JPH10108363A - 並列運用電源システム - Google Patents

並列運用電源システム

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JPH10108363A
JPH10108363A JP8253068A JP25306896A JPH10108363A JP H10108363 A JPH10108363 A JP H10108363A JP 8253068 A JP8253068 A JP 8253068A JP 25306896 A JP25306896 A JP 25306896A JP H10108363 A JPH10108363 A JP H10108363A
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Shinji Kaneko
真二 金子
Yasukazu Muranushi
康和 村主
Hidemichi Shirai
秀道 白井
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過電圧を発生する電源があっても負荷に供給
する出力電圧の上昇を許容範囲内に抑えることを目的と
する。 【解決手段】 並列運用電源システムを立ち上げると、
まず、消費電流情報取得手段5が負荷4からその消費電
流の情報を取得し、この消費電流情報を基に制限電流値
算出手段6が、各電源手段が出力することができる制限
電流値を算出する。算出された制限電流値は、制限電流
値設定手段7により、各電源手段1a,1b,1c・・
・に設けられた電流制限機能3a,3b,3c・・・に
設定される。ここで、電源手段の1台が過電圧を発生す
る異常状態になると、その電源手段では出力電圧の上昇
に伴って出力電流が増加する。その出力電流が制限電流
値を越えると、その電源手段の電流制限機能が働いてそ
の電源手段をシャットダウンさせるとともに、負荷4へ
の電流供給を残りの電源手段によって継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は並列運用電源システ
ムに関し、特に並列に運用している複数の小容量電源の
いずれか1台が過電圧を発生するような異常に対して保
護することができる機能を持った並列運用電源システム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電源では、安定化された出力電圧
を得るためにスイッチングレギュレータを用いることが
多い。スイッチングレギュレータは、交流の入力電圧を
いったん直流電圧に変換し、これをトランジスタによる
スイッチング回路にて高い周波数の交流に変換し、これ
を任意に変圧した後、さらに整流することにより直流に
変換して出力電圧とするが、このとき、出力電圧の一部
を光結合アイソレータを介してスイッチング回路のパル
ス幅を制御する回路に帰還して出力電圧を安定化してい
る。
【0003】このような電源には、出力電圧が許容制御
範囲を越えて高くなるのを防止するために、一般に過電
圧保護回路が設けられている。この過電圧保護回路は電
源の出力電圧を監視する過電圧検出部を有し、出力電圧
が設定電圧を越えると、スイッチング回路をドライブす
る回路を停止させて、電源をシャットダウンさせるよう
な構成にしている。この過電圧保護は、負荷を過電圧か
ら保護するためのものであり、一般に定格出力電圧が5
ボルトの電源ではたとえば、過電圧検出電圧を5.75
ボルトないし6.75ボルト程度の電圧に設定してい
る。この値は、一世代前の集積回路の絶対最大定格電圧
である7.0ボルトを満足させるものである。
【0004】ところで、2台以上の電源を並列に接続し
て一つの電源を構成し、1台の電源に異常が発生した場
合でも残りの電源が電流を供給するようにして、電子機
器の継続的な動作を保証する電源システムが知られてい
る。このように並列に運用される、いわゆるリダンダン
ト電源においても、その出力電圧は定格電圧に制御され
なければならず、たとえ1台の電源に異常が発生したと
しても、その出力電圧は集積回路の動作保証範囲内の電
圧に抑えられなければならない。この場合、定格出力電
圧がたとえば5ボルトの電源では、出力電圧を5.0±
0.25ボルトの範囲内に抑える必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の並列運
用に使われる電源においては、個々の電源はそれぞれ出
力電圧の過電圧を検出して電源をシャットダウンさせる
ようにしているが、それぞれの過電圧検出は、たとえば
出力電圧が5ボルトの電源では、0.75ボルトないし
1.75ボルトも高い電圧を検出するようにしているた
