JPH1010593A - 有機非線形光学材料及び有機非線形光学素子 - Google Patents
有機非線形光学材料及び有機非線形光学素子Info
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- JPH1010593A JPH1010593A JP16209896A JP16209896A JPH1010593A JP H1010593 A JPH1010593 A JP H1010593A JP 16209896 A JP16209896 A JP 16209896A JP 16209896 A JP16209896 A JP 16209896A JP H1010593 A JPH1010593 A JP H1010593A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 紫外光変換が可能で、かつ非線形性が大きい
有機非線形光学材料を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で示されるシクロプロペノ
ン誘導体からなることを特徴とする有機非線形光学材料
である。非線形性が尿素の1〜15倍と大きく、かつ吸
収端の短い有機非線形光学材料が得られる。 【化1】
有機非線形光学材料を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で示されるシクロプロペノ
ン誘導体からなることを特徴とする有機非線形光学材料
である。非線形性が尿素の1〜15倍と大きく、かつ吸
収端の短い有機非線形光学材料が得られる。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報処理や光通
信などで用いられる有機非線形光学材料及び素子に関す
るものである。
信などで用いられる有機非線形光学材料及び素子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高調波発生、和周波発生、カー効果、ポ
ッケルス効果のようなさまざまな効果をうみだす非線形
光学現象を用いることにより、波長変換素子、光変調
器、光スイッチさらには、光論理ゲート・光トランジス
タ等の光コンピュータ実現のための基本素子等さまざま
な機能素子が可能となる。
ッケルス効果のようなさまざまな効果をうみだす非線形
光学現象を用いることにより、波長変換素子、光変調
器、光スイッチさらには、光論理ゲート・光トランジス
タ等の光コンピュータ実現のための基本素子等さまざま
な機能素子が可能となる。
【0003】従来、非線形光学材料は燐酸2水素カリウ
ム(KDP)・ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )・ヒ
化ガリウム(GaAs)等の無機材料及び半導体材料が
おもに開発されてきた。
ム(KDP)・ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )・ヒ
化ガリウム(GaAs)等の無機材料及び半導体材料が
おもに開発されてきた。
【0004】ところが近年、それらの材料に比べ、非線
形光学性能に優れ光応答速度が非常に速い有機材料が発
見され、以来有機材料を用いた有機非線形光学素子の開
発が活発に行われるようになった。
形光学性能に優れ光応答速度が非常に速い有機材料が発
見され、以来有機材料を用いた有機非線形光学素子の開
発が活発に行われるようになった。
【0005】このような有機非線形光学材料の例とし
て、パラニトロアニリン(pNA)、2−メチル−4−
ニトロアニリン(MNA)(エー・シー・エス シンポ
ジウムシリーズ(ACS Symposium Ser
ies),233,1(1983))や、4−(N,N
−ジメチルアミノ)−3−アセタミドニトロベンゼン
(DAN)(アプライド・フィジクス・レターズ(Ap
pl.Phys.Lett.),51(19),148
4(1987))等があげられる。
て、パラニトロアニリン(pNA)、2−メチル−4−
ニトロアニリン(MNA)(エー・シー・エス シンポ
ジウムシリーズ(ACS Symposium Ser
ies),233,1(1983))や、4−(N,N
−ジメチルアミノ)−3−アセタミドニトロベンゼン
(DAN)(アプライド・フィジクス・レターズ(Ap
pl.Phys.Lett.),51(19),148
4(1987))等があげられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、pNA
のような化合物は、分子としては大きな非線形性を有す
るが、結晶では分子間の双極子−双極子相互作用が大き
いため中心対称となり、第二次高調波発生(SHG)を
発現しない。
のような化合物は、分子としては大きな非線形性を有す
るが、結晶では分子間の双極子−双極子相互作用が大き
いため中心対称となり、第二次高調波発生(SHG)を
発現しない。
【0007】また、MNA,DAN等は非中心対称性の
結晶を形成し、かつ大きな非線形性を有するが、紫外・
可視吸収の吸収端がMNAでは530nm,DANでは4
80nmにあり、半導体レーザ光(λ=700nm〜100
0nm)を透過型で波長変換する場合には、化合物自身に
よる第二高調波の再吸収による変換効率の低下や化合物
