JPH10102250A - 成膜方法および成膜装置 - Google Patents

成膜方法および成膜装置

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JPH10102250A
JPH10102250A JP25630896A JP25630896A JPH10102250A JP H10102250 A JPH10102250 A JP H10102250A JP 25630896 A JP25630896 A JP 25630896A JP 25630896 A JP25630896 A JP 25630896A JP H10102250 A JPH10102250 A JP H10102250A
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JP
Japan
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shaped
donut
disk
mask
center
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JP25630896A
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English (en)
Inventor
Eiji Konoshima
栄次 此島
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Shibaura Mechatronics Corp
Original Assignee
Shibaura Engineering Works Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CDなどのドーナツ状円盤型基体の表面にス
パッタリング等により被膜を形成するに際し、円盤型基
体の中心に対して同心度の低下をより少なく、かつ、同
心度の調整作業が容易にできる成膜方法および成膜装置
を提供することを目的とする。 【解決手段】 減圧装置に接続したチャンバー41内で
ドーナツ状円盤型基体11の表面に被膜材料を飛散させ
てドーナツ状の被膜13を形成する成膜方法において、
円盤型基体11をセンターマスク67によりセンターリ
ングするとともに周縁部15をアウターマスク71に当
接して円盤型基体11の表面に被膜材料を被着させる成
膜方法および成膜装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
ク等のドーナツ状円盤型基体の表面にアルミニウム等の
被膜をスパッタリングなどにより形成する成膜方法およ
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、デジタル化された音声信号や画像
情報を大量に記録するのに、広く使用されているコンパ
クトディスク(以下、CDと称する。)やデジタルビデ
オディスク(以下、DVDと称する。)等は、ポリカー
ボネイト等の透明な合成樹脂板製のドーナツ状円盤型基
体の表面にたとえばスパッタリング等などにより光反射
率の高いアルミニウム等の薄膜を形成したものからな
る。
【0003】そして、たとえばCDは、この基体表面の
アルミニウム等の膜に、情報を「1」、「0」からなる
デジタル信号に変えたビットと称する小さな孔を開けて
記録させてあり、これにレーザ光を当て反射波の有無
(孔の有無) を検出して、記録情報を読み出すようにし
ている。
【0004】そして、現在の12cm型のCD1は、図
5に示すように円盤型基体11の外径が120mm、厚
さ1.2mm、機器への装着に使用される中心部の孔1
2径が15mm、透明部が基体11の中心から約20m
mの間に、アルミニウム等の被膜13が基体11の中心
から約20mm〜約59mmの孔12周辺の内端側14
および外端側(周縁部)15を除く間に形成してある。
【0005】従来、このドーナツ状円盤型基体の表面に
たとえばスパッタリングにより被膜を形成するのは図6
に示すような設備を用い行なわれていた。チャンバー等
の真空室内のホルダーの段部上に保持して移送されてき
た円盤型基体11は、その状態のままスパッターを行う
と全面に被膜が形成されてしまうので、マスキングをし
て作業が行われている。