め、たとえ1台の電源に過電圧を発生するような異常が
発生したとしても、全体の出力電圧を5.0±0.25
ボルトの範囲内に抑えることは難しいという問題点があ
った。
【0006】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、複数の小容量電源により一つの大容量の電源
を構成してなる並列運用電源システムにおいて、たとえ
1台の電源に過電圧を発生するような異常が発生しても
負荷に供給される出力電圧を所定の許容範囲内に抑える
ことができる並列運用電源システムを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
小容量電源により一つの大容量の電源を構成してなる並
列運用電源システムにおいて、それぞれ電流制限機能を
有し各出力がダイオードを介して接続された少なくとも
3台の電源手段と、負荷のあらかじめ決められた消費電
流を表す消費電流情報を取得する消費電流情報取得手段
と、取得された負荷の消費電流情報から各電源手段が出
力することができる制限電流値を算出する制限電流値算
出手段と、各電源手段の前記電流制限機能に対して前記
制限電流値をそれぞれ設定する制限電流値設定手段とを
備えていることを特徴とする並列運用電源システムが提
供される。
【0008】上記構成によれば、まず、消費電流情報取
得手段により、並列運用電源システムに接続されている
負荷において消費される電流の情報である消費電流情報
が取得される。これにより、負荷の構成が変更されて
も、その変更された構成において消費される負荷の消費
電流情報がその都度取得されることになる。この消費電
流情報は制限電流値算出手段に入力されて、ここで各電
源手段が出力することができる電流の値、すなわち制限
電流値を算出する。このとき、1台の電源手段で負荷の
最大総消費電流を供給することができないように、各電
源手段の制限電流値が算出される。算出されたこれらの
制限電流値は、制限電流値設定手段により、各電源手段
に設けられた電流制限機能に適用される。ここで、電源
手段の1台が故障して、出力電圧が上昇するような状態
になったとする。各電源手段の出力はダイオードによっ
て接続されているので、各電源手段の出力電圧のうち出
力電圧が高い電源手段、すなわち、故障した電源手段か
らの出力電流が増加することになる。増加した出力電流
が制限電流値設定手段によって設定された制限電流値を
上回ると、故障した電源手段では、その電流制限機能が
働いてその電源手段をシャットダウンさせるとともに、
残りの電源手段による電流供給が続けられる。このよう
に、本発明の並列運用電源システムでは、各電源手段の
過電圧検出を、過電圧によって増加する電流を検出させ
ることによって行わせている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の並列運用電源シス
テムの原理構成を示した図である。この並列運用電源シ
ステムでは、3台以上の複数の小容量の電源手段1a,
1b,1c・・・を有している。各電源手段1a,1
b,1c・・・の交流入力には並列に交流電源が接続さ
れ、出力はダイオード2a,2b,2c・・・により論
理和接続されて並列運用電源システムの直流出力を構成
している。また、各電源手段1a,1b,1c・・・は
それぞれ電流制限機能3a,3b,3c・・・を有して
いるものとする。そして、並列運用電源システムの直流
出力は、負荷4に接続されている。
【0010】並列運用電源システムは、さらに、負荷4
からその消費電流の情報を取得するように接続された消
費電流情報取得手段5と、この消費電流情報取得手段5
によって取得された消費電流情報を基にして各電源手段
1a,1b,1c・・・が出力することができる制限電
流値を算出する制限電流値算出手段6と、この制限電流
値算出手段6によって算出された制限電流値を各電源手
段1a,1b,1c・・・の電流制限機能3a,3b,
3c・・・に設定する制限電流値設定手段7とから構成
されている。
【0011】負荷4は、その設計時においてあらかじめ
その消費電流が決められている。その消費電流の情報は
負荷4に何らかの形で保存されている。その消費電流の
情報は、電源投入後に、消費電流情報取得手段5によっ
て読み出され、制限電流値算出手段6に渡される。した
がって、電源投入前に負荷4の構成が変更されたとして
も、その変更された負荷の消費電流情報がその都度消費
電流情報取得手段5によって読み出されることになる。
制限電流値算出手段6では、消費電流情報から、各電源
手段1a,1b,1c・・・が出力することができる電
流の値、すなわち電流出力を制限するための制限電流値
を算出する。このとき、各電源手段の制限電流値として
