JPH10103411A - ベルト用ナイロン樹脂基材およびベルト - Google Patents
ベルト用ナイロン樹脂基材およびベルトInfo
- Publication number
- JPH10103411A JPH10103411A JP27882996A JP27882996A JPH10103411A JP H10103411 A JPH10103411 A JP H10103411A JP 27882996 A JP27882996 A JP 27882996A JP 27882996 A JP27882996 A JP 27882996A JP H10103411 A JPH10103411 A JP H10103411A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- belt
- base material
- nylon resin
- rubber
- resin base
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ベルト用基材として使用した場合に、ゴムとの
接着性が良好でかつ十分な屈曲疲労性を有するベルト用
ナイロン樹脂基材およびそれを用いたベルトを提供され
る。 【解決する手段】ベルト用ナイロン樹脂基材は、ナイロ
ン樹脂９８〜９０重量％と熱可塑性オレフィン系エラス
トマー２〜１０重量％を含む樹脂組成物からなるベルト
用基材であって、このベルト用基材は一軸方向に延伸さ
れており、かつ２３℃雰囲気下および変形量５％におけ
る引張強度が４〜１０ｋｇ／ｍｍ2 のものである。
接着性が良好でかつ十分な屈曲疲労性を有するベルト用
ナイロン樹脂基材およびそれを用いたベルトを提供され
る。 【解決する手段】ベルト用ナイロン樹脂基材は、ナイロ
ン樹脂９８〜９０重量％と熱可塑性オレフィン系エラス
トマー２〜１０重量％を含む樹脂組成物からなるベルト
用基材であって、このベルト用基材は一軸方向に延伸さ
れており、かつ２３℃雰囲気下および変形量５％におけ
る引張強度が４〜１０ｋｇ／ｍｍ2 のものである。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナイロン樹脂と熱
可塑性オレフィン系エラストマーの混合物からなる樹脂
組成物を一軸方向に延伸配向させたベルト基材であっ
て、特に耐屈曲疲労性に優れる伝動ベルト用芯材として
のナイロン樹脂基材、およびそのベルト用基材を用いた
ベルトに関するものである。
可塑性オレフィン系エラストマーの混合物からなる樹脂
組成物を一軸方向に延伸配向させたベルト基材であっ
て、特に耐屈曲疲労性に優れる伝動ベルト用芯材として
のナイロン樹脂基材、およびそのベルト用基材を用いた
ベルトに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、伝動用ベルトおよび搬送用ベルト
には、強度向上および耐久性向上を目的として、一軸配
向させたナイロン樹脂が使用されている。しかしなが
ら、かかるベルトは、強度向上を目的に一軸方向に強く
結晶配向させたが故にベルトが剛く、また使用過程にお
いて繰り返しの屈曲のためベルト基材が層状的に剥離疲
労破壊して使用に耐えなくなるなど、必ずしも満足のい
く耐久性が得られていないのが現状である。
には、強度向上および耐久性向上を目的として、一軸配
向させたナイロン樹脂が使用されている。しかしなが
ら、かかるベルトは、強度向上を目的に一軸方向に強く
結晶配向させたが故にベルトが剛く、また使用過程にお
いて繰り返しの屈曲のためベルト基材が層状的に剥離疲
労破壊して使用に耐えなくなるなど、必ずしも満足のい
く耐久性が得られていないのが現状である。
【０００３】ナイロン樹脂基材の耐屈曲疲労性、耐久性
を向上させるため、例えば特開昭６３−６３７４８号公
報に、ポリアミド樹脂とポリアミド／ポリエーテル共重
合体樹脂の混合物を一軸配向させたシートが開示されて
おり（以下、従来技術１という）、また、特公平７−２
０６７８号公報には、（イ）ナイロン１１あるいはナイ
ロン１２とポリエーテルとの共重合体樹脂と（ロ）ナイ
ロン１１あるいはナイロン１２との混合物を一軸配向さ
せた樹脂ベルトが記載されている（以下、従来技術２と
いう）。
