JP2005018814A - 円板状基板用内マスク、成膜装置に対する内マスク、外マスクおよび基板の受け渡し方法、および当該方法を用いた円板状記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】中央部に貫通孔を有する円板状基板に固定可能であり、搬送時においても位置関係を一定に保持可能な内マスクを提供する。
【解決手段】内マスクが、基板表面の中央部とその周囲とを覆う本体部と本体部と連続して貫通穴を挿通可能な外径を有する軸部からなる構成とし、軸部に対して、貫通穴の内径より大きな外径を有し且つ軸心方向の負荷によってその外径を貫通穴を挿通可能な大きさまで減ずる内マスク固定機構を配置することとする。
【選択図】 図1
【解決手段】内マスクが、基板表面の中央部とその周囲とを覆う本体部と本体部と連続して貫通穴を挿通可能な外径を有する軸部からなる構成とし、軸部に対して、貫通穴の内径より大きな外径を有し且つ軸心方向の負荷によってその外径を貫通穴を挿通可能な大きさまで減ずる内マスク固定機構を配置することとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、円板状の基板に対して薄膜を形成する薄膜形成装置に関し、より詳細には、当該装置を用いて薄膜形成を行う際に、円板状の基板に付随して用いられるいわゆる内マスクに関する。また、本発明は、当該装置において用いられる円板状基板、内マスクおよび外マスクの受け渡しを行う方法に関する。さらに、本発明は、当該方法において用いられるいわゆる内マスク、および当該機構を用いていわゆる光ディスク等のディスク状(円板状)の記録媒体を製造するディスク状記録媒体の製造方法にも関する。
【0002】
【従来技術】
【特許文献1】特開平09−111453号公報
【特許文献2】特開平07−029218号公報
【特許文献3】特開2001−209981号公報
【0003】
円板状の基板に対して各種薄膜を形成して製造される記録媒体、特にディスク状の形状を有するものとして、例えば、CD、CD−R、CD−RW等のCD系ディスク、あるいはDVD−ROM、DVD−R、等のDVD系ディスク等の光ディスク、あるいはMO、MD等の光磁気ディスク等、種々のディスクが存在する。これらディスクは、例えばポリカーボネート等の素材からなる基板に対して、スパッタリング法、スピンコート法等の種々の方法を用いて薄膜を積層することによって製造されている。
【0004】
一般に、これらディスクの素材となる基板は、その供給時において、すでに中央部に貫通穴が形成されている。以降の薄膜形成工程では、通常この中央穴を用いて、成膜装置等への搬入および搬出、および成膜装置等における基板の位置決め等のハンドリングが行われる。しかしながら、この中央穴の存在は、成膜時において、例えば基板上における薄膜の膜厚あるいは膜質の分布を低下させる恐れがある。このために、一般的には、
【特許文献1】乃至
【特許文献3】に開示されるように、中央穴に対していわゆる内マスクと呼ばれる一種のキャップ等をかぶせ、その存在が成膜工程に与える影響を極力小さくした状態での成膜が行われる。
【0005】
例えば、DVD系のディスク製造時においては、スピンコート法を用いて紫外線硬化樹脂からなる薄膜が、その構成膜の一つとして形成される。具体的には、まず、回転可能なテーブル上に、その中心とテーブルの回転中心とを一致させるように基板が搭載される。このため、中央穴を貫通するような回転軸を用いる、あるいはテーブルの回転中心に対して同心状に固定されるキャップをディスクの中心穴に配置する等の操作によって、基板のテーブルに対する位置決めと固定が為される。
【0006】
次に、回転中のディスクに対して、中心穴近傍あるいはキャップ端部からディスク外周に向けて、連続的に樹脂の滴下が為される。滴下された樹脂は、ディスクの回転に伴う遠心力により拡散され、その結果基板表面上に樹脂薄膜の形成が行われる。なお、薄膜となった樹脂は、その後紫外線の照射等の工程を経て安定な膜構造とされる。
【0007】
この場合、回転中心より外れた位置に樹脂の滴下を行わざるを得ないため、このことに起因した膜厚の分布が生じていた。しかし、現在、一般的に記録の読み取り等に用いられている赤色レーザー光は、比較的波長が長いためにこの分布は許容し得る範囲のものであった。なお、今後、光ディスクの記録密度をより高めるために、波長の短い例えば青色レーザー光を用いた場合には、より均一性の高い薄膜を得ることが必要となる。
【0008】
また、反射膜等に用いられる金属薄膜等は、スパッタリング法を用いて形成される。当該方法においては、円板状基板は、中央穴部分とその外周部分が治具によって覆われた形で、真空容器中でターゲット正面に固定、保持される。一般的には、このターゲットに対してある電圧が与えられ、これによってターゲットと基板との間に放電が発生し、プラズマが生じる。当該プラズマ中のイオンによってターゲット表面のターゲット構成元素がスパッタされ、このスパッタ粒子が基板表面に付着することによって膜形成が行われる。
【0009】
その際、基板表面に対して基板固定用の治具あるいは前述のマスク等が接触した場合、膜形成時に薄膜と治具等との間で異常放電を発生する場合がある。これは、放電によって薄膜中あるいは治具等表面に蓄えられた電荷が、治具等と膜面との接触点から放出されることによる。また、治具等が放電空間に張り出すと、その存在によって電界をゆがめ、その結果膜厚分布に対しても影響を与える場合が生じる。このため、基板表面と治具等とは常に一定の微少間隔を空けて保持されることが好ましく、可能であれば治具等を用いないことが好ましい。
【0010】
本出願人は、以上の課題を解決する手段として、すなわち当該スピンコート法を用いる工程において膜厚分布をより改善する方法として、中央部に穴を設けない基板を用いた製造工程を提案している。当該基板を用いた場合、スパッタ時に基板固定に用いる治具が減少することから、基板表面と治具との間隔の一定保持が容易となり、異常放電の低減も容易となると考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スパッタリング装置近傍までの基板の移送、当該装置内部への搬送、成膜時における基板の保持、成膜後における当該装置からの基板の搬出等は、通常、基板の外周および基板に設けられた中央穴を用いて行われている。また、従来の基板は、その中央穴に対して支持棒を挿貫させることによって、複数枚を積み重ねるようにして保管している。従って、基板に中央穴が全く存在していない場合、基板の搬送、保管等各段階において従来とは大きく異なる周辺装置が必要となる。
【0012】
また、これら基板の搬送等は、基本的に基板の外周を保持して為される頻度が高くなると思われる。しかし、将来的に、基板の外周端近傍まで基板上の機能部分であるいわゆる記録エリアが拡大された場合、この保持に用い得る領域が小さくなりすぎ、安定した基板の保持等が困難となる可能性もあり得る。
【0013】
従って、基板に対して、上述の製膜工程においてその存在の影響を容易に排除することが可能であり、同時に基板保持等のために使用可能な大きさを有する中央穴を形成するが好ましいと考えられる。また、同時に、製膜時においてこの中央穴を覆う内マスクについても、当該内マスクによって製膜工程時に発生する影響も、上述の背景に鑑みて、充分に小さく抑えられる形状等を有することが好ましいと考えられる。
【0014】
また、先にも述べたように、上述の基板は、いわゆる内マスクおよび外マスクによってその内周部および外周部をそれぞれ被った状態で、スパッタリングによりその表面への薄膜の形成が行われる。これら内マスクおよび外マスクに対しては、基板に対する成膜時に基板と同様に薄膜が付着するため、これら薄膜が適当な厚さまで積層された場合にその除去を行う必要がある。このため、これらマスクは製膜装置内部に予め設置されるのではなく、基板に対して内マスクおよび外マスクが固定された状態で、基板と共にスッパタリング装置に対しての搬入、搬出等が行われることが好ましい。従って、上述の、基板における中央穴および内マスクの形状等は、これら搬入搬出等の操作が容易に為される構成であることも同時に求められる。
【0015】
本発明はこれら上述の課題に対して案出されたものであり、大気中において基板等を確実に保持し、移送し、スパッタリング装置等の薄膜形成装置との基板等の授受を安全に行い得る基板およびマスク構造、およびこれら基板等の受け渡し方法および当該方法の提供を目的とするものである。本発明は、より詳細には内マスクの構成に関して着目し、基板の搬送時に当該内マスクと基板との相対的関係についても確実な維持を可能とすることを目的としている。さらに、本発明は、当該受け渡し方法を具現化したスパッタリング装置等の薄膜形成装置、および当該装置を用いたディスク状記録媒体の製造方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る内マスクは、中央部に貫通孔を有する円板状基板表面に薄膜を形成する際に円板状基板の中央部およびその周囲への薄膜形成を防止するために用いられる内マスクであって、軸方向上部において軸方向とは垂直に形成されて円板状基板の中央部およびその周辺を覆う円板状の本体部と、軸方向の下部において本体部と接続された貫通孔内径よりも小さな外径を有する軸部と、軸部に配置された、軸部の外径を前記貫通孔内径より部分的に大きくし、軸方向に垂直であって且つ軸心方向に向かう負荷が与えられた場合には部分的に大きくなった外径を貫通孔内径より小さくする弾性的作用を有する内マスク固定機構とを有し、本体部と内マスク固定機構とによって円板状基板を挟持する事で内マスクを円板状基板に対して固定することを特徴としている。