【0006】すなわち、ホルダーの内部には進退自在に
挿通して、プッシャーヘッド81が配設されている。こ
のプッシャーヘッド81は、シャフト82の先端にコイ
ル状ばね86を介して弾性的に軸方向へ自由度を有して
取着され、先端がドーナツ状円盤型基体11の中心孔1
2内に容易に挿入されるようテーパー面を有する裁頭円
錐状の先頭部89が形成してある。また、シャフト82
の下端にはシリンダ装置(図示しない。)が連結してあ
る。また、上方の仕切壁46にはスパッター源となるマ
グネトロンスパッタリング装置(図示しない。)と、先
端が円形状のセンターマスク67および円形状の孔を備
えたアウターマスク71が配設されている。
【0007】そして、スパッター作業は、シリンダ装置
を作動してシャフト82を上昇させると、プッシャーヘ
ッド81先端の先頭部89が円盤型基体11の中心孔1
2内に侵入する。この先頭部89はテーパー状であるた
め中心孔12内に容易に侵入し、円盤型基体11が平坦
部に達したところで円盤型基体11はホルダーの段部か
ら押し上げられる。さらに押し上げがすすむと、円盤型
基体11の中心孔12近傍の中央部がシャフト64に支
持されたセンターマスク67の当接部68に当たるとと
もに円盤型基体11の周縁部15もアウターマスク71
の当接部72に当たる。なお、このとき上記突出した先
頭部89は、センターマスク67中央の凹部69内に入
る。
【0008】そして、この状態でチャンバー内が所定の
真空度に達したら、マグネトロンスパッター装置を作動
してアルミニウムの微粒子を放出させ、円盤型基体11
の表面にアルミニウム被膜13を形成する。この被膜1
3の形成が終了したら、シリンダ装置を作動してシャフ
ト82を下降させると、円盤型基体11を保持している
プッシャーヘッド81が下降し、途中のホルダー部を通
過のとき円盤型基体11の周縁部15が段部に引っ掛か
って、円盤型基体11はこの段部上に載置される。
【0009】この後、チャンバー内に窒素等を封入して
ホルダーから円盤型基体11を取り出すことによって作
業は終了する。
【0010】そして、このような構成の装置では、装置
の調整に非常に手間を要することがある。すなわち、こ
の装置におけるドーナツ状円盤型基体11の位置決め
は、たとえばプッシャーヘッド81を基とした場合は、
このプッシャーヘッド81に対しセンターマスク67の
円形状の外周面A位置を合せ、つぎにこのセンターマス
ク67の円形状の外周面Aに対しアウターマスク71の
円形状の内周面B位置を合せる2部材の同心度の調整を
要していた。このため調整時間が多く掛かるとともに調
整箇所が多いことは、それぞれにおける公差が加算され
る結果、同心度が悪くなっていた。この同心度の低下
は、円盤型基体11の中心孔12を基として、機器に装
着されるCD1等にあっては、外観的に見栄えが悪くな
ったり製造規格から外れる等、品質の低下を招いてい
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みなされたもので、CDなどのドーナツ状円盤型
基体の表面にスパッタリング等により被膜を形成するに
際し、円盤型基体の中心に対して同心度の低下をより少
なく、かつ、同心度の調整作業が容易にできる成膜方法
および成膜装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の成膜方法は、減圧装置に接続したチャンバー内でドー
ナツ状円盤型基体の表面に被膜材料を飛散させてドーナ
ツ状の被膜を形成する成膜方法において、円盤型基体を
センターマスクによりセンターリングするとともに周縁
部をアウターマスクに当接して円盤型基体の表面に被膜
材料を被着させることを特徴とする。
【0013】ドーナツ状円盤型基体のセンターリングを
センターマスクにより行うことから、このセンターマス
クの外周面とアウターマスクの内周面との間隔を所定に
保つようセンターマスクまたはアウターマスクの少なく
とも一方の配設位置を調整すればよい。
【0014】そして、上記センターマスクの外周面とア
ウターマスクの内周面との間にスパッター等により被膜
を形成すれば、ほぼ均一幅の被膜が得られる。
【0015】本発明の請求項2に記載の成膜方法は、減
圧装置に接続したチャンバー内のホルダーにドーナツ状
円盤型基体を保持させる工程と、このホルダー内を上昇
させたプッシャーヘッド上にドーナツ状円盤型基体を載
