JPH10104409A - 反射鏡 - Google Patents
反射鏡Info
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- JPH10104409A JPH10104409A JP2633897A JP2633897A JPH10104409A JP H10104409 A JPH10104409 A JP H10104409A JP 2633897 A JP2633897 A JP 2633897A JP 2633897 A JP2633897 A JP 2633897A JP H10104409 A JPH10104409 A JP H10104409A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高い反射特性とともに高い耐熱性及び耐食性を
有し、基体と金属層との密着性に優れる。また比較的低
温で焼成でき、生産性を向上できる。 【解決手段】反射鏡はガラスセラミックスよりなる基体
11に湾曲面11aが形成されて金属層12が形成され
る。ガラスセラミックスは800℃以上の軟化点のガラ
ス中にアルミナ、ムライト、ジルコニア、コーディエラ
イト及びβ−スポジューメンからなる群より選ばれたセ
ラミックスが析出して構成される。金属層はAu,A
g,Pd,Pt及びAlからなる群より選ばれた金属を
含むこと、又はSiO2、B2O3、PbO、Bi2O3、
Al2O3、M2Oで表されるアルカリ金属酸化物(但
し、MはLi,Na又はKである。)及びM’Oで表さ
れるアルカリ土類金属酸化物(但し、M’はMg,Ca
又はBaである。)からなる群より選ばれた酸化物を
0.1〜20重量%含み、残部がAuにより構成され
る。
有し、基体と金属層との密着性に優れる。また比較的低
温で焼成でき、生産性を向上できる。 【解決手段】反射鏡はガラスセラミックスよりなる基体
11に湾曲面11aが形成されて金属層12が形成され
る。ガラスセラミックスは800℃以上の軟化点のガラ
ス中にアルミナ、ムライト、ジルコニア、コーディエラ
イト及びβ−スポジューメンからなる群より選ばれたセ
ラミックスが析出して構成される。金属層はAu,A
g,Pd,Pt及びAlからなる群より選ばれた金属を
含むこと、又はSiO2、B2O3、PbO、Bi2O3、
Al2O3、M2Oで表されるアルカリ金属酸化物(但
し、MはLi,Na又はKである。)及びM’Oで表さ
れるアルカリ土類金属酸化物(但し、M’はMg,Ca
又はBaである。)からなる群より選ばれた酸化物を
0.1〜20重量%含み、残部がAuにより構成され
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲンヒータの
ような赤外線ヒータから放射された赤外線を反射するの
に適し、半導体製造用集光器やレーザミラー等に使用可
能な反射鏡に関するものである。
ような赤外線ヒータから放射された赤外線を反射するの
に適し、半導体製造用集光器やレーザミラー等に使用可
能な反射鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の反射鏡として、図5及び
図6に示すようにAlの押出し加工により上面が湾曲し
た凹面9aを有する基体9が形成され、この基体9の上
記凹面9aにめっき層4が形成されたAlを基体とする
反射鏡1が知られている。この反射鏡1では、基体9の
凹面9aをバフ研磨した後に、この凹面9aにNiめっ
き層4aが形成され、更にこのNiめっき層4a表面に
Auめっき層4bが形成される。また6はめっき層4表
面の反射面1aの焦点近傍に設置されたハロゲンヒータ
6である。また図示しないが上記従来の反射鏡の基体を
Alに代えてCu合金を用いたことを除いて、上記従来
の反射鏡と同様に形成されたCu合金を基体とする反射
鏡が知られている。
図6に示すようにAlの押出し加工により上面が湾曲し
た凹面9aを有する基体9が形成され、この基体9の上
記凹面9aにめっき層4が形成されたAlを基体とする
反射鏡1が知られている。この反射鏡1では、基体9の
凹面9aをバフ研磨した後に、この凹面9aにNiめっ
き層4aが形成され、更にこのNiめっき層4a表面に
Auめっき層4bが形成される。また6はめっき層4表
面の反射面1aの焦点近傍に設置されたハロゲンヒータ
6である。また図示しないが上記従来の反射鏡の基体を
Alに代えてCu合金を用いたことを除いて、上記従来
の反射鏡と同様に形成されたCu合金を基体とする反射
鏡が知られている。
【0003】しかし、上記従来のAlを基体とする反射
鏡では、この反射鏡の使用中に基体の温度が上昇してA
lが粒成長し、これに伴って反射鏡の表面が荒れて反射
率が低下する問題点があった。また上記従来のCu合金
を基体とする反射鏡では、この反射鏡の大気中での使用
時に、基体の温度が上昇して基体の合金成分であるZn
等がめっき層中に拡散し、これに伴って反射鏡の表面荒
れや変色が生じて反射率が低下する問題点があった。更
に上記従来のCu合金を基体とする反射鏡では、この反
射鏡の水中での使用時に、基体であるCu合金が腐食
し、耐久性が低下する問題点もあった。
鏡では、この反射鏡の使用中に基体の温度が上昇してA
lが粒成長し、これに伴って反射鏡の表面が荒れて反射
率が低下する問題点があった。また上記従来のCu合金
を基体とする反射鏡では、この反射鏡の大気中での使用
時に、基体の温度が上昇して基体の合金成分であるZn
等がめっき層中に拡散し、これに伴って反射鏡の表面荒
れや変色が生じて反射率が低下する問題点があった。更
に上記従来のCu合金を基体とする反射鏡では、この反
射鏡の水中での使用時に、基体であるCu合金が腐食
し、耐久性が低下する問題点もあった。
【0004】これらの点を解消するために、基体として
耐熱性や耐食性の高いAl2O3やSiC等のセラミック
スを用いる方法が考えられる。この反射鏡では、この反
射鏡の使用中に基体の温度が上昇しても、基体は高い耐
熱性及び耐食性を有するので、反射鏡の表面が荒れたり
変色したりせず、従って反射鏡の反射率が低下すること
がない。
耐熱性や耐食性の高いAl2O3やSiC等のセラミック
スを用いる方法が考えられる。この反射鏡では、この反
射鏡の使用中に基体の温度が上昇しても、基体は高い耐