【0017】
なお、上記内マスクにおいては、内マスク固定機構は、軸部周囲に配置された弾性部材および軸部に形成された弾性部材を収容する収容部とから構成されることが好ましい。また、その際、弾性部材はコイル状のバネの両端部を接続してなるリング状のバネ部材であり、収容部は軸部に形成された小径部であることが好ましい。
【0018】
また、上述の内マスクにおいては、内マスク固定機構は、前記軸部に形成された所定幅を有して前記軸部の端部から前記本体部に向けて延在するスリットと、前記スリットの形成範囲であって前記軸部の外径が大きくなった大径部分とから構成されることが好ましい。その際、貫通孔は、円板状基板に薄膜形成が為されて最終製品となった際にその中央部に配置される貫通孔の内径より小さな内径を有することが好ましい。さらに、上記内マスクにおいては、円板状基板は内マスク本体部方向に突出する筒状部分を貫通孔周囲に有し、本体部は筒状部分を収容する環状溝部を有することが好ましい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る円板状基板の受け渡し方法は、中央部に貫通孔を有する円板状基板表面に薄膜を形成する薄膜形成装置において円板状基板を保持する基板ホルダに対して、円板状基板と共に、円板状基板の中央部およびその周囲への薄膜形成を防止するために用いられる内マスクおよび円板状基板の外周部への薄膜形成を防止する外マスクを受け渡す基板受け渡し方法であって、内マスクにおける本体部によって円板状基板の中央部およびその周辺部を覆うと共に、本体部と連続する軸部を貫通孔に貫通させ且つ軸部に設けられた内マスク固定機構と本体部とによって円板状基板を挟持することによって内マスクと円板状基板とを一体化し、外マスクに対して固着力を及ぼすことによって搬送アームにおけるマスク保持面に対して外マスクを保持すると共に、内マスクに対して固着力を及ぼすことによってマスク保持面に対して一体化された内マスクおよび円板状基板を固定し、搬送アームにおけるマスク保持面に対して基板ホルダを対向させた後、基板ホルダにおける基板保持面と円板状基板裏面とが略接触するまで基板ホルダを搬送アームに接近させ、基板ホルダ側における外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力を作用させた状態にて、搬送アームにおける外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力を減じ、基板ホルダ側における外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力によって、外マスク、内マスクおよび円板状基板を基板ホルダにおける基板保持面に固定することを特徴としている。
【0020】
なお、上述の方法においては、マスクに対して及ぼされる固着力は、搬送アームおよび基板ホルダ各々の内部に設けられた磁石によって得られることが好ましい。また、上述の方法においては、内マスク固定機構は、軸部に配置され、軸部の外径を貫通孔内径より部分的に大きくし、軸方向に垂直であって且つ軸心方向に向かう負荷が与えられた場合には部分的に大きくなった外径を貫通孔内径より小さくする弾性的作用を有する部材からなることとすることが好ましい。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る円板状記録媒体の製造方法は、中央部に貫通孔を有する円板状基板表面に薄膜を形成する円板状記録媒体の製造方法であって、円板状基板の中央部およびその周囲への薄膜形成を防止するために用いられる内マスクにおける本体部によって円板状基板の中央部およびその周辺部を覆うと共に、本体部と連続する軸部を貫通孔に貫通させ且つ軸部に設けられた内マスク固定機構と本体部とによって円板状基板を挟持することによって内マスクと円板状基板とを一体化し、円板状基板の外周部を覆う外マスクに対して固着力を及ぼすことによって搬送アームにおけるマスク保持面に対して外マスクを保持すると共に、内マスクに対して固着力を及ぼすことによってマスク保持面に対して一体化された内マスクおよび円板状基板を固定し、搬送アームにおけるマスク保持面に対して薄膜形成装置における基板ホルダを対向させた後、基板ホルダにおける基板保持面と円板状基板裏面とが略接触するまで基板ホルダを搬送アームに接近させ、基板ホルダ側における外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力を作用させた状態にて、搬送アームにおける外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力を減じ、基板ホルダ側における外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力によって、外マスク、内マスクおよび円板状基板を基板ホルダにおける基板保持面に固定し、基板ホルダを円板状基板、内マスクおよび外マスクと共に薄膜製装置内部における薄膜形成位置に移送し、円板状基板表面に薄膜を形成することを特徴としている。
【0022】
【実施の形態】
(第一の実施の形態)
本発明に係る内マスクおよびこれを用いる基板に関して、図面を参照してまず詳述する。図1に、本発明における第一の実施の形態に係る内マスクおよび当該内マスクが取り付けられる基板の略中央部における断面概略を示す。当該内マスクが取り付け対象とする基板10は、その中央部表面に略円筒状の突起部10aを有し、且つその裏面に基板中心と同一の中心を有する円形上の凹部10bを有している。この突起部10aにおける貫通穴10cは、前述の基板支持棒(不図示)が挿貫可能な内径を有しており、突起部10aの基板10表面からの高さは、基板10を積み重ねた際にこれらが互いに接触することを容易に防止し得る値を有している。なお、貫通穴10cの内径は、当該基板10が最終製品に加工された際にその中央部に形成される貫通穴の内径より小さく設定されている。
【0023】
図示される内マスク1は、頂部から下部にかけてその径が連続的に大きくなる内マスク本体3と、内マスク本体3の下部からマスク本体の中心軸上に延在する軸部5とを有している。すなわち、内マスク1は、その軸方向上部において本体部を有し、その下部において軸部5を有しているまた、内マスク本体3の裏面(下面)には、本実施形態において対象とした基板10上に設けられた突起部10aが収容される環状溝部3bが形成されている。軸部5は、当該内マスク1を基板10に対して固定する働きを有する内マスク固定機構をさらに有している。本実施の形態においては、内マスク固定機構は、軸部5に設けられた小径部5a、大径部5b、および当該小径部5aの外周部に配置された固定治具であるバネ部材7とより構成されている。小径部5aは、マスク本体部3における接触面3aが基板10表面と密着した際に、基板10の裏面と略対応する位置に設けられており、大径部5bは小径部5aと同軸上でこれと連続する位置に設けられている。
【0024】
本実施の形態において固定治具として用いたバネ部材7に関し、これを巻きつける小径部5aの軸方向に沿って当該バネ部材7を切断した断面図を図2Aに、軸方向に垂直な平面にて切断した断面を図2Bにそれぞれ示す。バネ部材7は、螺旋状のバネの両端部を近づけ、略リング状に成型することによって得られている。このリング形状において、その内径DIは小径部5aの外径と同じもしくはわずかに大きい値に、外形DOは、大径部5bよりわずかに大きく且つ貫通穴10cの内径よりもわずかに大きい値となるように設定されている。大径部5bは、基板10における貫通穴10cの内径より小さな外径を有しており、この大径部5bによって、バネ部材7は軸部5における軸方向の移動が規制されている。
【0025】
従って、図1に示すように、バネ部材7における螺旋部の中心が基板10の裏面よりも外方に存在する場合には、バネ部材7におけるリング形状外径部は貫通穴10cの開口外周部に接触することとなる。小径部5aの長さを適当なものとすることにより、バネ部材7は貫通穴10cの開口外周部と大径部5aの端部とに接触しその軸方向の移動が規制されるとともに、これらを所定の位置関係に固定する。従って、基板10はバネ部材7と内マスク本体部3との間に挟持され、これらの位置関係が固定される。
【0026】
また、バネ部材7は、軸部5における軸心方向に受ける負荷が所定値より大きい場合には、そのリング形状の外径が貫通穴10cの内径より小さくなるように変形する。すなわち、軸部5を貫通穴10cから引き抜こうとした場合、所定値以上の力でこれを行うことにより、貫通穴10cの内壁等からこの軸方向の負荷を受けそのリング形状を変形させて、バネ部材7を貫通穴10cの内部を移動させることが可能となる。
【0027】
本実施の形態の如く、内マスクに対して、当該内マスクを基板に対して固定する働きを有する内マスク固定機構を付加する事により、基板の搬送時において、当該内マスクと基板との相対的関係を確実に維持することが可能となる。従って、薄膜形成装置と基板移載機構との間において内マスクを取り付けた状態の基板等の授受を安全に行うことが可能となる。また、本実施の形態における内マスク固定機構は、固定治具であるリング状バネ部材の大きさに依存し、これを非常に小さく構成することが可能である。本体部の大きさは、必要最小限の大きさからなる貫通穴の内径あるいは軸部の径より大きい径を有するものであれば、その厚さも含めて任意に設定することが可能である。従って、製膜工程において当該内マスクの影響を膜形成領域から極力排除し得るように、その大きさ等を任意に設定することも可能である。