置させる工程と、このプッシャーヘッドを上昇させてド
ーナツ状円盤型基体の中心孔をセンターマスクの中央凸
部に案内して円盤型基体のセンターリングを行う工程
と、上記プッシャーヘッドをさらに上昇させて、上記円
盤型基体の中央部をセンターマスクに、また、周縁部を
アウターマスクに当接させる工程と、排気した上記チャ
ンバー内において被膜材料を飛散させてドーナツ状円盤
型基体の上面に被膜を形成する工程と、上記プッシャー
ヘッドを下降させてドーナツ状円盤型基体上面を両マス
クから外す工程と、さらに、プッシャーヘッドを下降さ
せてドーナツ状円盤型基体をプッシャーヘッドから離し
ホルダー上に載置する工程と、上記ホルダー上に載置さ
れたドーナツ状円盤型基体を取り出す工程とを具備して
いることを特徴とする。
【0016】円形状のマスク部と予め同心円で形成およ
び調整してあるセンターマスク中央に設けた凸部をドー
ナツ状円盤型基体の中心孔に挿通させることにより円盤
型基体のセンターリングが行われる。また、このセンタ
ーマスクの外周面とアウターマスクの内周面との間隔を
所定に保つよう調整することによって、被膜形成範囲を
調整でき、上記請求項1に記載したと同様な作用を奏す
る。
【0017】また、このときプッシャーヘッド側とセン
ターマスク側のテーパー状凸部とのセンターが少々ずれ
ていても、押し上げられた円盤型基体の中心孔がテーパ
ー状の凸部に当接して案内され、円盤型基体とセンター
マスクとのセンターを精度高く合わせることができる。
【0018】本発明の請求項3に記載の成膜装置は、減
圧装置に接続したチャンバーと、このチャンバー内に設
けられたドーナツ状円盤型基体を保持するホルダーと、
このホルダー内に進退自在に挿通され、上記ドーナツ状
円盤型基体を載置して上下動するプッシャーヘッドと、
このプッシャーヘッドに対向して設けられドーナツ状円
盤型基体の中心孔内に挿入されてこの円盤型基体のセン
ターリングを行うとともに基体の中央部を覆うセンター
マスクと、このセンターマスクと所定の間隔を隔てて設
けられた、ドーナツ状円盤型基体の端縁部に当接するア
ウターブラケットと、上記センターマスクおよびアウタ
ーマスクの配設側に設けられた被膜材料を飛散させる装
置とを具備していることを特徴とする。
【0019】ドーナツ状円盤型基体のセンターリングを
センターマスクにより行うことにより、このセンターマ
スクの外周面とアウターマスクの内周面との間隔を所定
に保つようセンターマスクまたはアウターマスクの少な
くとも一方の配設位置を移動して調整すればよい。
【0020】そして、上記センターマスクの外周面とア
ウターマスクの内周面との間にスパッター等により被膜
を形成すれば、ほぼ均一幅の被膜が得られる。
【0021】本発明の請求項4に記載の成膜装置は、セ
ンターマスクにドーナツ状円盤型基体の中心孔内に挿通
される凸部が備けられるとともに、プッシャーヘッドに
はこの凸部を受容する凹部が設けられていることを特徴
とする。
【0022】センターマスクの凸部に円盤型基体の中心
孔を挿通することにより、円盤型基体のセンターリング
ができ、上記請求項3に記載したと同様な作用を奏す
る。
【0023】そして、上記センターマスクの凸部は、基
部が円盤型基体の中心孔と嵌合する外径を有していて、
先端側は円錐状や半球状等をなし中心孔に挿通し易い形
状にしているのが好ましい。
【0024】また、円盤型基体の中心孔は押圧により強
制的にセンターマスクの凸部と嵌合されるので、プッシ
ャーヘッドのセンターのずれが多少あっても差支えな
い。
【0025】本発明の請求項5に記載の成膜装置は、セ
ンターマスクの外周面とアウターマスクの内周面とは所
定の間隔を隔て対峙センターリングされていることを特
徴とする。
【0026】上記請求項4に記載したと同様な作用を奏
する。
【0027】本発明の請求項6に記載の成膜装置は、プ
ッシャーヘッドが、ばね部材を備えドーナツ状円盤型基
体を介しセンターマスクと弾性的に当接することを特徴
とする。
【0028】円盤型基体の厚さ等にばらつきがあったり
品種が変わり厚さが異なったりしてもばね部材が伸縮し
て円盤型基体を平板状に保持することができ、上記請求
項3に記載と同様な作用を奏する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1はCDの製造工程であるスパ
ッタリングによる成膜装置の一例を示す説明図、図2は
