JPH1010761A - 電子写真感光体、その製造方法およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、その製造方法およびそれを用いた画像形成装置

Info

Publication number
JPH1010761A
JPH1010761A JP16166296A JP16166296A JPH1010761A JP H1010761 A JPH1010761 A JP H1010761A JP 16166296 A JP16166296 A JP 16166296A JP 16166296 A JP16166296 A JP 16166296A JP H1010761 A JPH1010761 A JP H1010761A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
charge transport
transport layer
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16166296A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyokazu Mashita
清和 真下
Fumio Kojima
文夫 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP16166296A priority Critical patent/JPH1010761A/ja
Publication of JPH1010761A publication Critical patent/JPH1010761A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 接触帯電方法による電子写真法によって画質欠陥の発生
しない電子写真感光体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に電荷発生層および電荷
輸送層を順次設けた接触帯電法により帯電させる電子写
真感光体において、該電荷輸送層における欠陥の膜厚方
向の重なりが、膜厚25μm当り3個以下であることを
特徴とする。この電荷輸送層は、電荷輸送層形成用塗布
液を複数回塗布することにより形成される。この電子写
真感光体10は、電子写真感光体の表面を接触帯電させ
るための接触帯電手段11と、現像により可視像を形成
する現像手段14を有する画像形成装置に装着して使用
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機光導電体を含
有する感光層を導電性支持体上に設けた感光体に対し、
電圧が印加された導電性部材を接触させて、感光体表面
を直接帯電させる電子写真装置、例えば、普通紙複写機
(PPC)、レーザープリンター、LEDプリンター、
液晶プリンター等の画像形成装置、そのための電子写真
感光体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置、例えば、普通紙複
写機(PPC)、レーザープリンター、LEDプリンタ
ー、液晶プリンター等は、回転ドラム型等の感光体に、
帯電、露光、現像の作像プロセスを適用して像形成し、
転写材に転写した後定着して複写物を得るものである。
これらに用いられる感光体としては、セレニウム、ヒ素
−セレニウム、硫化カドミウム、酸化亜鉛、a−Si等
の無機系感光体が用いられているが、安価で製造性およ
び廃棄性の点で優れた有機感光体(OPC)の研究開発
も活発化しており、中でも電荷発生層と電荷輸送層を積
層した、いわゆる機能分離型感光体が、感度、帯電性お
よび繰り返し安定性などの点で優れており、種々の提案
がなされ、実用化されている。
【0003】これらの感光体への帯電装置としては、金
メッキタングステン線などの細いワイヤ電極とシールド
板を主構成部材とするコロナ帯電装置が一般的で広く使
用されている。しかしながら、これらのコロナ帯電装置
は、装置自体が大きく、コストも高く、またオゾンが多
量に発生し、それに伴って発生する放電生成物が、画像
欠陥や環境問題を引き起こす等の問題を有している。そ
こで、最近ではこれらの問題点の多いコロナ帯電装置を
用いる代わりに接触帯電方法、すなわち、感光体表面に
電圧を印加した導電性部材を当接させることにより、感
光体表面に電荷を直接注入して所望の帯電電位を得る接
触帯電方法が種々提案されている。(例えば、特開昭6
3−149669号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の接触帯電方法を従来の機能分離型有機感光体に適用し
た場合、最表面に直接帯電部材が接触した状態で使用す
るため、最初から感光体中に存在する微小な欠陥(大き
さ数μm以下)の部位で、更には繰り返し使用すると、
感光層の摩耗によって膜厚が減少した部分の感光層中の
微小な欠陥の部位で絶縁破壊を生じ、その部位で感光体
の軸方向に電圧降下が発生し、帯電性が低下し、反転現
像では軸方向に帯状の黒線が画質欠陥として発生すると
いう問題を有している。これらの感光体中の微小な欠陥
は、OPC塗布液中の異物(結着樹脂の不溶成分、電荷
発生材料の凝集物等)、塗布時の気泡巻き込み、塗布後
乾燥時の異物付着によって発生すると考えられるが、現
状のOPC製造技術から考えて完全になくすことは不可
能である。
【0005】これらの問題を解決する手段として、種々
の提案がなされており、例えば、特開平5−34964
号公報、特開平5−80567号公報、特開平5−94
033号公報等には、感光体の基材表面を陽極酸化処理
するもの、特開平6−3921号公報、特開平6−35
220号公報には、表面層が導電性微粒子と結着樹脂か
らなるもの、特開平6−138672号公報には、電荷
輸送層の膜厚分布を低減して均一性を向上させるもの、
特開平5−216263号公報、特開平6−3847号
公報等には、中間層の絶縁破壊電圧を規定するもの等の
提案がなされているが、いずれの場合も初期的には効果
があるものの、繰り返し使用すると感光層の摩擦によっ
て局所的に帯状の黒線等の画質欠陥が発生するという問
題がある。
【0006】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであって、その目的は、接触帯電方法によ
る電子写真法によって画質欠陥の発生しない電子写真感
光体およびその製造方法を提供することにある。本発明
の他の目的は、接触帯電方法を採用する画像形成装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これ等の
問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、接触帯
電方法を採用した場合においても、これらの画像欠陥が
低減できる電子写真感光体を見出し、本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち、本発明の電子写真感光体は、接