【0028】
なお、本実施の形態においては、固定治具としてリング形状とされたバネ部材を用いており、当該形状のバネは容易に最大外形を減縮し得ることおよびその形状は経時的に変化しないこと等から最も好ましいと考えられる。しかしながら、本発明は当該部材によって限定されない。例えば、複数の螺旋状のバネ部材を小径部5aの周囲に配置する、あるいは軸部5の軸心を中心として略放射状に配置することとしても良い。また、螺旋状のバネを板バネ等に置き換えることとしても良い。また、バネに換えてゴム等の弾性材料を用いることとしても良い。この場合、これら部材は軸部5から突出することとなるが、これら突出部の先端部を結んで得られる円形の軌跡のについての径を外径として述べる。すなわち、小径部5aの周囲に配置可能であり、通常は貫通穴10cの内径より大きな外径を有するが軸心方向の負荷によってその外径を貫通穴10cの内径より小さくなるよう変形可能な弾性的な作用を有した構成要素であれば、本発明における固定治具として用いることが可能である。
【0029】
(第二の実施の形態)
図3に、本発明における第二の実施の形態に係る内マスクおよび当該内マスクが取り付けられる基板の略中央部における断面概略を示す。なお、基板10に関しては、図1に示したものと同一であるためここでの説明は省略する。図示される内マスク11は、頂部から下部にかけてその径が連続的に大きくなる内マスク本体13と、内マスク本体13の下部からマスク本体の中心軸上に延在する軸部15とを有している。また、内マスク本体13の裏面(下面)には、本実施形態において対象とした基板10上に設けられた突起部10aが収容される環状溝部13bが形成されている。
【0030】
軸部15は、当該内マスク1を基板10に対して固定する働きを有する内マスク固定機構をさらに有している。本実施の形態においては、内マスク固定機構は、軸部15に設けられたコレットチャック16より構成されている。コレットチャック16は、マスク本体部13における接触面13aが基板10表面と密着した際に、基板10の裏面と略対応する位置にその頸部が配置されるよう設けられており、軸部15と同軸上でこれと連続する位置に設けられている。なお、本発明におけるコレットチャックとは、所定幅を有するスリットが軸部15端部から本体13に向けて形成されており、且つスリットの形成範囲において軸部外径が大きくなった大径部分が形成されていれば良い。大径部分は軸心方向の負荷を受けることによってスリットを狭めるように容易に変形し、第一の実施の形態において述べた本発明における内マスク固定機構の役割を果たすこととなる。
【0031】
本実施の形態においては、第一の実施の形態のように軸部上に小径部を設けてここに固定治具を配置する構成と異なり、軸部自体にその外径を拡大させる弾性的な機構をもたせている。すなわち、本実施の形態においては、軸部の外径が拡大した状態を利用して、この拡大部分を内マスク本体との間に基板を挟持し、これにより基板と内マスクとの位置関係を固定することとしている。また、内マスクを基板より取り外す場合には、ある程度の力で軸部を貫通穴より引き抜くことにより、この拡大部は弾性的にその外径を縮小して貫通孔を通過することが可能となる。従って、本発明はコレットチャックの形態に限定されるのではなく、同様の外径拡大作用を有する種々の構成あるいは当該作用を呈する部材を配置した構成を適応することが可能である。
【0032】
なお、上述の形状を有する内マスクは、従来の貫通孔の径が大きい基板に対しても適用可能である。しかしながら、貫通孔形が大きい場合、コレットチャック部16の外径が大きくなり、基板の貫通孔に当該コレットチャック部を貫通させる際に、この部分を変形させてその外径を縮小させるために要する力が大きなものとなってしまう。このため、安易に本形状を有する内マスクを従来基板に用いようとした場合、内マスクの装着を行う装置に対しては、機構の大型化、複雑化等を招きかねない。また、基板に対しては、貫通孔周囲に対しての変形、破損等を生じさせる可能性がある。すなわち、本実施の形態に示す内マスクの構成は、本発明が対象とする最終製品の貫通穴よりその内径が小径の基板、あるいは当該貫通孔を補強する作用を有する突起部10aを有する基板を用いる場合においてのみ、好適な作用を呈し得ると考えられる。
【0033】
【実施例】
次に、本発明における第一の実施の形態において述べた内マスクを、実際に成膜が行われる基板に対して用いることとし、これを成膜装置等に搬出あるいは搬入する場合について説明する。成膜等の各種処理を施す際に、基板は内マスクおよび外マスクと共に大気側の搬送アーム表面に保持される。これら基板等は、真空側の搬送アームに対して受け渡され、真空側搬送アームはこれら基板等を保持した状態にて真空装置におけるいわゆる基板の仕込み取り出し位置まで移動する。当該位置にて、真空側搬送アームは真空装置と接合され、一体化することにより基板等を保持する密閉空間を形成し、当該空間内部の大気等を排気してその真空化が図られる。真空化が達成された後に、この真空装置内部における各種処理が、基板等に対して施される。
【0034】
図4は、基板等を保持した大気側搬送アーム、およびこれと対向して基板等を受け取る真空側搬送アームの概略断面を示す図である。大気側搬送アーム30はその表面にマスク受け面30aが形成されており、マスク受け面30aの略中央部には内マスク3を収容する凹部30bが形成されている。大気側搬送アーム30は、内マスク1および外マスク20と対応し、且つ凹部30bおよびマスク受け面30aからそれぞれ所定距離を隔てて形成された内マスク用エアシリンダ35および外マスク用エアシリンダ37を有している。これらエアシリンダ35、37には、内マスク用マグネット31および外マスク用マグネット33が配置されており、これらマグネット31、33は、当該シリンダ内部にエアを供給することにより、マスク保持位置およびマスク開放位置の二位置の間を駆動される。
【0035】
本図においては、内マスク用マグネット31および外マスク用マグネット33は、各々マスク保持位置に位置しており、凹部30bおよびマスク受け面30aにおいて内マスク3および外マスク20を各々固定、保持している。その際、基板10は、内マスク1が有する固定治具7によって内マスク1と一体化しており、内マスク1を介して、大気側搬送アーム30に固定、保持されている。すなわち、内マスク1および外マスク20は、各々大気側搬送アームから作用する固着力(磁力)によって当該アーム表面に対して固定、保持されている。なお、本大気側搬送アーム30においては、その内部に有するマスク用マグネット31、33について、これをエアシリンダを用いて二位置駆動することとしている。しかし、マスクを大気側搬送アームに保持する方法、およびマグネットを駆動する方法は、当該例に限られず、公知の種々の方法を用いることが可能である。
【0036】
真空側搬送アーム40は、真空装置側の対応部分と接合されて密閉空間を形成するためのチャンバー壁41と、チャンバー壁41と略垂直な軸を中心としてベアリング43を介して当該壁に回転可能に支持されたホルダ受け部45とを有している。チャンバー壁41は、真空装置側対応部分と一体化する際に用いられるシール部材47をその外周部に有している。また、ホルダ受け部45は、不図示の係合機構を介して、その表面に基板ホルダ49を固定、保持している。
【0037】
基板ホルダ49は、略円盤状の基板10に対応した略円盤形状を有し、その表面に内マスク受け面49a、基板受け面49bおよび外マスク受け面49cがそれぞれ同心円状に設けられている。また、内マスク受け面49aの中央部には、内マスク1の軸部5を収容するためのホルダ側凹部49dが設けられている。ホルダ側凹部49dの周囲には内マスクを保持するために用いられるホルダ側内マスク用マグネット42が、また、外マスク受け面49cにはホルダ側外マスク用マグネット44がそれぞれ配置されている。すなわち、基板ホルダ49は、これらマグネットから作用する磁力(固着力)によって内および外マスクをその表面に固定、保持可能としている。
【0038】
以下、大気側搬送アーム、内マスク、基板、外マスク、ホルダ受け部および、基板ホルダの断面概略を示す図4〜7を用いて、基板等を大気側搬送アームから真空側搬送アーム(基板ホルダ)に対して受け渡す操作について述べる。図4に示す状態において、外マスク20、内マスク1および内マスクと一体化された基板10は、大気側搬送アーム30が有する外マスク用マグネット33および内マスク用マグネット31の磁力によって、大気側搬送アーム30に保持されている。真空側搬送アーム40は、大気側搬送アームが保持する基板10等と基板ホルダ49が正対する位置まで移動し、停止する。正対後、基板ホルダ49は、大気側搬送アーム30に向けて前進する。
【0039】