熱性及び耐食性を有するので、反射鏡の表面が荒れたり
変色したりせず、従って反射鏡の反射率が低下すること
がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のセ
ラミックスを基体とする反射鏡では、基体であるセラミ
ックスの焼結温度が極めて高く作業性が悪い不具合があ
った。また上記従来のセラミックスを基体とする反射鏡
では、基体とAu等の金属膜との密着性が低い問題点も
あった。本発明の目的は、高い反射特性とともに高い耐
熱性及び耐食性を有し、基体と金属層との密着性に優れ
た反射鏡を提供することにある。本発明の別の目的は、
比較的低温で焼成でき、生産性を向上できる反射鏡を提
供することにある。
ラミックスを基体とする反射鏡では、基体であるセラミ
ックスの焼結温度が極めて高く作業性が悪い不具合があ
った。また上記従来のセラミックスを基体とする反射鏡
では、基体とAu等の金属膜との密着性が低い問題点も
あった。本発明の目的は、高い反射特性とともに高い耐
熱性及び耐食性を有し、基体と金属層との密着性に優れ
た反射鏡を提供することにある。本発明の別の目的は、
比較的低温で焼成でき、生産性を向上できる反射鏡を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、ガラスセラミックスよりなる基体1
1に凹状の湾曲面11aが形成され、湾曲面11aに金
属層12が形成された反射鏡であって、ガラスセラミッ
クスが800℃以上の軟化点のガラス中にアルミナ、ム
ライト、ジルコニア、コーディエライト及びβ−スポジ
ューメンからなる群より選ばれた1種又は2種以上のセ
ラミックスを含むことを特徴とする反射鏡である。この
反射鏡では、基体11と金属層12との密着性に優れ、
温度上昇による金属層12の剥離を防止できる。
図1に示すように、ガラスセラミックスよりなる基体1
1に凹状の湾曲面11aが形成され、湾曲面11aに金
属層12が形成された反射鏡であって、ガラスセラミッ
クスが800℃以上の軟化点のガラス中にアルミナ、ム
ライト、ジルコニア、コーディエライト及びβ−スポジ
ューメンからなる群より選ばれた1種又は2種以上のセ
ラミックスを含むことを特徴とする反射鏡である。この
反射鏡では、基体11と金属層12との密着性に優れ、
温度上昇による金属層12の剥離を防止できる。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、金属層12がAu,Ag,Pd,Pt及び
Alからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属を
含む反射鏡である。請求項3に係る発明は、請求項1に
係る発明であって、金属層12がSiO2、B2O3、P
bO、Bi2O3、Al2O3、M2Oで表されるアルカリ
金属酸化物(但し、MはLi,Na又はKである。)及
びM’Oで表されるアルカリ土類金属酸化物(但し、
M’はMg,Ca又はBaである。)からなる群より選
ばれた1種又は2種以上の酸化物を0.1〜20重量%
含み、残部がAuにより構成された反射鏡である。
明であって、金属層12がAu,Ag,Pd,Pt及び
Alからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属を
含む反射鏡である。請求項3に係る発明は、請求項1に
係る発明であって、金属層12がSiO2、B2O3、P
bO、Bi2O3、Al2O3、M2Oで表されるアルカリ
金属酸化物(但し、MはLi,Na又はKである。)及
びM’Oで表されるアルカリ土類金属酸化物(但し、
M’はMg,Ca又はBaである。)からなる群より選
ばれた1種又は2種以上の酸化物を0.1〜20重量%
含み、残部がAuにより構成された反射鏡である。
【0008】請求項2に係る発明のように金属層12が
Au,Ag,Pd,Pt及びAlであれば、上記金属粒
子を含む厚膜ペーストを塗布し、大気中でかつ比較的低
温で焼結することが可能になる。請求項3に係る発明で
は、湾曲面11aにAu有機化合物ペーストを塗布して
乾燥した後、焼成すると、このペースト中のSi,B,
Pb,Bi,Al,Li,Na,K,Mg,Ca,Ba
等が酸化物となり、これらが基体11のガラス成分と化
学的に結合する。これにより湾曲面11aに高い密着力
で緻密で連続したAu薄膜を形成する。Au薄膜中の酸
化物の含有量が0.1重量%未満では基体11のガラス
成分との結合力に劣り、20重量%を越えるとAuの含
有量が相対的に低下し反射率が低下するようになる。A
u薄膜中の上記酸化物の好ましい含有割合は0.5〜1
0重量%である。
Au,Ag,Pd,Pt及びAlであれば、上記金属粒
子を含む厚膜ペーストを塗布し、大気中でかつ比較的低
温で焼結することが可能になる。請求項3に係る発明で
は、湾曲面11aにAu有機化合物ペーストを塗布して
乾燥した後、焼成すると、このペースト中のSi,B,
Pb,Bi,Al,Li,Na,K,Mg,Ca,Ba
等が酸化物となり、これらが基体11のガラス成分と化
学的に結合する。これにより湾曲面11aに高い密着力
で緻密で連続したAu薄膜を形成する。Au薄膜中の酸
化物の含有量が0.1重量%未満では基体11のガラス
成分との結合力に劣り、20重量%を越えるとAuの含
有量が相対的に低下し反射率が低下するようになる。A
u薄膜中の上記酸化物の好ましい含有割合は0.5〜1
0重量%である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。本発明の基体11は図1に示すようにバ
ルク状でも、図3に示すように板状の基板21でもよ
い。基体11はガラスセラミックスよりなり、800℃
以上の軟化点のガラスとセラミックスとの混合粉を射出
成形法やプレス成形法等により凹状の湾曲面11aを有
する成形体とし、この成形体を焼成することにより作ら
れる。また、成形体は、800℃以上の軟化点のガラス
とセラミックスとの混合粉末を分散媒体(媒液)に懸濁
させ、これを適当な解膠状態にして流動性をもった泥漿
とし、目的とする形状の鋳型に流し込んで成形する、い
わゆるスリップキャスティング法により形成してもよ
い。
いて説明する。本発明の基体11は図1に示すようにバ
ルク状でも、図3に示すように板状の基板21でもよ
い。基体11はガラスセラミックスよりなり、800℃
