JPH09178918A - Au薄膜付き反射鏡 - Google Patents

Au薄膜付き反射鏡

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JPH09178918A
JPH09178918A JP8229156A JP22915696A JPH09178918A JP H09178918 A JPH09178918 A JP H09178918A JP 8229156 A JP8229156 A JP 8229156A JP 22915696 A JP22915696 A JP 22915696A JP H09178918 A JPH09178918 A JP H09178918A
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JP
Japan
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thin film
glass layer
substrate
reflecting mirror
film
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP8229156A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Toyoda
誠司 豊田
Yoshio Kuromitsu
祥郎 黒光
Kunio Sugamura
邦夫 菅村
Akira Nakabayashi
明 中林
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い反射率特性と高い耐熱性を有する。Au
薄膜の密着性に優れる。 【解決手段】 Au薄膜付き反射鏡10は、Al23
AlN、SiC、タングステン、モリブデン、銅等から
なる基体11と、この基体上に形成されたガラス層12
と、このガラス層の表面にAu有機化合物を含むペース
トを塗布し焼成して形成されたAu薄膜13を備える。
このAu薄膜13はSiO2、B23、PbO、Bi2
3、Al23、M2Oで表されるアルカリ金属酸化物(但
し、MはLi,Na又はKである。)及びM’Oで表さ
れるアルカリ土類金属酸化物(但し、M’はMg,Ca
又はBaである。)からなる群より選ばれた1種又は2
種以上の酸化物を0.1〜20重量%含み、残部がAu
により構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は赤外線の反射に適す
るAu薄膜付き反射鏡に関する。更に詳しくはハロゲン
ヒータのような赤外線ヒータから放射された赤外線を反
射するに適した反射鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、太陽エネルギ吸収装置に用いられ
る反射鏡として、アルミニウム、鋼板、ステンレスなど
の金属、合金又はプラスチックなどの適宜な材料で形成
された基板上にアルミニウム、銀などからなる金属反射
膜が被着され、この金属反射膜の表面にSiO2のよう
なガラス質膜からなる透明性無機質保護膜が形成された
反射鏡が開示されている(特開昭57−4003)。こ
の反射鏡によれば、紫外域から可視域及び赤外域まで広
い範囲で高い反射率を有し、反射膜が透明性無機質保護
膜で保護されているため、反射面が平滑で汚損しにく
く、反射率が低下することがなく、またこの保護膜によ
り耐酸性、耐アルカリ性、耐塩性に優れ、長期にわた
り、反射特性を維持できる特長がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記反射鏡に
は、反射鏡が赤外線ヒータの放射熱のように1000℃
以上の高温の熱線を受けてこれを反射すると、基板が金
属の場合には金属粒子が粒成長を起こし、また基板がプ
ラスチックの場合には熱変形を生じ、これにより金属反
射膜が剥離して、それぞれ反射率を低下させる不具合が
あった。本発明の目的は、高い反射率特性と高い耐熱性
を有するAu薄膜付き反射鏡を提供することにある。本
発明の別の目的は、Au薄膜の密着性に優れたAu薄膜