当該前進操作は、図5に示すような、基板10におけるマスクを支持する面とは異なる面(以下裏面)が基板ホルダにおける基板受け面49と略接触した時点にて停止される。この基板ホルダと基板との接触タイミングは、不図示の近接センサ等によってその検出操作が行われる。この状態において、外マスク20に対しては、大気側搬送アームの外マスク用マグネット33からの磁力と、基板ホルダ側外マスク用マグネット44からの磁力とが作用している。保持位置における外マスク用マグネット33から受ける磁力は、ホルダ側のマグネット44から受ける磁力より大きくなるように設定されており、従って、外マスク20は大気側搬送アーム30によって固定、保持されている。同様に、内マスク本体3は、ホルダ側内マスク用マグネット42より大きな磁力を作用させる大気側搬送アームの内マスク用マグネット33によって、大気側搬送アーム30によって固定、保持されている。
【0040】
基板ホルダ49と基板10とが略接触し、基板ホルダ49の前進操作が停止された後、内マスク用マグネット31および外マスク用マグネット33のマスク開放位置への移動がそれぞれ行われる。これらマグネットの移動によって、外マスク20に作用する磁力に関しては、ホルダ側外マスク用マグネット44からの磁力の作用が支配的になる。このため、外マスク20は、図示の状態において基板ホルダ49によって固定、保持されることとなる。また、内マスク1に関しても同様に、ホルダ側内マスク用マグネット42から受ける磁力の作用が支配的になり、基板ホルダ49によって固定、保持されることとなる。この状態から、図7に示すように、基板ホルダ49が大気側搬送アーム30から離れることによって、基板10、内マスク1および外マスク20の大気側搬送アーム30から基板ホルダ49への移載操作が終了する。当該操作終了後、真空側搬送アームは真空装置における所定位置まで移動し、密閉室の形成、真空排気等を経て基板に対するスパッタリンク成膜等の各種処理を施す。当該処理終了後、これまでと逆の操作を経て基板10等は大気側搬送アームに移載される。
【0041】
以上の構成を用いることにより、基板の移載等のみに用いる小径の中央貫通孔を有する基板に対して、容易にかつ精度良くその表面中央部を覆う内マスクを提供することが可能となる。また、内マスクと基板との間隔等は、固定治具によって常に一定として管理することが可能となる。従って、スパッタリングによる成膜工程中において内マスク等に起因した異常放電等が生じた場合に、その対策を講じることが従来の場合と比較して容易になると考えられる。
【0042】
なお、本実施例においては、内マスクとして磁力による保持が可能な磁性材料からなるものを用いることとした。しかしながら、当該材料は、スパッタリングにおける放電空間中に存在する場合に、電場を歪めて基板上に成膜される膜質あるいは膜厚等の不均一を生じさせる恐れがある。この対策として、本発明に係る内マスクを樹脂等、非磁性且つ電気的に絶縁性の材料から形成することとしても良い。この場合、大気側搬送アームにおいては、例えば固着力を真空吸着によって得ることとし、当該固着力によって内マスクを大気側搬送アームに固定、保持することとすれば良い。また、基板ホルダにおいては、内マスクの軸部に更なる固定治具を配置することとし、当該固定治具を用いて固着力を得て、内マスクを固定、保持することとすれば良い。
【0043】
また、本発明を用いる際に対象となる薄膜形成装置として、いわゆるスパッタリング装置をここでは挙げたが、本発明の適用例はこれに限られず、いわゆる蒸着装置、CVD装置等、種々の薄膜形成装置に対して適用することが可能である。また、本発明は、単に光ディスク等の製造方法に対して用いられるのみならず、中央部分の除去工程が後に施され得る製品、例えばハードディスク等の円板状の部材全てにおける膜形成工程に対しても適用可能である。
【0044】
【本発明の効果】
本発明の実施により、中央部に小径の貫通孔を有する円板状基板に対して、内マスクを精度良く固定、一体化することが可能となり、搬送中においても基板と内マスクとの間で位置ずれを生じさせること無く搬送することが可能となる。従って、当該基板をホルダに対して安定して密着させて、保持することも同時に可能となる。これにより、スピンコート法による成膜工程だけでなく、スパッタリング法による成膜工程において中央穴が存在しない円板状基板に対して薄膜形成を行うことが可能となり、膜厚、膜質の均一性がより高い薄膜を得ることが可能となる。また、スパッタ法おける基板の保持部品を減らすことにより、成膜工程における異常放電の低減を図ることが可能となる。
【0045】
さらに、本発明の実施により、大気中において基板を確実に保持し、移送し、スパッタリング装置との基板の授受等を安全に行うことが可能となり、一連の成膜工程の自動化が容易となる。また、基板と外マスクとの相対的な位置関係を固定した上で、スッパタリング装置に対してのこれらの搬入、搬出等が行われるため、マスクによる異常放電の発生、あるいは膜厚等の分布に対するマスクの影響等の発生を容易に押さえることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第一の実施の形態に係る内マスクおよび当該内マスクを装着した基板の断面概略を示す図である。
【図2A】図1に示した内マスクにおける固定治具を内マスクにおける軸方向に切断した状態における断面状態を示す図である。
【図2B】図2Aに示した固定治具を内マスクにおける軸方向から見た状態を示す図である。
【図3】本発明における第二の実施の形態に係る内マスクおよび当該内マスクを装着した基板の断面概略を示す図である。
【図4】図1に示す内マスクの実施例であって、スパッタリング装置における大気側における基板等搬送アーム、スパタリング装置側における基板搬送アーム、およびこれらアームに保持される内マスク、基板および外マスクの断面概略を示す図である。
【図5】図4に示す実施例であって、スパッタリング装置における大気側における基板等搬送アーム、およびスパタリング装置側における基板搬送アームでの基板等の移載工程を示す図である。
【図6】図4に示す実施例であって、スパッタリング装置における大気側における基板等搬送アーム、およびスパタリング装置側における基板搬送アームでの基板等の移載工程を示す図である。
【図7】図4に示す実施例であって、スパッタリング装置における大気側における基板等搬送アーム、およびスパタリング装置側における基板搬送アームでの基板等の移載工程を示す図である。
【符号の説明】
1、11:内マスク
3、13:内マスク本体
5、15:軸部
7:バネ部材(固定治具)
10:基板
16:コレットチャック
20:外マスク
30:大気側搬送アーム
31:内マスク用マグネット
33:外マスク用マグネット
35:内マスク用エアシリンダ
37:外マスク用エアシリンダ
40:真空側搬送アーム
41:チャンバー壁
42:ホルダ側内マスク用マグネット
43:ベアリング
44:ホルダ側外マスク用マグネット
45:ホルダ受け部
47:シール部材
49:基板ホルダ
【発明の属する技術の分野】
本発明は、円板状の基板に対して薄膜を形成する薄膜形成装置に関し、より詳細には、当該装置を用いて薄膜形成を行う際に、円板状の基板に付随して用いられるいわゆる内マスクに関する。また、本発明は、当該装置において用いられる円板状基板、内マスクおよび外マスクの受け渡しを行う方法に関する。さらに、本発明は、当該方法において用いられるいわゆる内マスク、および当該機構を用いていわゆる光ディスク等のディスク状(円板状)の記録媒体を製造するディスク状記録媒体の製造方法にも関する。
【0002】
【従来技術】
【特許文献1】特開平09−111453号公報
【特許文献2】特開平07−029218号公報
【特許文献3】特開2001−209981号公報
【0003】
円板状の基板に対して各種薄膜を形成して製造される記録媒体、特にディスク状の形状を有するものとして、例えば、CD、CD−R、CD−RW等のCD系ディスク、あるいはDVD−ROM、DVD−R、等のDVD系ディスク等の光ディスク、あるいはMO、MD等の光磁気ディスク等、種々のディスクが存在する。これらディスクは、例えばポリカーボネート等の素材からなる基板に対して、スパッタリング法、スピンコート法等の種々の方法を用いて薄膜を積層することによって製造されている。
【0004】
一般に、これらディスクの素材となる基板は、その供給時において、すでに中央部に貫通穴が形成されている。以降の薄膜形成工程では、通常この中央穴を用いて、成膜装置等への搬入および搬出、および成膜装置等における基板の位置決め等のハンドリングが行われる。しかしながら、この中央穴の存在は、成膜時において、例えば基板上における薄膜の膜厚あるいは膜質の分布を低下させる恐れがある。このために、一般的には、
【特許文献1】乃至
【特許文献3】に開示されるように、中央穴に対していわゆる内マスクと呼ばれる一種のキャップ等をかぶせ、その存在が成膜工程に与える影響を極力小さくした状態での成膜が行われる。
【0005】
例えば、DVD系のディスク製造時においては、スピンコート法を用いて紫外線硬化樹脂からなる薄膜が、その構成膜の一つとして形成される。具体的には、まず、回転可能なテーブル上に、その中心とテーブルの回転中心とを一致させるように基板が搭載される。このため、中央穴を貫通するような回転軸を用いる、あるいはテーブルの回転中心に対して同心状に固定されるキャップをディスクの中心穴に配置する等の操作によって、基板のテーブルに対する位置決めと固定が為される。
【0006】
次に、回転中のディスクに対して、中心穴近傍あるいはキャップ端部からディスク外周に向けて、連続的に樹脂の滴下が為される。滴下された樹脂は、ディスクの回転に伴う遠心力により拡散され、その結果基板表面上に樹脂薄膜の形成が行われる。なお、薄膜となった樹脂は、その後紫外線の照射等の工程を経て安定な膜構造とされる。
