JPH10103016A - 蒸気タービンの制御 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 弁の操作に必要の力が小さく、かつ密に閉じ
ることができて、しかも火災の危険性のない冷水液圧駆
動装置を具備する蒸気タービン用蒸気調整弁を提供す
る。 【解決手段】弁ハウジング（１０）内に弁挿入体
（３）、パッキンパッケージ（１２）、弁スピンドル
（５）、上側及び下側の弁挿入体（３ａ，３ｂ）、及び
この弁挿入体の中で摺動する弁円すい体（１）を配置す
る。弁円すい体の上部及び下部（１ａ，１ｃ）には夫々
ピストンリング（４ａ，４ｂ）を挿入し、さらに上側の
圧力の作用する面（１４）と下側の圧力の作用する面
（１３）を連結する軸方向孔（２）を弁円すい体内に設
ける。弁円すい体の中央部分（１ｂ）は小さい直径を有
し、弁挿入体とともにリング状空間（８）を形成してお
り、この空間に吸出し接続部（１７）を有する吸出し通
路（９）が接続されている。調節弁は冷水液圧駆動装置
によって操作され、さらに冷水には凍結防止剤を混合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、弁ハウジング内に
配置された弁挿入体、パッキンパッケージ内に通された
弁スピンドル、弁挿入体内において摺動する弁円すい
体、及び弁ハウジング内に配置された弁ディフューザ、
及び液圧駆動装置を有する、蒸気タービンのための蒸気
調節弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】蒸気タービンのための圧力平衡された蒸
気調節弁は周知であり、これら蒸気調節弁は、単一又は
二重座弁として構成され、かつこれら蒸気調節弁は、油
圧駆動装置によって操作される。

【０００３】二重座弁は、２つの弁頭又は円すい体の背
面配置における背面のために圧力平衡されているので、
弁における最小の差圧のため、弁の閉じた状態において
蒸気圧力から言うに値する程の開き力は生じない。

【０００４】それにより液圧駆動装置は一層小さくする
ことができるので、閉鎖過程の際のオイル排斥のための
力も一層小さく、かつ一層小さな調節力のため、弁スピ
ンドルの横断面も一層小さくすることができるので、弁
の開いた状態においてスピンドルの浮力も一層小さく、
かつ閉鎖ばねの初応力は、一層小さくすることができ
る。すなわち二重座弁の操作のために必要な力は、比較
的小さい。

【０００５】しかしながら二重座弁は、技術的な理由か
らほとんど密にならない。これは、一方において両方の
弁座の間隔の寸法決定の際に過剰な厳密性にあり、かつ
他方において統合された２つの弁頭を有する弁スピンド
ルと弁ハウジングの正確に等しくならない熱膨張にあ
る。

【０００６】ピストン構造様式の周知の単一座弁におい
て、本発明におけるように弁の背面に、流れ方向に見て
弁の後に存在するものと同じ圧力が作用する。

【０００７】しかしながら弁円すい体の背面における弁
スピンドルの不可欠の結び付きによって、完全な圧力平
衡のために弁スピンドルの横断面は省略される。二重座
弁におけるように、弁スピンドルの横断面は、圧力平衡
のない弁におけるものより小さくすることができる。そ
れにより一層小さいスピンドル浮力のため、一層小さな
初応力を有する閉鎖ばねを組込むこともできる。すなわ
ち二重座弁におけるように、弁を操作するために必要な
力は小さい。

【０００８】ピストンとして構成された弁円すい体は、
必然的にブシュとして構成された弁挿入体に対して密閉
されている。しかしながらこのパッキンリング（これら
パッキンリング）を介した蒸気の漏れは、弁円すい体に
おける圧力平衡穴を介してタービンの羽根に流れる。こ
れは、蒸気圧力が高い際、タービンの意図しない始動に
至ることがある。

【０００９】前記蒸気調節弁の油圧駆動装置は、火災防
止の理由から、現在では常に熱いタービン部分の範囲外
に配置される。すなわち弁及び駆動装置は、タービンの
下に配置しなければならず；タービンの上に弁を配置す
る場合、液圧駆動装置は、レバー及び転向部を介してそ
の機能を果たさなければならない。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、最小
の調節力しか必要でなく、かつ閉じた状態において密で
あり、かつ油圧駆動装置において与えられるようにオイ
ル火災の危険を生じることなく、その駆動装置を含めて
タービンの上に配置することができる、蒸気調節弁を開
発することにある。

