させ、および制御するため
にも採用できる。(当業者に自明のとおり、細胞(C)
を本発明のDNAで形質転換すると、細胞(C)におい
て(R)または(r)の適切な供給が保証されるので、
(R)または(r)の欠如はもはや遺伝子(G)の転写に
おける制限因子とはならない。このため、培養液中の
(H)または(aH)の量を増加させるだけで遺伝子
(G)の転写を増加させ、結果的に細胞(C)において
産生される蛋白質の量を増加させることができるであろ
う。) 本発明の誘導法は下記の条件を満たす限り、ホルモン
(H)またはその同族体(aH)のうちのいずれかと複
合体を形成したステロイドホルモンまたは甲状腺ホルモ
ン受容体が結合することによって活性化される転写制御
要素による転写制御下にあるいかなる遺伝子(G)の発
現をも誘導するために採用できる:(1)受容体
(R)、または(R)の転写活性化特性を備えたその機
能的な修飾された形態(r)をコードするDNAを使用で
きる;(2)細胞(C)が培養可能な細胞である;
(3)細胞(C)がホルモン(H)または同族体(aH)
との複合体形成のために必要な(R)−または(r)−コ
ード化DNAを発現すべく形質転換されうる。
【0121】当業者は寄託された本発明のDNAのいず
れをもプローブとして用いて、現在入手できない(R)
−または(r)−コード化DNAのゲノムライブラリーを
多大な実験なしに探査することができる。これらのDN
Aが見出されると、これらが遺伝子(G)の存在する細
胞(C)において発現可能である場合には細胞(C)の
形質転換に使用できる。培養細胞を形質転換する方法は
周知であり、当業者が多大な実験なしに用いることがで
きる。同様に多大な実験なしに、細胞(C)に(H)が
存在する場合その基礎水準はどの程度であるか、また遺
伝子(G)の転写を、従って蛋白質(P)の生成を誘導お
よび制御するためには(H)または(aH)の濃度はどの程
度でなければならないかを当業者は判定できる。培養細
胞(C)の浸漬に用いられる培養液に(H)または(a
H)を添加することにより、必要な濃度の(H)を形質
転換細胞(C)に供給することができる。
れをもプローブとして用いて、現在入手できない(R)
−または(r)−コード化DNAのゲノムライブラリーを
多大な実験なしに探査することができる。これらのDN
Aが見出されると、これらが遺伝子(G)の存在する細
胞(C)において発現可能である場合には細胞(C)の
形質転換に使用できる。培養細胞を形質転換する方法は
周知であり、当業者が多大な実験なしに用いることがで
きる。同様に多大な実験なしに、細胞(C)に(H)が
存在する場合その基礎水準はどの程度であるか、また遺
伝子(G)の転写を、従って蛋白質(P)の生成を誘導お
よび制御するためには(H)または(aH)の濃度はどの程
度でなければならないかを当業者は判定できる。培養細
胞(C)の浸漬に用いられる培養液に(H)または(a
H)を添加することにより、必要な濃度の(H)を形質
転換細胞(C)に供給することができる。
【0122】本発明により、遺伝子(G)の転写に必要
かつ十分な条件は遺伝子(G)が存在する細胞(C)に
(H)または(aH)および(R)または(r)が存在す
ることであり、遺伝子(G)の転写、従って蛋白質
(P)の生成は形質転換細胞(C)の浸漬に用いられる培
養液中の(H)または(aH)の量を増加させるだけで誘
導および制御できることが教示された。当業者に自明の
とおりこれらの知見に基づいて細胞を工学的に処理し、
その結果遺伝子(G)が位置する細胞(C)中にホルモ
ン(H)およびその受容体を確実に存在させ、次いで細
胞(C)中に存在するホルモン(H)またはその同族体
の濃度を制御するだけで、その転写がホルモン/受容体
−複合体により活性化される遺伝子によってコードされ
る蛋白質の生成を制御することができる。この概念は本
発明による細胞の工学的処理および蛋白質の製造のため
の方法の基礎である。
かつ十分な条件は遺伝子(G)が存在する細胞(C)に
(H)または(aH)および(R)または(r)が存在す
ることであり、遺伝子(G)の転写、従って蛋白質
(P)の生成は形質転換細胞(C)の浸漬に用いられる培
養液中の(H)または(aH)の量を増加させるだけで誘
導および制御できることが教示された。当業者に自明の
とおりこれらの知見に基づいて細胞を工学的に処理し、
その結果遺伝子(G)が位置する細胞(C)中にホルモ
ン(H)およびその受容体を確実に存在させ、次いで細
胞(C)中に存在するホルモン(H)またはその同族体
の濃度を制御するだけで、その転写がホルモン/受容体
−複合体により活性化される遺伝子によってコードされ
る蛋白質の生成を制御することができる。この概念は本
発明による細胞の工学的処理および蛋白質の製造のため
の方法の基礎である。
【0123】本発明による細胞の工学的処理法および蛋
白質の製法によれば、(1)細胞(C)を遺伝子(G)が含
有されるべく工学的に処理し、その結果遺伝子(G)の
転写は適宜なホルモン/受容体、(H)/(R)、複合
体が結合し、これにより遺伝子(G)の転写が活性化さ
れる転写制御要素による制御下に置かれ;(2)この時
点で転写制御要素による制御下にある遺伝子(G)が含
有される細胞(C)を、細胞(C)において発現可能で
あり、受容体(R)またはその修飾された機能的形態
(r)をコードする本発明のDNAにより形質転換し;
(3)最後に、細胞(C)におけるホルモン(H)また
はその同族体の濃度を調節して、形質転換細胞(C)の
浸漬に用いる培養液から細胞が利用しうるホルモン
(H)の量を増大および制御することにより、遺伝子
(G)の転写が誘導されるだけでなく効果的に増大およ
び制御される。このように遺伝子(G)の転写を増大お
よび制御することにより、蛋白質(P)の生成も増大お
よび制御される。
白質の製法によれば、(1)細胞(C)を遺伝子(G)が含
有されるべく工学的に処理し、その結果遺伝子(G)の
転写は適宜なホルモン/受容体、(H)/(R)、複合
体が結合し、これにより遺伝子(G)の転写が活性化さ
れる転写制御要素による制御下に置かれ;(2)この時
点で転写制御要素による制御下にある遺伝子(G)が含
有される細胞(C)を、細胞(C)において発現可能で
あり、受容体(R)またはその修飾された機能的形態
(r)をコードする本発明のDNAにより形質転換し;
(3)最後に、細胞(C)におけるホルモン(H)また
はその同族体の濃度を調節して、形質転換細胞(C)の
浸漬に用いる培養液から細胞が利用しうるホルモン
(H)の量を増大および制御することにより、遺伝子
(G)の転写が誘導されるだけでなく効果的に増大およ
び制御される。このように遺伝子(G)の転写を増大お
よび制御することにより、蛋白質(P)の生成も増大お
よび制御される。
【0124】上記の誘導法の場合、本発明による細胞の
工学的処理および蛋白質製造のための方法においてはホ
ルモン(H)および受容体(R)の双方が細胞(C)中
に存在する。また誘導法の場合、受容体(R)またはその
機能的な修飾された形態(r)の存在が本発明の(R)−
または(r)−コード化DNAにより細胞(C)を形質転
換することにより保証される。前記のように、培養細胞
を形質転換する方法は周知であり、当業者が多大な実験
なしに用いることができる。適宜な濃度の(H)または
(aH)を含有する浸漬液中に形質転換細胞(C)を浸漬
するだけで、(H)またはその同族体(aH)の存在を保
証し、かつ(H)または(aH)の濃度を制御すること
ができる。適宜な濃度、すなわち一定量の蛋白質を生成
するために細胞(C)が必要とする(H)または(aH)
の濃度は、一定の条件下で多大の実験なしに当業者が判
定することができる。
工学的処理および蛋白質製造のための方法においてはホ
ルモン(H)および受容体(R)の双方が細胞(C)中
に存在する。また誘導法の場合、受容体(R)またはその
機能的な修飾された形態(r)の存在が本発明の(R)−
または(r)−コード化DNAにより細胞(C)を形質転
換することにより保証される。前記のように、培養細胞
を形質転換する方法は周知であり、当業者が多大な実験
なしに用いることができる。適宜な濃度の(H)または
(aH)を含有する浸漬液中に形質転換細胞(C)を浸漬
するだけで、(H)またはその同族体(aH)の存在を保
証し、かつ(H)または(aH)の濃度を制御すること
ができる。適宜な濃度、すなわち一定量の蛋白質を生成
するために細胞(C)が必要とする(H)または(aH)
の濃度は、一定の条件下で多大の実験なしに当業者が判
定することができる。
【0125】同様に当業者に自明のとおり、細胞(C)
を本発明のDNAにより形質転換することによって細胞
(C)における適切な(R)または(r)の供給が保証
され、従って(R)または(r)の欠如が遺伝子(G)の
転写における制限因子となることはない。このため、培
養液中の(H)または(aH)の量を増加させるだけで、
細胞(C)中に産生される蛋白質の(P)の量を増加さ
せることができるであろう。
を本発明のDNAにより形質転換することによって細胞
(C)における適切な(R)または(r)の供給が保証
され、従って(R)または(r)の欠如が遺伝子(G)の
転写における制限因子となることはない。このため、培
養液中の(H)または(aH)の量を増加させるだけで、
細胞(C)中に産生される蛋白質の(P)の量を増加さ
せることができるであろう。
【0126】本発明の誘導法の場合と同様に、本発明に
よる細胞の工学的処理および蛋白質の製造のための方法
は下記の条件を満たす限り、細胞(C)に挿入すること
ができ、その結果ホルモン(H)またはその同族体のい
ずれかと複合体を形成したステロイドホルモンまたは甲
状腺ホルモン受容体(R)の結合によって活性化される
転写制御要素による転写制御下に置かれるいかなる遺伝
子(G)の発現の制御にも採用することができる:
(1)受容体(R)、または(R)の転写活性化特性を
備えたその機能的な修飾された形態(r)をコードする
DNAを使用できる;(2)細胞(C)が培養可能な細
胞である;(3)(R)−または(r)−コード化DN
Aは遺伝子(G)が存在する細胞において発現可能であ
る。
よる細胞の工学的処理および蛋白質の製造のための方法
は下記の条件を満たす限り、細胞(C)に挿入すること
ができ、その結果ホルモン(H)またはその同族体のい
ずれかと複合体を形成したステロイドホルモンまたは甲
状腺ホルモン受容体(R)の結合によって活性化される
転写制御要素による転写制御下に置かれるいかなる遺伝
子(G)の発現の制御にも採用することができる:
(1)受容体(R)、または(R)の転写活性化特性を
備えたその機能的な修飾された形態(r)をコードする
DNAを使用できる;(2)細胞(C)が培養可能な細
胞である;(3)(R)−または(r)−コード化DN
Aは遺伝子(G)が存在する細胞において発現可能であ
る。
【0127】この場合も多大な実験なしに当業者は寄託
された本発明のDNAのいずれをもプローブとして用い
て、現在入手できない(R)−または(r)−コード化D
NAのゲノムライブラリーを探査することができる。こ
れらのDNAが見出されると、これらが遺伝子(G)の
存在する細胞(C)において発現可能である場合には本
発明の工学的蛋白質製造法に使用できる。
された本発明のDNAのいずれをもプローブとして用い
て、現在入手できない(R)−または(r)−コード化D
NAのゲノムライブラリーを探査することができる。こ
れらのDNAが見出されると、これらが遺伝子(G)の
存在する細胞(C)において発現可能である場合には本
発明の工学的蛋白質製造法に使用できる。
【0128】同様に多大な実験なしに、細胞(C)に
(H)が存在する場合その基礎水準はどの程度である
か、また遺伝子(G)の転写を、従って蛋白質(P)の
生成を誘導および制御するためには(H)または(aH)
の濃度はどの程度でなければならないかを当業者は判定
できる。培養細胞(C)の浸漬に用いられる培養液に
(H)または(aH)を添加することにより、目的量の蛋
白質(P)を確実に生成させるのに必要な濃度の(H)
を形質転換細胞(C)に供給することができる。
(H)が存在する場合その基礎水準はどの程度である
か、また遺伝子(G)の転写を、従って蛋白質(P)の
生成を誘導および制御するためには(H)または(aH)
の濃度はどの程度でなければならないかを当業者は判定
できる。培養細胞(C)の浸漬に用いられる培養液に
(H)または(aH)を添加することにより、目的量の蛋
白質(P)を確実に生成させるのに必要な濃度の(H)
を形質転換細胞(C)に供給することができる。
【0129】本発明の種々の観点を以下の7実験例に詳
述し、例示する。実験の部Iはヒトグルココルチコイド
受容体に関する。より詳細にはこの例はhGRcDNA
の一次構造、およびこれまで報告されたhGR蛋白質と
機能的に区別できないポリペプチドへのその発現を示
す。実験の部IIはhGRの機能区に関する。この例に示
されるように、GRは少なくとも4個の機能区を含み、
それらのうち2個は予想されたものであり、予想された
DNA−およびステロイド−結合区に対応し、それらの
うち2個は予想されなかったものであり、転写に対し強
い作用をもつ。実験の部IIIは甲状腺ホルモン受容体c−
erb−Aに関する。この実験例に示すように、c−erb−
Aは本発明者らがここで hTRアルファと呼ぶ甲状腺ホ
ルモン受容体をコードする。本発明者らが予想外に第2
の甲状腺ホルモン受容体を見出したことと合わせて(実
験例VII参照)、実験の部IIIに示された。c−erbに関す
るデータは甲状腺ホルモン受容体蛋白質についてのより
詳細な知見を得るのにきわめて有用であろう。実験の部
IVはヒトミネラルコルチコイド受容体に関する。これは
本発明者らが示すようにグルココルチコイド受容体に対
し構造的および機能的類似性をもつ。実験Vは本発明者
らがhERR1およびhERR2と呼ぶ新規な予想され
なかった一群のステロイドホルモン受容体を示す。これ
らの受容体は新規なステロイドホルモン系の存在に対す
る最初の証拠を与える。新規な“シス−トランス”バイ
オアッセイ系に関する本明細書の記述と合わせて、この
新規なエストロゲン関連受容体hERR1およびhER
R2は新規なホルモンの同定へ系統的に導くアッセイ系
を開発するための基礎を与えるであろう。このような新
規な系の同定は広範な生理学的および臨床上の重要性を
もつと思われる。実験の部VIにはラット甲状腺ホルモン
受容体c−erb−Aオリゴヌクレオチドにおいて本発明者
らがT3 調節に必要であることを見出した部位に関する
本発明者らのデータを若干示す。これらの知見は、実験
の部III、およびヒト染色体17に結合した新規な予想
されなかった甲状腺ホルモン受容体に関する実験VIIの
記述と合わせて、甲状腺ホルモン受容体蛋白質の特性を
開明する際に有用であろう。
述し、例示する。実験の部Iはヒトグルココルチコイド
受容体に関する。より詳細にはこの例はhGRcDNA
の一次構造、およびこれまで報告されたhGR蛋白質と
機能的に区別できないポリペプチドへのその発現を示
す。実験の部IIはhGRの機能区に関する。この例に示
されるように、GRは少なくとも4個の機能区を含み、
それらのうち2個は予想されたものであり、予想された
DNA−およびステロイド−結合区に対応し、それらの
うち2個は予想されなかったものであり、転写に対し強
い作用をもつ。実験の部IIIは甲状腺ホルモン受容体c−
erb−Aに関する。この実験例に示すように、c−erb−
Aは本発明者らがここで hTRアルファと呼ぶ甲状腺ホ
ルモン受容体をコードする。本発明者らが予想外に第2
の甲状腺ホルモン受容体を見出したことと合わせて(実
験例VII参照)、実験の部IIIに示された。c−erbに関す
るデータは甲状腺ホルモン受容体蛋白質についてのより
詳細な知見を得るのにきわめて有用であろう。実験の部
IVはヒトミネラルコルチコイド受容体に関する。これは
本発明者らが示すようにグルココルチコイド受容体に対
し構造的および機能的類似性をもつ。実験Vは本発明者
らがhERR1およびhERR2と呼ぶ新規な予想され
なかった一群のステロイドホルモン受容体を示す。これ
らの受容体は新規なステロイドホルモン系の存在に対す
る最初の証拠を与える。新規な“シス−トランス”バイ
オアッセイ系に関する本明細書の記述と合わせて、この
新規なエストロゲン関連受容体hERR1およびhER
R2は新規なホルモンの同定へ系統的に導くアッセイ系
を開発するための基礎を与えるであろう。このような新
規な系の同定は広範な生理学的および臨床上の重要性を
もつと思われる。実験の部VIにはラット甲状腺ホルモン
受容体c−erb−Aオリゴヌクレオチドにおいて本発明者
らがT3 調節に必要であることを見出した部位に関する
本発明者らのデータを若干示す。これらの知見は、実験
の部III、およびヒト染色体17に結合した新規な予想
されなかった甲状腺ホルモン受容体に関する実験VIIの
記述と合わせて、甲状腺ホルモン受容体蛋白質の特性を
開明する際に有用であろう。
【0130】これ以上詳述しなくても当業者は以上の記
述および以下の実験の部によって本発明を最大限に利用
することができると考えられる。実験の部に示した材料
は特に指示しない限り例示の目的で示されたものであ
り、従って何らかの形で請求の範囲の記載を限定するも
のと解すべきではない。
述および以下の実験の部によって本発明を最大限に利用
することができると考えられる。実験の部に示した材料
は特に指示しない限り例示の目的で示されたものであ
り、従って何らかの形で請求の範囲の記載を限定するも
のと解すべきではない。
【0131】
【実施例】実験の部I 機能性ヒトグルココルチコイド受容体cDNAの一次構
造および発現I.A.概要 ヒトリンパ様細胞および線維芽細胞cDNAクローンか
ら推定したヒトグルココルチコイド受容体(hGR)の
全アミノ酸配列を報告する。この配列はこの受容体の構
造上の種々の特性を明らかにする。これに主免疫原区、
およびDNA結合区の一部をなすと思われるシスティン
/アルギニン/リジンに富む領域が含まれる。分析量の
全長蛋白質を生成するためのSP6転写ベクター系の使
用につき記述し、無細胞転写された蛋白質が免疫原性で
あり、かつ天然のグルココルチコイド受容体に特有のス
テロイド結合特性を備えていることを証明する。ワイン
バーガー(Weinberger)ら(1985b)はhGR配列
と発癌遺伝子v−erb−Aの配列の相同性を報告してい
る。
造および発現I.A.概要 ヒトリンパ様細胞および線維芽細胞cDNAクローンか
ら推定したヒトグルココルチコイド受容体(hGR)の
全アミノ酸配列を報告する。この配列はこの受容体の構
造上の種々の特性を明らかにする。これに主免疫原区、
およびDNA結合区の一部をなすと思われるシスティン
/アルギニン/リジンに富む領域が含まれる。分析量の
全長蛋白質を生成するためのSP6転写ベクター系の使
用につき記述し、無細胞転写された蛋白質が免疫原性で
あり、かつ天然のグルココルチコイド受容体に特有のス
テロイド結合特性を備えていることを証明する。ワイン
バーガー(Weinberger)ら(1985b)はhGR配列
と発癌遺伝子v−erb−Aの配列の相同性を報告してい
る。
【0132】I.B.序論 グルココルチコイド受容体は多種の培養細胞系に広く分
布し、発現しているので、グルココルチコイドによる遺
伝子発現の制御は転写調節のモデルとして広く研究され
ている。多数のグルココルチコイド応答性転写ユニット
が確認されており、これにはマウス乳腺腫瘍ウイルス
(MMTV)(リンゴールド)(Ringold)ら、197
5;パークス(Parks)ら、1974)、マウスおよび
ヒトメタロチオネイン(ハーガー(Hager)ら、198
1;カーリン(Karin)ら、1980)、ラットアルファ
2M−グロブリン(クルツ(Kurtz)ら、1977)な
らびにラットおよびヒト成長ホルモン(スピンドラー
(Spindler)ら、1982;エバンス(Evans)ら、
1982;ロビンス(Robins)ら、1982)の遺伝
子が含まれる。これらの遺伝子数種の転写刺激を媒介す
るDNA配列の位置が決定された。MMTVについて
は、これらの配列は転写開始部位の上流にある別個のゲ
ノム領域であり、これらは方向および位置と無関係にそ
れらの作用を及ぼすと思われる(チャンドラー(Chand
ler)ら、1983;オストロフスキー(Ostrowski)
ら、1984)。ステロイド/受容体−複合体はこれら
の調節配列に結合すると思われ、精製された受容体を用
いて特異的結合部位が決定された(ゴビンダ(Govind
a)ら、1982;シャイデライト(Scheidereit)ら、
1983;プファール(Pfahl)1982;ペイバール
(Payvar)ら、1983)。数種の応答性遺伝子のフ
ットプリンティング分析に基づいて、コア配列5’TG
T/CTCT3'を共有するコンセンサスDNA結合配
列が提唱された(カーリン(Karin)ら、1984)。
布し、発現しているので、グルココルチコイドによる遺
伝子発現の制御は転写調節のモデルとして広く研究され
ている。多数のグルココルチコイド応答性転写ユニット
が確認されており、これにはマウス乳腺腫瘍ウイルス
(MMTV)(リンゴールド)(Ringold)ら、197
5;パークス(Parks)ら、1974)、マウスおよび
ヒトメタロチオネイン(ハーガー(Hager)ら、198
1;カーリン(Karin)ら、1980)、ラットアルファ
2M−グロブリン(クルツ(Kurtz)ら、1977)な
らびにラットおよびヒト成長ホルモン(スピンドラー
(Spindler)ら、1982;エバンス(Evans)ら、
1982;ロビンス(Robins)ら、1982)の遺伝
子が含まれる。これらの遺伝子数種の転写刺激を媒介す
るDNA配列の位置が決定された。MMTVについて
は、これらの配列は転写開始部位の上流にある別個のゲ
ノム領域であり、これらは方向および位置と無関係にそ
れらの作用を及ぼすと思われる(チャンドラー(Chand
ler)ら、1983;オストロフスキー(Ostrowski)
ら、1984)。ステロイド/受容体−複合体はこれら
の調節配列に結合すると思われ、精製された受容体を用
いて特異的結合部位が決定された(ゴビンダ(Govind
a)ら、1982;シャイデライト(Scheidereit)ら、
1983;プファール(Pfahl)1982;ペイバール
(Payvar)ら、1983)。数種の応答性遺伝子のフ
ットプリンティング分析に基づいて、コア配列5’TG
T/CTCT3'を共有するコンセンサスDNA結合配
列が提唱された(カーリン(Karin)ら、1984)。
【0133】グルココルチコイド応答要素(GRE)が
その位置および方向を変えてもなおプロモーター誘導性
を保持しうることは、これがエンハンサーと命名される
一群のシス作用性調節配列に類似することを示唆する
(チャンドラー(Chandler)ら、1983)。最初にウイ
ルス中に、次いで細胞遺伝子中に見出されたこれらの配
列はインビボにおける効果的な転写のために必要である
(ライモニス(Laimonis)ら、1982;ベノイスト(B
enoist)ら、1981;ベルジ(Baerji)ら、198
3)。エンハンサーは組織特異性転写制御により調節作
用を媒介するトランス作用性因子により認識されること
が示された。エンハンサー因子は十分には解明されてい
ないが、グルココルチコイド受容体はこれら推定遺伝子
活性化蛋白質の一例であると考えられる。
その位置および方向を変えてもなおプロモーター誘導性
を保持しうることは、これがエンハンサーと命名される
一群のシス作用性調節配列に類似することを示唆する
(チャンドラー(Chandler)ら、1983)。最初にウイ
ルス中に、次いで細胞遺伝子中に見出されたこれらの配
列はインビボにおける効果的な転写のために必要である
(ライモニス(Laimonis)ら、1982;ベノイスト(B
enoist)ら、1981;ベルジ(Baerji)ら、198
3)。エンハンサーは組織特異性転写制御により調節作
用を媒介するトランス作用性因子により認識されること
が示された。エンハンサー因子は十分には解明されてい
ないが、グルココルチコイド受容体はこれら推定遺伝子
活性化蛋白質の一例であると考えられる。
【0134】放射性標識された高親和性グルココルチコ
イド同族体、たとえばデキサメサゾンおよびトリアムシ
ノロンアセトニドの入手が容易であるため、精製法が開
発され、その結果ほぼ純粋なラットおよびヒト受容体が
単離された(シモンズ(Simons)ら、1981;ゲーリン
グ(Gehring)ら、1983)。受容体はショ糖濃度勾
配液中を二量体として移動するが、変性作用性SDS−
ポリアクリアミドゲル上での分析によれば相対分子量
(Mt)- 94,000(94K)の単一ポリペプチドが検出
される(ウェストパール(Westpahl)ら、1982;
ランゲ(Wrange)ら、1979)。その天然のポリペプ
チドはステロイド結合およびDNA配列認識に対する固
有の特異性を備えている。精製されたラットおよびヒト
受容体に対して産生されたモノクローナル抗体およびポ
リクローナル抗体(オクレット(Okret)ら、1981;
ハーモン(Harmon)ら、1984;ガメッチュ(Gamet
chu)ら、1984)をプローブとして用いて、ステロ
イド−およびDNA−結合領域と別個の分子部分上にあ
る主免疫原領域を確認することができた(カールステッ
ド−デューク(Carlstedt−Duke)ら、1982;ラン
ゲ(Wrange)ら、1984;デルウェーク(Dellweg)
ら、1982)。この分子の構造につきさらに情報を得
るために、またこれが遺伝子の転写を調節する分子機構
の分析に着手するために、本発明者らは受容体cDNA
配列のクローニングを試みた。受容体特異性抗体をプロ
ーブとして用いて、本発明者らはヒトまたはラットグル
ココルチコイド受容体cDNA挿入配列を含むクローン
を分離した(ワインバーガー(Weinberger)ら、19
85a;ミースフェルド(Miesfeld)ら、1984)。
イド同族体、たとえばデキサメサゾンおよびトリアムシ
ノロンアセトニドの入手が容易であるため、精製法が開
発され、その結果ほぼ純粋なラットおよびヒト受容体が
単離された(シモンズ(Simons)ら、1981;ゲーリン
グ(Gehring)ら、1983)。受容体はショ糖濃度勾
配液中を二量体として移動するが、変性作用性SDS−
ポリアクリアミドゲル上での分析によれば相対分子量
(Mt)- 94,000(94K)の単一ポリペプチドが検出
される(ウェストパール(Westpahl)ら、1982;
ランゲ(Wrange)ら、1979)。その天然のポリペプ
チドはステロイド結合およびDNA配列認識に対する固
有の特異性を備えている。精製されたラットおよびヒト
受容体に対して産生されたモノクローナル抗体およびポ
リクローナル抗体(オクレット(Okret)ら、1981;
ハーモン(Harmon)ら、1984;ガメッチュ(Gamet
chu)ら、1984)をプローブとして用いて、ステロ
イド−およびDNA−結合領域と別個の分子部分上にあ
る主免疫原領域を確認することができた(カールステッ
ド−デューク(Carlstedt−Duke)ら、1982;ラン
ゲ(Wrange)ら、1984;デルウェーク(Dellweg)
ら、1982)。この分子の構造につきさらに情報を得
るために、またこれが遺伝子の転写を調節する分子機構
の分析に着手するために、本発明者らは受容体cDNA
配列のクローニングを試みた。受容体特異性抗体をプロ
ーブとして用いて、本発明者らはヒトまたはラットグル
ココルチコイド受容体cDNA挿入配列を含むクローン
を分離した(ワインバーガー(Weinberger)ら、19
85a;ミースフェルド(Miesfeld)ら、1984)。
【0135】I.C.結果 (a) グルココルチコイド受容体cDNA 先きに報告されたように(ワインバーガー(Weinberge
r)ら、1985a)ヒトリンパ様細胞系IM−9から
得たポリ(A)+ RNAを鋳型として用いてファージ発
現ベクターラムダgtllにおいてcDNAクローンのライ
ブラリーを構成した。このライブラリーをまず精製グル
ココルチコイド受容体に対する家兎ポリクローナル抗血
清によりスクリーニングした結果、約2.5×105プラー
クから免疫陽性の候補クローン数種が分離された。これ
らのクローンから得たベータガラクトシダーゼ融合蛋白
質を用いて受容体エピトープ特異性抗体をアフィニティ
精製し、次いでこれを採取し、細胞抽出物の蛋白質ブロ
ットへの結合により同定した。ヒトグルココルチコイド
受容体の抗原決定因子を発現する挿入配列を含むクロー
ン3種を分離した。これらのクローンの挿入配列は異な
るサイズであったが交差ハイブリダイズした。それはそ
れらが恐らく受容体の主免疫原区の境界を定めると思わ
れる共通配列を含むことを示す。合わせてこれらのクロ
ーンは 1.4 kbpの長さに及んだが、明らかに受容体全体
をコードするのに十分なほど長くはなかった。これはM
t94Kのポリペプチドをコードするために約 2,500個
のヌクレオチドを必要とすると推定された。
r)ら、1985a)ヒトリンパ様細胞系IM−9から
得たポリ(A)+ RNAを鋳型として用いてファージ発
現ベクターラムダgtllにおいてcDNAクローンのライ
ブラリーを構成した。このライブラリーをまず精製グル
ココルチコイド受容体に対する家兎ポリクローナル抗血
清によりスクリーニングした結果、約2.5×105プラー
クから免疫陽性の候補クローン数種が分離された。これ
らのクローンから得たベータガラクトシダーゼ融合蛋白
質を用いて受容体エピトープ特異性抗体をアフィニティ
精製し、次いでこれを採取し、細胞抽出物の蛋白質ブロ
ットへの結合により同定した。ヒトグルココルチコイド
受容体の抗原決定因子を発現する挿入配列を含むクロー
ン3種を分離した。これらのクローンの挿入配列は異な
るサイズであったが交差ハイブリダイズした。それはそ
れらが恐らく受容体の主免疫原区の境界を定めると思わ
れる共通配列を含むことを示す。合わせてこれらのクロ
ーンは 1.4 kbpの長さに及んだが、明らかに受容体全体
をコードするのに十分なほど長くはなかった。これはM
t94Kのポリペプチドをコードするために約 2,500個
のヌクレオチドを必要とすると推定された。
【0136】他のcDNAクローンを分離するために本
発明者らは最初のライブラリーを再びスクリーニング
し、かつオカヤマ(Okayama)およびバーグ(Berg)
(1983)により報告されたベクターにおいてヒト線
維芽細胞からのポリ(A)+ RNAを用いて得た第2の
ライブラリー(オカヤマにより供与)をも試験した。免
疫陽性cDNA挿入配列(hGR1.2)の1種をプロー
ブとして用いて12クローンを分離した。これらは合わ
せて4.0kbp以上となった。これらのクローンのヌクレオ
チド配列をマキサム(Maxam)およびギルバート(Gil
bert)(1977)の方法により、第1図に示した手法
に従って調べた。RNAブロット分析から全長クローン
を得るためには5〜7 kbのcDNA挿入配列が必要で
あろうということが示された。配列分析から重複クロー
ンOB7およびhGR5.16はアミノ酸720個のオープ
ンリーディングフレームに及ぶことが示されたが、これ
は完全な受容体をコードするのに十分な長さではない。
従って約2×106個の形質転換体を含む第2の線維芽
細胞cDNAライブラリーをスクリーニングし、推定翻
訳開始部位の上流150 bpに及ぶ大型の挿入配列を含
むクローン(OB10)を得た(第1図参照)。配列分
析により2種の蛋白質の形態(アルファおよびベータと
命名)が予想された。これらはアミノ酸727において
異なり、それらのカルボキシ末端にそれぞれアミノ酸5
0個および15個の付加的な異なるオープンリーデング
フレームを含む(第2図参照)。クローンOB7により
表わされるアルファ形はグルココルチコイド受容体の主
要な形態である。各種のライブラリーから分離された8
種のcDNAクローンがこの配列を含むからである。
発明者らは最初のライブラリーを再びスクリーニング
し、かつオカヤマ(Okayama)およびバーグ(Berg)
(1983)により報告されたベクターにおいてヒト線
維芽細胞からのポリ(A)+ RNAを用いて得た第2の
ライブラリー(オカヤマにより供与)をも試験した。免
疫陽性cDNA挿入配列(hGR1.2)の1種をプロー
ブとして用いて12クローンを分離した。これらは合わ
せて4.0kbp以上となった。これらのクローンのヌクレオ
チド配列をマキサム(Maxam)およびギルバート(Gil
bert)(1977)の方法により、第1図に示した手法
に従って調べた。RNAブロット分析から全長クローン
を得るためには5〜7 kbのcDNA挿入配列が必要で
あろうということが示された。配列分析から重複クロー
ンOB7およびhGR5.16はアミノ酸720個のオープ
ンリーディングフレームに及ぶことが示されたが、これ
は完全な受容体をコードするのに十分な長さではない。
従って約2×106個の形質転換体を含む第2の線維芽
細胞cDNAライブラリーをスクリーニングし、推定翻
訳開始部位の上流150 bpに及ぶ大型の挿入配列を含
むクローン(OB10)を得た(第1図参照)。配列分
析により2種の蛋白質の形態(アルファおよびベータと
命名)が予想された。これらはアミノ酸727において
異なり、それらのカルボキシ末端にそれぞれアミノ酸5
0個および15個の付加的な異なるオープンリーデング
フレームを含む(第2図参照)。クローンOB7により
表わされるアルファ形はグルココルチコイド受容体の主
要な形態である。各種のライブラリーから分離された8
種のcDNAクローンがこの配列を含むからである。
【0137】(b)cDNAおよび蛋白質の配列 第3および4図はクローンhGR 1.2、hGR5.16 、
OB7およびOB10を用いて判定された、ヒトアルフ
ァグルココルチコイド受容体をコードする4,800 ヌクレ
オチド配列を示す。翻訳開始部位はヌクレオチド133
−135に対応するメチオニンコドンに帰属すると判定
された。これがフレーム内ターミネーターTGA(ヌク
レオチド121−123)から下流に現われる最初のA
TGトリプレットだからである。しかしアミノ末端ペプ
チド配列に関する情報がなければ開始部位の明確な決定
はまだ不可能である。777位のリジンに特異的なコド
ンの後に翻訳終止コドンTGAがある。残りのコード化
配列は多数の重複クローンに包含され、OB7はポリ
(A)付加部位に続く4.3 kbの挿入配列を含み、OB1
0は推点イニシエーターであるメチオニンを含む。クロ
ーンOB7およびOB10の3’領域は制限エンドヌク
レアーゼおよびcDNA配列分析の双方により示される
ようにヌクレオチド 2,314において異なる。この分岐点
においてアルファ受容体にはさらに50個のアミノ酸を
コードする独自の配列が続き、一方ベータ受容体にはわ
ずか15個のアミノ酸をコードする配列が続く(第5
(B)図)。OB7の3’側非翻訳領域はヌクレオチド
2,325個の長さであり、一方OB10の場合はヌクレオ
チド1,433個である。直接的な配列比較により(第
3、4および5(B))、またはストリンジェント条件
下でのハイブリダイゼーション分析により(データは示
されていない)示されるように、これら2領域間には有
意の相同性はない。
OB7およびOB10を用いて判定された、ヒトアルフ
ァグルココルチコイド受容体をコードする4,800 ヌクレ
オチド配列を示す。翻訳開始部位はヌクレオチド133
−135に対応するメチオニンコドンに帰属すると判定
された。これがフレーム内ターミネーターTGA(ヌク
レオチド121−123)から下流に現われる最初のA
TGトリプレットだからである。しかしアミノ末端ペプ
チド配列に関する情報がなければ開始部位の明確な決定
はまだ不可能である。777位のリジンに特異的なコド
ンの後に翻訳終止コドンTGAがある。残りのコード化
配列は多数の重複クローンに包含され、OB7はポリ
(A)付加部位に続く4.3 kbの挿入配列を含み、OB1
0は推点イニシエーターであるメチオニンを含む。クロ
ーンOB7およびOB10の3’領域は制限エンドヌク
レアーゼおよびcDNA配列分析の双方により示される
ようにヌクレオチド 2,314において異なる。この分岐点
においてアルファ受容体にはさらに50個のアミノ酸を
コードする独自の配列が続き、一方ベータ受容体にはわ
ずか15個のアミノ酸をコードする配列が続く(第5
(B)図)。OB7の3’側非翻訳領域はヌクレオチド
2,325個の長さであり、一方OB10の場合はヌクレオ
チド1,433個である。直接的な配列比較により(第
3、4および5(B))、またはストリンジェント条件
下でのハイブリダイゼーション分析により(データは示
されていない)示されるように、これら2領域間には有
意の相同性はない。
【0138】さらに本発明者らはヒト一次線維芽細胞ラ
イブラリーから他のcDNAクローン、OB12(デー
タは示されていない)を分離した。これはOB7と等し
い配列を含むがヌクレオチド 3,101におけるポリアデニ
ル化信号を使用し(第2および3および4図)、より短
い3’側非翻訳領域を生じる。OB7の3’側非翻訳領
域に特異的なプローブを用いてヒト胎盤cDNAライブ
ラリーをスクリーニングすることにより、大部分のクロ
ーンはOB7の第1ポリ(A)部位において終止するこ
とが明らかになった。従ってメッセンジャーRNAの相
違は択一的ポリアデニル化および択一的RNAスプライ
シング双方による見掛けの結果である(後記参照)。ヒ
ト線維芽細胞ライブラリーが双方のcDNAを含んでい
たという事実は、双方の形の受容体が同一細胞内に存在
する可能性を示唆する。
イブラリーから他のcDNAクローン、OB12(デー
タは示されていない)を分離した。これはOB7と等し
い配列を含むがヌクレオチド 3,101におけるポリアデニ
ル化信号を使用し(第2および3および4図)、より短
い3’側非翻訳領域を生じる。OB7の3’側非翻訳領
域に特異的なプローブを用いてヒト胎盤cDNAライブ
ラリーをスクリーニングすることにより、大部分のクロ
ーンはOB7の第1ポリ(A)部位において終止するこ
とが明らかになった。従ってメッセンジャーRNAの相
違は択一的ポリアデニル化および択一的RNAスプライ
シング双方による見掛けの結果である(後記参照)。ヒ
ト線維芽細胞ライブラリーが双方のcDNAを含んでい
たという事実は、双方の形の受容体が同一細胞内に存在
する可能性を示唆する。
【0139】(c)アルファ−およびベータ−受容体蛋
白質の分析 配列分析によって、アルファ形およびベータ形双方のヒ
トグルココルチコイド受容体はそれぞれ残基777個お
よび742個の長さであることが明らかになった。これ
ら2形態は残基727までは等しく、その後でこれらは
相違する。インビボにおける受容体の水準を調べるため
に、数種のヒトおよびマウス細胞系からの細胞質抽出物
を、ヒトグルココルチコイド受容体に対するポリクロー
ナル抗体を用いるイムノブロット分析法により検査した
(ハーモン(Harmon)1984)。アルファ−およびベータ
−受容体cDNAをSpb転写ベクターに挿入してインビ
トロ翻訳用の合成mRNAを作成した(第6(A)
図)。これらのRNAを別個に家兎網赤血球溶解系に添
加し、非標識生成物をSDS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS−PAGE)により分析した。これら
2種のRNAは、移動の相違が2種の形態の予想ポリペ
プチド長さと一致する異なる翻訳生成物の合成をプログ
ラムする(第6(B)図、レーン2、3)。未処理IM
−9細胞、および1μMトリアムシノロンアセトニド処
理したIM−9細胞からの細胞質抽出物が94K受容体
(79K形は推定受容体分解生成物を表わす)に対する
マーカー(第6(B)図、レーン4、5)として用いられ
る(ランゲ(Wrange)ら、1984)。ステロイド処理
後に、受容体/クロマチンの結合がより強くなること、
従って受容体が核へ転位することと対応して、94Kバ
ンドの強度が低下する点を留意されたい。アルファ形は
受容体陰性の94Kバンドと共に移動し、一方ベータ形
はより速やかに移動する(第6(B)図参照、レーン
2、3をレーン4、5と比較されたい)。各種のヒトお
よびマウス細胞系からの細胞質抽出物を比較することに
より、アルファ受容体のみが存在することが明らかにな
った(第6(B)図、レーン6〜9参照)。興味深いこ
とに、ステロイド誘導性細胞溶解に対する抵抗性に関し
て選択されたマウスADR6リンパ腫細胞系(ダニエル
ソン(Danielsen)ら、1984)はステロイド結合活
性をもたず、免疫反応性受容体を示さない(第6(B)
図、レーン7)。従ってイムノブロット分析法による多
種の受容体cDNAクローンおよび受容体蛋白質の解明
に基づいて、本発明者らはグルココルチコイド受容体の
主要な生理学的形態はアルファ(94K)種であると結
論する。
白質の分析 配列分析によって、アルファ形およびベータ形双方のヒ
トグルココルチコイド受容体はそれぞれ残基777個お
よび742個の長さであることが明らかになった。これ
ら2形態は残基727までは等しく、その後でこれらは
相違する。インビボにおける受容体の水準を調べるため
に、数種のヒトおよびマウス細胞系からの細胞質抽出物
を、ヒトグルココルチコイド受容体に対するポリクロー
ナル抗体を用いるイムノブロット分析法により検査した
(ハーモン(Harmon)1984)。アルファ−およびベータ
−受容体cDNAをSpb転写ベクターに挿入してインビ
トロ翻訳用の合成mRNAを作成した(第6(A)
図)。これらのRNAを別個に家兎網赤血球溶解系に添
加し、非標識生成物をSDS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS−PAGE)により分析した。これら
2種のRNAは、移動の相違が2種の形態の予想ポリペ
プチド長さと一致する異なる翻訳生成物の合成をプログ
ラムする(第6(B)図、レーン2、3)。未処理IM
−9細胞、および1μMトリアムシノロンアセトニド処
理したIM−9細胞からの細胞質抽出物が94K受容体
(79K形は推定受容体分解生成物を表わす)に対する
マーカー(第6(B)図、レーン4、5)として用いられ
る(ランゲ(Wrange)ら、1984)。ステロイド処理
後に、受容体/クロマチンの結合がより強くなること、
従って受容体が核へ転位することと対応して、94Kバ
ンドの強度が低下する点を留意されたい。アルファ形は
受容体陰性の94Kバンドと共に移動し、一方ベータ形
はより速やかに移動する(第6(B)図参照、レーン
2、3をレーン4、5と比較されたい)。各種のヒトお
よびマウス細胞系からの細胞質抽出物を比較することに
より、アルファ受容体のみが存在することが明らかにな
った(第6(B)図、レーン6〜9参照)。興味深いこ
とに、ステロイド誘導性細胞溶解に対する抵抗性に関し
て選択されたマウスADR6リンパ腫細胞系(ダニエル
ソン(Danielsen)ら、1984)はステロイド結合活
性をもたず、免疫反応性受容体を示さない(第6(B)
図、レーン7)。従ってイムノブロット分析法による多
種の受容体cDNAクローンおよび受容体蛋白質の解明
に基づいて、本発明者らはグルココルチコイド受容体の
主要な生理学的形態はアルファ(94K)種であると結
論する。
【0140】(d)インビトロにおけるhGRの発現 クローニングされた受容体が機能性であるという他の証
拠を提示するために、本発明者らはインビトロ翻訳生成
物がコルチコステロイドを選択的に結合しうる能力を調
べた。従って家兎の網赤血球溶解物をインビトロ合成し
たアルファまたはベータhGR RNA添加前または添
加後に、放射性標識された合成グルココルイド同族体 3
H−トリアムシノロンアセトニド(3H−TA)と共にイ
ンキュベートした。第7図に示すようにhGR RNA
によりプログラムされた溶解物は選択的にステロイド結
合能を獲得した。意外にもインビトロ合成したベータ受
容体は競合性 3H−TAを結合しなかった。インビトロ
合成したアルファ−hGRは、過剰の非標識コルチゾル
またはデキサメサゾンの添加によって競合する可能性の
ある放射性標識ステロイドを結合した。しかし3H−T
Aの結合は過剰の非標識エストロゲンまたはテストステ
ロンによっては効果的に競合されなかった。これに対し
過剰のプロゲステロンは有効な競合体となり、これは先
に報告されたプロゲステロンの抗グルココルチコイド活
性と一致する(ルソー(Rousseau)ら、1972)。これ
らの結果を確認するために、ヒトリンパ様細胞の抽出物
から調製された天然グルココルチコイド受容体を用いて
競合実験を反復した。インビトロ翻訳された受容体およ
び天然のインビボ受容体の双方とも、ステロイドの結
合、および過剰の非標識ステロイド同族体との競合に関
してほぼ等しい特性を示す(第7図参照)。
拠を提示するために、本発明者らはインビトロ翻訳生成
物がコルチコステロイドを選択的に結合しうる能力を調
べた。従って家兎の網赤血球溶解物をインビトロ合成し
たアルファまたはベータhGR RNA添加前または添
加後に、放射性標識された合成グルココルイド同族体 3
H−トリアムシノロンアセトニド(3H−TA)と共にイ
ンキュベートした。第7図に示すようにhGR RNA
によりプログラムされた溶解物は選択的にステロイド結
合能を獲得した。意外にもインビトロ合成したベータ受
容体は競合性 3H−TAを結合しなかった。インビトロ
合成したアルファ−hGRは、過剰の非標識コルチゾル
またはデキサメサゾンの添加によって競合する可能性の
ある放射性標識ステロイドを結合した。しかし3H−T
Aの結合は過剰の非標識エストロゲンまたはテストステ
ロンによっては効果的に競合されなかった。これに対し
過剰のプロゲステロンは有効な競合体となり、これは先
に報告されたプロゲステロンの抗グルココルチコイド活
性と一致する(ルソー(Rousseau)ら、1972)。これ
らの結果を確認するために、ヒトリンパ様細胞の抽出物
から調製された天然グルココルチコイド受容体を用いて
競合実験を反復した。インビトロ翻訳された受容体およ
び天然のインビボ受容体の双方とも、ステロイドの結
合、および過剰の非標識ステロイド同族体との競合に関
してほぼ等しい特性を示す(第7図参照)。
【0141】(e)少なくとも2種の遺伝子に対するh
GR配列地図 ヒトグルココルチコイド受容体は染色体5に機能的にマ
ッピングされている。受容体欠損マウスT細胞(EL
4)をヒト受容体含有T細胞(CEM−C7)と融合さ
せることにより構成された体細胞ハイブリッドの分析か
ら、野生型CEM−C7受容体を発現する分離体はヒト
染色体5を保持するが、デキサメサゾン耐性分離体はこ
の染色体を失っていることが示された(ゲーリング(G
ehring)ら、1985)。
GR配列地図 ヒトグルココルチコイド受容体は染色体5に機能的にマ
ッピングされている。受容体欠損マウスT細胞(EL
4)をヒト受容体含有T細胞(CEM−C7)と融合さ
せることにより構成された体細胞ハイブリッドの分析か
ら、野生型CEM−C7受容体を発現する分離体はヒト
染色体5を保持するが、デキサメサゾン耐性分離体はこ
の染色体を失っていることが示された(ゲーリング(G
ehring)ら、1985)。
【0142】本発明のcDNAクローンの信頼性を確認
するために、本発明者らはヒト染色体5のみを保有す
る、チャイニーズハムスター/ヒト体細胞ハイブリッド
(HHW454)を用いて受容体cDNA配列をマッピン
グした。ヒト胎盤HHW454ハイブリッド細胞およびチ
ャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞から抽出した
DNAをEcoRIまたはHindIII制限エンドヌクレアー
ゼにより消化し、0.8%アガロースゲル上で分離した。
ニトロセルロースへ移したDNA断片をヌクレオチド57
0〜1,640から誘導される受容体コード領域の一部(第1
図)のhGR1.2を参照されたい)により試験した。ハ
イブリッド細胞系からのDNAは、6.8および17kbpの
CHO特異性EcoRIバンドのほかに3.0および 5.0 kb
pのヒト特異性バンドをも含む(ホレンバーグ(Hollenb
erg)ら、1985の図6a、レーン2、3を参照された
い)。(ここに実験の部Iとして示した研究はホレンバ
ーグ(Hollenberg)ら、1985として公表された。
図6および7は同報文中に示され、本明細書には示され
ていない。)意外にも9.5 kbpのDNA断片は全ヒトD
NA中に見出されたが、ハイブリッド系には見出されな
かった(ホレンバーグ(Hollenberg)ら、1985、
図6a、レーン1を参照されたい)。同様にHindIII消
化によって染色体5ハイブリッド細胞DNA中に存在し
ない7.5kbp のバンドが示された(ホレンバーグ(Holl
enberg)ら、1985、図6a 、レーン4を参照された
い)。これらの結果は、受容体cDNAはヒト染色体5
にマッピングされるが、このゲノムの他のいずれかの位
置に付加的な受容体関連配列があることを示す。これら
の配列をマッピングするために、デュアルレーザー蛍光
活性化細胞ソーター(FACS)を使用し、DIPI/
クロモマイシン(ヘキスト33258 クロモマイシンと併
用)により染色した分裂期染色体懸濁液を識別した;こ
の方法により24種のヒト染色体を22画分に分離する
ことができた(レボ(Lebo)ら、1984)。染色体
を直接にニトロセルロース上に識別したのち、染色体D
NAを変性し、hGRcDNAプローブにハイブリダイ
ズした。染色体5の配列確認のほかに、染色体16上に
付加的配列が見出された。(ホレンバーグ(Hollenber
g)ら、1985、図6cを参照されたい))。この配置を
確認するために、マウス赤白血病細胞、およびヒト染色
体16を含むマウス赤白血病細胞系(ボーデ(Bode)
ら、1981参照)からのDNAをHindIIIにより消化
し、hGRcDNAにより調べた(ホレンバーグ(Hol
lenberg)ら、1985、図6cを参照されたい);予想さ
れたようにハイブリッド中に見出され、対照中には見出
されなかった唯一のDNAが7.5kbpのDNA断片であ
り、これにより染色体16の帰属が確立した(ホレンバ
ーグ(Hollenberg)ら、1985、図6c、レーン1、
2を参照されたい)。
するために、本発明者らはヒト染色体5のみを保有す
る、チャイニーズハムスター/ヒト体細胞ハイブリッド
(HHW454)を用いて受容体cDNA配列をマッピン
グした。ヒト胎盤HHW454ハイブリッド細胞およびチ
ャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞から抽出した
DNAをEcoRIまたはHindIII制限エンドヌクレアー
ゼにより消化し、0.8%アガロースゲル上で分離した。
ニトロセルロースへ移したDNA断片をヌクレオチド57
0〜1,640から誘導される受容体コード領域の一部(第1
図)のhGR1.2を参照されたい)により試験した。ハ
イブリッド細胞系からのDNAは、6.8および17kbpの
CHO特異性EcoRIバンドのほかに3.0および 5.0 kb
pのヒト特異性バンドをも含む(ホレンバーグ(Hollenb
erg)ら、1985の図6a、レーン2、3を参照された
い)。(ここに実験の部Iとして示した研究はホレンバ
ーグ(Hollenberg)ら、1985として公表された。
図6および7は同報文中に示され、本明細書には示され
ていない。)意外にも9.5 kbpのDNA断片は全ヒトD
NA中に見出されたが、ハイブリッド系には見出されな
かった(ホレンバーグ(Hollenberg)ら、1985、
図6a、レーン1を参照されたい)。同様にHindIII消
化によって染色体5ハイブリッド細胞DNA中に存在し
ない7.5kbp のバンドが示された(ホレンバーグ(Holl
enberg)ら、1985、図6a 、レーン4を参照された
い)。これらの結果は、受容体cDNAはヒト染色体5
にマッピングされるが、このゲノムの他のいずれかの位
置に付加的な受容体関連配列があることを示す。これら
の配列をマッピングするために、デュアルレーザー蛍光
活性化細胞ソーター(FACS)を使用し、DIPI/
クロモマイシン(ヘキスト33258 クロモマイシンと併
用)により染色した分裂期染色体懸濁液を識別した;こ
の方法により24種のヒト染色体を22画分に分離する
ことができた(レボ(Lebo)ら、1984)。染色体
を直接にニトロセルロース上に識別したのち、染色体D
NAを変性し、hGRcDNAプローブにハイブリダイ
ズした。染色体5の配列確認のほかに、染色体16上に
付加的配列が見出された。(ホレンバーグ(Hollenber
g)ら、1985、図6cを参照されたい))。この配置を
確認するために、マウス赤白血病細胞、およびヒト染色
体16を含むマウス赤白血病細胞系(ボーデ(Bode)
ら、1981参照)からのDNAをHindIIIにより消化
し、hGRcDNAにより調べた(ホレンバーグ(Hol
lenberg)ら、1985、図6cを参照されたい);予想さ
れたようにハイブリッド中に見出され、対照中には見出
されなかった唯一のDNAが7.5kbpのDNA断片であ
り、これにより染色体16の帰属が確立した(ホレンバ
ーグ(Hollenberg)ら、1985、図6c、レーン1、
2を参照されたい)。
【0143】OB7およびOB10の3’側非翻訳領域
からのEcoRI−XbaI 断片を用いた他のサザンブロ
ット分析により、染色体5のみへのハイブリダイゼーシ
ョンが明らかになった(データは示されていない)。本
発明者らは、アルファ−およびベータ−受容体cDNA
は共に恐らく染色体5上の単一遺伝子によってコードさ
れると結論し、これら2形態のcDNAが択一的スプラ
イシングにより生じることを示唆する。さらに本発明者
らは、染色体16上に位置する他の遺伝子は少なくとも
ヌクレオチド 570〜1,640 においてグルココルチコイド
受容体遺伝子との相同性を有すると結論する。これらの
染色体16上の配列が関連ステロイド受容体遺伝子、処
理された遺伝子もしくは偽遺伝子、またはグルココルチ
コイド受容体に対する遺伝子と共通の区域を共有する遺
伝子のいずれを表わすかは明らかでない。ゲノムクロー
ニングおよびDNA配列決定により解答が得られるであ
ろう。
からのEcoRI−XbaI 断片を用いた他のサザンブロ
ット分析により、染色体5のみへのハイブリダイゼーシ
ョンが明らかになった(データは示されていない)。本
発明者らは、アルファ−およびベータ−受容体cDNA
は共に恐らく染色体5上の単一遺伝子によってコードさ
れると結論し、これら2形態のcDNAが択一的スプラ
イシングにより生じることを示唆する。さらに本発明者
らは、染色体16上に位置する他の遺伝子は少なくとも
ヌクレオチド 570〜1,640 においてグルココルチコイド
受容体遺伝子との相同性を有すると結論する。これらの
染色体16上の配列が関連ステロイド受容体遺伝子、処
理された遺伝子もしくは偽遺伝子、またはグルココルチ
コイド受容体に対する遺伝子と共通の区域を共有する遺
伝子のいずれを表わすかは明らかでない。ゲノムクロー
ニングおよびDNA配列決定により解答が得られるであ
ろう。
【0144】グルココルチコイド受容体をコードするm
RNAのサイズを測定するために、ヒト線維芽細胞系H
T1080から分離された細胞質mRNAを用いてノー
ザンブロットハイブリダイゼーション実験を行った(ボ
ーデ(Bode)ら、1981)。hGR1.2コード化配列を
プローブとして用いて、5.6、6.1 および7.1kbpの多数
のmRNAを検出した。これらの細胞をグルココルチコ
イドと共に24時間処理すると受容体mRNAが2〜3
倍減少し、潜在的な負のフィードバック調節が示唆され
た。
RNAのサイズを測定するために、ヒト線維芽細胞系H
T1080から分離された細胞質mRNAを用いてノー
ザンブロットハイブリダイゼーション実験を行った(ボ
ーデ(Bode)ら、1981)。hGR1.2コード化配列を
プローブとして用いて、5.6、6.1 および7.1kbpの多数
のmRNAを検出した。これらの細胞をグルココルチコ
イドと共に24時間処理すると受容体mRNAが2〜3
倍減少し、潜在的な負のフィードバック調節が示唆され
た。
【0145】I.D.考察 グルココルチコイド受容体の構造分析は、この調節分子
が遺伝子の転写に作用を及ぼす機構を洞察するための前
提条件である。ここに本発明者らはcDNAクローンの
ヌクレオチド配列分析から推定したヒトグルココルチコ
イド受容体の一次配列を提示した。
が遺伝子の転写に作用を及ぼす機構を洞察するための前
提条件である。ここに本発明者らはcDNAクローンの
ヌクレオチド配列分析から推定したヒトグルココルチコ
イド受容体の一次配列を提示した。
【0146】hGRcDNAの分離によって、少なくと
も2形態のポリペプチドをコードする多数のmRNAの
存在が明らかになった。これらの推定蛋白質はそれらの
カルボキシ末端において、アルファ−hGRの場合は5
0個アミノ酸、ベータ−hGRの場合は15個のアミノ
酸の置換によって異なる。アルファグルココルチコイド
受容体は数種のヒト細胞系およびcDNAライブラリー
において同定された主要な形態である。しかしノースロ
ップ(Northrop)ら(1985)による最近の報文で
は、これら2形態の受容体がマウスリンパ様細胞におい
て明らかにされている。マウスダブレット種に対するア
ルファ−およびベータ−hGRの関係は未確認である。
ベータ−hGRの細胞分布および潜在的機能も明らかで
ないが、変異型受容体が組織特異性の機能に用いられて
いる可能性はある。本発明者らは現在それらの組織特異
性発現を解明するために各形態のヒト受容体に特異的な
合成ペプチドに対する抗血清を生成している。
も2形態のポリペプチドをコードする多数のmRNAの
存在が明らかになった。これらの推定蛋白質はそれらの
カルボキシ末端において、アルファ−hGRの場合は5
0個アミノ酸、ベータ−hGRの場合は15個のアミノ
酸の置換によって異なる。アルファグルココルチコイド
受容体は数種のヒト細胞系およびcDNAライブラリー
において同定された主要な形態である。しかしノースロ
ップ(Northrop)ら(1985)による最近の報文で
は、これら2形態の受容体がマウスリンパ様細胞におい
て明らかにされている。マウスダブレット種に対するア
ルファ−およびベータ−hGRの関係は未確認である。
ベータ−hGRの細胞分布および潜在的機能も明らかで
ないが、変異型受容体が組織特異性の機能に用いられて
いる可能性はある。本発明者らは現在それらの組織特異
性発現を解明するために各形態のヒト受容体に特異的な
合成ペプチドに対する抗血清を生成している。
【0147】免疫陽性ファージDNA挿入配列hGR
1.2Aをプローブとして用いて選ばれたcDNA には、
ヌクレオチド3101にあるAATAAAを用いてポリ
アデニル化がより早期に信号化されている点以外はOB
7と同様な3’末端を含むものがある。これらのクロー
ンはヒト線維芽細胞および胎盤双方のライブラリーから
分離された(データは示されていない)。択一的ポリ
(A)部位の選択は多くの真核転写ユニットの特色であ
る(ダーネル(Darnell)1982)。ある場合にはポ
リ(A)部位の選択によって特定のポリペプチド生成物
が定められる(アマラ(Amara)ら、1982;ローゼ
ンフィールド(Rosenfeld)ら、1983;アルト(A
lt)ら、1980;シュワルツバウエル(Schwarzbaue
r)ら、1983)が、他の場合にはいずれかのポリ
(A)部位の選択によってポリペプチドの一次構造に何
ら変化が生じない(ゼッツエル(Setzer)ら、198
2)。受容体の転写に際してポリ(A)部位の選択は
(1)特定の組織におけるmRNAの安定性を変える
か、(2)スプライシングを変化させるか、または
(3)ランダムであり、生理学的結果を生じない。
1.2Aをプローブとして用いて選ばれたcDNA には、
ヌクレオチド3101にあるAATAAAを用いてポリ
アデニル化がより早期に信号化されている点以外はOB
7と同様な3’末端を含むものがある。これらのクロー
ンはヒト線維芽細胞および胎盤双方のライブラリーから
分離された(データは示されていない)。択一的ポリ
(A)部位の選択は多くの真核転写ユニットの特色であ
る(ダーネル(Darnell)1982)。ある場合にはポ
リ(A)部位の選択によって特定のポリペプチド生成物
が定められる(アマラ(Amara)ら、1982;ローゼ
ンフィールド(Rosenfeld)ら、1983;アルト(A
lt)ら、1980;シュワルツバウエル(Schwarzbaue
r)ら、1983)が、他の場合にはいずれかのポリ
(A)部位の選択によってポリペプチドの一次構造に何
ら変化が生じない(ゼッツエル(Setzer)ら、198
2)。受容体の転写に際してポリ(A)部位の選択は
(1)特定の組織におけるmRNAの安定性を変える
か、(2)スプライシングを変化させるか、または
(3)ランダムであり、生理学的結果を生じない。
【0148】ここに記載したインビトロ翻訳実験から、
クローニングされた分子が完全なグルココルチコイド受
容体をコードするという直接的証明が得られる。第1に
インビトロ翻訳生成物はサイズが天然のグルココルチコ
イド受容体と等しく、受容体特異性抗血清と免疫学的に
反応する。第2に、インビトロ翻訳された蛋白質は、合
成グルココルチコイドであるトリアムシノロンアセトニ
ドを選択的に結合されるいう点で、機能的にグルココル
チコイド受容体として作用する。この結合グルココルチ
コイド、グルココルチコイド同族体およびプロゲステロ
ンにより特異的に競合されるが、性ステロイドであるテ
ストステロンおよびエストロゲンによっては競合されな
い。この点に関して、インビトロ翻訳された受容体はヒ
トリンパ様細胞から得たインビボ受容体と等しい挙動を
示し、クローニングされた分子に関する機能の第1の証
拠を与える。ステロイド結合性の獲得は何ら特定の修飾
を要しないと思われるが、これが必要であったとしても
これらの修飾はインビトロ翻訳混合物中で行われる。
クローニングされた分子が完全なグルココルチコイド受
容体をコードするという直接的証明が得られる。第1に
インビトロ翻訳生成物はサイズが天然のグルココルチコ
イド受容体と等しく、受容体特異性抗血清と免疫学的に
反応する。第2に、インビトロ翻訳された蛋白質は、合
成グルココルチコイドであるトリアムシノロンアセトニ
ドを選択的に結合されるいう点で、機能的にグルココル
チコイド受容体として作用する。この結合グルココルチ
コイド、グルココルチコイド同族体およびプロゲステロ
ンにより特異的に競合されるが、性ステロイドであるテ
ストステロンおよびエストロゲンによっては競合されな
い。この点に関して、インビトロ翻訳された受容体はヒ
トリンパ様細胞から得たインビボ受容体と等しい挙動を
示し、クローニングされた分子に関する機能の第1の証
拠を与える。ステロイド結合性の獲得は何ら特定の修飾
を要しないと思われるが、これが必要であったとしても
これらの修飾はインビトロ翻訳混合物中で行われる。
【0149】ここに示した結果は真核細胞の転写調節蛋
白質とその標的遺伝子の分子レベルでの相互作用を研究
するために必要な情報を提供した。これらの構造研究か
ら、グルココルチコイド受容体、その遺伝子、およびそ
のRNA生成物を分析しうる基礎が得られる。さらにイ
ンビトロで受容体を発現しうることにより、特異的イン
ビトロ突然変異生成の結果を速やかに試験しうる新規な
方法が得られる。最後に突然変異生成および蛋白質結合
双方の実験によるグルココルチコイドおよび特異的調節
要素に応答する遺伝子の分離から、この蛋白質が誘導性
真核遺伝子調節の分析に対するきわめて有用なモデルと
して役立つことが示唆される。
白質とその標的遺伝子の分子レベルでの相互作用を研究
するために必要な情報を提供した。これらの構造研究か
ら、グルココルチコイド受容体、その遺伝子、およびそ
のRNA生成物を分析しうる基礎が得られる。さらにイ
ンビトロで受容体を発現しうることにより、特異的イン
ビトロ突然変異生成の結果を速やかに試験しうる新規な
方法が得られる。最後に突然変異生成および蛋白質結合
双方の実験によるグルココルチコイドおよび特異的調節
要素に応答する遺伝子の分離から、この蛋白質が誘導性
真核遺伝子調節の分析に対するきわめて有用なモデルと
して役立つことが示唆される。
【0150】I.E.実験の部Iに述べた図に関する 詳細な説明 第1および2図 ヒトグルココルチコイド受容体cDNA配列決定法およ
びcDNAクローンの模式図。1.アルファグルココル
チコイド受容体に対する複合cDNAを最上部に示し、
非コード化配列(直線)およびコード化配列(点彩部
分)を示す。共通の6ヌクレオチド制限酵素部位を示
す。配列を決定するために用いた重複cDNA挿入配列
が示され、配列決定された領域の下方の矢印は配列決定
の方向および範囲を表わす。OB10の3’末端の破線
は相違する配列を示す。数字はOB10において5’側
寄りの転写された配列に対するヌクレオチドの位置を意
味する。2.アルファ形およびベータ形の受容体をコー
ドするcDNA(それぞれOB7およびOB10)。O
B7の5'末端(破線)はOB10クローンにより与え
られる。蛋白質コード化情報は幅広い棒により表わさ
れ;非翻訳配列は細い棒により示される。ヌクレオチド
およびアミノ酸はコード化配列のそれぞれ上方および下
方に番号が示される。共通DNA配列はヌクレオチド
2,313(アミノ酸残基727)にまで及び、この地点で
アルファ形とベータ形の受容体が分かれ、アルファcD
NA(OB12,OB7)は150個のヌクレオチド
(50個のアミノ酸)のオープンリーディングフレーム
へと続き、ベータcDNA(OB10)は45個のヌク
レオチド(15個のアミノ酸)へと続く(第5(B)図
参照)。これらのクローンにおいてポリ(A)のすぐ上
流にヘキサヌクレオチド信号(AATAAA)が示され
ており、OB7の最初のヘキサヌクレオチドはOB12
においてポリ(A)として作用する。
びcDNAクローンの模式図。1.アルファグルココル
チコイド受容体に対する複合cDNAを最上部に示し、
非コード化配列(直線)およびコード化配列(点彩部
分)を示す。共通の6ヌクレオチド制限酵素部位を示
す。配列を決定するために用いた重複cDNA挿入配列
が示され、配列決定された領域の下方の矢印は配列決定
の方向および範囲を表わす。OB10の3’末端の破線
は相違する配列を示す。数字はOB10において5’側
寄りの転写された配列に対するヌクレオチドの位置を意
味する。2.アルファ形およびベータ形の受容体をコー
ドするcDNA(それぞれOB7およびOB10)。O
B7の5'末端(破線)はOB10クローンにより与え
られる。蛋白質コード化情報は幅広い棒により表わさ
れ;非翻訳配列は細い棒により示される。ヌクレオチド
およびアミノ酸はコード化配列のそれぞれ上方および下
方に番号が示される。共通DNA配列はヌクレオチド
2,313(アミノ酸残基727)にまで及び、この地点で
アルファ形とベータ形の受容体が分かれ、アルファcD
NA(OB12,OB7)は150個のヌクレオチド
(50個のアミノ酸)のオープンリーディングフレーム
へと続き、ベータcDNA(OB10)は45個のヌク
レオチド(15個のアミノ酸)へと続く(第5(B)図
参照)。これらのクローンにおいてポリ(A)のすぐ上
流にヘキサヌクレオチド信号(AATAAA)が示され
ており、OB7の最初のヘキサヌクレオチドはOB12
においてポリ(A)として作用する。
【0151】第1および2図の方法 挿入配列hGR 1.2、hGR 2.9 およびhGR 5.16
を前記に従ってラムダgtllIM−9リンパ様細胞cD
NAライブラリーから分離した(ワインバーガー(Weinb
erger)ら、1985)。2種のクローンが pcDにおいて
H.オカヤマにより(オカヤマ(Okayama)ら、198
3)、GM637ヒト線維芽細胞(OB7)および一次ヒ
ト線維芽細胞(OB10)からのポリ(A)+mRNAを
用いて構成されたcDNAライブラリーから分離され
た。スクリーニングは 32P−dCTPを用いるニックト
ランスレーションにより放射性標識されたhGR1.2−c
DNAを用いて行われた。マキサム(Maxam)およびギ
ルバート(Giblbert)(1977)の化学的開裂法により配
列が決定された。
を前記に従ってラムダgtllIM−9リンパ様細胞cD
NAライブラリーから分離した(ワインバーガー(Weinb
erger)ら、1985)。2種のクローンが pcDにおいて
H.オカヤマにより(オカヤマ(Okayama)ら、198
3)、GM637ヒト線維芽細胞(OB7)および一次ヒ
ト線維芽細胞(OB10)からのポリ(A)+mRNAを
用いて構成されたcDNAライブラリーから分離され
た。スクリーニングは 32P−dCTPを用いるニックト
ランスレーションにより放射性標識されたhGR1.2−c
DNAを用いて行われた。マキサム(Maxam)およびギ
ルバート(Giblbert)(1977)の化学的開裂法により配
列が決定された。
【0152】第3および4図 ヒトグルココルチコイド受容体のcDNAおよび推定蛋
白質配列。完全なアルファコード化配列およびOB7の
3’側非翻訳領域を図示し、推定アミノ酸を長いオープ
ンリーディングフレームの上方に示す。ヌクレオチド1
21−123における上流フレーム内終止コドンおよび
OB7における推定の付加的ポリアデニル化信号に下線
を施した。
白質配列。完全なアルファコード化配列およびOB7の
3’側非翻訳領域を図示し、推定アミノ酸を長いオープ
ンリーディングフレームの上方に示す。ヌクレオチド1
21−123における上流フレーム内終止コドンおよび
OB7における推定の付加的ポリアデニル化信号に下線
を施した。
【0153】第5(A)および(B)図 ヒトグルココルチコイド受容体ベータcDNAの3’側
の制限地図およびヌクレオチド配列。A.共通の6ヌク
レオチド制限酵素部位をOB10の3’側非翻訳領域に
つき示す。ベータ形(OB10)のヌクレオチド2,281
から3,820までのcDNA配列をアルファ形(OB7)の
3’末端コード化部分に見られる蛋白質コード化情報と
比較したもの。各cDNAによりコードされるアミノ酸
をヌクレオチド配列の上方に示す。OB10の3’側非
翻訳配列における推定ポリアデニル化信号(AATAA
A)に下線を施した。
の制限地図およびヌクレオチド配列。A.共通の6ヌク
レオチド制限酵素部位をOB10の3’側非翻訳領域に
つき示す。ベータ形(OB10)のヌクレオチド2,281
から3,820までのcDNA配列をアルファ形(OB7)の
3’末端コード化部分に見られる蛋白質コード化情報と
比較したもの。各cDNAによりコードされるアミノ酸
をヌクレオチド配列の上方に示す。OB10の3’側非
翻訳配列における推定ポリアデニル化信号(AATAA
A)に下線を施した。
【0154】第6(A)および(B)図 インビトロにおいて翻訳されたhGRと細胞抽出物から
のインビボhGRのイムノブロット比較。A.hGRc
DNA配列インビトロ転写のために構成されたベクタ
ー。完全なアルファ(pGR107)およびベータ(pG
R108)コード化配列は pGEM1中のSP6プロモ
ーターの転写制御下に置かれた。ベクター配列、非コー
ド化cDNA配列、およびコード化配列はそれぞれ細い
直線、太い棒、および四角で囲った領域により示され
る。約60個のヌクレオチドのポリ(A)領域をApiに
より示す。異なるコード化配列は斜線領域および点彩領
域により示される。B.インビトロ翻訳生成物および細
胞抽出物のウェスタンブロット分析。RNAを添加して
(レーン1)または pGR108から(ベータ、レーン
2)もしくは pGR107から(アルファ、レーン3)
合成されたRNAを添加して家兎の網赤血球溶解系にお
いて合成した非標識翻訳生成物を7.5 %SDS−ポリア
クリルアミドゲル上で分画した。他のレーンは下記のも
のである。IM−9(レーン4)、1μMトリアムシノ
ロンアセトニドで処理したIM−9(レーン5)、He
La(レーン6)、ADR6.M1890.AD1マウ
スリンパ腫(レーン7)、S49マウスリンパ腫(レー
ン8)およびEL4リンパ腫(レーン9)からの細胞質
抽出物。蛋白質をニトロセルロースに移し、 抗hGR抗
体、次いで125I標識黄色ぶどう球菌(Staphylococcus
aureus)蛋白質Aにより前記に従って試験した(ワイ
ンバーガー(Weinberger)ら、1985)。
のインビボhGRのイムノブロット比較。A.hGRc
DNA配列インビトロ転写のために構成されたベクタ
ー。完全なアルファ(pGR107)およびベータ(pG
R108)コード化配列は pGEM1中のSP6プロモ
ーターの転写制御下に置かれた。ベクター配列、非コー
ド化cDNA配列、およびコード化配列はそれぞれ細い
直線、太い棒、および四角で囲った領域により示され
る。約60個のヌクレオチドのポリ(A)領域をApiに
より示す。異なるコード化配列は斜線領域および点彩領
域により示される。B.インビトロ翻訳生成物および細
胞抽出物のウェスタンブロット分析。RNAを添加して
(レーン1)または pGR108から(ベータ、レーン
2)もしくは pGR107から(アルファ、レーン3)
合成されたRNAを添加して家兎の網赤血球溶解系にお
いて合成した非標識翻訳生成物を7.5 %SDS−ポリア
クリルアミドゲル上で分画した。他のレーンは下記のも
のである。IM−9(レーン4)、1μMトリアムシノ
ロンアセトニドで処理したIM−9(レーン5)、He
La(レーン6)、ADR6.M1890.AD1マウ
スリンパ腫(レーン7)、S49マウスリンパ腫(レー
ン8)およびEL4リンパ腫(レーン9)からの細胞質
抽出物。蛋白質をニトロセルロースに移し、 抗hGR抗
体、次いで125I標識黄色ぶどう球菌(Staphylococcus
aureus)蛋白質Aにより前記に従って試験した(ワイ
ンバーガー(Weinberger)ら、1985)。
【0155】第6(A)および(B)図の方法 第3および4図に示したアルファコード化配列全体を含
む発現ベクターを構成するために、OB7の3’側コー
ド化配列をOB10の5’側コード化配列に融合させ
た。OB7をEcoRIにより部分的に消化し、XbaIに
よって完全に消化し、1.20 kbpの断片をゲル精製してE
coRI/XbaI消化OB10とリゲートさせて、中間体
pOB107を得た。5'側ポリ(G)領域(11個のヌ
クレオチド、nt)および3’側ポリ(A)領域(約60
個のnt)を含む全pOB107cDNA配列を部分Pst
I/完全 BamHI消化により切断した。得られた 3.5k
bpの断片をゲル精製し、pGEM1(プロメガ・バイオテ
ク)の PstIおよびBamHI部位間に挿入して pGR1
07を得た。プラスミド pGR108は直接に pOB1
0から、部分PstI/完全BamHI消化し、得られたc
DNA挿入配列を pGEM1の対応する部位へ挿入する
ことにより構成された。キャップ付きSP6転写体はP
vuII−直線化された pGR107およびpGR108
からクリーブ(Krieg)およびメルトン(Melton)(1
984)の記載に従って合成され、GTP濃度を400
μMから100μMに低下させかつm7GppG(ファルマ
シア)を500μMまで添加することにより同時キャッ
ピングが行われた。転写体をP60クロマトグラフィー
により精製し、ミクロコッカスヌクレアーゼ処理した家
兎網赤血球溶解物(プロメガ・バイオテク)により、製
造業者が指示する条件で翻訳した。ステロイド処理細胞
からのIM−9サイトゾルの調製は先に報告されたとお
りである(ワインバーガー(Weinberger)ら、198
5)。サイズマーカーはホスフォリラーゼB(97
K)、ウシ血清アルブミン(66K)および卵アルブミ
ン(45K)であった。
む発現ベクターを構成するために、OB7の3’側コー
ド化配列をOB10の5’側コード化配列に融合させ
た。OB7をEcoRIにより部分的に消化し、XbaIに
よって完全に消化し、1.20 kbpの断片をゲル精製してE
coRI/XbaI消化OB10とリゲートさせて、中間体
pOB107を得た。5'側ポリ(G)領域(11個のヌ
クレオチド、nt)および3’側ポリ(A)領域(約60
個のnt)を含む全pOB107cDNA配列を部分Pst
I/完全 BamHI消化により切断した。得られた 3.5k
bpの断片をゲル精製し、pGEM1(プロメガ・バイオテ
ク)の PstIおよびBamHI部位間に挿入して pGR1
07を得た。プラスミド pGR108は直接に pOB1
0から、部分PstI/完全BamHI消化し、得られたc
DNA挿入配列を pGEM1の対応する部位へ挿入する
ことにより構成された。キャップ付きSP6転写体はP
vuII−直線化された pGR107およびpGR108
からクリーブ(Krieg)およびメルトン(Melton)(1
984)の記載に従って合成され、GTP濃度を400
μMから100μMに低下させかつm7GppG(ファルマ
シア)を500μMまで添加することにより同時キャッ
ピングが行われた。転写体をP60クロマトグラフィー
により精製し、ミクロコッカスヌクレアーゼ処理した家
兎網赤血球溶解物(プロメガ・バイオテク)により、製
造業者が指示する条件で翻訳した。ステロイド処理細胞
からのIM−9サイトゾルの調製は先に報告されたとお
りである(ワインバーガー(Weinberger)ら、198
5)。サイズマーカーはホスフォリラーゼB(97
K)、ウシ血清アルブミン(66K)および卵アルブミ
ン(45K)であった。
【0156】第7図 インビトロ翻訳されたアルファ−hGRのステロイド結
合性。IM−9サイトゾル抽出物(点彩した棒)および
SP6産生アルファ−hGR RNAを含む網赤血球溶
解物(GR107;無地の棒)への結合を示す。各棒は
100倍過剰の各種ステロイド競合体を用いて測定した
結合 3H−トリアムシノロンアセトニド(TA)を表わ
す;非標識TAを競合体として用いて100%の競合が
測定された。各値は3回測定の平均を表わし、誤差の棒
はP<0.05を示す。ステロイド系競合体はデキサメサゾ
ン(Dex)、コルチゾル(Cort)、プロゲステロン(Pro
g)、テストステロン(Test)、およびエストラジオー
ル(Oest)である。
合性。IM−9サイトゾル抽出物(点彩した棒)および
SP6産生アルファ−hGR RNAを含む網赤血球溶
解物(GR107;無地の棒)への結合を示す。各棒は
100倍過剰の各種ステロイド競合体を用いて測定した
結合 3H−トリアムシノロンアセトニド(TA)を表わ
す;非標識TAを競合体として用いて100%の競合が
測定された。各値は3回測定の平均を表わし、誤差の棒
はP<0.05を示す。ステロイド系競合体はデキサメサゾ
ン(Dex)、コルチゾル(Cort)、プロゲステロン(Pro
g)、テストステロン(Test)、およびエストラジオー
ル(Oest)である。
【0157】第7図の方法 結合アッセイは10 mMトリス−HCl pH7.4,10
0mM・NaCl,1mMEDTA,10mMモリブテン酸
ナトリウム、10mMジチオトレイトール、150mM3
H−TA(20Ci mmol-1;アメルシャム)を含有する
100μl、および翻訳混合物10μlまたは新鮮なI
M−9シストゾル100μg中で行なわれた。非標識競
合体(15μM)を指示に従って添加した。0℃で2時
間後に50%デキストラン被覆活性炭5μlにより5分
ずつ2回抽出して未結合ステロイドを除去し、計数し
た。アルファグルココルチコイド受容体(GR107)
に対する非競合値および完全競合値はそれぞれ490お
よび290c.p.m.であった。転写体を添加せずに、また
はベータ受容体SP6 RNA(GR108)を用いて
プログラムした網赤血球溶解物翻訳混合物は競合性 3H
−TA結合を含まなかった。
0mM・NaCl,1mMEDTA,10mMモリブテン酸
ナトリウム、10mMジチオトレイトール、150mM3
H−TA(20Ci mmol-1;アメルシャム)を含有する
100μl、および翻訳混合物10μlまたは新鮮なI
M−9シストゾル100μg中で行なわれた。非標識競
合体(15μM)を指示に従って添加した。0℃で2時
間後に50%デキストラン被覆活性炭5μlにより5分
ずつ2回抽出して未結合ステロイドを除去し、計数し
た。アルファグルココルチコイド受容体(GR107)
に対する非競合値および完全競合値はそれぞれ490お
よび290c.p.m.であった。転写体を添加せずに、また
はベータ受容体SP6 RNA(GR108)を用いて
プログラムした網赤血球溶解物翻訳混合物は競合性 3H
−TA結合を含まなかった。
【0158】他の図 ここに実験の部Iとして提示した科学研究はNature,
318:635−641(1985)に発表された。そ
の Nature の報文はこの実験例に含まれない2図を含
む。それらの図は図6、hGRcDNAの染色体マッピ
ング分析;図7、hGRcDNAのノーザーンブロット
分析である。
318:635−641(1985)に発表された。そ
の Nature の報文はこの実験例に含まれない2図を含
む。それらの図は図6、hGRcDNAの染色体マッピ
ング分析;図7、hGRcDNAのノーザーンブロット
分析である。
【0159】I.F.実験の部Iで参照した参考文献 1.Alt,F.W.,et al.,Cell,20:293−3
01(1983)。
01(1983)。
【0160】2.Amara,S.G.,Jonas,V.,Ros
enfeld,M.G.,Ong,E.S.,and Evans,R.