は、1台の電源手段で負荷の最大消費電流を供給するこ
とができないように、最大消費電流より小さい値に設定
される。制限電流値算出手段6で算出されたこれらの制
限電流値は、制限電流値設定手段7に渡され、この制限
電流値設定手段7が各電源手段1a,1b,1c・・・
に設けられている電流制限機能3a,3b,3c・・・
の過電流検出の値を、制限電流値算出手段6によって算
出された制限電流値に更新する。
【0012】ここで、並列運用電源システムの運転中に
電源手段1a,1b,1c・・・の1台、たとえば電源
手段1aが出力電圧を上昇させるような故障状態になっ
たとする。各電源手段1a,1b,1c・・・の出力は
ダイオード2a,2b,2c・・・によって接続されて
いるので、電源手段1aの上昇した分の出力電圧は他の
電源手段1b,1c・・・によって吸収されることはな
いので、電源手段1aの出力電圧の上昇は続く。この出
力電圧の上昇に伴って電源手段1aから負荷4に供給さ
れる出力電流も増加することになる。このようにして出
力電流が増加していって制限電流値設定手段7により設
定された制限電流値を上回ると、電流制限機能3aが働
いてその電源手段1aをシャットダウンさせる。同時
に、電源手段1aによって供給されていた電流は、残り
の電源手段1b,1c・・・が余分に出力電流を増加さ
せることによって補われ、負荷4への正規の負荷電流の
供給が続けられる。
【0013】この並列運用電源システムでは、負荷の消
費電流から制限電流値を算出して電源手段の電流制限機
能に設定するようにし、過電圧が発生した場合の出力電
流の増加を検出させるようにしたことにより、各電源手
段が有している電流制限機能に過電圧保護機能を持たせ
るようにしている。
【0014】次に、本発明の実施の形態を、3台の小容
量電源からなる汎用の電子機器用の並列運用電源に適用
した場合を例にして説明する。図2は汎用電子機器用の
並列運用電源の構成例を示すブロック図である。3台の
電源11,12,13は交流入力をそれぞれ並列に受け
るとともに、それぞれ直流出力をダイオード21,2
2,23を介してマザーボード30の電源ラインに接続
されている。負荷は、カード基板を想定しており、図示
の例では、8枚の基板41〜48がマザーボード30に
搭載の図示しないコネクタに挿入されていて、そのマザ
ーボード30を経由して電源が供給されるように構成さ
れている。また、マザーボード30には、制御回路基板
50が接続されている。さらに、マザーボード30はデ
ータバスを備えており、このデータバスは電源11,1
2,13、基板41〜48、および制御回路基板50の
データ入出力部に接続されている。
【0015】各基板41〜48には、それぞれ基板1枚
が消費する消費電流の情報が適当な保持手段にて記録あ
るいは設定されており、さらに個々の基板41〜48を
識別するための識別子(ID)がそれぞれ付けられてい
る。これにより、制御回路基板50に搭載されたプロセ
ッサは、基板ごとにその基板で消費される消費電流の情
報をデータバスを介して収集することができる。制御回
路基板50のプロセッサは、各基板41〜48の消費電
流の情報を収集したのち、3台の電源11,12,13
に設定する制限電流の値を算出し、その情報をデータバ
スを介して各電源11,12,13のプログラマブルな
制限電流設定用の回路に転送する。すると、各電源1
1,12,13では、設定された制限電流値で過電圧発
生時に流れる過電流を検出してシャットダウンするとい
う過電圧保護機能が働くことになる。
【0016】各電源11,12,13は通常、それぞれ
同じタイプのものが使用される。以下では、これらの電
源11,12,13の具体的な構成例について説明す
る。図3は電源の構成例を示すブロック図である。交流
入力の入力端子61は高周波フィルタ62を介して整流
平滑部63に接続されている。整流平滑部63の出力は
スイッチング部64およびスタータ部65に接続され、
スイッチング部64およびスタータ部65はドライブ部
66に接続されている。スイッチング部64およびドラ
イブ部66は変圧器67の1次側および2次側の巻線に
接続され、2次側の別の巻線は整流平滑部68に接続さ
れている。この整流平滑部68の出力はこの電源の出力
端子69に接続されている。ドライブ部66の制御入力
にはPWM(パルス幅変調)制御部70の制御出力が接
続されている。また、スイッチング部64には過電流保
護部71が接続されている。この過電流保護部71の入
力には制限電流設定部72が接続され、出力にはPWM
制御部70が接続されている。さらに、整流平滑部68
の出力には電圧調整部73を介して誤差増幅器74が接
続され、誤差増幅器74の出力はフォトカプラ75を介