以上の軟化点のガラスとセラミックスとの混合粉を射出
成形法やプレス成形法等により凹状の湾曲面11aを有
する成形体とし、この成形体を焼成することにより作ら
れる。また、成形体は、800℃以上の軟化点のガラス
とセラミックスとの混合粉末を分散媒体(媒液)に懸濁
させ、これを適当な解膠状態にして流動性をもった泥漿
とし、目的とする形状の鋳型に流し込んで成形する、い
わゆるスリップキャスティング法により形成してもよ
い。
【0010】800℃以上の軟化点のガラス粉末として
はSiO2−B2O3−Al2O3−CaO系、SiO2−B
2O3−Al2O3−Na2O系、SiO2−Li2O系、S
iO2−Na2O−Li2O系ガラス等が挙げられる。セ
ラミック粉末12はアルミナ、ムライト、ジルコニア、
コーディエライト及びβ−スポジューメンからなる群よ
り選ばれた1種又は2種以上のセラミック粉末である。
これらの複合材から基体11を作製することにより耐熱
性及び耐食性を有しかつ低温での焼成が可能になる利点
がある。またこれらは金属厚膜との間で高い密着性を示
すことが可能になる。また基体11をスリップキャステ
ィング法により形成する場合における分散媒体14とし
ては、蒸留水や、エタノール等の有機溶剤等が用いるこ
とができる。また分散剤としてはポリアクリル酸アンモ
ニウム塩やポリカルボン酸アンモニウム塩等の有機系ポ
リマが、結合剤としてはポリビニルアルコール、ポリビ
ニルブチラール等の有機系ポリマーが挙げられる。
はSiO2−B2O3−Al2O3−CaO系、SiO2−B
2O3−Al2O3−Na2O系、SiO2−Li2O系、S
iO2−Na2O−Li2O系ガラス等が挙げられる。セ
ラミック粉末12はアルミナ、ムライト、ジルコニア、
コーディエライト及びβ−スポジューメンからなる群よ
り選ばれた1種又は2種以上のセラミック粉末である。
これらの複合材から基体11を作製することにより耐熱
性及び耐食性を有しかつ低温での焼成が可能になる利点
がある。またこれらは金属厚膜との間で高い密着性を示
すことが可能になる。また基体11をスリップキャステ
ィング法により形成する場合における分散媒体14とし
ては、蒸留水や、エタノール等の有機溶剤等が用いるこ
とができる。また分散剤としてはポリアクリル酸アンモ
ニウム塩やポリカルボン酸アンモニウム塩等の有機系ポ
リマが、結合剤としてはポリビニルアルコール、ポリビ
ニルブチラール等の有機系ポリマーが挙げられる。
【0011】ガラス粉末及びセラミック粉末の平均粒径
はそれぞれ0.1〜10μmであることが好ましく、
0.5〜5μmであることがより好ましい。これはガラ
ス粉末及びセラミック粉末の平均粒径を0.1μmより
小さくすると、スラリー作製時に良好な分散状態を得ら
れないためであり、ガラス粉末及びセラミック粉末の平
均粒径を10μmより大きくすると、焼結性が低下して
緻密な焼結体ができないためである。成形体の焼成は大
気中又は非酸化雰囲気中等の所定の雰囲気中に800〜
1000℃で0.5〜6時間保持することにより焼成さ
れる。上記成形体18を非酸化性雰囲気中にて焼成する
と、ガラス粉末及びセラミック粉末が酸化することな
く、緻密な組織を有する基体11を得ることができる。
焼成された成形体である基体11の湾曲面11aは研磨
することが好ましい。
はそれぞれ0.1〜10μmであることが好ましく、
0.5〜5μmであることがより好ましい。これはガラ
ス粉末及びセラミック粉末の平均粒径を0.1μmより
小さくすると、スラリー作製時に良好な分散状態を得ら
れないためであり、ガラス粉末及びセラミック粉末の平
均粒径を10μmより大きくすると、焼結性が低下して
緻密な焼結体ができないためである。成形体の焼成は大
気中又は非酸化雰囲気中等の所定の雰囲気中に800〜
1000℃で0.5〜6時間保持することにより焼成さ
れる。上記成形体18を非酸化性雰囲気中にて焼成する
と、ガラス粉末及びセラミック粉末が酸化することな
く、緻密な組織を有する基体11を得ることができる。
焼成された成形体である基体11の湾曲面11aは研磨
することが好ましい。
【0012】基体11の凹状の湾曲面11aには金属層
12が形成される。請求項2に係る金属層12はAu,
Ag,Pd,Pt及びAlからなる群より選ばれた1種
又は2種以上の金属を含むものであり、請求項3に係る
発明の金属層12は、SiO2、B2O3、PbO、Bi2
O3、Al2O3、M2Oで表されるアルカリ金属酸化物
(但し、MはLi,Na又はKである。)及びM’Oで
表されるアルカリ土類金属酸化物(但し、M’はMg,
Ca又はBaである。)からなる群より選ばれた1種又
は2種以上の酸化物を0.1〜20重量%含み、残部が
Auにより構成されるものである。
12が形成される。請求項2に係る金属層12はAu,
Ag,Pd,Pt及びAlからなる群より選ばれた1種
又は2種以上の金属を含むものであり、請求項3に係る
発明の金属層12は、SiO2、B2O3、PbO、Bi2
O3、Al2O3、M2Oで表されるアルカリ金属酸化物
(但し、MはLi,Na又はKである。)及びM’Oで
表されるアルカリ土類金属酸化物(但し、M’はMg,
Ca又はBaである。)からなる群より選ばれた1種又
は2種以上の酸化物を0.1〜20重量%含み、残部が
Auにより構成されるものである。
【0013】先ず、請求項2に係る金属層12を説明す
る。本発明の金属層12はAu,Ag,Pd,Pt及び
Alからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属を
含み、厚膜法により形成される。即ち金属層12は粒度
が325メッシュ以上のAu,Ag,Pd,Pt及びA
lからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属粉末
及びガラス粉末にエチルセルロース等の有機バインダと
テレピネオール等の有機溶剤が添加されたペーストをス
クリーン印刷法等により湾曲面11aに塗布し、大気中
で100〜200℃に5〜30分間保持して乾燥する。
このガラス粉末としては、上記金属粉末の溶融温度以下
で軟化或いは溶融し、金属粉末や基板本体と接着するも
のを使用する。例えば、SiO2−B2O3−Bi2O3系
やSiO2-B2O3−PbO系等の酸化物系ガラスを用い