【0007】
この場合、回転中心より外れた位置に樹脂の滴下を行わざるを得ないため、このことに起因した膜厚の分布が生じていた。しかし、現在、一般的に記録の読み取り等に用いられている赤色レーザー光は、比較的波長が長いためにこの分布は許容し得る範囲のものであった。なお、今後、光ディスクの記録密度をより高めるために、波長の短い例えば青色レーザー光を用いた場合には、より均一性の高い薄膜を得ることが必要となる。
【0008】
また、反射膜等に用いられる金属薄膜等は、スパッタリング法を用いて形成される。当該方法においては、円板状基板は、中央穴部分とその外周部分が治具によって覆われた形で、真空容器中でターゲット正面に固定、保持される。一般的には、このターゲットに対してある電圧が与えられ、これによってターゲットと基板との間に放電が発生し、プラズマが生じる。当該プラズマ中のイオンによってターゲット表面のターゲット構成元素がスパッタされ、このスパッタ粒子が基板表面に付着することによって膜形成が行われる。
【0009】
その際、基板表面に対して基板固定用の治具あるいは前述のマスク等が接触した場合、膜形成時に薄膜と治具等との間で異常放電を発生する場合がある。これは、放電によって薄膜中あるいは治具等表面に蓄えられた電荷が、治具等と膜面との接触点から放出されることによる。また、治具等が放電空間に張り出すと、その存在によって電界をゆがめ、その結果膜厚分布に対しても影響を与える場合が生じる。このため、基板表面と治具等とは常に一定の微少間隔を空けて保持されることが好ましく、可能であれば治具等を用いないことが好ましい。
【0010】
本出願人は、以上の課題を解決する手段として、すなわち当該スピンコート法を用いる工程において膜厚分布をより改善する方法として、中央部に穴を設けない基板を用いた製造工程を提案している。当該基板を用いた場合、スパッタ時に基板固定に用いる治具が減少することから、基板表面と治具との間隔の一定保持が容易となり、異常放電の低減も容易となると考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スパッタリング装置近傍までの基板の移送、当該装置内部への搬送、成膜時における基板の保持、成膜後における当該装置からの基板の搬出等は、通常、基板の外周および基板に設けられた中央穴を用いて行われている。また、従来の基板は、その中央穴に対して支持棒を挿貫させることによって、複数枚を積み重ねるようにして保管している。従って、基板に中央穴が全く存在していない場合、基板の搬送、保管等各段階において従来とは大きく異なる周辺装置が必要となる。
【0012】
また、これら基板の搬送等は、基本的に基板の外周を保持して為される頻度が高くなると思われる。しかし、将来的に、基板の外周端近傍まで基板上の機能部分であるいわゆる記録エリアが拡大された場合、この保持に用い得る領域が小さくなりすぎ、安定した基板の保持等が困難となる可能性もあり得る。
【0013】
従って、基板に対して、上述の製膜工程においてその存在の影響を容易に排除することが可能であり、同時に基板保持等のために使用可能な大きさを有する中央穴を形成するが好ましいと考えられる。また、同時に、製膜時においてこの中央穴を覆う内マスクについても、当該内マスクによって製膜工程時に発生する影響も、上述の背景に鑑みて、充分に小さく抑えられる形状等を有することが好ましいと考えられる。
【0014】
また、先にも述べたように、上述の基板は、いわゆる内マスクおよび外マスクによってその内周部および外周部をそれぞれ被った状態で、スパッタリングによりその表面への薄膜の形成が行われる。これら内マスクおよび外マスクに対しては、基板に対する成膜時に基板と同様に薄膜が付着するため、これら薄膜が適当な厚さまで積層された場合にその除去を行う必要がある。このため、これらマスクは製膜装置内部に予め設置されるのではなく、基板に対して内マスクおよび外マスクが固定された状態で、基板と共にスッパタリング装置に対しての搬入、搬出等が行われることが好ましい。従って、上述の、基板における中央穴および内マスクの形状等は、これら搬入搬出等の操作が容易に為される構成であることも同時に求められる。
【0015】
本発明はこれら上述の課題に対して案出されたものであり、大気中において基板等を確実に保持し、移送し、スパッタリング装置等の薄膜形成装置との基板等の授受を安全に行い得る基板およびマスク構造、およびこれら基板等の受け渡し方法および当該方法の提供を目的とするものである。本発明は、より詳細には内マスクの構成に関して着目し、基板の搬送時に当該内マスクと基板との相対的関係についても確実な維持を可能とすることを目的としている。さらに、本発明は、当該受け渡し方法を具現化したスパッタリング装置等の薄膜形成装置、および当該装置を用いたディスク状記録媒体の製造方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る内マスクは、中央部に貫通孔を有する円板状基板表面に薄膜を形成する際に円板状基板の中央部およびその周囲への薄膜形成を防止するために用いられる内マスクであって、軸方向上部において軸方向とは垂直に形成されて円板状基板の中央部およびその周辺を覆う円板状の本体部と、軸方向の下部において本体部と接続された貫通孔内径よりも小さな外径を有する軸部と、軸部に配置された、軸部の外径を前記貫通孔内径より部分的に大きくし、軸方向に垂直であって且つ軸心方向に向かう負荷が与えられた場合には部分的に大きくなった外径を貫通孔内径より小さくする弾性的作用を有する内マスク固定機構とを有し、本体部と内マスク固定機構とによって円板状基板を挟持する事で内マスクを円板状基板に対して固定することを特徴としている。
【0017】
なお、上記内マスクにおいては、内マスク固定機構は、軸部周囲に配置された弾性部材および軸部に形成された弾性部材を収容する収容部とから構成されることが好ましい。また、その際、弾性部材はコイル状のバネの両端部を接続してなるリング状のバネ部材であり、収容部は軸部に形成された小径部であることが好ましい。
【0018】
また、上述の内マスクにおいては、内マスク固定機構は、前記軸部に形成された所定幅を有して前記軸部の端部から前記本体部に向けて延在するスリットと、前記スリットの形成範囲であって前記軸部の外径が大きくなった大径部分とから構成されることが好ましい。その際、貫通孔は、円板状基板に薄膜形成が為されて最終製品となった際にその中央部に配置される貫通孔の内径より小さな内径を有することが好ましい。さらに、上記内マスクにおいては、円板状基板は内マスク本体部方向に突出する筒状部分を貫通孔周囲に有し、本体部は筒状部分を収容する環状溝部を有することが好ましい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る円板状基板の受け渡し方法は、中央部に貫通孔を有する円板状基板表面に薄膜を形成する薄膜形成装置において円板状基板を保持する基板ホルダに対して、円板状基板と共に、円板状基板の中央部およびその周囲への薄膜形成を防止するために用いられる内マスクおよび円板状基板の外周部への薄膜形成を防止する外マスクを受け渡す基板受け渡し方法であって、内マスクにおける本体部によって円板状基板の中央部およびその周辺部を覆うと共に、本体部と連続する軸部を貫通孔に貫通させ且つ軸部に設けられた内マスク固定機構と本体部とによって円板状基板を挟持することによって内マスクと円板状基板とを一体化し、外マスクに対して固着力を及ぼすことによって搬送アームにおけるマスク保持面に対して外マスクを保持すると共に、内マスクに対して固着力を及ぼすことによってマスク保持面に対して一体化された内マスクおよび円板状基板を固定し、搬送アームにおけるマスク保持面に対して基板ホルダを対向させた後、基板ホルダにおける基板保持面と円板状基板裏面とが略接触するまで基板ホルダを搬送アームに接近させ、基板ホルダ側における外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力を作用させた状態にて、搬送アームにおける外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力を減じ、基板ホルダ側における外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力によって、外マスク、内マスクおよび円板状基板を基板ホルダにおける基板保持面に固定することを特徴としている。
【0020】