を向上させるため、例えば特開昭６３−６３７４８号公
報に、ポリアミド樹脂とポリアミド／ポリエーテル共重
合体樹脂の混合物を一軸配向させたシートが開示されて
おり（以下、従来技術１という）、また、特公平７−２
０６７８号公報には、（イ）ナイロン１１あるいはナイ
ロン１２とポリエーテルとの共重合体樹脂と（ロ）ナイ
ロン１１あるいはナイロン１２との混合物を一軸配向さ
せた樹脂ベルトが記載されている（以下、従来技術２と
いう）。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術１で得られたシートは、これをベルト用基材とし
て使用した場合には、耐久性向上のために混合したポリ
アミド／ポリエーテル共重合体樹脂の吸水性が高く、し
かも耐熱性が低いことにより、必ずしも十分な耐久性が
得られないものであった。
来技術１で得られたシートは、これをベルト用基材とし
て使用した場合には、耐久性向上のために混合したポリ
アミド／ポリエーテル共重合体樹脂の吸水性が高く、し
かも耐熱性が低いことにより、必ずしも十分な耐久性が
得られないものであった。
【０００５】また、上記従来技術２で得られた樹脂ベル
トをベルト用基材として使用した場合、高級ナイロンを
組成とするが故にゴムとの接着性に劣り、結果として必
ずしも十分な耐久性が得られないものであった。
トをベルト用基材として使用した場合、高級ナイロンを
組成とするが故にゴムとの接着性に劣り、結果として必
ずしも十分な耐久性が得られないものであった。
【０００６】本発明の目的は、上記従来の課題を解消せ
んとするものであり、ベルト用基材として使用した場合
に、ゴムとの接着性が良好でかつ十分な屈曲疲労性を有
する層状剥離性を改善したベルト用ナイロン樹脂基材を
提供することにある。
んとするものであり、ベルト用基材として使用した場合
に、ゴムとの接着性が良好でかつ十分な屈曲疲労性を有
する層状剥離性を改善したベルト用ナイロン樹脂基材を
提供することにある。
【０００７】本発明の他の目的は、かかるベルト用基材
を用いた耐久性のあるナイロン樹脂ベルトを提供するこ
とにある。
を用いた耐久性のあるナイロン樹脂ベルトを提供するこ
とにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の上記した目的
は、ナイロン樹脂９８〜９０重量％と熱可塑性オレフィ
ン系エラストマー２〜１０重量％を含む樹脂組成物から
なるベルト用基材であって、該ベルト用基材は一軸方向
に延伸されており、かつ２３℃雰囲気下および変形量５
％における引張強度が４〜１０ｋｇ／ｍｍ2 であること
を特徴とするベルト用ナイロン樹脂基材の提供によって
達成される。
は、ナイロン樹脂９８〜９０重量％と熱可塑性オレフィ
ン系エラストマー２〜１０重量％を含む樹脂組成物から
なるベルト用基材であって、該ベルト用基材は一軸方向
に延伸されており、かつ２３℃雰囲気下および変形量５
％における引張強度が４〜１０ｋｇ／ｍｍ2 であること
を特徴とするベルト用ナイロン樹脂基材の提供によって
達成される。
【０００９】本発明のベルト用ナイロン樹脂基材におい
ては、延伸方向がベルトの長手方向であることが好まし
い。
ては、延伸方向がベルトの長手方向であることが好まし
い。
【００１０】また本発明においては、前記熱可塑性オレ
フィン系エラストマーが不飽和カルボン酸および／また
はその誘導体で変性されたエチレン−プロピレン共重合
体、あるいは不飽和カルボン酸および／またはその誘導
体で変性されたエチレン／ブチレン−ポリスチレン共重
合体であることが好ましい実施態様として含まれる。本
発明のベルト用ナイロン樹脂基材は、単体でベルトとし
て使用することもできるが、通常はこれをベルトの芯材
または一部材として、ゴム等の他のベルト材料と積層等
併用する。
フィン系エラストマーが不飽和カルボン酸および／また
はその誘導体で変性されたエチレン−プロピレン共重合
体、あるいは不飽和カルボン酸および／またはその誘導
体で変性されたエチレン／ブチレン−ポリスチレン共重
合体であることが好ましい実施態様として含まれる。本
発明のベルト用ナイロン樹脂基材は、単体でベルトとし
て使用することもできるが、通常はこれをベルトの芯材
または一部材として、ゴム等の他のベルト材料と積層等
併用する。