M.,Nature,298:240−244(1982)。
enfeld,M.G.,Ong,E.S.,and Evans,R.
M.,Nature,298:240−244(1982)。
【0161】3.Baerji,J.,Olson,L.,and Sch
affner,W.,Cell,33:729−740(198
3)。
affner,W.,Cell,33:729−740(198
3)。
【0162】4.Benoist,C.,and Chambon,P.,
Nature,298:304−310(1981)。
Nature,298:304−310(1981)。
【0163】5.Bode.U.,Deisseroth,A.,and
Hendrik,D.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.
A.,78:2815−2819(1981)。
Hendrik,D.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.
A.,78:2815−2819(1981)。
【0164】6.Bourgeois,S.,and Newby,R.
F.,Cell,11:423−430(1977)。
F.,Cell,11:423−430(1977)。
【0165】7.Carlstedt−Duke,J.,Okret,
S.,Wrange,O.,and Gustafsson,J.−A.,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,79:4260−
4264(1982)。
S.,Wrange,O.,and Gustafsson,J.−A.,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,79:4260−
4264(1982)。
【0166】8.Chandler,V.L.,Maler,B.
A.,and Yamamoto,K.R.,Cell,33:489
−499(1983)。
A.,and Yamamoto,K.R.,Cell,33:489
−499(1983)。
【0167】9.Danielsen,M.,and Stallcup,
M.R.,Mole.Cell.Biol.,4:449−453
(1984)。
M.R.,Mole.Cell.Biol.,4:449−453
(1984)。
【0168】10. Darnell,J.E.,Nature,29
7;365−371(1982)。
7;365−371(1982)。
【0169】11. Dellweg,H.G.,Hotz,A.,M
ugele,K.,and Gehring,U.,EMBO J.,
1:285−289(1982)。
ugele,K.,and Gehring,U.,EMBO J.,
1:285−289(1982)。
【0170】12.Evans,R.M.,Birnberg,N.
C.,and Rosenfeld,M.G.,Proc .Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,79:7659−7633(19
82)。
C.,and Rosenfeld,M.G.,Proc .Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,79:7659−7633(19
82)。
【0171】13.Gametchu,B.,and Harrison,
R.W.,Endocrinology,114:274−279
(1984)。
R.W.,Endocrinology,114:274−279
(1984)。
【0172】14.Gehring,U.,and Hotz,A.,Bio
chemistry,22:4013−4018(1983)。
chemistry,22:4013−4018(1983)。
【0173】15.Gehring,U.,Segnitz,B.,Foe
llmer,B.,and Francke,U.,Pr oc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,82:3751−3755(1
985)。
llmer,B.,and Francke,U.,Pr oc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,82:3751−3755(1
985)。
【0174】16.Govinda,M.V.,Spiess,E.,a
nd Majors,J.,Proc. Natl.A cad.Sci.U.
S.A.,79:5157−5161(1982)。
nd Majors,J.,Proc. Natl.A cad.Sci.U.
S.A.,79:5157−5161(1982)。
【0175】17.Grosschedl,R.,and Birnstiel,
M.L. ,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,7
7:7102−7106(1980)。
M.L. ,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,7
7:7102−7106(1980)。
【0176】18.Grove,J.R.,Dieckmann,B.
S.,Schroer,T.A.,and Ringold,G.M.,Cel
l,21:47−56(1980)。
S.,Schroer,T.A.,and Ringold,G.M.,Cel
l,21:47−56(1980)。
【0177】19.Hagr,L.J.,and Palmiter,
R.D.,Nature,291:340−342(198
1)。
R.D.,Nature,291:340−342(198
1)。
【0178】20.Harmon,J.M.,et al.,Cancer
Res.,44:4540−4547(1984)。
Res.,44:4540−4547(1984)。
【0179】21.Karin,M.,Anderson,R.D.,
Slater,E.,Smith,K.,and Herschman,H.
R.,Nature,286:295−297(1980)。
Slater,E.,Smith,K.,and Herschman,H.
R.,Nature,286:295−297(1980)。
【0180】22.Karin,M.,et al.,Nature,30
8:513−519(1984)。
8:513−519(1984)。
【0181】23.Krieg,P.A.,and Melton,D.
A.,Nucleic Acids Res.,12:7057−70
70(1984)。
A.,Nucleic Acids Res.,12:7057−70
70(1984)。
【0182】24.Kurtz,D.T.,and Feigelson,
P.,Proc.Natl.Acad.Sci.U .S.A.,74:
4791−4795(1977)。
P.,Proc.Natl.Acad.Sci.U .S.A.,74:
4791−4795(1977)。
【0183】25.Laimonis,L.A.,Khoury,G.,
Gorman,C.,Howard,B.,andGruss,P.,Pro
c.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,79:6453−
6457(1982)。
Gorman,C.,Howard,B.,andGruss,P.,Pro
c.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,79:6453−
6457(1982)。
【0184】26.Lebo,R.V.,and Bastian,
A.M.,Cytometry,3:213−219(198
2)。
A.M.,Cytometry,3:213−219(198
2)。
【0185】27.Lebo,R.V.,et al.,Science,
225:57−59(1984)。
225:57−59(1984)。
【0186】28. Maxam,A.,and Gilbert,W.,P
roc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74:560−
564(1977)。
roc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74:560−
564(1977)。
【0187】29.Miesfeld,R.,et al.,Nature,
312:779−781(1984)。
312:779−781(1984)。
【0188】30.Northrop,J.P.,Gametchu,
B.,Harrison,R.W.,and Ringold,G.M.,
J.Biol.Chem.,260:6398−6403(1
985)。
B.,Harrison,R.W.,and Ringold,G.M.,
J.Biol.Chem.,260:6398−6403(1
985)。
【0189】31.Okayama,H.,and Berg,P.,M
olec.Cell.Biol.,3:280−289(198
3)。
olec.Cell.Biol.,3:280−289(198
3)。
【0190】32.Okret,S.,Carlstedt−Duke,
J.,Wrange,O.,Carlstrom,K.,and Gustafsso
n,J.−A.,Biochem.Biophys.Acta,677:2
05−219(1981)。
J.,Wrange,O.,Carlstrom,K.,and Gustafsso
n,J.−A.,Biochem.Biophys.Acta,677:2
05−219(1981)。
【0191】33.Ostrowski.M.C.,Huang,A.
L.,Kessel,M.,Woolford,R.G.,and Hager,
G.L.,EMBO J.,3:1891−1899(19
84)。
L.,Kessel,M.,Woolford,R.G.,and Hager,
G.L.,EMBO J.,3:1891−1899(19
84)。
【0192】34.Parks,W.P.,Scolnick,E.
M.,and Kozikowski,E.H.,Science,184:1
58−160(1974)。
M.,and Kozikowski,E.H.,Science,184:1
58−160(1974)。
【0193】35.Payvar,F.,et al.,Cell,3
5:381−392(1983)。
5:381−392(1983)。
【0194】36.Pfahl,M.,Cell,31:475−
482(1982)。
482(1982)。
【0195】37.Ringold,G.M.,Yamamoto,K.
R.,Tomkins,G.M.,Bishop,J.M.,and Var
mus,H.E.,Cell,6:299−305(197
5)。
R.,Tomkins,G.M.,Bishop,J.M.,and Var
mus,H.E.,Cell,6:299−305(197
5)。
【0196】38.Robins,D.M.,Pack,I.,Seeb
urg,P.H.,and Azel,R.,Cell29:623−6
31(1982)。
urg,P.H.,and Azel,R.,Cell29:623−6
31(1982)。
【0197】39.Rosenfeld,M.G.,et al.,Natur
e,304:129−135(1983)。40.Roussea
u,G.G.,Baxter,J.D.,and Tomkins,G.M.,
J.Mole c.Biol.,67:99−115(197
2)。
e,304:129−135(1983)。40.Roussea
u,G.G.,Baxter,J.D.,and Tomkins,G.M.,
J.Mole c.Biol.,67:99−115(197
2)。
【0198】41.Scheidereit,C.,Geisse,S.,
Westphal,H.M.,and Beato,M.,Nature,38
4:749−752(1983)。
Westphal,H.M.,and Beato,M.,Nature,38
4:749−752(1983)。
【0199】42.Schwarzbauer,J.E.,Tamkun,
J.W.,Lemischka,I.R.,andHynes,R.O.,
Cell,35:421−431(1983)。
J.W.,Lemischka,I.R.,andHynes,R.O.,
Cell,35:421−431(1983)。
【0200】43.Setzer,D.R.,McGrogan,M.,
and Schimke,R.T.,J.Biol.Chem.,257:
5143−5147(1982)。
and Schimke,R.T.,J.Biol.Chem.,257:
5143−5147(1982)。
【0201】44.Simons,S.S.,and Thompson,
E.B.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,7
8:3541−3545(1981)。
E.B.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,7
8:3541−3545(1981)。
【0202】45.Spindler,S.R.,Mellon,S.
H.,and Baxter,J.D.,J.Biol.Chem.,25
7:11627−11632(1982)。
H.,and Baxter,J.D.,J.Biol.Chem.,25
7:11627−11632(1982)。
【0203】46.Thomas,P.S.,Proc.Natl.Ac
ad.Sci.U.S.A.,77:5201−5205(19
80)。
ad.Sci.U.S.A.,77:5201−5205(19
80)。
【0204】47.Weinberger,C.,Hollenberg,
S.M.,Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.
M.,Nature,318:670−672(1985
b)。
S.M.,Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.
M.,Nature,318:670−672(1985
b)。
【0205】48.Weinberger,C.,et al.Science,
228:740−742(1985a)。
228:740−742(1985a)。
【0206】49.Westphal,H.M.,Moldenhauer,
G.,and Beato,M.,EMBO J.,1:1467−
1471(1982)。
G.,and Beato,M.,EMBO J.,1:1467−
1471(1982)。
【0207】50.Wrange,O.,Carlstedt−Duke,
J.,and Gustafsson,J.−A.,J.Biol.Che
m.,254:9284−9290(1979)。
J.,and Gustafsson,J.−A.,J.Biol.Che
m.,254:9284−9290(1979)。
【0208】51.Wyange,O.,Okret,S.,Radojc
ic,M.,Carlstedt−Duke,j.,and Gustafsson,
J.−A.,J.Biol.Chem.,259:4534−454
1(1984)。
ic,M.,Carlstedt−Duke,j.,and Gustafsson,
J.−A.,J.Biol.Chem.,259:4534−454
1(1984)。
【0209】52.Yamamoto,K.R.,Stampfer,M.
R.,and Tomkins,G.M.,Proc.Natl.Acad.S
ci.U.S.A.,71:3901−3905(197
4)。
R.,and Tomkins,G.M.,Proc.Natl.Acad.S
ci.U.S.A.,71:3901−3905(197
4)。
【0210】実験の部II ヒトグルココルチコイド受容体の機能区II.A.概要 CV−1細胞においてhGR発現ベクターのトランスフ
ェクションにより産生されたヒトグルココルチコイド受
容体(hGR)はMTV−CAT融合遺伝子の転写活性
化のために必要かつ十分な因子として機能する。誘導の
規模(500〜1000倍)からhGRは転写“スイッ
チ”として作用し、グルココルチコイド応答要素を含む
休止状態のプロモーターを活性化状態に変換するのであ
ろうということが明らかになった。hGRによるMTV
−CAT融合遺伝子の転写の刺激はCV−1細胞におい
て制限的な転写因子に依存しない。hGRの挿入変異体
27種の特性を調べることにより少なくとも4種の機能
区の位置が決定された。それらのうち2種は推定DNA
−およびステロイド−結合区に対応する。他の2区は転
写に対するそれらの有効な作用のため、タウ(τ)と呼
ばれる。これは、この受容体における他の領域は完全な
転写活性化のために必要であるが、ステロイドまたはD
NAの結合に特異的には関与していないという可能性を
示す。
ェクションにより産生されたヒトグルココルチコイド受
容体(hGR)はMTV−CAT融合遺伝子の転写活性
化のために必要かつ十分な因子として機能する。誘導の
規模(500〜1000倍)からhGRは転写“スイッ
チ”として作用し、グルココルチコイド応答要素を含む
休止状態のプロモーターを活性化状態に変換するのであ
ろうということが明らかになった。hGRによるMTV
−CAT融合遺伝子の転写の刺激はCV−1細胞におい
て制限的な転写因子に依存しない。hGRの挿入変異体
27種の特性を調べることにより少なくとも4種の機能
区の位置が決定された。それらのうち2種は推定DNA
−およびステロイド−結合区に対応する。他の2区は転
写に対するそれらの有効な作用のため、タウ(τ)と呼
ばれる。これは、この受容体における他の領域は完全な
転写活性化のために必要であるが、ステロイドまたはD
NAの結合に特異的には関与していないという可能性を
示す。
【0211】II.B.序論 2群のステロイドホルモン受容体の一次構造がそれらの
cDNAのクローニングおよび配列決定により解明され
た。実験の部Iに示すように、ヒトグルココルチコイド
受容体(hGR)をコード化するcDNAの同定により
2形態の蛋白質、すなわちアミノ酸777個のもの(ア
ルファ)および742個のもの(ベータ)が明らかにな
った。これらはそれらのカルボキシル末端において異な
る。(実験の部Iの記載はホレンバーグ(Hollenber
g)ら、1985として発表された。)ヒトエストロゲ
ン受容体はこれによりも若干小さな、アミノ酸595個
蛋白質である(グリーン(Greene)ら、1986;グ
リーン(Greene)ら、1986)。アミノ酸配列の比
較により、これら2群の受容体間のみでなく、鳥類赤芽
球症ウイルスのv−erb−A発癌遺伝子生成物とも広範な
相同性が明らかになった(ワインバーガー(Weinberge
r)ら、1985;グリーン(Greene)ら、1986;
グリーン(Greene)ら、1986)。これはステロイド
受容体遺伝子およびc−erb−Aプロト発癌遺伝子が共通
の原始的な先祖由来の調節遺伝子に由来するという示唆
を支持する(ワインバーガー(Weinberger)ら198
5)。
cDNAのクローニングおよび配列決定により解明され
た。実験の部Iに示すように、ヒトグルココルチコイド
受容体(hGR)をコード化するcDNAの同定により
2形態の蛋白質、すなわちアミノ酸777個のもの(ア
ルファ)および742個のもの(ベータ)が明らかにな
った。これらはそれらのカルボキシル末端において異な
る。(実験の部Iの記載はホレンバーグ(Hollenber
g)ら、1985として発表された。)ヒトエストロゲ
ン受容体はこれによりも若干小さな、アミノ酸595個
蛋白質である(グリーン(Greene)ら、1986;グ
リーン(Greene)ら、1986)。アミノ酸配列の比
較により、これら2群の受容体間のみでなく、鳥類赤芽
球症ウイルスのv−erb−A発癌遺伝子生成物とも広範な
相同性が明らかになった(ワインバーガー(Weinberge
r)ら、1985;グリーン(Greene)ら、1986;
グリーン(Greene)ら、1986)。これはステロイド
受容体遺伝子およびc−erb−Aプロト発癌遺伝子が共通
の原始的な先祖由来の調節遺伝子に由来するという示唆
を支持する(ワインバーガー(Weinberger)ら198
5)。
【0212】クローニングされたcDNAから推定され
たhGRのアミノ酸配列(実験の部I参照)に基づい
て、この蛋白質の機能的および免疫学的に重要な領域の
配置を提示した(ワインバーガー(Weinberger)ら、
1985)。これらには、蛋白質のアミノ末端側半分に
位置する免疫区、他のDNA結合性蛋白質との構造的類
似性を示すDNA結合区、および分子のカルボキシル末
端付近に位置するグルココルチコイド結合区が含まれ
る。しかし各区の位置は仮定であり、転写自体の活性化
に関与する区は確認されていなかった。この研究におい
て本発明者らはhGR蛋白質に代替アミノ酸を導入する
ことによりhGR内に提唱されている機能区の部位を確
認し、かつ他の重要な領域を見出すことを試みた。本発
明者らはまずサル腎細胞における新規な発現系を開発し
た。この系では機能性hGRの合成がラウス肉腫ウイル
ス(RSV)の長鎖末端リピートの制御下でのcDNA
の転写によって方向づけられる。合成受容体の機能はク
ロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CA
T)アッセイ(ゴルマン(Gorman)ら、1982a)お
よびステロイドホルモン結合により測定した、マウス乳
腺腫瘍ウイルス(MTV)LTRの転写誘導によって監視
された。この新規な発現系によって本発明者らは挿入変
異生成が受容体の種々の機能に与える影響を調べること
ができ、これによってhGRの機能区構造のより詳細な
モデルを提唱した。27種の挿入変異体の分析に基づく
本発明者らの結果から、グルココルチコイド受容体は別
個の機能区からなることが確認された(ワインバーガー
(Weinberger)ら、1985)。さらにこれらによ
り、提唱したDNA−およびステロイド−結合区外の他
の配列が確認され、これを前記のように本発明者らは転
写に対するそれらの有効な作用のためτと呼ぶ。
たhGRのアミノ酸配列(実験の部I参照)に基づい
て、この蛋白質の機能的および免疫学的に重要な領域の
配置を提示した(ワインバーガー(Weinberger)ら、
1985)。これらには、蛋白質のアミノ末端側半分に
位置する免疫区、他のDNA結合性蛋白質との構造的類
似性を示すDNA結合区、および分子のカルボキシル末
端付近に位置するグルココルチコイド結合区が含まれ
る。しかし各区の位置は仮定であり、転写自体の活性化
に関与する区は確認されていなかった。この研究におい
て本発明者らはhGR蛋白質に代替アミノ酸を導入する
ことによりhGR内に提唱されている機能区の部位を確
認し、かつ他の重要な領域を見出すことを試みた。本発
明者らはまずサル腎細胞における新規な発現系を開発し
た。この系では機能性hGRの合成がラウス肉腫ウイル
ス(RSV)の長鎖末端リピートの制御下でのcDNA
の転写によって方向づけられる。合成受容体の機能はク
ロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CA
T)アッセイ(ゴルマン(Gorman)ら、1982a)お
よびステロイドホルモン結合により測定した、マウス乳
腺腫瘍ウイルス(MTV)LTRの転写誘導によって監視
された。この新規な発現系によって本発明者らは挿入変
異生成が受容体の種々の機能に与える影響を調べること
ができ、これによってhGRの機能区構造のより詳細な
モデルを提唱した。27種の挿入変異体の分析に基づく
本発明者らの結果から、グルココルチコイド受容体は別
個の機能区からなることが確認された(ワインバーガー
(Weinberger)ら、1985)。さらにこれらによ
り、提唱したDNA−およびステロイド−結合区外の他
の配列が確認され、これを前記のように本発明者らは転
写に対するそれらの有効な作用のためτと呼ぶ。
【0213】II.C.結果 (a)アッセイ系および実験様式 クローニングされたcDNAからの機能性hGR(実験
の部I)の発現を調べるために用いたアッセイ系および
方法を第9図に示す。これらの実験においては、レポー
ター遺伝子に結合したグルココルチコイド応答性プロモ
ーター/エンハンサー要素を受容体陰性細胞に導入し
た。従って原理的にこの構造物は転写不活性のはずであ
る。本発明者らのアッセイ法にはクロラムフェニコール
アセチルトランスフェラーゼ(CAT)をコードする配
列に融合させたMTV LTRを選択使用した(EC
2.3.1.28)。グルココルチコイドホルモンがM
TVLTR内の独自の部位における転写開始の効率を高
めることにより(ウッカー(Ucker)ら、1983)MT
V DNAの転写速度を高めることは先に証明されてい
る。(ロンゴールド(Ringolg)ら、1983)。さら
にグルココルチコイド受容体はMTV LTR内にマッ
ピングされたDNA配列に特異的に結合し(ペイバー
(Payvar)ら、1983)、これがグルココルチコイド応
答性を異種プロモーターに与えうる(チャンドラー(C
handler)ら、1983)。pMTVCAT(またはpGN
CAT)を受容体発現プラスミドと共トランスフェクシ
ョンすることにより、トランスフェクションされた細胞
をグルココルチコイドホルモンで処理した際に活性を誘
導しうる機能性受容体が得られる。さらに生化学的実
験、たとえば発現した受容体のステロイド結合活性およ
びウェスタンブロット分析を同時に行うことができる。
の部I)の発現を調べるために用いたアッセイ系および
方法を第9図に示す。これらの実験においては、レポー
ター遺伝子に結合したグルココルチコイド応答性プロモ
ーター/エンハンサー要素を受容体陰性細胞に導入し
た。従って原理的にこの構造物は転写不活性のはずであ
る。本発明者らのアッセイ法にはクロラムフェニコール
アセチルトランスフェラーゼ(CAT)をコードする配
列に融合させたMTV LTRを選択使用した(EC
2.3.1.28)。グルココルチコイドホルモンがM
TVLTR内の独自の部位における転写開始の効率を高
めることにより(ウッカー(Ucker)ら、1983)MT
V DNAの転写速度を高めることは先に証明されてい
る。(ロンゴールド(Ringolg)ら、1983)。さら
にグルココルチコイド受容体はMTV LTR内にマッ
ピングされたDNA配列に特異的に結合し(ペイバー
(Payvar)ら、1983)、これがグルココルチコイド応
答性を異種プロモーターに与えうる(チャンドラー(C
handler)ら、1983)。pMTVCAT(またはpGN
CAT)を受容体発現プラスミドと共トランスフェクシ
ョンすることにより、トランスフェクションされた細胞
をグルココルチコイドホルモンで処理した際に活性を誘
導しうる機能性受容体が得られる。さらに生化学的実
験、たとえば発現した受容体のステロイド結合活性およ
びウェスタンブロット分析を同時に行うことができる。
【0214】RSV LTRを全長hGRcDNA(pR
ShGRアルファ)に結合させる発現ベクターをデザイ
ンして、広範な宿主細胞型において高水準の発現を得
た。ベクターpRShGRアルファはpRSVCAT
(ゴルマン(Gorman)ら、1982b)の誘導体であり、C
AT遺伝子のコード化配列がhGRcDNAにより置換
されている。SV40の複製開始点をこのベクターに導
入し、これにより組換えプラスミドはT抗原(Tag)を発
現するCOS−1(COSと呼ぶ)サル腎細胞において
高いコピー数にまで増殖可能となった(グルッツマン
(Gluzman)1981)。COS細胞および親細胞系C
V−1はグルココルチコイド受容体の水準が検出不可能
であるという付加的な利点をも与える(未発表の所見な
らびに第10および11図)。
ShGRアルファ)に結合させる発現ベクターをデザイ
ンして、広範な宿主細胞型において高水準の発現を得
た。ベクターpRShGRアルファはpRSVCAT
(ゴルマン(Gorman)ら、1982b)の誘導体であり、C
AT遺伝子のコード化配列がhGRcDNAにより置換
されている。SV40の複製開始点をこのベクターに導
入し、これにより組換えプラスミドはT抗原(Tag)を発
現するCOS−1(COSと呼ぶ)サル腎細胞において
高いコピー数にまで増殖可能となった(グルッツマン
(Gluzman)1981)。COS細胞および親細胞系C
V−1はグルココルチコイド受容体の水準が検出不可能
であるという付加的な利点をも与える(未発表の所見な
らびに第10および11図)。
【0215】(b)機能性hGRの発現 上記のアッセイ法はステロイドホルモン受容体の作用機
構を研究する際に遭遇する主な難点の幾つかを克服する
ために企画された。これらの難点には受容体の細胞内水
準が低いこと、受容体の異質性の可能性があったこと、
および受容体の機能を試験する定量可能なバイオアッセ
イ系がなかったことが含まれる。従って本発明者らはp
RShGRアルファでトランスフェクションしたCOS
細胞が産生しうるhGRの相対量をまず調べた。第10
図(右のレーン)のトランスフェクションされたCOS
細胞のウェスタンブロット分析は、COS細胞がIM9
細胞系(左レーン)に存在するhGRと移動性に関して区
別できない94kdのhGRポリペプチドを合成したこと
を証明する。さらに一時的にトランスフェクションされ
たCOS細胞中に存在するhGRの量はIM9細胞、す
なわち細胞当たり100,000−200,000の受容体を含むもの
(ハーモン(Harmon)ら、1984)に見出される水
準よりも多い。この発現系は高い細胞内hGR水準を有
する細胞を提供するだけでなく、hGRの機能研究を妨
げる可能性のある受容体ミクロ異質性の可能性をも除
く。
構を研究する際に遭遇する主な難点の幾つかを克服する
ために企画された。これらの難点には受容体の細胞内水
準が低いこと、受容体の異質性の可能性があったこと、
および受容体の機能を試験する定量可能なバイオアッセ
イ系がなかったことが含まれる。従って本発明者らはp
RShGRアルファでトランスフェクションしたCOS
細胞が産生しうるhGRの相対量をまず調べた。第10
図(右のレーン)のトランスフェクションされたCOS
細胞のウェスタンブロット分析は、COS細胞がIM9
細胞系(左レーン)に存在するhGRと移動性に関して区
別できない94kdのhGRポリペプチドを合成したこと
を証明する。さらに一時的にトランスフェクションされ
たCOS細胞中に存在するhGRの量はIM9細胞、す
なわち細胞当たり100,000−200,000の受容体を含むもの
(ハーモン(Harmon)ら、1984)に見出される水
準よりも多い。この発現系は高い細胞内hGR水準を有
する細胞を提供するだけでなく、hGRの機能研究を妨
げる可能性のある受容体ミクロ異質性の可能性をも除
く。
【0216】発現したhGRの有効な転写因子としての
機能性を試験するために、pMTVCATおよびpRS
hGRアルファを共トランスフェクションしたのちに得
た細胞抽出物を用いてCATアッセイを行った。COS
および親細胞であるCV−1細胞の双方へのトランスフ
ェクションを調べた。予想どおり(アービン(Alwin
e)1985)COS中にSV40 Tagが存在すると
MTV LTRの基礎活性が高まった(データは示され
ていない)。従って最大の誘導を得るために、SV40
Tagを発現しないCV−1細胞を用いた。第11図に示
すように、pMTVCATを対照プラスミドと共トラン
スフェクションした場合、CV−1細胞中にCAT活性
は生じなかった。同様に pMTCATおよびpRShG
Rアルファを共トランスフェクションした場合もCAT
活性は生じなかった。しかし同じく共トランスフェクシ
ョンされたCV−1細胞をデキサメサゾン(DEX)で
処理すると、MTV−CAT融合遺伝子の転写が開始さ
れる。pMTVCATにより生じるCAT活性の基礎水
準はCV−1細胞においてかろうじて検出しうる程度
(しばしばゼロ)であるので、この誘導係数はきわめて
大きい(約500〜1000倍)。対照実験として本発
明者らはベータ形のhGRを共トランスフェクションし
た(実験の部I)。これはステロイドを結合し得ないこ
とが示されているものである。(第II−1表参照)。第
11図はhGRベータが本発明の発現アッセイ法におい
て機能しないことを証明する。また、hGRによる転写
の活性化はグルココルチコイド応答性要素を含むプロモ
ーターに限定される。pMTVCATの代わりに pMT
Ia CAT、すなわち重金属には応答するがグルココル
チコイドには応答しないヒトメタロチオネインIa 遺伝
子の調節領域を含むプラスミドを用いた場合、トランス
フェクションしたCV−1のホルモン処理後にCAT活
性の誘導は認められなかった(データは示されていな
い)。これらの結果は、細胞内でhGRがステロイド依
存性転写スイッチとして機能するのに必要かつ十分な因
子として作用することを証明する。
機能性を試験するために、pMTVCATおよびpRS
hGRアルファを共トランスフェクションしたのちに得
た細胞抽出物を用いてCATアッセイを行った。COS
および親細胞であるCV−1細胞の双方へのトランスフ
ェクションを調べた。予想どおり(アービン(Alwin
e)1985)COS中にSV40 Tagが存在すると
MTV LTRの基礎活性が高まった(データは示され
ていない)。従って最大の誘導を得るために、SV40
Tagを発現しないCV−1細胞を用いた。第11図に示
すように、pMTVCATを対照プラスミドと共トラン
スフェクションした場合、CV−1細胞中にCAT活性
は生じなかった。同様に pMTCATおよびpRShG
Rアルファを共トランスフェクションした場合もCAT
活性は生じなかった。しかし同じく共トランスフェクシ
ョンされたCV−1細胞をデキサメサゾン(DEX)で
処理すると、MTV−CAT融合遺伝子の転写が開始さ
れる。pMTVCATにより生じるCAT活性の基礎水
準はCV−1細胞においてかろうじて検出しうる程度
(しばしばゼロ)であるので、この誘導係数はきわめて
大きい(約500〜1000倍)。対照実験として本発
明者らはベータ形のhGRを共トランスフェクションし
た(実験の部I)。これはステロイドを結合し得ないこ
とが示されているものである。(第II−1表参照)。第
11図はhGRベータが本発明の発現アッセイ法におい
て機能しないことを証明する。また、hGRによる転写
の活性化はグルココルチコイド応答性要素を含むプロモ
ーターに限定される。pMTVCATの代わりに pMT
Ia CAT、すなわち重金属には応答するがグルココル
チコイドには応答しないヒトメタロチオネインIa 遺伝
子の調節領域を含むプラスミドを用いた場合、トランス
フェクションしたCV−1のホルモン処理後にCAT活
性の誘導は認められなかった(データは示されていな
い)。これらの結果は、細胞内でhGRがステロイド依
存性転写スイッチとして機能するのに必要かつ十分な因
子として作用することを証明する。
【0217】このアッセイに基づいて、ステロイドによ
る受容体の活性化を試験することができた。第12
(A)図に示したように、DEXはhGRにより誘導さ
れたCAT活性に対し3nMのED50値を示す。これは
種々の生理学的作用においてDEXにつき観察されたE
D50値(5nM)と一致する。共トランスフェクション
されたCV−1細胞を100nMのテストステロン、エ
ストラジオールおよびプロゲステロンで処理することに
よりhGRの作用の特異性をさらに調べた。これらのス
テロイドはプロゲステロン以外はCAT活性を誘導し得
なかった。プロゲステロンはDEXにより生じた最大誘
導の1%の値でhGRの機能を刺激した(データは示さ
れていない)。これらの結果は、トランスフェクション
されたCV−1細胞が、天然受容体の特異性および濃度
において薬理学的リガンドと相互作用する機能性hGR
を合成することを示す。
る受容体の活性化を試験することができた。第12
(A)図に示したように、DEXはhGRにより誘導さ
れたCAT活性に対し3nMのED50値を示す。これは
種々の生理学的作用においてDEXにつき観察されたE
D50値(5nM)と一致する。共トランスフェクション
されたCV−1細胞を100nMのテストステロン、エ
ストラジオールおよびプロゲステロンで処理することに
よりhGRの作用の特異性をさらに調べた。これらのス
テロイドはプロゲステロン以外はCAT活性を誘導し得
なかった。プロゲステロンはDEXにより生じた最大誘
導の1%の値でhGRの機能を刺激した(データは示さ
れていない)。これらの結果は、トランスフェクション
されたCV−1細胞が、天然受容体の特異性および濃度
において薬理学的リガンドと相互作用する機能性hGR
を合成することを示す。
【0218】エンハンサー含有分子と細胞成分との特異
的相互作用に関する研究から、CV−1細胞は特定のウ
イルス性エンハンサーの機能に必要な細胞性因子を限定
された量含有することが示された(ショラー(Schole
r)およびグルス(Gruss)1984)。これらの細胞
においてはトランスフェクションされたpSV2CAT
(ゴルマン(Gorman)ら、1982a)により生じるC
AT活性はプラスミド0.3pmol/ディッシュでプラトー
に達する。同様に、hGRが限定因子と相互作用するな
らば漸増する量のpRShGRアルファのトランスフェ
クションにより誘導されるCAT活性を一定量の pMT
VCATで飽和させることができるはずである。この実
験では2pmol(5μg)の pMTVCAT DNAを使用
し、漸増する量のpRShGRアルファDNAを非特異
的キャリヤーDNAと共に添加して、合計30μg/デ
ィッシュを得た。第12(B)図は0.03pml(100n
g)程度の少量のpRShGRアルファ(ディッシュ当
たり)をトランスフェクションした際にCAT活性を検
出しうること、およびCAT活性においてプラトーに達
することはないことを証明する。これらデータは、hG
RによるMTV−CAT融合遺伝子のトランスフェクシ
ョンの刺激はCV−1細胞中で限定する転写因子に依存
しないことを示唆する。
的相互作用に関する研究から、CV−1細胞は特定のウ
イルス性エンハンサーの機能に必要な細胞性因子を限定
された量含有することが示された(ショラー(Schole
r)およびグルス(Gruss)1984)。これらの細胞
においてはトランスフェクションされたpSV2CAT
(ゴルマン(Gorman)ら、1982a)により生じるC
AT活性はプラスミド0.3pmol/ディッシュでプラトー
に達する。同様に、hGRが限定因子と相互作用するな
らば漸増する量のpRShGRアルファのトランスフェ
クションにより誘導されるCAT活性を一定量の pMT
VCATで飽和させることができるはずである。この実
験では2pmol(5μg)の pMTVCAT DNAを使用
し、漸増する量のpRShGRアルファDNAを非特異
的キャリヤーDNAと共に添加して、合計30μg/デ
ィッシュを得た。第12(B)図は0.03pml(100n
g)程度の少量のpRShGRアルファ(ディッシュ当
たり)をトランスフェクションした際にCAT活性を検
出しうること、およびCAT活性においてプラトーに達
することはないことを証明する。これらデータは、hG
RによるMTV−CAT融合遺伝子のトランスフェクシ
ョンの刺激はCV−1細胞中で限定する転写因子に依存
しないことを示唆する。
【0219】(c)hGRの機能区のマッピング hGRが遺伝子転写を調節する機構を理解するために
は、まずその機能区の解明が必要であった。グルココル
チコイド受容体の蛋白質分解に関する限定された研究
(カールスデット−デューク(Carlsdedt−Duke)198
2;デルウェーク(Dellweg)ら、1982;ランゲ(Wra
nge)ら、1984;ライヒマン(Reichman)ら、198
4、およびhGRの一次構造の分析(実験の部I参照)
に基づいて、受容体の構造に対するモデルが提示されて
いる(ワインバーガー(Weinberger)ら、1985)。
このモデルにより主要な3区域が確認される。すなわち
アミノ酸145から280に及ぶ免疫区、アミノ酸42
1から481に及ぶDNA結合区、および蛋白質のカル
ボキシル末端付近に位置するステロイド結合区である。
このモデルを試験するために本発明者らはグルココルチ
コイド受容体コード化配列における27種の部位特異性
挿入変異体をリンカースキャニング法により形成した。
次いでこれらの遺伝子工学的に形成された変異体につ
き、遺伝子転写およびステロイドホルモン結合に対する
それらの能力をアッセイした。
は、まずその機能区の解明が必要であった。グルココル
チコイド受容体の蛋白質分解に関する限定された研究
(カールスデット−デューク(Carlsdedt−Duke)198
2;デルウェーク(Dellweg)ら、1982;ランゲ(Wra
nge)ら、1984;ライヒマン(Reichman)ら、198
4、およびhGRの一次構造の分析(実験の部I参照)
に基づいて、受容体の構造に対するモデルが提示されて
いる(ワインバーガー(Weinberger)ら、1985)。
このモデルにより主要な3区域が確認される。すなわち
アミノ酸145から280に及ぶ免疫区、アミノ酸42
1から481に及ぶDNA結合区、および蛋白質のカル
ボキシル末端付近に位置するステロイド結合区である。
このモデルを試験するために本発明者らはグルココルチ
コイド受容体コード化配列における27種の部位特異性
挿入変異体をリンカースキャニング法により形成した。
次いでこれらの遺伝子工学的に形成された変異体につ
き、遺伝子転写およびステロイドホルモン結合に対する
それらの能力をアッセイした。
【0220】hGRのリンカー挿入変異体を形成するた
めに、DNA分子を高い頻度で開裂させる制限酵素を用
いて部分開裂することによりプラスミドpRShGRア
ルファをまず線状化した。線状プラスミドを分離し、B
amHIリンカーを添加して、hGRをコードするオープ
ンリーディングフレームを再生した。得られた変異体は
3個または4個の付加的アミノ酸を保有し、これらが野
生型の蛋白質の配列を中断している。この方法により本
発明者らは一連のランダムなhGR変異体を形成した
(第13図)。これらの変異体が全長hGRを発現する
能力をウェスタンブロット分析により推定した。産生さ
れたhGRは30%以上は異ならないことが示され、従
ってこれらの変異体はいずれも発現された蛋白質を不安
定化しないと思われた。
めに、DNA分子を高い頻度で開裂させる制限酵素を用
いて部分開裂することによりプラスミドpRShGRア
ルファをまず線状化した。線状プラスミドを分離し、B
amHIリンカーを添加して、hGRをコードするオープ
ンリーディングフレームを再生した。得られた変異体は
3個または4個の付加的アミノ酸を保有し、これらが野
生型の蛋白質の配列を中断している。この方法により本
発明者らは一連のランダムなhGR変異体を形成した
(第13図)。これらの変異体が全長hGRを発現する
能力をウェスタンブロット分析により推定した。産生さ
れたhGRは30%以上は異ならないことが示され、従
ってこれらの変異体はいずれも発現された蛋白質を不安
定化しないと思われた。
【0221】各変異体の機能性を第II−1表の野生型h
GRのものと比較した。27種のhGR変異体のうち1
2種により誘導されるCAT活性は野生型の水準に匹敵
した。CAT活性の誘導によりアッセイして機能が低下
し、または完全に失われている15種のhGR変異体の
分析により、これらは別個の4群に属することが示され
た。いわゆる免疫原区のアミノ酸120と215の間に
位置する一群のこれら変異体が第1群を形成する。受容
体分子のこの領域には特異的機能は帰属されていない
が、3種の変異体(I120,I204およびI21
4)は低いCAT活性誘導能を示す。これらの変異体は
ステロイド結合能を完全に維持した。
GRのものと比較した。27種のhGR変異体のうち1
2種により誘導されるCAT活性は野生型の水準に匹敵
した。CAT活性の誘導によりアッセイして機能が低下
し、または完全に失われている15種のhGR変異体の
分析により、これらは別個の4群に属することが示され
た。いわゆる免疫原区のアミノ酸120と215の間に
位置する一群のこれら変異体が第1群を形成する。受容
体分子のこの領域には特異的機能は帰属されていない
が、3種の変異体(I120,I204およびI21
4)は低いCAT活性誘導能を示す。これらの変異体は
ステロイド結合能を完全に維持した。
【0222】意外ではないと思われるが、第2群の欠損
変異体は受容体の推定DNA結合区に見出される。この
機能区はシスティンに富み、それぞれアミノ酸約25個
の2反復単位からなり、これがZn2+ リガンドにより調
整されたループ構造に折れ曲がっている(ミラー(Mil
ler)ら、1985)。変異体I422の場合は、配列モ
チーフCys−X2−CysがCys−X5−Cysに変わってい
る。付加的アミノ酸の存在が受容体の機能を完全に失わ
せている。変異体I440は第1ループの形成に関与す
る他の2個のシスティン間に同様にアミノ酸4個の挿入
配列を有し、同様に検出可能な水準のCAT活性を誘導
できない。他方、変異体I428ではループ自体の長さ
がアミノ酸13個から17個に伸長している。著しく低
下してはいるが、I428によるCAT活性の誘導はな
お検出可能である。3種の変異体すべてについてDNA
結合区に存在するステロイド結合容量は野生型の水準の
範囲内にあることが示された。突然変異により影響を受
ける第3の領域はDNA結合区に隣接した位置にある。
変異体I488およびI490は低い水準のCAT活性
を示すが、ステロイドを効果的に結合する。第4群は受
容体蛋白質の最後の200個のアミノ酸を包含する。5
種の変異体は(I582,I589,I599,I62
6およびI696)は検出可能な水準のCAT活性を示
さない。この機能活性の欠如はそれらがデキサメサゾン
を全く結合し得ないことと関係がある。これらの結果
は、ステロイド結合領域が蛋白質の大部分を包含するこ
とを示す。これらはすべてC末端付近に集中している。
分子のアミノ末端と異なりこの領域は受容体の一次構造
の変化に対してきわめて敏感である。
変異体は受容体の推定DNA結合区に見出される。この
機能区はシスティンに富み、それぞれアミノ酸約25個
の2反復単位からなり、これがZn2+ リガンドにより調
整されたループ構造に折れ曲がっている(ミラー(Mil
ler)ら、1985)。変異体I422の場合は、配列モ
チーフCys−X2−CysがCys−X5−Cysに変わってい
る。付加的アミノ酸の存在が受容体の機能を完全に失わ
せている。変異体I440は第1ループの形成に関与す
る他の2個のシスティン間に同様にアミノ酸4個の挿入
配列を有し、同様に検出可能な水準のCAT活性を誘導
できない。他方、変異体I428ではループ自体の長さ
がアミノ酸13個から17個に伸長している。著しく低
下してはいるが、I428によるCAT活性の誘導はな
お検出可能である。3種の変異体すべてについてDNA
結合区に存在するステロイド結合容量は野生型の水準の
範囲内にあることが示された。突然変異により影響を受
ける第3の領域はDNA結合区に隣接した位置にある。
変異体I488およびI490は低い水準のCAT活性
を示すが、ステロイドを効果的に結合する。第4群は受
容体蛋白質の最後の200個のアミノ酸を包含する。5
種の変異体は(I582,I589,I599,I62
6およびI696)は検出可能な水準のCAT活性を示
さない。この機能活性の欠如はそれらがデキサメサゾン
を全く結合し得ないことと関係がある。これらの結果
は、ステロイド結合領域が蛋白質の大部分を包含するこ
とを示す。これらはすべてC末端付近に集中している。
分子のアミノ末端と異なりこの領域は受容体の一次構造
の変化に対してきわめて敏感である。
【0223】(d)第II−1表
【表1】 hGR変異体の機能性 挿入 CAT DEXhGR アミノ酸 活性(%) 結合(%) アルファ − 100 100 I9 RIR 117 NT I37 RIRA 95 NT I102 GSV 130 NT I120 RGSA 2 76 I204 RIR 3 125 I214 RGSA 2 79 I262 ADPR 97 NT I289 RIR 125 NT I305 ADPR 86 NT I346 ADPR 19 107 I384 RIR 101 NT I403 ADPR 114 NT I408 ADPR 55 NT I422 GSV 0 105 I428 RIRA 2 92 I440 ADPR 0 69 I488 GSV 15 96 I490 RIRA 10 115 I515 RIR 109 NT I532 GSV 115 NT I550 ADPR 5 19 I582 RIR 0 0 I589 GSV 0 0 I599 SDP 0 0 I626 ADPR 0 0 I684 RGSA 79 81 I696 RGSA 0 0 ベータ C末端欠失 0 0 CV−1またはCOS細胞をpRShGRアルファ、p
RShGRベータ、または突然変異したhGRアルファ
によりトランスフェクションし、CAT活性およびステ
ロイド結合能につきアッセイした。トランスフェクショ
ン後にCV−1細胞を10nM−DEXの存在下で2日
間培養したのち、細胞溶解およびCATアッセイを行っ
た。COS細胞は普通の培地に維持された。これら2パ
ラメーターを野生型hGR活性に対する%として定量し
た。hGRアルファに挿入されたアミノ酸を1文字コー
ドで表示する。NTは試験しなかったことを意味する。
hGRアルファとhGRベータのアミノ酸組成の相違を
第13図および実験の部Iに示す。
RShGRベータ、または突然変異したhGRアルファ
によりトランスフェクションし、CAT活性およびステ
ロイド結合能につきアッセイした。トランスフェクショ
ン後にCV−1細胞を10nM−DEXの存在下で2日
間培養したのち、細胞溶解およびCATアッセイを行っ
た。COS細胞は普通の培地に維持された。これら2パ
ラメーターを野生型hGR活性に対する%として定量し
た。hGRアルファに挿入されたアミノ酸を1文字コー
ドで表示する。NTは試験しなかったことを意味する。
hGRアルファとhGRベータのアミノ酸組成の相違を
第13図および実験の部Iに示す。
【0224】II.D.考察 hGR発現ベクターのトランスフェクションによりCV
−1細胞中で産生されたhGRがMTR−CAT融合遺
伝子の転写活性化に必要かつ十分な因子であることを示
した。誘導の規模から、hGRは転写”スイッチ”とし
て作用し、これがグルココルチコイド応答要素を含む静
止状態のプロモーターを活性化状態に変換しうることが
明らかになった。構成性活性を示す他の転写因子と異な
り、hGRによる転写刺激は完全にグルココルチコイド
ホルモンの存在に依存性である(第11および12
(A)図)。細胞内で蛋白質が大量に産生されるだけで
は調節された遺伝子の転写を誘導するのに十分ではな
い。hGRがホルモンによって活性化される機構は十分
には解明されていないがサイクリックAMP結合蛋白質
の場合と同様に、蛋白質内におけるアロステリック転移
を伴うものと思われる(マッケイ(Mckay)およびスタ
イツ(Steitz)1981;ゲージス(Gages)およびア
ジヤ(Adhya)1985)。
−1細胞中で産生されたhGRがMTR−CAT融合遺
伝子の転写活性化に必要かつ十分な因子であることを示
した。誘導の規模から、hGRは転写”スイッチ”とし
て作用し、これがグルココルチコイド応答要素を含む静
止状態のプロモーターを活性化状態に変換しうることが
明らかになった。構成性活性を示す他の転写因子と異な
り、hGRによる転写刺激は完全にグルココルチコイド
ホルモンの存在に依存性である(第11および12
(A)図)。細胞内で蛋白質が大量に産生されるだけで
は調節された遺伝子の転写を誘導するのに十分ではな
い。hGRがホルモンによって活性化される機構は十分
には解明されていないがサイクリックAMP結合蛋白質
の場合と同様に、蛋白質内におけるアロステリック転移
を伴うものと思われる(マッケイ(Mckay)およびスタ
イツ(Steitz)1981;ゲージス(Gages)およびア
ジヤ(Adhya)1985)。
【0225】本発明者らは、hGRによる転写の活性化
はCV−1細胞中に限定された量で存在する因子によっ
て制限されないことを認めた(第12(B)図)。これ
らの結果はグルココルチコイド応答性エンハンサーへの
hGR−ステロイド−複合体の結合がプロモーター付近
の一般的転写因子の活性を高めるのに十分であることを
示唆する。他の数種の転写因子について同様な特性が報
告されている。たとえばAdf1、すなわちメラノガスタ
ー(D. melanogaster)におけるアルコールデヒドロゲ
ナーゼ(Adh)の近位プロモーターを活性化する転写因
子は他の蛋白質因子の不在下でAdh鋳型DNAを結合
し、Adh RNA合成の開始を活性化するために内在性
RNAポリメラーゼIi、および他の一般的転写因子を
含む画分を必要とするにすぎない(ヘーベライン(Heb
erlein)ら、 1985)。SV40エンハンサー/プロモー
ター要素を含む組換えプラスミド pSV2CATを用い
る他の型の実験において、ショーラー(Scholer)およ
びグルス(Gruss)(1984)は、エンハンサー含有DNA
の機能に細胞性分子が必要であることを示した。彼らの
実験によれば、SV40エンハンサー要素によるCAT
遺伝子の活性化に必要な限られた量の細胞性因子の存在
が示された。しかし一般的転写因子の枯渇は観察されな
かった。これらのデータは特定の有効な転写因子の作用
機作が一般的転写因子の活性を高める因子自身、または
ポリメラーゼ自身によって誘導されるクロマチンの構造
における変化をもたらすらしいということを示唆してい
るモロー(Moreau)ら、1981;ウェイジリク(Wasyly
k)ら、1983)。グルココルチコイド処理によってMT
V LTRのセグメントを含むDNA領域に可逆的およ
び永続的双方の変化が生じることはすでに示されている
(ザレット(Zaret)およびヤマモト(Yamamoto) 19
84)。結合した受容体がプロモーター活性を高める機構
は完全に解明されている。しかしhGRを過剰に発現す
る系が得られれば、有効な転写因子による分子基盤での
転写活性化についての将来の研究が容易になるであろ
う。
はCV−1細胞中に限定された量で存在する因子によっ
て制限されないことを認めた(第12(B)図)。これ
らの結果はグルココルチコイド応答性エンハンサーへの
hGR−ステロイド−複合体の結合がプロモーター付近
の一般的転写因子の活性を高めるのに十分であることを
示唆する。他の数種の転写因子について同様な特性が報
告されている。たとえばAdf1、すなわちメラノガスタ
ー(D. melanogaster)におけるアルコールデヒドロゲ
ナーゼ(Adh)の近位プロモーターを活性化する転写因
子は他の蛋白質因子の不在下でAdh鋳型DNAを結合
し、Adh RNA合成の開始を活性化するために内在性
RNAポリメラーゼIi、および他の一般的転写因子を
含む画分を必要とするにすぎない(ヘーベライン(Heb
erlein)ら、 1985)。SV40エンハンサー/プロモー
ター要素を含む組換えプラスミド pSV2CATを用い
る他の型の実験において、ショーラー(Scholer)およ
びグルス(Gruss)(1984)は、エンハンサー含有DNA
の機能に細胞性分子が必要であることを示した。彼らの
実験によれば、SV40エンハンサー要素によるCAT
遺伝子の活性化に必要な限られた量の細胞性因子の存在
が示された。しかし一般的転写因子の枯渇は観察されな
かった。これらのデータは特定の有効な転写因子の作用
機作が一般的転写因子の活性を高める因子自身、または
ポリメラーゼ自身によって誘導されるクロマチンの構造
における変化をもたらすらしいということを示唆してい
るモロー(Moreau)ら、1981;ウェイジリク(Wasyly
k)ら、1983)。グルココルチコイド処理によってMT
V LTRのセグメントを含むDNA領域に可逆的およ
び永続的双方の変化が生じることはすでに示されている
(ザレット(Zaret)およびヤマモト(Yamamoto) 19
84)。結合した受容体がプロモーター活性を高める機構
は完全に解明されている。しかしhGRを過剰に発現す
る系が得られれば、有効な転写因子による分子基盤での
転写活性化についての将来の研究が容易になるであろ
う。
【0226】27種の挿入変異体の解明の結果は、ヒト
グルココルチコイド受容体が一連の機能区からなるとい
う本発明者らの先の示唆を支持し、拡大する。ステロイ
ド結合に影響を与える変異体がすべてカルボキシル末端
に集中していることは注目に値する。この領域がホルモ
ンの特異性をコードする別個の機能区として機能するこ
とが示唆されるほか、これらの結果はこの受容体内に確
認された他の機能区が別個の機能を果たすという可能性
をも暗示する。従って、受容体が特定のDNA配列を認
識し、これと相互作用する能力は、エストロゲン受容体
および発癌遺伝子生成物 v−erb−Aによって高度に保
持されているCys−Lys−Arg に富む領域にあると思
われる。これらの領域における突然変異は受容体分子が
転写を活性化する能力を低下させるというのは論理的で
あると思われる。活性化はリガンドがアロステリック形
質転換を誘導する能力、および形質転換した分子がDN
Aを認識し、これと相互作用する能力の双方に依存する
からである。ステロイド受容体構造の最初のモデル(ワ
インバーガー(Weinberger)ら、1985)に基づけば、
これらは突然変異誘発の解明に際し予想された結果であ
った。しかし予想されなかった結果は、転写活性に影響
を与える他の領域が少なくとも2か所確認されたことで