図1の要部を拡大して示す一部断面正面図、図3はセン
ターマスクの取付けを下方から見た部分断面図、図4は
アウターマスクおよびプッシャーヘッド部分の上面図で
ある。図1において2はトランスファー装置で、上下動
(矢印)可能な回転軸21を中央にして相対方向に伸び
る後述するチャンバー41の窓孔42を塞ぐ円盤状のブ
ラケット22,22が取付けられ、各ブラケット22,
22の下面には真空ポンプ等の減圧装置(図示しな
い。)に接続されたゴムパッド(吸口)23,23が設
けられている。なお、このゴムパッド23,23の先端
部は円盤型基体11の中心孔12より外周辺で被膜13
が形成されない内端側14に位置するのが、被膜13を
傷付けることがないので好ましい。
【0030】また、3はCD1のドーナツ状円盤型基体
11を載置搬送するベルトコンベヤー、4はスパッタリ
ング装置で、上方にスパッタするドーナツ状円盤型基体
11より大径の円形窓孔42,43が設けられたチャン
バー41を備え、このチャンバー41内には回転軸51
を中央にして相対方向に伸びるブラケット52,52が
取付けられ、各ブラケット52,52には円盤型基体1
1の周縁部15を載置して保持する段部53を備えたリ
ング状のホルダー54,54が設けられている。また、
44は窓孔43に連接したスパッターが行われる成膜室
で、上記チャンバー41と成膜室44とで真空室45を
構成している。この成膜室44内にはマグネトロンスパ
ッタリング装置90および円盤型基体11の中央部を覆
うセンターマスク構成部材6が設けられている。
【0031】このセンターマスク構成部材6は、上部の
固定部材49にボルト61,61でもって取付けられた
ベース62と、このベース62にねじ部材63を介し固
定されたシャフト64と、このシャフト64の下方側を
径大な真円形状部65と底部の中央部に突出して形成し
たテーパー状の凸部66を有するセンターマスク67と
からなっている。
【0032】そして、このセンターマスク67は、図示
のようにシャフト64の下方側をフレヤ状にしその最大
外径部65の外周面を真円形状にするとともに最大外径
部65において円盤型基体11との接触面68を形成し
ている。また、凸部66は底部中央の基部が円盤型基体
11の中心孔12と嵌合する外径を有するとともに先端
側が小径をなす裁頭円錐状や半球状等をしたここでは裁
頭円錐状をなすテーパー状面としてある。たとえば、1
2cm型のCD1の場合、センターマスク67の最大外
径部65の直径は40mm、凸部66の基部の直径は1
5mmである。また、71は円盤型基体11の周縁部1
5との当接部72を有する段付きリング状のアウターマ
スクで、チャンバー41壁の窓孔43内に嵌合して設け
られ複数本のボルト73,…(図2では1本のみ記載)
で固定されている。なお、12cm型のCD1の場合
で、上記リング状の当接部72の内径は59〜58mm
である。
【0033】なお、図中47は真空ポンプなどの減圧装
置および窒素ボンベ等(図示しない。)に接続された給
排通路、95等の黒点は当接部気密保持用のパッキング
である。
【0034】また、8はプッシャーで、ドーナツ状円盤
型基体11の中央部を下方から載置して保持するプッシ
ャーヘッド81と、このプッシャーヘッド81を支持固
定しているシャフト82と、ボルト84,…を介しチャ
ンバー41の底壁に気密取着された電磁作動または気体
圧作動して上記シャフト82を上下動させるシリンダ装
置83とからなる。なお、上記シャフト82は回転しな
い。
【0035】上記シリンダ装置83に連接したシャフト
82先端に設けられたプッシャーヘッド81は、このシ
ャフト82に対しコイル状のばね部材86が嵌合してあ
って弾性的に上下軸方向へ自由度を有し取着されてい
る。図2中、85はプッシャーヘッド81の頂部に形成
された凹部であって上記センターマスク67下端部の裁
頭円錐状の凸部66を受容する。なお、87はコイル状
のばね部材86のストッパー、88はねじである。
【0036】また、図3および図4に示すようにセンタ
ーマスク67とアウターマスク71とプッシャーヘッド
81との各中心は同一垂直線上にある。
【0037】そして、このスパッタリング装置4におい
て、ドーナツ状円盤型基体11へのスパッター作業に先
立つ、センターマスク67、アウターマスク71および
プッシャーヘッド81のセンター出しの調整は下記のよ