【００１１】さらに弁は、その液圧駆動装置を含めてそ
れぞれの組込み位置に配置することができ、したがって
タービンの下につるした位置にも配置することができる
ようにする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】課題の解決は、次のよう
にして行なわれる。すなわち弁挿入体上側部分内におい
て摺動する弁円すい体の上側部分内に、ピストンリング
が、弁挿入体下側部分内において摺動する弁円すい体の
下側部分内に、ピストンリングが、挿入されており、弁
円すい体の圧力の作用する上側の面が、ちょうど弁円す
い体の圧力の作用する下側の面の大きさであり、弁円す
い体の圧力の作用する上側及び下側の面が、少なくとも
１つの軸線方向穴によって互いに結合されており、弁円
すい体が、中央部分において一層小さな直径を有し、か
つ弁挿入体とともにリング状の空間を形成しており、こ
の空間に、吸出し接続部を有する少なくとも１つの吸出
し通路が接続されており、かつ蒸気調節弁が、冷水液圧
駆動装置によって操作される。特許請求の範囲従属請求
項は、本発明の有利な構成をなしている。

【００１３】本発明によれば、弁は、弁円すい体からな
り、この弁円すい体は、２つ又はそれ以上の軸線方向穴
を備えているので、弁円すい体の下及び上にそれぞれ同
じ圧力が存在する。弁円すい体は、弁挿入体内に通され
ており、かつ上側及び下側のピストンリングによってこ
れに対して密閉される。

【００１４】上側及び下側における弁円すい体の直径
は、蒸気の作用する上側の円すい体面が、スピンドル横
断面を考慮して円すい体の下側の面積に相当するよう
に、決められている。したがって弁円すい体は、上及び
下からここに作用する圧力に関して平衡している。この
平衡のため、弁のための調節力は小さいので、スピンド
ル直径は小さく維持することができる。スピンドルは、
パッキン押えにより弁挿入体に対して密閉されている。

【００１５】調節弁の調節過程の際に打勝つべき力は、
ピストンリングの摩擦、及び小さなスピンドル直径のた
め小さなパッキン押え内の摩擦、及び液圧駆動装置内に
又はその下に配置することができる閉鎖方向に作用する
ばね、及び最終的にリング状の吸出し空間内における圧
力から弁挿入体に結び付いて弁円すい体の種々の空間を
形成するリング面に支配的な浮力だけから結果として生
じる。

【００１６】ピストンリング及び軸線方向穴を介した調
節弁を閉じた（弁円すい体は弁ディフューザ上に載って
いる）際の蒸気の漏れを防止するために、弁円すい体
は、切り欠きを備え、この切り欠きは、上側及び下側の
弁挿入体とともに空間を形成している。この空間から弁
挿入体内に配置された１つ又は複数の通路を介して漏れ
蒸気は、大気圧の又はそれより低い圧力レベルに向かっ
て吸出される。

【００１７】弁挿入体内における弁円すい体の組込みを
可能にするために、弁挿入体は２分割されている。弁挿
入体の両方の部分は、テレスコピック状に一緒に差込ま
れている。

【００１８】弁は、液圧駆動装置によって操作される。
本発明の決定的な特徴は、蒸気調節弁を駆動するために
液圧液体として冷水を使用することにある。駆動装置の
この構成によれば、環境保護及び燃焼防止を簡単に満足
させる。

【００１９】負温度にさらされる装置のために、冷水
に、通常市販の凍結防止剤が添加される。

【００２０】

【発明の実施の形態】本発明を概略的な実施例により詳
細に説明する。

【００２１】図１は、被せられた水圧駆動装置７及び駆
動装置スペーサ１５を備えた調節弁の断面を示してい
る。弁円すい体１の弁スピンドル５は、パッキンパッケ
ージ１２を通って案内され、このパッキンパッケージ
は、弁挿入体の上側部分３ａに配置されている。

【００２２】弁挿入体３ａ及び３ｂ及び弁ディフューザ
６は、弁ハウジング１０内に取り外し可能に取付けられ
ている。弁挿入体の下側部分３ｂは、蒸気空間１１内に
突出している。弁挿入体３は、２分割に構成されてお
り、これは、上側部分３ａ及び下側部分３ｂからなり、
これら部分は、互いの中に可動であり、かつねじ止めさ
れている。