ある。これは、転写活性化に必要であるがステロイドま
たはDNAの結合のいずれにも特異的に関与してはいな
い他の機能区が受容体中に存在するという興味深い可能
性を与える。変異体I120,I204およびI214
は野生型の親和性をもってステロイドと結合するが、転
写活性が低下している。これらの変異体は本発明者らが
τ1と呼ぶこの機能区が完全なhGR 活性を得るために
機能的に重要であり、かつ必要であることを明瞭に証明
している。興味深いことに、数系列のグルココルチコイ
ド耐性細胞に見出された非機能性の切除型変異体(すな
わち40kd)は野生型受容体よりも効率的に核内に保持
されるが、転写を活性化し得ない(ヤマモト(Yamamot
o)ら、1976;アンドレアセン(Andreasen)およびゲ
ーリング(Gehring)1981;ウェストファル(Westpha
l)ら、(1984)。これらの“核転移増加型”(nti)変異
体において失われた受容体断片は明らかに蛋白質のアミ
ノ末端である。それらはホルモン結合能を保持している
からである。本発明者らはτ1 がhGRの主免疫原区と
一致することを指摘した(ワインバーガー(Weinberge
r)ら、1985)。これは恐らくこれが分子の外表にある
ことを示す。この機能区がその機能を果たす様式につい
ての考察には、受容体の二量化をもたらす自己相互作
用、RNAポリメラーゼIIなどの一般的転写因子との相
互作用の可能性、および/または活性化された受容体の
残りの部分にアロステリック作用を及ぼすことによるD
NA結合の調節が含まれる(デルウェーク(Dellweg)
ら、1982)、τ1は受容体のアミノ末端、すなわちより
小型のエストロゲン受容体とは共有されない領域に含ま
れる。恐らくエストロゲン受容体が第2の蛋白質との相
互作用によりこの機能区と同等の機能を得るか、または
τ1 が他の調節分子との相互作用ではなくグルココルチ
コイド受容体自体の内部の他の残基と相互作用するので
あろう。転写活性化に影響を及ぼす他のτ領域(τ2と
呼ぶ)はエストロゲン受容体および v−erb−A発癌遺
伝子中に存在する領域である。その位置からも、これが
ステロイド−およびDNA−結合区を結合させる“ちょ
うつがい”領域として作用するという可能性が示唆され
る。従ってこれらの変異体は受容体の活性化に必要なア
ロステリック形質転換を遮断するであろう。
グルココルチコイド受容体が一連の機能区からなるとい
う本発明者らの先の示唆を支持し、拡大する。ステロイ
ド結合に影響を与える変異体がすべてカルボキシル末端
に集中していることは注目に値する。この領域がホルモ
ンの特異性をコードする別個の機能区として機能するこ
とが示唆されるほか、これらの結果はこの受容体内に確
認された他の機能区が別個の機能を果たすという可能性
をも暗示する。従って、受容体が特定のDNA配列を認
識し、これと相互作用する能力は、エストロゲン受容体
および発癌遺伝子生成物 v−erb−Aによって高度に保
持されているCys−Lys−Arg に富む領域にあると思
われる。これらの領域における突然変異は受容体分子が
転写を活性化する能力を低下させるというのは論理的で
あると思われる。活性化はリガンドがアロステリック形
質転換を誘導する能力、および形質転換した分子がDN
Aを認識し、これと相互作用する能力の双方に依存する
からである。ステロイド受容体構造の最初のモデル(ワ
インバーガー(Weinberger)ら、1985)に基づけば、
これらは突然変異誘発の解明に際し予想された結果であ
った。しかし予想されなかった結果は、転写活性に影響
を与える他の領域が少なくとも2か所確認されたことで
ある。これは、転写活性化に必要であるがステロイドま
たはDNAの結合のいずれにも特異的に関与してはいな
い他の機能区が受容体中に存在するという興味深い可能
性を与える。変異体I120,I204およびI214
は野生型の親和性をもってステロイドと結合するが、転
写活性が低下している。これらの変異体は本発明者らが
τ1と呼ぶこの機能区が完全なhGR 活性を得るために
機能的に重要であり、かつ必要であることを明瞭に証明
している。興味深いことに、数系列のグルココルチコイ
ド耐性細胞に見出された非機能性の切除型変異体(すな
わち40kd)は野生型受容体よりも効率的に核内に保持
されるが、転写を活性化し得ない(ヤマモト(Yamamot
o)ら、1976;アンドレアセン(Andreasen)およびゲ
ーリング(Gehring)1981;ウェストファル(Westpha
l)ら、(1984)。これらの“核転移増加型”(nti)変異
体において失われた受容体断片は明らかに蛋白質のアミ
ノ末端である。それらはホルモン結合能を保持している
からである。本発明者らはτ1 がhGRの主免疫原区と
一致することを指摘した(ワインバーガー(Weinberge
r)ら、1985)。これは恐らくこれが分子の外表にある
ことを示す。この機能区がその機能を果たす様式につい
ての考察には、受容体の二量化をもたらす自己相互作
用、RNAポリメラーゼIIなどの一般的転写因子との相
互作用の可能性、および/または活性化された受容体の
残りの部分にアロステリック作用を及ぼすことによるD
NA結合の調節が含まれる(デルウェーク(Dellweg)
ら、1982)、τ1は受容体のアミノ末端、すなわちより
小型のエストロゲン受容体とは共有されない領域に含ま
れる。恐らくエストロゲン受容体が第2の蛋白質との相
互作用によりこの機能区と同等の機能を得るか、または
τ1 が他の調節分子との相互作用ではなくグルココルチ
コイド受容体自体の内部の他の残基と相互作用するので
あろう。転写活性化に影響を及ぼす他のτ領域(τ2と
呼ぶ)はエストロゲン受容体および v−erb−A発癌遺
伝子中に存在する領域である。その位置からも、これが
ステロイド−およびDNA−結合区を結合させる“ちょ
うつがい”領域として作用するという可能性が示唆され
る。従ってこれらの変異体は受容体の活性化に必要なア
ロステリック形質転換を遮断するであろう。
【0227】アミノ酸挿入配列により影響を受ける第3
の領域は、ワインバーガー(Weinberger)ら(1985)に
より報告される推定DNA結合区内に位置する。この機
能区はCys−Lys−Argに富む配列を含む2個の反復単
位からなり、v−erb−A発癌遺伝子およびエストロゲン
受容体と比較して最も強く保守されるものである(ワイ
ンバーガー(Weinberger)ら、1985;グリーン(Gree
n)ら、1986;グリーン(Green)ら、1986)。これら
の反復単位はまず因子TF−IIIa(ミラー(Miller)
ら、1985)に観察され、それ以来多数の他の核酸結合性
蛋白質中に配列相同性研究によって見出された(バーグ
(Berg)1986)。因子TF IIIaの実験的および理論的
研究に基づいてミラー(Miller)ら、(1985)は蛋白質
がDNA分子を結合する新規な機構を提示した。彼らの
モデルにおいては各ユニットは亜鉛イオンを中心とした
“フィンガー状”構造に折れ曲がっている。1本のフィ
ンガーがDNAの半回転に結合する。変異体I422お
よびI440はフィンガーモデルの中心となるモチーフ
Cys−X2−Cysを乱すアミノ酸挿入配列を有する。こ
れらの変異体は転写活性化に関しては全く不活性である
が、それらグルココルチコイド結合能は保持する。予備
実験が示すように、これらの変異体もホルモン処理後に
核に転座することができず、インビトロにおいてDNA
を結合することができない(エス・ホレンバーグ、未発
表の所見)。これらの突然変異した受容体はhGR中に
存在するフィンガーモチーフの機能的重要性を証明す
る。この領域に位置する第3の変異体I428は4個の
アミノ酸の添加によりフィンガーが伸びている。I42
8の転写活性は大幅に損われる(野生型水準の2%)
が、なお検出可能である。従って各ループは亜鉛結合モ
チーフよりも変化に耐えると思われる。フィンガー様機
能区がhGRにおいて機能的に重要であるという証明か
ら、本発明者らはステロイドホルモン結合体が原始的な
祖先由来のDNA結合蛋白質から進化した金属蛋白質で
あると提唱するに至った。
の領域は、ワインバーガー(Weinberger)ら(1985)に
より報告される推定DNA結合区内に位置する。この機
能区はCys−Lys−Argに富む配列を含む2個の反復単
位からなり、v−erb−A発癌遺伝子およびエストロゲン
受容体と比較して最も強く保守されるものである(ワイ
ンバーガー(Weinberger)ら、1985;グリーン(Gree
n)ら、1986;グリーン(Green)ら、1986)。これら
の反復単位はまず因子TF−IIIa(ミラー(Miller)
ら、1985)に観察され、それ以来多数の他の核酸結合性
蛋白質中に配列相同性研究によって見出された(バーグ
(Berg)1986)。因子TF IIIaの実験的および理論的
研究に基づいてミラー(Miller)ら、(1985)は蛋白質
がDNA分子を結合する新規な機構を提示した。彼らの
モデルにおいては各ユニットは亜鉛イオンを中心とした
“フィンガー状”構造に折れ曲がっている。1本のフィ
ンガーがDNAの半回転に結合する。変異体I422お
よびI440はフィンガーモデルの中心となるモチーフ
Cys−X2−Cysを乱すアミノ酸挿入配列を有する。こ
れらの変異体は転写活性化に関しては全く不活性である
が、それらグルココルチコイド結合能は保持する。予備
実験が示すように、これらの変異体もホルモン処理後に
核に転座することができず、インビトロにおいてDNA
を結合することができない(エス・ホレンバーグ、未発
表の所見)。これらの突然変異した受容体はhGR中に
存在するフィンガーモチーフの機能的重要性を証明す
る。この領域に位置する第3の変異体I428は4個の
アミノ酸の添加によりフィンガーが伸びている。I42
8の転写活性は大幅に損われる(野生型水準の2%)
が、なお検出可能である。従って各ループは亜鉛結合モ
チーフよりも変化に耐えると思われる。フィンガー様機
能区がhGRにおいて機能的に重要であるという証明か
ら、本発明者らはステロイドホルモン結合体が原始的な
祖先由来のDNA結合蛋白質から進化した金属蛋白質で
あると提唱するに至った。
【0228】これらのデータを合わせると、受容体は調
節機能区の集合体からなり、これらは原始的なステロイ
ドホルモン受容体中へ進化の過程で侵入凝縮されたもの
と思われ、これが哺乳動物ゲノム中に存在する一群の多
数のホルモン応答遺伝子を生じたことが示唆される。こ
の分子の転写活性はそれが遺伝学的スイッチとして作用
する潜在的能力をもつことを証明する。これは各種の進
化上の種族および恒常的機能の活性化におけるステロイ
ドホルモンの役割りと一致する。この突然変異の方式に
よれば、希望する小規模または大規模の欠失変異体のい
かなる組をも好都合に形成することができ、機能を研究
するために関連分子間の機能区を始動させることができ
る。この実験例に記載した迅速かつ定量的な機能アッセ
イと合わせて、τ、DNA−およびステロイド−結合区
の機能性に関して特定の問題を提起することが可能とな
った。
節機能区の集合体からなり、これらは原始的なステロイ
ドホルモン受容体中へ進化の過程で侵入凝縮されたもの
と思われ、これが哺乳動物ゲノム中に存在する一群の多
数のホルモン応答遺伝子を生じたことが示唆される。こ
の分子の転写活性はそれが遺伝学的スイッチとして作用
する潜在的能力をもつことを証明する。これは各種の進
化上の種族および恒常的機能の活性化におけるステロイ
ドホルモンの役割りと一致する。この突然変異の方式に
よれば、希望する小規模または大規模の欠失変異体のい
かなる組をも好都合に形成することができ、機能を研究
するために関連分子間の機能区を始動させることができ
る。この実験例に記載した迅速かつ定量的な機能アッセ
イと合わせて、τ、DNA−およびステロイド−結合区
の機能性に関して特定の問題を提起することが可能とな
った。
【0229】II.実験の部IIに述べた図に関する詳細な
説明 第9図 hGR機能アッセイ法の模式図 このアッセイ法においては、hGRアルファcDNAを
含む発現ベクターまたはそれから誘導される変異体を、
CAT遺伝子を保有するプラスミドと共にMTV LT
Rの制御下にCV−1またはCOS細胞中へ共トランス
フェクションする。次いで細胞をホルモンの存在下また
は不在下で培養する。CV−1細胞はCAT活性の誘導
を監視するために用いられ、COS細胞はステロイド結
合能およびhGR蛋白質の発現を測定するために用いら
れた。
説明 第9図 hGR機能アッセイ法の模式図 このアッセイ法においては、hGRアルファcDNAを
含む発現ベクターまたはそれから誘導される変異体を、
CAT遺伝子を保有するプラスミドと共にMTV LT
Rの制御下にCV−1またはCOS細胞中へ共トランス
フェクションする。次いで細胞をホルモンの存在下また
は不在下で培養する。CV−1細胞はCAT活性の誘導
を監視するために用いられ、COS細胞はステロイド結
合能およびhGR蛋白質の発現を測定するために用いら
れた。
【0230】第10図 hGR蛋白質の発現 COS細胞をトランスフェクションし(中央レーン)、ま
たはプラスミドpRShGRアルファでトランスフェク
ションし(右レーン)、2日後にhGR蛋白質の存在に
つき分析した。粗製の細胞質抽出物をSDS−PAGE
により溶解し、ウェスタンブロットにより分析した。I
M9細胞からの細胞質抽出物を比較のため同一ゲルに付
与した(左レーン)。
たはプラスミドpRShGRアルファでトランスフェク
ションし(右レーン)、2日後にhGR蛋白質の存在に
つき分析した。粗製の細胞質抽出物をSDS−PAGE
により溶解し、ウェスタンブロットにより分析した。I
M9細胞からの細胞質抽出物を比較のため同一ゲルに付
与した(左レーン)。
【0231】第11図 hGRによるCAT活性の誘導 サブコンフルエンシー状態のCV−1細胞をpRSVga
l(対照)、pRShGRアルファ、またはpRShGRベ
ータ、およびレポータープラスミドpMTVCATで共
トランスフェクションし、10nMデキサメサゾンの存
在下(+)または不在下(−)で2日間培養した。CAT
アッセイは実験法(実験の部II・F.)に示したとおり
行われた。C.クロラムフェニコール;AC、3−アセ
チルクロラムフェニコール。
l(対照)、pRShGRアルファ、またはpRShGRベ
ータ、およびレポータープラスミドpMTVCATで共
トランスフェクションし、10nMデキサメサゾンの存
在下(+)または不在下(−)で2日間培養した。CAT
アッセイは実験法(実験の部II・F.)に示したとおり
行われた。C.クロラムフェニコール;AC、3−アセ
チルクロラムフェニコール。
【0232】第12図 DEXに対する用量応答性およびpRShGRアルファ
の滴定 (A)pRShGRアルファのおよび pMTVCAT
(各プラスミド10μg)で共トランスフェクションし
たCV−1細胞を漸増する濃度のデキサメサゾンの存在
下に培養した。DEXに対する見掛けのED50 値は3n
Mであった。CAT活性の水準を特定の実験において観
察された最大応答に対する%としてプロットした。DE
Xの不在下ではCAT活性は検出されなかった。
の滴定 (A)pRShGRアルファのおよび pMTVCAT
(各プラスミド10μg)で共トランスフェクションし
たCV−1細胞を漸増する濃度のデキサメサゾンの存在
下に培養した。DEXに対する見掛けのED50 値は3n
Mであった。CAT活性の水準を特定の実験において観
察された最大応答に対する%としてプロットした。DE
Xの不在下ではCAT活性は検出されなかった。
【0233】(B)滴定。漸増する量のpRShGRア
ルファをサブコンフルエンシー状態のCV−1細胞中へ
一定量の pMTVCAT(5μg)と共に共トランスフ
ェクションした。プラスミド pBR322をキャリヤー
DNAとして用いて全体としてDNA30μg/プレー
トを得た。10nM・DEXの存在下に細胞を2日間培
養し、CAT活性を測定し、(A)の場合と同様にプロ
ットした。
ルファをサブコンフルエンシー状態のCV−1細胞中へ
一定量の pMTVCAT(5μg)と共に共トランスフ
ェクションした。プラスミド pBR322をキャリヤー
DNAとして用いて全体としてDNA30μg/プレー
トを得た。10nM・DEXの存在下に細胞を2日間培
養し、CAT活性を測定し、(A)の場合と同様にプロ
ットした。
【0234】第13図 hGRにおける機能区の位置 hGRを転写活性化に関与する推定機能区τ1およびτ2
(斜線を施した領域により示す)と共に模式的に示す。
DNA結合区は点彩を施した四角で、ステロイド結合区
は点を施した四角により表わされる。BamHIリンカー
挿入配列は三角形および丸印で表わす。数字はその後で
挿入が起こるアミノ酸の位置を意味する(実験の部I参
照)。白地の記号はCAT活性により測定して野生型水
準のホルモン依存性転写活性を誘導しうる変異体を表わ
す。黒地の記号は大幅に低下した、または無効になった
機能を示す。棒は機能を示さないhGRベータ中に存在
する異なるアミノ酸の位置を示す。
(斜線を施した領域により示す)と共に模式的に示す。
DNA結合区は点彩を施した四角で、ステロイド結合区
は点を施した四角により表わされる。BamHIリンカー
挿入配列は三角形および丸印で表わす。数字はその後で
挿入が起こるアミノ酸の位置を意味する(実験の部I参
照)。白地の記号はCAT活性により測定して野生型水
準のホルモン依存性転写活性を誘導しうる変異体を表わ
す。黒地の記号は大幅に低下した、または無効になった
機能を示す。棒は機能を示さないhGRベータ中に存在
する異なるアミノ酸の位置を示す。
【0235】II.F.実験法 (a)培養条件 CV−1およびCOS−1細胞は37℃で、5%(v/
v)ウシ胎仔血清、アンピシリン400μg/ml、およ
びストレプトマイシン100μg/mlを補充したダル
ベッコの改良イーグル培地において増殖させた。良好な
トランスフェクション効率を得るために細胞を3日毎に
継代し、コンフルエンシーに到達させなかった。トラン
スフェクションされた培養物は5%CO2下で37℃に
保持された。
v)ウシ胎仔血清、アンピシリン400μg/ml、およ
びストレプトマイシン100μg/mlを補充したダル
ベッコの改良イーグル培地において増殖させた。良好な
トランスフェクション効率を得るために細胞を3日毎に
継代し、コンフルエンシーに到達させなかった。トラン
スフェクションされた培養物は5%CO2下で37℃に
保持された。
【0236】(b)組換えプラスミド プラスミドpRShGRアルファおよびpRShGRベ
ータ、すなわちCV−1およびCOS細胞において2形
態のhGRの合成を方向づけるものは、3個のDNA断
片から構成された。第1断片はpRSVCATゴルマン
(Gorman)ら、1982b)から誘導され、RSV L
TR,pBR322配列、およびSV40ポリアデニル
化部位を含む。この断片を得るためにはpRSVCAT
をHindIIIで切断し、各末端をDNAポリメラーゼI
のクレノー断片で処理することにより修復した。KpnI
リンカーを標準法によりこれらの末端に付加し(マニア
チス(Maniatis)ら、1982)、このプラスミドを次
いでHpaIで切断し、これによってCATコード化配列
を除去した。第2の断片はhGRアルファまたはhGR
ベータのいずれのコード化配列をも含む。プラスミド p
OB113および pOB117(エス.エム.ホレンバ
ーグ、未発表の結果)、すなわちそれぞれアルファ形お
よびベータ形のhGRのコード化配列全体を含むものを
BamHIで切断した。各末端をクレノー断片で修復し、
これらのプラスミをKpnIで切断した。第1および第2
断片のリゲーションによりプラスミド pRhGRアルフ
ァおよびpRhGRベータを形成した。付加すべき第3
の断片はプラスミドpSV2CATから得たSV 40O
RIを含むPvuII−HindIIIからなる(ゴルマン(Gorm
an)ら、1982a)。この断片の各末端をクレノー断片
で処理することにより修復し、これらにNdeIリンカー
を付加した。SV40 ORIを含むこのDNA断片を
次いで pRhGRアルファおよび pRhGRベータ中に
存在する1個のNdeI部位に導入した。最後にこれらの
プラスミド中に存在する1個のBamHI部位を破壊し、
合成アダプターの挿入によりXhoIと置換した。得られ
たプラスミドはpRShGRアダプターおよびpRSh
GRベータであった。プラスミド pMTVCATおよび
pMTIaCATはエス.ゴールド氏からの供与であっ
た。
ータ、すなわちCV−1およびCOS細胞において2形
態のhGRの合成を方向づけるものは、3個のDNA断
片から構成された。第1断片はpRSVCATゴルマン
(Gorman)ら、1982b)から誘導され、RSV L
TR,pBR322配列、およびSV40ポリアデニル
化部位を含む。この断片を得るためにはpRSVCAT
をHindIIIで切断し、各末端をDNAポリメラーゼI
のクレノー断片で処理することにより修復した。KpnI
リンカーを標準法によりこれらの末端に付加し(マニア
チス(Maniatis)ら、1982)、このプラスミドを次
いでHpaIで切断し、これによってCATコード化配列
を除去した。第2の断片はhGRアルファまたはhGR
ベータのいずれのコード化配列をも含む。プラスミド p
OB113および pOB117(エス.エム.ホレンバ
ーグ、未発表の結果)、すなわちそれぞれアルファ形お
よびベータ形のhGRのコード化配列全体を含むものを
BamHIで切断した。各末端をクレノー断片で修復し、
これらのプラスミをKpnIで切断した。第1および第2
断片のリゲーションによりプラスミド pRhGRアルフ
ァおよびpRhGRベータを形成した。付加すべき第3
の断片はプラスミドpSV2CATから得たSV 40O
RIを含むPvuII−HindIIIからなる(ゴルマン(Gorm
an)ら、1982a)。この断片の各末端をクレノー断片
で処理することにより修復し、これらにNdeIリンカー
を付加した。SV40 ORIを含むこのDNA断片を
次いで pRhGRアルファおよび pRhGRベータ中に
存在する1個のNdeI部位に導入した。最後にこれらの
プラスミド中に存在する1個のBamHI部位を破壊し、
合成アダプターの挿入によりXhoIと置換した。得られ
たプラスミドはpRShGRアダプターおよびpRSh
GRベータであった。プラスミド pMTVCATおよび
pMTIaCATはエス.ゴールド氏からの供与であっ
た。
【0237】(c)挿入突然変異形成 hGRアルファの野性型配列を乱すアミノ酸の挿入は下
記の方法により行われた。全長線状pRShGRアルフ
ァDNAはAluI,DpnI,およびBstNI制限酵素に
よる部分消化によって形成された。BstNIにより切断
したDNAの場合、各末端をまずクレノー断片で修復し
た。次いでDNA分子をアガロースゲル電気泳動により
分画し、線状のプラスミドを抽出した。8−または12
−merのB amHIリンカーを付加してhGRアミノ酸配
列の本来の解読フレームを再生した。hGRのコード化
領域に1個のBamHIリンカーを保有するプラスミドの
配列を決定し(マクサム(Maxam)およびギルバート
(Gilbert)、1980)、リンカーの位置およびhGR変
異体の全体性を確認した。
記の方法により行われた。全長線状pRShGRアルフ
ァDNAはAluI,DpnI,およびBstNI制限酵素に
よる部分消化によって形成された。BstNIにより切断
したDNAの場合、各末端をまずクレノー断片で修復し
た。次いでDNA分子をアガロースゲル電気泳動により
分画し、線状のプラスミドを抽出した。8−または12
−merのB amHIリンカーを付加してhGRアミノ酸配
列の本来の解読フレームを再生した。hGRのコード化
領域に1個のBamHIリンカーを保有するプラスミドの
配列を決定し(マクサム(Maxam)およびギルバート
(Gilbert)、1980)、リンカーの位置およびhGR変
異体の全体性を確認した。
【0238】(d)細胞トランスフェクションおよびC
ATアッセイ 組換えDNA構造体をリン酸カルシウム共沈法によりC
V−1細胞中へ(ウィグラー(Wigler)ら、1979)、
またはDEAE−デキストランによりCOS細胞中へ
(ディーンズ(Deans)ら、1984)導入した。トランス
フェクションに用いた各プラスミド調製物は2種の連続
CsCl−EtBr平衡濃度勾配により精製された。CA
T遺伝子構造物でトランスフェクションしたのち、ゴル
マン(Gorman)ら(1982a)の記載に従ってCV−
1細胞をCATアッセイ用に調製した。これらのアッセ
イは全細胞抽出物の3分の1を用いて、インキュベーシ
ョン時間6時間で行われた。
ATアッセイ 組換えDNA構造体をリン酸カルシウム共沈法によりC
V−1細胞中へ(ウィグラー(Wigler)ら、1979)、
またはDEAE−デキストランによりCOS細胞中へ
(ディーンズ(Deans)ら、1984)導入した。トランス
フェクションに用いた各プラスミド調製物は2種の連続
CsCl−EtBr平衡濃度勾配により精製された。CA
T遺伝子構造物でトランスフェクションしたのち、ゴル
マン(Gorman)ら(1982a)の記載に従ってCV−
1細胞をCATアッセイ用に調製した。これらのアッセ
イは全細胞抽出物の3分の1を用いて、インキュベーシ
ョン時間6時間で行われた。
【0239】(e)ウェスタンブロット分析 COS細胞からの粗抽出物は10mMトリス−HCl(p
H7.5)、100mMNaCl,1mM EDTA,0.5
%トライトンX−100を含有する緩衝液を用いる細胞
溶解により調製された。等量の蛋白質(100μg)を
7.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により溶解
し、ニトロセルロースフィルターに移し、抗hGR抗体
GR884(ハーモン(Harmon)ら、1984)によ
り検査したのち125I標識−黄色ぶどう球菌蛋白質Aに
より検出した。フィルターを風乾し、フィルムに露光し
た。受容体の量をオートラジオグラフのスキャニングに
より定量した。
H7.5)、100mMNaCl,1mM EDTA,0.5
%トライトンX−100を含有する緩衝液を用いる細胞
溶解により調製された。等量の蛋白質(100μg)を
7.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により溶解
し、ニトロセルロースフィルターに移し、抗hGR抗体
GR884(ハーモン(Harmon)ら、1984)によ
り検査したのち125I標識−黄色ぶどう球菌蛋白質Aに
より検出した。フィルターを風乾し、フィルムに露光し
た。受容体の量をオートラジオグラフのスキャニングに
より定量した。
【0240】(f)ステロイド結合のアッセイ COS細胞を、10mMトリス−HCl(pH7.5)、
100mM NaCl,1mMEDTA,5μg/ml ア
ンチペイン、5μg/mlロイペプチンおよび0.5mM
PMSFを含有する低張緩衝液中でダウンスホモジナ
イゼーションにより細胞溶解し、15,000×gで10分間
遠心分離してサイトゾル画分を得た。100mM NaC
lに調整され、サイトゾル画分からの蛋白質10μgお
よび2×10-8〔3H〕DEX(アメルシャム,95Ci
/mmol)を全容量200μlに含有する低張緩衝液中
でインキュベーションを行った。非特異的結合は2×1
0-6非標識DEXの添加により測定された。反応は0℃
で2時間行われ、次いで50%デキストラン被覆活性炭
(10:1活性炭:デキストラン)20μlと共にイン
キュベーションし、15,000×gで4℃において2分間、
遠心分離した。上層液をベックマンLS−7800液体
シンチレーション分光光度計による液体シンチレーショ
ン法によって計数した。各アッセイは通常2500〜3
000cpm〔3H〕標識ステロイドを与えた。非標識DE
Xはこの結合の70%に対し競合した。
100mM NaCl,1mMEDTA,5μg/ml ア
ンチペイン、5μg/mlロイペプチンおよび0.5mM
PMSFを含有する低張緩衝液中でダウンスホモジナ
イゼーションにより細胞溶解し、15,000×gで10分間
遠心分離してサイトゾル画分を得た。100mM NaC
lに調整され、サイトゾル画分からの蛋白質10μgお
よび2×10-8〔3H〕DEX(アメルシャム,95Ci
/mmol)を全容量200μlに含有する低張緩衝液中
でインキュベーションを行った。非特異的結合は2×1
0-6非標識DEXの添加により測定された。反応は0℃
で2時間行われ、次いで50%デキストラン被覆活性炭
(10:1活性炭:デキストラン)20μlと共にイン
キュベーションし、15,000×gで4℃において2分間、
遠心分離した。上層液をベックマンLS−7800液体
シンチレーション分光光度計による液体シンチレーショ
ン法によって計数した。各アッセイは通常2500〜3
000cpm〔3H〕標識ステロイドを与えた。非標識DE
Xはこの結合の70%に対し競合した。
【0241】II.実験の部IIで参照した参考文献 1.Alwine,J.C.,Mol.Cell.Biol.,5:1034
−1043(1983)。
−1043(1983)。
【0242】2.Andreasen,P.A.,and Gehrin
g,U.,Eur.J.Biochem.,120:443-449(1981)。
g,U.,Eur.J.Biochem.,120:443-449(1981)。
【0243】3. Bazett−Jones,D.P.,Yeckel,
M.,and Gottesfeld,J.F.,Nature,317:824−828(1
985)。
M.,and Gottesfeld,J.F.,Nature,317:824−828(1
985)。
【0244】4. Berg,J.,Science,232:485−487
(1986)。
(1986)。
【0245】5. Carlstedt−Duke,J.,Okret,S.,
Wrange,O.,and Gustafsson,J.−A.,Proc.Nat
l.Acad.Sci.,U.S.A.,79:4260−4264(1982)。
Wrange,O.,and Gustafsson,J.−A.,Proc.Nat
l.Acad.Sci.,U.S.A.,79:4260−4264(1982)。
【0246】6. Chandler,V.L.,Maler,B.
A.,and Yamamoto,K.R.,Cell, 33:489-499(198
3)。
A.,and Yamamoto,K.R.,Cell, 33:489-499(198
3)。
【0247】7. Deans,R.J.,Denis,K.A.,Tay
lor,A.,and Wall,R.,Proc.Natl.Acad.Sc
i.,U.S.A.,81:1292−1296(1984) 8. Dellweg,H.-G.,Hotz,A.,Mugele,K.,an
d Gehring,U.,EMBO J.,1:285-289(1982)。
lor,A.,and Wall,R.,Proc.Natl.Acad.Sc
i.,U.S.A.,81:1292−1296(1984) 8. Dellweg,H.-G.,Hotz,A.,Mugele,K.,an
d Gehring,U.,EMBO J.,1:285-289(1982)。
【0248】9. Dynan,W.S.,and Tjian,R.,C
ell,32:669−680(1983)。
ell,32:669−680(1983)。
【0249】10. Garges,S.,and Adhya,S.,Ce
ll,41:745−751(1985)。
ll,41:745−751(1985)。
【0250】11. Gluzman,Y.,Cell,23:175−182
(1981)。
(1981)。
【0251】12. Gorman.C.M.,Moffat,L.F..,
and Howard,B.H.,Mol.Cell.B iol.,2:1044−1
051(1982a)。
and Howard,B.H.,Mol.Cell.B iol.,2:1044−1
051(1982a)。
【0252】13. Gorman.C.M.,Merlino,G.
T.,Willingham,M.C.,Pastan,I.,and Howard,
B.H.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,79:6777−67
81(1982b)。
T.,Willingham,M.C.,Pastan,I.,and Howard,
B.H.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,79:6777−67
81(1982b)。
【0253】14. Green, S.,Walter,P.,Kumar,
V.,Krust,A.,Bornert,J.M.,Argos,P.,and Cha
mbon,P.,Nature,320:134−139(1986)。
V.,Krust,A.,Bornert,J.M.,Argos,P.,and Cha
mbon,P.,Nature,320:134−139(1986)。
【0254】15. Green,G.L.,Gilna,P.,Waterfi
eld,M.,Baker,A.,Hort,Y.,andShine,J.,Scienc
e,321:1150−1154(1986)。
eld,M.,Baker,A.,Hort,Y.,andShine,J.,Scienc
e,321:1150−1154(1986)。
【0255】16. Harmon,J.M.,Eisen,H.J.,
Brower,S.T.,Simons,S.S.,Langley,C.L.,an
d Thompson,,E.B.,Cancer Res.,44:4540−4547
(1984)。
Brower,S.T.,Simons,S.S.,Langley,C.L.,an
d Thompson,,E.B.,Cancer Res.,44:4540−4547
(1984)。
【0256】17. Heberlein,U.,England,B.,and T
jian,R.,Cell,41:965−977(1985)。
jian,R.,Cell,41:965−977(1985)。
【0257】18. Hollenberg,S.M.,Weinberger,
C.,Ong,E.S.,Cerelli,G.,Oro,A.,Lebo,R.,
Thompson,E.B.,Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.
M.,Nat ure, 318:635−641(1985)。
C.,Ong,E.S.,Cerelli,G.,Oro,A.,Lebo,R.,
Thompson,E.B.,Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.
M.,Nat ure, 318:635−641(1985)。
【0258】19. Khoury,G.,and Gruss,P.,Molecu
lar Cloning:A Laboratory Manua l,Cold Spring
Harbor,New York(1982)。
lar Cloning:A Laboratory Manua l,Cold Spring
Harbor,New York(1982)。
【0259】20. Maxam,A.M.,and Gilbert,W.,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74:560−564(1977)。
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74:560−564(1977)。
【0260】21. McKay,D.B.,and Steitz,T.A.,
Nature,290:744−749(1981)。
Nature,290:744−749(1981)。
【0261】22. Miller,J.,McLachlan,A.D.,
and Klug,A.,EMBO J.4:1609−1614(1985)。
and Klug,A.,EMBO J.4:1609−1614(1985)。
【0262】23. Moreau,P.,Hen,R.,Wasylyk,B.,
Everett,R.,Gaub,M.P., and Chambon.P.,Nucl.
Acids Res.,9:6047−6067(1981)。
Everett,R.,Gaub,M.P., and Chambon.P.,Nucl.
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【0263】24. Parker,C.S.,and Topol,j.,Cel
l,37:273−283(1984)。
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【0264】25..Payvar,F.,DeFranco,D.,Firesto
ne,G.L.,Edgar,B.Wrange,O.,Okret,S.,Gusta
fsson,J.−A.,and Yamamoto,K.R.,Cell,35:381
−392(1983)。
ne,G.L.,Edgar,B.Wrange,O.,Okret,S.,Gusta
fsson,J.−A.,and Yamamoto,K.R.,Cell,35:381
−392(1983)。
【0265】26. Reichman,M.E.,Foster,C.M.,E
isen,L.P.,Eisen,H.J.,Torain,B.F.,and Simo
ns,S.S.,Jr.,Biochemistry,23:5376−5384(1984)。
isen,L.P.,Eisen,H.J.,Torain,B.F.,and Simo
ns,S.S.,Jr.,Biochemistry,23:5376−5384(1984)。
【0266】27. Ringold,G.M.,Yamamoto,K.R.,
Bishop,J.M.,and Varmus,H. E.,Proc.Nucl.Ac
ad.Sci.,USA 74:2879−2883(1977)。
Bishop,J.M.,and Varmus,H. E.,Proc.Nucl.Ac
ad.Sci.,USA 74:2879−2883(1977)。
【0267】28. Sawadogo,M.,and Roeder,R.G.,
Cell,43:165−175(1985)。
Cell,43:165−175(1985)。
【0268】29. Scholer,H.R.,and Gruss,P.,Ce
ll,36:403−411(1984)。
ll,36:403−411(1984)。
【0269】30. Shymala,G.,Biochem.Biophys.Re
s.Commun.,64:408−415(1975)。
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【0270】31. Ucker,D.S.,Firestone,G.L.,and Yama
moto,K.R.,Mol.Cell.Biol.,3:551−561(1983)。
moto,K.R.,Mol.Cell.Biol.,3:551−561(1983)。
【0271】32. Wasylyk,B.,Wasylyk,C.,Augerea
u,P.,and Chambon,P.,Cell, 32:503−514(198
3)。
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3)。
【0272】33. Weinberger,C.,Hollenberg,S.
M.,Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.M.,Nature,31
8:670−672(1985)。
M.,Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.M.,Nature,31
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【0273】34. Westphal,H.M.,Mugele,K.,
Beato,M.,and Gehring,U.,EMBO J.,3:1493
−1498(1984)。
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【0274】35. Wigler,M.,Sweet,R.,Sim,G.
K.,Wold,B.,Pellicer,A.,Lacy,E.,Maniatis,
T.,Silverstein,S.,and Axel,R.,Cell,16:777−
785(1979)。
K.,Wold,B.,Pellicer,A.,Lacy,E.,Maniatis,
T.,Silverstein,S.,and Axel,R.,Cell,16:777−
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【0275】36. Wrange,O.,Okret,S.,Radojci
c,M.,Carlstedt−Duke,J.,andGustafsson,J.−
A.,J.Biol.Chem.,259:4534−4541(1984)。
c,M.,Carlstedt−Duke,J.,andGustafsson,J.−
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【0276】37 Yamamoto,K.R.,Gehring,U.,Sta
mpfer,M.R.,and Sibley,C.,Rec.Prog.Hormone
Res.,32:3−32(1976)。
mpfer,M.R.,and Sibley,C.,Rec.Prog.Hormone
Res.,32:3−32(1976)。
【0277】38 Zaret,K.S.,and Yamamoto,K.
R.,Cell,38:29−38(1984)。
R.,Cell,38:29−38(1984)。
【0278】実験の部III c−erb−A遺伝子は甲状腺ホルモン受容体をコードするIII.A.概要および序論 ヒトグルココルチコイド受容体(hGR)の相補DNA
はその塩基配列が決定されており(Weinbergerら、198
5bおよび実験の部Iを参照)、機能的に活性であること
が分かっている(実験の部IIを参照)。興味あることに
は、その受容体の塩基配列解析により、それは鳥類の赤
芽球症ウイルス(AEV)のv−erb−A腫瘍遺伝子産物に
関係のあることが見出された(Weinberger ら、1985を
参照)。これはステロイド受容体とerb−A腫瘍遺伝子
産物が共通の原始的原型(primordial archetype)を共有
し、そしてerb−A原腫瘍遺伝子産物もまたDNAエン
ハンサー因子と結合する蛋白質でありうるという提案へ
導いた。ヒトエストロゲン(Greenら、1986 およびGr
eeneら、1986)、ニワトリプロゲステロン(Jeltschら、
1986およびConneelyら、1986)およびヒトアルドステ
ロン(J.Arriza,C.W.およびR.M.E.,未発
表データ)の最近の特性決定はこれらの結論をさらに支
持するものである。
はその塩基配列が決定されており(Weinbergerら、198
5bおよび実験の部Iを参照)、機能的に活性であること
が分かっている(実験の部IIを参照)。興味あることに
は、その受容体の塩基配列解析により、それは鳥類の赤
芽球症ウイルス(AEV)のv−erb−A腫瘍遺伝子産物に
関係のあることが見出された(Weinberger ら、1985を
参照)。これはステロイド受容体とerb−A腫瘍遺伝子
産物が共通の原始的原型(primordial archetype)を共有
し、そしてerb−A原腫瘍遺伝子産物もまたDNAエン
ハンサー因子と結合する蛋白質でありうるという提案へ
導いた。ヒトエストロゲン(Greenら、1986 およびGr
eeneら、1986)、ニワトリプロゲステロン(Jeltschら、
1986およびConneelyら、1986)およびヒトアルドステ
ロン(J.Arriza,C.W.およびR.M.E.,未発
表データ)の最近の特性決定はこれらの結論をさらに支
持するものである。
【0279】従って、我々はたとえヒトc−erb−A原腫
瘍遺伝子が機能的に確実に固定されなくとも、その遺伝
子の配列を決定することから始めた。これらの実験の進
行中に、グルココルチコイド受容体の機能的ドメイン
(実験の部IIを参照)の解説において進歩が見られ、h
GRのホルモン結合ドメインはカルボキシ末端の300
個のアミノ酸を包含する異常に大きい領域であることが
判明した。この全領域はv−erb−Aのカルボキシ末端と
のわずかではあるが有意な類似性を有し、それ故にステ
ロイドホルモンの作用と類似した転写調節作用を及ぼし
うる分子の部類に我々の関心が集中した。
瘍遺伝子が機能的に確実に固定されなくとも、その遺伝
子の配列を決定することから始めた。これらの実験の進
行中に、グルココルチコイド受容体の機能的ドメイン
(実験の部IIを参照)の解説において進歩が見られ、h
GRのホルモン結合ドメインはカルボキシ末端の300
個のアミノ酸を包含する異常に大きい領域であることが
判明した。この全領域はv−erb−Aのカルボキシ末端と
のわずかではあるが有意な類似性を有し、それ故にステ
ロイドホルモンの作用と類似した転写調節作用を及ぼし
うる分子の部類に我々の関心が集中した。
【0280】遺伝子発現の甲状腺ホルモン刺激の分子機
構はステロイドについて概略したものと類似していると
思われる(Eberhardtら、1980を参照)。甲状腺ホルモ
ンは試験したすべての脊索動物種に存在し、そして発生
および分化(例えば両生類の変態)に対して重要な作用
を及ぼす(Eberhardtら、1980を参照)。ステロイドと
同様に、甲状腺ホルモンは受動拡散によって細胞に入
り、高親和性核受容体と結合し、その後遺伝子発現の迅
速かつ選択的な活性化を仲介する(Tataら、1966およ
びOppenheimerら、1972)。この仮説を支持する証拠
は、ラット下垂体前葉のソマトトロピン生成細胞および
多数の関連するラットソマトトロピン生成細胞株におけ
る成長ホルモンおよびそのメッセンジャーRNAの誘導
の研究からもたらされた(Samuelsら、1973 およびTa
taら、1974)。甲状腺ホルモンはこれらの細胞における
成長ホルモン遺伝子の転写を速やかに増強する(Marti
al ら、1977 およびEvansら、1982)。この転写増強は
核甲状腺ホルモン−受容体複合体のレベルが上昇するこ
とにより達成され、時間および濃度に依存しているが、
蛋白質合成とは無関係である(Samuelsら、1976;Spind
lerら、1982;およびYaffeら、1984を参照)。
構はステロイドについて概略したものと類似していると
思われる(Eberhardtら、1980を参照)。甲状腺ホルモ
ンは試験したすべての脊索動物種に存在し、そして発生
および分化(例えば両生類の変態)に対して重要な作用
を及ぼす(Eberhardtら、1980を参照)。ステロイドと
同様に、甲状腺ホルモンは受動拡散によって細胞に入
り、高親和性核受容体と結合し、その後遺伝子発現の迅
速かつ選択的な活性化を仲介する(Tataら、1966およ
びOppenheimerら、1972)。この仮説を支持する証拠
は、ラット下垂体前葉のソマトトロピン生成細胞および
多数の関連するラットソマトトロピン生成細胞株におけ
る成長ホルモンおよびそのメッセンジャーRNAの誘導
の研究からもたらされた(Samuelsら、1973 およびTa
taら、1974)。甲状腺ホルモンはこれらの細胞における
成長ホルモン遺伝子の転写を速やかに増強する(Marti
al ら、1977 およびEvansら、1982)。この転写増強は
核甲状腺ホルモン−受容体複合体のレベルが上昇するこ
とにより達成され、時間および濃度に依存しているが、
蛋白質合成とは無関係である(Samuelsら、1976;Spind
lerら、1982;およびYaffeら、1984を参照)。
【0281】ステロイドホルモン作用と甲状腺ホルモン
作用との類似性は、erb−A蛋白質それ自体が甲状腺ホ
ルモン受容体でありうるという可能性を調べることへ導
いた。我々は初めにヒトc−erb−AのcDNAを単離し
て、その配列を決定した。その塩基配列から、ステロイ
ドホルモン受容体の推定上のDNA結合ドメインに類似
したシステイン/リシン/アルギニンに富む領域、およ
びそのステロイド結合ドメインとわずかに関連したカル
ボキシ末端領域を含む456個のアミノ酸から成るポリ
ペプチドが推定された。クローン化したステロイド受容
体のホルモン結合特性を調べるために開発された機能決
定(実験の部Iを参照)を用いて、我々はヒト c−erb
−AcDNAの翻訳産物が天然甲状腺ホルモン受容体分
子に特徴的な、固有の甲状腺ホルモン結合活性を保持す
ることを証明した。
作用との類似性は、erb−A蛋白質それ自体が甲状腺ホ
ルモン受容体でありうるという可能性を調べることへ導
いた。我々は初めにヒトc−erb−AのcDNAを単離し
て、その配列を決定した。その塩基配列から、ステロイ
ドホルモン受容体の推定上のDNA結合ドメインに類似
したシステイン/リシン/アルギニンに富む領域、およ
びそのステロイド結合ドメインとわずかに関連したカル
ボキシ末端領域を含む456個のアミノ酸から成るポリ
ペプチドが推定された。クローン化したステロイド受容
体のホルモン結合特性を調べるために開発された機能決
定(実験の部Iを参照)を用いて、我々はヒト c−erb
−AcDNAの翻訳産物が天然甲状腺ホルモン受容体分
子に特徴的な、固有の甲状腺ホルモン結合活性を保持す
ることを証明した。
【0282】III.B.c−erb−A cDNAの特性決定 ヒトc−erb−AcDNAを単離するために、v−erb−
A遺伝子のみを含むAEVゲノム領域から分離した50
0塩基対(bp)のPstIDNAフラグメント(Vennstr
omら、1980)を32P標識プロープとして使用して、2つ
のヒト胎盤cDNAライブラリーをスクリーニングし
た。それぞれ約106個のファージ組換え体の2つの独
立したライブラリーを選択することにより、2つの重複
するラムダgt10cDNAクローンが得られた。 pUC
8サブクローンからのcDNAクローンEcoRI挿入物
pheA4およびpheA12のそれぞれの制限地図を作成し
た(第14図)。これらの重複する1.5キロ塩基(kb)c
DNAクローンのヌクレオチド配列解析により、ヌクレ
オチド番号301に推定上のイニシエーターメチオニン
コドンおよびヌクレオチド番号1669にターミネータ
ーコドンを有する456個のアミノ酸の長いオープン・
リーディング・フレームを含むことが明らかになった
(第15図および第16図)。ATGの7コドン上流に
は読み枠内のターミネーターTAAが存在してイニシエ
ーターメチオニンに対する支持を与えているが、26コ
ドン下流に存在する別のメチオニンはこの割当てを不確
かなものにする。共通のポリアデニル化付加シグナル
(AATAAA,Proudfootら、1976を参照)はph
eA12のターミネーターとポリ(A)領域の間の27
ヌクレオチド中に存在しない。
A遺伝子のみを含むAEVゲノム領域から分離した50
0塩基対(bp)のPstIDNAフラグメント(Vennstr
omら、1980)を32P標識プロープとして使用して、2つ
のヒト胎盤cDNAライブラリーをスクリーニングし
た。それぞれ約106個のファージ組換え体の2つの独
立したライブラリーを選択することにより、2つの重複
するラムダgt10cDNAクローンが得られた。 pUC
8サブクローンからのcDNAクローンEcoRI挿入物
pheA4およびpheA12のそれぞれの制限地図を作成し
た(第14図)。これらの重複する1.5キロ塩基(kb)c
DNAクローンのヌクレオチド配列解析により、ヌクレ
オチド番号301に推定上のイニシエーターメチオニン
コドンおよびヌクレオチド番号1669にターミネータ
ーコドンを有する456個のアミノ酸の長いオープン・
リーディング・フレームを含むことが明らかになった
(第15図および第16図)。ATGの7コドン上流に
は読み枠内のターミネーターTAAが存在してイニシエ
ーターメチオニンに対する支持を与えているが、26コ
ドン下流に存在する別のメチオニンはこの割当てを不確
かなものにする。共通のポリアデニル化付加シグナル
(AATAAA,Proudfootら、1976を参照)はph
eA12のターミネーターとポリ(A)領域の間の27
ヌクレオチド中に存在しない。
【0283】ヒトc−erb−A cDNA翻訳オープン・
リーディング・フレーム内にコードされる相対分子量 5
2000(M1=52K)の推定上のポリペプチドは、AE
V中のウイルスgag配列(Debuireら、1984)から
下流の領域と82%のアミノ酸同一性を共有する。アミ
ノ酸の比較において大きな相違は見られなかった。ヒト
c−erb−Aアミノ酸配列はウイルスのアミノ酸残基37
から始まるウイルス蛋白質と相同である(第17図)。
c−erb−Aのカルボキシ末端はv−erb−Aのそれと次の
点で相違する:すなわち、2種のポリペプチドのアミノ
酸配列類似性がc−erb−Aの残基445およびv−erb−
A残基380で終止する(第17図)。
リーディング・フレーム内にコードされる相対分子量 5
2000(M1=52K)の推定上のポリペプチドは、AE
V中のウイルスgag配列(Debuireら、1984)から
下流の領域と82%のアミノ酸同一性を共有する。アミ
ノ酸の比較において大きな相違は見られなかった。ヒト
c−erb−Aアミノ酸配列はウイルスのアミノ酸残基37
から始まるウイルス蛋白質と相同である(第17図)。
c−erb−Aのカルボキシ末端はv−erb−Aのそれと次の
点で相違する:すなわち、2種のポリペプチドのアミノ
酸配列類似性がc−erb−Aの残基445およびv−erb−
A残基380で終止する(第17図)。
【0284】ヒトc−erb−A核酸配列とv−erb−Aのそ
れとを整列させると、ヒト遺伝子の約74%がアミノ酸
の相同領域(c−erb−Aのヌクレオチド 563−1636,デ
ータは示さず)においてウイルス遺伝子と同一であるこ
とが分かる。これらの比較は、染色体17にマッピング
される他のヒトerb−A遺伝子に関する以前のデータ
(Janssonら、1983;Spurrら、1984;およびDayton
ら、1984)と考え合わせると、我々の分離したヒト胎盤
c−erb−A遺伝子が別個のものであることを示す。2種
の染色体17erb−A遺伝子(我々は両方ともhc−erb−
Aアルファと呼ぶよう提案する)のうちの1種はヌクレ
オチド配列に関して82%がv−erb−A遺伝子と類似し
ており、アミノ酸配列に関しては89%が同一である
(Dayton ら、1984 を参照)。従って、我々が hc−er
b−Aベータと呼ぶよう提案する胎盤c−erb−A cD
NAは、hc−erb−Aアルファ遺伝子よりもウイルスerb
−A遺伝子との関連性がうすい。
れとを整列させると、ヒト遺伝子の約74%がアミノ酸
の相同領域(c−erb−Aのヌクレオチド 563−1636,デ
ータは示さず)においてウイルス遺伝子と同一であるこ
とが分かる。これらの比較は、染色体17にマッピング
される他のヒトerb−A遺伝子に関する以前のデータ
(Janssonら、1983;Spurrら、1984;およびDayton
ら、1984)と考え合わせると、我々の分離したヒト胎盤
c−erb−A遺伝子が別個のものであることを示す。2種
の染色体17erb−A遺伝子(我々は両方ともhc−erb−
Aアルファと呼ぶよう提案する)のうちの1種はヌクレ
オチド配列に関して82%がv−erb−A遺伝子と類似し
ており、アミノ酸配列に関しては89%が同一である
(Dayton ら、1984 を参照)。従って、我々が hc−er
b−Aベータと呼ぶよう提案する胎盤c−erb−A cD
NAは、hc−erb−Aアルファ遺伝子よりもウイルスerb
−A遺伝子との関連性がうすい。
【0285】ウイルスおよび細胞erb−A蛋白質産物と
グルココルチコイド受容体とのアミノ酸配列の比較は,
hGRのカルボキシ末端半分との段階的レベルの相同性
を示す(第17図)。最も高い類似性はc−erb−Aアミ
ノ酸残基102から始まって65個のアミノ酸から成る
システインに富む配列に見られる(Weinbergerら、1
985を参照)。hGRと比較した場合には47%のア
ミノ酸同一性が見られ、そしてc−erb−Aをヒトエスト
ロゲン受容体(hER)のアミノ酸配列と比較した場合
には52%の同一性が存在する(第17図)。我々はh
GRのこの領域がDNA結合ドメン4を表すと提案し
た。突然変異誘発および発現実験により、転写活性化に
おけるその役割の直接的証拠が得られた(実験の部IIを
参照)。システインに富むドメインから下流の領域(ホ
ルモン結合ドメインに相当する)には、ウイルスerb−
A産物において先に述べたようなhGRおよびhERと
の低下したしかし有意な(17%)相同性が存在する(W
einbergerら、1985;Greeneら、1986;およびGreen
ら、1986 を参照)。
グルココルチコイド受容体とのアミノ酸配列の比較は,
hGRのカルボキシ末端半分との段階的レベルの相同性
を示す(第17図)。最も高い類似性はc−erb−Aアミ
ノ酸残基102から始まって65個のアミノ酸から成る
システインに富む配列に見られる(Weinbergerら、1
985を参照)。hGRと比較した場合には47%のア
ミノ酸同一性が見られ、そしてc−erb−Aをヒトエスト
ロゲン受容体(hER)のアミノ酸配列と比較した場合
には52%の同一性が存在する(第17図)。我々はh
