JPH10103188A - 高圧燃料噴射管材およびその製造方法 - Google Patents
高圧燃料噴射管材およびその製造方法Info
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- JPH10103188A JPH10103188A JP8280101A JP28010196A JPH10103188A JP H10103188 A JPH10103188 A JP H10103188A JP 8280101 A JP8280101 A JP 8280101A JP 28010196 A JP28010196 A JP 28010196A JP H10103188 A JPH10103188 A JP H10103188A
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Abstract
圧燃料噴射管材の提供。 【解決手段】 単一管体からなる細径厚肉金属鋼管を焼
鈍と引抜加工を施して管内外径を所定の寸法に仕上げる
際に、最終仕上伸管を減面率1.2〜6.4%にて空引
きして外表面組織を圧延組織とするとともに、外表面の
強度を加工硬化させて振動疲労強度を高める。 【効果】 高品質の高圧燃料噴射管材を低コストで製造
できる。
Description
路として使用する燃料噴射管の管材およびその製造方法
に係り、より詳しくは一般にディーゼル内燃機関に使用
する管径約4mm乃至15mm、肉厚約1mm乃至6m
m程度の比較的細径厚肉で内圧疲労強度および振動疲労
強度の高い高圧燃料噴射管材およびその製造方法に関す
る。
によるNOxの低減や黒煙対策としての燃料の高圧化の
傾向に伴い、高圧燃料噴射管には繰返し高圧力疲労に対
する耐久性(内圧疲労強度)および耐キャビテーション
エロージョン性に加え、エンジンや車体からの振動に対
する耐久性(振動疲労強度)が一層要求されている。か
かる要求のために従来のディーゼル内燃機関用の高圧燃
料噴射管には、外径に対し25乃至40%の肉厚を有す
る厚肉の細径鋼管が用いられている。
圧配管用素管を数回の焼鈍と引抜加工を繰返して所望の
規定寸法に伸管し、この最終仕上げ伸管材に対し焼鈍処
理を施さない管材と、高圧配管用素管を数回の焼鈍と
引抜加工を繰返して所望の規定寸法に伸管した後、焼鈍
処理を施した管材の2種類あって、いずれも最終引抜加
工は30〜40%の減面率で伸管している。すなわち、
は引抜により加工硬化したまま使用する管材であり、
バウシンガ効果により外表面側の硬度が高くなることに
より引張強度が高くなり、高振動疲労強度を有する反
面、内圧に対する疲労強度は低い。この内圧に対する疲
労強度が低い理由は、管内表面側も引抜加工により一方
向に圧延されたと同様な偏平な結晶組織となっているこ
とおよび、引抜加工による残留応力が残っていることが
その原因と考えられている。一方、の引抜加工後焼鈍
して使用する管材の場合は、焼鈍により組織が再結晶組
織となり、また加工による残留応力が消失することによ
り、内圧疲労強度は高いが、加工硬化組織がほとんど除
去されることにより管外表面側の硬度が低下するため、
振動疲労強度は加工硬化状態より低くなる。なお、バウ
シンガ効果とは、加工硬化した材料の変形抵抗、すなわ
ち予変形と同一方向の降伏応力に比較して、その材料を
逆方向に変形するときの降伏応力が大きく低下する現象
のことであり、疲労硬化、疲労軟化に直接結びつく現象
である。
の引抜により加工硬化したまま使用する管材(未焼鈍
材)と、の引抜加工後焼鈍して使用する管材(焼鈍
材)の欠点を解消するためになされたもので、最終引抜
加工工程における減面率を変えることによって、最終引
抜加工後に焼鈍処理することなく振動疲労強度および内
圧疲労強度の優れた高圧燃料噴射管材を得ることを目的
とするものである。
射管材は、最終仕上伸管を減面率1.2〜6.4%にて
空引きした単一管体からなる細径厚肉金属鋼管であっ
て、外表面組織が圧延組織となし、かつ外表面を加工硬
化させて振動疲労強度を高めたことを特徴とするもので
ある。また、この高圧燃料噴射管材の製造方法として
は、単一管体からなる細径厚肉金属鋼管を焼鈍と引抜加
工を施して管内外径を所定の最終寸法に仕上げる際に、
最終仕上工程にて当該伸管材を減面率1.2〜6.4%
にて空引きして外表面組織を圧延組織とするとともに、
外表面の強度を加工硬化させて振動疲労強度を高めるこ
とを特徴とするものである。
度に一義的に大きな影響を与えるのは管の外表面側であ
り、内圧疲労強度に大きな影響を与えるのは管の内表面
側であることから、振動疲労強度および内圧疲労強度の
優れた高圧噴射管材を得るには、管の外表面側を圧延組
