JPH10107384A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子

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JPH10107384A
JPH10107384A JP26191996A JP26191996A JPH10107384A JP H10107384 A JPH10107384 A JP H10107384A JP 26191996 A JP26191996 A JP 26191996A JP 26191996 A JP26191996 A JP 26191996A JP H10107384 A JPH10107384 A JP H10107384A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化物基板の上に成長された窒化物半導体よ
りなる発光チップが、ヒートシンク、リードフレームの
ような支持体にフェースアップでダイボンディングされ
た発光素子を実現するに際し、チップの接着性が大き
く、かつ放熱性の高い発光素子を提供する。 【構成】 第1の主面と第2の主面とを有する酸化物基
板の第1の主面側に窒化物半導体が成長され、第2の主
面側に電気陰性度が2.0未満の金属を含む第1の薄膜
が形成された発光チップが、第1の薄膜と支持体表面と
が対向した状態で、導電性の接着剤を介して、支持体に
ダイボンディングされていることにより、発光チップが
強固に接着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はLED、LD等の発光デ
バイスに使用される窒化物半導体(InXAlYGa
1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなる発光素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化物半導体よりなる光度1cd以上の
高輝度な青色、純緑色LEDは、最近実用化され、現在
本出願人により、製造、販売されて公知となっている。
それらのLEDは単一量子井戸構造のInGaNよりな
る活性層をAlGaN及び/又はGaNで挟んだp−n
接合を有するダブルへテロ構造を有し、窒化物半導体は
サファイア基板上に成長されている。サファイア基板に
成長された窒化物半導体発光チップはフェースアップ
(基板と支持体とが対向した状態)で、リードフレーム
のような支持体にダイボンディングされている。ダイボ
ンディング時の接着剤としては、例えば特開平7−86
640号公報に記載されているように、有機物を含む透
明な絶縁性の接着剤が使用されている。
【0003】一方、窒化物半導体よりなるLD(レーザ
ダイオード)については、また本出願人が世界で初め
て、410nmの室温でのパルス発振を報告した。(例
えば、日経エレクトロニクス 1996.1.15 (No.653) p13
〜p15)。このレーザ素子もサファイア基板の上にIn
GaNを含む多重量子井戸構造よりなる活性層をAlG
aN、GaN等で挟んだダブルへテロ構造を有してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】透明な絶縁性の接着剤
でダイボンディングされたLEDは、接着剤自身が発光
を透過するために、LEDの外部量子効率を向上させる
上で非常に効果的である。しかし、有機物を含んでいる
ため、短波長による有機物の劣化と、長時間の使用によ
り接着剤が変色して外部量子効率を低下させる恐れがあ
る。また、基板と支持体との接着性が不十分であると、
ワイヤーボンディング時にチップが支持体から剥がれた
り、ずれたりする恐れがある。
【0005】一方、LDの場合はパルス発振には成功し
たが、発光チップがヒートシンクのような支持体にダイ
ボンディングされた完成体は未だ開発されていない。L
Dの場合、LEDと異なり、チップの発熱量が桁違いに
大きい。そのため、発光チップをダイボンディングする
には熱伝導性に優れた接着剤を選択する必要がある。さ
らに、ワイヤーボンディング時に発光チップが支持体か
ら一部剥がれたり、ずれたりすると、接着剤と基板、若
しくは接着剤と支持体との間に空隙が存在し、密着性が
悪くなる。密着性が悪くなると、発光チップの発熱が十
分にヒートシンクに伝わらなくなるので、発振閾値が上
昇したり、発光チップの寿命を極端に短くする。
【0006】従って本発明の目的とするところは、酸化
物基板の上に成長された窒化物半導体よりなる発光チッ
プが、ヒートシンク、リードフレームのような支持体に
フェースアップでダイボンディングされた発光素子を実
現するに際し、チップの接着性が大きく、かつ放熱性の
高い発光素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】我々は窒化物半導体より
