JPH05224258A - 非線形光学材料 - Google Patents

非線形光学材料

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JPH05224258A
JPH05224258A JP2392192A JP2392192A JPH05224258A JP H05224258 A JPH05224258 A JP H05224258A JP 2392192 A JP2392192 A JP 2392192A JP 2392192 A JP2392192 A JP 2392192A JP H05224258 A JPH05224258 A JP H05224258A
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JP
Japan
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nonlinear optical
crystal
deriv
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optical material
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JP2392192A
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English (en)
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Takeshi Hozumi
猛 八月朔日
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(1)で表される4-カルボキシフェニルカ
ルバミン酸アルキルエステル誘導体から構成される非線
形光学材料。式(1)中、Rはアルキル基を指し、メチ
ル基、エチル基、n-ブチル基またはiso-ブチル基で、重
水素置換されたものも使用される。 【化1】 【効果】 二次の非線形光学効果の発現において高い効
率を示し、カットオフ波長が短波長化しているため広い
波長域での使用が可能となる。従って、波長変換素子、
光制御素子などの非線形光学効果及び電気光学効果を利
用した各種の光機能素子材料として有用性が期待でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視域における透明性
が良好で、大きな二次の非線形光学効果を示す反転対称
中心のない結晶を形成することができる有機質の非線形
光学化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】非線形光学効果とは、非常に強い光が物
体を透過するとき、光の電場によって物質が分極し、こ
の誘起分極による光高調波の発生や、入射した光自身が
変化する現象をいう。かかる現象はレーザーの発明以前
から知られていたものであるが、多くはレーザー光の出
現によって注目されるようになった。特に最近、光機能
素子への応用が注目されている光高調波発生、光パラメ
トリック発振・増幅、光位相共役、光双安定などの現象
解明はレーザーの発明に負うところが大きい。これらの
非線形光学効果は、赤外光の可視光、紫外光への変換、
光増幅、光スイッチ、光変調、光信号などの無歪伝送な
どへの応用が可能である。非線形光学効果素子は、今後
ますます需要が増大する光情報処理、光通信の分野で鍵
を握る機能材料として位置づけされている。
【0003】従来、非線形光学効果を示す物質として、
例えば、リン酸2水素カリウム (KDP)、ニオブ酸リチウ
ム(LiNbO3)、β-ホウ酸バリウム(BBO)などの無機化合物
が研究され、一部は素子材料として実用化されている。
しかし、非線形光学効果を示す物質は無機誘電体化合物
に限られるものでなく、有機化合物の中にも見い出され
ている。しかも有機化合物の非線形光学作用は、分子内
に非局在化しているπ電子の移動によって生じるため、
原子核に強く束縛され格子振動に制約がある無機誘電体
のσ電子に比べて、誘起分極は遥かに速く大きい。実
際、2-メチル-4-ニトロアニリン(MNA)は、ニオブ酸リチ
ウムの2000倍以上の性能指数を示す[B.F.LEVINEet al,
J.Apply.Phys.,Vol.50,2523(1979)]。
【0004】このようなことから、非線形光学効果の中
でも光機能素子としての応用が最も早く期待されている
二次の非線形光学効果、特に光第二高調波発生(SH
G)の実用化研究が有機化合物を対象に精力的に進めら
れており、例えば、MNA(特開昭55-500960号公報)、
ニトロピリジン-1-オキシド誘導体(特開昭56-92870号
公報、同56-94333号公報)等の物質が非線形光学化合物
として既に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】有機化合物において、
