JPH10103373A - 湿式摩擦接触装置 - Google Patents

湿式摩擦接触装置

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JPH10103373A
JPH10103373A JP9194279A JP19427997A JPH10103373A JP H10103373 A JPH10103373 A JP H10103373A JP 9194279 A JP9194279 A JP 9194279A JP 19427997 A JP19427997 A JP 19427997A JP H10103373 A JPH10103373 A JP H10103373A
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JP
Japan
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component element
main component
driving member
contact surface
friction
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JP9194279A
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English (en)
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Koji Shimoda
好司 霜田
Sadataka Obuchi
貞孝 大渕
Yoshitaka Tomiyama
嘉孝 冨山
Akira Nakano
暁 中野
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NIPPON FUNMATSU GOKIN KK
Toyota Motor Corp
Original Assignee
NIPPON FUNMATSU GOKIN KK
Toyota Motor Corp
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/58Details
    • F16D13/60Clutching elements
    • F16D13/62Clutch-bands; Clutch shoes; Clutch-drums
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D69/02Compositions of linings; Methods of manufacturing
    • F16D69/027Compositions based on metals or inorganic oxides
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F2998/00Supplementary information concerning processes or compositions relating to powder metallurgy

Abstract

(57)【要約】 【課題】ユニットの大型化を生じることなく従来の湿式
摩擦接触装置に比して大きなトルク容量を確保しつつ、
分解交換が不要な湿式摩擦接触装置を提供する。 【解決手段】非駆動部材と、この非駆動部材に対して駆
動する駆動部材と、非駆動部材及び駆動部材の間に介在
される流体とからなり、非駆動部材と駆動部材との接触
面の動摩擦係数が0.2以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両や産業機械の
クラッチやブレーキ等に採用され得る湿式摩擦接触装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】湿式摩擦接触装置の例として、車両の自
動変速機に用いられている湿式クラッチでは、駆動部材
としての複数のフライホイールがエンジンのクランクシ
ャフトに連結されており、これらのフライホイールには
複数のクラッチプレートが移動可能に対面されている。
各クラッチプレートには非駆動部材としての摩擦材(ク
ラッチフェーシング)が貼り付けられており、クラッチ