なる発光チップの基板側に数々の金属薄膜を形成して、
ダイボンディングすると接着強度が増大することを発見
し、さらに接着強度が強い金属のみを列挙してみたとこ
ろ、ある特定の金属元素に接着強度を増大させる傾向が
あることを見いだし、本発明をなすに至った。即ち、本
発明の窒化物半導体発光素子は、第1の主面と第2の主
面とを有する酸化物基板の第1の主面側に窒化物半導体
が成長され、第2の主面側に電気陰性度が2.0未満の
金属を含む第1の薄膜が形成された発光チップが、第1
の薄膜と支持体表面とが対向した状態で、導電性の接着
剤を介して、支持体にダイボンディングされてなること
を特徴とする。なお電気陰性度はポーリング(L.Paulin
g)の値による。
【0008】また、本発明の発光素子は、第1の薄膜が
Ti、Cr、Ni、Zr、Moよりなる群から選択され
た少なくとも一種の金属を含むことを特徴とする。
【0009】さらに、本発明の発光素子は導電性接着剤
がSi、Ge、Snよりなる群から選択された少なくと
も一種の金属と、Auとを含むことを特徴とし、例えば
Au−Si、Au−Sn、Au−Ge等の導電性接着剤
を使用する。
【0010】さらにまた、本発明の発光素子は、前記接
着剤と、第1の薄膜との間にAuよりも高融点を有する
金属よりなる第2の薄膜が形成されていることを特徴と
する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る発光素子の一
構造を示す模式的な断面図であり、具体的には、レーザ
光の共振方向に垂直な方向で切断したレーザ素子の構造
を示している。発光チップの基本的な構造としては、酸
化物基板1の第1の主面上にn型層2、活性層3、p型
層4が順に積層されたダブルへテロ構造を有しており、
さらにp型層から上をリッジ形状として、発光がp電極
11の下に相当する活性層3に集中するようにされてい
る。発光チップはフェースアップの状態で支持体30で
あるヒートシンク若しくはサブマウントに、導電性接着
剤23を介してダイボンディングされており、酸化物基
板1の第2の主面側には導電性接着剤23との接着性を
高める目的で、特定の金属よりなる第1の薄膜21が形
成されている。なおn電極10と、p電極11に電気的
に接続されたパッド電極12とは、それぞれ金線(図で
はワイヤーと記載する。)でワイヤーボンディングされ
ている。
【0012】また基板1が酸化物基板であるので、基板
裏面(第2の主面)側にn電極を形成することができな
い。従って第1の主面側にある窒化物半導体層をエッチ
ングして、同一面側にn電極10と、p電極11とを取
り出した構造としている。同一面側にn電極10、p電
極11が形成された窒化物半導体レーザ素子では、この
図に示すように、レーザ光の共振方向に対して、ほぼ左
右対称にエッチングを行い、そのエッチング面にn電極
10を左右対称に2ヶ所設けることにより、閾値電流が
低下する傾向にある。さらに、エッチングされて露出し
たn型層2のほぼ全面にn電極10を設けると閾値電圧
も低下する傾向にある。
【0013】さらに、p電極11に電気的に接続し、p
電極よりも表面積が大きいワイヤーボンディング用のパ
ッド電極12を形成している。パッド電極12はエッチ
ングにより露出された窒化物半導体層の表面に形成され
た絶縁膜13を介して形成する。p電極11はその表面
積がワイヤーボンドできるほど大きくない。従って、p
電極11と電気的に接続したパッド電極12を設けるこ
とにより、p電極にワイヤーボンディングできるように
している。なお、p電極11は最上層のp型層4にオー
ミック接触する必要があるため、その材料が限定される
が、パッド電極12はp電極11と強固に接着できて、
導電性の良好な材料であればどのような材料でもよい。
また、絶縁膜13は例えばSiO2、TiO2、Al
23、ポリイミドのような絶縁性の材料で形成すること
ができ、例えば100オングストローム〜5μm以下の
膜厚で、n電極10、p電極11を形成すべき窒化物半
導体層の表面を除いたほぼ全面に形成する。絶縁膜13
はパッド電極12がn型層2に接触してショートするの
を防止すると共に、発光チップ表面に傷が入って素子を
ダメにするのを防止する作用がある。
【0014】次に本発明の重要な点である酸化物基板
と、第1の薄膜との関係について述べる。本発明の発光
素子では基板に酸化物が用いられる。酸化物基板にはサ
ファイア(Al23)、スピネル(MgAl24)、酸
化亜鉛(ZnO)、マグネシア(MgO)等の単結晶を
用いることができるが、一般的にはサファイア若しくは
スピネルを用いる。
【0015】次に酸化物基板の第2の主面側に形成する
第1の薄膜21は、電気陰性度が2.0未満の金属で、
空気中で安定な金属であればよく、例えばAl=1.