GRのこの領域がDNA結合ドメン4を表すと提案し
た。突然変異誘発および発現実験により、転写活性化に
おけるその役割の直接的証拠が得られた(実験の部IIを
参照)。システインに富むドメインから下流の領域(ホ
ルモン結合ドメインに相当する)には、ウイルスerb−
A産物において先に述べたようなhGRおよびhERと
の低下したしかし有意な(17%)相同性が存在する(W
einbergerら、1985;Greeneら、1986;およびGreen
ら、1986 を参照)。
【0286】III.C.多重 erb−A遺伝子 制限エンドヌクレアーゼ消化ヒト胎盤DNAIII.D.c−erb−A遺伝子の発現 種々のヒト細胞株またはヒト胎盤から分離した細胞質ポ
リ(A)含有RNAと、pheA4からの650bpBamH
I−PstIフラグメント(第14図)と、をハイブリダ
イズするノザン・ブロット(Northern blot)は、He
La およびMCF−7細胞中に最も豊富に存在する 200
0ヌクレオチドの単一のRNA種を明らかにした(第1
9(A)図)。mRNAの大きさは、我々がほぼ全長の
c−erb−AcDNAを分離したことを示す。HT108
0細胞は少量の2kb 転写物を含み、一方それはIM−
9細胞中に検出されない。ヒト胎盤は2.0kbのRNA
に加えて5,3および2.5kbの多数のRNA種を含むと思
われる。多数の胎盤バンドが核前駆体、または単一遺伝
子からの成熟mRNA、もしくは他のerb−A遺伝子の
産物を表すかどうかは定かでない。
リ(A)含有RNAと、pheA4からの650bpBamH
I−PstIフラグメント(第14図)と、をハイブリダ
イズするノザン・ブロット(Northern blot)は、He
La およびMCF−7細胞中に最も豊富に存在する 200
0ヌクレオチドの単一のRNA種を明らかにした(第1
9(A)図)。mRNAの大きさは、我々がほぼ全長の
c−erb−AcDNAを分離したことを示す。HT108
0細胞は少量の2kb 転写物を含み、一方それはIM−
9細胞中に検出されない。ヒト胎盤は2.0kbのRNA
に加えて5,3および2.5kbの多数のRNA種を含むと思
われる。多数の胎盤バンドが核前駆体、または単一遺伝
子からの成熟mRNA、もしくは他のerb−A遺伝子の
産物を表すかどうかは定かでない。
【0287】ヒトc−erb−A cDNAの蛋白質産物は
in vitro翻訳により同定した。全c−erb−Aコード領
域を含むcDNAは両方の向きで発現ベクターpGEM3
のEcoRI部位に挿入した。ウサギ網状赤血球溶解液中
での蛋白質合成をプログラミングするために、これらの
鋳型からT7ポリメラーゼにより合成したキャップ(ca
p)をもつRNA転写物を使用し、そして35S−メチオニ
ン標識産物をSDS−ポリアクリルアミドゲル上で分離
した(Laemmli,1970)。鋳型としてpeA101DNA
(erb−Aセンス転写物)を用いたときにはMr55,5
2および35Kの蛋白質が検出されたが(第19(B)
図、レーン3および4)、peA102DNA(erb−Aア
ンチセンス転写物)を用いたときには検出されなかった
(第19(B)図、レーン2)。55および52Kの産
物はそれぞれメチオニン1および27で翻訳を開始する
ポリペプチドに相当し(第15図)、35K産物は蛋白
質分解産物でありうる。
in vitro翻訳により同定した。全c−erb−Aコード領
域を含むcDNAは両方の向きで発現ベクターpGEM3
のEcoRI部位に挿入した。ウサギ網状赤血球溶解液中
での蛋白質合成をプログラミングするために、これらの
鋳型からT7ポリメラーゼにより合成したキャップ(ca
p)をもつRNA転写物を使用し、そして35S−メチオニ
ン標識産物をSDS−ポリアクリルアミドゲル上で分離
した(Laemmli,1970)。鋳型としてpeA101DNA
(erb−Aセンス転写物)を用いたときにはMr55,5
2および35Kの蛋白質が検出されたが(第19(B)
図、レーン3および4)、peA102DNA(erb−Aア
ンチセンス転写物)を用いたときには検出されなかった
(第19(B)図、レーン2)。55および52Kの産
物はそれぞれメチオニン1および27で翻訳を開始する
ポリペプチドに相当し(第15図)、35K産物は蛋白
質分解産物でありうる。
【0288】III.E.甲状腺ホルモンの結合 hGRのカルボキシ末端とhERのカルボキシ末端(ホ
ルモン結合ドメインを定める;Krustら、1986を参照)
の間の部分的アミノ酸配列相同性(40%)並びにステ
ロイドリガンドの構造的類似性は、ステロイド受容体が
調節蛋白質の1つのファミリーから成るという仮説を支
持するものである。c−erb−Aのカルボキシ末端とステ
ロイド受容体のカルボキシ末端と比較的少ない相同性
は、erb−A原腫瘍遺伝子が恐らくステロイド受容体を
コードしないことを示唆しており、erb−Aが他の分子
に応答しうるという仮説に一致する。我々はin vitro
翻訳がクローン化したステロイド受容体のホルモン結合
活性を同定する手段として使えることを示した(実験の
部Iを参照)。従って、推定上のc−erb−Aリガンドを
同定するために、この検定を利用した。
ルモン結合ドメインを定める;Krustら、1986を参照)
の間の部分的アミノ酸配列相同性(40%)並びにステ
ロイドリガンドの構造的類似性は、ステロイド受容体が
調節蛋白質の1つのファミリーから成るという仮説を支
持するものである。c−erb−Aのカルボキシ末端とステ
ロイド受容体のカルボキシ末端と比較的少ない相同性
は、erb−A原腫瘍遺伝子が恐らくステロイド受容体を
コードしないことを示唆しており、erb−Aが他の分子
に応答しうるという仮説に一致する。我々はin vitro
翻訳がクローン化したステロイド受容体のホルモン結合
活性を同定する手段として使えることを示した(実験の
部Iを参照)。従って、推定上のc−erb−Aリガンドを
同定するために、この検定を利用した。
【0289】ステロイドホルモンおよび甲状腺ホルモン
は基本的に類似した機構によりそれらの作用を及ぼす。
erb−A甲状腺ホルモン受容体でありうる可能性を引き
出すために、in vitro翻訳産物を125I−3,5,3’
−トリヨード−チロニン(125I−T3)とホルモン結合
反応条件下で混合した(Samuelsら、1974を参照)。非
特異的ホルモン結合は同様な試料に500倍過剰モル量
の冷却T3を加えることにより調べた。驚いたことに、
55および52Kポリペプチドを含む混合物(peA10
1)は125I−T3と結合したが、アンチセンスRNA−
プログラム化溶解液(peA102)はバックグラウンド
結合のみを示した。ホルモン結合はプロテアーゼに対し
て感受性であるが、ヌクレアーゼには非感受性である
(データは示さず)。クローン化 erb−A蛋白質に対す
る手段として使えることを示した(実験の部Iを参
照)。従って、推定上のc−erb−Aリガンドを同定する
ために、この検定を利用した。
は基本的に類似した機構によりそれらの作用を及ぼす。
erb−A甲状腺ホルモン受容体でありうる可能性を引き
出すために、in vitro翻訳産物を125I−3,5,3’
−トリヨード−チロニン(125I−T3)とホルモン結合
反応条件下で混合した(Samuelsら、1974を参照)。非
特異的ホルモン結合は同様な試料に500倍過剰モル量
の冷却T3を加えることにより調べた。驚いたことに、
55および52Kポリペプチドを含む混合物(peA10
1)は125I−T3と結合したが、アンチセンスRNA−
プログラム化溶解液(peA102)はバックグラウンド
結合のみを示した。ホルモン結合はプロテアーゼに対し
て感受性であるが、ヌクレアーゼには非感受性である
(データは示さず)。クローン化 erb−A蛋白質に対す
る手段として使えることを示した(実験の部Iを参
照)。従って、推定上のc−erb−Aリガンドを同定する
ために、この検定を利用した。
【0290】ステロイドホルモンおよび甲状腺ホルモン
は基本的に類似した機構によりそれらの作用を及ぼす。
erb−A甲状腺ホルモン受容体でありうる可能性を引き
出すために、in vitro翻訳産物を125I−3,5,3’
−トリヨード−チロニン(125I−T3)とホルモン結合
反応条件下で混合した(Samuelsら、1974を参
照)。非特異的ホルモン結合は同様な試料に500倍過
剰モル量の冷却T3を加えることにより調べた。驚いた
ことに、55および52Kポリペプチドを含む混合物
(peA101)は125I−T3と結合したが、アンチセン
スRNA−プログラム化溶解液(peA102)はバック
グラウンド結合のみを示した。ホルモン結合はプロテア
ーゼに対して感受性であるが、ヌクレアーゼには非感受
性である(データは示さず)。クローン化erb−A蛋白
質に対するT3親和性はスカッチャード分析により測定
した(第20(A)図)。5×10-11 MのKd 値が得
られ、これはHeLa細胞の核抽出物におけるT3結合
(6×10-11M)とほとんど同じである(データは示
さず)。
は基本的に類似した機構によりそれらの作用を及ぼす。
erb−A甲状腺ホルモン受容体でありうる可能性を引き
出すために、in vitro翻訳産物を125I−3,5,3’
−トリヨード−チロニン(125I−T3)とホルモン結合
反応条件下で混合した(Samuelsら、1974を参
照)。非特異的ホルモン結合は同様な試料に500倍過
剰モル量の冷却T3を加えることにより調べた。驚いた
ことに、55および52Kポリペプチドを含む混合物
(peA101)は125I−T3と結合したが、アンチセン
スRNA−プログラム化溶解液(peA102)はバック
グラウンド結合のみを示した。ホルモン結合はプロテア
ーゼに対して感受性であるが、ヌクレアーゼには非感受
性である(データは示さず)。クローン化erb−A蛋白
質に対するT3親和性はスカッチャード分析により測定
した(第20(A)図)。5×10-11 MのKd 値が得
られ、これはHeLa細胞の核抽出物におけるT3結合
(6×10-11M)とほとんど同じである(データは示
さず)。
【0291】特殊な甲状腺ホルモン類似体は、天然甲状
腺ホルモン受容体へのT3 結合に対し特徴的な競合パタ
ーンを有する。我々はin vitro で合成したerb−A産物
が天然および合成甲状腺ホルモンに対して同じ固有の親
和性を有するかどうか調べた。125I−T3結合は3,
5’,3’−トリヨードチロ酢酸(TRIAC)の場合
に最も効果的に競合され、それは300pMで125I−T
3結合の50%を阻害した(第20(B)図)。さら
に、L−チロキシン(第20(B)図)、D−T3およ
びrT3(3,3’,5’,−トリヨード−L−チロニ
ン)はT3よりも弱く競合し(第20(C)図)、一方
100μMのビタミンD3、アルドステロン、コルチゾ
ル、テストステロン、プロゲステロンまたはエストラジ
オールは競合せず(データは示さず)、ラット甲状腺ホ
ルモン受容体の生化学的性質と一致する(Samuelsら、
1974;Samuelsら、1979;およびLathamら、1976を参
照)。
腺ホルモン受容体へのT3 結合に対し特徴的な競合パタ
ーンを有する。我々はin vitro で合成したerb−A産物
が天然および合成甲状腺ホルモンに対して同じ固有の親
和性を有するかどうか調べた。125I−T3結合は3,
5’,3’−トリヨードチロ酢酸(TRIAC)の場合
に最も効果的に競合され、それは300pMで125I−T
3結合の50%を阻害した(第20(B)図)。さら
に、L−チロキシン(第20(B)図)、D−T3およ
びrT3(3,3’,5’,−トリヨード−L−チロニ
ン)はT3よりも弱く競合し(第20(C)図)、一方
100μMのビタミンD3、アルドステロン、コルチゾ
ル、テストステロン、プロゲステロンまたはエストラジ
オールは競合せず(データは示さず)、ラット甲状腺ホ
ルモン受容体の生化学的性質と一致する(Samuelsら、
1974;Samuelsら、1979;およびLathamら、1976を参
照)。
【0292】高塩(0.4M KCl)HeLa細胞核抽出物
は甲状腺ホルモン(125I−T3)結合活性を含むが、細
胞質または低塩(0.1MKCl)核抽出物には全く見ら
れなかった(データは示さず)。核抽出物における甲状
腺ホルモン結合の競合は、invitroで調製したc−erb−
A含有溶解液のそれと定量的に類似していた(第20
(B)図および(D)図を比較されたい)。さらに、検
出不能なレベルのc−erb−AmRNA(第19(A)
図、レーン4)を含むIM−9細胞由来の0.4MKCl
核抽出物を用いた甲状腺ホルモン結合は、類似のHeLa
細胞抽出物と比較したとき、ごくわずかである。これら
の結果はc−erb−A甲状腺ホルモン受容体であるという
直接的証拠を提供する。
は甲状腺ホルモン(125I−T3)結合活性を含むが、細
胞質または低塩(0.1MKCl)核抽出物には全く見ら
れなかった(データは示さず)。核抽出物における甲状
腺ホルモン結合の競合は、invitroで調製したc−erb−
A含有溶解液のそれと定量的に類似していた(第20
(B)図および(D)図を比較されたい)。さらに、検
出不能なレベルのc−erb−AmRNA(第19(A)
図、レーン4)を含むIM−9細胞由来の0.4MKCl
核抽出物を用いた甲状腺ホルモン結合は、類似のHeLa
細胞抽出物と比較したとき、ごくわずかである。これら
の結果はc−erb−A甲状腺ホルモン受容体であるという
直接的証拠を提供する。
【0293】III.F.結論 ここで得られたデータは、c−erb−A産物を甲状腺ホル
モン受容体として同定するための3つの基準をもたら
す。第一に、c−erb−Aの全体的な構造相同性はリガン
ド応答性調節蛋白質である可能性を示している。第二
に、発現された蛋白質産物は天然および合成甲状腺ホル
モンに対して天然受容体と同じ固有の親和性を有してい
る。第三に、erb−Aのin vitro 翻訳産物の分子量はフ
ォトアフィニティ標識ラット甲状腺ホルモン受容体と類
似している(Pascualら、1982)。甲状腺ホルモン
受容体としてのerb−Aの本性は、成長ホルモン遺伝子
のようなT3−応答性遺伝子のその転写調節を証明する
ことによりさらに実証されるであろう。
モン受容体として同定するための3つの基準をもたら
す。第一に、c−erb−Aの全体的な構造相同性はリガン
ド応答性調節蛋白質である可能性を示している。第二
に、発現された蛋白質産物は天然および合成甲状腺ホル
モンに対して天然受容体と同じ固有の親和性を有してい
る。第三に、erb−Aのin vitro 翻訳産物の分子量はフ
ォトアフィニティ標識ラット甲状腺ホルモン受容体と類
似している(Pascualら、1982)。甲状腺ホルモン
受容体としてのerb−Aの本性は、成長ホルモン遺伝子
のようなT3−応答性遺伝子のその転写調節を証明する
ことによりさらに実証されるであろう。
【0294】hGRおよびhMの分析により、これらの
蛋白質は一連の機能的ドメインから構成されていること
が明らかになった。(実験の部IおよびIV;Weinberge
rら、1985a;Carlstedt−Dukeら、1982;Dellwegら、
1982;Reichmanら、1984;およびShermanら、1978を
参照されたい。)これらはキセノプス(Xenopus)5S
遺伝子の第IIIA転写因子および他の転写調節蛋白質
(Millerら、1985;Berg,1985)に見られる反復した
システインに富む配列との構造的類似性を有するシステ
インに富む領域、並びにステロイド結合ドメインをコー
ドするカルボキシ末端領域(実験の部II;Weinberger
ら、1985a;およびKumarら、1986を参照)を含む。甲
状腺ホルモン受容体に類似したこの範囲はそのホルモン
結合領域がその分子のカルボキシ末端近傍に局在化する
ことを予告するであろう(第21図)。推定上のDNA
結合配列はシステインに富む領域に存在し(第21
図)、hGRおよびhERのDNA結合特性は局在化さ
れると思われる(実験の部II;Kumarら、1986;S.Ho
llenbergおよびR.M.E.、未発表データを参照)。
蛋白質は一連の機能的ドメインから構成されていること
が明らかになった。(実験の部IおよびIV;Weinberge
rら、1985a;Carlstedt−Dukeら、1982;Dellwegら、
1982;Reichmanら、1984;およびShermanら、1978を
参照されたい。)これらはキセノプス(Xenopus)5S
遺伝子の第IIIA転写因子および他の転写調節蛋白質
(Millerら、1985;Berg,1985)に見られる反復した
システインに富む配列との構造的類似性を有するシステ
インに富む領域、並びにステロイド結合ドメインをコー
ドするカルボキシ末端領域(実験の部II;Weinberger
ら、1985a;およびKumarら、1986を参照)を含む。甲
状腺ホルモン受容体に類似したこの範囲はそのホルモン
結合領域がその分子のカルボキシ末端近傍に局在化する
ことを予告するであろう(第21図)。推定上のDNA
結合配列はシステインに富む領域に存在し(第21
図)、hGRおよびhERのDNA結合特性は局在化さ
れると思われる(実験の部II;Kumarら、1986;S.Ho
llenbergおよびR.M.E.、未発表データを参照)。
【0295】III.G.甲状腺ホルモン受容体および腫
瘍形成 鳥類の赤芽球によるv−erb−A産物の発現は、完全に形
質転換された表現型の維持のために必要とされる(Gra
fら、1983;Frykberg ら、1983;Sealy ら、1983;お
よびKahnら、1986を参照)。v−erb−A遺伝子を欠失
したウイルスに感染したニワトリは比較的悪性でない症
状を呈するが、in vitroにおいてこれらの感染赤芽球は
自然に分化して、複合倍地を補給したときだけ生育す
る。しかしながら、erb−A+/erb−B+ウイルスに感染
した細胞は増大した自己回復能を有し、比較的未分化の
表現型を呈する。v−erb−A蛋白質の構造的変化は異常
な成長調節特性を及ぼす産物を生じさせるであろう。例
えば、カルボキシ末端における変化は甲状腺ホルモン結
合活性に影響を及ぼして、以前にヒトグルココルチコイ
ド受容体のベータ型において示したように、構成的に活
性な分子をもたらすかも知れない(実験の部IIおよびII
I;Weinbergerら、1985aを参照)。この場合の変化は
ステロイド結合活性を排除する。このドメインにおける
挿入変異もまたステロイド結合特性を不活性化する(実
験の部IIを参照)。しかしながらホルモン結合領域の欠
失は構成的に活性な受容体を生じさせ、このことはこの
ドメインが転写活性化において調節的役割を演じている
ことを示す(V.GiguereおよびR.M.E.,未発表
データ)。これらのデータは、v−erb−Aがホルモンと
結合しそうもなく、むしろ甲状腺ホルモン受容体の構成
的に活性な形体であることを推測させる。甲状腺ホルモ
ン受容体としてのerb−A同定は、腫瘍の原因となる形
質転換にエンハンサーおよびそれらの結合蛋白質を巻き
込む最初の直接的証拠を提供する。
瘍形成 鳥類の赤芽球によるv−erb−A産物の発現は、完全に形
質転換された表現型の維持のために必要とされる(Gra
fら、1983;Frykberg ら、1983;Sealy ら、1983;お
よびKahnら、1986を参照)。v−erb−A遺伝子を欠失
したウイルスに感染したニワトリは比較的悪性でない症
状を呈するが、in vitroにおいてこれらの感染赤芽球は
自然に分化して、複合倍地を補給したときだけ生育す
る。しかしながら、erb−A+/erb−B+ウイルスに感染
した細胞は増大した自己回復能を有し、比較的未分化の
表現型を呈する。v−erb−A蛋白質の構造的変化は異常
な成長調節特性を及ぼす産物を生じさせるであろう。例
えば、カルボキシ末端における変化は甲状腺ホルモン結
合活性に影響を及ぼして、以前にヒトグルココルチコイ
ド受容体のベータ型において示したように、構成的に活
性な分子をもたらすかも知れない(実験の部IIおよびII
I;Weinbergerら、1985aを参照)。この場合の変化は
ステロイド結合活性を排除する。このドメインにおける
挿入変異もまたステロイド結合特性を不活性化する(実
験の部IIを参照)。しかしながらホルモン結合領域の欠
失は構成的に活性な受容体を生じさせ、このことはこの
ドメインが転写活性化において調節的役割を演じている
ことを示す(V.GiguereおよびR.M.E.,未発表
データ)。これらのデータは、v−erb−Aがホルモンと
結合しそうもなく、むしろ甲状腺ホルモン受容体の構成
的に活性な形体であることを推測させる。甲状腺ホルモ
ン受容体としてのerb−A同定は、腫瘍の原因となる形
質転換にエンハンサーおよびそれらの結合蛋白質を巻き
込む最初の直接的証拠を提供する。
【0296】III.H.調節遺伝子のスーパーファミリ
ー ステロイド受容体とv−erb−A腫瘍遺伝子産物との類似
性は、これらが原始的な受容体遺伝子から進化したもの
であると我々が提案するのに十分であった(Weinberge
rら、1985a)。2つの驚くべき結果がここに示した
実験から得られた。第一は、erb−A原腫瘍遺伝子のフ
ァミリーの存在が甲状腺ホルモン受容体と密接に関連し
た1種またはそれ以上の他の分子の存在を暗示するとい
うことである。生理学的研究は第二のクラスの甲状腺ホ
ルモン受容体の存在を予告しなかった。従ってこのファ
ミリーの同定は発生およびホメオスタシス調節の機構に
新たな光を投げかけるかも知れない。これらの結果から
得られた第二の驚くべき観察は、甲状腺ホルモン受容体
とステロイドホルモン受容体ファミリーとの密接な関係
である。この関係は、これらの分子がすべてより複雑な
真核生物の次第に高まる発生学的および生理学的要求に
適合すべく進化の過程で生じた調節蛋白質のスーパーフ
ァミリーの一部でありうることを示している。
ー ステロイド受容体とv−erb−A腫瘍遺伝子産物との類似
性は、これらが原始的な受容体遺伝子から進化したもの
であると我々が提案するのに十分であった(Weinberge
rら、1985a)。2つの驚くべき結果がここに示した
実験から得られた。第一は、erb−A原腫瘍遺伝子のフ
ァミリーの存在が甲状腺ホルモン受容体と密接に関連し
た1種またはそれ以上の他の分子の存在を暗示するとい
うことである。生理学的研究は第二のクラスの甲状腺ホ
ルモン受容体の存在を予告しなかった。従ってこのファ
ミリーの同定は発生およびホメオスタシス調節の機構に
新たな光を投げかけるかも知れない。これらの結果から
得られた第二の驚くべき観察は、甲状腺ホルモン受容体
とステロイドホルモン受容体ファミリーとの密接な関係
である。この関係は、これらの分子がすべてより複雑な
真核生物の次第に高まる発生学的および生理学的要求に
適合すべく進化の過程で生じた調節蛋白質のスーパーフ
ァミリーの一部でありうることを示している。
【0297】III.I.実験の部IIIに関連した図面の詳
細な説明 第14−16図 ヒト胎盤c−erb−A cDNAの制限地図および塩基配
列決定計画(14)、並びにそのヌクレオチド配列およ
び推定上のアミノ酸配列(15−16)。a.複合制限
地図に対する2つのサブクローンpheA4およびpheA1
2の方向性。共通の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を
線状地図の上に示す。細線、非翻訳配列;斜線ボック
ス、erb−Aコード領域;矢印、塩基配列を決定したD
NAフラグメント。b.複合erb−AcDNAのヌクレ
オチド配列を5’→3’の方向で示す。ウイルスerb−
A蛋白質21に関する翻訳オープン・リーディング・フレ
ームをヌクレオチド配列の上に示す。アデノシン残基
(約130個)がpheA12の3’末端に存在する。翻
訳配列の上の番号はアミノ酸残基を示し、そしてヌクレ
オチド番号はその配列の右側に示す。
細な説明 第14−16図 ヒト胎盤c−erb−A cDNAの制限地図および塩基配
列決定計画(14)、並びにそのヌクレオチド配列およ
び推定上のアミノ酸配列(15−16)。a.複合制限
地図に対する2つのサブクローンpheA4およびpheA1
2の方向性。共通の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を
線状地図の上に示す。細線、非翻訳配列;斜線ボック
ス、erb−Aコード領域;矢印、塩基配列を決定したD
NAフラグメント。b.複合erb−AcDNAのヌクレ
オチド配列を5’→3’の方向で示す。ウイルスerb−
A蛋白質21に関する翻訳オープン・リーディング・フレ
ームをヌクレオチド配列の上に示す。アデノシン残基
(約130個)がpheA12の3’末端に存在する。翻
訳配列の上の番号はアミノ酸残基を示し、そしてヌクレ
オチド番号はその配列の右側に示す。
【0298】第14−16図の方法 2つのヒト胎盤ラムダgt10DNAライブラリー(Huy
nhら、1985)のそれぞれからの組換えファージ(約10
6個)はpAEV−11(Vennstromら、1980)から単離
した500bp PstIフラグメント(ニック・トランス
レーションを行ったもの;Rigbyら、1977)を用いてス
クリーニングした。ハイブリダイゼーション混合物は5
0%ホルムアミド、1×デンハート溶液、5×SSP
E、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、100
μg/ml変性サケ精子DNAおよび106cpm/mlの32
P標識PstIフラグメント(比活性=1×108cpm/μ
g)を含んでいた。2通りのニトロセルロースフィルタ
ーを37℃で18時間ハイブリダイズさせ、0.1×SS
C、0.1%SDS(1×SSC=150mM NaCl、15m
Mクエン酸三ナトリウム)で20分ずつ3回洗い、そし
て増感紙を用いて−70℃でオートラジオグラフィーに
かけた。2つのハイブリダイゼーション陽性クローンが
単離され、それをpUC8のEcoRI部位にサブクロー
ニングし、その後化学的切断方法により塩基配列を決定
した(Maxamら、1977)。
nhら、1985)のそれぞれからの組換えファージ(約10
6個)はpAEV−11(Vennstromら、1980)から単離
した500bp PstIフラグメント(ニック・トランス
レーションを行ったもの;Rigbyら、1977)を用いてス
クリーニングした。ハイブリダイゼーション混合物は5
0%ホルムアミド、1×デンハート溶液、5×SSP
E、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、100
μg/ml変性サケ精子DNAおよび106cpm/mlの32
P標識PstIフラグメント(比活性=1×108cpm/μ
g)を含んでいた。2通りのニトロセルロースフィルタ
ーを37℃で18時間ハイブリダイズさせ、0.1×SS
C、0.1%SDS(1×SSC=150mM NaCl、15m
Mクエン酸三ナトリウム)で20分ずつ3回洗い、そし
て増感紙を用いて−70℃でオートラジオグラフィーに
かけた。2つのハイブリダイゼーション陽性クローンが
単離され、それをpUC8のEcoRI部位にサブクロー
ニングし、その後化学的切断方法により塩基配列を決定
した(Maxamら、1977)。
【0299】第17図 v−erb−A腫瘍遺伝子産物、ヒト胎盤c−erb−Aポリペ
プチド、およびヒトグルココルチコイド受容体並びにヒ
トエストロゲン受容体のカルボキシ末端部分のアミノ酸
配列比較。v−erb−A蛋白質(上段の配列)とヒト胎盤
c−erb−Aポリペプチド(第二段の配列)との翻訳アミ
ノ酸配列は、対応する残基を整列させることにより比較
した。3個以上のアミノ酸配列の同時比較用のコンピュ
ータプログラム(Johnsonら、1986)は、c−erb−
A、ヒトグルココルチコイド受容体(第三段のhGR配
列;実験の部I、第3および4図を参照)、およびヒト
エストロゲン受容体(下段のhER配列;Green ら、1
986を参照)のカルボキシ末端アミノ酸配列を、各配列
の所定のセグメントの漸進的評価に基づいて整列させる
べく用いられた。少なくとも3種のポリペプチド間で一
致するアミノ酸残基をボックスで囲った。2種の erb−
Aポリペプチド間のアミノ酸の一致は、各欄の上段配列
の上に星印で示した。ステロイド受容体間のアミノ酸配
列の同一性は、配列の下に十字形の印で示した。ハイフ
ン、ギャップは比較の際にアミノ酸の同一性の数を最大
とするために挿入した。4種のポリペプチド間に保存さ
れたシステイン残基は黒地に白で印刷した。
プチド、およびヒトグルココルチコイド受容体並びにヒ
トエストロゲン受容体のカルボキシ末端部分のアミノ酸
配列比較。v−erb−A蛋白質(上段の配列)とヒト胎盤
c−erb−Aポリペプチド(第二段の配列)との翻訳アミ
ノ酸配列は、対応する残基を整列させることにより比較
した。3個以上のアミノ酸配列の同時比較用のコンピュ
ータプログラム(Johnsonら、1986)は、c−erb−
A、ヒトグルココルチコイド受容体(第三段のhGR配
列;実験の部I、第3および4図を参照)、およびヒト
エストロゲン受容体(下段のhER配列;Green ら、1
986を参照)のカルボキシ末端アミノ酸配列を、各配列
の所定のセグメントの漸進的評価に基づいて整列させる
べく用いられた。少なくとも3種のポリペプチド間で一
致するアミノ酸残基をボックスで囲った。2種の erb−
Aポリペプチド間のアミノ酸の一致は、各欄の上段配列
の上に星印で示した。ステロイド受容体間のアミノ酸配
列の同一性は、配列の下に十字形の印で示した。ハイフ
ン、ギャップは比較の際にアミノ酸の同一性の数を最大
とするために挿入した。4種のポリペプチド間に保存さ
れたシステイン残基は黒地に白で印刷した。
【0300】第18(A),(B)および(C)図 c−erb−A DNAプローブによるヒト胎盤DNAのサ
ザン分析および染色体マッピング。A.妊娠期間終決後
のヒト胎盤DNAを制限エンドヌクレアーゼで消化し、
生成物を0.8%アガロースゲルで分離した。DNAはニ
トロセルロース紙に移行させ(Southern,197
5)、pheA4由来の450bp SstIフラグメント(ニ
ック・トランスレーションを行って、比活性5×108c
pm/μgとした)を用いて50%ホルムアミド、5×S
SPE、1×デンハート溶液、0.1%SDS、100μ
g/mlサケ精子DNA中でハイブリダイズさせた。フ
ィルターを0.1×SSC、0.1%SDS中で60℃に
て洗い、その後増感紙を用いて−70℃でX線フィルム
に露光した。ラムダHindIIIDNAマーカー(Kbでの
サイズ)をオートラジオグラムの左側に並べる。B.非
ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下での上
記セクションaと同じc−erb−Aプローブを用いた胎盤
DNAの分析。同じ試料を含む類似のブロットをセクシ
ョンaのようにハイブリダイズさせた(但し、35%ホ
ルムアミドを使用)。ハイブリダイズしたフィルターは
2×SSC、0.1%SDS中で55℃にて洗い、その後
上記の如くX線フィルムに露光した。C.ヒトc−erb−
A遺伝子の染色体マッピング。ヒトリンパ球染色体をレ
ーザー・サイトフルオロメトリー(Lebo ら、1984)に
より分離し、セクションbで説明した非ストリンジェン
トハイブリダイゼーション条件下に、pheA4由来の1.
5kb EcoRI挿入物をプローブとして使用して検索し
た。
ザン分析および染色体マッピング。A.妊娠期間終決後
のヒト胎盤DNAを制限エンドヌクレアーゼで消化し、
生成物を0.8%アガロースゲルで分離した。DNAはニ
トロセルロース紙に移行させ(Southern,197
5)、pheA4由来の450bp SstIフラグメント(ニ
ック・トランスレーションを行って、比活性5×108c
pm/μgとした)を用いて50%ホルムアミド、5×S
SPE、1×デンハート溶液、0.1%SDS、100μ
g/mlサケ精子DNA中でハイブリダイズさせた。フ
ィルターを0.1×SSC、0.1%SDS中で60℃に
て洗い、その後増感紙を用いて−70℃でX線フィルム
に露光した。ラムダHindIIIDNAマーカー(Kbでの
サイズ)をオートラジオグラムの左側に並べる。B.非
ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下での上
記セクションaと同じc−erb−Aプローブを用いた胎盤
DNAの分析。同じ試料を含む類似のブロットをセクシ
ョンaのようにハイブリダイズさせた(但し、35%ホ
ルムアミドを使用)。ハイブリダイズしたフィルターは
2×SSC、0.1%SDS中で55℃にて洗い、その後
上記の如くX線フィルムに露光した。C.ヒトc−erb−
A遺伝子の染色体マッピング。ヒトリンパ球染色体をレ
ーザー・サイトフルオロメトリー(Lebo ら、1984)に
より分離し、セクションbで説明した非ストリンジェン
トハイブリダイゼーション条件下に、pheA4由来の1.
5kb EcoRI挿入物をプローブとして使用して検索し
た。
【0301】第19(A)および(B)図 ヒトc−erb−Aの発現。A.ヒト細胞株およびヒト胎盤
からのRNAのノザン分析。HeLa、MCF−7および
IM−9細胞からの細胞質ポリ(A)含有RNA(12μ
g)、またはHT1080もしくは胎盤からの全ポリ
(A)RNAはホルムアルデヒドを含有する1%アガロ
ースゲル上で分離し、ニトロセルロースに移行させ(Th
omas,1980)、そしてニック・トランスレーションを行
った650bp BamHI−PstIpheA4フラグメント
を用いて検索した。細胞質RNAは等張緩衝液および0.
5%NP40を用いて細胞株から分離し、一方胎盤RN
Aはグアニジンチオシアネートを用いて新鮮な組織から
抽出した(Chirgwinら、1979)。レーン1,HeLa;レ
ーン2、HT1080;レーン3,ヒト胎盤;レーン
4,IM−9;レーン5,MCF−7。B.in vitroで
のerb−Aポリペプチドの合成。T7ポリメラーゼによ
り触媒されたRNA転写物を用いて合成した35S−メチ
オニン標識産物は12.5%SDS−ポリアクリルアミドゲ
ル上で分離し、フルオログラフィー(EN3HANC
E,ニューイングランドヌクレアー)にかけた。レーン
1,対照(mRNA不含);レーン2,peA102(ア
ンチセンスRNA,4μl);レーン3,peA101
(センスRNA,1μl);レーン4,peA101(4
μlRNA)。蛋白質標準のサイズ:血清アルブミン,6
6.2K;卵アルブミン,4.5K;およびカルボニックアン
ヒドラーゼ,31K。
からのRNAのノザン分析。HeLa、MCF−7および
IM−9細胞からの細胞質ポリ(A)含有RNA(12μ
g)、またはHT1080もしくは胎盤からの全ポリ
(A)RNAはホルムアルデヒドを含有する1%アガロ
ースゲル上で分離し、ニトロセルロースに移行させ(Th
omas,1980)、そしてニック・トランスレーションを行
った650bp BamHI−PstIpheA4フラグメント
を用いて検索した。細胞質RNAは等張緩衝液および0.
5%NP40を用いて細胞株から分離し、一方胎盤RN
Aはグアニジンチオシアネートを用いて新鮮な組織から
抽出した(Chirgwinら、1979)。レーン1,HeLa;レ
ーン2、HT1080;レーン3,ヒト胎盤;レーン
4,IM−9;レーン5,MCF−7。B.in vitroで
のerb−Aポリペプチドの合成。T7ポリメラーゼによ
り触媒されたRNA転写物を用いて合成した35S−メチ
オニン標識産物は12.5%SDS−ポリアクリルアミドゲ
ル上で分離し、フルオログラフィー(EN3HANC
E,ニューイングランドヌクレアー)にかけた。レーン
1,対照(mRNA不含);レーン2,peA102(ア
ンチセンスRNA,4μl);レーン3,peA101
(センスRNA,1μl);レーン4,peA101(4
μlRNA)。蛋白質標準のサイズ:血清アルブミン,6
6.2K;卵アルブミン,4.5K;およびカルボニックアン
ヒドラーゼ,31K。
【0302】第19(A)および(B)図の方法 c−erb−Aの全コード領域を含むphrA12由来のEco
RI挿入物は両方の向きでpGEM3(Promega Bio
tec社)のEcoRI部位へ挿入した。プラスミドDNA
のpeA101およびpeA102をHindIIIで線状とな
し、0.8%アガロースゲル上で精製し、そしてT7ポリ
メラーゼにより触媒されるin vitroRNA合成のための
鋳型として使用した(実験の部Iを参照)。P60クロ
マトグラフィー後に、全核酸物質(2μg)はウサギ網状
赤血球溶解液系(Promega Biotec社)中で35S−メ
チニオン(25μCi,1100Ci/m mol)を用いて
最終容量25μlにて蛋白質翻訳を行わせるべく使用し
た。
RI挿入物は両方の向きでpGEM3(Promega Bio
tec社)のEcoRI部位へ挿入した。プラスミドDNA
のpeA101およびpeA102をHindIIIで線状とな
し、0.8%アガロースゲル上で精製し、そしてT7ポリ
メラーゼにより触媒されるin vitroRNA合成のための
鋳型として使用した(実験の部Iを参照)。P60クロ
マトグラフィー後に、全核酸物質(2μg)はウサギ網状
赤血球溶解液系(Promega Biotec社)中で35S−メ
チニオン(25μCi,1100Ci/m mol)を用いて
最終容量25μlにて蛋白質翻訳を行わせるべく使用し
た。
【0303】第20(A),(B),(C)および(D)
図 in vitroで合成したerb−Aポリペプチドへの甲状腺ホ
ルモンの結合。A.invitro で合成したerb−Aポリペ
プチドの125I−T3結合のスカッチャード分析。erb−
Aポリペプチド(全容量2ml中のin vitro翻訳混合物
からの2μl)は異なる125I−T3濃度での結合した標
識ホルモン量および遊離の標識ホルモン量を測定するた
めにヒドロキシルアパタイトを用いて特異的甲状腺ホル
モン結合活性について検定した(Gruol,1980)。B.
in vitroで合成した erb−Aポリペプチドへの125I−
T3結合に対する甲状腺ホルモン類似体の競合。peA1
01(センス鎖)−プログラム化反応からの試料(2μ
l)は、次第に増加する濃度の未標識甲状腺ホルモンま
たは類似体(標識ホルモンと競合する)と共に125I−
T3標識結合反応(Samuelsら、1974)において使用し
た。特異的に結合した甲状腺ホルモンを競合化合物の濃
度に対してプロットする。C.in vitroで合成したerb
−Aポリペプチドへの125I−T3結合に対するトリヨー
ドチロニン異性体の競合。結合反応は次第に増加する濃
度のT3異性体を加えて上記の通りに行った。erb−Aに
結合した甲状腺ホルモンは縦座標上にプロットする。
D.0.4MKCl HeLa 細胞核抽出物への125I−
T3結合に対する甲状腺ホルモン類似体の競合。HeLa
細胞核は0.4 M KClを含む緩衝液で抽出した(Sam
uelsら、1974)。蛋白質抽出物(25μl)(バイオー
ラッド蛋白質検定法により測定)は次第に増加する濃度
の甲状腺ホルモンおよび類似体を含む標準結合反応混合
物中で0.6nM125I−T3と混合した(Samuelsら、197
4;Lathamら、1976)。
図 in vitroで合成したerb−Aポリペプチドへの甲状腺ホ
ルモンの結合。A.invitro で合成したerb−Aポリペ
プチドの125I−T3結合のスカッチャード分析。erb−
Aポリペプチド(全容量2ml中のin vitro翻訳混合物
からの2μl)は異なる125I−T3濃度での結合した標
識ホルモン量および遊離の標識ホルモン量を測定するた
めにヒドロキシルアパタイトを用いて特異的甲状腺ホル
モン結合活性について検定した(Gruol,1980)。B.
in vitroで合成した erb−Aポリペプチドへの125I−
T3結合に対する甲状腺ホルモン類似体の競合。peA1
01(センス鎖)−プログラム化反応からの試料(2μ
l)は、次第に増加する濃度の未標識甲状腺ホルモンま
たは類似体(標識ホルモンと競合する)と共に125I−
T3標識結合反応(Samuelsら、1974)において使用し
た。特異的に結合した甲状腺ホルモンを競合化合物の濃
度に対してプロットする。C.in vitroで合成したerb
−Aポリペプチドへの125I−T3結合に対するトリヨー
ドチロニン異性体の競合。結合反応は次第に増加する濃
度のT3異性体を加えて上記の通りに行った。erb−Aに
結合した甲状腺ホルモンは縦座標上にプロットする。
D.0.4MKCl HeLa 細胞核抽出物への125I−
T3結合に対する甲状腺ホルモン類似体の競合。HeLa
細胞核は0.4 M KClを含む緩衝液で抽出した(Sam
uelsら、1974)。蛋白質抽出物(25μl)(バイオー
ラッド蛋白質検定法により測定)は次第に増加する濃度
の甲状腺ホルモンおよび類似体を含む標準結合反応混合
物中で0.6nM125I−T3と混合した(Samuelsら、197
4;Lathamら、1976)。
【0304】第20(A),(B),(C)および(D)図の方法 標識125I−3,3’,5−トリヨード−L−チロニン
(New England Nuclear社製,2200Ci/m mol
0.3nM最終)はT3−結合緩衝液(0.25Mシュークロ
ース,0.25M KCl,20mMトリス−HCl(pH7.
5),1mM MgCl2,2mM EDTA,5mMジチオ
トレイト−ル(DTT))(Samuelsら、1974)中でin
vitro 翻訳混合物(第19(A)にて説明)中で合成し
たerb−Aポリペプチドと最終容量250μlにて0℃
で2時間混合した。特異的ホルモン結合は 1000倍過剰
の未標識ホルモンを加えることにより測定し、セファデ
ックスG−25微粒子(Pharmacia社)0.9×4.0cmカラ
ムから排除容量中に溶出される放射能を計数することに
より検定した(Samuelsら、1974)。
(New England Nuclear社製,2200Ci/m mol
0.3nM最終)はT3−結合緩衝液(0.25Mシュークロ
ース,0.25M KCl,20mMトリス−HCl(pH7.
5),1mM MgCl2,2mM EDTA,5mMジチオ
トレイト−ル(DTT))(Samuelsら、1974)中でin
vitro 翻訳混合物(第19(A)にて説明)中で合成し
たerb−Aポリペプチドと最終容量250μlにて0℃
で2時間混合した。特異的ホルモン結合は 1000倍過剰
の未標識ホルモンを加えることにより測定し、セファデ
ックスG−25微粒子(Pharmacia社)0.9×4.0cmカラ
ムから排除容量中に溶出される放射能を計数することに
より検定した(Samuelsら、1974)。
【0305】第21図 ステロイドホルモン受容体と甲状腺ホルモン受容体との
模式図による比較。第17図に示した受容体分子のアミ
ノ酸配列を模式図で表す。CYS,受容体蛋白質に見ら
れる推定上のDNA結合ドメインをコードするシステイ
ンに富む領域(Cysに富む領域の残基は:c−erb−A,
102−169;hGR,421−486;hER,18
5−250);Cortisol,EstradiolおよびT3/
T4,カルボキシル末端のホルモン結合領域;IMM,
ヒトグルココルチコイド受容体の免疫原領域。ボックス
を分離する数字,垂直破線間の受容体種同士のアミノ酸
同一性のパーセンテージ;hER,ヒトエストロゲン受
容体;hGR,ヒトグルココルチコイド受容体;hc−er
b−Aベータ,ヒト甲状腺ホルモン受容体。
模式図による比較。第17図に示した受容体分子のアミ
ノ酸配列を模式図で表す。CYS,受容体蛋白質に見ら
れる推定上のDNA結合ドメインをコードするシステイ
ンに富む領域(Cysに富む領域の残基は:c−erb−A,
102−169;hGR,421−486;hER,18
5−250);Cortisol,EstradiolおよびT3/
T4,カルボキシル末端のホルモン結合領域;IMM,
ヒトグルココルチコイド受容体の免疫原領域。ボックス
を分離する数字,垂直破線間の受容体種同士のアミノ酸
同一性のパーセンテージ;hER,ヒトエストロゲン受
容体;hGR,ヒトグルココルチコイド受容体;hc−er
b−Aベータ,ヒト甲状腺ホルモン受容体。
【0306】III−J.実験の部IIIで引用した文献 1.Berg,J.,Science,232:485−487(1985)。
【0307】2.Carlstedt−Duke,J.,Okret,
S.,Wrange,O.,and Gustafsson,J.-A.,Proc.N
atl.Acad.Sci.,U.S.A.,79:4260−4264(198
2)。
S.,Wrange,O.,and Gustafsson,J.-A.,Proc.N
atl.Acad.Sci.,U.S.A.,79:4260−4264(198
2)。
【0308】3.Chirgwin,J.M.,Przybyla,A.
F.,MacDonald,R.J.,and Rutter,W.F.,Bioc
hemistry,18:5294−5299(1979)。
F.,MacDonald,R.J.,and Rutter,W.F.,Bioc
hemistry,18:5294−5299(1979)。
【0309】4.Conneely,O.M.,et al.,Scienc
e,233:767−770(1986)。
e,233:767−770(1986)。
【0310】5.Dayton,A.I.,Proc.Natl.Ac
ad.Sci.,USA,81:4495−4499(1984)。
ad.Sci.,USA,81:4495−4499(1984)。
【0311】6.Debuire,B.,et al.,Science,22
4:1456−1459(1984)。
4:1456−1459(1984)。
【0312】7.Dejean,A.,Bougueleret,L.,
Grzeschik,K.−H.,and Tiollais,P.,Nature,
322:70−72(1986)。
Grzeschik,K.−H.,and Tiollais,P.,Nature,
322:70−72(1986)。
【0313】8.Dellweg,H.−G.,Hotz,A.,
Mugelr,K.,and Gehring,U.,EMBO J.,
1:285−289(1982)。
Mugelr,K.,and Gehring,U.,EMBO J.,
1:285−289(1982)。
【0314】9.Eberhardt,N.L.,Apriletti,
J.W.,and Baxter,J.D.in Bioc hemical Actio
ns of Hormones,Vol.VII(ed.Litwack,G.),p
p.311−394,Academic,New York(1980)。
J.W.,and Baxter,J.D.in Bioc hemical Actio
ns of Hormones,Vol.VII(ed.Litwack,G.),p
p.311−394,Academic,New York(1980)。
【0315】10. Evans,R.M.,Birnberg,N.
C.,and Rosenfeld,M.G.,Proc.N atl.Acad.
Sci.,USA,79:7659−7663(1982)。
C.,and Rosenfeld,M.G.,Proc.N atl.Acad.
Sci.,USA,79:7659−7663(1982)。
【0316】11. Fryberg,L.,et al.,Cell,32:
227−238(1983)。
227−238(1983)。
【0317】12. Graf,T.,and Beug,H.,Cel
l,34:7−9(1983)。
l,34:7−9(1983)。
【0318】13. Green,S.,et al.,Nature,32
0:134−139(1986)。
0:134−139(1986)。
【0319】14. Greene,G.L.,et al.,Science,
231:1150−1154(1986)。
231:1150−1154(1986)。
【0320】15. Gruol,D.J.,Analyt.Bioche
m.,101:387−393(1980)。
m.,101:387−393(1980)。
【0321】16. Huynh,T.V.,Young,R.A.,and
Davis,R.W.,in DNA Cloning,a Practical Appr
oach,Vol.1(ed.Glover,D.,pp.49−78,IRL
Press,Oxford(1985)。
Davis,R.W.,in DNA Cloning,a Practical Appr
oach,Vol.1(ed.Glover,D.,pp.49−78,IRL
Press,Oxford(1985)。
【0322】17. Janson,M.,Philipson,L.,and
Vennstrom,B.,EMBO J.,2:561−565(198
3)。
Vennstrom,B.,EMBO J.,2:561−565(198
3)。
【0323】18. Jeltsch,J.M.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.,USA,83:5424−5428(1986)。
d.Sci.,USA,83:5424−5428(1986)。
【0324】19. Johnson,M.S.,and Doolittle,
R.F.,J.Molec.Evol.,23:267−278(1986)。
R.F.,J.Molec.Evol.,23:267−278(1986)。
【0325】20. Kahn,P.,et al.,Cell,45:349
−356(1986)。
−356(1986)。
【0326】21. Krust,A.,et al.,EMBO
J.,5:891−897(1986)。
J.,5:891−897(1986)。
【0327】22. Kummar,V.,Green,S.,Stau
b,A.,and Chambon,P.,EMBO J.,5:2231−22
36(1986)。
b,A.,and Chambon,P.,EMBO J.,5:2231−22
36(1986)。
【0328】23. Laemmli,U.K.,Nature,227:68
0−685(1970)。
0−685(1970)。
【0329】24. Latham,K.R.,Ring,J.C.,an
d Baxter,J.D.,J.Biol.Chem.,251:7388−7397
(1976)。
d Baxter,J.D.,J.Biol.Chem.,251:7388−7397
(1976)。
【0330】25. Lebo,R.,et al.,Science,22
5:57−59(1984)。
5:57−59(1984)。
【0331】26. Martial,J.A.,Baxter,J.
D.,Goodman,H.M.,and Seeburg,P.H.,Pro
c.Natl.Acad.Sci.,USA,74:1816−1820(19
77)。
D.,Goodman,H.M.,and Seeburg,P.H.,Pro
c.Natl.Acad.Sci.,USA,74:1816−1820(19
77)。
【0332】27. Maxam,A.,and Gibert,W.,Pro
c.Natl.Acad.Sci.,USA,74:560−564(197
7)。
c.Natl.Acad.Sci.,USA,74:560−564(197
7)。
【0333】28. Miller,J.,Mclachlan,A.D.,
and Klug,A.,EMBO J.,4:1609:1614(198
5)。
and Klug,A.,EMBO J.,4:1609:1614(198
5)。
【0334】29. Oppenheimer,J.H.,Koerner,
D.,Schwartz,H.L.,and Siurks,M.I.J.,C
lin.Endocr.Metab.,35:330−333(1972)。
D.,Schwartz,H.L.,and Siurks,M.I.J.,C
lin.Endocr.Metab.,35:330−333(1972)。
【0335】30. Pascual,A.,Casanova,J.and
Samuels,H.H.,J.Biol.Chem.,257:9640−9647
(1982)。
Samuels,H.H.,J.Biol.Chem.,257:9640−9647
(1982)。
【0336】31. Proudfoot,N.J.,and Brownle
e,G.G.,Nature,263:211−214(1976)。
e,G.G.,Nature,263:211−214(1976)。
【0337】32. Reichman,M.E.,et al.,Bioche
mistry,23:5376−5384(1984)。
mistry,23:5376−5384(1984)。
【0338】33. Rigby,P.W.J.,Dieckmann,
M.,Rhodes,C.,and Berg,P.,J.Molec.Bi
ol.,113:237−251(1977)。
M.,Rhodes,C.,and Berg,P.,J.Molec.Bi
ol.,113:237−251(1977)。
【0339】34. Samuls,H.H.,and Shapiro,L.
E., Proc.Natl.Acad.Sci., USA,73:3369
−3373(1976)。
E., Proc.Natl.Acad.Sci., USA,73:3369
−3373(1976)。
【0340】35. Samuels,H.H.,Stanley,F.,an
d Casanova,J.,J.Clin.Invest.,63:1229−1240(1
979)。
d Casanova,J.,J.Clin.Invest.,63:1229−1240(1
979)。
【0341】36. Samuels,H.H.,Tsai,J.S.,Ca
sanova,J.,and Stanley,F.J.,J.Clin.Inves
t.,54:853−865(1974)。
sanova,J.,and Stanley,F.J.,J.Clin.Inves
t.,54:853−865(1974)。
【0342】37. Samuels,H.H.,Tsai,J.S.,a
nd Cintron,R.,Science,181:1253−1256(197
3)。
nd Cintron,R.,Science,181:1253−1256(197
3)。
【0343】38. Sealy,L.,Privalsky,M.L.,
Moscovici,G.,Moscovici,C.,and Bishop,J.
M.,Virology,130:155−178(1983)。
Moscovici,G.,Moscovici,C.,and Bishop,J.
M.,Virology,130:155−178(1983)。
【0344】39. Sherman,M.R.,Pickering,L.
A.,Rollwagen,F.M.,and Miller,L.K.,Fed
n.Proc.,37:167−173(1978)。
A.,Rollwagen,F.M.,and Miller,L.K.,Fed
n.Proc.,37:167−173(1978)。
【0345】40. Spindler,B.J.,Mellon,S.
H.,and Baxter,J.D.,J.Biol.Chem.,257:1
1627−11632(1982)。
H.,and Baxter,J.D.,J.Biol.Chem.,257:1
1627−11632(1982)。
【0346】41. Spurr,N.K.,et al.,EMBO
J.,3:159−163(1984)。
J.,3:159−163(1984)。
【0347】42. Tata,J.R.,and Windnell,C.
C.,Biochem.J.,98:604−620(1966)。
C.,Biochem.J.,98:604−620(1966)。
【0348】43. Thomas,P.,Proc.Natl.Acad.
Sci.,USA,77:5201−5205(1980)。
Sci.,USA,77:5201−5205(1980)。
【0349】44. Tsai,J.S.,and Samuels,H.H.,
Biochem.Biophys.Res.Commmmun.,59:420−428(19
74)。
Biochem.Biophys.Res.Commmmun.,59:420−428(19
74)。
【0350】45. Vennstrom,B.,Fanshier,L.,Mo
scovici,C.,and Bishop,J.M.,J.Virol.,36:5
75−585(1980)。
scovici,C.,and Bishop,J.M.,J.Virol.,36:5
75−585(1980)。
【0351】46. Weinberger,C.,Hollenberg,
S.M.,Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.M.,
Nature,318:670−672(1985a)。
S.M.,Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.M.,
Nature,318:670−672(1985a)。
【0352】47. Weinberger,C.,Hollenberg,
S.M.,Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.M.,
Science,228:740−742(1985b)。
S.M.,Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.M.,
Science,228:740−742(1985b)。
【0353】48. Yaffe,B.M.,and Samuels,H.