プレートはプレッシャープレートによりフライホイール
側に押しつけられるように構成されている。また、フラ
イホイールとクラッチプレートとの間には流体として潤
滑油が介在されている。この湿式クラッチでは、摩擦材
(非駆動部材)とその相手材としてのフライホイール
(駆動部材)との接触面の摩擦力によりフライホイール
の駆動力がトルクコンバータ側に伝達されることとな
る。
【0003】他方、乾式摩擦接触装置の例として、車両
に用いられているディスクブレーキでは、駆動部材とし
てのディスクが車輪と一体になって回転しており、この
ディスクにはパッドが移動可能に対面されている。この
パッドには非駆動部材としての摩擦材(ブレーキライニ
ング)が貼り付けられており、パッドはキャリパ等によ
りディスク側に押しつけられるように構成されている。
このディスクブレーキでは、摩擦材(非駆動部材)とそ
の相手材としてのディスク(駆動部材)との接触面の摩
擦力によりディスクが制動されることとなる。ドラムブ
レーキにおいても同様にドラムとシューに貼り付けた摩
擦材(ブレーキライニング)との接触面の摩擦力により
ドラムの制動を行っている。また、一般的な乾式クラッ
チでは、駆動部材としてのフライホイールがエンジンの
クランクシャフトに連結されており、このフライホイー
ルにはクラッチプレートが移動可能に対面されている。
このクラッチプレートには非駆動部材としての摩擦材
(クラッチフェーシング)が貼り付けられており、クラ
ッチプレートはプレッシャープレートによりフライホイ
ール側に押しつけられるように構成されている。この乾
式クラッチでは、摩擦材(非駆動部材)とその相手材と
してのフライホイール(駆動部材)との接触面の摩擦力
によりフライホイールの駆動力が伝達されることとな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の湿式摩
擦接触装置では、潤滑油等の流体の冷却効果により、耐
摩耗性に優れ、ほとんど交換を要しないという利点を有
するものの、図2に示すように、摩擦材として、グラフ
ァイトレジン材、コルク材、焼結合金材、セミメタリッ
ク材に比して既存のもののうち最も高い動摩擦係数μを
もつペーパ材でさえ相手材を鋼とする動摩擦係数μが
0.14であるように、摩擦材における相手材としての
鋼に対する動摩擦係数μが0.05〜0.14と比較的
低い。これは、流体としての潤滑油が非駆動部材として
の摩擦材とその相手材としての駆動部材との各接触面間
に介在することで、固体間の接触割合が減少するためで
あると考えられる。このため、従来の湿式摩擦接触装置
として、大きなトルク容量を確保するためには、駆動部
材と非駆動部材とを複数化したり、大径化したりしなけ
ればならず、ユニットの大型化が避けられない。例えば
湿式クラッチでは、上記のようにフライホイール等の多
板化からクラッチユニットの大型化を生じているのが実
状である。このため、特に乗用車の自動変速機や差動制
限装置においては、高性能化、小型化、軽量化等のニー
ズに対する大きな障害となっている。
【0005】他方、固体間の接触割合が比較的大きな従
来の乾式摩擦接触装置では、摩擦材における相手材とし
ての鋼に対する動摩擦係数μが0.3〜0.5と比較的
高く、比較的大きなトルク容量を確保することができる
ものの、潤滑油等の流体による冷却効果がないため、各
接触面の温度上昇により耐摩耗性に劣り、摩擦材の分解
交換を要するという欠点がある。
【0006】本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされ
たものであって、ユニットの大型化を生じることなく従
来の湿式摩擦接触装置に比して大きなトルク容量を確保
しつつ、分解交換が不要な湿式摩擦接触装置を提供する
ことを解決課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決するため、湿式にて従来の駆動力伝達、制動等の
目的のために従来の湿式で示される範囲内での摩擦力を
利用する技術的思想を離れ、固体間の接触割合を乾式並
に近づけ、非駆動部材と駆動部材との間で凝着や掘り起
こしを生じさせれば、それらの目的を達成できるのでは
ないかとの技術的思想の下鋭意研究を行った。そして、
これらの接触面を清浄にすれば、酸化させず、加工硬化
させなければ、これらの接触面で凝着や掘り起こしが生