【００１１】以下、本発明を詳細に説明する。
【００１２】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるナイロン樹脂
は、押出し可能であれば特に限定されない。好ましくは
硫酸溶液で測定した相対溶液粘度が２．５〜４．５のナ
イロン樹脂である。ナイロン樹脂としては、例えばラク
タムの開環重合、ジアミンとジカルボン酸との縮合重合
あるいはアミノ酸の縮合重合により得られる熱可塑性樹
脂で、具体的にはナイロン６、ナイロン６６、ナイロン
１１、ナイロン１２、ナイロン６１０およびこれらの混
合物等が挙げられるが、本発明で併用される熱可塑性オ
レフィン系エラストマーとの相溶性に優れているナイロ
ン６樹脂が特に好ましく、耐屈曲性を向上せしめ強靭な
ベルト基材とすることができる。
は、押出し可能であれば特に限定されない。好ましくは
硫酸溶液で測定した相対溶液粘度が２．５〜４．５のナ
イロン樹脂である。ナイロン樹脂としては、例えばラク
タムの開環重合、ジアミンとジカルボン酸との縮合重合
あるいはアミノ酸の縮合重合により得られる熱可塑性樹
脂で、具体的にはナイロン６、ナイロン６６、ナイロン
１１、ナイロン１２、ナイロン６１０およびこれらの混
合物等が挙げられるが、本発明で併用される熱可塑性オ
レフィン系エラストマーとの相溶性に優れているナイロ
ン６樹脂が特に好ましく、耐屈曲性を向上せしめ強靭な
ベルト基材とすることができる。
【００１３】本発明で用いられる熱可塑性オレフィン系
エラストマーとしては、ナイロン樹脂と相溶性が良好
で、かつナイロン樹脂の耐熱性を低下させないエラスト
マーであれば特に限定されないが、ナイロン樹脂との相
溶性あるいはベルト用ゴムとの接着性の点で、無水マレ
イン酸、無水フマール酸、マレイン酸、フマール酸等の
不飽和カルボン酸やその誘導体で変性されたエチレン−
プロピレン共重合体、あるいは無水マレイン酸、無水フ
マール酸、マレイン酸、フマール酸等の不飽和カルボン
酸やその誘導体で変性されたエチレン／ブチレン−ポリ
スチレン共重合体が好ましい。
エラストマーとしては、ナイロン樹脂と相溶性が良好
で、かつナイロン樹脂の耐熱性を低下させないエラスト
マーであれば特に限定されないが、ナイロン樹脂との相
溶性あるいはベルト用ゴムとの接着性の点で、無水マレ
イン酸、無水フマール酸、マレイン酸、フマール酸等の
不飽和カルボン酸やその誘導体で変性されたエチレン−
プロピレン共重合体、あるいは無水マレイン酸、無水フ
マール酸、マレイン酸、フマール酸等の不飽和カルボン
酸やその誘導体で変性されたエチレン／ブチレン−ポリ
スチレン共重合体が好ましい。
【００１４】本発明において、熱可塑性オレフィン系エ
ラストマーの配合量は、ナイロン樹脂に対し好ましくは
２〜１０重量％であり、３〜７重量％がより好ましい。
配合量が２重量％未満になると、引張強度は満足するも
のの強靭性が不足して層状剥離破断を示し、耐屈曲疲労
特性を満足させることができない。一方、熱可塑性オレ
フィン系エラストマーの配合量が１０重量％を越える
と、強靭性は増すが、むしろ引張強度および耐熱性が低
下し実用に耐えない。
ラストマーの配合量は、ナイロン樹脂に対し好ましくは
２〜１０重量％であり、３〜７重量％がより好ましい。
配合量が２重量％未満になると、引張強度は満足するも
のの強靭性が不足して層状剥離破断を示し、耐屈曲疲労
特性を満足させることができない。一方、熱可塑性オレ
フィン系エラストマーの配合量が１０重量％を越える
と、強靭性は増すが、むしろ引張強度および耐熱性が低
下し実用に耐えない。
【００１５】本発明のナイロン樹脂と熱可塑性オレフィ
ン系エラストマーからなる樹脂組成物は、ベルト用基材
としての特性を損なわない程度に安定剤、滑剤、無機質
核剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、補強材などの添加
剤を含んでいてもよい。
ン系エラストマーからなる樹脂組成物は、ベルト用基材
としての特性を損なわない程度に安定剤、滑剤、無機質
核剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、補強材などの添加
剤を含んでいてもよい。
【００１６】本発明のベルト用ナイロン樹脂基材は、ナ
