JPH10101492A - ビスマス置換型ガーネット材料及びその製造方法 - Google Patents

ビスマス置換型ガーネット材料及びその製造方法

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JPH10101492A
JPH10101492A JP27713596A JP27713596A JPH10101492A JP H10101492 A JPH10101492 A JP H10101492A JP 27713596 A JP27713596 A JP 27713596A JP 27713596 A JP27713596 A JP 27713596A JP H10101492 A JPH10101492 A JP H10101492A
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garnet
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bismuth
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gdbi
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Tadakuni Sato
忠邦 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料特性に大きく影響する結晶性を改善し、
挿入損失を低減したBi置換型ガーネット材料及びその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 GdBi系ガーネット単結晶またはTb
Bi系ガーネット単結晶中に、酸化白金をPtO2換算
で0.1〜3.0wt%の範囲で含有させる。また、液相
成長法によりGdBi系ガーネット単結晶またはTbB
i系ガーネット単結晶を育成する際、熱処理温度を10
00〜1170℃の範囲、熱処理における雰囲気の酸素
濃度を10〜100vol%の範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファラデー効果を
有する光学用ガーネット材料である特にビスマス(B
i)置換型ガーネット材料及びその製造方法に関し、特
に、液相成長法(LPE法)にて育成したGdBi系ガ
ーネット及びTbBi系ガーネット単結晶厚膜及びその
製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光通信において、ファラデー回転
を応用したデバイスが開発、実用化されている。しか
し、光通信の際、半導体レーザを使用した場合、光ファ
イバーケーブルやコネクタ等からの反射光が半導体レー
ザ等に戻ると発振が不安定となる。この不安定性を防止
するために、光アイソレータが使用されている。
【0003】大きなファラデー回転を持つBi置換型希
土類鉄ガーネットは、LPE法、フラックス法等で育成
され、近赤外領域での光アイソレータに使用されてい
る。特に、LPE法による育成は、生産性に優れている
ので、低価格で光アイソレータ材料の供給を可能として
いる。
【0004】また、Bi置換型ガーネットの中でも、特
に、GdBi系ガーネット、TbBi系ガーネットは、
印加磁界が約1000Oe以下と小さく、小型の永久磁
石を印加磁場用として利用できる特徴がある。
【0005】ところで、光アイソレータは、順方向の光
に対しては、より高い透過率を示し、逆方向の光に対し
ては、より低い透過率を示すことが望ましい。したがっ
て、それに使用されるガーネット材料は、ファラデー回
転係数が約1000deg/cm以上と大きく、光透過
率が高い、即ち、光吸収損失が0.3dB以下と低いこ
とが要求される。さらに、高性能な光アイソレータに
は、挿入損失が0.1dB以下のガーネット材料が要求
される方向にある。
【0006】このような光アイソレータ材料に用いられ
るBi置換型ガーネットの液相成長は、次のようにして
行われている。るつぼの中に、酸化鉛(PbO)、酸化
ビスマス(Bi23)、酸化ホウ素(B23)をフラッ
クス成分とし、ガーネット育成成分[酸化ガドリニウム
(Gd23)、酸化テルビウム(Tb23)、酸化第二
鉄(Fe23)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化
ガリウム(Ga23)等]を約850〜1000℃にて
溶解して成長用溶液を作製した後、降温して過飽和状態
とする。その溶液の中に、ガーネット基板を浸漬し、長
時間回転させながら、ガーネット結晶厚膜を育成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、LPE法
により、Bi置換型ガーネットを析出育成する場合、過
飽和成分の濃度管理が極めて重要となり、溶液の温度や
流動状態によって育成ガーネットの組成が変化し、材料
特性も変化することになる。LPE法では、溶液の温度
制御や基板の回転数制御等を実施することにより、結晶
育成状態を管理している。
【0008】しかしながら、析出するガーネットの組成
を十分に制御できる状態には至っていない。したがっ
て、特性のばらつきが生じ、光の透過率が小さくなるた
め、挿入損失が増大することになる。
【0009】そこで、本発明の技術的課題は、LPE法
によって、Bi23成分を多量に含有する溶液からBi
23を主成分とするBi置換型ガーネットを析出させる
際、材料特性に大きく影響する組成において、更に元素
を添加することにより、挿入損失を低減したBi置換型
ガーネット材料及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、GdBi系
ガーネット単結晶またはTbBi系ガーネット単結晶中
に、酸化白金をPtO2換算で0.1〜3.0wt%の範
囲で含有することを特徴とするビスマス置換型ガーネッ
ト材料である。
【0011】また、本発明は、ガーネット基板上に、
液相成長法によりGdBi系ガーネット単結晶またはT
bBi系ガーネット単結晶を育成するビスマス置換型ガ
ーネット材料の製造方法において、GdBi系ガーネッ
ト単結晶またはTbBi系ガーネット単結晶中に、酸化
白金をPtO2換算で0.1〜3.0wt%の範囲で含有
させることを特徴とするビスマス置換型ガーネット材料
の製造方法である。
【0012】また、本発明は、熱処理温度が1000
〜1170℃の範囲であることを特徴とする上記のビ
スマス置換型ガーネット材料の製造方法である。
【0013】また、本発明は、熱処理における雰囲気
の酸素濃度が10〜100vol%の範囲であることを
特徴とする上記またはのビスマス置換型ガーネット
材料の製造方法である。
【0014】本発明は、Bi置換型ガーネット材料に、
酸化白金を、PtO2換算で0.1〜3.0wt%含有さ
せることにより、ガーネット材料の挿入損失の低減を実
現するものである。これは、結晶格子内のエネルギー状
態が安定化するためと推察される。PtO2含有量を0.