じやすいはずであるとし、研究を続けていった。かかる
研究により請求項1〜3の湿式摩擦接触装置が得られ
た。
【0008】(1)請求項1の湿式摩擦接触装置は、非
駆動部材と、該非駆動部材に対して駆動する駆動部材
と、該非駆動部材及び該駆動部材の間に介在される流体
とからなり、該非駆動部材と該駆動部材との接触面の動
摩擦係数が0.2以上であることを特徴とする。流体と
しては潤滑油、水等を採用することができる。
【0009】請求項1の湿式摩擦接触装置では、非駆動
部材と駆動部材との接触面の動摩擦係数が乾式摩擦接触
装置並の0.2以上であるため、ユニットの大型化を生
じることなく従来の湿式摩擦接触装置に比して大きなト
ルク容量を確保できる。また、請求項1の湿式摩擦接触
装置は、流体の冷却効果により接触面の温度上昇が抑制
されて耐摩耗性に優れ、分解交換を要しない。
【0010】したがって、請求項1の湿式摩擦接触装置
を特に乗用車の自動変速機や差動制限装置に採用すれ
ば、高性能化、小型化、軽量化等のニーズに対して答え
得るものとなる。 (2)請求項2の湿式摩擦接触装置は、請求項1記載の
湿式摩擦接触装置において、非駆動部材及び駆動部材の
一方の部材の接触面は主成分元素を含み、他方の部材の
接触面は、該主成分元素と、該主成分元素の自由エネル
ギーの値より小さい自由エネルギーの値をもつ少なくと
も1種の副成分元素との混合物又は合金からなることを
特徴とする。
【0011】主成分元素及び副成分元素は自由エネルギ
ーの値により選択され得る。すなわち、物質が酸素と反
応する性向は酸化反応に要するエネルギーを実測するこ
とにより定量化される。このような反応は、物質+酸素
+エネルギー→酸化物と書くことができる。湿式におい
ても、油中に溶けている空気、気泡中の空気又は多孔材
に含まれている空気の中に酸素が存在し、酸素の反応は
摩擦現象のように高温に達する表面では乾式と同じよう
に生じていると考えられる。エネルギーが正の場合は物
質は安定で、負の場合は酸化する。以下、工業用材料に
ついて知られている、273Kにおける酸素1mol当
たりの酸化物の生成エネルギーを表1に示す。
【0012】
【表1】 自由エネルギーの値は反応の方向の強さを示すものであ
る。つまり、自由エネルギーの値が小さい材料ほど酸化
されやすく、酸化されやすい材料が存在すれば、他の材
料は酸化が抑制される。そして、酸化膜を有しない材料
は自己の分子間又は原子間結合を生じやすいと考えられ
る。このため、主成分元素及び副成分元素は、表1に示
す材料から酸化物の生成エネルギーの大小関係に留意し
て種々選択され得る。例えば、主成分元素として銅(C
u)を採用し、副成分元素としてCuより自由エネルギ
ーの値(酸化物の生成エネルギー)が小さい亜鉛(Z
n)を採用すれば、Znは酸化されやすく、Cuは酸化
が抑制されるため、酸化膜を生じにくいCuは自己の分
子間又は原子間結合を生じやすいと考えられることか
ら、凝着に至ると考えられる。この凝着が動摩擦係数の
向上に寄与すると考えられる。
【0013】このため、請求項2の湿式摩擦接触装置で
は、他方の部材の接触面が主成分元素と副成分元素とを
有し、主成分元素の自由エネルギーの値よりも副成分元
素の自由エネルギーの値の方が小さいため、主成分元素
の酸化が抑制される。そして、一方の部材の主成分元素
と、他方の部材の酸化膜のない主成分元素とが接触し、
主成分元素同士が凝着すると考えられるため、動摩擦係
数が格段に向上する。
【0014】ここで、他方の部材の接触面が主成分元素
と副成分元素との混合物又は合金であれば、主成分元素
の酸化抑制効果が大きく、接触した場合の凝着が起こり
やすいと考えられるため、動摩擦係数向上の効果が大き
い。合金を採用する場合、一方の部材との間で摩擦力を
生じた摺動前後の表面の硬化変化が0〜+30%程度で
あることが好ましい。なぜなら、かかる範囲であれば加
工硬化による凝着阻害を抑制しやすいからである。
【0015】なお、他の構成要素としては請求項1の構
成要素を採用することができる。そして、請求項2の湿
式摩擦接触装置は請求項1のものと同様にその効果を発
揮することができる。この湿式摩擦接触装置は、例えば
圧入部材、滑り止め部材、あえて駆動部材と非駆動部材
とをロック(焼き付き)させるような1回のみの使用に
供され得る装置等に具体化可能であろう。特に、圧入部
材として採用すれば、油面が残る一般に不利な条件下で