イロン樹脂と熱可塑性オレフィン系エラストマーからな
る樹脂組成物を押出機を用いてシート状に押出しながら
一軸方向に延伸することによって製造されるが、このと
きの延伸倍率は２〜６倍が好ましく、３〜５倍がより好
ましい。
イロン樹脂と熱可塑性オレフィン系エラストマーからな
る樹脂組成物を押出機を用いてシート状に押出しながら
一軸方向に延伸することによって製造されるが、このと
きの延伸倍率は２〜６倍が好ましく、３〜５倍がより好
ましい。
【００１７】また、ナイロン樹脂と熱可塑性オレフィン
系エラストマーからなる樹脂組成物は、押出機を用いて
予め混練りしたペレット状樹脂組成物とするか、あるい
は各々のペレットを所定の比率で予め混合しシート状に
押出す押出機に直接投入するかのいずれでもよいが、予
め混練りしたペレット状樹脂組成物とした方が好まし
い。
系エラストマーからなる樹脂組成物は、押出機を用いて
予め混練りしたペレット状樹脂組成物とするか、あるい
は各々のペレットを所定の比率で予め混合しシート状に
押出す押出機に直接投入するかのいずれでもよいが、予
め混練りしたペレット状樹脂組成物とした方が好まし
い。
【００１８】本発明において、所定の樹脂組成物は押出
機を用いてシート状に押出され、さらに一軸方向に延伸
される。一軸方向に延伸する方法としては延伸あるいは
圧延法が好適である。延伸法は、樹脂シートをロール間
の回転速度差を利用した延伸方法あるいはダイス内を通
す引抜き延伸方法であり、圧延法は、樹脂シートを加圧
あるいは間隙が規定されたロール間を通過させる方法で
あが、本発明では、圧延ロール間の回転速度差を利用し
て、徐々に所定の倍率まで延伸する方法が最も好まし
い。
機を用いてシート状に押出され、さらに一軸方向に延伸
される。一軸方向に延伸する方法としては延伸あるいは
圧延法が好適である。延伸法は、樹脂シートをロール間
の回転速度差を利用した延伸方法あるいはダイス内を通
す引抜き延伸方法であり、圧延法は、樹脂シートを加圧
あるいは間隙が規定されたロール間を通過させる方法で
あが、本発明では、圧延ロール間の回転速度差を利用し
て、徐々に所定の倍率まで延伸する方法が最も好まし
い。
【００１９】ベルトの基材あるいは芯材として使用され
る本発明のナイロン樹脂基材の延伸方向は、ベルトの長
手方向であることが好ましい。ベルトの耐屈曲疲労特性
など、耐久性が著しく向上するからである。本発明のナ
イロン樹脂基材の厚さは、用途やベルト構造によって異
なるが、通常は好ましくは０．１〜２．０ｍｍ、より好
ましくは０．２〜１．５ｍｍである。
る本発明のナイロン樹脂基材の延伸方向は、ベルトの長
手方向であることが好ましい。ベルトの耐屈曲疲労特性
など、耐久性が著しく向上するからである。本発明のナ
イロン樹脂基材の厚さは、用途やベルト構造によって異
なるが、通常は好ましくは０．１〜２．０ｍｍ、より好
ましくは０．２〜１．５ｍｍである。
【００２０】本発明のベルト用ナイロン樹脂基材は、そ
のものを単体でベルトとして使用することもできるが、
ゴムなどの補強性材料からなる層と積層して芯材として
使用することもできる。
のものを単体でベルトとして使用することもできるが、
ゴムなどの補強性材料からなる層と積層して芯材として
使用することもできる。
【００２１】図１〜図４は、それぞれ本発明のベルト用
ナイロン樹脂基材を用いた平ベルトの使用例を示す断面
図であり、図１の平ベルト１は、本発明のナイロン樹脂
基材２を芯材とし、両表面が接着剤を介しゴム層３で被
覆されている。また、図２は本発明の別の実施態様で、
ゴム層３の両表面にナイロン樹脂基材２が接着剤を介し
積層されている。さらに図３は、図１の平ベルト１のゴ
ム層３に補強用繊維基材４を介在せしめた別の実施態様
の平ベルト１を、また図４は、図２の平ベルト１のゴム
層３に補強用繊維基材４を介在せしめた別の実施態様の
平ベルト１をそれぞれ示している。
ナイロン樹脂基材を用いた平ベルトの使用例を示す断面
図であり、図１の平ベルト１は、本発明のナイロン樹脂
基材２を芯材とし、両表面が接着剤を介しゴム層３で被
覆されている。また、図２は本発明の別の実施態様で、
ゴム層３の両表面にナイロン樹脂基材２が接着剤を介し
積層されている。さらに図３は、図１の平ベルト１のゴ
ム層３に補強用繊維基材４を介在せしめた別の実施態様