触帯電法により帯電させる場合に用いるためのものであ
って、導電性支持体上に電荷発生層および電荷輸送層を
順次設け、そして電荷輸送層における欠陥の膜厚方向の
重なりが、膜厚25μm当り3個以下であることを特徴
とする。本発明の上記電子写真感光体の製造方法は、導
電性支持体上に電荷発生層を形成した後、電荷輸送層形
成用塗布液を複数回塗布することを特徴とする。
【0009】また、本発明の画像形成装置は、電子写真
感光体と、該電子写真感光体の表面を接触帯電させるた
めの接触帯電手段と、現像により可視像を形成する現像
手段を有するものであって、その電子写真感光体が、導
電性支持体上に電荷発生層および電荷輸送層を順次設け
たものであり、そしてその電荷輸送層における欠陥の膜
厚方向の重なりが、膜厚25μm当り3個以下であるこ
とを特徴とする。
【0010】上記帯状の黒線の画質欠陥について、その
発生原因を検討した結果、感光層中の微小な欠陥がある
確率で重なった部位で、導電性部材に印加した電圧がそ
の欠陥部の実効膜厚の耐圧を越えた時、その部位で流れ
込む電流が大きくなり、導電性部材の電位低下を引き起
こし、帯電性が低下し、反転現像では軸方向に帯状の黒
線が画質欠陥として発生することが判明した。しかしな
がら、感光層中の微小な欠陥を完全になくすことは現状
では不可能であるので、本発明においては、電荷輸送層
中の欠陥が同時に重なる確率を小さくするのである。す
なわち、感光体の断面観察において、電荷輸送層中の欠
陥の重なりが3個以下(電荷輸送層の膜厚25μm当
り)にすることにより上記の絶縁破壊による画質劣化が
著しく改善したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子写真感光体に
ついて詳しく説明する。図1ないし図4は、本発明の電
子感光体の実施例の模式的断面図である。図1において
は、導電性支持体3の上に電荷発生層4および2回の塗
布により形成された電荷輸送層1が設けられている。図
2においては、導電性支持体3の上にさらに下引き層2
が設けられており、図3においては、表面にさらに表面
保護層5が設けられている。図4においては、導電性支
持体3の上に下引き層2、表面に表面保護層5が設けら
れている。
【0012】まず、本発明における特徴点となっている
電荷輸送層およびその形成方法について説明する。本発
明において、電荷輸送層は、電荷発生層の上に設けられ
るものであって、欠陥の膜厚方向の重なりが膜厚25μ
m当り3個以下であることを特徴としている。3個より
も多い部位が1か所でも存在すると、その部位において
帯状の黒線等の画質欠陥が発生するようになる。
【0013】電荷輸送層は、電荷輸送材料および、必要
に応じて結着樹脂を含有する塗布液を用いて形成される
が、本発明において、電荷輸送層における欠陥の膜厚方
向の重なりが、膜厚25μm当り3個以下であるように
するためには、電荷輸送層を塗布して形成する際に、電
荷輸送層として必要な膜厚を得るための塗布回数を2回
以上とすることが必要であり、それにより、1回の塗布
で電荷輸送層を形成した場合に比べて、欠陥の重なりが
少なくなり、膜厚25μm当り3個以下に減少する。そ
れにより感光層中の微小な欠陥による画質劣化が著しく
改善されるのである。
【0014】本発明における電荷輸送層は、塗布を同一
の電荷輸送材料を含有する塗布液を用いて行う場合、塗
布回数は2〜5回が好ましく、更に好ましくは2〜3回
の塗布回数である。また、塗布を異種の電荷輸送材料を
含有する塗布液を用いて行う場合も、合計して同様の塗
布回数になるようにするのが好ましい。
【0015】次に、電荷輸送層に使用される材料につい
て説明する。電荷輸送層に含有させる電荷輸送材料とし
ては、下記一般式(I)で示されるトリアリールアミン
化合物が好ましい。
【化1】 (式中、R1 は、水素原子またはメチル基を表し、Ar
1 およびAr2 は、それぞれ置換基としてハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基または置換アミノ基で置
換されていてもよいアリール基を表し、xは1または2
の整数を表す。)
【0016】また、所望により、上記トリアリールアミ
ン化合物と共に、下記一般式(II)で示されるベンジジ
ン化合物を混合して用いることができる。
【0017】
【化2】 (式中、R2 およびR2 ′は、同一でも異なっていても
よく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロ
ゲン原子を表し、R3 、R3 ′、R4 およびR4′は、
同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、
アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表
し、y、y′、zおよびz′は、それぞれ1または2の
整数を意味する。)
【0018】ここで、トリアリールアミン系化合物の具
体例を表1〜表3に示し、ベンジジン系化合物の具体例
を表4〜表6に示す。トリアリールアミン系化合物は、
表1〜表3に記載の化合物に限定されるものではない。
トリアリールアミン系化合物は単独でも、或いはこれら
を2種以上を混合して用いてもよい。また、ベンジジン
系化合物を1種或いは2種以上混合して用いる場合にお
いても、表4〜表6に限定されるものではなく、例え
ば、表4〜表6には、便宜上、R2 およびR2 ′、R3
およびR3 ′、R4 およびR4 ′の置換位置もR2 、R
3 およびR4 と同一でなくてもよい。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】電荷輸送層における結着樹脂としては、下
記一般式(III )〜(VIII)で示される繰り返し構造単
位よりなるポリカーボネート系樹脂を用いるのが好まし
い。
【化3】
【0026】上記一般式(III )〜(VIII)で示される
繰り返し構造単位よりなるポリカーボネート系樹脂とし
ては、粘度平均分子量1万〜20万の範囲のものを使用
することができるが、1万〜2万の場合には、形成され
た塗膜は機械的強度が低く、耐摩耗性が悪いので、2万
以上が好ましい。特に、分子量分布の比較的揃ったポリ
カーボネート樹脂であって、2万〜10万の範囲にある
ものが好ましい。粘度平均分子量が1万未満の場合は、
塗布液粘度が低く、必要とする膜厚が得られず、また、
浸漬塗布した場合の膜厚ムラを生じる。電荷輸送材料と
結着樹脂との配合比(重量比)は、10:1〜1:5の
範囲が好ましい。
【0027】さらに、本発明の電荷輸送層は、前記の低
分子の電荷輸送材料を結着樹脂に分子分散させたものの
みならず、下記一般式(IX-1)および(IX-2)で示され
る構造の少なくとも1種を繰り返し構造単位の部分構造
として含有する電荷輸送性高分子化合物を用いることが
できる。
【0028】
【化4】 (式中、R5 〜R8 は、それぞれ独立に水素原子、アル
キル基、アルコキシ基置換アミノ基、ハロゲン原子、ま
たは置換若しくは未置換のアリール基を示し、Xは置換