劣化等が問題となる。より短波長での第2高調波発生を
目的とした化合物には、3,5−ジメチル−1−(4−
ニトロフェニル)ピラゾール(DMNP)(株式会社シ
ーエムシー発行「新・有機非線形光学材料I」第76〜
81頁(1991))が挙げられるが、DMNPの吸収
端は402nmであり、青色光変換用の材料としての利用
は可能であるが、紫外光変換には適していない。
結晶を形成し、かつ大きな非線形性を有するが、紫外・
可視吸収の吸収端がMNAでは530nm,DANでは4
80nmにあり、半導体レーザ光(λ=700nm〜100
0nm)を透過型で波長変換する場合には、化合物自身に
よる第二高調波の再吸収による変換効率の低下や化合物
劣化等が問題となる。より短波長での第2高調波発生を
目的とした化合物には、3,5−ジメチル−1−(4−
ニトロフェニル)ピラゾール(DMNP)(株式会社シ
ーエムシー発行「新・有機非線形光学材料I」第76〜
81頁(1991))が挙げられるが、DMNPの吸収
端は402nmであり、青色光変換用の材料としての利用
は可能であるが、紫外光変換には適していない。
【0008】本発明の目的は、以上のような問題を解決
し、結晶レベルにおいても大きな非線形性を有し、か
つ、紫外光領域での第二高調波波発生が可能となる有機
非線形光学材料を提供することにある。
し、結晶レベルにおいても大きな非線形性を有し、か
つ、紫外光領域での第二高調波波発生が可能となる有機
非線形光学材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、短波長側の吸
収端をもつ有機化合物すなわち下記構造式(1)で示さ
れるシクロプロペノン誘導体からなることを特徴とする
有機非線形光学材料もしくは光学素子である。
収端をもつ有機化合物すなわち下記構造式(1)で示さ
れるシクロプロペノン誘導体からなることを特徴とする
有機非線形光学材料もしくは光学素子である。
【0010】
【化2】
【0011】上記化合物において、R1 〜R10は水素,
フッ素,塩素,臭素等のハロゲン元素、メチル基,エチ
ル基,プロピル基等の炭素数が1から6のアルキル基、
ベンジル基,フェネチル基の炭素数が7から11のアラ
ルキル基、フェニル基,ナフチル基等の炭素数が6から
12のアリール基、メトキシ基,エトキシ基,プロポキ
シ基等のアルコキシ基、ニトロ基、メトキシカルボニル
基,エトキシカルボニル基等のエステル基、アセチル
基,プロピオニル基,ベンゾイル基等のアシル基、メチ
ルチオ基等のアルキルチオ基、メチルアミノ基,ジメチ
ルアミノ基等のアルキルアミノ基、シアノ基等を示す
が、この限りではなく、又R1 〜R10は同じでも異なっ
ていてもよい。
フッ素,塩素,臭素等のハロゲン元素、メチル基,エチ
ル基,プロピル基等の炭素数が1から6のアルキル基、
ベンジル基,フェネチル基の炭素数が7から11のアラ
ルキル基、フェニル基,ナフチル基等の炭素数が6から
12のアリール基、メトキシ基,エトキシ基,プロポキ
シ基等のアルコキシ基、ニトロ基、メトキシカルボニル
基,エトキシカルボニル基等のエステル基、アセチル
基,プロピオニル基,ベンゾイル基等のアシル基、メチ
ルチオ基等のアルキルチオ基、メチルアミノ基,ジメチ
ルアミノ基等のアルキルアミノ基、シアノ基等を示す
が、この限りではなく、又R1 〜R10は同じでも異なっ
ていてもよい。
【0012】本発明のシクロプロペノン誘導体からなる
有機非線形光学材料は、熱的に安定であり、耐候性にも
優れている。
有機非線形光学材料は、熱的に安定であり、耐候性にも
優れている。
【0013】本発明のシクロプロペノン誘導体は、シク
ロプロペノン骨格に2つのフェニル基を導入することに
より、大きな非線形性を有するものである。また、基本
骨格内の任意の位置に置換基を導入することにより、結
晶の中心対称性をなくし、吸収端を短波長側にしたもの
である。
ロプロペノン骨格に2つのフェニル基を導入することに
より、大きな非線形性を有するものである。また、基本
骨格内の任意の位置に置換基を導入することにより、結
晶の中心対称性をなくし、吸収端を短波長側にしたもの
である。
【0014】この有機化合物は市販の有機化合物を用い
て容易に合成することが可能であり、工業的にも充分利
用が可能である。
て容易に合成することが可能であり、工業的にも充分利
用が可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の内容を実施例を共に詳細
に説明する。
に説明する。
【0016】
(実施例1)
【0017】
【化3】
【0018】還流冷却器,滴下ロートを付けた200m
lの三口フラスコにカリウムt−ブトキシド2.24g
を入れ、ジメチルスルホキシド70mlを加え90℃に
加熱し攪拌する。滴下ロートより1−クロロ−1,2−
ジフェニルシクロプロパノン4.85gのジメチルスル
ホキシド70ml溶液を1時間かけて滴下する。さらに
90℃で3時間加熱、攪拌する。イソプロピルエーテル
で抽出,乾燥後、溶媒を減圧下留去して1,2−ジフェ
ニルシクロプロペノン3.3g(収率80%)を得た。
lの三口フラスコにカリウムt−ブトキシド2.24g
を入れ、ジメチルスルホキシド70mlを加え90℃に
加熱し攪拌する。滴下ロートより1−クロロ−1,2−
ジフェニルシクロプロパノン4.85gのジメチルスル