1〜3.0wt%としたのは、0.1wt%以上でエネル
ギー状態の安定化効果が顕著となり、挿入損失が著しく
低減するからであり、一方、3.0wt%を越えると、
エネルギー状態の不安定化を生じて、挿入損失が著しく
増加するからである。
【0015】また、熱処理温度は、主にガーネット結晶
の組成均質化に関係するため、熱処理温度を限定するこ
とにより、結晶格子の規則性を向上させるのに効果があ
ると推察される。熱処理温度を1000〜1170℃の
範囲としたのは、1000℃以上で挿入損失の低減が顕
著となり、一方、1170℃を越えると、挿入損失の増
大が顕著になると判断できるからである。
【0016】また、本発明では、熱処理における雰囲気
の酸素濃度を限定したが、熱処理雰囲気は、主に酸素の
空格子に関係し、結晶格子の規則性を向上させるのに効
果があると推察される。熱処理雰囲気の酸素濃度を10
〜100vol%の範囲としたのは、10vol%以上
で挿入損失の低減が顕著となるからである。
【0017】
【発明の実施の形態】高純度のGd23等の粉末を原料
として使用し、フラックスとしてPbO−Bi23−B
23系を使用して、LPE法により、Nd3Ga512
板上に、PtO2を所定量含有したGdBi系ガーネッ
ト厚膜を育成した後、基板除去し、所定の条件で熱処理
することで、本発明の第1の実施の形態のBi置換型ガ
ーネット材料が得られる。
【0018】高純度のTb23等の粉末を原料として使
用し、フラックスとしてPbO−Bi23−B23系を
使用して、LPE法により、(GdCa)3(GaMg
Zr)512基板上に、PtO2を所定量含有したTbB
i系ガーネット厚膜を育成した後、基板除去し、所定の
条件で熱処理することで、本発明の第2の実施の形態の
Bi置換型ガーネット材料が得られる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
【0020】(実施例1)高純度(99.9%以上)の
酸化ガドリニウム(Gd23)、酸化第二鉄(Fe
23)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ガリウム
(Ga23)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化鉛(P
bO)、酸化ホウ素(B23)及び酸化白金(Pt
2)の粉末を原料として使用し、フラックスとしてP
bO−Bi23−B23系を使用して、LPE法によ
り、酸化白金を含有した(GdBi)3(FeGaA
l)512系ガーネットを育成した。このとき使用した
基板は、Nd3Ga51 2単結晶であり、格子定数は1
5.509オングストローム、基板の方位は〈111〉
である。育成結晶として、厚さ約500μmのGd2.1
Bi0.9Fe4.6Ga0 .2Al0.212なる主組成にPtO
2を0.04〜4.94wt%含有するGdBi系ガーネ
ット厚膜単結晶11点を得た。
【0021】次に、この試料の基板を除去した後、50
vol%の酸素濃度の雰囲気中、1100℃で20時間
保持し、熱処理した。次に、これらのGdBi系ガーネ
ット試料の両面を研磨し、厚さ約350μmの試料板と
した。上述したGdBi系ガーネット厚膜の組成は、こ
れら試料の両面について10点ずつEPMA分析を行
い、計20点の平均値として求めた。
【0022】次に、これら試料板にSiO2膜による無
反射被覆処理を行った後、約1kOeの磁界を印加し、
波長1.3μmにおける挿入損失を測定した。図1に、
GdBi系ガーネット厚膜結晶のPtO2含有量と挿入
損失の関係を示す。図1より、PtO2含有量が0.1〜
3.0wt%の範囲で、挿入損失が低くなる傾向を示し
ていることがわかる。
【0023】(実施例2)実施例1と同様にして、Pt
2を1.6wt%含有するGdBi系ガーネット厚膜結
晶を育成、基板除去後、50vol%酸素雰囲気中、1
000〜1200℃で20時間熱処理した後、研磨し、
挿入損失を測定した。その結果を図2に示す。図2よ
り、熱処理温度が1000〜1170℃の範囲では、非
熱処理に比べ、挿入損失が低減していることがわかる。
【0024】(実施例3)実施例1と同様にして、Pt
2を1.6wt%含有するGdBi系ガーネット厚膜結
晶を育成、基板除去後、酸素濃度を0〜100vol%
まで変化させた窒素混合雰囲気中、1100℃で20時