または未置換の2価の芳香族基を示し、Tは、炭素数1
〜10の枝分れしてもよい2価の炭化水素基を示し、k
およびlは、それぞれ0または1の整数を意味する。)
【0029】上記電荷輸送性高分子の具体例としては、
下記一般式(X)〜(XII )で示されるものがあげられ
る。
【0030】
【化5】 (式中、Aは、前記一般式(IX-1)または(IX-2)で示
される構造を示し、Y、Y′およびZは、2価の炭化水
素基を示し、mおよびm′は1〜5の整数を意味し、p
は5〜5000の整数を意味し、qは5ないし5000
未満の整数を意味し、rは1〜3500の整数を意味
し、q+rは5〜5000の整数であって、1>q/
(q+r)≧0.3である。)
【0031】前記一般式(IX-1)または(IX-2)におけ
るXとしては、以下の基(1)〜(7)から選択された
ものがあげられる。
【化6】 [式中、R9 は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、置換若しくは未置換フェニル基、または置換若しく
は未置換アラルキル基を表わし、R10〜R17は、それぞ
れ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4
のアルコキシ基、置換若しくは未置換フェニル基、置換
若しくは未置換アラルキル基、またはハロゲン原子を表
わし、Vは、下記式(8)〜(17)から選択された基
を表わし、aは0または1の整数を意味する。:
【化7】 (bは1〜10の整数を意味し、cは1〜4の整数を意
味する。)]
【0032】また、YおよびY′としては、下記式(1
8)〜(24)から選択された基を表わす。
【0033】
【化8】 (式中R18およびR19は、それぞれ水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換
若しくは未置換フェニル基、置換若しくは未置換アラル
キル基、またはハロゲン原子を表わし、dおよびeは1
〜10の整数を意味し、fおよびgは0、1または2の
整数を意味し、hおよびiは0または1の整数を意味
し、Vは前記と同意義を有する。)
【0034】このうち、特にXが下記構造式(XIII)お
よび(XIV )で示されるビフェニル構造を有するポリマ
ーは、「The Sixth International Congress on Advanc
es in Nonimpact Printing Technologies. 306, (199
0)」にも報告されているように、モビリティーが高く、
実用性の高いものであるので好ましい。
【化9】
【0035】また、前記一般式(IX−1)および(IX−
2)における基Tは、炭素数1〜10の枝分れしてもよ
い2価の炭化水素基を示すが、具体的には、下記の構造
式のものをあげることができる。なお、アリールアミン
骨格は、いずれの側と結合してもよいが、後記表中、例
えば、T−2rと記した場合は、構造式T−2の右側
に、T−2lと記した場合は、構造式T−2の左側に、
アリールアミン骨格が結合していることを示すものとす
る。
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】以下、前記の電荷輸送性高分子化合物につ
いて具体例を示す。表7〜表11に一般式(IX−1)で
示される構造の具体例を示し、表12〜16に一般式
(IX−2)で示される構造の具体例を示す。また、表1
7および表18に一般式(X)で示される電荷輸送性高
分子化合物の具体例を、表19に一般式(XI)で示され
る電荷輸送性高分子化合物の具体例を、表20に一般式
(XII )で示される電荷輸送性高分子化合物の具体例を
示す。
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】
【表9】
【0042】
【表10】
【0043】
【表11】
【0044】
【表12】
【0045】
【表13】
【0046】
【表14】
【0047】
【表15】
【0048】
【表16】
【0049】一般式(X)で示される電荷輸送性高分子
化合物の具体例
【表17】
【0050】
【表18】
【0051】一般式(XI)で示される電荷輸送性高分子
化合物の具体例
【表19】
【0052】一般式(XII )で示される電荷輸送性高分
子化合物の具体例
【表20】
【0053】本発明において用いる電荷輸送層の厚み
は、塗布回数が2回の場合を例にとると、1回目および
2回目塗布による形成される電荷輸送層は、共に3〜3
0μm、好ましくは5〜20μmの範囲である。また、
それらの膜厚の比率は、1回目/2回目が1/10〜1
0/1、好ましくは3/7〜7/3の範囲である。塗布
方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバー
コーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーテ
ィング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーテ
ィング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を組
合せて用いることができる。同一の電荷輸送材料を含む
組成からなる場合は、塗布方法は同一でも異なっていて
もよく、異種の電荷輸送材料を含む組成からなる場合
は、2回目以降の塗布液への汚染を防ぐために、2回目
以降の塗布はスプレーコーティング法、ビードコーティ
ン法等の塗布方法を用いることが好ましい。
【0054】さらに、電荷輸送層を設けるときに用いる
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロル
ベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノ
ン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エ
チレン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラ
ン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル
類等の有機溶剤を、単独あるいは2種以上混合して用い
ることができる。
【0055】また、複写機中で発生するオゾンその他の
酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止
する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定
剤等の添加剤を添加することができる。例えば、酸化防
止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミ
ン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイ
ドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよび
それらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があ
げられる。
【0056】光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、
ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチ
ルピペリジン等の誘導体があげられる。また、感度の向
上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等の目
的で、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させるこ
とができる。本発明の電子写真感光体において、使用可
能な電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無
水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル
酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレ
ン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼ
ン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアン
トラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o
−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等を
あげることができる。これらのうち、フルオレノン系、
キノン系化合物や、Cl、CN、NO2等の電子吸引性
置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
【0057】本発明において、感光層中に良好な表面性
を得ることを主たる目的として添加剤を加えることがで
きる。この種の添加剤としては、塗料用の改質剤として
知られているものが使用できる。例えば、ジメチルシリ
コーンオイルのようなアルキル変性シリコーンオイル、
メチルフェニルシリコーンオイルのような芳香族変性シ
リコーンオイル等が好ましい例である。これらの添加剤
は、電荷輸送層の固形分に対して、1〜10,000p
pm、好ましくは5〜2,000ppmの範囲で添加を
すればよい。
【0058】本発明の電子写真感光体において、導電性
支持体としては、アルミニウム、ニッケル、クロム、ス
テンレス鋼等の金属類、および、アルミニウム、チタニ
ウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウ
ム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けた
プラスチックフィルム等、あるいは導電性付与剤を塗
布、または、含浸させた紙およびプラスチックフィルム
等があげられる。これらの導電性支持体は、ドラム状、
シート状、プレート状等、適宜の形状のものとして使用
されるが、これらに限定されるものではない。さらに、
必要に応じて、導電性支持体の表面は、画質に影響のな
い範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、表面
の陽極酸化被膜処理、熱水酸化処理、薬品処理および着
色処理等、または、砂目立て等の乱反射処理等を行うこ
とができる。
【0059】本発明においては、導電性支持体と感光層
の間に下引き層を設けることが好ましい。この下引き層
は、感光層の帯電時において導電性支持体から感光層へ
の電荷の注入を阻止するとともに、感光層を導電性支持
体に対して一体的に接着保持させる接着層としての作
用、あるいは、場合によっては導電性支持体の光の反射
光防止作用等を示す。
【0060】下引き層に用いる結着樹脂としては、以下
のものをあげることができる。ポリアミド樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレ
タン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコー
ル樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース、
カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スター
チアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド、ジルコニウムキレート化合物、チタニルキ
レート化合物、チタニルアルコキシド化合物、有機チタ
ニル化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用
いることができる。これらの材料は単独で、あるいは2
種以上混合して用いることができる。さらに、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウ
ム、チタン酸バリウム、シリコーン樹脂等の微粒子を混
合することができる。
【0061】下引き層を形成する際の塗布方法として
は、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティン
グ法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、
ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、
カーテンコーティング法等の通常の方法が採用される。
下引き層の膜厚は、0.01〜10μm、好ましくは
0.05〜2μmの範囲に設定される。
【0062】電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着に
より形成するか、あるいは有機溶剤中の結着樹脂に電荷
発生材料を分散し塗布することにより形成することがで
きる。本発明において使用される電荷発生材料として
は、非晶質セレン、結晶性セレン−テルル合金、セレン
−ヒ素合金、その他セレン化合物およびセレン合金、粒
状セレン、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電性材
料、フタロシアニン系、スクアリウム系、アントアント
ロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレ
ン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の有機顔料お
よび染料が用いられる。
【0063】これらの中でも、フタロシアニン顔料、特
に無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ガ
リウムフタロシアニンを用いた電子写真感光体は、近赤
外線の半導体レーザー波長(780〜830nm)に対
して感度が高く、長期にわたって安定な電気特性を示す