の平ベルト１を、また図４は、図２の平ベルト１のゴム
層３に補強用繊維基材４を介在せしめた別の実施態様の
平ベルト１をそれぞれ示している。
【００２２】ここでゴム層３を構成するゴムは、天然ゴ
ム、合成ゴムのいずれでもよく、ゴム層３としてはゴム
層単体で使用してもよく、補強用繊維基材をゴム層内に
介在せしめたものでもよい。補強用繊維基材としては、
天然繊維や合成繊維等からなるコード、編織物等が挙げ
られるが、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維からな
る織布が好ましく用いられる。このような補強用繊維基
材を介在せしめたゴム被覆材は、上記繊維基材にゴムを
含浸またはコーティングする通常の手段で製造すること
ができる。
ム、合成ゴムのいずれでもよく、ゴム層３としてはゴム
層単体で使用してもよく、補強用繊維基材をゴム層内に
介在せしめたものでもよい。補強用繊維基材としては、
天然繊維や合成繊維等からなるコード、編織物等が挙げ
られるが、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維からな
る織布が好ましく用いられる。このような補強用繊維基
材を介在せしめたゴム被覆材は、上記繊維基材にゴムを
含浸またはコーティングする通常の手段で製造すること
ができる。
【００２３】また、本発明においては、補強用繊維基材
をゴム層と本発明のナイロン樹脂基材との間に積層接着
させたベルトも一実施態様として含まれる。
をゴム層と本発明のナイロン樹脂基材との間に積層接着
させたベルトも一実施態様として含まれる。
【００２４】本発明のベルト用ナイロン樹脂基材は、一
軸方向に延伸配向されており、２３℃雰囲気下および変
形量５％における引張強度が４〜１０ｋｇ／ｍｍ2 であ
ることが特徴である。強度が小さすぎるとベルトとして
の使用に耐えられず、また大きすぎると、剛くなりすぎ
て層状剥離破断し易く、耐屈曲疲労特性が低下する。す
なわち高配向にすることによって基材の引張強度を大き
くすることはできるが、逆に基材自体の耐久性は小さく
なるので、両者のバランスが必要となる。
軸方向に延伸配向されており、２３℃雰囲気下および変
形量５％における引張強度が４〜１０ｋｇ／ｍｍ2 であ
ることが特徴である。強度が小さすぎるとベルトとして
の使用に耐えられず、また大きすぎると、剛くなりすぎ
て層状剥離破断し易く、耐屈曲疲労特性が低下する。す
なわち高配向にすることによって基材の引張強度を大き
くすることはできるが、逆に基材自体の耐久性は小さく
なるので、両者のバランスが必要となる。
【００２５】本発明のベルト用ナイロン樹脂基材は、ベ
ルト用途として伝動用ベルト、搬送用ベルト等に使用で
きる。
ルト用途として伝動用ベルト、搬送用ベルト等に使用で
きる。
【００２６】以下、実施例によりさらに詳細に説明する
が、実施例中の各物性は次のようにして測定したもので
ある。 Ａ．ナイロン樹脂基材の引張強度（ｋｇ／ｍｍ2 ） 延伸方向に幅２０ｍｍ×長さＬ３５０ｍｍのタンザク状
シートを切出し、ＪＩＳＫ６３０１に準じて強度を測定
した。 Ｂ．屈曲疲労特性（回） 基材から、ＪＩＳＫ６３０１に準じた小型ダンベル片を
打抜き、片側可動の引張試験機を用いて、初期長Ｌ0 ＝
２５ｍｍから１サイクル当たりのストローク量（Δ１０
ｍｍ；Ｌ0 ＝２５ｍｍ→Ｌ＝１５ｍｍ）を与えて（２８
０サイクル／分）、ダンベル片を一定変形量で屈曲さ
せ、破断するまでのサイクル数（回数）を測定した。 Ｃ．層状剥離 延伸方向に幅Ｗ１００ｍｍ×長さＬ２００ｍｍのタンザ
ク状シートを切出し延伸方向端部に１０ｍｍ長さの切れ
目を入れた後、強制的に左右に引裂き、その破断面の状
態を観察した。
が、実施例中の各物性は次のようにして測定したもので
ある。 Ａ．ナイロン樹脂基材の引張強度（ｋｇ／ｍｍ2 ） 延伸方向に幅２０ｍｍ×長さＬ３５０ｍｍのタンザク状
シートを切出し、ＪＩＳＫ６３０１に準じて強度を測定
した。 Ｂ．屈曲疲労特性（回） 基材から、ＪＩＳＫ６３０１に準じた小型ダンベル片を
打抜き、片側可動の引張試験機を用いて、初期長Ｌ0 ＝
２５ｍｍから１サイクル当たりのストローク量（Δ１０
ｍｍ；Ｌ0 ＝２５ｍｍ→Ｌ＝１５ｍｍ）を与えて（２８
０サイクル／分）、ダンベル片を一定変形量で屈曲さ