ることが好ましい。
る。本発明の金属層12はAu,Ag,Pd,Pt及び
Alからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属を
含み、厚膜法により形成される。即ち金属層12は粒度
が325メッシュ以上のAu,Ag,Pd,Pt及びA
lからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属粉末
及びガラス粉末にエチルセルロース等の有機バインダと
テレピネオール等の有機溶剤が添加されたペーストをス
クリーン印刷法等により湾曲面11aに塗布し、大気中
で100〜200℃に5〜30分間保持して乾燥する。
このガラス粉末としては、上記金属粉末の溶融温度以下
で軟化或いは溶融し、金属粉末や基板本体と接着するも
のを使用する。例えば、SiO2−B2O3−Bi2O3系
やSiO2-B2O3−PbO系等の酸化物系ガラスを用い
ることが好ましい。
【0014】またペースト中の金属粉末とガラス粉末と
の量比は、60重量%:40重量%から95重量%:5
重量%の範囲にあることが好ましい。上記範囲に限定し
たのは、金属粉末が60重量%より少なくなると焼成後
に得られる金属層の赤外線反射率が低くなり、金属粉末
が95重量%を越えると厚膜の強度が低下するからであ
る。上記ペースト乾燥後、所定の雰囲気中で500〜1
000℃に5〜30分間保持することにより、上記ペー
ストを焼成して、湾曲面上に膜厚が5〜50μmの金属
層12が形成される。
の量比は、60重量%:40重量%から95重量%:5
重量%の範囲にあることが好ましい。上記範囲に限定し
たのは、金属粉末が60重量%より少なくなると焼成後
に得られる金属層の赤外線反射率が低くなり、金属粉末
が95重量%を越えると厚膜の強度が低下するからであ
る。上記ペースト乾燥後、所定の雰囲気中で500〜1
000℃に5〜30分間保持することにより、上記ペー
ストを焼成して、湾曲面上に膜厚が5〜50μmの金属
層12が形成される。
【0015】次に、請求項3に係る金属層12を説明す
る。本発明の金属層12は、従来のAuペーストより形
成される金属層12と異なり、Au又はその合金が粉末
の状態でなく、Au成分及び微量の他の金属成分が有機
成分と化合物を形成し、液状になっているため、1μm
以下の厚さの連続した薄膜も得られる特長がある。即
ち、湾曲面11aに形成されるAu薄膜12はSi
O2、B2O3、PbO、Bi2O3、Al2O3、M2Oで表
されるアルカリ金属酸化物(但し、MはLi,Na又は
Kである。)及びM’Oで表されるアルカリ土類金属酸
化物(但し、M’はMg,Ca又はBaである。)から
なる群より選ばれた1種又は2種以上の酸化物を0.1
〜20重量%含み、残部がAuにより構成される。この
液状のAu有機化合物に、例えばα−テレピネオール、
エチルセルロース等の有機物を添加し、ペースト化す
る。この有機物はペーストに粘性を付与して塗工性を高
めるとともに、焼成後のバインダとしての機能を有す
る。Au以外の他の金属成分としてはB,Pb,Bi,
Al,Li,Na,K,Mg,Ca,Ba等が挙げられ
る。Au薄膜は、Au有機化合物ペーストを湾曲面にス
クリーン印刷、スプレーコーティング、ディップコーテ
ィング、スピンコーティング等の方法により塗布して乾
燥した後、焼成することにより形成される。このAu薄
膜の上に更にAuめっきを施せば、反射率特性がより向
上し好ましい。
る。本発明の金属層12は、従来のAuペーストより形
成される金属層12と異なり、Au又はその合金が粉末
の状態でなく、Au成分及び微量の他の金属成分が有機
成分と化合物を形成し、液状になっているため、1μm
以下の厚さの連続した薄膜も得られる特長がある。即
ち、湾曲面11aに形成されるAu薄膜12はSi
O2、B2O3、PbO、Bi2O3、Al2O3、M2Oで表
されるアルカリ金属酸化物(但し、MはLi,Na又は
Kである。)及びM’Oで表されるアルカリ土類金属酸
化物(但し、M’はMg,Ca又はBaである。)から
なる群より選ばれた1種又は2種以上の酸化物を0.1
〜20重量%含み、残部がAuにより構成される。この
液状のAu有機化合物に、例えばα−テレピネオール、
エチルセルロース等の有機物を添加し、ペースト化す
る。この有機物はペーストに粘性を付与して塗工性を高
めるとともに、焼成後のバインダとしての機能を有す
る。Au以外の他の金属成分としてはB,Pb,Bi,
Al,Li,Na,K,Mg,Ca,Ba等が挙げられ
る。Au薄膜は、Au有機化合物ペーストを湾曲面にス
クリーン印刷、スプレーコーティング、ディップコーテ
ィング、スピンコーティング等の方法により塗布して乾
燥した後、焼成することにより形成される。このAu薄
膜の上に更にAuめっきを施せば、反射率特性がより向
上し好ましい。
【0016】上述のように湾曲面11aに形成された金
属層12は、一般的な金属の研磨方法により研磨される
ことが好ましい。特に厚膜法により形成される請求項2
に係る金属層12は研磨することにより反射率特性がよ
り向上し好ましい。研磨方法としては粒度が40〜15
00メッシュの砥粒を所定の接着剤により研磨布に固着
し、水溶性の研削液を注ぎながら、上記研磨布を厚膜表
面に均一に所定の圧力で押付け、500〜2000m/
分の速度で移動させることにより、金属層12表面を研
磨する。砥粒としてはAl2O3,SiC,ガーネット,
ダイヤモンド等の微粒子が用いられ、接着剤としては膠
やレジン等の接着剤が用いられ、更に研磨布としてはク
ラフト紙やナイロン繊維の不織布等により形成されたシ
ートが用いられる。請求項2に係る金属層12はこの研
磨により表面粗さを中心線平均粗さで0.2μm以下に
することが好ましい。
属層12は、一般的な金属の研磨方法により研磨される
ことが好ましい。特に厚膜法により形成される請求項2
に係る金属層12は研磨することにより反射率特性がよ
り向上し好ましい。研磨方法としては粒度が40〜15
00メッシュの砥粒を所定の接着剤により研磨布に固着
し、水溶性の研削液を注ぎながら、上記研磨布を厚膜表
面に均一に所定の圧力で押付け、500〜2000m/
分の速度で移動させることにより、金属層12表面を研
磨する。砥粒としてはAl2O3,SiC,ガーネット,
ダイヤモンド等の微粒子が用いられ、接着剤としては膠