ので、好ましい。具体的には、CuKαによるX線回折
スペクトルのブラック角度(2θ±0.2°)におい
て、少なくとも6.8°、12.8°、15.8°およ
び26.0°に強い回折ピークを有するガリウムフタロ
シアニン、CuKαによるX線回折スペクトルのブラッ
ク角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.5
°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、
25.1°、および28.3°に強い回折ピークを有す
るヒドロキシガリウムフタロシアニン(図5参照)、C
uKαによるX線回折スペクトルのブラック角度(2θ
±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6
°、25.5°および28.3°に強い回折ピークを有
するクロロガリウムフタロシアニンを好ましいものとし
てあげることができる。
【0064】また、可視光波長領域においては、アント
アントロン系顔料が長期にわたって安定な電気特性を示
し、粒状セレン、特に粒状三方晶セレンにおいては長期
にわたって安定な電気特性を示す他に、さらに高感度の
特性を示す。
【0065】電荷発生層における結着樹脂としては、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、
ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で
変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂
等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル樹脂、変性エーテル型ポリエステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹
脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹
脂、ポリビニルアントラセラン樹脂、ポリビニルピレン
樹脂等があげられる。
【0066】これらのなかで、特にポリビニルアセター
ル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、フェノ
キシ樹脂および変性エーテル型ポリエステル樹脂が、前
記フタロシアニン系あるいはアントアントロン系顔料お
よび粒状三方晶セレンをよく分散させ、顔料が凝集せず
長期にわたり分散塗工液が安定である。したがって、そ
の塗工液を用いることにより、均一な被膜を形成し、そ
の結果、電気特性をよくし画質欠陥を少なくすることが
できる。しかしながら、通常の状態で被膜を形成し得る
樹脂であれば、これらに限定されるものではない。これ
らの結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いる
ことができる。また、結着樹脂を用いる場合、電荷発生
材料と結着樹脂との配合は、体積比で、5:1〜1:2
の範囲が好ましい。
【0067】塗工液を調製する際に用いられる溶剤とし
ては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n
−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソル
ブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、酢酸メチル、
酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メ
チレンクロライド、クロロホルム等の通常使用される有
機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることがで
きる。
【0068】塗工液の塗布方法としては、ブレードコー
ティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコ
ーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティン
グ法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティ
ング法等の通常使用される方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、一般に0.01〜5μm、好まし
くは0.1〜2.0μmの範囲に設定される。膜厚が
0.01μmよりも薄いと、電荷発生層を均一に形成す
ることが困難になり、5μmを越えると電子写真特性が
著しく低下する。
【0069】さらに必要に応じて、電荷発生層の上に上
記のようにして形成された電荷輸送層の上に、さらに表
面保護層を設けてもよい。この表面保護層は、積層構造
からなる感光層の帯電時の電荷輸送層の化学的変質を防
止するとともに、感光層の機械的強度を改善する作用を
する。
【0070】この表面保護層は、導電性材料を適当な結
着樹脂中に含有させて構成される。導電性材料として
は、N,N′−ジメチルフェロセン等のメタロセン化合
物、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチ
ルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−
ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化アンチモン、酸
化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ−酸化
アンチモン等の金属酸化物等の材料を用いることができ
るが、これらに限定されるものではない。また、この表
面保護層に用いる結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケ
トン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂
等、公知の樹脂を用いることができる。さらに、高分子
電荷輸送材料を含有させた表面保護層を電荷輸送層上に
も設けることができる。
【0071】表面保護層は、その電気抵抗が109 〜1
14Ω・cmの範囲になるように構成するのが好まし
い。電気抵抗が1014Ω・cmよりも高くなると、残留
電位が上昇し、カブリの多い複写物となってしまい、ま
た109 Ω・cmよりも低くなると、画像のボケ、解像
力の低下が生じる。また、表面保護層は、像露光に用い
られる光の透過を実質上妨げないように構成されなけれ
ばならない。本発明で用いるれ表面保護層の膜厚は、
0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmの範囲に設
定される。
【0072】塗布方法としては、ブレードコーティング
法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティン
グ法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等
の通常の方法を用いることができる。
【0073】次に、本発明の画像形成装置について説明
する。図6は、本発明の画像形成装置の1例であって、
概略の構成を示す図である。図中、10は感光体であっ
て、接触帯電方式の接触帯電用部材11が設けられてい
る。帯電用部材11には、電源12から電圧が供給され
るようになっている。感光体の周囲には、露光装置1
3、現像装置14、転写装置15、クリーニング装置1
6および除電器17が設けられている。なお、18は定
着装置である。
【0074】本発明において、接触帯電を行うための導
電性部材の形状は、ブラシ状、ブレード状、ピン電極
状、あるいはローラー状等いずれでもよく、なかでもロ
ーラー状部材を用いることが好ましい。通常ローラー状
部材は、外側から抵抗層とそれらを支持する弾性層と芯
材から構成される。さらに必要に応じて抵抗層の外側に
保護層を設けることができる。
【0075】芯材の材質としては、導電性を有するもの
が使用され、一般には、鉄、銅、真鍮、ステンレス鋼、
アルミニウム、ニッケル等が用いられる。その他、導電
性粒子等を分散した樹脂成形品等を用いることもでき
る。
【0076】弾性層の材質としては、導電性或いは半導
電性を有するものが使用され、一般にはゴム剤に導電性
粒子或いは半導電性粒子を分散したものが使用される。
ゴム剤としては、EPDM、ポリブタジエン、天然ゴ
ム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコ
ーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、S
BS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネゴム、フロロ
シリコーンゴム、エチレンオキシドゴム等が用いられ
る。導電性粒子或いは半導電性粒子としては、カーボン
ブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、ク
ロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al2 3 、Sn
2 −Sb2 3 、In2 3 −SnO2 、ZnO−T
iO2 、MgO−Al2 3 、FeO−TiO2 、Ti
2 、SnO2 、Sb2 3 、In2 3 、ZnO、M
gO等の金属酸化物を用いることができ、これらの材料
は単独あるいは2種以上混合して用いてもよく、2種以
上の場合は一方が微粒子状でもよく、微粒子はフッ素系
樹脂の微粒子を用いることができる。
【0077】抵抗層および保護層の材質としては、結着
樹脂に導電性粒子或いは半導電性粒子を分散させ、その
抵抗を制御したもので、抵抗率としては、103 〜10
14Ω・cm、好ましくは105 〜1012Ω・cm、さら
に好ましくは107 〜1012Ω・cmの範囲のものが使
用される。また、膜厚としては、0.01〜1000μ
m、好ましくは0.1〜500μm、さらに好ましく
は、0.5〜100μmの範囲である。
【0078】結着樹脂としては、アクリル樹脂、セルロ
ース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロ
ン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオ
フェン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等
のポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−
ブタジエン樹脂等が用いられる。導電性粒子或いは半導
電性粒子としては、弾性層と同様のカーボンブラック、
金属、金属酸化物が用いられる。また、必要に応じて、
ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止
剤、クレー、カリオン等の充填剤、シリコーンオイル等
の潤滑剤を添加することができる。
【0079】これらの層を形成する手段としては、ブレ
ードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ス
プレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコ
ーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテン
コーティング法、真空蒸着法、プラズマコーティング法
等を用いることができる。
【0080】上記の導電性部材を用いて電子写真感光体
を帯電させるには、導電性部材に電圧を印加して接触さ
れるが、直流電圧のみでは均一な帯電を得ることが難し
いので、印加電圧は直流電圧に交流電圧を重畳したもの
が好ましい。電圧の範囲としては、直流電圧は正または
負の50〜2000Vが好ましく、特に100〜150
0Vの範囲が好ましい。重畳する交流電圧としてはピー
ク間電圧が200〜2000V、好ましくは400〜1
600V、特に800〜1600Vの範囲が好ましい。
このピーク間電圧1800Vを越えると、交流電圧を重
畳しない場合より均一な帯電が得られなくなる。交流電
圧の周波数は50〜2000Hzが好ましい。
【0081】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。 実施例1 アルミニウム基体上に、ジルコニウム化合物(オルガチ
ックスZC540、マツモト製薬社製)10部およびシ
ラン化合物(A1110、日本ユニカー社製)1部とi
−プロパノール40部およびブタノール20部からなる
溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃において
10分間加熱乾燥して膜厚0.1μmの下引き層を形成
した。次に電荷発生材料として、図5に示すX線回折ス
ペクトルを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを
1部、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体(VMCH、ユニオンカーバイド社製)1部およびク
ロロベンゼン100部の混合物をガラスビーズとともに
サンドミルで1時間分散処理し、得られた塗布液を上記
下引き層上に浸漬コーティング法で塗布し、100℃に
おいて10分間加熱乾燥して、膜厚0.25μmの電荷
発生層を形成した。
【0082】次に前記構造式(III )で示される繰り返
し構造単位よりなるポリカーボネート(粘度平均分子量
40,000)の12部と、電荷輸送材料として前記化
合物(I−28)で示されるトリアリールアミン系化合
物8部とを、モノクロロベンゼン100部に溶解し、得
られた塗布液を上記の電荷発生層上に浸漬塗布し、11
5℃において30分間乾燥して、膜厚約10μmの電荷
輸送層を形成し、さらにその上に、上記と同一の塗布液
を用いて浸漬塗布し、115℃において60分間加熱乾