せ、破断するまでのサイクル数（回数）を測定した。 Ｃ．層状剥離 延伸方向に幅Ｗ１００ｍｍ×長さＬ２００ｍｍのタンザ
ク状シートを切出し延伸方向端部に１０ｍｍ長さの切れ
目を入れた後、強制的に左右に引裂き、その破断面の状
態を観察した。
【００２７】
（実施例１）相対粘度３．２のナイロン６樹脂９５重量
％と、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−プロピ
レン共重合ポリマー（商品名：三井石油化学製“タフマ
ーＭＰ０６１０”）５重量％をリボンブレンダーで均一
に混合した後、直径５０ｍｍ２軸押出機を用いて溶融混
練したペレットを得た。
％と、不飽和カルボン酸で変性されたエチレン−プロピ
レン共重合ポリマー（商品名：三井石油化学製“タフマ
ーＭＰ０６１０”）５重量％をリボンブレンダーで均一
に混合した後、直径５０ｍｍ２軸押出機を用いて溶融混
練したペレットを得た。
【００２８】このペレットを直径６０ｍｍの単軸押出機
を用いてシート状に溶融押出し、延伸倍率４．０倍、厚
み１．０ｍｍのシート状基材を得た。基材の引張強度
は、変形量５％における引張強度７．５（ｋｇ／ｍ
ｍ2 ）、屈曲疲労破断回数１２５回、さらに強制引裂き
では引裂くことができない程の強靭性を示した。 （比較例１）相対粘度３．２のナイロン６樹脂を直径６
０ｍｍの単軸押出機を用いてシート状に溶融押出し、延
伸倍率３．８倍、厚み１．０ｍｍのシート状基材を得
た。基材の引張強度は、変形量５％における引張強度
８．５（ｋｇ／ｍｍ2 ）、屈曲疲労破断回数６７回、さ
らに強制引裂きでは容易に引裂かれ、その破断面は層状
剥離破断を示した。 （実施例２〜３、比較例２）相対粘度３．２のナイロン
６樹脂に対するオレフィン系エラストマー“タフマーＭ
Ｐ０６１０”の添加混合割合を変更した以外は、実施例
１と同様にシート状基材を製造した。結果を表１に示
す。強制引裂では差異はなかったが、本発明の基材は、
引裂強度、耐屈曲疲労特性で優れていた。
を用いてシート状に溶融押出し、延伸倍率４．０倍、厚
み１．０ｍｍのシート状基材を得た。基材の引張強度
は、変形量５％における引張強度７．５（ｋｇ／ｍ
ｍ2 ）、屈曲疲労破断回数１２５回、さらに強制引裂き
では引裂くことができない程の強靭性を示した。 （比較例１）相対粘度３．２のナイロン６樹脂を直径６
０ｍｍの単軸押出機を用いてシート状に溶融押出し、延
伸倍率３．８倍、厚み１．０ｍｍのシート状基材を得
た。基材の引張強度は、変形量５％における引張強度
８．５（ｋｇ／ｍｍ2 ）、屈曲疲労破断回数６７回、さ
らに強制引裂きでは容易に引裂かれ、その破断面は層状
剥離破断を示した。 （実施例２〜３、比較例２）相対粘度３．２のナイロン
６樹脂に対するオレフィン系エラストマー“タフマーＭ
Ｐ０６１０”の添加混合割合を変更した以外は、実施例
１と同様にシート状基材を製造した。結果を表１に示
す。強制引裂では差異はなかったが、本発明の基材は、
引裂強度、耐屈曲疲労特性で優れていた。
【００２９】
【表１】 （実施例４）相対粘度３．２のナイロン６樹脂に対する
オレフィン系エラストマーをエチレン／ブチレン−ポリ
スチレン共重合ポリマー（商品名：旭化成製“タフテッ
クＭ１９４３”）とし、配合量は５％とした以外は、実
施例１と同様にしてシート状基材を製造した。
オレフィン系エラストマーをエチレン／ブチレン−ポリ
スチレン共重合ポリマー（商品名：旭化成製“タフテッ
クＭ１９４３”）とし、配合量は５％とした以外は、実
施例１と同様にしてシート状基材を製造した。
【００３０】基材の引張強度は、変形量５％における引
張強度７．９（ｋｇ／ｍｍ2 ）、屈曲疲労破断回数１２
０回、さらに強制引裂きでは引裂くことができない程の
強靭性を示し、ベルト用樹脂基材として優れた性能を示
すものであった。
張強度７．９（ｋｇ／ｍｍ2 ）、屈曲疲労破断回数１２
０回、さらに強制引裂きでは引裂くことができない程の
強靭性を示し、ベルト用樹脂基材として優れた性能を示
すものであった。
【００３１】
【発明の効果】本発明のナイロン樹脂基材は、上記構成
により次の効果を奏する。 (1) 大きな強靭性を有し、特にベルトとして重要な製品
機能である耐屈曲疲労特性に優れる。 (2) 引裂きに対して抵抗力が顕著に増大し、層状剥離を