5、Ti=1.5、Zr=1.4、Cr=1.6、Ni
=1.8、Mo=1.8、W=1.7、Ge=1.8、
Si=1.8、Sn=1.8、Zn=1.6、Cu=
1.9、Mn=1.5、V=1.6、Nb=1.6のよ
うに、アルカリ金属を除く金属で、融点が200℃以上
の金属を使用することができ、その中でも最も好ましく
はTi、Cr、Ni、Zr、Moよりなる群から選択さ
れた少なくとも一種の金属を第1の薄膜21とする。第
1の薄膜21は、蒸着、スパッタ等の通常のCVD装置
を用いて、通常50オングストローム〜10μmの膜厚
で形成できる。この第1の薄膜を形成することにより、
酸化物基板1と導電性接着剤23との接着性が良くな
り、さらに熱伝導性も向上する。
【0016】さらに、第1の薄膜21と支持体30とを
接続する導電性接着剤23は金属を含んだ熱伝導性に優
れた接着剤を使用でき、例えば銀ペースト、Inペース
ト、Ptペースト、Pb−Sn半田、その他金属系接着
剤があるが、その中でも特にSi、Ge、Snよりなる
群から選択された少なくとも一種の金属と、Auとを含
む導電性接着剤、具体的にはAu−Si、Au−Ge、
Au−Sn等を用いる。これら具体的接着剤の各金属の
組成比は特に規定しないが、通常はSi、Ge、Snよ
りもAuを多く含む方が、より強い接着力と高い熱伝導
性が得られる。なお、導電性接着剤23は発光チップを
ダイボンディングする際に、50オングストローム〜1
0μm程度の薄膜の状態で、予め第1の薄膜21の表面
に形成することもできるし、また支持体側に形成するこ
ともできる。
【0017】図2は本発明のレーザ素子に係る他の態様
を示す模式的な断面図であり、図1と同様に、レーザ素
子をレーザ光の共振方向に垂直な方向で切断した際の断
面を示しており、図1と同一符号は同一部材を示してい
る。この素子が図1の素子と異なる点は、第1の薄膜の
上に、Auよりも高融点を有する金属よりなる第2の薄
膜22を形成していることにある。この第2の薄膜22
の作用は、ダイボンディング時の加熱により、導電性接
着剤23が第1の薄膜21に混入してきて合金化し、第
1の薄膜を変質させるのを防止する作用がある。つま
り、第2の薄膜22は第1の薄膜21と導電性接着剤2
3との間のバリア層として作用し、接着力が低下するの
を防止する作用がある。第2の薄膜の材料としては例え
ばPt、Ti、Ni等を好ましく用いることができる。
また第2の薄膜の膜厚も特に限定するものではなく、第
1の薄膜とほぼ同じ膜厚か、それよりも厚くすることが
望ましい。
【0018】本発明の発光素子において、酸化物基板の
第2の主面にAl、Ti、Zr、Cr、Ni、Mo、
W、Ge、Si、Sn、Zn、Cu、Mn、V、Nb等
の電気陰性度が2.0未満の金属薄膜を形成すると接着
力が向上するのかは定かではないが、他の2.0以上の
金属薄膜を形成した場合と明らかに差がある。この原因
は次のようなことが考えられる。発光チップをダイボン
ディングする際に導電性接着剤が数百℃に加熱される。
加熱時、熱は発光チップに形成された第1の薄膜、第2
の薄膜に伝わって、導電性接着剤に含まれる金属と、第
1の薄膜、第2の薄膜に含まれる金属とが一部、合金
化、若しくは共晶化する。この際に、酸化物基板の材料
と、第1の薄膜と、導電性接着剤との金属材料の組み合
わせで、何らかの物理的接着力、あるいは化学的接着力
が強まるのではないかと推察される。
【0019】
【実施例】
[実施例1]2インチφのサファイア基板C面(000