H.,J.Biol.Chem.,259:6284−6291(1984)。
H.,J.Biol.Chem.,259:6284−6291(1984)。
【0354】実験の部IV ヒトミネラロコルチコイド受容体相補DNAのクローニ
ング:グルココルチコイド受容体との構造的および機能
的類似性IV.A.概要 推定上の107キロダルトンのポリペプチドをコードす
る新しい遺伝子を単離するために、ヒトグルココルチコ
イド受容体(hGR)相補DNAとの低いストリンジェ
ントハイブリダイゼーションを使用した。発現試験によ
り、高親和性でもってアルドステロンと結合し、そして
アルドステロンに応答して遺伝子転写を活性化するその
能力が証明され、それによりヒトミネラロコルチコイド
受容体(hMR)としてのその本性が確立される。この
分子はまたグルココルチコイドに対して高い親和性を示
し、グルココルチコイド応答性プロモーターを刺激す
る。hMRおよびhGRは一緒になって、ホルモン結合
特性、標的遺伝子相互作用および組織特異的発現パター
ンが組合わされた様式で使用され、複雑な生理学的コン
トロールを達成する予期せぬ機能的多様性をもたらす。
ング:グルココルチコイド受容体との構造的および機能
的類似性IV.A.概要 推定上の107キロダルトンのポリペプチドをコードす
る新しい遺伝子を単離するために、ヒトグルココルチコ
イド受容体(hGR)相補DNAとの低いストリンジェ
ントハイブリダイゼーションを使用した。発現試験によ
り、高親和性でもってアルドステロンと結合し、そして
アルドステロンに応答して遺伝子転写を活性化するその
能力が証明され、それによりヒトミネラロコルチコイド
受容体(hMR)としてのその本性が確立される。この
分子はまたグルココルチコイドに対して高い親和性を示
し、グルココルチコイド応答性プロモーターを刺激す
る。hMRおよびhGRは一緒になって、ホルモン結合
特性、標的遺伝子相互作用および組織特異的発現パター
ンが組合わされた様式で使用され、複雑な生理学的コン
トロールを達成する予期せぬ機能的多様性をもたらす。
【0355】IV.B.序論 視床下部−下垂体−副腎軸はいろいろな神経内分泌の入
力信号を結合して、副腎コルチコステロイドの合成およ
び分泌を調節している。これらのステロイドホルモンは
数組の標的遺伝子の転写を直接的に調節する細胞内受容
体蛋白質との相互作用によって成長、発生およびホメオ
スタシスに影響を及ぼす(1,2)。2つの受容体系が
コルチコステロイドのために定められ、これらはグルコ
コルチコイド受容体(GR)およびミネラロコルチコイ
ド受容体(MR)と名づけられた。初期の機能検定によ
り、コルチコステロイドは肝臓へのグルコーゲン貯蔵を
促進するそれらの作用によりグルココルチコイド、また
は腎臓によるナトリウム貯留を促進するそれらの作用に
よりミネラロコルチコイドのいずれかに類別された。し
かしながら、それぞれのステロイドクラスはその同族受
容体とのみ相互作用するように制限されておらず、とり
わけグルココルチコイドは実質上のミネラロコルチコイ
ド活性を示すことができる(1−3)。
力信号を結合して、副腎コルチコステロイドの合成およ
び分泌を調節している。これらのステロイドホルモンは
数組の標的遺伝子の転写を直接的に調節する細胞内受容
体蛋白質との相互作用によって成長、発生およびホメオ
スタシスに影響を及ぼす(1,2)。2つの受容体系が
コルチコステロイドのために定められ、これらはグルコ
コルチコイド受容体(GR)およびミネラロコルチコイ
ド受容体(MR)と名づけられた。初期の機能検定によ
り、コルチコステロイドは肝臓へのグルコーゲン貯蔵を
促進するそれらの作用によりグルココルチコイド、また
は腎臓によるナトリウム貯留を促進するそれらの作用に
よりミネラロコルチコイドのいずれかに類別された。し
かしながら、それぞれのステロイドクラスはその同族受
容体とのみ相互作用するように制限されておらず、とり
わけグルココルチコイドは実質上のミネラロコルチコイ
ド活性を示すことができる(1−3)。
【0356】今や、MRはグルココルチコイドとミネラ
ロコルチコイドの両方に対して有意なin vitro親和性を
有することが明らかである(3,4)。グルココルチコ
イドの循環濃度はアルドステロン(代表的なミネラロコ
ルチコイド)よりも数段高いので、MRのグルココルチ
コイド活性化は機能的に意義がある。腎および腸のよう
な組織の分泌上波はアルドステロンに応答して電解質と
水のバランスを調節しているが、別の機構はこれらの組
織にミネラロコルチコイドに対する感受性を付与するこ
とが可能である(5)。他の組織において発現されるM
Rの機能的役割は全く明らかになっていないが、脳での
生理学的応答はMRとグルココルチコイドの相互作用の
結果として起こる(5−7)。高親和性の放射性標識リ
ガンドの利用可能性にもかかわらず、MRは精製が困難
であり、その生化学的性質はGRに比べて十分に理解さ
れていない。MRの研究に分子生物学の技術を応用する
ことにより、MRの生化学的同定が容易となり、終局的
にその転写制御下にある遺伝子およびそれらの産物がホ
メオスタシスにおいて演ずる役割が理解されるであろ
う。
ロコルチコイドの両方に対して有意なin vitro親和性を
有することが明らかである(3,4)。グルココルチコ
イドの循環濃度はアルドステロン(代表的なミネラロコ
ルチコイド)よりも数段高いので、MRのグルココルチ
コイド活性化は機能的に意義がある。腎および腸のよう
な組織の分泌上波はアルドステロンに応答して電解質と
水のバランスを調節しているが、別の機構はこれらの組
織にミネラロコルチコイドに対する感受性を付与するこ
とが可能である(5)。他の組織において発現されるM
Rの機能的役割は全く明らかになっていないが、脳での
生理学的応答はMRとグルココルチコイドの相互作用の
結果として起こる(5−7)。高親和性の放射性標識リ
ガンドの利用可能性にもかかわらず、MRは精製が困難
であり、その生化学的性質はGRに比べて十分に理解さ
れていない。MRの研究に分子生物学の技術を応用する
ことにより、MRの生化学的同定が容易となり、終局的
にその転写制御下にある遺伝子およびそれらの産物がホ
メオスタシスにおいて演ずる役割が理解されるであろ
う。
【0357】グルココルチコイド(実験の部Iおよび文
献8,9を参照)、エストロゲン(10)、およびプロ
ゲステロン(11)受容体の分子クローニングはそれら
の一次アミノ酸構造の決定およびこのファミリーの調節
蛋白質に共通の機能的ドメインの推定を可能にした。グ
ルココルチコイド(実験の部IIおよび文献12を参照)
およびエストロゲン(13)受容体の実験的解析はシス
テイン、リシンおよびアルギニンに富む中央に位置する
DNA結合ドメイン、およびステロイドホルモンが作用
するカルボキシル末端領域を明らかにした。GRの機能
的研究は、カルボキシル末端へのホルモン結合が、受容
体とDNAとの相互作用および転写の活性化を可能にす
べくDNA結合領域をアンマスキング(unmasking)す
ると示唆した(14,15)。ステロイド受容体および甲
状腺ホルモン受容体のシステインに富むDNA結合領域
の比較は、これらの分子間に高度の関連性を示す(1
6)。不変のシステイン残基は、Zn2+ 金属原子の配置
がキセノプス(Xenopus)5S遺伝子第IIIA転写因子
について提案されたものに類似したDNA結合の構造的
形状を維持するという仮説へ導いた(17)。また、ス
テロイド受容体ファミリーのステロイド結合領域も、共
通の原子的前駆物質からの種々の受容体クラスの進化と
矛盾しない実質的保存(conservation)を示す(11,
16)。
献8,9を参照)、エストロゲン(10)、およびプロ
ゲステロン(11)受容体の分子クローニングはそれら
の一次アミノ酸構造の決定およびこのファミリーの調節
蛋白質に共通の機能的ドメインの推定を可能にした。グ
ルココルチコイド(実験の部IIおよび文献12を参照)
およびエストロゲン(13)受容体の実験的解析はシス
テイン、リシンおよびアルギニンに富む中央に位置する
DNA結合ドメイン、およびステロイドホルモンが作用
するカルボキシル末端領域を明らかにした。GRの機能
的研究は、カルボキシル末端へのホルモン結合が、受容
体とDNAとの相互作用および転写の活性化を可能にす
べくDNA結合領域をアンマスキング(unmasking)す
ると示唆した(14,15)。ステロイド受容体および甲
状腺ホルモン受容体のシステインに富むDNA結合領域
の比較は、これらの分子間に高度の関連性を示す(1
6)。不変のシステイン残基は、Zn2+ 金属原子の配置
がキセノプス(Xenopus)5S遺伝子第IIIA転写因子
について提案されたものに類似したDNA結合の構造的
形状を維持するという仮説へ導いた(17)。また、ス
テロイド受容体ファミリーのステロイド結合領域も、共
通の原子的前駆物質からの種々の受容体クラスの進化と
矛盾しない実質的保存(conservation)を示す(11,
16)。
【0358】我々はヒトグルココルチコイド受容体(h
GR)に密接に関連した遺伝子産物を単離するために、
ステロイドホルモン受容体間の構造的類似性を利用し
た。hGRプローブとの非ストリンジェントハイブリダ
イゼーションにより、hGRのシステインに富む配列と
高度に関連したヒトゲノムDNAフラグメントを分離し
た。このDNAをプローブとして使用して、我々はシス
テインに富む領域からカルボキシル末端までのhGRと
強い相同性を有する分子をコードする相補DNA(cD
NA)を得た。細胞内で発現させたとき、この分子は高
い親和性でもってアルドステロンと結合し、しかもマウ
ス乳腺癌ウイルス(MMTV)のロング・ターミナル・
リピート(LTR)のアルドステロン応答性転写を活性
化する。このヒトミネラロコルチコイド受容体のリガン
ドおよびDNA配列特異性とhGRのそれらとのオーバ
ーラップは、これらの調節分子に対して伝統的に割り当
てられている別々の役割が再考されるべきであることを
示唆している。
GR)に密接に関連した遺伝子産物を単離するために、
ステロイドホルモン受容体間の構造的類似性を利用し
た。hGRプローブとの非ストリンジェントハイブリダ
イゼーションにより、hGRのシステインに富む配列と
高度に関連したヒトゲノムDNAフラグメントを分離し
た。このDNAをプローブとして使用して、我々はシス
テインに富む領域からカルボキシル末端までのhGRと
強い相同性を有する分子をコードする相補DNA(cD
NA)を得た。細胞内で発現させたとき、この分子は高
い親和性でもってアルドステロンと結合し、しかもマウ
ス乳腺癌ウイルス(MMTV)のロング・ターミナル・
リピート(LTR)のアルドステロン応答性転写を活性
化する。このヒトミネラロコルチコイド受容体のリガン
ドおよびDNA配列特異性とhGRのそれらとのオーバ
ーラップは、これらの調節分子に対して伝統的に割り当
てられている別々の役割が再考されるべきであることを
示唆している。
【0359】IV.C.hMRcDNAの分離 グルココルチコイド受容体関連遺伝子を同定するため
に、ヒト胎盤DNAを制限エンドヌクレアーゼで消化
し、アガロースゲル電気泳動で分画化し、そしてその分
画をhGR1.2(DNA結合ドメインをコードする配列を
含むhGRcDNAの1100bp フラグメント)とハ
イブリダイズさせた(実験の部Iおよび文献15を参
照)。サザンブロット分析は低ストリンジェントハイブ
リダイゼーション条件に特有の数本のバンドを示した
(第23(A)および(B)図を比較されたい)。2.5
キロ塩基対(Kbp)のHindIIIフラグメント(第23
(B)図中に星印で示したもの)は他のハイブリッド形
成バンドからよく分割され、直接的ゲノムクローニング
に適していると判定された。ヒト胎盤からのHindIII消
化DNAはアガロースゲル上で大きさに基づいて分画化
し、そしてゲノムライブラリーの構築のために2.5Kbp
領域を分離した。その後、このラムダgt10ライブラリ
ーはプローブとしてhGR1.2を用いて低ストリンジェ
ントハイブリダイゼーション条件下でスクリーニングし
た。1つの陽性ゲノムクローン(ランダムHGH)から
の挿入物はニックトランスレーションを行って、高スト
リンジェントハイブリダイゼーション条件下でのサザン
ブロットにおいてプローブとして使用した(第23
(C)図)。2.5Kbp HindIIIシグナルは非ストリン
ジェント条件下で見られたものに相当し、所望のゲノム
フラグメントの一部が分離されたことを示している。ラ
ムダHGH由来の挿入物の塩基配列解析は、イントロン
配列によってはさまれた140塩基対(bp)のエクソン
を明らかにした((第23(D)図)。この全エクソンは
相同性のhGRcDNA配列と68%のヌクレオチド同
一性を有するが、104個のヌクレオチドのうち85個
を保存する領域がその交差ハイブリダイゼーション特性
を与えるものと思われる。この高度に保存された領域は
hGRのDNA結合ドメインの一部に対応する(1
5)。ラムダHGHエクソンは16個の非交換残基から
始まってその後にステロイドホルモン受容体に特徴的な
高度に保存されたシステイン残基の最初の残基が続く4
6個のアミノ酸をコードしている(8−11)。次の3
0個の残基のうち、28個がhGRと同一である。これ
らの分析は、hGRcDNA配列中に存在するものと関
連があるが、それとは明らかに異なる配列を含むゲノム
フラグメントが分析されたことを示す(実験の部Iを参
照)。
に、ヒト胎盤DNAを制限エンドヌクレアーゼで消化
し、アガロースゲル電気泳動で分画化し、そしてその分
画をhGR1.2(DNA結合ドメインをコードする配列を
含むhGRcDNAの1100bp フラグメント)とハ
イブリダイズさせた(実験の部Iおよび文献15を参
照)。サザンブロット分析は低ストリンジェントハイブ
リダイゼーション条件に特有の数本のバンドを示した
(第23(A)および(B)図を比較されたい)。2.5
キロ塩基対(Kbp)のHindIIIフラグメント(第23
(B)図中に星印で示したもの)は他のハイブリッド形
成バンドからよく分割され、直接的ゲノムクローニング
に適していると判定された。ヒト胎盤からのHindIII消
化DNAはアガロースゲル上で大きさに基づいて分画化
し、そしてゲノムライブラリーの構築のために2.5Kbp
領域を分離した。その後、このラムダgt10ライブラリ
ーはプローブとしてhGR1.2を用いて低ストリンジェ
ントハイブリダイゼーション条件下でスクリーニングし
た。1つの陽性ゲノムクローン(ランダムHGH)から
の挿入物はニックトランスレーションを行って、高スト
リンジェントハイブリダイゼーション条件下でのサザン
ブロットにおいてプローブとして使用した(第23
(C)図)。2.5Kbp HindIIIシグナルは非ストリン
ジェント条件下で見られたものに相当し、所望のゲノム
フラグメントの一部が分離されたことを示している。ラ
ムダHGH由来の挿入物の塩基配列解析は、イントロン
配列によってはさまれた140塩基対(bp)のエクソン
を明らかにした((第23(D)図)。この全エクソンは
相同性のhGRcDNA配列と68%のヌクレオチド同
一性を有するが、104個のヌクレオチドのうち85個
を保存する領域がその交差ハイブリダイゼーション特性
を与えるものと思われる。この高度に保存された領域は
hGRのDNA結合ドメインの一部に対応する(1
5)。ラムダHGHエクソンは16個の非交換残基から
始まってその後にステロイドホルモン受容体に特徴的な
高度に保存されたシステイン残基の最初の残基が続く4
6個のアミノ酸をコードしている(8−11)。次の3
0個の残基のうち、28個がhGRと同一である。これ
らの分析は、hGRcDNA配列中に存在するものと関
連があるが、それとは明らかに異なる配列を含むゲノム
フラグメントが分析されたことを示す(実験の部Iを参
照)。
【0360】ラムダHGHからの挿入物は、このhGR
関連遺伝子に対応するクローンについて、cDNAライ
ブラリーをスクリーニングするためのプローブとして使
用した。ミネラロコルチコイド受容体はこの種の遺伝子
によってコードされる候補物質であると考えられた。腎
臓はミネラロコルチコイド応答性組織であることが知ら
れているので、数人のヒト腎臓cDNAライブラリーを
スクリーニングした。11個の陽性クローンが106組
換えファージ当たり3〜4の頻度でこれらのラムダgt1
0ライブラリーから分離された。2つの重複するクロー
ン、ラムダ hK2およびラムダ hK10、をヌクレオチ
ド配列分析にかけ、合わせて5823ヌクレオチドに及
ぶことが見出された(第24,25および26図)。ラ
ムダHGHのエクソン−イントロン境界はこれらのcD
NAクローンの塩基配列を決定することにより証明し
た。ラムダhK10(ヌクレオチド1から 3750ま
で)は大きいオープン・リーディング・フレームを含
み、完全な一次アミノ酸配列を予告している。ラムダh
K2からのDNA挿入物はヌクレオチド802から58
23にまで伸長しているが、2235から2586まで
の351bp内部欠失を有している。3個の別のクローン
も試験し、欠失領域がラムダ hK10と同じ構造である
ことを確かめた。ラムダhK2における欠失はクローニ
ングアーチファクト(人工産物)を表すか、あるいはま
れなメッセンジャーRNA(mRNA)のスプライシン
グエラー(切り継ぎの誤り)を表すと思われる(1
8)。ヌクレオチド3750の下流側の報告された3’
非翻訳領域の配列はラムダ hK2から誘導される。これ
らの2つのcDNAの複合配列をhMRと名づける(第2
4図)。読み枠内終止コドン(136位)の下流側に最
初の読み枠内ATG(223位)があり、hMRは少な
くとも216ヌクレオチドの5’非翻訳領域を有してい
る。この最初のATGをとりまく配列はKozak(19)
によって示されたコンセンサス配列と一致する。この推
定されたイニシエーターメチオニンコドンは、984個
のアミノ酸をコードする大きいオープン・リーディング
・フレームの最初の部分をなす。終止コドン(3175
位)に続いて70ヌクレオチド−ポリ(A)(ポリアデニ
ル化)尾部の17ヌクレオチド上流にポリアデニル化シ
グナル(AATAAA)を有する2.6Kbの3’非翻訳領
域が存在する。長い3’非翻訳領域はステロイドホルモ
ン受容体のmRNAに特徴的な性質である(実際の部I
および文献9−11を参照)。
関連遺伝子に対応するクローンについて、cDNAライ
ブラリーをスクリーニングするためのプローブとして使
用した。ミネラロコルチコイド受容体はこの種の遺伝子
によってコードされる候補物質であると考えられた。腎
臓はミネラロコルチコイド応答性組織であることが知ら
れているので、数人のヒト腎臓cDNAライブラリーを
スクリーニングした。11個の陽性クローンが106組
換えファージ当たり3〜4の頻度でこれらのラムダgt1
0ライブラリーから分離された。2つの重複するクロー
ン、ラムダ hK2およびラムダ hK10、をヌクレオチ
ド配列分析にかけ、合わせて5823ヌクレオチドに及
ぶことが見出された(第24,25および26図)。ラ
ムダHGHのエクソン−イントロン境界はこれらのcD
NAクローンの塩基配列を決定することにより証明し
た。ラムダhK10(ヌクレオチド1から 3750ま
で)は大きいオープン・リーディング・フレームを含
み、完全な一次アミノ酸配列を予告している。ラムダh
K2からのDNA挿入物はヌクレオチド802から58
23にまで伸長しているが、2235から2586まで
の351bp内部欠失を有している。3個の別のクローン
も試験し、欠失領域がラムダ hK10と同じ構造である
ことを確かめた。ラムダhK2における欠失はクローニ
ングアーチファクト(人工産物)を表すか、あるいはま
れなメッセンジャーRNA(mRNA)のスプライシン
グエラー(切り継ぎの誤り)を表すと思われる(1
8)。ヌクレオチド3750の下流側の報告された3’
非翻訳領域の配列はラムダ hK2から誘導される。これ
らの2つのcDNAの複合配列をhMRと名づける(第2
4図)。読み枠内終止コドン(136位)の下流側に最
初の読み枠内ATG(223位)があり、hMRは少な
くとも216ヌクレオチドの5’非翻訳領域を有してい
る。この最初のATGをとりまく配列はKozak(19)
によって示されたコンセンサス配列と一致する。この推
定されたイニシエーターメチオニンコドンは、984個
のアミノ酸をコードする大きいオープン・リーディング
・フレームの最初の部分をなす。終止コドン(3175
位)に続いて70ヌクレオチド−ポリ(A)(ポリアデニ
ル化)尾部の17ヌクレオチド上流にポリアデニル化シ
グナル(AATAAA)を有する2.6Kbの3’非翻訳領
域が存在する。長い3’非翻訳領域はステロイドホルモ
ン受容体のmRNAに特徴的な性質である(実際の部I
および文献9−11を参照)。
【0361】IV.D.DNA−およびホルモン−結合領
域 hMRcDNAによりコードされる蛋白質は、hGRと
密接に関連したステロイドホルモン受容体の構造的特性
を有する。hMRの推定上のアミノ酸配列とhGRのそ
れとの比較により、hGRののDNA結合ドメインおよ
びステロイド結合ドメインの両方と高度に相同であるこ
とが立証された。hMR遺伝子は777残基のhGRよ
りもはるかに大きく、984個のアミノ酸からなる蛋白
質(推定分子量107KD)をコードする。この大きさ
の不一致は主としてhGRと相同でない大きいアミノ末
端のためである。この領域のサイズおよび配列の相当な
不均一性はグルココルチコイド、エストロゲンおよびプ
ロゲステロンのそれぞれの受容体間に存在する(実験の
部I;文献9−11を参照)。アミノ酸相同は68残基
中94%のアミノ酸が同一である中央のDNA領域から
始まる(第27図)。他のステロイドホルモン受容体に見
られる配列保存の比較的低い領域が、DNA結合ドメイ
ンとカルボキシル末端ステロイド結合ドメインとを隔て
ている。この領域は2つのドメイン間の分子ヒンジ(mo
lecular hinge)として役立つことが推測された(実験
の部IIおよび文献13を参照)。hGRとの比較は、h
MRのこの領域が反復ヌクレオチド配列によってコード
される4個のグルタミンそれに続く8個のプロリンの配
列を含む24個の追加のアミノ酸を含むことを示す。起
源および機能に関してこの例外的配列の意義は明らかで
ないが、構造を切断するプロリンはヒンジ領域と一致す
る。hMRとhGRのカルボキシル末端の250個のア
ミノ酸を比較すると、57%のアミノ酸同一性および多
数の保存的アミノ酸置換が見られる。これらの置換のい
くつかはステロイドホルモンとの相互作用に必要な疎水
領域を維持している。
域 hMRcDNAによりコードされる蛋白質は、hGRと
密接に関連したステロイドホルモン受容体の構造的特性
を有する。hMRの推定上のアミノ酸配列とhGRのそ
れとの比較により、hGRののDNA結合ドメインおよ
びステロイド結合ドメインの両方と高度に相同であるこ
とが立証された。hMR遺伝子は777残基のhGRよ
りもはるかに大きく、984個のアミノ酸からなる蛋白
質(推定分子量107KD)をコードする。この大きさ
の不一致は主としてhGRと相同でない大きいアミノ末
端のためである。この領域のサイズおよび配列の相当な
不均一性はグルココルチコイド、エストロゲンおよびプ
ロゲステロンのそれぞれの受容体間に存在する(実験の
部I;文献9−11を参照)。アミノ酸相同は68残基
中94%のアミノ酸が同一である中央のDNA領域から
始まる(第27図)。他のステロイドホルモン受容体に見
られる配列保存の比較的低い領域が、DNA結合ドメイ
ンとカルボキシル末端ステロイド結合ドメインとを隔て
ている。この領域は2つのドメイン間の分子ヒンジ(mo
lecular hinge)として役立つことが推測された(実験
の部IIおよび文献13を参照)。hGRとの比較は、h
MRのこの領域が反復ヌクレオチド配列によってコード
される4個のグルタミンそれに続く8個のプロリンの配
列を含む24個の追加のアミノ酸を含むことを示す。起
源および機能に関してこの例外的配列の意義は明らかで
ないが、構造を切断するプロリンはヒンジ領域と一致す
る。hMRとhGRのカルボキシル末端の250個のア
ミノ酸を比較すると、57%のアミノ酸同一性および多
数の保存的アミノ酸置換が見られる。これらの置換のい
くつかはステロイドホルモンとの相互作用に必要な疎水
領域を維持している。
【0362】IV.E.発現およびホルモン結合 我々はグルココルチコイド受容体機能を調べるために、
サル腎臓細胞株CV1およびその誘導的(すなわち、S
V40T抗原−形質転換)細胞株COS−1(COSと
呼ばれる)のトランスフェクションを使用した(実験の
部IIを参照)。トランスフェクションされたhMRから
の高レベルのポリペプチド発現は、トランスフェクショ
ンした細胞によるステロイド結合実験を容易にするため
に不可決であった。SV40複製起点を含むプラスミド
はCOS細胞内で高コピー数に複製することができるの
で、hGRの研究において以前に使用したpRShGR
アルファと類似したhMRコード配列用の発現ベクター
を構築した。プラスミドpRShMRはラウス肉腫ウイ
ルス由来のプロモーターの支配下にあるhMRコード配
列、およびSV40複製起点を含む(第28(A)
図)。
サル腎臓細胞株CV1およびその誘導的(すなわち、S
V40T抗原−形質転換)細胞株COS−1(COSと
呼ばれる)のトランスフェクションを使用した(実験の
部IIを参照)。トランスフェクションされたhMRから
の高レベルのポリペプチド発現は、トランスフェクショ
ンした細胞によるステロイド結合実験を容易にするため
に不可決であった。SV40複製起点を含むプラスミド
はCOS細胞内で高コピー数に複製することができるの
で、hGRの研究において以前に使用したpRShGR
アルファと類似したhMRコード配列用の発現ベクター
を構築した。プラスミドpRShMRはラウス肉腫ウイ
ルス由来のプロモーターの支配下にあるhMRコード配
列、およびSV40複製起点を含む(第28(A)
図)。
【0363】hMR蛋白質のリガンド特異性はpRSh
MRでトランスフェクションしたCOS細胞からの細胞
質ゾル抽出物を調製することにより調べた。トランスフ
ェクションの2日後に細胞を回収して、デキストラン処
理チャーコール検定によりホルモン結合を測定した。疑
似トランスフェクションした対照の抽出物は〔3H〕ア
ルドステロンに対して特異的結合活性を全く示さなかっ
たが、pRShMRでトランスフェクションした細胞か
らの抽出物は高親和性でもって有意量の〔3H〕アルド
ステロンと結合した。スカッチャード分析により、〔3
H〕アルドステロン結合に関する解離定数(KD)は1.3
nMと測定された(第28(B)図)。この値はミネラ
ロコルチコイド受容体へのアルドステロン結合について
報告されたものとよく一致している(2,20)。その
後、1−,10−または100−倍過剰モル量で存在さ
せたときに、結合を5nM〔3H〕アルドステロンと競合
する異なる未標識ステロイドの能力を調べるために、競
合試験を行った(第28(C)および(D)図)。これ
はhMRに対するこれらのステロイドのそれぞれの相対
親和性の度合を提供した。これらの実験の結果は、アル
ドステロン、コルチコステロン、デオキシコルチコステ
ロン、ヒドロコルチゾン(コルチゾル)の全てがhMR
に対して非常に類似した親和性をもつことを示した。デ
キサメタゾン、プロゲステロン、およびスピロノラクト
ンは比較的弱い結合親和性を示し、一方エストラジオー
ルはhMRの結合に対して極めて弱く競合した。結局、
この親和性の差異はhMRがヒトミネラロコルチコイド
受容体をコードすることを表している(2,20)。
MRでトランスフェクションしたCOS細胞からの細胞
質ゾル抽出物を調製することにより調べた。トランスフ
ェクションの2日後に細胞を回収して、デキストラン処
理チャーコール検定によりホルモン結合を測定した。疑
似トランスフェクションした対照の抽出物は〔3H〕ア
ルドステロンに対して特異的結合活性を全く示さなかっ
たが、pRShMRでトランスフェクションした細胞か
らの抽出物は高親和性でもって有意量の〔3H〕アルド
ステロンと結合した。スカッチャード分析により、〔3
H〕アルドステロン結合に関する解離定数(KD)は1.3
nMと測定された(第28(B)図)。この値はミネラ
ロコルチコイド受容体へのアルドステロン結合について
報告されたものとよく一致している(2,20)。その
後、1−,10−または100−倍過剰モル量で存在さ
せたときに、結合を5nM〔3H〕アルドステロンと競合
する異なる未標識ステロイドの能力を調べるために、競
合試験を行った(第28(C)および(D)図)。これ
はhMRに対するこれらのステロイドのそれぞれの相対
親和性の度合を提供した。これらの実験の結果は、アル
ドステロン、コルチコステロン、デオキシコルチコステ
ロン、ヒドロコルチゾン(コルチゾル)の全てがhMR
に対して非常に類似した親和性をもつことを示した。デ
キサメタゾン、プロゲステロン、およびスピロノラクト
ンは比較的弱い結合親和性を示し、一方エストラジオー
ルはhMRの結合に対して極めて弱く競合した。結局、
この親和性の差異はhMRがヒトミネラロコルチコイド
受容体をコードすることを表している(2,20)。
【0364】IV.F.転写活性化 ステロイドホルモン作用は標的遺伝子転写のホルモン依
存性調節により特徴づけられる。CVI細胞内にトラン
スフェクションされたhGRによる転写調節検定(実験
の部IIを参照)がhMR用に改変された(第29
(A),(B)および(C)図)。ステロイド結合検定
に用いた発現プラスミドpRShMRは、クロラムフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)の細菌
遺伝子に連結されたMMTV−LTRを含むGMCAT
と呼ばれるリポータープラスミドと共に同時トランスフ
ェクションされた。こうして、CAT活性はMMTVプ
ロモーターの転写活性に関する酵素検定を与える。MM
TVプロモーターはGRとの相互作用を介してグルココ
ルチコイド応答性を与える数種のグルココルチコイド応
答因子(GRE)、エンハンサー様DNA配列を含む
(21)。hMRは、そのDNA結合ドメインが hG
Rのそれとほぼ同一であるために、MMTV−LTRを
認識できるかも知れないと考えた。CVI細胞をpRSh
MRおよびGMCATで同時トランスフェクションした
とき、我々は十分なCAT活性を観察した。この活性は
添加したアルドステロンの影響を受けず、このことはト
ランスフェクションされたhGRと対照的にhMRを十
分に活性化するに足るホルモンが血清(ウシ胎児血清,
5%)中に存在していたことを示唆する(第29(B)
図)。チャーコール処理血清(22)の存在下では、C
AT活性は外因性アルドステロンの添加に応答するよう
になり、このことはhMR cDNAが機構的ステロイド
ホルモン受容体をコードすることを示している。hMR
はまたグルココルチコイド・アゴニストのデキサメタゾ
ンによって活性化されたが、hGRは生理学的濃度以上
(10nM)のアルドステロンにさえも応答しなかっ
た。
存性調節により特徴づけられる。CVI細胞内にトラン
スフェクションされたhGRによる転写調節検定(実験
の部IIを参照)がhMR用に改変された(第29
(A),(B)および(C)図)。ステロイド結合検定
に用いた発現プラスミドpRShMRは、クロラムフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)の細菌
遺伝子に連結されたMMTV−LTRを含むGMCAT
と呼ばれるリポータープラスミドと共に同時トランスフ
ェクションされた。こうして、CAT活性はMMTVプ
ロモーターの転写活性に関する酵素検定を与える。MM
TVプロモーターはGRとの相互作用を介してグルココ
ルチコイド応答性を与える数種のグルココルチコイド応
答因子(GRE)、エンハンサー様DNA配列を含む
(21)。hMRは、そのDNA結合ドメインが hG
Rのそれとほぼ同一であるために、MMTV−LTRを
認識できるかも知れないと考えた。CVI細胞をpRSh
MRおよびGMCATで同時トランスフェクションした
とき、我々は十分なCAT活性を観察した。この活性は
添加したアルドステロンの影響を受けず、このことはト
ランスフェクションされたhGRと対照的にhMRを十
分に活性化するに足るホルモンが血清(ウシ胎児血清,
5%)中に存在していたことを示唆する(第29(B)
図)。チャーコール処理血清(22)の存在下では、C
AT活性は外因性アルドステロンの添加に応答するよう
になり、このことはhMR cDNAが機構的ステロイド
ホルモン受容体をコードすることを示している。hMR
はまたグルココルチコイド・アゴニストのデキサメタゾ
ンによって活性化されたが、hGRは生理学的濃度以上
(10nM)のアルドステロンにさえも応答しなかっ
た。
【0365】IV.G.組織特異的発現 我々はノザン・ブロット・ハイブリダイゼーションによ
りラット組織内でのhMRcDNAに相応するMRmR
NAの発現を調べた。脳、下垂体および心臓ばかりでな
く、腎臓(24)や腸(25)のような古典的ミネラロコル
チコイド標的組織はhMRに相応するmRNAを含んで
いた(第30図)。腎臓におけるアルドステロン感受性
細胞は主として遠位の皮質性集合管に局限されており
(2)、それ故にこの組織によるわずかな発現レベルは意
外なことではなかった。高レベルのMR(I型コルチコ
ステロイド結合部位)はラットの脳、特に海馬体(hippo
campal formation)において報告された(4,6)。切開し
た海馬RNAと全脳から調製したRNAとを比較した際
に、我々は海馬中に著しく豊富なmRNAを見出した。
アルドステロン結合は下垂体(26)、培養大動脈細胞
(27)および脾臓(28)において報告されているが、こ
の種の活性は筋肉では報告されていない。肝臓はGRを
発現するが、検出しうる高親和性のアルドステロン結合
活性を示さず(29)、予期されるように肝臓RNAとの
ハイブリッド形成は観察されなかった。hGRcDNA
の類似部分を用いる同じノザン・ブロットの再検索は異
なる大きさのmRNA種とのハイブリッド形成を示し、
MRとGRとが異なる組織特異的発現パターンを示すこ
とが分かった。
りラット組織内でのhMRcDNAに相応するMRmR
NAの発現を調べた。脳、下垂体および心臓ばかりでな
く、腎臓(24)や腸(25)のような古典的ミネラロコル
チコイド標的組織はhMRに相応するmRNAを含んで
いた(第30図)。腎臓におけるアルドステロン感受性
細胞は主として遠位の皮質性集合管に局限されており
(2)、それ故にこの組織によるわずかな発現レベルは意
外なことではなかった。高レベルのMR(I型コルチコ
ステロイド結合部位)はラットの脳、特に海馬体(hippo
campal formation)において報告された(4,6)。切開し
た海馬RNAと全脳から調製したRNAとを比較した際
に、我々は海馬中に著しく豊富なmRNAを見出した。
アルドステロン結合は下垂体(26)、培養大動脈細胞
(27)および脾臓(28)において報告されているが、こ
の種の活性は筋肉では報告されていない。肝臓はGRを
発現するが、検出しうる高親和性のアルドステロン結合
活性を示さず(29)、予期されるように肝臓RNAとの
ハイブリッド形成は観察されなかった。hGRcDNA
の類似部分を用いる同じノザン・ブロットの再検索は異
なる大きさのmRNA種とのハイブリッド形成を示し、
MRとGRとが異なる組織特異的発現パターンを示すこ
とが分かった。
【0366】IV.H.染色体マッピング ミネラロコルチコイド受容体遺伝子の染色体位置を決定
するために、我々はヒト染色体の異なる組合わせを保有
するネズミ−ヒト体細胞ハイブリッドのパネルに対して
hMRを調べた(30)。ミネラロコルチコイド受容体
遺伝子に特異的なDNAフラグメントは、15種のハイ
ブリッド細胞株においてヒト染色体4と一致して分離さ
れた。染色体5(グルココルチコイド受容体遺伝子部
位)を含む他のすべてのヒト染色体については、不一致
の分離(segregation)が観察された(実験の部Iよび
文献31を参照)。染色体4への割当てを確認するため
に、我々はサザン分析を用いてhMR遺伝子について限
定組の微小核ハイブリッド(それぞれは1〜3本のヒト
染色体を保有する(32))を試験した(第31図)。ラム
ダhK2のコード部分により検出された6本のEcoRI
フラグメントは、このハイブリッドパネルにおいて染色
体4と同時分離される。とりわけ、hMR遺伝子は唯一
のヒト染色体として染色体4を保有する細胞株HDm−
1132B中に存在する。
するために、我々はヒト染色体の異なる組合わせを保有
するネズミ−ヒト体細胞ハイブリッドのパネルに対して
hMRを調べた(30)。ミネラロコルチコイド受容体
遺伝子に特異的なDNAフラグメントは、15種のハイ
ブリッド細胞株においてヒト染色体4と一致して分離さ
れた。染色体5(グルココルチコイド受容体遺伝子部
位)を含む他のすべてのヒト染色体については、不一致
の分離(segregation)が観察された(実験の部Iよび
文献31を参照)。染色体4への割当てを確認するため
に、我々はサザン分析を用いてhMR遺伝子について限
定組の微小核ハイブリッド(それぞれは1〜3本のヒト
染色体を保有する(32))を試験した(第31図)。ラム
ダhK2のコード部分により検出された6本のEcoRI
フラグメントは、このハイブリッドパネルにおいて染色
体4と同時分離される。とりわけ、hMR遺伝子は唯一
のヒト染色体として染色体4を保有する細胞株HDm−
1132B中に存在する。
【0367】IV.I.副腎コルチコステロイドの生理機
能との密接な関係 ヒトミネラロコルチコイド受容体cDNAはヒトグルコ
コルチコイド受容体に高度に相同であるポリペプチドを
コードする。DNA結合ドメインにおいて、hMRはh
GRと約94%のアミノ酸同一性を維持するが、カルボ
キシル末端に局在化されるステロイド結合ドメインは5
7%の同一性を有する。最近報告されたウサギプロゲス
テロン受容体( rPR)配列もまたhMRとの高度な関
連性をもっている。hGRおよび rPR構造ドメインと
hMRのそれとのアミノ酸同一性の比較(第32図)
は、これらの機能的に異なる調節蛋白質の驚くべき類似
性を示す。hMRとrPRとの相同性はhGR−hMR比
較にほとんど一致し、DNA結合ドメインでは90%の
アミノ酸を共有し、そしてステロイド結合ドメインでは
56%を共有していた。対照的に、hMRとヒトエスト
ロゲン受容体(10)との同一領域の比較は、DNA結合
ドメインにおいて56%の同一性およびステロイド結合
ドメインカルボキシル末端において21%の配列同一性
を示す。hMR,hGRおよびrPRによって共有される
構造的相同度およびそれらのリガンドの構造的関連性
は、それらがステロイドホルモン受容体のサブファミリ
ーから成ることを示唆している。
能との密接な関係 ヒトミネラロコルチコイド受容体cDNAはヒトグルコ
コルチコイド受容体に高度に相同であるポリペプチドを
コードする。DNA結合ドメインにおいて、hMRはh
GRと約94%のアミノ酸同一性を維持するが、カルボ
キシル末端に局在化されるステロイド結合ドメインは5
7%の同一性を有する。最近報告されたウサギプロゲス
テロン受容体( rPR)配列もまたhMRとの高度な関
連性をもっている。hGRおよび rPR構造ドメインと
hMRのそれとのアミノ酸同一性の比較(第32図)
は、これらの機能的に異なる調節蛋白質の驚くべき類似
性を示す。hMRとrPRとの相同性はhGR−hMR比
較にほとんど一致し、DNA結合ドメインでは90%の
アミノ酸を共有し、そしてステロイド結合ドメインでは
56%を共有していた。対照的に、hMRとヒトエスト
ロゲン受容体(10)との同一領域の比較は、DNA結合
ドメインにおいて56%の同一性およびステロイド結合
ドメインカルボキシル末端において21%の配列同一性
を示す。hMR,hGRおよびrPRによって共有される
構造的相同度およびそれらのリガンドの構造的関連性
は、それらがステロイドホルモン受容体のサブファミリ
ーから成ることを示唆している。
【0368】一時的トランスフェクションによるCOS
細胞内でのhMRポリペプチドの発現は、そのステロイ
ド結合能の評価を可能にした。これらの分析結果は、h
MRcDNAがヒトミネラロコルチコイド受容体をコー
ドしていることを明らかにした。スカッチャード分析
は、pRShMRでトランスフェクションした細胞から
の抽出物が1.3 nMのKD値でもって〔3H〕アルドステ
ロンと結合することを示した。MRと結合するアルドス
テロンの報告されたKD値は0.5〜3nMの範囲である
(2)。これはこの遺伝子産物をヒトミネラロコルチコ
イド受容体として定める際のただ1つの最も重要な基準
である。ステロイド結合競合実験は、hMRのこの同定
をさらに支持した。ミネラロコルチコイドのデオキシコ
ルチコステロンおよびグルココルチコイドのコルチコス
テロンおよびコルチゾルはアルドステロンそれ自体と同
様に競合するが、一方合成グルココルチコイドのデキサ
メタゾンおよびプロゲステロンはhMRに対して比較的
低い親和性を有する。hMR,hGRおよびrPRの推定
上のステロイド結合ドメインにおける十分なアミノ酸配
列同一性は、これらの受容体の類似リガンド結合特性と
よく合っている。ミネラロコルチコイド受容体、グルコ
コルチコイド受容体およびプロゲステロン受容体はミネ
ラロコルチコイド、グルココルチコイドおよびプロゲス
テロンの類似した21−炭素原子構造間を識別するのに
限られた能力を示す。この特異性の欠如は特にMRとG
Rに当てはまる。例えば、MRはアルドステロンと等し
い親和性でもってグルココルチコイドと結合する。実際
に、別の機構がアルドステロンへの選択的応答を与える
腎臓のような組織においてのみ、MRは古典的ミネラロ
コルチコイド受容体として機能するのかも知れない
(3,5)。MRはまたプロゲステロンと高い親和性
で、しかしコルチコステロイドに対するその親和性より
も低い親和性でもって結合する。プロゲステロンはミネ
ラロコルチコイド作用の部分アゴニストまたはアンタゴ
ニストとして作用するいくつかの徴候があり(33)、
またグルココルチコイドはミネラロコルチコイド受容体
への結合において十分なアゴニストとして作用するかど
うか明らかでない。同様に、GRは20〜40nMのKd
値でグルココルチコイドと結合し、それは25〜65 n
MのKd値でアルドステロンと結合する(2)。従っ
て、MRとGRのホルモン結合特性間の重要な差異はリ
ガンド特異性のそれではなく、むしろコルチコステロイ
ドに対する高親和性対低親和性受容体の差異である。
細胞内でのhMRポリペプチドの発現は、そのステロイ
ド結合能の評価を可能にした。これらの分析結果は、h
MRcDNAがヒトミネラロコルチコイド受容体をコー
ドしていることを明らかにした。スカッチャード分析
は、pRShMRでトランスフェクションした細胞から
の抽出物が1.3 nMのKD値でもって〔3H〕アルドステ
ロンと結合することを示した。MRと結合するアルドス
テロンの報告されたKD値は0.5〜3nMの範囲である
(2)。これはこの遺伝子産物をヒトミネラロコルチコ
イド受容体として定める際のただ1つの最も重要な基準
である。ステロイド結合競合実験は、hMRのこの同定
をさらに支持した。ミネラロコルチコイドのデオキシコ
ルチコステロンおよびグルココルチコイドのコルチコス
テロンおよびコルチゾルはアルドステロンそれ自体と同
様に競合するが、一方合成グルココルチコイドのデキサ
メタゾンおよびプロゲステロンはhMRに対して比較的
低い親和性を有する。hMR,hGRおよびrPRの推定
上のステロイド結合ドメインにおける十分なアミノ酸配
列同一性は、これらの受容体の類似リガンド結合特性と
よく合っている。ミネラロコルチコイド受容体、グルコ
コルチコイド受容体およびプロゲステロン受容体はミネ
ラロコルチコイド、グルココルチコイドおよびプロゲス
テロンの類似した21−炭素原子構造間を識別するのに
限られた能力を示す。この特異性の欠如は特にMRとG
Rに当てはまる。例えば、MRはアルドステロンと等し
い親和性でもってグルココルチコイドと結合する。実際
に、別の機構がアルドステロンへの選択的応答を与える
腎臓のような組織においてのみ、MRは古典的ミネラロ
コルチコイド受容体として機能するのかも知れない
(3,5)。MRはまたプロゲステロンと高い親和性
で、しかしコルチコステロイドに対するその親和性より
も低い親和性でもって結合する。プロゲステロンはミネ
ラロコルチコイド作用の部分アゴニストまたはアンタゴ
ニストとして作用するいくつかの徴候があり(33)、
またグルココルチコイドはミネラロコルチコイド受容体
への結合において十分なアゴニストとして作用するかど
うか明らかでない。同様に、GRは20〜40nMのKd
値でグルココルチコイドと結合し、それは25〜65 n
MのKd値でアルドステロンと結合する(2)。従っ
て、MRとGRのホルモン結合特性間の重要な差異はリ
ガンド特異性のそれではなく、むしろコルチコステロイ
ドに対する高親和性対低親和性受容体の差異である。
【0369】hMRのin vivo機能は血清コルチゾル結
合蛋白質のトランスコルチンによって複雑になってい
る。この蛋白質はコルチゾルを結合封鎖し、その特異な
分布のために、トランスコルチンは局部のグルココルチ
コイド濃度に影響を及ぼすであろう。腎臓における高レ
ベルのトランスコルチンは血漿からの利用可能なコルチ
ゾルを減少させて、アルドステロン感受性を与え、一方
脳における低レベルのトランスコルチンは、中枢神経系
において、グルココルチコイドが主なhMRリガンドで
ありうることを示唆するであろう。従って、hMRのた
めの好適な生理学的リガンドは受容体発現の部位に応じ
て明らかに変化する(3)。このモデルおよび他のモデ
ル(5)は、より一層高いレベルの競合性グルココルチ
コイドにもかかわらず、アルドステロンへの若干の組織
の応答性を説明するために提案されたものである。
合蛋白質のトランスコルチンによって複雑になってい
る。この蛋白質はコルチゾルを結合封鎖し、その特異な
分布のために、トランスコルチンは局部のグルココルチ
コイド濃度に影響を及ぼすであろう。腎臓における高レ
ベルのトランスコルチンは血漿からの利用可能なコルチ
ゾルを減少させて、アルドステロン感受性を与え、一方
脳における低レベルのトランスコルチンは、中枢神経系
において、グルココルチコイドが主なhMRリガンドで
ありうることを示唆するであろう。従って、hMRのた
めの好適な生理学的リガンドは受容体発現の部位に応じ
て明らかに変化する(3)。このモデルおよび他のモデ
ル(5)は、より一層高いレベルの競合性グルココルチ
コイドにもかかわらず、アルドステロンへの若干の組織
の応答性を説明するために提案されたものである。
【0370】hMRとhGRのDNA結合ドメイン間の
相同度(この保存された68残基領域中で4個のアミノ
酸残基のみが相違する)は、これらの受容体が類似の調
節因子を認識しうることを示唆する。アルドステロンお
よびデキサメタゾンの両方に応答してトランスフェクシ
ョンされたhMRがMMTV−LTRを活性化すること
はこの結論を支持するが、プロゲステロン受容体もまた
このプロモーターを調節することが立証されている(2
1)。さらに、DNA結合ドメインにおけるhMRとh
GRの差異、またはこれらの分子の高度に異なるアミノ
末端のような他の領域における差異が、この検定では立
証できないやり方で標的遺伝子特異性に影響を及ぼすの
かも知れない。しかしながら、我々はhMRおよびhG
RによるMMTV−LTRの転写調節を利用して、ミネ
ラロコルチコイドおよびグルココルチコイドによるそれ
らの活性化を調べた。hMR応答は10nMアルドステロ
ンまたはデキサメタゾンの場合にほぼ等しかった。一方
hGRはこの検定においてデキサメタゾンによって活性
化されたが、アルドステロンには不感受性であった。外
因性コルチゾルに応答するhMRによる転写活性化も観
察された。これらのデータは、トランスフェクションし
た細胞において、ミネラロコルチコイドとグルココルチ
コイドの両方がhMR媒介遺伝子転写を活性化しうるこ
とを示している。この機能的特性に基づいて、我々はh
MRが副腎コルチコステロイドに対して高度に応答し、
それ故にグルココルチコイド受容体として機能しうると
結論を下した。
相同度(この保存された68残基領域中で4個のアミノ
酸残基のみが相違する)は、これらの受容体が類似の調
節因子を認識しうることを示唆する。アルドステロンお
よびデキサメタゾンの両方に応答してトランスフェクシ
ョンされたhMRがMMTV−LTRを活性化すること
はこの結論を支持するが、プロゲステロン受容体もまた
このプロモーターを調節することが立証されている(2
1)。さらに、DNA結合ドメインにおけるhMRとh
GRの差異、またはこれらの分子の高度に異なるアミノ
末端のような他の領域における差異が、この検定では立
証できないやり方で標的遺伝子特異性に影響を及ぼすの
かも知れない。しかしながら、我々はhMRおよびhG
RによるMMTV−LTRの転写調節を利用して、ミネ
ラロコルチコイドおよびグルココルチコイドによるそれ
らの活性化を調べた。hMR応答は10nMアルドステロ
ンまたはデキサメタゾンの場合にほぼ等しかった。一方
hGRはこの検定においてデキサメタゾンによって活性
化されたが、アルドステロンには不感受性であった。外
因性コルチゾルに応答するhMRによる転写活性化も観
察された。これらのデータは、トランスフェクションし
た細胞において、ミネラロコルチコイドとグルココルチ
コイドの両方がhMR媒介遺伝子転写を活性化しうるこ
とを示している。この機能的特性に基づいて、我々はh
MRが副腎コルチコステロイドに対して高度に応答し、
それ故にグルココルチコイド受容体として機能しうると
結論を下した。
【0371】コルチコステロイドに協調応答するミネラ
ロコルチコイド受容体の薬理学的および生理学的機能を
明らかにするほかに、hMRcDNAの分離は多数の病
気、なかでも高血圧および偽低アルドステロン症(pseu
do hypo aldosteronism;PHA)におけるhMRの役
割の証明をうながす。ミネラロコルチコイドと高血圧の
関連性は数十年の間認められており、hMR媒介ナトリ
ウム貯留および血液量の増加がいくつかの形態の高血圧
症に部分的に関与しているのかも知れない(34)。P
HAは正常レベルまたは高レベルのアルドステロンへの
応答性の欠如によって特徴づけられる常染色体劣性疾患
である。最近の研究により、この疾患をもつ患者では高
親和性アルドステロン結合部位が減少しているか又は完
全に消失していることが証明され(35)、このことは
ミネラロコルチコイド受容体遺伝子の欠陥により生ずる
と思われる。hMR遺伝子の染色体マッピングはPHA
の遺伝子座が染色体4に存在することを示唆する。
ロコルチコイド受容体の薬理学的および生理学的機能を
明らかにするほかに、hMRcDNAの分離は多数の病
気、なかでも高血圧および偽低アルドステロン症(pseu
do hypo aldosteronism;PHA)におけるhMRの役
割の証明をうながす。ミネラロコルチコイドと高血圧の
関連性は数十年の間認められており、hMR媒介ナトリ
ウム貯留および血液量の増加がいくつかの形態の高血圧
症に部分的に関与しているのかも知れない(34)。P
HAは正常レベルまたは高レベルのアルドステロンへの
応答性の欠如によって特徴づけられる常染色体劣性疾患
である。最近の研究により、この疾患をもつ患者では高
親和性アルドステロン結合部位が減少しているか又は完
全に消失していることが証明され(35)、このことは
ミネラロコルチコイド受容体遺伝子の欠陥により生ずる
と思われる。hMR遺伝子の染色体マッピングはPHA
の遺伝子座が染色体4に存在することを示唆する。
【0372】機能的hMRのクローニングおよび発現は
予期しない考察をもたらし、生理学的複雑性の下に横た
わる機構への新たな興味を刺激し、そして遺伝子ネット
ワークの協調調節のための新しいモデルの開発および試
験を可能にするであろう。
予期しない考察をもたらし、生理学的複雑性の下に横た
わる機構への新たな興味を刺激し、そして遺伝子ネット
ワークの協調調節のための新しいモデルの開発および試
験を可能にするであろう。
【0373】IV.J.実験の部IVに関連した図面の詳細
な説明 第23(A),(B),(C)および(D)図 hGR遺伝子に関連したゲノム配列の分離。(A)表示
した制限エンドヌクレアーゼで消化したヒト胎盤DNA
の高ストリンジェントハイブリダイゼーション。hGR
cDNA(hGR1.2)をプローブとして使用した。Hi
ndIII消化により作ったラムダDNAフラグメントマー
カーの大きさ(キロ塩基対で表す)をオートラジオグラ
ムの隣に示す。(B)低ストリンジェントサザン分析。
HindIIIレーンに星印ではさまれた2.5kbpバンドは直接
ゲノムクローニングの的にされた配列であった。(C)
ラムダHGHと命名されたクローン中のこのゲノム配列
の分離は、類似のサザンブロットでプローブとして使用
することにより証明される。ラムダHGHゲノムフラグ
メントは、このクローニングから分離されたハイブリッ
ド形成性内部EcoRIフラグメントを含む。(D)ラム
ダHGHゲノムフラグメントのイントロン−エクソン構
造およびhGRとのその相同性。ラムダHGHに存在す
るhGR関連エクソンは、その推定アミノ酸配列と共に
黒地に白で示される。保存されたシステイン残基は白い
点で示される。アンダーラインを施した共通のスプライ
ス供与部位および受容部位を有するイントロン配列部位
がエクソンの両側に存在することが分かる。hGRとの
ヌクレオチド相同性を下側に示す。hGRのヌクレオチ
ド番号は実験の部Iで論じた第3および4図からのもの
であり、また実験の部Iとしてここで使用した研究を発
表したHollenbergら(1985)(文献8)を参照された
い。サザン分析のために、我々は妊娠期間終結後のヒト
胎盤由来のDNAを制限エンドヌクレアーゼで消化し、
消化産物を 0.8%アガロースゲル上で分離した。DNA
をニトロセルロース紙へ移行させ、ストリンジェントま
たは非ストリンジェント条件下でハイブリダイズさせ
た。ストリンジェントハイブリダイゼーションは50%
ホルムアミド、5×SSPE(NaCl,NaH2PO4,
EDTA,pH7.4)、1×デンハート溶液、0.1%SD
S,100μg/mlのサケ精子DNAおよびプローブ(1
06cpm/ml)を用いて42℃で行った。非ストリンジ
ェントハイブリダイゼーションの場合は、50%ホルム
アミドの代わりに35%ホルムアミドを用いた。洗浄条
件はストリンジェント条件の場合が60℃で0.1%SD
Sを含む0.1×SSC(標準NaCl−クエン酸塩)、そし
て非ストリジェントフィルターの場合が55℃で 0.1
%SDSを含む2×SSCから成っていた。プローブと
してラムダHGH由来の338bp挿入物を用いたときの
洗浄条件は、68℃で 0.1%SDSを含む2×SSCに
変更した。ラムダHGHの分離のために、ヒト胎盤DN
A(300μg)はHindIIIで消化し、1%低融点アガロー
スゲル(Seaplaque,FMC)上で大きさにより分画化
した。ゲルを 0.5cmの細片に切り取り、フェノール抽出
およびエタノール沈澱によりDNAを精製した。(B)
において星印ではさまれたバンドに大きさの点で対応す
る分画からのDNA(2μg)は、EcoRIリンカーを
付加するためにクレノウDNAポリメラーゼで修復し
た。EcoRIでの消化およびセファロース4Bカラムに
よる過剰リンカーの除去後に、このDNAをEcoRI消
化ラムダgt10DNAに連結し、in vitroでパッケー
ジした(カリフォルニア州サンジェゴ,ベクター・クロ
ーニング・システムズ社からのラムダアームおよび抽出
物)。約4×105個の独立した組換え体を非ストリン
ジェントサザン分析のために使用した条件と同じ条件下
でスクリーニングしてラムダHGHを得た。
な説明 第23(A),(B),(C)および(D)図 hGR遺伝子に関連したゲノム配列の分離。(A)表示
した制限エンドヌクレアーゼで消化したヒト胎盤DNA
の高ストリンジェントハイブリダイゼーション。hGR
cDNA(hGR1.2)をプローブとして使用した。Hi
ndIII消化により作ったラムダDNAフラグメントマー
カーの大きさ(キロ塩基対で表す)をオートラジオグラ
ムの隣に示す。(B)低ストリンジェントサザン分析。
HindIIIレーンに星印ではさまれた2.5kbpバンドは直接
ゲノムクローニングの的にされた配列であった。(C)
ラムダHGHと命名されたクローン中のこのゲノム配列
の分離は、類似のサザンブロットでプローブとして使用
することにより証明される。ラムダHGHゲノムフラグ
メントは、このクローニングから分離されたハイブリッ
ド形成性内部EcoRIフラグメントを含む。(D)ラム
ダHGHゲノムフラグメントのイントロン−エクソン構
造およびhGRとのその相同性。ラムダHGHに存在す
るhGR関連エクソンは、その推定アミノ酸配列と共に
黒地に白で示される。保存されたシステイン残基は白い
点で示される。アンダーラインを施した共通のスプライ
ス供与部位および受容部位を有するイントロン配列部位
がエクソンの両側に存在することが分かる。hGRとの
ヌクレオチド相同性を下側に示す。hGRのヌクレオチ
ド番号は実験の部Iで論じた第3および4図からのもの
であり、また実験の部Iとしてここで使用した研究を発
表したHollenbergら(1985)(文献8)を参照された
い。サザン分析のために、我々は妊娠期間終結後のヒト
胎盤由来のDNAを制限エンドヌクレアーゼで消化し、
消化産物を 0.8%アガロースゲル上で分離した。DNA
をニトロセルロース紙へ移行させ、ストリンジェントま
たは非ストリンジェント条件下でハイブリダイズさせ
た。ストリンジェントハイブリダイゼーションは50%
ホルムアミド、5×SSPE(NaCl,NaH2PO4,
EDTA,pH7.4)、1×デンハート溶液、0.1%SD
S,100μg/mlのサケ精子DNAおよびプローブ(1
06cpm/ml)を用いて42℃で行った。非ストリンジ
ェントハイブリダイゼーションの場合は、50%ホルム
アミドの代わりに35%ホルムアミドを用いた。洗浄条
件はストリンジェント条件の場合が60℃で0.1%SD
Sを含む0.1×SSC(標準NaCl−クエン酸塩)、そし
て非ストリジェントフィルターの場合が55℃で 0.1
%SDSを含む2×SSCから成っていた。プローブと
してラムダHGH由来の338bp挿入物を用いたときの
洗浄条件は、68℃で 0.1%SDSを含む2×SSCに
変更した。ラムダHGHの分離のために、ヒト胎盤DN
A(300μg)はHindIIIで消化し、1%低融点アガロー
スゲル(Seaplaque,FMC)上で大きさにより分画化
した。ゲルを 0.5cmの細片に切り取り、フェノール抽出
およびエタノール沈澱によりDNAを精製した。(B)
において星印ではさまれたバンドに大きさの点で対応す
る分画からのDNA(2μg)は、EcoRIリンカーを
付加するためにクレノウDNAポリメラーゼで修復し
た。EcoRIでの消化およびセファロース4Bカラムに
よる過剰リンカーの除去後に、このDNAをEcoRI消
化ラムダgt10DNAに連結し、in vitroでパッケー
ジした(カリフォルニア州サンジェゴ,ベクター・クロ
ーニング・システムズ社からのラムダアームおよび抽出
物)。約4×105個の独立した組換え体を非ストリン
ジェントサザン分析のために使用した条件と同じ条件下
でスクリーニングしてラムダHGHを得た。
【0374】第24−26図 ヒトミネラロコルチコイド受容体のヌクレオチド配列お
よび一次アミノ酸構造。(24)いくつかの制限エンド
ヌクレアーゼ切断部位の線図と整列したhMRの複合構
造(EcoRI部位はヌクレオチド1および5823に示
され、リンカーから誘導される)。この複合体は2つの
重複するラムダgt10クローンのラムダhk10およびラ
ムダhk2から組み立てられた。ラムダhk2の線図におけ
るかっこは351bpの欠失を示す。斜線ボックスはイニ
シエーターコドンと終結コドンを含む推定されたコード
配列を示す。(25−26)hMRの完全なヌクレオチ
ド配列およびその推定上の一次アミノ酸配列。推定され
たイニシエーターメチオニンの上流にある読み枠内の
5’終結コドンおよび4つの可能なポリアデニル化部位
(AATAAA)にはアンダーラインが施してある。ヒ
ト腎臓ラムダgt10ライブラリー(18)はラムダHG
H由来の挿入物を用いて、このプローブによる高ストリ
ンジェント条件下でのサザン分析のために記載した条件
と同じ条件でスクリーニングした。それぞれのcDNA
の重複欠失はサイクロン高速欠失サブクローニング法
(インターナショナル・バイオテクノロジー)により得
られた(36)。欠失クローンはジデオキシ法(37)
によりその塩基配列を決定し、そしてギャップやアンビ
ギュイティ(ambiguity)を化学的切断法(38)によ
り解明した。DNA配列は編集してDevereuxら(3
9)およびStaden(40)のプログラムにより分析し
た。
よび一次アミノ酸構造。(24)いくつかの制限エンド
ヌクレアーゼ切断部位の線図と整列したhMRの複合構
造(EcoRI部位はヌクレオチド1および5823に示
され、リンカーから誘導される)。この複合体は2つの
重複するラムダgt10クローンのラムダhk10およびラ
ムダhk2から組み立てられた。ラムダhk2の線図におけ
るかっこは351bpの欠失を示す。斜線ボックスはイニ
シエーターコドンと終結コドンを含む推定されたコード
配列を示す。(25−26)hMRの完全なヌクレオチ
ド配列およびその推定上の一次アミノ酸配列。推定され
たイニシエーターメチオニンの上流にある読み枠内の
5’終結コドンおよび4つの可能なポリアデニル化部位
(AATAAA)にはアンダーラインが施してある。ヒ
ト腎臓ラムダgt10ライブラリー(18)はラムダHG
H由来の挿入物を用いて、このプローブによる高ストリ
ンジェント条件下でのサザン分析のために記載した条件
と同じ条件でスクリーニングした。それぞれのcDNA
の重複欠失はサイクロン高速欠失サブクローニング法
(インターナショナル・バイオテクノロジー)により得
られた(36)。欠失クローンはジデオキシ法(37)
によりその塩基配列を決定し、そしてギャップやアンビ
ギュイティ(ambiguity)を化学的切断法(38)によ
り解明した。DNA配列は編集してDevereuxら(3
9)およびStaden(40)のプログラムにより分析し
た。
【0375】第27図 ミネラロコルチコイド受容体とグルココルチコイド受容
体のアミノ酸相同性。hMRの一次アミノ酸配列は、ギ
ャップ(点で表示)を導入することにより最大の相同性
を得るように、hGRのアミノ酸配列と整列させた。数
字はhMRについては第25および26図から、そして
hGRについては第3および4図から引用した。表示し
た領域の上流には有意な相同性が全く見られなかった。
縦線は同一のアミノ酸残基を示す。矢印はDNA結合ド
メイン(DNA)およびステロイド結合ドメイン(ST
EROID)の推定上の境界を示す。DNA結合ドメイ
ンのアミノ末端境界は最初の保存システイン残基によっ
て任意に定められたが、カルボキシル末端限界はDNA
結合および転写活性化に必要な配列を示す突然変異誘発
実験に基づいて選択された(15)。DNA結合ドメイ
ンに続く数個の保存的塩基性残基もまたこれらの機能に
とって重要でありうる。アミノ酸相同領域により定めら
れたステロイド結合ドメインの境界もまた突然変異分析
と一致する。アミノ酸残基の一文字略号はA,Ala;
C,Cys;D,Asp;E,Glu;F,Phe,G,Gl
y;H,His;I,Ile;K,Lys;L,Leu;M,M
et;N,Asn;P,Pro;Q,Gln;R,Arg;S,
Ser;T,Thr;V,Val;W,Trp;およびY,Ty
rである。
体のアミノ酸相同性。hMRの一次アミノ酸配列は、ギ
ャップ(点で表示)を導入することにより最大の相同性
を得るように、hGRのアミノ酸配列と整列させた。数
字はhMRについては第25および26図から、そして
hGRについては第3および4図から引用した。表示し
た領域の上流には有意な相同性が全く見られなかった。
縦線は同一のアミノ酸残基を示す。矢印はDNA結合ド
メイン(DNA)およびステロイド結合ドメイン(ST
EROID)の推定上の境界を示す。DNA結合ドメイ
ンのアミノ末端境界は最初の保存システイン残基によっ
て任意に定められたが、カルボキシル末端限界はDNA
結合および転写活性化に必要な配列を示す突然変異誘発
実験に基づいて選択された(15)。DNA結合ドメイ
ンに続く数個の保存的塩基性残基もまたこれらの機能に
とって重要でありうる。アミノ酸相同領域により定めら
れたステロイド結合ドメインの境界もまた突然変異分析
と一致する。アミノ酸残基の一文字略号はA,Ala;
C,Cys;D,Asp;E,Glu;F,Phe,G,Gl
y;H,His;I,Ile;K,Lys;L,Leu;M,M
et;N,Asn;P,Pro;Q,Gln;R,Arg;S,
Ser;T,Thr;V,Val;W,Trp;およびY,Ty
rである。
【0376】第28(A),(B),(C)および(D)図 発現されたhMRのステロイド結合特性。(A)hMR
発現プラスミドpRShMRの構造(41)。(B)pR
ShMRでトランスフェクションした細胞から調製され
た抽出物における〔3H〕アルドステロン結合のスカッ
チャード分析。各点は200μl中の抽出蛋白質100
μgを0℃で2.5時間インキュベーションする3通りの
実験により検定した。500倍過剰の未標識アルドステ
ロンを用いて測定した非特異的結合は全カウント数の約
20%であった。疑似トランスフェクションした細胞で
は特異的結合が全く見られなかった。(CおよびD)ト
ランスフェクションしたCOS細胞の抽出物における5
nM〔3H〕アルドステロンと未標識ステロイドとの競合
結合。これらの競合実験を代表する2つの独立した実験
の結果を示す。冷却競合剤は1−,10−,100−倍
過剰モル量で存在していた。100%結合の値は、10
00倍過剰の未標識アルドステロンの存在下で結合した
cpm数を、競合剤の不在下で結合したカウント数から減
算することにより決定した。略号:ALDO,アルドス
テロン;DOC,デオキシコルチコステロン;DEX,
デキサメタゾン;SPIRO,スピロノラクトン;E2
1,17β−エストラジオールCS,コルチコステロン;H
C,ヒドロコルチゾン;およびPROG,プロゲステロ
ン。亜集密的生長(subconfluent)COS細胞はDEA
E−デキストラン法(42)により培養皿当たり10μ
gのpRShMRを用いてトランスフェクションした。
細胞は5%チャーコール処理ウシ胎児血清を含むDME
M(イーグル最少培地のダルベッコ修飾)中に2日間維
持し、その後40mMトリス−HCl(pH7.8)、10
mM NaCl、1mMEDTA、10mM Na2MoO4、5
mMジチオトレイトール、アンチパイン(5μg/m
l)、ロイペプチン(5μg/ml)および500μM弗
化フェニルメチルスルホニル中に収集した。15000
×gで10分遠心した後、抽出物は結合に先立って10
0mM NaClおよび5%グリセロールへ調整した。〔
3H〕アルドステロン(比非活性78Ci/mmol,アマ
−シャム社製)との標識反応は全容量200μl中0℃
で2.5時間インキュベーションし、その後20μlの5
0%デキストラン被覆チヤーコール(活性チャーコー
ル:デキストラン10:1)と共に10分間インキュベ
ーションした。15000×g、4℃で2分間遠心した
後、上清中の三重水素を液体シンチレーション分光光度
計により定量化した。
発現プラスミドpRShMRの構造(41)。(B)pR
ShMRでトランスフェクションした細胞から調製され
た抽出物における〔3H〕アルドステロン結合のスカッ
チャード分析。各点は200μl中の抽出蛋白質100
μgを0℃で2.5時間インキュベーションする3通りの
実験により検定した。500倍過剰の未標識アルドステ
ロンを用いて測定した非特異的結合は全カウント数の約
20%であった。疑似トランスフェクションした細胞で
は特異的結合が全く見られなかった。(CおよびD)ト
ランスフェクションしたCOS細胞の抽出物における5
nM〔3H〕アルドステロンと未標識ステロイドとの競合
結合。これらの競合実験を代表する2つの独立した実験
の結果を示す。冷却競合剤は1−,10−,100−倍
過剰モル量で存在していた。100%結合の値は、10
00倍過剰の未標識アルドステロンの存在下で結合した
cpm数を、競合剤の不在下で結合したカウント数から減
算することにより決定した。略号:ALDO,アルドス
テロン;DOC,デオキシコルチコステロン;DEX,
デキサメタゾン;SPIRO,スピロノラクトン;E2
1,17β−エストラジオールCS,コルチコステロン;H
C,ヒドロコルチゾン;およびPROG,プロゲステロ
ン。亜集密的生長(subconfluent)COS細胞はDEA
E−デキストラン法(42)により培養皿当たり10μ
gのpRShMRを用いてトランスフェクションした。
細胞は5%チャーコール処理ウシ胎児血清を含むDME
M(イーグル最少培地のダルベッコ修飾)中に2日間維
持し、その後40mMトリス−HCl(pH7.8)、10
mM NaCl、1mMEDTA、10mM Na2MoO4、5
mMジチオトレイトール、アンチパイン(5μg/m
l)、ロイペプチン(5μg/ml)および500μM弗
化フェニルメチルスルホニル中に収集した。15000
×gで10分遠心した後、抽出物は結合に先立って10
0mM NaClおよび5%グリセロールへ調整した。〔
3H〕アルドステロン(比非活性78Ci/mmol,アマ
−シャム社製)との標識反応は全容量200μl中0℃
で2.5時間インキュベーションし、その後20μlの5
0%デキストラン被覆チヤーコール(活性チャーコー
ル:デキストラン10:1)と共に10分間インキュベ
ーションした。15000×g、4℃で2分間遠心した
後、上清中の三重水素を液体シンチレーション分光光度
計により定量化した。
【0377】第29(A),(B)および(C)図 トランスフェクションしたCVI細胞内でのhMRおよ
びhGR発現プラスミドによるMMTV−LTRの転写
活性化。(A)GMCATの構造。このプラスミドはホ
ルモン依存性転写活性化のためのリポーター遺伝子とし
てステロイド受容体と同時トランスフェクションされた
(実験の部IIを参照)。(B)正常血清の存在下でのh
MRまたはhGRトランスフェクション後に見られた示
差的CAT酵素活性。トランスフェクションした細胞は
5%ウシ胎児血清を含むDMEM中に維持した。血清は
その後の実験において遊離ステロイドを排除するために
チャーコールで処理した。その結果外因性ステロイドの
効果が測定できるであろう。(C)hMRまたはhGR
でトランスフェクションした細胞におけるアルドステロ
ンまたはデキサメタゾンによるCAT活性の示差的誘
導。CVI細胞は10μgのpRSVgal(対照)、p
RShMRまたはpRShGRアルファのいずれかおよび
10μgのリポーターGMCATで同時トランスフェク
ションし、そして10nMアルドステロン(A)または
10nMデキサメタゾン(D)の存在下または不在下
(−)で培養した。AC,3−アセチルクロラムフェニ
コール;C,クロラムフェニコール。リン酸カルシウム
共沈によるトランスフェクション(43)の2日後、抽
出物をCAT検定のために調製した(44)。検定は5
0μgの蛋白質抽出物を用いて6時間インキュベーショ
ンした。
びhGR発現プラスミドによるMMTV−LTRの転写
活性化。(A)GMCATの構造。このプラスミドはホ
ルモン依存性転写活性化のためのリポーター遺伝子とし
てステロイド受容体と同時トランスフェクションされた
(実験の部IIを参照)。(B)正常血清の存在下でのh
MRまたはhGRトランスフェクション後に見られた示
差的CAT酵素活性。トランスフェクションした細胞は
5%ウシ胎児血清を含むDMEM中に維持した。血清は
その後の実験において遊離ステロイドを排除するために
チャーコールで処理した。その結果外因性ステロイドの
効果が測定できるであろう。(C)hMRまたはhGR
でトランスフェクションした細胞におけるアルドステロ
ンまたはデキサメタゾンによるCAT活性の示差的誘
導。CVI細胞は10μgのpRSVgal(対照)、p
RShMRまたはpRShGRアルファのいずれかおよび
10μgのリポーターGMCATで同時トランスフェク
ションし、そして10nMアルドステロン(A)または
10nMデキサメタゾン(D)の存在下または不在下
(−)で培養した。AC,3−アセチルクロラムフェニ
コール;C,クロラムフェニコール。リン酸カルシウム
共沈によるトランスフェクション(43)の2日後、抽
出物をCAT検定のために調製した(44)。検定は5
0μgの蛋白質抽出物を用いて6時間インキュベーショ
ンした。
【0378】第30図 ラット組織中のミネラロコルチコイド受容体mRNAの
ノザン分析。ラムダhk10からの1270 bp EcoRI
フラグメント(1770−3040)を、ラットでの相同mRN
A発現のためのプローブとして使用した。すべてのレー
ンにおいて、10μgのポリ(A)+mRNAを用いた。
リボソームRNA(28Sおよび18S)の泳動をサイ
ズマーカーとして示す。ストリンジェント条件下でのハ
イブリダイゼーション後に、フィルターは0.1%SDS
を含む2×SSCで30分ずつ2回、68℃で洗浄し
た。
ノザン分析。ラムダhk10からの1270 bp EcoRI
フラグメント(1770−3040)を、ラットでの相同mRN
A発現のためのプローブとして使用した。すべてのレー
ンにおいて、10μgのポリ(A)+mRNAを用いた。
リボソームRNA(28Sおよび18S)の泳動をサイ
ズマーカーとして示す。ストリンジェント条件下でのハ
イブリダイゼーション後に、フィルターは0.1%SDS
を含む2×SSCで30分ずつ2回、68℃で洗浄し
た。
【0379】第31図 微小核ハイブリッドのサザン分析によるhMR遺伝子の
染色体局在化。これらのハイブリッドの構築および特性
決定は以前に開示されている(32)。それぞれのヒト
染色体含有物は次の通りである:HDm−4A(染色体
20)、HDm−5(染色体14および非特定化Eグル
ープ染色体)、HDm−9(染色体20,14および2
1)、HDm−15(染色体21,11および4)、H
Dm−20(染色体7および14)、およびHDm−11
32B(染色体4のみ)。ヒト(HeLa)およびマウス
(3T#)対照DNA試料も示す。微小核体由来のゲノ
ムDNA(10μg)はEcoRIで消化し、1.0%アガ
ロースゲルで電気泳動にかけ、ナイロン膜(Nytran,
Schleicher & Schuell社)に移行させ、そして高ス
トリンジェント条件下でhMRcDNAプローブを用い
てハイブリダイズさせた(第23(A))。放射性プロ
ーブは2つのランダムにプライムした(45)hMRcD
NA(鋳型(ラムダ hk2の1000−および800−bp Eco
RIフラグメント)から大腸菌DNAポリメラーゼのク
レノウ断片により合成した。HindIII消化ラムダDNA
のサイズをオートラジオグラムに近接して示す。
染色体局在化。これらのハイブリッドの構築および特性
決定は以前に開示されている(32)。それぞれのヒト
染色体含有物は次の通りである:HDm−4A(染色体
20)、HDm−5(染色体14および非特定化Eグル
ープ染色体)、HDm−9(染色体20,14および2
1)、HDm−15(染色体21,11および4)、H
Dm−20(染色体7および14)、およびHDm−11
32B(染色体4のみ)。ヒト(HeLa)およびマウス
(3T#)対照DNA試料も示す。微小核体由来のゲノ
ムDNA(10μg)はEcoRIで消化し、1.0%アガ
ロースゲルで電気泳動にかけ、ナイロン膜(Nytran,
Schleicher & Schuell社)に移行させ、そして高ス
トリンジェント条件下でhMRcDNAプローブを用い
てハイブリダイズさせた(第23(A))。放射性プロ
ーブは2つのランダムにプライムした(45)hMRcD
NA(鋳型(ラムダ hk2の1000−および800−bp Eco
RIフラグメント)から大腸菌DNAポリメラーゼのク
レノウ断片により合成した。HindIII消化ラムダDNA
のサイズをオートラジオグラムに近接して示す。
【0380】第32図 hGR,hMRおよび rPR構造の模式図によるアミノ
酸比較。一次アミノ酸配列を模式図的に整列させ、点線
の間のそれぞれの相同領域についてアミノ酸同一性のパ
ーセンテージを示す。各ドメイン境界のアミノ酸位置を
それぞれの受容体について示す。NおよびCはアミノ末
端およびカルボキシル末端を表す。Cysは推定上のDN
A結合ドメインをコードするシステインに富む領域に相
当し、一方Steroid(コルチゾル、アルドステロンまた
はプロゲステロン)はステロイド結合ドメインを表す。
hGRの免疫原領域(IMM)も示す。アミノ酸残基番
号はhGRについては実験の部Iから、rPRについて
はLoosfeltら(11)から、そしてhMRについては我々
のデータから引用する。
酸比較。一次アミノ酸配列を模式図的に整列させ、点線
の間のそれぞれの相同領域についてアミノ酸同一性のパ
ーセンテージを示す。各ドメイン境界のアミノ酸位置を
それぞれの受容体について示す。NおよびCはアミノ末
端およびカルボキシル末端を表す。Cysは推定上のDN
A結合ドメインをコードするシステインに富む領域に相
当し、一方Steroid(コルチゾル、アルドステロンまた
はプロゲステロン)はステロイド結合ドメインを表す。
hGRの免疫原領域(IMM)も示す。アミノ酸残基番
号はhGRについては実験の部Iから、rPRについて
はLoosfeltら(11)から、そしてhMRについては我々
のデータから引用する。
【0381】IV.K.実験の部IVで引用した文献 1.Baxter,J.D.,and Tyrrell,J.B.,in Endocri
nology and Metabolism,Felig,P.,Baxter,J.D.,
Broadus,A.E.and Frohman,L.S.,Eds.,p
p.385−510,McGraw−Hill,New York(1981);Ma
rver,D.inBioch emical Actions of Hormones,
Litwack,G.,Ed., vol.12,pp.385−431,Academ
ic Press,Orlando FL(1985)。
nology and Metabolism,Felig,P.,Baxter,J.D.,
Broadus,A.E.and Frohman,L.S.,Eds.,p
p.385−510,McGraw−Hill,New York(1981);Ma
rver,D.inBioch emical Actions of Hormones,
Litwack,G.,Ed., vol.12,pp.385−431,Academ
ic Press,Orlando FL(1985)。
【0382】2.Fanestil,D.D.,and Park,C.