付き反射鏡を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1の拡大図に示すように基体11上にガラス層12が
形成され、このガラス層12上にAu薄膜13が形成さ
れたAu薄膜付き反射鏡10である。その特徴ある構成
はAu薄膜13がAu有機化合物を含むペーストをガラ
ス層12上に塗布し焼成することにより形成され、かつ
Au薄膜13がSiO2、B23、PbO、Bi23
Al23、M2Oで表されるアルカリ金属酸化物(但
し、MはLi,Na又はKである。)及びM’Oで表さ
れるアルカリ土類金属酸化物(但し、M’はMg,Ca
又はBaである。)からなる群より選ばれた1種又は2
種以上の酸化物を0.1〜20重量%含み、残部がAu
により構成されたことにある。基体11の表面が粗くて
も、ガラス層12がこれを平滑化し、ガラス層上に形成
されたAu薄膜13の表面を歪みのない鏡面とし、高い
反射率特性を有するようにする。またガラス層12の上
にAu有機化合物ペーストを塗布して乾燥した後、焼成
すると、このペースト中のSi,B,Pb,Bi,A
l,Li,Na,K,Mg,Ca,Ba等が酸化物とな
り、これらがガラス層12のガラス成分と化学的に結合
する。これによりガラス層の表面に高い密着力で緻密で
連続したAu薄膜を形成する。Au薄膜13中の酸化物
の含有量が0.1重量%未満ではガラス層12のガラス
成分との結合力に劣り、20重量%を越えるとAuの含
有量が相対的に低下し反射率が低下するようになる。A
u薄膜13中の上記酸化物の好ましい含有割合は0.5
〜10重量%である。
【0005】請求項2又は請求項3に係る発明は、請求
項1に係る発明であって、基体11がAl23(アルミ
ナ)、AlN(窒化アルミニウム)、SiC(炭化珪
素)等のセラミックス、又はW(タングステン)、Mo
(モリブデン)、Cu(銅)等の金属又はその合金から
なることを特徴とする。基体11をセラミックスや高融
点の金属で構成することにより、高い耐熱性を有するよ
うにする。
【0006】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
いずれかに係る発明であって、Au薄膜13に含まれる
Au又はその合金がペースト中に15〜75重量%含ま
れることを特徴とする。このAu薄膜13に含まれる金
属はAu又はその合金であって、このAu又はその合金
のペースト中の含有量は20〜50重量%が更に好まし
い。Au又はその合金の含有量が15重量%未満では連
続した緻密な薄膜が得難く、75重量%を越えるとガラ
ス層に対する密着力が劣るようになる。
【0007】請求項5に係る発明は、請求項1ないし4
いずれかに係る発明であって、ガラス層12が0.1μ
m〜100μmの厚さに形成され、Au薄膜13が0.
01μm〜10μmの厚さに形成されたことを特徴とす
る。ガラス層12は2μm〜40μmの厚さに形成され
ることが好ましい。ガラス層12の厚さが0.1μm未
満では基体の表面平滑性が十分でなく、結果として高い
反射率を得ることが困難になり、100μmを越えると
基体全体の熱伝導性を極端に低下させる不具合がある。
またAu薄膜13は反射鏡の用途に応じて0.2μm〜
4μmの厚さに形成されることが好ましい。Au薄膜1
3は0.01μm未満の厚さに作ることは至難であり、
厚さが10μmを越えると経済的でない。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の基体11は図1に示すよ
うに板状の基板でも、図3に示すようにバルク状でもよ
い。また反射面は、図1及び図3に示すように凹面で
も、図示しないが、凸面でも平面でもよい。また本発明
のガラス層12を構成するガラス成分は、例えばPbO
−SiO2−B23系にAl23、アルカリ土類金属、
アルカリ金属等が添加された系である。このガラス層1
2は、熱膨張係数が基体の熱膨張係数に近いことが、ガ
ラス層形成時にクラック等の欠陥を生じないため、好ま
しい。例えば基体がAl23からなる場合、ガラス層の
熱膨張係数はこの基体の熱膨張係数に近い6.8±1.