1)の上に、n型GaNよりなるn型コンタクト層と、
n型AlGaNよりなるn型光閉じこめ層と、n型Al
GaNよりなる光ガイド層と、InGaNよりなる活性
層と、p型AlGaNよりなる光ガイド層と、p型Al
GaNよりなるp型光閉じこめ層と、p型GaNよりな
るp型コンタクト層とが積層されたレーザウェーハを用
意する。窒化物半導体の積層構造は単にレーザ発振する
ための一例を示したものであって、この構造に限定され
るものではない。
【0020】次に、このウェーハの窒化物半導体の最上
層に、所定の形状のマスクを形成した後、SiCl4
ス、Cl2ガスを用いてRIE(反応性イオンエッチン
グ)を行い、図1に示すような形状でn電極を形成すべ
きn型コンタクト層を露出させる。n型コンタクト層露
出後、マスクを形成し、再度エッチングを行い。p型コ
ンタクト層、p型クラッド層の一部をエッチングし、図
1に示すように、p型クラッド層から上をリッジ形状と
する。これらのエッチングにより、図1に示すように、
リッジ形状のストライプに対して左右対称なn型コンタ
クト層が露出される。
【0021】n型コンタクト層露出後、最上層のp型コ
ンタクト層と、n電極を形成すべきn型コンタクト層の
表面を除く、窒化物半導体層の表面にSiO2よりなる
絶縁膜をCVD法を用いて1μmの膜厚で形成する。絶
縁膜形成後、最上層のp型コンタクト層のほぼ全面に2
μmのストライプ状のNi−Auよりなるp電極を形成
し、n型コンタクト層のほぼ全面にストライプ状のTi
−Alよりなるn電極を形成する。そして、p電極の上
には同じくNi−Auよりなるパッド電極を図1に示す
ように絶縁膜を介して形成する。
【0022】電極形成後、サファイア基板を80μmの
厚さまでラッピングと、ポリシングして研磨した後、そ
のポリシング面にCVD法を用いて、Tiよりなる第1
の薄膜を0.1μmの膜厚で形成する。
【0023】続いてTiよりなる第1の薄膜の上に、A
u−Sn(70%−30%)よりなる導電性接着剤層を
0.5μmの膜厚で形成する。
【0024】導電性接着剤層形成後、基板を強制的に劈
開して、窒化物半導体の
【外1】 面に相当する面に共振面を作成し、バー状のレーザチッ
プを作製する。なお外1面とは窒化物半導体を六方晶系
で近似した際に表される六角柱の側面(四角形の面、M
面)に相当する面である。
【0025】次にバー状のレーザチップの共振面側に、
プラズマCVD装置を用いて、SiO2とTiO2よりな
る誘電体多層膜を形成して反射鏡を形成し、バー状のレ
ーザチップを今度はn電極に平行な位置でスクライブに
より分割して、350×500μm角の矩形のレーザチ
ップを得る。
【0026】以上のようにして得られたレーザチップ
を、400℃に加熱したヒートシンクにフェースアップ
の状態でダイボンダーを用いてダイボンドする。ヒート
シンクにダイボンドされたレーザ素子を数千個作製し、
その中から1000個をランダムに抜き取り、さらにn
電極とp電極とをそれぞれ金線でワイヤーボンディング
する。ワイヤーボンディング工程中、若しくはワイヤー
ボンディング後にレーザチップがヒートシンクから剥が
れたり、浮いたりしたものを取り除いたところ、歩留は
99%以上あり、非常に強固にレーザ素子がダイボンド
されていることが判明した。さらに、このレーザ素子を
直流電流で発振させたところ、410nmのレーザ発振
を示し、1時間以上の寿命であった。
【0027】[実施例2]実施例1において、Tiより
なる第1の薄膜の上に、Ptよりなる第2の薄膜を0.