やレジン等の接着剤が用いられ、更に研磨布としてはク
ラフト紙やナイロン繊維の不織布等により形成されたシ
ートが用いられる。請求項2に係る金属層12はこの研
磨により表面粗さを中心線平均粗さで0.2μm以下に
することが好ましい。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図1及び図2に示す反射鏡10を次の方法
により製造した。先ずセラミックス粉末である平均粒径
2.0μmのAl2O3粉末を100重量%に対して、ガ
ラス粉末である平均粒径4.0μmのSiO2−B2O3
−Al2O3−CaO系ガラス粉末を100重量%、結合
剤であるポリビニルアルコールを5.0重量%それぞれ
添加して混合撹拌した粉末を用意した。次に、この粉末
をプレス成形法により50×50×10mmの成形体を
作製し、大気雰囲気中950℃で2時間焼成し、基体1
1である焼結体を作製した。得られた焼結体の表面に金
属層12である厚さ10μmのAu厚膜を形成した。こ
のAu厚膜は、Au粉末を30重量%、SiO2−B2O
3−Bi2O3系ガラス粉末を10重量%含み、残部がα
−テレピネオール、エチルセルロース等の有機物からな
るAu厚膜ペーストをスクリーン印刷法により基体11
の表面に塗布し、大気雰囲気中、150℃で10分間乾
燥を行った後、850℃で10分間焼成することにより
形成した。
説明する。 <実施例1>図1及び図2に示す反射鏡10を次の方法
により製造した。先ずセラミックス粉末である平均粒径
2.0μmのAl2O3粉末を100重量%に対して、ガ
ラス粉末である平均粒径4.0μmのSiO2−B2O3
−Al2O3−CaO系ガラス粉末を100重量%、結合
剤であるポリビニルアルコールを5.0重量%それぞれ
添加して混合撹拌した粉末を用意した。次に、この粉末
をプレス成形法により50×50×10mmの成形体を
作製し、大気雰囲気中950℃で2時間焼成し、基体1
1である焼結体を作製した。得られた焼結体の表面に金
属層12である厚さ10μmのAu厚膜を形成した。こ
のAu厚膜は、Au粉末を30重量%、SiO2−B2O
3−Bi2O3系ガラス粉末を10重量%含み、残部がα
−テレピネオール、エチルセルロース等の有機物からな
るAu厚膜ペーストをスクリーン印刷法により基体11
の表面に塗布し、大気雰囲気中、150℃で10分間乾
燥を行った後、850℃で10分間焼成することにより
形成した。
【0018】<実施例2>金属層を厚さ10μmのAg
−Pd厚膜を形成した以外、実施例1と同じ反射鏡を製
造した。このAg−Pd厚膜は、Ag粉末を24重量
%、Pd粉末を6重量%、SiO2−B2O3−Bi2O3
系ガラス粉末を10重量%含み、残部がα−テレピネオ
ール、エチルセルロース等の有機物からなるAg−Pd
厚膜ペーストを実施例1と同様に基体表面に塗布、乾燥
して焼成することにより形成した。 <実施例3>金属層を厚さ10μmのAg−Pt厚膜を
形成した以外、実施例1と同じ反射鏡を製造した。この
Ag−Pt厚膜は、Ag粉末を28重量%、Pt粉末を
2重量%、SiO2−B2O3−Bi2O3系ガラス粉末を
10重量%含み、残部がα−テレピネオール、エチルセ
ルロース等の有機物からなるAg−Pt厚膜ペーストを
実施例1と同様に基体表面に塗布、乾燥して焼成するこ
とにより形成した。
−Pd厚膜を形成した以外、実施例1と同じ反射鏡を製
造した。このAg−Pd厚膜は、Ag粉末を24重量
%、Pd粉末を6重量%、SiO2−B2O3−Bi2O3
系ガラス粉末を10重量%含み、残部がα−テレピネオ
ール、エチルセルロース等の有機物からなるAg−Pd
厚膜ペーストを実施例1と同様に基体表面に塗布、乾燥
して焼成することにより形成した。 <実施例3>金属層を厚さ10μmのAg−Pt厚膜を
形成した以外、実施例1と同じ反射鏡を製造した。この
Ag−Pt厚膜は、Ag粉末を28重量%、Pt粉末を
2重量%、SiO2−B2O3−Bi2O3系ガラス粉末を
10重量%含み、残部がα−テレピネオール、エチルセ
ルロース等の有機物からなるAg−Pt厚膜ペーストを
実施例1と同様に基体表面に塗布、乾燥して焼成するこ
とにより形成した。
【0019】<実施例4>金属層を厚さ10μmのAl
厚膜を形成した以外、実施例1と同じ反射鏡を製造し
た。このAl厚膜は、Al粉末を32重量%、SiO2
−B2O3−Bi2O3系ガラス粉末を10重量%含み、残
部がα−テレピネオール、エチルセルロース等の有機物
からなるAl厚膜ペーストを実施例1と同様に基体表面
に塗布、乾燥して焼成することにより形成した。 <実施例5>実施例1と同一の混合粉を同一の条件で焼
成することにより実施例1と同一の基体を作製した。得
られた焼結体の表面を鏡面研磨加工した後、厚さ0.5
μmのAu薄膜を形成した。このAu薄膜は、Au粉末
を27重量%、他の金属成分としてPbを0.1重量
%、Biを0.2重量%、Siを0.2重量%それぞれ
含む有機化合物とし、残部がα−テレピネオール、エチ
ルセルロース等の有機物からなるAu有機化合物ペース
トをスクリーン印刷法により基体表面に塗布し、大気雰
囲気中、150℃で10分間乾燥を行った後、750℃
で10分間焼成することにより、反射鏡を得た。
厚膜を形成した以外、実施例1と同じ反射鏡を製造し
た。このAl厚膜は、Al粉末を32重量%、SiO2
−B2O3−Bi2O3系ガラス粉末を10重量%含み、残
部がα−テレピネオール、エチルセルロース等の有機物
からなるAl厚膜ペーストを実施例1と同様に基体表面
に塗布、乾燥して焼成することにより形成した。 <実施例5>実施例1と同一の混合粉を同一の条件で焼
成することにより実施例1と同一の基体を作製した。得
られた焼結体の表面を鏡面研磨加工した後、厚さ0.5
μmのAu薄膜を形成した。このAu薄膜は、Au粉末
を27重量%、他の金属成分としてPbを0.1重量
%、Biを0.2重量%、Siを0.2重量%それぞれ
含む有機化合物とし、残部がα−テレピネオール、エチ
ルセルロース等の有機物からなるAu有機化合物ペース
トをスクリーン印刷法により基体表面に塗布し、大気雰
囲気中、150℃で10分間乾燥を行った後、750℃
で10分間焼成することにより、反射鏡を得た。
【0020】<実施例6>実施例1と同形同大の反射鏡
を次の方法により製造した。先ずセラミックス粉末であ