【００２３】弁１は、それぞれ３つのピストンリング４
によって密閉されて、弁挿入体部分３ａ及び３ｂ内にお
いて摺動する。

【００２４】互いの中に可動の弁挿入体部分３ａ及び３
ｂは、その分離個所において上側部分３ａの長手溝及び
切り欠きによって流れ通路９を形成しており、この流れ
通路は、漏れ蒸気のための吸出し通路として構成されて
おり、かつ吸出し導管１７に接続されている。

【００２５】弁円すい体１内に、端から端まで延びた軸
線方向穴２があけられている。弁円すい体１の上に空間
１６があり、この空間に穴２を通して蒸気が加えられ
る。

【００２６】中央範囲１ｂにおける弁円すい体１の切り
欠きにより、弁円すい体１と弁挿入体３ａ及び３ｂとの
間に空間３が形成され、この空間に吸出し通路９が接続
されている。

【００２７】図２は、調節弁の断面を拡大した寸法で示
しているが、水圧駆動装置を含んでいない。ここでは弁
ハウジング１０内における弁挿入体３ａ及び３ｂはそれ
ぞれハッチングによって示されている。

【００２８】弁円すい体１は、弁スピンドル５に取付け
られている。弁円すい体１ａ及び１ｂの上側１４及び下
側１３の面は、圧力が作用する。圧力が作用する下側の
面１３は、閉じた弁状態において、弁ハウジング１０内
に挿入された弁ディフューザ６によって終っている。図
２のその他の特徴は、図１と同じである。

【図面の簡単な説明】

【図１】液圧駆動装置を有する調節弁の断面図である。

【図２】調節弁の拡大した断面図である。

【符号の説明】

１ 弁円すい体 １ａ 上側部分 １ｂ 中央部分 １ｃ 下側部分 ３ 弁挿入体 ３ａ 上側部分 ３ｂ 下側部分 ４ａ ピストンリング ４ｂ ピストンリング ５ 弁スピンドル ６ 弁ディフューザ ７ 冷水液圧駆動装置 ８ 空間 ９ 吸出し通路 １０ 弁ハウジング １２ パッキンパッケージ １３ 圧力の作用する面 １４ 圧力の作用する面 １７ 吸出し接続部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弁ハウジング内に配置された弁挿入体、
   パッキンパッケージ内に通された弁スピンドル、弁挿入
   体内において摺動する弁円すい体、及び弁ハウジング内
   に配置された弁ディフューザ、及び液圧駆動装置を有す
   る、蒸気タービンのための蒸気調節弁において、 −弁挿入体上側部分（３ａ）内において摺動する弁円す
   い体（１）の上側部分（１ａ）内に、ピストンリング
   （４ａ）が、 −弁挿入体下側部分（３ｂ）内において摺動する弁円す
   い体（１）の下側部分（１ｃ）内に、ピストンリング
   （４ｂ）が、挿入されており、 −弁円すい体（１）の圧力の作用する上側の面（１４）
   が、ちょうど弁円すい体の圧力の作用する下側の面（１
   ３）の大きさであり、 −弁円すい体（１）の圧力の作用する上側（１４）及び
   下側（１３）の面が、少なくとも１つの軸線方向穴
   （２）によって互いに結合されており、 −弁円すい体（１）が、中央部分（１ｂ）において一層
   小さな直径を有し、かつ弁挿入体（３ａ及び３ｂ）とと
   もにリング状の空間（８）を形成しており、この空間
   に、吸出し接続部（１７）を有する少なくとも１つの吸
   出し通路（９）が接続されており、かつ −蒸気調節弁（１）が、冷水液圧駆動装置（７）によっ
   て操作されることを特徴とする、蒸気タービンのための
   蒸気調節弁。
2. 【請求項２】 液圧駆動装置（７）の冷水に、凍結防止
   剤が混合されることを特徴とする、請求項１記載の蒸気
   調節弁。
3. 【請求項３】 弁円すい体（１）、弁挿入体（３）及び
   弁ハウジング（１０）が、冷水液圧駆動装置（７）も含
   めて、蒸気タービン又はターボ機械におけるそれぞれの
   空間的な位置に配置されることを特徴とする、請求項１
   又は２記載の蒸気調節弁。