2μmの膜厚で形成し、その第2の薄膜の上にAu−S
iよりなる導電性接着剤層を同様に形成する。その他は
実施例1と同様にしてレーザチップをダイボンドした
後、電極をワイヤーボンドしたところ、歩留は99.5
%以上であり、レーザチップがヒートシンクから剥がれ
たものは発見されなかった。さらにレーザ素子の寿命も
実施例1とほぼ同等の寿命であった。
【0028】[実施例3]実施例1において、基板にス
ピネル基板を用い、スピネル基板の第1の主面に窒化物
半導体を成長させ、成長後、研磨したスピネル基板の第
2の主面側にCrよりなる第1の薄膜を0.1μmの膜
厚で形成し、そのCrよりなる第1の薄膜の上にAu−
Ge(70%−30%)よりなる導電性接着剤層を同じ
く0.5μmの膜厚で形成する他は同様にしてレーザチ
ップを得て、ワイヤーボンディングを行ったところ、同
じく歩留は99%以上であり、レーザ素子の寿命も実施
例1のものとほぼ同等であった。
【0029】[実施例4]実施例3において、Crより
なる第1の薄膜の上に、Wよりなる第2の薄膜を0.2
μmの膜厚で形成し、その第2の薄膜の上にAu−Si
よりなる導電性接着剤層を同様に形成する。その他は実
施例1と同様にしてレーザチップをダイボンドした後、
電極をワイヤーボンドしたところ、歩留は99.5%以
上であり、レーザチップがヒートシンクから剥がれたも
のは発見されなかった。さらにレーザ素子の寿命も実施
例1とほぼ同等の寿命であった。
【0030】[実施例5]実施例1において、基板にス
ピネル基板を用い、スピネル基板の第1の主面に窒化物
半導体を成長させ、成長後、研磨したスピネル基板の第
2の主面側にNiよりなる第1の薄膜を0.1μmの膜
厚で形成し、そのNiよりなる第1の薄膜の上にAu−
Si(70%−30%)よりなる導電性接着剤層を同じ
く0.5μmの膜厚で形成する他は同様にしてレーザチ
ップを得て、ワイヤーボンディングを行ったところ、同
じく歩留は99%以上であり、レーザ素子の寿命も実施
例1のものとほぼ同等であった。
【0031】[実施例6]実施例1において、研磨した
サファイア基板の第2の主面側にZrよりなる第1の薄
膜を0.1μmの膜厚で形成し、そのZrよりなる第1
の薄膜の上にAu−Sn(70%−30%)よりなる導
電性接着剤層を同じく0.5μmの膜厚で形成する他は
同様にしてレーザチップを得て、ワイヤーボンディング
を行ったところ、同じく歩留は99%以上であり、レー
ザ素子の寿命も実施例1のものとほぼ同等であった。
【0032】[実施例7]実施例1において、研磨した
サファイア基板の第2の主面側にMoよりなる第1の薄
膜を0.1μmの膜厚で形成し、Moよりなる第1の薄
膜の上にAu−Sn(70%−30%)よりなる導電性
接着剤層を同じく0.5μmの膜厚で形成する他は同様
にしてレーザチップを得て、ワイヤーボンディングを行
ったところ、同じく歩留は99%以上であり、レーザ素
子の寿命も実施例1のものとほぼ同等であった。
【0033】[実施例8〜16]実施例1において、研
磨したサファイア基板の第2の主面側に、それぞれAl
(例8)、W(例9)、Si(例10)、Sn(例1
1)、Zn(例12)、Cu(例13)、Mn(例1
4)、V(例15)、Nb(例16)よりなる第1の薄
膜を0.1μmの膜厚で形成し、その第1の薄膜の上に
Au−Sn(70%−30%)よりなる導電性接着剤層
を同じく0.5μmの膜厚で形成する他は同様にしてレ
ーザチップを得て、ワイヤーボンディングを行ったとこ
ろ、それぞれ歩留は実施例1に比較して93〜95%以
上とやや低下したが、レーザ素子の寿命は実施例1のも
のとほぼ同等であった。
【0034】[比較例1]実施例1において、研磨した
サファイア基板の第2の主面側にPd(電気陰性度=
2.2よりなる第1の薄膜を0.1μmの膜厚で形成
し、その第1の薄膜の上にAu−Sn(70%−30
%)よりなる導電性接着剤層を同じく0.5μmの膜厚
で形成する他は同様にしてレーザチップを得て、ワイヤ
ーボンディングを行ったところ、同じく歩留は85%に
低下した。
【0035】[比較例2]実施例1において、研磨した
サファイア基板の第2の主面側にPt(電気陰性度=