織(加工組織)とし、内表面側を焼鈍状態のままとする
ことが有効であるとの知見に基づいて、最終仕上伸管を
管の内表面側に加工の影響が出ないように外表面のみを
軽く引抜加工することにより、管の内圧疲労強度を保有
した状態で振動疲労強度を向上させることができること
を見い出したのである。
率1.2〜6.4%にて空引きすることにより、振動疲
労強度については管外周側がバウシンガ効果を有した状
態で、管内周側が焼鈍状態と同じ内圧疲労強度を保有す
ることができる管材を見い出したのである。ここで、空
引きとは管を外側からダイスで絞って外径を小さくする
ことを意味し、この最終仕上伸管の空引きの減面率を
1.2〜6.4%に限定したのは、1.2%未満では管
外側の加工による硬さが不足し、所望の振動疲労強度が
得られず、他方、6.4%を超えると管外側は十分に硬
化し、振動疲労強度は向上するが、管の内側まで加工の
影響が生じて硬化し、管内表面側の硬度が高くなり内圧
疲労強度が低下するためである。したがって、最終仕上
伸管を減面率1.2〜6.4%にて空引きした場合に
は、管の外側においては加工の影響により圧延組織(加
工組織)となり、また加工硬化するが、内側は加工の影
響が出ないことにより最終引抜加工前の焼鈍状態のまま
となり、引抜加工後焼鈍処理せずして振動疲労強度およ
び内圧疲労強度の優れた高圧噴射管材が得られる。
造方法は、単一管体からなる細径厚肉金属鋼管を焼鈍と
引抜加工を施して管内外径を所定の最終寸法に仕上げる
際に、最終仕上工程における当該伸管を減面率1.2〜
6.4%にて空引きし、引抜加工後は焼鈍処理を施さな
い方法であるが、引抜加工前の焼鈍処理は素管の組織を
再結晶組織とし、また引抜加工による残留応力を消失さ
せるためであり、その熱処理温度条件としては750〜
900℃程度が一般的である。
(STS35)、ステンレス鋼、マンガン鋼等がある。
方法は、単一管体からなる細径厚肉金属鋼管を焼鈍と引
抜加工を複数回繰返し、最終の伸管工程において減面率
1.2〜6.4%にて空引きして所定製品管サイズに仕
上げて、振動疲労強度および内圧疲労強度の優れた高圧
噴射管材を得る方法である。
母管から製品管サイズの直径6.4m×肉厚4.6mm
に引抜加工する場合は、まず母管を焼鈍炉で800℃の
温度で焼鈍し、第1伸管工程にて直径27mm×肉厚
3.7mmに伸管する。続いて、この管材を再び焼鈍炉
で800℃の温度で焼鈍した後、第2伸管工程にて直径
22mm×肉厚3.2mmに伸管する。以後同様に各伸
管工程毎に800℃焼鈍を繰返し、最終伸管工程で減面
率1.2〜6.4%にて空引きして製品管サイズ直径
6.4mm×肉厚2.3mmに伸管する。これにより、
管外側はバウシンガ効果により高い振動疲労強度を有
し、管内側は組織の再結晶化と残留応力の消失により硬
度が低下することにより内圧疲労強度を保有した高圧燃
料噴射管材が得られる。このようにして得られた製品管
サイズの管材は切断工程で製品長さに切断した後、メッ
キ工程、曲げ工程等を経て製品となる。
mm、肉厚4.5mmの母管(シームレスパイプ)を使
用し、焼鈍および伸管を繰返して最終伸管工程において
減面率1.2〜6.4%にて空引きして得た製品サイズ
が外径6.4mm、肉厚2.3mmの高圧燃料噴射管材
の振動疲労強度を表1に、従来の未焼鈍材と比較して示
す。表1中、従来品Aは引抜により加工硬化したまま使
用する管材(未焼鈍材)、同Bは最終引抜加工後焼鈍し
て使用する管材(焼鈍材)のことである。また、本実施
例における本発明の減面率別の管外面からの距離と硬度
の関係を、従来品Aと比較して図1に示す。なお、振動
疲労強度試験は、所望長さの管材の一端を固定し、他端
を振動付与ロールにてクランプして管材に上下振動(片
振幅δ=3.5mm)を付与し、破断までの振動の繰返
し数を測定する方法により行った。
と比較していずれも振動疲労強度および内圧疲労強度の
両特性が高いことがわかる。また、図1より明らかなご
とく、従来の通常伸管・未焼鈍材Aの場合は、管外表面
側および内表面側共にHmv220程度と高硬度となっ
ていることから、振動疲労強度は高いが、内圧疲労強度
は低い。これに対し、本発明品〜はすべて管外表面
硬度は従来品Aよりは低いものの高レベルにあることか
ら高振動疲労強度が得られ、また管内表面硬度はHmv
120〜140の範囲にあることから、従来品Bの焼鈍
材の硬度(全体がHmv120〜135)とほぼ同程度
となっていることから、管内表面は加工の影響を受ける
ことなく内圧疲労強度が保有されることがわかる。ま
た、減面率が1.2%未満では管外表面付近の硬度がH
mv140以下に下がることが予想されることから振動
疲労強度の向上効果は期待できず、他方、減面率が6.