してPWM制御部70に接続されている。そして、出力
端子69はダイオードを介してマザーボード30に接続
され、一方、制限電流設定部72の入力端子76はマザ
ーボード30のデータバスに接続される。
【0017】入力端子61に入力された交流入力は高周
波フィルタ62にて高周波成分が除去されたのち、整流
平滑部63にて直流に変換され、スイッチング部64で
はトランジスタのオン・オフ回路にて直流が高周波の交
流に変換される。このオン・オフ制御はPWM制御部7
0およびドライブ部66によってなされる。なお、スタ
ータ部65は電源投入時にこの電源を確実に動作させる
ようにするためのものである。スイッチング部64の交
流出力は変圧器67にて変圧され、整流平滑部68にて
再び直流に変換される。この整流平滑部68の出力電圧
の一部は電圧調整部73、誤差増幅器74およびフォト
カプラ75を介してPWM制御部70に帰還され、出力
電圧の安定化をはかっている。
【0018】スイッチング部64では、たとえばその入
力電流が過電流保護部71にて監視されており、その過
電流検出時の設定電流は、制限電流設定部72がデータ
バスを介してロードした情報を基にして設定されてい
る。スイッチング部64への入力電流が設定電流を越え
ると、過電流保護部71はこの電源をシャットダウンす
るようPWM制御部70を制御する。このときの、電源
の出力特性の例を以下に示す。
【0019】図4は電源の出力特性を示す図である。こ
の図において、横軸は電源の負荷電流ILを示し、縦軸
は出力電圧VOを示している。ここで、過電流の検出は
定格出力電流の120%の時点で行うようにしている。
負荷側において、何らかの原因で負荷電流ILが増加し
て120%になったとすると、120%の負荷電流IL
に対応するスイッチング部64での電流を過電流保護部
71が検出し、PWM制御部70を制御して電源をシャ
ットダウンする。このように、電源は、出力特性が垂下
特性になっており、電源投入時を除いて制限電流を越え
た時点でシャットダウンされる。
【0020】次に、負荷電流150アンペアの機器用の
電源を例に、具体的な動作について説明する。ここで、
それぞれの基板41〜48および電源11,12,13
は以下のような条件を有しているとする。1)図2に示
したように、識別子ID=0〜3を有する4枚の基板4
1〜44はそれぞれの消費電流ICが15アンペアであ
り、識別子ID=4〜7を有する4枚の基板45〜48
はそれぞれの消費電流ICが20アンペアであるとす
る。2)各電源11,12,13の最大出力電流は10
0アンペアであり、その制限電流は制限電流設定部72
によってプログラマブルであるとする。
【0021】以上の電源11,12,13および負荷か
らなる構成において、まず、最初の電源投入時には、各
電源11,12,13の制限電流は初期設定のままの最
大出力電流となっており、ここでは100アンペアとな
っている。電源11,12,13が立ち上がって基板4
1〜48および制御回路基板49に給電されると、制御
回路基板49のプロセッサが基板のIDを読み、基板の
種類(消費電流ICが15アンペアのものと20アンペ
アのもの)とそれらの枚数とから、消費電流を計算す
る。本例では、基板の種類が15アンペアのものが4
枚、20アンペアのものが4枚であるから、基板41〜
48が消費する電流は全部で140アンペアである。
【0022】次に、制御回路基板49のプロセッサは、
それぞれの電源11,12,13の制限電流を計算す
る。本例では、3台の電源11,12,13で給電する
ので、その内、1台が故障しても、残りの2台で給電で
きる電流値(70アンペア)を求め、余裕を10%見
て、各電源の制限電流を80アンペアとする。この値
は、データバスを介して各電源の制限電流設定部72に
ロードされ、過電流保護部71に設定される。
【0023】並列に接続された3台の電源11,12,
13はすべて同じ電圧を出力しているわけではなく、出
力電圧に多少のばらつきがある。電源間の出力電圧に差
分電圧が発生する場合には、互いに供給する電流の値が
異なってくる。この差分電圧による出力電流の変化の様
子を以下の図を参照して説明する。なお、説明を簡単に
するため、ここでは、2台の電源の間での出力電流の変
化で説明する。
【0024】図5は2台の電源間の差分電圧による出力
電流の変化を示す説明図である。ここで、第1の電源の
出力電流をI1、第2の電源の出力電流をI2とし、図
では、横軸を第2の電源の出力電圧の第1の電源の出力
電圧との差分電圧を示し、縦軸を第1および第2電源が
ダイオードを介して供給する負荷電流ILであるとす
る。
【0025】まず、第1および第2の電源の出力電圧が
まったく等しくて差分電圧がない場合には、第1および
