JP3357949B2 - 高速鉄道車両用ブレーキディスク材料 - Google Patents

高速鉄道車両用ブレーキディスク材料

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、Al−Mg系合金の母相にセラミックス粉末
を分散含有させたアルミニウム複合体からなる高速鉄道
車両用ブレーキディスク材料に関する。
(従来の技術) 従来、常用最高時速が100km/h前後である鉄道車両の
ディスクブレーキ方式に採用されているブレーキディス
ク材には、旧国鉄規格(JRS)号12209−1に基づく引張
強さが274MPa以上、硬さHBが183〜269のパーライト基地
片状黒鉛鋳鉄が使用されている。また、最高時速が220k
m/hに達するような高速鉄道車両に採用されているブレ
ーキディスク材には、JRS12209−2に基づく引張強さが
245MPa以上で、硬さHBが210〜280の低合金パーライト基
地片状黒鉛鋳鉄(Ni:1.0〜2.0重量%、Cr:0.3〜0.6重量
%、Mo:0.3〜0.5重量%、以下NCM鋳鉄と言う)が使用さ
れている。
前記NCM鋳鉄からなるブレーキディスク材の特色は、
常用停止ブレーキ時(ブレーキ初速度35km/h)と、非常
停止ブレーキ時(ブレーキ初速度220km/h)のいずれに
おいても規定を満足する制動力が得られるように、適切
な平均摩擦係数と安定した瞬間摩擦係数および低摩耗率
を有することであり、高頻度(常用停止ブレーキ時)ま
たは高負荷(非常停止ブレーキ時)の摩擦条件下におい
ても、ブレーキディスクの摺動面に発生する熱亀裂に対
する抵抗性の点で汎用のパーライト基地片状黒鉛鋳鉄に
勝っている。
NCM鋳鉄は、熱応力の吸収又は緩和部としての効果を
もつ組織内の黒鉛形状を大きくして数を増やし、一方、
それによる強度低下をNi、Cr、Moの合金化による基地組
織の強化によって補ったものであり、強度的にはJIS F
C25級の鋳鉄と同等であるが、熱伝導性が良好で、熱負
荷による機械的損傷に対して優れた材料である。
そこで特許出願人は、先にアルニウム金属母相にセラ
ミックス粒子を1〜7重量%混入分散させたブレーキデ
ィスク材料について提案した(特願昭63−176697号)。
(発明が解決しようとする課題) ところで、近年、鉄道車両で最高時速240km/hが実現
し、更に高速化が指向されている現状では、前記出願人
提案のブレーキディスク材料で十分対応できたけれど
も、更に高速(例えば250km/h以上)になると、前記新
提案の発明では不十分のことが判明した。すなわち緊急
時に、このような高速車両のブレーキディスク材料に高
負荷のブレーキがかけられた場合、摺動面の焼付を生じ
る問題点があった。
このように鉄道車両のより高速化が指向されている状
況において、これに使用されるブレーキディスク材とし
ては、摩擦摩耗特性、材料強度および耐熱損傷性が均衡
していることが必要とされる。そこで前記で提案された
アルミニウム合金を鉄道車両のブレーキディスク材料に
使用しても、ディスクの摩耗が大きいのみならず、焼付
きなどにより相手材であるパッド材も消耗するなどの問
題点が生ずる。
(課題を解決する為の手段) 前記課題を解決するため、この発明の鉄道車両用ブレ
ーキディスク材は、Al−Mg系合金の母相に、粒径が5〜
100μmの強化粒子が7を超え〜25重量%の範囲内で分
散していることを特徴とするものである。
このAl−Mg系合金の母相中に分散される強化粒子とし
ては、Al2O3、SiC、マイカなどのセラミック粒子を例示
することができ、硬質の微細粒子を用いる。また、強化
粒子の粒径は5〜100μmの範囲内とする。この粒径の
限定理由は、粒径が、5μm未満では、ブレーキディス
ク材として十分な耐摩耗性が得られず、また100μmを
越えると、切削性や靭性が低下するからである。
また前記粒子の分散量は、7重量%以下では前記と同
様にブレーキディスク材として十分な耐摩耗性が得られ