0×10-6/℃であることが好ましく、またAlNから
なる場合、ガラス層の熱膨張係数はこの基体の熱膨張係
数に近い4.4±1.0×10-6/℃であることが好ま
しい。ガラス層12は、上記ガラス粉末を溶剤と混合し
てガラスペーストとし、このガラスペーストを基体の表
面にスクリーン印刷、スプレーコーティング、ディップ
コーティング、スピンコーティング等の方法により塗布
して乾燥した後、焼成しガラスを軟化させることにより
形成される。
【0009】更に本発明のガラス層12上に形成される
Au薄膜13は、Au有機化合物を含むペーストを塗布
し焼成してなるAu薄膜である。従来のAuペーストと
異なり、本発明のAuペーストはAu又はその合金が粉
末の状態でなく、Au成分及び微量の他の金属成分が有
機成分と化合物を形成し、液状になっているため、1μ
m以下の厚さの連続した薄膜も得られる特長がある。本
発明のガラス層12上に形成されたAu薄膜13はSi
2、B23、PbO、Bi23、Al23、M2Oで表
されるアルカリ金属酸化物(但し、MはLi,Na又は
Kである。)及びM’Oで表されるアルカリ土類金属酸
化物(但し、M’はMg,Ca又はBaである。)から
なる群より選ばれた1種又は2種以上の酸化物を0.1
〜20重量%含み、残部がAuにより構成される。この
液状のAu有機化合物に、例えばα−テレピネオール、
エチルセルロース等の有機物を添加し、ペースト化す
る。この有機物はペーストに粘性を付与して塗工性を高
めるとともに、焼成後のバインダとしての機能を有す
る。Au以外の他の金属成分としてはB,Pb,Bi,
Al,Li,Na,K,Mg,Ca,Ba等が挙げられ
る。Au薄膜13は、Au有機化合物ペーストをガラス
層12の表面にスクリーン印刷、スプレーコーティン
グ、ディップコーティング、スピンコーティング等の方
法により塗布して乾燥した後、焼成することにより形成
される。このAu薄膜13の上に更にAuめっきを施せ
ば、反射率特性がより向上し好ましい。
【0010】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 <実施例1〜6>図1及び図2に示すように、Au薄膜
付き反射鏡10の基板11は厚さが10mmであって、
この基板11の凹面は2次曲面に形成された。基板11
の材質は表1に示される。この基板11の凹面上のガラ
ス層12は、凹面全体に軟化点が750℃のPbO−S
iO2−B23系ガラス粒子を含むペーストをスプレー
コーティング法により塗布し、このペーストを塗布した
基板を150℃で10分間乾燥した後、大気中で100
0℃で1時間焼成することにより約4μmの厚さで形成
された。この基板11のガラス層12上に厚さ1μmの
Au薄膜13が形成した。このAu薄膜13は他の金属
成分としてPbとBiを含有する。即ち、Au薄膜13
は、Au27重量%とPb0.1重量%とBi0.2重
量%とSi0.1重量%をそれぞれ含む有機化合物と、
残部がα−テレピネオール、エチルセルロース等の有機
物からなるAu有機化合物ペーストをスプレーコーティ
ング法により塗布して、基板を120℃で乾燥した後、
大気中で700℃で10分間焼成することにより形成し
た。反射鏡10の2次曲線の焦点近傍には定格電圧20
0V、消費電力1000Wのハロゲンヒータ14を設置
した。
【0011】<比較例1〜6>比較のため、ガラス層を
形成しない以外は実施例1〜6と同様にして比較例1〜
6の反射鏡を作製した。
【0012】<比較試験と評価>実施例1〜6及び比較
例1〜6の反射鏡について、それぞれ赤外線の反射率と
耐熱性と基板に対するAu薄膜の密着性を比較試験し
た。その結果を表1に示す。反射率は基板上のAu薄膜
に対して波長2.5μmの赤外線を照射したときの赤外
線の全反射率を測定することにより求め、また耐熱性は
Au薄膜を形成した基板を大気中、500℃で100時
間、エージング処理した後のAu薄膜の外観変化の有無
を目視により判断した。更に基板に対するAu薄膜の密
着性は上述のエージング処理の後にAu薄膜のピーリン
グ(引き剥がし)試験を行い、その剥離箇所又は破壊箇
所により判断した。
【0013】
【表1】
【0014】表1から明らかなように、ガラス層のない
比較例1〜6では反射率が50%未満であったのに対し
て、ガラス層を有する実施例1〜6では96%以上の高
い反射率を示した。またAl23を除くセラミックスに
直接Au薄膜を形成した比較例2及び3では高熱処理で
微細な膨れが発生し、金属の基板を用いた比較例4〜6