燥して、最終の膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0083】次に芯材として、直径6mmのステンレス
棒を用い、弾性層として抵抗106Ω・cmの導電性E
PDMゴムを用い、抵抗層として、109 Ω・cmのエ
ピクロルヒドリンゴムを用いて、直径12mmの導電性
ロールを作製した。
【0084】上記のようにして得られた電子写真感光体
の断面観察を行い、電荷輸送層中の欠陥の重なりの数の
確認した。また、同様にして同時に作製した別の電子写
真感光体と上記の導電性ロールを、レーザービームプリ
ンターの現像機位置に表面電位計(Trek社製)を装
着した試験装置(XP−15改造機、富士ゼロックス社
製)に装着した。導電性ロールに直流電圧:−600
V、交流電圧:1500V(ピーク間電圧、周波数:1
kHz)を重畳して印加し、画像形成を行って、初期の
画質を評価し、さらに複写を10万回繰り返して行い、
その画質を評価した。それらの結果および電荷輸送層中
の欠陥の重なりの状態を表21に示す。
【0085】比較例1 実施例1における電荷輸送層を1回の浸漬塗布によっ
て、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した以外は、実施
例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の試験
を行った。その結果および電荷輸送層中の欠陥の重なり
の状態を表21に示す。
【0086】実施例2 実施例1における電荷輸送層の作製に際して、前記構造
式(V)で示される繰り返し構造単位よりなるポリカー
ボネート(粘度平均分子量38,000)12部と、電
荷輸送材料として、前記化合物(I−28)で示される
トリアルリールアミン系化合物8部とを、モノクロロベ
ンゼン100部に溶解し、得られた塗布液を用いて前記
の電荷発生層上に浸漬塗布し、115℃において30分
間乾燥して、膜厚10μmの電荷輸送層を形成し、さら
にその上に同一の塗布液を用いてスプレー塗布し、11
5℃において60分間加熱乾燥して、最終の膜厚20μ
mの電荷輸送層を形成した以外は、実施例1と同様にし
て電子写真感光体を作製し、同様の試験を行った。その
結果および電荷輸送層中の欠陥の重なりの状態を表21
に示す。
【0087】比較例2 実施例2における電荷輸送層の作製に際して、1回の浸
漬塗布で膜厚20μmの電荷輸送層を形成した以外は、
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の
試験を行った。その結果および電荷輸送層中の欠陥の重
なりの状態を表21に示す。
【0088】実施例3 実施例1における電荷輸送層の作製に際して、電荷輸送
性高分子化合物として例示化合物No.7(重量平均分
子量95,000)20部をモノクロロベンゼン80部
に溶解し、得られた塗布液を用いて前記の電荷発生層上
に浸漬塗布し、115℃において30分間指触乾燥して
膜厚5μmの電荷輸送層を形成し、さらにその上に同一
の塗布液を用いて浸漬塗布し、115℃において60分
間加熱乾燥して、最終の膜厚20μmの電荷輸送層を形
成した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体
を作製し、同様の試験を行った。その結果および電荷輸
送層中の欠陥の重なりの状態を表21に示す。
【0089】比較例3 実施例3における電荷輸送層の作製に際して、1回の浸
漬塗布で膜厚20μmの電荷輸送層を形成した以外は、
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の
試験を行った。その結果および電荷輸送層中の欠陥の重
なりの状態を表21に示す。
【0090】実施例4 実施例1における電荷輸送層の塗布液を用いて、前記電
荷発生層上に浸漬塗布し、115℃において30分間乾
燥して、膜厚約10μmの最初の電荷輸送層を形成し、
さらにその上に実施例3における電荷輸送層の塗布液を
用いてスプレー塗布し、115℃において60分間加熱
乾燥して、最終の膜厚20μmの電荷輸送層を形成した
以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
し、同様の試験を行った。その結果および電荷輸送層中
の欠陥の重なりの状態を表21に示す。
【0091】実施例5 実施例3における電荷輸送層上に、シリコーンハードコ
ート剤(KP−85、信越シリコーン社製)を用いて塗
布し、150℃において10分間加熱乾燥して、膜厚約
0.1μmの表面保護層を形成した以外は、実施例1と
同様にして電子写真感光体を作製し、同様の試験を行っ
た。その結果および電荷輸送層中の欠陥の重なりの状態
を表21に示す。
【0092】比較例4 実施例1におけるドラム状アルミニウム基体を硫酸電解
液中で陽極酸化を行い、平均膜厚7μmの陽極酸化皮膜
を形成し、その後、封孔処理を行った基体を用いた以外
は、比較例2と同様にして電子写真感光体を作製し、同
様の試験を行った。その結果を表21に示す。
【0093】
【表21】
【0094】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体において、電荷
輸送層は複数回の塗布操作によって形成されるものであ
って、欠陥の重なりが膜厚25μm当り3個以下である
ので、接触帯電を用いた画像形成装置においても画質欠
陥を発生することなく、電子写真特性も低下せず、高耐
久性を有していて、優れた画質のコピー画像を長期間に
わたって得ることができる。また、本発明の電子写真感
光体は、上記の比較からも明らかなように、優れた繰り
返し安定性を維持して、かつ高耐刷性を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【図2】 本発明の電子写真感光体の他の一例の模式的
断面図である。
【図3】 本発明の電子写真感光体の他の一例の模式的
断面図である。
【図4】 本発明の電子写真感光体の他の他の一例の模
式的断面図である。
【図5】 実施例に使用したヒドロキシガリウムフタロ
シアニンの(CuKαを使用した)粉末X線回折スペク
トル図である。
【図6】 本発明の画像形成装置の1例の概略の構成図
である。
【符号の説明】
1…電荷輸送層、2…下引き層、3…導電性支持体、4
…電荷発生層、5…表面保護層、10…感光体、11…
接触帯電用部材、12…電源、13…露光装置、14…
現像装置、15…転写装置、16…クリーニング装置、
17…除電器、18…定着装置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に電荷発生層および電荷
    輸送層を順次設けた接触帯電法により帯電させる電子写
    真感光体において、該電荷輸送層における欠陥の膜厚方
    向の重なりが、膜厚25μm当り3個以下であることを
    特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に電荷発生層を形成した