ず、25重量%を越えると切削性や靭性が著しく低下する
ので、前記範囲に定めるが、高速車両としては15〜25重
量%が好ましい。前記粒子の分散量は、15重量%を越え
ると、切削性や靭性が低下する傾向にあるけれども、高
速車両(250km/h以上)のブレーキディスク材として
は、より耐摩耗性の大きい15〜25重量%が好ましい。
なお、強化粒子は、Al−Mg系合金の母相中に均一に分
散させるのが望ましいが、所望により特定部位に偏在さ
せることも可能である。
鉄道車両用のブレーキディスク材の摩擦摩耗特性の優
劣は、ブレーキ時における摩擦係数の適正値とその安定
性、およびディスクと相手材の耐摩耗性によって評価さ
れる。鉄道車両のブレーキ力の限界は車輪とレール間の
摩擦力(粘着力)によって左右される。ブレーキ力が車
輪とレールの間の粘着力を越えると、車輪が停止したま
まレールの上を滑るので、車輪踏面がレールによって削
られ、この傷のために輪軸の振動が大きくなり乗り心地
がきわめて悪くなる。したがってブレーキ力の上限はこ
の粘着力で抑えられる。鉄道車両の場合、この粘着力は
車輪とレールの間の金属同士の摩擦によって決定される
ため、ゴムタイヤを用いた自動車の場合に比べ著しく小
さい。したがって、鉄道車両用のブレーキは自動車用の
場合と比べ、ディスクへのライニングの押し付け圧力が
低く、停止までの時間が長く、0.25〜0.3の比較的低い
摩擦係数で高速から低速までの摩擦係数が安定している
ことが必要である。
セラミックス粒子を1wt%以上添加することにより、
極めて高い耐摩耗性が得られると同時に適正な摩擦係数
を得ることができ、ブレーキディスク材料としての使用
が可能である。しかし、車両速度が250km/h以上の高速
になったり、ディスク攻撃性の強いライニングを使用し
たり、車両重量が大きく慣性力が高かったり、さらには
ディスクに対するライニング材料の面積割合を多くする
ことなどによりディスク材料の表面温度はAlの融点近く
まで上昇し、そのことによりディスクとライニングの焼
付きが生じやすくなる。焼付きが生じるとライニング側
に凝着したディスク材料の凝着粉が飛散したり、焼付き
時の摩擦係数が高くなったりしてブレーキ材料としての
性能が低下してしまう。セラミックス粒子を分散させる
と耐焼付き性が向上するため、前記の様な現象を低減さ
せることができ、その程度は分散量が多いほど良好であ
る。
しかし、実際のディスク材料の製造を考慮すると、セ
ラミックス粒子の分散量が多くなるほど鋳造、鍛造、切
削加工などの二次加工性や靭性が悪くなる。したがって
車両速度が比較的低速であったり、ディスク攻撃性の弱
いライニングを使用したり、慣性重量が小さかったりし
た場合はセラミックス粒子の添加量を1〜7wt%とする
のが好ましい。一方、車両速度が高速であったり、ディ
スク攻撃性の強いライニングを使用したり、慣性重量が
大きかったりした場合は、ディスクの温度が上昇し、焼
付き現象が生じやすいため、さらに分散粒子の量を増加
させるのが好ましい。その上限については前記のとおり
二次加工性や靭性によって規制される。二次加工性につ
いては加工条件や切削工具の材質を適正なものを選定す
ることにより、また靭性についてはディスクを車輪に抱
かせるなどの設計面での改良を加えることが可能ではあ
るが、25wt%を越えるとこれらの特性が著しく悪くな
る。
(作用) 一般にアルニウム合金は摩耗に対する抵抗性は低いも
のとされているが、硬質の強化粒子をAl−Mg系合金の母
相に均一に添加分散することによって極めて高い耐摩耗
性が得られる。またブレーキディスクの高速回転による
遠心力およびブレーキ時の熱負荷によって発生する熱応
力に対しては、これらを保障するに足りる十分な強度が
ブレーキディスク材に要求されるが、この強化粒子分散
型Al−Mg系合金はNCM鋳鉄に比べて高強度で熱伝導性に
優れている。すなわち、高頻度(常用停止ブレーキ時)