4%では管外面から2.0mmすなわち管内表面から
0.3mmの所までもHmv140程度となっているこ
とから、6.4%を超える減面率で空引きすれば管内表
面に対する加工の影響が大きくなることが十分に予想さ
れるため、空引きの最大減面率は6.4%が限度である
ことがわかる。
噴射管材は、内圧疲労強度のみならず高い振動疲労強度
に富み、繰返し高圧力疲労に対する耐久性(内圧疲労強
度)に優れるとともに、エンジンや車体からの振動に対
する耐久性にも優れるという効果を有する。また、本発
明方法によれば、既存の伸管設備と一般的な焼鈍設備で
引抜工程を増加させることなく高内圧疲労強度と高振動
疲労強度を有する高圧燃料噴射管材を得ることができる
ので、製造コストが高くつくことがなく、高品質の高圧
燃料噴射管材を低コストで提供することができるという
優れた効果を奏する。
率別の管外面からの距離と硬度の関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 最終仕上伸管を減面率1.2〜6.4%
にて空引きした単一管体からなる細径厚肉金属鋼管であ
って、外表面組織が圧延組織となし、かつ外表面を加工
硬化させて振動疲労強度を高めたことを特徴とする高圧
燃料噴射管材。 - 【請求項2】 単一管体からなる細径厚肉金属鋼管を焼
鈍と引抜加工を施して管内外径を所定の最終寸法に仕上
げ、該最終仕上伸管の焼鈍処理を施さない高圧燃料噴射
管材の製造方法において、最終仕上工程にて当該伸管材
を減面率1.2〜6.4%にて空引きして外表面組織を
圧延組織とするとともに、外表面の強度を加工硬化させ
て振動疲労強度を高めることを特徴とする高圧燃料噴射
管材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28010196A JP3862790B2 (ja) | 1996-10-01 | 1996-10-01 | 高圧燃料噴射管材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28010196A JP3862790B2 (ja) | 1996-10-01 | 1996-10-01 | 高圧燃料噴射管材およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10103188A true JPH10103188A (ja) | 1998-04-21 |
JP3862790B2 JP3862790B2 (ja) | 2006-12-27 |
Family
ID=17620341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28010196A Expired - Fee Related JP3862790B2 (ja) | 1996-10-01 | 1996-10-01 | 高圧燃料噴射管材およびその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3862790B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002361319A (ja) * | 2001-06-05 | 2002-12-17 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 内面平滑性に優れた継目無鋼管の製造方法および継目無鋼管 |
KR20030000246A (ko) * | 2001-06-22 | 2003-01-06 | 현대자동차주식회사 | 디젤 엔진용 인젝터 튜브의 제조 공정 |
KR20030012260A (ko) * | 2001-07-31 | 2003-02-12 | 현대자동차주식회사 | 디젤 엔진용 인젝터 튜브의 제조 공정 |
CN108526253A (zh) * | 2018-03-25 | 2018-09-14 | 阳云飞 | 一种方钢管冷拔工装 |
-
1996
- 1996-10-01 JP JP28010196A patent/JP3862790B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR20030000246A (ko) * | 2001-06-22 | 2003-01-06 | 현대자동차주식회사 | 디젤 엔진용 인젝터 튜브의 제조 공정 |
KR20030012260A (ko) * | 2001-07-31 | 2003-02-12 | 현대자동차주식회사 | 디젤 엔진용 인젝터 튜브의 제조 공정 |
CN108526253A (zh) * | 2018-03-25 | 2018-09-14 | 阳云飞 | 一种方钢管冷拔工装 |
CN108526253B (zh) * | 2018-03-25 | 2019-06-18 | 江苏班德瑞不锈钢有限公司 | 一种方钢管冷拔工装 |
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---|---|
JP3862790B2 (ja) | 2006-12-27 |
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