なお、上述の方法においては、マスクに対して及ぼされる固着力は、搬送アームおよび基板ホルダ各々の内部に設けられた磁石によって得られることが好ましい。また、上述の方法においては、内マスク固定機構は、軸部に配置され、軸部の外径を貫通孔内径より部分的に大きくし、軸方向に垂直であって且つ軸心方向に向かう負荷が与えられた場合には部分的に大きくなった外径を貫通孔内径より小さくする弾性的作用を有する部材からなることとすることが好ましい。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る円板状記録媒体の製造方法は、中央部に貫通孔を有する円板状基板表面に薄膜を形成する円板状記録媒体の製造方法であって、円板状基板の中央部およびその周囲への薄膜形成を防止するために用いられる内マスクにおける本体部によって円板状基板の中央部およびその周辺部を覆うと共に、本体部と連続する軸部を貫通孔に貫通させ且つ軸部に設けられた内マスク固定機構と本体部とによって円板状基板を挟持することによって内マスクと円板状基板とを一体化し、円板状基板の外周部を覆う外マスクに対して固着力を及ぼすことによって搬送アームにおけるマスク保持面に対して外マスクを保持すると共に、内マスクに対して固着力を及ぼすことによってマスク保持面に対して一体化された内マスクおよび円板状基板を固定し、搬送アームにおけるマスク保持面に対して薄膜形成装置における基板ホルダを対向させた後、基板ホルダにおける基板保持面と円板状基板裏面とが略接触するまで基板ホルダを搬送アームに接近させ、基板ホルダ側における外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力を作用させた状態にて、搬送アームにおける外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力を減じ、基板ホルダ側における外マスクに対する固着力および内マスクに対する固着力によって、外マスク、内マスクおよび円板状基板を基板ホルダにおける基板保持面に固定し、基板ホルダを円板状基板、内マスクおよび外マスクと共に薄膜製装置内部における薄膜形成位置に移送し、円板状基板表面に薄膜を形成することを特徴としている。
【0022】
【実施の形態】
(第一の実施の形態)
本発明に係る内マスクおよびこれを用いる基板に関して、図面を参照してまず詳述する。図1に、本発明における第一の実施の形態に係る内マスクおよび当該内マスクが取り付けられる基板の略中央部における断面概略を示す。当該内マスクが取り付け対象とする基板10は、その中央部表面に略円筒状の突起部10aを有し、且つその裏面に基板中心と同一の中心を有する円形上の凹部10bを有している。この突起部10aにおける貫通穴10cは、前述の基板支持棒(不図示)が挿貫可能な内径を有しており、突起部10aの基板10表面からの高さは、基板10を積み重ねた際にこれらが互いに接触することを容易に防止し得る値を有している。なお、貫通穴10cの内径は、当該基板10が最終製品に加工された際にその中央部に形成される貫通穴の内径より小さく設定されている。
【0023】
図示される内マスク1は、頂部から下部にかけてその径が連続的に大きくなる内マスク本体3と、内マスク本体3の下部からマスク本体の中心軸上に延在する軸部5とを有している。すなわち、内マスク1は、その軸方向上部において本体部を有し、その下部において軸部5を有しているまた、内マスク本体3の裏面(下面)には、本実施形態において対象とした基板10上に設けられた突起部10aが収容される環状溝部3bが形成されている。軸部5は、当該内マスク1を基板10に対して固定する働きを有する内マスク固定機構をさらに有している。本実施の形態においては、内マスク固定機構は、軸部5に設けられた小径部5a、大径部5b、および当該小径部5aの外周部に配置された固定治具であるバネ部材7とより構成されている。小径部5aは、マスク本体部3における接触面3aが基板10表面と密着した際に、基板10の裏面と略対応する位置に設けられており、大径部5bは小径部5aと同軸上でこれと連続する位置に設けられている。
【0024】
本実施の形態において固定治具として用いたバネ部材7に関し、これを巻きつける小径部5aの軸方向に沿って当該バネ部材7を切断した断面図を図2Aに、軸方向に垂直な平面にて切断した断面を図2Bにそれぞれ示す。バネ部材7は、螺旋状のバネの両端部を近づけ、略リング状に成型することによって得られている。このリング形状において、その内径DIは小径部5aの外径と同じもしくはわずかに大きい値に、外形DOは、大径部5bよりわずかに大きく且つ貫通穴10cの内径よりもわずかに大きい値となるように設定されている。大径部5bは、基板10における貫通穴10cの内径より小さな外径を有しており、この大径部5bによって、バネ部材7は軸部5における軸方向の移動が規制されている。
【0025】
従って、図1に示すように、バネ部材7における螺旋部の中心が基板10の裏面よりも外方に存在する場合には、バネ部材7におけるリング形状外径部は貫通穴10cの開口外周部に接触することとなる。小径部5aの長さを適当なものとすることにより、バネ部材7は貫通穴10cの開口外周部と大径部5aの端部とに接触しその軸方向の移動が規制されるとともに、これらを所定の位置関係に固定する。従って、基板10はバネ部材7と内マスク本体部3との間に挟持され、これらの位置関係が固定される。
【0026】
また、バネ部材7は、軸部5における軸心方向に受ける負荷が所定値より大きい場合には、そのリング形状の外径が貫通穴10cの内径より小さくなるように変形する。すなわち、軸部5を貫通穴10cから引き抜こうとした場合、所定値以上の力でこれを行うことにより、貫通穴10cの内壁等からこの軸方向の負荷を受けそのリング形状を変形させて、バネ部材7を貫通穴10cの内部を移動させることが可能となる。
【0027】
本実施の形態の如く、内マスクに対して、当該内マスクを基板に対して固定する働きを有する内マスク固定機構を付加する事により、基板の搬送時において、当該内マスクと基板との相対的関係を確実に維持することが可能となる。従って、薄膜形成装置と基板移載機構との間において内マスクを取り付けた状態の基板等の授受を安全に行うことが可能となる。また、本実施の形態における内マスク固定機構は、固定治具であるリング状バネ部材の大きさに依存し、これを非常に小さく構成することが可能である。本体部の大きさは、必要最小限の大きさからなる貫通穴の内径あるいは軸部の径より大きい径を有するものであれば、その厚さも含めて任意に設定することが可能である。従って、製膜工程において当該内マスクの影響を膜形成領域から極力排除し得るように、その大きさ等を任意に設定することも可能である。
【0028】
なお、本実施の形態においては、固定治具としてリング形状とされたバネ部材を用いており、当該形状のバネは容易に最大外形を減縮し得ることおよびその形状は経時的に変化しないこと等から最も好ましいと考えられる。しかしながら、本発明は当該部材によって限定されない。例えば、複数の螺旋状のバネ部材を小径部5aの周囲に配置する、あるいは軸部5の軸心を中心として略放射状に配置することとしても良い。また、螺旋状のバネを板バネ等に置き換えることとしても良い。また、バネに換えてゴム等の弾性材料を用いることとしても良い。この場合、これら部材は軸部5から突出することとなるが、これら突出部の先端部を結んで得られる円形の軌跡のについての径を外径として述べる。すなわち、小径部5aの周囲に配置可能であり、通常は貫通穴10cの内径より大きな外径を有するが軸心方向の負荷によってその外径を貫通穴10cの内径より小さくなるよう変形可能な弾性的な作用を有した構成要素であれば、本発明における固定治具として用いることが可能である。
【0029】
(第二の実施の形態)
図3に、本発明における第二の実施の形態に係る内マスクおよび当該内マスクが取り付けられる基板の略中央部における断面概略を示す。なお、基板10に関しては、図1に示したものと同一であるためここでの説明は省略する。図示される内マスク11は、頂部から下部にかけてその径が連続的に大きくなる内マスク本体13と、内マスク本体13の下部からマスク本体の中心軸上に延在する軸部15とを有している。また、内マスク本体13の裏面(下面)には、本実施形態において対象とした基板10上に設けられた突起部10aが収容される環状溝部13bが形成されている。
【0030】
軸部15は、当該内マスク1を基板10に対して固定する働きを有する内マスク固定機構をさらに有している。本実施の形態においては、内マスク固定機構は、軸部15に設けられたコレットチャック16より構成されている。コレットチャック16は、マスク本体部13における接触面13aが基板10表面と密着した際に、基板10の裏面と略対応する位置にその頸部が配置されるよう設けられており、軸部15と同軸上でこれと連続する位置に設けられている。なお、本発明におけるコレットチャックとは、所定幅を有するスリットが軸部15端部から本体13に向けて形成されており、且つスリットの形成範囲において軸部外径が大きくなった大径部分が形成されていれば良い。大径部分は軸心方向の負荷を受けることによってスリットを狭めるように容易に変形し、第一の実施の形態において述べた本発明における内マスク固定機構の役割を果たすこととなる。
【0031】
本実施の形態においては、第一の実施の形態のように軸部上に小径部を設けてここに固定治具を配置する構成と異なり、軸部自体にその外径を拡大させる弾性的な機構をもたせている。すなわち、本実施の形態においては、軸部の外径が拡大した状態を利用して、この拡大部分を内マスク本体との間に基板を挟持し、これにより基板と内マスクとの位置関係を固定することとしている。また、内マスクを基板より取り外す場合には、ある程度の力で軸部を貫通穴より引き抜くことにより、この拡大部は弾性的にその外径を縮小して貫通孔を通過することが可能となる。従って、本発明はコレットチャックの形態に限定されるのではなく、同様の外径拡大作用を有する種々の構成あるいは当該作用を呈する部材を配置した構成を適応することが可能である。
【0032】