2.2よりなる第1の薄膜を0.1μmの膜厚で形成
し、その第1の薄膜の上に銀ペーストよりなる導電性接
着剤層を同じく0.5μmの膜厚で形成する他は同様に
してレーザチップを得て、ワイヤーボンディングを行っ
たところ、歩留は60%に低下した。
【0036】[比較例3]実施例1において、研磨した
サファイア基板の第2の主面側にAu(電気陰性度=
2.4)よりなる第1の薄膜を0.1μmの膜厚で形成
し、その第1の薄膜の上にAu−Geよりなる導電性接
着剤層を同じく0.5μmの膜厚で形成する他は同様に
してレーザチップを得て、ワイヤーボンディングを行っ
たところ、歩留は88%に低下した。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化物半
導体素子では、窒化物半導体層を形成していない基板側
に、特定の金属よりなる薄膜を形成し、この特定の金属
を形成した状態で、支持体に加熱しながらAu−Sn等
の導電性接着剤を介してボンディングすることにより、
発光チップの接着性が向上する。さらに、第1の薄膜の
上に高融点金属よりなる第2の薄膜を形成すると、バリ
ア効果が高まりさらに接着性が向上する。さらにまた、
本発明の発光素子ではボンディング材料がすべて金属を
含む熱伝導性のよい材料を使用しているために、特にレ
ーザ素子のような放熱性を要求される発光デバイスに使
用すると、素子の寿命を向上させる上でも非常に都合が
よい。以上、本発明の発光素子ではレーザ素子について
説明したが、本発明はレーザ素子だけではなく、LED
素子にも適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発光素子に係る一構造を示す模式断
面図。
【図2】 本発明の発光素子に係る他の構造を示す模式
断面図。
【符号の説明】 1・・・・酸化物基板 2・・・・n型層 3・・・・活性層 4・・・・p型層 10・・・・n電極 11・・・・p電極 12・・・・パッド電極 13・・・・絶縁膜 21・・・・第1の薄膜 22・・・・第2の薄膜 23・・・・導電性接着剤 30・・・・支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸岡 亜寿佳 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 (72)発明者 吉田 妃呂子 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の主面と第2の主面とを有する酸化
    物基板の第1の主面側に窒化物半導体が成長され、第2
    の主面側に電気陰性度が2.0未満の金属を含む第1の
    薄膜が形成された発光チップが、第1の薄膜と支持体表
    面とが対向した状態で、導電性の接着剤を介して、支持
    体にダイボンディングされてなることを特徴とする窒化
    物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記金属薄膜はTi、Cr、Ni、Z
    r、Moよりなる群から選択された少なくとも一種の金
    属を含むことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導
    体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記接着剤はSi、Ge、Snよりなる
    群から選択された少なくとも一種の金属と、Auとを含
    むことを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物半
    導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記接着剤と、第1の薄膜との間にAu
    よりも高融点を有する金属よりなる第2の薄膜が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至3の内のいずれ
    か1項に記載の窒化物半導体発光素子。
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