または高負荷(非常停止ブレーキ時)の摩擦条件下にお
いて、ブレーキディスクの摺動面に発生する熱亀裂に対
する抵抗性の点でも優れた特性を有している。そして、
鋳鉄の比重7.2〜7.3に比べてAl−Mg系合金の比重2.7は
約1/3と小さく、高速車両に必要不可欠な条件である軽
量化を材料面で著しく改善することが出来る。
この発明のブレーキディスク材料が発揮する作用は、
従来、ブレーキディスク材料として使用されている鉄系
の材料では得ることは困難である。
(実施例) 5083アルミニウム合金(JIS H4000)をマトリックス
として、コンポキャスティング法によりSiC粒子を分散
混合させてアルミニウム複合材料を得た。なお、SiCは
粒径10〜30μm程度とした前記複合材料としてはSiC粒
子を3wt%、8wt%、15wt%、20wt%、25wt%分散させた
ものをそれぞれ製造した。得られた複合材料は、定速型
摩耗試験を実施して、車両用ブレーキディスク材として
の摩擦摩耗特性を確認した。
具体的には、複合材料を供試材として、直径565mm、
厚さ30mmディスクとした。一方、摩擦相手材としては鍛
鋼用の銅系焼結合金ライニングを用いた。ライニングの
摩擦面は30×30mmとした。
試験条件は摩擦速度を70m/sとし、ライニング押付力
を0.5MPa、1回の連続摩擦時間を360秒×25回と長くし
て、温度を上昇させる条件とした。
また、測定項目は平均摩擦係数、ディスクとライニン
グの摩耗率とし、凝着粉の飛散程度についても観察し
た。その結果を表1に示す。
表1に示すように摩擦時間を多くして、ディスクに与
える負荷を大きくすると比較的粒子の分散量の少ないも
のは焼き付き現象を起こして平均摩擦係数が高くなった
り、ディスクやライニングの摩耗が多くなり凝着粉が飛
散する。これに対して、分散粒子を多くすることによ
り、摩擦係数が低く安定し、ディスクやライニングの摩
耗が少なくなる。
(発明の効果) この発明によれば、Al−Mg系合金の母相に、粒径が5
〜100μmの強化粒子を15重量%〜25重量%までの範囲
内で分散させたので、得られた粒子分散型Al−Mg系合金
は、従来のNCM鋳鉄と比較して、軽量かつ高強度で熱伝
導性に優れており極めて高い耐摩耗性を示し、摩擦摩耗
特性もほぼ同等の値を有することが確認された。したが
って高速車両用ブレーキディスク材として有効な特性を
もつものである。
また、車両が250km/h以上の高速になると、ディスク
とライニングの焼付けが生じ易いが、粒子量を15重量%
〜25重量%までに増大させることにより、前記焼付けを
防止することができる効果がある。
フロントページの続き (72)発明者 真鍋 修二 東京都国分寺市光町2丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 渡部 晶 静岡県裾野市稲荷82番地の1 (72)発明者 菅井 義裕 静岡県裾野市稲荷82番地の1 (56)参考文献 特開 昭63−199839(JP,A) 特開 昭62−124244(JP,A) 特開 昭59−173234(JP,A) 「鉄道総研報告」第2巻,第7号,財 団法人研友社(昭和63年7月20日発行) p51〜58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al−Mg系合金の母相に粒径5〜100μmの
    セラミックス粒子を15重量%〜25重量%分散含有したア
    ルミニウム複合体からなることを特徴とする250km/h以
    上の高速鉄道車両用ブレーキディスク材料。
  2. 【請求項2】Al−Mg系合金の母相に分散させるセラミッ
    クス粒子をアルミナ(Al2O3)又は炭化珪素(SiC)の単
    独又は複合としたことを特徴とする請求項1記載の高速
    鉄道車両用ブレーキディスク材料。
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