うにして行われる。まず、アウターマスク71側を固定
してあるアウターマスク71側を中心とする場合は、セ
ンターマスク67を支持しているベース62の4本のボ
ルト61,61,…を緩め、センターマスク67の外周
面とアウターマスク71の内周面との間隔がどの円周位
置においても所定寸法にあるように調整した後、ボルト
61,61,…を締めて固定部材49に固定する。ま
た、プッシャー8側の調整は、プッシャーヘッド81を
支持固定しているシャフト82と連結したシリンダ装置
83のボルト84,…を緩め位置調整後に締めることに
よって行なう。なお、このプッシャー8側は、チャンバ
ー41との気密接続があるので、調整のための移動はで
きるだけ抑えることが望ましい。
【0038】また、センターマスク67側を固定してあ
るセンターマスク67側を中心とする場合は、アウター
マスク71側の4本のボルト73,73,…を緩め、こ
のセンターマスク67を中心としてアウターマスク67
側を移動し、センターマスク67の外周面とアウターマ
スク71の内周面との間隔がどの円周位置においても所
定寸法にあるように調整した後、ボルト73,…を締め
てアウターマスク71を固定すればよい。
【0039】なお、この調整の場合、センターマスク6
7の下面(凸部66ではない。)とアウターマスク71
の下面とは、同一水平面にあることはいうまでもない。
【0040】また、このスパッタリング装置4における
スパッター作業は次のようにして行われる。
【0041】ベルトコンベヤー3で搬送されてきたドー
ナツ状円盤型基体11は、下降してきたトランスファー
装置2の円盤状のブラケット22に設けられているゴム
パッド23,23によって吸引される。(真空ポンプな
どの減圧装置は図示されていない。) そして、トランスファー装置2の回転軸21を上昇さ
せ、たとえば図1の仮想線の位置まで来たら回転軸21
を180度回転し、つぎに、回転軸21を下降して、円
盤状のブラケット22をスパッタリング装置4のチャン
バー41の円形窓孔42上に移動させる。この状態は円
盤状のブラケット22がチャンバー41の円形窓孔42
を閉塞するとともに、チャンバー41内のリング状のホ
ルダー54上に円盤型基体11を位置させることにな
る。そして、ゴムパッド23,23の吸引を解くと(吸
引ラインに窒素等を封入)円盤型基体11はホルダー5
4の段部53上に載置される。
【0042】つぎに、チャンバー41内の回転軸51を
180度回転して、円盤型基体11の載ったホルダー5
4を成膜室44と対面する位置に移動する。なお、上記
ブラケット22により円形窓孔42を閉塞した後、チャ
ンバー41内および成膜室44内は給排通路47を通じ
排気し減圧させる。ついで、シリンダ装置83を動作し
てシャフト82を上昇させると、シャフト82先端のプ
ッシャーヘッド81の頂部がホルダー54上のドーナツ
状円盤型基体11の中央部分を載置して押し上げる。
【0043】そして、押し上げ保持された円盤型基体1
1の中心孔12内には、反対面の上方にあるセンターマ
スク67の凸部66の先端が入ってくるとともに、さら
に押し上げが進むと円盤型基体11は、テーパー状の凸
部66に中心孔12が案内されて基部にまで達し、円盤
型基体11の中心孔12の近傍には当接部68が、ま
た、周縁部15にはアウターマスク71の当接部72が
押し付けられる。すなわち、円盤型基体11はその中央
部および周縁部15が両マスク67,71に接し押圧さ
れ湾曲することなく水平状態に保持される。このとき、
プッシャーヘッド81は、ばね部材86を介し設けられ
ているので、弾性をもった適宜の押圧力で水平に保持さ
せることができる。また、このときプッシャーヘッド8
1側とセンターマスク67側の凸部66とのセンターが
少々ずれていても、押し上げられた円盤型基体11の中
心孔12がテーパー状の凸部66に当接して案内され、
円盤型基体11とセンターマスク67とのセンターを精
度高く合わせることができる。
【0044】この状態でチャンバー41内および成膜室
44内の排気がすすみ所定の真空度に達したら、マグネ
トロンスパッタリング装置90を作動して被膜材料であ
るアルミニウムをスパッターさせる。このスパッターに
より飛散したアルミニウム粒子は、主として円盤型基体
11の表面、センターマスク67の外表面やアウターマ
スク71の表面に被着され、これらに所定膜厚のアルミ
ニウム被膜13が形成できる。