なお、上述の形状を有する内マスクは、従来の貫通孔の径が大きい基板に対しても適用可能である。しかしながら、貫通孔形が大きい場合、コレットチャック部16の外径が大きくなり、基板の貫通孔に当該コレットチャック部を貫通させる際に、この部分を変形させてその外径を縮小させるために要する力が大きなものとなってしまう。このため、安易に本形状を有する内マスクを従来基板に用いようとした場合、内マスクの装着を行う装置に対しては、機構の大型化、複雑化等を招きかねない。また、基板に対しては、貫通孔周囲に対しての変形、破損等を生じさせる可能性がある。すなわち、本実施の形態に示す内マスクの構成は、本発明が対象とする最終製品の貫通穴よりその内径が小径の基板、あるいは当該貫通孔を補強する作用を有する突起部10aを有する基板を用いる場合においてのみ、好適な作用を呈し得ると考えられる。
【0033】
【実施例】
次に、本発明における第一の実施の形態において述べた内マスクを、実際に成膜が行われる基板に対して用いることとし、これを成膜装置等に搬出あるいは搬入する場合について説明する。成膜等の各種処理を施す際に、基板は内マスクおよび外マスクと共に大気側の搬送アーム表面に保持される。これら基板等は、真空側の搬送アームに対して受け渡され、真空側搬送アームはこれら基板等を保持した状態にて真空装置におけるいわゆる基板の仕込み取り出し位置まで移動する。当該位置にて、真空側搬送アームは真空装置と接合され、一体化することにより基板等を保持する密閉空間を形成し、当該空間内部の大気等を排気してその真空化が図られる。真空化が達成された後に、この真空装置内部における各種処理が、基板等に対して施される。
【0034】
図4は、基板等を保持した大気側搬送アーム、およびこれと対向して基板等を受け取る真空側搬送アームの概略断面を示す図である。大気側搬送アーム30はその表面にマスク受け面30aが形成されており、マスク受け面30aの略中央部には内マスク3を収容する凹部30bが形成されている。大気側搬送アーム30は、内マスク1および外マスク20と対応し、且つ凹部30bおよびマスク受け面30aからそれぞれ所定距離を隔てて形成された内マスク用エアシリンダ35および外マスク用エアシリンダ37を有している。これらエアシリンダ35、37には、内マスク用マグネット31および外マスク用マグネット33が配置されており、これらマグネット31、33は、当該シリンダ内部にエアを供給することにより、マスク保持位置およびマスク開放位置の二位置の間を駆動される。
【0035】
本図においては、内マスク用マグネット31および外マスク用マグネット33は、各々マスク保持位置に位置しており、凹部30bおよびマスク受け面30aにおいて内マスク3および外マスク20を各々固定、保持している。その際、基板10は、内マスク1が有する固定治具7によって内マスク1と一体化しており、内マスク1を介して、大気側搬送アーム30に固定、保持されている。すなわち、内マスク1および外マスク20は、各々大気側搬送アームから作用する固着力(磁力)によって当該アーム表面に対して固定、保持されている。なお、本大気側搬送アーム30においては、その内部に有するマスク用マグネット31、33について、これをエアシリンダを用いて二位置駆動することとしている。しかし、マスクを大気側搬送アームに保持する方法、およびマグネットを駆動する方法は、当該例に限られず、公知の種々の方法を用いることが可能である。
【0036】
真空側搬送アーム40は、真空装置側の対応部分と接合されて密閉空間を形成するためのチャンバー壁41と、チャンバー壁41と略垂直な軸を中心としてベアリング43を介して当該壁に回転可能に支持されたホルダ受け部45とを有している。チャンバー壁41は、真空装置側対応部分と一体化する際に用いられるシール部材47をその外周部に有している。また、ホルダ受け部45は、不図示の係合機構を介して、その表面に基板ホルダ49を固定、保持している。
【0037】
基板ホルダ49は、略円盤状の基板10に対応した略円盤形状を有し、その表面に内マスク受け面49a、基板受け面49bおよび外マスク受け面49cがそれぞれ同心円状に設けられている。また、内マスク受け面49aの中央部には、内マスク1の軸部5を収容するためのホルダ側凹部49dが設けられている。ホルダ側凹部49dの周囲には内マスクを保持するために用いられるホルダ側内マスク用マグネット42が、また、外マスク受け面49cにはホルダ側外マスク用マグネット44がそれぞれ配置されている。すなわち、基板ホルダ49は、これらマグネットから作用する磁力(固着力)によって内および外マスクをその表面に固定、保持可能としている。
【0038】
以下、大気側搬送アーム、内マスク、基板、外マスク、ホルダ受け部および、基板ホルダの断面概略を示す図4〜7を用いて、基板等を大気側搬送アームから真空側搬送アーム(基板ホルダ)に対して受け渡す操作について述べる。図4に示す状態において、外マスク20、内マスク1および内マスクと一体化された基板10は、大気側搬送アーム30が有する外マスク用マグネット33および内マスク用マグネット31の磁力によって、大気側搬送アーム30に保持されている。真空側搬送アーム40は、大気側搬送アームが保持する基板10等と基板ホルダ49が正対する位置まで移動し、停止する。正対後、基板ホルダ49は、大気側搬送アーム30に向けて前進する。
【0039】
当該前進操作は、図5に示すような、基板10におけるマスクを支持する面とは異なる面(以下裏面)が基板ホルダにおける基板受け面49と略接触した時点にて停止される。この基板ホルダと基板との接触タイミングは、不図示の近接センサ等によってその検出操作が行われる。この状態において、外マスク20に対しては、大気側搬送アームの外マスク用マグネット33からの磁力と、基板ホルダ側外マスク用マグネット44からの磁力とが作用している。保持位置における外マスク用マグネット33から受ける磁力は、ホルダ側のマグネット44から受ける磁力より大きくなるように設定されており、従って、外マスク20は大気側搬送アーム30によって固定、保持されている。同様に、内マスク本体3は、ホルダ側内マスク用マグネット42より大きな磁力を作用させる大気側搬送アームの内マスク用マグネット33によって、大気側搬送アーム30によって固定、保持されている。
【0040】
基板ホルダ49と基板10とが略接触し、基板ホルダ49の前進操作が停止された後、内マスク用マグネット31および外マスク用マグネット33のマスク開放位置への移動がそれぞれ行われる。これらマグネットの移動によって、外マスク20に作用する磁力に関しては、ホルダ側外マスク用マグネット44からの磁力の作用が支配的になる。このため、外マスク20は、図示の状態において基板ホルダ49によって固定、保持されることとなる。また、内マスク1に関しても同様に、ホルダ側内マスク用マグネット42から受ける磁力の作用が支配的になり、基板ホルダ49によって固定、保持されることとなる。この状態から、図7に示すように、基板ホルダ49が大気側搬送アーム30から離れることによって、基板10、内マスク1および外マスク20の大気側搬送アーム30から基板ホルダ49への移載操作が終了する。当該操作終了後、真空側搬送アームは真空装置における所定位置まで移動し、密閉室の形成、真空排気等を経て基板に対するスパッタリンク成膜等の各種処理を施す。当該処理終了後、これまでと逆の操作を経て基板10等は大気側搬送アームに移載される。
【0041】
以上の構成を用いることにより、基板の移載等のみに用いる小径の中央貫通孔を有する基板に対して、容易にかつ精度良くその表面中央部を覆う内マスクを提供することが可能となる。また、内マスクと基板との間隔等は、固定治具によって常に一定として管理することが可能となる。従って、スパッタリングによる成膜工程中において内マスク等に起因した異常放電等が生じた場合に、その対策を講じることが従来の場合と比較して容易になると考えられる。
【0042】
なお、本実施例においては、内マスクとして磁力による保持が可能な磁性材料からなるものを用いることとした。しかしながら、当該材料は、スパッタリングにおける放電空間中に存在する場合に、電場を歪めて基板上に成膜される膜質あるいは膜厚等の不均一を生じさせる恐れがある。この対策として、本発明に係る内マスクを樹脂等、非磁性且つ電気的に絶縁性の材料から形成することとしても良い。この場合、大気側搬送アームにおいては、例えば固着力を真空吸着によって得ることとし、当該固着力によって内マスクを大気側搬送アームに固定、保持することとすれば良い。また、基板ホルダにおいては、内マスクの軸部に更なる固定治具を配置することとし、当該固定治具を用いて固着力を得て、内マスクを固定、保持することとすれば良い。
【0043】
また、本発明を用いる際に対象となる薄膜形成装置として、いわゆるスパッタリング装置をここでは挙げたが、本発明の適用例はこれに限られず、いわゆる蒸着装置、CVD装置等、種々の薄膜形成装置に対して適用することが可能である。また、本発明は、単に光ディスク等の製造方法に対して用いられるのみならず、中央部分の除去工程が後に施され得る製品、例えばハードディスク等の円板状の部材全てにおける膜形成工程に対しても適用可能である。
【0044】
【本発明の効果】
本発明の実施により、中央部に小径の貫通孔を有する円板状基板に対して、内マスクを精度良く固定、一体化することが可能となり、搬送中においても基板と内マスクとの間で位置ずれを生じさせること無く搬送することが可能となる。従って、当該基板をホルダに対して安定して密着させて、保持することも同時に可能となる。これにより、スピンコート法による成膜工程だけでなく、スパッタリング法による成膜工程において中央穴が存在しない円板状基板に対して薄膜形成を行うことが可能となり、膜厚、膜質の均一性がより高い薄膜を得ることが可能となる。また、スパッタ法おける基板の保持部品を減らすことにより、成膜工程における異常放電の低減を図ることが可能となる。