二次の非線形光学効果を高めるには分子の双極子モーメ
ントを大きくすればよく、そのためには分子内に電子供
与性基と電子吸引性基を導入することが有効であること
は良く知られている。しかし、この点には重要な未解決
の課題が残されている。即ち、二次の非線形光学効果を
発現させるためには、結晶を反転対称中心のない形態に
しなければならないことである。
【0006】ところが、分子内に大きな双極子モーメン
トを持つ有機化合物は、結晶化する場合に互いの双極子
モーメントを打ち消し合うように配置する結果、分子と
しては大きな二次の超分子分極率βをもちながら、結晶
あるいは分子集合体としては反転対称中心があるため二
次の非線形光学効果を示さないことがある。また、大き
な分子内電荷移動のため近紫外から可視域に電子遷移吸
収が存在し、光学材料として重要な透明性を損なうこと
にもつながる。現実に、このような有機化合物は非常に
多い。
【0007】従って、二次の非線形光学効果を主眼とす
る有機非線形光学化合物を開発するに当たっては、透明
性を損なわずに、分子として充分大きな超分子分極率β
を持ち、反転対称中心のない良質な結晶が容易に得られ
るような化合物を合成することが重要な課題である。
【0008】4-ニトロアニリンは、最も単純な電子供与
性基と電子吸引性基を持つ芳香族化合物であり、有機化
合物の中では大きな超分子分極率βを有する化合物の一
つであるが、その結晶は互いの双極子モーメントを打ち
消し合うように分子が配列するため反転対称中心を有
し、二次の非線形光学効果を示さない。また、ニトロ基
とアミノ基による分子内電荷移動のため、近紫外から可
視域に大きな電子遷移吸収が存在する。このため4-ニト
ロアニリンは著しく着色している。
【0009】この4-ニトロアニリンのようなベンゼン環
のパラ位に電子吸引性基と電子供与性基を配する芳香族
化合物の、二次の超分子分極率βと透明性との関係、対
称性の改質について鋭意検討した結果、ある種の4-カル
ボキシフェニルカルバミン酸アルキルエステル誘導体は
大きな二次の超分子分極率βを持ち、結晶や分子集合体
を形成した際に反転対称中心を持たない事、そのうえ近
紫外から可視域に於ける透明性を著しく改良しうる事を
解明して本発明の開発に至ったものである。
【0010】従って本発明の目的は、可視域における透
明性に優れ、二次の非線形光学効果の大きい反転対称中
心のない結晶を形成することができる有機質の非線形光
学材料を提供するところにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(1)で表
される4-カルボキシフェニルカルバミン酸アルキルエス
テル誘導体から成る事を構成上の特徴とする非線形光学
材料である。
【0012】
【化1】
【0013】但し、上式において、Rはアルキル基また
は重水素置換されたアルキル基を指す。アルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、n-ブチル基もしくはiso-ブ
チル基が有効に機能する。
【0014】本発明による4-カルボキシフェニルカルバ
ミン酸アルキルエステル誘導体は、粉末状態でNd:YAGレ
ーザー(λ=1064nm) を照射すると、著しく強い緑色の第
二高調波を発生する。特に単結晶状態では、広範囲に及
んで位相整合可能であり、粉末を遥かに越える強度の第
二高調波を発生するものも存在する。また、粉末状態で
白色、単結晶状態で無色透明であり、カットオフ波長は
大幅に短波長シフトしている。
【0015】なお、基本波が 1〜1.2μmの赤外光の場
合、C−Hの伸縮振動の倍音吸収と重なって基本波が吸
収され、熱振動に転化することがある。従って、基本波
の強度が強いときは結晶の温度が上がり位相整合条件が
変わったり、出射光の角度が変動する事があるが、この
現象は倍音吸収が大きいアルキル基の水素を重水素で置
換した化合物形態として吸収領域を長波長側にずらすこ
とにより有効に防止することができる。
【0016】上記の4-カルボキシフェニルカルバミン酸
アルキルエステル誘導体は、例えば4-アミノ安息香酸
を、Rに相当するアルキルクロロフォルメイトと反応さ
せることによって得られる。
【0017】
【作用】本発明によれば、大きな双極子モーメントのた
め反転対称中心の結晶を形成する傾向の強い有機化合物
にウレタン結合を導入することによって対称性を低下さ
せ、広波長域において二次の非線形光学効果に対して活
性な材質に転化させた新規物性の非線形光学材料が提供
される。
【0018】一般に、結晶中の基本波と高調波の伝搬定
数は一致しないため、結晶状態での高調波発生は難し
く、これが一致することを位相整合といい、この位相整
合がとれないと高調波の発生を観測することはできな
い。ところが、本発明による化合物の結晶は広範囲に亘
って位相整合が可能となるため、高強度の第二高調波を
発生できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0020】(実施例1)4-アミノ安息香酸6.9g(50mmo