ホキシド70ml溶液を1時間かけて滴下する。さらに
90℃で3時間加熱、攪拌する。イソプロピルエーテル
で抽出,乾燥後、溶媒を減圧下留去して1,2−ジフェ
ニルシクロプロペノン3.3g(収率80%)を得た。
【0019】融点は、120〜121℃であり、エタノ
ール溶液中での吸収端は350nmであった。
ール溶液中での吸収端は350nmであった。
【0020】 元素分析値 C H 理論値 87.36% 4.89% 実測値 87.6 4.7 1H−NMRスペクトル(CDCl3 ) δ 7.5−7.8(ppm)(6H,m,ベンゼン環) 7.8−8.2 (4H,m,ベンゼン環) SHG強度の測定は、粉末法により行い、光源は、LD
レーザー励起のNd:YLFレーザー(波長1047n
m)を用い、試料は乳鉢により50μm 以下に粉砕した
ものを使用し、ウレアの2倍の強度を有した。
レーザー励起のNd:YLFレーザー(波長1047n
m)を用い、試料は乳鉢により50μm 以下に粉砕した
ものを使用し、ウレアの2倍の強度を有した。
【0021】(実施例2〜実施例9)実施例1と同様に
して合成した化合物について、YLFレーザー(波長1
047nm)のSHG強度とアセトニトリル溶液中での吸
収端波長を測定した。その結果を表1に示す。
して合成した化合物について、YLFレーザー(波長1
047nm)のSHG強度とアセトニトリル溶液中での吸
収端波長を測定した。その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明により、紫外光領域での第二高調
波発生を透過型で可能であり、かつ大きな光非線形性を
有する有機非線形光学材料を提供することができる。
波発生を透過型で可能であり、かつ大きな光非線形性を
有する有機非線形光学材料を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】下記一般式(1)で示されるシクロプロペ
ノン誘導体からなることを特徴とする有機非線形光学材
料。 【化1】 (式中、R1 〜R10は水素,ハロゲン元素,炭素数が1
から6のアルキル基,炭素数が7から11のアラルキル
基、炭素数が6から12のアリール基,アルコキシ基,
ニトロ基,エステル基,アシル基,アルキルチオ基,ア
ルキルアミノ基,シアノ基を示す。) - 【請求項2】請求項1記載の材料を用いたことを特徴と
する有機非線形光学素子。 - 【請求項3】波長が700〜1000μm の半導体レー
ザ光を波長変換することを特徴とする請求項2記載の有
機非線形光学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16209896A JP2776377B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 有機非線形光学材料及び有機非線形光学素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16209896A JP2776377B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 有機非線形光学材料及び有機非線形光学素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1010593A true JPH1010593A (ja) | 1998-01-16 |
JP2776377B2 JP2776377B2 (ja) | 1998-07-16 |
Family
ID=15748030
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16209896A Expired - Lifetime JP2776377B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 有機非線形光学材料及び有機非線形光学素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2776377B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109535066A (zh) * | 2019-01-24 | 2019-03-29 | 南京邮电大学 | 基于无氧条件下利用光敏剂三线态激发态的分子组及其制备方法 |
-
1996
- 1996-06-21 JP JP16209896A patent/JP2776377B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109535066A (zh) * | 2019-01-24 | 2019-03-29 | 南京邮电大学 | 基于无氧条件下利用光敏剂三线态激发态的分子组及其制备方法 |
CN109535066B (zh) * | 2019-01-24 | 2021-10-01 | 南京邮电大学 | 基于无氧条件下利用光敏剂三线态激发态的分子组及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2776377B2 (ja) | 1998-07-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19980331 |