    後、電荷輸送層形成用塗布液を複数回塗布することを特
    徴とする請求項1の記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 電子写真感光体と、該電子写真感光体の
    表面を接触帯電させるための接触帯電手段と、現像によ
    り可視像を形成する現像手段を有する画像形成装置にお
    いて、電子写真感光体が、導電性支持体上に電荷発生層
    および電荷輸送層を順次設けたものであって、該電荷輸
    送層における欠陥の膜方向の重なりが、膜厚25μm当
    り3個以下であることを特徴とする画像形成装置。
JP16166296A 1996-06-21 1996-06-21 電子写真感光体、その製造方法およびそれを用いた画像形成装置 Pending JPH1010761A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16166296A JPH1010761A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 電子写真感光体、その製造方法およびそれを用いた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16166296A JPH1010761A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 電子写真感光体、その製造方法およびそれを用いた画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1010761A true JPH1010761A (ja) 1998-01-16

Family

ID=15739455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16166296A Pending JPH1010761A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 電子写真感光体、その製造方法およびそれを用いた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1010761A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11327180A (ja) * 1998-05-19 1999-11-26 Ricoh Co Ltd 電子写真用感光体
JP2001109176A (ja) * 1999-09-29 2001-04-20 Xerox Corp 電子写真画像形成部材の製造方法
US7803507B2 (en) 2003-02-07 2010-09-28 Sharp Kabushiki Kaisha Electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus including the same

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11327180A (ja) * 1998-05-19 1999-11-26 Ricoh Co Ltd 電子写真用感光体
JP2001109176A (ja) * 1999-09-29 2001-04-20 Xerox Corp 電子写真画像形成部材の製造方法
EP1089130B1 (en) * 1999-09-29 2012-04-18 Xerox Corporation Process for fabricating an electrophotographic imaging member
US7803507B2 (en) 2003-02-07 2010-09-28 Sharp Kabushiki Kaisha Electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus including the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3456565B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP3897879B2 (ja) 電子写真感光体およびそれを用いた電子写真画像形成装置
JPH0830915B2 (ja) 帯電部材、それを用いた帯電装置および電子写真装置
JP2001249478A (ja) 画像形成装置、プロセスカートリッジ、及びそれらの再生方法
JP4640042B2 (ja) 画像形成装置
JPH07199503A (ja) 画像形成方法
JP3570140B2 (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、画像形成方法
JP3314702B2 (ja) 電子写真感光体、および画像形成装置
JPH07244419A (ja) 電子写真法
JP3551582B2 (ja) 電子写真用感光体
JP2000214602A (ja) 画像形成装置
JP4019809B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JPH09236938A (ja) 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置
JP2004348092A (ja) 電子写真感光体及びこれを用いたカラー画像形成装置
JPH1010761A (ja) 電子写真感光体、その製造方法およびそれを用いた画像形成装置
JP3826639B2 (ja) 電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成装置
JP2014153433A (ja) 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JPH0943883A (ja) 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置
JP3584565B2 (ja) 電子デバイスおよび画像形成装置
JP2008040241A (ja) 帯電ロール、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2002082464A (ja) 画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP4045944B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2013011885A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置および積層膜
JP2008040242A (ja) 帯電ロール、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JPH07225486A (ja) 画像形成装置