【0045】このスパッタリングが終了したら、シリン
ダ装置83を動作してシャフト82を下降させると、円
盤型基体11を保持しているプッシャーヘッド81が下
降し、途中のホルダー54部を通過のとき円盤型基体1
1の周縁部15が段部53に引っ掛かって、円盤型基体
11はこの段部53上に載置される。
【0046】そして、回転軸51を180度回転して、
円盤型基体11の載ったホルダー54を図1において左
方に移動するとともに排気を止め給排通路47を通じて
チャンバー41内に窒素などを封入する。このチャンバ
ー41内が大気圧状態になったら、チャンバー41の円
形窓孔42上にあるブラケット22のゴムパッド23,
23を真空系につなぎホルダー54上にある円盤型基体
11を吸引させる。
【0047】つぎに、トランスファー装置2の回転軸2
1を上昇させ、たとえば図1の仮想線の位置まで来たら
回転軸21を180度回転し、ここでゴムパッド23,
23の真空状態を大気圧に切替えると円盤型基体11の
保持が解かれ、アルミニウム被膜13を形成した円盤型
基体11を取出すことができる。
【0048】なお、この後トランスファー装置2を下降
させてコンベヤー3上の新たな円盤型基体11をゴムパ
ッド23,23で吸引して、スパッタリング装置4に送
り上述した作業を繰り返し行う。
【0049】上述した装置および方法でスパッタリング
が行われたドーナツ状円盤型基体11は、センターマス
ク67によってセンターリングされ、被膜形成範囲の調
整がこのセンターマスク67およびアウターマスク71
間のみでよいので、スパッター作業に先立つ調整作業が
簡単で手間を要さず生産性の向上がはかれる。また、水
平状態に保持された状態でスパッターされるので、円盤
型基体11の所定位置に高い精度で被膜13の形成がで
きる結果、特性的にも外観的にも向上したCD1を作り
出すことができた。
【0050】なお、本発明は上記実施の形態に限らな
い。たとえば、被膜形成の対象物はCDに限らず、LD
(レーザーディスク)、DVD(デジタルビデオディス
ク)、MD(ミニディスク)やMO(マグネットオプチ
カル)などの製造にも適用が可能である。
【0051】また、上記実施の形態では被膜の形成をス
パッタリングによる場合について述べたが、スパッタリ
ングに限らず、真空中で被膜形成を行なう真空蒸着やイ
オンプレーティングによる方法や装置を適用することが
できる。その他、装置各部の詳細構成、たとえばセンタ
ーマスクやアウターマスク等の固定構造や調整方法等も
実施の形態に記載したものに限らない。また、作業は円
盤型基体を水平に保持して被膜の形成を上方より行った
が、上方からに限らず下方からでもよく、さらに、円盤
型基体を垂直に保持して被膜の形成を行ってもよい。
【0052】さらに、被膜材料もアルミニウム(Al)
のほか金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ケイ素
(Si)などの被膜形成を行うことができる。
【0053】
【発明の効果】本発明の請求項1ないし請求項3の発明
によれば、円盤型基体の表面の所定範囲内にスパッタリ
ング等によりドーナツ状に被膜を形成するに先立ち、マ
スク位置の調整箇所を従来より減らすことができ、精度
の向上および調整時間の節減がはかれる生産性を高めら
れる成膜方法および成膜装置を提供することができる。
また、上記に伴い円盤型基体に形成された被膜は同心度
が高くなる結果、CD等の品質および外観を向上できる
利点を有する。
【0054】本発明の請求項4の発明によれば、センタ
ーマスク側に確実に円盤型基体を保持してセンターリン
グができ、上記請求項1ないし請求項3の発明に記載し
たと同様な効果を奏する。
【0055】本発明の請求項5の発明によれば、センタ
ーリングはセンターマスクの外周面とアウターマスクの
内周面との間のみで容易に行わせることができる。
【0056】さらに、本発明の請求項6の発明によれ
ば、CD(基体の厚さ1.2mm)やDVD(基体の厚
さ0.6mm)を、装置の切り替えなく、また、あって
も簡単な調整で容易に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタリング装置の実施の形態を示
す説明図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す一部断面正面図であ