S.,Annu.Rev.Physiol.,43:637(1981)。
S.,Annu.Rev.Physiol.,43:637(1981)。
【0383】3.Funder,G.W.,in Adrenal Co
rtex,Anderson,D.C.,and Winter,J.S.D.,
Eds.,pp.86−95,Butterworths, London(1985)。
rtex,Anderson,D.C.,and Winter,J.S.D.,
Eds.,pp.86−95,Butterworths, London(1985)。
【0384】4.Beaumont,K.,and Fanestil,D.
D.,Endocrinology,113:2043(1983;Krozowski,
Z.S.,and Funder,J.W.,Proc.Natl.Acad.Sc
i.,USA,80:6056(1983)。
D.,Endocrinology,113:2043(1983;Krozowski,
Z.S.,and Funder,J.W.,Proc.Natl.Acad.Sc
i.,USA,80:6056(1983)。
【0385】5. Funder,J.W., and Sheppard,K.,
Annu.rev.Physiol,49:397(1987)。6.Reul,J.
M.H., and dek loet,E.R., Endocrinology,11
7:2505(1985)。
Annu.rev.Physiol,49:397(1987)。6.Reul,J.
M.H., and dek loet,E.R., Endocrinology,11
7:2505(1985)。
【0386】7.McEwen,B.S.,deK loet,E.
R.,and Rosterne,W.,Physiol.Rev.,66:1121(198
6)。
R.,and Rosterne,W.,Physiol.Rev.,66:1121(198
6)。
【0387】8.Hollenberg,S.M.,et al.,Natur
e,318:635(1985)。
e,318:635(1985)。
【0388】9.Miesfeld,et al.,Cell,46:389
(1986)。
(1986)。
【0389】10.Green,S.,et al.,Nature,320:13
4(1986);Greene,G.L.,et al.,Science,231:1150
(1986)。
4(1986);Greene,G.L.,et al.,Science,231:1150
(1986)。
【0390】11. Loosfelt,H.,et al.,Proc.Natl.
Acad.Sci.,USA,83:9045(1986)。
Acad.Sci.,USA,83:9045(1986)。
【0391】12. Giguere,V.,Hollenberg,S.M.,
Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.M.,Cell,46:
645(1986)。
Rosenfeld,M.G.,and Evans,R.M.,Cell,46:
645(1986)。
【0392】13. Kumar,V.,Green,S.,Staub,
A.,and Chambon,P.,EMBO J.,5:2231(198
6);Green,S.,and Chambon,P.,Nature,235:
75(1987)。
A.,and Chambon,P.,EMBO J.,5:2231(198
6);Green,S.,and Chambon,P.,Nature,235:
75(1987)。
【0393】14. Godowski,P.J.,Rusconi,S.,Mie
sfeld,R.,and Yamamoto,K.R.,Nature,325:365
(1987)。
sfeld,R.,and Yamamoto,K.R.,Nature,325:365
(1987)。
【0394】15. Hollenberg,S.M.,Giguere,
V.,Segui,P.,and Evans,R.M.,Cell,49:39
(1987)。
V.,Segui,P.,and Evans,R.M.,Cell,49:39
(1987)。
【0395】16. Weinberger,G.,Hollenberg,S.
M.,Rosenfeld.M.G.,and Evans,R.M.,Natur
e,318:670(1985);Krust,A.,et al.,EMBO
J.,5:891(1986);Sap,J.,et al.,Nature,324:
635(1986);Weinberger, G.,Hollenberg,S.M.,
Rosenfeld.M.G.,and Evans,R.M.,Nature,318:
641(1985)。
M.,Rosenfeld.M.G.,and Evans,R.M.,Natur
e,318:670(1985);Krust,A.,et al.,EMBO
J.,5:891(1986);Sap,J.,et al.,Nature,324:
635(1986);Weinberger, G.,Hollenberg,S.M.,
Rosenfeld.M.G.,and Evans,R.M.,Nature,318:
641(1985)。
【0396】17. Miller,J.,McLachlan,A.D.,and
Klug,A.,EMBO J.,4:1609(1985)。
Klug,A.,EMBO J.,4:1609(1985)。
【0397】18. その他のcDNAクローンの欠失はこ
れらのライブラリーに報告されている〔G.I.Bel
l,et al.,Nucleic Acids Res.,14:8427(198
6)〕。
れらのライブラリーに報告されている〔G.I.Bel
l,et al.,Nucleic Acids Res.,14:8427(198
6)〕。
【0398】19. Kozak,M.,Nature, 308:241(198
4)。
4)。
【0399】20. Armanini,D.,Strasser,T.,and
Weber,Pc.,Am.J.Physiol.,284:E388 (1985)。
Weber,Pc.,Am.J.Physiol.,284:E388 (1985)。
【0400】21. Ringold,G.M.,Yamamoto,K.R.,
Bishop,J.M.,and Varmus,H.E.,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA,74:2879(1977);Payvar,F.,
et al.,Cell,35:381(1983);Schiedereit,
C.,Geisse,S.,Westphal,H.M.and Beato,
M.,Nature.304:749(1983)。
Bishop,J.M.,and Varmus,H.E.,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA,74:2879(1977);Payvar,F.,
et al.,Cell,35:381(1983);Schiedereit,
C.,Geisse,S.,Westphal,H.M.and Beato,
M.,Nature.304:749(1983)。
【0401】22. 内因性ステロイドの除去のために、洗
浄チャーコールを血清に加え〔100 ml当たり2g(乾燥
重量)〕 、37℃で40分間、次に55℃で30分間イ
ンキュベーションした。チャーコールは0.45ミクロ
ンその後0.2ミクロンのフィルターを通して濾過する
ことにより除いた。
浄チャーコールを血清に加え〔100 ml当たり2g(乾燥
重量)〕 、37℃で40分間、次に55℃で30分間イ
ンキュベーションした。チャーコールは0.45ミクロ
ンその後0.2ミクロンのフィルターを通して濾過する
ことにより除いた。
【0402】23. ヒト細胞株は高親和性アルドステロン
結合部位を発現すると報告されていない。ヒト卵巣RN
Aのノザンブロット分析により、大きさが約6kbおよび
4kbの2つのハイブリッド形成RNA種が明らかになっ
た。卵巣でのアルドステロン結合活性は報告されていな
い。
結合部位を発現すると報告されていない。ヒト卵巣RN
Aのノザンブロット分析により、大きさが約6kbおよび
4kbの2つのハイブリッド形成RNA種が明らかになっ
た。卵巣でのアルドステロン結合活性は報告されていな
い。
【0403】24. Fuller,P.J.,and Funder,J.
W.,KidneyInt.,10:154(1976);Matulich,D.
T.,Spindier,B.J.,Schambelan,M.,and Baxter,
J. D.,J.Clin.Endocrinol.Metab.,43:1170
(1976)。
W.,KidneyInt.,10:154(1976);Matulich,D.
T.,Spindier,B.J.,Schambelan,M.,and Baxter,
J. D.,J.Clin.Endocrinol.Metab.,43:1170
(1976)。
【0404】25. Pressley,L.,and. Funder,J.
W.,Endocrinology,97:588(1975)。
W.,Endocrinology,97:588(1975)。
【0405】26. Lan,N.C.,Matulich,D.T.,
Morris,J.A.,and Baxter,J.D.,Endocrinolog
y,109:1963(1981)。
Morris,J.A.,and Baxter,J.D.,Endocrinolog
y,109:1963(1981)。
【0406】26. Krozowski,Z.,and Funder,J.W.,
Endocrinology,109:1221(1981)。
Endocrinology,109:1221(1981)。
【0407】27. Meyer,W.J.,and Nichols,N.
R.,J.Steroid Biochem.,14:1157(1981);I型受
容体は心臓において初期の研究では検出されなかった
〔Funder,J.W.,Duval,D.,and Meyer,P.,E
ndocrinology, 93:1300(1973)〕。
R.,J.Steroid Biochem.,14:1157(1981);I型受
容体は心臓において初期の研究では検出されなかった
〔Funder,J.W.,Duval,D.,and Meyer,P.,E
ndocrinology, 93:1300(1973)〕。
【0408】28. Swaneck,G.E.,Highland,E.,a
nd Edelman,J.S.,Nephron, 6:297(1969)。
nd Edelman,J.S.,Nephron, 6:297(1969)。
【0409】29. Duval,D.,and Funder,J.W.,
Endocrinology,94:575(1975)。
Endocrinology,94:575(1975)。
【0410】30. Dracopoli,N.C.,et al.,Am.
J.Hum.Genet.,37:199(1985);Rettig,W.,
et al.,J.Exp.Med.,162:1603(1985)。
J.Hum.Genet.,37:199(1985);Rettig,W.,
et al.,J.Exp.Med.,162:1603(1985)。
【0411】31. Gehring,U.,Segnitz,B.,Foe
llmer,B.,and Francke,U.,Pr oc.Natl.Aca
d.Sci.,USA,82:3751(1985)。
llmer,B.,and Francke,U.,Pr oc.Natl.Aca
d.Sci.,USA,82:3751(1985)。
【0412】32. Lugo,T.G.,Handelin,B.L.,K
illary,A.M.,Housman,D.E.,and Hournier,
K.,Mol.Cell.Biol.,in press。
illary,A.M.,Housman,D.E.,and Hournier,
K.,Mol.Cell.Biol.,in press。
【0413】33. Wambach,G.,and Higgins,J.R.,
Endocrinology,102:1686(1978)。 34. Vallotton,M.B.,and Favre,L.,in Adren
al Cortex,Anderson,D.C.,and Winter,J.S.
D.,Eds.,pp.169−187,Butterworths,London(1
985)。
Endocrinology,102:1686(1978)。 34. Vallotton,M.B.,and Favre,L.,in Adren
al Cortex,Anderson,D.C.,and Winter,J.S.
D.,Eds.,pp.169−187,Butterworths,London(1
985)。
【0414】35. Armanini,D.,et al.,N.Engl.
J.Med.,313:1178(1985)。
J.Med.,313:1178(1985)。
【0415】36. Dale,R.M.K.,McClure,B.
A.,and Houchins,J.P.,Plasmid,13:31(1985)。
A.,and Houchins,J.P.,Plasmid,13:31(1985)。
【0416】37. Sanger,F.,Nicklen,S.,and C
oulson,A.R.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,7
4:5463(1977)。
oulson,A.R.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,7
4:5463(1977)。
【0417】38. Maxam,A.M.,and Gilbert,W.,
Methods Enzymol.,65:499(1980)。
Methods Enzymol.,65:499(1980)。
【0418】39. Devereux,J.,Haeberli,P.,and S
mithies,O.,Nucleic Acids Res.,12:387(1984)。
mithies,O.,Nucleic Acids Res.,12:387(1984)。
【0419】40. Staden,R.,Nucleic Acids Re
s.,10:4731(1982);Staden,R.,Nucleic Acids
Res., 12:521(1984)。
s.,10:4731(1982);Staden,R.,Nucleic Acids
Res., 12:521(1984)。
【0420】41.pRShMRの構築。ラムダhk10か
らの3.75kb挿入物は、hMRコード配列の5’末端に
mp18ポリリンカーが隣接する方向で、pGEN4(Pr
omega社)のEcoRI部位へ連結した。このプラスミド
(phk10)をHindIIIで消化してポリリンカー部位か
ら3562位のhMR部位に及ぶHindIIIフラグメントを形
成させ、このフラグメントを単離し、DNA ポリメラ
ーゼIのクレノウ断片を用いて両末端を修復した。プラ
スミドpRSVCAT〔C.M.Gorman,G.T.Merlin
o,M.C.Sillingham,I.Pastan,B.H.Howard,
Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,79:6777(198
2)〕はHindIIIおよびHpa I で消化し、そして pBR
322配列、RSV−LTRおよびSV40ポリA部位
を含むHindIII−Hpa I フラグメントもまた修復し
た。hMR フラグメントとpRSVCAT由来のフラグ
メントとの連結は、正しい方向でRSVプロモーターに
より支配されるhMRコード配列を含むベクターをもら
した。第28(A)図でかっこに入れた部位はこのクロ
ーニング段階で失われた。翻訳効率を改良するために、
5’非翻訳領域中のいくつかの上流の開始コドンおよび
終結コドンが、このベクターをAccIで消化して mp1
8ポリリンカーからhMR5'−UT領域中の188位
までの約200bp 配列を除去することにより欠失され
た。最後に、NdeIリンカーを付加したSV40複製起
点をNdeI部位(12)に導入してpRShMRを形成
させた。
らの3.75kb挿入物は、hMRコード配列の5’末端に
mp18ポリリンカーが隣接する方向で、pGEN4(Pr
omega社)のEcoRI部位へ連結した。このプラスミド
(phk10)をHindIIIで消化してポリリンカー部位か
ら3562位のhMR部位に及ぶHindIIIフラグメントを形
成させ、このフラグメントを単離し、DNA ポリメラ
ーゼIのクレノウ断片を用いて両末端を修復した。プラ
スミドpRSVCAT〔C.M.Gorman,G.T.Merlin
o,M.C.Sillingham,I.Pastan,B.H.Howard,
Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,79:6777(198
2)〕はHindIIIおよびHpa I で消化し、そして pBR
322配列、RSV−LTRおよびSV40ポリA部位
を含むHindIII−Hpa I フラグメントもまた修復し
た。hMR フラグメントとpRSVCAT由来のフラグ
メントとの連結は、正しい方向でRSVプロモーターに
より支配されるhMRコード配列を含むベクターをもら
した。第28(A)図でかっこに入れた部位はこのクロ
ーニング段階で失われた。翻訳効率を改良するために、
5’非翻訳領域中のいくつかの上流の開始コドンおよび
終結コドンが、このベクターをAccIで消化して mp1
8ポリリンカーからhMR5'−UT領域中の188位
までの約200bp 配列を除去することにより欠失され
た。最後に、NdeIリンカーを付加したSV40複製起
点をNdeI部位(12)に導入してpRShMRを形成
させた。
【0421】42. Deans,R.J.,Denis.,K.A.,
Taylor,A.,and Wall,R.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.,USA,81:1292(1984)。
Taylor,A.,and Wall,R.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.,USA,81:1292(1984)。
【0422】43. Wigler,M.,et al.,Cell,16:77
7(1979)。
7(1979)。
【0423】44. Gorman,C.M.,Moffat,L.F.,
and Howard,B.H.,Mol.Cell.B iol.,2:1044(1
982)。
and Howard,B.H.,Mol.Cell.B iol.,2:1044(1
982)。
【0424】45. Feinberg,A.P.,and Vogelstei
n,B,.Anal.Biochem.,137:266(1984)。
n,B,.Anal.Biochem.,137:266(1984)。
【0425】実験の部V 新しいクラスのステロイドホルモン受容体の同定V.A.序論 生殖腺および副腎はエストロゲン、プロゲスチン、アン
ドロゲン、グルココルチコイドおよびミネラロコルチコ
イドを含む5つの主なグループに類別される多種類のス
テロイドを産生する。生殖腺ステロイドは生殖系の分化
および成長をコントロールし、性的特徴を誘導・維持
し、そして生殖行動を調節する。同様に、副腎ステロイ
ドは代謝調節剤としての重要な役割のほかに分化にも影
響を与える。この広範囲の生理学的作用にもかかわら
ず、各ステロイドの効果は主としてそれが結合する特定
の同族受容体に基づいており、従ってステロイドホルモ
ン作用はそれらの生理活性を媒介する受容体に従ってよ
り正確に分類できるかも知れない。ヒトグルココルチコ
イド受容体(hGR)cDNA(実験の部Iを参照され
たい、これは文献1として発表した)、すぐその後に実
施されたエストロゲン2'3(hER)、プロゲステロン4
(hPR)およびミネラロコルチコイド受容体(hMR)
をコードするcDNA(実験の部IVを参照、これは文献
5として発表)、ならびにいろいろな種6-11からの相同
体の上首尾のクローニング、塩基配列決定および発現は
受容体の構造およびこれらの分子が遺伝子発現を制御す
る分子機構を研究するための機会を提供する。これらの
蛋白質の配列比較および突然変異分析は、すべてのクラ
スのステロイドホルモン受容体に共通した構造的特徴を
明らかにする(文献12として発表した実験の部IIを参
照;また文献13および14を参照)。とりわけ、受容体
は高度に保存されたシステインに富む領域(今や、DN
A−タウドメインと呼ばれる)を共通し、その領域はグ
ルココルチコイド受容体15 '16のDNA結合機能および
トランス活性化機能の両方に必要な情報をすべて含む。
受容体間の共通セグメントの存在は、関連遺伝子産物に
ついてゲノムを走査する可能性を与える。例えば、hM
R cDNAはハイブリダイゼーションプローブとして
hGRを用いることにより分離された(文献5として発
表した実験の部IVを参照)。分子生理学が健康およびヒ
トの病気ならびにこれらの現象を支配する生理学の我々
の理解を促し得る1つの方法は、新しいホルモン応答系
の同定を通してである。この研究において、ヒトエスト
ロゲン受容体cDNAの高度に保存されたDNA−タウ
領域をハイブリダイゼーションプローブとして使用する
ことにより、我々はステロイドホルモン受容体の構造的
特徴をポリペプチドをコードする2つのcDNAクロー
ンを単離した。
ドロゲン、グルココルチコイドおよびミネラロコルチコ
イドを含む5つの主なグループに類別される多種類のス
テロイドを産生する。生殖腺ステロイドは生殖系の分化
および成長をコントロールし、性的特徴を誘導・維持
し、そして生殖行動を調節する。同様に、副腎ステロイ
ドは代謝調節剤としての重要な役割のほかに分化にも影
響を与える。この広範囲の生理学的作用にもかかわら
ず、各ステロイドの効果は主としてそれが結合する特定
の同族受容体に基づいており、従ってステロイドホルモ
ン作用はそれらの生理活性を媒介する受容体に従ってよ
り正確に分類できるかも知れない。ヒトグルココルチコ
イド受容体(hGR)cDNA(実験の部Iを参照され
たい、これは文献1として発表した)、すぐその後に実
施されたエストロゲン2'3(hER)、プロゲステロン4
(hPR)およびミネラロコルチコイド受容体(hMR)
をコードするcDNA(実験の部IVを参照、これは文献
5として発表)、ならびにいろいろな種6-11からの相同
体の上首尾のクローニング、塩基配列決定および発現は
受容体の構造およびこれらの分子が遺伝子発現を制御す
る分子機構を研究するための機会を提供する。これらの
蛋白質の配列比較および突然変異分析は、すべてのクラ
スのステロイドホルモン受容体に共通した構造的特徴を
明らかにする(文献12として発表した実験の部IIを参
照;また文献13および14を参照)。とりわけ、受容体
は高度に保存されたシステインに富む領域(今や、DN
A−タウドメインと呼ばれる)を共通し、その領域はグ
ルココルチコイド受容体15 '16のDNA結合機能および
トランス活性化機能の両方に必要な情報をすべて含む。
受容体間の共通セグメントの存在は、関連遺伝子産物に
ついてゲノムを走査する可能性を与える。例えば、hM
R cDNAはハイブリダイゼーションプローブとして
hGRを用いることにより分離された(文献5として発
表した実験の部IVを参照)。分子生理学が健康およびヒ
トの病気ならびにこれらの現象を支配する生理学の我々
の理解を促し得る1つの方法は、新しいホルモン応答系
の同定を通してである。この研究において、ヒトエスト
ロゲン受容体cDNAの高度に保存されたDNA−タウ
領域をハイブリダイゼーションプローブとして使用する
ことにより、我々はステロイドホルモン受容体の構造的
特徴をポリペプチドをコードする2つのcDNAクロー
ンを単離した。
【0426】V.B.受容体hERR1のcDNAクロ
ーン 認定されていないホルモン応答系を検索する1つの方法
は、低下したストリンジェントハイブリダイゼーション
を系統的に利用して、新規なホルモン受容体について組
換えDNAライブラリーをスクリーニングすることであ
る。エストロゲン受容体のDNA−タウセグメントがこ
れらの研究を開始するために用いられた。ラムダgt10
ヒト精巣cDNAライブラリーの分析により、3×10
5組換えファージ当たり1個のクローンの頻度で3個の
陽性クローンが同定された。ヌクレオチド配列分析は、
これらのクローンのうち2個が実際にエストロゲン受容
体をコードしており、3番目のクローン(2.0キロ塩
基に及び、ラムダ hT16と命名した)が部分的な配列
相同を示すことを明らかにした。その後、このクローン
を使用してヒト胎児腎臓および成人心臓cDNAライブ
ラリーをスクリーニングし、それにより3個の追加クロ
ーンを同定した。腎臓ライブラリーからの2個のクロー
ン(ラムダ hKE4およびラムダ hKA1)はラムダ h
T16と同じ遺伝子産物を表すが、心臓クローン(ラム
ダ hH3)は部分的に関連しているにすぎない。同一配
列を共有する3つのcDNAの複合配列(ここではhE
RR1と呼ぶ)を第34および35図に示す。約150
〜200ヌクレオチド17のポリ(A)尾部を仮定すると、
この配列(約2430nt)はほぼ全長であるにちがいない。
ラムダ hKA1からのcDNA挿入物はヌクレオチド1
79から2430までを含み、一方ラムダ hKE4はまれな
メッセンジャーRNAのスプライシングエラー(splici
ng error)を示し、エクソン2の欠失およびイントロン
配列の挿入を有する。ラムダ hKE4によって示唆され
たエクソン/イントロン境界は、この遺伝子をコードす
るゲノムフラグメントをクローニングして部分的に塩基
配列を決定することにより確かめた(データは示さ
ず)。最初のATGをとりまく配列は、翻訳開始部位に
ついてKozak18によって開示されたコンセンサス配列と
一致する。Mr 57300のポリペプチドを予告する521
個のアミノ酸のオープン・リーディング・フレームは、
775ヌクレオチドの3’非翻訳領域と接している。
ーン 認定されていないホルモン応答系を検索する1つの方法
は、低下したストリンジェントハイブリダイゼーション
を系統的に利用して、新規なホルモン受容体について組
換えDNAライブラリーをスクリーニングすることであ
る。エストロゲン受容体のDNA−タウセグメントがこ
れらの研究を開始するために用いられた。ラムダgt10
ヒト精巣cDNAライブラリーの分析により、3×10
5組換えファージ当たり1個のクローンの頻度で3個の
陽性クローンが同定された。ヌクレオチド配列分析は、
これらのクローンのうち2個が実際にエストロゲン受容
体をコードしており、3番目のクローン(2.0キロ塩
基に及び、ラムダ hT16と命名した)が部分的な配列
相同を示すことを明らかにした。その後、このクローン
を使用してヒト胎児腎臓および成人心臓cDNAライブ
ラリーをスクリーニングし、それにより3個の追加クロ
ーンを同定した。腎臓ライブラリーからの2個のクロー
ン(ラムダ hKE4およびラムダ hKA1)はラムダ h
T16と同じ遺伝子産物を表すが、心臓クローン(ラム
ダ hH3)は部分的に関連しているにすぎない。同一配
列を共有する3つのcDNAの複合配列(ここではhE
RR1と呼ぶ)を第34および35図に示す。約150
〜200ヌクレオチド17のポリ(A)尾部を仮定すると、
この配列(約2430nt)はほぼ全長であるにちがいない。
ラムダ hKA1からのcDNA挿入物はヌクレオチド1
79から2430までを含み、一方ラムダ hKE4はまれな
メッセンジャーRNAのスプライシングエラー(splici
ng error)を示し、エクソン2の欠失およびイントロン
配列の挿入を有する。ラムダ hKE4によって示唆され
たエクソン/イントロン境界は、この遺伝子をコードす
るゲノムフラグメントをクローニングして部分的に塩基
配列を決定することにより確かめた(データは示さ
ず)。最初のATGをとりまく配列は、翻訳開始部位に
ついてKozak18によって開示されたコンセンサス配列と
一致する。Mr 57300のポリペプチドを予告する521
個のアミノ酸のオープン・リーディング・フレームは、
775ヌクレオチドの3’非翻訳領域と接している。
【0427】V.C.受容体hERR2のcDNAクロー
ン クローンラムダhH3の特性決定により、それはhER
R1と高度に関連した唯一のポリペプチドをコードする
ことが分かった。第37および38図は、ラムダ hH3
の2153ヌクレオチド配列およびその蛋白質産物(hER
R2と呼ぶ)の一次構造を示す。その翻訳開始部位はヌ
クレオチド100−102 に一致するメチオニンコドンに指
定された。その理由は、これが読み枠内(in−frame)
ターミネーターTGA(ヌクレオチド31−33)から
下流に現れる最初のATGトリプレットであるからであ
る。433個のアミノ酸を含むオープン・リーディング
・フレームはMr 47600のポリペプチドをコードし、7
52ヌクレオチドの3’非翻訳領域が後に続く。
ン クローンラムダhH3の特性決定により、それはhER
R1と高度に関連した唯一のポリペプチドをコードする
ことが分かった。第37および38図は、ラムダ hH3
の2153ヌクレオチド配列およびその蛋白質産物(hER
R2と呼ぶ)の一次構造を示す。その翻訳開始部位はヌ
クレオチド100−102 に一致するメチオニンコドンに指
定された。その理由は、これが読み枠内(in−frame)
ターミネーターTGA(ヌクレオチド31−33)から
下流に現れる最初のATGトリプレットであるからであ
る。433個のアミノ酸を含むオープン・リーディング
・フレームはMr 47600のポリペプチドをコードし、7
52ヌクレオチドの3’非翻訳領域が後に続く。
【0428】V.D.hERR1およびhERR2の特
性決定 先に述べたように、ステロイドホルモン受容体は配列分
析により同定しうる別個の機能的ドメインから構成され
る。14推定されたhERR1およびhERR2ポリペプ
チドはステロイド受容体の予測されたドメイン特徴を含
む。hERR1とhERR2との間のアミノ酸比較は、
これらの2種の蛋白質が分岐(divergent)アミノ末端を
有し、この領域内では他のクラスの受容体との相同性が
全く検出されないことを示す(データは示さず)。この
発見はこの領域の配列が高度に変化しうることを示した
先の比較研究(実験の部IVを参照;また文献5,8,1
0,14を参照)と一致している。hERR1,hER
R2,hERおよびhGRの整列(第39図)により、
これらの蛋白質の間には最高の相同度がhERR1のア
ミノ酸175から240までの66個のアミノ酸のシス
テインに富む領域〔ステロイドホルモン受容体のDNA
−タウドメイン(実験の部IIおよび文献15を参照)に
相当する〕に見られる。hERR1とhERR2との比
較においては91%のアミノ酸同一性が存在し、hER
との比較では68%、そしてhGRとの比較では56%
の同一性が存在する。9個のシステイン残基の位置は厳
格に保存されているが、hERR1の206位およびh
ERR2の134位におけるヒスチジン残基の不在は前
述のステロイドホルモン受容体と大きく相違するところ
である。このヒスチジン残基は元来保存性システイン残
基と共にDNA結合フィンガーの形成に関与すると考え
られていた。リガンド結合トランス活性化因子スーパー
ファミリーの他の一員であるビタミンD受容体19の対応
するアミノ酸配列にもこのヒスチジン残基の存在しない
ことが最近になって分かり、このことはZn2+原子がこ
れらの蛋白質に存在する提案されたDNA結合フィンガ
ーの形成を調整するために、排他的にシステイン残基と
相互作用することを示唆している。hERR1のアミノ
酸295と521の間に位置づけられる推定上のステロ
イド結合ドメインは、hERR2と比較したとき63%
の同一性を示し、hERとは36%、そしてhGRとは
28%の同一性を示す。
性決定 先に述べたように、ステロイドホルモン受容体は配列分
析により同定しうる別個の機能的ドメインから構成され
る。14推定されたhERR1およびhERR2ポリペプ
チドはステロイド受容体の予測されたドメイン特徴を含
む。hERR1とhERR2との間のアミノ酸比較は、
これらの2種の蛋白質が分岐(divergent)アミノ末端を
有し、この領域内では他のクラスの受容体との相同性が
全く検出されないことを示す(データは示さず)。この
発見はこの領域の配列が高度に変化しうることを示した
先の比較研究(実験の部IVを参照;また文献5,8,1
0,14を参照)と一致している。hERR1,hER
R2,hERおよびhGRの整列(第39図)により、
これらの蛋白質の間には最高の相同度がhERR1のア
ミノ酸175から240までの66個のアミノ酸のシス
テインに富む領域〔ステロイドホルモン受容体のDNA
−タウドメイン(実験の部IIおよび文献15を参照)に
相当する〕に見られる。hERR1とhERR2との比
較においては91%のアミノ酸同一性が存在し、hER
との比較では68%、そしてhGRとの比較では56%
の同一性が存在する。9個のシステイン残基の位置は厳
格に保存されているが、hERR1の206位およびh
ERR2の134位におけるヒスチジン残基の不在は前
述のステロイドホルモン受容体と大きく相違するところ
である。このヒスチジン残基は元来保存性システイン残
基と共にDNA結合フィンガーの形成に関与すると考え
られていた。リガンド結合トランス活性化因子スーパー
ファミリーの他の一員であるビタミンD受容体19の対応
するアミノ酸配列にもこのヒスチジン残基の存在しない
ことが最近になって分かり、このことはZn2+原子がこ
れらの蛋白質に存在する提案されたDNA結合フィンガ
ーの形成を調整するために、排他的にシステイン残基と
相互作用することを示唆している。hERR1のアミノ
酸295と521の間に位置づけられる推定上のステロ
イド結合ドメインは、hERR2と比較したとき63%
の同一性を示し、hERとは36%、そしてhGRとは
28%の同一性を示す。
【0429】V.E.hERR1およびhERR2のm
RNAの組織分布 ステロイド受容体はそれらの一次生理作用に直接関係す
る特徴的な組織特異的パターンで発現される。恐らく、
これらの推定受容体の分布はそれらの隠された本性に手
ががかりを与えるであろう。従って、多種類のラットお
よびヒト組織から分離した全RNAはホルムアルデヒド
−アガロースゲル電気泳動で分画化し、ニトロセルロー
スフィルターへ移行させた。プローブとしてラムダ hK
A1を用いることにより、hERR1をコードする2.
6kbmRNAが検査したすべてのラットおよびヒト組織
に検出された。その際、驚いたことに、小脳および海馬
では高レベルで、そして肝臓、肺、精嚢および脾臓では
最低レベルで検出された(第40(A)図)。こうし
て、hERR1遺伝子は広く豊富に発現されるが、ラッ
ト中枢神経系により一層高いレベルで存在すると思われ
る。hERR1mRNA発現パターンとは対照的に、h
ERR2蛋白質をコードするmRNAの分布は、極めて
低レベルのmRNAが検出される少数の特定組織に限ら
れる(第40(B)図)。クローンラムダ hH3から誘
導されたプローブを用いて、4.8kbmRNAが腎臓、
心臓、精巣、視床下部、海馬、小脳およびラット前立腺
から検出された。しかしながら、ヒト胎盤または前立腺
ではハイブダイゼーションが全く検出されなかった。露
出時間の差異および生成する信号強度を考慮すると、h
ERR2mRNAのレベルはhERR1のそれよりも約
10〜100倍低下する。
RNAの組織分布 ステロイド受容体はそれらの一次生理作用に直接関係す
る特徴的な組織特異的パターンで発現される。恐らく、
これらの推定受容体の分布はそれらの隠された本性に手
ががかりを与えるであろう。従って、多種類のラットお
よびヒト組織から分離した全RNAはホルムアルデヒド
−アガロースゲル電気泳動で分画化し、ニトロセルロー
スフィルターへ移行させた。プローブとしてラムダ hK
A1を用いることにより、hERR1をコードする2.
6kbmRNAが検査したすべてのラットおよびヒト組織
に検出された。その際、驚いたことに、小脳および海馬
では高レベルで、そして肝臓、肺、精嚢および脾臓では
最低レベルで検出された(第40(A)図)。こうし
て、hERR1遺伝子は広く豊富に発現されるが、ラッ
ト中枢神経系により一層高いレベルで存在すると思われ
る。hERR1mRNA発現パターンとは対照的に、h
ERR2蛋白質をコードするmRNAの分布は、極めて
低レベルのmRNAが検出される少数の特定組織に限ら
れる(第40(B)図)。クローンラムダ hH3から誘
導されたプローブを用いて、4.8kbmRNAが腎臓、
心臓、精巣、視床下部、海馬、小脳およびラット前立腺
から検出された。しかしながら、ヒト胎盤または前立腺
ではハイブダイゼーションが全く検出されなかった。露
出時間の差異および生成する信号強度を考慮すると、h
ERR2mRNAのレベルはhERR1のそれよりも約
10〜100倍低下する。
【0430】V.F.hERR1とhERR2との相同
性 従来の研究は、ステロイドホルモン受容体間のリガンド
結合ドメインの相同度がそれらのリガンドの構造的関連
性を反映すると指摘している。例えば、リガンド結合ド
メインが56%の同一性を示すhGR、hMRおよびhP
R(実験の部IVを参照)は関連ホルモンと親密に結合す
る。実際、hMRはアルドステロンに等しい親和性でも
ってグルココルチコイドと結合し、また比較的高い親和
性でプロゲステロンと結合する(実験の部IVを参照)。
hERR遺伝子産物の場合には、アミノ酸配列相同がh
ERとの比較的遠い関係を示し、DNA−タウ領域では
70%およびステロイド結合領域では36%の同一性を
示す(第41図)。これらの相同レベルはhGR、hM
Rおよび hPRの間に観察されたものよりも低く、従っ
て推定上のhERR蛋白質はエストロゲンとは異なるク
ラスのステロイドホルモンと相互作用することが推測さ
れる。しかしながら、hERR1とhERR2との相同
性は、それらが単一のまたは2つの密接に関連したステ
ロイド中間代謝物の受容体であることを示唆している。
hERR1およびhERR2コード配列から作製したキ
ャップ構造をもつSP6RNAの in vitro 翻訳産物ま
たはCOS−1細胞による2つのcDNAの発現産物を
使用する予備ステロイド結合実験(実験の部IVおよびII
を参照)はエストロゲンおよびアンドロゲンを含む主要
クラスのステロイドとの結合を証明できなかった。
性 従来の研究は、ステロイドホルモン受容体間のリガンド
結合ドメインの相同度がそれらのリガンドの構造的関連
性を反映すると指摘している。例えば、リガンド結合ド
メインが56%の同一性を示すhGR、hMRおよびhP
R(実験の部IVを参照)は関連ホルモンと親密に結合す
る。実際、hMRはアルドステロンに等しい親和性でも
ってグルココルチコイドと結合し、また比較的高い親和
性でプロゲステロンと結合する(実験の部IVを参照)。
hERR遺伝子産物の場合には、アミノ酸配列相同がh
ERとの比較的遠い関係を示し、DNA−タウ領域では
70%およびステロイド結合領域では36%の同一性を
示す(第41図)。これらの相同レベルはhGR、hM
Rおよび hPRの間に観察されたものよりも低く、従っ
て推定上のhERR蛋白質はエストロゲンとは異なるク
ラスのステロイドホルモンと相互作用することが推測さ
れる。しかしながら、hERR1とhERR2との相同
性は、それらが単一のまたは2つの密接に関連したステ
ロイド中間代謝物の受容体であることを示唆している。
hERR1およびhERR2コード配列から作製したキ
ャップ構造をもつSP6RNAの in vitro 翻訳産物ま
たはCOS−1細胞による2つのcDNAの発現産物を
使用する予備ステロイド結合実験(実験の部IVおよびII
を参照)はエストロゲンおよびアンドロゲンを含む主要
クラスのステロイドとの結合を証明できなかった。
【0431】V.G.結論 hERR1およびhERR2mRNA発現の組織分布
は、それぞれの推定上の受容体が別々の生物学的機能を
コントロールするであろうことを示唆する。これらのス
テロイドホルモン受容体の機能は何故見落されたのであ
ろうか。多分、それらの活性の多くは非定形の作用とし
て分類される差異をもつ他の受容体に誤って属するとみ
なされたのであろう。神経細胞ステロイド20'21の最近
の同定は、脳内でパラクリン作用をもつと思われる新し
いステロイドホルモンの証拠を提供する。このような系
は従来の生理学的検出を容易に免れた。従って、2種類
の新規なステロイドホルモン受容体cDNAの単離は、
新しいホルモン応答系の同定へ向けて第一歩を踏み出す
ことになろう。
は、それぞれの推定上の受容体が別々の生物学的機能を
コントロールするであろうことを示唆する。これらのス
テロイドホルモン受容体の機能は何故見落されたのであ
ろうか。多分、それらの活性の多くは非定形の作用とし
て分類される差異をもつ他の受容体に誤って属するとみ
なされたのであろう。神経細胞ステロイド20'21の最近
の同定は、脳内でパラクリン作用をもつと思われる新し
いステロイドホルモンの証拠を提供する。このような系
は従来の生理学的検出を容易に免れた。従って、2種類
の新規なステロイドホルモン受容体cDNAの単離は、
新しいホルモン応答系の同定へ向けて第一歩を踏み出す
ことになろう。
【0432】V.H.実験のVに関する図面の詳細な説明 第33−35図 hERR1の制限地図(33)およびDNA配列と推定さ
れたアミノ酸配列(34−35)。33.hERR1の
複合cDNAを上段に表し、非コード配列(細線)およ
びコード配列(斜線部分)を示す。通常の6−ヌクレオ
チド制限酵素部位は線状地図の上に記す。配列決定に使
用した重複するcDNA挿入物を示す。ラムダhKE4
の5’末端付近の波線は分岐配列を示す。34−35.
ロング・オープン・リーディング・フレーム上に与えられ
た推定アミノ酸を伴う複合hERRcDNAのヌクレオ
チド配列。
れたアミノ酸配列(34−35)。33.hERR1の
複合cDNAを上段に表し、非コード配列(細線)およ
びコード配列(斜線部分)を示す。通常の6−ヌクレオ
チド制限酵素部位は線状地図の上に記す。配列決定に使
用した重複するcDNA挿入物を示す。ラムダhKE4
の5’末端付近の波線は分岐配列を示す。34−35.
ロング・オープン・リーディング・フレーム上に与えられ
た推定アミノ酸を伴う複合hERRcDNAのヌクレオ
チド配列。
【0433】第33−35図の方法 クローン ラムダ hT16はhERcDNA(V.Gigu
ereおよびR.M.Evans,未発表データ)から誘導された
リンカー走査突然変異体12(linker−scanningmutant)
の pER945に由来するニックトランスレーション22
を行った446bp BglI−BamHIフラグメントを用
いて、ヒト精巣ラムダ gt10cDNAライブラリ−
(Clonetech社)から分離された。ハイブリダイゼーシ
ョン混合物は35%ホルムアミド、1×デンハート溶
液、5×SSPE、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)、100μg/ml変性サケ精子DNAおよび106
cpm/mlの32P標識BglI−BamHIフラグメント
(>108cpm/μg)を含んでいた。2通りのニトロセ
ルロースフィルターを42℃で16時間ハイブリダイズ
させ、2×SSC、0.1%SDS(1×SSC=150m
M NaCl、15mMクエン酸ナトリウム)を用いて5
5℃で20分ずつ3回洗浄し、そして増感紙を使って−
70℃でオートラジオグラフィーを行った。クローンラ
ムダ hKE4およびラムダ hKA1は、ラムダhT16
由来のニックトランスレーションした挿入物を用いて、
ヒト腎臓ラムダgt10cDNAライブラリー23から分離
された。このスクリーニングのために、ハイブリダイゼ
ーション混合物は50%ホルムアミドに変更し、洗浄条
件は68℃で0.1%SDSを含む2×SSCに変え
た。cDNAクローンは多数の制限酵素で消化し、生成
したフラグメントをM13塩基配列決定ベクターmp18
およびmp19に両方の向きでサブクローニングし、そし
てジデオキシ法24で塩基配列を決定した。ギャップやア
ンビギュイティは化学的切断法25により解明した。DN
A配列は編集してDevereuxら26およびStaden27のプロ
グラムにより分析した。
ereおよびR.M.Evans,未発表データ)から誘導された
リンカー走査突然変異体12(linker−scanningmutant)
の pER945に由来するニックトランスレーション22
を行った446bp BglI−BamHIフラグメントを用
いて、ヒト精巣ラムダ gt10cDNAライブラリ−
(Clonetech社)から分離された。ハイブリダイゼーシ
ョン混合物は35%ホルムアミド、1×デンハート溶
液、5×SSPE、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)、100μg/ml変性サケ精子DNAおよび106
cpm/mlの32P標識BglI−BamHIフラグメント
(>108cpm/μg)を含んでいた。2通りのニトロセ
ルロースフィルターを42℃で16時間ハイブリダイズ
させ、2×SSC、0.1%SDS(1×SSC=150m
M NaCl、15mMクエン酸ナトリウム)を用いて5
5℃で20分ずつ3回洗浄し、そして増感紙を使って−
70℃でオートラジオグラフィーを行った。クローンラ
ムダ hKE4およびラムダ hKA1は、ラムダhT16
由来のニックトランスレーションした挿入物を用いて、
ヒト腎臓ラムダgt10cDNAライブラリー23から分離
された。このスクリーニングのために、ハイブリダイゼ
ーション混合物は50%ホルムアミドに変更し、洗浄条
件は68℃で0.1%SDSを含む2×SSCに変え
た。cDNAクローンは多数の制限酵素で消化し、生成
したフラグメントをM13塩基配列決定ベクターmp18
およびmp19に両方の向きでサブクローニングし、そし
てジデオキシ法24で塩基配列を決定した。ギャップやア
ンビギュイティは化学的切断法25により解明した。DN
A配列は編集してDevereuxら26およびStaden27のプロ
グラムにより分析した。
【0434】第36−38図 hERR2の制限地図(36)およびDNA配列と推定さ
れたアミノ酸配列(37−38)。36.hERR2c
DNAの模式図;いくつかの通常の制限酵素部位を示
す。斜線ボックスは推定されたオープン・リーディング
・フレームを表す。37−38.ラムダhH3の完全な
ヌクレオチド配列を、ロング・オープン・リーディング
・フレーム上の推定アミノ酸配列と共に示す。5’非翻
訳領域におけるショート・オープン・リーディング・フ
レームは肉太の活字で示す。
れたアミノ酸配列(37−38)。36.hERR2c
DNAの模式図;いくつかの通常の制限酵素部位を示
す。斜線ボックスは推定されたオープン・リーディング
・フレームを表す。37−38.ラムダhH3の完全な
ヌクレオチド配列を、ロング・オープン・リーディング
・フレーム上の推定アミノ酸配列と共に示す。5’非翻
訳領域におけるショート・オープン・リーディング・フ
レームは肉太の活字で示す。
【0435】第36−38図の方法 クローン ラムダhH3は、ラムダhKA1の5’部分
を表すニックトランスレーションした700bp EcoR
I−SmaIフラグメントを用いて、ヒト心臓ラムダgt1
1cDNAライブラリー(アルバート・アインシュタイ
ン医科大学のL.A.Leinwand 博士から寄贈)から分
離された。ハイブリダイゼーション、洗浄条件および塩
基配列決定の手法はヒト腎臓ライブラリーについて第3
3−35図で説明した通りであった。
を表すニックトランスレーションした700bp EcoR
I−SmaIフラグメントを用いて、ヒト心臓ラムダgt1
1cDNAライブラリー(アルバート・アインシュタイ
ン医科大学のL.A.Leinwand 博士から寄贈)から分
離された。ハイブリダイゼーション、洗浄条件および塩
基配列決定の手法はヒト腎臓ライブラリーについて第3
3−35図で説明した通りであった。
【0436】第39図 hERR1、hERR2、ヒトエストロゲンおよびグル
ココルチコイド受容体のカルボキシ末端領域間のアミノ
酸配列の比較。4種のアミノ酸配列はギャップ(ハイフ
ンで示す)を導入することにより最大相同性を得るよう
に整列させた。番号はhERR1およびhERR2につ
いては第34および35図ならびに第37および38図
から、hGRについては第3,4図から、そしてhER
についてはGreenら2 から引用した。少なくとも3種の
ポリペプチドにおいて一致するアミノ酸残基はボックス
で囲った。hERR1の残基206の上の星印は、hE
R配列中に存在するがhERR1とhERR2の両配列
中には存在しないヒスチジン残基の位置を示す。
ココルチコイド受容体のカルボキシ末端領域間のアミノ
酸配列の比較。4種のアミノ酸配列はギャップ(ハイフ
ンで示す)を導入することにより最大相同性を得るよう
に整列させた。番号はhERR1およびhERR2につ
いては第34および35図ならびに第37および38図
から、hGRについては第3,4図から、そしてhER
についてはGreenら2 から引用した。少なくとも3種の
ポリペプチドにおいて一致するアミノ酸残基はボックス
で囲った。hERR1の残基206の上の星印は、hE
R配列中に存在するがhERR1とhERR2の両配列
中には存在しないヒスチジン残基の位置を示す。
【0437】第40(A)および(B)図 ラットおよびヒト組織におけるhERR1(A)およびh
ERR2(B)mRNAのノザン・ブロット・ハイブリダ
イゼーション。
ERR2(B)mRNAのノザン・ブロット・ハイブリダ
イゼーション。
【0438】第40(A)および(B)図の方法 全RNAはグアニジンチオシアネート28を用いて種々の
組織から分離し、1%アガロース−ホルムアルデヒドゲ
ル上で分画化し、ニトロセルロースへ移行させ、そして
ストリンジェント条件下でラムダ hKA1由来のニック
トランスレーションしたEcoRI−SmaIフラグメント
(a)およびラムダ hH3由来のニックトランスレーシ
ョンした1192 bp EcoRI−HindIIIフラグメント
(b)を用いてハイブリダイズさせた。すべてのレーン
において20μgの全RNAを使用した。リボソームR
NA(28Sおよび18S)の泳動をサイズマーカーと
して示す。ニトロセルロースフィルターは増感紙を使っ
て−70℃で24時間(a)および6日間(b)オートラ
ジオグラフィーにかけた。(a)におけるmRNAの泳
動速度の明らかな差はゲルからのアーチファクト(arti
fact)である。
組織から分離し、1%アガロース−ホルムアルデヒドゲ
ル上で分画化し、ニトロセルロースへ移行させ、そして
ストリンジェント条件下でラムダ hKA1由来のニック
トランスレーションしたEcoRI−SmaIフラグメント
(a)およびラムダ hH3由来のニックトランスレーシ
ョンした1192 bp EcoRI−HindIIIフラグメント
(b)を用いてハイブリダイズさせた。すべてのレーン
において20μgの全RNAを使用した。リボソームR
NA(28Sおよび18S)の泳動をサイズマーカーと
して示す。ニトロセルロースフィルターは増感紙を使っ
て−70℃で24時間(a)および6日間(b)オートラ
ジオグラフィーにかけた。(a)におけるmRNAの泳
動速度の明らかな差はゲルからのアーチファクト(arti
fact)である。
【0439】第41図 hERR1およびhERR2、hER、hGRおよびヒ
ト甲状腺ホルモン受容体(hT3Rベータ)間の模式図に
よるアミノ酸比較。アミノ酸配列はステロイドおよび甲
状腺ホルモン受容体スーパーファミリー4の機能的ドメ
イン構造に従って模式図により整列させた。それぞれの
受容体とhERR1とのアミノ酸同一性のパーセンテー
ジは各ドメインの内側に示す。それぞれのドメイン境界
のアミノ酸位置を各受容体について示す。
ト甲状腺ホルモン受容体(hT3Rベータ)間の模式図に
よるアミノ酸比較。アミノ酸配列はステロイドおよび甲
状腺ホルモン受容体スーパーファミリー4の機能的ドメ
イン構造に従って模式図により整列させた。それぞれの
受容体とhERR1とのアミノ酸同一性のパーセンテー
ジは各ドメインの内側に示す。それぞれのドメイン境界
のアミノ酸位置を各受容体について示す。
【0440】V.I.実験の部Vで引用した文献 1.Hollenberg,S.M.,et al.,Nature,318:635
−641(1985)。
−641(1985)。
【0441】2.Green,S.,et al.,Nature,32
0:134−139(1986)。
0:134−139(1986)。
【0442】3.Greene ,G.L.,et al.,Scienc
e,231:1150−1154(1986)。
e,231:1150−1154(1986)。
【0443】4.Misrachim,M.,et al.,Bioche
m.Biophys.Res.Comm.,143:740−748(1987)。
m.Biophys.Res.Comm.,143:740−748(1987)。
【0444】5.Arriza,J.L.,et al.,Scienc
e,237:268−275(1987)。
e,237:268−275(1987)。
【0445】6.Miesfeld,R.,et al.,Cell,4
6:389−399(1986)。
6:389−399(1986)。
【0446】7.Danielsen,M.,Northrop.,J.P.,
and Ringold,G.M.,EMBO J.,5:2513-2522(19
86)。
and Ringold,G.M.,EMBO J.,5:2513-2522(19
86)。
【0447】8.Krust,A.,et al.,EMBO
J.,5:891−897(1986)。
J.,5:891−897(1986)。
【0448】9.Maxwell,B.L.,et al.,Mol.E
ndocrinol.,1:25−35(1987)。
ndocrinol.,1:25−35(1987)。
【0449】10. Loosfelt,H.,et al.,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA,83:9045−9049(1986)。
l.Acad.Sci.USA,83:9045−9049(1986)。
【0450】11. Weiler,I.J.,Lew,D.,and Sha
piro,D.J.,J.Mol.Endocrinol.,1:355−362(198
7)。
piro,D.J.,J.Mol.Endocrinol.,1:355−362(198
7)。
【0451】12. Giguere,V.,Hollenberg,S.M.,
Rosenfeld,G.M.,and Evans,R.M.,Cell,4
6:645−652(1986)。
Rosenfeld,G.M.,and Evans,R.M.,Cell,4
6:645−652(1986)。
【0452】13. Kumar,V.,Green,S.,Staub,A.,
and Chambon.P.,EMBO J.,5:2231−2236(198
6)。
and Chambon.P.,EMBO J.,5:2231−2236(198
6)。
【0453】14. Evans,R.M.,Science,(in pres
s)。
s)。
【0454】15. Hollenberg,S.M.,Giguere,V.,S
egui,P.,and Evans,R.M.,Cell,49:39−46(19
87)。
egui,P.,and Evans,R.M.,Cell,49:39−46(19
87)。
【0455】16. Miesfeld,R.,Godowski,P.J.,
Maler,B.A.,and Yamamoto,K.R.,Science,23
6:423−427(1987)。
Maler,B.A.,and Yamamoto,K.R.,Science,23
6:423−427(1987)。
【0456】17. Sawiki,S.G.,Jelinek,W.,and
Darnell,J,E.,J.Mol.Biol.,113:219−235(197
7)。
Darnell,J,E.,J.Mol.Biol.,113:219−235(197
7)。
【0457】18. Kozak,M.,Nature,308:241−246
(1984)。
(1984)。
【0458】19. McDonnell,D.P.,et al.,Scienc
e,235:1214−1217(1987)。
e,235:1214−1217(1987)。
【0459】20. Le Goascogne,C.,et al.,Scienc
e,237:1212−1215(1987)。
e,237:1212−1215(1987)。
【0460】21. Hu,Z.Y.,Bourreau,E.,Robe
l,P.,and Baulieu,E.E.,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,(in press)。
l,P.,and Baulieu,E.E.,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,(in press)。
【0461】22. Rigby,P.W.J.,Dieckmann,
M.,Rhodes,C., and Berg,P.J.,J.Mol.Bio
l.,113:237−251(1977)。
M.,Rhodes,C., and Berg,P.J.,J.Mol.Bio
l.,113:237−251(1977)。
【0462】23. Bell,G.I.,et al.,Nucleic Ac
id Res.,14:8427−8446(1986)。
id Res.,14:8427−8446(1986)。
【0463】24. Sanger,F.,Nicklen,S.,and,C
oulson,A.R.,Proc.Acad.Sci .USA,74:546
3−5467(1977)。
oulson,A.R.,Proc.Acad.Sci .USA,74:546
3−5467(1977)。
【0464】25. Maxam,A.,and Gilbert,W.,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,74:560−564(197
7)。
c.Natl.Acad.Sci.USA,74:560−564(197
7)。
【0465】26. Devereux,J.,Haeberli,P.,and S
mithies,O.,Nucleic Acid Res.,12:387−395(198
4)。
mithies,O.,Nucleic Acid Res.,12:387−395(198
4)。
【0466】27. Staden,R.,Nucleic Acid Res.,
10:2951−2961(1982)。
10:2951−2961(1982)。
【0467】28. Chirgwin,J.M.,Przybyla,A.