l)をベンゼンに溶解し、油浴中50℃に保ち、メチルクロ
ロフォルメイト5.7g(60mmol)を滴下後、約4時間撹拌反
応させた。反応終了後、反応溶液を水洗し、濃縮析出し
た反応物を減圧下50℃で乾燥して4-カルボキシフェニル
カルバミン酸メチルエステルを得た。
【0021】得られた4-カルボキシフェニルカルバミン
酸メチルエステルの性状は、下記の通りであった。 融 点:207±1℃(DSC測定) 分子量:195(FD−MS測定) 分析結果[1H−NMR(溶媒重DMSO)]: δ12.65,1H,一重線,O-H、 δ10.0 ,1H,一重線,N-H δ 7.9 ,2H,二重線,Ar-H、δ 7.6 ,2H,二重線,Ar-H δ 3.7 ,3H,一重線,C-H3
【0022】(実施例2)アルキルクロロフォルメイト
の種類を変えたほかは実施例1と同一の条件を用いて、
4-カルボキシフェニルカルバミン酸エチルエステルを得
た。
【0023】このものにつき実施例1と同様にして測定
した性状は、下記の通りであった。 融 点:208±1℃(DSC測定) 分子量:209(FD−MS測定) 分析結果[1H−NMR(溶媒重DMSO)]: δ12.65,1H,一重線,O-H、 δ10.0 ,1H,一重線,N-H δ 7.85,2H,二重線,Ar-H、δ 7.6 ,2H,二重線,Ar-H δ 4.3 ,2H,四重線,C-H2、δ 1.3 ,3H,三重線,C-H3
【0024】(実施例3)アルキルクロロフォルメイト
の種類を変えたほかは実施例1と同一の条件を用いて、
4-カルボキシフェニルカルバミン酸-n-ブチルエステル
を得た。
【0025】このものにつき実施例1と同様にして測定
した性状は、下記の通りであった。 融 点:179±1℃(DSC測定) 分子量:237(FD−MS測定) 分析結果[1H−NMR(溶媒重DMSO)]: δ12.65,1H,一重線,O-H、 δ10.0 ,1H,一重線,N-H δ 7.85,2H,二重線,Ar-H、δ 7.6 ,2H,二重線,Ar-H δ 4.1 ,2H,三重線,C-H2、δ 1.6 ,2H,五重線,C-H2 δ 1.4 ,2H,六重線,C-H2、δ 0.95,3H,三重線,C−H
【0026】(実施例4)アルキルクロロフォルメイト
の種類を変えたほかは実施例1と同一の条件を用いて、
4−カルボキシフェニルカルバミン酸-iso-ブチルエス
テルを得た。
【0027】このものにつき実施例1と同様にして測定
した性状は、下記の通りであった。 融 点:205±1℃(DSC測定) 分子量:237(FD−MS測定) 分析結果[1H−NMR(溶媒重DMSO)]: δ12.65,1H,一重線,O-H、 δ10.0 ,1H,一重線,N-H δ 7.85,2H,二重線,Ar-H、δ 7.6 ,2H,二重線,Ar-H δ 3.9 ,2H,一重線,C-H2、δ 1.95,1H,九重線,C-H3 δ 0.95,6H,二重線,C-H3
【0028】次に、実施例1〜3の各非線形光学化合物
を粒径60〜100μmに調製した試料をスライドガラスに挟
み、これにQスイッチ付きNd:YAGレーザーによる10nsec
のパルスを照射し、試料より発生した第二高調波の強度
を測定した。比較のために、MNAの測定も行った(比
較例)。その結果を、R基の種類、カットオフ波長と対
比させて表1に示した。なお、SHG強度は、尿素を1
とした際の相対強度比で表示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上の通り、4-カルボキシフェニルカル
バミン酸アルキルエステル誘導体からなる本発明の非線
形光学材料は、カットオフ波長が短波長域に存在するに
も拘らず、非常に大きな二次の超分子分極率βを有し、
またその結晶は反転対称中心がなく、その中で分子が互
いの双極子モーメントを打ち消し合わず有効に活かせる
ようなよい配向を示すため、尿素に比べ高いSHG強度
を示す。従って、波長変換素子、光制御素子などの非線
形光学効果及び電気光学効果を利用した各種の光機能素
子材料として様々な用途が広波長域で期待できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で表される4-カルボキシフェニ
    ルカルバミン酸アルキルエステル誘導体からなることを
    特徴とする非線形光学材料。 【化1】 但し、上式において、Rはアルキル基または重水素置換
    されたアルキル基を指すものとする。
  2. 【請求項2】 式(1)中の基Rが、メチル基、エチル
    基、n-ブチル基もしくはiso-ブチル基である請求項1の
    非線形光学材料。
JP2392192A 1992-02-10 1992-02-10 非線形光学材料 Pending JPH05224258A (ja)

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