る。
【図3】本発明装置の要部(センターマスクおよびアウ
ターマスク)を下方から見た説明図である。
【図4】本発明装置の要部(アウターマスクおよびプッ
シャーヘッド)を上方から見た説明図である。
【図5】コンパクトディスク(CD)の正面図である。
【図6】従来のスパッタリング装置の一部を示す一部断
面正面図である。
【符号の説明】
1:コンパクトディスク(CD) 11:ドーナツ状円盤型基体 12:中心孔 13:被膜(アルミニウム膜) 15:周縁部 4:スパッタリング装置 41:チャンバー 44:成膜室 45:真空室 53:段部 54:ホルダー 6:センターマスク機構 66:凸部 67:センターマスク 68:当接部 71:アウターマスク 72:当接部 8:プッシャー 81:プッシャーヘッド 82:シャフト 83:シリンダ装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧装置に接続したチャンバー内でドー
    ナツ状円盤型基体の表面に被膜材料を飛散させてドーナ
    ツ状の被膜を形成する成膜方法において、円盤型基体を
    センターマスクによりセンターリングするとともに周縁
    部をアウターマスクに当接して円盤型基体の表面に被膜
    材料を被着させることを特徴とする成膜方法。
  2. 【請求項2】 減圧装置に接続したチャンバー内のホル
    ダーにドーナツ状円盤型基体を保持させる工程と;この
    ホルダー内を上昇させたプッシャーヘッド上にドーナツ
    状円盤型基体を載置させる工程と;このプッシャーヘッ
    ドを上昇させてドーナツ状円盤型基体の中心孔をセンタ
    ーマスクの中央凸部に案内して円盤型基体のセンターリ
    ングを行う工程と;上記プッシャーヘッドをさらに上昇
    させて、上記円盤型基体の中央部をセンターマスクに、
    また、周縁部をアウターマスクに当接させる工程と;排
    気した上記チャンバー内において被膜材料を飛散させて
    ドーナツ状円盤型基体の上面に被膜を形成する工程と;
    上記プッシャーヘッドを下降させてドーナツ状円盤型基
    体上面を両マスクから外す工程と;さらに、プッシャー
    ヘッドを下降させてドーナツ状円盤型基体をプッシャー
    ヘッドから離しホルダー上に載置する工程と;上記ホル
    ダー上に載置されたドーナツ状円盤型基体を取り出す工
    程;とを具備していることを特徴とする成膜方法。
  3. 【請求項3】 減圧装置に接続したチャンバーと;この
    チャンバー内に設けられたドーナツ状円盤型基体を保持
    するホルダーと;このホルダー内に進退自在に挿通さ
    れ、上記ドーナツ状円盤型基体を載置して上下動するプ
    ッシャーヘッドと;このプッシャーヘッドに対向して設
    けられドーナツ状円盤型基体の中心孔内に挿入されてこ
    の円盤型基体のセンターリングを行うとともに基体の中
    央部を覆うセンターマスクと;このセンターマスクと所
    定の間隔を隔てて設けられた、ドーナツ状円盤型基体の
    端縁部に当接するアウターブラケットと;上記センター
    マスクおよびアウターマスクの配設側に設けられた被膜
    材料を飛散させる装置と;を具備していることを特徴と
    する成膜装置。
  4. 【請求項4】 センターマスクにはドーナツ状円盤型基
    体の中心孔内に挿通される凸部が備けられるとともに、
    プッシャーヘッドにはこの凸部を受容する凹部が設けら
    れていることを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。
  5. 【請求項5】 センターマスクの外周面とアウターマス
    クの内周面とは所定の間隔を隔て対峙センターリングさ
    れていることを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。
  6. 【請求項6】 プッシャーヘッドは、ばね部材を備えド
    ーナツ状円盤型基体を介しセンターマスクと弾性的に当
    接することを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。
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