も応力に耐えさえすれば採用可能であり、実用的価値が
高いと思われる。
【0016】(3)請求項3の湿式摩擦接触装置は、請
求項1記載の湿式摩擦接触装置において、非駆動部材及
び駆動部材の少なくとも一方は多孔質体であり、一方の
部材の接触面はHv150以上の硬質材を含み、他方の
部材の接触面は、該主成分元素と、該主成分元素の自由
エネルギーの値より小さい自由エネルギーの値をもつ少
なくとも1種の副成分元素との混合物又は合金からなる
ことを特徴とする。
【0017】多孔質体としては金属粒子の焼結体を採用
することができる。この金属粒子として、主成分元素又
は副成分元素を採用することもできる。硬質材はHv1
50以上のものであれば限定されないが、好ましい硬質
材はHv150〜4000のものである。Hv170〜
3500の硬質材であれば、比較的摩擦係数が高く、摩
耗率が低いため、より好ましい。また、さらに好ましい
硬質材はHv170〜2000である。硬質材として
は、例えばSiO2、Al23、Al23・SiO2、C
aF2等の粒子状のもの、繊維状のものを採用すること
ができる。
【0018】一方の部材の接触面は主成分元素を初めか
ら含むことができる。主成分元素は、副成分元素により
酸化が抑制されるとしても、長期の使用等により完全に
酸化されない訳ではない。かかる点を考慮すれば、請求
項3の湿式摩擦接触装置が有効である。すなわち、請求
項3の湿式摩擦接触装置では、非駆動部材と駆動部材と
の押し付け荷重のほとんどを一方の部材の硬質材が受
け、両者の各接触面間の流体膜を突き破って他方の部材
に食い込み、掘り起こしを行うと考えられる。この際、
掘り起こしに抵抗力を生じ、また接触面積の増加を生じ
ると考えられるため、動摩擦係数が向上する。
【0019】また、請求項3の湿式摩擦接触装置では、
一方の部材の硬質材が他方の部材の主成分元素を掘り起
こすため、他方の部材の主成分元素は酸化膜を失う。か
かる現象は、一方の部材の硬質材が各接触面間の流体膜
を突き破ったり、他方の部材を掘り起こした摩耗粉自体
の突出部で流体面を突き破ったりすることで助長される
と考えられる。そして、非駆動部材及び駆動部材の少な
くとも一方が多孔質体であるため、相手側の主成分元素
が摩耗粉としてその多孔質体の気孔内に付着する。つま
り、一方の部材が多孔質体であれば、その一方の部材に
他方の部材の主成分元素が付着する。また、一方の部材
及び他方の部材がともに多孔質体であれば、一方の部材
には他方の部材の主成分元素が付着し、他方の部材には
その一方の部材に付着した主成分元素が付着することと
なる。さらに、他方の部材のみが多孔質体である場合に
は、一方の部材の接触面に予め主成分元素を含めること
により、その他方の部材に一方の部材の主成分元素が付
着する。このため、長期の使用等の後であっても、一方
の部材の主成分元素と、他方の部材の酸化膜のない主成
分元素とが接触し、主成分元素同士が凝着すると考えら
れるため、動摩擦係数が安定して向上する。
【0020】なお、他の構成要素としては請求項1、2
の構成要素を採用することができる。そして、請求項3
の湿式摩擦接触装置は請求項1のものと同様にその効果
を発揮することができる。この湿式摩擦接触装置は、例
えば流体存在下でのクラッチ、ブレーキのように、繰り
返し使用に供され得る装置に具体化可能であろう。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)実施形態1では、請求項1、3の発明を
具体化し、湿式クラッチに適用可能な実施例1〜14及
び比較例1〜10について説明する。
【0022】
【表2】 まず、母材を構成すべくAl合金の粉末及びCu合金の
粉末を用意する。ここで、Al合金はAl−1Si−
0.5Cu−1Mgであり、Cu合金はCu−10Ni
である。
【0023】また、硬質材として、SiO2−P、Al2
3・SiO2−F、Al23−P、CaF2−P、Si3
4−P、SiC−Pを用意する。ここで、SiO2−P
は平均粒径50〜100μmのSiO2の粉末であり、
Al23・SiO2−Fは平均長さ10〜50μmのA
23・SiO2の繊維であり、Al23−Pは平均粒
径50〜100μmのAl23の粉末であり、CaF2
−Pは平均粒径50〜150μmのCaF2の粉末であ
り、Si34−Pは平均粒径30〜70μmのSi34
の粉末であり、SiC−Pは平均粒径30〜50μmの