全く示さない。したがって、ベルト製品の耐久性が顕著
に増大する。
により次の効果を奏する。 (1) 大きな強靭性を有し、特にベルトとして重要な製品
機能である耐屈曲疲労特性に優れる。 (2) 引裂きに対して抵抗力が顕著に増大し、層状剥離を
全く示さない。したがって、ベルト製品の耐久性が顕著
に増大する。
【図１】 図１は、本発明のベルト用ナイロン樹脂基材
を用いた平ベルトの使用例を示す断面図である。
を用いた平ベルトの使用例を示す断面図である。
【図２】 図２は、本発明のベルト用ナイロン樹脂基材
を用いた他の平ベルトの使用例を示す断面図である。
を用いた他の平ベルトの使用例を示す断面図である。
【図３】 図３は、本発明のベルト用ナイロン樹脂基材
を用いた他の平ベルトの使用例を示す断面図である。
を用いた他の平ベルトの使用例を示す断面図である。
【図４】 図４は、本発明のベルト用ナイロン樹脂基材
を用いた他の平ベルトの使用例を示す断面図である。
を用いた他の平ベルトの使用例を示す断面図である。
１・・・平ベルト ２・・・ナイロン樹脂基材 ３・・・ゴム層 ４・・・補強用繊維基材
Claims (5)
- 【請求項１】 ナイロン樹脂９８〜９０重量％と熱可塑
性オレフィン系エラストマー２〜１０重量％を含む樹脂
組成物からなるベルト用基材であって、該ベルト用基材
は一軸方向に延伸されており、かつ２３℃雰囲気下およ
び変形量５％における引張強度が４〜１０ｋｇ／ｍｍ2
であることを特徴とするベルト用ナイロン樹脂基材。 - 【請求項２】 延伸方向がベルトの長手方向であること
を特徴とする請求項１記載のベルト用ナイロン樹脂基
材。 - 【請求項３】 前記熱可塑性オレフィン系エラストマー
が、不飽和カルボン酸および／またはその誘導体で変性
されたエチレン−プロピレン共重合体であることを特徴
とする請求項１または２記載のベルト用ナイロン樹脂基
材。 - 【請求項４】 前記熱可塑性オレフィン系エラストマー
が、不飽和カルボン酸および／またはその誘導体で変性
されたエチレン／ブチレン−ポリスチレン共重合体であ
ることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載のベ
ルト用ナイロン樹脂基材。 - 【請求項５】 前記請求項１〜４のいずれかに記載のベ
ルト用ナイロン樹脂基材を用いてなるベルト。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27882996A JPH10103411A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | ベルト用ナイロン樹脂基材およびベルト |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27882996A JPH10103411A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | ベルト用ナイロン樹脂基材およびベルト |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10103411A true JPH10103411A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17602741
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27882996A Pending JPH10103411A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | ベルト用ナイロン樹脂基材およびベルト |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10103411A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011133029A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Nitta Corp | 平ベルト |
| WO2012133923A1 (ja) * | 2011-03-31 | 2012-10-04 | ニッタ株式会社 | ベルト |