第2の電源の出力電流も等しく、I1=I2=IL/2
である。ここで、第2の電源の出力電圧が相対的に上昇
してプラスの差分電圧が発生すると、第2の電源の出力
電流I2は増加し、その分、第1の電源の出力電流I1
は減少する。逆に、第2の電源の出力電圧が減少して相
対的にマイナスの差分電圧が発生すると、第2の電源の
出力電流I2は減少し、その分、第1の電源の出力電流
I1は増加する。このように、電源間に差分電圧が発生
した場合には、出力電圧の高い電源の出力電流が増加し
て、負荷電流の供給のバランスをとっていることにな
る。
【0026】さて、ここで、3台の電源11,12,1
3の内の1台、たとえば第1の電源11に異常が発生し
て過電圧を発生する状態になったとする。第1の電源1
1の出力電圧が上昇すると、第1の電源11が供給する
出力電流も徐々に増加することになる。この増加は、電
流制限がなければ、以下のように上昇し続ける。なお、
以下の図も説明を簡単にするため、電源が2台の場合で
示している。
【0027】図6は電流制限がない場合の2台の電源の
過電圧発生時の出力特性を示す図である。この図におい
て、横軸は時間t、縦軸は故障した第1の電源11の出
力電圧および各電源の出力電流を示し、I1は第1の電
源11の出力電流を、I2は第2の電源12の出力電流
を示すものとする。
【0028】図示のように、第1および第2の電源1
1,12の出力電流I1,I2が等しい値でバランスし
ていた状態から、電流制限がないと仮定した第1の電源
11の出力電圧が上昇すると、その出力電流I1も同様
に増加する。出力電流I1は増加し続けるのに対し、出
力電流I2は減少していき、第1の電源11の出力電圧
が定格出力電圧より50ミリボルト上昇した時点で0%
となり、第2の電源12はカットオフされる。
【0029】このように、もし、電流制限がなければ、
第1の電源11の出力電圧が50ミリボルト上昇する
と、残りの第2および第3の電源12,13の出力はカ
ットオフされてしまい、負荷電流の供給は第1の電源1
1からのみとなる。
【0030】しかし、本例では、第1ないし第3の電源
11,12,13の制限電流は80アンペアに設定され
ているので、第1の電源11は、出力電流I1が80ア
ンペアになった時点で過電流保護部71が動作し、第1
の電源11の出力をカットオフする。このときの第1の
電源11の出力電圧の上昇は50ミリボルト以下に抑え
られる。この場合の各電源の出力特性を以下に示す。こ
こでも説明を簡単にするため、電源が2台の場合で示し
ている。
【0031】図7は過電流検出式過電圧保護機能を有す
る電源の出力特性を示す図である。この図において、横
軸は時間t、縦軸は2台の電源の出力電圧および各電源
の出力電流を示し、I1は第1の電源11の出力電流
を、I2は第2の電源12の出力電流を示す。
【0032】図示のように、第1および第2の電源1
1,12が正常で、それらの出力電流I1,I2が等し
くバランスしていた状態から、時刻t0にて、第1の電
源11が異常になって出力電圧が上昇したとすると、こ
れに伴って第1の電源11の出力電流I1は増加し、第
2の電源12の出力電流I2は減少する。出力電流I1
が制限電流の80アンペアに達した時刻t1になると、
第1の電源11の出力はカットオフされて出力電流I1
は0%になり、その代わり、第2の電源12の出力電流
I2が増加して100%になるという動作をする。
【0033】結果として、図2のように電源が3台の場
合には、第1の電源11がシャットダウンすると、他の
残りの第2および第3の電源12,13から電流が供給
されるようになり、それぞれが負荷電流の半分(70ア
ンペア)ずつを負担することになる。しかも、負荷の総
消費電流は140アンペアなので、第1の電源11が8
0アンペアまで増加しても、出力電圧の増加は50ミリ
ボルトまでしかならず、図7のような出力電圧応答とな
る。
【0034】以上は、電源の一つに異常が発生して、過
電圧が発生するような状態になった場合について説明し
たが、減電圧が発生するような異常時においても、上記
の第1の電源11がシャットダウンしたときと同じにな
る。すなわち、減電圧による差分電圧が発生すると、そ
れに伴って出力電流が減少していく。この出力電流の減
少によって減少した負荷電流は、図5に示したように、
他の電源の出力電流の増加によって補われるようにな
る。そして、差分電圧が−50ミリボルト以下になる
と、減電圧が発生した電源はシャットダウンされ、完全
に他の電源だけによる運用となる。
【0035】最後に、本発明の別の実施の形態として、
並列運用電源を特定の機器の専用電源として使用するこ
ともできる。この場合には、その特定の機器の消費電流
は一定であるため、電源に過電流の設定変更の制御は不