SiCの粉末である。
【0024】表2に示す割合でこれらの材料を用い、ワ
ックスや金属石けんなどの金型潤滑成分を塗布した金型
内にそれらの材料を充填し、200MPaの圧力で成形
することにより成形品を得る。なお、全ての成形品に
は、硬質材とともに5vol%の人造黒鉛粒子(平均粒
径20〜100μm)を添加している。この成形品を窒
素雰囲気中で300〜500℃に加熱して金型潤滑成分
を除去した後、500〜650℃で約1時間加熱して焼
結し、非駆動部材としての各摩擦材(比較例1は除
く。)を製造する。但し、Cu合金の粉末を母材に用い
た焼結材は焼結温度のみを950〜1000°Cで実施
した。各気孔率(%)も表2に示す。なお、気孔率は油
含浸により求めた。
【0025】
【表3】 他方、表3に示すように、駆動部材としての相手材を用
意する。ここで、AC4はAl−7Si−0.6Mgで
あり、A390はAl−17Si−0.5Mgであり、
SUS304はFe−18Cr−8Niであり、AC3
はAl−12Siである。これらの相手材は金属の板材
から円板状に加工を施したものである。
【0026】次に、各摩擦材を試料とし、各相手材を回
転子として図1に示す摩擦試験機に装着し、動摩擦係数
μと摩耗率(mm3/J)とを測定する。このときの条
件を表4に示す。
【0027】
【表4】 ここで、摩耗率は、マイクロメータにより測定した摩擦
材の摩耗量と、面粗さ計により測定した相手材の摩耗量
とをエネルギーで除し、それらの和とした。また、摺動
後硬さ変化率(%)は、摺動前の相手材の接触面の硬さ
(ビッカース硬さ:Hv1〜5kg)と、摺動後の接触
面の硬さとを比較した。これらの摩擦特性も表3に示
す。
【0028】表2、3より、実施例1〜14では、摩擦
材の母材はAl合金とCu合金とで動摩擦係数μ及び摩
耗率ともに大差ないが、硬質材を添加し、かつ相手材と
してHv40〜110程度のCu合金やAl合金を用い
ると、比較例1〜10のものに比して、0.20〜0.
32と飛躍的に動摩擦係数μが高いことがわかる。ま
た、実施例1〜14では、摩耗率が比較例1のペーパ材
に比べ、同等か、多くとも1.5倍の範囲にあり、優れ
ていることがわかる。
【0029】また、硬質材は、添加量5vol%以上で
あれば、動摩擦係数μが0.22以上を示すが、実施例
1、4、11及び比較例3の結果より、添加量30vo
lを超えても、動摩擦係数μはあまり変化せず、摩耗が
増加することがわかる。また、摺動後の相手材の硬さ
は、加工面のままの初期硬さに比べ、35%増加し、加
工硬化を招いていることがわかる。
【0030】さらに、相手材の硬さは、Hv35の純A
lでは柔らかいが、低強度により、摩耗が顕著となるこ
とがわかる。また、比較例1〜10の動摩擦係数μは実
施例1〜14のものに比べて低い。実施例10で用いた
相手材としてのCu合金はHv210のJIS規格BC
3であるが、これは市販の合金板を購入後、焼き鈍しを
830°Cで1時間実施したものであり、合金板のまま
で用いた比較例7のものに比べてHv78まで硬さを下
げている。相手材の硬さはHv40〜110のCu合金
及びAl合金において、高い動摩擦係数μが得られる
が、実施例1〜14の特徴は、摺動前後の硬さ変化率が
+5〜+35%であり、加工硬化を若干は示すものの、
摺動前後の硬さ変化率が+50%である比較例5ほどの
著しい加工硬化は示さない。また、比較例2、6、7の
ように、摺動後に軟化(変化率が負)するものがある
が、これらは摩耗は良好であるが、動摩擦係数μの点で
満足できない。
【0031】したがって、実施例1〜14における摩擦
の発生作用には、硬質材の添加と、相手材とが大きく関
係していると推定されるが、その作用は硬質材が接触面
の油膜を貫いて相手材に接触し、かつ油は多孔質体のも
つ気孔内を通り抜けるので、結果として固体間の接触が
なされているためと推定される。しかし、乾燥状態での
摩擦に比べ、油膜により接触面での冷却がなされるの
で、摩耗率は低く、部品を交換しない湿式摩擦接触装置
として極めて高い実用性を期待できる。
【0032】次に、表5に相手材の構成元素の酸化物の
自由エネルギーを示す。
【0033】
【表5】 表5より、実施例1〜14は、いづれも副成分元素の酸
化物の自由エネルギーの値が主成分元素に比して小さ
い。実施例の副成分元素は主成分元素に比べて酸化しや
すい傾向にあり、金属表面において、主成分元素の酸化