| CN110295874A (zh) * | 2019-08-13 | 2019-10-01 | 北京富机达能电气产品股份有限公司 | 一种应用伺服控制系统的抽油机及方法 |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP27882996A patent/JPH10103411A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011133029A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Nitta Corp | 平ベルト |
| WO2012133923A1 (ja) * | 2011-03-31 | 2012-10-04 | ニッタ株式会社 | ベルト |
| CN103492495A (zh) * | 2011-03-31 | 2014-01-01 | 新田株式会社 | 带 |
| KR20140024350A (ko) * | 2011-03-31 | 2014-02-28 | 니타 가부시키가이샤 | 벨트 |
| JPWO2012133923A1 (ja) * | 2011-03-31 | 2014-07-28 | ニッタ株式会社 | ベルト |
| JP5870090B2 (ja) * | 2011-03-31 | 2016-02-24 | ニッタ株式会社 | ベルト |
| US9624372B2 (en) | 2011-03-31 | 2017-04-18 | Nitta Corporation | Belt |
| CN110295874A (zh) * | 2019-08-13 | 2019-10-01 | 北京富机达能电气产品股份有限公司 | 一种应用伺服控制系统的抽油机及方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| KR100232842B1 (ko) | 적층필름 | |
| JP2001522738A (ja) | 改良接着材を有する多成分構造 | |
| JPH07195622A (ja) | 熱可塑性プラスチックに接着した熱可塑性プラスチック／ゴムアロイ | |
| US3992958A (en) | Transmission belt | |
| JP2000220770A (ja) | 複合フレキシブルホース | |
| JPH10103411A (ja) | ベルト用ナイロン樹脂基材およびベルト | |
| CN1280371C (zh) | 无卤素阻燃粘合带及其制造方法 | |
| JP2000120944A (ja) | 冷媒輸送用ホース | |
| JPH10146900A (ja) | ベルト用ナイロン樹脂基材及びベルト | |
| JPH109344A (ja) | 背面帆布付きｖリブドベルト | |
| JP2000034450A (ja) | 粘着テープ | |
| JP2001354849A (ja) | ベルト用ナイロン樹脂基材及びベルト | |
| JPS62156928A (ja) | ポリエチレンフイルムの製造方法 | |
| JPS59153606A (ja) | パンクレジスタンスタイヤ | |
| JPS6363748A (ja) | 一軸配向ポリアミド系樹脂シ−ト | |
| JPS6114261B2 (ja) | ||
| JP2019001344A5 (ja) | ||
| JP2816905B2 (ja) | ゴムとゴムとの接着複合体の製造方法 | |
| WO2000058191A1 (en) | Electrically conductive timing belt | |
| JPH05301973A (ja) | Ａｂｓ樹脂とゴムとの接着複合体の製造方法 | |
| JPH10128926A (ja) | ラミネートシート | |
| JP4752614B2 (ja) | 繊維被覆用塗布液およびそれを用いたゴム補強用繊維 | |
| JPH02239006A (ja) | コンベアベルト及びその製造方法 | |
| JP2000072891A (ja) | 摩擦材用素材の製造方法 | |
| JP3116247B2 (ja) | ゴム・ゴム接着複合体 |