では高熱処理でAu薄膜が変色したのに対して、実施例
1〜6ではAu薄膜に変化がなく、高い耐熱性を示すこ
とが判った。更にピーリング試験で比較例2〜6の反射
鏡でAu薄膜が剥離したのに対して、実施例1〜6の反
射鏡ではAu薄膜は剥離せずにその下層のガラス層又は
基板自体が内部で割れを生じた。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のAu薄膜付
き反射鏡では、基体の表面が粗くても、ガラス層がこれ
を平滑化し、ガラス層上に形成されたAu薄膜の表面を
歪みのない鏡面とする。基体上のガラス層上にAu有機
化合物を含むペーストを塗布し焼成することによりAu
薄膜が形成されているので、ガラス層の表面に高い密着
力でAu薄膜を形成できる。また基体をセラミックスや
高融点の金属で構成することにより、高い耐熱性を有す
る。特に従来の反射鏡と比較して、反射率特性及び耐熱
性に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAu薄膜付き反射鏡の断面図。
【図2】その斜視図。
【図3】本発明の別のAu薄膜付き反射鏡の断面図。
【符号の説明】
10 Au薄膜付き反射鏡 11 基板(基体) 12 ガラス層 13 Au薄膜 14 ハロゲンヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 5/10 G02B 5/10 C (72)発明者 中林 明 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体(11)上にガラス層(12)が形成され、
    前記ガラス層(12)上にAu薄膜(13)が形成されたAu薄
    膜付き反射鏡であって、 前記Au薄膜(13)がAu有機化合物を含むペーストを前
    記ガラス層(12)上に塗布し焼成することにより形成さ
    れ、 かつ前記Au薄膜(13)がSiO2、B23、PbO、B
    23、Al23、M2Oで表されるアルカリ金属酸化
    物(但し、MはLi,Na又はKである。)及びM’O
    で表されるアルカリ土類金属酸化物(但し、M’はM
    g,Ca又はBaである。)からなる群より選ばれた1
    種又は2種以上の酸化物を0.1〜20重量%含み、残
    部がAuにより構成されたことを特徴とするAu薄膜付
    き反射鏡。
  2. 【請求項2】 基体(11)がAl23、AlN又はSiC
    のセラミックスからなる請求項1記載のAu薄膜付き反
    射鏡。
  3. 【請求項3】 基体(11)がW、Mo又はCu或いはその
    合金からなる請求項1記載のAu薄膜付き反射鏡。
  4. 【請求項4】 Au薄膜(13)に含まれるAu又はその合
    金がペースト中に15〜75重量%含まれる請求項1な
    いし3記載のAu薄膜付き反射鏡。
  5. 【請求項5】 ガラス層(12)が0.1μm〜100μm
    の厚さに形成され、Au薄膜(13)が0.01μm〜10
    μmの厚さに形成された請求項1ないし4いずれか記載
    のAu薄膜付き反射鏡。
JP8229156A 1995-10-25 1996-08-30 Au薄膜付き反射鏡 Withdrawn JPH09178918A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007145234A1 (ja) * 2006-06-13 2007-12-21 Teitokusha Co., Ltd. 反射体及びその製造方法並びにこれを用いたヒーターユニット及び炉

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007145234A1 (ja) * 2006-06-13 2007-12-21 Teitokusha Co., Ltd. 反射体及びその製造方法並びにこれを用いたヒーターユニット及び炉
JPWO2007145234A1 (ja) * 2006-06-13 2009-11-05 貞徳舎株式会社 反射体及びその製造方法並びにこれを用いたヒーターユニット及び炉
JP4681051B2 (ja) * 2006-06-13 2011-05-11 貞徳舎株式会社 反射体及びその製造方法並びにこれを用いたヒーターユニット及び炉

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Effective date: 20031104