間熱処理した後、研磨し、挿入損失を測定した。その結
果を図3に示す。図3より、雰囲気の酸素濃度が10〜
100vol%では、挿入損失が低減していることがわ
かる。
【0025】(実施例4)高純度(99.9%以上)の
酸化テルビウム(Tb23)、酸化第二鉄(Fe
23)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化鉛(Pb
O)、酸化ホウ素(B23)及び酸化白金(PtO2
の粉末を原料として使用し、(GdCa)3(GaMg
Zr)512基板(格子定数12.490オングストロー
ム、基板の方位〈111〉)上に、実施例1と同様にし
て、PtO2を0.03及び1.3wt%含有したTb2.1
Bi0.9Fe512なる組成のTbBi系ガーネット厚膜
(約500μm厚)を育成した。
【0026】次に、実施例1と同様にして、基板除去
後、熱処理、研磨、測定を行った。その挿入損失の測定
結果を表1に示す。
【0027】
【0028】表1より、TbBi系ガーネット厚膜の挿
入損失は、PtO2含有量1.3wt%、熱処理試料で、
低減していることがわかる。
【0029】なお、本発明は、上記実施例の組成、波長
にとどまるものではなく、LPE法で作製されたGdB
i系ガーネット、TbBi系ガーネットに適用すること
ができるものであり、測定波長がガーネットの吸収スペ
クトルに対応していないものであれば、本発明の効果が
期待できる。
【0030】上記実施例に示したガーネットは、波長
1.3μmにおけるファラデー回転係数が約1100d
eg/cm以上であり、飽和磁化がGdBi系ガーネッ
トで約200G、TbBi系ガーネットで約600〜8
00Gであり、ファラデー回転素子、例えば光アイソレ
ータとして実用できる特性を示している。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、材料特性に大きく影響する結晶性を改善し、挿入損
失を低減したBi置換型ガーネット材料及びその製造方
法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】GdBi系ガーネット厚膜結晶におけるPtO
2含有量と挿入損失の関係を示す図。
【図2】GdBi系ガーネット厚膜結晶における熱処理
温度と挿入損失の関係を示す図。
【図3】GdBi系ガーネット厚膜結晶における熱処理
雰囲気の酸素濃度と挿入損失の関係を示す図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GdBi系ガーネット単結晶またはTb
    Bi系ガーネット単結晶中に、酸化白金をPtO2換算
    で0.1〜3.0wt%の範囲で含有することを特徴とす
    るビスマス置換型ガーネット材料。
  2. 【請求項2】 ガーネット基板上に、液相成長法により
    GdBi系ガーネット単結晶またはTbBi系ガーネッ
    ト単結晶を育成するビスマス置換型ガーネット材料の製
    造方法において、GdBi系ガーネット単結晶またはT
    bBi系ガーネット単結晶中に、酸化白金をPtO2
    算で0.1〜3.0wt%の範囲で含有させることを特徴
    とするビスマス置換型ガーネット材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱処理温度が1000〜1170℃の範
    囲であることを特徴とする請求項2記載のビスマス置換
    型ガーネット材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱処理における雰囲気の酸素濃度が10
    〜100vol%の範囲であることを特徴とする請求項
    2または3記載のビスマス置換型ガーネット材料の製造
    方法。
JP27713596A 1996-09-27 1996-09-27 ビスマス置換型ガーネット材料及びその製造方法 Withdrawn JPH10101492A (ja)

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Effective date: 20050708

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