F.,McDonald,R.J.,and Rutter.W.F.,Bioch
emistry,18:5294−5299(1980)。
F.,McDonald,R.J.,and Rutter.W.F.,Bioch
emistry,18:5294−5299(1980)。
【0468】実験の部VI ラット成長ホルモン遺伝子のc−erb−A結合部位は甲状
腺ホルモンによるトランス作用を仲介するVI.A.序論 1.3.3−トリヨードチロニン(T3)物質はラット
下垂体腫瘍細胞1-4において成長ホルモン遺伝子転写を
刺激する。この刺激は、その転写開始部位の5’側の調
節因子に核T3受容体が結合することにより仲介される
と考えられる。5-8甲状腺ホルモンが遺伝子転写を活性
化するメカニズムの理解は、核T3受容体が豊富に存在
しないためにそれらを精製するのが困難であること、お
よびT3調節に作用するT3受容体−DNA結合部位が明
確でないことにより制限されている。最近、ヒトおよび
トリc−erb−A遺伝子産物は、高親和性でもって甲状腺
ホルモンと結合し(文献10として発表した実験の部II
Iを参照)、甲状腺ホルモン受容体の分子量および核結
合特性をもつことが見出された。目下の研究において、
我々はラット成長ホルモン遺伝子の転写開始部位の5’
側の164塩基対に位置する配列5’CAGGGACG
TGACCGCA3’へのラット下垂体細胞T3受容体
の特異的高親和性結合を検出できるアビジン−ビオチン
複合DNA結合検定の開発について説明する。この配列
を含むオリゴヌクレオチドは、トランスフェクションし
たラット下垂体GC2細胞においてT3調節を単純疱疹
ウイルスチミジンキナーゼプロモーターへ転移し、また
ヒト胎盤c−erb−A遺伝子のin vitro 翻訳産物と特異
的に結合した。このデータは、ヒトc−erb−A遺伝子が
T3の転写作用を仲介し、またGC2細胞核抽出物がラ
ット成長ホルモン遺伝子T3応答因子への下垂体T3受容
体の結合を変更する別の因子を含むことを支持する証拠
を提供する。
腺ホルモンによるトランス作用を仲介するVI.A.序論 1.3.3−トリヨードチロニン(T3)物質はラット
下垂体腫瘍細胞1-4において成長ホルモン遺伝子転写を
刺激する。この刺激は、その転写開始部位の5’側の調
節因子に核T3受容体が結合することにより仲介される
と考えられる。5-8甲状腺ホルモンが遺伝子転写を活性
化するメカニズムの理解は、核T3受容体が豊富に存在
しないためにそれらを精製するのが困難であること、お
よびT3調節に作用するT3受容体−DNA結合部位が明
確でないことにより制限されている。最近、ヒトおよび
トリc−erb−A遺伝子産物は、高親和性でもって甲状腺
ホルモンと結合し(文献10として発表した実験の部II
Iを参照)、甲状腺ホルモン受容体の分子量および核結
合特性をもつことが見出された。目下の研究において、
我々はラット成長ホルモン遺伝子の転写開始部位の5’
側の164塩基対に位置する配列5’CAGGGACG
TGACCGCA3’へのラット下垂体細胞T3受容体
の特異的高親和性結合を検出できるアビジン−ビオチン
複合DNA結合検定の開発について説明する。この配列
を含むオリゴヌクレオチドは、トランスフェクションし
たラット下垂体GC2細胞においてT3調節を単純疱疹
ウイルスチミジンキナーゼプロモーターへ転移し、また
ヒト胎盤c−erb−A遺伝子のin vitro 翻訳産物と特異
的に結合した。このデータは、ヒトc−erb−A遺伝子が
T3の転写作用を仲介し、またGC2細胞核抽出物がラ
ット成長ホルモン遺伝子T3応答因子への下垂体T3受容
体の結合を変更する別の因子を含むことを支持する証拠
を提供する。
【0469】VI.B.T3調節に必要なラット成長ホル
モンDNA配列の特性決定 (a)ラットGH遺伝子欠失検定 T3調節に必要な成長ホルモン(GH)5’側ゲノム配
列中のシス活性因子を同定するために、我々は細菌クロ
ラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CA
T)遺伝子へ融合し且つラット下垂体GC2細胞にトラ
ンスフェクションした、ラットGH遺伝子の一連の5’
欠失フラグメントを使用した(第42(A)図)。−2
35位から転写開始(CAP)部位までの5’欠失物は
T3に対する調節を転移させ(4.6倍,第42(A)
図)、以前の研究5 ’6に一致して1.7キロ塩基(kb)
または307塩基対(bp)の5'側ラットGH情報を含
む構築物に等しかった(データは示さず)。(ヌクレオ
チド位置はCAP部位に対して番号付けされており、負
の位置番号はそれに対して5’側であることを意味す
る。)235bpより少ない5’側GH情報を含む欠失物
は、T3の不在下でのCAT発現レベルが有意にバック
グラウンド以上でなかったので、T3誘導について検定
できなかった。この問題を解決するために、ラットプロ
ラクチンエンハンサー因子11を181bpおよび110bp
の5’側情報を含むラットGH遺伝子フラグメントに近
接して融合させた。−181位まで延びる5’欠失フラ
グメントはT3によって2.6倍の誘導を与え、そしてC
AP部位から−107位までの別の欠失はT3調節を示
さなかった(第42(A)図)。
モンDNA配列の特性決定 (a)ラットGH遺伝子欠失検定 T3調節に必要な成長ホルモン(GH)5’側ゲノム配
列中のシス活性因子を同定するために、我々は細菌クロ
ラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CA
T)遺伝子へ融合し且つラット下垂体GC2細胞にトラ
ンスフェクションした、ラットGH遺伝子の一連の5’
欠失フラグメントを使用した(第42(A)図)。−2
35位から転写開始(CAP)部位までの5’欠失物は
T3に対する調節を転移させ(4.6倍,第42(A)
図)、以前の研究5 ’6に一致して1.7キロ塩基(kb)
または307塩基対(bp)の5'側ラットGH情報を含
む構築物に等しかった(データは示さず)。(ヌクレオ
チド位置はCAP部位に対して番号付けされており、負
の位置番号はそれに対して5’側であることを意味す
る。)235bpより少ない5’側GH情報を含む欠失物
は、T3の不在下でのCAT発現レベルが有意にバック
グラウンド以上でなかったので、T3誘導について検定
できなかった。この問題を解決するために、ラットプロ
ラクチンエンハンサー因子11を181bpおよび110bp
の5’側情報を含むラットGH遺伝子フラグメントに近
接して融合させた。−181位まで延びる5’欠失フラ
グメントはT3によって2.6倍の誘導を与え、そしてC
AP部位から−107位までの別の欠失はT3調節を示
さなかった(第42(A)図)。
【0470】(b)CAT酵素検定 3’欠失について検定するために、ラットGH遺伝子の
フラグメントは単純庖疹ウイルスチミジンキナーゼ(H
SV tk)プロモーターに融合した。CAP部位から−
235位ないし−45位まで延びるGH遺伝子フラグメ
ントは、天然のままの向きでおよび逆向きでtkプロモー
ターに融合したとき、それぞれ2.5倍および2.3倍のC
AT活性刺激をもたらした(第42(B)図)。GH
CAP部位から235位ないし145位まで延びる90
bpクラブメントは,235−45bpフラグメントよりも
一層効果的にT3調節を転移させ,このことはネガティ
ブT3調節因子がCAP部位から45bpと145bpの間
に存在しうることを示唆している(第42(A)図)。
CATメッセンジャーRNAは,tkプロモーターを含む
プラスミドでトランスフェクションした細胞において観
察されたCAT活性のT3依存性刺激が適当に開始され
た転写物の増加によって起こるのかどうかを調べるため
に,プライマー伸長技術12を用いて分析した。tkプロモ
ーターに融合した235−45bp GHフラグメントト
はT3の存在下で正しく開始されたCAT mRNAを約
4倍増加させ(第42(C)図),これは観察されたC
AT活性の測定値と一致する結果であった。
フラグメントは単純庖疹ウイルスチミジンキナーゼ(H
SV tk)プロモーターに融合した。CAP部位から−
235位ないし−45位まで延びるGH遺伝子フラグメ
ントは、天然のままの向きでおよび逆向きでtkプロモー
ターに融合したとき、それぞれ2.5倍および2.3倍のC
AT活性刺激をもたらした(第42(B)図)。GH
CAP部位から235位ないし145位まで延びる90
bpクラブメントは,235−45bpフラグメントよりも
一層効果的にT3調節を転移させ,このことはネガティ
ブT3調節因子がCAP部位から45bpと145bpの間
に存在しうることを示唆している(第42(A)図)。
CATメッセンジャーRNAは,tkプロモーターを含む
プラスミドでトランスフェクションした細胞において観
察されたCAT活性のT3依存性刺激が適当に開始され
た転写物の増加によって起こるのかどうかを調べるため
に,プライマー伸長技術12を用いて分析した。tkプロモ
ーターに融合した235−45bp GHフラグメントト
はT3の存在下で正しく開始されたCAT mRNAを約
4倍増加させ(第42(C)図),これは観察されたC
AT活性の測定値と一致する結果であった。
【0471】(c)アビジン−ビオチン複合DNA結合
検定(ABCD検定) T3調節に必要とされる配列をさらに明確に定めるため
に,成長ホルモンT3調節因子への核T3受容体の特異的
結合を証明する必要があった。ゲルシフトおよびフット
プリント検定によりT3受容体結合部位をマッピングす
る試みが初め不成功に終わったので,特異的結合を検出
する新しい検定法、アビジン−ビオチン複合DNA結合
(ABCD)検定法、が創案された。第43(A)図に
示すような、いろいろな位置にビオチン−11−dUT
Pを有する、T3調節に必要なGH遺伝子の5’側領域
を含む二本鎖オリゴヌクレオチドが作製された。初めに
−209位から−146位までの成長ホルモンゲノム配
列を含む77bpオリゴヌクレオチド(G209−14
6)を使用した。GC2核抽出物からのT3受容体は125
I−T3を用いて高い比活性へ標識し、そしてビオチニ
ル化オリゴヌクレオチドとインキュベートした。蛋白質
−DNA複合体は、その結合反応後に、アガロースビー
ズに結合したストレプトアビジンを用いて溶液から沈澱
させた。第43(B)図から明らかなように,プローブ
G209−146は 6900cpmの125I−T3活性の沈澱を
生じさせた。これは約3.2フェムトモルのT3受容体の結
合を表し、結合反応混合物中に存在する全T3受容体の
約40%を占める。125I−T3標識受容体の沈澱はプロ
ーブ依存性であった;沈澱した125I−T3の全放射能の
<15%がG209−146の不在下で回収された。1
00倍過剰モル量の未標識T3の添加は沈澱した125I−
T3をバックグラウンドレベルにまで低下させ(第43
(B)図)、このことはプローブによって沈澱されるは
ずのT3結合蛋白質が制限された量で存在していたこと
を示している。T3受容体−DNA複合体の平衡結合定
数は1.4×10-9Mであると概算された(データは示
さず)。
検定(ABCD検定) T3調節に必要とされる配列をさらに明確に定めるため
に,成長ホルモンT3調節因子への核T3受容体の特異的
結合を証明する必要があった。ゲルシフトおよびフット
プリント検定によりT3受容体結合部位をマッピングす
る試みが初め不成功に終わったので,特異的結合を検出
する新しい検定法、アビジン−ビオチン複合DNA結合
(ABCD)検定法、が創案された。第43(A)図に
示すような、いろいろな位置にビオチン−11−dUT
Pを有する、T3調節に必要なGH遺伝子の5’側領域
を含む二本鎖オリゴヌクレオチドが作製された。初めに
−209位から−146位までの成長ホルモンゲノム配
列を含む77bpオリゴヌクレオチド(G209−14
6)を使用した。GC2核抽出物からのT3受容体は125
I−T3を用いて高い比活性へ標識し、そしてビオチニ
ル化オリゴヌクレオチドとインキュベートした。蛋白質
−DNA複合体は、その結合反応後に、アガロースビー
ズに結合したストレプトアビジンを用いて溶液から沈澱
させた。第43(B)図から明らかなように,プローブ
G209−146は 6900cpmの125I−T3活性の沈澱を
生じさせた。これは約3.2フェムトモルのT3受容体の結
合を表し、結合反応混合物中に存在する全T3受容体の
約40%を占める。125I−T3標識受容体の沈澱はプロ
ーブ依存性であった;沈澱した125I−T3の全放射能の
<15%がG209−146の不在下で回収された。1
00倍過剰モル量の未標識T3の添加は沈澱した125I−
T3をバックグラウンドレベルにまで低下させ(第43
(B)図)、このことはプローブによって沈澱されるは
ずのT3結合蛋白質が制限された量で存在していたこと
を示している。T3受容体−DNA複合体の平衡結合定
数は1.4×10-9Mであると概算された(データは示
さず)。
【0472】G209−146による標識T3受容体の
沈澱が特定のラットGH配列に依存するかどうかを調べ
るために、成長ホルモンエンハンサーとの明らかな配列
類似性をもたないがG209−146と同じ長さであり
且つ同じ数のビオチン−11−dUTP残基を含む一連
のビオチニル化プローブを作製した。第43(B)図に
示すように、GC2核抽出物への100 fmolの各プロ
ーブの添加は測定しうる125I−T3の沈澱を与えなかっ
た。これはG209−146による125I−T3の沈澱が
このプローブに含まれるラットGH配列に依存すること
を示している。
沈澱が特定のラットGH配列に依存するかどうかを調べ
るために、成長ホルモンエンハンサーとの明らかな配列
類似性をもたないがG209−146と同じ長さであり
且つ同じ数のビオチン−11−dUTP残基を含む一連
のビオチニル化プローブを作製した。第43(B)図に
示すように、GC2核抽出物への100 fmolの各プロ
ーブの添加は測定しうる125I−T3の沈澱を与えなかっ
た。これはG209−146による125I−T3の沈澱が
このプローブに含まれるラットGH配列に依存すること
を示している。
【0473】(d)フットプリント分析 通常のフットプリント法を用いてT3受容体結合部位を
局在化するための初期の試みは成功しなかったが、AB
CD結合検定における緩衝条件の変化は、もしもDNA
結合のための塩およびpH条件が最適であるならば、粗
製核抽出物の場合にもフットプリントが達成しうること
を示唆した(データは示さず)。GHエンハンサー末端
標識フラグメントはGC2核抽出物とインキュベート
し、DNアーゼIで消化した。変性条件下での消化物の
PAGE分析(第44図)は以前に記載された2つのフ
ットプリントを与え13’14;これらのうちの1つはヌク
レオチド−179と−164の間のアンチセンス鎖中の
16bp保護領域により示される。センス鎖において5’
CAGGGACGTGACCGCA3’に相当するこの
配列は、T3受容体と特異的に結合するオリゴヌクレオ
チドプローブ中に含まれ、以前に同定されたT3依存性
DNアーゼI高感受性部位19の位置に対応する。センス
鎖それ自体中にはっきりしたフットプリントは検出され
なかったが、それは主としてこのGに富む領域における
DNアーゼIによる不完全消化のためである。
局在化するための初期の試みは成功しなかったが、AB
CD結合検定における緩衝条件の変化は、もしもDNA
結合のための塩およびpH条件が最適であるならば、粗
製核抽出物の場合にもフットプリントが達成しうること
を示唆した(データは示さず)。GHエンハンサー末端
標識フラグメントはGC2核抽出物とインキュベート
し、DNアーゼIで消化した。変性条件下での消化物の
PAGE分析(第44図)は以前に記載された2つのフ
ットプリントを与え13’14;これらのうちの1つはヌク
レオチド−179と−164の間のアンチセンス鎖中の
16bp保護領域により示される。センス鎖において5’
CAGGGACGTGACCGCA3’に相当するこの
配列は、T3受容体と特異的に結合するオリゴヌクレオ
チドプローブ中に含まれ、以前に同定されたT3依存性
DNアーゼI高感受性部位19の位置に対応する。センス
鎖それ自体中にはっきりしたフットプリントは検出され
なかったが、それは主としてこのGに富む領域における
DNアーゼIによる不完全消化のためである。
【0474】VI.C.T3オリゴヌクレオチドの機能性 GH遺伝子のT3調節におけるこの配列の機能を調べる
ために、特定部位の突然変異誘発を用いて野生型エンハ
ンサーから11bpのフットプリントを欠失させた(突然
変異体Gデルタ166/177)。tkプロモーターに融
合した突然変異体Gデルタ166/177でトランスフ
ェクションした細胞へのT3の添加はCATの発現量に
何ら影響を及ぼさなかったが、野生型エンハンサーはC
AT発現を9倍刺激した(第42(B)図)。従って、
オリゴヌクレオチドおよびDNアーゼI結合検定により
同定した推定上のT3受容体結合領域の除去は、tkプロ
モーターにT3調節を付与するGHエンハンサーの能力
を失わせた。
ために、特定部位の突然変異誘発を用いて野生型エンハ
ンサーから11bpのフットプリントを欠失させた(突然
変異体Gデルタ166/177)。tkプロモーターに融
合した突然変異体Gデルタ166/177でトランスフ
ェクションした細胞へのT3の添加はCATの発現量に
何ら影響を及ぼさなかったが、野生型エンハンサーはC
AT発現を9倍刺激した(第42(B)図)。従って、
オリゴヌクレオチドおよびDNアーゼI結合検定により
同定した推定上のT3受容体結合領域の除去は、tkプロ
モーターにT3調節を付与するGHエンハンサーの能力
を失わせた。
【0475】−164から−179位までの16塩基対
が機能的なT3調節因子を構成することを証明するため
に、5’末端側および3’末端側にそれぞれ7塩基およ
び6塩基を付加したこの配列を含む二本鎖オリゴヌクレ
オチドが作製された。このオリゴヌクレオチドは、tkプ
ロモーターに近接して天然のままの向きで挿入した(構
築物G29TK、第42(B)図)。この構築物でトラ
ンスフェクションした細胞では、CAT発現がT3によ
って2.9倍刺激された。この配列3つを直列に配置し
たもの(構築物G293TK)を挿入すると、T3によ
って5倍の刺激が生じた。
が機能的なT3調節因子を構成することを証明するため
に、5’末端側および3’末端側にそれぞれ7塩基およ
び6塩基を付加したこの配列を含む二本鎖オリゴヌクレ
オチドが作製された。このオリゴヌクレオチドは、tkプ
ロモーターに近接して天然のままの向きで挿入した(構
築物G29TK、第42(B)図)。この構築物でトラ
ンスフェクションした細胞では、CAT発現がT3によ
って2.9倍刺激された。この配列3つを直列に配置し
たもの(構築物G293TK)を挿入すると、T3によ
って5倍の刺激が生じた。
【0476】tkプロモーターへのT3 調節の転移のため
に使用した短いオリゴヌクレオチド(G186−15
8)もまた、G209−146中の核T3受容体結合部
位と特異的に結合したが、これはヌクレオチド位置−1
77から−235までのラットGH配列を含むオリゴヌ
クレオチド(測定可能な量のT3受容体と結合しなかっ
た)を用いることにより失われた(データは示さず)。
非ビオチニル化G209−146およびG186−15
8はまたビオチニル化G209−146とT3受容体と
の結合を競合させるべく使用した;G209−146に
対するT3受容体の相対親和性はG186−158より
も2〜3倍高かった(データは示さず)。短い方のプロ
ーブに対する明らかな親和性の低下は、T3受容体結合
反応に直接関与する塩基の欠乏により生ずるのかも知れ
ない。このことは、DNアーゼIフットプリントの境界
がこのプローブの両末端内にあるので、ありそうもな
い。その他に考えられることとして、GC2核抽出物は
長いプローブへのT3受容体の結合を安定化させる他の
因子を含むのかも知れない。
に使用した短いオリゴヌクレオチド(G186−15
8)もまた、G209−146中の核T3受容体結合部
位と特異的に結合したが、これはヌクレオチド位置−1
77から−235までのラットGH配列を含むオリゴヌ
クレオチド(測定可能な量のT3受容体と結合しなかっ
た)を用いることにより失われた(データは示さず)。
非ビオチニル化G209−146およびG186−15
8はまたビオチニル化G209−146とT3受容体と
の結合を競合させるべく使用した;G209−146に
対するT3受容体の相対親和性はG186−158より
も2〜3倍高かった(データは示さず)。短い方のプロ
ーブに対する明らかな親和性の低下は、T3受容体結合
反応に直接関与する塩基の欠乏により生ずるのかも知れ
ない。このことは、DNアーゼIフットプリントの境界
がこのプローブの両末端内にあるので、ありそうもな
い。その他に考えられることとして、GC2核抽出物は
長いプローブへのT3受容体の結合を安定化させる他の
因子を含むのかも知れない。
【0477】VI.D.要約および結論 これらの実験は、CAP部位に対して5’側の−164
位から−179位まで延びる16bpフットプリントを含
む29塩基対のGH遺伝子がT3受容体と結合し、ラッ
トGHエンハンサーのT3調節にとって必要であり、ま
たT3調節を tkプロモーターへ転移できることを証明し
た。ヒトc−erb−Aがこの因子と結合するかどうかを試
験するために、in vivo 翻訳産物を35S−メチオニンで
標識した(実験の部IIIを参照)。この産物はSDSゲ
ル電気泳動上で相対分子量(Mr)48000(48k)および
52Kのダブレットとして泳動し、そして5×10+11の
hd値でT3と結合した。ヒトc−erb−A in vitro翻訳産
物のラットGH T3調節因子を含むG209−146お
よびG186−158オリゴヌクレオチドプローブへの
結合は第45図に示す。長いプローブおよび短いプロー
ブは両方ともin vitro翻訳産物と有意に結合したが,G
H遺伝子のT3受容体結合部位に対して相同性を欠くプ
ローブ(例えばP−EGF)は結合しなかった。in vitro
翻訳混合物中に存在する〔35S〕メチオニンの概算上の
比活性に基づいて,第45図に示した結合活性は1〜2
fmolの erb−A蛋白質に相当する。125I−T3受容体
を含むGC2細胞核抽出物と相違して、c−erb−A in
vitro翻訳産物は長いオリゴヌクレオチドと短いオリゴ
ヌクレオチドの両方に同程度に結合した。類似のデータ
が125I−T3で標識したヒトc−erb−Aのin vitro翻訳
産物を用いて得られた(データは示さず)。これらの結
果は、c−erb−A遺伝子産物がGC2核抽出物からのT
3受容体によって結合される同じT3調節配列と特異的に
結合することを示している。それらは、c−erb−A遺伝
子産物の機能がT3の転写作用を仲介することであると
いう更なる証拠を提供する。
位から−179位まで延びる16bpフットプリントを含
む29塩基対のGH遺伝子がT3受容体と結合し、ラッ
トGHエンハンサーのT3調節にとって必要であり、ま
たT3調節を tkプロモーターへ転移できることを証明し
た。ヒトc−erb−Aがこの因子と結合するかどうかを試
験するために、in vivo 翻訳産物を35S−メチオニンで
標識した(実験の部IIIを参照)。この産物はSDSゲ
ル電気泳動上で相対分子量(Mr)48000(48k)および
52Kのダブレットとして泳動し、そして5×10+11の
hd値でT3と結合した。ヒトc−erb−A in vitro翻訳産
物のラットGH T3調節因子を含むG209−146お
よびG186−158オリゴヌクレオチドプローブへの
結合は第45図に示す。長いプローブおよび短いプロー
ブは両方ともin vitro翻訳産物と有意に結合したが,G
H遺伝子のT3受容体結合部位に対して相同性を欠くプ
ローブ(例えばP−EGF)は結合しなかった。in vitro
翻訳混合物中に存在する〔35S〕メチオニンの概算上の
比活性に基づいて,第45図に示した結合活性は1〜2
fmolの erb−A蛋白質に相当する。125I−T3受容体
を含むGC2細胞核抽出物と相違して、c−erb−A in
vitro翻訳産物は長いオリゴヌクレオチドと短いオリゴ
ヌクレオチドの両方に同程度に結合した。類似のデータ
が125I−T3で標識したヒトc−erb−Aのin vitro翻訳
産物を用いて得られた(データは示さず)。これらの結
果は、c−erb−A遺伝子産物がGC2核抽出物からのT
3受容体によって結合される同じT3調節配列と特異的に
結合することを示している。それらは、c−erb−A遺伝
子産物の機能がT3の転写作用を仲介することであると
いう更なる証拠を提供する。
【0478】Flugら(1987)は、ヌクレオチド位置−
210と−181の間のGH配列が一時的にトランスフ
ェクションしたGC細胞におけるT3の完全刺激作用に
不可欠であることを最近報告し、さらにこの領域がT3
調節される他の遺伝子に対し限られた類似性を保有する
ことを指摘した。我々の実験は、T3受容体−DNA結
合部位をCAP部位から164bpと179bpの間に位置
づけ、さらにGH遺伝子のT3調節におけるヌクレオチ
ド位置−210と−181の間の配列の機能的重要性に
ついて証明する。これは、我々がT3受容体源として粗
製核抽出物を用いてin vitro DNA結合実験で観察し
たように、in vivoにおいてこの上流因子を含むGHエ
ンハンサーフラグメントに対するT3受容体の増大した
親和性を反映するのであろう。erb−A in vitro翻訳産
物がG209−146およびG186−158と同程度
に結合するということは、粗製GC2核抽出物がヌクレ
オチド位置−210と−181の間の配列と結合し且つ
その結合部位に対するT3受容体の結合を安定化する別
の因子(1種または2種以上)を含む可能性と一致す
る。真核細胞の転写因子間の協同的相互作用は十分に確
立されている16-18;いくつかの場合において、これは
別の因子のDNA結合親和性を変更するある因子の能力
を反映している。この種の相互作用は甲状腺ホルモン作
用の組織特異的調節において重要であるだろう。5 '6こ
こで使用したABCD結合検定はこれらの問題を処理す
るのに有用であり、それはまた標識リガンド、化学的修
飾または標識アミノ酸によるin vitro翻訳を用いて選択
的に放射性標識しうるすべてのDNA結合蛋白質に応用
できるであろう。
210と−181の間のGH配列が一時的にトランスフ
ェクションしたGC細胞におけるT3の完全刺激作用に
不可欠であることを最近報告し、さらにこの領域がT3
調節される他の遺伝子に対し限られた類似性を保有する
ことを指摘した。我々の実験は、T3受容体−DNA結
合部位をCAP部位から164bpと179bpの間に位置
づけ、さらにGH遺伝子のT3調節におけるヌクレオチ
ド位置−210と−181の間の配列の機能的重要性に
ついて証明する。これは、我々がT3受容体源として粗
製核抽出物を用いてin vitro DNA結合実験で観察し
たように、in vivoにおいてこの上流因子を含むGHエ
ンハンサーフラグメントに対するT3受容体の増大した
親和性を反映するのであろう。erb−A in vitro翻訳産
物がG209−146およびG186−158と同程度
に結合するということは、粗製GC2核抽出物がヌクレ
オチド位置−210と−181の間の配列と結合し且つ
その結合部位に対するT3受容体の結合を安定化する別
の因子(1種または2種以上)を含む可能性と一致す
る。真核細胞の転写因子間の協同的相互作用は十分に確
立されている16-18;いくつかの場合において、これは
別の因子のDNA結合親和性を変更するある因子の能力
を反映している。この種の相互作用は甲状腺ホルモン作
用の組織特異的調節において重要であるだろう。5 '6こ
こで使用したABCD結合検定はこれらの問題を処理す
るのに有用であり、それはまた標識リガンド、化学的修
飾または標識アミノ酸によるin vitro翻訳を用いて選択
的に放射性標識しうるすべてのDNA結合蛋白質に応用
できるであろう。
【0479】VI.E.実験の部VIに関する図面の詳細な
説明 第42(A),(B)および(C)図 ラットGH5’−フランキング配列を含む種々の遺伝子
融合物の甲状腺ホルモン応答性。A.ラットGH遺伝子
の5’および3’欠失の応答性。ラットGH遺伝子の
5’欠失フラグメントは、pSV2CATをベースとし
たベクター18(SV40複製起点およびプロモーターを
除去したもの)中のCAT遺伝子に融合させた。これら
の構築物はGC2細胞にトランスフェクションし、T3
に対する応答性について検定した。ヌクレオチド位置−
107ないし+8および−181ないし+8のフラグメ
ントの基礎発現は低レベルであるため、T3 によって調
節されないラットプロラクチンエンハンサー(Prl)
11をこれらのフラグメントに近接して配置した。例示し
た3’欠失フラグメントは、−197位から+54位ま
でのtkプロモーターフラグメントに融合させ、同じベク
ター中のCAT遺伝子に近接して配置した。B.推定上
のT3 受容体結合部位の機能的分析。突然変異体Gデル
タ177/166はCAP部位から177−166塩基
対のT3 受容体結合部位の11個の塩基の欠失を含む。
プラスミドG29TKおよびG293TKは、それぞれ
1および3のコピー数で T3受容体と結合するラットG
H遺伝子の28bp領域を含む。T3の作用は、10-9M
T3 の存在下でのクロラムフェニコールの転化百分率を
T3の不在下でのその転化百分率で割ることにより決定
した。3通りのプレートはDEAE−デキストラン11を
用いる被験プラスミドでのトランスフェクション前に、
イオン交換クロマトグラフィーでT3 を除いた10%ウ
シ胎児血清中に2日間維持した。細胞はトランスフェク
ションの24時間後にホルモンで処理し、T3暴露の2
4時間後にCAT活性について決定した。誤差限界は平
均値の標準誤差を表す。An はSV40ポリアデニル化
部位を表す。C.メッセンジャーRNA転写開始部位の
分析。模式図はtkプロモーターを含むプラスミドの転写
物のCAP部位を決定するために用いられた。CATコ
ード配列のヌクレオチド67−89に相補的な33ヌク
レオチドプライマーを表す。GC細胞はパネルaおよび
bで示した実験において説明したように、被験プラスミ
ドでトランスフェクションし、ホルモン処理を行った。
プライマー伸長分析は50μgの全RNAに対して実施
した。レーンAおよびBはtkプロモーターに融合したC
AP部位から235−45位に及ぶGHフラグメントを
含むプラスミドでトランスフェクションした細胞からの
伸長産物を表す。レーンCおよびDはtkプロモーターの
みを含むプラスミドでトランスフェクションした細胞か
らの伸長産物を表す。伸長産物は全く観察されなかっ
た。レーンAおよびレーンCに示した産物はT3 の不在
下でインキュベートした細胞からのものであり、そして
レーンBおよびDに示した産物は10-9Mの濃度のT3
で処理した細胞からのものであった。レーンEは(ヌク
レオチドの)サイズ測定のために使用したpBR322の
HindIII消化物を示す。
説明 第42(A),(B)および(C)図 ラットGH5’−フランキング配列を含む種々の遺伝子
融合物の甲状腺ホルモン応答性。A.ラットGH遺伝子
の5’および3’欠失の応答性。ラットGH遺伝子の
5’欠失フラグメントは、pSV2CATをベースとし
たベクター18(SV40複製起点およびプロモーターを
除去したもの)中のCAT遺伝子に融合させた。これら
の構築物はGC2細胞にトランスフェクションし、T3
に対する応答性について検定した。ヌクレオチド位置−
107ないし+8および−181ないし+8のフラグメ
ントの基礎発現は低レベルであるため、T3 によって調
節されないラットプロラクチンエンハンサー(Prl)
11をこれらのフラグメントに近接して配置した。例示し
た3’欠失フラグメントは、−197位から+54位ま
でのtkプロモーターフラグメントに融合させ、同じベク
ター中のCAT遺伝子に近接して配置した。B.推定上
のT3 受容体結合部位の機能的分析。突然変異体Gデル
タ177/166はCAP部位から177−166塩基
対のT3 受容体結合部位の11個の塩基の欠失を含む。
プラスミドG29TKおよびG293TKは、それぞれ
1および3のコピー数で T3受容体と結合するラットG
H遺伝子の28bp領域を含む。T3の作用は、10-9M
T3 の存在下でのクロラムフェニコールの転化百分率を
T3の不在下でのその転化百分率で割ることにより決定
した。3通りのプレートはDEAE−デキストラン11を
用いる被験プラスミドでのトランスフェクション前に、
イオン交換クロマトグラフィーでT3 を除いた10%ウ
シ胎児血清中に2日間維持した。細胞はトランスフェク
ションの24時間後にホルモンで処理し、T3暴露の2
4時間後にCAT活性について決定した。誤差限界は平
均値の標準誤差を表す。An はSV40ポリアデニル化
部位を表す。C.メッセンジャーRNA転写開始部位の
分析。模式図はtkプロモーターを含むプラスミドの転写
物のCAP部位を決定するために用いられた。CATコ
ード配列のヌクレオチド67−89に相補的な33ヌク
レオチドプライマーを表す。GC細胞はパネルaおよび
bで示した実験において説明したように、被験プラスミ
ドでトランスフェクションし、ホルモン処理を行った。
プライマー伸長分析は50μgの全RNAに対して実施
した。レーンAおよびBはtkプロモーターに融合したC
AP部位から235−45位に及ぶGHフラグメントを
含むプラスミドでトランスフェクションした細胞からの
伸長産物を表す。レーンCおよびDはtkプロモーターの
みを含むプラスミドでトランスフェクションした細胞か
らの伸長産物を表す。伸長産物は全く観察されなかっ
た。レーンAおよびレーンCに示した産物はT3 の不在
下でインキュベートした細胞からのものであり、そして
レーンBおよびDに示した産物は10-9Mの濃度のT3
で処理した細胞からのものであった。レーンEは(ヌク
レオチドの)サイズ測定のために使用したpBR322の
HindIII消化物を示す。
【0480】第42(A),(B)および(C)図の方法 CAP部位の−1.7kbから+8bpまでのラットGH遺
伝子の5'フランキング配列を含むCAT発現ベクター
の構築は開示されている。11ラットプロラクチンエンハ
ンサーを含む融合物は、プラスミド pPSS11からこの
フラグメント(ラットプロラクチン配列ヌクレオチド位
置1831−1530に相当する)を切り出し、それを
成長ホルモン因子の5’欠失物に近接して逆向きに挿入
することにより作製した。HSVtkプロモーターを含む
融合物は、プラスミド pGPO(文献11参照)からG
Hエンハンサーのフラグメントを切り出し、それらを−
197位から+54位までのtkプロモーターに近接して
pSV2CATをベースとした発現ベクターのBamHI
およびSalI部位に挿入することにより作製した。別
法として、GHエンハンサーはBamHIおよびSall
ポリリンカー部位に挿入することより、 pUC8をベー
スとしたベクター20中の−107位から+54位のtkプ
ロモーターに近接して配置した。GHエンハンサー因子
の特定部位突然変異誘発は、CAP部位から235−4
5bpのフラグメントをM13mp18のBamHIおよびS
alI部位に挿入することにより行った。アンチセンス
GHヌクレオチド−188ないし−157に相当する2
1塩基オリゴヌクレオチド(ヌクレオチド−177ない
し−166を欠失させて、Aヌクレオチドで置換したも
の)は合成した。このオリゴヌクレオチドを用いて、K
unkel の方法21によりGHエンハンサー中の塩基−17
7から−166を欠失させた。CAT活性は薄層クロマ
トグラフィー19後にメチル化クロラムフェニコール誘導
体のラジオアッセイにより測定した。プライマー伸長は
Elsholtzらの方法12を用いた。
伝子の5'フランキング配列を含むCAT発現ベクター
の構築は開示されている。11ラットプロラクチンエンハ
ンサーを含む融合物は、プラスミド pPSS11からこの
フラグメント(ラットプロラクチン配列ヌクレオチド位
置1831−1530に相当する)を切り出し、それを
成長ホルモン因子の5’欠失物に近接して逆向きに挿入
することにより作製した。HSVtkプロモーターを含む
融合物は、プラスミド pGPO(文献11参照)からG
Hエンハンサーのフラグメントを切り出し、それらを−
197位から+54位までのtkプロモーターに近接して
pSV2CATをベースとした発現ベクターのBamHI
およびSalI部位に挿入することにより作製した。別
法として、GHエンハンサーはBamHIおよびSall
ポリリンカー部位に挿入することより、 pUC8をベー
スとしたベクター20中の−107位から+54位のtkプ
ロモーターに近接して配置した。GHエンハンサー因子
の特定部位突然変異誘発は、CAP部位から235−4
5bpのフラグメントをM13mp18のBamHIおよびS
alI部位に挿入することにより行った。アンチセンス
GHヌクレオチド−188ないし−157に相当する2
1塩基オリゴヌクレオチド(ヌクレオチド−177ない
し−166を欠失させて、Aヌクレオチドで置換したも
の)は合成した。このオリゴヌクレオチドを用いて、K
unkel の方法21によりGHエンハンサー中の塩基−17
7から−166を欠失させた。CAT活性は薄層クロマ
トグラフィー19後にメチル化クロラムフェニコール誘導
体のラジオアッセイにより測定した。プライマー伸長は
Elsholtzらの方法12を用いた。
【0481】第43(A)および(B)図 ビチオン−11−dUTPを含むオリゴヌクレオチドプ
ローブへのT3受容体の結合。A.GH5’−フランキ
ング配列へのT3受容体結合を検定するために用いた2
つのオリゴヌクレオチドプロ−ブの模式図。太い線、相
補的3’末端を有する合成オリゴヌクレオチド。細い
線、大腸菌DNAポリメラ−ゼの大フラグメントを用い
て5’突出部を修復することにより組込まれた塩基。星
印、ビオチン−11−dUTP残基。BamHIおよびBg
lII の制限部位も示される。G209−146および
G186−158は図示した5’および3’境界をもつ
ラットGHエンハンサ−配列を含む。B.種々のビオチ
ン−11− dUTP含有オリゴヌクレオチドプロ−ブに
よるGC2核抽出物からの125I−T3 標識T3受容体の
沈澱。P−EGF、PB1−B、PB2−BおよびPB
4−Bはそれぞれ10、11、10および10個のビオ
チン−11 dUTPを含む68、53、55および58
塩基対のオリゴヌクレオチドである。これらのオリゴヌ
クレオチドはG209−186に含まれるラットGH配
列に対して明らかに相同性を欠くラットプロラクチン遺
伝子の5’フランキング配列を含む。沈澱は100フェ
ムトモルの各プロ−ブを用いて行った。ビオチニル化オ
リゴヌクレオチドプロ−ブの不在下でストレプトアビジ
ンアガロ−スビ−ズに付随する125I 活性を示すバック
グラウンドは、本実験において 1400 cpmであった。結
果は3通りのポイントの平均値および標準誤差としてプ
ロットした。本実験は125I−T3結合の配列特異性を調
べる6通りの実験を表す。
ローブへのT3受容体の結合。A.GH5’−フランキ
ング配列へのT3受容体結合を検定するために用いた2
つのオリゴヌクレオチドプロ−ブの模式図。太い線、相
補的3’末端を有する合成オリゴヌクレオチド。細い
線、大腸菌DNAポリメラ−ゼの大フラグメントを用い
て5’突出部を修復することにより組込まれた塩基。星
印、ビオチン−11−dUTP残基。BamHIおよびBg
lII の制限部位も示される。G209−146および
G186−158は図示した5’および3’境界をもつ
ラットGHエンハンサ−配列を含む。B.種々のビオチ
ン−11− dUTP含有オリゴヌクレオチドプロ−ブに
よるGC2核抽出物からの125I−T3 標識T3受容体の
沈澱。P−EGF、PB1−B、PB2−BおよびPB
4−Bはそれぞれ10、11、10および10個のビオ
チン−11 dUTPを含む68、53、55および58
塩基対のオリゴヌクレオチドである。これらのオリゴヌ
クレオチドはG209−186に含まれるラットGH配
列に対して明らかに相同性を欠くラットプロラクチン遺
伝子の5’フランキング配列を含む。沈澱は100フェ
ムトモルの各プロ−ブを用いて行った。ビオチニル化オ
リゴヌクレオチドプロ−ブの不在下でストレプトアビジ
ンアガロ−スビ−ズに付随する125I 活性を示すバック
グラウンドは、本実験において 1400 cpmであった。結
果は3通りのポイントの平均値および標準誤差としてプ
ロットした。本実験は125I−T3結合の配列特異性を調
べる6通りの実験を表す。
【0482】第43(A)および(B)図の方法 核はDinghamらの技法22 に従ってラットGC2細胞か
ら分離し,そして0.6M KCl、10mMへペス(pH
7.9),0.5mMジチオトレイトール(DTT)、0.2
mM EDTA、20μM Zn Cl2中で氷上にて30分
間塩抽出した。その核抽出物は緩衝液A(50mM KC
l、20mM K3PO4( pH7.4)、1mMMgC
l2,1mM β−メルカプトエタノ−ルおよび20%グ
リセロ−ル)中でゲル濾過することにより脱塩し、−7
0℃で貯蔵した。GC2核受容体に対するT3の特異的
結合の検定はSamuelsら23によって記載されたように行
われたが,ただし、T3結合反応は200μg/ml ポ
リ(dI−dC)の存在下に緩衝液A中で実施した。DNA
結合を検定するために、初めに核抽出物を1μMの12 5
I−T3(2200Ci/m mol)と22℃で20分間インキ
ュベートして、T3 受容体を高い比活性へ標識した。そ
の後、核抽出物のアリコート(40μl)は200μl
ポリ(dI−dC)の存在下にビオチニル化プローブと共
に22℃で40分間インキュベートした。蛋白質−DN
A複合体はアガロースビーズ(BRL)結合したストレ
プトアビジンを加えることにより沈澱させた。アガロー
スビーズをペレットとなし、緩衝液A(1ml)で3回
洗い、その後125I活性について検定した。
ら分離し,そして0.6M KCl、10mMへペス(pH
7.9),0.5mMジチオトレイトール(DTT)、0.2
mM EDTA、20μM Zn Cl2中で氷上にて30分
間塩抽出した。その核抽出物は緩衝液A(50mM KC
l、20mM K3PO4( pH7.4)、1mMMgC
l2,1mM β−メルカプトエタノ−ルおよび20%グ
リセロ−ル)中でゲル濾過することにより脱塩し、−7
0℃で貯蔵した。GC2核受容体に対するT3の特異的
結合の検定はSamuelsら23によって記載されたように行
われたが,ただし、T3結合反応は200μg/ml ポ
リ(dI−dC)の存在下に緩衝液A中で実施した。DNA
結合を検定するために、初めに核抽出物を1μMの12 5
I−T3(2200Ci/m mol)と22℃で20分間インキ
ュベートして、T3 受容体を高い比活性へ標識した。そ
の後、核抽出物のアリコート(40μl)は200μl
ポリ(dI−dC)の存在下にビオチニル化プローブと共
に22℃で40分間インキュベートした。蛋白質−DN
A複合体はアガロースビーズ(BRL)結合したストレ
プトアビジンを加えることにより沈澱させた。アガロー
スビーズをペレットとなし、緩衝液A(1ml)で3回
洗い、その後125I活性について検定した。
【0483】第44図 GC2核抽出物によるラットGHエンハンサー因子のD
NアーゼIフットプリント。アンチセンス鎖中の16bp
保護領域が示される。CAP部位から−110位ないし
−140位まで延びる第二フットプリントもはっきりと
示される。レ−ンA−C、それぞれ24,12および4
μgのDNア−ゼIを用いた、GC2核抽出物とのイン
キュベ−ション後の標識GHエンハンサーの消化。レ−
ンD−F、GC2核抽出物の不在下での24,12およ
び4μgのDNア−ゼIによる標識GHエンハンサーの
消化。レ−ンGおよびM、マ−カ−。表示した配列はフ
ットプリントされた領域内のセンス鎖の配列に相当す
る。
NアーゼIフットプリント。アンチセンス鎖中の16bp
保護領域が示される。CAP部位から−110位ないし
−140位まで延びる第二フットプリントもはっきりと
示される。レ−ンA−C、それぞれ24,12および4
μgのDNア−ゼIを用いた、GC2核抽出物とのイン
キュベ−ション後の標識GHエンハンサーの消化。レ−
ンD−F、GC2核抽出物の不在下での24,12およ
び4μgのDNア−ゼIによる標識GHエンハンサーの
消化。レ−ンGおよびM、マ−カ−。表示した配列はフ
ットプリントされた領域内のセンス鎖の配列に相当す
る。
【0484】第44図の方法 成長ホルモンエンハンサーのアンチセンス鎖は、pGP
OのBam HI消化およびウシ腸ホスファターゼ処理後
に、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてその5’末
端を32P−dATPで標識した。エンハンサーフラグメ
ントはXhoI消化で pGPOから切り離し、アガロース
ゲル電気泳動で精製した。標識GHエンハンサーフラグ
メント(1ng,8fmol)は12 fmolの特異的T3受
容体結合活性を含む25μlのGC2核抽出物とインキ
ュベートした。DNA結合反応は緩衝液A中22℃で3
0分間行った。DNアーゼ消化は最終容量50μl中で
上記濃度のDNアーゼIを用いて22℃で2分間行っ
た。この反応は20μlの50mMEDTAおよび1%
SDSで停止させた。試料はフェノール/クロロホルム
で一回抽出し、エタノール沈澱させ、そして標準10%
塩基配列決定用ゲル上で電気泳動により分析した。
OのBam HI消化およびウシ腸ホスファターゼ処理後
に、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてその5’末
端を32P−dATPで標識した。エンハンサーフラグメ
ントはXhoI消化で pGPOから切り離し、アガロース
ゲル電気泳動で精製した。標識GHエンハンサーフラグ
メント(1ng,8fmol)は12 fmolの特異的T3受
容体結合活性を含む25μlのGC2核抽出物とインキ
ュベートした。DNA結合反応は緩衝液A中22℃で3
0分間行った。DNアーゼ消化は最終容量50μl中で
上記濃度のDNアーゼIを用いて22℃で2分間行っ
た。この反応は20μlの50mMEDTAおよび1%
SDSで停止させた。試料はフェノール/クロロホルム
で一回抽出し、エタノール沈澱させ、そして標準10%
塩基配列決定用ゲル上で電気泳動により分析した。
【0485】第45図 ラット下垂体細胞T3の64bpおよび29bpの5’側G
H配列を含むオリゴヌクレオチドへの結合。100fmo
lのG209−146、G186−158またはP−E
GFとインキュベートし、第VI−2(A)および(B)
に記載の如く結合について検定した。また、35S−メチ
オニンで標識した hc−erb−A in vitro翻訳産物(4
μl)は、10nM T3の存在下でのこれらのオリゴヌ
クレオチドへの結合について検定した。hc−erb−A in
vitro翻訳産物を調製するために、hc−erb−A相補的
DNAのキャップ構造をもつmRNA転写物を用いて、
ウサギ網状赤血球溶解液系10における翻訳をプログラミ
ングした。アンチセンス hc−erb−AmRNAを組み入
れた網状赤血球溶解液は、いずれのGHプローブにも測
定可能な結合活性を示さなかった(データは示さず)。
結果は3通りのポイントの平均値および標準誤差として
プロットした。示した実験は、2種類のGHプローブへ
のGC2核T3受容体の結合を比較する3回の実験、お
よびhc−erb−A in vitro翻訳産物の結合を調べる4
回の実験を代表するものである。
H配列を含むオリゴヌクレオチドへの結合。100fmo
lのG209−146、G186−158またはP−E
GFとインキュベートし、第VI−2(A)および(B)
に記載の如く結合について検定した。また、35S−メチ
オニンで標識した hc−erb−A in vitro翻訳産物(4
μl)は、10nM T3の存在下でのこれらのオリゴヌ
クレオチドへの結合について検定した。hc−erb−A in
vitro翻訳産物を調製するために、hc−erb−A相補的
DNAのキャップ構造をもつmRNA転写物を用いて、
ウサギ網状赤血球溶解液系10における翻訳をプログラミ
ングした。アンチセンス hc−erb−AmRNAを組み入
れた網状赤血球溶解液は、いずれのGHプローブにも測
定可能な結合活性を示さなかった(データは示さず)。
結果は3通りのポイントの平均値および標準誤差として
プロットした。示した実験は、2種類のGHプローブへ
のGC2核T3受容体の結合を比較する3回の実験、お
よびhc−erb−A in vitro翻訳産物の結合を調べる4
回の実験を代表するものである。
【0486】VI.F.実験の部VIで引用した文献 1.Evans,R.M.,Birnberg,N.C.,and R
osenfeld,M.G.,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA,79:7659−7663(1982)。
osenfeld,M.G.,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA,79:7659−7663(1982)。
【0487】2.Diamond,D.J.,and Goodman,
H.M.,J.Molec.Biol.,181:41−62(1985)。
H.M.,J.Molec.Biol.,181:41−62(1985)。
【0488】3.Spindler,S.R.,Mellon,S.
H.,and Baxter,J.D.,J.Biol.Chem.,25
7:11627−11632(1982)。
H.,and Baxter,J.D.,J.Biol.Chem.,25
7:11627−11632(1982)。
【0489】4.Yaffee,B.M.,and Samuels,H.
H.,J.Biol.Chem.,259:6284−6291(1984)。
H.,J.Biol.Chem.,259:6284−6291(1984)。
【0490】5.Larsen,P.R.,Harney,J.W.,a
nd Moore,D.D.,J.Biol.Chem.,261:14373−143
76(1986)。
nd Moore,D.D.,J.Biol.Chem.,261:14373−143
76(1986)。
【0491】6.Flug,F.,et al.,J.Biol.Che
m.,262:6373−6382(1987)。
m.,262:6373−6382(1987)。
【0492】7.Casanova,J.,Copp,R.P.,Ja
nocko,L.,and Samuels,H.H.,J.Biol.Che
m.,260:11744−11748(1985)。
nocko,L.,and Samuels,H.H.,J.Biol.Che
m.,260:11744−11748(1985)。
【0493】8.Crew,M.,and Spindler,S.
R.,J.Biol.Chem.,261:5018−5022(1986)。
R.,J.Biol.Chem.,261:5018−5022(1986)。
【0494】9.Sap,J.,et al.,Nature,324:6
35−640(1986)。
35−640(1986)。
【0495】10.Weinberger,C.,et al.,Natur
e,324:641−646(1986)。
e,324:641−646(1986)。
【0496】11.Nelson,C.,et al.,Nature,32
2:557−562(1986)。
2:557−562(1986)。
【0497】12.Elsholtz,H.P.,et al.,Scienc
e,234:1552−1557(1986)。
e,234:1552−1557(1986)。
【0498】13.West,B.L.,et al.,Molec.Cel
l.Biol.,7:1193−1198(1987)。
l.Biol.,7:1193−1198(1987)。
【0499】14.Catanzaro,D.F.,West,B.L.,
Baxter,J.D.,and Reudelhuber,T.L.,Mole
c.Endo.,1:90−96(1987)。
Baxter,J.D.,and Reudelhuber,T.L.,Mole
c.Endo.,1:90−96(1987)。
【0500】15.Nyborg,J.K.,and Spindler,
S.R.,J.Biol.Chem.,261:5685−5688(1986)。
S.R.,J.Biol.Chem.,261:5685−5688(1986)。
【0501】16.Topol,J.,Ruden,D.M.,and
Parker,C.S.,Cell,42:527−537(1985)。
Parker,C.S.,Cell,42:527−537(1985)。
【0502】17.Reinberg,D.,Horikoshi,
M.,and Roeder,R.J.,J.Biol.Chem.,
262:3322−3330(1987)。
M.,and Roeder,R.J.,J.Biol.Chem.,
262:3322−3330(1987)。
【0503】18.Mcknight,S.,and Tjian,R.,
Cell,46:795−805(1986)。
Cell,46:795−805(1986)。
【0504】19.Gorman,C.M.,Moffat,L.F.,
and Howard,B.H.,Molec.Cell.Biol.,2:1044
−1051(1982)。
and Howard,B.H.,Molec.Cell.Biol.,2:1044
−1051(1982)。
【0505】20.Linney,E.,and Donerly,S.
Cell,35:693−699(1983)。
Cell,35:693−699(1983)。
【0506】21.Kunkel,T.,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,82:488−492(1985)。 22.Dingham,J.D.,Lebovitz,R.M.,and Roe
der,R.G.,Nucleic.Acids.Res.,11:1475−14
89(1983)。
ci.USA,82:488−492(1985)。 22.Dingham,J.D.,Lebovitz,R.M.,and Roe
der,R.G.,Nucleic.Acids.Res.,11:1475−14
89(1983)。
【0507】23.Samuels,H.H.,Tsai,J.S.,
Casanova,J.,and Stanley,F.,J.Clin.Inves
t.,54:853−865(1974)。
Casanova,J.,and Stanley,F.,J.Clin.Inves
t.,54:853−865(1974)。
【0508】実験の部VII 哺乳動物中枢神経系で発現された新規な甲状腺ホルモン
受容体の同定VII.A.概要 ラット脳メッセンジャーRNAから誘導された相補的D
NAクローンは、ヒト甲状腺ホルモン受容体遺伝子に対
する相同性に基づいて分離された。この相補的DNAの
発現は甲状腺ホルモンに高い親和性を示す結合蛋白質を
もたらす。塩基配列の分析および特定のヒト遺伝子座へ
のこの遺伝子のマッピングは、複数のヒト甲状腺ホルモ
ン受容体の存在を示す。この遺伝子からのメッセンジャ
ーRNAは組織特異的であり、中枢神経系において最高
レベルで発現される。
受容体の同定VII.A.概要 ラット脳メッセンジャーRNAから誘導された相補的D
NAクローンは、ヒト甲状腺ホルモン受容体遺伝子に対
する相同性に基づいて分離された。この相補的DNAの
発現は甲状腺ホルモンに高い親和性を示す結合蛋白質を
もたらす。塩基配列の分析および特定のヒト遺伝子座へ
のこの遺伝子のマッピングは、複数のヒト甲状腺ホルモ
ン受容体の存在を示す。この遺伝子からのメッセンジャ
ーRNAは組織特異的であり、中枢神経系において最高
レベルで発現される。
【0509】VII.B.序論 甲状腺ホルモンは高等脊椎動物の多くの組織において発
生学的および生理学的応答の複雑な機構に関与している
(1)。それらの多種多様な作用には重要な代謝酵素、
ホルモンおよび受容体の調節が含まれる(2)。甲状腺
ホルモンの作用は核受容体により仲介され、標的細胞に
よる特定遺伝子の発現を調節する(3−5)。これらの
性質はステロイドホルモンとそれらの受容体との相互作
用に類似しており、最近観察されたステロイドホルモン
受容体と甲状腺ホルモン受容体との構造類似性に合致し
ている(実験の部IIIを参照)。
生学的および生理学的応答の複雑な機構に関与している
(1)。それらの多種多様な作用には重要な代謝酵素、
ホルモンおよび受容体の調節が含まれる(2)。甲状腺
ホルモンの作用は核受容体により仲介され、標的細胞に
よる特定遺伝子の発現を調節する(3−5)。これらの
性質はステロイドホルモンとそれらの受容体との相互作
用に類似しており、最近観察されたステロイドホルモン
受容体と甲状腺ホルモン受容体との構造類似性に合致し
ている(実験の部IIIを参照)。
【0510】VII.C.第2甲状腺ホルモン受容体DN
Aの分離 甲状腺ホルモン作用の多様性にもかかわらず、一般に甲
状腺ホルモン機能は単一の高親和性核受容体を介して起
こることが認められている。しかしながら、v−erb−A
腫瘍遺伝子産物の細胞相同体としての甲状腺ホルモン
受容体の最近の同定(実験の部IIIおよび文献7を参
照)は、ヒト染色体3および17上の複数のc−erb−A
遺伝子の先の同定(実験の部IIIおよび文献8を参照)
と合わせて、複数の甲状腺ホルモン受容体の存在を示唆
している。複数の甲状腺ホルモン応答の基礎をなす機構
が、構造的に異なる甲状腺ホルモン受容体の発現から誘
導されうる可能性を調べるために、我々はこれらの関連
遺伝子座の1つの産物をコードする相補的DNA(cD
NA)クローンを分離した。
Aの分離 甲状腺ホルモン作用の多様性にもかかわらず、一般に甲
状腺ホルモン機能は単一の高親和性核受容体を介して起
こることが認められている。しかしながら、v−erb−A
腫瘍遺伝子産物の細胞相同体としての甲状腺ホルモン
受容体の最近の同定(実験の部IIIおよび文献7を参
照)は、ヒト染色体3および17上の複数のc−erb−A
遺伝子の先の同定(実験の部IIIおよび文献8を参照)
と合わせて、複数の甲状腺ホルモン受容体の存在を示唆
している。複数の甲状腺ホルモン応答の基礎をなす機構
が、構造的に異なる甲状腺ホルモン受容体の発現から誘
導されうる可能性を調べるために、我々はこれらの関連
遺伝子座の1つの産物をコードする相補的DNA(cD
NA)クローンを分離した。
【0511】推定上の神経細胞型甲状腺ホルモン受容体
は、ヒト甲状腺ホルモン受容体cDNAの1500bpフ
ラグメントを用いて、ラット脳メッセンジャーRNA
(mRNA)から作製したcDNAライブラリーをスク
リーニングすることにより分離された。(文献6として
発表した実験の部IIIを参照されたい。)約106 個の
ファージから3個の陽性クローンを分離し、それらのう
ちで最も大きいもの、rbeA12、の完全ヌクレオチド
配列を決定した(第46(B)図)。この配列は207
9bpの鎖長であり、ヌクレオチド位置325にイニシエ
ーターメチオニンコドンおよびヌクレオチド位置155
4にターミネーターコドンを有する 1230bpの長いオー
プン・リーディング・フレーム(open reading fram
e)を含む。このオープン・リーディング・フレームは
推定上のイニシエーターメチオニンの上流に3つの短い
オープン・リーディング・フレームを含む少なくとも3
20bpの5’非翻訳領域によって先行され、410個の
アミノ酸残基から成る蛋白質(計算した分子量45K
D)をコードしている。
は、ヒト甲状腺ホルモン受容体cDNAの1500bpフ
ラグメントを用いて、ラット脳メッセンジャーRNA
(mRNA)から作製したcDNAライブラリーをスク
リーニングすることにより分離された。(文献6として
発表した実験の部IIIを参照されたい。)約106 個の
ファージから3個の陽性クローンを分離し、それらのう
ちで最も大きいもの、rbeA12、の完全ヌクレオチド
配列を決定した(第46(B)図)。この配列は207
9bpの鎖長であり、ヌクレオチド位置325にイニシエ
ーターメチオニンコドンおよびヌクレオチド位置155
4にターミネーターコドンを有する 1230bpの長いオー
プン・リーディング・フレーム(open reading fram
e)を含む。このオープン・リーディング・フレームは
推定上のイニシエーターメチオニンの上流に3つの短い
オープン・リーディング・フレームを含む少なくとも3
20bpの5’非翻訳領域によって先行され、410個の
アミノ酸残基から成る蛋白質(計算した分子量45K
D)をコードしている。
【0512】VII.D.第2甲状腺ホルモン受容体と他
の既知甲状腺ホルモン受容体蛋白質との比較 rbeA12 からの推定アミノ酸配列とヒト甲状腺ホルモ
ン受容体のアミノ酸配列(実験の部IIIを参照)との比
較により、これらの2種類の蛋白質は異なるアミノ末端
をもつことが分った(第47図)。神経細胞蛋白質の最
初の41個のアミノ酸とヒト甲状腺ホルモン受容体の最
初の90個のアミノ酸は有意な相同性を示さず、一方カ
ルボキシル末端の367個のアミノ酸は75%のヌクレ
オチド同一性と82%のアミノ酸同一性を共有してい
る。ラットの蛋白質は予告された大きなおよび相同性の
両方の点でニワトリの甲状腺ホルモン受容体(7)とよ
り一層関連が深く、82%のヌクレオチド同一性と89
%のアミノ酸同一性を共有している。参考として、ニワ
トリ甲状腺ホルモン受容体は以前に分離されたerb−A
遺伝子との相同性ゆえにアルファ(cTRα)と称せら
れそして甲状腺ホルモン受容体はベ−タ(hTRβ)と
称せられる。ラット神経細胞型はニワトリの受容体とよ
り一層関連が深いので、それはアルファ(rTRα)と
呼ばれている。
の既知甲状腺ホルモン受容体蛋白質との比較 rbeA12 からの推定アミノ酸配列とヒト甲状腺ホルモ
ン受容体のアミノ酸配列(実験の部IIIを参照)との比
較により、これらの2種類の蛋白質は異なるアミノ末端
をもつことが分った(第47図)。神経細胞蛋白質の最
初の41個のアミノ酸とヒト甲状腺ホルモン受容体の最
初の90個のアミノ酸は有意な相同性を示さず、一方カ
ルボキシル末端の367個のアミノ酸は75%のヌクレ
オチド同一性と82%のアミノ酸同一性を共有してい
る。ラットの蛋白質は予告された大きなおよび相同性の
両方の点でニワトリの甲状腺ホルモン受容体(7)とよ
り一層関連が深く、82%のヌクレオチド同一性と89
%のアミノ酸同一性を共有している。参考として、ニワ
トリ甲状腺ホルモン受容体は以前に分離されたerb−A
遺伝子との相同性ゆえにアルファ(cTRα)と称せら
れそして甲状腺ホルモン受容体はベ−タ(hTRβ)と
称せられる。ラット神経細胞型はニワトリの受容体とよ
り一層関連が深いので、それはアルファ(rTRα)と
呼ばれている。
【0513】ステロイドホルモン受容体との類似性によ
り、甲状腺ホルモン受容体のシステインに富む領域はD
NA結合ドメインであると予想される(実験の部IIIお
よびIIを参照;また文献10を参照)。この領域におい
て、 rTRα蛋白質は cTRα蛋白質と97%のアミノ
酸同一性を有し、そして hTRβと90%のアミノ酸同
一性を有する。これらの蛋白質はまた、ステロイド受容
体から類推して、ホルモン結合ドメインであると思われ
るカルボキシル末端部分において十分に保存されている
(実験の部IIおよび文献11を参照)。 rTRαのこの
領域は cTRαと94%のアミノ酸同一性を示し、そし
て hTRβと85%のアミノ酸同一性を示す。
り、甲状腺ホルモン受容体のシステインに富む領域はD
NA結合ドメインであると予想される(実験の部IIIお
よびIIを参照;また文献10を参照)。この領域におい
て、 rTRα蛋白質は cTRα蛋白質と97%のアミノ
酸同一性を有し、そして hTRβと90%のアミノ酸同
一性を有する。これらの蛋白質はまた、ステロイド受容
体から類推して、ホルモン結合ドメインであると思われ
るカルボキシル末端部分において十分に保存されている
(実験の部IIおよび文献11を参照)。 rTRαのこの
領域は cTRαと94%のアミノ酸同一性を示し、そし
て hTRβと85%のアミノ酸同一性を示す。
【0514】VII.E.新しい甲状腺ホルモン受容体の
同定 塩基配列データに基づくと、我々が分離したcDNAは
以前に同定されたヒト甲状腺ホルモン受容体とは異なる
蛋白質をコードすると思われる(実験の部IIIを参
照)。神経細胞クローンが別の遺伝子産物であることを
立証するために、rbeA12を用いてサザンブロットお
よび染色体分析によりヒト相同体を同定した。種々の制
限酵素で消化したヒト胎盤DNAはアガロースゲル上で
分離し、ニトロセルロースへ移行させ、そしてラットま
たはヒトTR特異的プローブ(それぞれの遺伝子の重複
領域から誘導されたもの)とハイブリダイズさせた(第
48(A)および(B)図)。試験した全ての制限酵素
に対して異なるハイブリダイゼーションパターンが観察
され、このことは2つのcDNAが全く別の遺伝子であ
ることを示している。rbeA12由来の同じプローブ
は、ヒトリンパ様細胞から調製したレーザー選別染色体
とハイブリダイズさせた(第48(C)図)。ハイブリ
ダイゼーションは染色体17にのみ観察され、c−erb−
A遺伝子をヒト染色体17に局在化した以前のマッピン
グ実験と一致した(8)。これはヒト染色体3に存在す
る hTRβと rTRαとを区別している(実験の部IIを
参照)。
同定 塩基配列データに基づくと、我々が分離したcDNAは
以前に同定されたヒト甲状腺ホルモン受容体とは異なる
蛋白質をコードすると思われる(実験の部IIIを参
照)。神経細胞クローンが別の遺伝子産物であることを
立証するために、rbeA12を用いてサザンブロットお
よび染色体分析によりヒト相同体を同定した。種々の制
限酵素で消化したヒト胎盤DNAはアガロースゲル上で
分離し、ニトロセルロースへ移行させ、そしてラットま
たはヒトTR特異的プローブ(それぞれの遺伝子の重複
領域から誘導されたもの)とハイブリダイズさせた(第
48(A)および(B)図)。試験した全ての制限酵素
に対して異なるハイブリダイゼーションパターンが観察
され、このことは2つのcDNAが全く別の遺伝子であ
ることを示している。rbeA12由来の同じプローブ
は、ヒトリンパ様細胞から調製したレーザー選別染色体
とハイブリダイズさせた(第48(C)図)。ハイブリ
ダイゼーションは染色体17にのみ観察され、c−erb−
A遺伝子をヒト染色体17に局在化した以前のマッピン
グ実験と一致した(8)。これはヒト染色体3に存在す
る hTRβと rTRαとを区別している(実験の部IIを
参照)。
【0515】VII.F.発現実験 rTRαcDNAが機能的な受容体蛋白質をコードする
か否かを調べるために、発現実験を行った。rTRの遺
伝子の産物は初めにin vitro 転写それに続くinvitro翻
訳により同定された。in vitro転写のために、rbeA1
2のEcoRI挿入物は、発現ベクターpGEM1にサブ
クローニングすることによりバクテリオファージSP6
プロモーターへ連結した。第2構築物のrbeA12Bは
翻訳効率を高める目的で作製された。ヌクレオチド位置
97までの5’非翻訳領域は欠失させて、この領域内の
3つの短いオープン・リーディング・フレームのうち2
つを除去した。SP6ポリメラーゼを用いて合成した転
写物はウサギ網状赤血球溶解液と共に in vitro で翻訳
し、[35S]メチオニン標識産物をSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル上で分析した(第49(A)図)。約52,
48,35および33KDの4種の蛋白質がセンス鎖を
翻訳したときだけ観察された。同じ4種のバンドがrbe
A12およびrbeA12Bについて観察された。これら
の翻訳産物はその後甲状腺ホルモン結合を試験するため
に使用した。
か否かを調べるために、発現実験を行った。rTRの遺
伝子の産物は初めにin vitro 転写それに続くinvitro翻
訳により同定された。in vitro転写のために、rbeA1
2のEcoRI挿入物は、発現ベクターpGEM1にサブ
クローニングすることによりバクテリオファージSP6
プロモーターへ連結した。第2構築物のrbeA12Bは
翻訳効率を高める目的で作製された。ヌクレオチド位置
97までの5’非翻訳領域は欠失させて、この領域内の
3つの短いオープン・リーディング・フレームのうち2
つを除去した。SP6ポリメラーゼを用いて合成した転
写物はウサギ網状赤血球溶解液と共に in vitro で翻訳
し、[35S]メチオニン標識産物をSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル上で分析した(第49(A)図)。約52,
48,35および33KDの4種の蛋白質がセンス鎖を
翻訳したときだけ観察された。同じ4種のバンドがrbe
A12およびrbeA12Bについて観察された。これら
の翻訳産物はその後甲状腺ホルモン結合を試験するため
に使用した。
【0516】VII.G.ホルモン結合実験 甲状腺ホルモン結合は〔125I〕3,5,3’−トリヨ
ード−L−チロニン(12 5I−T3)を用いて測定した。r
TRαの特定蛋白質を含む試料のみがT3 結合を示し
た。ホルモン新和性はスカッチャード分析により決定
し、解離定数(Kd)2.9×10-11Mを与え(第49
(B)図)、これは hTRβ蛋白質について観察された
Kd値(5×10-11M)と類似するが(4,5)、cTR
α蛋白質に対して測定されたKd 値(2.1×10-10〜
3.3×10-10 M)よりも低かった(実験の部IIIを参
照)。得られたKd 値の差異は使用した検定系が異なる
ことによるのかも知れない。競合実験において、in vi
tro 翻訳したrTRα蛋白質はhTRβ蛋白質と同じくL
−T3およびL−チロキシン(L−T4)に対して特有の
新和性を示したが、3,5’,3’−トリヨードチロ酢
酸(TRIAC)に対しては異なるパターンを示した
(第49(C)図)。TRIACは hTRβ蛋白質の場
合T3 結合に対して比較的良好に競合したが、 rTRα
蛋白質への結合に対してはT3とほぼ同程度に競合し
た。 hTRβおよび cTRαの蛋白質の場合のように、
過剰のアルドステロン、エストロゲン、プロゲステロ
ン、テストステロンまたはビタミンD1による rTRα
蛋白質へのT3結合に対する競合は見られなかった。従
って、我々は以前に開示された甲状腺ホルモン受容体と
類似した結合特性をもつが、それとは同一でない甲状腺
ホルモン受容体を単離したと思われる(実験の部IIIお
よび文献7を参照)。
ード−L−チロニン(12 5I−T3)を用いて測定した。r
TRαの特定蛋白質を含む試料のみがT3 結合を示し
た。ホルモン新和性はスカッチャード分析により決定
し、解離定数(Kd)2.9×10-11Mを与え(第49
(B)図)、これは hTRβ蛋白質について観察された
Kd値(5×10-11M)と類似するが(4,5)、cTR
α蛋白質に対して測定されたKd 値(2.1×10-10〜
3.3×10-10 M)よりも低かった(実験の部IIIを参
照)。得られたKd 値の差異は使用した検定系が異なる
ことによるのかも知れない。競合実験において、in vi
tro 翻訳したrTRα蛋白質はhTRβ蛋白質と同じくL
−T3およびL−チロキシン(L−T4)に対して特有の
新和性を示したが、3,5’,3’−トリヨードチロ酢
酸(TRIAC)に対しては異なるパターンを示した
(第49(C)図)。TRIACは hTRβ蛋白質の場
合T3 結合に対して比較的良好に競合したが、 rTRα
蛋白質への結合に対してはT3とほぼ同程度に競合し
た。 hTRβおよび cTRαの蛋白質の場合のように、
過剰のアルドステロン、エストロゲン、プロゲステロ
ン、テストステロンまたはビタミンD1による rTRα
蛋白質へのT3結合に対する競合は見られなかった。従
って、我々は以前に開示された甲状腺ホルモン受容体と
類似した結合特性をもつが、それとは同一でない甲状腺
ホルモン受容体を単離したと思われる(実験の部IIIお
よび文献7を参照)。
【0517】VII.H.組織特異性実験 甲状腺ホルモンに対する代謝応答の組織特異性により、
この甲状腺ホルモン受容体は特定の組織において発現さ
れるものかも知れないと考えた。こうして、rTRα遺
伝子の発現パターンがノザンブロット分析により調べら
れた(第50図)。いろいろなラット組織から分離した
全RNAはホルムアルデヒド−アガロ−スゲル上で分画
化し、ニトロセルロ−スへ移行させ、そしてサザンブロ
ット分析および染色体マッピングの際に使用したものと
同じ rbeA12フラグメントとハイブリダイズさせた。
2.6Kb RNA が肝臓を除いて試験した全ての組織に
観察された。このRNAは下垂体や筋肉にも存在し、そ
してGC、ラット−1およびPC12細胞株において発
現される。デンシトメ−タ−走査は、rTRαの発現レ
ベルが試験した他のどの組織よりも脳において10〜2
0倍高いことを示した。約5.0Kbと6.0Kbの別の2
種類のRNAが全ての組織にほぼ等しい量で存在する
が、それらは2.6Kb RNA よりもはるかに少量であ
る。これらのバンドは2.6Kb RNAの前駆体または
関連遺伝子の産物でありうる。
この甲状腺ホルモン受容体は特定の組織において発現さ
れるものかも知れないと考えた。こうして、rTRα遺
伝子の発現パターンがノザンブロット分析により調べら
れた(第50図)。いろいろなラット組織から分離した
全RNAはホルムアルデヒド−アガロ−スゲル上で分画
化し、ニトロセルロ−スへ移行させ、そしてサザンブロ
ット分析および染色体マッピングの際に使用したものと
同じ rbeA12フラグメントとハイブリダイズさせた。
2.6Kb RNA が肝臓を除いて試験した全ての組織に
観察された。このRNAは下垂体や筋肉にも存在し、そ
してGC、ラット−1およびPC12細胞株において発
現される。デンシトメ−タ−走査は、rTRαの発現レ
ベルが試験した他のどの組織よりも脳において10〜2
0倍高いことを示した。約5.0Kbと6.0Kbの別の2
種類のRNAが全ての組織にほぼ等しい量で存在する
が、それらは2.6Kb RNA よりもはるかに少量であ
る。これらのバンドは2.6Kb RNAの前駆体または
関連遺伝子の産物でありうる。
【0518】VII.I.論議および結論 第2の哺乳動物甲状腺ホルモン受容体の分離は、以前の
生化学的研究が単一の甲状腺ホルモン受容体よりも多く
の受容体の存在を予告していないので、驚くべきことで
ある。振り返ってみると、多くの臨床生理学的研究は複
数の受容体の存在を示すものとして解釈することができ
る。機能的異質性の1つの形態は、家族性甲状腺ホルモ
ン抵抗(甲状腺ホルモンに対する末梢応答が喪失または
減少するが、神経細胞機能は維持される)を有する患者
の確認により示唆された(12,13)。さらに、循環
性甲状腺ホルモンの低レベルと関連した苛酷な発生学的
作用(クレチン病)は、神経系に強く影響を与えるタイ
プと周辺機能により劇的に作用するタイプとに分類され
た(13,14)。
生化学的研究が単一の甲状腺ホルモン受容体よりも多く
の受容体の存在を予告していないので、驚くべきことで
ある。振り返ってみると、多くの臨床生理学的研究は複
数の受容体の存在を示すものとして解釈することができ
る。機能的異質性の1つの形態は、家族性甲状腺ホルモ
ン抵抗(甲状腺ホルモンに対する末梢応答が喪失または
減少するが、神経細胞機能は維持される)を有する患者
の確認により示唆された(12,13)。さらに、循環
性甲状腺ホルモンの低レベルと関連した苛酷な発生学的
作用(クレチン病)は、神経系に強く影響を与えるタイ
プと周辺機能により劇的に作用するタイプとに分類され
た(13,14)。
【0519】構造的に異なる形の甲状腺ホルモン受容体
の存在を証明したのに加えて、我々が同定した受容体は
ラット中枢神経系において高レベルで発現される。in
situハイブリダイゼーションを利用する予備実験は海
馬、視床下部、大脳皮質および扁桃での高レベル発現を
明らかにした。RNAハイブリダイゼーション実験もま
た小脳において異例に高いレベルを示す。甲状腺ホルモ
ンは初期の脳発生において重要な役割を演ずることが知
られているが(14)、この高レベル発現は予期されな
いことである。なぜならば、生化学的研究により、脳は
他の多くの組織よりも甲状腺ホルモン受容体が少なく
(5,16)、しかも成人の脳はリン酸脱水素酵素活性
によって甲状腺ホルモンに応答しないことが示されたか
らである。(17)。
の存在を証明したのに加えて、我々が同定した受容体は
ラット中枢神経系において高レベルで発現される。in
situハイブリダイゼーションを利用する予備実験は海
馬、視床下部、大脳皮質および扁桃での高レベル発現を
明らかにした。RNAハイブリダイゼーション実験もま
た小脳において異例に高いレベルを示す。甲状腺ホルモ
ンは初期の脳発生において重要な役割を演ずることが知
られているが(14)、この高レベル発現は予期されな
いことである。なぜならば、生化学的研究により、脳は
他の多くの組織よりも甲状腺ホルモン受容体が少なく
(5,16)、しかも成人の脳はリン酸脱水素酵素活性
によって甲状腺ホルモンに応答しないことが示されたか
らである。(17)。
【0520】発現実験からの第2の興味ある結果は、こ
の転写物が肝臓に存在しないということである。肝臓は
通常甲状腺ホルモン受容体が分離される組織である。こ
の不在はさらに別の形の甲状腺ホルモン受容体の存在を
暗示している。この提案は、肝臓と心臓に薬理学的に区
別しうる甲状腺ホルモン応答が存在することを示すUnd
erwoodらのデータ(18)と一致するであろう。さら
に、DNAハイブリダイゼーション実験からのデータ
は、哺乳動物甲状腺ホルモン受容体のcDNAクローン
とハイブリダイズする複数の遺伝子座の存在を示し、異
なる関連遺伝子座が5つも存在しうることを示唆する
(実験の部IIIおよび文献8を参照)。これらの遺伝子
座のいくつかは恐らく別の機能分子をコードすると思わ
れ、このことは発生およびホメオスタシス機能をコント
ロールする遺伝子の重なり合ったネットワークを協調的
に調整する甲状腺ホルモン受容体のファミリーの存在を
うかがわせる。
の転写物が肝臓に存在しないということである。肝臓は
通常甲状腺ホルモン受容体が分離される組織である。こ
の不在はさらに別の形の甲状腺ホルモン受容体の存在を
暗示している。この提案は、肝臓と心臓に薬理学的に区
別しうる甲状腺ホルモン応答が存在することを示すUnd
erwoodらのデータ(18)と一致するであろう。さら
に、DNAハイブリダイゼーション実験からのデータ
は、哺乳動物甲状腺ホルモン受容体のcDNAクローン
とハイブリダイズする複数の遺伝子座の存在を示し、異
なる関連遺伝子座が5つも存在しうることを示唆する
(実験の部IIIおよび文献8を参照)。これらの遺伝子
座のいくつかは恐らく別の機能分子をコードすると思わ
れ、このことは発生およびホメオスタシス機能をコント
ロールする遺伝子の重なり合ったネットワークを協調的
に調整する甲状腺ホルモン受容体のファミリーの存在を
うかがわせる。
【0521】VII.J.実験の部VIIに関する図面の詳細
な説明 第46(A)および(B)図 ラット脳からの甲状腺ホルモン受容体cDNAの制限地
図、ならびにヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列。
(A)ラット脳からの甲状腺ホルモン受容体cDNAの
模式図;通常の制限エンドヌクレアーゼ切断部位をいく
つか示す。斜線ボックスは推定されたコード領域を示
す。ハイブリダイゼーション実験で用いた500bp Pv
uII フラグメント(ヌクレオチド位置607−1113
に相当する)は制限地図の下に実線で示す。(B)rbe
A12の完全なヌクレオチド配列を、長いオープン・リ
ーディング・フレーム上の推定アミノ酸配列と共に示
す。5’非翻訳領域内の3つの短いオープン・リーディ
ング・フレームは肉太の活字で示され、終結コドンには
アンダーラインが引いてある。クロ−ンrbeA12はニ
ック・トランスレーションしたプローブとしてpheA4
(Sigma社)の全EcoRI挿入物を用いて、J.Arriz
a から得たラット脳cDNAライブラリーからの約10
6 個のファージをスクリーニングすることにより分離し
た(19)。3個の陽性クローンが分離され、そのうち
で最も大きいもの(rbeA12)の完全ヌクレオチド配
列をMaxam & Gilbertの化学的切断法(20)により
両鎖について決心した。
な説明 第46(A)および(B)図 ラット脳からの甲状腺ホルモン受容体cDNAの制限地
図、ならびにヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列。
(A)ラット脳からの甲状腺ホルモン受容体cDNAの
模式図;通常の制限エンドヌクレアーゼ切断部位をいく
つか示す。斜線ボックスは推定されたコード領域を示
す。ハイブリダイゼーション実験で用いた500bp Pv
uII フラグメント(ヌクレオチド位置607−1113
に相当する)は制限地図の下に実線で示す。(B)rbe
A12の完全なヌクレオチド配列を、長いオープン・リ
ーディング・フレーム上の推定アミノ酸配列と共に示
す。5’非翻訳領域内の3つの短いオープン・リーディ
ング・フレームは肉太の活字で示され、終結コドンには
アンダーラインが引いてある。クロ−ンrbeA12はニ
ック・トランスレーションしたプローブとしてpheA4
(Sigma社)の全EcoRI挿入物を用いて、J.Arriz
a から得たラット脳cDNAライブラリーからの約10
6 個のファージをスクリーニングすることにより分離し
た(19)。3個の陽性クローンが分離され、そのうち
で最も大きいもの(rbeA12)の完全ヌクレオチド配
列をMaxam & Gilbertの化学的切断法(20)により
両鎖について決心した。
【0522】第47図 ラット甲状腺ホルモン受容体(rTRα)蛋白質とヒト
甲状腺ホルモン受容体(hTRβ)およびニワトリ甲状
腺ホルモン受容体(cTRα)蛋白質との略図による比
較。ボックス上の番号はアミノ酸残基を示し;ボックス
内の数字は閉じた領域内の rTRα蛋白質とのアミノ酸
同一性のパーセントを示す。DNAはヒトグルココルチ
コイド受容体(アミノ酸421から486まで)との類
似性から推定されたDNA結合ドメインを表し、一方T
3/T4は推定上のホルモン結合ドメインを表す。
甲状腺ホルモン受容体(hTRβ)およびニワトリ甲状
腺ホルモン受容体(cTRα)蛋白質との略図による比
較。ボックス上の番号はアミノ酸残基を示し;ボックス
内の数字は閉じた領域内の rTRα蛋白質とのアミノ酸
同一性のパーセントを示す。DNAはヒトグルココルチ
コイド受容体(アミノ酸421から486まで)との類
似性から推定されたDNA結合ドメインを表し、一方T
3/T4は推定上のホルモン結合ドメインを表す。
【0523】第48(A)、(B)および(C)図 rTRα遺伝子のサザンブロット分析およびヒト染色体
局在化。ヒト胎盤DNAを種々の制限酵素で消化し、
0.8% アガロースゲル上で分離し、ニトロセルロース
へ移行させ、DNA結合領域を含むrbeA12由来の5
00bp PvuIIフラグメント(A)または hTRβ由来
の450bp SstIフラグメント(実験の部IIIを参照)
(B)とハイブリダイズさせた。両ブロットは50%ホ
ルムアミド、5×SSPE(0.15M NaCl、0.0
1M NaH2PO4、0.001M EDTA)、1×デ
ンハート溶液、0.1%SDS、およびサケ精子DNA
(100μg/ml)中42℃でハイブリダイズさせ、
2×SSC(standard saline citrate)および0.1%S
DSを用いて68℃で洗浄した。ラムダHindIIIマーカ
ーのサイズをキロ塩基対で示す。(C)、 rTRα遺伝
子の染色体マッピング。ヒトリンパ球染色体をレーザー
サイトフルオロメトリー(21)で分離し、上記条件と
同じ条件下でrbeA12の500bp PvuIIフラグメント
とハイブリダイズさせた。
局在化。ヒト胎盤DNAを種々の制限酵素で消化し、
0.8% アガロースゲル上で分離し、ニトロセルロース
へ移行させ、DNA結合領域を含むrbeA12由来の5
00bp PvuIIフラグメント(A)または hTRβ由来
の450bp SstIフラグメント(実験の部IIIを参照)
(B)とハイブリダイズさせた。両ブロットは50%ホ
ルムアミド、5×SSPE(0.15M NaCl、0.0
1M NaH2PO4、0.001M EDTA)、1×デ
ンハート溶液、0.1%SDS、およびサケ精子DNA
(100μg/ml)中42℃でハイブリダイズさせ、
2×SSC(standard saline citrate)および0.1%S
DSを用いて68℃で洗浄した。ラムダHindIIIマーカ
ーのサイズをキロ塩基対で示す。(C)、 rTRα遺伝
子の染色体マッピング。ヒトリンパ球染色体をレーザー
サイトフルオロメトリー(21)で分離し、上記条件と
同じ条件下でrbeA12の500bp PvuIIフラグメント
とハイブリダイズさせた。
【0524】第49(A),(B)および(C)図 rTRαのin vitro翻訳および甲状腺ホルモン結合。
(A)rTRαはin vitroで転写し、ウサギ網状赤血球
溶解液中で翻訳した。[35S]メチオニン標識産物は
7.5% SDS−ポリアクリルアミドゲル上で分離し、
フルオログラフィーで視覚化した。レーン1、添加RN
Aなし;レーン2、全5'非翻訳領域を含むrbeA12;
レーン3、97bp の5’非翻訳配列のみを含む rbeA
12B。蛋白質マーカーのサイズ:ウシ血清アルブミ
ン、66.2KD;卵アルブミン、45KD;カルボニ
ックアンヒドラーゼ、31KD。(B)in vitro 翻訳
したrTRαに対する125I−T3結合のスカッチャード
分析。in vitro 翻訳したrbeA12B転写物を含む溶解
液は、125I−T3の異なる濃度で結合したホルモン量を
測定することにより、甲状腺ホルモン結合活性について
検定した。Kd=2.9×10-11M。(C)in vitro翻
訳した rTRαへの125I−T3結合に対する甲状腺ホル
モン類似体の競合。rbeA12B プログラム化溶解液か
らの試料は、標識ホルモンと競合させるべく次第に増加
する濃度の未標識甲状腺ホルモンまたは類似体と混合し
た。特異的に結合した125I−T3は競合化合物の濃度に
対してプロットする。4つの別々の実験において同じ競
合パターンが観察された。in vitro転写/翻訳およびホ
ルモン結合は記載した通りに行った(22,23)。白
の円はTRIAC、黒の円はL−T3、黒の三角形はL
−T4を表す。
(A)rTRαはin vitroで転写し、ウサギ網状赤血球
溶解液中で翻訳した。[35S]メチオニン標識産物は
7.5% SDS−ポリアクリルアミドゲル上で分離し、
フルオログラフィーで視覚化した。レーン1、添加RN
Aなし;レーン2、全5'非翻訳領域を含むrbeA12;
レーン3、97bp の5’非翻訳配列のみを含む rbeA
12B。蛋白質マーカーのサイズ:ウシ血清アルブミ
ン、66.2KD;卵アルブミン、45KD;カルボニ
ックアンヒドラーゼ、31KD。(B)in vitro 翻訳
したrTRαに対する125I−T3結合のスカッチャード
分析。in vitro 翻訳したrbeA12B転写物を含む溶解
液は、125I−T3の異なる濃度で結合したホルモン量を
測定することにより、甲状腺ホルモン結合活性について
検定した。Kd=2.9×10-11M。(C)in vitro翻
訳した rTRαへの125I−T3結合に対する甲状腺ホル
モン類似体の競合。rbeA12B プログラム化溶解液か
らの試料は、標識ホルモンと競合させるべく次第に増加
する濃度の未標識甲状腺ホルモンまたは類似体と混合し
た。特異的に結合した125I−T3は競合化合物の濃度に
対してプロットする。4つの別々の実験において同じ競
合パターンが観察された。in vitro転写/翻訳およびホ
ルモン結合は記載した通りに行った(22,23)。白
の円はTRIAC、黒の円はL−T3、黒の三角形はL
−T4を表す。
【0525】第50図 rTRαmRNAの組織分布。全RNAはグアニジンチ
オシアネートを用いて種々のラット組織から分離し(2
4)、1%アガロース/ホルムアルデヒドゲル上で分離
し、ニトロセルロースへ移行させ、そしてrbeA12由
来のニック・トランスレーションした500bp PvuII
フラグメントとハイブリダイズさせた。組織型および負
荷した全RNA量を各レーンの上に示す。CHO−Bの
cDNA(試験したすべての組織において等しいレベル
で発現されたチャイニーズハムスター卵巣細胞mRN
A)(25)を内部標準として使用した。28Sおよび
18SリボソームRNAの位置を示す。
オシアネートを用いて種々のラット組織から分離し(2
4)、1%アガロース/ホルムアルデヒドゲル上で分離
し、ニトロセルロースへ移行させ、そしてrbeA12由
来のニック・トランスレーションした500bp PvuII
フラグメントとハイブリダイズさせた。組織型および負
荷した全RNA量を各レーンの上に示す。CHO−Bの
cDNA(試験したすべての組織において等しいレベル
で発現されたチャイニーズハムスター卵巣細胞mRN
A)(25)を内部標準として使用した。28Sおよび
18SリボソームRNAの位置を示す。
【0526】VII.K.実験の部VIIで引用した文献 1.Wolff,E.C.and Wolff,J.in The Th
yroid Gland,Pitt−Rivers,R.V.and Trott
er,W.R.,Eds.(Butterworths,London,196
4),vol.1,pp.237−282;Schwartz, H.L.,in
Molecular Bas is of Thyroid Hormone Actio
n,Oppenheimer,J.H.and Samuels,H.H.,
Eds.(Academic Press,New York,13),pp.4
13−444。
yroid Gland,Pitt−Rivers,R.V.and Trott
er,W.R.,Eds.(Butterworths,London,196
4),vol.1,pp.237−282;Schwartz, H.L.,in
Molecular Bas is of Thyroid Hormone Actio
n,Oppenheimer,J.H.and Samuels,H.H.,
Eds.(Academic Press,New York,13),pp.4
13−444。
【0527】2.Eberhardt,N.L.,Apriletti,
J.W.,Baxter,J.E.,in Bioc hemical Actio
ns of Hormones,Liewack,G.,Ed. (Acad
emic Press,New York,1980),vol.7,pp.311−3
94。
J.W.,Baxter,J.E.,in Bioc hemical Actio
ns of Hormones,Liewack,G.,Ed. (Acad
emic Press,New York,1980),vol.7,pp.311−3
94。
【0528】3.Oppenheimer,J.H.,Koerner,
D.,Schwartz,H.L.,Surks,M.J.J.,J.Cl
in.Endocrinal Metab.,35:330(1972);Samuel
s,H.H.and Tsai,J.S.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A., 70:3488(1973)。
D.,Schwartz,H.L.,Surks,M.J.J.,J.Cl
in.Endocrinal Metab.,35:330(1972);Samuel
s,H.H.and Tsai,J.S.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A., 70:3488(1973)。
【0529】4.Tata,J.R.and Widnell,C.