要であり、制限電流値としてあらかじめ与えた初期の設
定のままでよい。このため、制限電流値の設定手段とし
ては、固定の値をプログラマブルに設定することができ
る、たとえばデジタルスイッチのようなもので構成する
ことができる。この場合、負荷の消費電流を知るための
機構は不要であるので、並列運用電源としての構成を簡
略化することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、負荷の
消費電流を取得し、これから各電源に出力させる電流値
として最大負荷電流より小さい値の制限電流値を算出
し、これを各電源の電流制限機能に対して設定するよう
な構成にした。これにより、過電圧を発生してしまうよ
うな異常時においても、電流制限機能が差分電圧による
電流増加を検出して電源をシャットダウンするので、許
容範囲を越えた過電圧を発生することがなくなる。した
がって、電流制限機能が過電圧を発生させることはない
ので、従来の過電圧保護は必要としなくなる。また、過
電圧保護を過電流保護で兼用しているので、故障確率お
よび製造コストを下げることができる。さらに、電流制
限を負荷の大きさに応じて設定するようにしているの
で、過電圧保護を確実に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の並列運用電源システムの原理構成を示
した図である。
【図2】汎用電子機器用の並列運用電源の構成例を示す
ブロック図である。
【図3】電源の構成例を示すブロック図である。
【図4】電源の出力特性を示す図である。
【図5】2台の電源間の差分電圧による出力電流の変化
を示す説明図である。
【図6】電流制限がない場合の2台の電源の過電圧発生
時の出力特性を示す図である。
【図7】過電流検出式過電圧保護機能を有する電源の出
力特性を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c……電源手段、2a,2b,2c……
ダイオード、3a,3b,3c……電流制限機能、4…
…負荷、5……消費電流情報取得手段、6……制限電流
値算出手段、7……制限電流値設定手段。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02J 1/00 309 H02J 1/00 309H H02M 3/28 H02M 3/28 W

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の小容量電源により一つの大容量の
    電源を構成してなる並列運用電源システムにおいて、 それぞれ電流制限機能を有し各出力がダイオードを介し
    て接続された少なくとも3台の電源手段と、 負荷のあらかじめ決められた消費電流を表す消費電流情
    報を取得する消費電流情報取得手段と、 取得された負荷の消費電流情報から各電源手段が出力す
    ることができる制限電流値を算出する制限電流値算出手
    段と、 各電源手段の前記電流制限機能に対して前記制限電流値
    をそれぞれ設定する制限電流値設定手段と、 を備えていることを特徴とする並列運用電源システム。
  2. 【請求項2】 前記消費電流情報取得手段は、負荷を構
    成する回路基板ごとにデータバスを通じて各回路基板の
    あらかじめ決められた消費電流を表す消費電流情報を収
    集するように構成したことを特徴とする請求項1記載の
    並列運用電源システム。
  3. 【請求項3】 前記制限電流値算出手段は、1台の電源
    手段に設定される制限電流値が前記負荷の前記総消費電
    流より少ない値に設定されることを特徴とする請求項2
    記載の並列運用電源システム。
  4. 【請求項4】 前記制限電流値算出手段は、各回路基板
    から収集した消費電流情報から総消費電流の値を求め、
    この総消費電流の値を電源手段の台数から1を引いた数
    で割り算し、この割り算した値に余裕を考慮して前記各
    電源手段の制限電流値とするように構成したことを特徴
    とする請求項2記載の並列運用電源システム。
  5. 【請求項5】 複数の小容量電源により一つの大容量の
    電源を構成してなる並列運用電源装置において、 それぞれ電流制限機能を有し各出力がダイオードを介し
    て接続された少なくとも3台の電源手段と、 各電源手段の制限電流値をあらかじめ決められた負荷の
    消費電流に応じてプログラマブルに設定することができ
    る制限電流値設定手段と、 を備えていることを特徴とする並列運用電源装置。
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