る平均粒径2.0μmのムライト粉末を100重量%に
対して、ガラス粉末である平均粒径4.0μmのSiO
2−B2O3−Al2O3−CaO系ガラス粉末を100重
量%、結合剤であるポリビニルアルコールを5.0重量
%それぞれ添加して混合撹拌した粉末を用意した。次
に、この粉末をプレス成形法により50×50×10m
mの成形体を作製し、大気雰囲気中1000℃で2時間
焼成し、実施例1と同形同大の基体を作製した。得られ
た焼結体の表面に金属層である厚さ0.5μmのAu薄
膜を形成した。このAu薄膜は、28重量%のAuと、
0.2重量%のSiと、0.1重量%のLiと、0.1
重量%のMgとを含む有機化合物と、残部がα−テレピ
ネオール、エチルセルロース等の有機物からなるAu有
機化合物ペーストを実施例5と同様に基体表面に塗布、
乾燥して焼成することにより形成した。
を次の方法により製造した。先ずセラミックス粉末であ
る平均粒径2.0μmのムライト粉末を100重量%に
対して、ガラス粉末である平均粒径4.0μmのSiO
2−B2O3−Al2O3−CaO系ガラス粉末を100重
量%、結合剤であるポリビニルアルコールを5.0重量
%それぞれ添加して混合撹拌した粉末を用意した。次
に、この粉末をプレス成形法により50×50×10m
mの成形体を作製し、大気雰囲気中1000℃で2時間
焼成し、実施例1と同形同大の基体を作製した。得られ
た焼結体の表面に金属層である厚さ0.5μmのAu薄
膜を形成した。このAu薄膜は、28重量%のAuと、
0.2重量%のSiと、0.1重量%のLiと、0.1
重量%のMgとを含む有機化合物と、残部がα−テレピ
ネオール、エチルセルロース等の有機物からなるAu有
機化合物ペーストを実施例5と同様に基体表面に塗布、
乾燥して焼成することにより形成した。
【0021】<実施例7>実施例1と同形同大の反射鏡
を次の方法により製造した。先ずセラミックス粉末であ
る平均粒径1.5μmのジルコニア粉末を100重量%
に対して、ガラス粉末である平均粒径4.0μmのSi
O2−B2O3−Al2O3−Na2O系ガラス粉末を100
重量%、結合剤であるポリビニルアルコールを5.0重
量%それぞれ添加して混合撹拌した粉末を用意した。次
に、この粉末をプレス成形法により50×50×10m
mの成形体を作製し、大気雰囲気中950℃で2時間焼
成し、実施例1と同形同大の基体を作製した。得られた
焼結体の表面に金属層である厚さ0.5μmのAu薄膜
を形成した。このAu薄膜は、27重量%のAuと、
0.2重量%のSiと、0.1重量%のNaと、0.1
重量%のCaと、0.1重量%のAlとを含む有機化合
物と、残部がα−テレピネオール、エチルセルロース等
の有機物からなるAu有機化合物ペーストを実施例5と
同様に基体表面に塗布、乾燥して焼成することにより形
成した。
を次の方法により製造した。先ずセラミックス粉末であ
る平均粒径1.5μmのジルコニア粉末を100重量%
に対して、ガラス粉末である平均粒径4.0μmのSi
O2−B2O3−Al2O3−Na2O系ガラス粉末を100
重量%、結合剤であるポリビニルアルコールを5.0重
量%それぞれ添加して混合撹拌した粉末を用意した。次
に、この粉末をプレス成形法により50×50×10m
mの成形体を作製し、大気雰囲気中950℃で2時間焼
成し、実施例1と同形同大の基体を作製した。得られた
焼結体の表面に金属層である厚さ0.5μmのAu薄膜
を形成した。このAu薄膜は、27重量%のAuと、
0.2重量%のSiと、0.1重量%のNaと、0.1
重量%のCaと、0.1重量%のAlとを含む有機化合
物と、残部がα−テレピネオール、エチルセルロース等
の有機物からなるAu有機化合物ペーストを実施例5と
同様に基体表面に塗布、乾燥して焼成することにより形
成した。
【0022】<実施例8>実施例1と同形同大の反射鏡
を次の方法により製造した。先ずセラミックス粉末であ
る平均粒径3.6μmのコーディエライト粉末を100
重量%に対して、ガラス粉末である平均粒径4.0μm
のSiO2−Li2O系ガラス粉末を100重量%、結合
剤であるポリビニルアルコールを5.0重量%それぞれ
添加して混合撹拌した粉末を用意した。次に、この粉末
をプレス成形法により50×50×10mmの成形体を
作製し、大気雰囲気中950℃で2時間焼成し、実施例
1と同形同大の基体を作製した。得られた焼結体の表面
に金属層である厚さ0.5μmのAu薄膜を形成した。
このAu薄膜は、28重量%のAuと、0.2重量%の
Bと、0.1重量%のKと、0.1重量%のBaとを含
む有機化合物と、残部がα−テレピネオール、エチルセ
ルロース等の有機物からなるAu有機化合物ペーストを
実施例5と同様に基体表面に塗布、乾燥して焼成するこ
とにより形成した。
を次の方法により製造した。先ずセラミックス粉末であ
る平均粒径3.6μmのコーディエライト粉末を100
重量%に対して、ガラス粉末である平均粒径4.0μm
のSiO2−Li2O系ガラス粉末を100重量%、結合
剤であるポリビニルアルコールを5.0重量%それぞれ
添加して混合撹拌した粉末を用意した。次に、この粉末
をプレス成形法により50×50×10mmの成形体を
作製し、大気雰囲気中950℃で2時間焼成し、実施例
1と同形同大の基体を作製した。得られた焼結体の表面
に金属層である厚さ0.5μmのAu薄膜を形成した。
このAu薄膜は、28重量%のAuと、0.2重量%の
Bと、0.1重量%のKと、0.1重量%のBaとを含
む有機化合物と、残部がα−テレピネオール、エチルセ
ルロース等の有機物からなるAu有機化合物ペーストを
実施例5と同様に基体表面に塗布、乾燥して焼成するこ
とにより形成した。
【0023】<実施例9>実施例1と同形同大の反射鏡
を次の方法により製造した。先ずセラミックス粉末であ
る平均粒径4.0μmのβ−スポジューメン粉末を10
0重量%に対して、ガラス粉末である平均粒径4.0μ
mのSiO2−Na2O−Li2O系ガラス粉末を100
重量%、結合剤であるポリビニルアルコールを5.0重
量%それぞれ添加して混合撹拌した粉末を用意した。次
に、この粉末をプレス成形法により50×50×10m
mの成形体を作製し、大気雰囲気中950℃で2時間焼
成し、実施例1と同形同大の基体を作製した。得られた
焼結体の表面に金属層である厚さ0.5μmのAu薄膜