C.,Biochem.J.,98:604(1966);Martial,J.
A.,Baxter,J.D.,Goodman,H.M.,Seeburg,
P.H.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74:
1816(1977);Evans,R.M.,Bimberg,N.C.,R
osenfeld,M.G.,ibid.,79:7659(1982)。
C.,Biochem.J.,98:604(1966);Martial,J.
A.,Baxter,J.D.,Goodman,H.M.,Seeburg,
P.H.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74:
1816(1977);Evans,R.M.,Bimberg,N.C.,R
osenfeld,M.G.,ibid.,79:7659(1982)。
【0530】5.Schwartz,H.L.,and Oppenheim
er,J.H.,Endocrinology,103:267(1978)。
er,J.H.,Endocrinology,103:267(1978)。
【0531】6.Weinberger,C.,et al.,Natur
e,324:641(1986)。
e,324:641(1986)。
【0532】7.Sap,J.et al.,ibid.,p.635。
【0533】8.Spurr,N.K.,et al.EMBO
J.,3:159(1984);Dayton,A.J.et al.Pro
c.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,81:4495(198
4); Jhanwar,S.C.,Chaganti,R.S.K.,C
roce,C.M.,Somaric CellMol.Genet.,11:9
9(1985)。
J.,3:159(1984);Dayton,A.J.et al.Pro
c.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,81:4495(198
4); Jhanwar,S.C.,Chaganti,R.S.K.,C
roce,C.M.,Somaric CellMol.Genet.,11:9
9(1985)。
【0534】9.Giguere,V.,Hollenberg,S.
M.,Rosenfeld,M.G.,Evans,R.M.,Cell,4
6:645(1986)。
M.,Rosenfeld,M.G.,Evans,R.M.,Cell,4
6:645(1986)。
【0535】10.Hollenberg,S.M.,Giguere,
V.,Segui,P.,Evans,R.M.,ib id.,49:39
(1987)。
V.,Segui,P.,Evans,R.M.,ib id.,49:39
(1987)。
【0536】11.Kumar,V.,Green,S.,Staud,
A.,Chambon,P.,EMBO J.,5:2231(198
6)。
A.,Chambon,P.,EMBO J.,5:2231(198
6)。
【0537】12.Menezes−Ferreira,M.M.,Bi
l,C.,Wortsman,J.,Weintraub,B.D.,J.Cli
n.Endocrinal Metab.,59;1081(1984)。
l,C.,Wortsman,J.,Weintraub,B.D.,J.Cli
n.Endocrinal Metab.,59;1081(1984)。
【0538】13.Burrow,G.N.,in Endocrinology
and Metabolism,Felig,P.,Baxter,J.D.,
Broadhus,A.E.,Frohman,L.A.,Eds.(McGraw
−Hill,New York,1981),pp.351−385。
and Metabolism,Felig,P.,Baxter,J.D.,
Broadhus,A.E.,Frohman,L.A.,Eds.(McGraw
−Hill,New York,1981),pp.351−385。
【0539】14. DeGroot,L.J. and Stanbury,
J.B.,The Thyroid and It’s Diseases (Wile
y,New York,ed.4,1975)。
J.B.,The Thyroid and It’s Diseases (Wile
y,New York,ed.4,1975)。
【0540】15. Bayrs,J.T.,Br.J.Anim.Be
hav.,1:144(1953);Ford,D.H.and Cramer,E.
B.,in Thyroid Hormones and Brain Developmen
t,Grave,G.,Ed.(Raven,New York,1977).
pp. 1−17。
hav.,1:144(1953);Ford,D.H.and Cramer,E.
B.,in Thyroid Hormones and Brain Developmen
t,Grave,G.,Ed.(Raven,New York,1977).
pp. 1−17。
【0541】16. Oppenheimer,J.H.,Schwartz,H.
L.,Surks,M.I.,Endocrinology,95:895(1974)。
L.,Surks,M.I.,Endocrinology,95:895(1974)。
【0542】17. Barker,S.P.and Klitgaard,
H.M.,Am.J.Physiol.,170:80(1952);Lee,
Y.P.and Lardy,H.A.,J.Biol.Chem.,24
0: 1427(1965)。
H.M.,Am.J.Physiol.,170:80(1952);Lee,
Y.P.and Lardy,H.A.,J.Biol.Chem.,24
0: 1427(1965)。
【0543】18. Underwood,A.H.et al.,Natur
e,324:425(1986)。
e,324:425(1986)。
【0544】19. ラット脳cDNAライブラリーは全ラ
イブラリー脳からオリゴ(dT)選別RNAを用いて作製
された。第1鎖合成のためにモロニーネズミ白血病ウイ
ルス(M−Mn LV)の逆転写酵素(RT)を使用し;
第2鎖合成はDNAポリメラーゼIのクレノウ断片を使
用し、その後M−Mn LV RT−cDNAはSIヌクレ
アーゼで処理し、メチル化し、セファロース4B上でサ
イズにより分画化し、ラムダgtIIアームへ連結し、そし
てパッケージングを行った。このライブラリーは500
bp 以上の挿入物を含む25×106個の独立した組換え
体から成る。
イブラリー脳からオリゴ(dT)選別RNAを用いて作製
された。第1鎖合成のためにモロニーネズミ白血病ウイ
ルス(M−Mn LV)の逆転写酵素(RT)を使用し;
第2鎖合成はDNAポリメラーゼIのクレノウ断片を使
用し、その後M−Mn LV RT−cDNAはSIヌクレ
アーゼで処理し、メチル化し、セファロース4B上でサ
イズにより分画化し、ラムダgtIIアームへ連結し、そし
てパッケージングを行った。このライブラリーは500
bp 以上の挿入物を含む25×106個の独立した組換え
体から成る。
【0545】20. Maxam,A.M. and Gilbert,W.,P
roc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74:560(197
7)。
roc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74:560(197
7)。
【0546】21. Lebo,R.V.et al.,Science,2
25:57(1984)。
25:57(1984)。
【0547】22. Krieg,P.A.and Melton,D.
A.,Nucleic Acids Res,12:7057(1984);Holl
enberg,S.M.et al.,Nature,318:635(1985)。
A.,Nucleic Acids Res,12:7057(1984);Holl
enberg,S.M.et al.,Nature,318:635(1985)。
【0548】23. in vitro転写のために、rbeA12の
全EcoRI挿入物は pGEM1(Promega Biotec 社)
にクローニングした。227bpの5’非翻訳配列を欠く
第2構築物(rbeA12B)は、T4DNAポリメラーゼ
修復したrbeA12のBglI−SmaIフラグメント(ヌク
レオチド位置227からポリリンカーまで)を pGEM
3のSmaI部位に挿入することにより作製した。甲状腺
ホルモン結合のために、転写はSP6ポリメラーゼおよ
びSstIで線状化したrbe A12B5〜10μgを用い
て行った。転写物はP60クロマトグラフィーで精製
し、150〜200μlのウサギ網状赤血球溶解液(P
romege Biotec社)中で製造者の指示した条件下に翻訳
した。スカッチード分析および競合分析の両方におい
て、甲状腺ホルモン結合は同じ方法で測定した(但し、
スカッチャード分析の場合には未標識蛋白質を使用し
た。)。〔125I〕3,3’5−トリヨードチロニン
(New EnglandNuclear社、2220Ci/m mol、最終濃度
0.3nM)はT3結合緩衝液中でin vitro合成したrTR
αポリペプチド(結合反応あたり溶解液200μlの5
〜8μl)と0℃で2時間250μlの最終容量にて混
合した。特異的ホルモン結合は 1000倍過剰未標識ホル
モンを加えることにより測定し、セファデックスG−2
5ファイン(Pharmacia社)0.9×4.0cmカラムから排除
容量中に溶出される放射能をカウントすることにより検
定した。
全EcoRI挿入物は pGEM1(Promega Biotec 社)
にクローニングした。227bpの5’非翻訳配列を欠く
第2構築物(rbeA12B)は、T4DNAポリメラーゼ
修復したrbeA12のBglI−SmaIフラグメント(ヌク
レオチド位置227からポリリンカーまで)を pGEM
3のSmaI部位に挿入することにより作製した。甲状腺
ホルモン結合のために、転写はSP6ポリメラーゼおよ
びSstIで線状化したrbe A12B5〜10μgを用い
て行った。転写物はP60クロマトグラフィーで精製
し、150〜200μlのウサギ網状赤血球溶解液(P
romege Biotec社)中で製造者の指示した条件下に翻訳
した。スカッチード分析および競合分析の両方におい
て、甲状腺ホルモン結合は同じ方法で測定した(但し、
スカッチャード分析の場合には未標識蛋白質を使用し
た。)。〔125I〕3,3’5−トリヨードチロニン
(New EnglandNuclear社、2220Ci/m mol、最終濃度
0.3nM)はT3結合緩衝液中でin vitro合成したrTR
αポリペプチド(結合反応あたり溶解液200μlの5
〜8μl)と0℃で2時間250μlの最終容量にて混
合した。特異的ホルモン結合は 1000倍過剰未標識ホル
モンを加えることにより測定し、セファデックスG−2
5ファイン(Pharmacia社)0.9×4.0cmカラムから排除
容量中に溶出される放射能をカウントすることにより検
定した。
【0549】24. Chirgwin,J.M.,Przbyla,A.
F.,MacDonald,R.J.,Rutter,W.F.,Biochem
istry,18:5294(1974)。
F.,MacDonald,R.J.,Rutter,W.F.,Biochem
istry,18:5294(1974)。
【0550】25. Harpold,M.M.,Evans,R.M.,
Salditt−Goeorgieff,M.,Darnell,J.E.,Ce
ll,17:1025(1979)。
Salditt−Goeorgieff,M.,Darnell,J.E.,Ce
ll,17:1025(1979)。
【0551】明細書の要約 前述の説明により、当分野で通常の知識を有する者は、
本発明がグルココルチコイド受容体、ミネラルコルチコ
イド受容体または甲状腺ホルモン受容体のホルモン結合
特性および/または転写活性化特性を有する蛋白質をコ
ードする配列から成る実質的に純粋なDNAを提供する
ことを理解できるであろう。本発明はまた本発明DNA
の実例となる受容体配列を含む種々のプラスミドを提供
する。本発明の代表的なプラスミドは特許目的のために
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに寄託
された。
本発明がグルココルチコイド受容体、ミネラルコルチコ
イド受容体または甲状腺ホルモン受容体のホルモン結合
特性および/または転写活性化特性を有する蛋白質をコ
ードする配列から成る実質的に純粋なDNAを提供する
ことを理解できるであろう。本発明はまた本発明DNA
の実例となる受容体配列を含む種々のプラスミドを提供
する。本発明の代表的なプラスミドは特許目的のために
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに寄託
された。
【0552】本発明はさらに本発明DNA(またはmR
NA)から発現された受容体蛋白質(その修飾された機
能形体を含む)を提供する。
NA)から発現された受容体蛋白質(その修飾された機
能形体を含む)を提供する。
【0553】新規な受容体DNA、RNAおよび蛋白質
組成物に加えて、本発明は受容体蛋白質の機能性を調べ
るためのバイオアッセイを包含する。それはまた遺伝子
工学的に処理された細胞において所望蛋白質を生産する
ための2つの新しい方法を包含する。第1の方法は受容
体と結合したホルモンによって転写が活性化される遺伝
子の転写を誘発する方法である。第2の方法は細胞を遺
伝子工学的に操作し、その後受容体蛋白質と結合したホ
ルモンによって転写が活性化される遺伝子によりコード
される蛋白質の生産を増大し且つ制御する方法である。
組成物に加えて、本発明は受容体蛋白質の機能性を調べ
るためのバイオアッセイを包含する。それはまた遺伝子
工学的に処理された細胞において所望蛋白質を生産する
ための2つの新しい方法を包含する。第1の方法は受容
体と結合したホルモンによって転写が活性化される遺伝
子の転写を誘発する方法である。第2の方法は細胞を遺
伝子工学的に操作し、その後受容体蛋白質と結合したホ
ルモンによって転写が活性化される遺伝子によりコード
される蛋白質の生産を増大し且つ制御する方法である。
【0554】本発明DNAは、ホルモン受容体蛋白質お
よびその機能的修飾体を以前には不可能であった量で生
産させるべく使用できる。本発明の結果として利用し得
る受容体の量を用いれば、今やこの蛋白質の詳細な構造
解析が受容体結晶を分析するX線回折法により可能であ
る。さらに、受容体体蛋白質の十分な供給は、重合体−
アゴニストまたは受容体−アンタゴニスト活性について
多くの化合物をスクリーニングするために、それらを使
用しうることを意味している。また、受容体蛋白質の利
用可能性は、診断検定においてそれらを使用しうること
を意味している。
よびその機能的修飾体を以前には不可能であった量で生
産させるべく使用できる。本発明の結果として利用し得
る受容体の量を用いれば、今やこの蛋白質の詳細な構造
解析が受容体結晶を分析するX線回折法により可能であ
る。さらに、受容体体蛋白質の十分な供給は、重合体−
アゴニストまたは受容体−アンタゴニスト活性について
多くの化合物をスクリーニングするために、それらを使
用しうることを意味している。また、受容体蛋白質の利
用可能性は、診断検定においてそれらを使用しうること
を意味している。
【0555】本発明の精神および範囲から逸脱すること
なく、当業者は多種多様の用法および条件に適合させる
べく本発明をいろいろに変更および修飾することができ
る。これらの変更および修飾は当然であり、公正であ
り、そして次の請求の範囲の均等の範囲内に含まれるも
のである。
なく、当業者は多種多様の用法および条件に適合させる
べく本発明をいろいろに変更および修飾することができ
る。これらの変更および修飾は当然であり、公正であ
り、そして次の請求の範囲の均等の範囲内に含まれるも
のである。
【0556】
【0557】配列番号:1 配列の長さ:456 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 ハイポセティカル:YES 配列:
【0558】配列番号:2 配列の長さ:487 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 ハイポセティカル:YES 配列:
【0559】配列番号:3 配列の長さ:1710 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル:NO アンチセンス:NO 配列:
【0560】配列番号:4 配列の長さ:1980 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル:NO アンチセンス:NO 配列:
【図1】 図1は、ヒトグルココルチコイド受容体cD
NA配列決定法を示す図である。
NA配列決定法を示す図である。
【図2】 図2は、ヒトグルココルチコイド受容体cD
NAクローンの模式図を示す図である。
NAクローンの模式図を示す図である。
【図3】 図3は、ヒトグルココルチコイド受容体(h
GR)のcDNAおよび推定一次蛋白質配列を示す図で
ある。(配列I−2は2部分に分かれている:図3およ
び図4)。
GR)のcDNAおよび推定一次蛋白質配列を示す図で
ある。(配列I−2は2部分に分かれている:図3およ
び図4)。
【図4】 図4は、ヒトグルココルチコイド受容体(h
GR)のcDNAおよび推定一次蛋白質配列を示す図で
ある。(配列I−2は2部分に分かれている:図3およ
び図4)。
GR)のcDNAおよび推定一次蛋白質配列を示す図で
ある。(配列I−2は2部分に分かれている:図3およ
び図4)。
【図5】 図5Aは、ヒトグルココルチコイド受容体β
−cDNA(β−hGR)の3’末端の制限地図を示す
図である。図5Bは、ヒトグルココルチコイド受容体β
−cDNA(β−hGR)の3’末端のヌクレオチド配
列を示す図である。
−cDNA(β−hGR)の3’末端の制限地図を示す
図である。図5Bは、ヒトグルココルチコイド受容体β
−cDNA(β−hGR)の3’末端のヌクレオチド配
列を示す図である。
【図6】 図6AおよびBは、インビトロで翻訳された
hGRと細胞抽出物からのインビボhGRとのイムノブ
ロット比較に関する図である。図6Aは、hGRcDN
A配列のインビトロ転写のために構成されたベクターを
示す図である。図6Bは、インビトロ翻訳生成物および
細胞抽出物のウェスターンブロット分析を示す、電気泳
動を表す写真図面である。
hGRと細胞抽出物からのインビボhGRとのイムノブ
ロット比較に関する図である。図6Aは、hGRcDN
A配列のインビトロ転写のために構成されたベクターを
示す図である。図6Bは、インビトロ翻訳生成物および
細胞抽出物のウェスターンブロット分析を示す、電気泳
動を表す写真図面である。
【図7】 図7は、インビトロで翻訳されたアルファ−
hGR(GR107)のステロイド結合を示すグラフで
ある。
hGR(GR107)のステロイド結合を示すグラフで
ある。
【図8】 図8Aは、発現プラスミド pGERR1の模
式図である。図8Bは、発現プラスミド pGERR2の
模式図である。プラスミド pGERR1はエストロゲン
関連受容体hGRR1の発現に用いられ; pGERR2
はhERR2の発現に用いられた。
式図である。図8Bは、発現プラスミド pGERR2の
模式図である。プラスミド pGERR1はエストロゲン
関連受容体hGRR1の発現に用いられ; pGERR2
はhERR2の発現に用いられた。
【図9】 図9は、hGR機能的アッセイ法を模式的に
表わした図である。
表わした図である。
【図10】 図10は、hGR蛋白質の発現を表わすウ
ェスタンブロット分析を示す、電気泳動を表す写真図面
である。
ェスタンブロット分析を示す、電気泳動を表す写真図面
である。
【図11】 図11は、hGRによるCAT活性の誘導
を示すブロットを示す、電気泳動を表す写真図面であ
る。
を示すブロットを示す、電気泳動を表す写真図面であ
る。
【図12】 図12AおよびBは、hGRによるCAT
活性の誘導を示すグラフである。図12Aは、pRSh
GRαのDEXに対する用量応答を示し、図12Bはp
RShGRαの滴定を示す。
活性の誘導を示すグラフである。図12Aは、pRSh
GRαのDEXに対する用量応答を示し、図12Bはp
RShGRαの滴定を示す。
【図13】 図13は、hGRにおける機能区の位置を
示す模式図である。
示す模式図である。
【図14】 図14は、ヒト胎盤 c−erb−AcDNA
の制限地図および配列決定法を示す図である。
の制限地図および配列決定法を示す図である。
【図15】 図15は、ヒト胎盤 c−erb−AcDNA
のヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列を示す。(配列
III−1Bは2部分に分かれている:図15および図1
6)。
のヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列を示す。(配列
III−1Bは2部分に分かれている:図15および図1
6)。
【図16】 図16は、ヒト胎盤 c−erb−AcDNA
のヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列を示す。(配列
III−1Bは2部分に分かれている:図15および図1
6)。
のヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列を示す。(配列
III−1Bは2部分に分かれている:図15および図1
6)。
【図17】 図17は、v−erb−A発癌遺伝子生成物、
ヒト胎盤 c−erb−Aポリペプチド、ならびにヒトグル
ココルチコイドおよびエストロゲン受容体のカルボキシ
末端部分間のアミノ酸配列比較を示す図である。
ヒト胎盤 c−erb−Aポリペプチド、ならびにヒトグル
ココルチコイドおよびエストロゲン受容体のカルボキシ
末端部分間のアミノ酸配列比較を示す図である。
【図18】 図18A、BおよびCは、c−erb−A D
NAプローブによるヒト胎盤DNAのサザーン分析およ
び染色体マッピングを示すブロットを示す、電気泳動を
表す写真図面である。図18Aは、エンドヌクレアーゼ
により消化し、アガロースゲル上で分離したヒト満期胎
盤DNAを示す。図18Bは、c−erb−A をプローブ
として用いた胎盤DNAの分析を示す。図18Cは、ヒ
ト c−e rb−A 遺伝子の染色体マッピングを示す。
NAプローブによるヒト胎盤DNAのサザーン分析およ
び染色体マッピングを示すブロットを示す、電気泳動を
表す写真図面である。図18Aは、エンドヌクレアーゼ
により消化し、アガロースゲル上で分離したヒト満期胎
盤DNAを示す。図18Bは、c−erb−A をプローブ
として用いた胎盤DNAの分析を示す。図18Cは、ヒ
ト c−e rb−A 遺伝子の染色体マッピングを示す。
【図19】 図19AおよびBは、ヒト c−erb−A 発
現を示す、電気泳動を表す写真図面である。図19A
は、ヒト細胞系およびヒト胎盤から得たRNAのノーザ
ン分析を示すブロットである。図19Bは、インビトロ
における erb−Aポリペプチドの合成を示す。
現を示す、電気泳動を表す写真図面である。図19A
は、ヒト細胞系およびヒト胎盤から得たRNAのノーザ
ン分析を示すブロットである。図19Bは、インビトロ
における erb−Aポリペプチドの合成を示す。
【図20】 図20A、B、CおよびDは、インビトロ
で合成された erb−Aポリペプチドへの甲状腺ホルモン
の結合に関連する4種のグラフである。図20Aは、イ
ンビトロで形成された erb−Aポリペプチドへの125I
−T3の結合のスカッチャード(Scatchard)分析であ
る。図20Bは、インビトロにおける甲状腺ホルモン同
族体の競合を示す。図20Cは、インビトロで合成され
た erb−Aポリペプチドへの125I−T3結合に対するト
リヨードチロニン異性体の競合を示す。図20Dは、0.
4 KClHeLa 細胞核抽出物への125I−T3結合に対
する甲状腺ホルモン同族体の競合を示す。
で合成された erb−Aポリペプチドへの甲状腺ホルモン
の結合に関連する4種のグラフである。図20Aは、イ
ンビトロで形成された erb−Aポリペプチドへの125I
−T3の結合のスカッチャード(Scatchard)分析であ
る。図20Bは、インビトロにおける甲状腺ホルモン同
族体の競合を示す。図20Cは、インビトロで合成され
た erb−Aポリペプチドへの125I−T3結合に対するト
リヨードチロニン異性体の競合を示す。図20Dは、0.
4 KClHeLa 細胞核抽出物への125I−T3結合に対
する甲状腺ホルモン同族体の競合を示す。
【図21】 図21は、ステロイドホルモンおよび甲状
腺ホルモン受容体を比較した模式図である。
腺ホルモン受容体を比較した模式図である。
【図22】 図22は、ヒト甲状腺ホルモン受容体hE
RBA 8.7のcDNAヌクレオチド配列および推定一次
蛋白質配列を示す図である。(甲状腺ホルモン受容体 h
FA8の配列はhERBA 8.7に関連がある。発明の説
明の項を参照されたい)。
RBA 8.7のcDNAヌクレオチド配列および推定一次
蛋白質配列を示す図である。(甲状腺ホルモン受容体 h
FA8の配列はhERBA 8.7に関連がある。発明の説
明の項を参照されたい)。
【図23】 図23A、B、CおよびDは、hGR遺伝
子に関連するゲノム配列の単離に関する図である。図2
3Aは、指示されたヌクレアーゼにより消化したヒト胎
盤DNAの高ストリンジェンシーサザーン分析を示す、
電気泳動を表す写真図面である。図23Bは、指示され
たヌクレアーゼにより消化したヒト胎盤DNAの低スト
リンジェンシーサザーン分析を示す、電気泳動を表す写
真図面である。図23C図は、ラムダHGHと表示され
るクローンにおけるゲノム配列の単離を示すサザーンブ
ロットを示す、電気泳動を表す写真図面である。図23
Dは、ラムダHGHゲノム断片のイントロン−エクソン
構造およびそれとhGRとの相同を示す模式図である。
子に関連するゲノム配列の単離に関する図である。図2
3Aは、指示されたヌクレアーゼにより消化したヒト胎
盤DNAの高ストリンジェンシーサザーン分析を示す、
電気泳動を表す写真図面である。図23Bは、指示され
たヌクレアーゼにより消化したヒト胎盤DNAの低スト
リンジェンシーサザーン分析を示す、電気泳動を表す写
真図面である。図23C図は、ラムダHGHと表示され
るクローンにおけるゲノム配列の単離を示すサザーンブ
ロットを示す、電気泳動を表す写真図面である。図23
Dは、ラムダHGHゲノム断片のイントロン−エクソン
構造およびそれとhGRとの相同を示す模式図である。
【図24】 図24は、ヒトミネラロコルチコイド受容
体のcDNAの若干の制限エンドヌクレアーゼ開裂部位
の線図と並んだhMRの複合構造を示す。
体のcDNAの若干の制限エンドヌクレアーゼ開裂部位
の線図と並んだhMRの複合構造を示す。
【図25】 図25は、ヒトミネラロコルチコイド受容
体のcDNAの全ヌクレオチド配列およびその一次推定
アミノ酸配列を示す。(配列IV−2は2部分に分かれて
いる:図25および図26)。
体のcDNAの全ヌクレオチド配列およびその一次推定
アミノ酸配列を示す。(配列IV−2は2部分に分かれて
いる:図25および図26)。
【図26】 図26は、ヒトミネラロコルチコイド受容
体のcDNAの全ヌクレオチド配列およびその一次推定
アミノ酸配列を示す。(配列IV−2は2部分に分かれて
いる:図25および図26)。
体のcDNAの全ヌクレオチド配列およびその一次推定
アミノ酸配列を示す。(配列IV−2は2部分に分かれて
いる:図25および図26)。
【図27】 図27は、ミネラロコルチコイド受容体と
グルココルチコイド受容体のアミノ酸相同を示す図であ
る。
グルココルチコイド受容体のアミノ酸相同を示す図であ
る。
【図28】 図28A、B、CおよびDは、発現したh
MRのステロイド結合特性に関する図および3種のグラ
フである。図28Aは、発現プラスミドpRShMR、
すなわちhMRの発現に用いたプラスミドの構造を示
す。図28Bは、pRShMRトランスフェクションし
たCOS細胞から調製した抽出物におけるトリチウム化
アルドステロン結合のスカッチャード分析を示す。図2
8CおよびDは、トランスフェクションしたCOS細胞
における[3H]アルドステロンとの結合に対する非標
識ステロイド類の競合を示すグラフである。
MRのステロイド結合特性に関する図および3種のグラ
フである。図28Aは、発現プラスミドpRShMR、
すなわちhMRの発現に用いたプラスミドの構造を示
す。図28Bは、pRShMRトランスフェクションし
たCOS細胞から調製した抽出物におけるトリチウム化
アルドステロン結合のスカッチャード分析を示す。図2
8CおよびDは、トランスフェクションしたCOS細胞
における[3H]アルドステロンとの結合に対する非標
識ステロイド類の競合を示すグラフである。
【図29】 図29A、BおよびCは、トランスフェク
ションしたCV−1細胞におけるhMRおよびhGR発
現プラスミドによる MMTV LTRの転写活性化を示
す図である。図29Aは、プラスミドGMCATの模式
図である。図29Bは、正常血清によるhMRまたはh
GRトランスフェクション後に見られたCAT酵素活性
の差を示すブロットを示す、電気泳動を表す写真図面で
ある。図29Cは、hMRまたはhGRによりトランス
フェクションした細胞における、アルドステロンまたは
デキサメタゾンによるCAT活性誘導の差を示すブロッ
トを示す、電気泳動を表す写真図面である。
ションしたCV−1細胞におけるhMRおよびhGR発
現プラスミドによる MMTV LTRの転写活性化を示
す図である。図29Aは、プラスミドGMCATの模式
図である。図29Bは、正常血清によるhMRまたはh
GRトランスフェクション後に見られたCAT酵素活性
の差を示すブロットを示す、電気泳動を表す写真図面で
ある。図29Cは、hMRまたはhGRによりトランス
フェクションした細胞における、アルドステロンまたは
デキサメタゾンによるCAT活性誘導の差を示すブロッ
トを示す、電気泳動を表す写真図面である。
【図30】 図30は、ラット組織におけるミネラロコ
ルチコイド受容体mRNAのノーザーン分析を示すブロ
ットを示す、電気泳動を表す写真図面である。
ルチコイド受容体mRNAのノーザーン分析を示すブロ
ットを示す、電気泳動を表す写真図面である。
【図31】 図31は、マイクロセルハイブリッドのサ
ザーン分析によるhMR遺伝子の染色体局在を示す、電
気泳動を表す写真図面である。
ザーン分析によるhMR遺伝子の染色体局在を示す、電
気泳動を表す写真図面である。
【図32】 図32は、hGR,hMRおよび hPR構
造のアミノ酸比較を示す模式図である。
造のアミノ酸比較を示す模式図である。
【図33】 図33は、hERR1のcDNAの若干の
制限エンドヌクレアーゼ開裂部位の線図と並んだhER
R1の複合構造を示す。
制限エンドヌクレアーゼ開裂部位の線図と並んだhER
R1の複合構造を示す。
【図34】 図34は、hERR1のcDNAの全ヌク
レオチド配列およびその一次推定アミノ酸配列を示す。
(配列V−1(B)は2部分に分れている:図34およ
び図35)。
レオチド配列およびその一次推定アミノ酸配列を示す。
(配列V−1(B)は2部分に分れている:図34およ
び図35)。
【図35】 図35は、hERR1のcDNAの全ヌク
レオチド配列およびその一次推定アミノ酸配列を示す。
(配列V−1(B)は2部分に分れている:図34およ
び図35)。
レオチド配列およびその一次推定アミノ酸配列を示す。
(配列V−1(B)は2部分に分れている:図34およ
び図35)。
【図36】 図36は、hERR2のcDNAの若干の
制限エンドヌクレアーゼ開裂部位の線図と並んだhER
R2の複合構造を示す。
制限エンドヌクレアーゼ開裂部位の線図と並んだhER
R2の複合構造を示す。
【図37】 図37は、hERR2のcDNAの全ヌク
レオチド配列およびその一次推定アミノ酸配列を示す。
(配列V−2(B)は2部分に分れている:図37およ
び図38)。
レオチド配列およびその一次推定アミノ酸配列を示す。
(配列V−2(B)は2部分に分れている:図37およ
び図38)。
【図38】 図38は、hERR2のcDNAの全ヌク
レオチド配列およびその一次推定アミノ酸配列を示す。
(配列V−2(B)は2部分に分れている:図37およ
び図38)。
レオチド配列およびその一次推定アミノ酸配列を示す。
(配列V−2(B)は2部分に分れている:図37およ
び図38)。
【図39】 図39は、hERR1,hERR2,ヒト
エストロゲンおよびグルココルチコイド受容体のカルボ
キシ末端領域間のアミノ酸配列比較を示す図である。
エストロゲンおよびグルココルチコイド受容体のカルボ
キシ末端領域間のアミノ酸配列比較を示す図である。
【図40】 図40Aは、ラットおよびヒトの組織にお
けるhERR1mRNAのノーザンブロットハイブリダ
イゼーション分析を示す、電気泳動を表す写真図面であ
る。図40Bは、ラットおよびヒトの組織におけるhE
RR2mRNAのノーザンブロットハイブリダイゼーシ
ョン分析を示す、電気泳動を表す写真図面である。
けるhERR1mRNAのノーザンブロットハイブリダ
イゼーション分析を示す、電気泳動を表す写真図面であ
る。図40Bは、ラットおよびヒトの組織におけるhE
RR2mRNAのノーザンブロットハイブリダイゼーシ
ョン分析を示す、電気泳動を表す写真図面である。
【図41】 図41は、hERR1およびhERR2,
hERおよびヒト甲状腺ホルモン受容体(hT3Rβ)の
間のアミノ酸の比較を示す図である。
hERおよびヒト甲状腺ホルモン受容体(hT3Rβ)の
間のアミノ酸の比較を示す図である。
【図42】 図42A、BおよびCは、ラットGH5’
側非翻訳配列を含む種々の遺伝子融合体の甲状腺ホルモ
ン応答性に関する図である。図42Aは、ラットGH遺
伝子の5’側および3’側欠失体の応答性を示す図であ
る。図42Bは、推定T3 受容体結合部位の機能分析を
示す図である。図42Cは、mRNA転写開始部位分析
を示す、電気泳動を表す写真図面である。
側非翻訳配列を含む種々の遺伝子融合体の甲状腺ホルモ
ン応答性に関する図である。図42Aは、ラットGH遺
伝子の5’側および3’側欠失体の応答性を示す図であ
る。図42Bは、推定T3 受容体結合部位の機能分析を
示す図である。図42Cは、mRNA転写開始部位分析
を示す、電気泳動を表す写真図面である。
【図43】 図43AおよびBは、ビオチン−11− d
UTPを含むオリゴヌクレオチドプローブへのT3 受容
体の結合に関する図である。図43Aは、GH5’側非
翻訳配列へのT3 受容体の結合をアッセイするために用
いられる2種のオリゴヌクレオチドプローブの模式図で
ある。図43Bは、各種オリゴヌクレオチドプローブに
よる、GC2核抽出物からの 125I−T3標識T3受容体
の沈殿を示すグラフである。
UTPを含むオリゴヌクレオチドプローブへのT3 受容
体の結合に関する図である。図43Aは、GH5’側非
翻訳配列へのT3 受容体の結合をアッセイするために用
いられる2種のオリゴヌクレオチドプローブの模式図で
ある。図43Bは、各種オリゴヌクレオチドプローブに
よる、GC2核抽出物からの 125I−T3標識T3受容体
の沈殿を示すグラフである。
【図44】 図44は、GC2核抽出物によるラットG
Hエンハンサー要素のDNアーゼIフットプリンティン
グ(footprinting)を示す、電気泳動を表す写真図面で
ある。
Hエンハンサー要素のDNアーゼIフットプリンティン
グ(footprinting)を示す、電気泳動を表す写真図面で
ある。
【図45】 図45は、64および29塩基対を含むオ
リゴヌクレオチドへの、ラット下垂体細胞T3受容体お
よびhc−erb−Aインビトロ翻訳生成物の5’側非翻訳
GH配列の結合を示すグラフである。
リゴヌクレオチドへの、ラット下垂体細胞T3受容体お
よびhc−erb−Aインビトロ翻訳生成物の5’側非翻訳
GH配列の結合を示すグラフである。
【図46】 図46Aは、ラット脳クローン rbeA12
由来の甲状腺ホルモン受容体cDNAの制限地図であ
る。図46Bは、ラット脳クローン rbeA12由来の甲
状腺ホルモン受容体cDNAのヌクレオチドおよび推定
アミノ酸配列を示す模式図である。
由来の甲状腺ホルモン受容体cDNAの制限地図であ
る。図46Bは、ラット脳クローン rbeA12由来の甲
状腺ホルモン受容体cDNAのヌクレオチドおよび推定
アミノ酸配列を示す模式図である。
【図47】 図47は、ラット甲状腺ホルモン受容体
(rTRアルファ)蛋白質をヒト甲状腺ホルモン受容体
(hTRベータ)およびニワトリ甲状腺ホルモン受容体
(cTRアルファ)蛋白質と比較した模式図である。
(rTRアルファ)蛋白質をヒト甲状腺ホルモン受容体
(hTRベータ)およびニワトリ甲状腺ホルモン受容体
(cTRアルファ)蛋白質と比較した模式図である。
【図48】 図48A、BおよびCは、rTRアルファ
遺伝子のサザーンブロット分析およびヒト染色体局在を
示す、電気泳動を表す写真図面である。図48Aは、rb
eA12由来の500−bp PvuII断片にハイブリダイズ
したヒト胎盤DNAを示すブロットである。図48B
は、hTRベータ由来の450−bp SstI断片にハイブ
リダイズした胎盤DNAを示す。図48Cは、rTRア
ルファ遺伝子の染色体マッピングを示す。
遺伝子のサザーンブロット分析およびヒト染色体局在を
示す、電気泳動を表す写真図面である。図48Aは、rb
eA12由来の500−bp PvuII断片にハイブリダイズ
したヒト胎盤DNAを示すブロットである。図48B
は、hTRベータ由来の450−bp SstI断片にハイブ
リダイズした胎盤DNAを示す。図48Cは、rTRア
ルファ遺伝子の染色体マッピングを示す。
【図49】 図49A、BおよびCは、rTRアルファ
のインビトロ翻訳および甲状腺ホルモン結合に関する図
である。図49Aは、rTRアルファのインビトロ翻訳
生成物を示すSDS−ポリアクリルアミドゲルの、電気
泳動を表す写真図面である。図49Bは、インビトロ翻
訳された rTRアルファへの125I−T3結合のスカッチ
ャード分析を示すグラフである。図49Cは、インビト
ロ翻訳された rTRアルファへの 125I−T3 結合に対
する甲状腺ホルモン同族体の競合を示すグラフである。
のインビトロ翻訳および甲状腺ホルモン結合に関する図
である。図49Aは、rTRアルファのインビトロ翻訳
生成物を示すSDS−ポリアクリルアミドゲルの、電気
泳動を表す写真図面である。図49Bは、インビトロ翻
訳された rTRアルファへの125I−T3結合のスカッチ
ャード分析を示すグラフである。図49Cは、インビト
ロ翻訳された rTRアルファへの 125I−T3 結合に対
する甲状腺ホルモン同族体の競合を示すグラフである。
【図50】 図50は、rTRアルファmRNAの組織
分布を示すゲルの、電気泳動を表す写真図面である。
分布を示すゲルの、電気泳動を表す写真図面である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (71)出願人 596086505 10010 North Torrey Pi nes Road,La Jolla,C alifornia 92037,Unite d States of America (72)発明者 エバンズ,ロナルド・マーク アメリカ合衆国カリフォルニア州92110, サン・ディエゴ,クラーク・ストリート 3702 (72)発明者 ウェインバーガー,キャリー・エイ アメリカ合衆国メリーランド州20906,シ ルバー・スプリング,デールウッド・ドラ イブ 12620 (72)発明者 ホーレンバーグ,スタンレイ・マーク アメリカ合衆国カリフォルニア州92122, サン・ディエゴ,カミノ・ジョネート 7894 (72)発明者 ギグエル,ビンセント アメリカ合衆国カリフォルニア州92122, サン・ディエゴ,レボン・ドライブ 3425,ナンバー 731 (72)発明者 アリザ,ジェフリー・ルイス アメリカ合衆国カリフォルニア州92008, カールスバッド,レッドウッド 331 (72)発明者 トンプソン,キャサリン・キャロライン アメリカ合衆国カリフォルニア州92037, ラ・ホーラ,ミラマー・ストリート 3903 (72)発明者 オング,エステリタ・セバスティアン アメリカ合衆国カリフォルニア州92117, サン・ディエゴ,ハノン・コート 6307
Claims (22)
- 【請求項1】 次の(a)〜(d)のいずれかの蛋白
質: (a) 配列番号1に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (b) アミノ酸配列(a)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質; (c) 配列番号2に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (d) アミノ酸配列(c)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質;をコードするDNA。 - 【請求項2】 哺乳類または鳥類の甲状腺ホルモン受容
体に特有のホルモン結合特性および/または転写活性化
特性を有する蛋白質をコードする、請求項1に記載のD
NA。 - 【請求項3】 ヒト甲状腺ホルモン受容体に特有のホル
モン結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋
白質をコードする、請求項2に記載のDNA。 - 【請求項4】 甲状腺ホルモン受容体がヒト甲状腺ホル
モン受容体アルファおよびヒト甲状腺ホルモン受容体ベ
ータよりなる群から選ばれる、請求項3に記載のDN
A。 - 【請求項5】 ヒト甲状腺ホルモン受容体c−erb−Aを
コードするDNAを保有するプラスミドpeA101
(ATCC #67244)、ラット甲状腺ホルモン受
容体をコードするDNAを保有するプラスミドrbeA
12(ATCC#67281)、ヒト甲状腺ホルモン受
容体をコードするDNAを保有するプラスミドphER
BA8.7(ATCC #40374)、およびヒト甲
状腺ホルモン受容体をコードするDNAを保有するプラ
スミドphFA8(ATCC#40372)よりなる群
から選ばれるプラスミド。 - 【請求項6】 (i)翻訳終止コドンに相当する1トリ
プレットであって、翻訳開始コドンに相当するトリプレ
ットと同じリーディングフレーム内にあり、かつ翻訳開
始コドンに相当するトリプレットの下流にあるもの、な
らびに(ii)最長オープンリーディングフレームとし
て、次の(a)〜(d)のいずれかの蛋白質: (a) 配列番号1に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (b) アミノ酸配列(a)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質; (c) 配列番号2に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (d) アミノ酸配列(c)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質;をコードする配列を有する実質的に純粋なセグメン
トを含むDNAセグメント。 - 【請求項7】 ヒト甲状腺ホルモン受容体がhERBA
8.7、hFA8、およびpeA101として知られる
DNAよりなる群から選ばれるアルファまたはベータ受
容体である、請求項6に記載の実質的に純粋なDNAセ
グメント。 - 【請求項8】 配列番号3に規定されるDNA配列およ
び配列番号4に規定されるDNA配列よりなるDNA配
列群から選ばれる実質的に純粋なDNA。 - 【請求項9】 次の(a)〜(d)のいずれかの蛋白
質: (a) 配列番号1に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (b) アミノ酸配列(a)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質; (c) 配列番号2に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (d) アミノ酸配列(c)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質;をコードするDNAと実質的な配列相同性を有する
DNA。 - 【請求項10】 次の(a)〜(d)のいずれかの蛋白
質: (a) 配列番号1に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (b) アミノ酸配列(a)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質; (c) 配列番号2に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (d) アミノ酸配列(c)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質;をコードするDNAのいずれかの変異体。 - 【請求項11】 次の(a)〜(d)のいずれかの蛋白
質: (a) 配列番号1に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (b) アミノ酸配列(a)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質; (c) 配列番号2に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (d) アミノ酸配列(c)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質;をコードするDNAのいずれかから転写されたmR
NA。 - 【請求項12】 次の(a)〜(d)のいずれかの蛋白
質: (a) 配列番号1に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (b) アミノ酸配列(a)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質; (c) 配列番号2に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (d) アミノ酸配列(c)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質;をコードするDNAにより形質転換された細胞。 - 【請求項13】 甲状腺ホルモン受容体(R)またはそ
の工学的に処理された、修飾された機能性形態(r)の
機能性を測定するためのバイオアッセイ法であって、 (1) 受容体陰性の細胞中へ、作動性レポーター遺伝
子に機能性結合した本質的に作動性ホルモン応答性プロ
モーター/エンハンサー要素からなる1プラスミド、お
よび本質的に、ホルモン受容体蛋白質(R)またはその
修飾された機能性形態(r)をコードする作動性DNA
配列からなる2の受容体発現プラスミドを共トランスフ
ェクションし、ここで、該作動性DNA配列は次の
(a)〜(d)のいずれかの蛋白質: (a) 配列番号1に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (b) アミノ酸配列(a)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質; (c) 配列番号2に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (d) アミノ酸配列(c)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質;をコードするDNAを含み、 (2) 工程(1)で得た共トランスフェクションされ
た細胞を、1プラスミドのホルモン応答性プロモーター
/エンハンサー要素を活性化しうるホルモンまたはその
同族体の存在下または不在下に培養し、 (3) 該細胞において上記レポーター遺伝子のDNA
配列の生成物の誘導を監視し、そして (4) 該細胞において、上記2プラスミドのDNA配
列によりコードされるホルモン受容体蛋白質(R)また
はその修飾された機能性形態(r)の発現およびステロ
イド結合能を測定することよりなり、修飾された機能性
形態(r)は受容体(R)が有する転写活性化特性を備
えており、かつ(R)および(r)は発現可能なDNA
配列によりコードされるものであることを特徴とする方
法。 - 【請求項14】 受容体陰性の細胞がCV−1およびC
OS細胞よりなる群から選ばれる、請求項13に記載の
バイオアッセイ法。 - 【請求項15】 1および2プラスミドがSV−40の
複製開始点をも含む、請求項13に記載のバイオアッセ
イ法。 - 【請求項16】 1および2プラスミドが選択可能なマ
ーカーをも含む、請求項13に記載のバイオアッセイ
法。 - 【請求項17】 作動性ホルモン応答性プロモーター/
エンハンサー要素がマウス乳腺腫瘍ウィルス長鎖ターミ
ナルリピート(MTV LTV)および哺乳類成長ホル
モンプロモーターよりなる群から選ばれ、レポーター遺
伝子がCATである、請求項13に記載のバイオアッセ
イ法。 - 【請求項18】 遺伝子(G)−すなわち甲状腺ホルモ
ン(H)またはその同族体(aH)が甲状腺ホルモン受
容体(R)またはその修飾された機能性形態(r)との
複合体を形成した状態でかつこの[(H)または(a
H)/(R)または(r)]複合体が遺伝子(G)の位
置するクロマチン上の転写制御要素に結合した状態でそ
の転写がホルモン(H)またはその同族体(aH)によ
って活性化される遺伝子−を含む細胞(C)において、
遺伝子(G)の発現を誘導し、結果的に遺伝子(G)に
よりコードされる蛋白質(P)の生成を誘導する方法で
あって、 (1) 細胞(C)において、受容体(R)、または受
容体(R)の転写活性化特性を有するその修飾された機
能性形態(r)をコードするDNAを発現させ、ここで
該DNAは次の(a)〜(d)のいずれかの蛋白質: (a) 配列番号1に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (b) アミノ酸配列(a)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質; (c) 配列番号2に規定されるアミノ酸配列からなる
蛋白質; (d) アミノ酸配列(c)において1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ甲状腺ホルモン受容体に特有のホルモン
結合特性および/または転写活性化特性を有する蛋白
質;をコードするDNAを含み、そして (2) 遺伝子(G)の発現、すなわち結果的に蛋白質
(P)の生成を誘導するのに十分な水準にまで細胞
(C)におけるホルモン(H)またはその同族体(a
H)の濃度を増大させることよりなる方法。 - 【請求項19】 ホルモン(H)またはその同族体(a
H)の濃度の増大が、遺伝子(G)の転写、従って蛋白
質(P)の生成を制御すべく制御される、請求項18に
記載の方法。 - 【請求項20】 細胞(C)が真核細胞である、請求項
18および19のいずれかに記載の方法。 - 【請求項21】 真核細胞(C)が哺乳類の細胞であ
る、請求項18および19のいずれかに記載の方法。 - 【請求項22】 真核細胞(C)がヒトの細胞である、
請求項18および19のいずれかに記載の方法。
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