【0045】
さらに、本発明の実施により、大気中において基板を確実に保持し、移送し、スパッタリング装置との基板の授受等を安全に行うことが可能となり、一連の成膜工程の自動化が容易となる。また、基板と外マスクとの相対的な位置関係を固定した上で、スッパタリング装置に対してのこれらの搬入、搬出等が行われるため、マスクによる異常放電の発生、あるいは膜厚等の分布に対するマスクの影響等の発生を容易に押さえることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第一の実施の形態に係る内マスクおよび当該内マスクを装着した基板の断面概略を示す図である。
【図2A】図1に示した内マスクにおける固定治具を内マスクにおける軸方向に切断した状態における断面状態を示す図である。
【図2B】図2Aに示した固定治具を内マスクにおける軸方向から見た状態を示す図である。
【図3】本発明における第二の実施の形態に係る内マスクおよび当該内マスクを装着した基板の断面概略を示す図である。
【図4】図1に示す内マスクの実施例であって、スパッタリング装置における大気側における基板等搬送アーム、スパタリング装置側における基板搬送アーム、およびこれらアームに保持される内マスク、基板および外マスクの断面概略を示す図である。
【図5】図4に示す実施例であって、スパッタリング装置における大気側における基板等搬送アーム、およびスパタリング装置側における基板搬送アームでの基板等の移載工程を示す図である。
【図6】図4に示す実施例であって、スパッタリング装置における大気側における基板等搬送アーム、およびスパタリング装置側における基板搬送アームでの基板等の移載工程を示す図である。
【図7】図4に示す実施例であって、スパッタリング装置における大気側における基板等搬送アーム、およびスパタリング装置側における基板搬送アームでの基板等の移載工程を示す図である。
【符号の説明】
1、11:内マスク
3、13:内マスク本体
5、15:軸部
7:バネ部材(固定治具)
10:基板
16:コレットチャック
20:外マスク
30:大気側搬送アーム
31:内マスク用マグネット
33:外マスク用マグネット
35:内マスク用エアシリンダ
37:外マスク用エアシリンダ
40:真空側搬送アーム
41:チャンバー壁
42:ホルダ側内マスク用マグネット
43:ベアリング
44:ホルダ側外マスク用マグネット
45:ホルダ受け部
47:シール部材
49:基板ホルダ
Claims (10)
- 中央部に貫通孔を有する円板状基板表面に薄膜を形成する際に前記円板状基板の中央部およびその周囲への薄膜形成を防止するために用いられる内マスクであって、
軸方向上部において前記軸方向とは垂直に形成され、前記円板状基板の中央部およびその周辺を覆う円板状の本体部と、
前記軸方向の下部において前記本体部と接続された前記貫通孔内径よりも小さな外径を有する軸部と、
前記軸部に配置され、前記軸部の外径を前記貫通孔内径より部分的に大きくし、前記軸方向に垂直であって且つ軸心方向に向かう負荷が与えられた場合には前記部分的に大きくなった外径を前記貫通孔内径より小さくする弾性的作用を有する内マスク固定機構とを有し、
前記本体部と前記内マスク固定機構とによって前記円板状基板を挟持する事で前記内マスクを前記円板状基板に対して固定することを特徴とする内マスク。 - 前記内マスク固定機構は、前記軸部周囲に配置された弾性部材および前記軸部に形成された前記弾性部材を収容する収容部とから構成されることを特徴とする請求項1記載の内マスク。
- 前記弾性部材はコイル状のバネの両端部を接続してなるリング状のバネ部材であり、前記収容部は前記軸部に形成された小径部であることを特徴とする請求項2記載の内マスク。
- 前記内マスク固定機構は、前記軸部に形成された所定幅を有して前記軸部の端部から前記本体部に向けて延在するスリットと、前記スリットの形成範囲であって前記軸部の外径が大きくなった大径部分とから構成されることを特徴とする請求項1記載の内マスク。
- 前記貫通孔は、前記円板状基板に薄膜形成が為されて最終製品となった際にその中央部に配置される貫通孔の内径より小さな内径を有することを特徴とする請求項4記載の内マスク。
- 前記円板状基板は前記内マスク本体部方向に突出する筒状部分を前記貫通孔周囲に有し、前記本体部は前記筒状部分を収容する環状溝部を有することを特徴とする請求項1記載の内マスク。
- 中央部に貫通孔を有する円板状基板表面に薄膜を形成する薄膜形成装置において前記円板状基板を保持する基板ホルダに対して、前記円板状基板と共に、前記円板状基板の中央部およびその周囲への薄膜形成を防止するために用いられる内マスクおよび前記円板状基板の外周部への薄膜形成を防止する外マスクを受け渡す基板受け渡し方法であって、
前記内マスクにおける本体部によって前記円板状基板の中央部およびその周辺部を覆うと共に、前記本体部と連続する軸部を前記貫通孔に貫通させ且つ前記軸部に設けられた内マスク固定機構と前記本体部とによって前記円板状基板を挟持することによって前記内マスクと前記円板状基板とを一体化し、
前記外マスクに対して固着力を及ぼすことによって搬送アームにおけるマスク保持面に対して前記外マスクを保持すると共に、前記内マスクに対して固着力を及ぼすことによって前記マスク保持面に対して一体化された前記内マスクおよび前記円板状基板を固定し、
前記搬送アームにおけるマスク保持面に対して前記基板ホルダを対向させた後、前記基板ホルダにおける基板保持面と前記円板状基板裏面とが略接触するまで前記基板ホルダを前記搬送アームに接近させ、
前記基板ホルダ側における前記外マスクに対する固着力および前記内マスクに対する固着力を作用させた状態にて、前記搬送アームにおける前記外マスクに対する固着力および前記内マスクに対する固着力を減じ、
前記基板ホルダ側における前記外マスクに対する固着力および前記内マスクに対する固着力によって、前記外マスク、内マスクおよび円板状基板を前記基板ホルダにおける前記基板保持面に固定することを特徴とする基板受け渡し方法。 - 前記マスクに対して及ぼされる固着力は、前記搬送アームおよび前記基板ホルダ各々の内部に設けられた磁石によって得られることを特徴とする請求項7記載の方法。
- 前記内マスク固定機構は、前記軸部に配置され、前記軸部の外径を前記貫通孔内径より部分的に大きくし、前記軸方向に垂直であって且つ軸心方向に向かう負荷が与えられた場合には前記部分的に大きくなった外径を前記貫通孔内径より小さくする弾性的作用を有する部材からなることを特徴とする請求項7記載の方法。
- 中央部に貫通孔を有する円板状基板表面に薄膜を形成する円板状記録媒体の製造方法であって、
前記円板状基板の中央部およびその周囲への薄膜形成を防止するために用いられる内マスクにおける本体部によって前記円板状基板の中央部およびその周辺部を覆うと共に、前記本体部と連続する軸部を前記貫通孔に貫通させ且つ前記軸部に設けられた内マスク固定機構と前記本体部とによって前記円板状基板を挟持することによって前記内マスクと前記円板状基板とを一体化し、
前記円板状基板の外周部を覆う外マスクに対して固着力を及ぼすことによって搬送アームにおけるマスク保持面に対して前記外マスクを保持すると共に、前記内マスクに対して固着力を及ぼすことによって前記マスク保持面に対して一体化された前記内マスクおよび前記円板状基板を固定し、
前記搬送アームにおけるマスク保持面に対して薄膜形成装置における基板ホルダを対向させた後、前記基板ホルダにおける基板保持面と前記円板状基板裏面とが略接触するまで前記基板ホルダを前記搬送アームに接近させ、
前記基板ホルダ側における前記外マスクに対する固着力および前記内マスクに対する固着力を作用させた状態にて、前記搬送アームにおける前記外マスクに対する固着力および前記内マスクに対する固着力を減じ、
前記基板ホルダ側における前記外マスクに対する固着力および前記内マスクに対する固着力によって、前記外マスク、内マスクおよび円板状基板を前記基板ホルダにおける前記基板保持面に固定し、
前記基板ホルダを前記円板状基板、内マスクおよび外マスクと共に前記薄膜製装置内部における薄膜形成位置に移送し、
前記円板状基板表面に薄膜を形成することを特徴とする円板状記録媒体の製造方法。
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JP2003177755A JP2005018814A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | 円板状基板用内マスク、成膜装置に対する内マスク、外マスクおよび基板の受け渡し方法、および当該方法を用いた円板状記録媒体の製造方法 |
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JP4763040B2 (ja) * | 2006-03-28 | 2011-08-31 | 東北精機工業株式会社 | スパッタリング装置および薄膜成膜方法 |
-
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- 2003-06-23 JP JP2003177755A patent/JP2005018814A/ja active Pending
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