をある程度防いでいると推定される。その結果、活性の
高い金属面が摺動時に表れやすくなり、摩擦力が高まる
と思われる。他方、比較例では、比較例5のみが実施例
1〜14と同様の傾向であるが、上述のように摺動時に
著しく加工硬化し、好ましくない。表5に示すその他の
比較例は実施例1〜14と逆の傾向であり、主成分元素
と副成分元素との組み合わせとして妥当でないことがわ
かる。
【0034】なお、相手材の材質は特に限定されない
が、Al合金又はCu合金であれば、熱伝導率が高く、
摺動時の摩擦面の温度上昇を低下できるため、高い動摩
擦係数で安定し、摩耗率も約3〜8×10-4(mm3
J)程度で摩擦材に用いることのできる範囲に収まる。
実施例1〜14の接触面の組み合わせは、上記のよう
に、流体膜の介在する条件下において動摩擦係数μが
0.20〜0.32であるというように、著しく高い摩
擦力を示すが、流体膜のない条件、例えば乾式で摺動さ
せると、一般の現象とは異なり、動摩擦係数μが0.2
であるというように、摩擦力が低下してしまう。乾式で
は、流体膜がないことにより、接触面で酸化が進行しや
すく、その分、本接触面においては凝着の効果が減少し
たからであると考えられる。 (実施形態2)実施形態2では、請求項1、2の発明を
具体化し、湿式クラッチに適用可能な実施例15及び比
較例11について説明する。
【0035】実施例15は、実施形態1で用いたAl合
金のみからなる摩擦材(非駆動部材)と、上記実施例1
で採用したCu−10Znからなる相手材(駆動部材)
と、実施形態1で用いた使用オイルとからなる。他方、
比較例11は、同様のAl合金のみからなる摩擦材(非
駆動部材)と、純Cuからなる相手材(駆動部材)と、
同様の使用オイルとからなる。
【0036】これらについて、摩擦試験後における各接
触面の表面のEPMA分析を行った。動摩擦係数μとと
もに結果を表6に示す。ここで、○は各接触面に強く存
在することを示し、△は各接触面に弱く存在することを
示す。
【0037】
【表6】 表6より、実施例15では相手材の接触面の表面に酸素
が存在しないのに対し、比較例11では相手材の接触面
の表面に酸素が存在することがわかる。これは実施例1
5で用いたCu−10Znが酸化しにくいためであると
考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いた摩擦試験機の概略構成を示す説
明図である。
【図2】従来の摩擦材のすべり速度と動摩擦係数との関
係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16D 69/00 F16D 69/00 W (72)発明者 大渕 貞孝 京都市山科区栗栖野狐塚5番地の1 日本 粉末合金株式会社山科事業所内 (72)発明者 冨山 嘉孝 京都市山科区栗栖野狐塚5番地の1 日本 粉末合金株式会社山科事業所内 (72)発明者 中野 暁 京都市山科区栗栖野狐塚5番地の1 日本 粉末合金株式会社山科事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非駆動部材と、該非駆動部材に対して駆動
    する駆動部材と、該非駆動部材及び該駆動部材の間に介
    在される流体とからなり、該非駆動部材と該駆動部材と
    の接触面の動摩擦係数が0.2以上であることを特徴と
    する湿式摩擦接触装置。
  2. 【請求項2】非駆動部材及び駆動部材の一方の部材の接
    触面は主成分元素を含み、他方の部材の接触面は、該主
    成分元素と、該主成分元素の自由エネルギーの値より小
    さい自由エネルギーの値をもつ少なくとも1種の副成分
    元素との混合物又は合金からなることを特徴とする請求
    項1記載の湿式摩擦接触装置。
  3. 【請求項3】非駆動部材及び駆動部材の少なくとも一方
    は多孔質体であり、一方の部材の接触面はHv150以
    上の硬質材を含み、他方の部材の接触面は、該主成分元
    素と、該主成分元素の自由エネルギーの値より小さい自
    由エネルギーの値をもつ少なくとも1種の副成分元素と
    の混合物又は合金からなることを特徴とする請求項1記
    載の湿式摩擦接触装置。
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