を形成した。このAu薄膜は、30重量%のAuと、
0.1重量%のSiと、0.1重量%のBと、0.1重
量%のBiとを含む有機化合物と、残部がα−テレピネ
オール、エチルセルロース等の有機物からなるAu有機
化合物ペーストを実施例5と同様に基体表面に塗布、乾
燥して焼成することにより形成した。
を次の方法により製造した。先ずセラミックス粉末であ
る平均粒径4.0μmのβ−スポジューメン粉末を10
0重量%に対して、ガラス粉末である平均粒径4.0μ
mのSiO2−Na2O−Li2O系ガラス粉末を100
重量%、結合剤であるポリビニルアルコールを5.0重
量%それぞれ添加して混合撹拌した粉末を用意した。次
に、この粉末をプレス成形法により50×50×10m
mの成形体を作製し、大気雰囲気中950℃で2時間焼
成し、実施例1と同形同大の基体を作製した。得られた
焼結体の表面に金属層である厚さ0.5μmのAu薄膜
を形成した。このAu薄膜は、30重量%のAuと、
0.1重量%のSiと、0.1重量%のBと、0.1重
量%のBiとを含む有機化合物と、残部がα−テレピネ
オール、エチルセルロース等の有機物からなるAu有機
化合物ペーストを実施例5と同様に基体表面に塗布、乾
燥して焼成することにより形成した。
【0024】<比較例1>実施例1と同一のAl2O3粉
末を含む混合粉を同一の条件で焼成することにより実施
例1と同一の基体を作製した。得られた焼結体の表面を
鏡面研磨加工した後、以下の条件で高周波スパッタリン
グ法によりTi、W及びAuからなる多層膜を形成し
た。即ち、純度99.9%、直径100mm×厚さ3m
mの形状のTiターゲット、Wターゲット及びAuター
ゲットを用い、出力300w、基体回転数10rpmの
条件で所定時間スパッタリングを行うことにより、焼結
体表面上より順に、厚さ0.1μmのTi薄膜、厚さ
0.1μmのW薄膜及び厚さ0.5μmのAu薄膜を形
成した。このようにして得られた反射鏡を比較例1とし
た。
末を含む混合粉を同一の条件で焼成することにより実施
例1と同一の基体を作製した。得られた焼結体の表面を
鏡面研磨加工した後、以下の条件で高周波スパッタリン
グ法によりTi、W及びAuからなる多層膜を形成し
た。即ち、純度99.9%、直径100mm×厚さ3m
mの形状のTiターゲット、Wターゲット及びAuター
ゲットを用い、出力300w、基体回転数10rpmの
条件で所定時間スパッタリングを行うことにより、焼結
体表面上より順に、厚さ0.1μmのTi薄膜、厚さ
0.1μmのW薄膜及び厚さ0.5μmのAu薄膜を形
成した。このようにして得られた反射鏡を比較例1とし
た。
【0025】<比較例2>実施例6と同一のムライト粉
末を含む混合粉を同一の条件で焼成することにより実施
例6と同一の基体を作製した。得られた焼結体の表面を
鏡面研磨加工した後、比較例1と同一の条件でTi、W
及びAuからなる多層膜を形成した。このようにして得
られた反射鏡を比較例2とした。 <比較例3>実施例7と同一のジルコニア粉末を含む混
合粉を同一の条件で焼成することにより実施例7と同一
の基体を作製した。得られた焼結体の表面を鏡面研磨加
工した後、比較例1と同一の条件でTi、W及びAuか
らなる多層膜を形成した。このようにして得られた反射
鏡を比較例3とした。
末を含む混合粉を同一の条件で焼成することにより実施
例6と同一の基体を作製した。得られた焼結体の表面を
鏡面研磨加工した後、比較例1と同一の条件でTi、W
及びAuからなる多層膜を形成した。このようにして得
られた反射鏡を比較例2とした。 <比較例3>実施例7と同一のジルコニア粉末を含む混
合粉を同一の条件で焼成することにより実施例7と同一
の基体を作製した。得られた焼結体の表面を鏡面研磨加
工した後、比較例1と同一の条件でTi、W及びAuか
らなる多層膜を形成した。このようにして得られた反射
鏡を比較例3とした。
【0026】<比較例4>実施例8と同一のコーディエ
ライト粉末を含む混合粉を同一の条件で焼成することに
より実施例8と同一の基体を作製した。得られた焼結体
の表面を鏡面研磨加工した後、比較例1と同一の条件で
Ti、W及びAuからなる多層膜を形成した。このよう
にして得られた反射鏡を比較例4とした。 <比較例5>実施例9と同一のβ−スポジューメン粉末
を含む混合粉を同一の条件で焼成することにより実施例
9と同一の基体を作製した。得られた焼結体の表面を鏡
面研磨加工した後、比較例1と同一の条件でTi、W及
びAuからなる多層膜を形成した。このようにして得ら
れた反射鏡を比較例5とした。
ライト粉末を含む混合粉を同一の条件で焼成することに
より実施例8と同一の基体を作製した。得られた焼結体
の表面を鏡面研磨加工した後、比較例1と同一の条件で
Ti、W及びAuからなる多層膜を形成した。このよう
にして得られた反射鏡を比較例4とした。 <比較例5>実施例9と同一のβ−スポジューメン粉末
を含む混合粉を同一の条件で焼成することにより実施例
9と同一の基体を作製した。得られた焼結体の表面を鏡
面研磨加工した後、比較例1と同一の条件でTi、W及
びAuからなる多層膜を形成した。このようにして得ら
れた反射鏡を比較例5とした。
【0027】<比較試験と評価>実施例1〜9及び比較
例1〜5の各反射鏡の金属層からなる反射面の焦点近傍
には定格電圧200V、消費電力1000Wのハロゲン
ヒータを設置した。このヒータにより赤外線を照射して
実施例1〜9の金属層の反射面及び比較例1〜5のめっ
き層の反射面におけるそれぞれの赤外線反射率と、実施
例1〜9の金属層及び比較例1〜5のめっき層の基体に
対するそれぞれの密着強度及び破断モードとを測定し
た。この結果を表1に示す。反射率は、実施例の金属層
及び比較例のスパッタ層に対して波長1.0μmの赤外
線を照射したときの赤外線の全反射率を測定することに
より求めた。
例1〜5の各反射鏡の金属層からなる反射面の焦点近傍
には定格電圧200V、消費電力1000Wのハロゲン
ヒータを設置した。このヒータにより赤外線を照射して
実施例1〜9の金属層の反射面及び比較例1〜5のめっ
き層の反射面におけるそれぞれの赤外線反射率と、実施
例1〜9の金属層及び比較例1〜5のめっき層の基体に
対するそれぞれの密着強度及び破断モードとを測定し
た。この結果を表1に示す。反射率は、実施例の金属層
及び比較例のスパッタ層に対して波長1.0μmの赤外
線を照射したときの赤外線の全反射率を測定することに
より求めた。
【0028】密着強度は、エージング処理前に、実施例
の金属層及び比較例のめっき層の基体に対するピーリン
グ(引き剥がし)試験により求め、その破断モードを目
視により判断した。
の金属層及び比較例のめっき層の基体に対するピーリン
グ(引き剥がし)試験により求め、その破断モードを目
視により判断した。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、実施例1〜9の
反射鏡は鏡面処理を施した金属表面での赤外線反射特性
と同等のレベルの高い赤外線反射特性を示すだけでな
く、ピーリング試験による密着性の試験では、基体に対
する金属層の密着性が高いことが判った。
反射鏡は鏡面処理を施した金属表面での赤外線反射特性
と同等のレベルの高い赤外線反射特性を示すだけでな
く、ピーリング試験による密着性の試験では、基体に対
する金属層の密着性が高いことが判った。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、基
体に湾曲面を形成し、ガラスセラミックスよりなる基体
に金属層を形成する反射鏡のガラスセラミックスが、8
00℃以上の軟化点のガラス中にアルミナ、ムライト、
ジルコニア、コーディエライト及びβ−スポジューメン
からなる群より選ばれた1種又は2種以上のセラミック
スを析出させたので、高い反射特性とともに高い耐熱性
及び耐食性を有し、基体の湾曲面と金属層との密着性に
優れ、温度上昇による金属層の剥離を防止できる。ま
た、金属層をAu,Ag,Pd及びPt等の貴金属でで
あれば大気中でかつ比較的低温で焼結することが可能に
なり、反射鏡の生産性を向上することができる。
体に湾曲面を形成し、ガラスセラミックスよりなる基体
に金属層を形成する反射鏡のガラスセラミックスが、8
00℃以上の軟化点のガラス中にアルミナ、ムライト、
ジルコニア、コーディエライト及びβ−スポジューメン
からなる群より選ばれた1種又は2種以上のセラミック
スを析出させたので、高い反射特性とともに高い耐熱性
及び耐食性を有し、基体の湾曲面と金属層との密着性に
優れ、温度上昇による金属層の剥離を防止できる。ま
た、金属層をAu,Ag,Pd及びPt等の貴金属でで
あれば大気中でかつ比較的低温で焼結することが可能に
なり、反射鏡の生産性を向上することができる。
【図1】本発明実施例1の反射鏡を示す図2のA−A線
断面図。
断面図。
【図2】その反射鏡を含む要部斜視図。
【図3】本発明の別の反射鏡を示す図1に対応する断面
図。
図。
【図4】その別の反射鏡を含む要部斜視図。
【図5】従来例の反射鏡を示す図6のB−B線断面図。
【図6】その従来例の反射鏡を含む要部斜視図。
10、20 反射鏡 11、21 基体 11a 湾曲面 12 金属層
フロントページの続き (72)発明者 菅村 邦夫 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 ガラスセラミックスよりなる基体(11)に
凹状の湾曲面(11a)が形成され、前記湾曲面(11a)に金属
層(12)が形成された反射鏡であって、 前記ガラスセラミックスが800℃以上の軟化点のガラ
ス中にアルミナ、ムライト、ジルコニア、コーディエラ
イト及びβ−スポジューメンからなる群より選ばれた1
種又は2種以上のセラミックスを含むことを特徴とする
反射鏡。 - 【請求項2】 金属層(12)がAu,Ag,Pd,Pt及
びAlからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属
を含む請求項1記載の反射鏡。 - 【請求項3】 金属層(12)がSiO2、B2O3、Pb
O、Bi2O3、Al2O3、M2Oで表されるアルカリ金
属酸化物(但し、MはLi,Na又はKである。)及び
M’Oで表されるアルカリ土類金属酸化物(但し、M’
はMg,Ca又はBaである。)からなる群より選ばれ
た1種又は2種以上の酸化物を0.1〜20重量%含
み、残部がAuにより構成された請求項1記載の反射
鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2633897A JPH10104409A (ja) | 1996-08-07 | 1997-02-10 | 反射鏡 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-207501 | 1996-08-07 | ||
JP20750196 | 1996-08-07 | ||
JP2633897A JPH10104409A (ja) | 1996-08-07 | 1997-02-10 | 反射鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10104409A true JPH10104409A (ja) | 1998-04-24 |
Family
ID=26364108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2633897A Withdrawn JPH10104409A (ja) | 1996-08-07 | 1997-02-10 | 反射鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10104409A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019118926A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 株式会社ダイヘン | 溶接用センサ装置 |
-
1997
- 1997-02-10 JP JP2633897A patent/JPH10104409A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019118926A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 株式会社ダイヘン | 溶接用センサ装置 |
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